JP2006297293A - メタン発酵における臭気低減方法、及び該方法のための装置。 - Google Patents
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Abstract
【課題】悪臭の原因となる硫黄乃至窒素を含む化合物の発生を低減した、メタン発酵における臭気低減方法、及び該方法のための装置を開発する。
【解決手段】 有機性廃棄物のメタン発酵において、(a)メタン発酵槽からの消化液中の悪臭成分は、ガス浄化装置を通したガスと合流させ、メタン発酵槽に戻し、発酵槽内の消化液と浄化ガスが混合されることにより、低減されること(b)消化液の、悪臭成分が低減したのち、消化液を出荷することを特徴とするメタン発酵における臭気低減方法である。
【選択図】 図1
【解決手段】 有機性廃棄物のメタン発酵において、(a)メタン発酵槽からの消化液中の悪臭成分は、ガス浄化装置を通したガスと合流させ、メタン発酵槽に戻し、発酵槽内の消化液と浄化ガスが混合されることにより、低減されること(b)消化液の、悪臭成分が低減したのち、消化液を出荷することを特徴とするメタン発酵における臭気低減方法である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、メタン発酵における臭気低減方法、及び該方法のための装置に関するものである。
石油など所謂化石燃料をエネルギー源とする方法は、過去の蓄積を利用するものであるため、理論的には有限であり、また資源の産出地域も偏在し、価格の高騰も激しくなっている。一方原子力を利用する方法は、有害な放射性廃棄物の処理問題や、高度な運転管理技術を要する。従来発酵法によりエネルギー資源を得る方法として、発酵法によるエタノールを石油系炭化水素と混合し、自動車などのエネルギーとする試みも一部実用化されているが、なお、限定的である。
近年、天然ガス特にメタンガスは、燃焼に伴う、二酸化炭化の排出が少なく、また燃料電池のエネルギー源として有望であるため、石油の一部を代替可能なエネルギー源として、注目を集めている。メタンガスは、地中あるいは海底に埋蔵されているが、発酵法によっても得ることが可能である。
一方、牛、馬、豚、鶏などの家畜の飼育に伴う糞尿などの畜産廃棄物は、発酵させて廃水として流したり、発酵させて堆肥として利用したりしていた。しかし、発酵に伴う臭気の問題があった。このため、発酵後の消化液は、バッキによる好気性菌による処理が広くおこなわれているが、処理前は悪臭を放つ欠点があった。
近年、牛、馬、豚、鶏などの家畜の飼育に伴う糞尿などの畜産廃棄物をメタン発酵させ、メタンを得ようとする方法が注目され始めた。畜産廃棄物等の処理において、メタン発酵でメタンガスを得ると共に、藁を堆肥として製造する方法及び該方法のための装置に関する技術が開示されている。
畜産廃棄物の処理に伴う、主要な問題点は、悪臭である。このような悪臭は、硫黄乃至窒素を含む低分子化合物に由来するのであるが、住民に嫌われ、立地条件の制約になる。このため、悪臭の減少は、今後の主要な課題の一つとなっている。
そこで、本発明の目的は、悪臭の原因となる硫化水素等の含硫黄化合物や、アンモニア等の含窒素化合物の発生を低減した、メタン発酵における臭気低減方法、及び該方法のための装置を開発することである。
そこで、本発明の目的は、悪臭の原因となる硫化水素等の含硫黄化合物や、アンモニア等の含窒素化合物の発生を低減した、メタン発酵における臭気低減方法、及び該方法のための装置を開発することである。
すなわち本発明は、
(1)有機性廃棄物のメタン発酵において、
(a)メタン発酵槽からの消化液中の悪臭成分は、ガス浄化装置を通したガスと合流させ、メタン発酵槽に戻し、発酵槽内の消化液と浄化ガスが混合されることにより、低減されること
(b)消化液の、悪臭成分が低減したのち、消化液を出荷すること
を特徴とするメタン発酵における臭気低減方法、
(2) (1)の有機性廃棄物のメタン発酵において、
メタン発酵槽からのガスは、ガス浄化装置を通しガスを浄化してメタン発酵に戻すこと、
メタンガス及び消化液の、悪臭成分が低減したのち、メタンガス及び消化液を出荷することを特徴とするメタン発酵における臭気低減方法、
(3) 有機性廃棄物のメタン発酵装置において、
メタン発酵槽と、メタン発酵槽からのガスを浄化するためのガス浄化装置と、浄化ガスを戻すための配管を追加し、
悪臭成分が低減したのち、メタンガス及び消化液を出荷するための配管を有することを特徴とする臭気発生の低減したメタン発酵装置
である。
(1)有機性廃棄物のメタン発酵において、
(a)メタン発酵槽からの消化液中の悪臭成分は、ガス浄化装置を通したガスと合流させ、メタン発酵槽に戻し、発酵槽内の消化液と浄化ガスが混合されることにより、低減されること
(b)消化液の、悪臭成分が低減したのち、消化液を出荷すること
を特徴とするメタン発酵における臭気低減方法、
(2) (1)の有機性廃棄物のメタン発酵において、
メタン発酵槽からのガスは、ガス浄化装置を通しガスを浄化してメタン発酵に戻すこと、
メタンガス及び消化液の、悪臭成分が低減したのち、メタンガス及び消化液を出荷することを特徴とするメタン発酵における臭気低減方法、
(3) 有機性廃棄物のメタン発酵装置において、
メタン発酵槽と、メタン発酵槽からのガスを浄化するためのガス浄化装置と、浄化ガスを戻すための配管を追加し、
悪臭成分が低減したのち、メタンガス及び消化液を出荷するための配管を有することを特徴とする臭気発生の低減したメタン発酵装置
である。
本発明において行われるメタン発酵は、好ましくは、嫌気性雰囲気において行われる。使用される菌としては、通常のメタン発酵に使用される細菌が使用でき、例えば、サルシナあるいはミクロコッカス族の細菌が使用できる。メタン発酵の温度としては、35乃至55℃近くにおいて行われる。
本発明において、使用される有機性廃棄物とは、牛、馬、豚、鶏などの糞尿による廃棄物、野菜、肉などの切りくず、賞味期限が過ぎた食品の破棄物、残飯などをあげることができる。そして、これら有機性廃棄物は、水に分散乃至溶解して用いられる。
本発明において、有機性廃棄物に藁などが混合することがある。これらの藁は、あらかじめろ過、浮遊物として除去することもできるし、発酵後、ろ過、浮遊物として除去してもよい。
メタン発酵で得られたメタンガスは、硫化水素等の含硫黄化合物、アンモニアなどの含窒素化合物を含む。また消化液も同様に硫化水素等の含硫黄化合物、アンモニアなどの含窒素化合物を含む。
メタン発酵で得られたメタンガスをそのまま燃料などとして使用すると、硫化水素などの含硫黄化合物、アンモニアなどの含窒素化合物により、燃焼装置を痛めたり、悪臭を発生させたりするおそれがある。また消化液をそのまま肥料などとして農地に散布すると悪臭の原因となる。
このため、消化液、及びメタンガスの中に、これら硫化水素などの含硫黄化合物、アンモニアなどの含窒素化合物は可及的に少ない方がよい。本発明においては、メタン発酵槽中における、ガス浄化装置を通過した浄化ガスを循環させて、硫化水素などの含硫黄化合物、アンモニアなどの含窒素化合物を除去される。
消化液中硫化水素などの含硫黄化合物の除去法として、金属酸化物を使用し分解・吸着させる方法、活性炭を使用し吸着させる方法等がある。アンモニアなど含窒素化合物の処理方法としては、活性炭を使用し吸着する方法、オゾン酸化、ゼオライト処理などの方法がある。
メタン発酵の進行に伴い、メタンガスの濃度が上昇すると同時に消化液中の、含硫黄化合物の濃度が上昇する。このため、消化液と、ガス浄化装置を通過した浄化ガスとを合流しメタン発酵槽に循環し、含硫黄化合物が除去される。そして、メタンガス及び随伴ガスである炭酸ガスの濃度が飽和し、含硫黄化合物濃度が減少し所定の濃度に達したとき、消化液の貯留槽に排出される。なお、ガス濃度の分析は、ガスクロマトグラフなどの機器分析でも行うことができるが、簡便には検知管を使用する方法で行うことができる。
メタン発酵の進行伴い、メタンガスの濃度が上昇すると同時に、メタンガス中硫化水素などの含硫黄化合物の濃度が上昇する。そこで、好ましくは、メタンガスを含む、メタン発酵槽中のガスは、ガス浄化装置を通し、含硫黄化合物、アンモニア等の含窒素化合物は除去される。そして、メタンガス及び随伴ガスである炭酸ガスの濃度が飽和し、硫化水素等の、含硫黄化合物濃度が減少し所定の濃度に達したとき、メタンガス貯留槽に送られる。
図1は、本発明によるメタン発酵の一例を示す工程図である。有機廃棄物は、発酵原料貯蓄槽に受け容れる。この有機性廃棄物は熱交換機でメタン発酵に適した温度として例えば35〜40℃に昇温され、嫌気性発酵槽に移し必要な場合水を加えて懸濁液とする。この懸濁液に、メタン発酵のための菌を投入し、不活性ガスとして、窒素ガスを用い、攪拌する。発酵の進行に伴い、メタンガスが発生してくる。ガスはガス浄化装置を通過し、消化液はサージタンクで一時貯留され原水ホンプ入り口に導かれる。ガス浄化装置としては、ゼオライト、金属酸化物等の充填槽が使用された。メタンの発生が飽和したとき、ガスは、メタンガスタンクに移行し、消化液は消化液貯留槽に移行させる。ここに消化液から発生するガス濃度を分析し表1の結果を得た。なお、ガス濃度の分析は検知管法で行った。
従来の無処理の場合に比し、消化液の処理を行う本発明方法は、著しく硫化水素濃度、アンモニア濃度が減少していることが認められた。
本発明によれば、発酵の進行に伴い発生する硫化水素等の有機含硫黄化合物、アンモニア等の窒素化合物を除去している。このため以下に示す種々の優れた特徴がある。
(1)
消化液の悪臭が少なく、繰り返しバッキなどの脱臭の必要がない。たとえバッキを行ったとしてもバッキ時間が少なくてすむ。
(2) 消化液を肥料等として利用できる。
(3) 消化液の硫化水素等の有機含硫黄化合物やアンモニア等の窒素化合物の除去を行えば、メタンガスの精製が容易になる。
(4) 従来廃棄物として捨てられていたものから、有用なメタンガスや、肥料を得ることが可能となる。
(5) 特に大型の設備を必要としない。
(1)
消化液の悪臭が少なく、繰り返しバッキなどの脱臭の必要がない。たとえバッキを行ったとしてもバッキ時間が少なくてすむ。
(2) 消化液を肥料等として利用できる。
(3) 消化液の硫化水素等の有機含硫黄化合物やアンモニア等の窒素化合物の除去を行えば、メタンガスの精製が容易になる。
(4) 従来廃棄物として捨てられていたものから、有用なメタンガスや、肥料を得ることが可能となる。
(5) 特に大型の設備を必要としない。
Claims (3)
- 有機性廃棄物のメタン発酵において、
(a)メタン発酵槽からの消化液中の悪臭成分は、ガス浄化装置を通したガスと合流させ、メタン発酵槽に戻し、発酵槽内の消化液と浄化ガスが混合されることにより、低減されること
(b)消化液の、悪臭成分が低減したのち、消化液を出荷すること
を特徴とするメタン発酵における臭気低減方法。 - 請求項1の有機性廃棄物のメタン発酵において、
メタン発酵槽からのガスは、ガス浄化装置を通しガスを浄化してメタン発酵に戻すこと、
メタンガス及び消化液の、悪臭成分が低減したのち、メタンガス及び消化液を出荷することを特徴とするメタン発酵における臭気低減方法。 - 有機性廃棄物のメタン発酵装置において、
メタン発酵槽と、メタン発酵槽からのガスを浄化するためのガス浄化装置と、浄化ガスを戻すための配管を追加し、
悪臭成分が低減したのち、メタンガス及び消化液を出荷するための配管を有することを特徴とする臭気発生の低減したメタン発酵装置。
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JP2008136955A (ja) * | 2006-12-04 | 2008-06-19 | Kajima Corp | アンモニア阻害抑制型メタン発酵装置 |
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KR101906356B1 (ko) | 2016-06-21 | 2018-10-10 | 경기대학교 산학협력단 | 가스순환을 통한 유기성 폐기물의 혐기성 소화장치 및 방법 |
Citations (1)
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JP2005074323A (ja) * | 2003-09-01 | 2005-03-24 | Fuji Electric Holdings Co Ltd | メタン発酵処理方法及び装置 |
-
2005
- 2005-04-21 JP JP2005123399A patent/JP2006297293A/ja active Pending
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