本発明のブラシの一つの実施の形態を図に従って説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係るブラシ1の斜視図、図2はブラシを垂直面で切断したときの概略垂直断面図、図3は電気的接続を表すブロック図である。ブラシ1は、水を貯水する貯水タンク2と、対象物をブラッシングするブラシ歯3が植設されたブラシ歯基部4と、蓋5と、ブラシ柄6とから構成されている。貯水タンク2、ブラシ歯3、ブラシ歯基部4、蓋5、ブラシ柄6は合成樹脂を素材としており、貯水タンク2は透明なアクリル樹脂を素材として内部を外部から確認できるようになっている。貯水タンク2の一部は開口しており、開口部を覆うように蓋5が着脱可能に配設されている。蓋5には水を出し入れできる給水口7が設けられている。また、貯水タンク2の内部には金属イオン水生成手段として金属電極である一対の銀電極8a、8bが設けられている。銀電極8a、8bの大きさは20mm×50mm、厚さ1mm程度であり、約5mmの距離を隔てて配設されている。ブラシ柄6の内部には、銀電極8a、8bに電圧を印加し電流を流す等の制御を行う制御部9、制御部9や銀電極8a、8bに電力を供給する電源である電池10が設けられている。また、ブラシ柄6にはプッシュスイッチ11が設けられている。また、ブラシ歯3を覆うためのブラシ歯キャップ15が別体として設けられている。図3からわかるように、銀電極8a、8bは制御部9に接続されている。制御部9はプッシュスイッチ11と接続されており、電池10はプッシュスイッチ11に接続されており、プッシュスイッチ11をON、OFFすることで電池10から制御部9への通電、非通電が切り替えられる。なお、電池10としては、乾電池、ボタン電池、充電池などがある。また、スイッチとしてはプッシュスイッチ11以外に、スライドスイッチや、ロータリースイッチなどを使用しても良い。
図4は貯水タンク2と、ブラシ歯3と、ブラシ歯基部4との接続部分の垂直断面の一部を拡大した図である。ブラシ歯基部4は、内部が中空状(以後、ブラシ歯基部中空部4aと呼ぶ)になっており、貯水タンク2が配設される面である貯水タンク面4cには、貯水タンク2とブラシ歯基部中空部4aとを連通する連通孔4dが設けられている。また、ブラシ歯3は、一端がブラシ歯基部中空部4aの内部に突出するようにブラシ歯面4b側に植設されている。ブラシ歯3は、内部が中空状(以後、ブラシ歯中空部3aと呼ぶ)になっており、対象物をブラッシングする部分には、ブラシ歯中空部3aとブラシ歯の表面とを連通する吐出孔である銀イオン水吐出孔3bが複数設けられている。また、ブラシ歯基部中空部4aに突出した部分には、ブラシ歯中空部3aとブラシ歯基部中空部4aとを連通する第1連通孔3cが複数設けられている。なお、銀イオン水吐出孔3bの大きさは、実験により、適切な大きさを用いればよい。また、銀イオン水吐出孔3b、第1連通孔3cの数は、複数でなく1つずつであってもよい。
続いて使用方法及び制御部9の動作について説明する。まず、ブラシ歯キャップ15をブラシ歯3に被せておき、銀イオン水吐出孔3bから銀イオン水が漏れないようにしておく。続いて、給水口7から貯水タンク2内に銀電極8a、8bが浸かり、かつ既定の水量まで水(例えば、水道水)を入れ、給水口7を図示しないキャップ等で水が漏れないように栓をする。次にプッシュスイッチ11をONすると、電池10から制御部9に電力が供給される。制御部9にはマイコン(図示せず)があり、マイコンにより、銀電極8a、8bへの電圧の印加及び電流の供給の制御が行われる。銀電極8a、8bが水中に浸かった状態で、制御部9により銀電極8a、8b間に電圧が印加され電流が流れると、陽極側の銀電極において、Ag→Ag++e-の反応が起こり、水中に銀イオン(Ag+)が溶出する。銀イオン(Ag+)が溶出しつづければ陽極側の銀電極は減耗していく。銀電極8aまたは8bから溶出する銀イオンは、優れた殺菌効果及び防カビ効果を発揮する。なお、ここでいう抗菌・殺菌とは、菌を殺菌・抗菌することだけでなく、ウイルスを不活化することも含む。また、銀イオンによりウイルスが不活化されることは、「銀イオン水 L.A.クリスキー著 新日本鋳鍛造協会(出版会) 1993年」に記載されている。
他方陰極側の銀電極では、H++e-→1/2H2の反応が生じ、水素が発生するとともに、水中に含まれるカルシウムなどが炭酸カルシウムなどのカルシウム化合物のスケールとして銀電極の表面に析出する。
また電極の成分金属である銀の塩化物及び硫化物が表面に発生する。従って、使用が長期にわたると、炭酸カルシウムや塩化物や硫化物などのスケールが電極表面に厚く堆積し、金属イオンである銀イオンの溶出を妨げる。このため、銀イオンの溶出量が不安定になったり、電極の減耗が不均一になったりする。そこで、制御部9は、銀電極8a、8b間の印加電圧の極性反転を一定周期T毎(例えばT=0.1秒毎)に行うことにより、銀電極8a、8bへのスケールの付着および、一方の銀電極のみが消耗してしまうことを防いでいる。
図5は上述した銀電極8a、8b間の印加電圧の極性反転を行う極性反転回路の回路図である。極性反転回路は図5(A)に示すように、制御部9内に設けられており、4つのNPNトランジスタから構成されている。なお、TrAはトランジスタ9a、TrBはトランジスタ9b、TrCはトランジスタ9c、TrDはトランジスタ9dに対応している。各トランジスタのベースはマイコン(図示せず)に接続されており、マイコンにより各トランジスタのON、OFFが制御される。トランジスタ9aとトランジスタ9bのコレクタは、それぞれ電池10のプラス極側に接続され、トランジスタ9cとトランジスタ9dのコレクタは、それぞれ電池10のマイナス極側に接続されている。また、トランジスタ9aとトランジスタ9dのエミッタは、それぞれ銀電極8aに接続され、トランジスタ9bとトランジスタ9cのエミッタは、それぞれ銀電極8bに接続されている。
図5(B)は各トランジスタのベースへの印加電圧の状態を示すタイミングチャートである。ベースへの印加電圧がH(High)となるとトランジスタはON、ベースの印加電圧がL(Low)となるとトランジスタはOFFとなる。なお、本実施例においては、High=5V、Low=0Vである。例えば、トランジスタ9aのベースがH、トランジスタ9bのベースがL、トランジスタ9cのベースがH、トランジスタ9dのベースがLである場合、銀電極8aが陽極となり、銀電極8bが陰極となる。また、トランジスタ9aのベースがL、トランジスタ9bのベースがH、トランジスタ9cのベースがL、トランジスタ9dのベースがHである場合、銀電極8aが陰極となり、銀電極8bが陽極となる。
このように、上記トランジスタ9a、トランジスタ9b、トランジスタ9c、トランジスタ9dのベースへの印加電圧を変化させて、トランジスタ9aからトランジスタ9dのON、OFFを一定周期T毎に変化させることで銀電極8a、8bの極性反転を行うことができる。
なお、金属電極としては、銀電極以外にも、抗菌性を有する金属イオンを溶出可能な金属であれば良く、具体的には、銅、銀と銅との合金、亜鉛などが選択可能である。銀電極から溶出する銀イオン、銅電極から溶出する銅イオン、または亜鉛電極から溶出する亜鉛イオンは、優れた殺菌効果及び防カビ効果を発揮する。銀と銅との合金からは銀イオンと銅イオンとを同時に溶出させることができる。また、陽極が金属イオンを溶出する電極で、陰極が金属イオンを溶出しない電極であっても良い。電極形態が2枚以上(複数)の電極から構成される場合は、すべて同じ材質の金属電極であっても良いし、いずれかが金属電極で、他の電極が非金属電極(例えば、チタン、メッキの電極、炭素電極、導電性プラスチックなど)であっても良い。さらには、イオン化しにくい金属電極(例えば、貴金属である白金、金など)であってもよい。あるいは、材質の異なる複数の金属電極(例えば、銀電極と銅電極など)から構成されていても良い。
銀イオンの溶出は、電流値を一定として、電圧の印加時間を調節するいわゆる定電流制御により行う。例えば、貯水タンク2の容量が100cm3(100cc、100ml)あり、既定の水量が100cm3(100cc、100ml)である場合、100cm3の水を貯水タンク2に供給し、その水に約29mAの電流を銀電極8a、8b間に約0.3秒間流すことで約90ppbの銀イオン水を得ることができる。また、銀イオンの溶出量は電気量(C)=一定電流値(A)×時間(sec)に比例するので、電流値が一定であれば、電圧の印加時間を調節することで、所望濃度の銀イオン水を得ることができる。このように、銀電極8a、8bに一定電流を所定時間流すことで水量に応じた所望の銀イオン濃度を得ることができる。なお、様々な濃度の銀イオン水を得ることができるように、電流値と時間の組合せを、実験により予め求めておくことが好ましい。なお、貯水タンク2の容量や、既定の水量は100cm3(100cc、100ml)に限らない。
マイコンは所定時間(本実施例では約0.3秒)が経過すると銀電極8a、8bへの電圧の印加を終了させる。すなわち、トランジスタ9a、トランジスタ9b、トランジスタ9c、トランジスタ9dのベースの印加電圧をL(Low)にする。こうして、銀イオンの溶出を終了させ、抗菌性をもつ銀イオン水の生成を終了する。ブラシ歯キャップ15を取り外すと、貯水タンク2内の銀イオン水は、貯水タンク2から連通孔4dを通ってブラシ歯基部中空部4aに流れ込み、ブラシ歯基部中空部4aから第1連通孔3cを通ってブラシ歯中空部3aへと流れ、ブラシ歯中空部3aから銀イオン水吐出孔3bからブラシ歯3の表面に吐出される。
この状態で対象物のブラッシングを行うと、ブラッシングと同時に銀イオン水が対象物に付与され、対象物の殺菌・抗菌が行われることになる。例えば、人や動物から排出される汗や分泌物を皮膚に存在する常在菌が分解することにより、汗臭さなどの匂いが発生するが、ブラッシング(または髪や毛を梳くこと)により、髪や毛、皮膚に銀イオンを付着させ、この銀イオンにより細菌を殺菌し、繁殖を抑える抗菌性を付与することができる。なお、銀は、金属アレルギーが起こりにくいといわれており、肌荒れの原因に成り易い物質を使用することなく、銀イオンにより対象物の殺菌・抗菌を行うことができる。このように、本発明のブラシは、例えば、ヘアブラシやペット用ブラシとして使用することができる。
なお、ユーザーの必要に応じた銀イオン水濃度(金属イオン濃度)を得ることができるように、濃度設定ボタンなどを設けてもよい。例えば、100cm3(100cc)の水に一定電流を所定時間流して所望の銀イオン濃度を得たい場合、90ppbのボタンを押すと0.3秒間電流が流れ、180ppbのボタンを押すと0.6秒間電流が流れるというように複数のボタンにて所望の銀イオン濃度が設定できるようにしておけばよい。
あるいはまた、100cm3(100cc)の水に所定電流を一定時間流して所望の銀イオン濃度を得たい場合、90ppbのボタンを押すと約29mAの電流が0.3秒間流れ、180ppbのボタンを押すと約58mAの電流が0.3秒間流れるというように複数のボタンにて所望の銀イオン濃度が設定できるようにしておけばよい。
あるいはまた、ジョグタイヤルなどを用いて、リニア(所定範囲内で自由に)に銀イオン濃度を設定できるようにしてもよい。
あるいはまた、電流を流す時間は一定にして貯水タンク2に供給する水量を調節することにより、銀イオン水濃度の調整を行ってもよい。貯水タンク2には目盛りを表記しておくのが好ましい。例えば、電流が約29mA、時間が約0.3秒と固定されている場合、100cm3(100cc)の水を90ppbにしようとすると電極間に電流を0.3秒流せばよく、濃度2倍の180ppbの銀イオン水が欲しい場合は、水量を2分の1の50cm3(50cc)にして、電極間に電流を0.3秒流せばよい。
このように、より強力な殺菌・抗菌が必要な場合に、銀イオン水の濃度制御を自在に設定できるようにすることによりニーズに応じた濃度の金属イオン水をユーザーに提供することができる。
蓋5は、貯水タンク内を清掃するときや水を入れるときなどに取り外して使用すればよい。
また、蓋5は、柔軟性のある材料(例えば、硬質ゴム、柔軟性のある合成樹脂)から製作してもよい。その場合、貯水タンク2と蓋5を密着するように設置して貯水タンク2内の気密性を高くする。このようにすれば、蓋5を押圧すると、貯水タンク2に圧がかかるので、ブラシ歯3に設けられている銀イオン水吐出孔3bからの銀イオン水の吐出量を、蓋5を押圧しない場合に比べて増やすことが可能になる。
また、蓋5で閉じられていた給水タンク2の開口部をなくしてもよい。この場合、貯水タンク2に直接給水口7を設けるようにすればよく、蓋5がいらなくなるため、コストダウンにつながる。また、蓋5を紛失してしまった場合に、ブラシ1の開口部を塞ぐことができず水漏れなどの問題が生じるためにブラシ1が使用不能になるといった事態を防ぐことができる。
また、本実施例では、電源として電池を利用しているが、商用電源から電源コードを通じて電源を供給する構成であっても良い。また、電池と商用電源のどちらからでも電源を供給できる構成であっても良い。
なお、本発明においては、水に金属イオンを付与して金属イオン水を生成し、生成される金属イオン水中の金属イオン濃度(銀イオン水中の銀イオン濃度)も非常に低濃度であるため、敏感肌の使用者にも使用可能である。
図6は、本発明の第2の実施の形態に係るブラシ1の概略垂直断面図である。第2の実施の形態において、前述の実施例について説明した構成部分と同じ部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
図6(A)はブラシ1の概略垂直断面図、図6(B)は第6の実施の形態に係るブラシ1のブラシ歯3とブラシ歯基部4周辺の概略垂直断面の拡大図である。ブラシ歯基部4に中空部が設けられておらず、ブラシ歯3の一端が貯水タンク2内に突出している。なお、本実施例においては、ブラシ歯キャップ15は図示していない。ブラシ歯3の貯水タンク2内に突出している部分には、ブラシ歯中空部3aと貯水タンク2内とを連通する第1連通孔3cが複数設けられている。また、対象物をブラッシングする部分には、ブラシ歯中空部3aとブラシ歯の表面とを連通する吐出孔である銀イオン水吐出孔3bが複数設けられている。なお、銀イオン水吐出孔3b、第1連通孔3cの大きさは、実験により、適切な大きさを用いればよい。また、銀イオン水吐出孔3b、第1連通孔3cの数は、複数でなく1つずつであってもよい。
本実施例においては、ブラシ歯基部4の構成が第1の実施例より簡単であるため、製造工程が容易になるという利点がある。
図7は、本発明の第3の実施の形態に係るブラシ1の概略垂直断面図である。第3の実施の形態において、前述の他の実施例について説明した構成部分と同じ部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施例においては、貯水タンク面4cに、貯水タンク2とブラシ歯基部中空部4aとを連通する連通孔4dがひとつ設けられている。この連通孔4dを水密に塞ぐように止水弁12が貯水タンク2内に設けられている。止水弁12は、その一端に円錐部12aを有している。この円錐部12aは、ゴムなどの弾力性のある材料から成り、円錐部12aを連通孔4dに挿入することで、連通孔4dを水密に塞ぐことができる。また、連通孔4dを水密に塞ぐ位置が定常位置であり、弾性体である「ばね」(図示しない)により、円錐部12aは貯水タンク面4cに押し付けられている。また、止水弁12の他端は蓋5を介して外部に突出しており、突出した部分を引き上げることで貯水タンク2と連通孔4dが連通し、離すとバネの力により止水弁12は定常位置に戻り、貯水タンク2と連通孔4dは非連通となる。
止水弁12を少しだけ引き上げると連通孔4dと円錐部12aの隙間が少しだけ開き、止水弁12を大きく引き上げると、連通孔4dと円錐部12aとの隙間が大きくなる。これにより、止水弁12は、貯水タンク2から連通孔4dに流れ込む銀イオン水の水量を調節する供給量調整手段の役割を果たすことができる。
図8は、本発明の第4の実施の形態に係るブラシ1の概略垂直断面図である。第4の実施の形態において、前述の他の実施例について説明した構成部分と同じ部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
貯水タンク2とブラシ歯基部中空部4aとを連通する連通孔4dを水密に塞ぐように止水弁13が貯水タンク2内に設けられている。止水弁13は、垂直断面がL字型を成しており、貯水タンク面4cと接する部分である止水部13aには孔13bが設けられている。また、止水弁13の一端はブラシ柄6の内部にてL字状に折れ曲がり、ブラシ柄6の外部に突出する突出部13cを有している。突出部13cはスライド可能となっている。突出部13cをスライドさせることで、止水部13aもスライドするので、孔13bと連通孔4dが連通、非連通を切り替えることができる。突出部13cが「閉側」にあるとき、孔13bと連通孔4dは非連通であり、突出部13cが「開側」にあるとき、孔13bと連通孔4dは連通する。
突出部13cが「開側」にあるときに、孔13bと連通孔4dは完全に連通しているが、突出部13cを、例えば、「開側」と「閉側」の中間地点までしかスライドしていない場合には、孔13bと連通孔4dの一部が連通する仕組みになっている。従って、突出部13cをスライドさせる割合を変化させることで、孔13bと連通孔4dの連通する割合(0%で閉じている。100%で完全に連通している)を変化させることができ、これにより、止水弁13は、貯水タンク2から孔13bを介して連通孔4dに流れ込む銀イオン水の水量を調節する供給量調整手段の役割を果たすことができる。
図9(A)は、本発明の第5の実施の形態に係るブラシ1の概略垂直断面図である。第5の実施の形態において、前述の他の実施例について説明した構成部分と同じ部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施例においては、貯水タンク2とブラシ歯基部中空部4aとを連通する連通孔4dを水密に塞ぐように止水弁14が貯水タンク2内に設けられている。止水弁14は、中心軸Aを中心に回転可能となっている。また、止水弁14は、その一端が蓋5を介して外部に突出しており、突出した部分(以後、握り部14aと呼ぶ)を有している。また、止水弁14の他端には、貯水タンク面4cと接する部分である円盤状の止水部14bを有している。
図9(B)は、止水弁14を握り部14aの方向から止水部14bを見下ろしたときの上面図である。なお、図9(B)には、点線にて貯水タンク2とブラシ歯基部中空部4aとを連通する連通孔4dを複数(本実施例では4つ)示してある。図9(B)に示すように、止水部14bには円盤状の止水部14bの中心から等距離の位置に複数(本実施例では4つ)の孔14cが設けられている。また、連通孔4dも止水部14bの中心から等距離の位置に設けられている。握り部14aを回転させることで、止水部14bも回転する。よって、止水部14bが回転し、孔14cと連通孔4dとが一部でも重なると、孔14cと連通孔4dとが連通する。また、孔14cと連通孔4dとが全く重ならなければ、孔14cと連通孔4dとは非連通である。
従って、止水部14bを回転させることで、孔13bと連通孔4dとが連通する割合(0%で完全に閉じている。100%で完全に連通している)を変化させることができ、これにより、止水弁14は、貯水タンク2から孔13bを介して連通孔4dに流れ込む銀イオン水の水量を調節する供給量調整手段の役割を果たすことができる。
図10は、本発明の第6の実施の形態に係るブラシ1の概略垂直断面図である。第6の実施の形態において、前述の他の実施例について説明した構成部分と同じ部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施例においては、ブラシ歯3とブラシ歯基部4とが一体となっており、ブラシ歯基部4にブラシ歯面4bと貯水タンク面4cとを連通する給水経路として面連通孔4eが設けられており、ブラシ歯基部4に中空部が設けられていない。また、面連通孔4eのブラシ歯面4b側には、目の細かい網16が、ブラシ歯3同士の隙間を埋めるように配設されている。ブラシ歯面4bと貯水タンク面4cとを連通する面連通孔4eを水密に塞ぐように止水弁13が貯水タンク2内に設けられている。止水弁13は、垂直断面がL字型を成しており、貯水タンク面4cと接する部分である止水部13aには孔13bが設けられている。止水弁13の一端はブラシ柄6の内部にてL字状に折れ曲がり、ブラシ柄6の外部に突出する突出部13cを有している。突出部13cはスライド可能となっている。突出部13cをスライドさせることで、止水部13aもスライドするので、孔13bと面連通孔4eの連通、非連通を切り替えることができる。なお、ブラシ歯3をブラシ歯基部4に植設する構造であってもよい。
図11は、止水弁13とブラシ歯基部4が接する部分の拡大図である。図11(A)は、突出部13cが「閉側」にあるときの孔13bと面連通孔4eの状態を示す図であり、図11(A)からわかるように孔13bと面連通孔4eは非連通である。また、図11(B)は突出部13cが「開側」にあるときの孔13bと面連通孔4eの状態を示す図であり、図11(B)からわかるように孔13bと面連通孔4eは連通している。
突出部13cが「開側」にあるときに、孔13bと面連通孔4eは完全に連通しているが、突出部13cを、例えば、「開側」と「閉側」の中間地点までしかスライドしていない場合には、孔13bと面連通孔4eの一部が連通する仕組みになっている。従って、突出部13cをスライドさせる割合を変化させることで、孔13bと面連通孔4eの連通する割合(0%で閉じている。100%で完全に連通している)を変化させることができ、これにより、止水弁13は、貯水タンク2から孔13bを介して面連通孔4eに流れ込む銀イオン水の水量を調節する供給量調整手段の役割を果たすことができる。
網16は、供給された銀イオン水が銀イオン水自身の表面張力により、網の目内に保持されることができる程度の目幅をもった網が好ましい。これにより、面連通孔14eから吐出される銀イオン水を、銀イオン水の表面張力によりその網目に保持することができる。従って、過剰に銀イオン水が滴り落ちることがなくなる。なお、網16は、複数の網を重ね合わせた構造であってもよい。
また、網16に代えて、スポンジを用いても良い。この場合、スポンジはブラシ歯3の根元から1〜2mm程度の厚さがあれば、銀イオン水を保持することが可能である。あるいは、綿などの布を用いてもよい。また、ブラシ歯としてブリッスル束を使用してもよい。この場合、ブリッスル束の毛細管現象によりブラシ歯全体に金属イオン水が行き渡らすことも可能となる。
図12は、本発明の第7の実施の形態に係るブラシ1の概略水平断面図及び概略垂直断面図である。図12(A)が概略水平断面図、図12(B)が概略垂直断面図である。第7の実施の形態において、前述の他の実施例について説明した構成部分と同じ部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施例においては、貯水タンク2とブラシ歯3、ブラシ歯基部4等から構成されるブラシ部1a(図12(A)の点線で囲んだ部分)と、ブラシ柄6とが着脱自在となっている。貯水タンク2には、接続部2aが凹形状に形成されている。銀電極8a、8bは、それぞれその一端が厚みはそのままで幅が細くなる形状を有している。この細くなった部分である一端は接続部2aの凹部に突出している(以後、接続端子2bと呼ぶ)。また、接続部2aの凹部の貯水タンク2側の壁面(凹部を開口部側から見た場合の凹部の底面)には、磁石17aが複数(本実施例では3つ)配設されている。
一方、ブラシ柄6には、接続部6aが凸形状に形成されている。接続部6aの凸部には、差込口6bが2箇所設けられている。差込口6bの大きさは、接続端子2bを差し込んだ際に、接続端子2bと差込口6bの内面とが面接触するように形成されている。差込口6bの内面は導電性の金属で形成されており、制御部9に電気的に接続されている。また、接続部6aの凸部の上面(凸部を突出側から見た場合の突出部の天面)には、複数(本実施例では3つ)の磁石17bが設けられている。なお、磁石17aと磁石17bは互いに異なる極(磁石17aがS極のとき、磁石17bはN極。磁石17aがN極のとき、磁石17bはS極)であり、接続部2aを接続部6aに接続したときに、互いに接触できる位置にそれぞれ設けられている。
ブラシ部1aとブラシ柄6とを接続する場合、接続部2aに接続部6aを差し込む。このとき、磁石17aと磁石17bとの間に働く磁力により、接続部2aと接続部6aが接続される。同時に、接続端子2bが差込口6bに差し込まれるので、接続端子2bと差込口6bの内面とが接触し、銀電極8a、8bと制御部9とが電気的に接続される。このようにして、ブラシ部1aとブラシ柄6が接続した後、プッシュスイッチ11をONすることで、銀電極8a、8bに電圧を印加し電流を流すことが可能となる。
なお、磁石の数は、複数でなく一つでもよい。また、磁石17aと磁石17bのどちらかを磁石に引き付けられる鉄等の金属に代えても構わない。また、接続部2aと接続部6aとの磁石以外の接続方法としては、接続部2aの凹部の内部周囲壁面(凹部を開口部側から見た場合の凹部内の周囲壁面)に突起部又は溝部を設け、一方接続部6aの凸部の周囲壁面(凸部を突出側から見た場合の突出部の周囲壁面)に突起部を設け、互いに係止させてもよい。もちろん、磁石を用いる方法と係止する方法を併用してもよい。
図13は本発明の第8の実施の形態に係るブラシ1の斜視図、図14は、本発明の第8の実施の形態に係るブラシ1の概略垂直断面図、図15は本発明の第8の実施の形態に係る電気的接続を表すブロック図である。第7の実施の形態において、前述の他の実施例について説明した構成部分と同じ部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施例においては、貯水タンク2内の水を加熱する加熱手段であるヒーター18が貯水タンク2内に設けられており、ブラシ柄6にはヒーター18をON、OFFするためのスイッチであるプッシュスイッチ19が設けられている。図14、図15からわかるように、ヒーター18は制御部9に接続されており、プッシュスイッチ19も制御部9に接続されている。プッシュスイッチ19をON、OFFすることで、ヒーター18への通電、非通電が切り替えられる。ヒーター18は、温度を自動制御する機能を持つ棒状ヒーターを使用している。
このような構成とすることで、貯水タンク2内の水の温度を温めることができる。よって、赤ちゃんやペットなどにブラシを使う場合、水温を適温にすることで、冷水によるブラッシングに比べてヒートショックが和らぐ(特に冬場などの気温が低い時)ため、快適で心地よいブラッシングとすることができる。
また、プッシュスイッチ19に代えてスライドスイッチやロータリースイッチを用いても良い。ロータリースイッチを使用する場合、第1段階は制御部9に通電を行うプッシュスイッチ11の役割とし、第2段階はヒーター18に通電するプッシュスイッチ19の役割とする構成にしても良い。
また、ヒーターとして、面状ヒーター20を設置しても良い。図16は、第8の実施の形態に係る貯水タンク2の水平断面図である。図16に示すように、面状ヒーター20は、貯水タンク2の内壁面に沿って設置してやればよい。
図17は本発明の第9の実施の形態に係るブラシ1の概略垂直断面図、図18は本発明の第9の実施の形態に係る電気的接続を表すブロック図である。第9の実施の形態において、前述の他の実施例について説明した構成部分と同じ部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施例においては、ブラシ柄6の内部に送風手段であるファンモータ25、ファン21が設けられている。さらに送風手段で送られてくる空気を暖めるための電熱線22が設けられている。ブラシ柄6にはファンモータ25への通電をON、OFF、及び電熱線22への通電をON、OFFするためのスイッチであるプッシュスイッチ23が設けられている。さらにブラシ柄6には、空気吸入口6cが設けられており、空気吸入口6cには、ゴミやホコリの侵入を防止するためのフィルタ(図示せず)が設けられている。また、ブラシ歯基部中空部4aと、ブラシ柄6の内部とを連通する連通部を開閉する開閉機構24がブラシ歯基部4に回転可能に設けられている。
図17(B)は、第9の実施の形態に係るブラシ1の開閉機構24周辺の垂直断面の拡大図、図17(C)は、図17(B)のC−C線に沿った開閉機構24とその周辺の概略断面図である。開閉機構24は、図17(B)、図17(C)からわかるように、正面形状が円盤状であり、その半円部分には、半円状の貫通部24aが設けられ(図17(C)では開と表示している)、もう一方の半円部は非貫通部24b(図17(C)では閉と表示している)となっている。開閉機構24は、その正面とブラシ柄6の軸心方向とが垂直になるように設置されており、中心軸Bを中心に回転可能となっている。また、円盤の外円の一部は、外部に露出しており、外部から円盤を回転させることが可能である。貫通部24aと非貫通部24bにより、ブラシ歯基部中空部4aとブラシ柄6の内部とを連通させたり、非連通とさせたりすることが可能である。
図18からわかるように、ファンモータ25、電熱線22は制御部9に接続されており、プッシュスイッチ23も制御部9に接続されている。ファンモータ25には、ファン21が設けられており、ファン21はファンモータ25により回転する。ファン21としては、プロペラファン、シロッコファンなどを用いることができる。熱電線22は、ドライヤーに見られるようにニクロム線をコイル状に形成したものである。
続いて、動作について説明する。金属イオン水である銀イオン水をブラシ歯3へ供給して対象物をブラッシングする場合、ブラシ歯基部中空部4aと、ブラシ柄6の内部とが非連通となるように、開閉機構24を回転させて、非貫通部24bを連通部に合わせる。ブラシ柄6の内部に銀イオン水が流入することを防ぐ。続いて、送風機能を使用する場合、ブラシ歯基部中空部4aと、ブラシ柄6の内部を連通するように、開閉機構24を回転させて、貫通部24aを連通部に合わせる。プッシュスイッチ23をONにすると、ファンモータ25に通電され、ファン21が回転することで空気吸入口6cからブラシ柄6の内部に空気が吸入される。また、電熱線22にも通電されるので電熱線22が発熱する。空気吸入口6cから吸入された空気は、電熱線22で暖められて温風となる。温風は開閉機構24の貫通部24aを通り、ブラシ歯基部中空部4aに入り、ブラシ歯3に設けられている第1連通孔3c、ブラシ歯中空部3a、を経て銀イオン水吐出孔3bから吹出される。
このようにすることで、ブラッシングの対象物(例えば、髪の毛やペットの毛等)が銀イオン水(金属イオン水)で濡れても温風により乾燥することが可能となる。また、止水弁12を開けることで、温風を貯水タンク2内に通気し、貯水タンク2を乾燥することもできる。
なお、本実施例では、プッシュスイッチ23をONすると、電熱線22にも通電される構成としたが、例えば、電熱線22への通電をON、OFFするスイッチを別途設けても良い。あるいは、ロータリースイッチにより、第1段階はファンモータ25に通電を行い、電熱線22には通電を行わないで送風のみを行い、第2段階でファンモータ25と電熱線22とに通電して温風になるような構成にしても良い。このようにすることで、温風を送風する場合と、常温の風を送風することを選択することができる。また、電熱線22の代わりに、ヒーターを用いても良い。
また、貯水タンク2とブラシ歯3、ブラシ歯基部4等から構成されるブラシ部と、ブラシ柄6とが着脱自在となっている場合、送風を行う場合には、ブラシ部を取り外し、貯水タンク2を持たない送風用ブラシ部に取り替えるようにしても良い。
図19は本発明の第10の実施の形態に係るブラシ1の概略垂直断面図である。第9の実施の形態において、前述の他の実施例について説明した構成部分と同じ部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
また、電気的な接続は第9の実施の形態と同じであるため説明は省略する。本実施例においては、ブラシ柄6の内部に送付手段であるファンモータ25、ファン21が設けられている。さらに送風手段で送られてくる空気を暖めるための電熱線22が設けられている。ブラシ柄6にはファンモータ25への通電をON、OFF、及び電熱線22への通電をON、OFFするためのスイッチであるプッシュスイッチ23が設けられている。さらにブラシ柄6には、空気吸入口6cが設けられており、空気吸入口6cには、ゴミやホコリの侵入を防止するためのフィルタ(図示せず)が設けられている。また、ブラシ歯基部中空部4aと、ブラシ柄6の内部とは連通されている。また、ブラシ歯面4bには、ブラシ歯基部中空部4aと連通する吹出孔4fが設けられている。
図19(B)は、第10の実施の形態に係るブラシ1のブラシ歯3とブラシ歯基部4周辺の概略垂直断面の拡大図である。ブラシ歯3はその一端がブラシ歯基部中空部4aを貫通し、貯水タンク面4cを経て貯水タンク2内に突出するようになっている。ブラシ歯3は、内部が中空状(ブラシ歯中空部3a)になっており、貯水タンク2内に突出しているブラシ歯には第1連通孔3c、対象物をブラッシングする部分には銀イオン水吐出孔3bが複数設けられているが、ブラシ歯基部中空部4a内に面している部分には孔は設けられていない。よって、ブラシ歯基部中空部4a内に銀イオン水が漏れることはない。
動作について説明する。対象物をブラッシングする際、銀イオン水は貯水タンク2から第1連通孔3c、ブラシ歯中空部3aを経て、銀イオン水吐出孔3bから吐出される。これによって、対象物は、抗菌作用を持つ液体である銀イオン水により殺菌・抗菌される。
続いて、送風手段を使用する場合について説明する。プッシュスイッチ23をONにすると、ファンモータ25に通電され、ファン21が回転することで空気吸入口6cからブラシ柄6の内部に空気が吸入される。また、電熱線22にも通電されるので電熱線22が発熱する。空気吸入口6cから吸入された空気は、電熱線22で暖められて温風となる。温風は、ブラシ柄6の内部からブラシ歯基部中空部4aに侵入し、吹出孔4fから吹出される。
このようにすることで、ブラッシングの対象物(例えば、ペットや赤ちゃんの体)が銀イオン水(金属イオン水)で濡れても温風により乾燥することが可能となる。また、ブラッシングと同時に温風を吹出すようにするという使い方もできる。
なお、本実施例では、プッシュスイッチ23をONすると、電熱線22にも通電される構成としたが、例えば、電熱線22への通電をON、OFFするスイッチを別途設けても良い。あるいは、ロータリースイッチにより、第1段階はファンモータ25に通電を行い、電熱線22には通電を行わないで送風のみを行い、第2段階でファンモータ25と電熱線22とに通電して温風になるような構成にしても良い。このようにすることで、温風を送風する場合と、常温の風を送風することを選択することができる。また、電熱線22の代わりに、ヒーターを用いても良い。
また、貯水タンク2とブラシ歯3、ブラシ歯基部4等から構成されるブラシ部と、ブラシ柄6とが着脱自在となっている場合、送風を行う場合には、ブラシ部を取り外し、貯水タンク2を持たない送風用ブラシ部に取り替えるようにしても良い。
図20は本発明の第11の実施の形態に係るブラシ1の斜視図である。第11の実施の形態において、前述の他の実施例について説明した構成部分と同じ部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施例では、銀電極8a、8bに代えて、金属イオンである銀イオンを溶出するカートリッジ50を給水タンク2内に着脱可能に設けられている。カートリッジ50は、給水タンク2内で動かないように係止できるようになっている。カートリッジ50は、銀イオンを溶出する物質(金属イオン溶出物質)をカートリッジ50内に収めており、銀イオンの溶出量が減ったときはカートリッジ50ごと交換できるようになっている。金属イオン溶出物質としては、金属イオンを担持しているゼオライト、シリカゲル、ガラス、リン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、ケイ酸塩、酸化チタン、ウィスカー、セラミックスなど、またはこれらの物質を含む樹脂や繊維などであるが、液体に浸漬することにより金属イオンが液体へと徐放または溶解できる構造を持つ物質であれば何でもよい。
この構成にすれば、金属イオンを溶出するために、金属電極を電気分解するための電気的制御が必要ではなくなるため、部品点数が減りコスト削減が図れる。金属電極を電気分解するための制御部9、電池10、スイッチ11などが必要なくなるので、その分重量が軽減でき、ユーザーの使い勝手が向上する。さらに、電気的制御がないので、電気的故障の可能性がなく、信頼性が向上する。
また、このカートリッジ50に収められている金属イオン溶出物質には数年近く寿命があるものも存在する。従って一度セットすれば、かなり長い間使用することができるので、たいていの場所にある水を貯水タンク2に供給するだけで良く、ユーザーはトリートメントやグルーミングに必要な処理剤を購入する回数を減らすことができる。
もちろん、本実施例においても、前述した他の実施例にあるように、貯水タンク2内の水を温めるためのヒーターを取り付けても構わないし、送風手段を設けて乾燥可能としても良い。
図21は本発明の第12の実施の形態に係るブラシ1の概略垂直断面図である。第11の実施の形態において、前述の他の実施例について説明した構成部分と同じ部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施例では、ブラシ歯3の間に絡まった毛を取り除くための毛回収板60がブラシ歯3の根元に設けられている。毛回収板60には、ブラシ歯3の一本一本が個別に通る穴60aが設けられており、ブラシ歯3の根元から先端までスライド可能となっている。ブラシ歯3の先端は球状で、ブラシ歯3の他の部分よりも太くなっており、毛回収板60が抜け落ちないようになっている。毛回収板60は通常はブラシ歯3の根元に固定されている。固定方法としては、ブラシ歯3の根元付近の太さを毛回収板60に設けられている穴60aとほぼ同じ大きさにすることで、ブラシ歯3と毛回収板との摩擦力により固定してある。他の固定方法としては、ブラシ歯3に突起部を設け、毛回収板60を係止させる方法や、ブラシ歯基部4に係止する方法や、ブラシ歯面4bと毛回収板60とに磁石、あるいは磁石と鉄板を取り付けて固定する方法や、スナップフィットなどを用いても良い。
このような構成にすることで、ブラシ歯3に毛が絡まっている場合に、毛回収板60をブラシ歯3の根元から先端までスライドさせ、絡まった毛をブラシ歯3の先端まで移動させることができ、絡まった毛を簡単に除去することができる。また、毛がブラシ歯3に絡まっている場合、金属イオン水である銀イオン水の吐出を妨げる可能性があるが、毛回収板60を使って毛を簡単に取り除くことができるので、その可能性を低減することができる。
なお、本実施例において、毛回収板60は、ブラシ歯3の先端を球状にすることで抜け落ちないようになっているが、ブラシ歯3の先端を球状にせずに、毛回収板60を抜け落ちるようにしておいても良い。
なお、以上の実施例のブラシは、人間や動物などに使用すること(例えば、ヘアブラシやペット用ブラシ)を前提に説明を行ってきたが、無生物である例えば、絨毯、衣類のファーの手入れに使用する抗菌手入れ用ブラシに用いることも可能である。また、ブラシだけでなく、櫛に応用することもできる。
以上の実施の形態は一例に過ぎず、ブラシの具体的な構成、金属電極(銀電極)の具体的な形状や構成、取り付け位置などについても、すべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものである。