本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
本実施形態に係る撮像装置1はコンパクトタイプのデジタルカメラであるが、本発明の撮像装置には、一眼レフタイプのデジタルカメラ、カメラ付携帯電話、車載カメラなどの撮影機能を備えた電子機器の他、携帯電話、車載カメラなどの電子機器に組み込まれるカメラユニットなども含まれる。
図1に示すように、撮像装置1が備える筐体2の前面中央部付近には、被写体の画像光を所定の焦点に集光させるレンズユニット3が、レンズユニット3の光軸が筐体2の前面に直交するように設けられている。そして、筐体2の内部であってレンズユニット3の後方には、レンズユニット3を介して入射した被写体の反射光を電気信号に光電変換する撮像素子4が設けられている。
また、筐体2の前面上端部付近には撮影時に光を照射する照射部5が備えられている。本実施形態の照射部5は撮像装置1に内蔵されたストロボ装置によって構成されているが、外付けのストロボ又は高輝度LEDによって構成してもよい。また、筐体2の前面であってレンズユニット3の上部付近には、調光センサ6が設けられており、この調光センサ6は、照射部5から照射された光が被写体で反射されて、その反射した光を受光するものである。
更に、撮像装置1が備える筐体2の内部には、システム制御部7及び信号処理部8(いずれも図3参照)などの回路を含む回路基板(図示略)が設けられている。また、筐体2の内部には電池9が内蔵されていると共に、メモリカードなどの記憶部10が装填されている。
また、図2に示すように、筐体2の背面には、画像表示用のモニタ11が設けられている。モニタ11はLCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)などによって構成されており、被写体のプレビュー画面や撮影画像を表示することができるようになっている。
また、撮像装置1の背面上端部付近には、ズームを調整するためのズームボタンW12(Wide:広角)及びズームボタンT13(Telephoto:望遠)が設けられている。また、撮像装置1の背面であってレンズユニット3が設けられている位置の上方には、筐体2の背面側から被写体を確認するための光学式ファインダ14が配置されている。
更に、撮像装置1の背面中央部付近には、モニタ11の画面上に表示されたカーソルやウィンドウの移動又はウィンドウの指定範囲の変更をするための十字キーを備えた選択用十字キー15が設けられている。また、選択用十字キー15の中心部分には、カーソルやウィンドウによって指定した内容を確定するための確定キーが備えられている。
また、撮像装置1の上面であって電池9とレンズユニット3との間には、シャッタレリーズを行うためのレリーズスイッチ16が設けられている。レリーズスイッチ16は、途中まで押し込んだ「半押し状態」の操作と、更に押し込んだ「全押し状態」の操作とが可能とされている。
また、筐体2の上面端部付近には、押下により撮像装置1の電源をON(起動)又はOFF(起動停止)とする電源スイッチ17が設けられている。
なお、筐体2の一側面上端部付近には、撮像装置1をパーソナルコンピュータなどに接続するための通信部18が設けられている。
次に、図3に撮像装置1の機能的構成を示す。
上述のように、撮像装置1は筐体2の内部の回路基板上にシステム制御部7を備えている。システム制御部7は、CPU(Central Processing Unit)、書き換え可能な半導体素子で構成されるRAM(Random Access Memory)及び不揮発性の半導体メモリで構成されるROM(Read Only Memory)から構成されている。
図3に示すように、システム制御部7には、レンズユニット3、絞り制御部19、撮像素子4、信号処理部8、タイミング生成部20、記憶部10、照射部5、調光センサ6、モニタ11、通信部18、操作部21及び変曲点変更部22が接続されている。
レンズユニット3は、被写体光像を撮像素子4の撮像面に結像する複数のレンズ及びレンズにより集光される光の量を調整する絞り部から構成されている。
絞り制御部19は、レンズユニット3においてレンズにより集光される光の量を調整する絞り部を駆動制御するようになっている。すなわち、絞り制御部19は、システム制御部7から入力される制御値に基づき、撮像素子4の撮像動作開始直前に絞り部を開口させてから所定の露光時間の経過後に絞り部を閉塞させ、また、非撮像時は撮像素子4への入射光を遮断することによって、入射光量を制御するようになっている。
例えば、後述する動画記録モードが選択された場合には、露光条件(例えば、絞り、シャッタ、ゲイン)をリアルタイムで変更するようになっている
撮像素子4は、被写体光像であるR,G,Bの各色成分の入射光を電気信号に光電変換して取り込むようになっている。なお、撮像素子4の最大信号出力値に制限はないが、以下においては、最大信号出力値である255、即ち8bitであるものを例に説明する。
図4に示すように、撮像素子4は、行列配置(マトリクス配置)された複数の画素G11〜Gmn(但し、n,mは1以上の整数)を有している。
各画素G11〜Gmnは、入射光を光電変換して電気信号を出力するものである。これら画素G11〜Gmnは、入射光量に応じた電気信号の変換動作の切り換えが可能となっており、より詳細には、入射光を電気信号に線形変換する線形変換動作と、対数変換する対数変換動作とを切り換えるようになっている。なお、本実施形態において、入射光を電気信号に線形変換や対数変換するとは、光量の時間積分値を線形的に変化するような電気信号に変換することや、対数的に変化するような電気信号に対数変換することである。
画素G11〜Gmnのレンズユニット3側には、それぞれレッド(Red)、グリーン(Green)及びブルー(Blue)のうち何れか1色のフィルタ(図示せず)が配設されている。また、画素G11〜Gmnには、図4に示すように、電源ライン23や信号印加ラインLA1〜LAn,LB1〜LBn,LC1〜LCn、信号読出ラインLD1〜LDmが接続されている。なお、画素G11〜Gmnには、クロックラインやバイアス供給ライン等のラインも接続されているが、図4ではこれらの図示を省略している。
信号印加ラインLA1〜LAn,LB1〜LBn,LC1〜LCnは画素G11〜Gmnに対して信号φv,φVD,φVPS(図5,図6参照)を与えるようになっている。これら信号印加ラインLA1〜LAn,LB1〜LBn,LC1〜LCnには、垂直走査回路24が接続されている。この垂直走査回路24は、タイミング生成部20(図3参照)からの信号に基づいて信号印加ラインLA1〜LAn,LB1〜LBn,LC1〜LCnに信号を印加するものであり、信号を印加する対象の信号印加ラインLA1〜LAn,LB1〜LBn,LC1〜LCnをX方向に順次切り換えるようになっている。
信号読出ラインLD1〜LDmには、各画素G11〜Gmnで生成された電気信号が導出されるようになっている。これら信号読出ラインLD1〜LDmには定電流源D1〜Dm及び選択回路S1〜Smが接続されている。また、定電流源D1〜Dmの一端(図中下側の端部)には、直流電圧VPSが印加されるようになっている。
選択回路S1〜Smは、各信号読出ラインLD1〜LDmを介して画素G11〜Gmnから与えられるノイズ信号と撮像時の電気信号とをサンプルホールドするものである。これら選択回路S1〜Smには、水平走査回路25及び補正回路26が接続されている。水平走査回路25は、電気信号をサンプルホールドして補正回路26に送信する選択回路S1〜Smを、Y方向に順次切り換えるものである。また、補正回路26は、選択回路S1〜Smから送信されるノイズ信号及び撮像時の電気信号に基づき、当該電気信号からノイズ信号を除去するものである。
なお、選択回路S1〜Sm及び補正回路26としては、特開平2001−223948号公報に開示のものを用いることができる。また、本実施の形態においては、選択回路S1〜Smの全体に対して補正回路26を1つのみ設けることとして説明するが、選択回路S1〜Smのそれぞれに対して補正回路26を1つずつ設けることとしても良い。
続いて、撮像素子4が備える画素G11〜Gmnについて説明する。
各画素G11〜Gmnは、図5に示すように、フォトダイオードP、トランジスタT1〜T6及びキャパシタCを備えている。なお、トランジスタT1〜T6は、PチャネルのMOSトランジスタである。
フォトダイオードPには、レンズユニット3を通過した光が当たるようになっている。このフォトダイオードPのアノードPAには直流電圧VPDが印加されており、カソードPkにはトランジスタT1のドレインT1Dが接続されている。
トランジスタT1のゲートT1Gには信号φSが入力されるようになっており、ソースT1SにはトランジスタT2のゲートT2G及びドレインT2Dが接続されている。
このトランジスタT2のソースT2Sには信号印加ラインLC(図4のLC1〜LCnに相当)が接続されており、この信号印加ラインLCから信号φVPSが入力されるようになっている。ここで、図6に示すように、信号φVPSは2値の電圧信号であり、より詳細には、入射光量が所定入射光量thを超えたときにトランジスタT2をサブスレッショルド領域で動作させるための電圧値VLと、トランジスタT2を導通状態にする電圧値VHとの2つの値をとるようになっている。
また、トランジスタT1のソースT1SにはトランジスタT3のゲートT3Gが接続されている。このトランジスタT3のドレインT3Dには、直流電圧VPDが印加されるようになっている。また、トランジスタT3のソースT3Sには、キャパシタCの一端と、トランジスタT5のドレインT5Dと、トランジスタT4のゲートT4Gとが接続されている。
キャパシタCの他端には、信号印加ラインLB(図4のLB1〜LBnに相当)が接続されており、この信号印加ラインLBから信号φVDが与えられるようになっている。ここで、図6に示すように、信号φVDは3値の電圧信号であり、より詳細には、キャパシタCを積分動作させる際の電圧値Vhと、光電変換された電気信号読み出し時の電圧値Vmと、ノイズ信号読み出し時の電圧値Vlとの3つの値をとるようになっている。
トランジスタT5のソースT5Sには直流電圧VRGが、ゲートT5Gには信号φRSが入力されるようになっている。
トランジスタT4のドレインT4Dには、トランジスタT3のドレインT3Dと同様に直流電圧VPDが印加されるようになっており、ソースT4Sには、トランジスタT6のドレインT6Dが接続されている。
このトランジスタT6のソースT6Sには、信号読出ラインLD(図4のLD1〜LDmに相当)が接続されており、ゲートT6Gには、信号印加ラインLA(図4のLA1〜LAnに相当)から信号φVが入力されるようになっている。
このような回路構成をとることにより、各画素G11〜Gmnは以下のリセット動作を行うようになっている。
まず、図6に示すように、垂直走査回路24が画素G11〜Gmnのリセット動作を行うようになっている。具体的には、信号φSがLow、信号φVがHi、信号φVPSがVL、信号φRSがHi、信号φVDがVhとなっている状態から、垂直走査回路24が、パルス信号φVと、電圧値Vmのパルス信号φVDとを画素G11〜Gmnに与えて電気信号を信号読出ラインLDに出力させた後、信号φSをHiとしてトランジスタT1をOFFとするようになっている。
次に、垂直走査回路24が信号φVPSをVHとすることで、トランジスタT2のゲートT2G及びドレインT2D、並びにトランジスタT3のゲートT3Gに蓄積された負の電荷を速やかに再結合させるようになっている。また、垂直走査回路24が信号φRSをLowとしてトランジスタT5をONにすることにより、キャパシタCとトランジスタT4のゲートT4Gとの接続ノードの電圧を初期化するようになっている。
次に、垂直走査回路24が信号φVPSをVLとすることで、トランジスタT2のポテンシャル状態を基の状態に戻した後、信号φRSをHiにして、トランジスタT5をOFFにする。次に、キャパシタCが積分動作を行うようになっている。これにより、キャパシタCとトランジスタT4のゲートT4Gとの接続ノードの電圧が、リセットされたトランジスタT2のゲート電圧に応じたものとなる。
次に、垂直走査回路24がパルス信号φVをトランジスタT6のゲートT6Gに与えることでトランジスタT6をONにするとともに、電圧値Vlのパルス信号φVDをキャパシタCに印加するようになっている。このとき、トランジスタT4がソースフォロワ型のMOSトランジスタとして動作するため、信号読出ラインLDにはノイズ信号が電圧信号として現れる。
そして、垂直走査回路24がパルス信号φRSをトランジスタT5のゲートT5Gに与えてキャパシタCとトランジスタT4のゲートT4Gとの接続ノードの電圧をリセットした後、信号φSをLowにしてトランジスタT1をONとするようになっている。これにより、リセット動作が完了し、画素G11〜Gmnが撮像可能状態となる。
また、各画素G11〜Gmnは以下の撮像動作を行うようになっている。
フォトダイオードPより入射光量に応じた光電荷がトランジスタT2に流れ込むと、光電荷がトランジスタT2のゲートT2Gに蓄積されるようになっている。
ここで、被写体の輝度が低く、フォトダイオードPに対する入射光量が前記所定入射光量thよりも少ない場合には、トランジスタT2はカットオフ状態であるので、トランジスタT2のゲートT2Gに蓄積された光電荷量に応じた電圧が当該ゲートT2Gに現れる。そのため、トランジスタT3のゲートT3Gには、入射光を線形変換した電圧が現れるようになっている。
一方、被写体の輝度が高く、フォトダイオードPに対する入射光量が前記所定入射光量thよりも多い場合には、トランジスタT2がサブスレッショルド領域で動作を行うようになっている。そのため、トランジスタT3のゲートT3Gには、入射光を自然対数で対数変換した電圧が現れる。なお、本実施の形態においては、画素G11〜Gmnの間で前記所定値の値は等しくなっている。
トランジスタT3のゲートT3Gに電圧が現れると、その電圧量に応じてキャパシタCからトランジスタT3のドレインT3Dに流れる電流が増幅されるようになっている。そのため、トランジスタT4のゲートT4Gには、フォトダイオードPの入射光を線形変換又は対数変換した電圧が現れる
次に、垂直走査回路24が信号φVDの電圧値をVmとするとともに、信号φVをLowとするようになっている。これにより、トランジスタT4のゲート電圧に応じたソース電流が、トランジスタT6を介して信号読出ラインLDへ流れる。このとき、トランジスタT4がソースフォロワ型のMOSトランジスタとして動作するため、信号読出ラインLDには撮像時の電気信号が電圧信号として現れるようになっている。ここで、トランジスタT4,T6を介して出力される電気信号の信号値はトランジスタT4のゲート電圧に比例した値となるため、当該信号値はフォトダイオードPの入射光を線形変換又は対数変換した値となる。
そして、垂直走査回路24が信号φVDの電圧値をVhとするとともに、信号φVをHiとすることにより、撮像動作が終了するようになっている。
このように動作するとき、撮像時の信号φVPSの電圧値VLが低くなり、リセット時の信号φVPSの電圧値VHとの差を大きくするほど、トランジスタT2のゲート・ソース間におけるポテンシャル差が大きくなって、トランジスタT2がカットオフ状態で動作する被写体輝度の割合が大きくなる。したがって、図7に示すように、電圧値VLが低いほど、線形変換する被写体輝度の割合が大きくなる。このように、本実施形態に係る撮像素子4の出力信号は、入射光量に応じて線形領域及び対数領域が連続的に変化するようになっている。
そこで、例えば、被写体の輝度範囲が狭い場合は電圧値VLを低くして線形変換する輝度範囲を広くし、また、被写体の輝度範囲が広い場合は電圧値VLを高くして対数変換する輝度範囲を広くすることで、被写体の特性に合った光電変換特性とすることができる。なお、電圧値VLを最小とするとき、常に線形変換する状態とし、また、電圧値VHを最大とするとき、常に対数変換する状態とすることもできる。
このように動作する撮像素子4の画素G11〜Gmnに与える信号φVPSの電圧値VLの値を切り換えることによって、ダイナミックレンジを切り換えることが可能となっている。すなわち、システム制御部7が信号φVPSの電圧値VLの値を切り換えることによって、画素G11〜Gmnの線形変換動作から対数変換動作に切り換わる変曲点を変更することができるようになっている。
なお、本実施形態に係る撮像素子4は線形変換動作と対数変換動作とを各画素において自動的に切り換えるものであればよく、図5とは異なる構成の画素を備えた撮像素子4であってもよい。
また、本実施形態の撮像素子4は各画素にRGBフィルタを備えるものとしたが、シアン(Cyan)、マゼンタ(Magenta)、イエロー(Yellow)など他の色フィルタを備えるものとしてもよい。
図3に戻り、信号処理部8はアンプ27、A/Dコンバータ28、黒基準補正部29、AE評価値算出部30、WB処理部31、色補間部32、色補正部33、階調変換部34及び色空間変換部35から構成されている。
このうち、アンプ27は、撮像素子4から出力された電気信号を所定の規定レベルに増幅して撮影画像のレベル不足を補償するようになっている。
また、A/Dコンバータ28(ADC)は、アンプ27において増幅された電気信号をアナログ信号からデジタル信号に変換するようになっている。
また、黒基準補正部29は、最低輝度値となる黒レベルを、基準値に補正するようになっている。すなわち、撮像素子4のダイナミックレンジにより黒レベルが異なるため、A/Dコンバータ28から出力されるRGB各信号の信号レベルに対して、黒レベルとなる信号レベルを減算することで黒基準補正が行われるようになっている。
また、AE評価値算出部30は、黒基準補正後の電気信号からAE(自動露出)のために必要な評価値を検出するようになっている。すなわち、RGBの各原色成分から成る電気信号の輝度値を確認することにより、被写体の輝度範囲を表す輝度の平均値分布範囲を算出して、入射光量を設定するAE評価値としてシステム制御部7に出力するようになっている。
また、WB処理部31は、黒基準補正後の電気信号から補正係数を算出することによって、撮像画像のR,G,Bの各色成分のレベル比(R/G,B/G)を調整して白色を正しく表示するようになっている。
また、色補間部32は、撮像素子4の画素において得られる信号が原色のうち一つあるいは二つだけである場合に、各画素についてR,G,Bの各色成分値を求めることができるように、欠落する色成分を画素ごとに補間する色補間処理を行うようになっている。
また、色補正部33は、色補間部32から入力する画像データの画素ごとの色成分値を補正して、各画素の色合いを強調した画像を生成するようになっている。
また、階調変換部34は、画像を忠実に再現すべく、画像の入力から最終出力までにおいてガンマを1として理想階調再現特性を実現するために、画像の階調の応答特性を撮像装置1のガンマ値に応じた最適のカーブに補正するガンマ補正処理を行うようになっている。
また、色空間変換部35は、色空間をRGBからYUVに変換するようになっている。YUVは、輝度(Y)信号と青の色差(U、Cb)と赤の色差(V、Cr)の2つの色度で色を表現する色空間の管理方法であり、色空間をYUVに変換することにより、色差信号のみのデータ圧縮が行いやすくなる。
次に、タイミング生成部20は、撮像素子4による撮影動作(露光に基づく電荷蓄積や蓄積電荷の読出しなど)を制御するようになっている。すなわち、システム制御部7からの撮影制御信号に基づいて所定のタイミングパルス(画素駆動信号、水平同期信号、垂直同期信号、水平走査回路駆動信号、垂直走査回路駆動信号など)を生成して撮像素子4に出力するようになっている。また、タイミング生成部20は、A/Dコンバータ28において用いられるA/D変換用のクロックも生成する。
記憶部10は、半導体メモリなどからなる記録用のメモリであり、信号処理部8から入力された画像データを記録する画像データ記録領域を有している。記憶部10は、例えばフラッシュメモリなどの内蔵型メモリや、着脱可能なメモリカードやメモリスティックであってもよく、また、ハードディスク又はフロッピー(登録商標)ディスクなどの磁気記録媒体などであってもよい。
記憶部10には、撮影モードに応じて、撮像素子から出力可能な最大信号出力値(以下、適宜「変曲点変更情報」という)が記憶されている。例えば、図8に示すように、プレビューモードの場合の最大信号出力値が127(7bit)、AF(Auto Focus)モードの変曲点の位置、即ちAFモード用変曲点の場合の最大信号出力値は63(6bit)、静止画記録モード用変曲点の場合の最大信号出力値は255(8bit)、動画記録モードの最大信号出力値は127(6bit)、及び外部通信モードの最大信号出力値が63(6bit)、のように撮影モード毎の最大信号出力値が記憶されている。
照射部5としてのストロボは、被写体の撮影時に検出された周囲環境の輝度が不足する場合に、システム制御部7の制御によって所定の照射タイミング及び照射量により被写体にストロボ光を照射するようになっている。
調光センサ6は、照射部5の照射量を調光させるために、照射部5から照射された光量を検出して、検出結果をシステム制御部7に出力するようになっている。
モニタ11は、表示部としての機能を果たすものであり、被写体のプレビュー画像を表示し、システム制御部7の制御に基づいて信号処理部8で画像処理された撮影画像を表示する他、ユーザが機能選択するためのメニュー画面などのテキスト画面を表示するようになっている。すなわち、モニタ11は、静止画記録モード又は動画記録モードを選択する撮影モード選択画面や、オートモード、オフモード又はオンモードのいずれかを選択するストロボモード選択画面などを表示するようになっている。また、撮影モードとして「変曲点選択撮影モード」が選択されると、プレビュー画面上に変曲点を選択するためのウィンドウを表示するようになっている。
通信部18には、例えば、USB端子又は無線LANの端末を用いることができる。即ち、外部通信モードにより撮影することにより取得した画像データの外部受信機器に対する送信は、有線又は無線のいずれによることとしてもよい。そして、通信部18にUSB端子を用いた場合には、図3に示すように、通信ケーブルにより外部受信機器Xと撮像装置1を接続するようになっており、外部受信機器Xは通信ケーブルを介して画像データを取得するようになっている。
操作部21は、ズームボタンW12、ズームボタンT13、選択用十字キー15、レリーズスイッチ16及び電源スイッチ17から構成されており、ユーザが操作部21を操作することにより、各ボタン又はスイッチの機能に対応した指示信号がシステム制御部7に送信され、この指示信号に従って撮像装置1の各構成部分が駆動制御されるようになっている。
このうち、選択用十字キー15は、十字キーの押下によりモニタ11の画面上でカーソルやウィンドウを移動させる機能を果たすと共に、中心部分の確定キーの押下によりカーソルやウィンドウによる選択内容を確定させる機能を果たしている。
すなわち、選択用十字キー15の十字キーを押下することによりモニタ11に表示されたカーソルを移動させて、メニュー画面から撮影モードの選択画面を開き、更に撮影モードの選択画面上で所望の撮影モードボタンにカーソルを移動させて、確定キーを押下すると、撮影モードを決定することができるようになっている。撮影モードとしては、例えば、プレビューモード、静止画記録モード、動画記録モード及び外部通信モードがあり、これらから何れか一つのモードを選択できるようになっている。
変曲点変更部22は、記憶部10に記憶されている変曲点変更情報に基づいて撮影モードに応じた変曲点に変更するようになっている。
変曲点変更部22は、撮影が開始されるとプレビューモードに、即ち、画素からの信号出力値がプレビューに適した表示周期30fpsを達成できる最大の値になるように変曲点を変更するようになっている。この場合は、図9に示すように、最大信号出力値が127、即ち7bitになるように変曲点を変更するようになっている。なお、変曲点の位置は、被写体の輝度範囲をカバーしながら出力飽和が起こらないような位置に設定されるようになっている。
そして、ユーザが選択用十字キー15の十字キーを押下することによりモニタ11に表示されたカーソルを移動させて、メニュー画面から撮影モードの選択画面を開き、更に撮影モードの選択画面上で所望の撮影モードボタンにカーソルを移動させて、確定キーを押下すると、撮影モードを決定することができるようになっている。撮影モードとしては、例えば、プレビューモード、静止画記録モード、動画記録モード及び外部通信モードがあり、これらから何れか一つのモードを選択できるようになっている。
選択用十字キー15により、静止画記録モードが選択された場合は、まずAFモードとなり、AFモード用変曲点に変更されるようになっている。AFモード用変曲点は、AF処理を短時間で行うために、信号値の範囲をできる限り小さくすることが望ましい。この場合は、図9に示すように、最大信号出力値を63、即ち6bitとなるようにすることが望ましい。
これは、焦点合わせは撮影対象を移すモニタ11の中央部である主要撮影領域の輝度成分を基準に行われる。この場合は、レンズユニット3を動かしながら輝度値の高周波成分が最大になる位置を検出し、その位置を焦点が合っている位置とするものである。ユーザはレリーズスイッチ16を押し下げてからできる限り可能な短時間で撮影を行うことを望むため、AF処理を高速で行うことを目的として最大信号出力値の値を小さくすることによりAF処理を短時間で行うことを可能になる。
また、AFモードにおいて、AF処理等が行われた後にユーザのレリーズスイッチ16の操作があった場合、変曲点変更部22は変曲点を静止画記録用変曲点に移動させて、最大信号出力値を最も大きくすることが望ましい。この場合は、図9に示すように、撮像素子4の最大信号出力値である255、即ち8bitとするように変曲点を変更するようになっている。この場合、AE(Auto Exposure)及びAWB(Auto White Balance)については、AFモードと同じ設定でもよいし、静止画記録モードの最大信号出力値を設定してもよい。
また、選択用十字キー15により、動画記録モードが選択された場合には、動画記録用変曲点に変更され、動画を記録するのに適するような最大信号出力値とすることが望ましい。この場合は、図9に示すように、最大信号出力値が例えば127、即ち7bitになるように変曲点を変更するようになっている。
また、選択用十字キー15により、外部通信モードが選択された場合には、外部通信用変曲点に変更され、通信速度を早くできるようになっている。この場合は、図9に示すように、最大信号出力値を、63即ち6bitに変更するようになっている。
また、変曲点変更部22は、USB端子18に外部受信機器からの通信ケーブルが接続され、通信が確立した時点で、外部受信機器が接続されたことを認識し、この場合も外部通信用変曲点に変更し、通信速度を早くできるようになっている。
選択用十字キー15の十字キーを押下することによりモニタ11に表示されたカーソルを移動させて、メニュー画面から現在選択されている撮影モードの終了画面を開き、確定キーを押下すると、現在の撮影モードが終了しプレビューモードに戻るようになっている。
変曲点変更部22は、所定の撮影モードの変曲点となるように、撮像素子4に設定する電圧値VLを算出するようになっている。
上述したように、本実施形態の撮像素子4は、図4に示す画素G11〜Gmnに与える信号φVPSの電圧値VLの値を切り換えることにより、線形変換動作から対数変換動作に切り換わる変曲点を変更できるようになっている。
更に、変曲点変更部22はDAコンバータ36を備えており、算出した電圧値VLをアナログデータに変換して撮像素子4の画素G11〜Gmnに入力することにより、撮像素子4の変曲点を最適な変曲点に変化させるようになっている。
なお、ユーザが設定した撮影モードの通常の変曲点の位置で記録を行った場合に、記憶部10の記録可能容量が少量であり、所定量以上記録できない場合には、変曲点変更部は、記憶部10の残り記録可能容量に応じて、変曲点の位置を変更して最大信号出力値を小さくしてユーザが選択した撮影モードで記録可能とするようにしてもよい。この場合は、例えば、モニタ11において一旦その旨警告を行い、ユーザに対して撮影を続行するのか、変曲点の再設定を行うのかを選択させるようにしてもよい。
また、変曲点変更部22は、動画記録モードの場合に、撮影する場面に応じて変曲点を変更させることとしてもよい。また更に、動画撮影中に、被写体輝度等の変化により、変曲点を適宜変化させることとしてもよい。例えば、被写体が低輝度の場合、長い露光時間が必要となるために、表示周期も例えば、30fpsから8fpsと長くとる場合がある。このような場合は、最大信号出力値を7bit(動画記録モードの場合、図8参照)設定としたものに対して、8bitとなるような変曲点を設定することで、データ量が少なくなることにより生じるコントラストの低下を回避することができる。
次に本実施の形態の撮像装置1の作用について図10のフローチャートを参照して説明する。なお、以下の撮像装置1において搭載されている撮像素子4の最大信号出力値は255、即ち8bitとする。また、外部通信用モードにおいて撮影される画像は動画とする。
撮像装置1の電源スイッチ17を押下して撮像装置1の電源をONとすると(ステップS1)、プレビューモードとなる(ステップS2)即ち、モニタ11には被写体のプレビュー画面が表示される。このとき変曲点変更部22は、プレビュー画面を表示するのに適した30fpsを達成できる最大信号出力値である127、即ち7bitになるように変曲点を位置させる。そして、プレビュー画面を構成する各フレームについてAF処理、AE処理及びAWB処理を行う。
次いで、電源をOFFにするか否かの判断を行い(ステップS3)、電源をOFFにする場合には撮影を終了し(YES)、電源をOFFにしない場合には(NO)、ユーザが選択用十字キー15を押下して、静止画記録モード、動画記録モード及び外部通信モードの何れか一つのモードを選択する(ステップS4)。
ユーザが静止画記録モードを選択すると(ステップS5)、AF処理を短時間で行うためにまずAFモードとなり、変曲点変更部22は、変曲点をAFモード用変曲点に変更し(ステップS6)、実際に撮影を行うためのAF処理、AE処理及びAWB処理を行う(ステップS7)。
ユーザがレリーズスイッチ16を全押しすると、変曲点変更部22は、変曲点を静止画記録用変曲点に変更する(ステップS8)。そして、ユーザがレリーズスイッチ16を押し下げると撮影が行われ(ステップS9)、記憶部10は、信号処理部8から出力された画像データを記録する(ステップS10)。そして、選択用十字キー15を操作して静止画記録モードを終了させると(ステップS11)、次いで電源をOFFにするか否かの判断を行う(ステップS3)。
ユーザが動画記録モードを選択すると(ステップS12)、変曲点変更部22は、変曲点を動画記録用変曲点に変更し、モニタ11に表示周期30fpsで撮影した画像が表示されるように最大信号出力値が127、即ち7bitとする(ステップS13)。
そして、ユーザがレリーズスイッチ16を押し下げると撮影が開始され(ステップS14)、撮影された画像の画像データは記憶部10に記録がされる(ステップS15)。撮影中は、変曲点は変更されることは無く、撮影対象の輝度に応じて周知の方法によりリアルタイムに露光条件(絞り、シャッタ及びゲイン等)を変更する。
そして、ユーザがレリーズスイッチ16を再度押し下げることで動画の撮影が中止され、さらに選択用十字キー15の操作により動画記録モードが終了すると(ステップS16)次いで電源をOFFにするか否かの判断を行う(ステップS3)。
ユーザが外部通信モードを選択すると(ステップS17)、モニタの画面に外部受信機器を選択する選択画面が開き、更に選択用十字キーを押下することによりモニタに表示されたカーソルを移動させて確定キーを押下すると、撮影した画像を送信する外部受信機器が決定される(ステップS18)。変曲点変更部22は、変曲点を外部通信用変曲点に変更し、モニタ11に表示周期30fpsで撮影した画像が表示されるように最大信号出力値が63、即ち6bitとする(ステップS19)。
そして、ユーザがレリーズスイッチ16を押し下げると動画の撮影が開始される(ステップS20)と共に撮影された動画の画像データが外部受信機器に送信される(ステップS21)。
そして、ユーザがレリーズスイッチ16を再度押し下げると、動画の撮影及び画像データの送信が中止され、次いで選択用十字キー15の操作により外部通信モードが終了すると(ステップS22)電源をOFFにするか否かの判断を行う(ステップS3)。
以上のように本実施の形態に係る発明によれば、リニアログセンサを用いることで、高画素化した撮像装置から出力装置に基づいても短い処理時間で高画質の画像を得ることができる。
また、撮像素子から出力される画像信号の一部を間引く処理を行ったり、隣り合わせの画素を混合して出力したりするなどの画像処理を行う必要がなくなるため、画質を損なうことなく短い処理時間で高画質の画像を得ることができる。
高性能のCPUを用いることなく高速で画像データの処理を可能となるため、撮像装置の製造コストを提言させることができる。