JP2006347838A - フォージャサイト構造を有する人工ゼオライトの製造方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 短期間に高収率にてフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトを製造する方法および装置を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、上記課題を解決するため、フォージャサイト構造を有する人工ゼオライトの製造方法で、石炭灰とアルカリ水溶液とを所定のスラリー濃度で混合して前記石炭灰をスラリー化する混合工程と、前記スラリー化した石炭灰を所定の時間撹拌する撹拌工程と、を備えることとした。また、フォージャサイト構造を有する人工ゼオライトの製造装置に関しては、石炭灰とアルカリ水溶液とを所定のスラリー濃度で混合し、前記石炭灰をスラリー化する混合手段と、前記スラリー化した石炭灰を所定の時間撹拌する撹拌手段と、を備えることとした。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、上記課題を解決するため、フォージャサイト構造を有する人工ゼオライトの製造方法で、石炭灰とアルカリ水溶液とを所定のスラリー濃度で混合して前記石炭灰をスラリー化する混合工程と、前記スラリー化した石炭灰を所定の時間撹拌する撹拌工程と、を備えることとした。また、フォージャサイト構造を有する人工ゼオライトの製造装置に関しては、石炭灰とアルカリ水溶液とを所定のスラリー濃度で混合し、前記石炭灰をスラリー化する混合手段と、前記スラリー化した石炭灰を所定の時間撹拌する撹拌手段と、を備えることとした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、フォージャサイト構造を有する人工ゼオライトの製造方法及び装置に関する。
石炭灰は、火力発電所において石炭を燃やした後の灰であり、その多くは廃棄物して処理さているのが実情である。石炭灰は、火力発電所だけでも現在年間400万トンにものぼる量が排出されており、石炭が近く到来する石油不足時代の代替エネルギーとして注目されていることからも、石炭灰の排出量は今後更に増加するものと考えられる。石炭灰の有効利用として人工ゼオライトの開発が進められている。人工ゼオライトの主成分として石炭灰を用いることが可能であり、人工ゼオライトは、吸着性、イオン交換性、触媒性などの優れた機能を有しており、用途は、環境改善、土木・建築等様々な分野にわたっている。
人工ゼオライトには、様々な種類が存在しており種類によって吸着性等の機能に差が見られる。今日多く見られるのは、Na−P1構造を有する人工ゼオライトである。Na−P1構造を有する人工ゼオライトの一般的な製造方法として、石炭灰に水酸化ナトリウム水溶液を加え、これを加熱処理して人工ゼオライトを生成する技術が知られている。Na−P1構造を有する人工ゼオライトにおいても結晶構造の間隙や孔路に各種の分子を吸着することで、吸着性、イオン交換性、触媒性などの人工ゼオライトの機能を発揮する。
Na−P1構造を有する人工ゼオライトよりも吸着性、イオン交換性、触媒性等の機能においてより優れた機能を有する人工ゼオライトととして、フォージャサイト構造を有する人工ゼオライトが知られている。フォージャサイト構造を有する人工ゼオライトの孔径は最大0.74nmであり、Na−P1構造を有する人工ゼオライトや他の人工ゼオライト種と比較して大幅に広い孔径を有しているため、各種吸着剤として他の人工ゼオライト種よりも優れた機能を有している。したがって、フォージャサイト構造を有する人工ゼオライトを製造する方法の開発が日々行われていた。
そして、フォージャサイト構造を有する人工ゼオライトの製造方法として、水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液、或いはこれらの混合水溶液を準備し、石炭灰をこれらの水溶液中にてインキュベーション法により所定の熱を加えながら1日から100日間養生し、フォージャサイト構造を有する人工ゼオライトを製造する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−99420号公報
石炭灰を原料とした場合に得られる人工ゼオライトは、Na−P1又はヒドロキシソーダライトが大半を占め、製造過程によっては、ごく少量のA型ゼオライトやフォージャサイトが生成されることもあるものの、それらを高収率にて得ることは困難であり、現在日本国内にて人工ゼオライトとして市販されているものの殆どがNa−P1タイプの人工ゼオライトである。Na−P1構造を有する人工ゼオライトにおいても吸着性、イオン交換性、触媒性等の人工ゼオライトの機能は発揮する。しかし、これら吸着性等の人工ゼオライトの優れた機能は、フォージャサイト構造を有する人工ゼオライトの方がより優れており、高収率にてフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトを製造する方法の開発が求められていた。
フォージャサイト構造を有する人工ゼオライトの製造方法として、水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液、或いはこれらの混合水溶液を準備し、石炭灰をこれらの水溶液中にてインキュベーション法により所定の熱を加えながら1日から100日間養生し、フォージャサイト構造を有する人工ゼオライトを製造する方法が知られている。しかし、養生のために熱供給を必要とすること、養生期間に長期間を要することから長期の製造期間を必要とすること、アルカリ性水溶液の種類によっては必ずしもフォージャサイト構造が主体の人工ゼオライトが生成されないこと等の問題を抱えており、短期間に効率よく生成できるフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトの製造方法の開発が望まれていた。
本発明では、上記した問題に鑑み、フォージャサイト構造を有する人工ゼオライトの製造方法であって、石炭灰とアルカリ性水溶液を混合してスラリー化し、スラリー化した石炭灰を所定の時間撹拌することを特徴とする。
詳細には、本発明は、フォージャサイト構造を有する人工ゼオライトの製造方法であって、石炭灰とアルカリ水溶液とを所定のスラリー濃度で混合して前記石炭灰をスラリー化する混合工程と、前記スラリー化した石炭灰を所定の時間撹拌する撹拌工程とを備えることを特徴とする。
人工ゼオライトとは、人工的にゼオライト化させた石炭灰を意味し、従来の合成ゼオライトおよび天然ゼオライトと区別するための名称である。ゼオライトとは、沸石類に分類される鉱物であり、間隙や孔路に各種の分子を吸着できることを特徴とする。
人工ゼオライトの主な成分は石炭灰である。また、石炭灰の主な成分は、ケイ素およびアルミニウムであり、具体的にはシリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)として存在し、この両成分で70〜90%を占めている。この石炭灰は、ケイ素およびアルミニウム成分が単に混合しているのではなく、赤外線吸収スペクトルを見ると、Si−O−Alの結合を形成しており、不純物を含んだケイ酸アルミニウム構造を有している。また、石炭灰は構造OHをほとんど含んでおらず、無水物である。
フォージャサイトとは、人工ゼオライトに見られる結晶構造の一形態である。人工ゼオライトには、様々な種類が存在しており、例えばNa−P1やフィリップサイトが例示される。フォージャサイト結晶の孔径は、最大0.74nmであり、他の人工ゼオライト種と比較して大幅に広い細孔径を有しているため、吸着性等の機能が他の人工ゼオライト種よりも優れている。
フォージャサイト構造を有する人工ゼオライトを生成するため、本発明では、まず石炭灰とアルカリ性水溶液とを混合してスラリー化する。ここで、本発明は、例えば火力発電所等で石炭を燃焼した後の石炭灰の有効利用を図ることを目的としており、火力発電所等において採取される石炭灰には、集塵装置で採取されたフライアッシュや炉底で採取されるクリンカアッシュ等が存在する。本発明では、このうちフライアッシュを用いることが望ましい。アルカリ水溶液には、水酸化ナトリウム水溶液が例示される。
次に、フォージャサイト構造を有する人工ゼオライトを生成するため、本発明では、スラリー化した石炭灰を所定の時間撹拌する。所定の時間とは、少なくとも72時間以上であることが望ましい。所定の時間撹拌することで、熱を加えることなくフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトを生成することができる。このように、本発明では、短期間にフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトを生成することが可能である。また、生
成において熱を加える必要もなく、熱供給装置も不要であり製造コストを削減することも可能である。
成において熱を加える必要もなく、熱供給装置も不要であり製造コストを削減することも可能である。
また、本発明において、前記アルカリ水溶液は、濃度1.0〜5.0mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液としてもよい。
アルカリ水溶液として、濃度1.0〜5.0mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いることでより効率よくフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトを生成することができる。なお、上記のうちでも特に3.0mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いることでより効率よくフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトを生成することが可能となる。
また、本発明において、前記スラリー濃度は、11%〜33%としてもよい。石炭灰とアルカリ水溶液を混合する際のスラリー濃度を11%〜33%とすることで効率よくフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトを生成することができる。なお、上記のうちでも特にスラリー濃度を20%とすることでより効率よくフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトを生成することができる。アルカリ水溶液として、3.0mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用い、これとフライアッシュ石炭灰を混合しスラリー濃度20%とすることで最も効率よくフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトを生成することができる。
また、本発明において、前記撹拌工程おける、所定の時間は72時間以上としてもよい。72時間撹拌することで、熱を加えることなくフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトを生成することができる。
また、本発明は、前記撹拌工程前において、前記スラリー化した石炭灰に所定の熱を加える加熱工程を更に備えることとしてもよい。例えば、スラリー化した石炭灰に熱を加えて80℃まで上昇させ、80℃まで上昇後、熱の供給を停止し、その後撹拌を24時間行うことでフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトを生成することができる。
また、本発明は、フォージャサイト構造を有する人工ゼオライトの製造装置であって、石炭灰とアルカリ水溶液とを所定のスラリー濃度で混合し、前記石炭灰をスラリー化する混合手段と、前記スラリー化した石炭灰を所定の時間撹拌する撹拌手段と、を備えることを特徴とする。
混合手段は、石炭灰とアルカリ水溶液を投入するのに必要な容積を有する収容容器と石炭灰とアルカリ水溶液を混合するための撹拌羽根を備える。撹拌手段は、スラリー化した石炭灰を所定の時間撹拌する撹拌羽根を備える。熱処理を施す場合において、100℃以上の熱を加える場合には、密閉容器が必要となるが、本発明では、熱を加えずにフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトを生成することができるため、収容容器の上面を開口したままでも生成可能である。また、スラリー化した石炭灰に熱を加える場合であっても、加える熱は100℃を上回らないため密閉容器である必要はない。このように、本発明に係るフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトの製造装置は、装置も簡易であることから設備にかかるコストも削減できる。
本発明によれば、短時間に効率よくフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトの製造が可能となる。また、高温処理を施す必要でないことから、高温処理装置も不要であり、設備にかかる費用の削減も図ることができる。
次に、本発明に係るフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトの製造方法の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1は、本実施例に係るフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトの製造フローを示す図である。同図に示すように、S10では、まず石炭灰および水酸化ナトリウム水溶液を計量する。石炭灰には、フライアッシュを用い、アルカリ水溶液には1.5mol/L水酸化ナトリウム水溶液(以下、1.5M水酸化ナトリウム水溶液とする)を用いた。なお、本実施例では石炭灰にフライアッシュを用いたがこれに限定されるわけではない。石炭灰の粒径は特に限定されるものではないが、1〜100μmであることが望ましい。また、本実施例では、アルカリ水溶液として1.5ML水酸化ナトリウム水溶液を用いたがこれに限定されるわけではない。アルカリ水溶液として水酸化ナトリウム水溶液を用いる場合には、濃度1.0〜5.0Mであることが望ましい。
S20では、計量した石炭灰および1.5M水酸化ナトリウム水溶液を混合する。この際、本実施例ではスラリー濃度が20%となるように混合した。スラリー濃度は上記に限定されるわけはないが、11%〜33%であることが望ましい。スラリー濃度が20%とは、例えば石炭灰100kgに対して、水酸化ナトリウム水溶液400kgを添加して、混合することで得ることができる。
S30では、スラリー濃度20%にスラリー化した石炭灰を撹拌する。本実施例では、熱を加えることなく72時間撹拌する。このように熱を加えることなく72時間撹拌することでフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトを生成することができた。
S40では、撹拌することにより生成したフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトを脱水・洗浄する。そして、次に脱水・洗浄したフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトを製品として出荷する(S50)。製品化されたフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトは、石炭灰から得たリサイクル資材として様々な分野において以下に示すような有効利用を図ることができる。
例えば、吸着機能を活用した有効利用方法としては、土木・建築分野ではアスファルトの改質剤や結露防止性能を有するコンクリートなどの多機能性コンクリートに有効利用を図ることができる。他にも様々な分野において有効利用が可能であり、除臭、吸湿、調湿、放湿等に用いることが可能である。また、イオン交換機能を活用した有効利用方法としては、土壌改良、水質浄化等に有効利用することが可能である。さらに、触媒機能を活用した有効利用方法としては、内燃機関の排気ガス浄等に有効利用することが可能である。
次に、従来技術による生成方法により生成した人工ゼオライトと本実施例により生成したフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトとをX線解析結果に基づいて説明する。
図2は、従来技術による生成方法により生成した人工ゼオライトと本実施例により生成したフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトとのX線解析比較結果を示す図である。図2(a)は、従来技術による生成方法により生成した人工ゼオライトのX線解析結果であり、(b)は、本実施例により生成したフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトのX線解析結果を示す図である。
なお、図2(a)にかかる従来技術による人工ゼオライトの生成は、以下の方法により生成した。すなわち、石炭灰にはフライアッシュを用い、アルカリ水溶液として1.5ML水酸化ナトリウム水溶液を用い、スラリー濃度が20%となるように混合した。次にス
ラリー化した石炭灰を120℃に保って加熱し続けた。一方、図2(b)にかかる本実施例にかかるフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトは、上述した方法により生成した。すなわち、石炭灰にはフライアッシュを用い、アルカリ水溶液として1.5ML水酸化ナトリウム水溶液を用い、スラリー濃度が20%となるように混合した。次にスラリー化した石炭灰に熱を加えることなく72時間撹拌した。
ラリー化した石炭灰を120℃に保って加熱し続けた。一方、図2(b)にかかる本実施例にかかるフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトは、上述した方法により生成した。すなわち、石炭灰にはフライアッシュを用い、アルカリ水溶液として1.5ML水酸化ナトリウム水溶液を用い、スラリー濃度が20%となるように混合した。次にスラリー化した石炭灰に熱を加えることなく72時間撹拌した。
上記の方法により生成した従来技術により得られた人工ゼオライトと本実施例にかかる方法により得られたフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトをX線解析結果に基づいて比較すると、以下のような相違点が見られた。すなわち、図2(b)においては、同図に示す矢印Pにおいてフォージャサイト結晶が確認されたが、図1(a)においては、フォージャサイト結晶は確認できなかった。なお、図2(a)において、強度が著しく大きくなっている箇所、および同図(b)において矢印P以外の強度が著しく大きくなっている箇所は、石炭灰の当初に含まれている物質でありフォージャサイト結晶ではない。このように、本実施例によれば、熱を加えることなく所定の時間撹拌することにより、フォージャサイト構造を有する人工ゼオライトを生成することが可能となる。
図3は、本実施例に係るフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトの製造フローを示す図である。同図に示すように、S10では、まず石炭灰および水酸化ナトリウム水溶液を計量する。なお、既に説明した事項については、説明を省略する。以下、同様とする。
S20では、計量した石炭灰および1.5M水酸化ナトリウム水溶液を混合する。次に、S25では、スラリー濃度が20%となるように混合したスラリー化した石炭灰に所定の熱を加える。本実施例では、スラリー化した石炭灰を80℃まで上昇させ、その後熱の供給を停止した。
次に、S30では、80℃まで加熱したスラリー化した石炭灰を撹拌する。本実施例では、熱の供給停止後24時間撹拌した。このように、80℃までスラリー化した石炭灰を一端加熱した後、熱の供給を停止し、その後は熱を加えることなく24時間撹拌することでフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトを生成することができた。その後、S40では、撹拌することにより生成したフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトを脱水・洗浄し、次に脱水・洗浄したフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトを製品として出荷する(S50)。
図4は、本実施例にかかるフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトの製造装置の一例を示す。図4(a)は、回転軸に2枚の撹拌羽根2を長手方向に3段有するフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトの製造装置であり、図4(b)は、回転軸周りに螺旋状に撹拌羽根3が形成されたフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトの製造装置である。同図に示すように、本実施例にかかるフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトの製造装置は、石炭灰とアルカリ水溶液を投入するのに必要な容積を有する収容容器1と石炭灰とアルカリ水溶液を混合するための撹拌羽根2又は3を備える構成である。このように熱供給装置を必要とせず非常に簡易な装置であることから、設備にかかる費用を削減することが可能となる。なお、本発明にかかる混合手段とは、収容容器1及び撹拌羽根2を備える装置を意味する。また、撹拌手段も収容容器1及び撹拌羽根2又は3を備える装置を意味する。すなわち、本実施例では、熱供給を必要としないことから、混合手段と撹拌手段を一つの装置で兼ね備えることが可能であり、更にコストの削減を図ることが可能となる。
次に、上記装置の使用方法について図4(a)に基づいて、以下説明する。石炭灰及びアルカリ水溶液を計量後、収容容器1に投入する。次に、投入した石炭灰及びアルカリ水溶液を所定のスラリー濃度に撹拌羽根2により混合する。そして、スラリー化した石炭灰を撹拌羽根2により所定の時間撹拌する。これにより、熱を加えることなく短時間でフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトを生成することができる。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明にかかるフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトの製造方法および装置は、これらに限らず、可能な限りこれらの組合せを含むことができる。
1・・・収容容器
2、3・・・撹拌羽根
2、3・・・撹拌羽根
Claims (6)
- 石炭灰とアルカリ水溶液とを所定のスラリー濃度で混合して前記石炭灰をスラリー化する混合工程と、
前記スラリー化した石炭灰を所定の時間撹拌する撹拌工程と、
を備えることを特徴とするフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトの製造方法。 - 前記アルカリ水溶液は、濃度1.0〜5.0mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液であることを特徴とする請求項1に記載のフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトの製造方法。
- 前記スラリー濃度は、11%〜33%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトの製造方法。
- 前記撹拌工程における、所定の時間は72時間以上であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトの製造方法。
- 前記撹拌工程前において、前記スラリー化した石炭灰に所定の熱を加える加熱工程を更に備えることを特徴とする請求項4に記載のフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトの製造方法。
- 石炭灰とアルカリ水溶液とを所定のスラリー濃度で混合し、前記石炭灰をスラリー化する混合手段と、
前記スラリー化した石炭灰を所定の時間撹拌する撹拌手段と、を備えることを特徴とするフォージャサイト構造を有する人工ゼオライトの製造装置。
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JP2005178007A JP2006347838A (ja) | 2005-06-17 | 2005-06-17 | フォージャサイト構造を有する人工ゼオライトの製造方法及び装置 |
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Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
JP2020082035A (ja) * | 2018-11-30 | 2020-06-04 | 中国高圧コンクリート工業株式会社 | 石炭灰減容化方法 |
-
2005
- 2005-06-17 JP JP2005178007A patent/JP2006347838A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020082035A (ja) * | 2018-11-30 | 2020-06-04 | 中国高圧コンクリート工業株式会社 | 石炭灰減容化方法 |
JP7140346B2 (ja) | 2018-11-30 | 2022-09-21 | 中国高圧コンクリート工業株式会社 | 石炭灰減容化方法 |
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