JP2006274185A - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 難燃性付与剤を使用することなく高い耐燃性を有し、かつ流動性を損なうことなく、鉛フリー半田にも対応可能な高い耐半田リフロー性を有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及びこれを用いて半導体素子を封止してなる信頼性の高い半導体装置を提供すること。
【解決手段】 (A)フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、(B)ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、(C)特殊構造を有する硬化促進剤、(D)シランカップリング剤、及び(E)無機充填剤を必須成分として含むエポキシ樹脂組成物であって、該エポキシ樹脂組成物中に、前記(C)特殊構造を有する硬化促進剤の含有量が0.05重量%以上、0.5重量%以下、前記(E)無機充填剤が84重量%以上、92重量%以下の割合で含まれることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。

Description

本発明は、半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及びこれを用いた半導体装置に関するものである。
従来からダイオード、トランジスタ、集積回路等の電子部品は、主にエポキシ樹脂組成物を用いて封止されている。特に集積回路では、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、及び溶融シリカ、結晶シリカ等の無機充填剤を配合した耐熱性、耐湿性に優れたエポキシ樹脂組成物が用いられている。ところが近年、電子機器の小型化、軽量化、高性能化の市場動向において、半導体素子の高集積化が年々進み、また半導体装置の表面実装化が促進されるなかで、半導体素子の封止に用いられているエポキシ樹脂組成物への要求は益々厳しいものとなってきている。特に半導体装置の表面実装化が一般的になってきている現状では、吸湿した半導体装置が半田リフロー処理時に高温にさらされる。更に、環境負荷物質の撤廃の一環として、鉛を含まない半田への代替が進められており、鉛フリー半田は従来の半田に比べ融点が高いため表面実装時のリフロー温度は、従来よりも20℃程度高く、260℃が必要とされる。その為、半導体装置が従来以上に高い温度にさらされることになり、半導体素子やリードフレームとエポキシ樹脂組成物の硬化物との界面に剥離が発生したり、半導体装置にクラックを生じたりする等、半導体装置の信頼性を大きく損なう不良が生じ易くなっている。
一方、近年環境への配慮から、従来半導体封止材に難燃剤として使用されてきた臭素含有有機化合物等のハロゲン系難燃剤、及び三酸化ニアンチモン、四酸化ニアンチモン等のアンチモン化合物の使用を制限する動きがあり、それらに代わる難燃化手法が求められている。半導体封止材の代替難燃化手法として、環境への害が少ない水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物を使用する手法が提案されているが、これらは多量に配合しないと難燃効果が発現せず、しかも充分な難燃性が得られる程度に配合量を増やすとエポキシ樹脂組成物の成形時の流動性、硬化性及び硬化物の機械強度が低下し、前記の鉛フリー半田実装温度域における耐半田リフロー性を低下させるという問題があった。
これらの問題に対して、低吸水、可撓性、難燃性を有するレジンを用いて耐半田リフロー性を向上させる方法が提案されている(例えば、特許文献1、2又は3参照。)が、鉛フリー半田を用いた場合にも対応できるようにするために、無機充填剤をより高充填化しようとすると、流動性が不足するという問題が発生するため、実現が困難であった。
以上のような状況から、難燃性付与剤を使用することなく高い耐燃性を有し、かつ流動性を損なうことなく、鉛フリー半田にも対応可能な高い耐半田リフロー性を有する半導体封止用樹脂組成物の開発が望まれていた。
特開平1−275618号公報(第1〜5頁) 特開平5−097965号公報(第2〜6頁) 特開平5−097967号公報(第2〜7頁)
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、難燃性付与剤を使用することなく高い耐燃性を有し、かつ流動性を損なうことなく、鉛フリー半田にも対応可能な高い耐半田リフロー性を有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及びこれを用いて半導体素子を封止してなる信頼性の高い半導体装置を提供することにある。
本発明は、
[1] (A)一般式(1)で示されるエポキシ樹脂、(B)一般式(2)で示されるフェノール樹脂、(C)一般式(3)で示される硬化促進剤、(D)シランカップリング剤、及び(E)無機充填剤を必須成分として含むエポキシ樹脂組成物であって、該エポキシ樹脂組成物中に、前記(C)一般式(3)で示される硬化促進剤が0.05重量%以上、0.5重量%以下、前記(E)無機充填剤が84重量%以上、92重量%以下の割合で含まれることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
Figure 2006274185
(ただし、上記一般式(1)において、Rは水素または炭素数1〜4のアルキル基を示し、互いに同一であっても異なっていても良い。aは0〜4の整数、bは0〜4の整数、cは0〜3の整数、dは0〜4の整数。nは平均値で、0又は10以下の正数。)
Figure 2006274185
(ただし、上記一般式(2)において、Rは水素または炭素数1〜4のアルキル基を示し、互いに同一であっても異なっていても良い。aは0〜4の整数、bは0〜4の整数、cは0〜3の整数、dは0〜4の整数。nは平均値で、0又は10以下の正数。)
Figure 2006274185
(ただし、上記一般式(3)において、Pはリン原子、R1〜R4は芳香環を含む有機基又は脂肪族基を表し、互いに同一であっても異なっていても良い。mは0≦m≦2の数を示す。)
[2] 前記(A)一般式(1)で示されるエポキシ樹脂の軟化点が35℃以上、60℃以下である第[1]項記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
[3] 第[1]又は[2]項に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置、
である。
本発明に従うと、ハロゲン系難燃剤、及びアンチモン化合物、その他の難燃性付与剤を使用することなく、難燃グレードがUL−94のV−0となり、かつ流動性を損なうことなく、鉛フリー半田にも対応可能な高い耐半田リフロー性を有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及びこれを用いて半導体素子を封止してなる信頼性の高い半導体装置を高い生産性で得ることができる。このため、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、工業的な樹脂封止型半導体装置、特に鉛フリー半田を使用する表面実装用の樹脂封止型半導体装置の製造に好適に用いることができる。
本発明は(A)前記一般式(1)で示されるエポキシ樹脂、(B)前記一般式(2)で示されるフェノール樹脂、(C)前記一般式(3)で示される硬化促進剤、(D)シランカップリング剤、及び(E)無機充填剤を必須成分として含むエポキシ樹脂組成物であって、該エポキシ樹脂組成物中に、前記(C)成分が0.05重量%以上、0.5重量%以下、(E)成分が84重量%以上、92重量%以下の割合で含まれることにより、ハロゲン系難燃剤、アンチモン化合物、その他の難燃性付与剤を使用することなく難燃グレードがUL−94のV−0となり、かつ流動性を損なうことなく、鉛フリー半田にも対応可能な高い耐半田リフロー性を有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物が得られるものである。
以下、各成分について詳細に説明する。
本発明に用いられる一般式(1)で示されるエポキシ樹脂(A)は、樹脂骨格が疎水性を示すので硬化物が低吸湿性を示すと共に、硬化物の架橋点間距離が長くなるため半田リフロー温度での弾性率が低い特長を有し、このため発生する応力が低く密着性にも優れるため、耐半田リフロー性が良好であり好ましい。更に、樹脂骨格に占める芳香族環含有率が高いために、樹脂そのものの難燃性も高い。
一般式(1)のRは水素または炭素数1〜4のアルキル基を示し、互いに同一であっても異なっていても良い。aは0〜4の整数、bは0〜4の整数、cは0〜3の整数、dは0〜4の整数、nは平均値で0又は10以下の正数であるが、これらの内では硬化性の点から式(4)の樹脂等が好ましい。nが上記範囲内であると、樹脂の粘度が増大することによる封止成形時における樹脂組成物の流動性の低下を抑えることができ、より一層の低吸湿化のための無機充填剤の高充填化が可能となる。
Figure 2006274185
(ただし、上記式(4)において、nは平均値で、0又は10以下の正数。)
また本発明では、一般式(1)で示されるエポキシ樹脂(A)を用いることによる特徴を損なわない範囲で、他のエポキシ樹脂と併用することができる。併用することができるエポキシ樹脂としては、1分子内にエポキシ基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般であり、その分子量、分子構造を特に限定するものではないが、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂(フェニレン骨格、ビフェニル骨格等を有する)、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂等が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。他のエポキシ樹脂を併用する場合の配合量としては、全エポキシ樹脂に対して、一般式(1)で示されるエポキシ樹脂が、70重量%以上、100重量%以下であることが好ましい。一般式(1)で示されるエポキシ樹脂の配合量が上記範囲内であると、良好な低吸湿性、耐半田リフロー性を得ることができる。
本発明に用いられる一般式(2)で示されるフェノール樹脂(B)は、フェノール性水酸基間に疎水性で剛直なビフェニレン骨格を有しており、これを用いたエポキシ樹脂組成物の硬化物は低吸湿性を示すと共に、硬化物の架橋点間距離が長くなるためガラス転移温度(以下、「Tg」ともいう)を超えた高温域での弾性率が低いという特長を有し、このため発生する応力が低く密着性にも優れるため、耐半田リフロー性が良好であり好ましい。またこれらのフェノール樹脂は樹脂骨格に占める芳香族環含有率が高いために、樹脂そのものの難燃性も高く、架橋密度が低い割には耐熱性が高いという特徴を有している。
一般式(2)のRは水素または炭素数1〜4のアルキル基を示し、互いに同一であっても異なっていても良い。aは0〜4の整数、bは0〜4の整数、cは0〜3の整数、dは0〜4の整数、nは平均値で0又は10以下の正数であるが、これらの内では硬化性の点から式(5)の樹脂等が好ましい。nが上記nが上記範囲内であると、樹脂の粘度が増大することによる封止成形時における樹脂組成物の流動性の低下を抑えることができ、より一層の低吸湿化のための無機充填剤の高充填化が可能となる。
Figure 2006274185
(ただし、上記式(5)において、nは平均値で0又は10以下の正数。)
本発明では、一般式(2)のフェノール樹脂(B)を配合することによる特徴を損なわない範囲で、他のフェノール樹脂を併用することができる。併用することができるフェノール樹脂としては、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般であり、その分子量、分子構造を特に限定するものではないが、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、トリフェノールメタン樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂等が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。他のフェノール樹脂を併用する場合の配合量としては、全フェノール樹脂に対して、一般式(2)で示されるフェノール樹脂が70重量%以上、100重量%以下であることが好ましい。一般式(2)で示されるフェノール樹脂の配合量が上記範囲内であると、良好な低吸湿性、耐半田リフロー性を得ることができる。
本発明に用いられる全エポキシ樹脂のエポキシ基数と全フェノール樹脂のフェノール性水酸基数の当量比としては、好ましくは0.5以上、2以下であり、特に0.7以上、1.5以下がより好ましい。上記範囲内であると、耐湿性、硬化性などの低下を抑えることができる。
本発明に用いられる一般式(1)で示されるエポキシ樹脂(A)と(一般式(2)で示されるフェノール樹脂B)とは、予め溶融混合して用いることにより分散性を向上させることができる。また、特に一般式(1)で示されるエポキシ樹脂(A)として軟化点が45℃以下のものを使用する場合には、上記のように一般式(2)で示されるフェノール樹脂(B)と予め溶融混合することにより、溶融混合物の軟化点を元の一般式(1)で示されるエポキシ樹脂(A)の軟化点より高くすることができ、原料の取り扱い性を向上させることができる。
本発明で用いられる一般式(3)で示される硬化促進剤(C)は、テトラ置換ホスホニムとジヒドロキシナフタレンとの分子化合物であり、エポキシ樹脂組成物の貯蔵時の保管安定性と封止成形時の速硬化性とを両立させることができるものである。本発明で用いられる一般式(3)で示される硬化促進剤(C)は、エポキシ樹脂全エポキシ樹脂組成物に対し、0.05重量%以上、0.5重量%以下の割合で含まれることが必須であるが、0.1重量%以上、0.4重量%以下の割合で含まれることがより好ましい上記範囲内であると、エポキシ樹脂組成物の硬化性の低下を抑えることができ、また封止成形時における流動性の低下や、未充填、金線変形といった問題の発生を抑えることができる。
Figure 2006274185
(ただし、上記一般式(3)において、Pはリン原子、R1〜R4は芳香環を含む有機基又は脂肪族基を表し、互いに同一であっても異なっていても良い。mは0≦m≦2の数を示す。)
また、本発明においては、一般式(3)で示される硬化促進剤(C)とともに、必要に応じて一般に封止材料に使用されているエポキシ基とフェノール性水酸基との硬化反応を促進させる硬化促進剤を併用しても構わない。併用することができる硬化促進剤としては、例えば、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等のジアザビシクロアルケン及びその誘導体、トリブチルアミン、ベンジルジメチルアミン等のアミン系化合物、テトラフェニルホスホニウム・テトラナフトイックアシッドボレート、トリフェニルホスフィン等の有機リン系化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの併用可能な硬化促進剤は単独で用いても2種類以上を併用してもよい。これらの内では、特に1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7が、各種基材に対する密着性の向上のために有効であり、またテトラフェニルホスホニウム・テトラナフトイックアシッドボレートは、エポキシ樹脂組成物の常温保管特性を大幅に向上させる効果がある。
本発明に用いるシランカップリング剤(D)は、エポキシシラン、アミノシラン、ウレイドシラン、メルカプトシラン等特に限定せず、エポキシ樹脂組成物と無機充填剤との間で反応し、エポキシ樹脂組成物と無機充填剤の界面強度を向上させるものであればよい。
また、シランカップリング材(D)は一般式(3)で示される硬化促進剤(C)のような芳香環を構成する2個以上の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物と比較的安定な中間体を形成するため、一般式(3)で示される硬化促進剤(C)の硬化遅延効果を発現し、エポキシ樹脂組成物の貯蔵時の保管安定性、及び封止成形時の粘度特性と流動特性を著しく改善させることができる。このため、シランカップリング剤(D)は一般式(3)で示される硬化促進剤(C)の効果を充分に得るためには必須である。これらのシランカップリング剤(D)は単独で用いても併用してもよい。本発明に用いるシランカップリング剤(D)の配合量は、全エポキシ樹脂組成物中0.01重量%以上、1重量%以下が好ましく、より好ましくは0.05重量%以上、0.8以下、特に好ましくは0.1重量%以上、0.6重量%以下である。シランカップリング剤(D)の配合量が上記範囲内であると、一般式(3)で示される硬化促進剤(C)の効果を充分に発揮することができ、またエポキシ樹脂組成物の硬化物と各種基材との密着性低下による半導体装置(以下、「半導体パッケージ」又は単に「パッケージ」ともいう。)における耐半田クラック性の低下を抑えることができる。或いは、エポキシ樹脂組成物の吸水性の上昇による半導体パッケージの耐半田クラック性の低下も抑えることができる。
本発明に用いられる無機充填剤(E)の種類については特に制限はなく、一般に封止材料に用いられているものを使用することができる。例えば溶融シリカ、結晶シリカ、2次凝集シリカ、アルミナ、チタンホワイト、水酸化アルミニウム、タルク、クレー、ガラス繊維等が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。特に溶融シリカが好ましい。溶融シリカは、破砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、含有量を高め、且つエポキシ樹脂組成物の溶融粘度の上昇を抑えるためには、球状シリカを主に用いる方がより好ましい。更に球状シリカの含有量を高めるためには、球状シリカの粒度分布をより広くとるよう調整することが望ましい。全無機充填剤の含有量は、成形性、信頼性のバランスから全エポキシ樹脂組成物中に84重量%以上、92重量%以下であることが必須であり、好ましくは87重量%以上、92重量%以下である。無機充填剤(E)の含有量が上記範囲内であると、エポキシ樹脂組成物が低吸湿性、低熱膨張性で良好な耐半田性を発揮することができる。また、エポキシ樹脂組成物の流動性の低下による封止成形時の充填不良等の発生や、エポキシ樹脂組成物の高粘度化による半導体装置内での金線変形等の発生を抑えることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜(E)成分から構成されるが、必要に応じてカーボンブラック、ベンガラ等の着色剤、シリコーンオイル、シリコーンゴム等の低応力成分、天然ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸及びその金属塩類もしくはパラフィン等の離型材、酸化ビスマス等水和物等の無機イオン交換体、酸化防止剤等の各種添加剤を適宜配合してもよい。更に、必要に応じて無機充填剤をカップリング剤やエポキシ樹脂あるいはフェノール樹脂で予め処理して用いてもよく、処理の方法としては、溶媒を用いて混合した後に溶媒を除去する方法や、直接無機充填剤に添加し、混合機を用いて処理する方法等がある。
本発明に用いるエポキシ樹脂組成物は、(A)〜(E)成分、その他の添加剤等を、ミキサーを用いて常温混合した後、ロール、ニーダー等の押出機等の混練機で溶融混練し、冷却後粉砕して得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて、半導体素子等の電子部品を封止し、半導体装置を製造するには、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールド等の従来からの成形方法で硬化成形すればよい。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。配合割合は重量部とする。
実施例1
・エポキシ樹脂1:式(4)で示されるエポキシ樹脂(軟化点44℃、エポキシ当量234) 6.42重量部
Figure 2006274185
・フェノール樹脂1:式(5)で示されるフェノール樹脂(軟化点107℃、水酸基当量198) 4.28重量部
Figure 2006274185
・硬化促進剤1:式(6)で示される硬化促進剤(式(6)において、m=1)
0.20重量部
Figure 2006274185
・シランカップリング剤1:γ−メルカプトトリプロピルメトキシシラン
0.20重量部
・溶融球状シリカ(平均粒径25μm) 88.00重量部
・カーボンブラック 0.40重量部
・シリコーンオイル:式(7)で示されるポリオルガノシロキサン 0.20重量部
Figure 2006274185
・カルナバワックス 0.30重量部
をミキサーを用いて混合した後、表面温度が95℃と25℃の2本ロールを用いて混練し、冷却後粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物の特性を以下の方法で評価した。結果を表1に示す。
評価方法
スパイラルフロー:低圧トランスファー成形機を用いて、EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用の金型に、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120秒の条件でエポキシ樹脂組成物を注入し、流動長を測定した。単位はcm。80cm以下であると金線変形やパッケージ未充填などの成形不良が生じる可能性がある。
硬化性(ゲルタイム):175℃の熱盤上にエポキシ樹脂組成物粉末を30gのせ、これを金属ヘラで練り、ゲル化するまでの時間を測定した。一般的なトランスファー成形は50秒以上、120秒以下程度で成形されるため、ゲルタイムが45秒以上の場合は、成形不良が生じる可能性がある。
難燃性:トランスファー成形機を用いて、成形温度175℃、注入圧力9.8Mpa、硬化時間120秒で、試験片(127mm×12.7mm×1.6mm)を成形し、アフターベークとして175℃、8時間処理した後、UL−94垂直法に準じてΣF、Fmaxを測定し、難燃性を判定した。
耐半田リフロー性:80pQFP(銅フレーム:14mm×20mm×2mm厚、パッドサイズ:8mm×8mm、チップサイズ:7mm×7mm)を低圧トランスファー自動成形機を用いて、実施例、比較例記載の封止樹脂で、金型温度175℃、注入圧力9.6MPa、硬化時間90秒で封止成形した後、175℃、4時間後硬化し、各16個のサンプルを別々に85℃、相対湿度60%の環境下で168時間と85℃、相対湿度85%の環境下で168時間処理し、その後IRリフロー(260℃)で10秒間処理した。超音波探傷装置を用いて観察し、内部クラック及び各種界面剥離の有無を調べた。内部クラック又は各種界面の剥離が1つでも見つかったものは不良とし、不良パッケージの個数がn個であるとき、n/16と表示した。
実施例2〜10、比較例1〜8
表1、2の配合に従い、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得て、実施例1と同様にして評価した。結果を表1、2に示す。
実施例1以外で用いた原材料を以下に示す。
・エポキシ樹脂2:式(4)で示されるエポキシ樹脂(軟化点55℃、エポキシ当量236)

Figure 2006274185
・エポキシ3:ビフェニル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製、YX−4000K、エポキシ当量185、融点105℃)
・エポキシ4:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製、YL−6810、エポキシ当量170g/eq、融点47℃)
・フェノール樹脂2:パラキシレン変性ノボラック型フェノール樹脂(三井化学(株)製、XLC−4L、水酸基当量168、軟化点62℃)
・硬化促進剤2:トリフェニルホスフィン
・シランカップリング剤2:Nフェニルγ−アミノプロピルトリメトキシシラン
・シランカップリング剤3:γ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン
Figure 2006274185
Figure 2006274185

Claims (3)

  1. (A)一般式(1)で示されるエポキシ樹脂、(B)一般式(2)で示されるフェノール樹脂、(C)一般式(3)で示される硬化促進剤、(D)シランカップリング剤、及び(E)無機充填剤を必須成分として含むエポキシ樹脂組成物であって、該エポキシ樹脂組成物中に、前記(C)一般式(3)で示される硬化促進剤が0.05重量%以上、0.5重量%以下、前記(E)無機充填剤が84重量%以上、92重量%以下の割合で含まれることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
    Figure 2006274185
    (ただし、上記一般式(1)において、Rは水素または炭素数1〜4のアルキル基を示し、互いに同一であっても異なっていても良い。aは0〜4の整数、bは0〜4の整数、cは0〜3の整数、dは0〜4の整数。nは平均値で、0又は10以下の正数。)
    Figure 2006274185
    (ただし、上記一般式(2)において、Rは水素または炭素数1〜4のアルキル基を示し、互いに同一であっても異なっていても良い。aは0〜4の整数、bは0〜4の整数、cは0〜3の整数、dは0〜4の整数。nは平均値で、0又は10以下の正数。)
    Figure 2006274185
    (ただし、上記一般式(3)において、Pはリン原子、R1〜R4は芳香環を含む有機基又は脂肪族基を表し、互いに同一であっても異なっていても良い。mは0≦m≦2の数を示す。)
  2. 前記(A)一般式(1)で示されるエポキシ樹脂の軟化点が35℃以上、60℃以下である請求項1記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置。
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