JP2006314303A - 緑色野菜の加熱、冷凍による変色を防止する栽培方法、及びこの栽培方法で栽培された緑色野菜、緑色野菜加工品。 - Google Patents

緑色野菜の加熱、冷凍による変色を防止する栽培方法、及びこの栽培方法で栽培された緑色野菜、緑色野菜加工品。 Download PDF

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Abstract

【課題】 栄養価に富み優れた抗酸化力を有し、また莫大な供給能力も有しながら、加工による変色が顕著で加工品が商品化できずに用途が限られていた空心菜、及び季節的に変色する小松菜を、新たな栽培方法により変色しないものとする。
【解決手段】 特定種を限定し、これを照射制限しながら栽培することで、加熱、調理、及び冷凍加工後も変色しない空心菜、小松菜を生産する。
【選択図】 図8

Description

従来、加熱や冷凍により顕著な変色をするIpomoea aquaticaは加工に適さないものとされてきたが、これを有効に利用するために空心菜特有の変色を防止する本発明が考案された。
また、春から夏にかけて栽培した小松菜を冷凍加工した場合に発生する顕著な変色を防止する栽培方法に関するものである。
Ipomoea aquaticaは空心菜、またはヨウ菜等と呼ばれ、豊富なミネラルや特異な成分を含み、また抗酸化力も優れた食習慣のある作物で、温暖な地域に於いて、その優れた成長速度や再生能力に起因して周年にわたり多量かつ安価に供給される極めて優れた食材である。
しかしながら収穫後の劣化速度が速く、また加熱や冷凍などの加工後は著しく急速に変色し商品価値が低下するため、適切な加工による輸送、保管手段が見出せず、限られた時間内に消費される生産国国内での生鮮野菜としての利用や、家畜の餌としての利用に留まり、その多量な供給量、優れた栄養価に反して用途は限られていた。
この問題を解決するために、多くの企業により冷凍や加熱後に発生する変色の防止方法が検討されたが、後述する遺伝的特性を異にする細分化された多種の存在、混合種の存在、混生を認識せずに試料としたことで、加工条件や栽培条件を変えても個体差により一定の結果が得られず、解決する有効手段が見出せずに今まで放置されてきた。
このため、Ipomoea aquaticaは食品としての加工ができないものとされ、専らIpomoea aquaticaの有する水質浄化能力や土壌中の金属の吸収に研究が集中し、食品としての利用に有効な加熱等の加工に起因する変色に関する研究は殆どなされずに放置された状態にあった。
これはIpomoea aquatica Forskが土壌栽培と水耕栽培や、葉幅の狭いBamboo leaf(またはBamboo−leaved、Green stem)と葉幅の広いWide leaf(またはLarge−leaved、White stem)などに大別されるものの、実際はこれらが更に細分化された複数の種類、及び細分化された同種に於いても葉の形状が一部異なる混合種が混生していることが認識できずに、これらの遺伝的差異に注意を払わずに、加熱、冷凍加工による変色テストを繰り返してきたため、一定した結果が得られずに「空心菜は加熱や冷凍で必ず変色してしまうもの」として諦められて、研究が放置されていたためである。
もっとも、Ipomoea aquatica Forskの分類は各国で、葉幅の広狭による2分類、または水耕栽培と土壌栽培の栽培方法による2分類とが一般的に共通した分類ではあるものの、それ以上の細分化は、各国での呼称や、その包括範囲が異なり不明瞭で、またその高い成長力に起因して混生し、葉形だけを見ても様々な混合種が多く見られ、その遺伝的差異や分類は未知の点が多く、未だ細分化した分類についても研究段階で、更に、花の色や形状等で既に分類されたものであっても各々の種類の違いによる加熱や凍結後に発生する変色との関係は、Ipomoea aquaticaは変色するものとの既成概念により、研究がなされていないのが現状であった。
当社の研究により、葉形に現れる空心菜の遺伝的系統を分類して、加熱、や冷凍加工の後も、黒変や褐変などの顕著な変色をしない空心菜の特定種の存在が明らかとなり、この種の仕分け方法や選択的栽培により、加熱調理、または冷凍後も変色をしない空心菜、及びこの冷凍加工品等の加工品の提供を実現した。
しかしながら、小松菜にも見られるように同一種でも季節的要因に起因する栽培環境の変化により一定期間に栽培されたものが顕著に変色する事象が見受けられ、先述の特定された空心菜にも同様の事象が発生することが確認され、年間を通じて安定した品質の空心菜及び小松菜の提供を可能とする新たな技術開発が必要とされるに至った。
本発明は先述の通り、小松菜にも見られるように同一種でも季節的要因に起因する栽培環境の変化により加熱や冷凍後に顕著に変色する事象が見受けられ、特定された空心菜にも同様の事象が発生することが確認されたため、これを解決する方法を見出し、年間を通じて安定した品質の空心菜、小松菜、およびこれらの加工品の提供を可能とするために考案されたものである。
空心菜は温暖な地域に於いて、年間を通じて栽培され、夏季には20日程度で収穫が可能となるほど極めて早い速度で成長がなされるため、最短の栽培期間で収穫して出荷することが当然のこととされてきた。
先述の通り、従来は変色しない空心菜の存在が認識されていなかったため、空心菜が加熱や調理、冷凍により変色することは当然のこと考えられ、あえて成長速度を遅らせる日光の照射を制限したり、栽培季節ごとのこの変色に対する影響を調べたりされることもなかった。
これに対し、当社の先の研究である葉形分類による変色に対する遺伝的系統の確認や変色種を除去する栽培方法により、一定条件下では変色しない空心菜が存在することが確認されてたため、従来では空心菜の栽培を阻害する日光等の遮光や照射の制限、成長が遅くなる期間での栽培、また茎部が必要以上に長く成長して生鮮品では価値が低下してしまう密植栽培など、従来不適当とされてきた栽培方法をあえて行い、これら栽培方法の違いが空心菜の収穫後の加熱や冷凍加工後に発生する顕著な変色に及ぼす影響を確認した。
対象とする空心菜は、従来より一般的に大別されている葉幅の広の葉形を有するWide Leafと、葉幅の狭い葉形を有するBamboo Leafと言われる笹型の葉形を主体に有する混合種、及びBamboo Leafのうち全ての葉形が笹型で、他のBamboo Leafに比べても葉幅が更に狭く、加熱テストで変色しなかったものだけを増殖させたもの、以上3種を照射または遮光度、密植度、季節を変えて中華民国で栽培し、従来種を細分化することなくテストを繰り返し一定の結果を得ることのできなかった空心菜の栽培方法が変色に及ぼす影響を確認した。
あえてWide Leaf、及びBamboo Leafの混合種をこの試験に於いて加えたのは、従来の種類を用いた栽培では方法を変えても変色してしまうことや、従来の試験で発生していた混合種や異種の混生により栽培条件を変えても一定の傾向が確認できないことを再確認する目的で行ったものである。
空心菜の栽培方法は、30坪に対し15斤の播種を通常とし、密植栽培は20斤の播種とし、中華民国に於いて冬季から初夏にかけて行い、小松菜は30坪に対し10斤の播種を通常とし、密植は15斤の播種とし、4月に行った。
照射に関しては、無遮光、網目5ミリメートルの緑色のネットを側面と上面に施し遮光したもの、同様のネットで側面を遮光して上面と南側面上部を白色の布で覆って遮光したものの異なる3つの条件下で行った。
各条件下で栽培された試料の採取は、遮光や密植の影響が十分得られている中央部分に育成するものを選び、端に育成しているものは除外した。
変色程度の確認方法は、生育不良品を除いた300グラムの収穫物を2.0リットルのpH7.4の水を用いて、100℃で60秒のブランチングを正確に行い、この後放置して冷却して行い、あえて氷水に浸す急速冷却をせずに、変色が進む条件下で広げて十分に空気にさらして変色程度の確認を行った。
この後、これらのうち顕著な変色を示したものを除き、スチールベルト式急速凍結機を用いて15分間で凍結し、24時間冷凍保管の後、自然解凍を行い、冷凍により新たに発生した変色が確認できるようにした。
これにより、中華民国に於いては11月から3月迄の比較的温度が低い時期には、Bamboo Leafの混生種の一部と、全てが笹型の葉形を有する種類に於いては加熱の後も顕著な変色が見られなかったが、幅広の種類は殆どが顕著に、またBamboo Leafの殆ども変色の度合いはまちまちで差はあるものの、加熱後の放置で変色をした。
また、同国に於いての栽培では4月の段階より、変色しにくい全てが笹型の種類を無遮光で栽培したものにも加熱後に僅かながら暗色化して変色するものも現れ、4月終盤に向けて次第に顕著な黒変するものも現れてきた。
これ以降、全てが笹型の種類でも密植栽培だけをしたものにも変色する傾向が現れたのに対し、全てが笹型の種類を密植と遮光を併せて施して栽培したものは変色の程度が抑制されており、中でも全てが笹型の種類を密植栽培し、かつ布で遮光したものは、6月まで変色せず、明確に効果が得られた。
冷凍による変色は、既に加熱により変色しなかったものはこの後冷凍、解凍しても顕著な変色をするものはなく、また確認のためこれを再加熱しても変色せず、従来変色により製品化することができなかった空心菜を製品として十分に変色を防止したものにできる、優れた変色防止効果が確認された。
また、小松菜に関しては無遮光の通常播種で栽培したものに変色が認められたのに対し、密植では茎部の変色は抑制されており、また網、布での遮光した双方の遮光栽培に於いては変色が認められなかったため、笹型の葉形のみを有する変色しにくい空心菜と同様の傾向を示した。
笹型の葉形だけを有するものを限定して、生産国により時期は異なるが台湾であれば11月から3月頃までの、栽培期間中の最高気温が30℃以下の限られた時期に密植栽培することで、加熱や冷凍後の変色を防止した、変色しない空心菜を生産することができ、これが最も適した栽培方法である。
また最高気温が30℃を上回る時期、すなわち同国では4月以降は、この種を密植栽培するとともに通気に留意して遮光栽培することで変色を抑制することができ、気温の上昇とともに遮光度合いを更に高めることで十分な効果が得られる。
密植栽培をする場合は、密植の度合いが高ければより変色抑制効果が得られるが、一定限度を超えて過密にしすぎると栽培中に空心菜が倒れてしまうため、遮光と密植度合いは各々の栽培時期や、栽培温度が過剰に上昇しないように十分な通気を考慮して定めていく必要がある。
混合種や異種が混生し種が細分化されていない従来のBamboo Leafの場合は、個体差により一部に加熱や冷凍しても変色しないものが存在するが、先の研究でも言及しているように、同様に笹型の葉形のみを有するものでも変色したり、また同茎に有する一部の葉の葉形が笹型と異なるものでも変色しないものも存在し、葉形に関する遺伝的系統と変色に関する遺伝的系統が常に同時に有しているとは限らないため、混合種の混生したものの栽培方法を変えてもこれらが変色に対する影響を与えたか否かの一定の傾向を示す結果は得られず、従来の研究が進展しなかった原因を確認することができる。
本発明に於いて対象とされる緑色野菜とは、収穫後の加熱や冷凍に代表される調理や調味、加塩などを包括する加工の後に発生する、一般的に見られる葉緑素のpHによる暗色化とは異なった、部分的または全体的な黒変や褐変を生じる、葉と茎を食用とする野菜のことを意味する。
空心菜とは、ヨウ菜、エンサイ、アサガオ菜、Morning Glory(朝顔)、Water Spinach(水ほうれん草)、及び各国の呼称など多様な名称を有するが、Ipomoea aquatica Forskに分類されるものである。
また、小松菜とは日本、中華人民共和国、中華民国などのアジア地域で生産され、主に冷凍加工されて小松菜の名称で取引されるものを総称している。
本発明の確認試験を行う場合に用いる空心菜は、従来より一般的に大別されている葉幅の広の葉形を有するWide Leafと、葉幅の狭い葉形を有するBamboo Leafと言われる笹型の葉形を主体に有する混合種、及びBamboo Leafのうち全ての葉形が笹型で、他のBamboo Leafに比べても葉幅が更に狭く、加熱テストで変色しなかったものだけを増殖させたもので、以上3種を照射または遮光度、密植度、季節を変えて中華民国で栽培し、従来種分けせずにテストを繰り返し一定の結果を得ることのできなかった空心菜の栽培方法に起因する変色に及ぼす影響を確認する。
あえてWide Leaf、及びBamboo Leafの混合種をこの試験に於いて加えたのは、Wide Leafを用いた栽培方法に於いては栽培方法を変えても変色してしまうことや、Bamboo Leafで変色しないものと変色するもの混生や混合種では栽培条件を変えても一定の傾向が確認できないことを再確認する目的で行うものである。
ここで栽培される空心菜の種分けは以下の通りである。
まず、従来より一般的に大別されている葉幅の広いものと、葉幅の狭いものとのに分類し、このうち葉幅の広いものは葉基を中心とした6センチメートル以内の葉形の違いにより、矢型のものと、葉基の左、右または双方の位置に葉頂とは別の突起を葉部に有するものとに大別されるが、変色に関しては何れも顕著な変色傾向を示し、何れも市場でも入手しやすいため、どちらを用いても良く、これをWide Leafとして用い、葉柄の一部に変色が軽減される程度の違いはあるものの、栽培条件を変えても顕著な変色が発生するブランク試験のため行う。
葉幅の狭いものは、従来の一般的に大別されている葉幅の狭いBamboo Leafと言われるもので、葉形は図1から図6に代表されるもののうち、図6に示されている笹型の葉形のみ、またはこれに図1から図5に示されている葉基を中心とした3センチメートル以内の葉形が変形しているものが若干混じった、極一般的に市場で見られるものを選択してBamboo Leafの混合種として用いる。
この際、葉基の付近に突起を有する図1や図2の葉形のものや、葉頂と反対方向に膨らみを有する図4、全体的に三角形を特徴とする図3の葉形の葉ばかりのものであると、殆どのものが変色してしまい、確認試験の意味をなさないものとなってしまうのでこの点を留意してできるだけ図6の葉形の葉を有するものが多いものを選択する必要がある。
図6の葉形とは、空心菜の分類で一般的な葉幅による分類で狭い種類であるBamboo Leafのうちで、葉基の3センチメートル以内に突起や、葉頂と反対方向の膨らみがないもので、また葉基の左右が直線状ではなく丸みを帯びた、全体的に笹の葉の形状を特徴とするものである。
また、変色しにくいものは同じ茎から分岐した葉柄にある葉の全てがこの図6の葉形のものだけであるが、例外として図5などの異なる葉形のを一部に有しているものも見受けられる。
更に変色しにくいものは、図6の葉形を特徴とするが、混合種や混生したものの中にみられる同形のものよりも葉長に対する葉幅の比率小さく、細身の葉の形状である。
これを選択的に密植して栽培した場合、茎の下部では葉柄に分岐することはなく、茎上部に葉柄との分岐が集中して、また分岐した葉柄は真上を目指して分岐しており、葉形と併せて全体としてすらりとした図8のような形状のものとなり、従来のものとは異なった外観となる。
変色をしない全ての葉形が笹型であるものとは、先述のBamboo Leaf混合種の中から一つの茎にある全ての葉の葉形が図6の笹型であるものだけを識別して採取し、加熱後に変色しなかったものの株だけを選択的に増殖し、これを複数回繰り返して、変色度合いが他と異なり低い遺伝的系統を有するものだけを選別したり、種を取り増やしたものを言い、増殖されたものの中には全ての葉形が笹型ではないものも稀に含まれているが、これを意味する。
この全てが笹型の葉形を有するものを密植すると、葉形はすべて笹型で細長いものに統一され、また茎部下部での葉柄分岐もなくなり、全体としてもすらっとした細身の他と異なった形状を特徴とする空心菜となる。
空心菜の栽培方法は、30坪の面積に対し15斤の播種を通常とし、密植栽培は20斤の播種とし冬季から初夏にかけて行い、小松菜は30坪に対し10斤の播種を通常とし、密植は15斤の播種とし、4月から7月の間に行い、通常の栽培を行ったものが、加熱、または冷凍により変色する季節を選択して行う。
この目安で播種を行うと、季節や栽培期間により変動するものの、空心菜の場合は通常の栽培で30坪当たり200キログラム程度の収穫であるのに対し、密植栽培では300キログラム程度の収穫となる。
照射に関しては、無遮光、網目5ミリメートルの緑色のネットを側面と上面に施し遮光したもの、同様のネットで側面を遮光して上面と南側面上部を白色の布で覆って遮光したものの異なる3つの条件下で行った。
降雨の際に、布で遮光したものは上部に水がたまらないように斜めにして、多くの支えを施しておく必要があり、給水に差が生じないように、テスト栽培期間は各々に対し差が生じないように頻繁に散水することとした。
照射を調整するとは、日光の一部を遮断して照射される日光量を調整したり、照射される時間を制限したりすることで、この場合、網、シート等の日光を遮るものであれば、材質や形状は様々なものが利用できる。
また日光の一部、または全てを遮断した空間内で改めて射光し照射を調整することで、この場合に用いる光は自然光や人工的に発生させた光であっても良い。
更には特定種を、密植度合い、地理的条件や標高、気候、及び時期等を選択して、変色が抑制、または防止される栽培に適した栽培条件を設定することも含まれる。
各条件下で栽培された試料の採取は、遮光や密植の影響が十分得られている中央部分に育成するものを選び、端に育成しているものは除外した。
変色程度の確認方法は、生育不良品を除いた300グラムの収穫物を2.0リットルのpH7.4の水を用いて、100℃で60秒のブランチングを正確に行い、この後放置して冷却して行い、あえて氷水に浸す急速冷却をせずに変色が進む条件下で、広げて空気との接触をさせて1時間後に変色程度の確認を行った。
この後、これらのうち顕著な変色を示したものを取り除き、スチールベルト式急速凍結機を用いて15分間でIQF凍結し、24時間冷凍保管の後、自然解凍を行い、冷凍により新たに発生した変色が確認できるようにした。
本考案に於ける産業上の利用の可能性で特に強調しておくべきことは、Ipomoea aquaticaは優れた再生能力や成長速度を有し、大量に生産されながら、また短期間で莫大な増産が可能である栄養価の高い有望かつ優れた食材でありながら、その保存性の悪さより流通範囲が限定され、また適切な流通保管方法や加工方法が見出せずに、生鮮や家畜の餌としての限られた用途での利用に留まり、十分な利用がなされずにいたものが、本考案により遠隔地、即ち世界的に利用することが可能となったことにある。
また、流通保管に対する耐性が弱く遠隔地への流通が困難であったため、生産地、食品業界などの一部を除き一般的に認知度が低く、糖尿病などの疾病改善効果が言及されながら、ポリフェノール類に留まらずこの食材が有する多糖類と思われる粘性物質などのこの食材が有する、優れた成分や機能の有効な利用方法が十分に研究されてこなかったが、本考案により加工品としての有効利用法が提案されたことも極めて有意義であるとともに、生鮮野菜としても変色しない空心菜として新たな付加価値が得られたものとなる。
当然のことながら、この食感の良い優れた、かつ有望な食材に着眼して過去に於いて冷凍食品メーカーなどを中心にこの加工による変色の防止に関するテストが行われて、未だに高い関心を寄せているが、中国残留農薬問題を抱えて冷凍緑葉野菜が不足して困窮する現在に於いても、未だに他社に於いてはこの問題は解決されずに製品化に至れていなかった現状より、既に需要は存在しており、本考案によりこの問題が解決された今、早期に事業化され製品化されることが必至である。
今後は本発明で用いた試験手法が手始めとなり、各系統の遺伝的な違いを認識して細分化された同種の空心菜を用いて試験を行うことで、従来の研究で混合種や混生に惑わされて得ることができなかった一定の傾向を示すテスト結果が得られるようになり、土壌成分の育成に及ぼす影響、金属吸収能力、有効成分の含有量の多い系統の研究、効率的な抽出原料系統の確認に的確な結果をもたらすことが期待できる。
これは、本件考案時に調査した環境などに対するIpomoea aquaticaの研究の写真や図などでは混合種や混生を分別することなく同一種の試料として取扱い、研究結果報告をしているものばかりで、これらを改めて遺伝的系統で分類された種を用いて試験をした場合、異なった結果を得ることにもなりえる。
これらにより、前述の通り安価で大量に供給され、急速に増産が可能な資源が、季節的要因を排除し周年を通して常に活用することができるようになることは、極めて有意義な貢献であることが明白である。
また温暖な沖縄などでは、ほぼ周年栽培が可能で、緑葉野菜の不足する時期に消費地へ流通させることも可能となり、変色しない付加価値を有する空心菜は、年間を通じて安定供給され、外食産業などでも取扱いが可能となり、この点に於いても早期に実用化が可能である。
更に冷凍加工品については、言及するまでも無く、食品メーカー各社ともにこの食材の開発には興味を示しており、特に中国残留農薬問題に直面している現在、冷凍緑葉野菜が不足しており、優れた栄養価を有しながら安価に供給可能で、虫が好まないポリフェノールを含むことより防虫剤などの農薬が軽減できる本食材は、まさに時流を得た、また将来性のあるもので、早期かつ多量の需要が存在しているため、産地での栽培管理生産体制が整い次第、すぐにも事業化がなされることは必至である。
同様に、現在解決されずにいる一定期間に栽培された小松菜の加熱、及び冷凍加工による変色は、冷凍製品の価値を低下させ当該期間の生産を取りやめざるを得ない状態にあったが、空心菜栽培により見出された本発明の栽培方法により、周年を通じて安定して生産することができるようになり、これは既に市場に於いて流通されているものでもあり、要請され開発した技術でもあるため、産業上の利用の可能性については疑う余地はなく、早期かつ大量な生産量が見込まれるものである。
Ipomoea aquatica Forskの葉幅の狭い種類(Bamboo leaf)のうち、葉基付近の葉部に丸みを帯びた突起が左右の一方、または双方にあるものを示した図である。 Ipomoea aquatica Forskの葉幅の狭い種類(Bamboo leaf)のうち、葉基付近の葉部に鋭角の突起または窪みが左右の一方、または双方にあるもので、全体的な葉の形状が三角形状であるものを示した図である。 Ipomoea aquatica Forskの葉幅の狭い種類(Bamboo leaf)のうち、葉基に接合する葉部が直線状であるもので、全体的な葉は鋭角の三角形状であるものを示した図である。 Ipomoea aquatica Forskの葉幅の狭い種類(Bamboo leaf)のうち、葉基付近の葉部に葉基を囲むような膨らみ、または葉頂と反対方向に突き出した膨らみが、左右の一方または双方にあるもので、全体的に矢や鏃の形状をしているもの、矢の形状をしている幅の広いIpomoea aquatica Forskの葉幅の広い種類(Wide leaf)の葉形であるArrow shapeと言われるのの葉幅が極端に狭くなった形状のものを示した図である。 Ipomoea aquatica Forskの葉幅の狭い種類(Bamboo leaf)のうち、葉基に接合する葉部が直線状で、図3のものとの違いは全体的な葉の形状が三角形状ではない笹型に近いものを示した図である。 Ipomoea aquatica Forskの葉幅の狭い種類(Bamboo leaf)のうち、葉基の付近の葉部が葉基を頂点とした丸みを帯びた、全体的な葉が笹型であるものを示した図である。 Ipomoea aquatica Foreskの葉幅の広い種類(Wide leaf)を示した図で、茎部、芽、及び葉柄を黒塗りで示した図である。 図6の笹型の葉形のみを有し、最も変色しにくい遺伝的系統を有する空心菜のみを密植して栽培した際の当該空心菜の形状を示した図で、茎部、芽、及び葉柄を黒塗りした図である。
符号の説明
1は葉部、2は葉柄、3は葉基、4は葉頂、5は茎、6は芽、7は葉基と葉部の接合部分から半径3.0センチメートルの範囲、8は葉部の突起、9は葉部の窪み、10は葉基と接合した葉部の直線状を特徴とする部分、11は葉基を頂点とした葉部の丸みを特徴とする部分、12は葉頂と反対方向の葉部の膨らみ。

Claims (7)

  1. 照射を調整して栽培し、加熱、または冷凍に於いて発生する変色を抑制、または防止した緑色野菜を生産する栽培方法。
  2. 照射の調整が、遮光栽培、密植栽培、または遮光された空間で調整された射光がなされた栽培の何れかによりなされたもので、栽培物が空心菜、または小松菜であることを特徴とする請求項1の緑色野菜を生産する栽培方法。
  3. 栽培期間中の各日の最高気温を平均した栽培期間中最高気温平均値が30℃以下である期間に栽培され、加熱、調理加工、または冷凍加工に於いて発生する変色が抑制、または防止されていることを特徴とする空心菜の栽培方法。
  4. 葉形が図6である空心菜だけを、請求項1、請求項2または請求項3の栽培方法で栽培し、加熱、または冷凍に於いて発生する変色を抑制、または防止したことを特徴とする空心菜の栽培方法。
  5. 請求項1から請求項4までの何れかの方法で栽培された後に、加熱、調理、または冷凍を施し、変色を抑制、または防止した冷凍品、水煮品、チルド品、乾燥品、及び抽出物の生産方法。
  6. 請求項1から請求項5までの方法で栽培、または生産され、加熱調理後に発生する変色が抑制、または防止されたことを特徴とする生鮮野菜。
  7. 請求項5の方法で生産され変色が抑制または防止された冷凍加工品、水煮加工品、チルド加工品、乾燥品、及び抽出物。
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