JP2006292897A - 電気泳動表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 画像表示維持のために電力を必要としないメモリ性を付与すると共に、低電圧、低消費電力駆動が可能な電気泳動表示装置を提供する。
【解決手段】 帯電粒子と、該帯電粒子を分散させる分散媒とが、内壁で囲まれた区画内に収容され、該区画内帯電粒子を移動させ、内壁の複数箇所に付着させることにより複数の表示状態を生成する電気泳動表示装置であって、前記帯電粒子の表面と分散媒が下記の(A)乃至(C)のいずれかであり、かつ、少なくとも該区画内に帯電粒子と分散媒とが収容された状態において、該内壁が長鎖原子団を有する電気泳動表示装置。(A)親水性の帯電粒子の表面と、疎水性あるいは疎水性かつ疎油性の分散媒、(B)疎水性の帯電粒子の表面と、親水性あるいは疎水性かつ疎油性の分散媒、(C)疎水性かつ疎油性の帯電粒子の表面と、疎水性あるいは親水性の分散媒。
【選択図】図1

Description

本発明は、分散媒に分散させた複数の帯電粒子を電界の作用にて移動させ表示を行う電気泳動表示装置に関する。
図4は、従来の電気泳動表示装置の構造の一例を示す断面図である。この図に示す電気泳動表示装置は、所定の間隔をあけた状態に配置された一対の基板101、102と、この基板101、102の間に充填された絶縁性液体103と、該絶縁性液体103に分散された多数の着色帯電粒子104、105と、それぞれの基板101、102上に画素毎に配置された表示電極106、107を備えている。着色帯電粒子104、105は相対する極性に、正極性または負極性に帯電されていて、それぞれ異なる色に着色されている。また、画素と画素の間には隔壁108が設けられており、着色帯電粒子104、105の他の画素への移動を防止して均一表示を維持できるように構成されている。
基板101側から観察する場合、電極106、107への電圧印加によって図4(a)に示すように着色帯電粒子104を基板101の方へ集めると該粒子104の色が画素の色として視認され、図4(b)に示すように着色帯電粒子105を電極101の方へ集めると該粒子105の色が画素の色として視認される。このような制御を画素毎に行うことにより、電気泳動表示装置全体としては様々な画像を表示することができる。
このような原理により表示を行う電気泳動表示装置において、電気アドレッシングにより書き込まれた画像を、表示維持電力を必要とせずに表示し続けること(メモリ性)が可能になると考えられている。電気アドレッシングにより一度書き込まれた画像が表示維持電力を必要とせずに長時間維持可能であれば、画像表示に必要な消費電力を極小さくできるほか、表示させた画像を持ち運ぶ際に駆動装置ならびに電源を持ち運ぶ必要がなく表示素子部のみを取り外すことが可能となるため、携帯性にも優れる。
メモリ性を電気泳動表示装置に付与する方法としていくつかのものが提案されている。例えば、泳動媒質中に膨潤性層状粘度鉱物を含有させることにより、泳動媒質にチクソトロピックな性質が付与される。チクソトロピックとは、静止時にはゼリー状の状態を維持し、一方、その系に力が加えられることにより流動性が増し、液体のような挙動を示すものをいう。このため、表示粒子を長時間保持することができ、安定した表示を行わせることができる(特許文献1参照)。
また、粒子表面と粒子に吸着した樹脂との間の酸塩基解離と非イオン性の極性成分による溶媒和効果により電荷が発生し、また、吸着した樹脂による立体効果によって分散安定性の相乗効果が得られ、長期安定と早い応答速度が両立した画像表示媒体が提供できることが報告されている(特許文献2参照)。
特開2001―265261号公報 特開2002―62545号公報
電気泳動表示装置においては、基板表面との吸着と脱離が繰り返し可能な帯電粒子と基板表面の関係が必要である。吸着状態が安定に保たれると同時に、比較的低い電圧で粒子を基板表面から脱離させることが出来なければならない。
さらに、表示画像にメモリ性を持たせるには、基板表面に粒子が吸着した状態を安定に保つだけでなく、基板表面に吸着した粒子の上にさらに他の粒子が重なった状態も安定に保つ必要がある。
とくに、図4の上下移動型の電気泳動でなく、以下の実施例中で説明するような、基板面方向に移動させる水平移動型の電気泳動表示装置の場合は、粒子が一方の電極上に広がって表示面から視認される状態と、粒子がもう一方の電極に集められ、基板面が露出して視認される状態とが切り替えられて表示状態を形成する。
この場合は、一方の表示状態が、表示面から見て面積の狭い電極上に粒子が集積した状態となるので,粒子が電極上で重なって存在することになり、この状態を安定に保つ必要がある。
本発明は、帯電粒子と、該停電粒子を分散させる分散媒とが、内壁で囲まれた区画内に収容され、該区画内帯電粒子を移動させ、内壁の複数箇所に付着させることにより複数の表示状態を生成する電気泳動表示装置であって、前記帯電粒子の表面と分散媒が下記の(A)乃至(C)のいずれかであり、かつ、少なくとも該区画内に帯電泳動粒子と分散媒とが収容された状態において、該内壁が長鎖原子団を有することを特徴とする電気泳動表示装置である。
(A)親水性の帯電粒子の表面と、疎水性あるいは疎水性かつ疎油性の分散媒
(B)疎水性の帯電粒子の表面と、親水性あるいは疎水性かつ疎油性の分散媒
(C)疎水性かつ疎油性の帯電粒子の表面と、疎水性あるいは親水性の分散媒
以下、本発明の態様を詳細に説明する。
本発明の電気泳動表示装置は、帯電粒子と、該帯電粒子を分散させる分散媒とが、内壁で囲まれた区画内に収容され、該区画内で該帯電粒子を移動させ、内壁の複数箇所に付着させることにより複数の表示状態を生成する電気泳動表示装置であって、前記帯電粒子の表面と分散媒が下記の(A)乃至(C)のいずれかであり、かつ、少なくとも該区画内に帯電泳動粒子と分散媒とが収容された状態において、該内壁が長鎖原子団を有することを特徴とする。
(A)親水性の帯電粒子の表面と、疎水性あるいは疎水性かつ疎油性の分散媒
(B)疎水性の帯電粒子の表面と、親水性あるいは疎水性かつ疎油性の分散媒
(C)疎水性かつ疎油性の帯電粒子の表面と、疎水性あるいは親水性の分散媒
一般に、固体または液体表面は、他の固体または液体との間に界面を形成するときに、界面エネルギーが発生する。接触によってより大きな界面エネルギーが発生するときは、界面を形成しやすい。例えば、帯電粒子と分散媒において、界面エネルギーが大きい程、分散媒において帯電粒子はより安定に接触状態を維持しする。この時、帯電粒子の分散媒に対する親和性が低いまたは小さいという。
分散媒における帯電粒子の親和性が大きいとき、帯電粒子は分散媒中においてより安定に接触状態を維持し、また、帯電粒子と内壁の親和性が大きいとき、帯電粒子は内壁により安定に接触状態を維持する。
水に対する親和性は親水性とも呼ばれる。親水性が低いことを疎水性であるともいう。同様に、油脂に対しての親和性は親油性、疎油性という。
以下、図1と図3を参照して説明する。
図3(a)は、電気泳動表示装置の断面を模式的に示す図である。所定の間隔を開けた状態に配置された一対の基板1a、1bと、これらの基板1a、1bの間隔に封止された分散媒2及び複数の帯電粒子3と、を備えている。なお、本明細書では、分散媒2に複数の帯電粒子3を分散させたものを電気泳動分散液4とする。
基板間隙には、その厚みを規定するためのスペーサを配置しても良い。また、一対の基板1a、1bの間隙を仕切るようにすると良く、そのために、隔壁5及びスペーサの両方を設けても、隔壁5にスペーサとしての機能を兼用させても良い。隔壁5は、一対の基板1a、1bと隔壁5により規定される微小空間9が1画素に対応するように配置すると良い。ここで、基板1aと対向する基板1b上と隔壁5により規定される微小空間9を構成する表面層を“内壁7”とする。
この電気泳動分散液4に近傍する位置に一対の電極8a、8bを配置して、電界を印加できるようにすると良い。更に、電極8a、8bを覆うように絶縁層6を形成することができ、絶縁層6を形成することにより各電極8a、8bから帯電粒子3への電荷注入を防止できる。なお、図3(a)では、これらの電極8a、8bは基板1bと隔壁5にそれぞれ配置されているが、上基板1aもしくは下基板1bに電極8a、8bを共に配置しても、両基板1a、1bにそれぞれ配置しても良い。また電極は、一対の基板1a、1bと隔壁5により規定される微小空間に対して一対に限定されるものではなく、一つの微小空間に複数の電極を配置してもよい。
また、上記微小区間を形成する内壁7がマイクロカプセルであってもよく、この時、隔壁5は別途設けなくてもよい。図3(b)では、電極8aが基板1bに、電極8bが隔壁5にそれぞれ配置されている構成において、内壁7がマイクロカプセルにより形成されている場合の構成を示している。
本発明の電気泳動表示装置を反射型表示装置として用いる場合には、観察者側となる基板(観察面)に対向する基板(支持基板)上に反射層を設けることができる。反射層は支持基板上に別途設けることも、電極が兼ねることもできる。また、視認性を高める為に散乱層を設けてもよい。
次に、本発明に係るメモリ性付与機構について、図1により説明する。
図1は、帯電粒子3が部分的に隔壁5の表面と絶縁層6で覆われた電極8aの表面とに吸着した状態を示している。観察面から見ると、帯電粒子が部分的に視認された中間的な表示状態に対応する。
電圧が印加されていない時は、この状態が安定に保持されなければならない。すなわち、図1において模式的に示したように、帯電粒子3と内壁(隔壁5の表面および絶縁層6の表面)の間に引力11a,11bが働き、帯電粒子同志の間にも引力10が働いていなければならない。
特に、隔壁5の表面に粒子が集合した状態においては、粒子が重なって存在するために、粒子間の引力10がメモリ性を維持する上で重要である。
以下において、分散媒2と帯電粒子3と内壁7の関係規定について詳細に説明する。
帯電粒子3の表面は分散媒2に対して適度に低い親和性の表面層を有する、つまり、
(A)親水性の帯電粒子の表面と、疎水性あるいは疎水性かつ疎油性の分散媒
(B)疎水性の帯電粒子の表面と、親水性あるいは疎水性かつ疎油性の分散媒
(C)疎水性かつ疎油性の帯電粒子の表面と、疎水性あるいは親水性の分散媒
のいずれかである。
この帯電粒子3と分散媒2との関係規定により、帯電粒子3は分散媒2に濡れにくく、帯電粒子3が分散媒2とより多くの界面を有する高い分散状態にあるよりも、帯電粒子3同士が接近、付着することにより分散媒と接する表面積を減らした時にエネルギー的に安定となる。なお、帯電粒子表面層は帯電粒子に固定化されている必要はなく、分散媒中で帯電粒子の特性を実効的に決定している、分散媒と界面を形成している表面を指すものである。帯電粒子3と分散媒2との関係を上述したように規定した系では、帯電粒子3の間に粒子集合状態を安定に存在させる力(帯電粒子間引力10;図1)が働く。
しかし、電極8a、8b間に電圧を印加した時には帯電粒子3は図1の集合状態から離脱して分散状態に移行しなければならない。ここでいう分散状態とは、望ましくは帯電粒子3が単一分散していることであるが、印加電圧に対して駆動が可能であれば数個の帯電粒子3が付着した状態であっても良い。
帯電粒子3の分散性を制御する方法としては、帯電粒子3の表面を高分子ポリマーなどで被覆する、分散媒へ分散剤、荷電制御剤を添加する、などの方法が有効である。本発明は、この分散性を上で規定した粒子表面と分散媒の関係の範囲内で高めるものである。これにより、集合状態の安定性と、電圧印加時の分散媒への分散とを両立させることができる。
つまり、本発明は、帯電粒子3の電圧印加時における駆動力と帯電粒子間引力を、粒子表面と分散媒の親和性、すなわち両者の親水性、疎水性、疎水性かつ疎油性の組み合わせによって制御する。これにより、電極8a、8b間に電圧を印加していない時は帯電粒子間引力10が優位に働き帯電粒子3は集合状態を維持し、一方、帯電粒子間引力10よりも大きな帯電粒子3の駆動力が得られる電圧を電極8a、8b間に印加した時には、集合状態にある帯電粒子3は分散し、電界プロファイルに従って泳動する。
上記関係を満たす分散媒2と帯電粒子3との関係規定により、帯電粒子3は、電極8a、8b間に電圧を印加している時には分散して泳動し、電圧を印加していない時は集合状態を維持するという可逆的分散性を付与することができる。
更に、少なくとも内壁7で囲まれた区画内に帯電粒子3と分散媒2とが収容された状態において、内壁7が長鎖原子団を有する。内壁が有する長鎖原子団と粒子間にセグメント間引力、セグメント−表面間引力、架橋引力のうち少なくとも1つが働く組合せを選択することにより、帯電粒子3を内壁7への付着状態を安定に存在させる力(帯電粒子−内壁間引力11a、11b[不可視];図1)が働く。上述した(A)〜(C)のいずれかの規定でなされた適度な帯電粒子間引力10を有する帯電粒子3は、電極8a、8b間に印加された書き込み電圧に従い内壁7側へ押し付けられ、
帯電粒子間引力10と帯電粒子−内壁間引力11a、11bにより、書き込み電圧が印加されていない状態でも、粒子分布状態を維持することができる。
ここでも、電極8a、8b間に電圧を印加して帯電粒子3を別の場所に移動させる為には、与えられた駆動電圧の範囲内で粒子を壁面から脱離させなければならない。
また、中間調を表示する場合には、少なくとも印加電圧に対して一部の帯電粒子3が内壁7から脱離し得る状態でなければならない。例えば、図1の状態から出発して50%の中間調を表示する場合には、印加電圧に対して半分の帯電粒子泳動、残りの泳動の必要のない帯電粒子3については、内壁7に付着状態を維持することが求められる。
したがって、帯電粒子―内壁間引力11a、11bは、適度に大きくする必要があるが、過度に大きくしてはならない。
長鎖原子団による帯電粒子−内壁間引力11a、11bは、セグメント間引力、セグメントー表面間引力、架橋引力の少なくとも一つが働くことによるが、これらは長鎖原子団が有する非摂動回転半径、長鎖原子団による表面被覆率、長鎖原子団に対する分散媒混和性を変えることにより制御することが可能である。非摂動回転半径とは、長鎖原子団コイルの有効サイズを示す値であり、長鎖原子団のセグメント数、セグメント長により決まる。非摂動回転半径Rgは次式により与えられる。
Figure 2006292897
ここで、nはセグメント数、lは有効セグメント長、Mはセグメント分子量、Mは長鎖原子団分子量、である。非摂動回転半径の大きなものほど表面間距離が離れていても引力が働く。非摂動回転半径は理想溶媒中での値であり、実際の溶媒種により実際の回転半径(Flory半径)は大きくも、小さくもなる。良溶媒中ではセグメント間働く斥力により、より膨張する。対して貧溶媒中ではセグメントは互いに引き合い、コイルは収縮する。内壁が電気泳動液に接する実際の素子においては、電気泳動分散液における長鎖原子団のFlory半径が帯電粒子との引力の大きさを決定する。
なお、長鎖原子団コイルとは、溶液中における長鎖原子団の形状状態を言っており、溶液中における長鎖原子団のセグメント間相互作用の大きさにより決定する。
また、表面被覆率とは、内壁表面において、長鎖原子団により覆われている、単位面積あたりの面積比率を示す。表面被覆率は、内壁において分布を形成しても良い。例えば、観察面となる基板1aと、被覆層13で表面被覆率を変化させることにより、帯電粒子と働く引力を制御し、例えば、観察面となる基板1aには帯電粒子が張り付かない条件を設定することが可能である。
長鎖原子団による被覆率は、低すぎず高すぎもしない適度な値を有することが望ましい。被覆率が高すぎる場合には架橋を形成するのに十分な数の未占有結合部位が存在せず、被覆率が低すぎる時は架橋密度も低くなる。実際の分散液中でのコイル有効サイズよりも小さい被覆率においては強い架橋引力が存在する。
分散媒は長鎖原子団に対して混和性の低い貧溶媒であるほうが強いセグメント間引力が得られる。
また、帯電粒子3に長鎖原子団の吸着サイト、同種のセグメントにより構成される長鎖原子団を付与することで、より強い帯電粒子−内壁間引力11a、11bを得ることも可能となる。
帯電粒子−内壁間引力11a、11bは長鎖原子団の吸着状態でも制御することが可能であり、内壁7を構成する表面層に固定(化学吸着)されていても、物理吸着状態にあっても、特に限定されないが、より強い帯電粒子−内壁間引力11a、11bを得る為には、物理吸着している長鎖原子団を含むことが望ましい。物理吸着する長鎖原子団の再配置により帯電粒子−内壁間引力11a、11bは強くなる。
帯電粒子−内壁間引力11a、11bを適切な値に制御する為には、内壁7および帯電粒子3の表面層が有する長鎖原子団の構造、動力学との対応について把握することが必要となるが、中性子小角散乱、中性子およびX線の反射率、NMR、偏光解析、内部全反射法など種々の散乱、反射および分光学的方法により測定することが可能である。
また、帯電粒子−内壁間引力11a、11bは分散媒への荷電制御剤の添加により変更することも有効である。
更に、電気アドレッシングにより帯電粒子3を内壁7から脱離させる方向の力を印加した時に、帯電粒子−内壁間引力11a、11bにより内壁7に付着する帯電粒子3が素早く分散媒2に再分散するためには、分散媒2に対する長鎖原子団の溶解性がより高いほうが電圧印加時の高い粒子再分散性付与のためには望ましい。
本発明は、この引力の調節を、帯電粒子表面と内壁の間の親和性と、内壁を覆う長鎖原子団とのバランスによって行なおうとするものである。帯電粒子―内壁間引力の大きさは変動しても、それに応じて粒子と分散媒の間の力を変化させることにより、つねに所定の吸着安定性と所定電圧での脱離を両立させることができる。
つまり、本発明によれば、帯電粒子3の表面と内壁7の間の引力と、帯電粒子3と分散媒2との引力との関係を、前者が後者よりも大きくなるように設定し、その範囲で帯電粒子3と内壁7との引力を小さくする。それによって、帯電粒子3の電圧印加時における駆動力と、帯電粒子3と内壁7の間に働く引力を適正にすることができる。その結果、電極8a、8b間に電圧を印加していない時は帯電粒子−内壁間引力11a、11bが優位に働き帯電粒子3は内壁7への付着状態を安定に保ち、一方、帯電粒子−内壁間引力11a、11bよりも大きな帯電粒子3の駆動力が得られる電圧を電極8a、8b間に印加した時には、内壁7に付着状態にある帯電粒子3は脱離し、電界プロファイルに従って泳動する。
一度電気アドレッシングによる画像書き込みを行えば表示維持電力を供給しなくても画像は安定して表示され続けるため、画像の表示の書き換え時以外、電力を必要としないことに加えて、電気泳動表示装置の表示素子部を構成する帯電粒子、分散媒、内壁の材料個体間に働く相互作用力(引力と斥力)を任意に調整できる。つまり、電圧無印加時の表示安定性と、電圧印加時の駆動安定性を兼ね備えた構成を得ることができる。
帯電粒子の帯電量を大きくするように帯電粒子を設計した時に、その特性に合わせ、本発明による条件を満たすように分散媒、内壁との関係を設定することができる。それによって、電気泳動させる為の電圧を低く抑えて、消費電力を低減することも可能である。
帯電粒子間での親和力よりも、帯電粒子−内壁間での親和力の方が大きいと、電極間に電界を印加した際に、まず、帯電粒子間で接する帯電粒子が引き剥がされ駆動し、次に、内壁と接する帯電粒子が引き剥がされ駆動する。この結果、メモリ状態にある帯電粒子が塊となったまま駆動することを防ぎ、駆動時の粒子分散性を高めることができる。分散性が高いと、粒子の駆動を制御しやすいので、階調表示の精度を向上させることができる。
上記関係を満たす帯電粒子3と内壁7との関係規定により、帯電粒子3は、電極8a、8b間に書き込み電圧を印加している時には内壁面から脱離、泳動し、電圧を印加していない時は内壁への付着状態を維持するという可逆的付着/脱離機能を付与することができる。
本発明において、分散媒2と帯電粒子3の関係を、親水性もしくは疎水性もしくは疎水性かつ疎油性から選ばれた2つの物性の組み合わせから規定している。
分散媒に関しては、水と混和する分散媒はおおむね親水性であり、水と相分離する分散媒は疎水性である。固体表面においては、水に対する接触角が90°未満の表面はおおむね親水性であり、水に対する接触角が90°以上の表面は疎水性である。
分散媒はフッ素原子を含有する化合物を含むと疎水性かつ疎油性を呈する。帯電粒子の表面は、フッ素原子を含有する化合物が表面に存在し、フッ素原子が表面において表面層を構成する原子種の0.1%以上を占めていると疎水性かつ疎油性を呈する。帯電粒子の表面を構成する原子種の特定は、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)の他、一般的な原子種分析手段により行うことができる。
帯電粒子3の表面において、親水性付与のために、アミノ基、アミド基、イミド基、カルボキシル基、カルボニル基、水酸基、スルホ基のうち少なくとも1種を表面に含有させることができる。
疎水性付与のためには、ハロゲン置換体、珪素原子、アルキル基、フェニル基、ベンジル基、ナフチル基のうち少なくとも1種を表面に含有させることができる。また、疎水性かつ疎油性を付与するためには、少なくとも弗素原子を表面に含有させることができる。
これらの官能基、原子種、長鎖原子団を帯電粒子3の表面に付与する為には、グラフト重合などの方法により表面に固定化(化学吸着)させる、もしくは、分散媒中に添加し表面に物理吸着させることが可能である。
内壁7の表面が有する長鎖原子団についても同様に、長鎖アルキル、フェニル基などを有する高分子ポリマーもしくはカップリング剤などの化学吸着、もしくは分散媒中に高分子樹脂などを添加することによる物理吸着などの方法により可能である。
帯電粒子の表面に関しては、これらの官能基、原子種の複数種を同一表面に含有させることも可能であり、複数種の含有により帯電粒子間引力10、帯電粒子−内壁間引力11a、11bを最適な値に設定することができる。
当該表面層に含有させる官能基、原子種の設定においては、帯電能に着目して設定することも重要であり、例えば、帯電粒子3に安定な強い帯電能を付与する為にメタクリル酸や弗素原子を含有するアクリル酸およびメタクリル酸等を用いることができる。
複数種の官能基、原子種を同一表面に存在させるために、帯電粒子3に対しては、複数種のモノマーを用いた共重合、2段階重合などの方法を、内壁7に対しては、シランカップリング剤を用いた段階反応、有機シラン単分子膜を用いた表面のマイクロパターニングなどの方法を適用することができる。
内壁7においては、上記手法などを用いて帯電粒子−内壁間引力11a、11bが異なる領域を作製することが可能であり、例えば、分散媒2と接する内壁7において、隔壁5にあたる領域と絶縁層6にあたる領域で異なる帯電粒子3との親和性を設定することで、帯電粒子−内壁間引力11a、11bをそれぞれ異なる大きさで設定することができる。ここでいう親和性の異なる領域とは、水および油の液滴を形成した時に得られる接触角の違いとして評価することが可能であり、評価液体にn−ヘキサデカン、グリセリン、ホルムアミド、沃化メチレン、水などの液体を用いることにより表面自由エネルギー(界面エネルギー、界面張力)の違いとして評価することが可能である。帯電粒子3と内壁7の間により親和性の高い、つまり帯電粒子がより貼り付き易い領域を内壁7において設定するためには、帯電粒子3の表面層と内壁7の表面自由エネルギーを離した方が帯電粒子と内壁との貼り付き力が増す。また、特定の極性基間に働く電気的相互作用力や水素結合力、フッ素原子により得られる高疎水性かつ高疎油性の特性表面を利用し、帯電粒子3と内壁7の親和性を制御することもできる。
内壁7のうち、観察面となる基板1aの側には帯電粒子3が付着しないよう、この内壁部分を帯電粒子3と引力を生まない表面に設定することが可能である。このとき帯電粒子3と基板1aの間には帯電粒子3の付着を阻害する力(帯電粒子−内壁間斥力12;図1参照)が働き、帯電粒子3が観察面となる基板1aへの貼り付きを防止する。内壁7の表面に形成する帯電粒子3と引力の異なる領域は複数形成されていてよい。
また、本発明においては、分散媒2と帯電粒子3と内壁7の関係を組み合わせにより得られる親和性の大きさを基準に規定している。前述のとおり、親和性の大きさは表面エネルギーから定められる。表面エネルギーは、固体の場合は試料表面の濡れ性、液体の場合は試料の凝集力(大きな凝集力を有する液体は固体表面を濡らし難い)を指標とすることができる。
一定以上の広さを持つなら固体試料の表面自由エネルギーは、周知の方法により測定することが可能である。本発明においては、内壁7については同材料により評価する固体表面上に接触した標準液体と固体表面とのなす角度θを測定し求めた(接触角法)。
帯電粒子3については、粉体の表面の液体への濡れを評価する手法として『超微粒子開発応用ハンドブック((株)サイエンスフォーラム)』に解説されている浸透速度法を用いた。標準液体と帯電粒子とのなす角度θを求めることで、表面自由エネルギーが求められる。浸透速度法を用いた測定装置として、ウエットテスタ(三協パイオテク製)などがある。
液体試料の表面張力は、測定試料をシリンジ針先より押し出し形成される液滴の形状、標準試料の密度より算出し求めることができる。
以下、図3(a)に例示した電気泳動表示装置の構成要素について説明する。
(1)帯電粒子
本発明に用いる帯電粒子3としては、前記帯電粒子の表面と分散バイトの親和性の関係が(A)乃至(C)のいずれかの組み合わせを満たすものであれば、無機粒子、高分子樹脂粒子あるいはこれらの複合粒子のいずれにも特に限定はされない。帯電粒子3が無機粒子である場合には、二酸化チタン、黒鉛、カーボンブラック、シリカ、アルミナなどを用いることができる。これらの無機粒子は、造粒法、粉砕法、ゾルゲル法から得られたものを分級することにより本発明の帯電粒子3として用いることができるが、その製法は特に上記方法に限定されない。帯電粒子1が高分子樹脂粒子の場合には、懸濁重合法、分散重合法、シード重合、あるいは乳化重合法などの公知の方法から得ることができるが、これらの方法に限定されるものではない。
帯電粒子3が複合粒子である場合、使用する高分子重合体としては本発明の条件を満たすものであれば特に限定されないが、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリアクリルレート、ポリアクリル酸エステル、ポリエチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン−メタクリル酸共重合体、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリエチレン系樹脂その他ポリ塩化ビニル樹脂、ニトロセルロース、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂等の高分子材料が挙げられる。これらの材料は単独あるいは2種類以上を併用してもよい。
また、本発明に用いる粒子としては、市販の粒子を用いることができる。例えば、ミクロパール(積水化学工業(株)製)、ナトコスペーサー粒子(ナトコ(株)製)、エポカラー粒子(日本触媒化学工業(株)製)、ケミスノー(総研化学(株)製)、トスパール(GE東芝シリコーン(株)製)、テクポリマー(積水化成品工業)等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
また、帯電粒子3に所望の表面特性を付与する為に、帯電粒子3の表面を被覆することができる。具体的には、核となる粒子に対して高分子重合体のモノマーをシード重合させる方法、グラフト重合させる方法、カップリング剤によるカップリング基を介して粒子表面を高分子重合体で被覆する方法、あるいは高分子重合体を溶媒に溶解させた溶液で帯電粒子表面を被覆し溶媒を除去する方法、帯電粒子表面をプラズマ処理する方法、などが挙げられる。
本発明の帯電粒子3は、使用する電気泳動表示装置の表示方法に合わせて着色することができる。着色剤としては特に限定されないが、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、硫酸バリウム、ニグロシン、鉄黒、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーン・オキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド、C.I.ピグメント・イエロー、C.I.ピグメント・ブルー、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウォッチングレッドカルシウム塩、ブリリアントカーミン3B、ファストバイオレッドB、メチルバイオレッドレーキ、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、キナクリドン、ローダミンB、ファーストスカイブルー、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等の顔料が挙げられる。これらの着色剤の中で、単独で使用できる顔料は、本発明の範囲で使用することができる。
また、Valifast Red、Valifast Yellow、Oplas Red、Oil Scarlet〔オリエント化学社製〕、Oil Blue V、Oil Green、Bright Green、SudanI V、SudanI II〔大和化工社製〕、Sumiplast Blue、Sumiplast Red HFG、Sumiplast Red HF4G、Sumiplast Yellow、WhiteflourB〔住友化学工業社製〕、Macrolex Red GS〔バイエル・ジャパン社製〕、Microlis Blue、Microlis Green、〔日本チバガイギー社製〕等の油性染料、Orient Oil Black〔オリエント化学社製〕、Sumikaron Brilliant Blue、Sumikaron Violet〔住友化学工業社製〕、Kayacryl Black、Kayalon Polyester Blue、Kayaron Polyester Red〔日本化薬社製〕等の染料が挙げられる。
複数の顔料粒子または/ならびに染料と高分子重合体からなる複合粒子を作製する方法としては、高分子重合体の重合過程(モノマー仕込み時を含む)で顔料粒子や染料を添加して乳化重合、分散重合、懸濁重合、あるいはシード重合を行う方法、高分子重合体の粒子自体を染料で染色する方法、顔料粒子を高分子重合体と溶融混練し粉砕する方法、高分子重合体を溶媒に溶解させた溶液に顔料粒子あるいは染料を添加し、その後溶媒を除去、溶液の温度を下げる、あるいは貧溶媒を使用した再沈殿を行って複合粒子を析出・造粒する方法等、公知の方法で行うことができる。また、複合粒子を構成する高分子重合体あるいは染料は、分散媒に対する不溶化を目的として架橋処理や固定化処理を施して使用することもできる。さらに、複合粒子の着色度合いに応じて、顔料粒子と染料を混合して使用することができる。
本発明に用いられる帯電粒子3の平均粒径は、本発明の条件をみたすものであれば特に限定されないが、0.1μm以上10μm以下、更には0.1μm以上3μmの範囲であることが好ましい。0.1μm未満であるとハンドリング性が低下し、3μmを超えると表示の解像度が低下する。本発明の帯電粒子3においては、必要に応じて乾式分級、湿式分級等の公知の方法で、平均粒径を本発明の範囲内に制御することができる。
本発明に用いられる電気泳動分散液4における帯電粒子3の濃度は0.1重量%以上30重量%以下であることが好ましい。また、電気泳動分散液4の粘度は0. 1mPa・s(0.1cp)以上30mPa・s(30cp)以下であることが好ましい。
電気泳動分散液4は着色の異なる複数の粒子から構成されていてもよく、その時電気泳動分散液4における帯電粒子3の濃度は0.1重量%以上50重量%以下であることが好ましい。但し、本発明に本発明の条件をみたすものであれば上記値に限定されるものではない。
(2)分散媒
本発明における分散媒2としては、上記条件を満たすものであれば特に限定されない。
例えば、親水性分散媒としては、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセロソルブアセテート、メチルカルビトール(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)、エチルカルビトール(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、ブチルカルビトール(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)、等の多価アルコール及びその誘導体、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メトキシエタノール、エトキシエタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル類、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコールなどのケトン類、ピロリドン及びそれらの誘導体等が挙げられる。
疎水性分散媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフテン酸系炭化水素などの芳香族炭化水素系溶剤、ヘキサン、シクロヘキサン、ケロシン、パラフィン系炭化水素溶媒、イソパラフィン系炭化水素等の脂肪族炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、あるいはシリコンオイル、高純度石油などが挙げられる。
疎水性かつ疎油性分散媒としては、フルオロエチレン、オクタフルオロシクロペンタン、ハイドロフルオロエーテルなどのフッ素系溶剤が挙げられる。例えば、アサヒクリン(旭硝子社製)、ノベック(菱江化学社製)、e クリーン21(カネコ化学社製)などを用いることができる。
これらの分散媒は単一種で使用することも、複数種を混合させて使用することもできる。
本発明に用いる分散媒2は、使用する電気泳動表示装置の表示方法に合わせて粒子と異なる色に着色することができる。着色剤としては、分散媒に溶解可能な油溶性染料であれば特に限定はされない。
(3)隔壁
隔壁5には、透光性を有するものが良く、更には電気泳動分散液4や観察面となる基板1aとの屈折率をマッチングさせるものが好ましい。具体的な材料としては、無機/有機材料を使用することができ、SiO2 、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ノルボルネン樹脂、弗素系樹脂などが上げられる。
隔壁5を形成する方法としては、感光性樹脂への露光/エッチング、印刷法、モールド法等が挙げられるが、本発明の条件を満たす隔壁5を形成手法であればとくに限定されない。
本発明による分散媒2と帯電粒子3と隔壁7の関係規定は、隔壁7をマイクロカプセルとして実施することもできる(図3(b))。マイクロカプセルの内包方法としては、in−situ法、界面重合法、コアセルベーション法等の公知の方法が挙げられる。マイクロカプセルの壁材としては、上記関係規定を満たすものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリ尿素―ポリウレタン、尿素―ホルムアルデヒド樹脂、メラミンーホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホンアミド、ポリカーボネート、ポリスルフィネート、エポキシ樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ゼラチン等が挙げられる。
本発明の電気泳動表示装置に用いられるマイクロカプセルの大きさは、1〜500μm程度であり、好ましくは20〜100μm程度である。
(4)絶縁層
絶縁層6に用いる材料としては、薄膜でピンホールが形成され難いものが良い。例えば、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ノルボルネン樹脂、ウレタン樹脂、SiO2 、およびそれらの複合体などが挙げられる。
(5)内壁
上記説明においては、一対の基板1a、1bにより規定される空間を構成する表面、あるいは、基板1a、1bと隔壁5とにより規定される微小空間を構成する表面を内壁7と定義したが、基板1aおよび/あるいは基板1bおよび/あるいは隔壁5の表面に被覆層13を内壁7として設けることにより、本発明により規定される所望の特性を付与することができる。(図2(a))。
また、内壁7および被覆層13の体積抵抗率は、目的とする駆動仕様に応じて高抵抗、中抵抗、低抵抗等所望の抵抗値に制御されることが望ましい。
被覆層13は本発明の条件を満たすものであればどのような方法で作製されても良いが、所望の特性を有する樹脂を公知のコーティング方法もしくは蒸着等により樹脂層を形成する他、基板1aおよび/あるいは隔壁5および/あるいは絶縁層6の表面へのグラフト化、カップリング剤処理などを用いることができる。
本発明における内壁7が有する長鎖原子団も同様の方法により付与することができる。
前記長鎖原子団は、鎖長n=4(nは炭素原子数を示す)以上の長鎖アルキル基、高分子ポリマー鎖、電気泳動分散液中に分散する高分子樹脂、または長鎖構造を有するカップリング剤であることが好ましい。
長鎖原子団の具体例としては、以下に限定されるものではないが、n−ドデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−トリアコンチルトリクロロシラン、フェニルトリメトキシシランシランカップリング剤を含む長鎖構造を有するカップリング剤、アルカンチオールなどの自己吸着性分子、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールなどの親水性高分子、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリジメチルシロキサン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、フッ素高分子などの疎水性高分子等が挙げられる。これらは単独で用いても2種類以上併用しても良い。
(6)添加剤
本発明に用いられる分散媒2には、帯電粒子に帯電を付与する、あるいは帯電を補助するために、必要に応じて帯電制御剤を添加してもよい。帯電制御剤は分散媒に可溶であるならば特に限定されないが、例えば、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩などの陰イオン界面活性剤、脂肪族アミン塩およびその4級アンモニウム塩、芳香族4級アンモニウム塩、複素環4級アンモニウム縁などの陽イオン界面活性剤、カルボキシベタイン、スルホベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体などの両性界面活性剤、エーテル型、エーテルエステル型、エステル型、含窒素型の非イオン性界面活性剤、金属石鹸、フッ素系界面活性剤、反応性界面活性剤、ブロック型ポリマー、グラフト型ポリマーなどが挙げられる。単独あるいは2種類以上混合して用いても良い。
また、分散媒2には必要に応じて帯電粒子の分散安定剤あるいは壁への付着抑制剤として、分散媒に可溶する高分子樹脂を含有してもよい。また、帯電粒子―内壁間引力11a、11b付与の目的に、帯電粒子3および/もしくは内壁7への物理吸着のために長鎖原子団を含有してもよい。例えば、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリジメチルシロキサン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイソプレン、ポリブテン、スチレンブタジエン共重合体、スチレンイソプレン共重合体、スチレン無水マレイン酸共重合体、フッ素高分子、ノルボルネン樹脂、ポリエチレンワックス、各種鹸化度および分子量のポリビニルアルコールやポリビニルピロリドンなどの高分子、燐酸カルシウム、燐酸マグネシウム、燐酸アルミニウム、燐酸亜鉛等の燐酸多価金属塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、メタ硅酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの無機塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、ベントナイト、アルミナ等の無機酸化物やドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラドデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等の界面活性剤、パーフルオロアルキル基含有オリゴマー等の弗素系界面活性剤、等を用いることができる。中でも、スチレンブタジエン共重合体が好ましく、例えば市販の材料としては、E−SBR、S−SBR(JSR(株)製)、NIPOL 1502,NIPOL 1712、NIPOL NS112,NIPOL NS116、NIPOL 1006,NIPOL 1009(日本ゼオン(株)製)、タフデン、タフプレン、アサプレン(旭化成社製)、住友SBR(住友化学(株)製)を使用することができる。
更に、本発明の帯電粒子の帯電を安定化させるために、ロジンエステルまたはロジン誘導体を含有させても良い。使用するロジンエステルまたはロジン誘導体としては分散媒に可溶であるならば特に限定されないが、たとえばガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、ロジン変性マレイン酸、ロジン変性ペンタエリスリトール、ロジングリセリンエステル、部分水素添加ロジンメチルエステル、部分水素添加ロジングリセリンエステル、部分水素添加ロジントリエチレングリコールエステル、完全水素添加ロジンペンタエリスリトールエステル、マレイン酸変性ロジンエステル、フマル酸変性ロジンエステル、アクリル酸変性ロジンエステル、マレイン酸変性ロジンペンタエリスリトールエステル、フマル酸変性ロジンペンタエリスリトールエステル、アクリル酸変性ロジングリセリンエステル、マレイン酸変性ロジングリセリンエステル、フマル酸変性ロジングリセリンエステル、アクリル酸変性ロジングリセリンエステル等が挙げられる。具体的には、例えばネオトール(ハリマ化成)、ペンセル、エステルガム、スーパーエステル(いずれも荒川化学工業)が挙げられる。分散媒中にロジンエステルまたはロジン誘導体が含有されない場合には、帯電粒子の帯電が安定せず、帯電極性が逆転したり、粒子が電気泳動しなくなったりする場合がある。ロジンエステルまたはロジン誘導体は、分散媒100重量部に対して、0.01重量部以上5重量部以下、好ましくは0.05重量部以上3重量部以下の範囲で含有することができる。
本発明においては、分散媒2に含有する上記成分を単独または2種類以上混合して用いることができる。
(7)基板
本発明に用いられる基板1a、1bには、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)等のポリマーフィルム或いはガラス、石英等の無機材料、SUS、アルミニウム、チタン等の金属を使用することができる。なお、観察面となる基板1aには、可視光の透過率が高く且つ耐熱性の高い材料を使用すると良い。
(8)電極
電極8a、8bには、無機・有機導電性材料を用いることができる。各電極は、鍍金、蒸着などにより形成でき、電極材料としては、Au、Al、Ti、TiC、Cu、ITO、ATO、FTO、AZO、ZnOや、その他導電膜材料として知られている金属薄膜、導電性窒化物膜、導電性ホウ化物膜、有機導電性膜などを用いることができる。
以下、実施例より本発明の実施態様について更に詳しく説明する。
本発明における帯電粒子3は以下2種類の核となる粒子に対して表面を成す被覆層を形成して用いた。
(1)粒子A:
ポリスチレン(PS)からなる重合粒子を、染料Valifast Black 3810、Orient Oil Black〔オリエント化学工業(株)製〕によって黒色に染色した粒子であり、平均粒径は3μmである。
(2)粒子B:
ポリスチレン(PS)85重量部とカーボンブラック(CB;平均粒径0.02μm)15重量部からなる重合粒子であり、平均粒径は2.5μmである。
また、本発明の粒子の平均粒径ならびに未被覆の粒子が高分子重合体によって被覆される厚みは、走査型電子顕微鏡を用いて、サンプル数20点の平均から求めた。
実施例1
本実施例では、図2に示す構造の電気泳動表示装置を以下の工程で作成する。
まず、支持基板1b上に電極8aを形成する。支持基板1bにはガラス、石英等の無機材料のほか、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)等のポリマーフィルム、SUSなどを使用することができる。本実施例においてはガラス基板を用いる。電極8aは反射層を兼ねており、反射型の表示装置となる。
電極8aはパターニング可能な導電性材料ならどのようなものを用いても良く、本実施例においてはアルミニウム(Al)を真空蒸着により150nmの厚さに形成する。電極8aを100μm×100μmの表示セグメントにパターニングし、その上にアクリル樹脂にて絶縁層6を形成する。
次に、絶縁層6上に、パターニングした電極8aの境界に位置するように、高さ20μm、幅5μmの隔壁5をエポキシ樹脂により形成する。更に隔壁5を覆うようにチタン(Ti)を150nm真空蒸着することにより隔壁構造を有する電極8bを形成する。
続いて、隔壁5、絶縁層6を覆うようにシリコーン樹脂にて厚さ200nmの被覆層を形成し、そこに電気泳動分散液4を注入し、表示側透明基板1aと隔壁5上部とをUV硬化剤により接着、電極8a、8bに配線を施すことにより電気泳動表示装置を作製する。表示側透明基板1aは透過性に優れ、電気泳動分散液4、隔壁5との屈折率のマッチングが取れているものであればどのようなものを用いても良い。本実施例においては、厚さ100μmのポリカーボネートフィルムを用いる。
次に、本実施例で作製される電気泳動表示装置(図2)について説明する。図2は隔壁5により区切られた表示セグメントに対応する閉空間を有する構造について示している。帯電粒子3と、帯電粒子3を分散させる分散媒2が、表示側透明基板1aと支持基板1b及び隔壁5によって囲まれた閉空間内に狭持される。各閉空間の支持基板1b上には電極8aが配置され、電極8aを覆うように絶縁層6が配置されている。電極8bは電極8aの間に表示セグメントを区切るように配置され、電極8bは隔壁5を兼ねている。更に電極8b、絶縁層6を覆うように被覆層13が配置されている。各画素の電極8aはスイッチング素子(不図示)に接続されており、各画素の電極8bは接続して共通電極となっている。
次に、本実施例で使用する帯電粒子3の作製および電気泳動分散液4について説明する。
帯電粒子3には、粒子Aの表面に弗素原子を含有するアクリレートの厚み20nmでグラフト重合法により被覆して得た黒色粒子を用いる。
本実施例に用いた電気泳動分散液4は、上述の電気泳動粒子を1重量部と、イソパラフィン系の炭化水素溶媒であるアイソパーH(エクソン社製)からなる分散媒2を100重量部と、付着制御剤としてのポリブタジエン1.0重量部と、帯電安定化剤としてのオクタン酸ジルコニウム0.1重量部とを混合し、調製したものを用いる。
本実施例で用いる分散媒2の表面張力は23mN/mであり、疎水性分散媒である。帯電粒子3の水の接触角は79°、表面自由エネルギーは24mN/mであり、疎水性かつ疎油性の表面層を有する帯電粒子である。内壁7にはポリブタジエンの吸着層が形成される。
作製した表示装置を用いて、印加電圧±20V、電圧印加時間2sec以下で表示を行う。
本実施例で作製した帯電粒子3は負極性に帯電しているため、電圧が印加された場合には正極性の電極上に速やかに移動する。例えば、電極8bを共通電極とし、電極8aに正極性の電圧を印加した場合、負極性の帯電粒子3は電極8a上に移動し電極8aを覆うため、観察面側の基板1aからみると黒色の帯電粒子3が視認され、画素としては黒表示を行うことになる(図2(a))。これと反対に、電極8aに負極性の電圧を印加した場合、負極性の帯電粒子3は電極8b上に移動し隔壁5を覆うため、観察面側の基板1aから見ると反射層となる電極8aが視認され、画素としては白表示を行うことになる(図2(b))。応答速度は100msec以下である。
次に、印加電圧の極性を2秒毎にスイッチングさせながら1週間駆動し、帯電粒子3の凝集、内壁への帯電粒子の付着、堆積を顕微鏡で観察すると、帯電粒子3の付着、堆積は観察されず、安定した表示を維持する。
また、電圧印加により任意の帯電粒子状態に書き込んだ状態から印加電圧を0Vにしそのまま1週間放置しても、電圧印加により書き込んだ任意の帯電粒子状態を保ち、本実施例の電気泳動表示装置がメモリ性を有している。また、このメモリ性は電気泳動表示装置を重力に対していかなる方向に設置した場合にも、同様のメモリ性を有している。
更に、メモリ状態にある電気泳動表示装置に再び電圧を印加した時には、電極への電圧印加に応じてすぐさま帯電粒子が移動を行う。したがって、本実施例で使用する電気泳動表示装置はメモリ状態からの再駆動性に優れている。
実施例2
本実施例においては、帯電粒子3に粒子Bの表面に弗素原子を含有するアクリレートを厚み20nmでグラフト重合法により被覆し得た黒色粒子を用いる。
電気泳動分散液4は、上述の電気泳動粒子を1重量部と、イソパラフィン系の炭化水素溶媒であるIPソルベント(出光石油化学社製)からなる分散媒2を100重量部と、付着防止剤としてのパーフルオロアルキル基含有オリゴマー0.8重量部と、帯電安定化剤としてのロジンエステル2重量部とを混合し、調整したものを用いる。内壁7には、アクリル樹脂にて作製した後、更にその表面をn−オクタデシルトリメトキシシランにより処理したものを用いる。その他の構成や製造方法は実施例1と同様である。
作製した電気泳動表示装置を構成する分散媒2の表面張力は25mN/mであり、疎水性分散媒である。
作製した表示装置を用いて、印加電圧は±20V、電圧印加時間10msecで表示を行う。応答速度は120msec以下である。
次に、印加電圧の極性を2秒ごとにスイッチングさせながら1週間駆動し、帯電粒子3の凝集、内壁への帯電粒子の付着、堆積を顕微鏡で観察すると、各画素内にて帯電粒子が若干数個凝集した塊(大きさ:5μm)が0〜3個程度確認されたが駆動に応じて再分散し、確認された帯電粒子3の塊も良好に駆動していた。また、内壁への帯電粒子3の付着、堆積は観察されない。
また、電圧印加により任意の帯電粒子状態に書き込んだ状態から印加電圧を0Vにしそのまま1週間放置しても、電圧印加により書き込んだ任意の帯電粒子状態を保つことから、本実施例の電気泳動表示装置がメモリ性を有している。また、このメモリ性は電気泳動表示装置を重力に対していかなる方向に設置した場合にも、同様のメモリ性を有している。
更に、メモリ状態にある電気泳動表示装置に再び電圧を印加した時には、電極への電圧印加に応じてすぐさま帯電粒子が移動を行う。したがって、本実施例で使用する電気泳動表示装置はメモリ状態からの再駆動性に優れている。
実施例3
本実施例においては、帯電粒子3には、粒子Aの表面にラウリルメタクリレート樹脂を厚み20nmでグラフト重合法により被覆し得た黒色粒子を用いる。
電気泳動分散液4は、上述の電気泳動粒子を1重量部と、ブチルセルソルブからなる分散媒2を100重量部と、長鎖原子団としてのポリメタクリル酸メチル樹脂を0.3重量部と、帯電安定化剤としてのロジンエステル1.5重量部とを混合し、調整したものを用いる。その他の構成や製造方法、用いる電気泳動分散液は実施例1と同様である。
作製した電気泳動表示装置を構成する分散媒2の表面張力は26mN/mであり、親水性分散媒である。内壁7はポリポリメタクリル酸メチル樹脂の吸着層が形成される。
本実施例にて作製した表示基板を用いて、印加電圧±20V、電圧印加時間10msecで表示を行う。
本実施例で作製した帯電粒子3は正極性に帯電しているため、電圧が印加された場合には負極性の電極上に速やかに移動する。例えば、電極8bを共通電極とし、電極8aに負極性の電圧を印加した場合、正極性の帯電粒子3は電極8a上に移動し電極8aを覆うため、観察面側の基板1aからみると黒色の帯電粒子3が視認され、画素としては黒表示を行うことになる(図2(a))。これと反対に、電極8aに正極性の電圧を印加した場合、正極性の帯電粒子3は電極8b上に移動し隔壁5を覆うため、観察面側の基板1aから見ると反射層となる電極8aが視認され、画素としては白表示を行うことになる(図2(b))。応答速度は130msec以下である。
次に、印加電圧の極性を2秒ごとにスイッチングさせながら1週間駆動し、帯電粒子3の凝集、内壁への帯電粒子の付着、堆積を顕微鏡で観察したところ、帯電粒子3の付着、堆積は観察されず、安定した表示を維持していることが分かった。
また、電圧印加により任意の帯電粒子状態に書き込んだ状態から印加電圧を0Vにしそのまま1週間放置しても、電圧印加により書き込んだ任意の帯電粒子状態を保ち、本実施例の電気泳動表示装置がメモリ性を有している。また、このメモリ性は電気泳動表示装置を重力に対していかなる方向に設置した場合にも、同様のメモリ性を有している。
更に、メモリ状態にある電気泳動表示装置に再び電圧を印加した時には、電極への電圧印加に応じてすぐさま帯電粒子が移動を行い、メモリ状態からの再駆動性に優れている。
比較例1
本比較例では、帯電粒子3として、粒子A表面にポリステアリルメタクリレート(PSMA)を厚み20nmでグラフト重合法により被覆して得られた黒色粒子を用いる。分散媒2にポリブタジエンが添加されていない以外、その他の構成や、製造方法、用いた電気泳動分散液は実施例1と同様である。
本実施例で用いる分散媒2の表面張力は23mN/mであり、疎水性分散媒である。帯電粒子3の水の接触角は62°、表面自由エネルギーは50mN/mであり、親水性の表面層を有する帯電粒子である。実施例1では形成される内壁7へのポリブタジエンの吸着層はない。
作製した表示基板を用いて、印加電圧±20V、電圧印加時間10msecで表示を行う。応答速度は60msec以下である。
次に、印加電圧の極性を2秒ごとにスイッチングさせながら1週間駆動し、帯電粒子3の凝集、内壁への帯電粒子の付着、堆積を顕微鏡で観察したところ、帯電粒子3の付着、堆積は観察されず、安定した表示を維持する。
また、電圧印加により任意の帯電粒子状態に書き込んだ状態から印加電圧を0Vにした時には、印加電圧を0Vにした直後から帯電粒子は熱揺らぎによって移動し始め、電圧印加による書き込み状態を失い、1時間後には画素面全面に帯電粒子が完全に分散し、黒表示の状態(図2(a))となる。
本発明に電気泳動表示装置は、一度電気アドレッシングによる画像書き込みを行えば表示維持電力を供給しなくても画像は安定して表示され続けるため、画像の表示の書き換え時以外、電力を必要としない、また電圧無印加時の表示安定性と、電圧印加時の駆動安定性を備えているので、低電圧、小型電池での駆動が求められる電子ペーパー、読書端末等に利用することができる。
本発明に係る電気泳動表示装置の構造の一例および個体間で働く相互作用力を示す模式図である。 本発明に係る電気泳動表示装置の構造の一例を示す断面図である。 本発明に係る電気泳動表示装置の構造の一例を示す断面図である。 従来の電気泳動表示装置の構造の一例を示す断面図である。
符号の説明
1a、1b 基板
2 分散媒
3 帯電粒子
4 電気泳動分散液
5 隔壁
6 絶縁層
7 内壁
8a、8b 電極
9 微小空間
13 被覆層

Claims (16)

  1. 帯電粒子と、該帯電粒子を分散させる分散媒とが、内壁で囲まれた区画内に収容され、該区画内帯電粒子を移動させ、内壁の複数箇所に付着させることにより複数の表示状態を生成する電気泳動表示装置であって、前記帯電粒子の表面と分散媒が下記の(A)乃至(C)のいずれかであり、かつ、少なくとも該区画内に帯電粒子と分散媒とが収容された状態において、該内壁が長鎖原子団を有することを特徴とする電気泳動表示装置。
    (A)親水性の帯電粒子の表面と、疎水性あるいは疎水性かつ疎油性の分散媒
    (B)疎水性の帯電粒子の表面と、親水性あるいは疎水性かつ疎油性の分散媒
    (C)疎水性かつ疎油性の帯電粒子の表面と、疎水性あるいは親水性の分散媒
  2. 前記長鎖原子団が鎖長n=4(nは炭素原子数を示す)以上の長鎖アルキル基であることを特徴とする請求項1記載の電気泳動表示装置。
  3. 前記長鎖原子団が高分子ポリマー鎖であることを特徴とする請求項1記載の電気泳動表示装置。
  4. 前記長鎖原子団が分散媒中に分散する高分子樹脂であることを特徴とする請求項1記載の電気泳動表示装置。
  5. 前記長鎖原子団が長鎖構造を有するカップリング剤であることを特徴とする請求項1記載の電気泳動表示装置。
  6. 前記分散媒が長鎖原子団の貧溶媒であることを特徴とする請求項1記載の電気泳動表示装置。
  7. 前記親水性の帯電粒子の表面が、アミノ基、アミド基、イミド基、カルボキシル基、カルボニル基、水酸基のうち少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1記載の電気泳動表示装置。
  8. 前記疎水性の帯電粒子の表面が、ハロゲン置換体、珪素原子、メチル基、長鎖アルキル基、フェニル基、ベンジル基、ナフチル基のうち少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1記載の電気泳動表示装置。
  9. 前記疎水性かつ疎油性を有する帯電粒子の表面が、少なくとも弗素原子を含有することを特徴とする請求項1記載の電気泳動表示装置。
  10. 前記疎水性分散媒が高絶縁性液体であることを特徴とする請求項1記載の電気泳動表示装置。
  11. 前記帯電粒子の表面が少なくとも弗素原子を含有し、かつ前記内壁が少なくともn=8(nは炭素原子数を示す)以上の長鎖アルキル基を含有し、かつ前記分散媒が芳香族炭化水素系溶剤であることを特徴とする請求項1記載の電気泳動表示装置。
  12. 前記電気泳動分散液が隔壁により区画された複数の微小空間に充填されていることを特徴とする請求項1記載の電気泳動表示装置。
  13. 前記内壁が長鎖原子団の被覆率分布を有することを特徴とする請求項1記載の電気泳動表示装置。
  14. 前記内壁が非摂動回転半径の異なる複数種の長鎖原子団を有することを特徴とする請求項1記載の電気泳動表示装置。
  15. 前記内壁において、観察者側の基板とそれ以外の内壁で長鎖原子団の被覆率もしくは/および非摂動回転半径が異なることを特徴とする請求項1記載の電気泳動表示装置。
  16. 前記微小空間を形成する内壁がマイクロカプセルであることを特徴とする請求項1記載の電気泳動表示装置。
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