JP2006293033A - 混合分布hmmの状態の出力確率計算方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 連続した時刻や観測信号の変化が少ないと判断される場合には、混合分布の出力確率を最大にする分布も変化しない可能性が高いことを利用して、混合分布HMMの出力確率を求める際に、最大出力確率となる分布を記憶しておき、連続した時刻あるいは観測信号の変化が少ない場合には、記憶した分布の出力確率を混合分布の出力確率とする。こうすることで混合分布の出力確率を計算する際に他の分布の出力確率計算を省き、出力確率に要する計算量を削減する。
【選択図】 図5
Description
K : 使用する特徴量(観測信号)の次元数、
O={o(1),o(2),...,o(K)} : 観測信号(K次元ベクトル)、
b(O):混合分布の出力確率、
b'(m,O):分布mの出力確率、
M:混合数、
w(m):分布mに対する重み、
σ2 (m,k):分布mのk次元の分散、
μ(m,k):分布mのk次元の平均
観測信号の時間変化が緩やかである場合、ある時刻tに観測された信号O(t)に対して最大出力確率となる分布は、わずかに変動した次の時刻の観測信号O(t+1)においても、最大出力確率となる可能性が高いと考えられる。つまり観測信号の変化が少ない場合は、最大出力確率となる分布も変動しないと考えられる。図4に簡単な例を示す。図4において上記した数5による近似演算を当てはめると、観測信号o(t)に対する混合分布の出力確率b(o(t))は、o(t)の出力確率が高い分布1(301)の出力確率値b'(1,o(t))で近似される。次の時刻t+1の観測信号o(t+1)が図4に示したようにo(t)に対してあまり変動しなかった場合、o(t+1)に対する混合分布の出力確率b(o(t+1))もまた、分布1の出力確率値b'(1,o(t+1))で近似される。
O(t)={o(t,1), ..., o(t,k), ..., o(t,K)}:時刻tの観測信号(K次元ベクトル)、
w(s,m):状態sの分布mに対する重み、
σ2 (s,m,k):状態sの分布mのk次元の分散、
μ(s,m,k):状態sの分布mのk次元の平均
本発明は、出力確率が最大になる分布(最大分布)を求める際に、その分布を記憶しておき、以降の出力確率計算時に観測信号の変化が少ない場合に、記憶されている最大分布の出力確率を混合分布の出力確率として他の分布の出力確率計算を省くことで計算量を削減する手法である。本実施形態では、別々の時刻に観測された観測信号同士の距離を計算し、その距離が閾値未満の場合を観測信号の変化が少ない場合とする。すなわち、最大分布を求めた時刻の観測信号と、現在の観測信号との距離が閾値未満の場合は、記憶されている最大分布の出力確率を混合分布の出力確率とする。
本実施形態は、ステップS105において出力確率計算部B(504)で計算される最大分布の出力確率値を、出力確率計算方法を切り替える基準とするものである。
上述の実施形態1〜3で用いた最大分布を計算するかどうかの条件判定(ステップS102、S106、S107)を複数組み合わせることも可能である。本実施形態では実施形態1と実施形態2とを組み合わせた場合を説明する。
上述の実施形態1〜4ではそれぞれ、ステップS102、S106、S107の判定に用いる閾値(Th1(s)、 Th2(s)、 Th3(s))を状態ごとに設定するようにしたが、本発明はこれに限るものではなく、全状態で共通としてもよいし、各状態の分布ごとに設定するようにしてもよい。あるいは、HMMの状態が属する音素あるいは母音や子音などといった音素クラスごとに設定するようにしてもよい。
Claims (10)
- 記憶装置に記憶された認識対象の事象をモデル化した混合分布HMM、を用いて観測信号のパターン認識を行うパターン認識装置によって実行される、混合分布HMMの状態の出力確率計算方法であって、
第1の観測信号について、状態に属する全分布の重み付き出力確率を計算し、その最大値および、最大値を出力する分布である最大分布を求め、求まった最大値を混合分布の出力確率とする第1の出力確率計算工程と、
第1の出力確率計算工程で求められた最大分布を特定する情報を記憶装置に格納する最大分布記憶工程と、
所定の条件を満たす場合、第1の観測信号よりも後に観測された第2の観測信号については、第1の出力確率計算工程に代えて、最大分布記憶工程において記憶装置に格納された最大分布の重み付き出力確率を計算し、その計算した重み付き出力確率を混合分布の出力確率とする第2の出力確率計算工程と、
を有することを特徴とする出力確率計算方法。 - 前記所定の条件は、最後に行われた第1の出力確率計算工程の実行時から所定時間を経過していないこと、とすることを特徴とする請求項1に記載の出力確率計算方法。
- 前記所定の条件は、最後に行われた第1の出力確率計算工程で対象とされた観測信号と現在の観測信号との距離が所定値未満であること、とすることを特徴とする請求項1に記載の出力確率計算方法。
- 前記所定の条件は、最後に行われた第1の出力確率計算工程の実行時から所定時間を経過しておらず、なおかつ、当該最後に行われた第1の出力確率計算工程で対象とされた観測信号と現在の観測信号との距離が所定値未満であること、とすることを特徴とする請求項1に記載の出力確率計算方法。
- 記憶装置に記憶された認識対象の事象をモデル化した混合分布HMM、を用いて観測信号のパターン認識を行うパターン認識装置によって実行される、混合分布HMMの状態の出力確率を計算する出力確率計算方法であって、
第1の観測信号について、状態に属する全分布の重み付き出力確率を計算し、その最大値および、最大値を出力する分布である最大分布を求め、求まった最大値を混合分布の出力確率とする第1の出力確率計算工程と、
第1の出力確率計算工程で求めた最大分布を特定する情報を記憶装置に格納する最大分布記憶工程と、
第1の観測信号よりも後に観測された第2の観測信号について、最大分布記憶工程により記憶装置に格納された最大分布の重み付き出力確率を計算し、その計算した重み付き出力確率を混合分布の出力確率とする第2の出力確率計算工程と、
第2の出力確率計算工程で計算された出力確率が所定の閾値以下である場合には、第1の出力確率計算工程により出力確率を再計算させる制御工程と、
を有することを特徴とする出力確率計算方法。 - 混合分布HMMの状態の出力確率を計算する出力確率計算装置であって、
状態に属する全分布の重み付き出力確率を計算し、その最大値および、最大値を出力する分布である最大分布を求め、求まった最大値を混合分布の出力確率とする第1の出力確率計算手段と、
第1の出力確率計算手段により求められた最大分布を特定する情報を記憶する記憶手段と、
記憶手段に記憶された最大分布の重み付き出力確率を計算し、その計算した重み付き出力確率を混合分布の出力確率とする第2の出力確率計算手段と、
所定の条件を満たすか否かに応じて、第1の出力確率計算手段と第2の出力確率計算手段とを切り替える制御手段と、
を有することを特徴とする出力確率計算装置。 - 混合分布HMMの状態の出力確率を計算する出力確率計算装置であって、
第1の観測信号について、状態に属する全分布の重み付き出力確率を計算し、その最大値および、最大値を出力する分布である最大分布を求め、求まった最大値を混合分布の出力確率とする第1の出力確率計算手段と、
第1の出力確率計算手段により求められた最大分布を特定する情報を記憶する記憶手段と、
第1の観測信号よりも後に観測された第2の観測信号について、記憶手段に記憶された最大分布の重み付き出力確率を計算し、その計算した重み付き出力確率を混合分布の出力確率とする第2の出力確率計算手段と、
第2の出力確率計算手段により計算された出力確率が所定の閾値以下である場合には、第2の出力確率計算手段により出力確率を再計算させる制御手段と、
を有することを特徴とする出力確率計算装置。 - 請求項6または7に記載の出力確率計算装置を含む音声認識装置。
- 請求項1から5までのいずれかに記載の出力確率計算方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
- 請求項9に記載のプログラムを記録した、コンピュータで読み出し可能な記録媒体。
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