JP2006288560A - 吸入ガス供給器具及びこれを用いた吸入麻酔装置、並びに、麻酔導入方法及び装置。 - Google Patents

吸入ガス供給器具及びこれを用いた吸入麻酔装置、並びに、麻酔導入方法及び装置。 Download PDF

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Abstract


【課題】 実験や外科手術の効率を低下させることなく且つ実験にかかるコストを増大させないで、小動物(M)に麻酔ガスや酸素等の吸入ガスを吸入させることができるようにすること。
【解決手段】 吸入ガス発生装置(1)のガス送出口(11)に上流端が接続されると共に下流側において複数の送気路(22)に分岐される第1送気チューブ(2)と、前記送気路(22)の下流端にそれぞれ設けられ、吸入ガスを貯蔵し得るガス貯蔵容器(3a)(3b)(3c)と、前記ガス貯蔵容器(3a)(3b)(3c)に上流端が接続されると共に前記気管チューブ(6)を通じて小動物(M)に吸入ガスを送出する人工呼吸器(5)に下流端が接続される第2送気チューブ(4)とからなり、前記ガス貯蔵容器(3a)(3b)(3c)の下流側に吸入ガスの流出を制限するための開閉手段(31a)(31b)(31c)が設けられていること。
【選択図】 図2

Description

本発明は、複数の小動物に同時に吸入ガスを供給し得る吸入ガス供給器具及びこれを用いた吸入麻酔装置と、小動物の麻酔導入方法及びこれに用いられる麻酔導入装置に関する。
従来、実験や外科手術において動物の苦痛を取り除くための全身麻酔の方法として、静脈麻酔や筋肉内麻酔等の注射により麻酔薬を投与する注射麻酔法と、気化した麻酔薬を口や鼻から吸入させる吸入麻酔法とが用いられている。
一般に、注射麻酔は、麻酔濃度の変化に対する感度も低いため個体や条件により麻酔のかかり具合の変動が大きく、麻酔深度の調節が難しく麻酔過剰により動物が麻酔死する危険性が高いとされている。一方、吸入麻酔は、麻酔濃度の変化に対する感度が高く、麻酔深度の調節が容易であるから麻酔死に至る危険性が低く、安全性が高い麻酔法とされている。
そのため、ペットの外科手術や、個体単価の高いイヌやブタ,ウシ等の中・大動物をモデル動物として用いる実験においては安全性の高い吸入麻酔法を導入する例が多くなっている。一方で、マウスやラット,ウサギ等の小動物をモデル動物として用いる実験においては、処理する個体数が多く、個体単価も比較的低額であることから、手技が簡便であり且つ特別な装置や器具を必要としない静脈麻酔を用いるのが一般的である。
実開平2−147115
しかしながら、上記静脈麻酔法においては、個体重量が小さい小動物ほど麻酔深度の調節が困難であるため、複数の小動物に対して酔麻を施す場合、熟練した研究者であっても麻酔深度に個体差が生じることは避け難いものとなっている。
モデル動物を用いる実験においては、モデル動物の麻酔深度が実験結果に影響を及ぼすことが示唆されており、信頼性の高い実験結果を得るためには、モデル動物の麻酔深度を均一に保って実験を行うことが重要とされている。
特に、新薬開発のための薬効薬理や安全評価に関する実験においては、より高い信頼性が要求されることから、従来、静脈麻酔法が主流であった小動物についても、麻酔深度の調節が容易であり且つ投与薬物に対しても高い感度を示す吸入麻酔法を導入する方向へと向かっている。
しかしながら、前記吸入麻酔法を行うためには、図6に示されるように、麻酔薬を気化する麻酔気化器(10)と、前記気化麻酔薬に混合させる酸素が貯蔵された酸素ボンベ(8)と、前記酸素ボンベ(8)から前記麻酔気化器(10)に酸素を送るための送気チューブ(80)とからなる麻酔ガス発生置(1)と、前記麻酔ガスを手術台(T)に固定されたモデル動物(M)に送る人工呼吸器(5)と、前記麻酔ガス発生装置(1)からの麻酔ガスを前記人工呼吸器(5)に送る送気チューブ(2)と、前記人工呼吸器(5)からモデル動物(M)に麻酔ガスを送る気管チューブ(6)とを有する吸入麻酔装置を1匹のモデル動物に対して1台準備する必要がある。
また、小動物をモデル動物とする実験においては、実験結果の信頼性と同時に、単位時間により多くの個体を処理し得ることも重要であるため、前述の静脈麻酔法と同程度の数のモデル動物を同時に処理可能な数の吸入麻酔装置を準備することが要求される。
しかしながら、前記吸入麻酔装置に用いられる装置や器具は単価が高く、必要数の装置等を揃えると実験にかかるコストが著しく増大されてしまうという問題がある。特に、麻酔ガス発生装置(1)に用いられる麻酔気化器(10)は高額であり、小動物をモデル動物とした実験に吸入麻酔法を導入することの大きな妨げとなっている。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、実験や外科手術の効率を低下させることなく且つ実験にかかるコストを増大させないで、小動物に麻酔ガスや酸素等の吸入ガスを吸入させることができるようにすることを課題とする。また、吸入麻酔装置に用いる場合に、小動物が麻酔死する危険性を低減することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するために、気管チューブによる小動物への麻酔ガスなどの供給に用いられる吸入ガス供給器具において、吸入ガス発生装置のガス送出口に上流端が接続されると共に下流側において複数の送気路に分岐される第1送気チューブと、前記複数の送気路の下流端にそれぞれ設けられ、前記第1送気チューブから送られる吸入ガスを貯蔵し得るガス貯蔵容器と、前記各ガス貯蔵容器に上流端が接続され、下流端が前記気管チューブを通じて小動物に吸入ガスを送出する人工呼吸器に接続される第2送気チューブとを有し、前記ガス貯蔵容器の下流側には、前記ガス貯蔵容器からの吸入ガスの流出を制限するための開閉手段が設けられていることを特徴とする。
これによれば、前記ガス貯蔵容器の下流側に設けられた開閉手段を閉じた状態で、前記吸入ガス発生装置からの吸入ガスの送出を開始すると、前記第1送気チューブの送気路を通じて複数の前記ガス貯蔵容器に吸入ガスが貯蔵される。
前記ガス貯蔵容器内に所定の量の吸入ガスが貯蔵された後、前記開閉手段を開いてガス貯蔵容器内に接続された各人工呼吸器を作動させることにより、前記ガス貯蔵容器内に貯蔵された吸入ガスが気管チューブを通じて小動物へと送られる。
これにより、1台の吸入ガス発生装置から送出される吸入ガスを同時に複数の小動物に供給することができる。
ここで、前記吸入ガス発生装置から吸入ガスの送出は、前記ガス貯蔵容器に所定量の吸入ガスが貯蔵された時点において一旦停止させても、そのまま継続させてもよい。また、前記ガス発生装置としては、麻酔気化装置と酸素ボンベからなる麻酔ガス発生装置や、酸素ガスや二酸化炭素ガスなどを貯蔵した貯蔵ボンベ,複数のガスを所定割合で混合するガス混合装置などが考えられる。
また、前記第2送気チューブは、上流側において前記ガス貯蔵容器と同数の送気路に分岐し、前記送気路の上流端がそれぞれ前記気体貯蔵容器に接続され、前記ガス貯蔵容器の上流側には、吸入ガスの流入を制限するための開閉手段が設けられていることを特徴とする。これによれば、1匹の小動物に対して複数の吸入ガス貯蔵容器を配置させることができると共に、前記上流側の開閉手段の開閉により前記吸入ガス発生装置からの吸入ガスを貯蔵させる前記ガス貯蔵容器を選択することができる。
これにより、複数の前記ガス貯蔵容器に予め濃度や性質の異なる吸入ガスを貯蔵させておくことにより、前記ガス貯蔵容器の下流側の開閉手段を切替えるだけで、容易に小動物ごとに送る吸入ガスの種類や濃度を変更することができる。
また、前記ガス貯蔵容器は、前記第1送気チューブと第2送気チューブとに着脱自在に接続可能であり且つ吸入ガスの流入口及び流出口として兼用される接続口と、前記ガス貯蔵容器への吸入ガスの流入及び流出を制限する開閉手段とを有することを特徴とする。これによれば、前記接続口を前記第1送気チューブに取付けて前記ガス貯蔵容器に吸入ガスを流入させることができると共に、前記開閉手段を閉状態として前記第1送気チューブから接続口部を取り外し、前記第2送気チューブに付け替えた後、前記開閉手段を開状態として前記ガス貯蔵容器から充填された吸入ガスを流出させることができる。
これにより、吸入ガスを充填させた前記ガス貯蔵容器を前記吸入ガス供給器具から取り外して別の場所において保存することができる。また、前記ガス貯蔵容器の上流側と下流側とを離れた位置に設置することができる。
また、前記ガス貯蔵容器は、ガス未貯蔵の状態においては扁平に折り畳み可能であり且つ吸入ガスの流入により扁平状態から略球状に膨張されることを特徴とする。これによれば、不使用時には前記ガス貯蔵容器を折り畳んでコンパクトに収容できると共に、前記ガス貯蔵容器の膨縮により吸入ガスの残量を知ることができる。
本発明は、気管内に挿管された気管チューブを通じて小動物に麻酔を施す吸入麻酔装置において、前記請求項1から請求項4のいずれかに記載の吸入ガス供給器具と、
前記吸入ガス供給器具の第1送気チューブの上流側に接続される麻酔ガス発生装置と、前記第2送気チューブの下流側に接続され前記気管チューブを通じて小動物に麻酔ガスを送出する人工呼吸器とを有し、前記麻酔ガス発生装置は、麻酔ガスの濃度を調節可能であることを特徴とする。
これによれば、1台の麻酔ガス発生装置から同時に複数の小動物に麻酔ガスを供給することができる。また、複数の前記ガス貯蔵容器を有する構成としたものでは、各ガス貯蔵容器に異なる濃度の麻酔ガスを貯蔵させて、各ガス貯蔵容器の開閉手段の開閉により麻酔のかかり具合に応じて小動物ごとに異なる濃度の麻酔ガスを送ることができる。
また、前記第1送気チューブの分岐された送気路の一つに、小動物に麻酔導入を行うための麻酔導入用のケースを接続させたことを特徴とする。これによれば、前記開閉手段の開閉により、装置や送気回路を組み替えることなく1台の前記麻酔ガス発生装置を吸入麻酔と麻酔導入とに共用することができる。これにより、吸入麻酔と前記吸入麻酔前に行われる麻酔導入とを1つの装置において行うことができる。
また、前前記麻酔導入用のケースの上面部の一部又は全部が透明とし、上流側の壁面に前記第1送気チューブからの麻酔ガスを前記ケース内に送入するための送入口が形成し、前記送入口と対向する下流側の壁面に前記ケース内の麻酔ガスを排出するための排出口が形成し、前記送入口の上流側に麻酔ガスの送入を制限するための開閉手段が設けたことを特徴とする。本発明の麻酔導入用のケースは、後述の麻酔導入方法に用いられるものであり、小動物の麻酔導入のかかり具合を見ながら前記ケース内の麻酔濃度を容易に且つ迅速に変更することができると共に、小動物に安全に麻酔を導入することができる。
本発明は、小動物の外科手術や実験の際の麻酔導入方法であって、
上面部の一部又は全部が透明な閉塞可能なケース内に小動物を収容させた後、前記ケースの上流側の壁面に形成された送入口から気化された麻酔薬と酸素等のガスとを混合することにより調製された麻酔ガスを前記ケース内に所定の流速で連続送入させると共に、前記ケースの下流側の壁面に形成された排出口から前記ケース内に充填された麻酔ガスを外側に排出させることにより小動物に麻酔を導入することを特徴とする。
これによれば、麻酔薬を外部で気化させて前記ケース内に送入するから、従来のケース内において麻酔を気化させる場合のように前記ケース内の麻酔濃度にムラが生じにくいと共に、前記ケース外において前記ケース内の麻酔濃度や酸素濃度を変更することができる。また、前記ケースの上流側の送入口から送入された麻酔ガスは、収容された小動物などにより多少撹拌されながら下流側へと流れて、小動物から排出された二酸化炭素と共に前記排出口から外側へと排出されるから、前記ケース内は常に新しい麻酔ガスによって満たされることとなる。
これにより、小動物の麻酔導入のかかり具合を見ながら外部操作により麻酔濃度を変更できると共に、前記麻酔濃度の変更が迅速に前記ケース内に反映される。また、前記ケース内の麻酔ガスが常に入れ替えられることで、前記ケース内の麻酔薬,酸素,二酸化炭素等の濃度を略一定に維持することができるから、小動物に安全に麻酔を導入することができる。
ここで、前記ケース内に挿入させる麻酔ガスの流速は、麻酔ガスの種類や濃度,ケースの形状,室温等に応じて設定されるものであり、前記ケースの容積量の6分の1/min〜前記ケースの容積量/minとするものが好ましい。特に、定常流速で導入麻酔を行う際には前記ケースの容積量×5分の1/min〜前記ケースの容積量×4分の1/minとするのが好適であり、麻酔ガスの濃度を変更する際には前記ケースの容積量の2分の1/min〜前記ケースの容積量/minとするのが好適である。また、前記ケース内からの麻酔ガスの排気は、自然排気であっても、強制排気であってもよい。
本発明は、上記麻酔導入方法に用いられる麻酔導入装置であって、
気化された麻酔薬と酸素等のガスとを混合させて麻酔薬を所定濃度で含む麻酔ガスを発生させて所定の流速で送出する麻酔ガス発生装置と、上面部の一部又は全部が透明であり且つ閉塞可能な小動物を収容するためのケースと、前記麻酔ガス発生装置の送出口に上流端が接続されると共に、前記ケースの壁面に形成される麻酔ガスの送入口に下流端が接続される送気チューブと、前記ケースの送入口と対向する壁面に形成される麻酔ガスの排出口に接続される排気チューブとを有することを特徴とする。
これによれば、前述の麻酔導入方法と同様に、小動物の麻酔導入のかかり具合を見ながら前記ケース内の麻酔濃度を容易に且つ迅速に変更することができると共に、小動物に安全に麻酔を導入することができる。
本発明の吸入ガス供給器具によれば、1台の吸入ガス発生装置から送出される吸入ガスを同時に複数の小動物に供給できる。
また、1匹の小動物に対して複数のガス貯蔵容器を配置し、開閉手段の切替えにより前記ガス貯蔵容器を選択・変更でき、小動物ごとに吸入させる吸入ガスやその濃度を自由に調節することができる。
本発明の吸入麻酔装置によれば、1台の麻酔ガス発生装置から同時に複数の小動物に麻酔ガスを供給できる。また、複数のガス貯蔵容器に異なる濃度の麻酔ガスや酸素を貯蔵させておくことにより、小動物ごとに麻酔ガス濃度を変更して麻酔深度を調節できる。さらに、麻酔導入用のケースの接続により、吸入麻酔と前記吸入麻酔前に行われる麻酔導入とを1つの装置により行える。
以下に、本発明の実施例について添付図面を参照しながら説明する。
<実施例1>
本発明にかかる吸入ガス供給器具を備えた吸入麻酔装置の一例を図1に示している。
この例の吸入麻酔装置は、主に小動物をモデル動物(M)とした実験に利用されるものであり、1台の麻酔ガス発生装置(1)から同時に4匹のモデル動物(M)に吸入麻酔を施すことができる吸入ガス供給器具を備えている。
前記吸入麻酔装置は、図1に示されるように、麻酔ガス発生装置(1)と、前記麻酔発生装置(1)の送出口(11)に上流端が接続されると共に下流側が4本の送気路(22)に分岐された第1送気チューブ(2)と、前記送気路(22)の下流端に取付けられる4個のガス貯蔵容器(3)と、前記ガス貯蔵容器(3)の下流端に分岐した上流端が接続される第2送気チューブ(4)とからなる吸入ガス供給器具と、前記第2送気チューブ(4)の下流端が吸気口(50)に接続されると共に排気口(51)に前記モデル動物(M)に挿管された気管チューブ(6)が接続される人工呼吸器(5)とから構成されている。
前記ガス貯蔵容器(3)は、麻酔ガスが未貯蔵の状態では扁平に折畳むことができると共に、麻酔ガスの充填により略球状に膨らむように形成された気密性を有する合成樹脂製の袋部材であり、前記ガス貯蔵容器(3)の下流側には前記ガス貯蔵容器(3)内からの麻酔ガス流出を制限する開閉バルブ(31)が設けられている。
次に、上記吸入麻酔装置を用いて実際にモルモット(M)に吸入麻酔を施す手順について説明する。
先ず、前記ガス貯蔵容器(3)の下流側のすべての開閉バルブ(31)を閉状態とした後、前記麻酔発生装置(1)から1%麻酔ガスを送出させる。前記ガス貯蔵容器(3)が略球状に膨らんだところで1%麻酔ガスの送出を一旦停止させる。
次に、麻酔導入が施された前記モルモット(M)を、図1に示されるように、手術台(T)に固定し、喉部を切開して前記気管チューブ(6)を挿管させた後、1%麻酔ガスが充填された前記ガス貯蔵容器(3)の下流側の開閉バルブ(31)を開状態として、前記人工呼吸器(5)を作動させる。これにより、前記ガス貯蔵容器(3a)内の1%麻酔ガスが第2送気チューブ(4)→人工呼吸器(5)→気管チューブ(6)の順に送られ、最終的に前記モルモットの肺へと送られる。
前記人工呼吸器(5)の呼吸容量や呼吸回数は、前記モルモット(M)の体重や状態に合わせて設定されるものである。この例のものでは、呼吸容量:5ml〜10ml/回,呼吸回数:20回〜60回/分に設定されているが、必ずしもこれに準じる必要はない。
また、前記人工呼吸器(5)の作動開始と共に、前記麻酔ガス発生装置(1)による1%麻酔ガスの送出を再開させることにより、吸入麻酔と平行して1%麻酔ガスを前記ガス貯蔵容器(3)に充填することができる。
上記のような構成であるから、本発明の吸入ガス供給器具を用いることにより、1台の麻酔ガス発生装置(1)から送出される麻酔ガスを同時に4匹のモルモット(M)に供給することができる。これにより、実験効率を低下させることなく且つ実験にかかるコストを増大させることなく、モルモット(M)等の小動物をモデル動物とした実験に麻酔深度の調節が容易であり且つ投与薬物に対する感度の高い吸入麻酔法を取り入れることができる。
この例のものでは、前記ガス貯蔵容器(3)は、麻酔ガスが未貯蔵の状態においては扁平に折り畳み可能であるから、不使用時には前記ガス貯蔵容器(3)を折り畳んでコンパクトに収容することができる。また、前記ガス貯蔵容器(3)の膨縮により麻酔ガスの残量を知ることができる。
<実施例2>
図2には、1匹のモデル動物(M)に対して複数のガス貯蔵容器(3)を配置した構成の吸入ガス供給器具と、モデル動物に導入麻酔を施すための導入麻酔装置とを備えた吸入麻酔装置の一例を示している。
この例のものも、前述の実施例1と同様に、小動物をモデル動物(M)とした実験に利用されるものであり、1台の麻酔ガス発生装置(1)から同時に4匹のモデル動物(M)に吸入麻酔を施すことができる吸入ガス供給器具と、同時に1〜4匹のモデル動物(M)に麻酔導入を施すことができる麻酔導入装置(7)とをそれぞれ備えている。
前記吸入麻酔装置は、酸素ボンベ(8)からの酸素と麻酔気化器(10)により気化された麻酔薬とを混合させて所定濃度の麻酔ガスを調製する麻酔ガス発生装置(1)と、前記麻酔気化器(10)の送出口(11)に上流端が接続されると共に下流側が14本の送気路(22)(24)に分岐された第1送気チューブ(2)と、前記送気路(22)の下流端に3個一組で取付けられる合計12個のガス貯蔵容器(3a)(3b)(3c)と、前記ガス貯蔵容器(3a)(3b)(3c)の下流端に分岐した上流端が接続されると共に下流側において一本に収束される第2送気チューブ(4)とからなる吸入ガス供給器具と、前記第2送気チューブ(4)の下流端が吸気口(50)に接続されると共に排気口(51)に前記モデル動物(M)に挿管された気管チューブ(6)が接続される人工呼吸器(5)と、前記第1送気チューブ(2)の送気路(24)の一つに接続される麻酔導入装置(7)とから構成されている。
*麻酔ガス発生装置
前記麻酔ガス発生装置(1)は、上流側に設置される酸素ボンベ(8)と、前記麻酔気化器(10)と、前記酸素ボンベ(8)からの酸素を前記麻酔気化器(10)に送る送気チューブ(80)とからなり、前記麻酔気化器(10)において気化された麻酔薬と前記酸素ボンベ(8)から送られてきた酸素とが混合されて所定濃度の麻酔ガスが調整されている。前記麻酔ガスの濃度は、前記麻酔気化器(10)において0%−4%の範囲で設定することができるようになっており、濃度:0%に設定したときには、前記麻酔ガス発生装置(1)からは酸素ガスが下流側に送出されることとなる。
この例のものでは、前記麻酔気化器(10)において前記麻酔ガス発生装置(1)から送出される麻酔ガスの流速を調節することができる構成となっている。また、図2に示されるように、前記送気チューブ(8)にはバイパス路(82)が設けられており、切替バルブ(81)により酸素をバイパス路(82)側に送出できるようになっている。
*吸入ガス供給器具
前記第1送気チューブ(2)は、図2及び図3に示されるように、前記麻酔気化器(10)の送出口(11)に接続される上流チューブ(20)と、前記上流チューブ(20)の下流端に取付けられる麻酔ガスが送通可能なT字状の分岐管(25)と、両端が開放する直線チューブ(21)から垂直に3本の送気路(22)が形成された分岐チューブ(23)と、隣接する分岐チューブ(23)相互を麻酔ガスが送通可能に連結する連結管(26)と、前記分岐チューブ(23)の開放端を閉塞するための閉塞栓(27)とから構成されている。
前記ガス貯蔵容器(3c)(3b)(3c)は、前述の実施例1と同様に、扁平に折畳み可能な合成樹脂製の袋部材であり、両極部に前記第1送気チューブ(2)の送気路(22)に接続される麻酔ガスの流入口(32)と、第2送気チューブ(4)の送気路(42)に接続される麻酔ガスの流出口(33)とがそれぞれ形成されている。前記流入口(32)には麻酔ガスの流入を制限する開閉バルブ(30a)(30b)(30c)が設けられており、前記流出口(33)には、麻酔ガス流出を制限する開閉バルブ(31a)(31b)(31c)が設けられている。
この例のものでは、前記ガス貯蔵容器(3a)(3b)(3c)の直径が40cm〜50cm(容積30〜60リットル)のものを用いている。
前記第2送気チューブ(4)は、図2及び図3に示されるように、前記ガス貯蔵容器(3a)(3b)(3c)の流出口(33)に接続される3本の送気路(42)と、前記送気路(42)の下流端が接続される両端が閉塞された直線チューブ(41)とからなる分岐チューブ(43)と、前記直線チューブ(41)の中央部分から延長され下流端が前記人工呼吸器(5)の吸気口(50)に接続される下流チューブ(40)とから構成されている。
前記下流チューブ(40)には、余剰な麻酔ガスを排出するためのバイパス路(9)が形成されており、前記バイパス路(9)には切替バルブ(90)が設けられている、図3の状態から前記切替バルブ(90)を時計回りに90度回転させて、前記バイパス路(90)に前記酸素ボンベ(8)に接続された前記送気チューブ(80)のバイパス路(82)を接続することにより、モデル動物(M)に直接且つ緊急に酸素を供給することができる。
前記人工呼吸器(5)は、所定の間隔で前記吸気口(50)から前記下流チューブ(40)を介して前記ガス貯蔵容器(3a)(3b)(3c)から麻酔ガスを引き込んで、排気口(51)から前記気管チューブ(6)を通じて前記モデル動物(M)の肺に呼吸間隔で送出している。
*麻酔導入装置
前記麻酔導入装置(7)は、図2及び図4に示されるように、モルモットを並べて2匹収容可能な矩形状のケース(70)と、前記ケース(70)の上部開口を被覆する透明な蓋板(74)と、前記第1送気チューブ(2)の1つの送気路(24)に上流端が接続されると共に前記ケース(70)の上流側の側壁面(75)に下流端が接続される送気チューブ(71)と、前記ケース(70)の下流側の側壁面(76)に上流端が接続されると共に屋外又は麻酔ガス回収器に下流端が接続される排気チューブ(72)とから構成されている。
前記ケース(70)の上流側の側壁面(75)には、前記送気チューブ(71)からの麻酔ガスが送入される2つの送入口(77)が形成されており、対向する下流側の側壁面(76)には、前記ケース(70)内の麻酔ガスを前記排気チューブ(72)から外部に排出する2つの排出口(78)が前記送入口(77)と同じ間隔で形成されている。この例のものでは、前記ケース(70)内にモデル動物(M)を2匹並べたときに、前記送入口(77)が前記モデル動物(M)の鼻先近傍に来るように前記送入口(77)の数及び位置が設定されている。
前記送気チューブ(71)の上流端部には、麻酔ガスの送入を制限する開閉バルブ(79)が設けられている。また、前記送気チューブ(71)の下流部及び排気チューブ(72)の上流部は、図4に示されるように、2つの送気路(710)(720)に分かれており、それぞれ前記ケース(70)の送入口(77)及び排出口(78)に接続されている。
前記蓋板(74)は、透明なアクリル板からなり、前記ケース(70)の上端縁に取付けられた逆L字状の保持ピン(P)により左右方向にスライド自在に保持されている。
*麻酔導入方法及び吸入麻酔方法
次に、上記吸入麻酔装置を用いて実際にモルモット(M)に麻酔導入及び吸入麻酔を施す手順について説明する。
この例においては、麻酔薬としてハロセンを用い、1匹のモルモット(M)に対して3個一組で配置される前記ガス貯蔵容器(3a)(3b)(3c)のうちの2つに1%麻酔ガスを充填し、残りの1つに2%麻酔ガスを充填させて利用する。
先ず、前記ガス貯蔵容器(3a)(3b)(3c)の流出口(33)側のすべての開閉バルブ(31a)(31b)(31c)と、前記麻酔導入装置(7)の開閉バルブ(79)とを閉状態とすると共に、2つのガス貯蔵容器(3a)(3b)の流入口(32)側の開閉バルブ(30a)(30b)を開状態とし、1つのガス貯蔵容器(3c)の開閉バルブ(30a)を閉状態とした後、前記麻酔気化装置(10)の麻酔濃度を1%に設定して1%麻酔ガスを送出させる。前記ガス貯蔵容器(3a)(3b)が略球状に膨らんだ順に前記開閉バルブ(30a)(30b)を閉状態とし、計8個の前記ガス貯蔵容器(3a)(3b)すべてに充填が完了したところで1%麻酔ガスの送出を一旦停止させる。
次に、前記麻酔貯蔵容器(3c)の流入口(32)側の開閉バルブ(30c)を開状態とした後、前記麻酔気化装置(10)の麻酔濃度を2%に設定して2%麻酔ガスを送出させて、前記ガス貯蔵容器(3c)に充填させる。充填が完了したら前記開閉バルブ(30a)を閉状態として、2%麻酔ガスの送出を停止させる。
吸入麻酔の準備が整ったところで、前記麻酔導入装置(7)の前記ケース(70)に2匹のモルモット(M)を収容させて前記蓋板(75)を閉じ、前記送気チューブ(71)の開閉バルブ(79)を開状態とした後、前記モルモット(M)の重量に合わせて前記麻酔気化装置(10)の麻酔濃度を3〜4%に設定し、麻酔ガスを所定の流速で送出させる。この例のものでは、容積量:17.5Lのケース(70)を用いており、導入麻酔の際には定常流速:4L/minの麻酔ガスを送出して麻酔導入を行っている。
前記ケース(70)内に前記送入口(77)から送入された麻酔ガスは、前記ケース(70)内を緩やかに循環しながら後から送入されてくる麻酔ガスに押される形で上流側から下流側へと流れて、前記モルモット(M)の排出した二酸化炭素などと共に前記排出口(78)から外部へと排出される。これにより、前記ケース(70)の麻酔薬,酸素,二酸化炭素等の吸入ガスの濃度が略一定に保たれるから、前記モルモット(M)の状態が安定し、安全に麻酔導入を施すことができると共に、麻酔過剰や酸欠等による死亡率も大幅に低減される。
また、前記モルモットの(M)の麻酔のかかり具合に応じて前記麻酔気化装置(10)の濃度及び流速の設定を調節することにより、前記ケース(70)の蓋板(75)を開閉することなく、麻酔ガスの濃度及び流速を自由に変更することができる。このように、麻酔ガスの濃度変更と共に麻酔ガスの流速を大きくすることにより、前記ケース(70)内の麻酔ガスが迅速に入れ換えられ、前記ケース(70)内の麻酔濃度を短時間で変更することができる。また、濃度変更後は、前記麻酔気化装置(10)の流速設定をもとの流速(4L/min)に戻して定常流速で導入麻酔を行う。
この例のものでは、麻酔ガスの濃度変更の際には、前記麻酔気化装置(10)の設定を流速:15〜16L/minにして麻酔ガスを送出させている。これにより、1分〜2分程度で前記ケース(70)内の麻酔濃度を新たな設定値に変更することができる。
次に、麻酔導入が施された前記モルモット(M)を前記ケース(7)から取出し、図2に示されるように、手術台(T)に固定し、喉部を切開して前記気管チューブ(6)を挿管させた後、1%麻酔ガスが充填された前記ガス貯蔵容器(3a)の流出口(33)側の開閉バルブ(31a)を開状態として、前記人工呼吸器(5)を作動させる。これにより、前記ガス貯蔵容器(3a)内の1%麻酔ガスが送気路(42)→前記下流チューブ(40)→人工呼吸器(5)→気管チューブ(6)の順に送られ、最終的に前記モルモットの肺へと送られる。
ここで、前記人工呼吸器(5)は、前記モルモット(M)の体重や状態に合わせて、呼吸容量:5ml〜10ml/回,呼吸回数:20回〜60回/分に設定されている。
前記ガス貯蔵容器(3a)内に充填された麻酔ガスの残量が少なくなったときには、図3に示されるように、前記ガス貯蔵容器(3b)の開閉バルブ(31b)を開状態とすれば、装置を停止させることなく継続的に1%麻酔ガスを供給することができる。
前記ガス貯蔵容器(3a)については、送前記出口(33)側の開閉バルブ(31a)を閉状態,前記流入口(32)側の開閉バルブ(30a)を開状態とした後、前記麻酔気化装置(10)の麻酔濃度を1%に設定して1%麻酔ガスを送出させることにより、吸入麻酔と平行して、1%麻酔ガスを再充填することができる。
また、前記モルモット(M)の麻酔のかかり具合に応じて、前記開閉バルブ(31a)(31c)の切替えにより、前記ガス貯蔵容器(3c)の2%麻酔ガスを前記モルモット(M)に送ることもできる。
上記吸入麻酔装置において、前記麻酔気化装置(10)において調製される麻酔ガスの濃度を変更する場合に、すべての開閉バルブ(30a)(30b)(30c)(79)を閉状態とし、前記送気路(24)を閉塞している前記閉塞栓(27)を取外した状態で変更後の濃度の麻酔ガスを所定時間送出させることにより、記第1送気チューブ(2)内に滞留している濃度変更前の麻酔ガスを外部に排出させることができる。
上記のような構成であるから、前述の実施例1と同様に、1台の麻酔ガス発生装置(1)から同時に4匹のモルモット(M)に麻酔ガスを供給できるから、実験効率を低下させることなく且つ実験コストを増大させることなく、吸入麻酔法を取り入れることができる。
また、この例のものでは、1匹のモルモット(M)に対して3個の前記ガス貯蔵容器(3a)(3b)(3c)が配置されているから、前記ガス貯蔵容器(3a)(3b)(3c)の前記開閉バルブ(30a)(30b)(30c)(31a)(31b)(31c)の切替えにより、前記モルモット(M)ごとに送る麻酔ガスの濃度を自由に選択・変更できるから、前記モルモット(M)の麻酔のかかり具合に応じて麻酔深度を容易に調節することができる。これにより、過剰麻酔等による小動物の麻酔死を低減することができる。
この例のものでは、前記第1送気チューブ(2)の送気路(24)の1つに麻酔導入装置(79)を取付けられた構成となっているから、前記開閉バルブ(79)を開閉することにより送気回路を組み換えることなく、1台の麻酔気化装置(10)を吸入麻酔と麻酔導入とに共用することができる。また、前記ガス貯蔵容器(3a)(3b)(3c)の前記開閉バルブ(30a)(30b)(30c)をすべて閉状態とし、前記導入麻酔装置(7)の前記開閉バルブ(79)を開状態とすることにより、吸入麻酔と導入麻酔を平行に行うこともできる。
また、同時に4匹のモルモット(M)に吸入麻酔を施せるように前記吸入ガス供給器具及び人工呼吸器(5)をセットしているが、前記連結管(26)により前記分岐チューブ(23)を連結させることにより、容易に5匹以上に対応した吸入麻酔装置として再構築することができる。また、前記連結管(26)において前記分岐チューブ(26)を取外すことにより、容易に3匹又は2匹に対応した吸入麻酔装置として再構築とすることもできる。
この例のものでは、前記ガス貯蔵容器(3a)(3b)(3c)は、麻酔ガスが未貯蔵の状態においては扁平に折り畳み可能であると共に、前記吸気ガス供給装器具は前記上流チューブ(20),前記ガス貯蔵容器(3a)(3b)(3c),前記分岐チューブ(23),前記第2送気チューブ(4)とに分解可能であるから、不使用時には前記ガス貯蔵容器(3a)(3b)(3c)を折り畳んでコンパクトに収容することができる。また、前記ガス貯蔵容器(3a)(3b)(3c)の膨縮により麻酔ガスの残量を知ることができる。
<実施例3>
図5には、前記第1送気チューブ及び第2送気チューブに着脱自在な接続口が設けられた前記ガス貯蔵容器(3a)(3b)(3c)を有する吸入ガス供給器具を備えた吸入麻酔装置の一例を示している。
この例のものは、前記麻酔ガス発生装置(1)等に接続される第1送気チューブ(2)と、前記第1送気チューブ(2)の3本に分岐した送気路(22)に取付けられ送られてきた麻酔ガスを一時的に貯蔵するガス貯蔵容器(3a)(3b)(3c)と、前記ガス貯蔵容器(3a)(3b)(3c)からの麻酔ガスを人工呼吸器(5)に送出する第2送気チューブ(4)とから構成されている。前記第1送気チューブ(2)及び第2送気チューブ(4)については、前述の実施例2と略同じ構成を有している。
前記ガス貯蔵容器(3a)(3b)(3c)(3d)は、前述の実施例1と同様に、扁平に折畳み可能な合成樹脂製の袋部材であり、一方の極部に取付けられた1本の接続チューブ(36)の先端部に設けられ前記第1送気チューブ(2)及び前記第2送気チューブ(4)の分岐された送気路(22)(42)に着脱自在であり且つ気密に接続される接続口(34)と、前記ガス貯蔵容器(3a)(3b)(3c)(3d)への麻酔ガスの流入及び流出を制限する開閉バルブ(35a)(35b)(35c)(35d)とを有している。
これによれば、図5(a)に示されるように、前記第1送気チューブ(2)の送気路(22)に前記接続口(34)を接続し、前記開バルブ(35a)(35b)(35c)を開状態として前記ガス貯蔵容器(3a)(3b)(3c)に麻酔ガスを貯蔵した後、前記開閉バルブ(35a)(35b)(35c)を閉状態として取外し、前記ガス貯蔵容器(3d)を別の場所に一時的に保存することができる。そして、図5(b)に示されるように、前記ガス貯蔵容器(3d)の接続口(34)を前記第2送気チューブ(4)の送気路(42)に接続し、前記開閉バルブ(35a)(35b)(35c)を開状態として前記ガス貯蔵容器(3a)(3b)(3c)に貯蔵された麻酔ガスをモデル動物(M)に送ることができる。
また、前記ガス貯蔵容器(3a)(3b)(3c)内の麻酔ガスが無くなった場合には、前記第2送気チューブ(4)から取外して、前記第1送気チューブ(2)の送気路(22)に接続することにより、前記ガス貯蔵容器(3a)(3b)(3c)に麻酔ガスを再充填することができる。
さらに、図5(a)(b)に示されるように、前記ガス貯蔵容器(3a)(3b)(3c)の上流側に位置する麻酔ガス発生装置(1)及び第1送気チューブ(2)と、下流側に位置する第2送気チューブ(4),人工呼吸器(5)及びモデル動物(M)とを離れた位置に設置することができる。
また、前述の例に比べて前記麻酔ガス発生装置から前記ガス貯蔵容器(3a)(3b)(3c)までの第1送気チューブの長さが短いから、前記ガス貯蔵容器(3a)(3b)(3c)への麻酔ガスの充填がスムーズである。
<その他>
本発明の吸入ガス供給器具,吸入麻酔装置及び麻酔導入装置は上記実施例に限られるものではない。
前述の例において、吸入ガス発生装置として麻酔ガス発生装置(1)が用いられているが、酸素ガスや二酸化炭素ガス等のガスを貯蔵した貯蔵ボンベや、複数のガスを所定割合で混合するガス混合装置、空気を取込んで送出するポンプ等のように所定の速度でガスを送出し得る装置であればよい。また、前記麻酔発生装置(1)は、麻酔濃度を自由に調節し得るものが好ましいが、一定濃度の麻酔ガスを送出する構成のものであってもよい。
前述の例において、前記ガス貯蔵容器(3a)(3b)(3c)は、1匹のモルモット(M)に対して1個又は3個配置されているが、本発明の吸入ガス供給器具は、1匹の小動物に対して少なくとも1個のガス貯蔵容器(3a)(3b)(3c)が配置される構成であれば何個配置させてもよい。また、対応可能なモデル動物(M)の数についても4匹に限られるものではなく、前記吸入ガス供給器具の構成を変更することにより2〜3匹又は5匹以上のモデル動物(M)に同時に吸入ガスを送ることが可能である。
前述の例においては、モデル動物(M)としてモルモットを実験に用いているが、本発明の対象とする小動物は、モルモット,マウス,ラット,ウサギに限られるものではなく、その他の小げっ歯類及びこれらに類する重量を有する他の動物を含むものである。
本発明実施例1に係る吸入麻酔装置の使用状態を示す概略図である。 本発明実施例2に係る吸入麻酔装置の使用状態を示す概略図である。 図2の吸入ガス供給器具の一部を示す模式図である。 麻酔導入装置の使用状態を示す斜視図である。 本発明実施例3に係る(a)吸入麻酔装置の上流側及び一時保存状態の気体貯蔵容器、(b)吸入麻酔装置の下流側を示す概略図である。 従来の麻酔吸入装置を示す概略図である。
符号の説明
(1) 麻酔ガス発生装置
(10) 麻酔気化器
(2) 第1送気チューブ
(22)(42) 送気路
(3a)(3b)(3c)(3d) ガス貯蔵容器
(30a)(30b)(30c)(31a)(31b)(31c) 開閉バルブ
(32) 流入口
(33) 流出口
(4) 第2送気チューブ
(5) 人工呼吸器
(6) 気管チューブ
(7) 麻酔導入装置
(70) ケース
(77) 送気口
(78) 排出口
(8) 酸素ボンベ

Claims (9)

  1. 気管チューブによる小動物への麻酔ガスなどの供給に用いられる吸入ガス供給器具において、
    吸入ガス発生装置のガス送出口に上流端が接続されると共に下流側において複数の送気路に分岐される第1送気チューブと、
    前記複数の送気路の下流端にそれぞれ設けられ、前記第1送気チューブから送られる吸入ガスを貯蔵し得るガス貯蔵容器と、
    前記各ガス貯蔵容器に上流端が接続され、下流端が前記気管チューブを通じて小動物に吸入ガスを送出する人工呼吸器に接続される第2送気チューブとを有し、
    前記ガス貯蔵容器の下流側には、前記ガス貯蔵容器からの吸入ガスの流出を制限するための開閉手段が設けられていることを特徴とする吸入ガス供給器具。
  2. 請求項1に記載の吸入ガス供給器具において、
    前記第2送気チューブは、上流側において前記ガス貯蔵容器と同数の送気路に分岐し、前記送気路の上流端がそれぞれ前記気体貯蔵容器に接続され、
    前記ガス貯蔵容器の上流側には、吸入ガスの流入を制限するための開閉手段が設けられていることを特徴とする吸入ガス供給器具。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の吸入ガス供給器具において、
    前記ガス貯蔵容器は、前記第1送気チューブと第2送気チューブとに着脱自在に接続可能であり且つ吸入ガスの流入口及び流出口として兼用される接続口と、前記ガス貯蔵容器への吸入ガスの流入及び流出を制限する開閉手段とを有することを特徴とする吸入ガス供給器具。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の吸入ガス供給器具において、
    前記ガス貯蔵容器は、ガス未貯蔵の状態においては扁平に折り畳み可能であり、且つ、吸入ガスの流入により扁平状態から略球状に膨張されることを特徴とする吸入ガス供給器具。
  5. 気管内に挿管された気管チューブを通じて小動物に麻酔を施す吸入麻酔装置において、
    前記請求項1から請求項4のいずれかに記載の吸入ガス供給器具と、
    前記吸入ガス供給器具の第1送気チューブの上流側に接続される麻酔ガス発生装置と、
    前記第2送気チューブの下流側に接続され前記気管チューブを通じて小動物に麻酔ガスを送出する人工呼吸器とを有し、
    前記麻酔ガス発生装置は、麻酔ガスの濃度を調節可能であることを特徴とする吸入麻酔装置。
  6. 前記請求項5に記載の吸入麻酔装置において、
    前記第1送気チューブの分岐された送気路の一つに、小動物に麻酔導入を行うための麻酔導入用のケースを接続させることを特徴とする吸入麻酔装置。
  7. 前記請求項5又は6に記載の吸入麻酔装置において、
    前記麻酔導入用のケースは、上面部の一部又は全部が透明であり、上流側の壁面に前記第1送気チューブからの麻酔ガスを前記ケース内に送入するための送入口が形成され、前記送入口と対向する下流側の壁面に前記ケース内の麻酔ガスを排出するための排出口が形成されており、
    前記送入口の上流側には、麻酔ガスの送入を制限するための開閉手段が設けられていることを特徴とする吸入麻酔装置。
  8. 小動物の外科手術や実験の際の麻酔導入方法であって、
    上面部の一部又は全部が透明な閉塞可能なケース内に小動物を収容させた後、
    前記ケースの上流側の壁面に形成された送入口から気化された麻酔薬と酸素等のガスとを混合することにより調製された麻酔ガスを前記ケース内に所定の流速で連続送入させると共に、前記ケースの下流側の壁面に形成された排出口から前記ケース内に充填された麻酔ガスを外側に排出させることにより小動物に麻酔を導入することを特徴とする麻酔導入方法。
  9. 前記請求項8の麻酔導入方法に用いられる麻酔導入装置であって、
    気化された麻酔薬と酸素等のガスとを混合させて麻酔薬を所定濃度で含む麻酔ガスを発生させて所定の流速で送出する麻酔ガス発生装置と、
    上面部の一部又は全部が透明であり且つ閉塞可能な小動物を収容するためのケースと、
    前記麻酔ガス発生装置の送出口に上流端が接続されると共に、前記ケースの壁面に形成される麻酔ガスの送入口に下流端が接続される送気チューブと、
    前記ケースの送入口と対向する壁面に形成される麻酔ガスの排出口に接続される排気チューブとを有することを特徴とする麻酔導入装置。
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