JP2006328356A - 無鉛高オクタン価ガソリン - Google Patents

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Abstract

【課題】高オクタン価基材として重質な接触改質ガソリンを用いつつも、エンジン内部の清浄性に優れた無鉛高オクタン価ガソリンを提供すること。
【解決手段】一定の性状の重質直留ナフサを脱硫処理することによって得られた、一定の性状の脱硫重質ナフサ留分を接触改質処理して得られる、一定の式で示される多環芳香族分指数Yが20以下の接触改質ガソリンから得られたガソリン基材を2〜60容量%配合し、一定のリサーチ法オクタン価、モーター法オクタン価、50容量%留出温度、90容量%留出温度、リード蒸気圧を有し、清浄剤を50〜1000質量ppm含有する無鉛高オクタン価ガソリン。
【選択図】なし

Description

本発明は、無鉛高オクタン価ガソリンに関し、更に詳しくは、燃焼室内部や吸気弁などエンジン内の清浄性に優れた無鉛高オクタン価ガソリンを提供することを目的とするものである。
近年、環境改善の観点から、自動車等からの排出ガスによる環境汚染が問題視され、燃料面からの排出ガス低減に向けた取り組みが種々行われている。具体的には、自動車等からの排出ガス、あるいは、燃料からの蒸発ガスを低減することが有効と考えられている。
一般に排出ガスを低減するためには、自動車に排気ガス浄化触媒システムの設置が有効であることが公知となっている。また燃料の硫黄分を低減することも、排ガス浄化触媒システムの長寿命化につながり、排出ガス低減に有効であることが知られている。一方、燃料油の改善によりエンジン内部を清浄に保つことも排出ガス低減に有効と考えられている。具体的には吸気弁デポジット(IVD:Intake Valve Deposit)及び燃焼室内部デポジット(CCD:Combustion Chamber Deposit)を抑制することが有効と考えられている。
一般に無鉛高オクタン価ガソリンの製造に当たって高オクタン価基材として用いられる改質ガソリンには、芳香族成分が多く含まれるが、芳香族成分が多く含まれるとIVDが増加する傾向を示すことが知られている(例えば、非特許文献1参照)。一般的に、このIVDを減じるためにポリエーテルアミンやポリイソブテン等の清浄剤が添加されるが、清浄剤を加えるとCCDが増加する傾向がある。そこで、ガソリンエンジンのIVD及びCCDの両方を抑制する燃料として、芳香族含有量とガソリンの蒸留性状を規定したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この技術では、ガソリンの蒸留性状を軽質にするために重質な留分の配合量を少なくしていることから、ガソリン得率が低下してしまうという課題がある。
SAE Paper, Society of Automotive Engineers 922217 特開2000-204383号公報
本発明の目的は、高オクタン価基材として重質な留分を用いつつも、ガソリンエンジンのIVD及びCCDの両方を抑制できる無鉛高オクタン価ガソリンを提供することである。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、一定性状の脱硫重質ナフサ留分を用いて接触改質ガソリンを得、さらに該接触改質ガソリンの多環芳香族分含有量を一定の範囲内に定め、かつ環数の多いものほど含有量を順次低く制限されるような性状に調製し、これを用いることにより、上記目的が達成できることを見出した。
すなわち、本発明は、次の無鉛高オクタン価ガソリンを提供するものである。
(1)90容量%留出温度が160℃以下の重質直留ナフサを脱硫処理することによって得られた、硫黄濃度5質量ppm以下、窒素濃度5質量ppm以下の脱硫重質ナフサ留分を接触改質処理して得られる、下記式(I)で示される多環芳香族分指数Yが20以下の接触改質ガソリンから得られたガソリン基材が2〜60容量%配合され、以下の1)〜6)に挙げる性状を満足することを特徴とする無鉛高オクタン価ガソリン。
Y=(0.002×3R-A)+(0.01×4R-A)+(0.07×5R-A)+(0.2×6R+-A)…(I)
〔式中、3R-Aは3環芳香族分量、4R-Aは4環芳香族分量、5R-Aは5環芳香族分量、6R+-Aは6環以上の芳香族分量(何れもガソリン中の含有量で質量ppm)を示す〕
1)リサーチ法オクタン価が97〜105
2)モーター法オクタン価が85〜92
3)50容量%留出温度が75〜110℃
4)90容量%留出温度が180℃以下
5)リード蒸気圧が45〜93kPa
6)清浄剤を50〜1000ppmの範囲で含有する
(2)さらに以下の1)〜7)に挙げる性状を満足することを特徴とする上記(1)に記載の無鉛高オクタン価ガソリン。
1)70℃留出量が18〜40容量%
2)芳香族含有量が45容量%以下
3)オレフィン分含有量が30容量%以下
4)ベンゼン含有量が1容量%以下
5)硫黄分含有量が10質量ppm以下
6)60℃における気液比が30〜70
7)15℃における密度が0.68〜0.78g/cm3
(3)前記ガソリン基材が、前記接触改質ガソリンを脱ベンゼン処理して得られたものであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の無鉛高オクタン価ガソリン。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンによれば、ガソリンを軽質化することなく、エンジン内の燃焼室内部および吸気弁へのデポジット生成を同時に抑制し、エンジン内の清浄性を向上できる。
以下、本発明の内容を更に詳しく説明する。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンに使用する接触改質ガソリンは、常圧蒸留装置によって得られた90容量%留出温度が160℃以下の重質直留ナフサを脱硫処理し、硫黄濃度を5質量ppm以下、窒素濃度を5質量ppm以下とした後、この脱硫重質ナフサを接触改質処理し、下記式(I)で示される多環芳香族分指数Yを20以下としたものである。
Y=(0.002×3R-A)+(0.01×4R-A)+(0.07×5R-A)+(0.2×6R+-A)…(I)
〔式中、3R-Aは3環芳香族分量、4R-Aは4環芳香族分量、5R-Aは5環芳香族分量、6R+-Aは6環以上の芳香族分量(何れもガソリン中の含有量で質量ppm)を示す〕
上記多環芳香族分指数の式(I)は、多環芳香族分の含有量とエンジン内のデポジット量の関係から求められる実験式であり、3環、4環、5環、6環と多環になるほど高い値を示す。これは排出ガス中の有害成分の増加、及びエンジン内のデポジットの生成が多環ほど高くなることを示している。接触改質ガソリンにおける多環芳香族分指数Yは20以下であり、好ましくは15以下、さらに好ましくは12以下である。20以下あれば、エンジン内デポジットの増加、及び排出ガス中の有害成分の増加を防止できる。
なお、上記多環芳香族分含有量は、以下に示すガスクロマトグラフ法により環数別の定
量を行った値であり、定量法は環数別の代表的な標準試料による絶対検量線法とした。すなわち、カラムには長さ30m、内径0.25mmであるジメチルシリコンのキャピラリーカラムを用い、検出器は水素イオン化検出器(FID)、キャリアガスは流量1.3ml/minのヘリウム、スプリットレス注入、注入口温度300℃、検出器温度350℃の条件において、カラム温度を初期温度50℃より終期温度350℃まで昇温させて測定した値である。
本発明で脱硫重質ナフサを得るに使用する重質直留ナフサの90容量%留出温度は160℃以下、好ましくは135〜160℃、更に好ましくは140〜150℃である。90容量%留出温度を160℃以下とすることで、接触改質ガソリンの重質化を防止できる。さらに90容量%留出温度範囲を135℃以上とすることで、ベンゼン留分を取り除いた時の接触改質ガソリンを高オクタン価化でき、より好ましい。なお、この蒸留性状はJIS K 2254に準拠して測定した値である。
また、重質直留ナフサの脱硫処理は、無機担体にVI族、VIII族金属を担持させた脱硫触媒の存在下で、反応圧力が0.1〜10MPa、好ましくは1〜3MPa、反応温度が200〜450℃、好ましくは250〜350℃、液空間速度(LHSV)が0.1〜20hr-1、好ましくは0.5〜10hr-1にて脱硫反応を行う。
得られる脱硫重質ナフサの硫黄濃度は5質量ppm以下、好ましくは1質量ppm以下、窒素濃度は5質量ppm以下、好ましくは1質量ppm以下である。硫黄濃度、窒素濃度がそれぞれ5質量ppm以下であれば、接触改質触媒の活性の失活を防止できる。なお、硫黄濃度は、JIS K2541微量電量滴定式酸化法に準拠し、窒素濃度はJIS K2609化学発光法に準拠して測定した値である。
脱硫重質ナフサの接触改質処理は、各種の接触改質法(プラットフォーミング法、マグナフォーミング法、アロマイジング法、レニフォーミング法、フードリフォーミング法、ウルトラフォーミング法、パワーフォーミング法等)により、脱硫重質ナフサを水素気流中にて高温・加圧下で触媒(例えば、アルミナ担体に白金やロジウムと塩素とを担持したもの等)と接触処理させて行うことができる。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンは、上記脱硫重質ナフサの接触改質処理により得られた接触改質ガソリンを基材として用いて製造される。製造方法は、特に制限されないが、一般に、次の各種留分を用いて製造することができる。すなわち;
(a)上記接触改質ガソリンからベンゼン留分を蒸留により取り除いた脱ベンゼン接触改質ガソリン、
(b)上記接触改質ガソリンを蒸留により、軽質留分、ベンゼン留分、重質留分に分けた内の軽質留分(脱ベンゼン軽質接触改質ガソリン)及び重質留分(脱ベンゼン重質接触改質ガソリン)、
(c)上記接触改質ガソリンを蒸留もしくは抽出することにより得られた、トルエンまたは炭素数9以上の芳香族を主体とする芳香族主体接触改質ガソリン、
(d)灯・軽油から常圧残油に至る石油留分、好ましくは重質軽油や減圧軽油を、従来から知られている接触分解法、特に流動接触分解法(UOP法、シェル二段式法、フレキシクラッキング法、ウルトラオルソフロー法、テキサコ法、ガルフ法、ウルトラキャットクラッキング法、RCC法、HOC法等)により、固体酸触媒(例えば、シリカ・アルミナにゼオライトを配合したもの等)で分解して得られた接触分解ガソリンを蒸留して得られる軽質接触分解ガソリン、
(e)イソブタンと低級オレフィン(ブテン、プロピレン等)を原料として、酸触媒(硫酸、フッ化水素、塩化アルミニウム等)の存在下で反応させて得られるアルキレート、
(f)原油や粗油等の常圧蒸留時、改質ガソリン製造時、あるいは分解ガソリン製造時等に蒸留して得られるブタン、ブテン類を主成分としたC4留分、
(g)直鎖の低級パラフィン系炭化水素の異性化によって得られるアイソメレート、またはアイソメレートを精密蒸留して得られるイソペンタン、
等の各種留分をガソリン基材として用いる。
上記のような各種留分を適宜選択して用いて本発明の無鉛高オクタン価ガソリンを製造する具体例として次の例が挙げられる。すなわち;
(a’)リサーチ法オクタン価が100以上、モーター法オクタン価が88以上、リード蒸気圧が28kPa以上、沸点範囲が30〜215℃の脱ベンゼン接触改質ガソリンを2〜60容量%、または
(b’)i)リサーチ法オクタン価が78以上、モーター法オクタン価が70以上、リード蒸気圧が85kPa以上、沸点範囲が26〜80℃の脱ベンゼン軽質接触改質ガソリンを0〜15容量%、及び
ii) リサーチ法オクタン価が101以上、モーター法オクタン価が89以上、リード蒸気圧が3kPa以上、沸点範囲が90〜215℃の脱ベンゼン重質接触改質ガソリンを2〜50容量%、または
(c’)上記接触改質ガソリンまたは脱ベンゼン重質接触改質ガソリンを蒸留もしくは抽出することにより得られた、トルエンもしくは炭素数9以上の芳香族を主体とする芳香族主体接触改質ガソリンを2〜50容量%、かつ上記(b’)i)、ならびに
(d’)リサーチ法オクタン価が93以上、モーター法オクタン価が81以上、リード蒸気圧が90kPa以上、沸点範囲が25〜110℃の軽質接触分解ガソリンを20〜55容量%、
を得られる無鉛高オクタン価ガソリンが所定の性状となるように配合して本発明の無鉛高オクタン価ガソリンを製造することができる。
また、上記のような各基材の配合物に、
(e’)アルキレートを0〜40容量%、
をさらに配合して本発明の無鉛高オクタン価ガソリンを製造することもできる。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンは、上記接触改質ガソリンから得られるガソリン基材を、例えば上記例の(a)〜(c)(あるいは(a’)〜(c’))のうち少なくとも1種の留分を必須留分として含み、合計量が2〜60容量%、好ましくは20〜60容量%含む。含有量が2容量%以上であれば無鉛高オクタン価ガソリンのオクタン価を向上でき、60容量%以下であれば無鉛高オクタン価ガソリンの重質化を防止できる。他の各留分は適宜選択して、得られる無鉛高オクタン価ガソリンが所定の性状になるように、各留分の性状等に応じてそれらの配合量を適宜設定して配合することにより本発明の無鉛高オクタン価ガソリンを製造することができる。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンは、リサーチ法オクタン価が、97〜105、好ましくは98〜103、モーター法オクタン価が、85〜92、好ましくは86〜90である。リサーチ法オクタン価が97〜105ならば、いわゆるプレミアム級の高オクタン価ガソリンとして高い運転性能を維持することが可能となり、モーター法オクタン価が85〜92であれば高速走行時のアンチノック性の低下を防止することができる。なお、このリサーチ法オクタン価及びモーター法オクタン価は、JIS K 2280に準拠して測定した値である。
また、本発明の無鉛高オクタン価ガソリンは、50容量%留出温度(T50)が75〜110℃、好ましくは85〜100℃、90容量%留出温度(T90)が180℃以下、好ましくは110〜170℃である。留出温度が上記範囲内であれば、始動性、運転性、加速性に不具合が生じる場合を防ぐことができる。なお、これらの蒸留性状はJIS K 2254に準拠して測定した値である。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンのリード蒸気圧は、45〜93kPa、好ましくは66〜75kPaである。リード蒸気圧を93kPa以下にすることによって蒸発ガスの量を少なくすることができ、45kPa以上とすることで低温始動性、暖機性の低下を防ぐことができる。なお、このリード蒸気圧は、JIS K 2258に準拠して測定した値である。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンは、70℃留出量(E70)が18〜40容量%、好ましくは20〜40容量%である。E70が上記範囲内であれば始動性、運転性、加速性に不具合が生じる場合を防ぐことができる。なお、これらの蒸留性状はJIS K 2254に準拠して測定した値である。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンの芳香族分含有量は、45容量%以下、好ましくは5〜45容量%である。この芳香族分含有量が45容量%以内であれば、排出ガス中の有害成分の増加を防ぐことができる。なお、この芳香族分含有量は、石油学会法 JPI-5S-33-90(ガスクロマトグラフ法)に準拠して測定した値である。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンのオレフィン分含有量は、30容量%以下、好ましくは5〜25容量%である。このオレフィン分含有量が30容量%以内であれば、酸化安定性の低下を防ぐことができる。なお、オレフィン分含有量は、石油学会法 JPI-5S-33-90(ガスクロマトグラフ法)に準拠して測定した値である。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンのベンゼン含有量は、1容量%以下、好ましくは0.8容量%以下である。このベンゼン含有量が1容量%以内であれば、大気中のベンゼン濃度の増加を防止し、環境汚染を低減できる可能性がある。なお、このベンゼン含有量は、石油学会法JPI-5S-33-90(ガスクロマトグラフ法)に準拠して測定した値である。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンの硫黄分含有量は、10質量ppm以下、好ましくは8質量ppm以下である。この硫黄分含有量が10質量ppm以下であれば、排出ガス浄化触媒の能力低下を防止できる可能性がある。なお、この硫黄分含有量は、JIS K 2541に準拠して測定した値である。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンの60℃における気液比(V/L)は、30〜70、好ましくは30〜60である。このV/Lが30以上とすることで、良好な始動性を確保することができる。また、V/Lを70以下とすることで、加速性、運転性の不具合が低減できる可能性がある。なお、このV/Lは、ASTM D 2533-93a に準拠して測定した値である。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンの15℃における密度は、0.68〜0.78g/cm3、好ましくは0.69〜0.76 g/cm3である。この密度が0.68g/cm3以上とすることで良好な燃費を確保することができる。また、密度を0.78g/cm3以下とすることで高密度の芳香族分を低減でき、排出ガスによる大気への芳香族排出量を低減することができる。なお、この密度は、JIS K 2249に準拠して測定した値である。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンには、ポリエーテルアミン、ポリアルキルアミン、ポリイソブテンアミン、コハク酸イミド等の清浄剤を添加する。添加量は50〜1000質量ppm、好ましくは100〜500質量ppmである。添加量が50質量ppm以上ならばIVDの増加を防ぐことができ、1000質量ppm以内ならばCCDの増加を防ぐことができる。清浄剤を上記一定量添加すれば、上記本発明で用いる接触改質ガソリンのエンジン内デポジットの生成抑制効果と相まって、CCDの生成を効果的に抑制することができる。
本発明の無鉛高オクタン価ガソリンには、更に必要に応じて、各種の添加剤を適宜配合することが出来る。このような添加剤としては、フェノール系、アミン系等の酸化防止剤、チオアミド化合物等の金属不活性剤、有機リン系化合物等の表面着火防止剤、長鎖アルキルアミン、アミド、イミド及びその誘導体等の摩擦調整剤(FM)、多価アルコール及びそのエーテル等の氷結防止剤、有機酸のアルカリ金属やアルカリ土類金属塩、高級アルコールの硫酸エステル等の助燃剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤等の帯電防止剤、アルケニル琥珀酸エステル等の錆止め剤、及びアゾ染料等の着色剤等、公知の燃料添加剤が挙げられる。これらを1種又は数種組み合せて添加することが出来る。これら燃料添加剤の添加量は任意であるが、通常、その合計添加量が0.1質量%以下とすることが好ましい。
また更に、本発明の無鉛高オクタン価ガソリンには、必要に応じて、含酸素化合物であるエチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)、ターシャリーアミルメチルエーテル(TAME)、ターシャリーアミルエチルエーテル(TAEE)、あるいはエタノール、ターシャリーブチルアルコール(TBA)を配合することも可能である。
以下に本発明の内容を実施例及び比較例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
実施例、比較例
表1に脱硫重質ナフサの性状を示し、表2に該脱硫重質ナフサを接触改質処理して得た接触改質ガソリンの性状を示した。表1、2において、脱硫重質ナフサαおよびこれから得られた接触改質ガソリン1は、本発明の性状を満たすものである。一方脱硫重質ナフサβおよびこれから得られた接触改質ガソリン2は本発明の性状を逸脱するものである。
そして、表3、4に、無鉛高オクタン価ガソリンの製造に用いたガソリン基材の性状及び組成並びに名称を示した。そして、表3、4に示す各ガソリン基材等を表5、6に示す割合で混合して、無鉛高オクタン価ガソリンを製造し、以下に述べる各種性能評価試験を行った。
なお、表中の密度は JIS K 2249、芳香族分、オレフィン分及びベンゼン含有量は石油学会法 JPI -5S-33-90 (ガスクロマト法)により測定した。
吸気弁デポジット(IVD)試験及び燃焼室内部デポジット(CCD)試験を、排気量2.5L、マルチポイントインジェクション(MPI)方式の車両を用い、シャシーダイナモにおいて、60−100km/hの加減速×1,500サイクル(8,000km走行)の条件で行った。このIVD・CCD試験には、ポリイソブテンアミン系清浄剤を200ppm添加した実施例1〜3及び比較例1〜3のガソリンを用いた。更に清浄剤を添加しなかった比較例4のガソリンを用いた。各試験の方法を以下に記し、結果を表5、6に示す。
(IVD試験)
運転前後の吸気弁重量を秤量することにより得られる、吸気弁に付着したデポジット(IVD)重量及びIVD評点(Rating:CRC No.16)により評価した。なお、このRating値は、数値が大きい方が、IVD量が少ないことを示す。
(CCD試験)
IVD試験後、シリンダーヘッド及びピストントップに付着したデポジット(CCD)を採取、秤量することによって行った。
Figure 2006328356
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Figure 2006328356
Figure 2006328356
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実施例で具体的に示すように、特に吸気弁へのデポジットの付着が抑制されている。したがって本発明の無鉛高オクタン価ガソリンは、高オクタン価基材として重質な接触改質ガソリンを用いつつも、エンジン内部の清浄性に優れ、大気環境の保全が図れるものである。

Claims (3)

  1. 90容量%留出温度が160℃以下の重質直留ナフサを脱硫処理することによって得られた、硫黄濃度5質量ppm以下、窒素濃度5質量ppm以下の脱硫重質ナフサ留分を接触改質処理して得られる、下記式(I)で示される多環芳香族分指数Yが20以下の接触改質ガソリンから得られたガソリン基材が2〜60容量%配合され、以下の1)〜6)に挙げる性状を満足することを特徴とする無鉛高オクタン価ガソリン。
    Y=(0.002×3R-A)+(0.01×4R-A)+(0.07×5R-A)+(0.2×6R+-A)…(I)
    〔式中、3R-Aは3環芳香族分量、4R-Aは4環芳香族分量、5R-Aは5環芳香族分量、6R+-Aは6環以上の芳香族分量(何れもガソリン中の含有量で質量ppm)を示す〕
    1)リサーチ法オクタン価が97〜105
    2)モーター法オクタン価が85〜92
    3)50容量%留出温度が75〜110℃
    4)90容量%留出温度が180℃以下
    5)リード蒸気圧が45〜93kPa
    6)清浄剤を50〜1000ppmの範囲で含有する
  2. さらに以下の1)〜7)に挙げる性状を満足することを特徴とする請求項1に記載の無鉛高オクタン価ガソリン。
    1)70℃留出量が18〜40容量%
    2)芳香族含有量が45容量%以下
    3)オレフィン分含有量が30容量%以下
    4)ベンゼン含有量が1容量%以下
    5)硫黄分含有量が10質量ppm以下
    6)60℃における気液比が30〜70
    7)15℃における密度が0.68〜0.78g/cm3
  3. 前記ガソリン基材が、前記接触改質ガソリンを脱ベンゼン処理して得られたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の無鉛高オクタン価ガソリン。
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