JP2006276659A - 表示装置 - Google Patents

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進 鈴木
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Abstract

【課題】 光学フィルタの前面に貼着された光学フィルムに傷等が発生した場合、メンテナンスの容易な表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 フィルタ基材7の前面に貼着された反射防止フィルム層11は例えばポリウレタン系軟質樹脂の片面に非結晶性の含フッ素重合体からなる低屈折率層を備えた薄膜11a、11b、11c及び11dを順次積層して形成され、これら薄膜11a、11b、11c及び11dは夫々の裏面に塗布された粘着性の比較的低い簡易型接着剤12により重ね合わせるようにして貼り合わされ、夫々が剥離可能となっている。
【選択図】図3

Description

本発明は表示装置に係わり、より詳細には、フィルタ基材に光学フィルムを貼着した光学フィルタの構成に関する。
PDP(プラズマディスプレイパネル)及び液晶パネル等を内蔵した筐体の前面に設けられる、保護板及び発光色補正用としての光学フィルタは、例えば図6(A)で示すように、フィルタ基材31の表面に、電磁波遮蔽層32a、近赤外線吸収層32b及び反射防止層32c等を積層した光学フィルム32を貼着して光学フィルタ30を構成している。前記電磁波遮蔽層32a及び近赤外線吸収層32bはPDP等から表示装置外部に漏洩する電磁波及び近赤外線を遮蔽、吸収して他の電子機器への影響を防止し、又、前記反射防止層32cは蛍光灯などからの外光の映り込みによる表示装置の画質低下を防止するようになっている。
前記電磁波遮蔽層32a、近赤外線吸収層32b及び反射防止層32c等を夫々粘着剤により接合した前記光学フィルム31は、前記フィルタ基材31の表面に同様に粘着剤により堅固に接合されており、なんらかの原因により、これらフィルムの表面に傷付等が発生し交換の必要が生じた際は、光学フィルタ30そのものを交換する必要がありメンテナンスを行ううえで負担となっていた。
上記した問題を解決するため、例えば図6(B)で示すように、表示装置40のフィルタ基材40a前面に、摘まみ可能なタブ41aを角部に備えた光学フィルム41を設けるとともに、同光学フィルム41の裏面にフィルタ基材40aに対し密着及び剥離可能な接着層を形成し、必要に応じ前記光学フィルム41を取り外し可能にした技術が提示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、前記光学フィルム41に傷付き、あるいは剥がれ等が発生した際は、光学フィルム41全てを交換する必要が発生し、コスト上、負担となるばかりでなく業務の支障となる虞もあり、更なる改善が求められていた。
特開2003−58066号(4頁、図1)
本発明は、上記問題点に鑑み、フィルタ基材の表面に貼着される光学フィルムに傷付き、あるいは一部剥がれ等が発生したとしても、フィルタ基材及び光学フィルムから構成される光学フィルタを全面的に交換することなく迅速に元の状態に復帰することができ、且つコストを低減できるメンテナンス性の向上した表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、フィルタ基材と、同フィルタ基材の前面に貼着された光学フィルムとからなる光学フィルタを設けてなる表示装置において、前記光学フィルムは、夫々剥離可能な複数の光学フィルム薄膜が積層されている一方、前記薄膜の積層が減じられる毎に、前記表示装置の表示特性が調節されてなる構成となっている。又、前記フィルタ基材を用いずに直接プラズマディスプレイパネルあるいは液晶パネル等の表示パネルの表面に、夫々剥離可能な複数の光学フィルム薄膜が積層された光学フィルムを貼着するとともに、前記光学フィルム薄膜の積層が減じられる毎に、前記表示パネルの表示特性が調節されてなる構成となっている。又、積層された前記光学フィルム薄膜の面積が、基部となる後面側から前面側に従い漸次減少され、夫々の角部に段差部を形成してなる構成となっている。
本発明によると、フィルタ基材の前面に貼着された前記光学フィルムを粘着性の低い簡易型接着剤により貼り合わして多層の薄膜として剥離可能に形成することにより、光学フィルムの表面に擦傷跡を発生させたり、汚跡を残したりした場合、最前部の薄膜を引き剥がし、新たな薄膜を前面側に露出させることにより、画質の低下を招く擦傷跡、汚跡又は付着した塵埃を容易に除去することができるようになっている。又、引き剥がし作業を行う場合は、フィルム層周縁及び角部にフィルム毎に段差を設けてあることにより、容易にこれを行えるようになっている。又、プラズマディスプレイパネルから発する輝度及び色度を若干減少させることにより常に鮮明な画像を得ることのできる表示装置とすることができるようになっている。
又、プラズマディスプレイパネルが経時変化により輝度が低下してきたような際は、フィルムを引き剥がすことにより輝度を回復させることもできる。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいた実施例として詳細に説明する。
図1は表示装置を示す断面図であり、図2はその要部断面図である。図3は光学フィルムを示す要部斜視図であり、図4は操作手順を示すフローチャートである。
本発明による表示装置は、図1の断面図で示すように、枠体状に形成されたフロントパネル2と、前面が開放された箱体状に形成され前記フロントパネル2に取付けられる、板金からなるリアパネル3とで外郭となる筐体を構成し、前記フロントパネル2の開放された前面に光学フィルタ6を装着している。前記筐体内には電子部品を搭載した映像信号処理基板5と、同映像信号処理基板5から送出された信号を基にプラズマ放電により映像を前記光学フィルタ6に映写するプラズマディスプレイパネル4が内蔵されており、前記光学フィルタ6は、透明性を有する板状のフィルタ基材7の前面に、複数の積層体からなる光学フィルム8を貼着して構成されている。
前記プラズマディスプレイパネル4は、前面ガラスと背面ガラスとを相対向するように配設して構成され、これらガラス間には減圧状態でキセノン等の稀ガスが封入されている。前面ガラスには放電電極、誘電体膜、保護膜等が形成され、背面ガラスには隔壁、蛍光体、アドレス電極等が形成されており、これらにより多数の放電セルを形成し、同放電セルにより任意の蛍光体を選択的に放電発光させることにより、フルカラー表示を行えるようになっている。前面ガラスは電極や誘電体膜等を積層形成する際、傷や歪みを生じており、これにより強度が著しく低下し衝撃力を受けると破損しやすいため、2〜3mmの間隔をおいて、その前面には保護板を兼ねた発光色補正用の前記光学フィルタ6が設けられている。
前記光学フィルタ6を構成するフィルタ基材7には透明なアクリル樹脂、ポリカーボネート等の樹脂材又は通常のガラス、合板ガラス、あるいは熱強化ガラス等が用いられている。
前記フィルタ基材7の前面に貼着された前記光学フィルム8は、図2(A)の拡大断面図で示すように、第一層としての電磁波遮蔽層9と、第二層としての近赤外線吸収フィルム層10と、第三層としての反射防止フィルム層11とからなり、これらは夫々粘着剤により堅固に接合されている。
前記電磁波遮蔽層9は、導電性金属のメッシュあるいは薄膜金属と酸化物とを多数積層して形成され、前記プラズマディスプレイパネル4から放射される電磁波を遮蔽し、表示装置外への電磁波の漏洩を防止して、電磁波ノイズによる他の電器機器への影響を防ぐようになっている。
前記近赤外線吸収フィルム層10は、前記プラズマディスプレイパネル4から放射される近赤外線吸収機能を有する色素と、色調補正能を有する色素とを含有する透明な合成樹脂からなり、表示装置外への近赤外線の漏洩を防止して、他の電子機器に対するノイズ妨害を防ぐようになっている。
前記プラズマディスプレイパネル4と、その前面に配置される前記光学フィルタ6との間には、同光学フィルタ6表面に作用した衝撃力が前記プラズマディスプレイパネル4に伝搬されないよう僅かな隙間が保たれているため、外部の蛍光灯などから侵入した外光が隙間内で乱反射を生じやすい。このような現象を防止するため、前記光学フィルム8の第三層として前記反射防止フィルム層11が設けられている。
前記反射防止フィルム層11は、図2(B)で示すように、例えば、ポリウレタン系軟質樹脂の片面に非結晶性の含フッ素重合体からなる低屈折率層を備えた薄膜11a、11b、11c及び11dを順次積層して形成されており、これら薄膜11a、11b、11c及び11dは夫々の裏面に塗布された粘着性の比較的低い簡易型接着剤12により重ね合わせるようにして貼り合わされており、夫々が、手指あるいはピンセット等の小器具を用いて剥離可能となっている。又、薄膜11aから薄膜11dまで順次その面積が減少するように形成されており、これにより、これらの周縁は階段状の段差を生じるようになっている。
次に、前記反射防止フィルム層11の作用について説明する。同反射防止フィルム層11は、前記フィルタ基材7に貼着された前記光学フィルム8の最前部に設けられていることにより、不注意になんらかの物体を衝突させたり、あるいは擦り擦傷跡を発生させる場合がある。又、不適切な溶剤を用いて清掃を行いフィルム表面に汚跡を残したり、あるいは空気中に浮遊する塵埃、油分が付着して画質の低下を招く場合がある。
上記の様な現象が生じてしまった際は、図3で示すように、前記反射防止フィルム層11の最前部に位置する薄膜11dを引き剥がし、薄膜11cを前面側に露出させる。これにより、簡単な作業で画質の低下を招く擦傷跡、汚跡又は付着した塵埃を容易に除去することができるようになっている。同様に、前記薄膜11cに汚れ等が発生したらこれを引き剥がし新しいフィルム層を露出させればよい。
引き剥がし作業を行う場合は、前記反射防止フィルム層11の各々の薄膜の面積が図2(B)で示すように、後面側から前面側へと順次縮小され、これにより薄膜の周縁及び角部にフィルム毎に段差を設けてあることにより、手指あるいは小器具を用いて容易にこの引き剥がし作業を行えるようになっており、例えば前記表示装置1のフロントパネル2を筐体から外し、この作業を筐体の前面側から行うことにより、不慣れな作業者であっても容易にこのメンテナンスを短時間で行うことができるようになっている。
前記反射防止フィルム層11の薄膜を引き剥がすと、前記プラズマディスプレイパネル4からの前記光学フィルタ6での光の透過率が高まり、画面の輝度及び色度が若干変化する。これを補正するため、図4のフローチャートで示すように、薄膜が引き剥がされたら、前記プラズマディスプレイパネル4から発する輝度を減少させ、且つ色度補正を行うことで輝度及び色度に変化を生じさせないようになっている。輝度及び色度の変化量は、前記映像信号処理基板5内のメモリに予めプリセットしておき、薄膜を引き剥がすメンテナンスを行ったら、この操作を行えばよい。
次に、第二実施例について説明する。第二実施例は図5で示すように、前記プラズマディスプレイパネル4の前面に、第一層としての電磁波遮蔽層9と、第二層としての近赤外線吸収フィルム層10と、第三層としての反射防止フィルム層11とからなる光学フィルム8を貼着している。前記反射防止フィルム層11が剥離可能で周縁に段差部を有する多数の薄膜からなり、同多数の薄膜が衝撃力を緩和する保護シートの機能を併せもつことにより、第一実施例での前記フィルタ基材7に替わり、前記プラズマディスプレイパネル4の前面に直接前記光学フィルタ8を貼着することにより、部品点数の低減及びコストの低減を図れるようになっている。又、メンテナンス作業は第一実施例で説明した方法と同様である。
以上、説明したように、前記フィルタ基材7の前面に貼着された前記光学フィルム8の中で前記反射防止フィルム層11を剥離可能な多層の薄膜で形成し、傷あるいは汚れが発生した際、前面側から薄膜を引き剥がすことにより、容易なメンテナンス作業で常に鮮明な画像を得ることのできる表示装置とすることができるようになっている。又、プラズマディスプレイパネルが経時変化により輝度が低下してきたような際は、フィルムを引き剥がすことにより輝度を回復させるようなこともできる。本実施例では前記前記反射防止フィルム層11について説明しているが、これに限定されるものではなく他の光学フィルムを引き剥がし可能な多層フィルムとしてもよい。
第一実施例での表示装置を示す断面図である。 (A)は第一実施例での表示装置の要部を示す拡大断面図である。 (B)は反射防止フィルム層を示す断面図である。 反射防止フィルム層を示す斜視図である。 画像補正を示すフローチャートである。 第二実施例での表示装置の要部を示す拡大断面図である。 (A)は光学フィルムを貼着したフィルタ基材からなる従来の光学フィルタを示す断面図である。 (B)は光学フィルタをスクリーンの前面に着脱自在に設けた従来の表示装置を示す正面図である。
符号の説明
1 表示装置
2 フロントパネル
3 リアパネル
4 プラズマディスプレイパネル
5 映像信号処理基板
6 光学フィルタ
7 フィルタ基材
8 光学フィルム
9 電磁波遮蔽層
10 近赤外線吸収フィルム層
11 反射防止フィルム層
11a〜11d 薄膜
12 簡易型接着剤

Claims (3)

  1. フィルタ基材と、同フィルタ基材の前面に貼着された光学フィルムとからなる光学フィルタを設けてなる表示装置において、
    前記光学フィルムは、夫々剥離可能な複数の光学フィルム薄膜が積層されている一方、前記薄膜の積層が減じられる毎に、前記表示装置の表示特性が調節されてなることを特徴とする表示装置。
  2. プラズマディスプレイパネルあるいは液晶パネル等の表示パネルの表面に、夫々剥離可能な複数の光学フィルム薄膜が積層された光学フィルムを貼着するとともに、前記光学フィルム薄膜の積層が減じられる毎に、前記表示パネルの表示特性が調節されてなることを特徴とする表示装置。
  3. 積層された前記光学フィルム薄膜の面積が、基部となる後面側から前面側に従い漸次減少され、夫々の角部に段差部を形成してなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP6134083B1 (ja) * 2017-02-09 2017-05-24 京セラ株式会社 電子機器

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