JP2006278316A - リボンビームで半導体ウエハのシリーズ処理するための放射走査アーム及びコリメータ - Google Patents

リボンビームで半導体ウエハのシリーズ処理するための放射走査アーム及びコリメータ Download PDF

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Abstract

【課題】単一ウェハを処理するハイブリッド走査型イオン注入装置であって、均一注入ができて、単純な構造で、耐久性、及び信頼性に優れた装置を提供する。
【解決手段】ウェハは、第1のピボット150に接続され途中で曲げられたアーム110の一端に第2のピボット140によって取り付けられたウェハホルダ120に載置される。ウェハは第2のピボットによって任意の角度にチルトされ、かつ第1のピボットによって円弧状に機械的走査される。電流密度を第1のピボットからの距離に比例させたリボンビーム20をコリメータによって形成し、ウェハに照射することにより均一な注入を行なう。
【選択図】図6

Description

[優先権の主張]
本発明は、“走査ビームを用いた半導体ウエハのシリーズ処理のための放射走査アーム及びコリメータ”と題する、2004年2月6日に出願された米国仮特許出願第60/542,570号の主題として最初に出願された。
本発明は、イオンビームによるワークピースの処理に適する。より具体的には、本発明は、平行連続リボンイオンビーム又は走査リボンイオンビームで、シリコンウエハのようなワークピースのイオンインプランテーションに関し、イオンとワークピースの全体のインプラントされた表面との間の角度のより大きな制御を与え且つ線量の均一性における制御の改良を可能とするようにワークピースがアーク形状パスに亘ってイオンビームを通るように通過する。
イオンインプランテーションのための既存の装置と方法は、単独で又はバッチでウエハを処理する。バッチ処理は、通常、ウエハをイオンビームに通過させるスピニングディスク上で実行される。200又は300mm直径の単一ウエハを直列処理するために使用される大部分のイオンインプランタは、イオンビームを一方向に走査することによって動作する。他のイオンインプランタは、ウエハを連続平行均一リボンビームに通過させることによって動作する。ある種の最近の商用装置は、固定イオンビームを通るようにラスターパターンにおける二次元のウエハを走査するためのスキームを利用している。これらの異なる種類のイオンインプランタ及びシステムについての種々の動作及び構造的な詳細は、米国特許第4,234,797号、第4,922,106号、第4,980,562号、第4,276,477号、第5,834,786号、第6,313,474号、第5,003,183号、第5,046,148号、第5,180,918号、及び第6,313,484号に記述されている。各引用特許の明細書並びにその中で引用されている出版物は、参照によって、ここに明白に組み込まれる。
単一のウエハハイブリッドイオンインプランテーション技術
ウエハがリボン成形イオンビームを通るように少なくとも一方向に機械的に走査される従来の公知単一ウエハハイブリッドイオンインプランテーション技術は特に興味深い。リボンビームは、直交する方向により高い周波数で走査されるか、或いは、ウエハは、走査が必要ない十分な幅の連続イオンビームを通るように移動される。
ワークピースに達する前に、イオンビームは、通常、焦点がビーム走査デバイスの中心又は連続ビームの発生点と一致する焦点調整デバイス(例えば、ダイポール磁石や静電レンズ)と通過し、それによって、ビーム軌跡が実質的に平行にされる。
単一のウエハシステムでは、ウエハの機械的走査は、通常、リボンイオンビーム中への一定速度でのウエハの複数回の通過よりなる。各通過中、ウエハの一エッジがリボンビームの位置を実質的に通過するまで、一定速度が維持される。次に、ウエハの速度は、ゼロまで迅速に減速され、次に、ウエハが次のリボンイオンビームを通過するために、反対方向に一定速度まで加速される。このように、ウエハは、望ましい線量のイオンがウエハにインプラントされるまで、リボンイオンビームを通るように反対方向へ複数回通過される。
従来技術の図1は、シリコンウエハがイオンビームを通るように垂直方向に機械的に走査され、このウエハが水平方向へ静電的に走査される従来の公知のハイブリッド走査単一ウエハ装置を示す。動作において、イオンビームが、コンマ1°内で固定軸に常に平行であるように、イオンビームは、走査される。ウエハは、空気ベアリングを貫通するように延出する垂直シャフトに取り付けられたホルダにそのウエハを取り付けることによって、走査される。走査速度は、典型的には1秒当り25cmまでである。ウエハ表面の異なる部分でのイオンビームの入射角のばらつきを最小にすることが望ましい。また、一つ又はそれより多くのチルト軸を提供することによってこの入射角を制御し変化することが求められる。
このような従来の公知インプランタ装置は、1時間当り100を超えるウエハを処理することが求められ、ある場合では、1時間当り300を超えるウエハを処理し、各ウエハ処理は、幾回かのイオンビームへのウエハの通過を含むことが出来る。従って、装置にとって典型的に10年の寿命にわたって、走査機構が1000万サイクルを超えて動作出来る。
単一ウエハハイブリッドイオンインプランテーションにおける装置の問題点
単一ウエハハイブリッドイオンインプランテーションを実行するためのエンジニアリング耐久性装置において困難なことは、(a)剛性を保持しながら移動アセンブリの質量を最小にする必要性;(b)処理が発生する真空と大気圧との間で信頼出来るシールを提供する必要性;(c)ビーム軸に関してウエハを傾ける手段を提供する必要性;及び(d)同時に、機構を単純で、信頼でき、且つサービスのためにアクセス可能に維持する必要性を含む。
しかしながら、真空で移動する機構は、潤滑が困難であり、大気中における磨耗よりもより迅速な磨耗を受ける。更に、潤滑剤は、処理を汚染する可能性があり、且つ真空での摩擦はウエハを汚染する可能性のある粒子を発生する。真空内で摩擦を最小或いは更には排除し、全てのベアリング及び摩擦、潜在的磨耗、及び間欠的接触を含む他の機構をこれらのベアリング及び機構が処理かれ隔離され且つ潤滑とメンテナンスの従来の方法が自由に使用され得る大気中に配置することが望ましい。
更に、空気ベアリングは、信頼性があるが高価である。空気ベアリングアセンブリの移動パーツの質量は、高く、機械的走査の効率を最大化するために、そのアセンブリを迅速に減速及び加速することがより困難になる。
従来から利用可能な他の代替のタイプのイオンインプランタ
バッチイオンプランターは、スピニングディスク上のウエハの速度が、ディスク上でその半径方向座標に従って変化する場合でも、シリコンウエハの均一なイオンドーシングを成功裏に提供出来且つ提供する。イオン均一性は、(i)ディスクがイオンビームを通るように平行移動される速度、又は(ii)イオンビームがスピニングディスクを横切るように平行移動する速度を変化することによって達成される。なお、その速度は、1/Rに比例し、そこでのRは、スピン軸に対するディスク上のビームの中心軌道の半径方向座標である。このアプローチは、従来の技術の図2に示される従来技術のハイブリッド走査バッチシステムで使用されており、そこでは、ウエハは、スピニングディスク上に取り付けられ、ビームが磁気的に走査され、且つ1/R走査の依存性が、磁気走査波形によって発生する。
従来の技術の図3は、米国特許第5,834,786号によって開示された装置を示し、そこでは、連続リボンビームが使用され、ウエハは、スピニングディスク上に取り付けられる。この例では、要求された半径方向依存性は、リボンビームの長手寸法に沿った強度プロファイル中に存在し、それは、ダイポール解析磁石中の適切に成形されたポールによって生成される。
また、イオンビームの電流密度の均一性を制御するための従来から利用可能なアセンブリと技術の中には、以下のものがある。
(A)米国特許第5,350,926号によって開示された発明は、イオンビームを解析し、成形し、且つ平行にするための磁石の使用、並びにビームの均一性を制御するためにマルチポール要素(曲げ磁石と一体化されるか又は別個のアセンブリとしての)の使用を教示している。
(B)Mitsui Engineering and Shipbuilding(三井造船株式会社)によって売られている商用インプランタ(MDI−100)において、ディスクリートマルチポールデバイスは、イオンビームを囲む、ヨーク上に取り付けられた鉄ポール片の矩形アレイとして存在する。各ポール片は、その回りに巻かれた別個のコイルによって個々に励磁される。得られる磁界は、リボン成形イオンビームが通過する中心矩形孔に印加され、この磁界は、空間的に変化する磁界コンポーネントよりなり、それは、それを通過するイオンに対して軌道の局所的僅かな偏向を引き起こす。この構成の更なる詳細は、例えば、米国特許第5,834,786号及び米国特許第5,350,926号を参照のこと。
(C)従来の技術の図4は、米国特許第5,003,181号によって開示されたNogami等の装置を示しており、そこでは、ウエハチャックは、半径方向アームに取り付けられ、このチャックの回転モータは、ウエハの運動がリボンビームに対して垂直な速度の均一投影を有するようにウエハを逆回転(従来の技術の図4の軸F)するように使用される。この装置及びそれを制御する方法は、本発明が回避しようとする幾つかの不利益を被る。即ち、
(i)ウエハを逆に回転する回転機構は、高デューティサイクルで連続的に動作する。それは、大きな精度と低いバックラッシュを有することが必要である。
(ii)インプラント位置から負荷位置までの運動は、ウエハが確実に保持されることを保障するために順当な加速を必要とする複雑で長い運動であり、それによって、インプラントシステムの全体のスループットを制限する。
(iii)負荷位置は、ビームから十分に離れてはおらず、器具のための空間を制限する。
(iv)要求される回転運動は、直線への速度の均一な投影を達成するためにウエハがビーム中を通過中の能動的減速と加速を含む。これは、残念ながら、バックラッシュ発生速度エラーの高リスクを導入する。
(D)他の最近の従来の技術の装置では、ウエハよりも小さいビームスポットが使用され、そのウエハは、2次元ラスターパターンでビームを機械的に通過させられる。これは、高加速を含むが、イオンビームとウエハ表面との間のシステム的ばらつきが殆ど又は全く無く均一なインプランテーションを可能とする。リボンビームの均一性の制御をすることが困難で遂行出来ないことが分かると、非常に低いエネルギーで且つ高電流で信頼を持って使用されることが出来る。
本発明は、複数の態様を有する。第1の態様は、フラットプレーナワークピースのイオンインプランテーション装置を提供し、当該装置は、
望ましいスピーシーズとエネルギーのイオンビームを発生する手段を備え、
このイオンビームをコリメートして、長手軸に平行に移動し且つ主横軸の沿った長手寸法と副横軸に沿った短手寸法を有する平行リボンビームを形成する手段を備え、
第1のピボットに取り付けられたアームを備え、このピボットのピボット軸は、ビームに隣接し、前記長手軸に平行で、且つ前記長手軸と前記主横軸を含む平面内に又は近接して位置され、
平行リボンビームの電流密度を制御し、且つこの電流密度を前記第1のピボットの軸からの距離に比例させる手段を備え、
第2のピボットによって前記アームに取り付けられた、インプリントされるべきワークピースのためのチャックを備え、この第2のピボットの軸は、第1のピボットに対して傾斜され、インプラントされるべきワークピースは、前記チャックに取り付けられ、
前記第2のピボットを調節してビーム方向に対して望ましい角度にワークピースの表面を傾斜する手段を備え、
ある角度を通るようにアームを回転する手段を備え、それによって、ワークピースのプレーナ表面に望ましい実質的に均一な線量のイオンをインプラントするのに効果的であるように、望ましい角速度でアーク状のパス上を、リボンイオンビームを通るようにワークピースを移動する。
本発明の第2の態様は、リボンイオンビームでワークピースをインプラントする方法を提供し、当該方法は、
単一のワークピースをアームに取り付けられたチャックに取り付けるステップを備え、アームは、ワークピースがアーク形状のパスを移動され得るように第1のピボットに取り付けられ、
第1の軸に対して傾斜された第2の軸の回りに、ワークピースの露出平表面が第1の軸に対して望ましい角度であるようにワークピースが保持されるまで、チャックを旋回するステップを備え、静電又は磁気レンズを通るようにリボンイオンビームを通過させるステップを備え、
この電界又は磁界は、イオン軌跡を第1のピボット軸と略平行にするように成形され、及び
第1のピボット回りにアームを回転して一定の角速度でリボンイオンビームを通るようにワークピースを移動して、それによって、均一な線量のイオンでワークピースをインプラントし、望ましい角度でワークピースにインプラントされる。
本発明の他の態様は、フラットウエハのようなワークピースをアームの一端に取り付けられたチャックに取り付ける手段を提供することであり、このアームの他端は、z方向に位置合わせされた走査ピボット軸回りに回転する走査ピボットに取り付けられ、y軸に局所的に位置合わせされた方向にイオンビームを通るように真空中のワークピースを通過させるように、アーク形状のパスで制御された速度でアームを移動するための走査アクチュエータを提供し、ピボットは、真空シールを組み込み、ベアリングとアクチュエータは、真空の外側の大気中に位置される。
本発明の更なる態様は、走査ピボットからの距離に比例してイオンビームを電流密度において変化させる手段を提供することであり、それによって、走査速度の半径方向のばらつきにかかわらず、均一な線量のイオンが付されることが出来る。このばらつきは、一つ又はそれより多くのイオン光学要素において非線形伝達関数の手段によって達成される。これらの要素は、磁石ポール又はポールエッジ、或いは磁気及び静電コンポーネントを含む種々のタイプのマルチポールレンズであってもよい。
本発明の更に他の態様は、アームの長手に対して傾斜されたチルト軸回りにウエハチャックを傾ける手段を提供し、それによって、ワークピースが水平面にロードされ、水平とイオンビームの方向に直交する方向との間の任意の角度に対して傾斜されるように配置される。走査面に対する及び走査ピボット軸に対するこのチルト軸の傾斜は、ビームに対するウエハチルト角度の望ましい範囲と水平方向ローディングの便利さを組み合わせるように選択される。
本発明の更に他の態様は、適切なリボン形状ビームが利用できず、代わりに、ワークピースよりも小さい横方向寸法のイオンビームが利用可能な場合に上記の態様が利用可能とされる。この態様は、スライディングシール機構に大気中に取り付けられる垂直方向線形ベアリング及び走査アクチュエータを提供し、走査機構全体が、ワークピースの寸法を越える距離を介して垂直方向に走査されることが出来、イオンビームを通るように2Dラスターパターンに機械的にワークピースを走査するのに有効なように、片持ち支持様式で真空壁のスロットを介して上述の走査機構が取り付けられ得るプレートを組み込み、それによって、均一な線量のイオンをワークピースの表面に対して指定の角度で与える。
本発明の更なる態様は、ワークピースのインプラント表面に垂直な軸回りにワークピースを保持するチャックを回転する手段を提供する。これは、二つの機能、即ち、(i)ワークピースに対するイオンビームの向きを変更すること、例えば、ワークピースに対して“クワッドモード”チルトインプラントを実行すること、及び/又は(ii)全線量の半分をインプラントした後に、ワークピースを180°回転することを満たすようにビームを介したウエハの通過と次の通過との間に起動され、それによって、電流密度の必要な線形変化におけるエラーに起因するシステム的線量の非均一性が少なくとも部分的に相殺される。
本発明は、添付の図面と共に考察すると、より容易に理解され且つより良く評価される。
本発明は、以下の動作機能を実行し、大きな利点及び利益を提供する。これらの内の幾つかは以下の通りである。
1.本発明は、アーク形状パスでビームを通過するようにウエハを走査する。
2.本発明は、ビームとウエハの表面に対する垂線との間の角度を0°と45°を大幅に超える角度との間で調節する手段を提供する。
3.本発明は、ウエハ平面を横切るビームの入射角度における走査依存性変化を排除する。
4.本発明は、ウエハホルダを水平位置へ傾けてウエハのローディング及びアンローディングを、好ましくは、イオンビーム位置から及びその上方にシールドされる位置で可能とする従来の手段を提供する。
5.本発明は、リボンビーム強度を補正してアーク形状のパスの中心からの距離でウエハ走査速度の半径方向変化を補償し、それによって、ウエハの表面上の全てのポイントに対する均一な線量を提供する。
6.本発明は、比較的短いアームと低質量移動部品を提供し、それによって、迅速な減速と加速がより低い電力モータ及びより少ない機械的ストレスで達成されることが出来る。
7.本発明は、標準の、コンパクトな、低コストの回転機構の使用が可能となり、そこでは、スライディングシールや高価な線形ドライブが無く、全てのベアリングが真空外に配置され、それによって、コストを減少し、信頼性を向上し、且つウエハの汚染を回避する。
I. 本発明の目標及び目的
本発明は、イオンビームを通るように第1次元で半導体ウエハのようなワークピースを走査するためのシステムを提供する。本発明のシステムは、以下の目標及び目的を満たすように設計される。
処理中のビームとウエハ表面との間のチルト角度の変化がないこと;
0°と少なくとも45°との間でのチルト角度の制御;
処理中ツイスト角(図5b参照)の変化がないこと;
線形真空貫通を排除し、回転シールで置換し、シールの数を最小化する。
真空の外側で大気中に全てのアクチュエータ、モータ、ケーブル、及びベアリングを配置し;
単純で、信頼でき且つ低コストの機構で要求された運動を達成し;及び
移動パーツの質量を最小化して、機械的走査運動の終わりでの迅速な減速と加速が、より低い動力モータ且つより少ない機械的ストレスで達成され得る。
これらの目標は、リボンビームとの使用のために最適化される走査に関連するが、リボンビームが利用できない或いは均一性が十分ではない状況がしばしばあり、均一なドーピングでは、2次元機械的走査が必要とされる。従って、更なる目標では、任意ではあるが、2次元機械的走査のための可能性を提供するように第1の方向に直交する第2の方向において上記目標を満たす全体の走査システムを移動するための手段を提供することである。
これらの機械的目標に加えて、ウエハが非水平面で走査される場合でも、ウエハホルダを水平態様でローディング機構に提供することが望ましいと思われる。また、超純粋な処理のために、イオンビームから守る位置でウエハをロード及びアンロードしてイオンビームに対して或いはイオンビームが衝突する表面に対して不用意な露出からウエハ前面を完全に遮断することが望ましい。
II.定義
言語のあいまいさを回避し且つ本発明の明確で正確な理解を提供するために、一セットの技術用語と適切な定義を以下に提供する。これらの技術用語と適切な定義は、専門用語と本発明の詳細を適切に記述する言語を制御する性質があり、以降において繰り返し且つ一貫性を持って使用される。
イオンビーム:ここで使用されるこの用語は、電子、正又は負のイオン、分子、クラスタ、又は素粒子を含む帯電粒子の任意のビームを含む。
リボンビーム:長手寸法と短手寸法によって特徴付けられる横断面を有するイオンビームであり、長手寸法は、短手寸法の少なくとも二倍であり、通常、短手寸法の少なくとも5倍である。この長手寸法は、通常、ビームで処理されるべきワークピースの面の寸法よりも長い。
走査リボンビーム:非走査断面が円形、楕円形、低いアスペクト比を有する矩形に近いイオンビームであるが、平面内で走査され、それによって、走査ビームの時間平均エンベロープがリボンビームの定義に対応する横断面を有する。走査波形は、平面でのビームの時間平均均一性を定義する。
連続リボンビーム:非走査横断面がリボンビームの定義に対応するビームであり、そこでは任意の点での電流は、少なくともビームで一つのワークピースを処理するのに必要な時間の間連続している。
平行リボンビーム:全ての軌跡が実質的に平行であり、主横及び副横軸を有するイオンビームである。主横軸は、典型的にビームを処理するために使用されるワークピースの一寸法の長さを越える。
x、y、及びz座標:図5によって示されるように、z座標は、イオンビームの意図された移動方向である。x座標は、意図されたビームエンベロープの大きい方の横断面寸法と一致し、y座標は、より小さい方の寸法を有する。原点は、リボンビームの重心に沿った点にある。(走査リボンビームに対する走査面に等価な)リボンビームの長手寸法は、平面y=0にあることが続く。
チルト角度:図5bに示されるように、入射イオンビームの方向とインプラントされる表面に対する垂線との間の角度。この角度は、図5bでは参照番号160としてラベル付けされる。
ツイスト角度:図5bによって示されるように、チルト角度の軸に対する垂線と基準軸との間のインプラントされたワークピースのフレームでの角度は、時々ワークピース上のノッチ(参照番号171)で示される。この角度は、図5bでは参照番号170としてラベル付けされる。
III.本発明の全体としての主題
本発明の主題は、種々なタイプのリボンイオンビーム、平行及び非平行、連続又は走査タイプのものでのインプランテーションに適用可能であり、且つ空間におけるシステムの向きの変動が可能であることも評価されるべきである。汎用性が失われないことは、特定の例での用語“走査された”“垂直な”“水平な”“振り子”の使用によって意図されている。
また、言語の単純化と本発明の特定の態様の理解度を向上するために、以下の記述内で、ワークピースがイオンビーム内にある時に、半径方向走査アームは、略垂直方向に向いていることを前提とする。しかしながら、簡便のために、本発明の全体は、いずれの向きに取り付けられてもよく、汎用性が失われないことが、この形態の言語を使用することによって意図されている。
更に、以下の実施の形態において、本発明は、平行リボンビームを特に参照して記述される。しかしながら、本発明は、連続リボンビームや走査リボンビームと共に十分に等しく使用されることが出来、明細書に列挙される細部は、本発明の適用をいずれかのタイプのビームに制限する意図は全くないことに留意され且つ評価されるべきである。
A.例示の構成
図5a及び5bに示されるように、平行リボンビームは、z方向に移動しており、ビームの主横軸は、平面y=0にある。ワークピース、典型的には、シリコンウエハは、ピボット(“アームピボット”)に取り付けられた半径方向走査アーム110の手段によってy方向にビームを通過させられる。アームピボットは、y=0平面内又はその近くに位置され、その軸150は、z軸に平行になっている。シリコンウエハのようなプレーナワークピースは、アームの反対側の端部でプラテン上に保持される。リボンビームのエンベロープは、x方向においてウエハの直径よりも僅かに広いので、ビームに曝されるウエハの表面全体がインプラントされる。
ウエハの表面での線量率(平方センチメートル当りのイオンの数)は、イオンビーム電流に、及びz軸(ビーム方向)とウエハ表面に対する垂線との間の角度のコサインに比例する。ワークピースの各ポイントでの線量は、アームの半径方向の運動によって付されるウエハの表面上のそのポイントの速度に反比例し、速度は、走査ピボット軸からの各ポイントの距離に比例する。走査ビームの場合、線量は、ビームが走査される側の速度に反比例する。連続リボンビームの場合、線量は、局所電流密度に比例する。
リボンイオンビーム20の電流密度は、ピボット軸からの距離に比例して変化されることが好ましい。成形磁石ポールの使用によって、適切な変動を生成でき(且つ走査ビームに対して以下で詳細に記述される)が、本質的に、同じ方法が、連続リボンイオンビームに対して等しく使用されることが出来る。湾曲磁石ポールは、六極及びそれより高次の磁界コンポーネントをダイポール磁界に重ねる。任意の形態の六極は、必要な電流密度の線形変化を発生するために使用されることは出来るが、同時に、二つの六極の組合せが、ビームの平行性を維持するために必要とされる。
本発明と従来の技術の図4に図示されるNogamiの発明との違いと差異の大きな点は、本発明は、ビームが非均一である、好ましくは、その主寸法に沿って線形に非均一であることが必要であることである。反対に、従来の技術のNogamiフォーマットと構造では、イオンビームがこの寸法に沿って均一であることが必要である。
角度の変化
イオンビームの重心のウエハ表面への入射角は、二つの角度、即ち、図5bの角度160であり、ウエハに対する垂線とz軸(ビーム方向)の間に位置する“チルト”と、図5Bの角度170であり、ウエハ表面の基準フレームで定義される“ツイスト”(方位角)によって特徴付けられ、0°の基準は、通常図5bのノッチ171、或いはフラット、レーザスクライブ、又は他の周辺マークによって示される。チルト角度及びツイスト角度の両方が、インプラントされた全領域に亘って一定のままであることが望ましい。走査ピボット軸は、z軸に平行であるので、ビーム重心が、意図された通りに、z軸へ平行に常に移動しているならば、アームピボット回りのアームの回転は、チルトやツイスト角度を変化させない。
チルト角度は、第2のピボット軸をアームに設けることによって、0°から変化させることが出来る。この第2のピボット軸(ここでは、“チルトピボット”と呼ばれる)は、図6,7、8及び10の夫々チルトピボット140として示されており、アームピボット軸に対して傾斜されなければならないが、特定の角度が、90°である必要は無い。インプラントのためのチルト角度は、チルトピボットの手段によって制御されることが出来る。ツイスト角度は、プラテンへのローディング前にウエハを事前に配向することによって、或いは、任意ではあるが、ウエハプラテンをウエハ中心に対して垂直な軸の回りに回転する手段を設けることによって制御されることが出来る。
注意深い考察によって、ウエハが非ゼロであるが一定のチルト角度で、ウエハにビームを通過させるようにアーム110が走査ピボット軸回りに回転される時に、ウエハの平坦な表面上の任意のポイントでチルト角度又はツイスト角度で変化が無いことが示される。この状態は、この分野に知識がある人によってよく理解され得る。
しかしながら、この状態は、以下の状態のいずれかによって損なわれる可能性がる。
ウエハの湾曲やゆがみ
平行走査ビーム発生のために使用される集束ダイポール磁石の欠陥
ピボット軸及びビーム重心の方向との間のずれ(これは、チルト角度の静的エラーを引き起こすのみならず、アームをピボット軸回りに回転すると、ウエハフレームのツイスト角度が変化する)。
幾つかの構成では、ウエハをアンロードすることなくインプラント中にツイスト角度を意図的に変化することが望ましい。希望のツイスト角度の変化は、連続的でも、段階的であっても良い(例えば、インプラントは、各段階で90°のツイスト角度変化を有する4段階に分割されることが出来る)。ツイスト角度変化は、ウエハ中心を通りその表面に垂直な軸回りにウエハを回転させるプラテン内に追加の機構を設けることによって達成される。あるいは、軸が第1のチルトピボットに垂直な第2のチルトピボットによって達成される。これらの追加の機構にいずれかの使用は、本発明の範囲内に包含される。
向き
空間における図5aの直交座標系の向きは、ビーム中心にある。ビームが水平方向に、垂直方向に、上向きに、又は下向きに移動しているか否かに関する前述の議論は重要ではない。また、走査平面が水平、垂直、又はある中間の角度であるか否かは重要ではない。水平方向に対して特定の方向を必要とする唯一の動作は、ウエハをローディングしそれをアンローディングする動作である。ウエハローディングの好適な方法は、水平面(そこでは、ウエハのエッジとの接触を回避することが可能である)又は垂直面(これは、ウエハのエッジ把持を必要とする)にある。どちらが好ましいか決定することは、ウエハの超クリーンフロント表面を汚染する可能性のある粒子を発生する何らかの接触の傾向に関連する。本発明は、任意の向きで使用されることが出来る。
チルトピボット軸とアームの半径方向との間の関係は、実際に、空間におけるビームの向きとチルトピボット軸がウエハをローディング且つアンローディングするために望ましい平面にプラテンを傾けることが出来ることの要請によって決定される。このポイントは、特定の好適な実施の形態を考察することによって明確化され、これらの実施の形態の各々では、負荷平面は、水平である。他の向きで本発明を実施する手段は、真空中で、処理ステーション同士間で半導体ウエハを移動する技術の熟練者には自明であり、これらの手段は、本発明の範囲内にある。
B.第1の好適な実施の形態
図6に描かれる第1の実施の形態において、リボンビーム20は、水平に移動しており、その長手寸法は、水平面内にある。これは、xとz軸が水平であり、y軸が垂直であることを意味する。インプラントされるべきワークピースは、300mmのシリコンウエハである。半径方向走査アーム110は、450mmの長さであり、そのピボットは、平面y=0内にある。走査ピボット軸は、勿論、ビームz軸と位置合わせされがとられ、この位置合わせは、[2004年3月24日に出願された米国特許出願シリアル番号第10/807,772号に記述された方法によって又はその他の方法によって]確認される。
チルトピボット軸140は、z軸に対して傾斜される平面内にあり、走査ピボット軸と交差しない。その向きは、以下のように定義される。ウエハのエッジがイオンビームをクリアするためには、アームは、その角度の正弦が(150mm/450mm)を超える角度を通過するように、即ち、+/−19.5°だけ旋回しなければならない。ビームの有限なy方向範囲(多分、+/−30mm)を可能とするために、アームは、+/‐25°の角度を通過するように回転されなければならない。
幾つかの機械的クリアランスを許容とするために、実際には、半径方向走査アームは、+/−30°を通過して旋回出来ることを前提としている。この第1の実施の形態では、アームは、ウエハをローディング及びアンローディングするために30°上方に回転されることが意図的に選択された。また、チルトピボット軸140の向きは、この位置にあるアーム110に関して水平であるように意図的に選択された。
図6において、ウエハ表面がz軸に対して垂直に傾けられ、ウエハ中心がz軸と一致すると、ピボットアームが水平であることは要求されないことに留意されるべきである。この物理的アームアラインメントは、ピボット同士間の関係がここに記述されている通りであるとすると、ピボット機構の設計に依存し得る。この第1の実施の形態において、アームは、約10°上方へ傾斜され、それによって、アームがチルトピボット機構に入るので、アームに40度のエルボーがある。
構造設計
図9aに示されるように、半径方向走査アームは、中空であることが好ましく、チルトピボットは、真空シール145を組み込んでいる。走査ピボットが、真空シール155を通過することによって、プラテンがイオンビームの真空環境内を移動しているが、ピボットベアリング(図示せず)は、通常大気において真空壁の外側に位置されることが出来る。更に、中空アーム内及びチルトピボットベアリングを収容する空間内には通常大気圧がある。スライディング真空シールのみが回転シールであり、全てのベアリングとアクチュエータは、通常大気内に収容されることが出来、そこでは、それらは容易に冷却されることが出来、真空を犠牲にすることなく従来の潤滑剤を使用出来る。
この機械的設計は、最小の運動を使用し、ベアリングを真空環境の外側に配置し、且つ回転真空シールのみを使用して、上で概説された機械的目標を達成する。
ウエハは、ウエハのエッジに近接するバックサイド接点を主として使用するが、通常の運動中にウエハがロボットアームから滑り落ちることが無いようにする浅いくぼみを有するロボットアーム(図示せず)によってロードされる。このウエハは、静電クランピングによってプラテンへ保持される。ウエハノッチ、フラット、又はスクライブは、チルトピボット軸に対して指定された角度に位置合わせされ、ロード平面でのその向きは、水平面におけるz軸に単純に垂直であるように、ウエハは事前に配向される。ウエハのローディング後、プラテンは、(90°+/−希望チルト角度)の角度を通過するようにチルトピボット軸回りに回転され、それによって、ウエハは、ビームに面しており、インプラントは、アームをそのピボット軸回りに均一な角速度でビームを通過するように回転することによって実行される。アームの加速と減速は、s曲線運動を使用してジャークを最小にし、且つ走査速度での望ましくない振動を回避するように実行される。また、その設計は、そのシステムでの慣性を最小にする目標を満たし、迅速で滑らかな回転及び配置での良好な精度を可能とする。
また、この第1の実施の形態において、ウエハは、イオンビーム面より十分上の面にロード及びアンロードされることを留意すべきである。それによって、ビームによって又はビームが衝突する表面によって発生する粒子は、ウエハが水平負荷位置にある間、ウエハに落下してウエハの汚染を防止する。また、(ウエハの下エッジがイオンビームをクリアする時に、)機械的走査の最上位置からロード位置に達するためには、アームの小さな角回転のみが必要であることに留意すべきである。これは、ウエハをロードしアンロードするための時間を最小にし、それによってインプラント処理の効率を最大にするので有利である。
C.第2の好適な実施の形態
図7に示されるように、この第2の実施の形態において、リボンビームも、水平に移動しているが、その長手寸法は、垂直面にある。これは、yとz軸が水平であり、x軸が垂直であることを意味している。アームは、450mmの長さであり、そのピボットは、ビームz軸と位置合わせされた平面y=0にある。この場合のチルトピボット軸は、半径方向アームに位置合わせされる。半径方向アームの長手がy軸に平行になるように半径方向アームを90°回転し、次に、ウエア表面が水平になるようにチルトピボット軸回りに90°回転することによって、ウエハ走査の中間点から、ロード/アンロード位置へ到達される。これらの回転は、逐条的に定義されたが、実際には、これらの回転は、時間を節約するために同時に発生する。
アームピボット軸は、ビームの上又は下に位置される。しかしながら、ビームの上の位置(図7に示されるように)は、好ましく、それによって、ビームによって又はそのビームが衝突する表面によって発生する粒子がウエハ上に落ちることが防止される。
D.第3の好適な実施の形態
図8は、反転された振り子として配置された走査アームの使用を描いている。この場合のイオンビームは、その長手寸法が垂直方向であり、水平に移動している連続リボンビームである。イオンビーム中の電流密度は、下から上へ線形に増加する。これは、“High Aspect Ratio,High Mass Resolution Analyzer Magnet for Ribbon Ion Beams”と題するNicholas R.White(ニコラス アール.ホワイト)氏による本願と共に係属している特許出願された出願に記載された装置と方法を使用して達成される。
また、電流密度の増加は、幾つかの他の手段のいずれかによって達成されることが出来る。使用される方法の原理は、各々が非線形集束要素を有する、集束の2つの(又はそれより多くの)領域を提供することである。これらの集束領域の六極磁界コンポーネントは、電流密度プロファイルを変更する手段となる。Nicholas R.White(ニコラス アール.ホワイト)氏による本願と共に係属している特許出願は、このようなシステムの幾つかの実施の形態を記述している。このようなシステムの動作は、図11に描かれており、そこでは、イオンビーム(これは、発散してもしなくてもよいが、発散しているように示されている)は、二つのレンズを連続して通過する。第1のレンズ180の六極コンポーネントは、第2のレンズ181の主面で、電流密度が望ましいプロファイルへ変更されように調節される。レンズ181は、軌跡を平行にするように調節され、これによって、レンズ181の下流で、望ましい電流密度プロファイルを保持する。共に係属中の米国特許出願シリアル番号第10/807,770号及び第10/807,772号(参照によってここに明確に組み込まれる)において、適切なマルチポールレンズの構造と動作のための種々な方法が記述される。
図8に示されるように、ロボット(図示せず)は、チャックが軸140回りに傾くことによって水平位置へ傾けられている間に、静電チャック120からウエハをロード及びアンロードする。各ウエハのクランプ後、チャックは、インプラントのために軸140回りに望ましいチルト角度回転される。チャックは、それがウエハ中心に対する垂線回りに回転され得るようにピボットとアクチュエータを介して取り付けられ、これは、ツイスト角度(図5bで角度170として示されている)を変化するために使用されることが出来る。このように、事前配向機構は必要とされない。代わりに、ウエハがチャックにロードされるとウエハを観察するためにカメラが使用され、次に、チャックは、インプラントを開始する前に必要な角度まで回転される。
1keVより下で高い電流のエネルギーで連続リボンビームの均一性を制御することは、困難である。この理由のために、ビームを比較的小さなスポットに再集束し且つウエハに2次元パターンでこのビームを通過させて均一なドーシングを達成することがより生産的であると判断される。
追加の機構は、2次元機械的走査を提供する手段として本発明のこの又は他の実施の形態と共に使用されることが出来る。この目標を満たすために、この第3の実施の形態は、半径方向アーム走査アセンブリ全体を垂直方向へ移動するのに有効な移動可能スライド上に取り付けられることが出来る。従って、現在二つの直交する方向へウエハを機械的に走査するために使用されることが出来、これは、十分に均一なリボンビームを得る事が困難である幾つかの条件(例えば、1keVよりも非常に低いエネルギーで数mAの高電流)下で非常に有用である。この場合、図10に描かれるように、略円形又は矩形であるビーム21が使用され得る。
また、低エネルギービームは、そのサイズをかなり減少するようにマルチポールレンズによって操作されることが出来る。図10は、この配置の構造を描いている。ここで見られるように、スライディングシールは、デルリン(delrin)や類似のプラスチックの入れ子シールを使用して構成されることが出来から、差動排気された介在空間を有する。このような構造は、約1980年以来この工業界で知られており、米国特許第4,234,797号に記述されているように、Eaton Corporation(イートン社)によって後に商業的に販売されたインプランタである、NV−10インプランタに組み込まれた。
図10の構造的配置内で、スライディングシールの移動は、実質的に300mmを超えることが必要であり、450mmでは、比較的大きなイオンビームを過走査するための空間を許容し且つ加速及び減速のための追加の空間を許容とする。これには、真空壁210におけるスロットの各側でスライディングシール領域において450mmより大きなオーバーラップを必要とする。移動アセンブリ220は、ボール螺子とモータ(図示せず)によって駆動されることが出来、且つ従来の商業的に入手可能なボールスライドに取り付けられることが出来る。この機構は、低い速度と加速度を有する比較的低いデューティサイクルで使用され、従って、信頼性の要求を満足している。
E.第4の好適な実施の形態
この第4の好適な実施の形態(図9a及び9bに示されるように)において、リボンビームは、水平に対して約40°の角度で上方に移動しており、その長手寸法は、垂直面にある。y軸は、水平であり、アームピボット軸は、z方向に平行な垂直なx−z平面にある。チルトピボット軸は、半径方向アームと位置合わせされる。チルトピボット軸が水平面になるまで半径方向アームを回転し、次に、ウエハ表面が水平になるまでチルトピボット軸回りに回転することによって、ウエハ走査の中間点から、ロード/アンロード位置は到達される。これらの回転は、逐次的に定義されたが、実際の動作において、これらの動作は、時間を節約するために同時に発生するということに留意すべきである。
また、この第4の実施の形態において、ウエハは、下方に面する前面でインプラントされ、それは、ビームによって又はビームが衝突する表面によって発生する粒子がインプラント中にウエハ上に落下することを防止する点で有利である。
図9aは、半径方向アームピボットが、集束磁石23を通るビームパスの外側に配置される場合を描き、図9bは、半径方向アームピボットが、集束磁石を通るビームパスの内側に配置される場合を描いている。このように、走査リボンビームの場合(図9a及び9bに描かれてるように)及び異なるピボット位置の結果として、要求される1/Rビーム走査速度分布は、これら2つの場合では顕著に異なっている。
スキャナープレート66を駆動する電圧発生器からの適切な走査波形を使用して要求された1/R分布を発生することが出来る。しかしながら、電圧波形は、通常インプラント均一性を微細に調整するために使用され、この方法に依存して一定の1/R変化を提供することは、電圧供給のコストと電力消費を増加し、各インプラントに対して要求された波形をセットアップするために必要な時間を増加する。集束磁石23の磁界形状は、全てのインプラントに適切な1/R走査速度分布を生成するように集束磁石23を設計することが好ましい。要求される磁界形状は、図9aと9bに示される異なる磁石ポール形状によって描かれているように、二つのアームピボット位置に対して異なっている。連続リボンビームの場合、同じ磁石ポール形状は、半径方向位置に比例する、電流密度において望ましい線形変化を発生する。
或いは、均一に発散する連続リボンビーム源が、図9aと9bのスキャナーの代わりに用いられると、磁石は、類似の機能を実行して電流密度における望ましい線形変化を引き起こし、均一なインプラントが達成可能とされる。
最後に、磁石の欠陥又はビームの固有の非均一から発生する残留システム的線形非均一性は、インプランテーション処理の途中でワークピースを180°回転することによって減少又は除去され得る。モータ駆動回転チャックが、これを達成するために設けられる。
IV.本発明の動作機能と大きな利点
本発明は、以下の動作機能を実行し、大きな利点及び利益を提供する。これらの内の幾つかは以下の通りである。
1.本発明は、アーク形状パスでビームを通過するようにウエハを走査する。
2.本発明は、ビームとウエハの表面に対する垂線との間の角度を0°と45°を大幅に超える角度との間で調節する手段を提供する。
3.本発明は、ウエハ平面を横切るビームの入射角度における走査依存性変化を排除する。
4.本発明は、ウエハホルダを水平位置へ傾けてウエハのローディング及びアンローディングを、好ましくは、イオンビーム位置から及びその上方にシールドされる位置で可能とする従来の手段を提供する。
5.本発明は、リボンビーム強度を補正してアーク形状のパスの中心からの距離でウエハ走査速度の半径方向変化を補償し、それによって、ウエハの表面上の全てのポイントに対する均一な線量を提供する。
6.本発明は、比較的短いアームと低質量移動部品を提供し、それによって、迅速な減速と加速がより低い電力モータ及びより少ない機械的ストレスで達成されることが出来る。
7.本発明は、標準の、コンパクトな、低コストの回転機構の使用が可能となり、そこでは、スライディングシールや高価な線形ドライブが無く、全てのベアリングが真空外に配置され、それによって、コストを減少し、信頼性を向上し、且つウエハの汚染を回避する。
本発明は、形状において制限されるべきでなく、且つここに添付の特許請求の範囲による場合を除いて範囲を制限されるべきではない。
Varian Associates Inc.(バリアン アソシエーツ社)によってE220として販売されているハイブリッドシリアルイオンインプランタの図である(従来の技術)。 Varian Associates Inc.によって120−10として販売されているハイブリッドバッチイオンインプランタの図である(従来の技術)。 SOI製造のための提案された連続リボンビームバッチインプランタの図である(従来の技術)。 Nissin Ion Systemによって製造されたより複雑な半径方向アーム走査装置の図である(従来の技術)。 ビーム上に中心がある直交座標系の図である。 用語チルトとツイスト(オリエント又は方位とも言う)と呼ばれるインプラントされるべきウエハ上に中心を置く極座標の図である。原点は、ウエハ中心にあり、ツイスト角度は、中心からの線からウエハ上のアラインメントマークまで時計回り方向に測定される。 水平方向の主横軸を有する、水平方向へ移動するリボンビームと共に使用される本発明の半径方向走査アームの単純な実施の形態の図である。 垂直方向の主横軸を有するリボンビームと共に使用される本発明の半径方向走査アームの単純な実施の形態の図であり、走査ピボット軸は、ビームの上方に位置される。 垂直方向の主横軸を有するリボンビームと共に使用される本発明の半径方向走査アームの単純な実施の形態の図であり、走査ピボット軸は、ビームの上方に位置される。 垂直方向の主横軸を有するリボンビームと共に使用されるための本発明の半径方向走査アームの他の実施の形態の図であり、走査ピボット軸は、ビームの下方に位置される。 ビームパスの外側への半径方向アームピボットを有する本発明のためのビーム走査構成の実例である。 ビームパスの内側への半径方向アームピボットを有する本発明のためのビーム走査構成の実例である。 固定非リボンイオンビームと共に使用されるための、2次元機械的走査を経済的に達成するための半径方向走査アームの使用を示す。 任意の初期発散と均一なプロファイルを有するイオンビームが六極コンポーネントを有する2つのレンズを通過して本質的に平行にされると共に上から下へ電流密度の強力な変化を表すことを示す。(各軌跡は、従来のように等量の電流を表し、間隔の変化が局所的電流密度に反比例する。間隔は、下から上へ約1.8係数だけ変化する)。

Claims (11)

  1. 平坦なプレーナワークピースのイオンインプラント装置であって、当該装置は、望ましいスピーシーズのイオンビームを発生する手段と、イオンビームをコリメートして、長手軸に平行に移動すると共に主横軸に沿う長手寸法と副横軸に沿う短手寸法を有する平行リボンビームを形成するエネルギー手段とを備え;ビームに隣接すると共に前記長手軸に平行なピボット軸を有する第1のピボットに取り付けられ、前記長手軸と前記主横軸を含む平面内又はそれに近接して配置されるアームを備え;平行リボンビームの電流密度を制御し、この密度を前記第1のピボットの軸からの距離に比例させる手段を備え、インプラントされるべきワークピースのためのチャックが前記第1のピボットに対して傾斜された軸を有する第2のピボットによって前記アームに取り付けられ、そこで、インプラントされるべきワークピースが、前記チャックに取り付けられ、前記第2のピボットを調節してビーム方向に対して望ましい角度にワークピースの表面を傾斜させる手段を備え、アームをある角度を通過するように回転する手段を備え、それによって、望ましい角速度で、アーク形状パス上でリボンイオンビームを通過するようにワークピースを移動し、ワークピースのプレーナ表面に望ましい実質的に均一な線量のイオンをインプラントするのに有効である、イオンインプラント装置。
  2. イオンビームをコリメートする前記手段は、リボンイオンビームの電流密度プロファイルを変更するように入口及び出口ポールエッジと磁界プロファイルが成形される磁石であり、それによって、ビームがワークピースに衝突する異なる位置での電流密度が、第1のピボット軸からの各位置の距離に比例する、請求項1に記載の装置。
  3. イオンビームをコリメートする前記手段と電流密度を制御する前記手段は、二つのレンズ又は電界又は磁界の領域よりなり、各々は、六極の電界又は磁界のコンポーネントを有し、前記コンポーネントは、イオンビームをコリメートすることとイオンビームがワークピースに衝突する位置でイオンビームの主横軸に沿って電流密度の線形変化を提供することの両方に有効である、請求項1に記載の装置。
  4. 前記第2のピボットの傾斜は、イオンビームがない位置で、ワークピースをチャックからロードし且つそれからアンロードするためにチャックを望ましい便利な向きに回転させるように選択され、この向きは、任意的に水平面である、請求項1に記載の装置。
  5. ワークピースのプレーナ表面に対して垂直な軸回りにチャックを回転するための手段が設けられる、請求項1に記載の装置。
  6. 前記チャックは、望ましい線量の50%がワークピースにインプラントされた時に、180°回転され、それによって、そうでない場合、リボンイオンビームの電流密度プロファイルから起こる線量の不均一なシステム的エラーを実質的に相殺する、請求項5に記載の装置。
  7. 一定のイオンビームを介してラスターパターンで2次元ワークピースを走査するための装置であって、当該装置は、ビーム軸に沿って移動する一定のイオンビームを発生するための手段を備え、ビーム軸に平行でありビームに隣接する前記ピボット軸を有する第1のピボットに取り付けられたアームを備え、アームを前記ピボット軸回りにある角度を通過するように回転する手段を備え、前記角度は、第1と第2の角度制限によって画定され、第1のピボットをビーム軸に垂直な方向へ平行移動し且つ第1と第2の角度制限間の角度を略二等分する手段を備え、第1のビポットに対して傾斜された軸を有する第2のピボットによって前記アームに取り付けられたインプラントされるべきワークピース用の支持体を備え、インプラントされるべきワークピースは、前記支持体に取り付けられ、前記第2のピボットは、ビーム方向に対して望ましき角度にワークピースの表面を傾斜するように調節され、次に固定され、ワークピースをある角度を通過するように回転して、それによって望ましい速度でアーク形状パス上をリボンイオンビームが通過するようにワークピースを移動すると共に、略直交する方向にピボット(第1のピボットか第2のピボットか不明?)をゆっくりと平行移動し、それによってイオンビームを通過するようにアーク形状ラスターパターン中にワークピースを移動させることによって、望ましい均一な線量のイオンでワークピースのプレーナ表面がインプラントされる装置。
  8. 第1のピボットの平行移動は、イオンビームの外側のアームによるワークピースの平行移動中のみの移動によって、有限インクリメントで達成される、請求項6に記載の装置。
  9. リボンイオンビームをワークピースにインプラントする方法であって、前記方法は、アームに取り付けられたチャックへ単一のワークピースを取り付けるステップを備え、このアームは、ワークピースがアーク形状パス中を移動され得るように第1のピボットへ取り付けられ;第1の軸に対して傾斜された第2の軸の回りに、ワークピースが、第1の軸に対して望ましい角度にその露出平面が保持される迄チャックを回転するステップを備え;リボンイオンビームを静電又は磁気レンズを通過させるステップを備え、静電界又は磁界は、イオン軌道を第1のピボット軸と略平行にするように成形され;一定の角速度でリボンイオンビーム中を通過するようにワークピースを移動するように第1のピボット回りにアームを回転して、それによって、均一な線量のイオンをワークピースにインプラントし、望ましい角度でワークピースにインプラントされる方法。
  10. 少なくとも二つのレンズ又は磁界又は電界の異なる形状の領域でビームを通過させるステップと;前記レンズの少なくとも一つを調節してその主軸に沿ってリボンイオンビームの電流密度を変更するステップと;同時にイオンビーム軌跡を第1のピボット軸に実質的に平行に維持するステップとを更に備え、それによって、イオンビームがワークピース表面に異なる位置で衝突すると、各位置の電流密度が、第1のピボット軸からの距離に比例する、請求項9に記載の方法。
  11. 一定のイオンビームでワークピースにインプラントする方法であって、単一のワークピースをアームに取り付けられたチャックに取り付けるステップを備え、ワークピースが、アーク形状のパスを移動され得るようにアームが、第1のピボットに取り付けられ、第1の軸に対して傾斜した第2の軸回りに、ワークピースの露出平面が第1の軸に対して望ましい角度であるようにワークピースが保持されるまで、ホルダを回転するステップを備え、アームを第1のピボット回りに回転して一定の角速度でアーク状のパスで走査されたイオンビームを通るようにワークピースを移動するステップを備え、イオンビームに対して垂直な方向で、ワークピースのアーク状運動の中間点に対して略垂直な方向に第1のピボットを平行移動するステップを備え、それによって、望ましい角度で均一な線量のイオンをワークピースにインプラントする方法。
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