JP2006328042A - イソオキサゾール誘導体又はジヒドロイソオキサゾール誘導体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
いイソオキサゾール誘導体又はジヒドロイソオキサゾール誘導体の新規な製造方法ならびに該製造方法により得られる新規イソオキサゾール誘導体に関するものである。
とギ酸を用いても同様の反応が進行し、副生成物の生成を抑え、さらに収率が向上することが知られている(例えば、非特許文献1、2参照。)。
K.Itoh,S.Takahashi,T.Ueki,T.Takahashi,およびC.A.Horiuchi,TETRAHEDRON LETTERS,43,(2002),p.7035−7037. K.Itoh,およびC.A.Horiuchi,TETRAHEDRON,60,(2004),p.1671−1681.
物等が排出され、廃棄物処理などコスト面で高くつき、また収率の点でも必ずしも十分ではないなど数々の問題があった。
も同様の反応が進行することを見出した。
キサゾール誘導体を提供することにある。
又はジヒドロイソオキサゾール誘導体の製造方法において、以下の構成を有することを特徴とするものである。
鉄(III)とを、アセトンまたはアセトフェノンの存在下で反応させる、式(2)
式(3)
ジヒドロイソオキサゾール誘導体が、式(4)
式(5)
ジヒドロイソオキサゾール誘導体が、式(6)
(iii)のいずれかに記載されるジヒドロイソオキサゾール誘導体の製造方法。
法。
方法。
フェノン中でマイクロウエーブを照射しながら反応させる、式(10)
イソオキサゾール誘導体。
3−アセチル−5−ブチルイソオキサゾール、3−アセチル−5−ペンチルイソオキサゾール、3−アセチル−5−ヘキシルイソオキサゾール、3−ベンゾイル−5−プロピルイソオキサゾール、3−ベンゾイル−5−ブチルイソオキサゾール、3−ベンゾイル−5−ペンチルイソオキサゾールまたは3−ベンゾイル−5−ヘキシルイソオキサゾールである前項(ix)に記載されるイソオキサゾール誘導体。
さしく、また、セリウム塩を用いた場合と比べて、反応時間は若干長くかかるがより高収率で目的化合物であるイソオキサゾール誘導体を得られるという効果を奏する。また、1段階でイソオキサゾール環の合成ができる。さらに、アセトンよりアセトフェノンを用いた場合にはより高収率で目的化合物を得ることができる。また、廃棄物処理なく、高収率で目的化合物を得ることができるという効果を奏する。
存在下で行う。特に、エチニルテストステロン化合物を用いた場合には、マイクロウエーブを照射しながら反応させる。
状のアルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキルカルボキシル基、置換基を有してもよいアルキルチオ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいナフチル基、置換基を有してもよいフェノキシ基、置換基を有してもよい芳香族あるいは非芳香族複素環基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアルキルシアノ基、置換基を有してもよいニトロ基あるいは置換基を有してもよいアシル基などを示す。
ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのシクロアルキル基、置換されていてもよいメチルチオ、置換されていてもよいフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルなどのナフチル基、置換されていてもよい1−ピロリジル、ピペリジン、モルホリノなどの非芳香族複素環基、置換されていてもよい2−フリル、3−フリル、2−チエニル、2−ピリジル、1−ピロリル、1−イミダゾイル、1−ピラゾリルなどの芳香族複素環基、置換されていてもよいメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、ノニルオキシなどのアルコキシル基、置換されていてもよいカルボキシル基、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基、置換されていてもよいアセチル、プロピオニル、ブチリル、ベンゾイルなどのアシル基、置換されていてもよいメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、フェニルアミノなどのアミノ基、置換されていてもよいメトキシ、エトキシ、プロポシキ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ
、t−ブトキシヘキシルオキシなどのヒドロキシル基、エチルチオ、シクロブチルチオ、フェニルチオ、2−ピリジンチオなどのチオール基、カルボニル、エトキシカルボニルな
どのエステル化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシル基などが挙げられる。
分岐状のアルキル基としては、好ましくは炭素数1〜12のアルキル基が挙げられ、特に好ましくは炭素数3〜9のアルキル基が挙げられる。
ロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基
、n−ペンチル基、イソアミル基、n−ヘキシル基、n−へプチル基、1−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、1,1−ジエチルペンチル基、1,4−ジエチルペンチル基、1,1−ジエチルプロピル基、1,3,3−トリメチルブチル基、1−エチル−2.2−ジメチルプロピル基、n−オクチル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、1−プロピルペンチル基、1,1−ジメチルへキシル基、1−エチル−1−メチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、n−ノニル基、1−メチルオクチル基、1−エチルヘプチル基、1,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、1−メチルノニル基、1,1−ジメチルオクチル基、3,7−ジメチルオクチル基、n−ウンデカニル基、1−メチルデシル基、n−ドデシル基などが挙げられる。
ル基としては、好ましくは炭素数3〜10のシクロアルキル基が挙げられ、特に好ましくは炭素数5および6のシクロアルキル基が挙げられる。
基としては、好ましくは炭素数1〜6のアルコキシル基が挙げられ、好ましくは炭素数2〜6のアルコキシル基が挙げられる。
基としては、好ましくは炭素数1〜6のアルキルチオ基が挙げられ、特に好ましくは炭素数1〜3のアルキルチオ基が挙げられる。
基、1−メチルエチルチオ基、n-ブチルチオ基、1−メチルプロピルチオ基、1,1−ジメチルプロピルチオ基、2,2−ジメチルプロピルチオ基、n−ペンチルチオ基、2−メ
チルブチルチオ基、n−ヘキシルチオ基などが挙げられる。
ノ基としては、好ましくは炭素数0〜6のアルキルシアノ基が挙げられ、特に好ましくは炭素数0〜3のアルキルシアノ基が挙げられる。
ホニル基としては、好ましくは炭素数1〜6のアルキルスルホニル基が挙げられる。
1−メチルプロピルスルホニル基、n−ペンチルスルホニル基、2−メチルブチルスルホニル基、n−ヘキシルスルホニル基、1−エチルブチルスルホニル基などが挙げられる。
ルボニル基としては、好ましくは炭素数1〜7のアルコキシカルボニル基が挙げられる。
ボキシル基としては、好ましくは炭素数2〜6のアルキルカルボキシル基が挙げられる。
ボキシル基、1−メチルプロピルカルボキシル基、n−ペンチルカルボキシル基、2−メチルブチルカルボキシル基、n−ヘキシルカルボキシル基、1−エチルブチルカルボキシル基などが挙げられる。
しては、好ましくは炭素数6〜14のフェニル基が挙げられ、特に好ましくは炭素数6〜10のフェニル基が挙げられる。
しては、好ましくは炭素数10〜17のナフチル基が挙げられ、特に好ましくは炭素数10〜12のナフチル基が挙げられる。
としては、好ましくは炭素数6〜14のフェノキシ基が挙げられ、特に好ましくは炭素数6〜10のフェノキシ基が挙げられる。
は非芳香族複素環基としては、好ましくは5〜7員環の芳香族あるいは非芳香族複素環基が挙げられ、特に好ましくは5および6員環の芳香族あるいは非芳香族複素環基が挙げられる。
しては、好ましくは炭素数0〜13のアルキルアミノ基が挙げられ、特に好ましくは炭素数0〜10のアミノ基が挙げられる。
ては、好ましくは炭素数2〜13のアシル基が挙げられ、特に好ましくは炭素数2〜7のアシル基が挙げられる。
より少なくともまた多すぎても収率が悪化するので好ましくない。
5〜4.0モル当量であり、特に好ましくは1.0〜1.5モル当量であり、最も好ましくは1.0モル当量である。上記使用量が上記範囲外では収率が悪化するので好ましくない。
アルミニウム、硝酸マグネシウム、硝酸アンモニウムおよびカルボニル化合物とも、すべて市販されているものを用いた。
NMR:JEOLGSX400(日本電子製)
GC:島津ガスクロマトグラフGC−17A(島津製作所製)
GC−MS:GCMS−QP5050(島津製作所製)
GCL:HP5890(Hewlett Packerd社製)。
基質(0.1mol)、硝酸鉄(III)(0.1mol)をアセトン(40ml)また
はアセトフェノン(40ml)中、還流条件下または80℃において攪拌しながら反応させる。反応終了後、ハイフロスーパーセルにより鉄を濾過し、反応混合液を50mlのジエチルエーテルにて抽出した。その後、飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水、蒸留水の順で洗浄した。エーテル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮した。ここで、アセトフェノンを用いた場合には減圧蒸留にて除去した。得られた淡黄色の油状物をシリカゲルクロマトグラフィーによって単離・生成を行い、NMR、IR、GC−MSなどの各スペクトルを測定し生成物の構造決定を行った。
<硝酸鉄(III)を用いた鎖状1−アルケン化合物とアセトン又はアセトフェノンとの反
応>
鎖状1−アルケン化合物(1−ヘキセン(基質1とする。)、1−ヘプテン(基質2とする。)、1−オクテン(基質3とする。)、1−ドデセン(基質4とする。)を基質としてアセトンまたはアセトフェノン中で硝酸鉄(III)を作用させた。
Ph:フェニル基
<硝酸鉄(III)を用いた種々のアルケン化合物とアセトンまたはアセトフェノンとの反
応>
本反応のさらなる汎用性を調べるため、アリル位に様々な置換基を有する基質(アリルシクロヘキサン(基質5とする。)、アリルベンゼン(基質6とする。)、アリルスルフィド(基質7とする。)、アリルシアナイド(基質8とする。)、アリルフェニルエーテル(基質9とする。)、酢酸アリル(基質10とする。)に対し同様の反応条件で検討を
行った。
<硝酸鉄(III)を用いた環状アルケン化合物とアセトンおよびアセトフェノンとの反応
>
前述の種々な1−アルケンからの生成物において、イソオキサゾール環3位への置換基への立体障害を考慮して、イソオキサゾール環3位の置換基への立体的な影響を小さくするため、アルケン化合物に環状構造をとることにより、単結合の回転による立体障害を最小にすることができる環状アルケンの場合にも反応が進行することを期待して以下の検討
を試みた。基質としてシクロヘキセン(基質17とする。)、シクロヘプテン(基質18とする。)、シクロオクテン(基質19とする。)を用いて反応を行った。
実施例27〜36では、硝酸鉄(III)(0.5mmol)を用いた1−オクテン(0
.5mmol)とアセトン(3.0ml)との反応においてマイクロウエーブを照射して実施した。マイクロウエーブはパワー80〜130ワット(W)、圧力15バール、温度60℃に設定した。
<硝酸鉄(III)を用いた1−アルキン化合物とアセトンまたはアセトフェノンとの反応
>
先に、硝酸セリウムアンモニウム(CAN)を用いたある種のアルキン化合物からのイソオキサゾール誘導体の合成が報告されていることから、硝酸セリウムアンモニウム(CAN)に代えて硝酸鉄(III)を用いても同様の反応が進行することを期待し検討を行った。基質として1−ペンチン(基質11とする。)、1−ヘキシン(基質12とする。)、1−ヘプチン(基質13とする。)、1−オクチン(基質14とする。)、プロパン酸エチニル(基質15とする。)、1−エチニル−1−シクロヘキサノール(基質16とする。)を用いて検討を行った結果、反応の進行が確認された。
(実施例37〜48)において単離・精製した化合物(11a〜16a及び11b〜16b)のうち、新規化合物(11a〜13a及び11b〜13b)のスペクトルデータを以下に示す。
IR(KBr):1705および1593cm-1 .
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm)6.36(s,1H),2.75−2.79(t,2H),2.63(s,3H)1.70−1.80(m,2H)および0,98−1,02 (t,3H).
13C−NMR(CDCl3):δ(ppm)192.4,175.4,162.1,99
.2,28.6,27.2,20.8および13.5 .
Cl−MS:m/z154[M+H]+.
El−MS:m/z153(1.44),138(0.87),124(0.07),1
09(0.06),83(0.21)および67(0.74).
HR−MS Found:m/z157.0788[M]+.Calcd for C8H11NO2:M,157.0790 .。
IR(KBr):1706および1593cm-1
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm)6.36(s,1H),2.78−2.82(t,2H),2.63(s,3H),1.66−l.74(m,2H),1.35−1.45(m,2H)および0.93−0.96(t,3H).
13C−NMR(CDCl3):δ(ppm)192.4,175.6,162.1,99
.1,29.4,27.2,26.3,22.1および13.6 .
Cl−MS:m/z168[M+H]+.
El−MS:m/z167(0.55),152(0.47),124(0.86),98(0.44),83(0.34),68(1.18),57(0.66)および43(100).
HR−MS Found:m/z167.0909[M]+.Calcd for C9H13NO2:M,167.0946.。
IR(KBr):1707および1593cm-1.
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm)6.36(s,1H),2.77−2.81(t,2H),2.63(s,3H)1.68−1.76(m,2H),1.33−1.37(m,4H)および0.89−0.92(t,3H).
13C−NMR(CDCl3):δ(ppm)192.4,175.6,162.1,99
.1,31.1,27.2,26.6.22.2および13.9.
Cl−MS:m/z182[M+H]+.
El−MS:m/z181(0.45),166(0.37),138(0.38),120 (0.19),97(0.13),83(0.32),68(1.11),55(0.97)および43(100).
HR−MS Found:m/z181.1097[M]+.Calcd for C10
H15NO2:M,181.1103.。
lR(KBr):1663および1597cm-1.
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm)7.47−8.30(m,5H),6.51(s.1H),2.78−2.82(t,2H)1.72−1.83(m,2H)および0.99−1.03(t,3H).
13C−NMR(CDCl3):δ(ppm)185.9,174.3,161.7,13
5.7,133.7,130.4,128.3,101.5,28.3,20.7および13.4.
Cl−MS:m/z216[M+H]+.
El−MS:m/z215(1.22),144(0.25),116(0.27),105 (100),77(64.45),63(0.84),および51(33.66).
HR−MS Found:m/z215.0924[M]+.Calcd for C13
H13NO2:M,215.0946.。
IR(KBr):1663および1597cm-1.
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm)7.47−8.30(m,5H),6.51(
s,1H),2.80−2.84(t,2H),1.68−1.76(m,2H),1.37−1.46(m,2H)および0.91−0.96(t,3H).
13C−NMR(CDCl3):δ(ppm)185.9,174.5,161.7,13
5.7,133.7,130.4,128.3,101.4,29.3,26.1,21.9および13.5.
Cl−MS:m/z230[M+H]+.
El−MS:m/z229(0.95),144(0.22),115(0.20),105(100),89(0.51),77(54.90),55(0.80)および51(25.47).
HR−MS Found:m/z 229.1062[M]+.Calcd for C14H15NO2:M,229.1103.。
IR(KBr):1663および1598cm-1.
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm)7.45−8.30(m,5H),6.50(s,1H),2.77−2.81(t,2H),1.68−1.76(m,2H),1.33−1.36(m,4H)および0.87−0.91(t,3H).
13C−NMR(CDCl3):δ(ppm)185.7,174.4,161.6,13
5.6,133.6,130.3,128.2,101.3,30.9,26.8,26.2,22.0および13.6.
Cl−MS:m/z244[M+H]+.
El−MS:m/z243(0.73),144(0.18),115(0.20),105 (100),89(0.43),77(48.54),55(1.54)および51(20.52).
HR−MS Found:m/z243.1226[M]+.Calcd for C15
H17NO2:M,243.1259.。
オキサゾール誘導体の合成を行なった。ステロイド骨格を有するエチニル化合物からのイソオキサゾール誘導体の合成は長い反応時間を要し、低収率であった。
<エチニルテストステロンからのイソオキサゾール誘導体の合成>
基質に対して1.5当量の硝酸鉄(III)並びにアセトン(5ml)をマイクロウェー
ブ用密開型試験管に混合し、マイクロウェーブ中で反応を行った。マイクロウエーブは、出力250ワット(W)、圧力15バール、反応時間30分(Run time:20m
,Hold time:10m)、反応温度150℃にて、上記化25に示したエチニルテストステロンを用いてイソオキサゾール誘導体の合成を行なった。反応後、金属塩除去のためにハイフロスーパーセルを用いてろ過した。これをジエチルエーテルにて抽出した。その後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水、蒸留水の順で洗浄し、エーテル層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮後、カラムクロマトグラフにて単離精製し、IR、1H−NMR、13C−NMR、GC−MSにて化合物の同定を行なった。
生成物の構造決定に際しては以下の測定機器を用いて同定を行った。
NMR:JEOL GSX400(日本電子)
GC:島津ガスクロマトグラフ GC−17A(島津製作所)
GC−MS:GCMS−QP5050(島津製作所)。
上記実施例49において単離・精製されたエチニルテストステロンからのイソオキサゾール誘導体は新規化合物である。そのスペクトルデータを以下に示す。
3−アセチル−5−(17´−テストステロニル)イソオキサゾール:淡黄色結晶、融点98−100℃
IR(NaCl):3440,1706,1654および1542cm-1
1H−NMR(CDCl3):δ=6.52(s,1H),5.71(s,1H),および2.64(s,3H)
13C−NMR(CDCl3):δ=203.9,191.9,161.2および83.3
EI−MS:m/z(%)397[M]+(1),382[M−CH3]+(1),355
[M−CH3CO]+(4), 269[M−C5H5NO3]+(1),244[M−C7H7NO3]+(2),43[M−C22H28NO3]+(100)
HR−MS Found:m/z397.2256[M]+.Calcd for C24
H31NO4:M,397.2253.。
(1)反応時間30分以降、収率は大きく変化しない。
(2)硝酸鉄(III)は1.5当量の際、収率が最も良い。
(3)生成物の収率増加のためには、高い反応温度が必要である。
(4)CAN(IV)に比べ硝酸鉄(III)の方が副生成物が少なく目的生成物を得られる
。
実際に基質に対し、どの程度の割合で硝酸鉄(III)を用いると最も効率よく反応が進
むかを調べるために、硝酸鉄の当量を変化させて反応を行った。
場合の収率85%、1.5モル当量用いた場合の収率84%となり、1モル当量用いた場合が最も高収率で目的のイソオキサゾール誘導体を得られることがわかった。
因と考えられる。また、硝酸鉄(III)が多すぎる場合の収率の悪さは、反応系内に過剰
に存在する酸化力を有する硝酸鉄(III)が形成されたイソオキサゾール骨格を壊したり
、また副反応により後述するニトロアルケンやニトロアルコールなどが生成することにより基質である1−アルケン化合物が不足することなどが主な原因と考えられる。
先に硝酸セリウムアンモニウム(CAN)を用いたイソオキサゾール誘導体の合成が報告されているが、その報告からもイソオキサゾール環2位の窒素原子は硝酸イオンに由来するものと考えられる。このことから、CAN以外の硝酸塩を用いた場合の反応の進行を期待し、様々な硝酸塩を用いて検討を行った。
)アンモニウム(CAN(III))を用いた反応ではギ酸を加えることにより反応が進行
することから、これらの硝酸塩でもギ酸を加えて検討を行ったが、反応の進行は見られなかった。銅塩では反応の進行は確認されたが、その収率は低かった。硝酸鉄(III)を用
いた場合には硝酸セリウムアンモニウム(CAN)を用いた場合と同等以上の収率でイソオキサゾール誘導体が得られる結果となった。
での収率への影響は小さいものと考えられる。その一方でギ酸の持つ還元力により硝酸鉄(III)が一部還元されて反応の進行を妨害したと考えられ、結果として収率が低下した
と考えられる。また、硝酸銅(II)では生成したイソオキサゾール環とCu(II)との間で錯体が形成され、ギ酸が配位子として取り込まれたイソオキサゾール環を取り出す役目をしているため、収率が向上したと考えられる。
本反応では、溶媒であるアセトンも反応に関与していることから、アセトンの当量変化による反応への影響を調べるために、溶媒としてアセトニトリルを用い、基質に対するアセトンの当量を変化させ検討を行った。
”の生成の割合は硝酸セリウム(IV)アンモニウム(CAN(IV))のそれに比べ少ない
。このことからも硝酸鉄(III)を用いた場合のイソオキサゾール誘導体の収率の良さが説明できる。
ここまでの反応について、反応機構は、下記反応機構に示されるように、硝酸セリウムアンモニウム(CAN)を用いた場合と同様と考えられる。溶媒として用いるカルボニル化合物のα位のメチル基がニトロ化され、プロトンの作用によりこのニトロ基からニトリルオキシドの生成が起こる。ここで、アセトフェノンを用いた場合にはニトリルオキシドがアセトンから生成するニトリルオキシドよりも安定であると考えられるので、より効率よく1−アルケン化合物や1−アルキン化合物などの炭素−炭素不飽和結合部位と1,3−双極子環化付加反応を起こし収率良く生成物が得られると考えられる。
サンの生成が確認されていることから、ニトリルオキシドが生成していると考えられる。このことからも、硝酸セリウムアンモニウム(CAN)を用いた反応の場合と同様の反応機構で反応が進行していると考えられる。
アセトンを用いた場合よりアセトフェノンを用いた場合の方がより高収率で目的のイソオキサゾール誘導体を得られる結果となった。これは、反応中間体であるニトリルオキシドの段階の安定性に由来すると考える。アセトンから生じたニトリルオキシドは不安定で二量化反応を起こしフロキサンを生成するが、一方、アセトフェノンから生じたニトリルオキシドは安定であるため二量化反応は起こさず、そのためフロキサンも生成しない。下記の共鳴構造式において右端の構造を見ると、アセトンから生成したニトリルオキシドは+電荷の隣にメチル基があるのに対し、アセトフェノンから生成した方は+電荷の隣により電子を非局在化する能力の大きいフェニル基がついている。このことからもアセトフェノンからのニトリルオキシドの方が安定性が大きいと考える。
Claims (13)
- 式(1)
- 前記反応がマイクロウエーブを照射しながら行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載されるジヒドロイソオキサゾール誘導体の製造方法。
- 前記ジヒドロイソオキサゾール誘導体が、3−アセチルイソオキサゾール誘導体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載されるジヒドロイソオキサゾール誘導体の製造方法。
- 前記ジヒドロイソオキサゾール誘導体が、3−ベンゾイルイソオキサゾール誘導体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載されるジヒドロイソオキサゾール誘導体の製造方法。
- 前記イソオキサゾール誘導体が、3−アセチルイソオキサゾール誘導体または3−ベンゾイルイソオキサゾール誘導体であることを特徴とする請求項9または10のいずれかに記載されるイソオキサゾール誘導体。
- 前記イソオキサゾール誘導体が、3−アセチル−5−プロピルイソオキサゾール、3−アセチル−5−ブチルイソオキサゾール、3−アセチル−5−ペンチルイソオキサゾール、3−アセチル−5−ヘキシルペンチルイソオキサゾール、3−ベンゾイル−5−プロピ
ルイソオキサゾール、3−ベンゾイル−5−ブチルイソオキサゾール、3−ベンゾイル−5−ペンチルイソオキサゾールまたは3−ベンゾイル−5−ヘキシルイソオキサゾールであることを特徴とする請求項9に記載されるイソオキサゾール誘導体。 - 前記イソオキサゾール誘導体が、3−アセチル−6−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルイソオキサゾールであることを特徴とする請求項10に記載されるイソオキサゾール誘導体。
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