JP2006282484A - 炭素材料の乾燥システム、炭素材料の乾燥方法、および炭素材料、並びに電気二重層コンデンサ - Google Patents

炭素材料の乾燥システム、炭素材料の乾燥方法、および炭素材料、並びに電気二重層コンデンサ Download PDF

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健 藤野
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祐二 河淵
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孝 鈴木
Sadao Ishizaki
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Abstract

【課題】 水を低減した炭素材料を容易に得ることが可能な炭素材料の乾燥システム、炭素材料の乾燥方法、および炭素材料、並びに水を低減した活性炭を備えた電気二重層コンデンサを提供する。
【解決手段】 アルカリ賦活後の水を含有する粉末状の活性炭を乾燥し、水を低減した活性炭を得るシステムであって、水を含有する活性炭と、水とを混合し、活性炭スラリーCを作製する活性炭スラリー作製供給部10と、活性炭スラリー作製供給部10から送られた活性炭スラリーCが収容される高圧容器20と、高圧容器20内の二酸化炭素を超臨界二酸化炭素に調整し、活性炭を乾燥する超臨界流体調整手段40と、を備えた活性炭の乾燥システムSである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、炭素材料の乾燥システム、炭素材料の乾燥方法、および炭素材料、並びに電気二重層コンデンサに関する。
従来から、活性炭(炭素材料)は脱色剤・脱臭剤や、ガスマスクなどに利用されている。近年では、これらの利用方法に加え、電気二重層コンデンサ(電気二重層キャパシタとも言われる)の電極に使用されている。
ここで、電気二重層コンデンサの構成について、図4を参照して説明する。なお、図4は、電気二重層コンデンサの構成を示す模式図である。図4に示すように、電気二重層コンデンサ200は、容器201と、容器201内に配置されたセパレータ202を挟み、活性炭がシート状に成形されてなる一対の活性炭電極203、203(炭素電極、分極性電極とも称される)と、集電体204、204とを備えている。また、容器201内には、イオン導電性を有する電解液が注入されている。そして、電気二重層コンデンサ200は、固体である活性炭電極203と液体である電解液との界面で発生し、分子レベルの距離を隔てて存在する電荷(図4において、+および−で示す)を通常のコンデンサにおける誘電体として用いたコンデンサである。
このように活性炭が活性炭電極203として使用された電気二重層コンデンサ200の場合、出力の低下を防止するため、活性炭が水を含まず乾燥していることが望ましいとされる。この水は、活性炭の細孔に付着することで残留している。
このように活性炭に残留する水は、活性炭の表面積を増加させて活性を高めるために、水酸化カリウム、塩化亜鉛水溶液などのアルカリ性の薬液を使用して、活性炭に複数の細孔を形成したとき、水洗いによる水の一部が残留したものである。なお、このようにアルカリ性の薬液を使用して、活性炭の活性を高めることは、一般に、「アルカリ賦活」と称されている。
そこで、従来、このような活性炭に類似する活性炭成形体の水を除去し乾燥する方法として、活性炭成形体を超臨界二酸化炭素と接触させ、水分、バインダを除去する「活性炭成形体の乾燥方法」が提案されている(特許文献1参照)。
特公平4−55123号公報(第2頁左欄第7行目〜第2頁右欄第18行目)
しかしながら、特許文献1に記載の技術を活性炭の乾燥に適用すると、粉末状の活性炭の取扱いが容易でないという問題がある。また、特許文献1では、活性炭成形体中の水分、有機助剤等の抽出除去を目的としているものの、除去後の活性炭成形体中の水分量について開示されておらず、例えば、電気二重層コンデンサの電極として好適に使用できる水分量が1000ppm以下の活性炭を得られるか否かは不明である。仮に、活性炭成形体に超臨界流体を接触させた場合、超臨界流体が活性炭成型体の表面層を流れるのみで、活性炭を十分に乾燥することは困難と予想される。
そこで、本発明は、水を低減した炭素材料を容易に得ることが可能な炭素材料の乾燥システム、炭素材料の乾燥方法、および炭素材料、並びに水を低減した活性炭を備えた電気二重層コンデンサを提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、請求項1に係る発明は、炭素原料をアルカリ賦活した後の水を含有する粉末状の炭素材料を乾燥し、前記水を低減した炭素材料を得るシステムであって、前記水を含有する炭素材料と、スラリー媒体とを混合し、炭素材料スラリーを作製する炭素材料スラリー作製手段と、前記炭素材料スラリー作製手段から送られた炭素材料スラリーが収容される容器と、前記容器内の流体を超臨界流体に調整し、炭素材料を乾燥する超臨界流体調整手段と、を備えたことを特徴とする炭素材料の乾燥システムである。
このような炭素材料の乾燥システムによれば、スラリー作製手段によって、炭素材料とスラリー媒体とを混合し、炭素材料スラリーを作製することができる。これにより、粉末状の炭素材料が、スラリー状の炭素材料スラリーとなるため、取扱い容易となる。
そして、この炭素材料スラリーを、適宜な移送装置(例えば、後記する第1実施形態のポンプ14)により容器に送った後、超臨界流体調整手段によって、容器内の流体を超臨界流体(SCF:Supercritical Fluid)に調整する。そうすると、超臨界流体によって、炭素材料中の水は除去され、炭素材料が乾燥される。このようにして、超臨界流体によって炭素材料が乾燥され、水が低減された炭素材料を得る(製造、再生を含む)ことができる。
請求項2に係る発明は、炭素原料をアルカリ賦活した後の水を含有する粉末状の炭素材料を乾燥し、前記水を低減した炭素材料を得る方法であって、前記水を含有する炭素材料とスラリー媒体とを混合し、炭素材料スラリーを作製する第1工程と、前記炭素材料スラリーを容器に収容する第2工程と、前記容器内の炭素材料を、超臨界流体によって乾燥する第3工程と、を含むことを特徴とする炭素材料の乾燥方法である。
このような炭素材料の乾燥方法によれば、炭素原料をアルカリ賦活した後の炭素材料とスラリー媒体とを混合し、炭素材料スラリーを作製することにより(第1工程)、粉末状の炭素材料が、スラリー状の炭素材料スラリーとなるため、取扱い容易となる。そして、この炭素材料スラリーを、適宜な移送装置で容器に送り、この容器に収容する(第2工程)。ここで、炭素材料スラリーがスラリー状であるため、適宜な移送装置によって、短時間で炭素材料スラリーを容器に送り、収容することができる。
次いで、容器内の流体を超臨界流体に調整することによって、超臨界流体により炭素材料中の水が除去され、炭素材料が乾燥される(第3工程)。さらに説明すると、容器内を超臨界流体とすることによって、炭素材料が大気や酸素と接触しにくくなり、例えば、200℃以上の高温とした場合であっても、活性炭の性能を低下させずに、官能基量の少ない炭素材料を得ることができる。すなわち、定置型乾燥炉などの大型の乾燥設備を使用せずに、低コストで炭素材料を乾燥することができる。
このようにして、水が低減された炭素材料を得ることができる。
請求項3に係る発明は、前記第3工程において、超臨界流体を昇温させることを特徴とする請求項2に記載の炭素材料の乾燥方法である。
このような炭素材料の乾燥方法によれば、超臨界流体を昇温させることにより、炭素材料の細孔を収縮させずに、炭素材料に強く吸着した水(以下、強吸着水という)をも除去し、炭素材料を乾燥することができる。
請求項4に係る発明は、前記第1工程において、前記炭素材料スラリー全体に対して、炭素材料の濃度は、10〜50質量%とすることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の炭素材料の乾燥方法である。
このような炭素材料の乾燥方法によれば、第3工程後における、スラリー媒体の脱水・乾燥時間を短くしつつ、炭素材料スラリーの流動性を確保することができる。
請求項5に係る発明は、前記スラリー媒体は水であることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の炭素材料の乾燥方法である。
このような炭素材料の乾燥方法によれば、入手容易な水を使用して、スラリー媒体を構成することができる。
請求項6に係る発明は、前記炭素原料は、易黒鉛性の炭素原料であることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の炭素材料の乾燥方法である。
ここで、「易黒鉛性の炭素原料」とは、石油コークス、石炭コークス、ピッチ、メソフェーズピッチ、熱可塑性樹脂(例えばPVC(Poly Vinyl Chloride resin:塩化ビニル樹脂))等から選択された少なくとも1種である。このような易黒鉛性の炭素原料をアルカリ賦活すると、小さい開口に対して内部に大きく広がった細孔(インクボトル形状の細孔と言われる)が形成されやすい。そして、アルカリ賦活後の水洗いなどによって、インクボトル形状の細孔内にも、水が残留してしまい、通常の乾燥では除去されにくい。
ところが、請求項6に係る炭素材料の乾燥方法によれば、超臨界流体が前記インクボトル形状の細孔内にも進入するため、インクボトル形状の細孔内に残留した水も除去し、良好に乾燥された炭素材料を得ることができる。
請求項7に係る発明は、請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の炭素材料の乾燥方法により得られたことを特徴とする炭素材料である。
このような炭素材料は、水が低減されている。したがって、このような炭素材料は、電気二重層コンデンサの活性炭電極など、種々の用途に適用することができる。
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の炭素材料は活性炭であって、当該活性炭を主成分とする電極を備えたことを特徴とする電気二重層コンデンサである。
このような電気二重層コンデンサによれば、電極が、水が低減された活性炭を主成分とすることにより、その長期安定性が高くなると共に、耐久性も大きく向上する。特に、超臨界流体を昇温して、乾燥が促進された活性炭を使用した場合、その活性炭の細孔は収縮していないため、例えば、電極の静電容量が高くなると共に、静電容量の低下率が小さくなる。
本発明によれば、低コストで、短時間に水を低減した炭素材料を容易に得ることが可能な炭素材料の乾燥システム、炭素材料の乾燥方法、および炭素材料、並びに水を低減した活性炭を備えた電気二重層コンデンサを提供することができる。
次に、本発明の一実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。すなわち、本発明は以下の実施形態に制約されるものではなく、同様に機能を有する装置、同様の方法であれば、本発明の技術的範囲に含まれる。
なお、第1実施形態では、特許請求の範囲における炭素材料を活性炭とし、スラリー媒体を水とし、流体を二酸化炭素とした場合について説明する。
ここで、二酸化炭素分子は線形構造を有しており、その分子径が0.33nmであり、不活性ガスとして一般的な窒素の分子径(0.364nm)よりも小さい。そして、流体として二酸化炭素を選択することによって、活性炭が例えば0.3〜1.5nmのスリット形状の細孔直径を有する場合、二酸化炭素は、窒素などに比べて、活性炭に超深度で侵入し、活性炭の小さな微細孔の奥にまで到達可能となる。
なお、超臨界二酸化炭素(SC−CO2)は、気体状態の二酸化炭素に比べて、その流体密度が高い。このため、スラリー媒体としての水の溶解力は増す。そして、水が良好に分散した超臨界二酸化炭素によって、活性炭の細孔の奥に存在する水分は除去され、活性炭が乾燥される。
≪第1実施形態≫
第1実施形態に係る活性炭(炭素材料)の乾燥システムについて図1を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る活性炭の乾燥システムの構成を示す図である。
≪活性炭の乾燥システムの構成≫
図1に示すように、活性炭の乾燥システムSは、活性炭スラリーCを作製・供給する活性炭スラリー作製供給部10(炭素材料スラリー作製手段)と、活性炭スラリーCが供給され、その内部に活性炭スラリーCを収容する高圧容器20と、高圧容器20に二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給部30と、高圧容器20に供給された二酸化炭素の温度を調整する温度調整手段40と、高圧容器20から下流側に向かって、背圧弁51と、分離トラップ60と、循環手段70とを、主に備えている。
<活性炭スラリー作製供給部>
活性炭スラリー作製供給部10は、活性炭と水とを混合して、スラリー状の活性炭スラリーCを作製し、作製した活性炭スラリーCを高圧容器20に供給する部分である。活性炭スラリー作製供給部10は、上流側から下流側の高圧容器20に向かって、混合容器11と、開閉弁13と、(供給)ポンプ14と、開閉弁15とを主に備えている。
混合容器11は、易黒鉛性の炭素原料がアルカリ賦活されてなる活性炭を、洗浄・脱水する洗浄容器であると共に、洗浄された活性炭と水とを混合し活性炭スラリーCを作製するための容器である。
混合容器11には、アルカリ賦活後の活性炭を繰り返して洗浄・脱水(ろ過)可能なように、洗浄液(塩酸水溶液、水など)を供給する洗浄液供給装置や、脱水するためのフィルタや、脱水された液体を排出する排出配管などが適宜に設けられている。また、混合容器11にはミキサ12が設けられており、このミキサ12により、活性炭と水とが好適に混合され、活性炭スラリーCが作製されるようになっている。そして、混合容器11は配管11aを介して開閉弁13に接続しており、開閉弁13は配管13aを介してポンプ14に接続している。したがって、開閉弁13を開くことで、活性炭スラリーCが混合容器11からポンプ14に流れるようになっている。
このように混合容器11が、アルカリ賦活後の活性炭を洗浄・脱水するための容器としての機能と、洗浄された活性炭と水とを混合する容器としての機能との両方を兼ね備えた構成としたことにより、洗浄・脱水を所定に繰り返した後に、洗浄された活性炭を他の容器に移さずに、そのまま引き続いて、活性炭スラリーCを作製でき、作業時間を大幅に短縮できるようになっている。
ポンプ14は、活性炭スラリーCを、高圧容器20に送るための動力源である。そして、ポンプ14は配管14aを介して開閉弁15に接続しており、開閉弁15は配管15aを介して高圧容器20に接続している。したがって、開閉弁15を開き、ポンプ14を作動させると、活性炭スラリーCが高圧容器20内に供給されるようになっている。
なお、開閉弁15は、高圧容器20に所定量の活性炭スラリーCを送った後、高圧容器20内の圧力を高めている間は、閉じられる。
<高圧容器>
高圧容器20は、活性炭スラリー作製供給部10から送られた活性炭スラリーCを、その内部に収容する容器である。また、高圧容器20は、例えば、ステンレス(SUS316系、SUS304系)などから形成されており、高い耐圧性を有している。さらに、高圧容器20内の上流側(二酸化炭素供給側)と下流側には、フィルタ21、フィルタ22が設けられており、フィルタ21とフィルタ22との間に、活性炭スラリーCが収容されるようになっている。これにより、活性炭が高圧容器20の外部に流出しないようになっている。
そして、高圧容器20は、配管20aを介して背圧弁51に接続している。
<二酸化炭素供給部>
二酸化炭素供給部30は、高圧容器20に、二酸化炭素を所定圧力にて供給する部分である。二酸化炭素供給部30は、上流側から下流側に向かって、主として、二酸化炭素が高圧で貯蔵された二酸化炭素タンク31と、開閉弁32と、チラー33(温度調整器)と、昇圧ポンプ34と、開閉弁35と、流量計36と、圧力計37とを備えて構成されている。
二酸化炭素タンク31は、配管31aを介して下流側の開閉弁32に接続しており、開閉弁32は配管32aを介してチラー33に接続している。チラー33は配管33aを介して昇圧ポンプ34に接続しおり、昇圧ポンプ34は配管34aを介して開閉弁35に接続している。開閉弁35は配管35aを介して流量計36に接続しており、流量計36は配管36aを介して高圧容器20の上流側に接続している。圧力計37は、昇圧ポンプ34と開閉弁35との間の配管34aに設けられている。
そして、開閉弁32および開閉弁35を開き、背圧弁51を所定に設定した状態で、チラー33を作動させて二酸化炭素を所定温度に冷却し、圧力計37を監視しつつポンプ14を所定に作動させることで、二酸化炭素を臨界圧力(7.3MPa)以上に昇圧し、高圧容器20に供給可能となっている。
すなわち、二酸化炭素供給部30は、二酸化炭素を高圧容器20に供給する二酸化炭素(流体)供給手段であると共に、高圧容器20内の二酸化炭素を所定圧力に調整する二酸化炭素(流体)圧力調整手段としての機能を奏している。
<温度調整手段>
温度調整手段40は、高圧容器20に供給された二酸化炭素をその臨界温度(31℃)以上に調整する手段である。温度調整手段40は、油浴槽41と、油浴槽41に貯溜された油42と、油42を加熱するヒータ43と、油42の温度を検出する温度センサ44と、配管36aの一部を利用した熱交換部45とを、主に備えている。ただし、温度調整手段40の構成は、油浴槽41、ヒータ43などに限定されず、その他に例えば、温度調整手段40として恒温槽を使用してもよい。
熱交換部45は、配管36aの一部が螺旋状となった部分であり、熱交換部45は、油42に浸かる高さ位置に配置されている。これにより、配管36a内を高圧容器20に向かって流れる二酸化炭素が、熱交換部45において、油42との間で効率的に熱交換するようになっている。
したがって、ヒータ43で油42を二酸化炭素の臨界温度(31℃)以上に加熱することで、熱交換部45を介して、配管36a内を通流し、高圧容器20に供給される二酸化炭素がその臨界温度以上に加熱されるようになっている。
すなわち、温度調整手段40は、高圧容器20内の二酸化炭素を、その臨界温度以上に調整する(流体)温度調整手段としての機能を奏している。
よって、第1実施形態において、特許請求の範囲における超臨界流体調整手段は、二酸化炭素供給部30と温度調整手段40とで構成されている。
<背圧弁>
背圧弁51は、配管20aの下流端に接続している。これにより、高圧容器20を含む背圧弁51の上流側の二酸化炭素の圧力(背圧、バックプレッシャ)を、二酸化炭素の臨界圧力以上に調整可能となっている。そして、背圧弁51は、配管51aを介して、下流側の分離トラップ60に接続している。
<分離トラップ>
分離トラップ60は、冷却浴槽61と、冷却浴槽61に貯溜された水などの温調媒体62と、冷却浴槽61の内側に配置され、温調媒体62により所定温度に保持される内側容器63と、温調媒体62を所定温度に調整するクーラなどの温度調整器(図示しない)とを主に備えている。
内側容器63は、配管51aの下流端に接続しており、内側容器63内に、配管51aを経由して、二酸化炭素と、活性炭から除去された水および不純物が供給されるようになっている。そして、前記温度調整機器を適宜に作動させることで、内側容器63に供給された二酸化炭素は、不純物を含む水(H2O(l))と、気体状の二酸化炭素(CO2(g))とに分離されるようになっている。
内側容器63の口元は、配管63aを介して排出弁64に接続している。そして、排出弁64を開くと、分離された二酸化炭素(CO2(g))が外気中に排出されるようになっている。一方、内側容器63の底部近傍は、配管63bを介してドレン弁65に接続している。そして、ドレン弁65を開くと、内側容器63に溜まった不純物を含む水(H2O(l))が排出されるようになっている。
<循環手段>
循環手段70は、配管63a内を流通する二酸化炭素(CO2(g))を、二酸化炭素供給部30に戻して、循環させる手段である。循環手段70は、配管63aと配管35aとを接続する配管71と、配管71に上流側に向かって順に設けられた開閉弁72と、チラー73と、昇圧ポンプ74と、圧力計75と、開閉弁76とを備えている。
したがって、開閉弁72および開閉弁76を開き、チラー73を作動させて所定に冷却し流量を安定させつつ、圧力計75を監視し、昇圧ポンプ74を作動させることによって、配管63a内を流通する二酸化炭素(CO2(g))を、二酸化炭素の供給側の配管35aに戻し、再利用可能となっている。これにより、二酸化炭素タンク31に貯蔵された二酸化炭素の消費量を抑えることできる。なお、このように二酸化炭素(CO2(g))を循環させる場合、排出弁64を閉じる。
≪活性炭の乾燥方法≫
次に、活性炭の乾燥システムSの一使用方法を説明しつつ、活性炭の乾燥方法について説明する。第1実施形態に係る活性炭の乾燥方法は、活性炭をアルカリ賦活・水洗・ろ過する前処理工程と、活性炭スラリーCを作製する第1工程と、活性炭スラリーCを高圧容器20に投入(収容)する第2工程と、超臨界二酸化炭素で水を除去し活性炭を乾燥する第3工程と、さらに昇温して活性炭を乾燥する第4工程と、後処理工程とを含んでいる。
<前処理工程−アルカリ賦活・洗浄>
易黒鉛性の炭素原料を、適宜な水酸化物(水酸化カリウムなど)でアルカリ賦活し、細孔(インクボトル形状の細孔を含む)を有する活性炭を得る。
そして、アルカリ賦活後の活性炭を混合容器11に投入し、容積比が約12倍の0.1N濃度の塩酸水溶液で、所定時間(例えば1時間)の間、撹拌洗浄した後、ろ過して脱水する。この撹拌洗浄・脱水の操作は、所定回数(例えば5回)にて繰り返す。
次いで、イオン交換水(脱イオン水)によって、所定時間(例えば1時間)にて水洗・脱水(ろ過)する。水洗・脱水の操作は所定回数(例えば5回)にて繰り返す。
<第1工程−活性炭スラリーの作製>
水洗い・脱水した後、ケーキ状となった活性炭に、水(スラリー媒体)を再び注水し、ミキサ12で撹拌して、活性炭スラリーCを作製する。このように粉末状の活性炭を、スラリー状の活性炭スラリーCとすることで、その取扱いは容易となる。また、活性炭スラリーCは流動性を有するため、後記するように、ポンプ14を適宜に作動させることで、高圧容器20に所定量の活性炭スラリーCを短時間で送り込むことができる。さらに、混合容器11において、前記前処理工程におけるアルカリ賦活後の活性炭の洗浄(塩酸水溶液による洗浄、水による水洗を含む)・脱水と、活性炭スラリーCの作製を連続的に行うため、作業時間を大幅に短縮できる。
ここで、活性炭スラリーCにおける活性炭の濃度(固形分濃度)は、活性炭スラリーC全体に対して、10〜50質量%とする。活性炭の濃度が10質量%より低くなると、水の量が多くなって、活性炭からの脱水・乾燥に時間がかかるうえ、活性炭スラリーCの体積が大きくなり、取り扱い難くなるからである。活性炭の濃度が50質量%より高くなると、活性炭スラリーCの流動性が低くなり、ポンプ14による搬送が困難となるからである。
<第2工程−活性炭スラリーの投入>
次いで、開閉弁13、開閉弁15を開き、ポンプ14を作動して、活性炭スラリーCを高圧容器20に送り、活性炭スラリーCを高圧容器20に収容する。
このように、前処理工程に係るアルカリ賦活・水洗・ろ過と、第1工程に係る活性炭スラリーCの作製と、第2工程に係る活性炭スラリーCの移送・投入と、を連続的に行うことにより、活性炭の高圧容器20への投入を短時間で行うことができ、その結果として、活性炭の乾燥全体時間も短くなる。
すなわち、従前では、活性炭をアルカリ賦活し、ろ過した後に、ケーキ状の活性炭の掻き出し、この掻き出した活性炭を乾燥炉に投入していたが、活性炭をスラリー状とし、これをポンプ14で移送することによって、活性炭の掻き出しや乾燥炉への投入の手間がかかることもない。
<第3工程−超臨界二酸化炭素による乾燥>
次いで、開閉弁15を閉じる。そして、開閉弁32、開閉弁35を開き、チラー33および昇圧ポンプ34を流量計36を監視しつつ作動して、二酸化炭素を高圧容器20に供給する。これに並行して、高圧容器20内の圧力が二酸化炭素の臨界圧力以上(例えば7.3〜100MPa、特に7.3〜30.0MPaが好ましい)となるように、背圧弁51の開度を設定する。
これと共に、ヒータ43を作動して、油42を介して、高圧容器20に供給される二酸化炭素を超臨界温度以上(例えば31℃〜300℃)に加熱する。31℃より低いと乾燥(洗浄)に時間がかかるからであり、300℃より高いと高圧容器20(乾燥設備)の耐熱性を高める必要があるからである。
そうすると、高圧容器20内に超臨界二酸化炭素が流通することになり、活性炭の細孔から水分が除去され、活性炭が乾燥される。このように活性炭スラリーCを収容した高圧容器20内に超臨界二酸化炭素を流通させるため、超臨界二酸化炭素が活性炭の細孔(インクボトル形状の細孔を含む)の内部にまで拡散・浸透するため、活性炭を均一に乾燥することができる。なお、超臨界二酸化炭素の流通は、所定時間(例えば0.2〜2.0時間)、継続させる。
このように超臨界二酸化炭素を流通させている間、背圧弁51の下流側では、分離トラップ60により、気体状態の二酸化炭素(CO2(g))と、不純物が溶解した水(H2O(l))とに分離される。そして、排出弁64を開いている場合は、この分離された二酸化炭素(CO2(g))は外部に排出される。一方、排出弁64を閉じ、開閉弁72、76を開き、チラー73、昇圧ポンプ74を所定に作動させると、分離された二酸化炭素(CO2(g))は、二酸化炭素供給部30に戻される。
このように超臨界二酸化炭素による活性炭の乾燥によれば、高圧容器20に活性炭スラリーCを収容し、これに超臨界二酸化炭素を流通させるのみであるから、従前のように、例えば、定置型乾燥炉、ドラム式乾燥炉、ロータリーキルン、遠赤外線炉、ベルト炉などを使用せず、また、不活性雰囲気で乾燥するために窒素や二酸化炭素を導入する装置を併設する必要もないため、乾燥設備全体が大型化することはない。
また、高圧容器20内を加圧雰囲気としたため、超臨界二酸化炭素(不活性ガス)が、活性炭の細孔内に浸透しつつ流通するため、高圧容器20内に超臨界二酸化炭素が流通するためのスペースを特別に設ける必要がない。これにより、乾燥能力を維持しつつ、高圧容器20を小さくすることができ、その結果として、温度調整手段40を小型化することもでき、低コストで活性炭を乾燥することができる。
<第4工程−超臨界二酸化炭素の昇温>
所定時間経過後、二酸化炭素の圧力をその臨界圧力以上に保持したまま、ヒータ43を操作して、二酸化炭素の温度を160℃以上、好ましくは200〜500℃に昇温させる。そして、この昇温した状態で超臨界二酸化炭素を所定時間(例えば0.1〜2.0時間)にて流通させ、活性炭をさらに乾燥する(超乾燥)。ここで、特に210℃以上に昇温させると、活性炭に含まれていた不純物の官能基(ラクトン基、カルボキシル基など)が熱分解するため、これに結合していた水分(強吸着水)が超臨界二酸化炭素に拡散し、活性炭の微細孔から脱水される。このように昇温させた超臨界二酸化炭素とすることにより、活性炭の細孔を収縮させずに、活性炭を乾燥することができる。
なお、210℃以上に昇温させる場合、超臨界二酸化炭素を必ずしも流通させる必要は無く、例えば、高圧容器20全体を210℃以上の温度環境に保持し、高圧容器20内を超臨界状態として活性炭の官能基の熱分解を行ない、活性炭に結合していた水分を超臨界二酸化炭素に拡散させて活性炭の微細孔から脱水し、活性炭を乾燥することもできる。
<後処理工程>
所定時間経過後、昇圧ポンプ34、ヒータ43などを停止し、高圧容器20への超臨界二酸化炭素の供給を停止する。
次いで、高圧容器20内の圧力を開放し、例えば、フィーダなどを使用して、乾燥した活性炭を袋詰めにする。この乾燥した活性炭を袋詰めする際、活性炭が外気と接触しないようにすることが望ましい。このように、超臨界二酸化炭素による乾燥後の活性炭と、外気との接触を防止することで、活性炭の細孔表面において、空気による酸化、水分の吸着、周辺雰囲気からのコンタミネーションを防止することができる。
このようにして、水が低減されて乾燥された活性炭を得ることができる。すなわち、このようにして得た活性炭は、乾燥度が高く、カールフィッシャー(KF)法による活性炭質量当たりの水分量が1000ppm以下である。
このように乾燥され、不純物が低減された活性炭は、例えば、後記する第2実施形態に係る電気二重層コンデンサ100(図2参照)の活性炭電極eを形成する材料として好適に使用可能である。ただし、活性炭の用途は、これに限らず、その他に自動車用キャニスター、気体・液体の脱臭、液体の脱色、触媒担体などにも好適に使用可能である。
≪第2実施形態≫
続いて、第2実施形態に係る電気二重層コンデンサについて、図2を参照して説明する。図2は、第2実施形態に係る電気二重層コンデンサの一部を切り欠いて示す斜視図である。
なお、第2実施形態に係る電気二重層コンデンサは、第1実施形態に係る活性炭の乾燥方法によって得られた活性炭を主成分とする活性炭電極eを備えている。
≪電気二重層コンデンサの構成≫
図2に示すように、電気二重層コンデンサ100は、外形が円柱状の容器110と、容器110内に収容された電極巻回体120と、容器110内に注入された所定の電解液とを主に備えている。
容器110は、加工容易性、軽量である等の理由から、例えばアルミニウム(合金)から形成される。また、容器110は、有底円筒状の容器本体111と、その開口部に蓋をする端子板112とから構成されており、端子板112には、正端子113と負端子114とが設けられている。
電極巻回体120は、正極側の第1帯状電極体121と、負極側の第2帯状電極体122と、第1帯状電極体121および第2帯状電極体122を仕切るセパレータ123、124を備えている。言い換えると、電極巻回体120は、セパレータ123と、第1帯状電極体121と、セパレータ124と、第2帯状電極体122とが順に積層され、所定に巻回されることによって構成されている。
正極側の第1帯状電極体121は、アルミ箔等より形成されると共に正端子113に電気的に接続した帯状集電体121Aと、帯状正極121Bとから構成されている。帯状正極121Bは、分極性電極とも称される2つの帯状の活性炭電極e、eから構成されている。活性炭電極e、eは、帯状集電体121Aの両面に導電性接着剤でそれぞれ貼付されている。
一方、負極側の第2帯状電極体122は、第1帯状電極体121と同様の構成であり、負端子114に電気的に接続した帯状集電体122Aと、この帯状集電体122Aの両面に貼付された活性炭電極e、eからなる帯状負極122Bと、から構成されている。
また、セパレータ123、124は、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などから形成され、第1帯状電極体121と第2帯状電極体122を電気的に絶縁すると共に、前記電解液が流通可能となる特性を有している。
ここで、正極側および負極側の各活性炭電極eは、第2実施形態に係る活性炭を主成分として、シート状に成形したものである。すなわち、活性炭電極eを形成する活性炭は含水量が少なく極めて乾燥しており、その不純物も極めて少ない。また、超臨界流体を昇温して乾燥したため、活性炭の細孔は収縮しておらず、活性炭電極eの静電容量は高い。したがって、電気二重層コンデンサ100を長期間にて使用しても、活性炭電極eの静電容量は低下しにくくなり、電気二重層コンデンサ100の出力が低下せず、耐久性が高くなっている。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は前記各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
前記した第1実施形態では、活性炭の乾燥システムSは1つの高圧容器20を備える構成としたが、図3に示すように、高圧容器20を複数(図3では3基)備える構成としてもよい。この場合、高圧容器20の数に対応して、配管15aおよび配管36aの下流側、配管20aの上流側を分岐させる。このように複数の高圧容器20を備えれば、各高圧容器20において、超臨界二酸化炭素による活性炭の乾燥を効率的に行うことができる。
前記した第1実施形態では、流体として二酸化炭素を使用したが、超臨界状態になり得れば、流体の種類はこれに限定されず、その他に例えば、窒素N2(臨界圧力:3.40MPa、臨界温度:−147℃)、アルゴンAr(臨界圧力:4.8MPa、臨界温度:−122.5℃)、亜酸化窒素N2O(一酸化二窒素)などを使用することもできる。
前記した第1実施形態では、活性炭スラリーCが収容される容器として、高圧容器20を使用したが、その他に例えば、カラムなどを使用してもよい。
前記した第2実施形態に係る電気二重層コンデンサ100は、図2に示すように、電極およびセパレータを巻回した巻回型としたが、本発明を適用可能な電気二重層コンデンサは、巻回型に限定されず、その他例えば積層型、ボタン型など、目的・用途に応じて適宜選択して適用することが自由である。
以下、実施例に基づいて、本発明をさらに具体的に説明する。
(1)実施例1
(1−1)アルカリ賦活・活性炭スラリーの作製
公知のアルカリ賦活方法(特開2002−15958号公報、特開2002−134369号公報など参照)により、活性炭のアルカリ賦活を行い、活性炭を多孔質化した。その後、真空ろ過装置を使用して、酸(HClなど)による洗浄と、温水による洗浄とを、複数回にて繰り返した。洗浄後の活性炭の平均粒径は13μmであった。
次いで、このように多孔質化・洗浄した活性炭と、水とを混合し、活性炭スラリーCを作製した。活性炭の濃度は40質量%とした。
そして、高圧容器20(φ20mm×500mm)に、0.145kgの活性炭スラリーCを充填した。高圧容器20の容量に対して、活性炭スラリーCの充填率は80%であった。
(1−2)第1乾燥(160℃、25MPa、2h)
次いで、二酸化炭素供給部30、温度調整手段40、背圧弁51とを所定に作動して、高圧容器20内に、超臨界二酸化炭素を供給し、活性炭の乾燥(これを第1乾燥とする)を行った。超臨界二酸化炭素の温度は160℃、圧力は25MPa、供給時間は2時間とした。
第1乾燥後の活性炭をグローブボックス中で取り出し、下記の方法で測定したところ、その水分量は、1050ppmであった。
なお、活性炭の水分量は、カールフィッシャー(KF)法で測定した。KF法について説明すると、露点が−60℃のドライルームにおいて、微量水分測定装置(三菱化学社製、CA−100)を使用し、微量水分測定装置の試料部の温度を300℃に予熱した後、0.5gの活性炭を300℃の試料部に投入し、水分量を測定した。測定時間は60分とし、終点検出レベルは0.1μg/sとした。
(1−3)大気中暴露
次いで、活性炭を大気中で常温(約25℃)にて、2時間、暴露した。
(1−4)真空乾燥
次いで、暴露後の活性炭を、適宜な真空乾燥機を使用し、160℃、0.6kPa(5Torr)以下で、3時間、真空乾燥した。真空乾燥後の活性炭の水分量は778ppmであった。また、活性炭の全官能基量は0.56meq/g、比表面積:650m2/gであった。
全官能基量は、公知の方法(例えば、表面、Vol.34、No2(1996)、Catal.16、179(1966)参照)により測定した。さらに説明すると、活性炭2gを秤量後、100℃−24時間にて真空乾燥し、真の活性炭質量を求めた。次いで、秤量した活性炭を100mLエルレンマイヤーフラスコに採取し、N/10のアルカリ試薬ナトリウムエトキシドを50mL加えて、24時間、25℃にて振とうした後、濾別した。そして、未反応のアルカリ試薬をN/10塩酸で滴定し、官能基量を定量した。
このように、実施例1では、活性炭を超臨界二酸化炭素で乾燥した後、大気中に所定条件で曝し、そして、所定条件で真空乾燥した後に、活性炭の諸物性を測定した。このことについては、後記する実施例2、比較例1、比較例2についても同様である。
(1−5)活性炭電極の作製
真空乾燥後の活性炭を使用して、活性炭電極eを作製した。作製した活性炭電極eの静電容量(初期性能)は32.5F/cm3、容積低下率は−4%であった。
活性炭電極eの静電容量、容積低下率の測定に当たっては、ボタン(コイン)型の電気二重層コンデンサを作製した。
具体的に説明すると、真空乾燥後の活性炭と、カーボンブラック(導電フィラ)と、結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とを、質量比、85.6:9.4:5で秤量し、これら秤量物を混練した。そして、この混練物を圧延し、成形密度が0.8〜1.0g/cm3、厚さが0.15mm(150μm)のシート状の活性炭電極シートを作製した。次いで、この活性炭電極シートを150℃、5Torr以下で、3時間以上、真空乾燥した。その後、グローブボックス中に導入し、活性炭電極シートから、直径20mm×厚さ0.15mmの2枚の活性炭電極e、e(分極性電極)を切り出した。
そして、切り出した2枚の活性炭電極e、eで、直径25mm×厚さ0.07mm(70μm)のレーヨン(再生繊維)製セパレータを挟み、一対のボタン型の電気二重層コンデンサを作製した。
電解液としては、1.8mol/Lのトリエチルメチルアンモニウム・テトラフルオロボーレイト[(C253CH3NBF4]のプロピレンカーボネート溶液(TEMBF4/PC)を使用した。
このようにして作製した電気二重層コンデンサ対して、定電流、定電圧での充電を2.7Vまで行った後(90分間)、定電流(電流密度5mA/cm2)での放電を0Vまで行った(90分間)。そして、エネルギ換算法にて、活性炭電極eの活性炭の静電容量(F/cm3)を求めた。
活性炭電極eの容積低下率は、次のようにして求めた。
ボタン型の電気二重層コンデンサを、45℃の恒温槽内に設置した。そして、電気二重層コンデンサに対して、定電流、定電圧での充電を2.7Vまで行った後(90分間)、定電流(電流密度5mA/cm2)での放電を0Vまで行った。このような充電、放電を50回繰り返した。
そして、1回目の静電容量と、50回目の静電容量を比較して、静電容量の低下率(容量低下率)を求めた。なお、静電容量の維持率(容量維持率)は、1から容量低下率を差し引いたものである。
(2)実施例2
(2−1)アルカリ賦活、第1乾燥
アルカリ賦活、第1乾燥は実施例1と同じである。
(2−2)第2乾燥(超乾燥、270℃、25MPa、2h)
第2乾燥後、活性炭を高圧容器20に保ったまま、超臨界二酸化炭素を供給し、活性炭を乾燥した(これを第2乾燥とする)。第2乾燥において、超臨界二酸化炭素の温度は270℃、圧力は25MPa、供給時間は2時間とした。第2乾燥後、活性炭の水分量は760ppmであった。
(2−3)大気中暴露、真空乾燥
次いで、実施例1と同じ条件で、大気中暴露、真空乾燥を行った。真空乾燥後の活性炭の水分量は655ppm、全官能基量は0.38meq/g、比表面積は660m2/gであった。
(2−4)活性炭電極の作製
次いで、実施例1と同様に、活性炭電極eを作製した。作製した活性炭電極eの静電容量は33.0F/cm3、容積低下率は−2%であった。
(3)比較例1
(3−1)アルカリ賦活
実施例1と同じ方法で、アルカリ賦活した後、酸・温水による洗浄を行い、活性炭ケーキを得た。
(3−2)第3乾燥、第4乾燥
次いで、この活性炭ケーキを適宜な恒温槽を使用して乾燥(これを第3乾燥とする)した。乾燥条件は、空気雰囲気にて、120℃、常圧にて行い、乾燥時間は2時間とした。すなわち、比較例1では、活性炭スラリーCを作製していない。第3乾燥後の活性炭の水分量は、38000ppmであった。
その後、再び、恒温槽を使用し、120℃、常圧で、22時間(第3乾燥と合わせて全24時間)にて乾燥(これを第4乾燥とする)を行った。第4乾燥後、活性炭の水分量は3200ppmであった。
(3−3)大気中暴露、真空乾燥
第4乾燥後、実施例1と同じ条件で、大気中暴露、真空乾燥を行った。
真空乾燥後の活性炭の水分量は1500ppm、全官能基量は0.568meq/g、比表面積は640m2/gであった。
(3−4)活性炭電極の作製
次いで、実施例1と同様に、活性炭電極eを作製した。作製した活性炭電極eの静電容量は31.0F/cm3、容積低下率は−9%であった。
(4)比較例2
(4−1)アルカリ賦活、乾燥
比較例1と同様に、アルカリ賦活後、第3乾燥を行った。
(4−2)第5乾燥、窒素雰囲気
第3乾燥後、恒温槽を使用して、窒素雰囲気にて活性炭を乾燥(これを第5乾燥とする)した。乾燥温度は270℃、乾燥時間は6時間とし、特に窒素の加圧は行わなかった。
第5乾燥後、実施例1と同じ条件で、大気中暴露、真空乾燥を行った。真空乾燥後の活性炭の水分量は680ppm、全官能基量は0.40meq/g、比表面積は500m2/gであった。
(4−3)活性炭電極の作製
次いで、実施例1と同様に、活性炭電極eを作製した。作製した活性炭電極eの静電容量は24.5F/cm3、容積低下率は−9%であった。
ここで、実施例1、2、比較例1、2における作業条件などを、次の表1にまとめて示す。
Figure 2006282484
(5)考察
表1から明らかなように、本発明に係る実施例1、2によれば、比較例1、2と比較して、活性炭の水分量を短時間の処理で低下させることができた。特に、超臨界二酸化炭素による乾燥を、昇温して行った実施例2によれば、昇温しなかった実施例1と比較して、水分量をさらに低下させることができた。さらに、実施例1、2に係る活性炭を使用した活性炭電極eは、比較例1、2に対して、その静電容量が高く、容積低下率が低い(容積維持率が高い)ことが確認された。
第1実施形態に係る活性炭の乾燥システムの構成を示す図である。 第2実施形態に係る電気二重層コンデンサの一部を切り欠いて示す斜視図である。 変形例に係る活性炭の乾燥システムの一部の構成を示す図である。 電気二重層コンデンサの構成を示す模式図である。
符号の説明
S 活性炭の乾燥システム
10 活性炭スラリー作製供給部(炭素材料スラリー作製手段)
20 高圧容器
30 二酸化炭素供給部(超臨界流体調整手段)
40 温度調整手段(超臨界流体調整手段)
51 背圧弁
60 分離トラップ
70 循環手段
100 電気二重層コンデンサ
e 活性炭電極

Claims (8)

  1. 炭素原料をアルカリ賦活した後の水を含有する粉末状の炭素材料を乾燥し、前記水を低減した炭素材料を得るシステムであって、
    前記水を含有する炭素材料と、スラリー媒体とを混合し、炭素材料スラリーを作製する炭素材料スラリー作製手段と、
    前記炭素材料スラリー作製手段から送られた炭素材料スラリーが収容される容器と、
    前記容器内の流体を超臨界流体に調整し、炭素材料を乾燥する超臨界流体調整手段と、
    を備えたことを特徴とする炭素材料の乾燥システム。
  2. 炭素原料をアルカリ賦活した後の水を含有する粉末状の炭素材料を乾燥し、前記水を低減した炭素材料を得る方法であって、
    前記水を含有する炭素材料とスラリー媒体とを混合し、炭素材料スラリーを作製する第1工程と、
    前記炭素材料スラリーを容器に収容する第2工程と、
    前記容器内の炭素材料を、超臨界流体によって乾燥する第3工程と、
    を含むことを特徴とする炭素材料の乾燥方法。
  3. 前記第3工程において、超臨界流体を昇温させることを特徴とする請求項2に記載の炭素材料の乾燥方法。
  4. 前記第1工程において、
    前記炭素材料スラリー全体に対して、炭素材料の濃度は、10〜50質量%とすることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の炭素材料の乾燥方法。
  5. 前記スラリー媒体は水であることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の炭素材料の乾燥方法。
  6. 前記炭素原料は、易黒鉛性の炭素原料であることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の炭素材料の乾燥方法。
  7. 請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の炭素材料の乾燥方法により得られたことを特徴とする炭素材料。
  8. 請求項7に記載の炭素材料は活性炭であって、当該活性炭を主成分とする電極を備えたことを特徴とする電気二重層コンデンサ。
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