JP2006345324A - 量子回路、量子誤り訂正装置および量子誤り訂正方法 - Google Patents

量子回路、量子誤り訂正装置および量子誤り訂正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】誤り訂正処理の計算量を削減して、量子誤り訂正の効率を向上させること。
【解決手段】量子誤り訂正装置において、符号キュービット群を入力して、シンドロームを出力するシンドローム出力回路111と、出力されたシンドロームに対してシンドロームの観測を用いた量子誤り訂正処理で観測されて古典情報となったシンドロームを入力して誤り位置情報を出力する古典論理回路を構成する基本論理素子の集合のそれぞれと同一の演算を量子状態の各基底に対して実行する量子ゲートである量子基本論理素子を作用させることによって、量子状態の基底として表現されている複数のシンドロームパターンに対して同時に誤り位置計算を行い、符号語情報における誤りの位置を示す誤り位置情報を求める誤り位置算出回路112と、誤り位置情報に基づいて符号語情報に生じた誤りを訂正する訂正回路113とを備えた。
【選択図】 図1

Description

入力される量子状態に対してユニタリ作用素を施して状態遷移を起こし、その出力結果の量子状態を得る量子コンピュータにおいて、送信語情報である量子状態をスタビライザ符号によって符号化した符号キュービット群に発生した誤りを取り除く量子回路、この量子回路を備え、量子状態を符号化した符号語の誤り訂正を行って復号化して元の量子状態に回復する量子誤り訂正装置、および量子誤り訂正方法に関する。
入力される量子状態にユニタリ作用素を施して状態を遷移させ、その結果として出力データを得る量子コンピュータや量子暗号においては、量子状態の操作が必要となってくる。一般に、操作したい量子状態(操作系)は意図的には操作できない量子状態(環境系)と結合しており、操作系は環境系から影響を受けて乱れを生じる。非特許文献1に示されているように、任意のユニタリ作用素は幾つかの基本的な量子ゲートの組み合わせ(ユニバーサル集合)として構成できることがわかっている。
量子状態を安定的に操作するための手法として量子誤り訂正技術がある。一般に、量子誤り訂正は以下のように行われる。まず、量子状態を符号化する。符号化した量子状態は時間の経過とともに誤りの影響を受ける。誤りの影響を受けた後の量子状態に対して、もし誤りが起きたら量子状態にどのような誤りが起きたかがわかるある関係式を施した出力であるシンドロームから誤りを推定し誤り訂正を行う。誤りが訂正可能な範囲内のものであった場合には、訂正後の状態は符号化された直後の量子状態となる。このような量子誤り訂正符号としては、非特許文献1に記述されているスタビライザ符号が用いられる。スタビライザ符号の符号語は、誤り群の可換部分群の固有空間の要素である。誤り群とはパウリ作用素のテンソル積によって構成される作用素のうち同じ次元を持つものの集合がなす群である。ここで、前記可換部分群は有限個の生成元により生成されるものである。可換部分群の固有空間とはこれらの生成元のうちの任意のものに対して同一の固有値を出力するような状態の集合がなす空間である。つまり、生成元全てに対して固有値を計算することにより異なる固有空間を識別することができる。
CSS(Calderbank-Shor-Steane)符号はスタビライザ符号の特殊な場合であり、スタビライザ符号に関する上述の性質はCSS符号に対しても成立する。
具体的には、まず、量子状態の送信語が符号化された符号語には例え誤りが発生してもその誤りが一定の訂正可能な範囲内にあるならば誤りを訂正することができ、もとの符号語を回復することができる。
ところで、このような量子誤り訂正の従来の手法としては、誤りの発生情報を示すシンドロームを訂正に反映させる過程においてシンドロームを観測して誤り訂正を行う手法と観測を用いない手法が存在する。誤りが発生した後の状態がどの固有空間に存在するかを検出するために用いられる観測量は、スタビライザ符号の構成時に用いられた可換部分群の生成元の組と同一の固有空間を持つような観測量の組である。
シンドロームの観測をして誤り訂正を行う手法では、シンドロームと誤りの発生した位置とを対応させた対応表を予め登録しておいて、出力されたシンドロームに対応する誤りの発生位置を対応表から検索して取得し、取得した誤りの発生位置のキュービットについて誤り訂正を行うことができる。このようにシンドロームと誤り位置との対応表を全探索し誤り位置の決定を行う方法では、訂正能力が増加した場合にシンドロームから誤り位置を計算するのに要する計算量が訂正能力に関して指数関数的に増大する。
この計算量の増大を抑制するために古典符号においてはシンドロームから誤り位置を効率良く求める方法が提案されている。例えば古典線形符号の一種であるBCH符号においてはシンドロームから誤り位置を効率よく求めるためのアルゴリズムとしてバーレカンプマッシーのアルゴリズムが提案されている。量子誤り訂正符号の一つとしてのCSS符号は、ある関係を満たすような2つの古典線形符号を用いて構成することができる。CSS符号にはビット誤り訂正フェーズと位相誤り訂正フェーズとがあるが、ビット誤り訂正フェーズにおけるシンドロームと誤り位置との関係はCSS符号構成のもとになった2つの古典線形符号のうちの一方におけるシンドロームと誤り位置との関係に等しく、位相誤り訂正フェーズにおけるシンドロームと誤り位置との関係はCSS符号構成のもとになった2つの古典線形符号のうちのもう一方におけるシンドロームと誤り位置との関係に等しい。よって、各フェーズにおいてシンドロームから誤り位置を求めるためのアルゴリズムは古典線形符号において誤り位置を求めるアルゴリズムを転用できる。
例えばCSS符号構成のもとになった2つの古典線形符号のうちの1つがBCH符号である場合、ビット誤り訂正フェーズにおいて誤り位置を計算する際にバーレカンプマッシーアルゴリズムを用いることができる。観測を用いる量子誤り訂正の場合は観測により基底に収縮し古典情報として得られるシンドロームをバーレカンプマッシーアルゴリズムに入力することにより誤り位置を効率よく計算することができる。
一方、シンドロームの観測を用いない量子誤り訂正の手法としては、例えば、非特許文献2で開示された技術が存在する。非特許文献2に開示された手法では、誤り情報としてのシンドロームを出力して、そのシンドロームそのものを制御情報として量子回路によって誤り訂正を行っている。
A.Barenco et.al. Phys.Rev.A,52,pp.3457, 1995. 古田憲一郎「訂正へのシンドローム情報の反映にユニタリ作用素を用いる量子誤り訂正」 第11回量子情報技術研究会予稿集,2004.
しかしながら、観測を用いない量子誤り訂正の従来技術においては、訂正能力の大きな符号語の量子誤り訂正を行う場合には、処理に要する計算量が指数関数的に増大するという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、誤り訂正処理の計算量を削減して、量子誤り訂正の効率を向上させることができる量子回路、量子誤り訂正装置および量子誤り訂正方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数の基底の線形結合で表現されるヒルベルト空間の要素である量子状態としての送信語情報をCSS(Calderbank-Shor-Steane)符号によって符号化した符号語情報を表現するキュービットの集合である符号キュービット群であって、前記送信語情報を表現するヒルベルト空間の各基底を符号化した量子状態の線形結合で表現される符号語情報を表す量子状態に生じた誤りをユニタリ作用素のみを用いて訂正する量子回路であって、前記符号キュービット群を入力して、シンドロームを出力するシンドローム出力回路と、前記シンドローム出力回路によって出力されたシンドロームに対して、シンドロームの観測を用いた量子誤り訂正処理で観測されて古典情報となったシンドロームを入力して誤り位置情報を出力する古典論理回路を構成する基本論理素子の集合のそれぞれと同一の演算を前記量子状態の各基底に対して実行する量子ゲートである量子基本論理素子を作用させることによって、量子状態の基底として表現されている複数のシンドロームパターンに対して同時に誤り位置計算を行い、前記符号語情報における誤りの位置を示す誤り位置情報を求める誤り位置算出回路と、前記誤り位置算出回路によって求めた前記誤り位置情報に基づいて前記符号語情報に生じた誤りを訂正する訂正回路と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明は、上記量子回路を備えた量子誤り訂正装置、上記量子回路に対応した量子誤り訂正方法である。
本発明によれば、出力されたシンドロームを、古典回路図における各基本素子を、量子状態に作用するような各基本素子に置換することによって作成された量子回路を作用させることによって、符号語情報における誤りの位置を示す誤り位置情報を求め、この誤り位置情報に基づいて符号語情報に生じた誤りを訂正することで、シンドロームと誤り位置情報との対応データを保持する必要がなく、また誤り位置情報の検索のための計算を行う必要がない。このため、本発明によれば、誤り訂正処理の計算量を削減して、量子誤り訂正の効率を向上させることができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる量子回路、量子誤り訂正装置および量子誤り訂正方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本実施の形態にかかる量子誤り訂正装置100の機能的構成を示すブロック図である。本実施の形態にかかる量子誤り訂正装置100は、図1に示すように、誤り訂正回路110と復号回路120とを備えている。
誤り訂正回路110は、複数の基底の線形結合で示される量子状態を表す送信語データをユニタリ演算によって量子誤り訂正符号に符号化した符号語データを入力し、誤りシンドロームを診断して、誤り訂正を行う回路である。誤り訂正回路110は、シンドローム出力回路111と、誤り位置算出回路112と、訂正回路113とを備えている。
シンドローム出力回路111は、符号語データの各キュービットからなる符号キュービット群を入力して、この符号キュービット群にシンドロームを出力する複数の量子ゲートから構成されるユニタリ作用素を施して、シンドロームを補助キュービットとしての3つのアンシラに出力するものである。
誤り位置算出回路112は、古典回路のANDゲート、NOTゲート、ORゲートの各演算に対応するような演算を量子状態の各基底に対して計算するような量子ANDゲート、量子NOTゲート、量子ORゲートの各量子ゲートから構成された量子回路であり、シンドローム出力回路111によりアンシラに出力されたシンドロームを入力して、上記量子ゲートにより誤り位置情報を算出するものである。古典的なAND,OR,NOTゲートは入力の数と出力の数とが異なる。例えば古典的なANDゲートは複数の値を入力し1つの値を出力するゲートである。一方、量子ANDゲート、量子NOTゲート、量子ORゲートは入力キュービット数と出力キュービット数との数が等しくなければならない。量子ANDゲートの一例としては入力として3つのキュービットをとり、このうちの2つのキュービットそれぞれにAND値を計算したい2つの値を入力しさらに残りの1つのキュービットを基底にある量子状態であるアンシラとして与える。この2つの値のANDD値をアンシラキュービットにトフォリゲートを用いて出力する量子ゲートとして構成することができる。この際、施すトフォリゲートとしては、AND値を計算したい値が入ったキュービット2つを制御キュービットとし、アンシラを目標キュービットとするものである。
訂正回路113は、誤り位置算出回路112によって出力された誤り位置情報を制御キュービットとした複数の量子ゲートから構成され、誤り位置情報から符号語データの誤り訂正を行うものである。
復号回路120は、誤り訂正がなされた符号語データの量子状態に対して復号化処理を施して、元の送信語データの量子状態に戻す回路である。
ここで、量子状態とは、ヒルベルト空間の要素のことであり、特に2次元ヒルベルト空間の要素をキュービットという。nキュービット(n:正の整数)は、量子状態、すなわち2次元ヒルベルト空間n個がテンソル積によって結合したものであり、2のn乗次元のヒルベルト空間として表される。
本実施の形態で用いる量子回路はユニタリ作用素である。任意のユニタリ作用素は幾つかの基本的な量子ゲートの組み合わせ(ユニバーサル集合)として構成できることが分かっている。ユニバーサル集合の一例としては1キュービットの任意の回転ゲートと制御NOTゲートの組み合わせがある。本実施の形態では、送信語情報は1キュービット、符号語データは7キュービットで構成され、送信語情報および符号語データのいずれも2つの基底の線形結合で表現される2元量子状態である。そして、送信語情報|ψ>は(1)式、符号語データ|Ψ>は(2)式で示される。ここで本発明における第1の量子状態が(1)式における|0>に相当し、本発明における第2の量子状態が(1)式における|1>に相当する。
Figure 2006345324
(1)式、(2)式において、状態|0>、|1>は、いずれも送信語|ψ>の基底であり、|0>=(1,0)、状態|1>=(0,1)のヒルベルト空間の要素で表される。また、状態|Ψ0>は、基底|0>を符号化したものであり、|Ψ1>は、送信語情報の基底|1>を符号化したものである。
符号語データ|Ψ>は、さらに(3)式で表され、その|Ψ0>、|Ψ1>はそれぞれ基底を用いて(4)、(5)式で表される。従って、(1)式で示される送信語情報|ψ>は、(4)、(5)式を用いると、(6)式で表現される符号語データ|Ψ>に符号化されることになる。
Figure 2006345324
Figure 2006345324
図2は、送信語情報の符号化から本実施の形態にかかる量子誤り訂正装置による符号語データの復号化までの一連の流れを示す説明図である。(1)式で表現される1キュービットの送信語情報はその符号化が施されて、(2)式で表現される7キュービットの符号語データが生成される。
この7キュービットの符号語データは、時間が経過すると雑音の影響を受け誤りが発生する。この誤りが発生した7キュービットの符号語データを本実施の形態の量子誤り訂正装置100に入力して、誤り訂正回路110によって誤り訂正を行う。誤り訂正回路110では、シンドローム出力回路111によって、符号語データの各キュービットからなるキュービット群にシンドロームを出力する複数の量子ゲートから構成されるユニタリ作用素を施して、シンドロームを補助キュービットとしての3つのアンシラに出力する。次いで、誤り位置算出回路112によって、出力されたシンドロームに量子ANDゲート、量子NOTゲート、量子ORゲートの各素子の組み合わせによって構成される量子ゲートを作用させて誤り位置情報を算出する。次いで、訂正回路113により、誤り位置情報を制御キュービットとした複数の量子ゲートによって、誤り位置情報から符号語データの誤り訂正を行う。そして、 復号回路120によって、誤り訂正がなされた符号語データの量子状態に対して復号化処理を施して、もとの1キュービットの送信語情報に戻している。
ここで、量子誤り訂正について概要を説明する。一般的に、操作したい量子状態(操作系)は意図的には操作できない量子状態(環境系)と結合しており、操作系は環境系からノイズなどの影響を受けて乱れを生じる。このことは、操作系と環境系に意図しないユニタリ作用素が作用していることと捉えることができる。
量子誤り訂正は、このような量子状態を安定的に操作するための技術である。量子誤り訂正では、量子状態を符号化することにより発生した誤りを特定することができるようになっている。符号キュービット群に対して、可換部分群の生成元の組と同一の固有空間を持つような作用素の組に対して固有値を計算することによって発生した誤りを特定する情報が出力される。この誤りに関する情報は、シンドロームといい、シンドロームは補助的なキュービットであるアンシラに出力される。量子誤り訂正符号のほとんどはスタビライザ符号として構成され、スタビライザ符号の部分集合をなす符号のクラスとしてCSS(Calderbank-Shor-Steane)符号がある。本実施の形態では、CSS符号を採用した例を示す。
符号語データに発生しうる誤りは、いくつかの誤り基底の重ね合わせとして表現することができる。これらの基底の集合は群をなし、この群を誤り群という。誤り群を表現するためには、パウリ作用素を使用する。パウリ作用素とは、ユニタリ作用素の一部であり、次の(7)式で示される作用素である。
Figure 2006345324
この(7)式を用いると、2×2ユニタリ作用素は、次の(8)式で表現することができる。また、このパウリ作用素を用いて誤り群を構成すると、誤り群は、(9)式で示される。(10)式は誤り群の要素である。この誤り群の要素は、誤り全体の基底をなしている。
Figure 2006345324
この(10)式において、Ei n|1,Ei n|2,・・・,Ei n|nは、いずれかのパウリ作用素である。符号語データに発生しうる誤りは、このような誤り基底の重ね合わせとして、(11)のように表現することができる。この(11)式は、複数の(12)式の重ね合わせとなっている。
Figure 2006345324
ここで、|Ψ>は操作系を示し、|ν>は環境系を示すことになる。(11)式に基底状態にあるアンシラ|0>をもつれ合わせ、アンシラにシンドロームを出力させる計算を行うと、(11)式は、(13)式となる。ここで、|ai>は、各誤り基底に対応するシンドロームとなる。この(13)式においてアンシラに対して観測を行うと、(14)式に収縮する。
Figure 2006345324
この(13)式は、符号語データに対し誤り基底のいずれか一つが作用したものとなっている、このようにアンシラに対して観測を行えば、観測後に収縮する誤り基底の種類は有限個となり、誤りの特定が可能になる。
従来の観測を用いる量子誤り訂正では、(13)式においてアンシラに対して観測を行うものであった。本実施の形態の量子誤り訂正装置100では、誤り訂正回路110の誤り位置算出回路112によって、シンドローム出力回路111から出力されたシンドロームから量子ANDゲート、量子NOTゲートおよび量子ORゲートの量子ゲートによって誤り位置情報を求めて、この誤り位置情報から訂正回路113によって前記符号キュービット群の誤り訂正を行っている。
ここで、本実施の形態で採用している2元CSS符号においては、シンドロームが|0>、|1>系列となる。1キュービットに発生した任意の誤りは、単位作用素と、ビット誤りと位相誤りと混合誤りとの和で表される。このため、これら3種類の誤りを訂正すればよいが、CSS符号の場合はビット誤りと位相誤りを続けて訂正することにより、混合誤りが訂正されることになる。このため、本実施の形態にかかる誤り訂正回路110では、ビット誤り訂正と位相誤り訂正を行っている。
図3は、シンドローム出力回路111のビット誤り訂正を行う構成を示す回路図である。なお、これ以降に示す量子回路図において、直線はキュービットを示し、かかる直線上に記載した記号は量子ゲートを示している。
図3では、(3)式に示す符号語データに(10)式の誤りが作用した後の(15)式に示す状態をシンドローム出力回路111に通すことにより、シンドロームaiがアンシラに出力されることを示している。
Figure 2006345324
図3に示すように、シンドローム出力回路111は、複数の制御NOTゲートから構成されており、誤りが、(14)式のように収縮していることを示している。このシンドロームは、誤りが発生した位置と対応している。
図4は、シンドロームと誤りが発生した位置との対応表の一例を示す説明図である。図4に示すように、シンドロームとして出力されるアンシラaiの中で、ひとつでも|0>でないアンシラがある場合には、誤りが発生していることがわかる。従って、アンシラの値から誤り位置を推定することができる。
従来の観測を用いない量子誤り訂正の手法では、図4のような対応表からシンドロームに対応する誤り位置を検索する操作に対応する量子回路を施していたが、キュービット数が多くなると、対応表の規模も膨大となり、計算量が指数関数的に増大する。また、従来の観測を用いない量子誤り訂正の手法においても、原理的には、図4に示すような対応表から誤り位置を検索することにはかわりないため、結局は計算量が増大していた。
本実施の形態では、図4に示すような対応表を検索する操作に対応する量子回路を用いずに、誤り位置算出回路112によって、出力されたシンドロームから誤り位置を求めているので、計算量の減少が図られることになる。
図5は、シンドローム出力回路111の位相誤り訂正を行う構成を示す回路図である。位相誤りはそのまま検出することができないため、位相誤りにWH変換を施してビット誤りに変換する。ここで、WH変換は、1キュービットに対して、(16)式に示すような状態の変化を施す作用素である。
Figure 2006345324
図5に示すように、入力されるキュービット群にまずWH変換を施し、その出力に対して図3で示したビット誤り訂正の回路と同一の回路を通過させるように構成している。
ここで、図3、4で使用されている制御NOTゲートは、2つのキュービットの入力状態を構成する各基底の排他的論理和を演算して2つのキュービットとして出力する量子ゲートであり、トフォリゲートの一つである。図6−1は、制御NOTゲートの回路図であり、図6−2は、制御NOTゲートの真理表を示す説明図である。
図6−1において2つのキュービットの入力状態a1,a2を制御NOTゲートを通過させて、2つのキュービットの出力状態b1,b2に出力するものとする。ここで、a1は制御キュービットといい、a2は目標キュービット(あるいは標的キュービット)という。図6−2の真理表に示すように、制御NOTゲートでは、制御キュービットa1はそのままの値の状態で出力値b1が出力される。一方、目標キュービットa2に対する出力は、制御キュービットa1が「0」の場合には変化せずに出力状態b2としてはa2がそのまま出力されるが、制御キュービットa1が「1」の場合には、出力状態b2としてはa2の状態が反転したものが出力されるようになっている。
観測を用いる量子誤り訂正の手法では、アンシラに出力されるシンドロームを観測して、古典情報となったシンドロームを入力とするアルゴリズムによって誤りの発生位置を求めているが、本実施の形態では、量子回路である誤り位置算出回路112によって、この誤り発生位置を示す誤り位置情報をシンドローム出力回路111で出力された重ね合わせ状態にある複数のシンドロームに対して算出している。
本実施の形態にかかる誤り位置算出回路112では、量子ANDゲート、量子NOTゲート、量子ORゲートの量子ゲートを用いてシンドローム出力回路111から出力されたシンドロームから誤り位置情報を求めている。
図7−1は、量子ANDゲートの回路図であり、図7−2は、量子ANDゲートが基底に対して作用したときの真理表を示す説明図である。図7−1において3つのキュービットの入力状態a1,a2,a3を、量子ANDゲートを通過させて、3つのキュービットの出力状態b1,b2,b3に出力するものとする。図7−2の真理表に示すように、量子ANDゲートでは、状態a1,a2がともに状態|1>である場合に、b3に|1>が出力される。
図8−1は、量子NOTゲートの回路図であり、図8−2は、量子NOTゲートが基底に対して作用したときの真理表を示す説明図である。図8−1において1つのキュービットの入力状態a1を、量子NOTゲートを通過させて1つのキュービットの出力状態b1に出力するものとする。(17)式および図8−2の真理表に示すように、量子NOTゲートでは、状態a1が反転してb3に出力される。なお、(17)式において、a1=(α0,α1t,b1=(α'0,α'1tである。
Figure 2006345324
図9−1は、量子ORゲートの回路図であり、図9−2は、量子ORゲートが基底に対して作用したときの真理表を示す説明図である。図9−1において3つのキュービットの入力状態a1,a2,a3を、量子ORゲートを通過させて、3つのキュービットの出力状態b1,b2,b3に出力するものとする。図9−2の真理表に示すように、量子ORゲートでは、状態a1,a2の少なくとも1つが状態|1>である場合に、b3に|1>が出力される。
本実施の形態にかかる誤り位置算出回路112では、このような量子ANDゲート、量子NOTゲート、量子ORゲートの中から少なくとも一つの量子ゲートを使用して量子回路を構成し、シンドロームから誤り位置情報を求めてアンシラに出力している。
このような誤り位置算出回路112としては、例えば、古典符号の一種であるBCH符号においてシンドロームから誤り位置を求めるバーレンカンブマーシー法(BM法)のアルゴリズムを利用して、このアルゴリズムを実行する古典回路図のAND、NOT、OR等のそれぞれの基本素子に対応する位置に、上記で説明した量子ANDゲート、量子NOTゲート、量子ORゲート等の各量子ゲートを配置して量子回路を構成すればよい。
このような古典回路図のAND、NOT、OR等のそれぞれの基本素子に対応する位置に、量子ANDゲート、量子NOTゲート、量子ORゲート等の各量子ゲートを配置して構成した量子回路について、全加算回路を例にあげて説明する。図10は、古典回路による全加算回路の回路図である。全加算回路は、図10に示すように、8個のAND基本素子と6個のNOT基本素子からなる第1回路1010と、2つのOR基本素子からなる第2回路1020と、1個のOR基本素子からなる第3回路1030とから構成されている。全加算回路は、A,B,Cの入力に対して次の(18)式で算出される出力Sを求める回路である。
Figure 2006345324
Figure 2006345324
第1回路1010は、(18)式の第1項(19)式、第2項(20)式、第3項(21)式および第4項(22)式のそれぞれを計算する回路である。回路1011は(18)式の第1項(19)式を計算し、回路1012は(18)式の第2項(20)式を計算し、回路1013は(18)式の第3項(21)式を計算し、回路1014は(18)式の第4項(22)式を計算する。
第2回路1020は、(18)式の第1項と第2項の和である(23)式と、第3項と第4項の和である(24)式を計算する回路である。OR基本素子1021により(18)式の第1項と第2項の和である(23)式が計算され、OR基本素子1022により第3項と第4項の和である(24)式が計算される。
第3回路1030は、(18)式の第1項と第2項の和と、第3項と第4項の和をOR基本素子で加算してSを計算する回路である。
図11は、図10の古典回路の全加算回路を量子回路で構成した回路図である。この量子回路は、図11に示すように、A,B,Cが入力される(1)〜(3)のキュービットと、Sが出力される(26)番目のキュービットと、計算過程で使用される(4)〜(25)のキュービットがある。また、全加算回路の量子回路は、(18)式の第1項(19)式、第2項(20)式、第3項(21)式および第4項(22)式のそれぞれを計算する第1回路1110と、(18)式の第1項と第2項の和である(23)式と、第3項と第4項の和である(24)式を計算する第2回路1120と、(18)式の第1項と第2項の和と、第3項と第4項の和を加算してSを計算する第3回路1130とから構成される。第1回路1110は図10の古典回路における第1回路1010に、第2回路1120は古典回路における第2回路1020に、第3回路1130は古典回路における第3回路1030にそれぞれ相当し、各古典回路の基本素子を対応する量子ゲートに置換して構成された回路である。
図12−1は、量子回路の第1回路1110の回路図である。この第1回路1110は、図12−1に示すように、(18)式の第1項(19)式を計算する回路1111と、(18)式の第2項(20)式を計算する回路1112と、(18)式の第3項(21)式を計算する回路1113と、(18)式の第4項(22)式を計算する回路1114とから構成されている。ここで、回路1111が図10の古典回路の回路1011に、回路1112が図10の古典回路の回路1012に、回路1113が図10の古典回路の回路1013に、回路1114が図10の古典回路の回路1014にそれぞれ相当する。すなわち、回路1111、1112、1113、1114のそれぞれにおいて、古典回路の回路1011,1012,1013,1014におけるNOT基本素子が図8−1に示す量子NOTゲートに、AND基本素子が図7−1に示す量子ANDゲートに、それぞれ置換されて構成されている。この第1回路1110によって、(18)式の第1項(19)式が(8)のキュービットに、(18)式の第2項(20)式が(13)のキュービットに、(18)式の第3項(21)式が(18)のキュービットに、(18)式の第4項(22)式が(23)のキュービットに、それぞれ出力される。
図12−2は、量子回路の第2回路1120の回路図である。この第2回路1120は、図12−2に示すように、(18)式の第1項と第2項の和である(23)式を計算する回路1121と、第3項と第4項の和である(24)式を計算する回路1122とから構成されている。ここで、回路1121は、図10の古典回路のOR基本素子1021を図9−1に示す量子ORゲートに置換した構成となっており、回路1122は図10の古典回路のOR基本素子1022を同様の量子ORゲートに置換した構成となっている。この第2回路1120によって、(18)式の第1項と第2項の和である(23)式が(24)のキュービットに、(18)式の第3項と第4項の和である(24)式が(25)のキュービットにそれぞれ出力される。
図12−3は、量子回路の第3回路1130の回路図である。この第3回路1130は、図10の古典回路の回路1030のOR基本素子を図9−1に示す量子ORゲートに置換した構成となっている。この第3回路1130によって、全加算回路の出力Sが(26)のキュービットにそれぞれ出力される。
このように、図11の量子回路は、図10の古典回路で構成された全加算回路の基本素子を各基本素子に対応する量子ゲートで置換した量子回路となっている。
次に、訂正回路113について説明する。図13は、7キュービット符号に対する訂正回路113の回路構成の例を示す回路図である。図13に示すように、訂正回路113は、複数のトフォリゲートと、複数のNOTゲートから構成されている。図13において、3つのアンシラaiに、誤り位置算出回路112で求められた誤り位置情報が入力され、この誤り位置情報が制御キュービットとなるようにトフォリゲートが構成されている。7キュービット符号においてはシンドローム情報が誤り位置情報そのものとなっている。
この訂正回路113は、一組の基底の線形結合として表される制御キュービットがとりうる基底の全パターンそれぞれに対して操作を行う部分の集合として構成される量子回路であり、全パターンに対して順次実行され、ある時点では全パターンのうちの1つが操作の対象となっている。そして、制御キュービットとして用いられるキュービットに格納されている量子状態の各基底は誤り位置情報を表しており、操作の対象となっている基底パターンにおいて|0>となるキュービットの番号に対応した位置に配置されている制御キュービットにNOT作用素を施し、続いて各基底が誤り位置情報となっているような量子状態を格納しているキュービットを制御キュービットとし、符号キュービット群のうち操作の対象となっている誤り位置にあるキュービットを目標キュービットとするようなトフォリゲートを施すことにより、制御キュービットがとりうる基底のパターン全てに対してそれぞれに対応する操作を行うようになっている。
図13に示す訂正回路113の動作を具体的にみていくと、誤り位置算出回路112からアンシラaiに誤り位置情報として「7」(|1>|1>|1>)が入力された場合、これを制御キュービットとするトフォリゲート1301が作用し、目標キュービットとなっている第7番目のキュービット(図13における上から7番目のキュービット)にNOT作用素が施されて誤り訂正がなされ、誤り訂正された符号語データが出力される。
また、誤り位置情報として「6」(|1>|1>|0>)が入力された場合、トフォリゲート1301の目標キュービットである第7番目のキュービットは|0>のままで、量子ゲート1302に「6」(|1>|1>|0>)が入力される。そして、回路1302のNOTゲートでアンシラai 3が|0>から|1>に反転し、これにより回路1302のトフォリゲートの制御キュービットに|1>|1>|1>が入力される。このため、目標キュービットである第6番目のキュービットにNOT作用素が施されて誤り訂正がなされる。そして、回路1302の2番目のNOTゲートによって、1番目のNOTゲートで反転されたアンシラai 3の値を|1>から|0>に反転させて元に戻す。これによって、誤り訂正された符号語データが出力される。
誤り位置情報「5」(|1>|0>|1>)の場合については回路1303で、誤り位置情報「4」(|1>|0>|0>)の場合については回路1304で、誤り位置情報「3」(|0>|1>|1>)の場合については回路1305で、誤り位置情報「2」(|0>|1>|0>)の場合については回路1306で、誤り位置情報「1」(|0>|0>|1>)の場合については回路1307で、それぞれ上記と同様にトフォリゲートおよびNOTゲートによって対応するキュービットに対して誤り訂正がなされ、誤り訂正された符号語データが出力される。
図14は、訂正回路113の他の回路構成を示す回路図である。図14の訂正回路113では、符号キュービット群、誤り位置情報を示す符号キュービット群を任意の数として表している。
図14に示す訂正回路113は、制御キュービットがとりうる基底の全パターンそれぞれに対して操作を行う部分の集合として構成される量子回路であり、全パターンに対して順次実行される量子回路であり、ある時点では全パターンのうちの1つが操作の対象となっている。そして、制御キュービットとして用いられるキュービットに格納されている量子状態の各基底は誤り位置情報を表しており、各基底が誤り位置情報となっているような量子状態を格納しているキュービットを制御キュービットとし、符号キュービット群のうち操作の対象となっている誤り位置にあるキュービットを目標キュービットとするようなトフォリゲートを施すことにより、制御キュービットがとりうる基底のパターン全てに対してそれぞれに対応する操作を行うようになっている。
なお、図13および図14に示した訂正回路113は一例であり、これらのような構成に限定されるものではない。
符号語データの全キュービット数(符号長)をn、最小距離をdとすると訂正可能なキュービット数の上限tは、(25)式で示される。
Figure 2006345324
この場合における従来のシンドロームと誤り位置との対応表を検索する量子誤り訂正における計算量は、(26)式で示される。
O(n1n2+・・・+nt) ・・・(26)
ここで、O()は計算量を示すオーダーであり、ntは、n個の集合の中からt個を選択する場合の組み合わせの数である。この(26)式により、計算量はntの計算量に影響してくるため、符号語データのキュービット数が大きくなれば計算量は指数関数的に増大することがわかる。
一方、本実施の形態にかかる量子誤り訂正装置による量子誤り訂正の計算量は、(27)式で示される。
O(n)+(シンドロームから誤り位置情報を算出するための計算量)・・・(27)
この(27)式より、キュービット数が多数になっても、計算量は(26)式の従来の手法による計算量に比べてその増大する割合が小さいことがわかる。
このように本実施の形態にかかる量子誤り訂正装置では、シンドローム出力回路111から出力されたシンドロームを、誤り位置計算を行う古典回路での回路図においてAND,OR,NOTに対応した位置に量子ANDゲート、量子NOTゲート、量子ORゲートなどの量子ゲートを配置した量子回路によって、符号語データにおける誤りの発生位置である誤り位置情報を求め、この誤り位置のキュービットを訂正することによって符号語データに生じた誤りを訂正しているので、シンドロームと誤り位置情報との対応データを保持する必要がなく、また誤り位置情報の検索のための計算を行う必要がなくなり、誤り訂正処理の計算量を削減して、量子誤り訂正の効率を向上させることができる。
なお、本実施の形態にかかる量子誤り訂正装置では、7キュービットの符号語データを入力して量子誤り訂正を行う例を示したが、キュービットの数はこれに限定されるものではなく、CSS符号によって符号化された符号語データの量子誤り訂正に関して本発明を適用することが可能である。
また、本発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。
本発明にかかる量子回路、量子誤り訂正装置および量子誤り訂正方法は、複数の基底の線形結合で示される量子状態を表す送信語情報を符号化した符号語情報に対して量子誤り訂正を行ってもとの送信語情報に復号する量子誤り訂正を行う回路を備えた装置に有用である。基本的なゲートの実現方法としては、例えば、文献「北川勝浩, NMR量子コンピュータ, 数理科学, No.424, 1998.」のように、核磁気共鳴現象(NMR:Nuclear Magnetic Resonance)による原子核スピンの制御を用いて量子計算を行う場合に本発明の量子回路を適用することができる。
また、文献「T.Yamamoto et.al. Demonstration of conditional gate operation using superconducting charge qubits. Nature,vol.425, pp.941, 2003.」のようにジョセフソン接合を有する超伝導電子対箱中の余剰超伝導電子対を電磁パルスにより制御する方法によって量子計算を行う場合に本発明の量子回路を適用することができる。このように本発明の量子回路、量子誤り訂正装置および量子誤り訂正方法は自然法則を用いて実現可能なものである。
キュービットや量子ゲートの実現方法には上述のNMRによる原子核スピン操作や電磁パルスによる超伝導電子対個数操作の他、光子の偏光及び位相差を用いる方法や固体EIT(Electromagnetically Induced Transparency:電磁波誘起透明化)現象を利用するものがある。ただし、本発明はNMRによる原子核スピン操作や電磁パルスによる超伝導電子対個数の制御によるキュービット及び量子ゲートの実現に限られるものではなく、数学的に定義されるヒルベルト空間としてのキュービットやユニタリ作用素としての量子ゲートを実現できるような物理系すべてに対して適用可能である。
本実施の形態にかかる量子誤り訂正装置100の機能的構成を示すブロック図である。 送信語情報の符号化から本実施の形態にかかる量子誤り訂正装置による符号語データの復号化までの一連の流れを示す説明図である。 シンドローム出力回路111のビット誤り訂正を行う構成を示す回路図である。 シンドロームと誤りが発生した位置との対応表の一例を示す説明図である。 シンドローム出力回路111の位相誤り訂正を行う構成を示す回路図である。 制御NOTゲートの回路図である。 制御NOTゲートの真理表を示す説明図である。 量子ANDゲートの回路図である。 量子ANDゲートが基底に作用した際の真理表を示す説明図である。 量子NOTゲートの回路図である。 量子NOTゲートが基底に作用した際の真理表を示す説明図である。 量子ORゲートの回路図である。 量子ORゲートが基底に作用した際の真理表を示す説明図である。 古典回路による全加算回路の回路図である。 図10の古典回路の全加算回路を量子回路で構成した回路図である。 量子回路の第1回路1110の回路図である。 量子回路の第2回路1120の回路図である。 量子回路の第3回路1130の回路図である。 訂正回路113の回路構成を示す回路図である。 訂正回路113の他の回路構成を示す回路図である。
符号の説明
100 量子誤り訂正装置
110 誤り訂正回路
111 シンドローム出力回路
112 誤り位置算出回路
113 訂正回路
120 復号回路
1001 ANDゲート
1002,1003,1004,1005,1006,1007 回路
1010,1110 第1回路
1020,1120 第2回路
1030,1130 第3回路

Claims (8)

  1. 複数の基底の線形結合で表現されるヒルベルト空間の要素である量子状態としての送信語情報をCSS(Calderbank-Shor-Steane)符号によって符号化した符号語情報を表現するキュービットの集合である符号キュービット群であって、前記送信語情報を表現するヒルベルト空間の各基底を符号化した量子状態の線形結合で表現される符号語情報を表す量子状態に生じた誤りをユニタリ作用素のみを用いて訂正する量子回路であって、
    前記符号キュービット群を入力して、シンドロームを出力するシンドローム出力回路と、
    前記シンドローム出力回路によって出力されたシンドロームに対して、シンドロームの観測を用いた量子誤り訂正処理で観測されて古典情報となったシンドロームを入力して誤り位置情報を出力する古典論理回路を構成する基本論理素子の集合のそれぞれと同一の演算を前記量子状態の各基底に対して実行する量子ゲートである量子基本論理素子を作用させることによって、量子状態の基底として表現されている複数のシンドロームパターンに対して同時に誤り位置計算を行い、前記符号語情報における誤りの位置を示す誤り位置情報を求める誤り位置算出回路と、
    前記誤り位置算出回路によって求めた前記誤り位置情報に基づいて前記符号語情報に生じた誤りを訂正する訂正回路と、
    を備えたことを特徴とする量子回路。
  2. 前記誤り位置算出回路は、前記基本論理素子の集合であるAND、OR、NOTの集合もしくはNANDのそれぞれと同一の演算を実行する量子ゲートである量子基本論理素子を作用させることによって、量子状態の基底として表現されている複数のシンドロームパターンに対して同時に誤り位置計算を行い、前記符号語情報における誤りの位置を示す誤り位置情報を求めることを特徴とする請求項1に記載の量子回路。
  3. 前記誤り位置算出回路は、異なる前記量子基本論理素子の間で同一の入力を必要とする箇所においては制御NOTゲートを用いて基底の情報を複製することを特徴とする請求項2に記載の量子回路。
  4. 前記シンドローム出力回路は、最小距離が5以上のCSS符号を用いて符号化された前記符号キュービット群を入力して、シンドロームを出力することを特徴とする請求項1に記載の量子回路。
  5. 前記訂正回路は、一組の基底の線形結合として表される制御キュービットがとりうる基底の全パターンそれぞれを操作対象として順次実行され、制御キュービットとして用いられるキュービットに入力される量子状態の各基底は誤り位置情報を示し、前記操作対象の基底パターンにおいて|0>となるキュービットの番号に対応した位置に配置されている制御キュービットにNOT作用素を施し、次いで、各基底が誤り位置情報となっている量子状態を格納しているキュービットを制御キュービットとし、前記符号キュービット群のうち前記操作対象の誤り位置のキュービットを目標キュービットとするトフォリゲートを施すことにより、制御キュービットがとりうる基底のパターン全てに対してそれぞれに対応する操作を行って、前記符号キュービット群に生じた誤りを訂正することを特徴とする請求項1に記載の量子回路。
  6. 前記訂正回路は、制御キュービットがとりうる基底の全パターンそれぞれを操作対象として順次実行され、制御キュービットとして用いられるキュービットに入力される量子状態の各基底は誤り位置情報を示し、前記操作対象の各基底が誤り位置情報となっている量子状態を格納しているキュービットを制御キュービットとし、前記符号キュービット群のうち前記操作対象の誤り位置のキュービットを目標キュービットとするトフォリゲートを施すことにより、制御キュービットがとりうる基底のパターン全てに対してそれぞれに対応する操作を行って、前記符号語情報に生じた誤りを訂正することを特徴とする請求項1に記載の量子回路。
  7. 複数の基底の線形結合で表現されるヒルベルト空間の要素である量子状態としての送信語情報をCSS符号によって符号化した符号語情報を表現するキュービットの集合である符号キュービット群であって、前記送信語情報を表現するヒルベルト空間の各基底を符号化した量子状態の線形結合で表現される符号語情報を表す量子状態に生じた誤りをユニタリ作用素のみを用いて訂正する量子誤り訂正装置であって、
    前記符号キュービット群を入力して、シンドロームを出力するシンドローム出力回路と、
    前記シンドローム出力回路によって出力されたシンドロームに対して、シンドロームの観測を用いた量子誤り訂正処理で観測されて古典情報となったシンドロームを入力して誤り位置情報を出力する古典論理回路を構成する基本論理素子の集合のそれぞれと同一の演算を前記量子状態の各基底に対して実行する量子ゲートである量子基本論理素子を作用させることによって、量子状態の基底として表現されている複数のシンドロームパターンに対して同時に誤り位置計算を行い、前記符号語情報における誤りの位置を示す誤り位置情報を求める誤り位置算出回路と、
    前記誤り位置算出回路によって求めた前記誤り位置情報に基づいて前記符号語情報に生じた誤りを訂正する訂正回路と、
    前記訂正回路によって誤り訂正された前記符号語情報を復号化して前記送信語情報を出力する復号回路と、
    を備えたことを特徴とする量子誤り訂正装置。
  8. 複数の基底の線形結合で表現されるヒルベルト空間の要素である量子状態としての送信語情報をCSS符号によって符号化した符号語情報を表現するキュービットの集合である符号キュービット群であって、前記送信語情報を表現するヒルベルト空間の各基底を符号化した量子状態の線形結合で表現される符号語情報を表す量子状態に生じた誤りをユニタリ作用素のみを用いて訂正する量子誤り訂正方法であって、
    前記符号キュービット群を入力して、シンドロームを出力するシンドローム出力ステップと、
    前記シンドローム出力ステップによって出力されたシンドロームに対して、シンドロームの観測を用いた量子誤り訂正処理で観測されて古典情報となったシンドロームを入力して誤り位置情報を出力する古典論理回路を構成する基本論理素子の集合のそれぞれと同一の演算を前記量子状態の各基底に対して実行する量子ゲートである量子基本論理素子を作用させることによって、量子状態の基底として表現されている複数のシンドロームパターンに対して同時に誤り位置計算を行い、前記符号語情報における誤りの位置を示す誤り位置情報を求める誤り位置算出ステップと、
    前記誤り位置算出ステップによって求めた前記誤り位置情報に基づいて前記符号語情報に生じた誤りを訂正する訂正ステップと、
    を含むことを特徴とする量子誤り訂正方法。
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