JP2006287980A - 通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】、既存の装置との共存が可能であって、しかもフレームフォーマットの効率化により複数のフレームを送信することに伴うオーバヘッドを解消して通信の実質的なスループットを向上できる通信装置を提供すること。
【解決手段】一つのMACヘッダと複数のMACフレームとを含む単一の物理フレームを構築する物理フレーム構築手段と、前記物理フレームを宛先の通信装置に送信する送信手段とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、物理層のキャリアセンス情報とMAC層のキャリアセンス情報に基づいて媒体アクセス制御を行なう通信装置に関する。
同一の媒体を共有して通信を行なう複数の通信装置がどのように媒体を利用して通信データを送信するかを決めるのが、媒体アクセス制御(MAC: Media Access Control)である。媒体アクセス制御は、同時に二つ以上の通信装置が同一の媒体を利用して通信データの送信を行なった結果、受信側の通信装置が通信データを分離できなくなる事象(衝突)がなるべく少なくなり、一方、送信要求を持つ通信装置が存在するにもかかわらず媒体がいずれの通信装置によっても利用されない事象がなるべく少なくなるように、通信装置から媒体へのアクセスを制御するための技術である。
しかし、特に無線通信においては、通信装置がデータを送信しながら同時に送信データをモニタすることは困難であることから、衝突検出を前提としない媒体アクセス制御(MAC)が必要である。無線LANの代表的な技術標準であるIEEE802.11はCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)を採用している。IEEE802.11のCSMA/CAでは、MACフレームのヘッダに、該フレームに続く一つ以上のフレーム交換からなる一連のシーケンスが終了するまでの期間(Duration)が設定される。この期間において、該シーケンスに関係がなく送信権を持たない通信装置は、媒体の仮想的な占有状態を判断することにより、送信を待機する。したがって、衝突の発生が回避される。一方、該シーケンスで送信権を持つ通信装置は、実際に物理媒体が占有されている期間を除き、媒体は使用されていないものと認識する。IEEE802.11では、このようなMAC層の仮想キャリアセンスと、物理層の物理キャリアセンスとの組み合わせによって媒体の状態を判定し、媒体アクセスを制御する旨が規定されている。
CSMA/CAを採用しているIEEE802.11は、これまで主として物理層プロトコルを変更することによって通信速度の高速化を図ってきた。2.4GHz帯についてはIEEE802.11(1997年、2Mbps)からIEEE802.11b(1999年、11Mbps)へ、そしてIEEE802.11g(2003年、54MHz)へと変遷している。5GHz帯については、今のところIEEE802.11a(1999年、54MHz)のみが標準として存在する。そして、2.4GHz帯および5GHz帯の両方で更なる高速化を目指す標準規格を策定するためにIEEE802.11 TGn(Task Group n)が既に設立されている。
米国特許第5329531号明細書
通信速度の高速化の実現において既存の規格と同一の周波数帯を用いるのであれば、新たに提供される通信装置は、既存の規格に従う通信装置との共存が可能であって、後方互換性も維持されることが好ましい。したがって、MAC層のプロトコルは基本的には既存の規格と整合するCSMA/CAに従うのが良いと考えられる。この場合、CSMA/CAに係わる時間的なパラメータ、例えばフレーム間の時間間隔(IFS: Interframe Space)やバックオフ期間を既存の規格と揃える必要がある。
ここで、物理層に関して通信速度の高速化を図れたとしても、通信の実質的なスループットを向上できないという問題点がある。すなわち、物理層の高速化が実現された場合、PHYフレームのフォーマットはもはや効率的ではなくなり、このことに起因するオーバヘッドがスループットの向上を阻害すると考えられる。PHYフレームにおいて、CSMA/CAに係わる時間的なパラメータはMACフレームに固定的に付随している。また、PHYフレームヘッダは各MACフレーム毎にそれぞれ必要である。
オーバヘッドを削減してスループットを向上させる方法の一つとして、最近のdraft IEEE802.11e draft 5.0 (IEEE802.11のQoS強化) で導入されたBlock ACKがある。これを用いれば、バックオフ無しで複数のMACフレームを連続的に送信できるため、バックオフの量は削減できるが、物理層のヘッダは削減されない。また、初期のdraft IEEE802.11eで導入されたアグリゲーションによれば、バックオフ量と物理層ヘッダのいずれも削減可能だが、従来の物理層の制約によりMACフレームが含まれる物理層のフレームの長さを約4k byte以上にはできないため、効率の向上には大きな制約がある。仮に物理層のフレームを長くできたとしても、エラー耐性が低下するという問題が生じる。
本発明はかかる問題を解決すべくなされたものであり、既存の装置との共存が可能であって、しかもフレームフォーマットの効率化により複数のフレームを送信することに伴うオーバヘッドを解消して通信の実質的なスループットを向上できる通信装置を提供することを目的とする。
本発明の一観点に係る通信装置は、一つのMACヘッダと複数のMACフレームとを含む単一の物理フレームを構築する物理フレーム構築手段と、前記物理フレームを宛先の通信装置に送信する送信手段とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、既存の装置との共存が可能であって、しかもフレームフォーマットの効率化により複数のフレームを送信することに伴うオーバヘッドを解消して通信の実質的なスループットを向上できる通信装置を提供できる。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る通信装置の構成を示すブロック図である。この通信装置100は無線リンクを介して他の通信装置と通信する装置であり、物理層、MAC層、およびリンク層のそれぞれに相当する処理ユニット101、102、103を有する。これら処理ユニットは実装に応じてアナログ又はデジタルの電子回路として、あるいはLSIに組み込まれたCPUにより実行されるファームウェア等として実現される。物理層の処理ユニット(以下、「処理ユニット」の表記を省略)101にはアンテナ104が接続されている。MAC層102は本発明に係わるアグリゲーション(集約)処理部105を有する。このアグリゲーション処理部105は第1実施形態では少なくともキャリアセンス制御部106を備える。なお、同図に示す再送制御部107は本発明の第2実施形態に係わり、省電力制御部108は同第3実施形態に係わる。これらは、該当する実施形態において詳細に説明する。物理層101は、二種類の物理層プロトコルに対応可能に構成される。それぞれのプロトコル処理のために、物理層101は第一種の物理層プロトコル処理部109および第二種の物理層プロトコル処理部110を有する。なお、実装では第一種の物理層プロトコル処理部109と第二種の物理層プロトコル処理部110との間で回路の共用などがしばしば行なわれるため、これらは必ずしも独立して存在するわけではない。
本発明の実施形態では、第一種の物理層プロトコルはIEEE802.11aに規定されるプロトコルとし、第二種の物理層プロトコルは送信側と受信側とでそれぞれ複数のアンテナを用いる、いわゆるMIMO(Multiple Input Multiple Output)によるプロトコルと仮定する。周波数帯域を同一に保ってもアンテナの数にほぼ比例した伝送容量の増加が見込めることから、MIMOはIEEE802.11の更なる高スループット化を目指すために利用可能な技術の一つである。リンク層103に関しては、IEEE802で規定される通常のリンク層機能を有するものとする。伝送レートを向上するために採用する技術はMIMOに限定されない。例えば、周波数占有帯域を増やすような方法、およびそれとMIMOの組み合わせでも構わない。
図2は本発明の実施形態に係る通信装置が用いるフレームフォーマットの一例を示す図である。フレームフォーマット200は物理層およびMAC層に係わるフレーム構造を概略的に示しており、具体的にはIEEE802.11またはその拡張に従うものを想定する。なお、IEEE802.11のフレームは制御フレーム、管理フレーム、データフレームの三種類に大別され、主にデータフレームに対して本発明の実施形態が適用されることを想定するが、必ずしも制御フレーム、管理フレームへの適用が除外されるものではない。図2に示すように、このフレームフォーマット200はPHYヘッダ201と、MACスーパフレームヘッダ202およびMACスーパフレームペイロード203と、PHYトレーラ204とから構成されている。MACスーパフレームヘッダ202およびMACスーパフレームペイロード203は後述するPHYペイロードに相当する。
PHYヘッダ201は受信側通信装置の物理層101により処理される。すなわち物理層101は受信したPHYヘッダ201に基づいて、フレーム先頭の検出、キャリアセンス、タイミング同期確立、増幅器の増幅度制御(AGC: Automatic Gain Control)、送信側キャリア周波数への追随(Automatic Frequency Control)、伝送路推定などを行う。また物理層101はPHYヘッダ201に続くPHYペイロードの変調方式や符号化率、ならびに伝送レートおよびデータ長の検出も行う。
図3は第一種のPHYフレームのフォーマットの一例を示す図である。このフォーマットはIEEE802.11aに規定のものと同じである。第一種のPHYフレームは本発明に係る通信装置が既存の通信装置と通信する際に用いられ、物理層101の第一種の物理層プロトコル処理部109によって処理される(ここでは、IEEE802.11aによる通信とする)。図3に示すように、第一種のPHYフレームすなわち第一種のPLCPフレームは、PLCP(Physical Layer Convergence Protocol)ショートプリアンブル301およびPLCPロングプリアンブル302と、シグナルフィールド303と、データフィールド304とから構成される。シグナルフィールド303は、PCLPヘッダ305に相当し、同図に示すように伝送レート(Rate)フィールド306とデータ長(Length)フィールド307とを有する。なお、第一種のPHYフレームはIEEE802.11aに規定のもののみに限定されないことは言うまでもない。
図4は第二種のPHYフレームのフォーマットの一例を示す図である。第二種のPHYフレームすなわち第二種のPLCPフレームは、第一種の物理層プロトコルのための第1のヘッダ部401と、第二種の物理層プロトコルのための第2のヘッダ部402とを有する。第1のヘッダ部401と第2のヘッダ部402とは時系列に沿って配置されており、図2に示したPHYヘッダ201に対応する。また、第二種のPHYフレームは第2のヘッダ部402に続くPHYペイロード403と、テイル(Tail)およびパッドビット(Pad bits)404とを有する。PHYペイロード403は図2におけるMACスーパフレームヘッダ202およびMACスーパフレームペイロード203に対応しており、物理層のフォーマットにおけるPSDU(PLCP Service Data Unit)に相当する。また、テイルおよびパッドビット404は図2のPHYトレーラ204に対応している。
第一種の物理層プロトコルのための第1のヘッダ部401は、PLCPショートプリアンブル405と、PLCPロングプリアンブル406と、シグナルフィールド407とから構成される。シグナルフィールド407はPLCPヘッダの全部又は一部に相当し、少なくとも伝送レートフィールド408およびデータ長フィールド409には物理キャリアセンスを行えるように有効な値が設定される。このようなシグナルフィールド407は、図3に示した第一種のPHYフレームのPLCPヘッダ305との間で対応する情報内容および変調方式などが同一である。
第二種の物理層プロトコルのための第2のヘッダ部402は、MIMO用PLCPロングプリアンブル410と、MIMOシグナルフィールド411と、MIMOサービスフィールド412とから構成される。MIMOシグナルフィールド411は、同図に示すように伝送レートフィールド413およびデータ長フィールド414を有し、物理キャリアセンスにおいて参照される。MIMO用PLCPロングプリアンブル410は、第二種の物理プロトコルを解釈可能なMIMOの受信側通信装置が、復号処理に必要な伝送路情報を取得する際に用いられる。
第二種のPHYフレームを図4に示すようなフォーマットとしていることにより、第一種の物理層プロトコルのみに従って動作可能な既存の通信装置は、少なくとも最初のシグナルフィールド407は解釈できるので該シグナルフィールド407に基づいて正しく物理層のキャリアセンスを行える。したがって、このような既存の通信装置と、第一種に加え第二種の物理層プロトコルにも従って動作可能な通信装置との間で同一の物理層のキャリアセンス情報を共有することが可能となる。なお、既存の通信装置はMAC層のキャリアセンス情報は共有できないが、このことは、後述するパーシャルACKにより問題とはならない。
物理媒体上をPHYペイロードが送信される際の該PHYペイロードによる媒体占有期間(以下、「物理的占有期間」という)を表す情報は、信号強度と共に物理層のキャリアセンス情報として利用される。受信側通信装置は、当該PHYペイロードの物理的占有期間を物理キャリアセンスにより知った時点で、該期間は物理媒体が占有されている(PHY busy)と解釈する。また、信号強度が一定の閾値を超えている期間も物理媒体が占有されていると解釈する。PHYペイロードの物理的占有期間は、受信側通信装置において検出されたPHYペイロードの伝送レート(408または413)とデータ長(409または414)とから計算により求めることができる。具体的には、オクテット長で表されるデータ長フィールドの値を伝送レートフィールドの値で除算することで求めることができる。これは図3に示した第一種のPHYフレームについても同様である。
なお、第一種の物理層プロトコルが許容するPHYペイロードの最大データ長(IEEE802.11aにおいては4096オクテット)が、実際には第二種の物理層プロトコルの許容するPHYペイロードの最大データ長よりも短い場合には、PHYペイロードの物理的占有期間が適切となるように伝送レートフィールド408とデータ長フィールド409とを意図的に偽って設定すれば、物理層のキャリアセンス情報の共有が可能となる。
ここで、図2を参照する説明に戻る。一つのMACスーパフレームは複数のMACフレームを含む単一のPHYフレームから成る。同図に示すフレームフォーマット200において、MACスーパフレームヘッダ202は、8つのMACフレームのデータ長フィールド1〜8を固定的に持つ。なお、本実施形態ではMACスーパフレームヘッダ202は固定長とするが、MACフレーム数を示す情報を追加することにより、MACスーパフレームヘッダ202を可変長としても良い。
図2に示されるようにMACスーパフレームペイロード203には4つのMACフレーム1〜4のみが含まれる場合、同ペイロード203内には存在しないMACフレーム5〜8に対応するMACフレームデータ長フィールド5〜8にはゼロの値が埋められる。また、後述する再送制御の際に、例えば、MACフレーム1とMACフレーム3は再送が必要だが、MACフレーム2とMACフレーム4は再送の必要がない場合、MACフレームデータ長1>0、MACフレームデータ長2=0、MACフレームデータ長3>0、MACフレームデータ長4=0という具合に、再送の対象でないMACフレームを指定する際にもMACフレームデータ長はゼロに設定され得る。
HCS205はヘッダチェックシーケンス(Header Check Sequence)のことであり、MACスーパフレームヘッダ202の誤りを検出可能にするため同ヘッダ202に付加される。受信側通信装置がHCS205によりMACスーパフレームヘッダ202の誤りを検出した場合には、当該MACスーパフレームペイロード203に含まれる全てのMACフレームは壊れているものと解釈する。受信側通信装置におけるバッファあふれを防止するために、MACスーパフレームペイロード203に含めるMACフレーム数を動的に制限することが好ましい。これには、例えば後述するスライディング・ウインドウ(Sliding Window)制御を利用することができる。
図5はMACフレームのフォーマットの一例を示す図である。図2のMACスーパフレームペイロード203に含める一つのMACフレームは、MACヘッダ500と、フレーム本体501と、FCS(frame check sequence)502とから構成される。MACヘッダ500は、フレーム制御フィールド503と、期間(Duration)フィールド504と、アドレスフィールド505〜507,509と、シーケンス制御フィールド508とから構成される。フレーム本体501は0〜2312オクテット長の範囲で可変長であり、MPDU(MAC Protocol Data Unit)に相当するMACフレームのペイロードである。
第二種の物理層プロトコル(本実施形態ではMIMOとしている)による物理層の高速化に伴い、本実施形態ではMACスーパフレームとしてPHYフレームに複数のMACフレームを含めることでフォーマットを効率的に構成していることから、フォーマットに起因するPHYフレームごとのオーバヘッド、すなわちPLCPヘッダ、各種IFS(Inter Frame Space)およびバックオフなど、を回避して通信の実質的なスループットを向上できる。
媒体アクセス制御は、物理層のキャリアセンスと、MAC層のキャリアセンスとに基づいてなされる。以下、第1実施形態の特徴に係わるロバスト(頑健)なMAC層キャリアセンスについて説明する。
図6は、本発明の一実施形態に係る通信システムの一例を示す図である。この通信システムにおいて、無線リンクを介して通信装置1〜4が通信を行うものとする。同図に示す通信装置1〜3は図1に示した構成を有する。これに対し通信装置4は第一種の物理層プロトコル処理部109のみを備え、第二種の物理層プロトコル処理部110を備えておらず、よってMACスーパフレームの送信を行わない既存の通信端末に相当する。以下、通信装置1を送信側とし、通信装置2を受信側として通信が行われ、通信装置3および通信装置4はこの通信に関与しない場合を想定して説明を行う。
図2及び図5を参照して説明したように、MACスーパフレームペイロード203に含まれるMACフレームの各々は、MACヘッダ500と、このMACヘッダ500を含む当該MACフレーム全体の誤りを検出可能なFCS502とを含む。送信側の通信装置1は、送信すべきMACスーパフレームペイロード203を構築するにあたり、各MACフレームの各MACヘッダ500の期間フィールド504の値を次のように設定する。すなわち、MACスーパフレームペイロード203に含まれる少なくとも一つのMACフレームが正常に受信されれば、これを受信した通信装置2が正しくMAC層のキャリアセンス状態を認識できるような値を設定する。具体的には、例えば以下に説明する方法1、方法2のいずれかに従う。
(方法1):当該MACスーパフレーム203を含むPHYフレームが終了した時点を始まりとし、MAC層で連続したシーケンスであると定義されたMACフレームの交換が完了した時点を終わりとする期間の値、またはMAC層で行なう媒体予約が終了した時点を終わりとする期間の値を期間フィールド504に設定する。方法1によれば、MACスーパフレーム203に含まれる少なくとも複数のMACフレームの期間フィールド504に同じ値が設定されることになる(図7参照)。
(方法2):期間フィールドを含む当該MACフレームが終了する時点を始まりとし、MAC層で連続したシーケンスであると定義されたMACフレームの交換が完了した時点を終わりとする期間の値、またはMAC層で行なう媒体予約が終了した時点を終わりとする期間の値を期間フィールド504に設定する。方法2によれば、MACスーパフレーム203に含まれるMACフレームの期間フィールド504には各々異なる値が設定されることになる(図8参照)。
また、各MACフレームにおけるMACヘッダ500内のアドレスフィールド505〜507,509のいずれか(具体的にはアドレス1又はアドレス3に相当)に設定されるあて先アドレスは、次のように設定される。すなわち、同一MACスーパフレーム内の各MACフレームが全て同一のあて先を示すように、該当する通信装置のMACアドレスが設定される。
本例において、あて先アドレスに該当するMACアドレスを持つ通信装置2は、通常、期間フィールド504に指定された期間のMACフレーム交換シーケンスに関与し、MACフレーム交換シーケンスの規則に従う送信権限を持つ。これに対しあて先アドレスに該当しない通信装置3、4は、MACフレーム交換シーケンスに関与せず、この期間は送信権限を持たない。
MACフレーム交換シーケンスに関与しない通信装置3は、受信したいずれかのMACフレームのMACヘッダ500内の期間フィールド504の値を参照し、この値に相当する期間は媒体が仮想的(論理的)に占有されているものと解釈し、該期間が終了するまでフレームの送信を行わない。このような期間のことを「仮想的媒体占有期間」と称する。このため通信装置3は、仮想的媒体占有期間において送信を行わないようにするためのNAV(Network Allocation Vector)を設定する。なお、このようなMAC層の仮想的キャリアセンスに基づくNAV設定は、物理層のキャリアセンスに基づく物理的媒体占有期間に依らず行われる。一方、通信装置3と同じくMACフレーム交換シーケンスに関与しない既存の通信装置4は、EIFS(Extended IFS)期間の待機状態に入る。この場合の既存の通信装置4の動作の詳細については後述する。
本発明の実施形態においては、複数のMACフレームを一つのPHYフレームに集約していることから、MAC層のキャリアセンスをロバストに行って仮想的媒体占有期間を適切に設定することができる。
図7は、上記方法1に従って期間フィールド504の値を定めた場合の各通信装置のキャリアセンス状態の一例を示している。MACフレーム1、MACフレーム2、MACフレーム3およびMACフレーム4の期間フィールド504の値は、SIFS(Short IFS)と、図9に一例を示すパーシャルACKフレームの送信時間との和に設定されている。
送信側通信装置1がパーシャルACKの送信時間を計算できるように、パーシャルACKの送信方法を受信側が一意に選択するように規則を定めておく必要がある。パーシャルACKは図3に示した第一種の物理プロトコルであるIEEE802.11aのPHYフレームに担われ、仮にIEEE802.11aの最大の必須伝送レートで送信されることとする。後述するように、パーシャルACKが第一種の物理プロトコルのみ解釈可能な通信装置によっても復号および解釈できることが、後方互換性のために重要である。
送信側通信装置1が送信したフレームを受信側通信装置2が受信すると、受信側通信装置2は、まず物理層のキャリアセンスにより媒体がビジー(busy)、すなわち占有状態にあると認識する。また、通信装置3(自アドレスがMACフレーム1〜MACフレーム4に指定されたあて先アドレスならびに送信元アドレスと異なり、かつ第一種および第二種の物理プロトコルを解釈可能)、通信装置4(第一種の物理プロトコルのみ解釈可能)も、同様に物理層のキャリアセンスにより媒体が占有状態にあると認識する。
次に、受信側の通信装置2は、MACフレーム1〜MACフレーム4のいずれかがFCSによって誤りがないと判定されたならば、あて先アドレスが通信装置2のアドレスであることから、NAVを設定する必要がないことを知る。受信側の通信装置2は、MACフレーム交換シーケンスの規則に則り、MACスーパフレームを含む第二種のPHYフレーム受信完了からSIFS経過後にパーシャルACKを送信する。
通信装置3は、MACフレーム1〜MACフレーム4のいずれかがFCSによって誤りがないと判定されたならば、あて先アドレスが該通信装置3のアドレスではなく、NAVを設定すべきであることを知る。通信装置3は、MACスーパフレームを含む第二種のPHYフレームの受信完了から、FCSで正しいと判定されたMACフレーム1〜MACフレーム4のいずれかに含まれる期間フィールド504の値に相当する期間のNAVを設定する。
既存の通信装置4は、第二種のPHYフレームのシグナルフィールド以降を解釈できず、これを第一種のPHYフレームであるとして処理を進める。そして、当該フレーム終了時にFCSを計算してエラーを検出する。あるいは解釈不能な種類のPHYフレームであるとして、フレーム終了時にやはりエラーを検出する。これらの場合、通信装置4は、当該PHYフレームの受信により設定されるべきMAC層の仮想キャリアセンス状態を正しく認識できていないので、エラーリカバリー状態に入る。つまり、最も長いIFSであるEIFS期間の待機状態に入る。この待機状態において、通信装置4はEIFSの終了前に受信側通信装置2が発したパーシャルACKを受信する。上述のようにパーシャルACKは第一種の物理層プロトコルであるIEEE802.11aの必須レートで送信されるので、既存の通信装置4にも解釈可能である。このパーシャルACKが正しく受信されれば、MAC層のキャリアセンスが正しく行なわれるので、EIFSによる待機状態はキャンセルされ、問題とはならない。したがって、本発明に係わる通信装置と既存(従来)の通信装置との共存が可能となる。
送信側通信装置1、通信装置3、および既存の通信装置4は、受信側通信装置2が送信したパーシャルACKを受信する。このパーシャルACKにおける期間フィールド504の値は0に設定されており、これに応じて各通信装置はNAVをゼロに設定する。なお、MACシーケンス上、パーシャルACKに続くMACフレーム交換シーケンスを定義しても良い。その場合には、パーシャルACKにおける期間フィールド504の値は当該MACシーケンスの終了時点を示す値になる。
全ての通信装置は、もし送信すべきデータを持っていれば、引き続きDIFS(DCF IFS、即ちDistributed Coordinate Function IFS)による待機状態に入る。このDIFS期間において、物理層とMAC層のキャリアセンスがアイドル状態を示していれば、バックオフ期間に入りカウントダウンを開始する。乱数で初期化されていたカウンタが最初にゼロに達した通信装置が送信権限を得る。
ここで、第二種のPHYフレームの受信時のエラーについて述べる。通信装置2が、第二種のPHYフレームに含まれるMACフレームを復号化した結果、FCSにより正しいと判定されるMACフレームが一つも存在しなかった場合を考える。FCSにより誤りがないと判定されるMACフレームが存在しない場合、通信装置2は、該第二種のPHYフレームの受信に基づいて設定されるべきMAC層の仮想キャリアセンス状態を正しく認識できていないので、エラーリカバリー状態に遷移する。つまり、最も長いIFSであるEIFS期間の待機状態に遷移する。受信側ではない通信装置3がEIFS期間の待機状態に遷移した場合には、引き続いて受信側通信装置2が送信するパーシャルACKを受信することになる。パーシャルACKが正しく受信されれば、後述のようにMAC層のキャリアセンスが正しく行われるので、EIFSによる待機状態はこのときにキャンセルされる。
仮に、上記のような受信時のエラーが発生した場合、受信側通信装置2はパーシャルACKを送ることなくEIFS期間の待機状態に遷移することになる。この場合、EIFS期間がNAVとDIFSによる期間よりも長い場合には少なくともこの期間はいずれの通信装置も送信が行えない状況が生じることになる。この事象は通信に用いる物理媒体の利用効率を下げることになるから、なるべく発生しないようにするべき事象である。
しかし本発明の実施形態によれば、MACスーパフレームペイロード203に複数のMACフレームが含まれていることから、これら複数のMACフレームのいずれかに基づいてMAC層のキャリアセンス情報を得ることができ、その結果上記のような受信時のエラーが発生しにくくなる。具体的には、MACスーパフレームに含まれているMACフレームのなかの複数のMACフレームがMAC層のキャリアセンスに必要な情報、すなわち、少なくとも期間フィールド504とあて先アドレスとを含むMAC層のキャリアセンス情報を有する。これらMACフレームの各々はFCSを有することから、エラーの有無を検出可能であり、仮にいずれかのMACフレームの受信にエラーが生じたとしても、残るMACフレームのうち少なくとも一つのMACフレームが正常に受信されればよい。したがって、正常に受信できた少なくとも一つのMACフレームに基づいてMAC層のキャリアセンスをロバストに行うことができ、一つのPHYフレームあたりの受信時のエラー耐性を相対的に高めることができる。
図8は、上記方法2に従って期間フィールド504の値を定めた場合の各通信装置のキャリアセンス状態の一例を示している。図7との相違のみ簡潔に説明すると、MACフレーム1の期間フィールド504の値は、MACフレーム2、MACフレーム3、MACフレーム4の送信時間と、SIFS期間と、パーシャルACKフレームの送信時間との和の値に設定される。MACフレーム2の期間フィールド504の値は、MACフレーム3、MACフレーム4の送信時間と、SIFS期間と、パーシャルACKフレームの送信時間との和の値に設定される。MACフレーム3、MACフレーム4の各々の期間フィールド504の値も同様の方法で設定される。つまり、図7の場合とは異なり、期間フィールド504の値がMACフレーム毎に異なっており、NAVの設定もこれに応じて異なる。
通信装置3(自アドレスがMACフレーム1〜MACフレーム4のあて先アドレスおよび送信元アドレスと異なり、かつ第一種および第二種の物理プロトコルを解釈可能)によるNAVについては、期間フィールド504を含んでいたMACフレームの終了時点を起点としてその値を設定することになる。
なお、このような方法2においても、当該MACスーパフレームの送信による媒体占有時間は、図8から分かるように同一時刻に終了する。
(第2実施形態)本発明の第2実施形態は省電力制御に係わる。図10は、本発明の第2実施形態に係わる省電力制御を説明するための図である。本実施形態によれば、通信中の送信側通信装置1と受信側通信装置2は省電力状態には切り替わらないように制御され、通信に関わらない通信装置は省電力状態に切り替わるように制御可能となる。
通信装置3は、第二種のPHYフレームに含まれるMACスーパフレームに含まれているMACフレームのいずれかがFCSにより正しいと認識された時点で、該通信装置3が自ら設定するNAVが終了するまでの期間にわたり受信も送信も行う必要がないことを知り、その時点から省電力動作を開始する。ただし、これは、各MACフレームが受信側で時系列に復号化されるように、各MACフレームがPHYフレームに符号化されていることを条件とする。
NAV終了後のDIFS期間とバックオフ期間は、キャリアセンスを行なう必要があるため省電力状態はNAV終了時点で終了する。省電力状態を認識することにより、不要な回路を停止するなどして省電力化を図ることができる。具体的にどの回路をどのタイミングで停止するか、どのようなタイミングで再開するかは実装に依る。
既存の通信装置4についても、第二種のPHYフレームのシグナルに基づいて第二種のPHYフレームの継続時間を認識し、かつこのPHYフレームは該通信装置4が復号可能でない方式で送信されているということを認識した時点で、当該PHYフレームが終了するまでの期間を省電力状態として認識できる。ただし、EIFS期間はキャリアセンスを行なう必要があるため省電力状態とはしない。
(第3実施形態)本発明の第3実施形態は再送制御に係わる。通信の公平性(Fairness)やQoS(Quality Of Service)の観点から、同一端末あての連続を避けるべく再送を制御することが好ましい。図11は本発明の第3実施形態に係る再送制御に用いられる送信管理テーブルを示す図である。この送信管理テーブルにおいて、スライディング・ウインドウ(Sliding Window)が表現される。説明の都合上、送信管理テーブルは再送を含む送信と受信の全ての履歴を表記しているが、実際の通信装置は必ずしもここに挙げた全ての履歴を記憶しておく必要はない。
同一の送信側通信装置が同一の受信側通信装置に対して、他のフレームの通信に優先して連続的にMACフレーム(MPDU)を送信する状況を考える。特定の通信装置に偏って送信および受信の権利が割り当てられることを避けるために、連続的に送信できるMACフレームの数を送信管理テーブルに基づいて制限する。この制限は、送信側通信装置と受信側通信装置のいずれかが変更されるまで有効である。
図11に示す送信管理テーブルでは、連続的に送信できるMACフレームの制限数が最大16に定められており、これを総ウィンドウW_allという。また、連続的に送信する対象の一連のMACフレーム(MPDU)には、送信管理テーブルにおいてシーケンス番号(Seq.No.)が付与される。総ウィンドウW_allの始点はSEQ1であり、その終点はSEQ16に対応する。この総ウィンドウW_allに含まれるフレームの送信(あるいは再送)を一区切りとして、後述する一連の送信シーケンス(あるいは再送シーケンス)にもとづいて行う。なお、総ウィンドウW_allは、混雑の状況、受信側通信装置に与えられた優先度などを勘案して可変にしても良い。総ウィンドウW_allを大きくすると、遅延およびジッタの増大、通信装置間の不公平などが増すが、全体のスループットは向上する傾向を示す。従って、音声や動画のリアルタイム通信が存在することを認識した際には、総ウィンドウのサイズを小さくするといった動的制御を行なっても良い。このような制御は、全体のスループット自体は低下する傾向にあるので、トラフィック種別による優先制御などなんらかのトラフィック制御と組み合わせて使うのが良い。
また、総ウィンドウW_allと各時点のウィンドウW_n (n = 1, 2, 3, …) の最大値は、送信側と受信側の通信装置の対毎に、何らかのプロトコルによってネゴシエーションして設定しても良いし、システム全体で共通な値を取るようにしても良い。システム共通の値とする場合でも、必ずしも固定値にする必要はない。
送信側の通信装置の再送制御部107は、送信管理テーブルを参照しながらMACスーパフレームを構築する。このとき、再送制御部107はMACスーパフレームに含むべきMACフレームを再送の要否を勘案しつつ選定する。
複数のMACフレームが単一のMACスーパフレームに含まれるが、格納可能な最大のMACフレーム数は制限される。本実施形態では最大8つのMACフレームを含めることができる。受信側通信装置はこの最大数までのMACフレームをバッファできる必要がある。受信側通信装置は、MAC層の上位に対して順序を保存した形でMACフレームを渡す。これにより、正常に受信されたMACフレームも、それに先行するシーケンス番号を持つMACフレームが再送により正常に受信されるか、あるいは先行するシーケンス番号を持つMACフレームが再送されることはないと判断するまでバッファに蓄積しておく必要がある。バッファには、未だ正常な受信に成功していない最低のシーケンス番号を持つMACフレームから、当該最低のシーケンス番号+7のシーケンス番号を持つMACフレームまでが蓄積されることになる。
図11では、各時点におけるこのシーケンス番号の範囲が、それぞれウィンドウW1〜W5により始点と終点とで表現されている。送信側通信装置がMACスーパフレームに含めて送るべきMACフレームは、このウィンドウの範囲内で、送達確認されていないために再送が必要なMACフレームか、あるいはこのウィンドウの範囲内で、新規に送信するMACフレームに制限される。図11において、TX1〜TX5に「LenX」と書かれている場合、対応するMACスーパフレームの送信により、シーケンス番号XのMACフレームが送信され、「ゼロ」と書かれている場合には、対応するシーケンス番号のMACフレームは送信されない。これらの値は図2に示したMACスーパフレームヘッダ202におけるMACフレームのデータ長フィールド1〜8に対応している。RX1〜RX5において「○」である場合、これは、対応するシーケンス番号のMACフレームが既に正常に受信されていることを示す。RX1〜RX5が「×」である場合、これは、対応するシーケンス番号のMACフレームはその時点までに正常に受信されたことはないことを示す。これら「○」「×」は真偽値に対応しており、図9に示したパーシャルACKフレームにおけるパーシャルACKビットマップ(Partial ACK Bitmap)91の値に対応する。
各時点におけるウィンドウW1〜W5の先頭は、受信側通信装置が一度も正常に受信したことのないMACフレームのシーケンス番号になる。このウィンドウの始点の進捗速度の下限を決め、所定の再送回数を経た後にその下限を上回る、つまりウィンドウサイズ(ここでは8)以上に進まなければならないものと制限する。要するに、連続的なMACフレームの送信が継続される条件は、再送限度以内にそのMACフレームが受信側に受信されることである。
本実施形態の場合この再送限度を3回とすると、図11に示す例では、シーケンス番号15のMACフレームがTX3からTX5の3回の再送を行ったにも関わらず失敗したと判断される。よってこの時点で再送先の通信装置への一連の再送シーケンスが中止される。このような再送制限によれば、例えば既に受信側の通信装置が無線の到達範囲から出た場合など比較的長期間にわたり受信側の通信装置との間の伝送路状況が悪化した状況等に応じ、無駄な送信を避けることができ有効である。
この時点で再送シーケンスが終了したことを知るのは、送信側の通信装置のみである。受信側の通信装置は、シーケンス番号1〜14まではバッファから上位に渡しているが、シーケンス番号15を正常に受信していないので、シーケンス番号16がバッファに残った状態にある。この場合、受信側の通信装置は、自装置がまだ送達確認していないMACフレームのシーケンス番号よりも大きなシーケンス番号を持つMACフレームを先頭とするMACスーパフレームを受信することで、送信側の通信装置が自装置がまだ送達確認していないMACフレームの再送を諦めたことを知る。そして、受信側の通信装置は新規のMACスーパフレームの先頭シーケンス番号より小さなシーケンス番号を持つMACフレームを全て上位の処理に渡し、バッファを空にする。なお、単一のMACスーパフレーム内ではシーケンス番号は各MACフレームに連続的に付与されるので、たとえ先頭のMACフレームが壊れていたとしても、他に正常に受信できたMACフレームが一つ以上あれば、受信側の通信装置は先頭のMACフレームのシーケンス番号を知ることができる。
また、受信側の通信装置は、ある期間にわたり送信側の通信装置からの新たなMACスーパフレームの受信が無ければ、当該送信側の通信装置に割り当てられたバッファ内に停留しているMACフレームを上位の処理に渡す。
以上説明した送信管理テーブルに基づく再送制御が行われる際の送信側通信装置および受信側通信装置のそれぞれの動作を説明する。以下の説明では、送信側通信装置をSTA0とし、受信側通信装置をSTA1とする。
図12は本実施形態における送信側通信装置の再送制御に用いられるメインキュー121およびサブキュー122の一例を示す図である。サブキュー122が上記図11を参照して説明したバッファに相当する。
図13は本実施形態における送信側通信装置の再送制御の処理手順を示すフローチャートの一例である。先ず、再送すべきMACフレームを選択する(ステップS1)。このステップS1では、様々な通信装置のあて先アドレス(ここではSTA1〜STA4)が指定されているMACフレームが蓄積されているメインキュー121から、今回一連のシーケンスで再送する送信先宛ての通信装置(ここではSTA1)があて先アドレスに指定されているMACフレームを総ウィンドウ(W_all)およびその時点のウィンドウの範囲(例えばW1,)を越えない範囲で選択する。その後、選択したMACフレームを図12に示すように再送すべき事情が発生した順にウィンドウと同じ大きさを持つサブキュー122に抽出する。このとき抽出したMACフレームについて最初の再送となるので、図12のサブキュー122の状態を図11のウィンドウW1と呼ぶこととする。以降送信することに、ウィンドウW2、W3、・・・と増加する。なお、メインキュー121において一連の再送シーケンスの対象に係るMACフレームが少なく、ウィンドウサイズに満たない場合にも、サブキュー122を構成してよい。サブキュー122に抽出されたMACフレームには連続的なシーケンス番号SEQ1〜SEQ8が付与される。また、これらMACフレームのデータ長LEN1〜LEN8を記憶する。さらに、各MACフレームの送達確認の初期状態として、送達確認が完了していないことを示す「N」を設定する。
このとき再送すべきMACフレームがサブキュー122に抽出されなかったときは少なくともその通信装置(STA1)に対しては再送を続ける必要がないため今回の一連の再送制御の処理を終了する(ステップS2)。
次に、再送限度を超過した未送達MACフレームがある場合にも当該通信装置への一連の再送シーケンスを中止する(ステップS3)。このときサブキュー122内の未送達MACフレームを破棄(ステップS9)する。ここでメインキューに未送達のMACフレームが残っている場合には、次の一連の再送シーケンスで再送される。再送限度とする回数は既述したように特定の回数に限られず、通信相手や通信媒体の状況に応じて適宜選択すればよい。
次に、サブキュー122の先頭から順にMACフレームを取り出してMACスーパフレームヘッダおよびMACスーパフレームペイロードを構築し(ステップS4)、かかるMACスーパフレームをあて先の通信装置(ここではSTA1)に送信する(ステップS5)。これにより、あて先の通信装置は該MACスーパフレームを受信するとともに、当該MACスーパフレームに対するパーシャルACKを送信する。送信側の通信装置は、あて先の通信装置からこのパーシャルACKを受信する(ステップS6)。
次にステップS7において、パーシャルACKフレーム内のパーシャルACKビットマップ91に基づき、サブキュー122内のMACフレームの各々の送達確認、すなわち該MACフレームの送達があて先通信装置において受信されたか否かを確認する。その結果に基づき、サブキュー122における送達確認状態を更新する。このときビットマップ91の各ビットとサブキュー122内の位置に相当するシーケンス番号とは、並びがそれぞれ対応するように格納されており相互の対応が容易に分かるように構成されている。図11に示す例ではSEQ3とSEQ5のMACフレームのみが依然として送達確認なし「N」、すなわち未送達であって、SEQ3とSEQ5以外のMACフレームは送達確認済み「Y」となる(RX1)。このようにパーシャルACKに含まれるパーシャルACKビットマップ91に示すそれぞれのMACフレームの送達確認情報を、再送したMACスーパフレームペイロードに相当するサブキュー122のMACフレーム位置との対応付けることで容易に判断できるようになる。
ステップS8においては、未送達のフレームのうち最もシーケンス番号が若いもの(例えばRX1におけるSEQ3)をウインドウの始点に決定する。この始点は、第2回目の再送のための送信(TX2)におけるウインドウW2の始点に相当する。このように始点を移動することでサブキュー122への、最小のシーケンス番号(TX1ではSEQ1)から最初の送達確認なしのシーケンス番号(TX1ではSEQ3)の手前までのMACフレームの抽出をしないようにできる。ウィンドウW1と比較すると、ウィンドウMACフレーム2つ分の空きができたことになる。また先のステップS3における再送限度超過の判断は、このウィンドウの始点の位置を把握しておくことで容易に判断することが可能となる。例えばウィンドウW1の最後のMACフレームに振られたSEQ8を、再送限度だけ再送した後のウィンドウの始点が越えていなければ、いずれかの未送達MACフレームが再送限度を超過したと判断できる。
ステップ8で新たにウィンドウの始点が設定されると再びステップS1に戻り、メインキュー121から同一のあて先アドレスSTA1を持つ2つのMACフレームをサブキュー122の後尾に順に追加し、新たなシーケンス番号SEQ9、SEQ10を割り当てる。このとき、追加された2つのMACフレームのデータ長LEN9およびLEN10を記憶するとともに、送達確認状態を「N」にする。このようにサブキュー122を更新する。
すなわち、ステップS1においては、ステップS8において更新がなされたサブキュー122を参照し、送達確認状態が「N」であるMACフレームに対しては記憶されたデータ長LENに従い、送達確認状態が「Y」であるMACフレームに対してはこれをゼロにする。そしてステップS4によりサブキュー122の情報に基づいてMACスーパフレームヘッダと、サブキュー122の先頭から順に送達確認状態が「N」であるMACフレームが選択的に取り出され、MACスーパフレームペイロードが構築されて、次に再送するMACスーパフレームが完成する。
そして、ステップS5において2回目の送信(TX2)が実行され、以後、上述した動作が繰り返される(TX3〜)。
ビーコンは普通のデータフレームよりも送信の優先度が高いため、上述のような一連のMACフレームの送信に割り込む可能性がある。このような場合でシーケンス番号に不連続性が生じるようなときには、不連続になる手前でそれまでの一連の再送シーケンスを終了させ、別の一連の再送シーケンスを開始するようにすればよい。
一方、図14は受信側通信装置で用いられるサブキューを示す図、図15は受信側通信装置の処理手順を示すフローチャートである。
ステップS1においてMACスーパフレームを受信する。MACスーパフレームヘッダから各MACフレームのデータ長を得るとともに、各MACフレームのMACヘッダからシーケンス番号を得る。仮にMACスーパフレーム内のいずれかのMACフレームにエラーが生じていたとしても、シーケンス番号はその値が連続するように付与されることから、正常に受信できた他のMACフレームのシーケンス番号に基づいて、該MACスーパフレーム内の全てのMACフレームのシーケンス番号を得ることができる。さらに、送信元アドレス、すなわち送信側通信装置のMACアドレス(ここではSTA0)も記憶する。
図11の例では、SEQ3とSEQ5のMACフレーム以外は正常に受信されているので、そのように受信状態を記憶する(ステップS2)。すなわち、SEQ3とSEQ5の受信状態を「N」とし、それ以外を「Y」とする。
次に、この受信状態を反映するようにパーシャルACKビットマップ91を構築し(ステップS3)、送信側の通信装置にパーシャルACKを送信する(ステップS4)。
図14に示すように、受信したMACスーパフレームペイロードに含まれるMACフレームの並びと対応したパーシャルACKビットマップ91とすることで、ACK作成にかかる処理コストを低減することができる。
そして、最小のシーケンス番号(ここではSEQ1)から、最初の受信状態「N」(ここではSEQ3)の手前までのMACフレームをサブキュー131から取り出し、これらを上位の処理に渡す(ステップS5)。
次に、サブキュー131内の全てのMACフレームの受信処理ができたか否かを判定する(ステップS6)。サブキュー131内の全てのMACフレームの受信状態が「Y」になると、これら受信したMACフレームは該サブキュー131から全て取り出されて空になる。したがって、STA0に対して割り当てられていたこのサブキュー131を開放して終了する(ステップS7)。一方、サブキュー131内のいずれかのMACフレームが未受信である場合はステップS1に戻る。2回目の受信(RX2)においては、SEQ3からSEQ9を取り出して上位に渡す。以下、3〜5回目のMACスーパフレームの受信に対し、ステップS1〜S6の処理が繰り返される。
なお、サブキュー131内のいずれかのMACフレームが未受信であっても、送信側の通信装置STA0からMACスーパフレームを受信しない状態が一定期間連続して続けば、該サブキュー131に停留しているMACフレームを全てリンク層処理といった上位の処理に渡す。また、送信側の通信装置STA0からのMACスーパフレームの先頭のMACフレームのシーケンス番号が、受信状態「N」で再送を待っているMACフレームのシーケンス番号よりも大きい場合にも、サブキュー131のMACフレームを全て上位の処理に渡し、新たなMACスーパフレームのために新たなサブキューを作成する。これらの場合には、MACフレームの損失が発生する。
受信側の通信装置がパーシャルACKビットマップを構築する際に、それまでの送達状態の履歴は参照せずに直前のMACスーパフレームに含まれていたMACフレームの送達状態のみを示すようにしても良い。この場合には、送信側の通信装置がパーシャルACKを受信した際に、送達確認済みのMACフレームをサブキューから削除するか、対応するMACフレームに送達確認済みのマークをつけることで、送達状態の履歴を記憶するようにすれば良い。
また、受信側の通信装置がパーシャルACKを返す際に、図9のPHYフィードバック情報(PHY Feedback Information)フィールド92を用い、物理層の情報を適当に縮約した形で送信側の通信装置にフィードバックしても良い。送信側の通信装置は、パーシャルACKビットマップ91によって表されるMACフレーム単位の送達状態と、PHYフィードバック情報92との両者に基づき、物理層の送信方式(変調方式、符号化率、MIMOの独立のストリーム数など)を切り替えることができる。例えば、MACフレームが全て正常に受信された場合に、物理層のマージンが大きいか否かを調べ、大きければより高速な送信方式に切り替えたり、いくつかのMACフレームにエラーがある際に、変調方式や符号化率を下げてマージンを稼ぐべきか、MIMOの独立ストリーム数を減らすべきか、などの判断を行なうことができる。このようにするとMACフレームの送受信を行いながら物理層における通信に必要な情報を伝達することが出来る。
(第4実施形態)本実施形態は、MACスーパフレームを構成するMACフレームとして、データフレーム以外に、パーシャルACKフレームを含めることも許容する場合である。パーシャルACKをMACスーパフレームにする相乗りさせる(piggyback)ことにより、スループットの更なる向上が見込める。
図16に、MACスーパフレームペイロード203の第一のMACフレームとして、パーシャルACKフレームを許容する場合のフレーム構成を示す。また、この場合のキャリアセンス状態を図17に示す。以下、既述の実施形態との相違を中心に説明する。
図16のパーシャルACKフレームは、アドレス1のみ、つまり受信側通信装置のアドレスのみを含み、アドレス2〜アドレス4は含まない。アドレス1と期間フィールドの値が、MAC層の仮想キャリアセンスを行うために必要十分な情報である。
本実施形態においては、通信媒体を利用する送信権がいったん確保されると、複数のMACスーパフレームと最後のパーシャルACKがSIFS間隔(つまり新たな送信権確保の手続きなしに)で、連続的に送受信されるシーケンスが構成できる。
図17は本実施形態の通信装置における期間フィールドの値を定めるキャリアセンス状態の一例を示したものである。図17では3つのフレーム交換で一連の通信が終了する例を示しているが、更にシーケンスを継続しても構わない。図17の最大TXOP (Transmission Opportunities) は、1つのシーケンスに許される最大時間を示している。TXOPは、例えばビーコンにより全ての通信装置に共通の値として各通信装置に通知される。あるいは、通信媒体の利用権を中央集権的に管理する通信装置が、個別の通信装置に個別のTXOP値を持つ送信権を、動的に割り当てる場合も考えられる。
また、通信装置が送信時に通信媒体を占有する、SIFSとパーシャルACKフレーム送信時間の和に相当する期間(Duration)の値を設定する際に、応答に含まれるパーシャルACKが第一種のPHYフレームによって送信されるのか、あるいは第二種のPHYフレームによって送信されるのかが必ずしも明らかでないことを考慮しなければならない。通常、相手の通信装置が送信すべきデータフレームがない場合、あるいはデータフレームを入れようとするとTXOPに収まらなくなる場合には、第一種のPHYフレームで送信される。それ以外の場合には第二種のPHYフレームによってパーシャルACKが送信される。第一種のPHYフレームのPHYヘッダより第二種のPHYフレームのPHYヘッダが長いこと、およびパーシャルACK自体のデータ長は短くこれを送信するために必要な時間は伝送レートにあまり依存しないことから、第一種のPHYフレームを用いる方がパーシャルACKを含むフレームの送信時間は短くなる。長い方の値を期間(Duration)の値として設定すると通信媒体を不要に占有することになり他の通信で利用されない無駄な時間が生じ易くなるので、短い方の値を期間(Duration)の値として設定するようにする。
図17では、MACフレーム1とMACフレーム2の期間(Duration)の値として、第一種のPHYフレームによってパーシャルACKが送信されると仮定したときの値が設定されている。実際には第二種のPHYフレームによりパーシャルACK(MACフレーム3に相当) が送信された場合が示されている。期間1(Duration1)は、パーシャルACK送信完了以前に終了する値で示されているが、期間1によって設定されたNAVの期間中に通信装置3と通信装置4はPHYビジー状態を検出している。通信装置3のPHYビジー状態が継続している間に、パーシャルACK(MACフレーム3) およびMACフレーム4に含まれる期間2(Duration2)の値により通信装置3のNAVが更新されるため、通信装置3のキャリアセンスの状態が当該通信の仮想的媒体占有期間にとって問題となることはない。また通信装置4についても、パーシャルACKを含む第二種のPHYフレームの受信完了後は再びEIFS期間が開始されるため、通信装置4のキャリアセンス状態にも問題は生じない。これにより第一種のPHYフレームでパーシャルACKが送信されると仮定して期間(Duration)の値を計算しても、当該通信の上でそれぞれの通信装置に問題が生じないことが分かる。よって本実施形態のように構成すると他の通信装置と共存しながら、パーシャルACKを効率よく送信することができる。
なお、MACスーパフレームに含まれるパーシャルACKが正しく受信されなかった場合には、このパーシャルACKを再送するようにしなくとも良い。この場合はアグリゲートなしのパーシャルACKが失われた場合と同様にリカバリーすれば良い。つまり、パーシャルACKが受信されなかったことを検出した後に、そのパーシャルACKを含んだ直前に送信したMACスーパフレームと同じMACスーパフレームを再送する。
(第5実施形態)本実施形態は、1つのMSDUが分割 (fragmentation) されたことにより生成された複数のMPDUをアグリゲート(集約)する場合に関する。
図18に、本実施形態におけるMACスーパフレームヘッダの一例を示す。各MACフレーム長(MAC Frame length)に加え、各MACフレームのフラグメント番号 (fragment number) を含んでいる。フラグメント番号の扱いについては次に説明する。
前提として1つのMSDUを構成するMPDUが別々のMACスーパフレームにまたがることは無いものとする。シーケンス番号は、MSDUについて連続の値になるように割り当てられる。つまり、同じMSDUから生成されたMPDUは同じシーケンス番号を持つ。フラグメント番号はMSDU内での当該MPDUの相対位置を表す値で、通常は0から始まる連続値を取る。最終的には、シーケンス番号とフラグメント番号およびMACスーパフレームの一連の送信・再送における各MACフレームの相対位置は送信した時に確定する。従って、パーシャルACKのビットマップ情報のみで、送信側の通信装置は対応するMACフレームを特定することができ、既述の方式の簡単な拡張により再送制御を行うことができる。
あるいはMACスーパフレームヘッダにフラグメント番号を明示的に示さず、MSDUの最初と最後のMPDUを示す(いずれか一方は暗黙に示されれば良い)だけでも、本実施形態にかかる再送制御は同様に機能させることができる。
(第6実施形態) 本実施形態にかかるMACスーパフレームヘッダは、MACスーパフレームヘッダ自体がMPDUと同じフォーマットを持つ。受信側の通信装置は通常のMACフレームとMACスーパフレームの処理の分岐を、物理層からの情報を受けることなくMAC層の処理だけで行うことができる。
図19にMPDUと同じフォーマットを持つMACスーパフレームヘッダ1900の一例を示す。例えばフレーム制御(Frame Control)フィールドに含まれるType / Sub-type領域に、MACスーパフレームヘッダであることを示す値を新たに規定して割り当てる。受信側の通信装置のMAC層は、この値にしたがって以後MACスーパフレームの処理を行うべきか、通常のMACフレームの処理を行うべきかを決定する。期間(Duration)504の値は、当該MACスーパフレームに含まれる他のMACフレームの期間の値の計算方法に準じて設定される。アドレス1フィールド505(Receiver Address)の値は、当該MACスーパフレームに含まれる他のMACフレームのアドレス1と同じになるように設定される。このようにアドレス1フィールド505には受信側の通信装置を特定するアドレスが設定される。
MACスーパフレームヘッダ1900は、分割(fragment)されずまた再送されることもないので、シーケンス制御(Sequence Control)フィールド508の値は特に意味を持たない。よってMACスーパフレームのTypeを制御(Control)フレームとして割り当てれば、このシーケンス制御フィールド508が省略されるためより好ましい。
TypeをManagementまたはDataとして定義すると、シーケンス制御フィールド508を持つ必要があるが、その値は本発明に係る実施形態の再送制御と整合が取れるように扱う必要がある。既存の通信では例えばMACスーパフレームの一連の再送制御において再送対象となるMACフレームのシーケンス番号(Sequence number)は連続値を取ると仮定されているので、シーケンス番号が不連続な値を設定する場合は当該MACスーパフレームの一連の再送制御をいったん終了し、別のシーケンスによる再送制御を開始する必要がある。このためシーケンス番号の不連続が起きないようにするか、不連続になったとしても一連の再送制御を継続できるようにする必要がある。これを解決する一例として、本発明の別の実施形態に示すような再送時のウィンドウ制御をしているときは、一連の再送制御で再送対象のMACフレームに割り当てられる可能性のある最大のシーケンス番号の値がわかるので、この最大値を超える値のシーケンス番号となるように順次割り当てるという方法がある。またこの値には再送対象のMACフレームも含めて連続的な値を割り当てる必要があるのだが、再送制御をするときには再送対象のMACフレームのシーケンス番号を無視することで不連続になっても良いように制御するという方法も可能である。
図19に示すペイロードに相当する部分1901には、当該MACスーパフレームに含まれる各MACフレームの長さを設定する。本発明の別の実施形態で述べたように、ペイロード1901には分割(fragment)に対応するためのフラグメント番号(fragment number)を含めても良い。
またFCS502は図2に示すHCS205に対応し、本実施形態の場合もFCS502を用いて通常のMPDUと同様の扱いとすれば良い。たとえばFCS502にはMACスーパフレームヘッダ全体に対して計算したCRC値を設定する。MACスーパフレームヘッダ1900に付随するFCS502により、受信側通信装置でMACスーパフレームヘッダ1900が壊れていると認識した場合には、HCS205により誤りが検出された場合と同様に扱い、これを検出した受信側通信装置はMACスーパフレーム全体を廃棄する。
(第7実施形態)本実施形態は、パーシャルACKと本発明の別の実施形態で示したMACフレームと同様に扱えるMACスーパフレームヘッダを同一のMACスーパフレームに格納するものである。
図20に本実施形態におけるMACスーパフレーム2000のフォーマットの一例を示す。ここではMACスーパフレームペイロード203の先頭にパーシャルACKフレームを配し、次にMACスーパフレームヘッダのMACフレームという順序で設定する。MACスーパフレームヘッダ2001に含まれる本質的な情報は、受信側がMACスーパフレームペイロード203内の各MACフレームの境界を認識するために必要となる各MACフレームの長さである。パーシャルACKの長さは基本的に固定長にできるため、パーシャルACKを先頭に置いても受信側通信装置での処理に問題は生じない。パーシャルACKを先頭に置くことで、MACスーパフレームヘッダが壊れても先行するパーシャルACKが問題なく受信できる可能性が高い。パーシャルACKが問題なく受信されればMAC層のキャリアセンスの状態が正しく設定されるので、エラーリカバリーの待ち時間なしに次に必要となる再送を行うことができる。このようにエラーリカバリーの待ち時間が排除できることにより通信スループットの向上が期待できる。
逆にMACスーパフレームペイロード203内でパーシャルACKとMACスーパフレームヘッダ2001の位置関係が逆転していたとしても、MACスーパフレームヘッダ2001を固定長とするならば、先行する当該MACスーパフレームヘッダ2001が壊れていてもその後に存在するパーシャルACKが正しく受信できる可能性が高い。同様に当該パーシャルACKに基づいてキャリアセンスと再送制御を行うということにすれば、同様の効果が得られる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の第1実施形態に係る通信装置の構成を示すブロック図 本発明の実施形態に係る通信装置が用いるフレームフォーマットの一例を示す図 第一種のPHYフレームのフォーマットの一例を示す図 第二種のPHYフレームのフォーマットの一例を示す図 MACフレームのフォーマットの一例を示す図 本発明の一実施形態に係る通信システムの一例を示す図 方法1に従って期間フィールドの値を定めた場合の各通信装置のキャリアセンス状態の一例を示す図 方法2に従って期間フィールドの値を定めた場合の各通信装置のキャリアセンス状態の一例を示す図 パーシャルACKフレームのフォーマットの一例を示す図 本発明の第2実施形態に係わる省電力制御を説明するための図 本発明の第3実施形態に係る再送制御に用いられる送信管理テーブルを示す図 送信側通信装置の再送制御に用いられるメインキューおよびサブキューを示す図 送信側通信装置の再送制御の処理手順を示すフローチャート 受信側通信装置で用いられるサブキューを示す図 受信側通信装置の処理手順を示すフローチャート 本発明の第4実施形態に係る通信装置が用いるフレームフォーマットの一例を示す図 本発明の第4実施形態に係る通信装置における期間フィールドの値を定めた場合の各通信装置のキャリアセンス状態の一例を示す図 本発明の第5実施形態に係る通信装置が用いるスーパフレームヘッダフォーマットの一例を示す図 本発明の第6実施形態に係る通信装置が用いるフレームフォーマットの一例を示す図 本発明の第7実施形態に係る通信装置が用いるフレームフォーマットの一例を示す図
符号の説明
100…通信装置、101…物理層、102…MAC層、103…リンク層、104…アンテナ、105…アグリゲーション処理部、106…キャリアセンス制御部、107…再送制御部、108…省電力制御部、109…第一種の物理層プロトコル処理部、110…第二種の物理層プロトコル処理部。

Claims (15)

  1. 一つのMACヘッダと複数のMACフレームとを含む単一の物理フレームを構築する物理フレーム構築手段と、
    前記物理フレームを宛先の通信装置に送信する送信手段とを具備することを特徴とする通信装置。
  2. 前記各MACフレームは固定長であり、前記物理フレームに含まれる該MACフレームの数を示す情報を前記MACヘッダに含むようにしたことを特徴とする請求項1記載の通信装置。
  3. 前記各MACフレームは、自MACフレームの誤りを検出可能にするためのFCS(Frame Check Sequence)を含むことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  4. 前記送信手段が送信した前記物理フレームを前記宛先の通信装置が受信しSIFS(Short IFS)期間経過後に前記物理フレームの受信確認のための応答として送信されるパーシャルACKフレームを受信する受信手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  5. 前記送信手段が送信した前記物理フレームを前記宛先の通信装置が受信しSIFS(Short IFS)期間経過後に前記物理フレームの受信確認のため応答として送信されるものであって、前記物理フレームを復号できない他の通信装置でも解釈可能なパーシャルACKフレームを受信する受信手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  6. 前記受信手段が受信したパーシャルACKフレームに基づき、送信した複数のMACフレームの各々が、正しく受信されたか否かを確認する確認手段を備えたことを特徴とする請求項4または5に記載の通信装置。
  7. 前記パーシャルACKフレームには、前記送信手段が送信した前記物理フレームに含まれる前記各MACフレームにシーケンス番号が振られており、このシーケンス番号の並びに対応して、各MACフレームが正しく受信できたか否かを示す真偽値が示されたパーシャルACKビットマップを含んでいることを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれかに記載の通信装置。
  8. 一つのMACヘッダと複数のMACフレームとを含む単一の物理フレームを受信する受信手段と、
    前記物理フレームを受信し、新たな送信権確保の手続きをすることなくSIFS(Short IFS)期間経過後に前記物理フレームの受信確認のための応答としてブロックACKフレームを送信する送信手段とを備えたことを特徴とする通信装置。
  9. 前記送信手段は、前記受信手段により受信された前記物理フレームに含まれる前記MACフレームのそれぞれが正しく受信できたか否かを示す受信状況を、前記ブロックACKフレームに含めて送信するようにしたことを特徴とする請求項8に記載の通信装置。
  10. 前記受信手段は、前記受信状況によって正しく受信できなかったMACフレームを含む、再送された単一の物理フレームを更に受信し、
    前記送信手段は、過去の受信状況の履歴は参照せずに今回受信した物理フレームに含まれていたMACフレームが正しく受信できたか否かを示す受信状況のみを、新たなブロックACKフレームに含めて送信するようにしたことを特徴とする請求項9に記載の通信装置。
  11. 前記受信手段は、前記受信状況によって正しく受信できなかったMACフレームを含む、再送された単一の物理フレームを更に受信し、
    前記送信手段は、前回の受信状況に、今回受信した物理フレームに含まれていたMACフレームが正しく受信できたか否かを示す受信状況を更新し、新たなブロックACKフレームに含めて送信するようにしたことを特徴とする請求項9に記載の通信装置。
  12. 前記受信手段により受信された前記物理フレームに含まれる前記各MACフレームにシーケンス番号が振られており、このシーケンス番号の並びに対応して、各MACフレームが正しく受信できたか否かを示す真偽値を示すパーシャルACKビットマップを構築する構築手段を備え、前記送信手段は、前記ブロックACKフレームに、構築された前記パーシャルACKビットマップを含めるようにしたことを特徴とする請求項8に記載の通信装置。
  13. 前記受信手段は、前記受信状況によって正しく受信できなかったMACフレームを含む、再送された単一の物理フレームを更に受信し、
    前記構築手段は、過去の受信状況の履歴は参照せずに今回受信した物理フレームに含まれていたMACフレームが正しく受信できたか否かの真偽値のみに基づいてパーシャルACKビットマップを構築するようにしたことを特徴とする請求項12に記載の通信装置。
  14. 前記受信手段は、前記受信状況によって正しく受信できなかったMACフレームを含む、再送された単一の物理フレームを更に受信し、
    前記構築手段は、過去のパーシャルACKビットマップに、今回受信した物理フレームに含まれていたMACフレームが正しく受信できたか否かの真偽値を更新し、新たなパーシャルACKビットマップを構築するようにしたことを特徴とする請求項12に記載の通信装置。
  15. 前記受信手段により受信された前記物理フレームに含まれる前記各MACフレームにはシーケンス番号が振られており、
    前記受信した物理フレームに含まれる複数のMACフレームのうち正しく受信できたMACフレームをシーケンス番号順に読み出せるように一時的に格納するバッファと、
    前記受信手段が新たに受信した物理フレームに含まれる先頭のMACフレームのシーケンス番号よりも小さいシーケンス番号を有するMACフレームを前記バッファから読み出して上位層の処理に転送する転送手段と、
    前記転送手段が転送したMACフレームを前記バッファから削除する削除手段とを備えたことを特徴する請求項8に記載の通信装置。
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