JP2006502073A - バラから製造した人造ダイヤモンド - Google Patents

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Abstract

本発明は、有機材料を含む贈り物からより恒久不変的な記念品を作るための方法であって、ここで前記贈り物は束の間の美しさを有し、且つ受取人に対する贈り主の感情を象徴するものである。本方法は、贈り物の束の間の美しさを、受取人に対する贈り主の感情を象徴する、より恒久不変または永遠の具現化物に転換させることを含む。これは贈り物の有機材料を人造ダイヤモンドに転換することによって好都合に実施できる。この人造ダイヤモンドは、贈り物の有機材料を炭素または炭素含有化合物に転換し、次いで前記炭素または炭素含有化合物を人造ダイヤモンドに転化することによって製造することができる。

Description

従来の技術
本発明は、贈り物の有機材料を人造ダイヤモンドに転化させることによって、有機材料を含む贈り物から思い出の品を作る方法に関する。これによって贈り物の束の間の美しさを、美しさ並びに受取人に向けられた贈り主の感情のいずれをも象徴する、より恒久不変または永続的な具現化物に転換させることができる。この人造ダイヤモンドは、炭素または贈り物の有機材料の転化によって得られるグラファイトなどの炭素含有化合物から作ることができる。好ましくは、これらのダイヤモンドはバラなどの花から製造し、これを炭化して、ダイヤモンドを合成するのに使用するグラファイト材料を提供する。このようにして人造ダイヤモンドが合成されると、合成ダイヤモンドは贈り物の思い出を表し、受取人はバラや花よりもずっと長い期間、この思い出の品で楽しむことができる。また、花またはダイヤモンドのどちらかの贈り物は受取人に向けられた贈り主の愛情を象徴しているので、これらの組み合わせは、受取人に向けられた贈り主の感情及びより強烈な愛の主張を表す。
ダイヤモンドと愛
歴史的にダイヤモンドは非常に希少であった。少なくとも二千年の殆どの間、ダイヤモンドの唯一の供給源はインドであった。17世紀まで、10カラットを超える重量の全てのダイヤモンドはインドで保有されていた。ヨーロッパでは、中世期に、ダイヤモンドについて知られる全てのものがインド産で、非常に希少であり、そして信じがたいほど硬かった。1379年まで、シャルル五世の治世の間、ヨーロッパにはダイヤモンドの記録は全くなかった。
ダイヤモンドは途方もない硬さであったので、当時の人々にダイヤモンド伝説をもたらした。ダイヤモンドなる言葉は、「征服しがたい:unconquerable」を意味するギリシャ語の「adamas」に由来する。支配者だけがダイヤモンドを所有しまたは身につけ、その魔法の力はその者を無敵にすると信じられていた。驚いたことに、ダイヤモンドは耐火性であり、そして鋼鉄よりも硬かったのである。
ダイヤモンドは徐々にヨーロッパへと浸透していった。1400年には、ヘンリー四世が油絵でダイヤモンドを表現した最初の王となった。ヨーロッパにはダイヤモンドはなかったものの、ダイヤモンドには非常に強い影響力があると信じられていたため、13世紀中頃にセント・ルイス(St.Louis)は女性がダイヤモンドを身につけることを禁じる倫理規制法を定めた。聖母マリアと後に女王だけが宝石から転換された能力を身につける名誉を贈られたのである。1440年まで女性がダイヤモンドを身につけることはなく、シャルル七世の寵愛を受けたそれほど高貴の生まれでない寵姫アグネス・ソレルが最初にダイヤモンドを身につけたのであった。美しいアグネスは、王宮の男達を説き伏せて男達のダイヤモンドやジュエリーを彼女に貸し出させ、そして彼女はおびただしい数の宝石をまとってシャルル王の前に現れ、王を誘惑した。彼女に対する王の欲求があまりにも強かったので、制定された倫理規制法は撤廃されたのだった。これによって、王宮において社交に卓越した女性の中で革命に近いものが起き、このときから女性はダイヤモンド、非宗教的並びに宗教目的でダイヤモンドを身につける権利を得たのである。
やっとヨーロッパの王室で少しばかりのダイヤモンドが身につけられるようになったのは、1450年頃、ブルゴーニュ家のもとであった。興味深いことに、ダイヤモンドの存在が現実のものとなるにつれ、ダイヤモンドを所有しようと望むこともできなかった一般大衆によってダイヤモンドを巡る多くの風変わりな迷信が広まった。プリニウスの書物に伝えられているようにギリシャ人はダイヤモンドの品質に対して確かな理解を持っていたが、中世の一般大衆はダイヤモンドには多くの途方もない性質があると認めていた。これらの中には、狂気の抑制、稲妻の回避、及び身につけた者を見えなくする性質があった。ダイヤモンドは非常に尊重されていたので、どうみてもその希少性に比例して神秘的な力を持つと考えられたのである。
シャルル豪胆王(Charles the Bold)の宝物としては、有名な「フィレンツェのダイヤモンド:Florentine Diamond」、すなわち、ダイヤモンドで装飾された礼装用佩刀及び金に鋳造し、ダイヤモンドで飾ったガーター勲章(the Order of the Garter)をおそらく挙げることができる。彼の娘、ブルゴーニュ家公女マリーが、1477年、オーストリアのマキシミリアン大公と婚約したとき、大公は、「婚約の際、殿下はダイヤモンドの指輪と金の指輪もお贈りにならなければなりません」と助言する書簡を受け取った。これは婚約を結ぶために贈られたダイヤモンドの最初の記録の一つである。コンスタンツォ・スフォルツァ(Constanzo Sforza)とカミッラ・ダラゴナ(Camilla d'Aragona)の結婚と同時代の記録が、バチカンで現在、一連のミニチュアで存在する。これらはバラの花飾りと、結婚に捧げるダイヤモンドリングのイメージをもつ花綱で飾ったチュニックとを身につけたハンサムな若者として示されているヒューメン神を表現する。そのようなイベントがダイヤモンドの象徴への先触れであった。ダイヤモンドの強度と耐久性は、君主が無敵であることを表していた。これらの性質は、現在、結婚を特徴付ける究極の強度、忠実及び献身を伝える完璧な伝達手段となった。
フォンテンブロー派の画家は、16世紀後半、宮廷の生活様式を描いていた。彼らは、豊かさ、退廃主義と富とを描写し、先の世紀の道徳主義を疎んじた。彼らのパトロンは、「化粧台の女:A Woman at her Dressing Table」などのヌードの流行絵画を楽しんだ。そのようなポートレートの一つには貴族の婦人が描かれており、ジュエリーをまとっただけに見えることによってその女性らしさが強調されている。そのような芸術は、このあまり禁止されていなかった時代においては、ダイヤモンドは結婚だけでなく、ロマンチックな愛の全ての場合において奨励された贈り物であった。
初期のダイヤモンドジュエリーの研究から、カットしていないダイヤモンド結晶だけが使用されていたことが判明している。ダイヤモンドの硬度のため、15世紀後半になって初めてダイヤモンドをカットしようと試みられた。15世紀から17世紀終わりまで、面取りしたダイヤモンドの初期タイプは「ローズカット:Rose Cut」であった。この名前は、ファセット(刻面)の展開している三角形とバラの蕾の開花初期とが似ていることに起因したものである。カットしていないダイヤモンドと素朴にカットされたダイヤモンドはいずれも、愛の象徴を伝達するために技術的に洗練されたジュエリーセッティングに貢献したかもしれない。第一に、リング(指輪)自体、円のその永遠性、結婚の恒久的な品質を見事に伝達した。具体的には「ギメル:gimmel」または16世紀のツインリングは、二つの部分から形成されていた。夫と妻とを表すこれらを組み合わせることによってのみ、リングを身につけることができた。同じように、初期の婚約指輪であった「ポエジーリング:poesie ring」は、ハートやバラで飾り、恋愛感情を刻み込んだ美的にエナメルを施したセッティングであった。
ダイヤモンドは1730年代に、ブラジルで発見された。おびただしい量のダイヤモンドが発見されたのだ。ついに、ダイヤモンドは上流階級に好まれる宝石となるのに十分な供給量で入手可能となった。ろうそくの照明が進化し、夜会が多くなってダイヤモンドの新しい輝きが引き出された。このように潤沢なダイヤモンドによって、今までにない最も見事なジュエリーの幾つかが作り出されたのだった。
ダイヤモンドは1867年にアフリカで発見され、その埋蔵量は無限のようであった。ダイヤモンド、究極の希少性という歴史をもつこの上なしの贅沢品は、初めて一般大衆によって購入される余裕ができたのであった。有名な商業カタログは、ビクトリア時代の花嫁に、わずか2ポンドで金の結婚指輪を呈示した。花嫁は、とうとうダイヤモンドの婚約指輪を望むことができるようになったのである。
デビアス(DeBeers)は、おそらく近代世界で最も大きなカルテルであろう。この会社の起源はアフリカのダイヤモンドラッシュ(diamond rush)時代でもある。100年以上にわたって、デビアス社はダイヤモンドの歴史的に意義のあるロマンチックな鑑識力(perception)に基づいて世界中でその市場取引の見識を築いてきた。1948年、N.W.Ayerの従業員であるフランセス・ゲレティ(Frances Gerety)は、デビアスのダイヤモンドキャンペーンで「ダイヤモンドは永遠に:A Diamond is Forever」と書くことを思いついた。これは、20世紀で最も成功をおさめた広告文として引用されることが多い。ダイヤモンドの概念と愛とを結びつけたこのキャンペーンはとても簡潔であったので、このキャンペーン開始から3年後にはアメリカの花嫁の80%がダイヤモンドの婚約指輪をもらっている。
20世紀のジュエリーの歴史に大きく付け加えられるのは、ジュエリーにプラチナを使用したことであった。プラチナは非常に強く且つ耐久性がある。これによってデザイナーがジュエリーの彫刻及びセッティングを簡素化して、一層引き立たせることができるようになった。古典的な「ティファニースタイル:Tiffany-style」のはめ込み細工とハリーウィンストン(Harry Winston)のデザインの成功はこの現象の実例である。同時代に、マーセル・トルコウスキー(Marcel Tolkowsky)なる名のアントワープ(Antwerp)のダイヤモンド彫刻家は、現代のブリリアント・カット・ダイヤモンドを科学的に開発した。マーセルのカット・パターンの角度の相互作用によって、輝き、きらめき及び宝石の中の分散が大きく増加した。そのセッティングを除き、ロマンスと愛のシンボルとして、これらの因子は一緒になってダイヤモンドを最先端に押し出したのである。ダイヤモンドの含蓄を発展させることによって、ダイヤモンドの愛の意味を伝える能力が、現代の最もパワフルで且つ正統派の象徴の一つとなったのである。
バラと愛
古代ギリシャのアフロディテ、愛の神は、バラからできた衣をまとっていた。アフロディテは、その象徴として帝国中で最も美しい花を求めた。夜になって、キューピッドがバラの枕でうとうとしていたとき、いたずらでバラに神の酒をこぼし、香りを枕に残したのだった。「ガーランドマニア:Garlandomania」、主としてバラで恋人の頭上を飾ることが国中に広まった儀式であった。
バラはその美しさ、その色及び形に関し、その香気に関し、そしてそのトゲ及びはかなさに関して称賛される。バラは、愛、美、若さ、ロマンスと性欲とを象徴する。歴史と多くの文明を通してバラは傑出した花であり、おそらく、その花弁が比較的長持ちすることから築かれたものであり、バラは地方の野生型が入手可能で、情熱的に赤いものと混じりけのない白いものとがあった。ローマ人は花をとても崇拝したので、ビーナスの「結婚」を祝うために敷地全体が多くのバラで飾り立てられただろう。この機会及び他の機会において、恋人たちは愛用のドアをバラの冠で美しく飾っただろう。さらにローマでは、バラの花道とは良い人生のことを縮図的に示していた。スエトニウス(Suetonius)は、その晩餐会では400万セステレス(sesterces)の費用をかけた非常に多くのバラの花びらが必要であったネロの友人について、その要望に応じるためにエジプト等から輸入しなければならなかったと書いている。若い、退廃期の皇帝エラガバルス(Elgabalus)はバラを撒き散らし、そのベッドはバラと香水を床材としていた。皇帝は、バラの花弁を目の上から高く大広間に投げ上げるように家来に命令して、招待客の前に現れた。バラは何人かの飲み騒ぎする者がバラで窒息死するほど大量に導入された。ローマのフローラリア(Floralia)祭りは、優美な花の女神を観衆の手招きで服を脱いだ売春婦の前に案内した。退廃、豊饒と性欲が支配していた。
キリスト教信仰の高まりによって、二千年続いたバラは衰退した。上述のバラその他の花は、偶像崇拝であり異教であると宣言されたのである。バラは神秘性を保っていたが、過去の享楽が不適当であると考えられて抑圧につながった。意外にも、学問の中心では花の鑑識眼が生き残った。9世紀初頭、シャルマーニュ(Charlemagne)の宮殿では、花の楽しみ方はもはや許容された瞑想の役割に制限されていなかった。非宗教的な詩は、グリーンハーブの香りがする恋人の寝室に敷き詰められた花を引用した。修道院では食用及び薬用植物が育てられ、バラはこれらの領域で観賞されていた。中世の温室の唯一の記録では、1249年、オランダのウィリアム皇帝のために尊敬を受けたドミニカ人のアルバータス・マグナス(Albertus Magnus)によって与えられた顕現祭(Feast of the Epiphany)に言及している。晩餐会のホールは、鼻をつくような花盛りのバラの茂みと果実をつけた多くの木々で一杯であった。招待客らはこの冬の最中のディスプレイは魔法と思ったのだった。
サン・ドニ(St.Denis)でのゴシック様式の最初の大教会を着想した僧院長シュガー(Abbott Suger)の業績は、キリスト教学問の大きな転換を反映しており、これによって学問の振興がキリストの栄光の元に続行された。物質は非物質を説明可能にした。僧院長の大教会のバラ窓(Rose Window)の光と賞賛はこの変化を啓発した。徐々にバラと同様のシンボルにおける制約は軽減されていった。バラは飾り付けに使用できたであろうが、装飾品にはまだ使えなかった。まだ大きく差が開いていた。バラは祭壇に用いられた。聖母マリアは愛をこめて「刺がないバラ:The Thornless Rose」と命名された。
12世紀のルネッサンスの間に騎士道の伝来と花の豊富な東部とが接触することによって、バラは西洋文明の有名な肖像画に戻ってきた。ギリシャとローマと同様に、バラは貿易の成長と、労働分業制と、その結果として伴う贅沢品と共に地位が向上した。10世紀にドイツで始まり、結婚式用の美の顕著なしるしとしてバラの花冠または帽子が再出現した。バラはダンスパーティに彩りを与え、招待客用の豪華な贈り物として役立った。ドイツのミンネジンガー(Minnesaegner)の詩論は、−女性が彼の部屋に入って、彼女のバラの花冠を彼に捧げる間に、バラ花弁の入った水にもたれかかる騎士−のトルバドールの宮廷の愛の物語を楽しむ。イギリスでは、バラは13世紀の初めから装飾に使用されている。筆記者は狭い庭の増設と、バラ花弁が結婚式及び他の喜びの時に家、街路及び宮廷風小道にばらまかれることとを書き留めている。「愛の城:Castle of Love」として知られている流行のドタバタ劇において、騎士たちが投げつけるバラの矢で若い女性を攻撃するので、女たちは城を守った。
ルネッサンスの間、バラは依然として傑出した花であった。行進と花園はバラの花の存在によって際だった。初期ルネッサンスでは、バラの色と形とが高く評価された。後に、その芳香と甘さが賛美された。これによって、エリザベス女王時代には魅惑的な香水が急増し、その後これはピューリタンによって否認された。シェークスピアはバラを50回引用したが、その中には「全ての花の中で、バラが一番優れている:Of all the flowers,methinks the rose is best」も含まれている。ルイ十四世の治世下では、ローマ帝国以来忘れられていた強制耕作が再び大規模に行われた。17世紀、花束は北欧で好まれ、花の王冠と花輪を凌駕した。これはオランダからすばらしい花の絵の時代の到来を告げた。
中近東では、バラは最も珍重された。バラに関する言葉、「バラ:gul」を全ての花について使っていた。バラとナイチンゲールは、潜在的な愛の主要なシンボルであった。中世のイスラム教の国々では、バラの描写は宗教上の教義に従って禁止された。これは、ヨーロッパの慣例と、特に世俗的な詩の分野では強要されなかった。ペルシアの詩には、印象的な優しさがある。ハスフィッツ(Hs'fiz)が「バラ色の唇:pair of rosy lips」と書いた最初の詩人であった。またハスフィッツは「バラの香りによって庭に誘い出され、そこで報われぬ恋の高揚感とは異なる慰めをみつけた」と書いている。
19世紀のヨーロッパ文化史は、花が社会で果たした役割について書いていないので不完全であろう。この時代は一般大衆のために新鮮な花の大量生産が開発された世紀であった。「花の言葉:the Language of Flowers」と名付けられた1819年の文学の現象は、シャーロット・ド・ラトゥール(Charlotte de Latour)の功績である。彼女は「それは何よりも愛を知っている人々のためのものである…私達は花言葉の幾つかの音節を集めた」と書いた。この言葉の中には、「私が恐れるトゲと葉をもつバラは、『私はおそれる、しかし私は期待する』ことを意味し、蕾をめちゃくちゃにしたら、『おそれても期待してもいけない』ことを意味する。トゲを取り去ったバラは、『望む全てがある』ことを意味し、その葉を取り去ったバラは、心配の全てがあることを意味する」と書かれている。ラトゥールらの多くの本はこの世紀にわたって大流行し、中産階級の台頭と男女間の変わりやすい関係の多くが明らかになった。この花言葉は、ラファエル前派の画家と騎士道の復活と女性の評価と強く結びついていた。
すべての芸術形式では、主として文学を通して、愛の表現はバラによって明らかにされる。これは、この言葉の具体的な感情を伝える能力によるのかもしれない。ダンテ(Dante)とチョーサー(Chaucer)は花の象徴主義について書いた。モーツアルトとビゼーの歌詞はバラのなまめかしい魅力について言明している。芸術様式の高低に関係なく、あらゆる世代において多くの愛の詩は一般大衆の感情に影響を与えた。愛はバラに完璧な隠喩(metaphor:メタファー)を見つけたのである。典型例としては以下のものがある。
「あなたにバラを贈ろう
花びらの先が薄紅に染まれしクリーム色の蕾を
なぜなら、こよなく清らかで甘い恋には
情熱の口づけが似合うから
-------白いバラ ジョン・ボイル・オライリー」
(I send you a cream white rosebud
With a flush on its petal tips;
For the love that is purest and sweetest
Has a kiss of desire on the lips
-----------A White Rose John Boyle O'reilly)
バラは愛、感性、人生、青春時代と幸福とを伝える。また、バラはそれらのはかない特性も伝える。おそらくバラの最も感動的な特徴は、はかなさである。アーネスト・ダウソン(Ernest Dowson)は簡潔にこれについて説明している。
「ワインとバラの日々は長くは続かず
おぼろげな夢のなかから
二人の道がつかの間姿を現し
やがて消えていく」
(They are'nt long the days of wine and roses!
Out of a misty dream,
our path emerges for a while,
then loses.)
「バラ」の本質は文化に深く浸透したので、ゲートルード・スタイン(Getrude Stein)は意味深く「バラの花はバラらしくあるときにバラの花としての価値があり、また美しい:Rose is a rose is a rose is a rose」と書くことができた。
ダイヤモンド合成の歴史の概要
「実のところ、この世界で宝石の偽造よりも利益をもたらす詐欺も欺術もない」西暦79年、ベスビアスの噴火により死亡した歴史上の偉大な年代記編者の一人であるプリニー(Pliny)(本37、75章)はそう書き記した。
何世紀もの間、ガラスはあらゆる宝石のもっとも巧妙な偽造用材料であった。面取りしたコーラのビンは、未だにコロンビアではエメラルドとして売られている。しかしながら、ガラスはダイヤモンドに見せかけるのに十分ではない。というのも、ダイヤモンドは信じがたいほど硬いということが文明社会ではあまねく知られているからである。実際、ダイヤモンドについて知られていたことと言えば、ダイヤモンドでガラスをカットできるということであった。実際、エリザベスI世とサー・ウォルター・ローリー(Sir Walter Raleigh)は、窓枠に自分たちのダイヤモンドの指輪で刻み込むことによって「ラブレター」を交換していた。
ジョン・バプティスタ・ポルタ(John Baptista Porta)は1658年の自分の「Natural Magic」で「サファイアをダイヤモンドに転換する方法」について書いたのは、驚くことではない。ダイヤモンドの次にサファイアとルビーが最も硬い宝石である。サファイアを火に入れることによって、外観上は色を失うだろう。ダイヤモンドは、その輝きを最大化する方法でまだ面取りされていなかったので、外観的にサファイアはダイヤモンドにもっと似ていただろう。火の形質転換特性によって、ダイヤモンドではなくてもダイヤモンドのようにすることができた。確かに宝石はガラスをカットしただろう。
高く評価されたその無敵性(invincibility)を模倣する「ダイヤモンドを製造する」ために開発されたもう一つの方法は、1760年にマドリッドで出版されたドン・ベルナルド・モントン(Don Bernardo Monton)のSecretosに知見される。モントンは「石を硬くし、ダイヤモンドのようにする非常に素晴らしい極意」について記載している。
蒸留装置にミョウバン結晶を置き、蒸留し、そして再び常に蒸留させながら、3〜4回水を入れる:次いでこの水を除去し、粉砕結晶の石の入ったマトラス・キャセロールに入れ;これを熱灰中にいれ、次にキャセロールの下に三、四個の芯のバーナーを30日間設置し、全てを十分に制御されたオーブンにいれる(Gemstone Enhancement、Kurt Nassau訳)。
19世紀の終わり、そして20世紀初頭に、ダイヤモンドを作る幾つかの試みが記載されている。1880年、J.B.ハナリー(J.B.Hannary)は80回の実験を行い、これによって重質鉄管中で、パラフィン、骨、油と金属リチウムとを加熱した。これにより77回の爆発があったが、ダイヤモンドはできなかった。1886年、F.H.モイサン(F.H.Moissan)、1906年、W.クロックス(W.Crooks)及び1890〜1931年にC.A.パーソンズ(C.A.Parsons)はそれぞれ独自のダイヤモンド合成実験を実施した。
このような試みのなかで最も異常なものは、1905年にヘンリ・レモイン(Henri LeMoine)というF.H.モイサン(F.H.Moissan)のアシスタントによって実施された。レモインは、デビアスの代表者らに自分が宝石の品質のダイヤモンドを製造できたと信じ込ませることができた。こっそりとダイヤモンドと石炭とをすり替えたのではないかという文句に反論するために、レモインは実験を全裸で行った。ウソが最終的に裁判で明らかになると、パリの人々は皆、信じ込んだダイヤモンド職工長について有頂天になって話し合った。マルセル・プルーストとして有名であるような作家達はスキャンダルについて書くことを思いついた。
重大な科学上の発見は非常にまれである。そのような発見は、通常、過去の失敗した実験をベースとする。General Electric社が実際にダイヤモンド合成法を開発すべく、1951年に9人のメンバーからなる「ダイヤモンド」チームを作ると、多くの産業界のリーダー達はこの追求がばかげたことか、または不可能なことだと考えた。1955年2月15日、GEは人類がダイヤモンド合成に成功したという驚愕の発表を報道機関の会合で行った。できたものは宝石のようではなく、顕微鏡で見なければならないほど小さく、変色していた。そして錬金術師の亡霊がつつましくそして感嘆して見つめていた。
1957年にGEは、自分たちの工業用用途として上市するために、「タイプA」の最初の人造ダイヤモンドを提示した。1958年にはタイプBのダイヤモンド、そして1959年にはタイプMのダイヤモンドに至り、多くの新製品が相次いだ。1970年にGEは宝石品質のダイヤモンドを製造することで知られていた。その製造コストは約20,000ドルで1週間も必要であった。そのようなひどく高いコストを考えると、宝石品質の人造ダイヤモンド生産研究は建前上、断念されたのだった。
リチャード・リディコート(Richard Liddicoat)は、「The Ultimate Synthetic:A Jewelry Quality Diamond」なる表題でGems & Gemologyの1986年冬号で社説を書いた。リディコートは、一部分で以下のように書いた:
「1985年に日本の住友電気は、G.E.の技術:カット可能な人造ダイヤモンドの量産の実用化に成功した。我々は少なくとも0.5カラット以下のサイズの簡単に入手可能なカットできる人造ダイヤモンドの非常に現実的な見通しについて考えている。住友の研究者らはG.E.の開発からかなり前進した。彼らは同じ原理を使用しているが、温度−圧力チャンバのサイズを大きくして、比較的小さな結晶1個の容積から同時に全て2カラットもの大きさの多くの結晶の容積で合成を実施した。必要とされる比較的長時間にわたって単結晶を成長させることでは量産の望みがなかったが、同じ成長サイクルで多くの結晶を製造することによって、競争的な状況を可能にする。おそらく宝石学の最後の大きい障壁は破られたのだった。」
工業グレードのダイヤモンドの合成は、宝石グレードの人造ダイヤモンドの出現に大きく進んだ。これによって、カラット重量、色及び透明度の宝石の主領域の三点全てが達成された。1986年に、アメリカのGemological Instituteが住友製ダイヤモンドの幾つかにファセットを施した。これらは0.16〜0.24カラットの重量しかなかった。これらのダイヤモンドは金属内包物をかなり沢山含んでいたので、磁石に反応するものもあった。ダイヤモンドは濃い黄色だった。1990年7月10日に、GE Superabrasiveは、自分たちが99.9%の炭素12同位体で最初の人造ダイヤモンドを合成したと発表した。この進歩は、ダイヤモンドが世界で一番の熱伝導体であるという能力における大きな前進を示し、コンピューター業界でのヒートシンク供給を実質的に約束した。そして宝石取引にとって重要なことに、ダイヤモンドは非常に望ましい白色のEからGの色の範囲で合成された。デビアスは、殆ど無色から青い1カラットの人造ダイヤモンドを自分たちのヨハネスブルグのDiamond Research Laboratoryで合成できるという発見を再確認した。1992年夏までに、住友が最大9カラットの重量の人造イエロー・ダイヤモンドを製造していることが報告された。1993年には、GIAは未知起源の二つのファセット形成したレッド・ダイヤモンドを送ったことを報告した。この二つの石は人造ダイヤモンドであり、その色を得るために放射線照射とアニーリングの両方を実施したことが判明した。合衆国及び日本で製造されている人造ダイヤモンドに加えて、ロシアは特にファンシー・カラー・ダイヤモンドに関して、ダイヤモンド合成の最前線にあることは公知であった。1990年代中程で、ライフ誌(Life magazine)は、化学博覧会プロジェクトに供するために自宅ガレージでダイヤモンド(うっすらとではあるが低圧化学蒸着ダイヤモンド)の合成に成功した高校生のプロフィールを伝えた。
ここ数年、最も重要なダイヤモンド合成に関するニュースは、GEが数年にわたって研究してきたダイヤモンドの高圧高温(HPHT)処理が色の悪い、通常、茶色のダイヤモンドで色を大きく改良する効果がある、とするダイヤモンド製造業者のLazare Kaplanによる発表であると考えられる。
最終的に、初期の小数の人造宝石ダイヤモンドは、1999年夏に工業貿易ショーでアメリカの一般大衆に販売するために売り込まれた。2002年には、アメリカの企業が人々及びペットの遺骸火葬から人造ダイヤモンドを製造するのに成功した。2003年には、別のアメリカの会社二社が莫大な数の宝石品質グレードのダイヤモンドを上市する生産設備を増やす計画について発表した。
初期の少数の人造ダイヤモンドは、1999年夏の工業貿易ショーでアメリカの一般大衆に販売するために提供された。ほんの3年後に、フロリダの施設は単独で、年間35,000個を超える1カラットの人造ダイヤモンドを上市するプランを発表した。
この時点で、宝石品質の人造ダイヤモンドの製造方法は、当業界で公知である。初期の特許では、プロセスの可能性について確認した。初期の特許の殆どは、ロバート・H.ウェントロフ.Jr(Robert H.Wentorf.Jr)により率いられるGE科学者のチームにより保有されている。活気のある分野なので、この潜在性はこれらの起源から進歩し続けている。
プロセスに対する改良点は、より大きな結晶を成長させるように、反応チャンバのサイズを大きくすることに注目されることが多かった。もっと純粋な供給原料を開発して、金属内包物を最小化させると、結晶成長の制御につながり、合成装置の寿命が延び;また成長セル中の温度勾配を変化させて、ダイヤモンド種を溶解させることなく種結晶の上にダイヤモンドを促進する方法につながる。
製造技術が向上したことにより製造知識が高まり、そして経費が削減したにもかかわらず、人造ダイヤモンドは天然ダイヤモンドの代替品としても姉妹品(companion product)としても未だに受け入れられていない。これらは天然ダイヤモンドよりもあまり望ましくないものとして考えられている。かくして、そのような材料を消費者に広く受け入れられる方法に対する需要がある。
LifeGemsという会社は、恋人の火葬の残りからの人造ダイヤモンドの合成について宣伝している(米国特許出願第20030017932号を参照されたい)。このタイプの人造ダイヤモンドを含むリングを身につけることによって慰められる者もあろうが、これらの製品は、おそらくダイヤモンドを製造するのに使用した材料の神聖さゆえに、未だ広く商業ベースで受け入れられていない。しかしながら、本発明はこの問題及び従来技術の不都合な点を解決し、且つずっと許容可能な炭素供給源から望ましく製造され、受取人に対して贈り主の強い愛の象徴を組み合わせる人造ダイヤモンドを提供する。
発明の概要
本発明は、有機材料を含有する贈り物からより恒久不変的な記念品を作るための方法であって、ここで前記贈り物は束の間の美しさを有し、且つ受取人に対する贈り主の感情を象徴するものである。本方法は、贈り物の束の間の美しさを、受取人に対する贈り主の感情を象徴するより恒久不変または永遠の具現化物に転換させることを含む。
本方法により贈り物の有機材料を人造ダイヤモンドに転換することによって好都合に実施できる。この人造ダイヤモンドは、贈り物の有機材料を炭素または炭素含有化合物に転換し、次いで前記炭素または炭素含有化合物を人造ダイヤモンドに転化することによって製造することができる。好都合には、この炭素材料はグラファイトであり、及びこの炭素含有化合物はメタンである。
一態様において、この贈り物は、贈り主によって選択されているが、受取人には贈られていない提案された贈り物であってもよい。その代わり、贈り主は受取人にはダイヤモンドだけを贈る。もう一つの態様では、まず贈り物を受取人に贈り、この贈り物の有機材料を後に人造ダイヤモンドに転化して、これを受取人に贈る。勿論、贈り物も人造ダイヤモンドも受取人に対する贈り主の愛情を象徴する。
有機材料を含む好ましい贈り物は花、好ましくはバラである。得られた「ローズ・ダイヤモンド」は、白、赤、桃、黄若しくは青または所望によりこれらの組み合わせを含む、選択された色であってもよい。人造ダイヤモンドの色に関しては、バラの色を表すのが好ましい。天然のファンシー・カラー・ダイヤモンドはプレミアの値段が付くので、赤及び桃色の合成型は、とても価値が高いだろう。
この人造ダイヤモンドは、通常、受取人に贈られて重要な機会を意味する。そのような機会としては、結婚の申し込み、記念日、祝日または受取人の誕生日が挙げられるが、これらに限定されない。
好ましい態様の詳細な説明
以下の詳細な記載において、「思い出の品:remembrance」なる用語は、積極的に留意または思い起こすのに役立つ何か、並びに愛情または友情を呼び起こす挨拶状または贈り物を意味するのに使用する。
また、バラ及びダイヤモンドの象徴は、本発明の人造ダイヤモンドでは相乗作用的且つ効果的に組み合わせて、最も好ましい態様では「ローズ・ダイヤモンド」と呼ぶ。
奇術師、予言者、医者及び科学者は、鉛を金に変える方法を求めて何世紀もの間それぞれの賢者の石に見入っていた。現在、バラからダイヤモンド、すなわち「ローズ・ダイヤモンド」を合成できるということは、なんと素晴らしいことだろうか。ダイヤモンドは元素である;これは純粋な炭素であり、炭素は全ての生命の基礎原料である。バラは生命体であるけれども、炭素に変えることができる。この炭素を取り、これと高圧及び高温と、ダイヤモンド合成に使用するプロセスとを結びつけることによって、バラはダイヤモンドに代わり、もっと長時間存在し続けるようにできる。
人造ダイヤモンドの開発の歴史は、精錬を高めるように進行する。元々の発見は、1954年のGeneral Electricの研究所にはじまる。この驚くような技術的背景は、当業界で十分に記録され、他の部分で再検討されている。このプロセスは、メタンまたはグラファイトから誘導した工業用ダイヤモンド材料を製造することから開始し、色が悪く内包物が多い小さな宝石材料に進み、そして現在の状態にすることによって、大きくきれいな色の人造宝石ダイヤモンドが上市されている。
ダイヤモンド合成の退屈な話から離れて、発見は、愛とロマンスの不可欠な成分で作り出されたダイヤモンドを染める方法である。この象徴的な内包物は、ダイヤモンドの魅力にとって重要であるが、この素晴らしい象徴は、完全に人造ダイヤモンドの製造及び認識に欠けていた。人造ダイヤモンドは、実験室と試験管のイメージを呼び起こす。素晴らしい美と驚異の感覚を用いて、バラの炭素でダイヤモンドを合成する本発明は、ダイヤモンド合成の歴史を大きく充足させる。このようにして、人造ダイヤモンドはその組成、「誕生」方法及び形状、その自然の歴史に対してだけでなく、その魅力と神秘性、その文化史に対してもその名を辱めない。
ダイヤモンドとバラは、愛の二つの傑出した象徴である。ダイヤモンドの愛とロマンスを伝達する主要な特性は、その合成の完全な構造に密接に編み込まれている。バラの束の間の美しさは、ダイヤモンドの永遠の美と結びつけられる。バラはしおれていくに違いないが、ダイヤモンドとしてここに再び開花することができる。製造原料が天然の純粋なバラに由来すると仮定すると、合成プロセスに対する追加の有利な点は、一般大衆が、現存する人造ダイヤモンドを工業的また合成されたものとして認識するのに対して「天然物」として認めるということである。愛の約束で贈られたバラの贈り物はダイヤモンドの愛の永遠の約束に転換される。有機物が無機物になり;花と花弁が結晶になる。
本発明に従って人造ダイヤモンドを製造するためには、まず、本明細書に開示のプロセスによってダイヤモンドに転化し得る適切な贈り物を選択しなければならない。この贈り物はグラファイトに転化し得る有機材料から製造されているのが好ましい。適切な贈り物としては、任意の種類の有機植物材料、単独でまたは花束(ブーケ)で贈られ得る、たとえば花、たとえばバラ、チューリップ、ラッパズイセン、キク、百合及び他のものが挙げられる。上記の如く愛の象徴であるため、バラが好ましい。一種類の花を使用することができるが、花を組み合わせて種々の花のブーケにして、その材料を使用して、本発明に従ってダイヤモンドを製造するのに必要なグラファイトを作ることも本発明の範囲内である。
所望により、他の種類の有機植物材料を使用することができる。そのような材料としては、植物、灌木、若しくは木、並びに果実自体、または広範な種類の野菜若しくは他の食用植物の任意のものの形状の全ての種類の植物が挙げられる。勿論、食品、特に外国の食品は、はかない美をもつ贈り物であり、これらはより永続的な形態でダイヤモンドに転換することができる。これらの種類の有機植物材料は花よりあまり好ましくないが、これらは、本発明に従って転化し得る植物のタイプの代表例である。対照的に、人または動物の遺骨は、贈り物としてみなす有機植物材料の適切なタイプではないと理解される。
上記の如く、贈り主にとって実際に贈り物、すなわちバラを購入し、受取人に贈ることは必要ではない。そのかわり、贈り主は組み合わせた贈り物としてローズ・ダイヤモンドだけを贈る傾向が強い。人造ダイヤモンドだけを受取人に贈るとき、バラと人造ダイヤモンドの組み合わせの贈り物の象徴が伝達される。勿論、贈り主にとって最初に贈答品、すなわちバラの花束を受取人にプレゼントし、次いで後でそのバラを人造ダイヤモンドに転化することも、本発明の範囲内である。
最初に贈り物の有機材料を、ダイヤモンドを製造するのに必要な出発材料に転化する。炭素の形状が必要であるが、グラファイトなどの固体形態またはメタンなどの気体形態も使用することができる。最も好ましい材料は、幅広くグラファイト化に供したアモルファス形態で得られる炭素供給源である。
その後、グラファイト化させたアモルファス炭素を、適切な人造ダイヤモンド形成装置に進める。炭素の供給源から人造ダイヤモンドを製造する方法を開示する種々の特許から明白なように、種々のタイプの装置を使用する多くの方法が公知である。これらの例としては、米国特許第6,270,548号、同第5,908,503号、及び同第5,503,104号が挙げられる。必要な範囲で、これらの特許の全ての内容は、本明細書中、参照として含まれる。
本発明に適用するとき、人造ダイヤモンド合成のための好ましい方法の概要は以下の通り記載される。
本発明の方法は、多結晶CVDダイヤモンド、適切な触媒、及びグラファイト化アモルファス炭素の供給源で成長セル(growth cell)を充填する段階を含む。次いで、成長セルを横切って温度勾配を誘発するように、圧力と熱とを充填したセルに適用する。成長セルの中の圧力及び温度は、ダイヤモンドが炭素の熱力学的に安定形であるような圧力及び温度である。
本発明の物品は、そのサイズ及び形状が成長セルに含まれる材料に高圧を供給する装置によって画定される成長セル内で製造する。この高圧装置は、封入された成長セル内でダイヤモンド形成を持続させるのに必要な圧力を誘導し得る任意の装置である。これは、高圧ダイヤモンド宝石製造の従来法で使用される装置を含むことができる。そのような装置は、高圧及び高温に耐えることができる。この装置は当業界で公知である。典型的な装置は、本明細書中、参照としても含まれる米国特許第3,297,407号に記載されている。手短に言えば、この装置は、装置内を貫通する収束・分散アパーチャを有する環状ベルト部材を含む。向かい合って配置された一対の切頭錐体(frustoconical)と移動可能なパンチは開口部に移動して反応チャンバを画定する。試料材料を含有する成長セルは反応チャンバに設置され、切頭錐体パンチの運動を通した圧縮力はサンプル材料を高圧にかける。そのような装置の多くの変形が開示されている。これらの例としては、本明細書中、参照としても含まれる、米国特許第2,941,244号及び同第2,947,034号に記載のような個々のセグメントの間にガスケットを備えるマルチピース・ダイが挙げられる。他のタイプの装置としては、その全てがスライド関係にある複数の内部適合性(interfitting)重複圧力に抵抗する部材によって画定される所定の閉鎖反応チャンバが挙げられる。この配置によって、2を超える軸に沿って成長セルの容積を減らす。そのような装置の詳細は、本明細書中、参照としても含まれる米国特許第3,271,502号に開示されている。
この成長セル内の圧力は、通常、約5〜7Gpaを変動する。温度は、通常約1300〜1800℃を保持する。熱は、当業界で公知の任意の方法によって供給することができ、たとえば電気抵抗加熱を使用して必要な温度とすることができる。成長セルが炭素供給源で最も熱く、且つ多結晶CVDダイヤモンドで最も冷たいように、成長セル内で温度勾配を作るように熱を適用するのが重要である。このようにして、炭素供給源と接触させるときに金属溶媒を炭素で飽和させ、多結晶CVDダイヤモンドと接触させるときに炭素で過飽和にする。従って、炭素供給源からダイヤモンドを溶解させ、輸送し、次いで多結晶CVDダイヤモンド上に再び蒸着させるための駆動力がある。多結晶CVDダイヤモンドは当業界で公知である。CVDダイヤモンドは、たとえばDCプラズマ、マイクロ波プラズマ、及びホット・フィラメントCVD方法を含む種々の方法により製造することができるが、これらに限定されない。本発明で使用するためには、多結晶CVDダイヤモンドを製造する方法は重要ではない。通常、多結晶CVDダイヤモンドのプレートまたはディスクを成長セル内に設置する。
高圧ダイヤモンド成長に適切な触媒は、当業界で公知である。これらの例としては金属、たとえば鉄、アルミニウム、ニッケル、コバルト、タンタル、マグネシウム、クロム及びそれらの合金が挙げられる。
ダイヤモンドの成長は、溶融触媒にダイヤモンドまたは炭素を溶解し、次いで溶融触媒からダイヤモンドを多結晶CVDダイヤモンド上に沈殿させることによって提供する。本発明に関しては、必要な炭素供給源は、広範囲なグラファイト化を受けるアモルファス炭素である。
製造される人造ダイヤモンドは、種々の色で作ることができる。殆どが透明か白色である天然ダイヤモンドとは異なり、人造ダイヤモンドは、白並びに、黄、桃、青及び赤などの色で製造することができる。所望により、これらの色を変化させることもできる。人造ダイヤモンドの製造に明るい当業者は、所望の色(白を含む)を達成するために導入し得るプロセス改善を十分に承知している。たとえば、グラファイト粉末にドーパントを添加したり、白以外の色を付与するために白色の人造タイヤモンドをアニールしたりするのは慣習的である。上記の如く、本発明によって、贈り主は、贈り物として考えられる花またはバラの色をベースとしたダイヤモンドの色を選択することができる。これによって、花よりもずっと長期間楽しむことができる贈り物の完璧な記念品ができる。
本発明は、自分が使用するために本明細書中に記載の人造ダイヤモンドの一つを購入する人についても考える。この態様では、贈り主及び受取人は同一人物であってもよい。
また、人造ダイヤモンドは、賞品または景品として受取人に贈ることができる。たとえば娯楽での賞品は、貴金属及び宝石でできていることが多く、本発明の人造ダイヤモンドはそのような賞品に組み込むことが全くもって可能である。また、本発明によって想定されるのは、贈り物が暫定的であるか、またはダイヤモンドが所有者から貸与されるか若しくは借りたジュエリーにセットされている状況である。これは通常、ジュエリーデザイナーがエンターテインメント業界で自分たちのデザインの販売促進のために、その作品を有名俳優に貸し出す場合に行われる。これらの状況は、本発明において「贈り主:gift-fiver」及び「受取人:recipient」なる用語によっても考慮することができる。
人造ダイヤモンドは、天然ダイヤモンドと同一方法で任意のタイプのジュエリーに据え付けたり組み込んだりすることができる。かくして、広範な種類のリング、イヤリング、ネックレス、ペンダント、ブレスレッドなどを本発明の人造ダイヤモンドを使用して製造することができる。勿論、当業者は本発明の多くの変形及び代替態様を思いつくことができようが、そのような変形は全て付記請求の範囲に含まれるものである。

Claims (14)

  1. 有機材料を含む贈り物からより恒久不変な記念品をつくる方法であって、ここで前記贈り物は束の間の美しさを有し、且つ受取人に向けられた贈り主の感情を象徴するものであり、この贈り物の有機材料を人造ダイヤモンドに転化することによって、前記贈り物の束の間の美しさを、受取人に対する贈り主の感情を象徴するより恒久不変または永遠の具現化物に転換させることを含む、前記方法。
  2. 前記人造ダイヤモンドは、贈り物の有機材料を炭素または炭素含有化合物に転換し、次いで前記炭素または炭素含有化合物を人造ダイヤモンドに転化することによって製造される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記炭素材料はグラファイトであり、前記炭素含有化合物はメタンである、請求項2に記載の方法。
  4. 前記有機材料が有機植物材料を含む、請求項2に記載の方法。
  5. 前記有機植物材料が、食用または非食用植物、低木、若しくは木またはこれらの果実あるいは野菜である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記有機植物材料が花である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記花がバラである、請求項6に記載の方法。
  8. 前記贈り物が提案されただけの贈り物であり、前記ダイヤモンドだけが受取人に贈られる、請求項1に記載の方法。
  9. 最初に前記贈り物を受取人に贈与し、後から前記贈り物の有機材料を前記ダイヤモンドに転化する、請求項1に記載の方法。
  10. 前記贈り物と前記人造ダイヤモンドのいずれもが、贈り主から受取人への愛情を象徴するものである、請求項1に記載の方法。
  11. 前記人造ダイヤモンドが、白、赤、桃、黄、または青色を有する、請求項1に記載の方法。
  12. 重要な機会であることを表すために受取人に人造ダイヤモンドを贈ることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記機会が結婚の申し込み、記念日、祝日または受取人の誕生日である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記贈り主と受取人が同一人物である、請求項1に記載の方法。
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