JP2006343330A - 自動投影スペクトロスコピ(apsy) - Google Patents

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Abstract

【課題】投影角度や次元数が制限されない信頼性のある自動化された投影スペクトロスコピを提案する。
【解決手段】(a)一群のN次元実験からN次元NMR実験を選択し、投影の次元(Di)を選択し、j組(j≧2)の投影角度を制約なしに選択するステップと、
(b)選択された投影角度でのj個の投影の離散的な組をN次元NMR実験から記録するステップと、
(c)j個の投影スペクトルの各々についてピークを取り出しピークリストを作成するステップとを含むデータ記録を備えたN次元NMR実験用の投影スペクトロスコピ方法であって、
(d)N次元スペクトル(N≧3)での同一の共鳴から生ずる投影スペクトルに生じるピークをN次元空間における投影の幾何的性質を利用するベクトル代数を用いて自動的に同定し、またN次元空間における投影の幾何的性質を利用するベクトル代数を用いてN次元ピークリストを計算するステップを含むことを特徴とする。それにより、投影角度及び次元の制限がない信頼性のある自動投影スペクトロスコピ方法を実現する。
【選択図】図4

Description

本発明は、N次元(N≧3)NMR実験用の投影スペクトロスコピ方法に関し、この方法はデータ記録を備え、このデータ記録は、
(a)一群のN次元実験からN次元NMR実験を選択し、投影の次元(Di)を選択し、j組(j≧2)の投影角度を制約なしに選択するステップと、
(b)選択された投影角度でのj個の投影の離散的な組をN次元NMR実験から記録するステップと、
(c)j個の投影スペクトルの各々についてピークを取り出しピークリストを作成するステップとを含む。
この種の方法は、非特許文献40から公知である。
溶液中の生物学的巨大分子のNMR研究では(非特許文献1−4)、通常、ポピュレーテッド・スペクトル領域に合わせて調節された分解能でかつ等間隔で、すべての次元における時間ドメインをサンプリングすることにより多次元NMRデータを得ている(非特許文献5)。強い磁場強度及び又は極低温検出装置による近年の感度向上に伴って、従来法で時間ドメインの所要調査時間が感度の検討に必要な時間を通常大きく上回るので、実験継続時間は、間接次元における所望分解能により決まる。中小サイズの蛋白質についての3次元実験又はより高次の実験では「サンプリング限界」状況が通常生じるが(非特許文献6)、このようなサンプリング限界の状況下では、所望の化学シフト情報の収集は、時間ドメインの非一様サンプリング(非特許文献7,8)や2つ以上の間接次元の組み合わせ(非特許文献9,10)などの「従来と異なる」実験方式で行われる。
そして、間接次元を結合するというコンセプトが、低次元化した実験(非特許文献9)やG−マトリックス・フーリエ変換(GFT)NMR(非特許文献11−12)の端緒となった。GFT−NMRでは、多次元NMR実験の展開時間を結合し、データをG−マトリックスを用いて処理し、その結果得たスペクトルの組を一緒に分析して同一のスピン系から生ずるピークを同定し、それらの共鳴周波数を計算する(非特許文献11)。別のアプローチである投影−再構成(PR−)NMR(非特許文献13−16)では、投影断面定理(非特許文献17,18)をイメージング技術からの再構成法と組み合わせる(非特許文献19,20)。特に、時間ドメインにおける傾斜面に沿った直角位相検出方式により、多次元実験の直交投影を任意の投影角度で直接記録することができることになる(非特許文献15)。PR−NMRでは、多次元スペクトルデータの投影から完全多次元スペクトルが再構成される(非特許文献13−16)。
複雑なNMRスペクトルの分析には、人間の相互作用が関わるのが通常であり、巨大分子についてのNMRスペクトロスコピの自動化は発展途上である。自動化する場合、真のピークをランダムノイズ及びスペクトル・アーチファクト並びにピークのオーバーラップから区別することが大きな問題になる(非特許文献21−23および40)。
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公知の方法には、可能な投影角度の個数に制限がある、動作中に手動で相互作用する必要があるなどの不都合がある。さらに、現在の自動化方法はN=3の場合に限られ、より高い次元への拡張は容易ではない。
本発明の目的は、上記の不都合を解決して、投影角度や次元が制限されず高信頼度の自動式投影スペクトロスコピ方法を提案することである。
この目的は、
(d)N次元スペクトル(N≧3)における同一の共鳴から投影スペクトルに生ずるピークを、N次元空間における投影の幾何的性質を利用するベクトル代数を用いて自動的に同定し、また、N次元空間における投影の幾何的性質を利用するベクトル代数を用いてN次元ピークリストを計算するステップを含む方法によって達成される。
本発明は、自動式投影スペクトロスコピ(APSY)方法を提供する。この方法は、N次元NMR実験の投影スペクトルを自動分析するものであり、同一の共鳴からN次元スペクトルに生ずるピークを同定する。これはベクトル代数に基づいており、N次元空間における投影の幾何的性質を利用する。原理的には、自動分析ではスペクトルが高次元であることが利点になる。ピークがより広く分離し、ピークの重なりが実質的に減少するからである。APSYは、任意の次元N≧3で適用でき、また、投影角度や投影数に制限はない。
本発明の方法の好ましい変形例では、ステップ(d)は、
(i)(c)で作成されたj個のピークリストから選択されたx個(xは交点の存在を保証する最小の数)のピークリストにおけるピークから生ずる部分空間のN次元スペクトルにおける交点である候補点を計算するステップと、
(ii)j個のピークリスト全部を用いて、交差する部分空間の数Sを各候補点Cについて計算するステップと、
(iii)選択された候補点に寄与するすべてのピークを同定することによってピーク・サブグループ・リストを作成するステップと、
(iv)ステップ(i)から(iii)までをk−1回(k≧1)反復するステップと、
(v)k個のピーク・サブグループ・リストを結合するステップと、
(vi)(v)で得た結合されたリストにおけるピーク・サブグループに基づいて該N次元スペクトルにおけるピーク位置を計算するステップとを含む。
この方法によれば、数が増大したピークを同定できる。通常、kは≧10になるように選ばれ、好ましくは約100以上である。
アーチファクトを減らすために、少なくともSmin個の交差する部分空間に対して寄与する候補点のみを考慮することが好ましい。
ステップ(ii)及び又はステップ(v)の後でサブグループのランク付けと削除を行うことにより、アーチファクトをさらに減らすことができる。
ステップ(c)を自動化されたピーク取り出しルーチンによって行うことが有利である。人間の相互作用は不要である。ピークリストが手動によるよりも迅速に得られ、精度が向上する。
好ましい変形例では、ステップ(v)におけるN次元スペクトルでのピーク位置は、対応するサブグループからのx個の選択されたピークから生ずるw個の部分空間の交差の算術平均である(ただしw≧1)。これにより精度がさらに向上する。
ステップ(d)をステップ(b)及び又はステップ(c)と同時に行い、ステップ(d)がデータ記録に影響を及ぼすと共にN次元ピークリストが決定されたときに測定を停止可能にすることが有利である。精度を高めつつ時間を短縮することができる。
ステップ(d)で得たN次元ピークリストを、自動シーケンス固有の共鳴の帰属に用いることができる。これは人的資源を排除して帰属の効率を高める応用である。
さらに、ステップ(d)で得たN次元ピークリストを、自動構造決定に用いることができる。この応用は人間のバイアスを排除し、構造決定効率を高める。
詳細な説明と添付図面からその他の利点も明らかになる。上述した特徴及び以下で述べる特徴は、本発明に従って、単独で利用することも任意の組み合わせで利用することもできる。記述される実施の形態は、すべてを列挙したものではなく、本発明を説明するための例示的な性格のものであると理解すべきである。
本発明は、クープスおよびフリーマン(非特許文献15)に記載の高次元NMR実験の投影の記録技法とヘルマン外(非特許文献22)の方式を用いた自動ピーク取り出しを、新しいアルゴリズムGAPRO(eometric nalysis of projection)と組み合わたものである。幾何的考察に基づいて、GAPROは、N次元周波数空間における同一の共鳴から生ずる投影のピークを同定し、次いで、高次元データセット自体を考慮することなしにN次元スペクトルにおける共鳴周波数を計算する。この投影スペクトルの自動分析APSY(utomated rojection pectroscop)は、人間の相互作用なしに元の多次元実験のピークリストを与える。以下、APSYの基礎を紹介し、APSYの特性を説明する。APSYの2つの例は、63残基の蛋白質434リプレッサ(1−63)(非特許文献26)を用いた4D HNCOCA実験(非特許文献24,25)及び116残基の蛋白質TM1290(非特許文献27)を用いた5D HACACONH実験(非特許文献11)である。
理論的背景
投影スペクトルの記録。ブレースウエル(非特許文献17)による投影断面定理はナガヤマ外(非特許文献18)によりNMRに導入されたが、この定理によれば、N次元時間ドメインデータのm次元断面(m<N)c(t)は、m次元フーリエ変換Fとその逆変換Fωにより、周波数ドメインにおけるN次元NMRスペクトルのm次元直交投影P(ω)に関連づけられる。P(ω)およびc(t)は、それぞれに対応する座標系に関し同一角度方向に向く(図2)。これを基礎にして、クープスおよびフリーマンは、投影P(ω)に対応する時間ドメインデータc(t)を直線(図2の破線)に沿ってサンプリングすることにより、投影P(ω)を記録することを提案した。その後の多次元フーリエ変換に係る正及び負の投影角度から、直角位相検出を得る(非特許文献15)。
クロスピークの投影。ここではN次元スペクトル(N>2)の2D投影P(ω)を説明する。P(ω)は2D平面におけるスペクトルデータを表し、P(ω)は、
外1
Figure 2006343330
を単位ベクトルとする間接次元と
外2
Figure 2006343330
を単位ベクトルとする直接次元とで張られる。間接次元は、N−1個の間接次元の1D投影である。N個の時間ドメイン軸に関する2D時間ドメイン断面c(t)をパラメータ化する同一の投影角度が、N個の周波数軸に関するP(ω)の位置を定める(表1)。
表1は本発明の方法で用いられる単位ベクトル
外3
Figure 2006343330
の座標を示す。
Figure 2006343330
例えばN=5では、2つの単位ベクトル
外4
Figure 2006343330
および
外5
Figure 2006343330
はN次元周波数空間の座標系で次のように表される。
Figure 2006343330
2D投影スペクトルP(ω)の座標系において、投影されたクロスピークQ は位置ベクトル
Figure 2006343330
を有し、v f,1とv f,2は、それぞれ、投影された間接次元の方向の化学シフトおよび直接次元の方向の化学シフトである。N次元座標系および2D座標系の双方の原点が、すべての次元においてスペクトル範囲の中央にある場合、N次元周波数空間における位置ベクトル
外6
Figure 2006343330
は次のとおりである。
Figure 2006343330
N次元クロスピークQは、点Q において投影平面と直交する(N−2)次元部分空間L内に位置する(図2参照)。APSYでは、j個の投影の組が記録される。各N次元クロスピークQから、投影されたピークQ (f=1,・・,j)がj個の投影の各々に現れる。同一のN次元ピークQから生ずる投影ピークの組{Q ,・・,Q }は、Qのピーク・サブグループと定義される。このサブグループが既知であると共に十分な数のエレメントを含んでいれば、すべてのサブグループ・エレメントからの部分空間の交差から、Qの座標を計算することができる。2D投影の場合、少なくともN−1個のエレメントが必要である。
APSY手順。この手順は図3に概略が示され、また図4に図示がある。オペレーターは、所望のN次元NMR実験、投影スペクトルの次元およびj組の投影角度(j≧N−1)を選択し、また、投影スペクトルを記録する。これらのスペクトルのピークは、プログラムANTOS(非特許文献22)を用いて自動的に取り出され、j個のピークリストが得られる。これらのリストはピークQgfを含み、gは各投影f(f=1,・・・,j)におけるピークの任意の数表現である。GAPROは、これらのピークリストから任意にN−1個を選択し、これらの投影におけるピークQgfに関連づけられた部分空間Lgfを生成する(図4a)。N次元空間における部分空間Lgfの交差すなわち共通部分は、N次元クロスピークの位置の候補である(図4aでの白丸)。候補点Cの数は、スペクトルにおけるピークの数を上回るのが普通である。これらの候補点の各々につき、該点で交差するj個の投影全部から、サポートSが部分空間の数として計算される。これにより、各投影から最大で1つの部分空間が考慮され(図4b。下記参照)、よってN−1≦S≦jである。ある候補点Cのサポートに寄与する部分空間に関連するピークQ は「ピーク・サブグループ」を構成する。サブグループは高いS値に関してランク付けされ、上位のサブグループが選択される(縮退している場合、上位のサブグループの1つを任意に選択する)。このサブグループにおけるピークQ から生ずる部分空間を除去し、残りの候補点Cについての新しいS値が、残りの部分空間から計算される(図4c)。残りのすべての候補点CについてのS値がユーザが定義する閾値Smin,1よりも小さくなるまでこの手順が反復され、その時点でピーク・サブグループのリストが生成される。サブグループの同定は、N−1個の投影からランダムに選択したk個の異なる組み合わせを用いて反復され(ユーザーが定義するパラメーターkは、N−1個の投影の可能な組み合わせの総数よりも小さい)、そして、k個のピーク・サブグループ・リストを得る(図3の灰色のボックス)。これらのリストは単一のリストに結合され、それが再び同種のランク付け手順にかけられ、S<Smin,2であるサブグループ全てが除去されることになる。得られたサブグループの「最終」リストから、N次元空間におけるピーク位置が計算される(図4d)。以下、図3の個々のステップで用いられる計算法について説明する。
部分空間の交差。数学的取扱いを簡単化するため、(N−l)次元部分空間L(1<l<N)を、この部分空間内の点Q及び部分空間Lに直交する1組の正規直交ベクトル
外7
Figure 2006343330
により記述する。例えば、5D周波数空間における4つの3D部分空間を交差させるには、3D部分空間のうちの2つを交差させて2D部分空間とし、この2D部分空間を残りの3D部分空間の1つと交差させて1D部分空間とし、この1D部分空間を4番目の3D部分空間と交差させて1つの点とすることができる。
LとMは、(N−l)次元および(N−m)次元の2つの部分空間であり、(1<l<N)及び(1<m<N)である。Lは
外8
Figure 2006343330
および点Qにより記述され、Mは
外9
Figure 2006343330
および点Qにより記述される。LとMの双方は直接次元と直交し、したがって、
外10
Figure 2006343330
外11
Figure 2006343330
の双方は、直接次元の単位ベクトルを含んでいる。下式(3)および式(4)が満たされるならば、部分空間LとMは(N−k)次元の部分空間Kで交差する。ここで、k=l+m−1である。
Figure 2006343330
Figure 2006343330
(N)及びQ(N)はそれぞれQとQのN番目の座標であり、Δvminはユーザーが定義する直接次元における交差許容幅であり、dimは「の次元」を意味する。式(4)は、
外12
Figure 2006343330

および
外13
Figure 2006343330
が直接次元だけを共有することを示唆する。部分空間Kは直交基底
外14
Figure 2006343330
および
下式(5)のl+m個のスカラー積によって与えられる座標1乃至N−1を有する点Qにより記述される。
Figure 2006343330
のN番目の座標は、QのN番目の座標とQのN番目の座標の算術平均である。
点と部分空間の間の距離。点Qと、点Q及びLと直交する1組の正規直交ベクトル
外15
Figure 2006343330
により記述される(N−l)次元部分空間Lとの間の距離は、次式で与えられる
Figure 2006343330
N次元空間におけるピーク位置。一般に、ピーク位置は実験データにより過剰に決定されるという事実があり、この事実がピーク座標を絞り込むために利用される。各サブグループからN−1個のエレメントが任意に選ばれ、関連する部分空間を交差させてN次元ピークの位置を得る(図4)。この手順がw回反復される。wはユーザーが定義するパラメーターである。個々の化学シフト測定精度が限られているので、同手順により、少しずつ異なるw個のピーク位置を得る。次に、これらのピーク位置を各次元で平均してN次元ピークのQの最終位置を得る。
材料と方法
サンプル調製。非特許文献26及び28に公表されている手順に従って、[U−13C,15N]で標識付けした434−リプレッサ(1−63)を生成した。NMR測定のため、pH6.5の20mMリン酸ナトリウムバッファ中で0.9mMサンプルを調製した。[U−13C,15N]で標識付けしたTM1290を非特許文献29の記載のように生成した。pH6.0の20mMリン酸バッファ中で3.2mM蛋白質濃度のNMRサンプルを調製した。どちらのNMRサンプルも95%/5%のHO/DOと0.1%NaNを含んでいた。
質量分析。使用したNMR実験方法を以下に説明する。434−リプレッサ(1−63)につき30°Cでの4D APSY−HNCOCA実験を、z−勾配三重共鳴プローブを備えたブルーカDRX750MHzスペクトロメーターを用いて記録した。Smin,1=Smin,2=3(図3)、k=100(図3)、w=400(図3)、Δvmin=7.5Hz(式(3))、ATNOSピーク取り出しでの信号対雑音比Rmin=4.0(非特許文献22)及び部分空間の交差の最小距離rmin=100Hzというパラメータの下で、GAPROアルゴリズムを適用した。2.8GHzペンティアム(登録商標)4プロセッサーでリナックスを動かす標準的なパーソナルコンピュータの場合、GAPROの計算時間は約10分であった。
APSY NMR用の実験方法の例
4D TROSY=HNCOCA(非特許文献25)と同様、13C’の展開時間を加えることにより、4D APSY−HNCOCA実験用のパルスシーケンス(図6)を、3D HN(CO)CA用のパルスシーケンス(非特許文献24)から導いた。750MHzのH周波数において、3つの間接次元ω15N)、ω13C’)及びω13α)を1600Hz,1900Hz及び5700Hzのスペクトル幅でそれぞれ記録し、2つの投影角度α,β(表1)を用いて1つの間接次元に投影した。インタースキャン遅延は1秒で、間接次元におけるデータ点あたり8つのトランジェントを蓄積した。スイープ幅11.0ppmで直接次元において1024個の複素点を記録した。フーリエ変換の前に、FIDに75°シフトしたサインベル(非特許文献30)を乗じ、ゼロフィルして2048個の複素点にした。間接次元では、データに75°シフトしたサインベルを乗じ、ゼロフィルして最も近い次の2の冪個の複素点にした後、フーリエ変換を行った(非特許文献31)。PROSA(非特許文献32)を用いてスペクトルを自動的に整相した。間接次元におけるIFLAT法(非特許文献33)及び間接次元の多項式を用いて、ベースラインを補正した。j=27個の投影を、以下の投影角度及び間接次元の複素点の個数n(α,β,n)=(0°,0°,42),(0°,90°,48),(90°,0°,16),(±30°,0°,40),(±60°,0°,24),(0°,±30°,64),(0°,±60°,48),(90°,±30°,44),(90,±60°,54),(±30°,±60°,56),(±60°,±60°,56),(±45°,±30°,64)により記録した。
5D APSY=HACACONH実験では、キムおよびシペルスキ(非特許文献11)のパルスシーケンスを、グリシンHαでスタートする磁化経路を抑制するように変形した(非特許文献34)(図7)。(グリシンでスタートする磁化移動は5つの化学シフトのうち4つが同一で、Hαシフトだけが異なるピークを生ずる。このようなピーク対の間隔は多次元空間では非常に密である。原理的には、APSYは、投影角度の選択の調整やGAPROアルゴリズムの変更によりこのような状況に対処可能であると思われる)。500MHzのH周波数において、4つの間接次元ωα)、ω13α)、ω13C’)及びω15N)を2000Hz,3600Hz,1600Hz及び1550Hzのスペクトル幅でそれぞれ測定し、3つの投影角度α、β及びγを用いて1つの間接次元に投影した(表1)。
Figure 2006343330
表2は、図9に示す28個の2D投影a1ないしa28の記録に用いた次元ω1−4における投影角度とスペクトル幅SWを示す。投影された間接次元におけるスペクトル幅SWは、
Figure 2006343330
から計算される。ここで、
外16
Figure 2006343330
は単位ベクトル
外17
Figure 2006343330
の座標であり(式(1)),SWは個々の4つの間接次元のスペクトル幅である。次元ω1−4は、投影角度α、β及びγで得た4つの間接次元,ωα),ω13α),ω13C’)及びω15N)の投影である(表1及び2)。
表2に示すパラメーターを用いて、全部で28個の投影が128の複素点で間接次元において記録された。28個の投影スペクトルを図9に示す。インタースキャン遅延は1秒で、間接次元におけるデータ点あたり4個のトランジェントが蓄積された。直接次元では、1024の複素点をスペクトル幅12.0ppmで記録した。投影スペクトルを、4D−APSY−HNCOCA実験に関して上述したように処理した。
ピーク取り出し。2D投影スペクトルの自動的ピーク取り出しを、ATNOS(非特許文献22)から導出したピーク取り出しルーチンにより行った。これはスペクトルのすべての局所極大を認識するものである。4D APSY−HNCOCA実験では、グルタミンとアスパラギンの側鎖からのピークを、次のパラメーターをもつピークの対をすべて除くことにより除去した。6.5−8.2ppmの範囲のプロトン化学シフトであって、間接次元における化学シフトの差が10Hz未満でかつ直接次元における化学シフトの差が400から700Hzまでの間にあるもの。
結果
APSY−NMRスペクトロスコピを、ここでは4D APSY−HNCOCA及び5D APSY−HACACONH実験によって例示する。4D APSY−HNCOCA実験は、6.9kD蛋白質434−リプレッサ(1−63)で記録された。使用したパルス・シーケンス(図6)及びその他の実験の細部は「材料と方法」に示した。全スペクトロメータ時間4hにおいて、j=27の2D投影を次の投影角度で記録した(表1)。(α,β)=(0,0),(0,90),(90,0),(±30,0),(±60,0),(0,±30),(0,±60),(90,±30),(90,±60),(±30,±60),(±60,±60),(±45,±30)。投影スペクトルは、ANTOS(非特許文献22)によりピーク取り出しを行い、GAPROへの入力を生成した。約15分のGAPRO計算時間の後に得た4Dピークリストは59個のピークを含んでいた。これに対して、分子の化学構造から予期されるピークは全部で60個であった。各投影で平均して18±9のノイズ・アーチファクトが取り出されたが、GAPROアルゴリズムにより生成した最終4Dピークリストは59個のクロスピークを含み、アーチファクトを1つも含まなかった(図8)。N−末端ジペプチドの残基と相関するピークだけが欠落していた。それは、すべての投影で信号強度がノイズ・レベルよりも小さかった。最終APSYピークリストにおける化学シフトの精度は、直接次元で1Hz、3つの間接次元の各々で8Hzと推定された。
5D APSY−HACACONH実験は、12.4kDa蛋白質TM1290で記録された。使用したパルス・シーケンス(図7)を「補助材料」に記述し、その他の実験の細部を「材料と方法」に示した。この実験では、11hで、28個の2D投影が記録された。投影角度とスペクトル幅を表2に示し、28個の2D投影を図9に示した。蛋白質TM1290について5D APSY−HACACONH実験から生成された最終5Dピークリストは、分子の化学構造及び以前に公表されたNMR帰属(非特許文献29)から予期されるすべてのピークを含み、最終ピークリストにはアーチファクトは含まれていなかった。
本発明の方法によれば、自動投影スペクトロスコピ(APSY)の基礎が提示され、また、自動スペクトル解析用の新たなアルゴリズムGAPROの導入がなされた。そして、高次元異種核相関NMR実験用のAPSYが蛋白質について実施された。2つの応用では、実験の最初のセットアップ後は人間が何ら介入することなく、4D及び5D三重共鳴スペクトルにつき高精度の化学シフトを含む完全なピークリストを得た。今後は、NMRによる蛋白質の構造決定の完全自動化されたプロセスにおいて、蛋白質の調製後、APSYが最初のステップになることが期待される。APSYは、既述のごとく自動ピーク取り出しと化学シフトリスト計算に加え、自動化されたシーケンス共鳴帰属をサポートすることが期待される。これらの考えられる目標に対して、APSYは同様の目的で最近導入されたNMR手法の有効な代替になる見込みがある。すなわち、PR−NMR(非特許文献13−16)に比べ、APSYは、もっぱら実験の低次元投影スペクトルの解析に依拠するものであり、親の高次元スペクトルの再構成が不要であるという利点がある。また、GFT−NMR(非特許文献11)に比べ、APSYは投影の数又は投影角度の組み合わせの選択に制限がないという点が異なる。しかし、APSYの最強の資産は、新しいアルゴリズムGAPROが実験的な投影スペクトルの完全自動化された解析を可能にするということである。主な結果として、完全なピーク取り出しと高精度の化学シフト・リストの計算が、人間の介入によって生ずる可能性があるバイアスなしで得られる。
APSYと蛋白質サイズ。これまで、APSYを6.9kDaの蛋白質434−リプレッサ(1−63)(図8)と12.4kDaの蛋白質TM1290(図9,表2)に適用した。大きな蛋白質にAPSYを適用する上でのスペクトル・オーバーラップによる制限の可能性を推定するため、BMRB化学シフト・デポジットからシミュレートしたn=50乃至300残基のサイズの54の蛋白質サンプルの4次元及び5次元三重共鳴スペクトルのピーク分離を解析した(表3)。
Figure 2006343330
表3は、図5のプロットの生成に用いた蛋白質のデータベースである。これら53の蛋白質の他、434−リプレッサ(1−63)の化学シフト(BMRBデータ2539及び未刊行データ)を用いた。
各ピークからその最近接近傍までの距離の平均davと全スペクトル中で最も近い間隔の2つのピークの距離dminを考察した。図5は、2つの実験である4D HNCOCAと5D HACACONHに関するデータを示す。nとdav又はdminとの間に明らかな相関はなく、これは、ピークの密な接近が統計的に分布していること、また、蛋白質のサイズに関わりなく蛋白質の個々の性質に依存することを示している。図5では、APSYによっては解決できないおそれのあるピーク対に遭遇する統計的確率は、残基あたり1つのピークを含む4D及び5D三重共鳴データセットで代表的な、少なくとも300残基までの蛋白質サイズについて1%未満である。したがって、スペクトルの密集よりも、信号検出の感度がAPSYの適用でより厳しい制約になることが予想される。これまでの経験からは、自動ピーク取り出し式のAPSYを効率的に利用するには、約3:1の信号対雑音比の投影スペクトルが必要である。
少数の予期される狭い間隔のピーク対についてはN次元共鳴がすべての投影スペクトルで見出されることは不要であるので、APSYは問題を解決するのに良い位置にある。1つ又はいくつかの投影でオーバーラップしているピークは、通常、他の多くの投影では分解される(図4)。GFT−NMR(非特許文献11)と同様、自動ピーク取り出しによるピーク位置がピークオーバーラップに起因して不正確になるおそれがあることに関し、APSYには十分な備えがある。最終のN次元APSYピークリストは多数の測定の平均として計算されるので(図3)、いくつかの投影におけるピーク位置の不正確さが全体の精度に及ぼす影響は小さい。
APSYとスペクトル・アーチファクト。ピーク・サブグループ(図3)に属するピークの位置はすべての投影スペクトルで相関するのに対し、ランダムノイズの位置は相関していない。この2種類のピークは最初の自動ピーク取り出しでは容易に区別できないが、両者の挙動がこのように異なることからアーチファクトは効率的に識別される。アーチファクトがランキングフィルタ(図3)を通過することは困難であり、最終ピークリストに現れるおそれは少ない。本研究で説明した2つのAPSY適用では、最初のピーク取り出しルーチンは低い信号対雑音閾値Rminで適用され、また、最初のピークリストに多数の偽の信号が含まれるが、最終ピークリストはアーチファクトを含まない。この結果は、今回使用したランキング規準(図3)の選択が良好であったことを裏付けている。
今後のAPSY実施の見通し。APSY実験の現在のセットアップ(図3)は、N次元実験、投影の数と次元および投影角度を選択する他に、オペレーターが7つのパラメータを定義する必要がある。パラメータは、ATNOSピーク取り出しに関する信号対雑音比の閾値Rmin、2つのランキングフィルタの閾値Smin,1とSmin,2、サブグループ・リスト計算の回数k、最終ピーク座標計算の回数w、交差の最小距離rminおよび直接次元における交差許容幅Δvminである。APSYを定期的に使用する場合、最適なパラメーターが出現する可能性があり、また、自由な変数のいくつかを新しい収束規準に変更する可能性がある。投影の最適数及び次元の選択ならびに与えられた実験状況での投影角度の最適な組み合わせの同定がさらに洗練される可能性がある。これは、関与する核の異なる緩和性質を考慮することを含み、最も急速に緩和するスピンに対して展開時間の短い投影角度を用いることが考えられる。今後の技術的な向上により、例えば、線形予測によるスペクトルの高分解能化が図られ、また、データ取得とデータ解析の同時進行によるスペクトロメータ時間の向上が図られ、最終ピークリストが収束したときに不要なデータ蓄積を停止するフィードバックが行われる。
本発明によれば、N次元(N≧3)NMR実験からオペレーターが選択するj個の投影の離散的な組を記録し、相関クロスピークを自動的に同定するAPSY法(utomated rojection pectroscop)が提供される。APSYからの結果は、j個の実験的に記録された低次元の投影の幾何的解析により、N次元NMRスペクトルの完全な又はほぼ完全なピークリストを完全に自動的に生成したものである。現在のAPSYの実施では、投影−再構成スペクトロスコピ(非特許文献15)用に開発した方法を用いてN次元スペクトルの二次元投影が記録される。自動化されたルーチンATNOS(非特許文献22)により、すべての投影からピークを取り出すことができる。新しいアルゴリズムGAPRO(eometric nalysis of projections)は、ベクトル代数を用いてN次元スペクトルでの同一共鳴から生ずる異なる投影におけるピークのサブグループを同定し、これらのサブグループからN次元周波数空間におけるピーク位置を計算する。こうして、N次元の少なくとも1つで他のピークがオーバーラップしていないすべてのクロスピークにつき、曖昧さなしに同定がなされる。多数の投影における対応するピークの位置の間には相関があるので、相関のないノイズが効率的に抑制され、APSYは、N次元スペクトル空間において本来ピーク密度が低い生物学的巨大分子の相関スペクトルにきわめて広く応用することができる。
蛋白質TM1290の多次元NMRスペクトルにおける最近接クロスピーク対の間の1000Hzまでの周波数差dの分布を、三重共鳴実験について示す図であり、(a)は3D HNCOに関し、(b)は4D HNCOCAに関し、(c)は5D HACACONHに関する。Hは、dの値が予期される回数である。計算は、TM1290の公表されている化学シフト帰属に基づいており(BMRB入力5560)、また750MHzの磁場強度を仮定した。 2つの間接次元x,yを有するN次元周波数空間の2D部分空間に関する投影断面定理(非特許文献17−19)の説明図である。時間ドメイン(t,t)における直線上の1次元信号c xy(t)(左)は、1次元フーリエ変換Fと逆変換Fωにより周波数ドメイン(右)におけるスペクトル(ω,ω)の1次元直交投影P xy(ω)に関連づけられる。c xy(t)の傾きを記述する投影角度αはP xy(ω)の傾きを定める。クロスピークQは投影fの位置Q に現れる。さらに、周波数ドメインの2つの次元におけるスペクトル幅SW,SWも示されている。 APSYのフローチャートである。四角のボックスはプロセスを示し,隅が丸められたボックスは中間結果又は最終結果を示す。灰色で強調されたステップはk回反復され、k個のピーク・サブグループのリストを生成する。 (a)ないし(d)は、N=3,j=5,k=1及びSmin,1=3に対するアルゴリズムGAPROを説明する図である(図3参照)。2つの間接次元は紙面内にあり、取得次元ωは紙面と直交する。各パネルの中央部分は、3D−スペクトルの、周波数ω での2D(ω,ω)断面を示す。この2D断面は、投影角度α=0°,90°,45°,−25°及び−60°での3Dスペクトルに係る5つの実験的な2D投影の、ω での5つの1D断面により囲まれている。図4aにおいて、灰色のドットは、2D投影の自動ピーク取り出しの断面に関する結果を示す(図3)。アルゴリズムは、α=0°及びα=−60°で、第1ラウンドのスペクトル分析のため、j個の投影のうちN−1=2個を任意に選択する(図3)。これら2つの投影におけるピークに対応する部分空間の交差は、3Dスペクトルでの8つの候補点C(白丸)を同定する。5つの投影全部からの部分空間を用いて、各候補点についてサポートS(交差する部分空間の数)が計算される。明るい色のドットと黒い四角は、S=2及びS=5をそれぞれ示す(図4b)。図4cにおいて、最も高いサポート(S=5)の3つの候補点の1つが任意に選択される。選択された候補点Cに寄与する投影のすべてのピークがピーク・サブグループとして同定される(投影において番号1が付されたドット)。このサブグループからの部分空間が除去され(灰色の破線)、残りの候補点CのサポートSが再計算される(S=5の点が1つ残り、S=4の別の1点が残る)。図4cに示す手順をさらに2ラウンドした後、新たに2つのサブグループが同定され、番号2及び3がそれぞれ付される(図4d)。この3つのサブグループから、3Dスペクトルにおける3つのピークの位置が計算される(図4dの黒いドット)。 ピーク間隔(Hertzで示す)を蛋白質サイズに対してプロットしたものである(nは残基の数)。davは最も近いピークへの平均距離であり、dminは最近接ピーク対の間の距離である。(a)及び(b)は4D HNCOCAに関し、(c)及び(d)は5D HACACONHに関する。計算は、54の蛋白質のBMRB化学シフト・デポジットに基づいており(表3参照)、H周波数750MHzを仮定した。Gly残基は、(a)及び(b)のみに含まれている。 4D APSY−HNCOCAに用いられるパルスシーケンスを示す図である。ラジオ周波数パルスを、15Nには118.0ppmで、13C’には174.0ppmで、13αには56.0ppmで、そしてHには4.7ppmで加えた。炭素チャンネルのキャリア周波数は、13C’と13αのキャリア位置の間で2つの垂直矢印で示されたところで切り換えられた。狭いバーと広いバーはそれぞれ90°及び180°パルスを表す。大文字でマークしたパルスは成形パルスとして加えた。AはGaussian形状かつ持続時間100μsのパルス、BはGaussian形状かつ120μsのパルス、CはI−burp (9)かつ200μsのパルス、DはGaussian形状かつ80μsのパルス、EはRE−burp(9)かつ350μsのパルスである(持続時間はスペクトロメータ周波数(ここでは750MHz)に依存する)。他のすべてのパルスは高出力で印加される矩形パルスとした。最後の6つのHパルスは、3−9−19WATERGATEエレメント(10)を表す。灰色の13αパルスは、選択パルス(11)の非共鳴効果を補償するために加えた。Hに対してDIPSI−2(12)、15Nに対してWALTZ−16(13)を用いたデカップリングを矩形で示す。tは取得時間である。PFGのマークを付した線の上において、カーブした形は、z−軸方向に加えたサインベル形パルス磁場勾配を示し、持続時間と強度は次の通りである。Gは700μsかつ13G/cm、Gは1000μsかつ35G/cm、Gは1000μsかつ35G/cm、Gは800μsかつ16G/cm、Gは800μsかつ13G/cm、Gは800μsかつ18G/cm、Gは1000μsかつ28G/cm、Gは1000μsかつ28G/cmである。位相サイクリングはφ={y,−y},φ={x,x,−x,−x},φ={4x,4−x},φ={x,−x,−x,x,−x,x,x,−x}であり、他のすべてのパルス=xである。次の遅延を用いた。τ=2.7ms,δ=13.75ms,η=4.5ms,λ=50μs。間接展開時間t−tの増分は投影角度αとβに合わせた(明細書及び表1参照)。間接次元の直角位相検出は、投影に対して多次元フーリエ変換法(14)を位相Y〜Yで用いて実現した。 5D APSY−HACACONH実験に用いたパルス・シーケンスを示す図である。ラジオ周波数パルスを、Hには4.7ppmで、15Nには116.0ppmで、13C’には173.5ppmで、13αには52.5ppmで加えた。狭いバーと広いバーはそれぞれ90°及び180°パルスを表す。「A」のマークを付したパルスは、500MHzのH周波数で持続時間120μsのGaussian波形として加えた。13α13C’への他のすべてのパルスは矩形形状であり、90°及び180°パルスに対し、それぞれ、/(Δω(Cα,C’)・2)及び/(Δω(Cα,C’)・4)の持続時間であった。Hと15Nへのパルスは矩形形状であり高出力で加えた。最後の6つのHパルスは、3−9−19WATERGATEエレメント(10)を表す。灰色の13C’と13αへのパルスは、選択パルス(11)の非共鳴効果を補償するために加えた。Hに対してDIPSI−2(12)、15Nに対してWALTZ−16(13)をそれぞれ用いたデカップリングを矩形で示す。tは取得時間である。PFGのマークを付した線の上において、カーブした形は、z軸方向に加えたサインベル形パルス磁場勾配を示し、持続時間と強度は次の通りである。Gは800μsかつ18G/cm、Gは800μsかつ26G/cm、Gは800μsかつ13G/cm、Gは800μsかつ23G/cm、Gは800μsかつ26G/cm、Gは800μsかつ23G/cmである。位相サイクリングはφ={x,x,−x,−x},φ={x,−x},φ={x,−x,−x,x},ψ=yであり、他のすべてのパルス=xである。以下の初期遅延を用いた。t =t =1.9ms,t =0ms,t =4.7ms,t =8.8ms,t =13.5ms,t =t =11.0ms,t =0ms,t =t =11.0ms,t =0ms。遅延τ=2.7msとη=3.6msは固定し、遅延δとεは、実験中、δ=(t +t −t )/2及びε=4.7ms+(t +t −t )/2に調整した。4つの間接次元では、選択した投影角度α、β及びγに起因する次元の増分に応じて、一定時間又は半一定時間の展開時間を用いた(表2)。間接次元に関する直角位相検出は、投影に対して多次元フーリエ変換法(14)を位相Y、Y、Y及びYで用いて実現した(Y、Y及びYを90°ステップで増加させ、Yを90°ステップで減少させた)。 図6に示した実験方法によって測定した434−リプレッサ(1−63)の4D APSY−HNCOCAスペクトルの領域を示す図である。投影は、角度α=0°及びβ=90°で記録した。これは、(HN(j),Cα(j−1))に対応する。図示したスペクトル領域は24の共鳴を含み、すべてAPSYにより4D空間で正しく同定された。黒いドットは最終の4D APSYピークリストからのピーク座標を示す。共鳴の帰属は、1文字のアミノ酸コードとアミド・プロトンのシーケンス番号により与えられる。 z勾配三重共鳴極低温プローブヘッドを備えた500MHzスペクトロメータで、蛋白質TM1290につき図7の方法を用いて測定した5D APSY−HACACONHの28の2D投影a1乃至a28を示す図である。次元ω1−4は、投影角度α、β及びγで得た4つの間接次元ωα),ω13α),ω13C’)及びω15N)の投影である(表1及び表2)。15Nではキャリア周波数118.0ppmに、13C’では173.0ppm、13αでは54.0ppm、Hでは4.7ppmにスケールの中心を合わせた。投影された間接次元における投影角度及びスペクトル幅を表2に示す。すべての投影を同一の輪郭パラメーターでプロットした。

Claims (9)

  1. (a)一群のN次元実験からN次元NMR実験を選択し、投影の次元(Di)を選択し、j組(j≧2)の投影角度を制約なしに選択するステップと、
    (b)選択された投影角度でのj個の投影の離散的な組を、前記N次元NMR実験から記録するステップと、
    (c)前記j個の投影スペクトルの各々についてピークを取り出してピークリストを作成するステップと
    を含むデータ記録を備えたN次元NMR実験用の投影スペクトロスコピの方法であって、
    (d)N次元スペクトル(N≧3)での同一の共鳴から投影スペクトルに生ずるピークを、N次元空間における投影の幾何的性質を利用するベクトル代数を用いて自動的に同定し、また、N次元空間における投影の幾何的性質を利用するベクトル代数を用いてN次元ピークリストを計算するステップを含むことを特徴とする方法。
  2. 前記ステップ(d)が、
    (i)(c)で作成されたj個のピークリストから選択されたx個(xは交点の存在を保証する最小の数)のピークリストにおけるピークから生ずる部分空間のN次元スペクトルにおける交点である候補点(C)を計算するステップと、
    (ii)前記j個のピークリスト全部を用いて、交差する部分空間の数Sを各候補点Cについて計算するステップと、
    (iii)前記選択された候補点(C)に寄与するすべてのピークを同定することによりピーク・サブグループ・リストを作成するステップと、
    (iv)ステップ(i)から(iii)までをk−1回(k≧1)反復するステップと、
    (v)k個のピーク・サブグループ・リストを結合するステップと、
    (vi)(v)で得た結合されたリストにおけるピーク・サブグループ・リストのピーク・サブグループ(1,2,3)に基づいて前記N次元スペクトルにおけるピーク位置を計算するステップと
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 少なくともSmin個の交差する部分空間に対して寄与する候補点(C)のみを考慮することを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. ステップ(ii)の後でサブグループ(1,2,3)のランク付けと削除を行うことを特徴とする請求項2又は3に記載の方法。
  5. ステップ(v)の後でサブグループ(1,2,3)のランク付けと削除を行うことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の方法。
  6. ステップ(c)を自動ピーク取り出しルーチンにより行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
  7. ステップ(vi)における該N次元スペクトルでのピーク位置が、対応するサブグループからのx個の選択されたピークから生ずるw個の部分空間の交差の算術平均であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
  8. ステップ(d)をステップ(b)及び又はステップ(c)と同時に行い、前記ステップ(d)がデータ記録に影響を及ぼすと共にN次元ピークリストが決定されたときに測定を停止可能であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
  9. ステップ(d)で得たN次元ピークリストを、自動シーケンス固有の共鳴の帰属及び又は自動構造決定に用いることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
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