JP2006292283A - 熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡単な構成で良好な熱交換効率を得ることができるようにして低コストで量産性に優れた熱交換器を提供する。
【解決手段】 熱交換器10Aは、所定間隔を隔てて離間する第1ヘッダー2及び第2ヘッダー3と、これらのヘッダー2,3の間に特定方向に並んで配列される複数の伝熱管1Aとを備えている。複数の伝熱管1Aは、隣り合う伝熱管1A同士が互いに接着状態とされる接着部1aと、互いに離間状態とされる離間部1bとを有するように配列されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば空調機器、給湯器等に使用される熱交換器に関するものである。
従来、伝熱管の管内を流れる管内流体(例えば冷媒)と管外を流れる管外流体(例えば空気)とが伝熱管を介して熱交換を行う熱交換器としては、所定間隔を隔てて離間する第1ヘッダーと第2ヘッダーとの間に、図9に示すように複数の伝熱管10が特定方向に並んで配列されるとともに、各伝熱管10に対して細線11が編み込まれた所謂編み込み構造のものが知られている。
例えば、特許文献1には、前記細線11として撚り線を採用した熱交換器が記載されている。
このような熱交換器においては、図9に矢印Aで示すように管外流体が伝熱管10に向かって流れたときに細線11が抵抗体となって管外流体の流れが乱れることにより、管外流体と伝熱管との接触時間が長くなって管外流体と伝熱管との熱伝達が有効に行われるため、良好な熱交換効率を得られるようになっている。
特開平7−174476号公報
しかしながら、前記熱交換器を製造するには、伝熱管10に細線11を編み込む作業が必要であり、このような作業は煩雑であるとともにコストがかかる。
本発明は、このような事情に鑑み、簡単な構成で良好な熱交換効率を得ることができるようにして低コストで量産性に優れた熱交換器を提供することを目的とする。
第1の発明は、所定間隔を隔てて離間する第1ヘッダーと第2ヘッダーとの間に、複数の伝熱管が特定方向に並んで配列された熱交換器において、前記複数の伝熱管は、隣り合う伝熱管同士が互いに接着状態とされる接着部と、互いに離間状態とされる離間部とを各伝熱管が有するように配列されていることを特徴とするものである。
ここで、接着状態とは、伝熱管同士が直接的に接触している状態及び所定の接合材を介して接合されている状態の双方を含む。また、離間状態とは、隣り合う伝熱管同士の間を流体が円滑に通過することができる程度に当該伝熱管同士が離間している状態をいう。
第2の発明は、第1の発明において、前記各伝熱管は直線状の形状を有しており、これらの伝熱管が前記第1ヘッダーと第2ヘッダーの離間方向に対して交互に反対側に傾斜するように配列されており、各伝熱管は、略中央部に前記接着部を有しているとともに、両端部にそれぞれ前記離間部を有していることを特徴とするものである。
第3の発明は、第1の発明において、前記各伝熱管は、前記接着部を少なくとも2箇所に有するように屈曲した形状に形成されていることを特徴とするものである。
第4の発明は、第1の発明において、前記隣り合う伝熱管の一方の端部同士及び他方の端部同士は、前記伝熱管の配列方向から見たときに当該一方の端部同士及び他方の端部同士の間に隙間が形成されるように離間していて、各伝熱管は、少なくとも両端部にそれぞれ前記離間部を有しており、前記隙間のそれぞれには、前記伝熱管の配列方向に沿って延びる棒状体が配設されていることを特徴とするものである。
第5の発明は、第4の発明においては、前記棒状体は、良熱伝導性のものであり、各伝熱管に接触する状態で配設されていることを特徴とするものである。
第6の発明は、第4の発明において、前記伝熱管の配列方向は、鉛直方向と略平行になっており、前記棒状体は、最下端に位置する伝熱管よりも下方まで延びていることを特徴とするものである。
第7の発明は、第1の発明において、前記隣り合う伝熱管の一方の端部同士及び他方の端部同士は、前記伝熱管の配列方向から見たときに当該一方の端部同士及び他方の端部同士の間に隙間が形成されるように離間していて、各伝熱管は、少なくとも両端部にそれぞれ前記離間部を有しており、前記第1ヘッダー及び第2ヘッダーには、前記隙間に突出して前記伝熱管の配列方向に延びる突条部が設けられていることを特徴とするものである。
第8の発明は、第1の発明において、前記各伝熱管は、親水性の表面処理を施したものであることを特徴とするものである。
第9の発明は、第1の発明において、前記各伝熱管の表面には、光触媒が塗布されていることを特徴とするものである。
第10の発明は、第1の発明において、前記伝熱管の内部には、冷媒として二酸化炭素が流通されるように構成されていることを特徴とするものである。
第1の発明によれば、複数の伝熱管は、隣り合う伝熱管同士が互いに接着状態とされる接着部と、互いに離間状態とされる離間部とを各伝熱管が有するように特定方向に並んで配列されているので、隣り合う伝熱管の接着部同士の間を流体が通過することはできないが、隣り合う伝熱管の離間部同士の間では流体が当該間を通って円滑に流れることができるようになっている。すなわち、伝熱管の配列方向及び第1ヘッダーと第2ヘッダーの離間方向と略直交する方向に沿って流体が伝熱管に向かって流れると、当該流体は各伝熱管の表面に衝突してその流れの向きを変えながら、隣り合う伝熱管の離間部同士の間を通って反対側に流出する。このとき、各伝熱管の接着部が位置する部分では、隣り合う伝熱管の接着部同士の間を流体が通過することができないため、流体の流れが乱されることによって流体と伝熱管との接触時間が長くなり、流体と伝熱管との熱伝達が有効に行われるようになる。従って、従来のような編み込み構造を採用することなく伝熱管の特定方向への配列だけで良好な熱交換効率を得ることができ、低コストで量産性に優れた熱交換器とすることができる。
第2の発明によれば、直線状の伝熱管を交互に反対側に傾斜する姿勢で配列するだけの簡単な構成で、前記接着部及び離間部を構成することができ、製造コストを安価に抑えることができる。
第3の発明によれば、伝熱管の形状を屈曲させるだけの簡単な構成で、流体の流れの乱れを生じさせる接着部を増やして熱交換効率を向上させることができる。
第4の発明によれば、伝熱管の配列方向から見たときの隣り合う伝熱管の離間部同士の間の隙間にそれぞれ棒状体が配設されているので、この棒状体によって隣り合う伝熱管の離間部同士の間を通過する流体の流れが乱されることになり、伝熱管と流体との接触時間をより長くすることができ、さらに熱伝達効率を向上させることができる。
第5の発明によれば、棒状体は良熱伝導性であるとともに各伝熱管に接触しているので、この棒状体からも流体への熱伝達が行われるようになり、さらに熱伝達効率を向上させることができる。
第6の発明によれば、伝熱管に結露が生じてその結露した水分が隣り合う伝熱管の離間部同士の間に進入したとしても、その結露した水分が棒状体を伝って下方に落下するため、結露した水分によって隣り合う伝熱管の離間部同士の間が塞がれることを防止することができ、熱伝達効率を低下させることなく安定した性能を維持することができる。
第7の発明によれば、第1ヘッダー及び第2ヘッダーに前記隙間に突出する突条部が設けられているので、この突条部によって隣り合う伝熱管の離間部同士の間を通過する流体の流れが乱されることになり、伝熱管と流体との接触時間がより長くなってさらに熱伝達効率を向上させることができる。しかも、突条部は、第1ヘッダー及び第2ヘッダーに設けられているので、部品点数を増やすことなく熱伝達効率を向上させることができる。
第8の発明によれば、伝熱管に結露が生じたとしても、その結露した水分は伝熱管の表面を伝って排出されるため、結露した水分によって隣り合う伝熱管の離間部同士の間が塞がれることを防止することができ、熱伝達効率を低下させることなく安定した性能を維持することができる。
第9の発明によれば、伝熱管の表面に粉塵等の汚れが付着したとしてもそれらの汚れが光触媒の性質によって自然に落ちるため、汚れによって隣り合う伝熱管の離間部同士の間が塞がれることを防止することができ、熱伝達効率を低下させることなく安定した性能を維持することができる。
第10の発明によれば、冷媒として二酸化炭素を使用することにより、環境破壊の防止を図ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1〜図3に、本発明の一実施形態に係る熱交換器10Aを示す。この熱交換器10Aは、伝熱管1Aの管内を流れる冷媒と管外を流れる空気とが熱交換を行う所謂空気−冷媒式熱交換器であり、冷媒としては二酸化炭素が採用されている。また、本発明に係る熱交換器は、空気−冷媒式のものに限らず、例えば管内流体として水を、管外流体として高温ガスを採用したもの等にも適用可能である。
前記熱交換器10Aは、所定間隔を隔てて離間する第1ヘッダー2及び第2ヘッダー3と、これらのヘッダー2,3の間で特定方向に並んで配列される複数の伝熱管1Aとを備えている。
前記第1ヘッダー2及び第2ヘッダー3は、当該第1ヘッダー2と第2ヘッダー3とが離間する離間方向に扁平な長方形の断面形状で前記伝熱管1Aの配列方向に延びる矩形筒状をなしている。これらのヘッダー2,3の材質としては、銅、アルミニウム、それらの合金、ステンレス等を挙げることができる。
第1ヘッダー2及び第2ヘッダー3の内側面には、所定位置に前記各伝熱管1Aが挿入可能な複数の貫通孔(図示せず)が設けられており、これらの貫通孔に各伝熱管1Aの両端部が挿入された状態で当該伝熱管1Aの両端部が第1ヘッダー2及び第2ヘッダー3にろう付け等により接着固定されている。このため、第1ヘッダー2の内部空間と第2ヘッダー3の内部空間とは伝熱管1Aによって連通され、第1ヘッダー2から伝熱管1Aの管内を通って第2ヘッダー3へまたはその逆に冷媒が流通可能な流路が形成されている。
前記各伝熱管1Aは、直線上に延びる円形筒状をなしており、その表面には、例えば水ガラスなどを主成分としたシリカ系皮膜や、各種親水性樹脂をもちいた樹脂系皮膜等が塗布されることにより親水性の表面処理が施され、さらにその上に酸化チタン等の光触媒が塗布されている。これらの伝熱管1Aの外径Dは、冷媒として二酸化炭素を用いることから管内が高圧となって圧損が少ないこと及び熱交換器を小型化すること等の観点から4mm以下程度であることが好ましく、その肉厚は、耐圧及び製造上の面から0.1〜0.5mm程度であることが好ましい。また、これらの伝熱管1Aの材質としては、前記ヘッダー2,3と同様に、銅、アルミニウム、それらの合金、ステンレス等を挙げることができる。
そして、これらの伝熱管1Aは、前記第1ヘッダー2と第2ヘッダー3の離間方向に対して交互に反対側に傾斜する姿勢で配列されている。伝熱管1Aの配列ピッチP(図3参照)は、当該伝熱管1Aの外径Dと同一寸法に設定されており、隣り合う伝熱管1Aは、その略中央部同士で接触するようになっている。すなわち、各伝熱管1Aは、その略中央部に、隣り合う伝熱管1A同士が互いに接触状態とされる接着部1aを有しており、隣り合う伝熱管1Aの接着部1a同士の間を空気が通過することができなくなっている。さらに、隣り合う伝熱管1Aの接着部1a同士は、ろう付け等によって相互に接合されている(図3参照)。
また、前記伝熱管1Aの配列方向及び前記第1ヘッダー2と第2ヘッダー3の離間方向と略直交する方向における隣り合う伝熱管1Aの一方(図例では左側)の端部同士及び他方(図例では右側)の端部同士の軸心間寸法L(図2参照)は、それぞれ伝熱管1Aの外径Dよりも大きく設定されている。このため、隣り合う伝熱管1Aの一方の端部同士及び他方の端部同士の間には、前記伝熱管10Aの配列方向から見たときにそれぞれ隙間4が形成されている。すなわち、各伝熱管1Aは、その両端部に、隣り合う伝熱管1A同士が互いに離間状態とされる離間部1bをそれぞれ有しており、隣り合う伝熱管1Aの離間部1b同士の間を空気が円滑に通過することができるようになっている。
このような熱交換器10Aを製造するには、次のようにすればよい。
まず、各伝熱管10Aの両端部及び接着部1aにろう材を塗布する。
次いで、各伝熱管10Aの両端部を第1ヘッダー2及び第2ヘッダー3の内側面に形成された貫通孔に挿入する。このとき、貫通孔の周縁部を面取りしておけば、この面取りした部分が伝熱管10Aの端部を案内する案内面となるため、伝熱管10Aの端部をスムーズに貫通孔に挿入することができる。
そして、その状態のまま炉内に挿入して加熱することにより、伝熱管10Aに塗布したろう材を溶融させて、各伝熱管10Aの両端部と第1ヘッダー2及び第2ヘッダー3との接着固定と、隣り合う伝熱管10Aの接着部1a同士の接合とを同時に行うことができる。
なお、前記ろう材に代えて、半田やメッキ等を用いることも可能である。
このように製造された熱交換器10Aでは、図2の矢印Aで示すように伝熱管1Aの配列方向及び第1ヘッダー2と第2ヘッダー3の離間方向と略直交する方向に沿って空気が伝熱管1Aに向かって流れると、当該空気は各伝熱管1Aの表面に衝突して、例えば中央部近傍では図中の矢印B,Cで示すように当該中央部近傍から伝熱管1Aの軸心方向に沿って矢印Aに対して鈍角を構成する方の端部に向かうように、または端部近傍では当該端部を伝熱管1Aの配列方向に二股状に跨るように、その流れの向きを変えながら、隣り合う伝熱管1Aの離間部1b同士の間を通って反対側に流出する。このとき、各伝熱管1Aの接着部1aが位置する部分では、隣り合う伝熱管1Aの接着部1a同士の間を空気が通過することが阻害されるため、空気の流れが乱されることによって空気と伝熱管1Aとの接触時間が長くなり、空気と伝熱管1Aとの熱伝達が有効に行われるようになる。従って、従来のような編み込み構造を採用することなく伝熱管1Aの特定方向への配列だけで良好な熱交換効率を得ることができ、低コストで量産性に優れた熱交換器10Aとすることができる。
また、前記各伝熱管1Aは、親水性の表面処理を施したものであるので、伝熱管1Aに結露が生じたとしても、その結露した水分は伝熱管1Aの表面を伝って排出されるため、結露した水分によって隣り合う伝熱管1Aの離間部1b同士の間が塞がれることを防止することができ、熱伝達効率を低下させることなく安定した性能を維持することができる。
さらに、前記各伝熱管1Aの表面には、光触媒が塗布されているので、伝熱管1Aの表面に粉塵等の汚れが付着したとしてもそれらの汚れが光触媒の性質によって自然に落ちるため、汚れによって隣り合う伝熱管1Aの離間部1b同士の間が塞がれることを防止することができ、熱伝達効率を低下させることなく安定した性能を維持することができる。
また、冷媒として二酸化炭素を採用する場合には、高圧側が臨界圧を越えた圧力となるために十分な耐圧性が要求されることになるが、本実施形態の熱交換器10Aでは、第1ヘッダー2及び第2ヘッダー3と各伝熱管1Aの両端部とがろう付け等によって接着固定されているので、十分な耐圧性を確保することができる。従って、冷媒として二酸化炭素を使用することができるようになり、これにより、環境破壊の防止を図ることができる。
なお、本発明に係る熱交換器は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の変形が可能である。
例えば、前記各伝熱管1Aの断面形状は円形である必要はなく、楕円形等であってもよい等適宜選定可能である。
また、隣り合う伝熱管1Aの接着部1a同士は、必ずしも互いに接触した状態でろう材等の接合材により接合されている必要はなく、例えば接合材を省略して互いに接触した状態のままとしてもよいし、または、前記伝熱管1Aの配列ピッチPが伝熱管1Aの外形Dよりも僅かに大きな寸法に設定されることにより当該接着部1a同士が近接した状態となっていて、この状態で接合材を介して接合されていてもよい。
さらに、伝熱管1Aの配列方向及び第1ヘッダー2と第2ヘッダー3の離間方向と略直交する方向における隣り合う伝熱管1Aの端部同士の軸心間寸法Lは、伝熱管1Aの外径Dよりも大きく設定されている必要はなく、隣り合う伝熱管1Aの離間部1b同士の間を空気が円滑に通過することができるようになっていれば伝熱管1Aの外径Dよりも小さく設定されていてもよい。
ただし、前記実施形態のように前記軸心間寸法Lが伝熱管1Aの外径Dよりも大きく設定されていて、隣り合う伝熱管1Aの離間部1b同士の間に前記隙間4が形成されていれば、図4及び図6に示す熱交換器10B,10Cのようにして、さらに熱交換効率を向上させることができる。
図4に示す熱交換器10Bでは、前記隙間4に、伝熱管1Aの配列方向に沿って延びる棒状体5が各伝熱管1Aに接触する状態で配設されている。この棒状体5は、円柱状の形状を有しているとともに、例えば、銅、アルミニウム、それらの合金、またはステンレス等からなり、良熱伝導性を有している。なお、棒状体5は、円柱状である必要はなく、円形筒状や三角柱状等であってもよい。
このようにすれば、棒状体5によって隣り合う伝熱管1Aの離間部1b同士の間を空気が通過する際にも当該空気の流れが乱されることになり、伝熱管1Aと空気との接触時間をより長くすることができる。また、棒状体5は良熱伝導性であるとともに各伝熱管1Aに接触しているので、この棒状体5からも空気への熱伝達が行われるようになる。よって、さらに熱伝達効率を向上させることができる。
この棒状体5が配設された熱交換器10Bにおいては、当該熱交換器10Bが、図5に示すように伝熱管1Aの配列方向が鉛直方向と略平行になる状態で設置されたときに、棒状体5が最下端に位置する伝熱管1Aよりも下方まで延びるように構成されていることが好ましい。
このようにすれば、伝熱管1Aに結露が生じてその結露した水分が隣り合う伝熱管1Aの離間部1b同士の間に進入したとしても、その結露した水分が棒状体5を伝って下方に落下するため、結露した水分によって隣り合う伝熱管1Aの離間部1b同士の間が塞がれることを防止することができ、熱伝達効率を低下させることなく安定した性能を維持することができる。
なお、前記棒状体5は、必ずしも各伝熱管1Aに接触した状態で配設されている必要はなく、各伝熱管1Aから離間した状態で隙間4内に配設されていても、隣り合う伝熱管1Aの離間部1b同士の間を通過する空気の流れを乱すことができ、熱交換効率を向上させることができる。この場合には、棒状体5は、良熱伝導性のものでなくてもよい。
一方、図6に示す熱交換器10Cでは、前記第1ヘッダー2及び第2ヘッダー3に、前記隙間4に突出して伝熱管1Aの配列方向に延びる突条部2a,3aが設けられている。
このようにしても、突条部2a,3aによって隣り合う伝熱管1Aの離間部1b同士の間を通過する空気の流れが乱されることになり、伝熱管1Aと空気との接触時間がより長くなってさらに熱伝達効率を向上させることができる。しかも、突条部2a,3aは、第1ヘッダー2及び第2ヘッダー3に設けられているので、部品点数を増やすことなく熱伝達効率を向上させることができる。
さらには、前述した実施形態では、直線状の伝熱管1Aを交互に反対側に傾斜した姿勢で配列することにより各伝熱管1Aの略中央部に接着部1aを、両端部に離間部1bを構成した形態を示したが、直線状の伝熱管1Aを用いなくても接着部1a及び離間部1bを構成することは可能である。ただし、前述した実施形態のようにすれば、直線状の伝熱管1Aを交互に反対側に傾斜する姿勢で配列するだけの簡単な構成で、接着部1a及び離間部1bを構成することができ、製造コストを安価に抑えることができる。
例えば、図7に示す熱交換器10Dのように、円弧状に屈曲した形状に形成された伝熱管1Bを交互に反対向きに配列することによって、各伝熱管1Bの両端部及び中央部に離間部1bを構成し、伝熱管1Bの配列方向から見たときに隣り合う伝熱管1B同士が交差する部分によって接着部を2箇所に構成することも可能である。
このようにすれば、伝熱管1Bの形状を屈曲させるだけの簡単な構成で、空気の流れの乱れを生じさせる接着部1aを増やして熱交換効率を向上させることができる。
また、この場合には、図4及び図6で示した熱交換器10B,10Cと同様に、伝熱管1Bの配列方向から見たときの隣り合う伝熱管1Bの離間部1b同士で形成される隙間4に棒状体5を設けたり、第1ヘッダー2及び第2ヘッダー3に突条部2a,3aを設けたりしてさらに熱交換効率を向上させることも可能である。
あるいは、伝熱管1Bの曲率半径をさらに大きくするとともに、各伝熱管1Bの両端部を伝熱管1Bの配列方向に延びる同一直線上に位置させて、各伝熱管1Bの両端部に接着部1aを構成するとともに、中央部に離間部1bを構成することもできる。
さらには、図8に示す熱交換器10Eのように、両端部を中央部の円弧状とは逆向きの円弧状に屈曲させて同一直線上に位置させた形状の伝熱管1Cとすれば、第1ヘッダー2及び第2ヘッダー3と伝熱管1Cとを接着固定させるための構造(例えば前記貫通孔の形状)が簡単となるとともに、組立て作業を容易にすることができる。
また、前記第1ヘッダー2及び第2ヘッダー3の内部空間に当該空間を複数の室に仕切る仕切り板を設けることによって、冷媒の流路を変更することも可能である。
例えば、前記第1ヘッダー2と第2ヘッダー3とに、伝熱管1A〜1Cの配列方向に沿って伝熱管1A〜1Cの配列ピッチPの整数倍で交互に仕切り板を設ければ、冷媒の流路を長くすることができるし、第1ヘッダー2の全長に亘って当該第1ヘッダー2の内部空間を断面形状の長手方向に二分割するように仕切り板を設ければ、冷媒は第1ヘッダー2の一方の室から伝熱管1A〜1Cを通って第2ヘッダー3に流れた後に第2ヘッダー3によって折り返されて隣接する伝熱管1A〜1Cを通って第1ヘッダー2の他方の室に流れるようになる。
以上の実施例においては、冷媒として二酸化炭素を用いた場合について説明した。冷媒としては、R410A、R407C、R134a等のHFC系冷媒、R290(プロパン)、R600a(イソブタン)等のHC系冷媒、及び冷温水やブライン等を用いることができる。二酸化炭素を用いた場合には、熱交換器に耐圧性が要求されるが、本実施形態の熱交換器は、細径管をロウ付けすることにより作成すれば、耐圧を十分に確保することができる。
本発明の熱交換器は、伝熱管内部を流れる冷媒と、空気との間で良好な熱交換効率を得られる。特に、ヒートポンプ装置に用いられる蒸発器、凝縮器として用いる場合、良好な熱交換を行うことができる。ヒートポンプ装置は、空調機器、給湯器などに応用可能である。また、これらの熱交換器においては、室内熱交換器、室外熱交換器のいずれにも応用できるが、特に、室外熱交換器に適している。
本発明の一実施形態に係る熱交換器の斜視図である。 図1の側面視における熱交換器の側面図である。 図1の平面視における熱交換器の模式図である。 他の一実施形態に係る熱交換器の側面図である。 前記熱交換器を伝熱管の配列方向が略鉛直方向を向くように設置したときの斜視図である。 他の一実施形態に係る熱交換器の側面図である。 他の一実施形態に係る熱交換器の側面図である。 他の一実施形態に係る熱交換器の側面図である。 従来の熱交換器の斜視図である。
符号の説明
1A〜1C 伝熱管
1a 接着部
1b 離間部
2 第1ヘッダー
2a 突条部
3 第2ヘッダー
3a 突条部
4 隙間
5 棒状体
10A〜10E 熱交換器

Claims (10)

  1. 所定間隔を隔てて離間する第1ヘッダーと第2ヘッダーとの間に、複数の伝熱管が特定方向に並んで配列された熱交換器において、
    前記複数の伝熱管は、隣り合う伝熱管同士が互いに接着状態とされる接着部と、互いに離間状態とされる離間部とを各伝熱管が有するように配列されていることを特徴とする熱交換器。
  2. 前記各伝熱管は直線状の形状を有しており、これらの伝熱管が前記第1ヘッダーと第2ヘッダーの離間方向に対して交互に反対側に傾斜するように配列されており、各伝熱管は、略中央部に前記接着部を有しているとともに、両端部にそれぞれ前記離間部を有していることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記各伝熱管は、前記接着部を少なくとも2箇所に有するように屈曲した形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  4. 前記隣り合う伝熱管の一方の端部同士及び他方の端部同士は、前記伝熱管の配列方向から見たときに当該一方の端部同士及び他方の端部同士の間に隙間が形成されるように離間していて、各伝熱管は、少なくとも両端部にそれぞれ前記離間部を有しており、前記隙間のそれぞれには、前記伝熱管の配列方向に沿って延びる棒状体が配設されていることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  5. 前記棒状体は、良熱伝導性のものであり、各伝熱管に接触する状態で配設されていることを特徴とする請求項4に記載の熱交換器。
  6. 前記伝熱管の配列方向は、鉛直方向と略平行になっており、前記棒状体は、最下端に位置する伝熱管よりも下方まで延びていることを特徴とする請求項4に記載の熱交換器。
  7. 前記隣り合う伝熱管の一方の端部同士及び他方の端部同士は、前記伝熱管の配列方向から見たときに当該一方の端部同士及び他方の端部同士の間に隙間が形成されるように離間していて、各伝熱管は、少なくとも両端部にそれぞれ前記離間部を有しており、前記第1ヘッダー及び第2ヘッダーには、前記隙間に突出して前記伝熱管の配列方向に延びる突条部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  8. 前記各伝熱管は、親水性の表面処理を施したものであることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  9. 前記各伝熱管の表面には、光触媒が塗布されていることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  10. 前記伝熱管の内部には、冷媒として二酸化炭素が流通されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009110494A1 (ja) * 2008-03-04 2009-09-11 三菱製紙株式会社 熱交換素子及びそれを用いた空気調和機または加熱・冷却装置

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