JP2006291984A - 低温用ガスケット、それを用いる収容容器及びその密封方法 - Google Patents

低温用ガスケット、それを用いる収容容器及びその密封方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 低温で使用される収容容器等の一対の被密封面の間をより確実に密封することができる低温用ガスケットを提供する。
【解決手段】 本低温用ガスケット13は、一対の被密封面の間に設けられる低温用ガスケットであって、弾性を有する金属板材(オーステナイト系ステンレス鋼製などの板材)をV字状に折り曲げてなるガスケット本体131を備え、該ガスケット本体は、第1板状部131a及び第2板状部131bと、該第1板状部及び該第2板状部を連結する円弧状部131cと、を有する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、低温用ガスケット、それを用いる収容容器及びその密封方法に関し、さらに詳しくは、低温で使用される収容容器等の一対の被密封面の間をより確実に密封することができる低温用ガスケット、それを用いる収容容器及びその密封方法に関する。
一般に、サブゼロ処理槽として、上方を開放してなる容器本体と、この容器本体の上縁部に載置されてその上方開放部を閉塞する蓋体と、を備えるものが知られている。そして、サブゼロ処理として、液体窒素、液化炭酸等の冷却媒体が供給される容器本体内で、金属材料等の被冷却物が0℃以下の低温(例えば、−50以下)に冷却される。
上記サブゼロ処理では、蓋体の縁部に表裏温度差により熱応力が発生し、これにより蓋体全体が大きくたわんでしまう場合がある。その結果、容器本体と蓋体との隙間から冷却媒体が漏れて処理効率が悪化することとなる。また、容器本体及び蓋体の加工時の歪、残留応力や槽内の内圧変化等によって、容器本体及び蓋体の各接触面には局所的な変形が生じ、この場合も、やはり容器本体と蓋体との隙間から冷却媒体が漏れることとなる。
そこで、上記問題を解決するために、容器本体と蓋体との間にシーリング材を介在させることが提案された。
低温条件下で使用されるシーリング材としては、シリコンゴム、シリコンスポンジ等が一般的に知られている。しかし、上記サブゼロ処理槽の低温領域(例えば、−50℃以下)においては、シリコンゴム又はシリコンスポンジ等では低温耐久性が不十分なために、短期間の使用でシーリング材に亀裂が入るといった問題があった。また、その他のシーリング材として、テフロン(登録商標)のモールディングパウダーを焼結させ削り出したものが知られているが、これは弾性力の低い材質であるため、完全な密閉を得るために、クランプ具等を用いて容器本体及び蓋体を強固に固定する必要があった。
他方、金属板材を折り曲げてなり、その弾性力を利用したシーリング材は、弾性メタルガスケットと称され、様々な形状、構造等を有するものが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
上記特許文献1には、金属板材をZ字状に折り曲げてなるガスケット本体2を備え、このガスケット本体2の表裏面に弾性体8,9をコーティングしてなるガスケットが開示されている。
また、上記特許文献2には、金属板材をコ字状に折り曲げてなる補強環1(ガスケット本体)を備え、この補強環1の一端側に嵌合シール部3を設け、補強環1の他端側にシールクリップ部を設けてなるガスケットが開示されている。
さらに、上記特許文献3には、金属板材をC字状に折り曲げてなるガスケット本体1を備え、このガスケット本体1の内面に沿ってC字状の曲板バネを設けてなるガスケットが開示されている。
しかし、上記特許文献1及び2では、ガスケット本体がZ字状又はコ字状に形成されているので、ガスケット本体が弾性変形し難く、しかも被密封面に対するガスケット本体の接触面積が比較的広いものとなっている。また、上記特許文献3では、C字状のガスケット本体及び曲板バネの2重筒構造となっているので、やはり、ガスケット本体が弾性変形し難いものとなっている。その結果、上記特許文献1〜3のガスケットによって上述のサブゼロ処理槽の容器本体及び蓋体の間を密封する場合、ガスケット本体の弾性変形によって、蓋体全体のたわみを十分に吸収したり、蓋体の局所的な変形に追随したりできず、容器本体と蓋体との隙間から冷却媒体が漏れる恐れがあった。
また、上記特許文献1では、ガスケット本体の表裏面の全域に弾性体をコーティングする必要があり、製作が煩雑であり且つ高価なものとなっていた。さらに、上記特許文献3では、2重筒構造であるので、製作が煩雑であり且つ高価なものとなっていた。
また、上記特許文献1には、エンジンヘッド等に用いられる高温用ガスケットが開示されている。また、上記特許文献2には、オイルシール等に用いられる高温用ガスケットが開示されている。さらに、上記特許文献3には、衝撃荷重発生時にも高密封性を示すガスケットが開示されている。
しかし、上記特許文献1〜3は、上述のサブゼロ処理槽等のように低温で使用される収容容器の密封に好適に用いられる低温用ガスケットを提供することを目的としていない。
特開平11−236974号公報 実開昭61−198770号公報 特開平2−186164号公報
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、低温で使用される収容容器等の一対の被密封面の間をより確実に密封することができる低温用ガスケット、それを用いる収容容器及びその密封方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の通りである。
1.一対の被密封面の間に設けられる低温用ガスケットであって、
弾性を有する金属板材をV字状に折り曲げてなるガスケット本体を備え、該ガスケット本体は、第1板状部及び第2板状部と、該第1板状部及び該第2板状部を連結する円弧状部と、を有することを特徴とする低温用ガスケット。
2.前記第1板状部の自由端縁側に、前記一対の被密封面のうちの一方の被密封面に接触可能であるシール部材が設けられている上記1.記載の低温用ガスケット。
3.前記第1板状部及び前記第2板状部のうちの少なくとも一方の板状部の内表面側に、他方の板状部の内表面側が接触可能である保護部材が設けられている上記1.又は2.に記載の低温用ガスケット。
4.前記金属板材が、オーステナイト系ステンレス鋼からなる上記1.乃至3.のいずれか一項に記載の低温用ガスケット。
5.前記金属板材が、銅又は銅合金からなる上記1.乃至3.のいずれか一項に記載の低温用ガスケット。
6.上方を開放してなる容器本体と、該容器本体の上方を閉塞する蓋体と、該容器本体及び該蓋体のそれぞれの被密封面の間に介在される上記1.乃至5.のいずれか一項に記載の低温用ガスケットと、を備えることを特徴とする収容容器。
7.上方を開放してなる容器本体の被密封面と、該容器本体の上方を閉塞する蓋体の被密封面との間に、上記1.乃至5.のいずれか一項に記載の低温用ガスケットを介在させることを特徴とする収容容器の密封方法。
本発明の低温用ガスケットによると、ガスケット本体がV字状に形成されているので、ガスケット本体を、弾性変形し易く、且つ、被密封面に対する接触面積の比較的小さなものとすることができる。従って、本低温用ガスケットによって、サブゼロ処理槽等の低温で使用される収容容器の容器本体及び蓋体の間を密封する場合、ガスケット本体の弾性変形によって、蓋体全体のたわみを十分吸収したり、蓋体の局所的な変形に追随したりでき、容器本体及び蓋体の間をより確実に密封することができる。
また、前記第1板状部の自由端縁側にシール部材が設けられている場合は、シール部材の弾性変形によりシール部材が被密封面に面接触するので、その密封性を更に向上させることができる。
また、前記第1板状部及び前記第2板状部のうちの少なくとも一方の板状部の内表面側に、他方の板状部の内表面側が接触可能である保護部材が設けられている場合は、第1板状部及び第2板状部の間にある保護部材によって、両板状部の無理な近接移動が規制され、円弧状部のつぶれ等を抑制できる。
また、前記金属板材が、オーステナイト系ステンレス鋼からなる場合は、ガスケット本体を、低温脆性及び弾性に優れたものとすることができる。
また、前記金属板材が、銅又は銅合金からなる場合は、ガスケット本体を、低温脆性及び弾性に優れたものとすることができる。
本発明の収容容器によると、容器本体及び蓋体の各被密封面の間に上述の低温用ガスケットが介在される。従って、本収容容器がサブゼロ処理槽等の低温で使用されるものであっても、ガスケット本体の弾性変形によって、蓋体全体のたわみを十分吸収したり、蓋体の局所的な変形に追随したりでき、容器本体及び蓋体の間をより確実に密封できる。
本発明の収容容器の密封方法によると、容器本体及び蓋体の各被密封面の間に上述の低温用ガスケットが介在される。従って、本収容容器がサブゼロ処理槽等の低温で使用されるものであっても、ガスケット本体の弾性変形によって、蓋体全体のたわみを十分吸収したり、蓋体の局所的な変形に追随したりでき、容器本体及び蓋体の間をより確実に密封できる。
1.低温用ガスケット
本実施形態に係る低温用ガスケットは、以下に述べるガスケット本体を備えている。この低温用ガスケットは、一対の被密封面の間に設けられる。
上記「ガスケット本体」は、弾性を有する金属板材をV字状に折り曲げてなり、後述する第1板状部、第2板状部及び円弧状部を有している。このガスケット本体は、通常、長尺状に形成されている。
上記金属板材の材質としては、低温脆性に優れ且つ弾性を有する金属種であれば特に限定されず、例えば、ステンレス鋼(好ましくはオーステナイト系ステンレス鋼)、銅、銅合金等を挙げることができる。上記オーステナイト系ステンレス鋼としては、例えば、SUS302、SUS304、SUS316等を挙げることができる。より安価であるといった観点から、SUS304であることが好ましい。上記銅又は銅合金としては、例えば、洋白、りん青銅、黄銅、ベリリウム銅等を挙げることができる。
上記洋白は、ばね用洋白であることが好ましい。このばね用洋白とは、ばね用材料としてばね限界値が規定されている、銅54〜58%、ニッケル16.5〜19.5%、残り亜鉛からなる合金(JIS H3100〜3510−1992に記載されている材質を示す記号C7701)である。
上記りん青銅は、ばね用りん青銅であることが好ましい。このばね用りん青銅とは、ばね用材料としてばね限界値が規定されている、すず7〜9%を含むりん青銅(C5210)である。
上記黄銅は、銅を主成分(59〜71.5%)とする亜鉛との合金(C2600〜C2801)であることが好ましい。
上記ベリリウム銅は、ばね用ベリリウム銅であることが好ましい。このばね用ベリリウム銅とは、ばね用材料として特に時効硬化処理条件及びばね限界値が規定されているベリリウム銅(C1700、C1720)である。
上記「第1板状部」は、上記ガスケット本体がV字状を示し得る限り、その形状、大きさ等は特に問わない。この第1板状部としては、例えば、平板状、湾曲板状、波板状等を挙げることができる。通常、平板状である。
上記第1板状部は、上記一対の被密封面のうちの一方の被密封面に圧接される。このとき、上記第1板状部は、例えば、その自由端縁側が一方の被密封面に直接接触することができる。
上記「第2板状部」は、上記ガスケット本体がV字状を示し得る限り、その形状、大きさ等は特に問わない。この第2板状部としては、例えば、平板状、湾曲板状、波板状等を挙げることができる。通常、平板状である。
上記第2板状部は、例えば、上記一対の被密封面のうちの他方の被密封面に固定されることができる。この固定形態としては、例えば、溶接、ろう付け、接着剤による接着、ビス止め等を挙げることができる。
ここで、上記第1板状部及び第2板状部のなす角度は、ガスケット本体がV字状を示し得る限り特に問わないが、20〜70度、特に30〜50度であることが好ましい。また、上記第1板状部及び第2板状部の板厚さは、0.05〜2mm、特に0.1〜0.5mmであることが好ましい。また、上記第1板状部の板幅l(図6参照)は、20〜150mm、特に30〜100mmであることが好ましい。さらに、上記第2板状部の板幅は、1〜150mm、特に2〜100mmであることが好ましい。
なお、上記第1板状部及び第2板状部の形状、大きさ等は、同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。
上記「円弧状部」は、上記第1板状部及び第2板状部を連結する限り、その形状、大きさ等は特に問わない。この円弧状部の縦断面形状としては、例えば、(1)所定の曲率半径の円弧からなる形態、(2)2以上の異なる曲率半径の円弧からなる形態等を挙げることができる。
上記曲率半径は、0.1〜10mm、特に0.5〜3mmであることが好ましい。
密封性をより高め得るといった観点から、上記第1板状部の自由端縁側に弾性を有するシール部材を設け、このシール部材が、弾性変形を伴って一方の被密封面に面接触することが好ましい。
上記シール部材は、例えば、線状(例えば、コード状、テープ状等)に形成され、ガスケット本体の長尺方向に沿って設けられていることができる。また、上記シール部材の材質としては、例えば、フッ素系樹脂、フッ素系ゴム、フッ素系エラストマ、シリコン樹脂、シリコンゴム等を挙げることができる。上記フッ素系樹脂としては、例えば、テトラフルオロエチエン(PTFE)、フッ化エチレンポリプロピレンコポリマー(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフロロアルキルビニルエーテルコポリマー(PFA)、テトラフルオロエチレン−エチレンコポリマー(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を挙げることができる。かかる部材としては、例えば、繊維状等に柔らかい処理がされたニチアス社製「ニチアス ソフトシール」(登録商標)、日本バルカー社製「コードシールソフト」(登録商標)などが例示される。なお、使用に際しては、装置条件や運転条件で適宜選択することが好ましい。
ガスケット本体の損傷等を抑制し得るといった観点から、上記第1板状部及び第2板状部の間には、例えば、両板状部の無理な近接移動を規制する保護部材が設けられていることができる。この保護部材の配設形態としては、例えば、(1)第1板状部の内表面側にのみ設けられている形態、(2)第2板状部の内表面側に設けられている形態、(3)第1板状部及び第2板状部の各内表面側に設けられている形態等を挙げることができる。
上記保護部材は、例えば、線状(例えば、コード状、テープ状)に形成され、ガスケット本体の長尺方向に沿って設けられていることができる。また、上記保護部材は、弾性を有する材料からなることが好ましく、その材料としては、例えば、金属、樹脂、ゴム、エラストマ等を挙げることができる。上記金属としては、例えば、炭素鋼、合金鋼、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金等を挙げることができる。上記樹脂としては、例えば、フッ素系樹脂、シリコン樹脂、オレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を挙げることができる。上記ゴムとしては、例えば、フッ素系ゴム、シリコンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム等を挙げることができる。上記エラストマとしては、例えば、フッ素系エラストマ、オレフィン系エラストマ、ウレタン系エラストマ、1,2−ポリブタジエン系エラストマ等を挙げることができる。上記フッ素系樹脂としては、例えば、テトラフルオロエチエン(PTFE)、フッ化エチレンポリプロピレンコポリマー(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフロロアルキルビニルエーテルコポリマー(PFA)、テトラフルオロエチレン−エチレンコポリマー(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を挙げることができる。かかる部材としては、例えば、繊維状等に柔らかい処理がされたニチアス社製「ニチアス ソフトシール」(登録商標)、日本バルカー社製「コードシールソフト」(登録商標)などが例示される。なお、使用に際しては、装置条件や運転条件で適宜選択することが好ましい。
なお、上記保護部材で使用できる弾性材料として、各種金属、樹脂、ゴム、エラストマ等の広範囲な材質を例示したが、これは、保護部材を第1及び第2板状部の外側に設置する場合、その保護部材は外気雰囲気にあり温度制限がないためである。
2.収容容器
本実施形態に係る収容容器は、上述の低温用ガスケット、並びに以下に述べる容器本体及び蓋体を備えている。この収容容器は、例えば、サブゼロ処理槽等のように所定の処理を伴って低温冷却及び/又は低温保持を行うものであったり、冷凍庫等のように所定の処理を伴わず低温保持及び/又は低温冷却を行うものであったりすることができる。
上記収容容器内には、例えば、液化窒素又は冷窒素ガス等の冷却媒体が供給されることができる。そして、この収容容器内は、例えば、低温状態(例えば、−50℃以下)とされることができる。さらに、この収容容器内は、例えば、常圧から加圧状態(例えば、0〜10,000Pa)までとされることができる。
上記「容器本体」は、上方を開放してなる限り、その形状、大きさ、材質等は特に問わない。上記容器本体の側壁の厚さは、JIS A9501の保温保冷工事施工標準等により、経済的な保冷厚さを選定することが望ましい。
上記「蓋体」は、上記容器本体の上方の開放部を閉塞し得る限り、その形状、大きさ、材質等は特に問わない。この蓋体は、通常、容器本体の上縁部に載置される。
上記容器本体及び上記蓋体の各被密封面の間には上述の低温用ガスケットが介在されている。この低温用ガスケットの配設形態としては、例えば、(1)容器本体の被密封面に低温用ガスケットの第2板状部が固定され、且つ、蓋体の被密封面に低温用ガスケットの第1板状部が圧接される形態、(2)蓋体の被密封面に低温用ガスケットの第2板状部が固定され、且つ、容器本体の被密封面に低温用ガスケットの第1板状部が圧接される形態等を挙げることができる。
なお、上記収容容器は、例えば、複数本の低温用ガスケットのうちの、隣り合う低温用ガスケットの長尺方向の両端側に形成された傾斜部が互いに突き合わされて、1つの連続する環状ガスケット体が形成されていることができる。上記収容容器が平面矩形状に形成されている場合は、通常、上記低温用ガスケットは4本用いられる。
また、上記低温用ガスケットは、例えば、上記収容容器を密封した際に、ガスケット本体のうち、特に円弧状部にかかる最大応力がガスケット本体の材料(例えば、ステンレス鋼)の耐力以下の値であることができる。また、上記保護部材を使用する場合にあっては、最大応力が材料の耐力を超えても良い。
3.収容容器の密封方法
本実施形態に係る収容容器の密封方法は、上述の収容容器の密封方法であって、上記容器本体の被密封面と、上記蓋体の被密封面との間に、上記低温用ガスケットを介在させることを特徴とする。
上記密封方法では、例えば、低温用ガスケットのガスケット本体の弾性変形によって、蓋体全体のたわみが吸収されることができる。また、上記密封方法では、例えば、低温用ガスケットのガスケット本体の弾性変形によって、蓋体の局所的な変形(図9参照)が吸収されることができる。
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。
なお、本実施例では、本発明に係る収容容器としてサブゼロ処理槽を例示する。
(1)サブゼロ処理槽の構成
本実施例に係るサブゼロ処理槽1は、図1に示すように、上方を開放してなる平面矩形状の容器本体11と、この容器本体11の上端面に載置されて容器本体11の上方開放部を閉塞する蓋体12と、を備えている。この容器本体11及び蓋体12の間には、後述する低温用ガスケットが設けられている。上記容器本体11及び蓋体12の内部には断熱材が設けられている。
上記容器本体11の側壁には、液化窒素ボンベ(図示せず)に連なる供給配管111が接続されている。この供給配管111の複数の供給ノズル112から液化窒素が容器本体の内部空間に噴射されるようになっている。また、容器本体11の底壁には、容器本体11の内部の冷却媒体を排気するための排気配管113が接続されている。
なお、上記容器本体11の長尺方向の長さは3600mmとされ、短尺方向の長さは500mmとされている。また。容器本体11の側壁の厚さは100mmとされている。
(2)低温用ガスケットの構成
本実施例に係る低温用ガスケット13は、図2及び図3に示すように、オーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)からなり且つ板厚さが0.2mmの金属板材をV字状に折り曲げてなる長尺状のガスケット本体131を備えている。
上記ガスケット本体131は、平板状の第1板状部131a及び第2板状部131bと、これら第1及び第2板状部131a,131bを連結する曲率半径1mmの円弧状部131cと、を有している。上記第1及び第2板状部131a,131bの板幅l(図6参照)は50mmとされている。また、第1及び第2板状部131a,131bの間の角度は45度とされている。
なお、上記金属板材を、折り曲げ機で折り曲げることによって、上記第1板状部131a、第2板状部131b及び円弧状部131cが形成されることとなる。
上記第1板状部131aの自由端縁部の外表面側には、コード状でフッ素系樹脂(テトラフルオロエチエン)(商品名「ニチアス ソフトシール」;ニチアス社製)からなるシール部材132が粘着剤により接着されている。そして、本低温用ガスケット13で容器本体11及び蓋体12の間を密封する際に、弾性変形を伴ってシール部材132が蓋体12の下端面(被密封面)に面接触するようになっている(図4参照)。
上記第2板状部131bは、容器本体11の上端面(被密封面)に両面テープにより接着され、ガスケット本体131のV字状の開口が容器本体11の外側方を向いている。
上記第2板状部131bの内表面側には、コード状でフッ素系樹脂(テトラフルオロエチエン)(商品名「コードシールソフト」;日本バルカー社製)からなる保護部材133が粘着剤により接着されている。そして、本低温用ガスケット13で容器本体11及び蓋体12の間を密封する際、槽内の内圧が比較的低い場合、第1板状部131aの内表面側が保護部材133に圧接されるようになっている(図11参照)。
なお、上記低温用ガスケット13は4本用意され、図5に示すように、隣り合う低温用ガスケット13の長尺方向の両端側に形成された傾斜部134が互いに突き合わされて、1つの連続する環状ガスケット体が形成される。
ここで、上記低温用ガスケット13の各種寸法の選定形態について説明する。
図6に示すように、低温用ガスケット13の第1板状部131aの自由端縁に所定荷重([蓋体の重さ]−[内圧])がかかるものとして、ガスケット本体131の板厚さが0.15mm、0.2mm、0.5mm、1.0mmの4種類のものについて、円弧状部131cの曲率半径rを1mm、2mm、5mmで変更した際のたわみ量f及び最大応力を算出した。なお、上記第1板状部131aの板幅lは50mmとされ、第2板状部131bは固定面に固定されているものとする。
その結果、たわみ量fについては、図7に示すように、曲率半径rが大きいほど、たわみ量fも大きくなる。また、板厚さが薄いほど、たわみ量fが大きくなる。また、最大応力については、図8に示すように、曲率半径rが大きいほど、最大応力も大きくなる。ただし、この最大応力は、材料(SUS304)の耐力(665N/mm)以下の範囲であることが条件となる。また、板厚さが薄いほど、最大応力が大きくなる。
以上より、最大応力が耐力以下であり、且つ、必要なたわみ量を確保できるものを選定することが好ましい。従って、本実施例では、上述のように、板厚さが0.2mm、曲率半径rが1mmのガスケット本体131を有する低温用ガスケット13を採用している。
なお、第1板状部131aの板幅lを変更したり、第1板状部131a及び第2板状部131bの間の角度を変更したりして、各種寸法を選定することもできる。
(3)サブゼロ処理槽の作用
上記サブゼロ処理槽1によるサブゼロ処理では、容器本体11内に被冷却物として複数の鋼板(図示せず)が収納され、供給ノズル112から液化窒素が噴射される。すると、槽内の温度が−100℃とされ、内圧が500Paとされる。このサブゼロ処理中に、図1に仮想線で示すように、蓋体12全体のたわみが発生することがあるが、低温用ガスケット13のガスケット本体131の弾性変形によって蓋体12全体のたわみが吸収され、容器本体11及び蓋体12の間は密封された状態が保持されることとなる。
また、上記サブゼロ処理中に、図9に示すように、蓋体12の局所的な変形として、蓋体12が上側に変形した変形箇所T1、蓋体12の変形のない通常箇所T2、及び蓋体12が下側に変形した変形箇所T3が連続して発生する場合がある。上記変形箇所T1における低温用ガスケット13の第1板状部131aは、図10に示すように、通常箇所T2での第1板状部131a(図中仮想線で示す。)より上方位置に位置している。また、上記変形箇所T3における低温用ガスケット13の第1板状部131aは、図11に示すように、通常箇所T2での第1板状部131a(図中仮想線で示す。)より下方位置に位置しており、さらに第1板状部131aの内表面側が保護部材133に圧接して支持されている。その結果、低温用ガスケット13のガスケット本体131の弾性変形によって、蓋体12の局所的な変形が吸収され、容器本体11及び蓋体12の間は密封された状態が保持されることとなる。
(4)実施例の効果
以上より、本実施例の低温用ガスケット13では、ガスケット本体131をV字状に形成したので、弾性変形し易く、且つ、被密封面に対する接触面積の比較的小さなものとすることができる。従って、本低温用ガスケット13によって、サブゼロ処理槽1の容器本体11及び蓋体12の間を密封する場合、ガスケット本体131の弾性変形によって、蓋体12全体のたわみを十分吸収したり、蓋体12の局所的な変形に追随したりでき、容器本体11及び蓋体12の間をより確実に密封することができる。また、従来のように、Z字状やコ字状のガスケット本体を有するものや2重筒構造を有するものに比べて、簡易に折り曲げ成形することができ、製作コストを抑えることもできる。
また、本実施例の低温用ガスケット13では、ガスケット本体(金属板材)131を、オーステナイト系ステンレス鋼製としたので、ガスケット本体131を、低温脆性及び弾性に優れたものとすることができる。しかも安価なものとすることができる。
また、本実施例の低温用ガスケット13では、第1板状部131aの自由端縁側にフッ素系樹脂からなるシール部材132を設けたので、弾性変形によりシール部材132が被密封面に面接触するので、その密封性を更に向上させることができる。さらに、第2板状部131bの内表面側にフッ素系樹脂からなる保護部材133を設けたので、第1板状部131aの無理な弾性変形が規制され、円弧状部のつぶれ等を抑制できる。また、従来のように、ガスケット本体の表裏全面に弾性材をコーティングするものに比べて、シール部材132及び保護部材133を簡易に設けることができ、製作コストを抑えることもできる。
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、上記実施例では、容器本体11側に低温用ガスケット13を固定するようにしたが、これに限定されず、例えば、図12に示すように、蓋体12側に低温用ガスケット13を固定するようにしてもよい。これにより、上記実施例の作用・効果に加えて、蓋体12を取り外した状態の容器本体11内に被冷却物を入れる際、その冷却物を低温用ガスケット13にぶつけてしまうことを防止できるといった利点がある。
また、上記実施例では、ガスケット本体131のV字状の開口が容器本体11の外側方を向くように低温用ガスケット13を配設したが、これに限定されず、例えば、図13に示すように、ガスケット本体131のV字状の開口が容器本体11の内側方を向くように低温用ガスケット13を配設したり、上方、下方又は斜め方向を向くように配設したりしてもよい。
また、本実施例では、ガスケット本体131に別部材の保護部材133を固着するようにしたが、これに限定されず、例えば、ガスケット本体131の一部を突起状に形成して保護部材としてもよい。
一対の被密封面の間を密封する低温用ガスケットとして利用される。特に、サブゼロ処理槽等の収容容器の容器本体及び蓋体の間を密封する低温用ガスケットとして好適に利用される。
本実施例に係るサブゼロ処理槽の正面図である。 本実施例に係る低温用ガスケットの斜視図である。 容器本体から蓋体を取り外した状態を示すサブゼロ処理槽の要部縦断面図である。 容器本体に蓋体を取り付けた状態を示すサブゼロ処理槽の要部縦断面図である。 容器本体の要部平面図である。 各種寸法の選定形態を説明するための低温用ガスケットの模式図である。 低温用ガスケットの曲率半径とたわみ量との相関を示す説明図である。 低温用ガスケットの曲率半径と最大応力との相関を示す説明図である。 サブゼロ処理における蓋体の局所的な変形を説明するための説明図である。 図9のA−A線断面図である。 図9のB−B線断面図である。 低温用ガスケットのその他の配設形態を説明するための説明図である。 低温用ガスケットの更にその他の配設形態を説明するための説明図である。
符号の説明
1;サブゼロ処理槽、11;容器本体、12;蓋体、13;低温用ガスケット、131;ガスケット本体、131a;第1板状部、131b;第2板状部、131c;円弧状部、132;シール部材、133;保護部材。

Claims (7)

  1. 一対の被密封面の間に設けられる低温用ガスケットであって、
    弾性を有する金属板材をV字状に折り曲げてなるガスケット本体を備え、該ガスケット本体は、第1板状部及び第2板状部と、該第1板状部及び該第2板状部を連結する円弧状部と、を有することを特徴とする低温用ガスケット。
  2. 前記第1板状部の自由端縁側に、前記一対の被密封面のうちの一方の被密封面に接触可能であるシール部材が設けられている請求項1記載の低温用ガスケット。
  3. 前記第1板状部及び前記第2板状部のうちの少なくとも一方の板状部の内表面側に、他方の板状部の内表面側が接触可能である保護部材が設けられている請求項1又は2に記載の低温用ガスケット。
  4. 前記金属板材が、オーステナイト系ステンレス鋼からなる請求項1乃至3のいずれか一項に記載の低温用ガスケット。
  5. 前記金属板材が、銅又は銅合金からなる請求項1乃至3のいずれか一項に記載の低温用ガスケット。
  6. 上方を開放してなる容器本体と、該容器本体の上方を閉塞する蓋体と、該容器本体及び該蓋体のそれぞれの被密封面の間に介在される請求項1乃至5のいずれか一項に記載の低温用ガスケットと、を備えることを特徴とする収容容器。
  7. 上方を開放してなる容器本体の被密封面と、該容器本体の上方を閉塞する蓋体の被密封面との間に、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の低温用ガスケットを介在させることを特徴とする収容容器の密封方法。
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