JP2006324438A - ヒートシンク付表面実装型ledパッケージの製造方法 - Google Patents

ヒートシンク付表面実装型ledパッケージの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 リードフレームとヒートシンクの電気的絶縁が可能で、構造が簡単で安価なヒートシンク付き表面実装型LEDパッケージの製造方法を提供する。
【解決手段】ヒートシンク5とリードフレーム4とが絶縁性樹脂6により接合され、LED発光素子2がヒートシンク5上に実装する。これを、モールドインサート成形により、樹脂にインサートし、ヒートシンク付き表面実装型LEDパッケージ1を得る。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ヒートシンクにLED発光素子を実装した放熱性を有するヒートシンク付きLEDパッケージの製造方法に関するものである。
一般に、LED発光素子は、輝度が高く発熱量が少ないため携帯電話のバックライトや各種インジケータなど、低電力域で使用されていたが、近年の発光効率や内部量子効率の向上による高輝度化に伴って車載・照明分野などに使用され、より高輝度・長寿命が求められるようになっている。特に、ランプ等のパッケージ分野においては、これらの用途分野の拡大と、要求されている性能のレベルを維持するために、熱に強く、又は熱をよく逃がすことが必要になり、素材そのものの選定も重要になる。さらに、LED発光素子の出力、順電圧、波長等が温度によって変化し、また、劣化特性に影響を及ぼしてしまうので、やはり、熱対策が必要になる。
このように、LED発光素子は様々な分野に応用されており、各分野で熱対策が課題となっている。LEDパッケージを冷却する場合、コスト的に見て放熱が有効であり、アルミ板やヒートシンクによる放熱が試みられているが、ヒートシンクをLEDパッケージに実装した例は少ない。
パッケージ内にLED発光素子を封入し、LED発光素子の熱をヒートシンクから基板に逃がすようにした先行技術には、例えば、特許文献1に開示されているように、金属製パッケージのベースにヒートシンクを組み込み、ヒートシンクの上面にLED発光素子を実装することがなされている。
特開平5−21677号公報(ベースにヒートシンクを組み込み、ヒートシンクの上面にLED発行素子を実装して、ヒートシンクを基板に接触可能とすることにより、LED発光素子の熱を基板に逃がすようにした点等)
しかし、ベースとキャップとを金属で構成し、相互を接合したLEDパッケージは、既存技術によって製造することができるが、高い加工精度が必要となりコストダウンが難しいという問題がある。また、今後のLEDパッケージには高輝度化のほか、軽薄短小が要求され、これまでの金属加工技術では製造することが難しいという問題もある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単で製造が容易なヒートシンク付き表面実装型LEDパッケージの製造方法を提供することにある。
請求項1記載の発明は、ヒートシンクとリードフレームとを互いに絶縁性樹脂を介して一体に接合し、LED発光素子を、ヒートシンク又はリードフレームのいずれか一方に実装することを特徴とするヒートシンク付き表面実装型LEDパッケージの製造方法を提供する。
請求項2記載の発明は、リードフレームとヒートシンクとの互いの接合面のいずれか一方に、予め、絶縁性樹脂を接合した後、接合面同士を互いに重ね合わせた状態でモールド型により一体に接合する接合工程と、前記ヒートシンク又は前記リードフレームのいずれか一方に前記LED発光素子を実装する実装工程と、を含むことを特徴とするヒートシンク付き表面実装型LEDパッケージの製造方法を提供する。
請求項3記載の発明は、リードフレームとヒートシンクとの接合面のいずれか一方に、予め、絶縁性樹脂を接合した後、接合面同士を互いに重ね合わせた状態でインサート型により樹脂にインサートするインサート成形工程と、前記ヒートシンク又は前記リードフレームのいずれか一方に前記LED発光素子を実装する実装工程とを含むことを特徴とするヒートシンク付き表面実装型LEDパッケージの製造方法を提供する。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3いずれかに記載のヒートシンク付き表面実装型LEDパッケージの製造方法において、前記ヒートシンクと前記リードフレームとの接合に接着剤を用い、該接着剤に、使用環境もしくはLED発光素子の熱履歴に耐え得る高耐熱性プラスチックを用いることを特徴とするヒートシンク付き表面実装型LEDパッケージの製造方法を提供する。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4いずれかに記載のヒートシンク付き表面実装型LEDパッケージの製造方法において、前記絶縁性樹脂に、絶縁性接着剤付き絶縁性フィルム又は絶縁性接着剤付き絶縁性シートを用いることを特徴とするヒートシンク付き表面実装型LEDパッケージの製造方法を提供する。
本発明によれば、放熱が可能で且つ小型のLEDパッケージを安価に製造することができる。
以下、図1乃至図13を参照して本発明の実施の形態を説明する。
まず、本実施形態に係るヒートシンク付き表面実装型LEDパッケージ(以下、パッケージという)の基本的な構成を簡単に説明する。
図1はLEDパッケージの一実施の形態を示し、図1(A)はLED発光素子をヒートシンクに実装したLEDパッケージの断面図、図1(B)はその平面図(上面図)である。
LEDパッケージ1は、LED発光素子2と、LED発光素子2のリード極3,3に接続するリードフレーム4,4と、放熱のためのヒートシンク5とを備えている。
リードフレーム4,4は、絶縁性樹脂6を介してヒートシンク5に接合されていてヒートシンク5と一体化しており、リード極3,3とリードフレーム4,4とは、ワイヤボンド7を介して導通が可能となっている。
リードフレーム4,4は、エッチング加工又はプレス加工によって形成され、絶縁性樹脂6は、周囲のLEDパッケージ1の使用環境やLED発光素子2の通電による熱履歴に充分耐えうる高耐熱性樹脂で形成されている。
ヒートシンク5のLED発光素子実装面5cの平坦度は、LED発光素子2の実装のため1〜2μとなっており、反射率向上のため、銀めっきが施されている。
なお、環境汚物質削減のため銀めっきに代えてパラジュームめっきを施してもよい。また、LED発光素子2を共晶接合によりヒートシンク5の上面に実装する場合は、ヒートシンク5の上面の平坦度、特に、LED発光素子2の平坦度を1μとする。
リードフレーム4,4の厚さは、LEDパッケージ1の小型化上での制限から0.1〜0.2mmとなっており、絶縁性樹脂6の厚さは、0.05mmとなっている。ヒートシンク5は、アルミニウム、銅等の熱伝導性の高い金属で形成されていて、その底面が基板に直接又は熱伝導性材料を介して接触する。
このように、基板にヒートシンク5が接触可能なのでLED発光素子2の熱を基板へと放熱させることができる。
図2はLEDパッケージの他の実施の形態を示し、図2(A)はLED発光素子をリードフレームに実装したLEDパッケージの断面図、図2(B)はその平面図(上面図)である。
LEDパッケージ10には、LED発光素子2と、LED発光素子2のリード極3,3に接続するリードフレーム11,11と、放熱のためのヒートシンク15とが備えられており、リードフレーム11,11同士が絶縁材13を介して接続されている。
ヒートシンク15は、一対のリードフレーム11のヒートシンク実装面11cに絶縁性樹脂14を介して一体に接合されており、リード極3,3とリードフレーム11,11とは、ワイヤボンド7により結線されている。
リードフレーム11,11は、エッチング加工又はプレス加工によって形成され、絶縁性樹脂14は、周囲の使用用環境やLED発光素子2の通電による熱履歴に充分耐えうる高耐熱性樹脂で形成されている。
リードフレーム11,11の厚さは、LEDパッケージ10の小型化上での制限から0.1〜0.2mmとなっており、絶縁性樹脂14の厚さは、0.2mmとなっている。
LEDパッケージ10をディスプレイ、照明の各種光源等の基板(図示せず)に実装しヒートシンク15が基板に接触する。このためさせるとLED発光素子2の熱がリードフレーム11,11からヒートシンク15へと放熱させることができるので、LED発光素子2の高温化を防止することができる。
以下、前記LEDパッケージ1,10の製造方法について説明する。
前記LEDパッケージ1,10において、リードフレーム4とヒートシンク5、リードフレーム11とヒートシンク15とをそれぞれ絶縁性樹脂6,14を介して接合する方法には、
<1>接着剤により接着する方法と、
<2>リードフレーム又はヒートシンクの互いの接合面の一方に、予め、絶縁性樹脂を、接着、溶融、射出のいずれかによって被着して絶縁済みリードフレーム又は絶縁済みヒートシンクとし(一次成形品)、絶縁済みリードフレームとヒートシンク、又は絶縁済みヒートシンクとリードフレームとをそれぞれ絶縁性樹脂を介して一体に接合する方法と、
<3>リードフレーム、絶縁性樹脂、ヒートシンクをモールド型内に配置し、絶縁性樹脂によって相互を一体に接合する方法と、
<4>リードフレームとヒートシンクとを溶融した樹脂にインサートすることによって一体化する方法とがあり、
<2>の方法には、<2−1>モールド型内で絶縁性樹脂を溶解し再度固化させることによって一体に接合する方法と、<2−2>インサート成形によってインサートする方法がある。
<3>の方法には、モールド型内での絶縁性樹脂を加熱した後、冷却することによって一体に接合する方法がある。
<2−1>及び<3>のモールド型(射出型を除く)の場合、モールド型内で樹脂が溶解するだけで流動化や圧力変動が発生しないので、これらに起因したリードフレームの変形を防止できる利点があり、<2−2>の方法には、インサートする絶縁性樹脂によってリードフレームが支持されリードフリームの変形を防止されるので、リードフレーム等の厚さを薄くできる利点がある。
以下、<1>〜<4>の各方法の代表例について順次、説明する。
図3は<1>の方法を実施するための工程図を示し、図3(a)は図1のLEDパッケージ1について、図3(b)は図2のLEDパッケージ10についての工程図である。
である。
図3(a)に示すように、LEDパッケージ1の場合は、まず、ヒートシンク5のリードフレーム実装面5bに絶縁性接着剤を塗布し、絶縁性樹脂6を接着する。次に、その絶縁性樹脂6の表面に絶縁性樹脂接着剤を塗布し、リードフレーム4,4を接着する。この場合、接着剤には、LEDパッケージ1の周囲の使用環境(温度)やLED発光素子2の通電による熱履歴に充分耐えうる耐熱性絶縁性樹脂接着剤を用いる。
絶縁性樹脂接着剤には、前記LEDパッケージ10の周囲の使用環境(温度)やLED発光素子2の通電による熱履歴に充分耐えうる耐熱性絶縁性樹脂接着剤、例えば、LPC(住友化学製 液晶ポリマ),PPS(ポリフェレンサルファィド),PEEK(ポリエーテルエーテルサルファイド),PES(ポリエーテルサルフォン)等を用い、LED発光素子2の接着剤には熱伝導性のよい接着剤を用いる。
リードフレーム4,4の接着後は、LED発光素子2を、前記ヒートシンク5のLED発光素子実装面5cに接着剤により接着する。
LED発光素子2の接着剤には熱伝導性のよい接着剤を用いる。
最後に、LED発光素子2のリード極3,3とリードフレーム4,4とをワイヤボンド7により結線し、LEDパッケージ1の製造を終了する。
図3(b)に示すように、LEDパッケージ10の場合は、リードフレーム11,11のヒートシンク実装面11cの裏面に絶縁性接着剤を塗布し、絶縁性樹脂14を接着する。次に、その絶縁性樹脂14の表面に絶縁性樹脂接着剤を塗布し、LED発光素子2を接着する。
絶縁性樹脂接着剤には、前記LEDパッケージ10の周囲の使用環境(温度)やLED発光素子2の通電による熱履歴に充分耐えうる耐熱性絶縁性樹脂接着剤、例えば、LPC(住友化学製 液晶ポリマ),PPS(ポリフェレンサルファィド),PEEK(ポリエーテルエーテルサルファイド),PES(ポリエーテルサルフォン)等を用い、LED発光素子2の接着剤には熱伝導性のよい接着剤を用いる。同様に、リードフレーム4のヒートシンク実装面11cに絶縁性樹脂14を介してヒートシンク15を接着する。
最後に、LED発光素子2のリード極3,3とリードフレーム11,11とをワイヤボンド7により接続してLEDパッケージ10の製造を終了する。
このように、<1>の方法を実施すると、特別な装置を必要とせず、また、工程が単純化されるので、LEDパッケージ1,10のコストダウンが達成される。
なお、図3(a),(b)において、絶縁性樹脂6,14の代りに接着剤付き絶縁性樹脂フィルム又はシートを用いてもよい。この場合、絶縁性接着剤付き絶縁性フィルム又はシートには、ポリイミドフィルム又はシートにポリエーテルアミドイミドを塗布した絶縁性樹脂フィルム又はシート等、絶縁性樹脂フィルム又はシートに、LEDパッケージ1周囲の使用環境(温度)やLED発光素子2の通電による熱履歴に充分耐えうる高耐熱性樹脂絶縁性接着剤を塗布したフィルム又はシートを用いてもよい。
絶縁性樹脂接着剤フィルム又はシートを用いると、接着剤の塗布作業が省略されるので、その分、コストダウンが達成される。
次に、<2>の方法を説明する。なお、ヒートシンク5、15に対する絶縁性樹脂6,14の接着方法は、<1>と同じなのでここでは省略する。この場合、まず、モールド型内にヒートシンク5と絶縁性樹脂6又はリードフレーム11と絶縁性樹脂14とを配置し、モールド型内での絶縁性樹脂6,14の溶解、冷却により絶縁性樹脂6,14をヒートシンク5のLED発光素子実装面5c又はリードフレーム11のヒートシンク実装面11cに被着し(一次成形)、後述のインサート成形に用いる絶縁済みヒートシンク、絶縁済みリードフレームを形成する。
以下、LEDパッケージ10について、<2>の方法を説明する。
図4(a)は絶縁済みリードフレームの製造に用いるモールド型の一例を示す。
絶縁性樹脂6には、実際の使用環境や前記LED発光素子2の熱履歴に対して充分耐えうる耐熱性樹脂で、後述するインサート成形に使用される樹脂の軟化温度、溶解温度と同等か又はそれ以上の樹脂を使用する。
絶縁性樹脂6の肉厚は、0.05mm以上とするのが望ましいが、前記LEDパッケージ1の薄さを極力薄くするという制限がある場合には、絶縁性樹脂6の肉厚を0.05〜0.2mmとする。モールド型20は、上型20a、下型20bからなり、絶縁性樹脂6を下型20bの絶縁性樹脂係合凹部21に嵌め込み、次に、リードフレーム4を下型20bのリードフレーム係合凹部22に嵌め込む。上型20aを下型20bに重ね、両者の重ね合わせを保持した状態でモールド型20による絶縁性樹脂6の加熱を開始する。リードフレーム4は、上型20a、下型20bによって支持されており、加熱温度が絶縁性樹脂6の溶解温度に到達しても絶縁性樹脂6は溶解するだけでモールド型20内には圧力の変動が発生しない。モールド型20による絶縁性樹脂6の冷却を行うと、図5(a)に示すように、リードフレーム4に絶縁性樹脂6が一体化した絶縁済みリードフレーム9が形成される。従って、モールドによってリードフレーム4に絶縁性樹脂6を一体化する方法は、型が単純で安価に形成できるほか、リードフレーム4の変形を防止しながら絶縁性樹脂6を均一厚さに被着できる利点がある。
なお、この場合に、予め、リードフレーム4に厚み方向の孔を設けるとともに、上型20aのリードフレーム4の孔との対面部とその孔周辺部とに凹部(図示せず)を設けておき、この凹部に予め配置した絶縁性樹脂を絶縁性樹脂6の溶融と同時に溶融させるようにしてもよい。
このようにすると、凹部の絶縁性樹脂と絶縁性樹脂6とが一体となり、リードフレーム4と絶縁性樹脂6との一体性が向上する(図7(b)参照)。
図4(b)は絶縁済みヒートシンクの製造に用いるモールド型の一例を示す。
絶縁性樹脂6には、実際の使用環境やLED発光素子2の熱履歴に対して充分耐えうる耐熱性樹脂で、肉厚が、0.05mm以上の絶縁性樹脂を用いる。なお、LEDパッケージ1の薄さを極力薄くするという制限がある場合には、絶縁性樹脂6の肉厚を0.05〜0.2mmとする。
モールド型23は、上型23a、下型23bからなり、ヒートシンク5を下型23bのヒートシンク係合凹部24に嵌め込み、絶縁性樹脂6を、ヒートシンク係合凹部24底面部の絶縁性樹脂係合凹部23cに嵌め込む。
次に、上型23aを下型23bに重ねてモールド型23による絶縁性樹脂6の加熱を開始する。
加熱温度が絶縁性樹脂6の溶解温度に到達し、絶縁性樹脂6が溶解した後は、所定の冷却期間後にモールド型23から取り出すと、図5(b)に示すように、ヒートシンク5のリードフレーム実装面5bに絶縁性樹脂6が一体化した絶縁済みヒートシンク16が得られる。
なお、この場合に、予め、リードフレーム4に厚み方向の孔60を設けるとともに、ヒートシンク5のリードフレーム4の孔60との対面部とその孔周辺部とに凹部61を設けておき、この凹部61に予め配置した絶縁性樹脂を絶縁性樹脂6の溶融と同時に溶融させるようにしてもよい。
このようにすると、孔60及び凹部61の絶縁性樹脂と絶縁性樹脂6とが一体となり、リードフレーム4と絶縁性樹脂6との一体性が向上し(図7(b)参照)、リードフレーム4とヒートシンク5との一体性が向上する。
図6は<2−1>の方法に用いるモールド型の一例であり、絶縁済みリードフレーム9とヒートシンク5又は絶縁済みヒートシンク16とリードフレーム4とを接合するためのモールド型25を示し、図6(a)はモールド型の断面図、図6(b)はモールド型に絶縁済みリードフレーム9とヒートシンク5とを配置した状態のモールド型の断面図である。
モールド型25は、図6(a)に示すように、下型25bに、ヒートシンク係合凹部26と前記絶縁済みリードフレーム9の基板側電気的接点部を係合する基板側電気的接続部係合凹部27とが形成され、上型25aに、ヒートシンク係合凹部26の上部開口に係合する係合凸部28が形成される。
係合凸部28には、下型25bの基板側電気的接続部係合凹部27に係合された絶縁性樹脂6に対して上方側から係合すべく絶縁済性樹脂係合凹部29が形成される。
前記モールド型25によってヒートシンク5に絶縁済みリードフレーム9を接合する際は、図6(b)に示すように、下型25bの基板側電気的接続部係合凹部27に絶縁済みリードフレーム9の基板側電気的接続部を嵌め込み、ヒートシンク5をヒートシンク係合凹部26に嵌め込む。
この後、上型25aを下型25bに重ね、モールド型25による絶縁性樹脂6の加熱を開始する。
加熱温度が溶解温度に到達し絶縁性樹脂6が溶解すると、次に冷却により絶縁性樹脂6を固化させる。
モールド型25からモールド品を取り出し、ヒートシンク5のLED発光素子実装面5cにLED発光素子2を熱伝導性の高い接着剤によって接着する。この後は、LED発光素子2のリード極3,3とリードフレーム4,4とをワイヤボンド7によって結線し、通電可能なLEDパッケージ1とする。
なお、この場合に、ヒートシンク5の絶縁性樹脂6の対面部に予め厚み方向の凹部62を設けておき、この凹部62に予め配置した絶縁性樹脂を絶縁性樹脂6の溶融と同時に溶融させるようにしてもよい。このようにすると、凹部62の絶縁性樹脂とリードフレーム4の絶縁性樹脂6とが一体となり、ヒートシンク5と絶縁済みリードフレーム9との一体性が向上する。
<3>の方法を実施する場合は、図6で説明したモールド型25を用いる。すなわち、ヒートシンク5を下型25bのヒートシンク係合凹部26に嵌め込んだ後、ヒートシンク5又はリードフレーム4に絶縁性樹脂を接着せずに、そのままの状態で、下型25bの基板側電気的接続部係合凹部27に、絶縁性樹脂6、リードフレーム4を順次嵌め込んで下型25bに上型25aを重ね、この状態で、モールド型25による絶縁性樹脂6の加熱を開始する。
加熱温度が溶解温度に到達し絶縁性樹脂6が溶解すると、次に、冷却によって絶縁性樹脂6を固化させ、モールド型25から取り出したモールド品のLED発光素子実装面5cにLED発光素子2を熱伝導性の高い接着剤により接着する。次に、LED発光素子2のリード極3,3とリードフレーム4,4とをワイヤボンド7により結線して通電可能なLEDパッケージ1とする。
なお、この場合もヒートシンク5の絶縁性樹脂6の対面部に予め厚み方向の凹部62を設けておき、この凹部62に予め配置した絶縁性樹脂を絶縁性樹脂6の溶融と同時に溶融させるようにしてもよい。このようにすると、凹部62の絶縁性樹脂とリードフレーム4の絶縁性樹脂6とが一体となり、ヒートシンク5と絶縁済みリードフレーム9との一体性が向上する。
次に、<2−2>の方法について説明する。
図7は絶縁済みリードフレーム9´を形成するためのモールド型(一次成形型)の一例を示す。モールド型30は上型30aと下型30bからなる。
下型30bにはリードフレーム4を嵌め込むためのリードフレーム係合凹部31と、絶縁性樹脂6を嵌めこむための絶縁性樹脂係合凹部32とが形成される。絶縁性樹脂係合凹部32は、リードフレーム係合凹部31の底面より下方に窪んでいる。
絶縁性樹脂6を絶縁性樹脂係合凹部32に嵌め込み、リードフレーム4をリードフレーム係合凹部31に嵌め込むと、リードフレーム4が、リードフレーム係合凹部31の底面と、絶縁性樹脂6の上面とからなる水平面に支持される。
上型30aには、別の絶縁性樹脂34を係合するための絶縁性樹脂係合凹部33が形成される。この絶縁性樹脂係合凹部33は、下型30bの絶縁性樹脂係合凹部32に対してほぼ平行になっていて上側よりリードフレーム4を支持するようになっている。
絶縁性樹脂6を下型30bの絶縁性樹脂係合凹部32に、リードフレーム4をリードフレーム係合凹部31にそれぞれ嵌め込むとともに、絶縁性樹脂34を上型30aの絶縁性樹脂係合凹部32に嵌め込む。そして、上型30aと下型30bとを重ねてモールド型30の加熱による絶縁性樹脂6,34を溶解し、冷却により固化すると、リードフレーム4に絶縁性樹脂6,34が一体に接合した絶縁済みリードフレーム9´が得られる。
この場合、図7(b)に示すように、リードフレーム4に厚み方向の貫通孔4dを設けておいて絶縁性樹脂6,34の少なくともいずれか一方に、貫通孔4dに挿入する挿入部を設けるか、又は、絶縁性樹脂6,34同士を連結するための連結材17を挿入するようにしてもよい。この場合、連結材は、絶縁性樹脂6,34と同じ材質とする。このようにすると、上下の絶縁性樹脂6,34同士が連結材によって連結されるので、絶縁性樹脂6とリードフレーム4とが確実に一体化する。
図8は前記絶縁済みリードフレーム9´をインサート部材としてLEDパッケージ1を形成するためのインサート成形型(一次成形型)の一例を示す。
インサート成形型35は樹脂の射出によって前記絶縁済みリードフレーム9´をインサートするための射出型であり、上型35aと下型35bからなる。
インサート成形型35の下型35bにはヒートシンク収容凹部36と、絶縁済みリードフレーム9´の基板側電気的接点部を係合する基板側電気的接続部係合凹部37とが形成され、上型35aには、ヒートシンク収容凹部36の上部開口に係合する係合凸部38が形成される。
係合凸部38には、下型35bの基板側電気的接続部係合凹部37に係合された絶縁済みリードフレーム9´の絶縁性樹脂34にその上方側から係合すべく絶縁性樹脂係合凹部39が形成される。
さらに上型35aには、係合凸部38を包囲するようにリング状の凹部40が形成される。
前記インサート成形型35を使用して絶縁済みリードフレーム9をパッケージ(ケース)となる樹脂にインサートする際は、まず、ヒートシンク5をヒートシンク係合凹部26に嵌め込み、絶縁済みリードフレーム9´の基板側電気的接続部を下型35bの基板側電気的接続部係合凹部27に嵌め込む。
次に、上型35aを下型35bに重ねる。下型35bに上型35aを重ねると、下型35b上位の絶縁性樹脂34に絶縁性樹脂係合凹部39が係合し、係合凸部38の平坦な先端面及び側面がヒートシンク5のLED発光素子実装面5cに係合する。ヒートシンク5のLED発光素子実装面5cは、この係合凸部38の先端面によって覆われる。
この状態で、インサート成形型35に樹脂を射出する。射出圧力は、例えば、800kg/cmとする。LEDパッケージ1は、光学的に反射率が重要な要素となるため、インサート成形に使用する樹脂には白色で熱的に安定な樹脂、例えば、PPS、PEEK、PES、液晶ポリマ等を用い、これに酸化チタン等の白色顔料を添加するが、これに加えて熱収縮を防止するフィラーを混合してもよい。また、インサート成形(二次成形)に用いる絶縁性樹脂とモールド成形(一次成形)に用いる樹脂とは組成が相互に異なっていてもよいがモールド成形に使用する絶縁性樹脂の溶解温度及び軟化温度が、射出成形(二次成形)に使用する樹脂の溶解温度及び軟化温度より高いか又は同等の樹脂を選択する。
このようにすると、上下の絶縁性樹脂6,34が溶解せずに、リードフレーム4に対する挟持を保持するので、樹脂の射出圧力や圧力変動に起因したリードフレーム4の変形が発生しない。また、リードフレーム4のLED発光素子側電気的接続部の長さが下方の絶縁性樹脂6の厚さよりも短く曲がりにくいので、この点でもリードフレーム4の変形が防止される。
射出された樹脂は、上型35aと下型35bとのパッケージ形成空間部、すなわち、ヒートシンク収容凹部36、絶縁性樹脂係合凹部39、凹部40へと充填される。また、酸化チタンは、光触媒反応により汚れを分解するので、パッケージ全体の表面が清浄に維持され、光の反射率が一定に保持されるという効果もある。
図9はインサート成形後のLEDパッケージ1の平面図(上面図)、図10はその断面図である。
LEDパッケージ1には、ヒートシンク5の上面のLED発光素子実装面5cと連接し、光を反射する凹面状の反射凹面部52が形成される。リードフレーム4のLED発光素子側電気的接触部は、この反射凹面部52から内側に突出し、反対側の基板側電気的接触部が外側に突出している。従って、ヒートシンク5のLED発光素子実装面5cに熱伝導性の接着剤を介してLED発光素子2を接合し、LED発光素子2の正負のリード極3,3とリードフレーム4のLED発光素子側電気的接触部とをワイヤボンド7により結線すると、放熱性の良好なLEDパッケージ1が得られる。
二次成形後は必要に応じて三次成形型により三次成形を実施する。
三次モールド型(図示せず)は、前記LED発光素子2を実装し、二次成形品にワイヤボンド7を施したLEDパッケージ1,10をそれぞれモールド品としてこれに透明な樹脂によるLED光の照射窓を形成するための成形型である。この場合、三次モールド型は、射出型又はモールド型のいずれの型を用いてもよく、インサート成形(二次成形)後のインサート成形品を隙間なく嵌合する下型と、反射凹面部内に透明樹脂を形成するための上型とで構成される。反射凹面部と上型の内面とが区画する空間部に透明樹脂を射出して固化させると、反射凹面部に透明樹脂による透明な窓が形成される。
次に、図11を参照して<3>の方法を実施するための射出型を説明する。
この射出型は、前記リードフレーム4とヒートシンク5とをインサート成形するための樹脂成形型である。なお、図11において、図8で説明したインサート成形型35と同じ構成については、同一符号を付す。
射出型50は、上型50aと下型50bとで構成されており、上型50aと下型50bの接合面に、リードフレーム4を挟持するためのリードフレーム係合凹部51を形成している。下型50bのヒートシンク収容凹部36には、ヒートシンク5が収容する。ヒートシンク5の上面の外周部とリードフレーム4との間には、射出した樹脂を導入し、固化させることにより、これらの間を樹脂によって絶縁する間隔Gを設定する。
この射出型50にヒートシンク5とリードフレーム4とを設置し、型を閉めた状態で樹脂を射出した後、冷却により固化すると、図1、図9で説明したような形状のLEDパッケージ1が形成され、リードフレーム4とヒートシンク5とが樹脂によって絶縁される。
この射出型50よるLEDパッケージ1の形成方法は、モールド型による工程(一次工程)や接着剤による絶縁済みリードフレーム9が不要となるので、その分、安価に製造できる利点があるが、絶縁性樹脂6,34によるサポートがなく、射出圧力や、圧力変動、又は射出した樹脂の粘性によってリードフレーム11に変形が発生する場合がある。
従って、この例は、リードフレーム4に十分な厚みがあり、且つリードフレーム4とヒートシンクのリードフレーム実装面5bとに樹脂を導入できる充分な間隔を設定されている場合、あるいは、絶縁性樹脂にフィラーを混合した混合樹脂を射出用の樹脂として使用する場合のフィラーによる流動性が低下する場合の製造方法に適している。従って、この方法にてLEDパッケージ1,10を製造する場合は、リードフレーム4の厚さを厚くし見かけ上のヤング率を大きくする必要がある。
溶着後は、LED発光素子2をヒートシンク5に実装し、LEDパッケージ1の製造を終了する。
なお、上述した各実施の形態において、LEDパッケージ自体がヒートシンク5又はリードフレーム4を介して低温側に熱を伝導するので、低温側を1又は複数の冷却装置、例えば、ファンによって空冷すれば、多数のLEDパッケージを効率よく冷却することができる。
以下、本発明一実施例を説明する。
本実施例では、一次成形には、モールド型(図7(b))を用い、二次成形にはインサート成形のための射出型(図8)を用いた。LEDパッケージの製造条件は次のようにした。
(a)リードフレームの加工法:エッチング又はプレス加工
(b)リードフレームの肉厚:0.2(mm)
(c)ヒートシンクの平坦度:1〜2(μ)
(d)ヒートシンクのめっきの種類:銀めっき
(e)ヒートシンクの貼り付け方法:接着(熱伝導性接着剤)
(f)インサート型の射出圧力:800(kgf/mm
(g)射出する樹脂の材質:LPCに白色顔料として酸化チタンを混入
(h)絶縁性樹脂6の材質:LPC
(i)絶縁性樹脂6の厚さ:0.2(mm)
(j)絶縁済みリードフレームの製造方法:モールド法又はインサート法
このような製造条件とすると、リードフレーム4のLED発光素子側電気的接続部と、ヒートシンク5のリードフレーム実装面5bとの間の絶縁隙間は0.2mmとなり、リードフレーム4は厚さ0.2mmの絶縁性樹脂6によって挟持され、射出圧力、圧力変動に起因した変形から保護される。
モールド型により一次成形を実施すると、リードフレーム4に変形に変形させることなく絶縁性樹脂6のフィルムをリードフレーム4の絶縁領域に被着することができた。
絶縁性樹脂6、インサート成形に使用する樹脂は、同じ組成のLPCなので、溶解温度及び軟化温度が同じになる。
モールド型で形成した絶縁処理済みリードフレーム9´をヒートシンク5とともに射出型(図8)にセットし、インサート成形を実施した。
インサート成形後は、ヒートシンク5のLED発光素子実装面5cに導電性接着剤を介してLED発光素子2を接合し、リード極3,3とリードフレーム4のLED発光素子側電気的接触部とをワイヤボンド7によって結線した。
この結果、図12に示すように、反射凹面部52を有し、反射凹面部52の中央にヒートシンク5のLED発光素子2の実装部が露出したLEDパッケージ1が得られた。
図13及び図14にその結果を示す。図13はモールド成形後におけるLEDパッケージの断面の状態を示す解説図、図14(A)はインサート成形後における絶縁性樹脂6と射出した樹脂との接合状態を示す断面図、図14(B),(C)はそれぞれ図13(A)のA部拡大図、B部拡大図である。
図13、図14に示すように、モールド成形、インサート成形の両方において、絶縁性樹脂6と射出した樹脂との間に直線的な界面が明瞭に現れており、リードフレーム4に変形が発生じていない。
従って、絶縁性樹脂6とインサート成形に用いる樹脂の材質が同じで軟化温度、溶解温度が同じ場合には、絶縁性樹脂6は溶解せず、薄いリードフレーム4の変形防止材として充分機能するので、絶縁性樹脂として軟化温度が射出する樹脂のそれよりも大きい樹脂を用いた場合にも絶縁性樹脂6によりリードフレーム4の変形が防止されることが分かった。
本発明の実施形態に係るLEDパッケージを示し、図1(A)はLED発光素子をヒートシンクに実装したLEDパッケージの断面図、図1(B)はその平面図である。 本発明の実施形態に係るLEDパッケージを示し、図2(A)はLED発光素子をリードフレームに実装したLEDパッケージの断面図、図2(B)はその平面図である。 本発明の実施の形態に係るLEDパッケージの製造方法を示す工程図である。 リードフレームの応用例を示す図であり、図4(a)は絶縁済みリードフレームの製造に用いるモールド型の一例を示し、図4(b)は絶縁済みヒートシンクの製造に用いるモールド型の一例を示す。 本発明に係る絶縁済みヒートシンクを示す図である。 本発明に係るLEDパッケージの製造方法に用いるモールド型の一例であり、絶縁済みリードフレームとヒートシンクとを溶着するためのモールド型を示す図である。 絶縁済みリードフレームを形成するためのモールド型(一次成形型)の一例を示す図である。 絶縁済みリードフレームをインサート部材としてLEDパッケージを形成するためのインサート成形型(一次成形型)の一例を示す図である。 インサート成形後のLEDパッケージの平面図である。 図9の断面図である。 本発明の実施形態に係り、リードフレームとヒートシンクとをインサート成形するための樹脂成形型を示す断面図である。 本発明の一実施例に係るLEDパッケージを示す図であり、図12(A)は解説図、図(B)は断面図である。 モールド成形後におけるLEDパッケージの断面の状態を示す解説図である。 図14(A)はインサート成形後における絶縁性樹脂と射出した樹脂との接合状態を示す断面図、図14(B),(C)はそれぞれ図14(A)のA部拡大図、B部拡大図である。
符号の説明
1 LEDパッケージ
2 LED発光素子
4 リードフレーム
5 ヒートシンク
6 絶縁性樹脂
9 リードフレーム
10 LEDパッケージ
11 リードフレーム
34 絶縁性樹脂

Claims (5)

  1. ヒートシンクとリードフレームとを互いに絶縁性樹脂を介して一体に接合し、LED発光素子を、ヒートシンク又はリードフレームのいずれか一方に実装することを特徴とするヒートシンク付き表面実装型LEDパッケージの製造方法。
  2. リードフレームとヒートシンクとの互いの接合面のいずれか一方に、予め、絶縁性樹脂を接合した後、接合面同士を互いに重ね合わせた状態でモールド型により一体に接合する接合工程と、
    前記ヒートシンク又は前記リードフレームのいずれか一方に前記LED発光素子を実装する実装工程と、を含むことを特徴とするヒートシンク付き表面実装型LEDパッケージの製造方法。
  3. リードフレームとヒートシンクとの接合面のいずれか一方に、予め、絶縁性樹脂を接合した後、接合面同士を互いに重ね合わせた状態でインサート型により樹脂にインサートするインサート成形工程と、
    前記ヒートシンク又は前記リードフレームのいずれか一方に前記LED発光素子を実装する実装工程とを含むことを特徴とするヒートシンク付き表面実装型LEDパッケージの製造方法。
  4. 請求項1〜3いずれかに記載のヒートシンク付き表面実装型LEDパッケージの製造方法において、
    前記ヒートシンクと前記リードフレームとの接合に接着剤を用い、該接着剤に、使用環境もしくはLED発光素子の熱履歴に耐え得る高耐熱性プラスチックを用いることを特徴とするヒートシンク付き表面実装型LEDパッケージの製造方法。
  5. 請求項1〜4いずれかに記載のヒートシンク付き表面実装型LEDパッケージの製造方法において、
    前記絶縁性樹脂に、絶縁性接着剤付き絶縁性フィルム又は絶縁性接着剤付き絶縁性シートを用いることを特徴とするヒートシンク付き表面実装型LEDパッケージの製造方法。
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