JP2006501370A - ナノ粒子の膜の電場補助的な堆積方法 - Google Patents

ナノ粒子の膜の電場補助的な堆積方法 Download PDF

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Abstract

【解決手段】本発明は、制御された厚さの、パターン化されていないか、又は選択的にパターン化されたナノ粒子膜を、1組の電極の各々の各膜堆積表面上に堆積する方法を対象とする。本発明の方法では、1組の電極は、各々が導電膜堆積表面を持ち、非導電性の非極性溶媒中に浸漬され、そこにおいて、各ナノ粒子は、各々がそれに付着するリガンドを持ち、懸濁される。電圧が1組の電極に印加され、それによって、ナノ粒子の膜を1組の電極の各々の各膜堆積表面上に堆積させる。本発明の方法によって形成されたナノ粒子膜は、パターン化されないでよく、又はそれらは1組の電極の少なくとも1種の電極でその導電膜堆積表面をパターン化することによってパターン化することができる。本発明の方法に従って形成されるナノ粒子膜は電子装置における層として有用である。

Description

本発明は米国立科学財団によって与えられた授与番号DMR-9809687の下に政府の支援でなされた。したがって、政府は本発明において一定の権利を持つ。
(発明の分野)
本発明は、概して、ナノ粒子の、パターン化されてないか、又は選択的にパターン化された膜を堆積する処理に関する。より一層詳しくは、本発明は、一組の電極の各導電(conducting)膜堆積表面上に、制御された厚さの、パターン化されてないか、又はパターン化されたナノ粒子の膜を堆積する方法に関し、各電極は、実質的に非導電性(non-conducting)の非極性溶媒中に浸漬され、そこでは、ナノ粒子が懸濁されており、そこで、電圧が一組の電極の各膜堆積表面の間に印加される。
(発明の背景)
ナノ粒子膜は、複雑な構造及び装置のための基礎的要素(building blocks)として有用であり;従って、高品質で、強い(robust)ナノ粒子膜を形成する優れた方法を開発するのが望ましい。様々な方法がナノ粒子膜を形成する技術において知られているが、かかる方法は、ギャップがなく、及び高度の表面滑らかさ及び均一性を持つ制御可能な厚さの、強い、パターン化されたナノ粒子膜を提供することができない。
ナノ粒子膜は、電気泳動を用いて堆積されており、そこでは、一組の電極は、それらの間に印加された電圧を持ち、極性溶媒中で、その中に懸濁したナノ粒子を持つものの中に浸漬される。ナノ粒子膜は一方の電極の表面上に形成される。電気泳動によって形成されるナノ粒子膜は、低質であり、その膜は、連続的でない傾向があり、及び厚さにおいて単層のナノ粒子に制限される。さらに、かかる膜は強くなく、電極に印加された電圧の極性が逆転するとき、堆積したナノ粒子は溶液中に戻る。同様に、電気泳動によって堆積したナノ粒子膜を溶媒中に浸漬するとき、膜が溶媒中で溶解する。
ナノ粒子膜は、また、非電着技術によって形成される。かかる技術の1種は、乾式注型(dry casting)であり、そこでは、溶媒の滴で、その中に懸濁したナノ粒子を持つものを、平坦な基材表面上に堆積させる。溶媒を蒸発させるとき、単層の厚いナノ粒子膜が基材表面上に自己集合によって形成される。
しかし、乾式注型において、溶媒の蒸発中に、ナノ粒子は広がる傾向があり、得られる膜の均一性が制御されるのを困難にさせる。この拡散は、ヘキサンのような、速乾性(fast-drying)の溶媒が用いられるとき急速に起こる。拡散の量は、遅乾性(slow-drying)の溶媒(ヘプタメチルノナンのような)を用いるとき減少する;しかし、乾燥に、あまりに多くの時間を要することが多く、及び溶媒の残留物が膜中に残ることがある。
乾式注型により形成されたナノ粒子膜は、平坦でない粗い表面を持つ傾向がある。さらに、膜は強くなく、それらは、溶媒中に浸漬したとき溶解し溶液中に戻る。加えて、乾式注型により形成されたナノ粒子膜は、パターン化されない。したがって、乾式注型によって形成されたナノ粒子膜は、一般的に、電子装置の層としての使用のような一定の適用に対し有用でない。さらに、乾式注型によって形成されたナノ粒子膜の厚さは、正確に制御することができない。
ナノ粒子膜を形成するための別の既知の非電着技術は、回転被覆(spin coating)であり、そこでは、溶媒及びナノ粒子を含む懸濁液の一定の量を、平坦な基材表面上に配置し、及び基材を極めて迅速に回転させてナノ粒子の平坦な膜を基材表面上に形成させる。いくつかの回転被覆処理では、ナノ粒子を重合体の前躯体と共に回転被覆して、ナノ粒子及び重合体の複合膜を基材表面上に形成する。乾式注型のように、回転被覆の処理はナノ粒子の自己集合に依存して基材の表面上に層を形成する。
回転被覆によって形成されたナノ粒子膜は、粗く、非平坦面を持つ傾向があり、及び強くなく、その膜は、溶媒中に浸漬したとき、溶解して溶液中に戻る。同じく、回転被覆によって基材表面上に形成した膜の厚さは、正確に制御することができない。さらに、回転被覆によって形成されたナノ粒子膜は、パターン化されず、従って、良質のパターン化されたナノ粒子膜が必要な電子装置における層として有用ではない。
電極の表面上のナノ粒子膜の電気化学的堆積のための別の処理は、Zhang(チャン)等の、Adv. Mater. (先端材料)11(17), 1437頁 (1999年)に開示されている。この処理では、CdSeのナノ粒子を形成するための反応物質を溶液中で混合し、一組のカドミウム/金の電極を溶液中に浸漬する。直流(DC)電圧を電極間に印加するとき、溶液中で形成されるナノ粒子が電極の一方の表面上、とりわけ、陰極上に堆積する。陰極上のナノ粒子の堆積は、陰極の表面にわたるナノ粒子の被覆率が実質的に完全である膜を形成する。
しかし、Zhang等の処理を用いて形成されるナノ粒子膜はギャップを持つ傾向がある。また、かかる膜において、CdSeのナノ粒子は、混合された結晶(混晶)構造を持ち、そこでは、CdSeのナノ粒子の結晶質構造の3種のすべてが膜中に存在する。したがって、膜は低い均質性を持つ。さらに、この処理を用いて堆積した膜は、粗い表面を持ち、及び強くない。加えて、Zhang等の処理は、ナノ粒子の1種より多い層を持つナノ粒子膜を形成させることができない。
したがって、ナノ粒子の複数層を持つ、パターン化されていないか、又はパターン化されたナノ粒子膜を形成する方法のための技術において、必要性が存在し、そこでは、膜の厚さを正確に制御することができ、及びそこでは、膜は、均一で、平滑な表面を持ち、及び強く、溶媒中に浸漬したとき膜が溶解しない。
(発明の概要)
技術における前述の必要性は、本発明によって実質的に満たされ、本発明は、実質的に非導電性の非極性溶媒及びナノ粒子の懸濁液から、ナノ粒子の膜を形成するための方法であり、ナノ粒子の各々がそれに付着したリガンドを持つ。1組の電極で、各々が各導電膜堆積表面を持つものを、溶媒及びナノ粒子の懸濁液中に浸漬する。次いで、DC電圧を、1組の電極の各膜堆積表面の間に印加して、懸濁液中のナノ粒子を双方の電極の各膜堆積表面上に堆積させる。
本発明の方法は、平滑で、均一であり、及び強いナノ粒子膜を提供し、その膜厚は、印加されたDC電圧の継続期間、印加されたDC電圧の大きさ、及び懸濁液中のナノ粒子の密度の少なくとも1種を制御することによって正確に制御することができる。また、本発明の方法によって形成されるナノ粒子膜は、1組の電極の少なくとも1方の各膜堆積表面をパターン化することによってパターン化することができる。形成されるナノ粒子膜は、電子装置の層として用いることができる。
(図面の簡単な記載)
次に、本発明を、その模範的な具体例を参照し、添付図面と併せて、詳細に説明する。添付図面は:
図1は本発明の方法を実行するための模範的な器具を描写する;
図2は、電極の、平らで、パターン化されていない金膜堆積表面を描写するもので、電極は、チタンの10nmの厚さの層及び金の150nmの厚さの層が被覆されたシリコンウェファ基材からなる;
図3は本発明に従い金膜堆積表面上に電着した3.4μmの厚さのパターン化されていないナノ粒子膜の電子顕微鏡写真である;
図4(A)は、本発明に従うナノ粒子膜の電着の間の、印加電圧に対するヘキサンにおけるCdSeナノ粒子の懸濁液中の電流及び電流密度のグラフによる描写である;
図4(B)は、本発明に従う各々の膜堆積表面上で電着ナノ粒子膜に対し1.4mmによって隔てられた1対の電極の各膜堆積表面間に318ボルトの電圧を印加するときの、懸濁液中のCdSeナノ粒子の濃度に対するヘキサンにおけるCdSeナノ粒子の懸濁液中の電流及び電流密度のグラフによる描写である;
図4(C)は、本発明に従うナノ粒子膜の電着の間の時間に対するヘキサンにおけるCdSeナノ粒子の懸濁液中の電流のグラフによる描写である;
図5は、電着前のCdSeナノ粒子の懸濁液の光吸収スペクトル、及び本発明に従うCdSeナノ粒子膜の電着後のCdSeナノ粒子懸濁液の光吸収スペクトルのグラフによる描写である;
図6は、本発明に従う電着されたCdSeナノ粒子の3.4μmの厚さのパターン化されていない膜の光ルミネセンススペクトル、ヘキサン及び3.2nmの直径のCdSeナノ粒子の懸濁液の光ルミネセンススペクトル、及び乾式注型によって形成した3.2μmの厚さのナノ粒子膜の光ルミネセンススペクトルのグラフによる描写である;
図7は、電極のパターン化された金膜堆積表面を描写するもので、そこでは、パターン化された膜堆積表面が、シリコンウェファ基材表面の上の0.2μmの厚さの二酸化ケイ素の層上に形成された10nmの厚さのチタンの層の線の頂部上に形成された150nmの厚さの金の層の平行線からなり、そこで、各々の金/チタン線が、適用される電源の1端に接続される;
図8(A)は、図7に示すパターン化された膜堆積表面上の本発明に従う電着された0.8μmの厚さを持つパターン化されたナノ粒子膜の電子顕微鏡写真である;
図8(B)は、図8(A)において囲まれた領域を拡大した電子顕微鏡写真であり、二酸化ケイ素の領域上の事実上のナノ粒子の堆積がないことを示す;
図9は、電極のパターン化された膜堆積表面を描写するもので、そこでは、パターン化された膜堆積表面が、シリコンウェファ基材表面の上の0.2μmの厚さの二酸化ケイ素の層上に形成された10nmの厚さのチタンの層の線の頂部上に形成された150nmの厚さの金の層の平行線からなり、そこで、各々の金/チタン線が、適用される電源の1端に接続される;
図10(A)は、図9に示すパターン化された膜堆積表面上の本発明に従う電着された0.8μmの厚さを持つパターン化されたナノ粒子膜の電子顕微鏡写真である;
図10(B)は、図10(A)においてパターン化された膜の囲まれた領域を拡大した電子顕微鏡写真であり、ナノ粒子の堆積がパターン化された金膜上で起こり、及びナノ粒子の堆積が二酸化ケイ素の領域上で実質的に起きないことを示す;
図10(C)は、パターン化された金/チタン膜堆積表面の40μmの幅広の金/チタン線上に堆積した図10(A)のパターン化されたナノ粒子膜の40μmの幅広領域の側面計のトレースである;
図10(D)は、パターン化された金/チタン膜堆積表面の1μmの幅広の金/チタン線上に堆積した図10(A)のパターン化されたナノ粒子膜の1μmの幅広領域の側面計のトレースである;
図11(A)は、パターン化された膜堆積表面上の本発明に従う電着された約0.8μmの厚さを持つパターン化されたナノ粒子膜の電子顕微鏡写真である;
図11(B)は、図11(A)において示すパターン化されたナノ粒子膜の3種の明りょうに異なる領域の側面計のトレースである;及び
図12は、図11(A)において示すパターン化されたナノ粒子膜の3種の明りょうに異なる領域の光ルミネセンススペクトルのグラフによる描写である。
(発明の詳細な記載)
図1に関して、本発明の方法の模範的な具体例を達成するためのナノ粒子膜の形成用の器具の概略図を示す。器具は、容器10を含み、容器は実質的に非導電性の非極性溶媒12を含み、その中に懸濁するリガンドを冠する(ligand-capped)ナノ粒子を持つ。本発明の具体例では、溶媒12はヘキサンであり、及びナノ粒子14は約3nmから約4nmまでの平均直径を持つCdSeのナノ結晶であり、そこでは、各々のナノ粒子はそれに付着するトリオクチルホスフィン(TOP)リガンド及び/又は酸化トリオクチルホスフィン(TOPO)リガンドを持つ。TOPリガンド及び/又はTOPOリガンドで覆われるとき、これらのナノ粒子は一般に“TOPOを冠するCdSeナノ結晶”と称される。本発明の方法に有用なCdSeナノ結晶は、Murray(マリー)等の、J. Am. Chem. Soc.(米国化学会誌) 115, 8706(1993年)、その全体において参考として本明細書に組み込むものに記載されている方法に従って調製することができる。ヘキサン溶媒中のTOPOを冠するCdSeのナノ結晶の濃度は、約1×1015から1×1016個のナノ粒子/ヘキサン溶媒のccである。
1対の電極16及び16'は、ヘキサン中で懸濁したTOPOを冠するCdSeナノ結晶を含有する懸濁液中に浸漬される。各々の1対の電極16及び16'は、平面の膜堆積表面22,24をそれぞれ持ち、陽性端子18及び陰性端子20を持つ電源19に電気的に接続され、その結果、陽性端子18に接続する膜堆積表面22が陽極として働き、及び陰性端子20に接続する膜堆積表面24が陰極として働く。膜堆積表面22,24は、電源19の陽性及び陰性端子18及び20に、銀製ワイヤ26及び26'によって電気的に接続され、それらは、電気伝導(electrically conducting)接着剤としての銀のペーストを用いて、膜堆積表面22及び24に付着する。
本発明の具体例では、膜堆積表面22及び24は、互いに平行であり、及び約1.4mmの間隔によって分かれる。電圧が電源19によって1対の電極16及び16'に印加されるとき、TOPOを冠するCdSeのナノ結晶の膜が、双方の電極16及び16'の各膜堆積表面22及び24上に堆積する。
本発明のこの具体例では、1対の電極16及び16'に印加される電圧はDC電圧である。しかし、また、交流(AC)電圧及びDC成分を持つAC電圧を用いて、本発明によって、ナノ粒子膜を形成することもできる。本発明の具体例では、印加する電圧は、約100ボルトから約1000ボルトまでの範囲内であり、そこで、1対の電極16及び16'の膜堆積表面22及び24は、約1.4mmの間隔によって分けられる。これらの条件下で、導電膜堆積表面22及び24の間の領域における電場は、約700ボルト/cmから約7000ボルト/cmにまで及ぶ。
本発明の具体例では、DC電圧を、1対の電極16及び16'に、約45分間、暗所で、及び室温で保たれた器具を用い、印加する。追加のヘキサン溶媒を懸濁液に添加し、必要に応じ、蒸発によって失われた任意の溶媒を補充する。
図2は、TOPOを冠するCdSeのナノ粒子を含む、平坦な、パターン化されていないナノ粒子膜を形成するための図1の器具において用いられる模範的な電極31の図を示す。電極31は、平坦な、パターン化されていない金膜堆積表面30を持ち、矩形のシリコンウェファ基材32〔(100)の配向(orientation)を持つ〕を含み、基材は10nmの厚さのチタン層34で1方のその表面の0.8×1.4cmの面積上にわたり被覆されている。チタン層34の頂部上で、150nmの厚さの金層36があり、これは、膜堆積表面30を提供する。金/チタン層は、銀ワイヤ(示していない)に銀ペーストを用いて電気的に接続する。
図3は、図1の器具の1対の電極16 及び16'の1方の膜堆積表面22及び24上に形成される、平坦な、パターン化されていないCdSeのナノ粒子膜41の電子顕微鏡写真を示す。
電極16及び16'の各々は、図2において示す構造を持つ。図3において示すナノ粒子膜は3.4μmの厚さを持つ。
図3において示す膜41のような、本発明の具体例に従い形成されたナノ粒子膜は、ヘキサン溶媒が蒸発し、及び膜が乾燥した後、時々、クラッキングを見せる。図3においては、CdSeのナノ粒子膜41がいくつかのクラッキングを示し、そこでは、クラック40が約5μmの幅広であり、及びナノ粒子膜の全面積の約4±2%を占める。しかし、ナノ粒子膜の、連続的な、クラックのない部分42の横方向の寸法は、図3において示す膜41について何百ミクロンを超える。何百ミクロンの長さ及び幅を持つナノ粒子膜のクラックのない部分42が、それぞれ、適用(電子装置における層として用いるためのような)のために十分過ぎるので、図3において示す結果は、CdSeナノ粒子膜41の、連続的な、クラックのない部分42が装置作製において用いられることを表す。
加えて、クラッキングは、本発明に従い形成されたナノ粒子膜において常に観察されるものではない。例えば、パターン化される膜堆積表面上に形成されたナノ粒子膜は(以下により一層詳しく論議されるが)、典型的に任意のクラッキングを見せず、その理由は、これらの膜のパターン化された領域が典型的に小さな寸法を持つからである。さらに、図3に示すもののようなナノ粒子膜の、連続的で、クラックのない部分の寸法は、用いる溶媒の変更によるのような、電着の一定の条件の変更によって、又は重合体又は同種のものから作られる可とう性電極基材を用いることによって、大きくすることができる。その上、本発明の方法に従い形成され、及び約0.8μm又はそれより薄い厚さを有する、双方の、パターン化されたか、又はパターン化されていないCdSeナノ粒子膜は、任意のクラッキングを示さない。
本発明の具体例では、CdSeナノ結晶の濃度は約1.0×1015個のナノ粒子/ヘキサン溶媒のccである。この濃度のナノ粒子で、電極16及び16'間の最初の電流は約70ナノアンペアであり、これは、約63ナノアンペア/cm2の電流密度に対応する。電流の流れの結果として、均一な膜が電極16及び16'の各膜堆積表面上で形成される。膜は印加電圧の欠損下では堆積しなかった。
図4(A)は、異なる印加電圧についての、約1×1015個のナノ粒子/ヘキサン溶媒のccの濃度を持つCdSeナノ結晶の懸濁液中で、約1.4mmの間隔によって分けられた電極16及び16'の間で流れる電流及び電流密度の測定値のグラフによるプロットである。図4(A)のデータは、所定の濃度のナノ粒子でこれらの懸濁液を介して流れる電流及び電流密度が双方で印加電圧に直線的に依存することを示す。図4(B)は、約1.4mmの間隔によって分けられた、電極16及び16'間の電流及び電流密度のグラフによるプロットであり、ヘキサン溶媒において、318Vの印加電圧について、異なる濃度のCdSeナノ粒子でのものである。
図4(C)は、1.0×1015個のナノ粒子/ヘキサン溶媒のccの最初の濃度を持つヘキサン溶媒中のCdSeナノ結晶の懸濁液において、約318Vの固定印加電圧で、電極16及び16'間で流れる電流を時間の関数として測定したグラフによるプロットであり、そこでは、電極16及び16'を約1.4mmの間隔によって分けた。図4(C)に提示するデータは、電極16及び16'の間で流れる電流が、約70ナノアンペアから約25ナノアンペアにまで、約45分の期間にわたり減少する一方、CdSeナノ粒子が、懸濁液から電極16及び16'の各膜堆積表面上に堆積することを示す。
図5に関して、任意の電着が起こる前の、TOPOを冠するCdSeナノ結晶の懸濁液の光吸収スペクトル60、及び平坦な、パターン化されていないCdSeナノ粒子膜の上述の手法における電着後のCdSeナノ粒子の懸濁液の光吸収スペクトル62を示す。図5に提示する光吸収データは、懸濁液での光吸収が、1対の電極の各膜堆積表面上のナノ粒子の堆積のために、懸濁液中でのナノ粒子の濃度の減少に伴って減少することを示す。懸濁液の光吸収スペクトル60及び62における“出っ張り(bump)”はCdSeナノ結晶のバンドギャップのためである。
図6に関しては、上述の手法における電着によって形成した、平坦な、パターン化されていないCdSeナノ粒子膜についての光ルミネセンス(PL)スペクトル70、ヘキサン中でのCdSeナノ粒子の懸濁液についての光ルミネセンススペクトル72、並びに、乾式注型に従い形成したCdSeナノ粒子膜の光ルミネセンススペクトル74を示す。PLスペクトル70は567nm近くに鋭いピークを持ち、これは、励起子発光の表れであると思われ、及び654及び745nmでの2種のより一層小さいピークは、電着したナノ粒子膜における欠陥のせいかもしれない。
電着したCdSeナノ粒子膜についてのPLスペクトル70が567nmで極めて鋭いピークを持つという事実は、電着したCdSeナノ粒子膜におけるナノ粒子が限られた寸法分布を持つことを表す。限られた(narrow、狭い)寸法分布のナノ粒子は、寸法選択的沈澱又はナノ粒子合成の終わりの遠心分離によって得、合成されたナノ粒子が相対的に均一な寸法であることを確実にすることができる。限られた寸法のナノ粒子を用いることによって、本発明に従い形成された電着ナノ粒子膜がより一層高度の均一性及び連続性を持つ。
ナノ粒子膜の任意の電着が起こる前の、ヘキサン中の、TOPOを冠するCdSeナノ結晶の懸濁液についてのPLスペクトル72は、560 nmでピークを持つ。このピークは、また、相対的に鋭く(上述のPLスペクトル70に類似し)、ヘキサンにおける懸濁液中のCdSeナノ結晶もまた、限られた寸法分布を持つことを表す。電着されたCdSeナノ粒子膜についての図6のPLスペクトル70における強い567nmのピークは、電着された膜中のCdSeナノ結晶の特性が、電着前のヘキサン中でのCdSeナノ結晶の特性から実質的に変化してないことを示す。したがって、本発明に従う形成された電着ナノ粒子中のCdSeナノ結晶が、同じ寸法分布を維持し、それらのリガンドキャッピングを保持し、及び概してヘキサンにおける懸濁液中のCdSeナノ結晶の化学的及び物理的特性を失わせない。
PLスペクトル74は、乾式注型によって形成されたナノ粒子膜についてのものである。このCdSeナノ粒子膜は、ヘキサン中のTOPOを冠するCdSeナノ結晶の懸濁液を用いて形成され、そこでは、CdSeナノ結晶の平均直径は約3.2nmである。乾式注型によって形成されたナノ粒子膜の厚さは、約3.2μmであった。上述したように、乾式注型法は、単に、ヘキサン溶媒が、ナノ粒子の自己集合によって形成される膜から蒸発するようにする工程を包含する。乾式注型によって形成されたCdSeナノ粒子膜についてのPLスペクトル74におけるピークの高さは、本発明の方法に従う電着によって形成されるCdSeナノ粒子膜についてのPLスペクトル70のピークより著しく小さく、このことは、本発明の方法に従う形成された膜が乾式注型によって形成される膜よりも著しくより一層高い密度のCdSeナノ結晶を持つことを表す。
本発明によれば、パターン化されたナノ粒子膜を、1対の電極16及び/又は16'の少なくとも1種の膜堆積表面22及び/又は24上で電着させることができ、そこでは、膜堆積表面22及び/又は24は、望ましいパターンを持つように形成される。1種の模範的な具体例では、パターン化されたナノ粒子膜を電着するのに適するパターン化された膜堆積表面80を持つ電極82を図7において示す。
図7は、パターン化された膜堆積表面80が、シリコンウェファ基材92上に成長した二酸化ケイ素の0.2μmの厚さの層90上に形成した複数の平行な金/チタン線84からなる(各10nmの厚さのチタン線88の頂部上の複数の150nmの厚さの金線86からなる)、電極82のパターン化された金膜堆積表面80を示し、そこでは、シリコンウェファ基材は(100)の結晶学的配向を持つ。平行な金/チタン線84は、異なる幅を持ち、約245μmから約325μmまでの範囲にわたり、及び金/チタン線84の間の間隔は約80μmから約1μmにまで及ぶ。各々の平行な金/チタン線84は、適用される電源の1方の端子に、銀のワイヤ及び銀のペーストを用いて接続される(示していない)。このようにして、パターン化された金膜堆積表面80の導電性領域は、平行な金/チタン線84の上のそれらの領域である1方、絶縁領域は、二酸化ケイ素の層90の上の空間94におけるそれらの領域である。パターン化された膜堆積表面は、通常の写真平版及びエッチングを用いてパターン化されていない膜堆積表面から形成することができる。
模範的な具体例では、図7で示すもののような、パターン化された金膜堆積表面を持つ電極を、1対の電極16及び16'の少なくとも1種として用い、そこでは、1対の電極16及び16'が、ヘキサン及びTOPOを冠するCdSeナノ結晶の懸濁液を含む容器10中に浸漬され、及びそこでは、電源19によって供給されるDC電圧が1対の電極16及び16'の間に印加され、パターン化されていないナノ粒子膜の電着のための図1に関連して上述したのと同じ手法において、パターン化されたCdSeナノ粒子膜が形成される。
図8(A)に関し、図7で描写したもののような、電極のパターン化された膜堆積表面上に電着されたCdSeナノ粒子膜の電子顕微鏡写真を示す。図8(A)では、約245μmから約325μmまでの幅を持つ、より一層明るい領域100は、電源の端子に電気的に接続されたパターン化された膜堆積表面上のCdSeナノ粒子膜の電着の領域を示す一方、約80μmから約1μmの幅を持つ暗い領域102は、絶縁性の二酸化ケイ素領域を示し、そこでは、本質的にCdSeナノ粒子の電着が起こらない。平行な金/チタン線の上のナノ粒子膜領域は、約0.8μmの厚さを持つ。この0.8μmの厚さは上述のパターン化されていない膜の3.4μmの厚さよりも薄いが、約0.8μmの厚さを持つナノ粒子膜は、電子装置における層としての使用のような、適用における使用のために十分過ぎるほどである。また、先に述べたように、約0.8μmの厚さを持つナノ粒子膜は、約3.4μm厚のナノ粒子膜と比べたとき、皆無かそれに近いクラッキングしか見せない傾向がある。
図8(B)は、図8(A)において囲まれた領域104についての拡大した電子顕微鏡写真を示す。この領域104 は約10μmの幅を持つ暗い領域102の1種を包含する。暗い領域102は絶縁性の二酸化ケイ素の領域を示し、そこでは、本質的に電着が起こらない。10μmの幅広い領域102は、2種のより一層明るい領域100の間に配置され、この領域は0.8μm厚の電着されたCdSeナノ粒子膜の領域を示す。
図9に関して、本発明に従うパターン化されたナノ粒子膜の電着のための別の模範的な電極を示す。図7の電極のように、図9における電極82のパターン化された金膜堆積表面80は、シリコンウェファ基材92上に成長した二酸化ケイ素の0.2μm厚の層90上に形成された平行な金/チタン線84(10nm厚のチタン線88の上の150nm厚の金線86からなる)からなり、そこでは、シリコンウェファ基材は(100)の結晶学的な配向を持つ。図7で示す電極のように、膜堆積表面は、通常の写真平版及びエッチングを用いてチタン層上にパターン化されていない金をパターン化することによって形成される。
平行な金/チタン線84は、約80μmから約1μmまでに及ぶ異なる幅を持ち、及び金/チタン線84間の間隔空け(specing)は約245μmから約325μmにまで及ぶ。各々の平行な金/チタン線84を適用する電源の1種の端子に接続する。このようにして、パターン化された金膜堆積表面80の導電性領域は、平行な金/チタン線84の上のそれらの領域である一方、絶縁性の領域は隣接した金/チタン線84の間の空間94における二酸化ケイ素層90のそれらの領域である。
図10(A)は、図9で描写したパターン化された金膜堆積表面上で形成されるCdSeナノ粒子膜の電子顕微鏡写真を示す。図8(A)の顕微鏡写真と同様に、図10(A)における顕微鏡写真は、約80μmからの約1μmまでの幅を持つ、より一層明るい領域100を示し、それは、CdSeナノ粒子膜が堆積した領域を示す。図10(A)は、また、約245μmから約325μmまでの幅を持つ暗い領域102を示し、それは、本質的にCdSeナノ粒子の電着が起こらない絶縁性の二酸化ケイ素の領域を示す。より一層明るい領域100では、CdSeナノ粒子膜の厚さは約0.8μmであった。
図10(B)に関し、図10(A)における囲まれた領域106の大きくした電子顕微鏡写真を示す。図10(B)において大きくした領域は、1μmの幅広の金/チタン線の1種の部分で、その上に堆積したCdSeナノ粒子膜を持つ部分を包含する。CdSeナノ粒子膜の1μmの幅広線は、2種のより一層暗い領域102の間にあり、それらは、本質的にCdSeナノ粒子膜の電着が起こらない二酸化ケイ素の絶縁性領域を示す。
図10(C)では、電極のパターン化された金膜堆積表面の40μmの幅広の金/チタン線上に形成されたパターン化されたCdSeナノ粒子膜の断面について側面測定のトレースを示す。これらのプロファイル測定の測定値は、パターン化されたCdSeナノ粒子膜の選定された領域のトポグラフィを物理的にトレースすることによって採取され、及び図10(C)のトレースは、40μmの幅広の金/チタン線上に形成される膜の鉛直高さが約0.8μmであると測定されたことを示す。同様に図10(D)は、電極のパターン化された金膜堆積表面の1μmの幅広の金/チタン線上に形成されたパターン化されたCdSeナノ粒子膜の断面についての側面測定のトレースを示す。この領域におけるCdSeナノ粒子膜の高さは、また、約0.8μmであると測定された。図9で示す電極における最も狭い金/チタン線は1μmの厚さを持つが、電極のパターン化された金膜堆積表面のより一層狭い金/チタン線を、通常の写真平版及びエッチングを用いて、形成することができ、及びかかるより一層狭い線上のナノ粒子膜堆積を観察することができる。
図11(A)に関し、膜堆積表面上に電着したパターン化ナノ粒子膜の電子顕微鏡写真を示し、それは、通常の写真平版及びエッチングを用いて、ある形状及び文字にパターン化してある。図11(A)で示すナノ粒子膜を形成するのに用いる電極は、二酸化ケイ素の0.2μmの層で被覆された(100)の結晶学的な方向で配向された主要な表面を持つシリコンウェファ基材からなる。10nmのチタンの層はシリコンウェファ基材の主要な表面にわたる二酸化ケイ素層上に堆積させた。次いで、150nmの金層をチタン層上に堆積し、及び次いで、チタン及び金の層を通常の写真平版及びエッチングによってパターン化して、望ましい形状及び文字を持つ膜堆積表面を形成した。膜堆積表面を図11(A)で示すように3種の明りょうに異なる領域を持つナノ粒子膜の電着のためにパターン化した。とりわけ、図11(A)で示す膜の電着に用いる電極の膜堆積表面は、3種の種類の領域を持つ:二酸化ケイ素の層の上に金/チタンの層が乗せられ、及び金/チタン層が電源の1種の端子に電気的に接続される領域;金/チタン層が二酸化ケイ素の層の上に形成されない領域;及び金/チタン層が二酸化ケイ素層の上に形成されるが、そこでは、金/チタン層が電源に電気的に接続されない領域。
このようにして、図11(A)の顕微鏡写真で描写されるように、上述のパターン化された膜堆積表面上に電着されるナノ粒子膜は、3種の種類の領域を示す:ナノ粒子膜の堆積が、電源の1種の端子に電気的に接続されている膜堆積表面のこれらの領域の結果として起こった領域を示すより一層暗い灰色領域110;二酸化ケイ素の絶縁性領域の上でナノ粒子膜の堆積が本質的に起こらなかった領域を示す黒色領域112;及び電源に電気的に接続されなかった金/チタン層の上でナノ粒子膜の堆積が本質的に起こらなかった領域を示すより一層明るい灰色領域114。領域114は、領域110から電気的に分離され、その理由は、それらが、絶縁性領域112において二酸化ケイ素層の上にナノ粒子膜の堆積が本質的に起こらなかった絶縁性領域112によって囲まれるからである。
図11(B)で示すプロファイル測定のトレースは、図11(A)で示すナノ粒子膜の3種の種類の領域の各高さを示す。領域110について、ナノ粒子膜の高さは約0.8μmであるが、領域112についての極めて低いプロファイル測定の読み取りは、そこでの二酸化ケイ素層上のナノ粒子膜の堆積がないことを表す。同様に、領域114についてのプロファイル測定の高さの測定値は、電源に電気的に接続されなかったパターン化された膜堆積表面の金/チタン領域上でナノ粒子膜の堆積が本質的に起こらなかったことを表す。
図12に関し、図11(A)で示すパターン化されたCdSeナノ粒子膜についての光ルミネセンススペクトル116及び118を示す。図12では、PLスペクトル116は、ナノ粒子膜が堆積した領域110についてのものである。光ルミネセンススペクトル118は、本質的にナノ粒子膜の堆積が起こらなかった領域112及び114についてのものである。PLスペクトル116は、PLスペクトル118よりも少なくとも50倍強く、更に、本質的にCdSeナノ粒子膜の電着が、図11(A)で示す領域112及び114上で起こらなかったことを表す。
理論か又は任意の機構による制約を願わない場合、非導電性の、非極性溶媒中の、リガンドを冠するナノ粒子の懸濁液において、CdSeナノ結晶のようなナノ粒子は、永久双極子モーメントを持ち、及びナノ粒子の画分が熱的に帯電(thermally charge)されると考えられる。これらの概念は、Blanton(ブラントン)等のPhys. Rev. Lett.(フィジカル・レビュー・レターズ) 79 (5)、865 (1997年)及びShim(シム)等のJ. Chem. Phys.(化学物理学誌) 111(15)、6955 (1999年)において考察されており、これをその全体において参考のため本明細書に組み込む。本発明の一定の具体例では、懸濁液中に浸漬された電極を横切って印加されるDC電圧によって生じるDC電場は、荷電した(charged)CdSeナノ結晶を電極上の膜堆積表面の導電性領域に輸送するのに働き、適用される電源の異極性の端子に接続される1組の電極の双方の電極の膜堆積表面上に、制御可能で、及び等しい厚さのナノ粒子膜を形成し、通常の電気泳動的な堆積技術とは違って、懸濁液中の正に及び負に荷電したナノ粒子の等しい密度を示唆する。荷電粒子は、パターン化された電極が用いられるとき、膜の空間的に制御可能なアセンブリのための電極の間のDC電場によって、1対の電極の双方の膜堆積表面に、局部的に及び選択的に輸送することができる。
膜が本発明に従い電着される間、観察される電流は、例えば、正に荷電したナノ粒子が電源の負の端子に接続された電極に流れると共に、負に荷電したナノ粒子が電源の正の端子に接続された電極に流れることによるものと考えられる。双方の電極上の同じ厚さを持つ膜の電着は、正に荷電されたナノ粒子及び負に荷電されたナノ粒子の密度が溶液中で等しいことを示唆する。
本明細書に記載する堆積方法は、多くの又はすべてのナノ結晶、ナノロッド、及びそれらの混合物に適用可能であり、その理由は、熱的な帯電化(thermal charging)がまさに共通すると思われるからである。本発明の方法を用いて、双方の電極上のパターン化された膜の同時堆積は、実現可能であり、おそらく、2種の電極の膜堆積表面の面積の相違に従う。規則的な層がより一層緩徐な堆積速度及び極めて薄い膜のために形成されることが期待される。
比較のため、電流及び電流密度をヘキサン溶媒だけで(何らのナノ粒子なしで)測定し、及びヘキサン溶媒中の電流密度が300Vの印加電圧について約0.45〜0.90ナノアンペア/cm であることが見出され、そこでは、電極は約1.4mmの間隔によって分けられた。この測定された電流密度は、電極の膜堆積表面上で膜を電着するために、CdSeナノ結晶がヘキサン懸濁液中に添加された後に測定された電流密度よりも約100倍小さい。同様に、比較のため、電流及び電流密度を、ヘキサン中に溶解させたTOPOだけで(通常のナノ結晶の質量の約半分の質量でTOPOを用いて)、ナノ結晶を存在させずに測定し、及び電流密度が約2.7〜3.6ナノアンペア/cmであると見出されたが、それは、懸濁液に添加されるナノ粒子と共に測定された電流密度よりも約20倍低い。
図1に戻って、均一の、外見上同じ膜を、電極16及び16'の双方のパターン化されていない膜堆積表面22及び24上に形成した。ナノ粒子膜は印加電圧を用いずには形成されなかった。可視の顕微鏡検査、走査電子顕微鏡検査(SEM)、プロファイル測定(側面測定)、及び原子間力顕微鏡検査(AFM)は、膜の双方の表面が極めて平滑であり、約1000のナノ粒子の厚さであった膜について、約2〜4のナノ粒子の粗さ値を持つこと(約8〜16nmの粗さに対応する)を示した。
本発明の方法の間のナノ粒子膜の最初の堆積速度は、ヘキサン中のCdSeナノ結晶の懸濁液について、約1.0×1015個のナノ粒子/ヘキサン溶媒のccの濃度及び約1.4mmの間隔によって分けられた1対の電極16及び16'の間の318Vの印加電圧で、典型的に約3.3nm/秒である。この低い速度の堆積は、ナノ粒子膜の厚さを極めて正確に制御できることを表す。この堆積の速度は、懸濁液中のナノ粒子の濃度を減少させることによるか、又は電極に印加される電圧を減少させることによって、ナノ粒子膜の形成のより一層正確な制御のための更により一層低い値に減少させることができる。
約45分の期間の後に、約1.0×1015個のナノ粒子/ヘキサン溶媒のccの密度を持つCdSeナノ結晶の懸濁液について、ここでは、318Vの印加電圧を1.4mmの間隔によって分けた電極16及び16'の膜堆積表面22及び24と共に用い、約3.4μmの厚さを持つナノ結晶膜を双方の電極の膜堆積表面上に堆積させた。典型的に、膜を約20分の時間内に形成した。本発明に従う電着した膜を乾燥した後、どちらかの極性の電圧が堆積した膜を持つ電極及び裸の膜堆積表面を持つ電極間で印加された時でさえ、これらの膜はヘキサン中で溶解(これは、乾式注型、回転被覆及び電気泳動によって形成された膜で発生する)しなかったことに注目するのは重要である。
再び、図6に関し、本発明に従う形成されたCdSeナノ結晶膜についてのPLスペクトル70のピーク、及びCdSeナノ結晶とヘキサン溶媒との懸濁液のPLスペクトル74のピークの間のような27meVの赤色移動(red shift)は、より一層小さいナノ粒子とより一層大きいナノ粒子と間の励起の転移に由来する。ナノ粒子の寸法分布が狭いときでさえ、いくつかのわずかにより一層大きいナノ粒子〔量子拘束(quantum confinement)のために、わずかにより一層小さいバンドギャップエネルギーを持つ〕及びいくつかのわずかにより一層小さいナノ粒子(わずかにより一層大きいバンドギャップエネルギーを持つ)がある。このように、励起の転移は、これらのより一層小さい粒子からより一層大きい粒子までに起こり、及び続いて、より一層大きい粒子はPLを放出する。これにより、平坦なパターン化されていないナノ粒子膜についての図6で示すPLスペクトルの結果において赤色移動が引き起こされる。この現象は、Kagan(カーガン)等のPhys. Rev. Lett. 76, 3043 (1996年)で記述されており、これをその全体において参考のため本明細書に組み込む。赤色のPLシフトは、また、乾式注型膜からのより一層弱いPLにおいても見られる。
その後の実験において、TOPOリガンドで覆われた、約3.2nmの直径を持つCdSeナノ結晶粒子は、上記で用いたヘキサンよりはむしろ、溶媒としてのオクタン中に溶解させた。最初の電流は、オクタンを溶媒として用いたとき、約70から約55ナノアンペアまでに減少した。
また、実験を、約4.1nmの直径を持つCdSeナノ結晶粒子を用いて遂行し、及び単位ナノ粒子密度当りの電流は、溶媒としてのヘキサン中のこれらのより一層大きい4.1nmの直径のナノ粒子に対し、約3倍大きかった。その上、単位ナノ粒子密度当りの堆積速度は、これらの4.1nmの直径のナノ粒子に対し、少しだけより一層大きかった。とりわけ、膜の厚さ率は、3.2nmのナノ結晶を用いる上述の率の約2.2倍だけ増加した。
加えて、実験を天然酸化物膜堆積表面を持つシリコン電極を用い、及び電圧を下にあるシリコンに印加して遂行した。異なる種類の電極で遂行したこれらの実験について、電流は同じであったが、堆積したナノ結晶膜は少しだけより一層薄く(すなわち、それは、最も厚い領域において約1.8μmの厚さを持った)、及び得られる膜は、その上に堆積した膜を持たない膜堆積表面のいくつかの領域と共に極めて粗かった。天然酸化物の層によって被覆されたシリコン電極の導電率(conductivity)は、図2,7及び9で示す具体例で用いる金の電極よりも低い。このように、二酸化ケイ素膜堆積表面を持つシリコン電極の使用が、本発明の方法において好ましくない。
本発明に従うナノ粒子膜の形成を通して、電極の膜堆積表面上のナノ粒子の堆積による懸濁液からのナノ粒子の損失は、光吸収を用いて追跡するが、その理由は、懸濁液中の光吸収がその中のナノ粒子の密度に比例しているからである。懸濁液から失われたナノ粒子の数を、1対の電極の膜堆積表面上に堆積したナノ粒子の数と比較した。堆積したナノ粒子の数、Mを定めるための式は次の通りである:M=0.74At(4πR3/3)、式中、Aは合計電極面積を示し、tは膜厚であり(これは各々の電極について同じであった)、Rはキャッピングリガンドを含む各々のナノ粒子の有効半径であり(これは、乾燥された膜から測定されるような3.2nmの直径のナノ粒子について2.15nmであった)、及び0.74の係数は面心立方(fcc)充填を仮定する。
膜中のナノ粒子の評価数は、懸濁液から失われた数よりも少し、約24%だけ、より一層少なかった。この相違は、光吸収の横断面及び粒子の直径における系統誤差、密充填(close-packing)の密度より小さい密度、及び膜のクラッキングに帰することができる。どちらかの方法を用いて、集められた素電荷よりもより一層多くのナノ粒子が堆積した。例えば、3.2nmの直径のナノ粒子について、堆積されたナノ粒子の、集められた電荷に対する比率は、10、20、30、45及び90分の運転にわたり、それぞれ、約44:1、30:1、28:1、21:1、及び13:1であると測定されたが、これは、約27.2:1の平均比率に対応する。これらの結果は、堆積速度が電流よりも一層速く減少したことを示す。比率は45分で4.1nmの直径のナノ粒子について約6.6であった。
CdSeナノ粒子の電着のために上述した模範的な具体例のすべてにおいて、“浄化した”CdSeナノ粒子を用いるが、これは、合成されたナノ粒子を最初に遠心分離した後、ナノ粒子をヘキサン及びクロロホルムの溶媒中の少なくとも3回のサイクルの溶解及び遠心分離にかけ、遊離のTOPOのような不純物を除去することを意味する。“浄化してない”3.2nmの直径のCdSeナノ粒子を用いるとき、電極16及び16'の間で測定されるような、懸濁液を介した電流は、最初に同じであったが、電流は、時間に対し、図4(C)のデータによって示した減少速度より著しく緩徐に減少することが見出された。さらに、“浄化してない”ナノ粒子を用いたとき、ナノ粒子の堆積は、適用電源の正の端子に接続した電極の膜堆積表面でしか起こらず、及び堆積したナノ粒子は、素電荷当りで集められた約0.4のナノ粒子だけで、均一な膜よりもむしろ、群がっていた。遊離のTOPOのような、懸濁液中の不純物は堆積処理に干渉し、及び正の対イオンを生成させたかもしれないと考えられる。
天然二酸化ケイ素のオーバーレイヤを持つシリコン電極及び“浄化してない”CdSeナノ粒子を用いるとき、電極の間の懸濁液中で流れる最初に電流は、再度、“浄化された”CdSeナノ粒子を用いるときと同じであったが;しかし、約0.05のナノ粒子だけしか素電荷当りに集められなかった。TOPOが“浄化された”CdSeナノ粒子及びヘキサンの懸濁液中で溶解された実験では、電極の間の懸濁液を介して流れる電流は、遊離のTOPOの添加のない同じ懸濁液のそれから変わらずに残った;しかし、CdSeナノ粒子は双方の電極の膜堆積表面上のクランプにおいて堆積した。懸濁液中の粒子のバランスの検査から、これらのクランプの容量の約1/3だけがCdSeナノ粒子であり;従って、遊離のTOPOが堆積処理に明らかに干渉するが、懸濁液中のイオンの流れ又は電極で起こる電荷移動に干渉しない。
3.2nmのCdSeナノ粒子/ヘキサン溶液の最初の導電性、σは、σ=2.75×10-9オーム-1m-1であると見出された。nchargedナノ粒子の懸濁液の導電性、粒子の各々が電荷eを有するものは、Nernst-Einstein(ネルンスト−アインシュタイン)の式、σ=ncharged2/6πηRによって、流体力学半径Rを有する剛体球について与えられ、式中RはTOPOのリガンドキャッピングを含むCdSeナノ結晶について約2.15nmであり、及び式中ηは懸濁液の粘性率であり、それは3.26×10-4Ns/m2である。
密度n+及びn-のそれぞれを有する正に荷電したナノ粒子及び負に荷電したナノ粒子がある場合、そのとき、正及び負に荷電した双方のナノ粒子の密度、nchargedがncharged=n++n-によって与えられる。他のイオンがなければ、そのとき、双方の電極上で観察される等しい膜厚はn+=n-=ncharged/2である反対に荷電されたナノ粒子の等しい密度を示唆する。素電荷としてeを取る場合、nchargedのためのNernst-Einsteinの式の解は、ncharged=1.4×1012/ccを与え、これは、約1.0×1015個のナノ粒子/ヘキサンのccのCdSeナノ粒子の濃度を持つ懸濁液について、約0.14%のCdSeナノ結晶だけが、半分が正で及び半分が負に荷電することを意味する。ナノ粒子当りのより一層大きな電荷が仮定される場合、nchargedはより一層小さく、及び荷電されたナノ粒子当りの堆積したナノ粒子の数の比は、より一層大きい。
さらに、多くの電圧低下が電極の膜堆積表面近くに起こる場合〔Sarkar(サルカール)等のJ. Am. Ceram. Soc.(米国セラミック協会誌) 79, 1987 (1996年)において考察されているように〕、懸濁液中の導電性は、上述した手法で計算したものより著しく大きい。これは、n+及びn-をより一層大きくするが、電荷に対する堆積したナノ粒子の比率を変えない。その上、溶媒がヘキサンからオクタンに変わるとき、電極間の懸濁液を介した電流における観察された減少は、ヘキサン懸濁液についての3.26×10-4Ns/m2からオクタンの懸濁液についての5.48×10-4Ns/m2までのηにおける増加に一致した。さらに、ヘキサン中の4.1nmの直径のCdSeナノ粒子の懸濁液について、より一層大きい画分、とりわけ、0.55%のナノ粒子が荷電されることが見出された。
CdSeナノ粒子における自由電荷eを作り出すのに必要とされるエネルギーは、およそ(e2/2r)(1/εCdSe-1/εhexane)であり、式中、rはCdSeの半導体のコアの半径であり、及び比誘電率はCdSeについてのεCdSe=9.5及びヘキサンについてのεhexane=2.0である。この荷電エネルギーEは、3.2nmの直径のナノ粒子のための0.17eV及び4.1nmの直径のナノ粒子のための0.13eVであり、及び荷電エネルギーEは、荷電がCdSeのコアの表面のより一層近くに動くにつれて増加する。平衡状態では、いずれかの±eの電荷を持つ荷電粒子の画分は約指数(exp)(-E/kT)であり、それは、3.2nm及び4.1nmのナノ粒子について、室温Tで、それぞれ0.15%及び0.56%であり、ナノ粒子の中心で配置されるそれらの各電荷を持つこれらのナノ粒子についてのものである。これらの値は、ナノ粒子の電荷の配置における不確実性を考慮に入れる観察された荷電ナノ粒子の密度ncharged/2に一致する。
上述したCdSe/ヘキサン懸濁液の具体例における電極間の懸濁液の容量は、懸濁液を保持する容器の総容量の0.4%であり、及びすべての3.2nmの直径のCdSeナノ粒子の約50%が45分において電極の膜堆積表面上に堆積した。したがって、電極の膜堆積表面間の最初のナノ粒子の数に比べ、約120倍多くのナノ粒子が堆積した。ナノ粒子の0.14%が荷電された場合、これは最初に荷電されたナノ粒子のすべての約360倍及び電極の膜堆積表面間の最初に荷電されナノ粒子の約90,000倍が堆積したことを意味する。ナノ粒子上の電荷を熱的に平衡にさせるのに必要な時間は、45分/(90,000/360)(すなわち、約10秒)より少なく、及び電極の膜堆積表面間の容量の外側の懸濁液の容量及び電極の膜堆積表面間の懸濁液の容量の間の拡散のために必要な時間は、45分/120(すなわち、約20秒)より少なかった。これは電極の膜堆積表面の間にない粒子にとって、懸濁液の他の領域から電極の膜堆積表面間の領域に来るために必要な時間を示す。時間を伴う電流における減少は、懸濁液中のナノ粒子の消耗(及びたぶん堆積した膜の減少する導電性)のための可能性が最も高く、及び電極の膜堆積表面間の容量に対する緩徐な熱的電荷生成又はナノ粒子拡散のためではない。これは、また、“浄化してない”ナノ粒子を用いるときに観察されるような、緩徐な堆積速度を伴う電流の著しく緩徐な減少によっても示唆される。これらの結果は、懸濁液の中の荷電されていないナノ粒子が、懸濁液の周辺から電極の各膜堆積表面上に堆積されるべき1組の電極の間の領域に、荷電され、及び動くようになることを示す。
1価の(singly charged)TOPOを冠するCdSeナノ粒子の単層によって生産される電場は、約5×108V/m(イメージ電荷を無視すれば)であり、それは最大の印加電場(applied field)よりも約1000倍高く、それは約7×105V/mであり;従って、厚いナノ粒子膜を介し、及び電極への電荷移動は、迅速でなければならない。乾燥されたCdSeナノ粒子膜の導電性は非常に低い。しかし、ナノ粒子溶液の導電性が、0.1を超えるナノ粒子容量画分を含むナノ粒子溶液について迅速に増加する事実は、溶液中でナノ粒子膜を浸透する溶媒が十分な導電経路(conductivity path)を提供することを示唆する。
典型的に、本発明の方法において有用なナノ粒子は、約2nmから約15nmまでの直径を持つ。本発明の方法で用いることができるナノ粒子の他の例には、制限されないが、強誘電性ナノ粒子及び常誘電性ナノ粒子が包含され、各々は適切なリガンドのキャップを持つ。その上、磁赤鉄鉱のナノ粒子のような磁性ナノ粒子は、適切なリガンドキャップを持ち、電着させて本発明に従うナノ粒子膜を形成することができる。さらに、ナノ粒子のコアの周りの“シェル”を有するナノ粒子を、ナノ粒子の画分が荷電される限り、用いることができる。例えば、CdSeのコア及びCdSの外側シェルを持つCdSeナノ粒子を電着させて、本発明の方法に従うかかるナノ粒子の膜を形成することができる。
コア及びシェルを持つナノ粒子を用いる際、シェルは電荷担体が放射遷移を受けずにナノ粒子コアから去ることを防ぐ。したがって、コアはナノ粒子中に含まれる電荷担体の非放射減衰を防ぐ。結果として、より一層多くの電荷担体が、その後の放射遷移を経るためのコア及びシェルを持つナノ粒子のコア中で保持される。これはコア及びシェルを持つナノ粒子が、シェルを有しないナノ粒子よりも強くルミネセンスを示す傾向があることを意味し、これが、コア及びシェルを持つナノ粒子の膜を、発光ダイオード(LEDs)のような装置中の活性層として特に有用にし、そこでは、膜のルミネセンス特性が特に重要である。コア及びシェルを持つナノ粒子を合成するための方法は、Peng(パン)等のJ. Am. Chem. Soc. 119, 7019 (1997年)に開示されており、これをその全体において参考のため本明細書に組み込む。
本発明の模範的な具体例では、ナノ粒子が懸濁される実質的に非導電性の非極性溶媒はヘキサン又はオクタンである。しかし、他の実質的に非導電性の非極性溶媒を用いることができる。とりわけ、ヘキサンのような、本発明の方法に有用な溶媒は、陰イオン及び陽イオンの形成に対し極めて不活性(電気めっきのために用いられる電解質とは違って)であり、懸濁されたナノ粒子の分極に寄与しない。
また、本発明の一定の好適例では、溶媒及びナノ粒子の懸濁液は、約1×1015から約1×1016個の粒子/cc溶媒までの範囲内のナノ粒子の濃度を持ち;しかしながら、また、他のナノ粒子濃度を持つ懸濁液も用いることができる。
本発明の方法では、ナノ粒子は各々その表面に付着するリガンドを持つ。本発明において有用なリガンドには、制限されないが:トリオクチルホスフィン(TOP);酸化トリオクチルホスフィン(TOPO);オレイン酸;トリブチルホスフィン(TBP);酸化トリブチルホスフィン(TBPO);ピリジン;チオグリセロールのような硫黄系リガンド;オクタデシルアミンのような、アミン系リガンド;ヘプタメチルノナン;及びそれらの混合物が包含される。一定の好適例では、用いるナノ粒子は、CdSeのナノ粒子であり、各々はそれに付着するTOP及び/又はTOPOリガンドを持つ。
理論か又は機構によって制約されるのを望まない場合、リガンドが膜堆積中にナノ粒子に付着して残り、及び近くのナノ粒子のリガンドが隣接されることが考えられる。半導体物質のナノ粒子にとって、これらのリガンドは、電荷担体を捕らえるリガンドの能力のために、ナノ粒子膜の半導体特性を高めることができる。
ナノ粒子膜の電着は、本発明に従い、室温でその好適例において典型的に起こる。しかし、本発明に従うナノ粒子膜の電着のための温度は、室温より低い温度から約100℃までの範囲でよい。理論か又は機構によって制約されるのを望まない場合、より一層高い温度がナノ粒子の導電性を高め、それによって、電極の導電膜堆積表面上に電着されるべきナノ粒子上の電荷を増加させることができる。かかる電荷における増加は、電極の導電膜堆積表面上のナノ粒子の電着率の増加を導く。
その上、本発明の好適例において、ナノ粒子膜の電着を、ナノ粒子の光イオン化又はナノ粒子間の光誘導性の電荷移動を防ぐために、暗所で行う。しかしながら、本発明に従う電着は、また、明るい条件の下で達成することができ、そこでは、主要な質的か又は量的な相違は電着ナノ粒子膜において観察されなかった。
本発明に従う、ナノ粒子膜の厚さは、印加電圧の大きさ(強さ)、電圧が1組の電極に印加される間の時間の量、及び/又は懸濁液中のナノ粒子の濃度を制御することによって制御することができる。典型的に、本発明に従って形成されるナノ粒子膜は、約0.1μmから約4μmまでの範囲内の厚さを持つ。
ナノ粒子膜を形成するための本発明の方法は、ナノ粒子膜を形成するための既知の方法に比べて多くの利点を提示する。例えば、本発明の方法に従い形成されるナノ粒子膜は、光ルミネセンス及び他の分析を介し、既知の方法によって形成されたナノ粒子膜よりすばらしい範囲に個々のナノ粒子の特性を保持することが示された。
その上、本発明の方法に従って作製した膜は、強く、それらは、溶媒による洗浄、溶媒によるラビング(摩擦)、及び溶媒を用いた膜の溶解の試みに際し、並びに膜を堆積させたことによる電気化学処理を逆転させる試みに際し、安定して残る。さらに、本発明の方法に従って形成される膜は、既知の方法によって形成されるナノ粒子膜よりも高い密度を持つ。例えば、球体の密集した(tightly packed)群が持つ最も高い密度は74%であり、及び本発明によって形成されるナノ粒子膜は、この最も高く可能な値に近づく密度を持つ。
重要なことに、本発明の方法を用い、ナノ粒子膜を、ナノ粒子の懸濁液中に浸漬させた1組の電極の双方の電極の膜堆積表面上に形成し、これは、ナノ粒子膜の電着のための任意の既知の方法において起こらず、及び予想外の結果である。各々の電極の膜堆積表面上のナノ粒子膜は、実質的に等しい厚さを持ち、及びその構成要素のナノ粒子の特性、表面の滑らかさ、均一性、密度、及び堅牢性(robustness)の保持に関して同じく良質のものである。
パターン化してないナノ粒子膜が形成される具体例では、これらの膜を、それらを写真平版及びエッチングのような慣習的な技術を用いて形成した後、パターン化することができる。
本発明の方法に従って形成されたナノ粒子膜は、多くの適用又は用途を持つ。例えば、半導体のナノ粒子膜は、発光ダイオードのようなソリッドステートの電子装置において活性な層として用いることができ、及び磁赤鉄鉱のナノ粒子膜のような磁性ナノ粒子膜は、磁気記録媒体として用いることができる。ナノ粒子膜は、また、電気光学的装置での、マイクロ電子装置における電荷蓄積での、マイクロ電子装置におけるメモリ成分での、物質をより一層耐引掻性にする被膜としての使用、及び多くの他のそのような適用を見出すことができる。
本発明の更なる模範的な具体例では、CdSeのナノ結晶で、約3.2nmの平均直径を持つものは、TOPOリガンドを冠しており、及びインジウムスズ酸化物(ITO)が被覆された透明なガラス製スライド上に電着されてCdSeのナノ粒子膜を形成する。したがって、ガラス製スライドのITO被覆表面は導電膜堆積表面として働き、これは電源の各端子に電気的に接続され、DC電圧がガラス製スライドのITO被覆表面間に印加される。溶媒としてのヘキサン中に懸濁されるCdSeナノ結晶の濃度は、約1×1015から約1×1016個のナノ結晶/cc溶媒であり、及びITO被覆透明ガラススライドは約1.4mmの間隔によって分かれ、及び懸濁液中に浸漬される。1組のITO被覆ガラススライドに印加されるDC電圧は、約318ボルトであり、及び電圧の適用のため、及び膜の堆積のための継続期間は約30分である。
CdSeのナノ結晶を含むナノ粒子膜を、双方の透明なガラススライドのITO被覆表面上で約1.81μmの厚さで形成する。ITO被覆透明ガラススライドの表面上のナノ粒子膜の堆積は、透明なガラススライドを介して通る光の量を制御することによって制御することができる。本発明の具体例に従って形成されるナノ粒子膜は、発光ダイオード(LED)の作製において、回転被覆によるCdSeナノ粒子膜の層の頂部上に導電性重合体を堆積することによって用いることができる。発光ダイオードの形成で用いることができる適切な導電性重合体は、ポリ[2-メトキシ-5-(2’-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン]であり、一般にMEH-PPVとして知られ、商業的にSigma-Aldrich(シグマ-アルドリッチ社)から入手できる。CdSeのナノ粒子膜の層及び導電性重合体の層を組合せてLEDの層を形成する。次いで、接点を、既知の技術を用いて、CdSeナノ粒子層及び導電性重合体層上に形成する。
本発明の更に別の具体例において、磁性ナノ粒子を用いてナノ粒子膜を形成する。この具体例では、約12nmの直径を持つ磁赤鉄鉱(γ-Fe2O3)のナノ粒子は、オレイン酸を冠し、及び溶解されてヘキサン中で4×1012個のナノ粒子/ccヘキサンの濃度で懸濁液が形成される。1組の電極で、各々が各金膜堆積表面を持つものは、図1で示す手法において懸濁液中に浸漬される。1組の電極の各自は、図2に関連して上述した構造を持つことができる。
オレイン酸を冠する磁赤鉄鉱のナノ粒子を含むナノ粒子膜が1組の電極の各金膜堆積表面上に形成されるとき、ナノ粒子膜は上述のCdSeナノ粒子膜より著しく緩徐に成長する。例えば、約318ボルトの電圧が、30分間、約1.4mmの間隔によって分ける1組の電極の各金膜堆積表面間に、約4×1012個のナノ粒子/ccヘキサンの濃度でのヘキサン中の磁赤鉄鉱ナノ粒子の懸濁液において印加されるとき、電極の膜堆積表面上に形成される磁赤鉄鉱ナノ粒子膜は、約212nmの厚さである。
得られる磁赤鉄鉱膜は、上述の手法において形成される3.4μm厚のCdSe膜よりも薄く、これは、1組の電極の金膜堆積表面上にCdSeナノ粒子を電着させることによって形成される。しかし、磁赤鉄鉱膜の堆積中に採取された導電性の測定は、上述の具体例において荷電されると見出された3.2nmの直径のCdSeナノ粒子の0.14%と比べて、磁赤鉄鉱ナノ粒子の10%ほどが荷電されることを表す。
本発明の方法に従って電極上に磁赤鉄鉱ナノ粒子を電着することによって形成される膜は、電極の平坦なパターン化されてない金膜堆積表面のような、平面上の磁性ナノ粒子の密充填のために、極めて高容量の磁気メモリ素子における記録媒体として有用であることができる。これは、磁気メモリ素子の情報記録密度が、本発明の方法に従って形成される磁赤鉄鉱ナノ粒子膜でのような、平面上の磁赤鉄鉱ナノ粒子の密充填によって高められるからである。
本発明の更に別の具体例では、ナノ粒子の混合物であって、約12nmの直径を持つ磁赤鉄鉱ナノ粒子、これはオレイン酸リガンドを冠しており、及び約4.1nmの直径を持つCdSeナノ結晶、これはTOPOリガンドを冠しているものを含む混合物を用い、ナノ粒子膜を形成する。ナノ粒子の混合物は、ヘキサンでの懸濁液中で、4×1012個のナノ粒子/ccヘキサンの磁赤鉄鉱ナノ粒子の濃度及び1×1015個のナノ粒子/ccヘキサンのCdSeナノ結晶の濃度で配置される。1組の電極は、各々が各金膜堆積表面を持ち、図1で示す手法におけるナノ粒子の混合物の懸濁液中に浸漬され、及び電圧が約20分間の電極間に印加される。1組の電極の各自は、図2において上述した構造を持つことができる。1組の電極の各金膜堆積表面上に電着される、オレイン酸を冠する磁赤鉄鉱ナノ粒子及びTOPOを冠するCdSeナノ結晶の混合物を含むナノ粒子膜は、約2.3μmの厚さであり、及び電着されたナノ粒子膜は磁赤鉄鉱ナノ粒子及びCdSeナノ結晶の双方の特性を見せる。
種々の追加の利点及び修飾は、この技術における熟練者にとってためらうことなく明白である。したがって、本発明は、そのより一層広い局面において、本明細書に示され、記述されている特定の細部及び例示的な具体例によって制限されない。よって、様々な修飾及び変形が、添付する特許請求の範囲及びその同等物によって規定されるように、本発明の一般的な発明概念から逸脱することなく行うことができる。
本発明の方法を実行するための模範的な器具を描写する図である。 電極の、平らで、パターン化されていない金膜堆積表面を描写する図である。 金膜堆積表面上に電着したパターン化されていないナノ粒子膜の図である。 印加電圧に対するCdSeナノ粒子懸濁液中の電流及び電流密度のグラフである。 懸濁液中のCdSeナノ粒子の濃度に対する電流及び電流密度のグラフである。 電着の間の時間に対する懸濁液中の電流のグラフである。 電着前のCdSeナノ粒子の懸濁液の光吸収スペクトル、及び本発明に従うCdSeナノ粒子膜の電着後のCdSeナノ粒子懸濁液の光吸収スペクトルのグラフである。 電着されたCdSeナノ粒子膜の光ルミネセンススペクトル、ヘキサン及びCdSeナノ粒子の懸濁液の光ルミネセンススペクトル、及び乾式注型で形成したナノ粒子膜の光ルミネセンススペクトルのグラフである。 電極のパターン化された金膜堆積表面を描写する図である。 (A)は図7に示すパターン化された膜堆積表面上のナノ粒子膜の図であり、(B)は(A)において囲まれた領域を拡大した図である。 電極のパターン化された膜堆積表面を描写する図である。 (A)は図9に示すパターン化された膜堆積表面上のナノ粒子膜の図であり、(B)は(A)においてパターン化された膜の囲まれた領域を拡大した図であり、(C)はパターン化された金/チタン膜堆積表面の40μmの幅広の金/チタン線上に堆積したナノ粒子膜の側面計トレースの図であり、(D)はパターン化された金/チタン膜堆積表面の1μmの幅広の金/チタン線上に堆積したナノ粒子膜の側面計トレースの図である。 (A)は、膜堆積表面上のパターン化されたナノ粒子膜の図であり、(B)は(A)において示すパターン化されたナノ粒子膜の側面計トレースの図である。 図11(A)において示すパターン化されたナノ粒子膜の光ルミネセンススペクトルのグラフである。

Claims (29)

  1. ナノ粒子膜の形成方法であって、次の工程:
    (a)実質的に非導電性の非極性溶媒及びナノ粒子の懸濁液を提供する工程であって、ナノ粒子の各々がそれに付着したリガンドを持つ工程;
    (b)懸濁液中に、1組の相隔たる電極を浸漬する工程であって、電極の各々が各導電膜堆積表面を持ち、そこで、各々の電極の導電膜堆積表面が電源の各端子に電気的に接続される工程;
    (c)電圧を1組の電極の各導電膜堆積表面の間に印加する工程であって、そこにおいて、ナノ粒子の膜が1組の電極の各導電膜堆積表面の各自の上に堆積する工程
    を含むことを特徴とするナノ粒子膜の形成方法。
  2. 懸濁液中のナノ粒子が限られた寸法分布を持つ、請求項1記載の方法。
  3. 懸濁液中のナノ粒子の寸法が2nmから15nmまでの範囲内である、請求項2記載の方法。
  4. 懸濁液中のナノ粒子の寸法が3nmから4nmまでの範囲内である、請求項2記載の方法。
  5. ナノ粒子が、ナノ結晶、ナノロッド、又はそれらの混合物の少なくとも1種を含む、請求項1記載の方法。
  6. ナノ粒子がCdSeのナノ結晶であり、及びCdSeの各々のナノ結晶に付着したリガンドが、トリオクチルホスフィン(TOP)リガンド及び酸化トリオクチルホスフィン(TOPO)リガンドの1種を含む、請求項1記載の方法。
  7. ナノ粒子が磁性を持つ、請求項1記載の方法。
  8. ナノ粒子が磁赤鉄鉱(γ−Fe)のナノ粒子であり、及びそれに付着したリガンドがオレイン酸リガンドである、請求項7記載の方法。
  9. ナノ粒子が、強誘電性ナノ粒子、常誘電性ナノ粒子、及び各々がコア及びシェルを持つナノ粒子の少なくとも1種を含む、請求項1記載の方法。
  10. ナノ粒子が、磁赤鉄鉱(γ−Fe)のナノ粒子で、それに付着したオレイン酸リガンドを持つナノ粒子、及びCdSeのナノ結晶で、それに付着したトリオクチルホスフィン(TOP)リガンド及び/又は酸化トリオクチルホスフィン(TOPO)リガンドを持つナノ結晶の混合物を含む、請求項1記載の方法。
  11. ナノ粒子の各自に付着したリガンドが:トリオクチルホスフィン(TOP)リガンド;酸化トリオクチルホスフィン(TOPO)リガンド;オレイン酸リガンド;トリブチルホスフィン(TBP)リガンド;酸化トリブチルホスフィン(TBPO)リガンド;ピリジンリガンド;含硫リガンド;アミン含有リガンド;ヘプタメチルノナンリガンド;及びそれらの組合せからなる群より選ばれる、請求項1記載の方法。
  12. 溶媒がヘキサン又はオクタンである請求項1記載の方法。
  13. 懸濁液中のナノ粒子の濃度が、約1×1015個のナノ粒子/cc溶媒から約1×1016個のナノ粒子/cc溶媒までの範囲内である、請求項1記載の方法。
  14. 1組の電極の各導電膜堆積表面が、平坦な、パターン化されていない金の表面である、請求項1記載の方法。
  15. 各々の電極が、ケイ素基材の主要な表面を覆っているチタンの層を覆っている金の層からなる、請求項14記載の方法。
  16. 各々の電極が、ケイ素基材の主要な表面上の二酸化ケイ素の層を覆っているチタンの層を覆っている金の層からなる、請求項14記載の方法。
  17. 1組の電極の各導電膜堆積表面が、平坦な、パターン化されていない導電性の表面で、各々が透明なガラス製スライドの主要な表面上に形成されたインジウムスズ酸化物(ITO)の層の露出表面からなる、請求項1記載の方法。
  18. 1組の電極の各膜堆積表面の少なくとも1種が、その上にパターン化されたナノ粒子膜の堆積を生じるようにパターン化される、請求項1記載の方法。
  19. 各膜堆積表面の少なくとも1種が、少なくとも1種の導電性領域及び少なくとも1種の絶縁領域を持つようにパターン化される、請求項18記載の方法。
  20. 各膜堆積表面の少なくとも1種の少なくとも1種の導電性領域が、電源の各端子に電気的に接続され、及び各々が、ケイ素基材の主要な表面上の二酸化ケイ素の層領域を覆っているチタンの層領域を覆っている金の層領域を含み、及びそこにおいて、各膜堆積表面の少なくとも1種の少なくとも1種の絶縁領域が、ケイ素基材の主要な表面上の二酸化ケイ素の層領域を含む、請求項19記載の方法。
  21. 1組の電極の各膜堆積表面の間に印加される電圧が直流(DC)電圧である、請求項1記載の方法。
  22. 1組の電極の各膜堆積表面の間に印加される電圧が交流(AC)電圧である、請求項1記載の方法。
  23. 1組の電極の各膜堆積表面の間に印加される電圧が直流(DC)電圧であり、及び印加されるDC電圧の大きさ及び1組の電極の各膜堆積表面の間の間隔空けを、各膜堆積表面の間の領域における電場が700ボルト/cmから7000ボルト/cmまでの範囲内にあるようにする、請求項1記載の方法。
  24. 1組の電極の各々の各導電膜堆積表面を、電源の各端子に、一端で、銀のペーストにより各導電膜堆積表面に付着する金属ワイヤによって、電気的に接続する、請求項1記載の方法。
  25. 懸濁液及び電極を暗所に保つ、請求項1記載の方法。
  26. 懸濁液及び電極を室温に維持する、請求項1記載の方法。
  27. さらに、1組の電極の各膜堆積表面上に堆積するナノ粒子膜の厚さを、電圧が1組の電極の各導電膜堆積表面の間に印加される間の継続期間、印加電圧の大きさ、及び懸濁液中のナノ粒子の濃度の少なくとも1種を制御することによって制御する工程を含む、請求項1記載の方法。
  28. 1組の電極の各膜堆積表面上に堆積するナノ粒子膜の厚さが、0.1μmから4μmまでの範囲内である請求項1記載の方法。
  29. 等しい厚さのナノ粒子膜を1組の電極の各膜堆積表面上に堆積させる、請求項1記載の方法。
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