JP2006502532A - イオン移動度分光分析を実施する方法および機器 - Google Patents

イオン移動度分光分析を実施する方法および機器 Download PDF

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Abstract

分析すべき気体の入口(IC)を備えた反応ゾーン(RZ)と、少なくとも1つのイオン検出器(D)を備えたドリフトゾーン(DZ)とに、帯電可能格子(G)により分割されたチャンバ(C)内に配置された複数の電極(Ei)を含むイオン移動度分光分析計を用いて1またはそれ以上の種Si,Sj,...,Snからなる気体の分析を実施することを目的として、前記電極(Ei)が、このチャンバ(C)の軸(x)に沿った空間で均一でない少なくとも1つの電界(ERZ、EOZ)を生成する方法および機器である。

Description

本発明は、イオン移動度分光分析を実施するための方法、特に、マイクロエレクトロニクス産業で利用されるものといったような非常に純粋な気体の中に含まれる不純物をより多く同時に分析することに関する。本発明はまた、前記方法を実施する機器にも関する。
イオン移動度分光分析は、同じく分析技術を実施するための機器を表わす略語IMS(この場合 Ion Mobility Spectromer という用語の略)と共に化学分析の分野では一般的に知られている。
IMS技術の利点は、機器のサイズが小さくコストが低いことと合わせて、感度が極めて高いことにある。適切な条件下で動作させることにより、気体混合物中の気相または蒸気相の種をピコグラム(pg、すなわち10-12グラム)量でまたは1兆分の1量(ppt、試料ガスの分子1012個あたりの分析された物質1分子に等しい)濃度で検出することが可能である。気体混合物の大部分を形成する気体を、今後「キャリヤガス」と呼び、混合物自体を「試料ガス」と呼ぶことにする。
この技術の応用分野は、民生部門(特にクリーンルーム内の無機または有機汚染物質または工業排ガス中の有毒種の業界における検出用)および軍事部門(特に、爆発性または神経ガスなどといった毒性物質の存在の検出用)の両方において数多く存在する。例えば、米国特許第5,457,316号、5,955,886号および6,229,143号において、IMS分析方法および機器が開示されている。
既知のIMS機器は基本的に、一方の端部には、入口電極およびイオン化部材を通って導入される試料ガス用の入口を有し、かつ反対側の端部には荷電粒子の検出器を有する円筒形チャンバで構成されている。検出器は通常接地電位に保たれ、一方入口電極は検出器(それぞれ正または負のモードで作動する機器)のものよりも高いかまたは低い電位に保たれる。明細書の残りの部分においては、正のモードにおけるIMS機器の使用が常に言及されることになり、これは、最も一般的な使用条件に対応しているものの、これらの考慮事項はすべて負のモードでの使用のためにもまた有効である。帯電可能な格子がチャンバを、この分野で「反応ゾーン」(機器の入口側)および「ドリフトゾーン」(機器の検出器側)と呼ばれる2つのゾーンに分割する。2つのゾーンの壁に沿って、全体的に環状をした1系列の電極が配置されており、チャンバの長手軸の方向に均一に粒子検出器に向かってイオンを輸送する電界を入口電極と検出器との間に作り出すべく、規定の電圧に設定されている。その運動中、イオンは、通常イオン運動の方向に対し逆流している気体によって減速される。この気体は、検出器を含むチャンバの終りのダクトから導入され、反対側にある出口から排出される。この分野では「ドリフトガス」と定義づけられる逆流ガスは、キャリヤガスと同じまたは異なるものであり得る超純粋ガスである。
イオン化部材は、一般的には63Niからなるベータ放射線源である。作業モードに従い、入口電極の電荷と反対の電荷をもつイオンはその上で中和され、一方この電極と同じ正負記号をもつ電荷を伴うイオンは、反発力を受け反応ゾーン内で加速される。第1のイオン化は、一般に微量元素として存在するその他の種のものよりその濃度が数ケタ高いことに起因して、基本的にキャリヤガスのイオンのみを排他的に生成し、キャリヤガスに対応する一次イオン(primary ion)は、該分野で「反応イオン」と呼ばれる。反応ゾーン内では、反応イオンの電荷は、その電子または陽子親和力、そのイオン化電位またはその電気陰性度に応じて、以下のタイプの反応に従って、存在する種(species)の間で分配される。
Figure 2006502532
なお式中、R+は反応イオン、Rは反応イオンの中和に由来する中性分子(すなわちキャリヤガス分子)、Siは分析すべきi番目の種の分子および、Si +はSiに対応するイオンを表わす。イオンSi +は往々にして、1またはそれ以上の中性分子との会合に起因して複合種を発生させるが、表記を容易にするため、一般性を失うことなく、以後は常に単なるイオンについて言及するものとする。
これらのイオンは全て、電界により、一般に直線で平行な導電性部材、特に金属ワイヤで作られた帯電可能な格子に向かって、輸送される。格子部材は、2つの互いに交番する系列にグループ分けされ、ここに1系列の各部材が、最も近い部材として、もう1系列の2つの部材を有するようになっている。格子の2つの部材系列は通常、それぞれ格子電極の電位よりも高いおよび低い電位値でバイアスされる。かくして一般にその点におけるチャンバの長手方向軸に沿った電界に比べて大きい横方向の電界が、格子平面に作り出され、そのため、反応ゾーン内に存在するイオンが、格子を構成する2つの系列のうちの1つの系列の部材に向かって加速され中和されることになる。このような条件下で、格子は「閉鎖され」(closed)、イオンがドリフトゾーンに向かって移行するのを防止する。
分析を実施すべきとき、2系列の格子部材は格子電極と同じ電位にされ、かくして横方向電界を打ち消す。これらの条件で、格子は「開放し」(open)、かくしてイオンはドリフトゾーン内へと前進することができるようになる。この格子開放は、一般に数100マイクロセカンド持続し、この時間中、反応ゾーン内に存在するイオンの一部分はドリフトゾーンに移送される。特に、格子に隣接する反応ゾーン内の円筒形体積(volume)の中に収納されたイオンの一部分によって該格子を横切り、その高さは、
Figure 2006502532
という関係式により決定される。
なお式中、Iaは、円筒形体積の高さであり、viはイオンSi +の運動速度であり、taは格子の開放時間である。格子開放時間帯の初期または中央の瞬間は、一般に「ゼロ時間」すなわち分析の開始とされる。
ドリフトゾーン内では、イオンは、軸方向電界の存在に起因する加速と、ドリフトガスとの衝突に起因する減速との合力である運動速度で、検出器に向かって輸送される。特に、i番目のイオンの運動速度は、電界に線形的に左右され、温度Tおよび圧力Pという2つの項がドリフトガスの粘性に対し及ぼす効果に従って、温度Tに正比例し、圧力Pに反比例する。電界に起因する加速は同じ電荷をもつイオンに対して同程度まで作用するものの(ただしIMSでは、全てのイオンは一般に単一の電荷を有する)、減速は、イオンに対してその単なるサイズ、形状および質量に従って異なる形で作用し、そのため各イオンは、その他のイオンのものとは一般に異なる特徴的運動速度ひいてはドリフトゾーンの横断時間(この分野では「ドリフト時間」と定義)を有することになる。検出器上に収集された電荷を記録することにより、試験の開始から経過した時間の関数として、イオン電流ピークを含むスペクトルが得られる。スペクトル中の各ピークの強度は、ピークをひき起こしたイオンSi +により輸送された電荷CSi +の量に比例する。
単一の種(species)Siを含有する試料ガスが分析される較正試験によって、与えられた気体内でかつ与えられた温度および圧力条件でのイオン種Si +の速度およびドリフト時間ならびにその種についての反応Iの効率といったデータを得ることができる。理想的な条件下で、かつ較正試験の同じ条件内で作業して、これらのデータを、スペクトル内のピークの位置に基づいて検査中の気体内の種Siの存在を決定し、また異なるピーク間の相対的サイズに基づいてその濃度を決定するために、IMS分析中で利用することができる。
しかしながら実際の分析においては、上述の理論的条件に影響を及ぼす数多くの現象に起因して、状況ははるかに複雑である。
第1の現象は、較正データが利用できない、予想外のおよび未知の種Ui(i=1,...,m)の存在の可能性からなる。これらの種は、
Figure 2006502532
といったタイプの反応に基づき、イオンSi +またはイオンR+からそれぞれ電荷を減算することにより、上記の分析に干渉する可能性がある。
その結果、スペクトル中、イオンSi +に関係するピークおよびイオンR+に関係するピーク(この分野で「反応イオンピーク」としてまたは以下で用いるように略字RIPで定義する)は、理論上の条件の場合よりも低い強度を有するか、またさらには消滅する可能性さえあり、その一方で属性をもち得ないピークが存在することになる。
さらに、反応ゾーン内で形成された種は、すでに反応ゾーンまたはドリフトゾーン内にあるその他の中性種と下記のタイプの反応により反応することができ、
Figure 2006502532
各々、各反応について異なる反応速度および平衡定数に従って異なる度合および異なる速度で進行する。
これらの反応は、R+イオンとの直接反応によって当初形成された濃度に対しIMS機器の検出器に到達したイオンの濃度の修正をひき起こし、このため、種に対応するイオンは、完全に消滅し、分析中にそれ以上これを検出することはできなくなる。これらの反応に関与する複雑な電荷移動原理の提示については、CRC pressにより1994年に発行されたG. A, Eiceman およびZ, Karpas編集の「イオン移動度分光分析」という著書を参照することができる。
IMS分析のもう1つの問題点は、機器によって読取り可能である種Siの濃度範囲にかなり制限があるということにある。IMS分析では、イオンR+が電荷移動反応の中で完全に消費されないことを要する。種Siが過度に多い量で存在している場合、I型の反応は、イオンR+が消費されるまで続く。電荷移動における一次試薬が枯渇した後、Siの濃度増大は、イオンSi +の濃度増大に対応せず、そのため、機器の読取り能力は飽和し、その読取り上限閾値に到達することになる。その上、定量的IMS分析全体はRIPの領域の決定に基づいており、従って、RIPがスペクトルから消滅した(R+の完全な消費)ときに、多成分分析内の不純物濃度の決定は不可能になる。この技術の感度は非常に高いことから、一部の種の低い濃度ですでに飽和に達している。例えば、水の場合、機器の読取り範囲内の最大値は、10億分の数十部分(ppb)であり、従って、適用分野は、低い不純物含有量をもつ気体の分析に制限されることになる。この特殊な問題は、種Siの濃度を希釈し、それを機器の読取り範囲内に戻すように、キャリヤガスに対応する超純粋ガスと試料ガスとを既知の比率で混合することによって解決することができる。しかしながら、気体清浄器、異なる気体流のための較正機器および超純粋ガスと相容性ある付加的なコンポーネントの使用が必要となることから、機器はさらに複雑かつ高価なものとなる。明らかに、機器はまた、対応するピークの領域が過度に低くその種の存在をもはや判定できない種Siの濃度である読取り下限(たとえ非常に低いものであれ)をも有している。かくして、IMS機器の下限および上限の両方の読取り閾値について一般的問題が存在している。
さらに、例えば従来の分析に由来するO2、CO、H2、H2Oなどといった気体が、化学吸着または物理吸着されて、(チャンバの内壁、電極などといった)機器内部の表面上に存在する可能性がある。代替的には、これらの気体が、機器を構成する材料の中に溶解している可能性もある。例えば一般にチャンバを構成している鋼材は、通常水素を含有している。これらの気体は、反応ゾーンとドリフトゾーンとの両方において放出される。分析中、これらは付加的な種Bi(i=1,...r)を形成し、これが、I,III またはIV型の反応に入り込む。反応ゾーン内でこれらの反応が起こった場合、試料ガス中に当初存在する種から電荷が除去され、最終スペクトル内にスプリアスピークが現われる。同じ反応は、それがドリフトゾーン内に発生した場合、代わりにスペクトルの歪をもたらす可能性がある。実際、全て同時にドリフトゾーン内に入り同じ位置(格子)から出発する種Siのイオンとは異なり、これらの種に対応するイオンは、ドリフトゾーンの異なる箇所で形成され、従って、生成箇所にしたがって異なる時点で検出器に到達する。その結果、スペクトルピーク間で、機器読取りは理論上そうであるべきであるようにゼロではなく、代わりに非ゼロスペクトル「バックグラウンド」が存在し、これは、ピークの領域の決定を複雑にするかまたはさらに低い強度のピークの場合にはその決定を事実上不可能にさえする可能性がある。種Biの存在はまた、その他の欠点にも関与してくる。まず第1に、これらはドリフトゾーン内のIII またはIV型の反応によって種Si +と反応することができ、かくして検出器まで種Si +により移送される荷電量の望ましくない減衰およびその結果としての機器の感度の低下がひき起こされる。第2に、ドリフトゾーン内の種R+と種Biの相互反応は、RIPの望ましくない減衰をひき起こす可能性があり、その結果、機器の読取り上限閾値が減少する。
その結果、IMS分析(特に多成分定量分析)においては、さまざまなメカニズムを通して最終的スペクトルの歪、ひいてはこれらの分析から得られる結果における不確実性および誤差を生み出す、理想的状態からの逸脱という一般的問題が存在する。
米国特許第5,457,316号明細書 米国特許第5,955,886号明細書 米国特許第6,229,143号明細書 CRC pressにより1994年に発行されたG. A, Eiceman およびZ, Karpas編集の「イオン移動度分光分析」
従って、本発明の目的は、IMS分析に係る上述の問題を解消するか、あるいは少なくとも最小限にすることである。
前記目的は、それぞれ請求項1および請求項8にその主要な特徴が開示されているが、その他の特徴は残りの請求項中に開示されている方法および機器を用いて達成される。
本発明による方法および機器のさらなる利点および特徴は、添付図面を参照しながら、本発明のいくつかの実施形態についての以下の詳細かつ制限的意味のない記述から、当業者には明白となるであろう。
図1を参照すると、本発明の実施形態によるIMS機器が既知の要領で、実質的に円筒形状を有するチャンバCを含んでいることがわかる。チャンバCの片端には、試料ガス用の入口ICが具備され、そのまわりにはイオン化部材IMそしてさらに外側には入口電極ERが配置され、一方チャンバCの反対側には、荷電粒子の検出器Dが具備されている。検出器Dは、通常接地電圧に保たれ、一方入口電極ERは、検出器Dよりも高いかまたは低い電圧に保たれる。帯電可能格子(electrifiable grid)GがチャンバCを、入口ICを含む反応ゾーンRZと、検出器Dを含むドリフトゾーンDZとに分割する。該実施形態においては、格子Gは、チャンバCの長手方向軸に対し垂直に配置された、互いに平行な2組の交番する導線系列を含んでいる。1系列の電極Ei(i=1,...,n)が2つのゾーンRZおよびDZの壁に沿って配置されている。これらの電極は、実質的に環形状を有し、1つずつ適切な電圧に設定され、かくして、チャンバCの長手軸xの方向に少なくとも1つの電界が入口電極ERと検出器Dとの間で作り出されるようになっている。最後の電極Enと検出器Dとの間には、スクリーン格子SGが配置されて、この検出器上に「イメージ電荷」が生成されること、つまり検出器D上に静電誘導された電荷が蓄積されることを避けるようになっている。格子Gの電線は、電極Egの中央キャビティ内に挿入されるが、これ(Eg)からは電気的に絶縁されている。格子電極と呼ばれるこの電極Egは、反応ゾーンRZ内に含まれている電極系列E1,E2,...,Egの最後の電極であり、また、ドリフトゾーンDZ内に含まれた電極系列Eg,Eg+1,...Enの最初の電極でもある。その動作中、イオンは、好ましくはドリフトガスによって減速させられ、このドリフトガスは、検出器Dが存在するチャンバCの端部に配置された入口DCを通して導入され、チャンバCのもう一方の端部で出口OCを通して流出する。
本発明のこの実施形態によるIMS機器は、従って、その幾何構造において既知のIMS機器に類似しているが、これら既知の機器では電極Eiの電圧を制御する回路は、電極ERから検出器DまでチャンバCの長手方向軸xに沿って均一な電界を生成することしかできないものの、本発明による機器には前記軸に沿って不均一な電界を生成する能力をもつ回路が具備されている。特に、前記回路は、反応ゾーンRZ内に配置された電極E1,E2,...,Egの電位およびドリフトゾーンDZ内に配置された電極Eg,Eg+1,...Enの電位を独立した形で制御するのに適している。このような構成では、電極E1,E2,...Egおよび電極Eg,Eg+1,...Enは、反応ゾーンRZおよびドリフトゾーンDZ内に少なくとも2つの異なる電界を生成することができ、これらの電界を以下ではそれぞれERZおよびEDZと称することにする。好ましい実施形態においては、前記制御回路を簡素化するため、電界ERZおよびEDZは、関連するゾーンRZおよびDZ内でそれぞれ均一である。
機器のチャンバ内で不均一電界を生成する能力をもつ回路の具体化、そして特に互いに異なる2つの均一な電界ERZおよびEDZの和からなる電界の好ましい条件は、電気技術分野の当業者にとって明白であろう。単なる一例として、かかる回路の考えられる具体化が、図2を参照して以下に示す。図2では、本発明の実施形態による制御回路が、反応ゾーンRZ内に配置された電極E1,E2,...Egのための高圧電源PRZ、格子G用の高圧電源PGおよびドリフトゾーンDZ内に配置された電極Eg,Eg+1,...En用高圧電源PDZを適切に含んでいることが分かる。電源PRZ、PGおよびPDZは、電気的に絶縁されており、直列接続された電源PRZおよびPDZと、電源PGとは、格子Gの電極Egに接続された共通の接続点CJに対し対称に接続されている。電源PRZは、反応ゾーンRZの隣接する電極E1,E2,...,Egを2つずつ相互接続する、例えば470kΩの抵抗を有する一連の抵抗RRを含む抵抗分割器に電力供給するため0〜2000Vまで変化しうる連続的電圧を供給する。電源PDZも、電源PRZと同様、ドリフトゾーンDZの隣接する電極Eg,Eg+1,...,Enを2つずつ相互接続する、例えば470kΩの抵抗を有する一連の抵抗RDを含む抵抗分割器に電力供給する。100Vの最大電圧を生成する電源PGは、格子電極Egの電位に対する、格子Gの交互2組の一連の電線の正および負の電位差を制御する。電源PRZ、PGおよびPDZの各々は、電圧調整器、高周波発振器、昇圧変圧器および整流器を含み、かくしてこれら電源は、例えば10Vといった、連続した低圧外部供給源Vccによる電力供給を受けたときに0Vから最大申告値まで線形的に変化しうる連続した高圧出力を供給することになる。電源PRZ、PGおよびPDZの入力および出力は、互いに絶縁され電気的に分離され、かくして、直列接続された2以上のモジュールによるフローティング構成を使用することが可能になる。既知の技術によるこの種の電源は、適正な入出力変換の線形性を提供し、かつ高電位は安定でしかも平滑であるものの、多成分定量分析におけるIMS機器の使用において必要とされる極めて高い安定性を得るためには、完全な伝送線形性と起こり得る負荷変動に対する特定の不感応性とを得るべく、各単一電源のために外部の分離したネガティブフィードバックループが挿入されてきた。高圧の残留リップルは、電源PRZ、PDZおよびPGの出力に接続されたpiフィルタFPIを採用することによって、著しく低減された。電源PRZおよびPDZからの出力電圧は、抵抗RRおよびRDを含む対応する各抵抗分割器の端部で、それらに対し並列に接続され、例えばそれぞれ50MΩおよび50kΩの抵抗を有する一対の抵抗RA、RBを含む補助分圧器を通して、一定に保たれている。また、電源PGからの出力電圧は、例えばそれぞれ50MΩおよび50kΩの抵抗を有する一対の抵抗RA、RBからなる補助分圧器を通して一定に保たれる。これらの分圧器の抵抗RAとRBとの間からの信号は、例えば適切なインタフェースを備えた既知の種類のコンピュータといったマイクロプロセッサを含むプログラマブル制御ユニット(図示せず)にそれ自体接続可能である端子IN1、IN2およびIN3からの制御信号と、アナログ的に比較される。これらの信号間の差、すなわち誤差信号は、信号増幅器SAにより増幅され、電力増幅器PAを通して、電源PRZ、PGおよびPDZの発振器/整流器モジュールのために必要な供給電圧が生成され、かくしてネガティブフィードバックを通して前記差異を相殺する。フィードバックシステムのループ利得は非常に高く、特に100,000を上回ることから、電源PRZ、PGおよびPDZからの出力電圧は、端子IN1、IN2およびIN3を通して制御ユニットによって提供される制御信号に対して線形的に比例し、また、負荷および電力変動があるとするこの変動からも独立している。各電源PRZおよびPDZによって供給可能な最大電流は、1.5mAであり、一方PGは最高30mAを供給することができる。制御格子Gの電源PGは、格子Gの切換え回路に電力供給するため対称差動電圧の供給を提供する、例えば50kΩの抵抗を有する4つの抵抗RCを有するさらなる固定分圧器を含む。電源PRZおよびPDZは、相互に直列接続されており、両方共、完全に独立した形で、0〜2000Vまで変化しうる電圧を生成し、かくして、チャンバCの電極Eiのシステム全体に対して0〜4000Vまで変化しうる合計電圧を印加できるようにする。この場合反応ゾーンRZの電極E1,E2,...,Egの電位とドリフトゾーンDZの電極Eg,Eg+1,...Enの電位とを独立に制御することが可能である。電源PRZおよびPDZにより生成される電位の極性は、端子IN4を通して制御ユニットから来る信号によって反転させることができる。各電源の出力電圧の極性反転は、ブリッジ状に構成され、既知のタイムスイッチTSによって制御される4つの高度に絶縁されたリードリレーからなるスイッチPを使用することによって、達成される。各リレーのスイッチング時間が規定されていないかまたは異なっていることに起因して、ブリッジの隣接ライン上に配置された2つのリレーが同時に閉じられている間、それに接続された電源または抵抗分圧器が一時的に短絡されてしまう可能性を避けるように、切換え段階では高圧は完全に遮断される。この目的で、端子IN4から極性反転信号が受信されたときに、タイムスイッチTSは一時的に電力増幅器PAの作動を禁止し、スイッチPのリレー全てが実際に切換わりその接点の振動がおさまった後で初めて、その作動状態へ自動的に入る。極性反転は、電源PRZおよびPDZについて同じ方向にかつ同時に起こる。格子Gに電力供給するために用いられた電源PGは、極性反転に関与しないが、その作動はいずれにせよ、切換えの間安全のために禁止される。極性反転の平均時間は、約30msのリレースイッチング時間に対して約1秒である。
電極Eiに電力供給し互いに直列に接続された抵抗RRおよびRDで構成される抵抗分圧器は、シャント抵抗器SRによって接地された「コールド」側に終端される。ここに該SRは、同じ分圧器に通電される電流に比例する信号を取り出すことのできる端子Tが端部に配置された、例えば10kΩといった、抵抗RRおよびRDの抵抗に比べて無視できるほどの抵抗を有する。正常な作動条件下では、電極Eiにより吸収される電流は無視できるほどのものとみなしうることから、分圧器の電流は、電源PRZおよびPDZの電圧がひとたび固定されると、一定値となる。しかしながら、例えばチャンバC内の1またはそれ以上の電極間の火花などに起因して、作動異常が発生した場合、当該電極により吸収される電流は著しく増大し、その変動は端子Tで検出可能である。
格子Gの電極Egの電位は、2つの電源PRZおよびPDZの加算ノードに存在するものであり、これら後二者について設定された値をもって変化する。格子Gは電位パルスで駆動され、この電位パルスは、加算ノードに対して対称であって電源PGを通して得られた比較的低い値、例えば10〜20Vを有する。その加算ノードは、0Vに対して正または負に変動しかつ最大2000Vまで変動しうる電位を有し得ることから、格子Gの部材の電位を制御するためには光絶縁された回路OICを使用する必要である。回路OICは、スイッチとして作用しかつ2対のホトダイオードPDによりベース駆動される高いスイッチング速度を有する4つの相補型バイポーラトランジスタBTを含んでなる。制御パルスを送信するのに適した既知のタイプの論理制御回路CCに接続された2対のエミッタダイオードEDが、同じパルスに応答して交互の対内でホトダイオードPDを導通させる。回路OICは、高圧コンポーネント(「ホット」側)と接地コンポーネント(「コールド」側)との間の必要な光学的非結合を行うばかりでなく、高いスイッチング速度で、ただし「ホット」側での能動的な電力供給を必要とすることなく、制御パルスをも提供する。実際、ホトダイオードPDにより生成された光電流は、その他の能動装置の介入なしにトランジスタBTのベースを直接駆動する。
格子Gに供給される電位パルスは、2つの電源PRZとPDZとの接続点に対して対称であることから、極性反転は電源PGにとって必要ではなく、従ってこの電源は常に定極性で動作する。既知の機器においては、格子電圧は通常、機器の軸に沿った電界に対し比例するように制御される、という点に留意すべきである。例えば、一般の機器においては、格子電圧は、軸xに沿った電界に対し3倍の電界を格子Gの平面内において生成するようなものである。本発明による機器内では、これとは代わって、例えば信号の飽和に関する上述の技術的問題を克服するため、標準よりも高い電界ERZを生じさせることが可能である。高電界ERZのもとで、反応ゾーンRZ内のイオンは強く加速され、その一部分は、それは小さいものであっても、同じく「閉鎖」(closed)格子条件下でドリフトゾーンDZ内に移行し、これによりその後の分析において問題を生じさせる。2つの直列電極の電位からは独立して格子電圧を制御可能にすることによって、この技術的問題を回避することができる。
検出用電極D上に収集された電荷は、アナログ−デジタル変換および処理システムに送信される前に適切に増幅されなくてはならない。演算装置AC(operational device)としては、例えば1GΩの抵抗および1V/nAの感度をもつ、抵抗REを有する反転構成内にてフィードバックされた、例えば75fA未満の非常に低い内部電流損失しかない演算装置を使用する。この演算装置の後には、20pA/Vに等しい感度をもつ電流−電圧変換器を形成すべく、50に等しい固定利得をもつローノイズ増幅器が続く。12dB/オクターブの勾配および3dBで5kHzのカットオフ周波数をもつ受動ローパスフィルタLPFが、プリアンプおよび電流−電圧変換器として作用する回路ACに接続される。フィルタLPFは、有用な信号に対して重大な歪あるいは減衰を与えることなしに、検出器Dの信号のスプリアス成分全てを相殺または減衰させることができる。装置ACはそれ自体、端子IN6から来る制御信号によりデジタル的にプログラミング可能な利得を有する増幅器/減衰器段AGPに接続される。この増幅器の目的は、A/D変換器(図示せず)の入力に接続される端子OUTに到達する前に、電流信号レベルを最適化することにある。実際問題として、このA/D変換器を常にそのスケール端の値、例えば10V、に近いところで(ただしそれを飽和させることなく)、作動させると、例えば16ビットといった変換器の全分解能を、あらゆる種類の信号に利用することが可能である。増幅器AGPの利得は、0,0625ステップで16〜0,0625の255個の異なる増幅値または減衰値を得ることを可能とする8ビット2進ワードによる制御ユニットを用いて、直接的にかつ実時間で、プログラムすることができる。
図3〜5は、本発明のIMS機器のチャンバC内における電界変化の傾向を示す。特にこれらのグラフ中では、反応ゾーンRZ内に均一な電界ERZが存在し、かつドリフトゾーンDZ内には反応ゾーンRZ内のものとは異なる大きさをもつ均一な電界EDZが存在する好ましい状態が示されている。これらの2つの電界は両方共、分析中に遭遇する特定のニーズまたは問題に従って修正することが可能である。
2つの異なる均一な電界の和で構成されたこの不均一な電界は、本発明の方法において、IMS分析がもつ前述の問題を解決するために使用することができる。例えば、第1の予備分析から、種(species)Siが見えないかまたはその濃度が機器飽和に到達するようなものであることが指摘された場合、それぞれ低い濃度または高い濃度に向かって機器の読取り範囲をシフトさせるため、電界ERZの値の修正を有効利用することが可能である。
本発明の方法の第1の実施形態によると、種Siの濃度が過度に低い場合、電界ERZの強度は減少される。この状況は図3に示されており、この図中、横座標はチャンバCの軸xを表わしている。軸の左端部は電極ERの位置に対応し、右側の垂直破線は検出器Dの位置に対応し、中央の垂直破線は、機器を左側の反応ゾーンRZと右側のドリフトゾーンDZに分割する格子Gの位置に対応する。縦座標軸は、電位Vを表わす。水平破線は、検出器Dが保持される接地電位を表わす。グラフ内の実線部分は実際の電位を表わし、一方RZゾーン内の破線部分は従来技術による場合に考えられる電界を表わしている。図3に例示されるような電界ERZの大きさの減少は、反応ゾーンRZ内のイオンのさらに低い速度ひいてはより長い滞留時間をもたらし、その結果、I型の反応の進展度の増大、すなわちより大量のイオンSi +の形成がもたらされる。従って、電界ERZの低減により、低い濃度に向けて機器をより低い感度レベルへシフトさせることができる。
反対に、機器信号の飽和が観察された場合、電界ERZの大きさは図4に示されているように増大させることができる。なおこの図中の記号は、図3のものと同じ意味を有する。本発明の方法のこの第2の実施形態においては、反対の効果、すなわち、反応ゾーンRZのイオンの滞留時間ひいてはI型の反応の進展度の低下がもたらされ、かくしてイオンSi +の濃度は減少する。従って、純粋ガスでの試料ガスの希釈を伴う従来の分析で達成されるものと同じ効果が得られるが、希釈方法についての上述した面倒な事態はない。電界ERZの増大は、高い濃度に向かって機器の感度上限をシフトできるようにする。
本発明の方法の第3の実施形態においては、ピーク解析(deconvolution)プロセスでスペクトルの解釈の可能性について改善するために、電界EDZの変化を有効利用することができる。図解的に図3および図4に類似した図5に示す状況においては、電界EDZの大きさの適切な増加およびその結果としてのこのゾーン内のイオンSi +の滞留時間の減少により、このゾーン内に存在する付加的な気体Bjが沈殿するIII型の反応またはIV型の反応によって生成されるイオンBj +の量を減少させることができる。付加的なイオンBj +は、RIPの領域の決定およびイオンSi +により生成されたピークの決定を複雑なものにするかまたは不可能にする歪を最終的なスペクトル内にもたらすことから、電界EDZの適切な増大はスペクトルの歪現象の低減をもたらし、結局、解釈が比較的容易なスペクトルが得られる。
電界EDZの大きさの増大およびその結果としてのゾーンDZ内のイオンSi +およびR+の滞留時間の減少により、さらに、I型、III型またはIV型の反応における付加的な種Biと、イオンSi +およびR+との交換による電荷量を最小にすることができ、従って、種SiおよびRに起因する信号を最大にすることが可能である。
好ましくは、本発明のIMS機器は、例えば適切なインタフェースを備えたコンピュータといったマイクロプロセッサを含む既知の種類の適切なプログラマブル制御ユニットに接続される。このユニットは、IMS分析の一次的(primary)結果を表わすスペクトルを自動的にかつ実時間で処理する。一次データ(primary data)に対するこの自動分析の結果として、制御ユニットは、オペレータに対して、分析された気体中の種Si(i=1,...,n)の濃度に関するデータを直接提供する。
本発明に基づく全ての変形方法の形態において、一次データを分析し種Siの濃度値を提供するユニットは、好ましくは、分析条件の連続的な制御を自動的に行うためにもこれらの一次データを使用し、これにより、「フィードバック」メカニズムによって連続的な分析が行えるような最適な値に電界ERZまたはEDZを設定する。特に、制御ユニットは、予測された種Siに関するピークが存在するかあるいは測定可能であるかをチェックし、そうでなければERZの大きさを自動的かつ実時間で減少させる。また制御ユニットは、RIPの存在も検査し、存在しない場合、ERZの大きさを自動的かつ実時間で増大させる。最後に、前記ユニットは、スペクトルにおけるその基線が過度に高いかまたはピーク重複に起因して、解釈が困難でないかをチェックし、困難である場合、EDZの大きさを増大させる。
以下の例(これに制限しないが)によって本発明をさらに説明する。これらの例は、本発明を実践すべく当業者に教示し、かつ本発明を実施するために考慮される最良の方法を表わすように意図された幾つかの実施形態を示す。本発明の方法を表わす以下の試験および該方法を表わすものではない比較試験の両方の試験全てにおいて、ダクトICからチャンバC内に入る混合気体の流れは1分あたり0.5リットルに等しく保たれる。試料のイオン化は、63Niのイオン化部材IMを用いて行われる。格子Gの開放(opening)時間は各試験において200マイクロセカンド(μs)である。予備試験により、これらの条件下では、試験中に存在する種の標準的飛行時間tが一般に15〜30ミリセカンド(ms)の間であることが示された。検出器Dにより測定される電流cは、任意単位(a.u.)で表現される。グラフ内の各ピークについて、たとえ機器内に実際に存在する種が一般に中性分子とさまざまな形で結びつけられるこれらのイオンで構成されているとしても、最も単純なイオンに対応する「単純化された」種が表示されている。
例1
この例は、アルゴン中の複数の種での分析における電界ERZの増大の効果を表わす。該試験では、意図的に添加された不純物として30ppbのメタン(CH4)および30ppbの二酸化炭素(CO2)を含有するアルゴンが利用された。試験中、機器を構成する内部の部品の材料によって放出されたバックグラウンドガスとして、分析対象気体中約1.5ppbの水(H2O)の存在が判別された。純粋アルゴンをドリフトガスとして用いた。
該試験は、まず最初に既知の技術の条件下で、すなわち機器の軸全体に沿って66V/cmに等しい大きさをもつ電界の均一な条件内で機器を利用することによって、実施される。意図的に添加した不純物のない予備試験においては、これらの条件下でAr+のピーク(このケースではRIP)が約25msを中心とすることが見極められた。分析中、RIPの消滅(extinction)が観察された。この試験の結果は、曲線1として図6に示す。以上で説明した通り、これらの条件下では、定量分析は実施され得ず、従ってすでに30ppbのCH4および30ppbのCO2で機器が信号飽和に達するという結果をもたらす。その後、まず最初に電界ERZを128V/cmに設定し、次に300V/cmに設定する(代わって、ドリフトゾーンDZ内の電界EDZを66V/cmのままにする)ことで試験を2回繰り返す。これらの試験の結果は、それぞれ曲線2および3として図6に示す。ERZを増大させることにより、RIPの値が単調に増大し、すでに128V/cmという電界ERZで分析を実施することができる、ということに留意されたい。スペクトル中のその他のピークの傾向は、電界ERZとの関係において単調ではない。実際、ERZを増大させることにより、分析対象の種に対応するピークは減少するはずであるが、これは、それぞれ約21および22msを中心とするイオンCO2 +およびH2+に関するピークについては起こらない。その理由は、これらのイオンが、例えばCO2 ++CH4→(CO2・CH4+という種類の二次反応における反応イオンであり、従って、その濃度は、電界ERZの大きさに反比例して反応ゾーンRZ内の滞留時間が減少する場合に、増大するということにある。
この試験の結果は、ERZの増大により、IMS機器の読取り範囲を高い濃度に向かってシフトできるということを確認している。
例2
この例は、アルゴン中の酸素の分析における電界ERZの減少の効果を表わしている(Ar+はRIPである)。試料ガスとして、意図的に0.05ppbの酸素が添加された純粋アルゴンが用いられる。分析中、気体に、機器内部の部品により放出された水が添加され、これがスペクトル内で検出される異なる種を生成する。より高い濃度の酸素での予備試験から、この種が、約17.5msのドリフト時間をもつイオンO2 +を生成することが分かっている。分析はまず最初に、300V/cmに等しい電界ERZの大きさで実施される。この試験の結果は、曲線4として図7に示されており、酸素ピークの存在を示していない。該試験はその後、ドリフトゾーン内の電界値を300V/cmで未変化のままにしながら、1.8V/cmに等しい電界ERZの値で反復される。結果は、曲線5として図7に示されており、この場合、酸素ピークは、その濃度を計算するのに充分な形で検出可能である。
この試験の結果は、ERZの減少が、IMS機器の読取り範囲を低濃度に向かってシフトできるようにするということを確認している。
例3
この例は、電界EDZの変化がもつ効果を表わしている。試料ガスはアルゴン(Ar+はRIPである)であり、これは意図的に添加された不純物を含まず、かくして機器内部の部品により放出された水と水素のみを含有している。第1の試験は、機器全体の中で均一でかつ128V/cmに等しい電界の値で実施される。この試験の結果は、曲線6として図8に示す。試験は、128V/cmに電界ERZの値を保つものの、EDZの値を200V/cmまで増加させながら反復される。この試験の結果は、図8に曲線7として示す。明らかに、電界EDZの増大は、全てのドリフト時間のスケール係数による減少をひき起こし、かくしてスペクトルを短い飛行時間に向かって「縮小」させる。スペクトルの形状に対するEDZの修正の効果を完全に評価するためには、曲線7を適切に「再スケーリング」し、かくして各ピークを曲線6の対応するドリフト時間に戻さなければならない。この作業は、2つのスペクトル内のイオンAr+のドリフト時間の間の比率を決定し、かつこの比率により曲線7のドリフト時間を乗算するように制御ユニットによって簡単に実行される。曲線8は、この作業の結果である。図を見ればわかるように、EDZの増加は、ピーク間の最下ラインの高さを下げかつ、これらのピークの形状をより良く確定し、その高さを上昇させ、ベースにおける幅を削減するという効果を有する。曲線8のスペクトルは、ピークのより優れた解析、ひいては分析対象の気体内に存在する種の種類および濃度のより容易な決定を可能にする。
例4
この例は、電界EDZの変化がもつ効果を表わす。該試験では、意図的に添加された不純物として1.1ppbの酸素(O2)、0.5ppbの一酸化炭素(CO)および0.3ppbの二酸化炭素(CO2)を含有するアルゴン(Ar+がRIPである)が利用された。試験中、バックグラウンドガスとしての分析対象気体内で、機器を構成する材料によって放出された約0.8ppbの水(H2O)および約2.4ppbの水素(H2)の存在が決定された。ドリフトガスとしては純粋アルゴンが利用される。第1の試験は、機器全体の中で均一でかつ100V/cmに等しい電界値で行われる。この試験の結果は、曲線9として図9に示す。試験は、100V/cmに電界ERZの値を保ちつつ、EDZの値を128V/cmまで増大させながら反復させた。この試験の結果は図9に曲線10として示す。上記例3の論述の中に見られるように、ドリフトゾーンDZ内の電界の増大は、スペクトルを短い飛行時間に向かって「縮小」させる。該試験は、電界ERZの値を100V/cmに保ちつつ、電界EDZの値を225V/cmまで増大させながら、再度反復された。この試験の結果は、曲線11として図9に示す。曲線9、10および11をより良く比較するために、曲線10および11を例3の論述の中で記述されているように「再スケーリング」し、これらを、曲線9(左は未変化)と共に図10に示す。EDZを漸進的に増大させると、ドリフトゾーンDZ内のイオンの滞留時間は比例して減少し、かくしてイオンCO+およびバックグラウンド種H2OおよびH2が関与する反応の進展度レベルを制限する。このことは、電界EDZの大きさが増大するとき、すなわち曲線9から曲線11まで移行する間の透明度(clarity)の増加に伴って、イオンCO+に関係するピークを識別することができるという点に注目すれば、図10に明らかに見ることができる。
この試験の結果は、同じERZで、EDZの増大がIMS機器の分解能を最適化し、これによって不純物の存在をより容易かつ確実に検出し、その濃度をより正確に計算できる、ということを確認する。
本発明の実施形態によるIMS機器のチャンバの縦断面を示す図である。 図1のIMS機器の制御回路を示す図である。 図1のIMS機器の長手方向軸に沿った電圧変化の傾向を示す図である。 図1のIMS機器の長手方向軸に沿った電圧変化の傾向を示す図である。 図1のIMS機器の長手方向軸に沿った電圧の動向を示す図である。 図1のIMS機器を用いて実施したIMS分析の4つの例において得られたいくつかのスペクトルを表わす図である。 図1のIMS機器を用いて実施したIMS分析の4つの例において得られたいくつかのスペクトルを表わす図である。 図1のIMS機器を用いて実施したIMS分析の4つの例において得られたいくつかのスペクトルを表わす図である。 図1のIMS機器を用いて実施したIMS分析の4つの例において得られたいくつかのスペクトルを表わす図である。 図1のIMS機器を用いて実施したIMS分析の4つの例において得られたいくつかのスペクトルを表わす図である。 図1のIMS機器を用いて実施したIMS分析の4つの例において得られたいくつかのスペクトルを表わす図である。

Claims (27)

  1. 分析すべき気体の入口(IC)を備えた反応ゾーン(RZ)と、少なくとも1つのイオン検出器(D)を備えたドリフトゾーン(DZ)とに、帯電可能格子(G)によりに分割されたチャンバ(C)内に配置された複数の電極(Ei)を含むイオン移動度分光分析計を用いた、1またはそれ以上の種Si(i=1,...,n)からなる気体の分析の実施方法において、前記電極(Ei)が、このチャンバ(C)を横断する軸(x)に沿った空間において均一でない少なくとも1つの電界を生成することを特徴とする方法。
  2. 前記電界が、反応ゾーン(RZ)内の電界(ERZ)とは異なる大きさを有するドリフトゾーン(DZ)内の電界(EDZ)を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 反応ゾーン(RZ)内の電界(ERZ)およびドリフトゾーン(DZ)内の電界(EDZ)が、これらのゾーン(RZ、DZ)の各々の中でチャンバ(C)の長手方向軸(x)に沿った空間内で均一であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 少なくとも1つの種Si(i=1,...,n)の濃度が前記分光分析計の読取り上限よりも高い場合、前記反応ゾーン(RZ)内の電界(ERZ)の大きさが増大されることを特徴とする請求項2または3に記載の方法。
  5. 少なくとも1つの種Si(i=1,...,n)の濃度が、前記分光分析計の読取り下限よりも低い場合に、前記反応ゾーン(RZ)内の電界(ERZ)の大きさが低減されることを特徴とする請求項2または3に記載の方法。
  6. 予備分析の結果として得たスペクトルの解釈が、部分的ピークの重複や高い基線、またはバックグラウンド種とイオンSi +との相互作用に起因するピークの存在、のために困難である場合に、前記ドリフトゾーン(DZ)内の電界(EDZ)の大きさが増大されることを特徴とする請求項2または3に記載の方法。
  7. それぞれ機器の読取り上限または下限よりも高いかまたは低い、少なくとも1つの種Siの前記濃度条件または、前記の困難なスペクトル解釈の条件が、マイクロプロセッサを備えるプログラマブル制御ユニットにより検査され、このユニットがこれらの検査に基づいて、前記ERZまたはEDZの値を自動的にかつ実時間で修正し、かくしてそれらの値を分析を実施するための最適な値にもっていくことを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 分析すべき気体の入口(IC)を備えた反応ゾーン(RZ)と、および少なくとも1つのイオン検出器(D)を備えたドリフトゾーン(DZ)とに、帯電可能格子(G)により分割されたチャンバ(C)内に配置された複数の電極(Ei)を含み1またはそれ以上の種Si(i=1,...,n)からなる気体のイオン移動度分光分析を実施するための機器において、チャンバ(C)を横断する軸(x)に沿って不均一電界を生成すべく、電極(Ei)の電位を変化させるために少なくとも1つの制御回路を含むことを特徴とする機器。
  9. 前記反応ゾーンとドリフトゾーン(RZ、DZ)内でチャンバ(C)の長手方向軸(x)に沿って異なる大きさをもつ少なくとも2つの均一な電界(ERZ、EDZ)を生成する電位に、反応ゾーン(RZ)内の電極(E1、E2,...Eg)およびドリフトゾーン(DZ)内の電極(Eg,Egt1,...,En)を設定するための手段を含んでなることを特徴とする請求項8に記載の機器。
  10. 前記制御回路は、反応ゾーン(RZ)内の電極(E1,E2,...Eg)用の高圧電源(PRZ)およびドリフトゾーン(DZ)内の電極(Eg,Egt1,...,En)用の高圧電源(PDZ)を含んでなり、前記電源(PRZ、PDZ)が相互に電気的に絶縁されており、かつ、格子(G)に最も近い電極(Eg)に接続された共通の接続点(CJ)に直列接続されることを特徴とする請求項8または9に記載の機器。
  11. 前記電源(PRZ、PDZ)が、反応ゾーン(RZ)およびドリフトゾーン(DZ)の電極(Ei)を2つずつ互いに接続する一連の抵抗(RR、RD)を含む抵抗分圧器に接続されることを特徴とする請求項10に記載の機器。
  12. 前記抵抗分割器は、シャント抵抗(SR)によって接地され、このシャント抵抗の端部には、同じ分圧器に通電される電流に比例した信号を取り出すための端子(T)が配置されることを特徴とする請求項11に記載の機器。
  13. 前記制御回路は、電極(Ei)の電位とは独立に、格子(G)の電位を制御するための手段を含んでなることを特徴とする請求項8〜12のいずれか一項に記載の機器。
  14. 前記格子(G)の電位を制御するための手段は、格子(G)に最も近い電極(Eg)に接続された共通の接続点(CJ)に対称に接続され、かつこの電極(Eg)の電位に対して格子(G)の2つの交番する部材系列の正および負の電位差を制御する高圧電源(PG)を含んでなることを特徴とする請求項13に記載の機器。
  15. 前記電源(PG)は、格子(G)の2つの交番する部材系列に電力供給するための対称差動電圧を供給する、4つの抵抗(RC)を含む分圧器に接続されることを特徴とする請求項14に記載の機器。
  16. 前記電源(PG)が、光絶縁回路(OIC)を介して格子(G)の部材に接続されていることを特徴とする請求項14または15に記載の機器。
  17. 前記光絶縁回路(OIC)は、同じパルスに応答して交互の対の中でホトダイオード(PD)を導通させるための制御パルスを送るのに適した論理制御回路(CC)に接続された2対のエミッタダイオード(ED)により制御される2対のホトダイオード(PD)によってベース駆動される、高いスイッチング速度を有する4つの相補バイポーラトランジスタ(BT)を含んでなることを特徴とする請求項16に記載の機器。
  18. 前記電源(PRZ、PDZ、PG)のうちの少なくとも1つは、電圧調整器、高周波発振器、昇圧変圧器および整流器を含み、かくして、これらが連続の外部電圧供給源(Vcc)によって電力供給を受けたときに、ゼロから最大値まで線形に変化可能な連続電圧を出力することを特徴とする請求項10〜17のいずれか一項に記載の機器。
  19. 前記電源(PRZ、PDZ、PG)のうちの少なくとも1つの電源の出力がpiフィルタ(FPI)に接続されることを特徴とする請求項10〜18のいずれか一項に記載の機器。
  20. 前記電源(PRZ、PDZ、PG)のうちの少なくとも1つの電源の出力が、一対の抵抗(RA、RB)からなる補足分圧器に接続され、ここで、これらの抵抗間からの信号が、外部制御ユニットに接続可能な端子(IN1、IN2、IN3)から来る制御信号とアナログにて比較され、一方これらの信号の間の差は、信号増幅器(SA)によって増幅され、かくして電力増幅器(PA)により電源(PRZ、PDZ、PG)に電力供給するための電圧を生成して、ネガティブフィードバックを介して前記の差を相殺することを特徴とする請求項10〜19のいずれか一項に記載の機器。
  21. 前記制御回路は、端子(IN4)から来る信号に従って前記電源(PRZ、PDZ)のうちの少なくとも1つの電源によって生成された電位の極性を反転する手段を含んでなることを特徴とする請求項10〜20のいずれか一項に記載の機器。
  22. 前記極性反転のための手段は、ブリッジ状に設けられ、タイムスイッチ(TS)により制御される4つの高度に絶縁されたリードリレーからなるスイッチ(P)を含むことを特徴とする請求項21に記載の機器。
  23. 前記タイムスイッチ(TS)は、前記電源(PRZ、PDZ、PG)のうちの少なくとも1つの上流側に配置された電力増幅器(PA)に接続されており、これにより極性が反転したときにそれらを非駆動とすることを特徴とする請求項22に記載の機器。
  24. 前記イオン検出器(D)は、抵抗(RE)を有して反転構成でフィードバックされる内部電流損失の非常に低い演算装置を備えた電荷増幅器(AC)を介して出力(OUT)に接続されることを特徴とする請求項8〜23のいずれか一項に記載の機器。
  25. 前記増幅器(AC)の後段には、電流−電圧変換器を形成する固定利得のローノイズ増幅器が続くことを特徴とする請求項24に記載の機器。
  26. 前記増幅器(AC)は、イオン検出器(D)からの信号の全てのスプリアス成分を相殺または減衰させるのに適したローパスフィルタ(LPF)に接続されることを特徴とする請求項24または25に記載の機器。
  27. 前記増幅器(AC)は、端子(IN6)から来る制御信号によってデジタルにてプログラミング可能な利得を有する増幅器/減衰器段(AGP)に接続されることを特徴とする請求項24〜26のいずれか一項に記載の機器。
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