JP2006338884A - 外部電極型ランプ - Google Patents

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幸治 田川
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Abstract

【課題】 外部電極と給電端子との接合は、保護チューブが不要となり、簡単な構造で、確実強固に外部電極と給電端子を接合した外部電極型ランプを提供することにある。
【解決手段】 本発明の外部電極型ランプは、管型バルブ1の外面に一対の銀よりなる外部電極3が配置され、外部電極3に金属製の給電端子6が接続された外部電極型ランプにおいて、外部電極3と給電端子6は、錫、ビスマス、亜鉛のいずれかの物質を主成分とする接合材5で接合されていることを特徴とする外。さらには、給電端子6は、銀又は銅で被覆され被覆層61を有していることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は外部電極型ランプに関し、特に、外部電極型ランプのバルブの外面に銀よりなる外部電極が配置され、この外部電極に金属製の給電端子を接合する構造に関する。
従来、管型バルブの外面に、その管軸方向に沿って一対の外部電極が配置された外部電極型ランプが知られている。
このような外部電極型ランプを、図5〜図7を用いて説明する。
1は例えば軟質ガラスよりなる管型バルブであって、その内面には希土類蛍光体,ハロリン酸塩蛍光体などの蛍光体よりなる発光層2が形成され、バルブ1の内部空間にはキセノンガスなどを主成分とする希ガスが所定量封入されている。
バルブ1の外面には、例えば銀ペーストを焼成してなる不透光性の一対の帯状の外部電極3が互いに対向するように配置されており、その外周面は熱収縮性樹脂よりなる保護チュ−ブ4にて被覆保護されている。
また、外部電極3の端部に、導電性接着剤5aによって、例えば銅からなる金属製の給電端子6が接続されている。
この導電性接着剤5aは、樹脂系接着剤に導電性粉末を所定量分散させて構成されており、例えばエポキシ系接着剤にニッケル粉末を分散させたものが広く利用されている。
このように、外部電極と給電端子を導電性接着剤で接合する技術は、特開平9−259826号に記載されている。
この外部電極型ランプは、外部電極3に高周波高電圧(例えば29KHzで2500Vo−p)を印加することによりバルブ内でキセノンガスの放電が生じ、キセノンガスの励起線によって発光層2が励起されて発光するものである。
このような外部電極型ランプは、複写機などのOA機器の原稿読取用の光源や、最近では、液晶バックライトの光源として提案されている。
特開平9−259826号
このような外部電極型ランプは、外部電極と給電端子との通電は導電性接着剤を介して行われており、導電性接着剤の通電性が低い場合、導電性接着剤が抵抗発熱して焼損する恐れがある。
このようなことが起こらないように、導電性接着剤の通電性を高めるために、導電性接着剤に含まれる導電性粉末、例えばニッケル粉末の混合割合を高める必要があり、混合割合が高くなればなるほど、相対的に非導電性の接着成分である例えばエポキシ系接着剤の割合が低くなり、接着力が低下するという問題があった。
そして、導電性接着剤の通電性を高い状態で確保しながらも、外部電極と給電端子との接合強度を高めるために、図6に示すように、保護チュ−ブ4の端部が給電端子6の表面に被った状態で、保護チューブ4を熱収縮性させることにより、機械的に給電端子6と外部電極3を強力な力で接合させていた。
つまり、外部電極と給電端子との接合は、本来接合のために使われる導電性接着剤以外に保護チューブが必要となり、構造が複雑になるという問題があった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、簡単な構造で、確実強固に外部電極と給電端子を接合した外部電極型ランプを提供することにある。
請求項1に記載の外部電極型ランプは、管型バルブの外面に一対の銀よりなる外部電極が配置され、当該外部電極に金属製の給電端子が接続された外部電極型ランプにおいて、前記外部電極と前記給電端子は、錫、ビスマス、亜鉛のいずれかの物質を主成分とする接合材で接合されていることを特徴とする。
請求項2に記載の外部電極型ランプは、請求項1に記載の外部電極型ランプであって、特に、前記給電端子は、銀又は銅で被覆されていることを特徴とする。
請求項3に記載の外部電極型ランプは、請求項1に記載の外部電極型ランプであって、特に、前記給電端子は、前記外部電極と対向する面が凹凸状になっていることを特徴とする。
本発明の外部電極型ランプによれば、銀よりなる外部電極と金属製の給電端子を接合する接合材として、錫、ビスマス、亜鉛のいずれかの物質を主成分とする接合材を用いることにより、接合材が外部電極を構成する銀と合金を作り、確実にしかも強固に外部電極と給電端子を接合することできる。
さらには、外部電極と給電端子の接合は、接合材だけで十分強固に接合されているので、保護チューブなど他の機械的な接合構造を併用する必要がなく、ランプ自体の構造が簡素化できるものである。
図1は、本発明の外部電極型ランプの一端部のバルブ管軸方向の給電端子付近の拡大断面図であり、本発明の外部電極型ランプのバルブ軸と直交する方向の断面図は、図5と同様である。
管型バルブ1は、外径8mm、厚み0.4mm、長さ1050mmの軟質ガラスからなり、バルブ内面には希土類蛍光体,ハロリン酸塩蛍光体などの蛍光体よりなる発光層2が形成され、バルブ1の内部空間にはキセノンガスが16kPa封入されている。
バルブ1の外面には、バルブ管軸に方向に幅1mm、厚み3μm、長さ740mmの銀ペーストを焼成した外部電極3が互いに対向するように配置されている。
銅よりなる金属製の給電端子6は、幅1mm、厚み0.1mm、長さ10mmの板状をしており、長さ5mmの部分で接合材5を用いて外部電極3に接合されている。
接合材5は、錫、ビスマス、亜鉛のいずれかの物質を主成分とする接合材である。
ここでいう、錫、ビスマス、亜鉛のいずれかの物質を主成分とするということは、いずれかの元素が、接合材5の成分中で、割合が最も多いことである。
接合材5の具体例は、Sn95%−Ag5%合金、Bi60%−Sn40%合金、Sn90%−Zn10%合金やZn単体からなるものであり、接合材は、その構成物質が金属物質だけであり、従来の樹脂系接着剤に導電性粉末を分散させた導電性接着材に比べ、通電性を高くすることができる。
これらの接合材5は、予めバルブ1の表面に外部電極3を形成した後、外部電極3上に接合材5を配置し、この接合材5の上に給電端子6を配置した状態で、適宜の押え部材を用いて給電端子6を接合材5を介して外部電極3に押し付けた状態で、大気中で、400℃から500℃の温度で、約10分加熱することにより、接合材5が溶けて外部電極3に給電端子6が接合される。
この接合材5の融点は、約400℃前後に調整されている。
この接合工程において、加熱された接合材5の錫(Sn)、ビスマス(Bi)、亜鉛(Zn)が、外部電極3を構成している銀と反応して、それぞれの物質が銀の合金を形成することにより、外部電極3と接合材5が強固に接合され、また、加熱された接合材5の錫(Sn)、ビスマス(Bi)、亜鉛(Zn)が、給電端子6を構成している銅と反応して、それぞれの物質が銅の合金を形成することにより、給電端子6と接合材5が強固に接合され、結果的に、外部電極3と給電端子6が確実に通電可能状態であって、しかも強固に接合される。
また、従来の外部電極型ランプで用いられていた、外部電極と給電端子との接合強度を高めるための熱収縮性の保護チュ−ブが不要となり、簡単な構造で確実強固に外部電極3と給電端子6を接合することができる。
接合材5が、錫、ビスマス、亜鉛のいずれかの物質を主成分とする理由は、ランプコストを下げる要求からバルブが安価な軟質ガラス或いは硬質ガラスであり、これらのガラスの融点は600℃前後であり、接合材をバルブの融点以下で溶かす必要から、接合材5の融点が400℃前後になるように、錫、ビスマス、亜鉛のいずれかの物質を主成分として、融点をコントロールしたものである。
図2は、本発明の他の外部電極型ランプの一端部のバルブ管軸方向の給電端子付近の拡大断面図である。
管型バルブ1、蛍光層2、外部電極3、接合材5は、図1に示す外部電極型ランプと同様であり、説明は省略する。
給電端子6は、幅1mm、厚み0.1mm、長さ10mmの銅よりなる金属製の端子であって、その表面を、銀で被覆した被覆層61を有するものである。この被覆層61は厚み約1μmである。
そして、図2に示すように、給電端子6は、被覆層61を介して接合部材5と接合されている。
このように給電端子6は、銀の被覆層61を有することにより、接合材5を溶かすための加熱工程において、溶けた接合材5を構成する錫、ビスマス、亜鉛が、被覆層61を構成する銀と合金を形成することにより、給電端子6と接合材5が更に強固な銀の合金となり強固に接合され、また、接合材5と外部電極3も前述したとおり合金化して接合されることになり、極めて強固に給電端子6と外部電極3が接合材5を介して接合されることになる。
なお、給電端子6が銅にかえてニッケル製の場合、被覆層61は銀または銅の被覆層である。
この場合、接合部材5を溶かすための加熱工程において、溶けた接合材5を構成する錫、ビスマス、亜鉛が、被覆層61を構成する銀または銅と合金を形成し、給電端子6と接合材5が銀の合金、または銅の合金となり強固に接合される。
図3は、本発明の他の外部電極型ランプの一端部のバルブ管軸方向の給電端子付近の拡大断面図である。
この実施例では、給電端子6は、幅1mm、厚み0.1mm、長さ10mmの銅よりなる金属製の端子であって、外部電極3と対向する面に凹凸62が形成されている。
この凹凸62は、プレス加工で形成されるものであり、隣接する凸部間の離間距離は1mmであって凹部の深さは1mmである。
給電端子6を接合材5を介して外部電極3に押えつけて加熱する際、給電端子6は厚み0.1mmと極めて薄く波うち、また、接合材5が加熱されて液状になるため、給電端子6と外部電極3の離間距離が小さい部分と大きい部分ができる。
この離間距離が大きい部分では、給電端子6と外部電極3との間の接合材5の中間部分が、給電端子6と外部電極3のどちらにも合金化しない部分が存在することになり、接合強度が弱い部分となる。
しかし、給電端子6の表面に全体にわたって凹凸62を設けることにより、凸部分で給電端子6と外部電極3との離間距離を小さくでき、この部分に存在する接合材5は、確実に給電端子6と外部電極3の両方に拡散して合金化されるものであり、給電端子6と外部電極3が極めて強固に接合されるものである。
図4は、本発明の他の外部電極型ランプの説明図である。
管型バルブ1は、外径6mm、厚み0.3mm、長さ750mmの軟質ガラスからなり、バルブ内面には希土類蛍光体,ハロリン酸塩蛍光体などの蛍光体よりなる発光層2が形成され、バルブ1の内部空間にはキセノンガスが5kPaと水銀が3mg封入されている。
そして、管型バルブ1の両側の外周に一対の銀ペースト焼成した外部電極3を有するものあり、外部電極3は幅50mm、厚み3μmである。
銅よりなる金属製の給電端子6は、図1の給電端子と同様に、幅1mm、厚み0.1mm、長さ10mmの板状をしており、長さ6mmの部分で接合材5を用いて外部電極3に接合されている。
接合材5は、錫、ビスマス、亜鉛のいずれかの物質を主成分とする接合材であって、前述した接合材と同様に、Sn95%−Ag5%合金、Bi60%−Sn40%合金、Sn90%−Zn10%合金やZn単体からなるものである。
図4に示す外部電極型ランプも、図1に示した外部電極型ランプと同様に、加熱された接合材5の錫(Sn)、ビスマス(Bi)、亜鉛(Zn)が、外部電極3を構成している銀と、給電端子6を構成している銅と、それぞれ反応してそれぞれの物質が銀や銅の合金を形成することにより、外部電極3と接合材5、給電端子6と接合材5が強固に接合され、結果的に、外部電極3と給電端子6が確実に通電可能状態であって、しかも強固に接合される。
本発明の外部電極型ランプの一端部のバルブ管軸方向の給電端子付近の拡大断面図である。 本発明の他の外部電極型ランプの一端部のバルブ管軸方向の給電端子付近の拡大断面図である。 本発明の他の外部電極型ランプの一端部のバルブ管軸方向の給電端子付近の拡大断面図である。 本発明の他の実施例の外部電極型ランプの説明図である。 外部電極型ランプのバルブ管軸と直交する方向の断面図である。 従来の外部電極型ランプの一端部のバルブ管軸方向の給電端子付近の拡大断面図である。 従来の外部電極型ランプの構造説明図である。
符号の説明
1 バルブ
2 蛍光層
3 外部電極
5 接合材
6 給電端子

Claims (3)

  1. 管型バルブの外面に一対の銀よりなる外部電極が配置され、当該外部電極に金属製の給電端子が接続された外部電極型ランプにおいて、
    前記外部電極と前記給電端子は、錫、ビスマス、亜鉛のいずれかの物質を主成分とする接合材で接合されていることを特徴とする外部電極型ランプ。
  2. 前記給電端子は、銀又は銅で被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の外部電極型ランプ。
  3. 前記給電端子は、前記外部電極と対向する面が凹凸状になっていることを特徴とする請求項1に記載の外部電極型ランプ。
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