JP2006261735A - バスレフ型スピーカ - Google Patents

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祥司 田中
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Abstract

【課題】大音圧低音再生時にもバスレフポートからノイズを発生させることなく、キャビネット内部の不要音の放射を低減した、かつ量産性にも優れたバスレフ型スピーカを提供することを目的とする。
【解決手段】スタンド4とキャビネットの下側面2aとでバスレフポートの開口部3aから放射される低音を外部に導く音道5を構成し、レゾネータの開口部3cをバスレフポートの開口部3aよりも外側に且つ音道5の範囲内に配置した。
【選択図】図1

Description

本発明は小型ステレオシステムや単品コンポーネントなどに用いられる、バスレフ型スピーカに関するものである。
近年、小型ステレオシステムや単品コンポーネットなどに用いられるスピーカは、小型化かつハイパワー化が進んでいる。また一方でDVDオーディオなどの高品位ソースに対応するために、高音質化も取り組まれている。このためこれらのスピーカは高音質を確保しながら、小型キャビネットの中で大音圧の低音再生を実現することが望まれている。
小型キャビネットで効率よく低音再生を行うためには、バスレフ型スピーカが適しており広く使われてきている。しかしバスレフポートの開口部から、キャビネット内部で発生する不要な中高音域の定在波などが放射されて、中高音域の音質を劣化させるという問題のあることが知られている。
この問題を解決するために、例えば特許文献1や特許文献2に記載されているようなバスレフ型スピーカが提案されている。図15は特許文献1に記載された従来のバスレフ型スピーカの構造断面図である。図15において、スピーカユニット41がバスレフ型のキャビネット42に取り付けられている。そしてバスレフポート43にレゾネータ46が結合されている。レゾネータ46はキャビティ部46a、ネック部46bから構成され、レゾネータの開口部46cがバスレフポート43の中に開いている。
レゾネータ46の共鳴周波数をキャビネット42の内部で発生する不要な定在波の周波数に設定することにより、その定在波がレゾネータ46で吸収され、バスレフポートの開口部43aから不要音が放射されることを低減できる。前記特許文献2ではレゾネータを吸音材で構成して不要音の低減効果を高めているが、レゾネータで不要な音を吸収するという点については同じ原理である。
特開昭61−20490号公報(553頁、第2図) 実開平4−110087号公報(238頁、図1)
しかしながら特許文献1や特許文献2に開示の従来のバスレフ型スピーカでは、大音圧の低音再生を行った時にレゾネータの開口部46cでノイズが発生するという問題があった。つまり大音圧低音再生時にはバスレフポート43の中を動く空気の速度が非常に大きくなるので、バスレフポート43の中に開いているレゾネータの開口部46cのところで空気流が乱れて、バスレフポート43がノイズを発生するわけである。
大音圧低音再生に対応するために、バスレフポートの内面を連続した滑らかな形状にしてノイズ発生を抑えることが一般的に行われている。バスレフポートの中に不連続部分を持つ上記従来のバスレフ型スピーカが大音圧低音再生に適さないことは、このことからも容易に類推できる。
また特許文献1や特許文献2に開示の従来のバスレフ型スピーカでは、レゾネータ46をキャビネット42の内部でバスレフポート43に結合するように組み立てなければならないので、組み立てが難しく量産性に乏しいという問題もあった。
本発明はこのような従来の課題を解決し、大音圧低音再生時にもバスレフポートからノイズを発生させることなくキャビネット内部の不要音の放射を低減した、かつ量産性にも優れたバスレフ型スピーカを提供することを目的とする。
本発明のバスレフ型スピーカは、スピーカユニットと、前記スピーカユニットを取り付けるキャビネットと、前記キャビネットの下側面に取り付けられたバスレフポートと、前記キャビネットの下方に取り付けられたスタンドと、レゾネータを備え、前記スタンドと前記キャビネットの下側面とで前記バスレフポートの開口部から放射される低音を外部に導く音道を構成し、前記レゾネータの開口部を前記バスレフポートの開口部よりも外側に且つ前記音道の範囲内に配置したものである。
本発明のバスレフ型スピーカは、レゾネータの開口部をバスレフポートの開口部よりも外側に配置したため、バスレフポートの中に不連続な部分を持たず、大音圧低音再生時にもバスレフポートからノイズが発生しないという効果がある。そしてレゾネータの開口部を、バスレフポートの開口部から放射される低音を外部に導く音道の範囲内に配置したため、レゾネータの吸収作用が高く、キャビネット内部の定在波などの不要音の放射を低減できるという効果がある。
またレゾネータをキャビネットの内部でバスレフポートに結合する必要がなく、レゾネータとバスレフポートの両方をキャビネットの外側から取り付けることができるので、組み立てが容易であり量産性に優れるという効果もある。
本発明のバスレフ型スピーカは、スピーカユニットと、前記スピーカユニットを取り付けるキャビネットと、前記キャビネットの下側面に取り付けられたバスレフポートと、前記キャビネットの下方に取り付けられたスタンドと、レゾネータを備え、前記スタンドと前記キャビネットの下側面とで前記バスレフポートの開口部から放射される低音を外部に導く音道を構成し、前記レゾネータの開口部を前記バスレフポートの開口部よりも外側に且つ前記音道の範囲内に配置したので、バスレフポートの中に不連続な部分を持たず大音圧低音再生時にもバスレフポートからノイズが発生しない。そしてレゾネータの開口部を音道の範囲内に配置したためレゾネータの吸収作用が高く、キャビネット内部の定在波などの不要音の放射を低減できる。
またレゾネータをキャビネットの内部でバスレフポートに結合する必要がないので、組み立てが容易であり量産性にも優れる。
またレゾネータの一部をスタンドで一体的に構成し、キャビネットの下側面とでレゾネータを構成することにより、レゾネータを別ピースで構成する必要がなくなるので、一層量産性が向上し且つコストダウンも図れる。また前面側の音道の開口面積を絞ることにより、キャビネット内部の中高音域の不要音の放射をなお一層低減することができる。
以下に本発明のバスレフ型スピーカの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるバスレフ型スピーカの構造断面図、図2は同バスレフ型スピーカのスタンドの斜視図である。図1において、1はスピーカユニット、2はバスレフ型のキャビネットであり、スピーカユニット1が取り付けられている。3はバスレフポートであり、キャビネットの下面部2aに取り付けられている。4はスタンドであり、キャビネットの下面部2aの下方に取り付けられている。そしてスタンド4とキャビネットの下面部2aとでバスレフポートの開口部3aから放射される低音を外部に導く音道5を構成している。図2に示すように、音道5はポートの開口部3aの全周囲方向に形成されている。
6はレゾネータであり、キャビティ部6aとネック部6bで構成され、キャビネット2に取り付けられている。そしてレゾネータの開口部6cがバスレフポートの開口部3aよりも外側に且つ音道5の範囲内に配置されている。
次にこのバスレフ型スピーカの構成部品について具体的に説明する。スピーカユニット1は口径10cmのコーン型ウーハである。キャビネット2は板厚が約10mmの木製で、外形寸法は幅が約15cm、高さが約23cm、奥行きが約21cmであり、内容積は約5リットルである。バスレフポート3は樹脂製であり内径が約4cm、全長が約12cmである。バスレフポートの開口部3aの直径は約7cmである。スタンド4は樹脂製であり、幅は約14cm、奥行きは約18cmである。音道5の高さは約8mmである。
レゾネータ6は樹脂製であり、キャビティ部6aの内容積は約3.5cc、ネック部6bの内径は約7mm、長さは約5mmである。レゾネータの開口部6cはバスレフポートの開口部3aよりも約1.5cm外側の位置にある。つまりバスレフポート3の中心から約5cmの位置にある。レゾネータ6の共鳴周波数は約1.7kHzである。
以上のように構成したことにより本実施の形態1のバスレフ型スピーカは、レゾネータの開口部6cをバスレフポートの開口部3aよりも外側に配置したため、バスレフポート3の中に不連続な部分を持たず、大音圧低音再生時にもバスレフポート3からノイズが発生しない。そしてレゾネータの開口部6cを、音道4の範囲内に配置したため、レゾネータ6の吸収作用が高くキャビネット内部の不要な定在波などの放射を低減できる。
またレゾネータ6をキャビネット2の内部でバスレフポート3に結合する必要がなく、レゾネータ6とバスレフポート3の両方をキャビネット2の外側から取り付けることができるので、組み立てが容易であり量産性に優れる。
レゾネータ6によるキャビネット2内部の不要な定在波の低減効果を図6に示す。図6は本実施の形態1におけるバスレフ型スピーカの音圧周波数特性図であり、音道5の出口(図2の左右両端側)の直近にマイクロホンを置いて、バスレフポートの開口部3aから外部へ放射される音の周波数特性を測定したものである。図中の点線Bの特性カーブはレゾネータ6が無い場合、実線Aの特性カーブはレゾネータ6が有る場合である。
Bの特性カーブから分かるように、1.7kHz付近にキャビネット内部の定在波による大きなピークがある。そしてAの特性カーブから分かるように、バスレフポートの開口部3aから放射されていた1.7kHz付近の不要な定在波が、レゾネータ6の吸収作用により大幅に低減されている。
以下に、本発明のバスレフ型スピーカのレゾネータによる吸収作用、原理について、図7乃至図14を参照しながら詳しく説明する。図7、図9、図10は従来の実験用のバスレフ型スピーカの構造断面図であり、これらを用いて本発明のバスレフ型スピーカのレゾネータの吸収作用について実験、解析した。
図7において、スピーカユニット31、キャビネット32、バスレフポート33、バスレフポートの開口部33aとも実施の形態1で説明したのと同じ仕様であるが、バスレフポート33はキャビネット32の前面に取り付けられている。
図8は、図7の従来の実験用のバスレフ型スピーカの音圧周波数特性図であり、図中の実線Cの特性カーブはバスレフポートの開口部33aの前面近接での音圧周波数特性、点線Dの特性カーブはスピーカユニット31の前面近接での音圧周波数特性である。Dの特性カーブから、キャビネット32の内部の1.7kHz付近の定在波が、バスレフポートの開口部33aから高いレベルで放射されていることが分かる。
図9は、図7で説明した実験用のバスレフ型スピーカのバスレフポート33の中に、且つバスレフポートの開口部33aの付近にレゾネータの開口部36cを配置したものである。この場合は大音圧低音再生時にバスレフポート33からノイズが発生するが、レゾネータの吸収作用の実験のためなのでこれは度外視した。図10は、図7で説明した実験用のバスレフ型スピーカのバスレフポートの開口部33aの外側にレゾネータの開口部36aを配置したものである。図9、図10ともレゾネータ36は樹脂製であり、キャビティ部36aの内容積は約2cc、ネック部6bの内径は約4.5mm、長さは約4mm、共鳴周波数は約1.7kHzである。
図11は従来の実験用のバスレフ型スピーカの音圧周波数特性図であり、図中の点線Eの特性カーブは図7の実験用のバスレフ型スピーカの、図中の細実線Fの特性カーブは図9の実験用のバスレフ型スピーカの、図中の太実線Gの特性カーブは図10の実験用のバスレフ型スピーカの、各々のバスレフポートの開口部33aの前面近接での音圧周波数特性である。図11に示すように、レゾネータの開口部36cをバスレフポート33の中に且つ開口部33aの付近に配置した時は1.7kHz付近の定在波が大幅に吸収されるが、レゾネータの開口部36cをバスレフポートの開口部33aの外側に配置した時は殆ど吸収されないことが分かった。
この原理について、図12、図13、図14を参照しながら説明する。図12はレゾネータのない図7の実験用のバスレフ型スピーカの、図13は図9の実験用のバスレフ型スピーカの、図14は図10の実験用のバスレフ型スピーカの、バスレフポートの中高域における動作を表す等価回路図である。
各図に共通の回路記号について説明する。Pはキャビネット32の内部のバスレフポート33の入り口に加わる定在波の音圧である。△Mpと△Cpはバスレフポート33の中高域における分布定数系表現である。Vpはバスレフポート33の中の且つ開口部33a付近の空気粒子速度である。Vaはバスレフポートの開口部33aよりも外側の外部自由空間の空気粒子速度である。
Sp:Saのトランスは、バスレフポート33の断面の中の音響インピーダンスから外部の自由空間の音響インピーダンスへの変成を表している。なお音響理論上で公知であるように、Sp側つまりバスレフポートの開口部33a付近では音波がバスレフポート33の小さな断面積の中を平面波状に進行するので、音響インピーダンス(特性インピーダンス密度とも呼ばれる)が高い。一方、Sa側つまり外部の自由空間では音波は球面波状に急激に拡散するので、音響インピーダンス(特性インピーダンス密度とも呼ばれる)が著しく低い。Raは外部の自由空間での音響放射抵抗である。Paは外部の自由空間に生じる音圧である。
図13、図14の回路記号について説明する。Mrはレゾネータのネック部36bの音響等価質量である。Crはレゾネータのキャビティ部36aの音響等価コンプライアンスである。Rrはレゾネータのネック部36bの音響等価抵抗である。Vpr、Varはレゾネータの開口部36cにおける空気粒子速度である。Vp1は、バスレフポートの中の且つ開口部33a付近におけるレゾネータの開口部36c手前の空気粒子速度である。Vp2はバスレフポート33の中の且つ開口部33a付近における、レゾネータの開口部36cを通過後の空気粒子速度である。Va1は外部の自由空間におけるレゾネータの開口部36c手前の空気粒子速度である。Va2は外部の自由空間におけるレゾネータの開口部36cを通過後の空気粒子速度である。
ここで図13と図14を比較することにより、レゾネータの開口部36cをバスレフポート33の中に且つバスレフポート開口部33aの付近に配置した場合と、バスレフポートの開口部33aの外側に配置した場合とで、定在波の吸収効果が大幅に違う理由が明らかになる。
図13において、トランスの1次側つまりSp側はインピーダンスが高いので電圧(音圧)が高く、レゾネータの共鳴周波数を定在波の周波数に一致させることにより、レゾネータの回路Mr、Cr、Rrには大きな電流(粒子速度)Vprが流れる。つまりトランス1次側はレゾネータ回路とインピーダンスマッチングが取れているので、レゾネータ回路が有効に働くのである。これによりVp1からVprが吸収されてVp2は大幅に減じられ、定在波の放射が低減されることになる。なお言うまでもなくレゾネータの共鳴周波数:fは、f=1/{2π・(Mr・Cr)^1/2} である。
ところが図14においては、トランスの2次側つまりSa側はインピーダンスが低いので電圧(音圧)が低く、レゾネータの共鳴周波数を定在波の周波数に一致させても、レゾネータの回路Mr、Cr、Rrに流れる電流(粒子速度)Varは非常に小さなものにしかならない。つまりトランス2次側ではレゾネータ回路とインピーダンスマッチングが取れないので(トランス2次側のインピーダンスがレゾネータ回路のインピーダンスに比べて低すぎる)、レゾネータ回路が殆ど働かないのである。このためVa2はVa1と殆ど変わらず、定在波が放射されてしまう。
ここで、上記の原理に基づきながら本発明の作用、効果を説明する。図1、図2に示すように実施の形態1はキャビネットの下面部2aとスタンド4とで音道5を構成したので、バスレフポートの開口部3aから放射された定在波は外部の自由空間に放射される前に、有限な断面積をもつ音道5の中を通過することになる。このため音道5の範囲内では音響インピーダンスが高く保たれるので、レゾネータ6とインピーダンスマッチングが取れてレゾネータ6の定在波吸収効果を高くすることができるわけである。
ところで本実施の形態1においては、レゾネータの開口部6cの位置での音道5の断面積(バスレフポート3を中心とした半径5cm、高さ8mmの円柱の周面積)は約25cm^2、バスレフポート3の断面積は約13cm^2である。つまりレゾネータの開口部6cの位置での音響インピーダンスは、バスレフポート3の中の音響インピーダンスよりもある程度低くなる。
これに対してはレゾネータ6の音響インピーダンスを低く設計することにより、レゾネータ6の音響インピーダンスと音道5の音響インピーダンスとのマッチングを向上させることができる。具体的には共鳴周波数を同じにしながら、レゾネータキャビティ部6aを大きく、そしてレゾネータネック部6bを太くまたは短く設計すればよい。実施の形態1のレゾネータのキャビティ部6aが、図9で説明したレゾネータのキャビティ部36aよりも大きく、実施の形態1のレゾネータのネック部6bが、図9で説明したレゾネータのネック部36bよりも太く設計されているのは、この理由である。
従って以上説明したように本実施の形態1によれば、レゾネータの開口部6cをバスレフポートの開口部3aよりも外側に配置したため、バスレフポート3の中に不連続な部分を持たず、大音圧低音再生時にもバスレフポート3からノイズが発生しない。そしてレゾネータの開口部6cを音道5の範囲内に配置したため、音響インピーダンスのマッチングが取れるのでレゾネータ6の吸収作用が高く、キャビネット2の内部の不要な定在波などの放射を低減できる。またレゾネータ6をキャビネット2の内部でバスレフポート3に結合する必要がなく、レゾネータ6とバスレフポート3の両方をキャビネット2の外側から取り付けることができるので、組み立てが容易であり量産性に優れる。
また本実施の形態1のバスレフ型スピーカは、バスレフポートの開口部3aからの低音がキャビネットの下側面2aから放射されるので、スピーカを設置する床や机の反射を利用して豊かな低音再生ができるというメリットもある。またバスレフポートを背面に取り付けた近年のバスレフ型スピーカと違って、スピーカを設置する場所の後ろ側の壁面などの影響を受けにくいので、置き場所による低音の音質の差が小さいというメリットもある。
なお本実施の形態1ではレゾネータ6をキャビネットの下側面2aの前面側に配置したが、キャビネットの下側面2aの後ろ側や左右側などその他の場所に配置してもよい。ただし前面側に配置する方が、定在波などの中高域の不要音の低減効果がより高くなる傾向があった。また本実施の形態1ではレゾネータ6が1個であったが、レゾネータ6を複数個配置してもよい。さらに複数個のレゾネータの共鳴周波数をあえてずらして設計することもできる。このように構成すると複数の周波数の定在波などの不要音を低減することができる。
また本実施の形態1ではレゾネータの開口部6cを音道5の上側に開けたが、音道5の範囲内であれば他の位置に配置してもよい。例えば音道5の横側や後ろ側に配置してもよいし、さらにはレゾネータの開口部6cがバスレフポートの開口部3aに対面するようにしてレゾネータ6をバスレフポート3の真下に配置することも可能である。ただし後者の場合には、バスレフポートの開口部3aから放射される低音がレゾネータの開口部に当たってノイズを発生する可能性があるので、バスレフポートの開口部3aとレゾネータの開口部とを極端に近づけない方がよい。
また上述したようにレゾネータ6の定在波吸収効果は、レゾネータのキャビティ部6aの容積、ネック部6bの太さや長さの設計で調整することができる。また本実施の形態1では、レゾネータ6により1.7kHzのキャビネット2の内部の定在波を吸収したが、定在波以外の不要な中高音の吸収にレゾネータを用いてもよいことは言うまでもない。
また本実施の形態1ではバスレフポート2を取り付けたキャビネットの下面部2aは水平な一つの面であったが、これが傾斜面であったり複数の面で構成されていたりしても構わない。つまりバスレフポートの開口部3aが完全に真下を向いている必要は無い。また本発明は上記説明した例に限定されるものでないことは、言うまでもない。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2のバスレフ型スピーカについて、図3、図4を参照しながら説明する。図3において、スピーカユニット11、キャビネット12、バスレフポート13、バスレフポートの開口部13aの構成、仕様は実施の形態1と同じなので、これらの説明は省略する。
本実施の形態2においては、キャビネットの下側面12aの下方に取り付けられた樹脂製のスタンド14に、レゾネータ16の一部が一体成型されている。そしてキャビネットの下面部12aとでレゾネータ16が形成されている。そしてスタンド14とキャビネットの下面部12aとでバスレフポートの開口部13aから放射される低音を外部に導く音道15を構成している。図4に示すように、音道15はバスレフポートの開口部13aの全周囲方向に形成されている。
次にスタンド14とレゾネータ16について具体的に説明する。レゾネータのキャビティ部16aの内容積は約4ccであり、レゾネータのネック部16bの幅は約6.5mm、高さは約6mm、長さは約4mmである。レゾネータの開口部16cはバスレフポートの開口部3aよりも約2cm外側の位置にあり、バスレフポートの開口部3aに向いている。レゾネータ16の共鳴周波数は約1.7kHzである。
以上のように構成することにより本実施の形態2のバスレフ型スピーカは、図6で示したのと同様の定在波低減効果が得られ実施の形態1と全く同じ効果が得られるばかりでなく、レゾネータ16の一部をスタンド14で一体的に構成しキャビネットの下側面12aとでレゾネータ16を構成することにより、レゾネータ16を別ピースで構成する必要がなくなるので一層量産性が向上し且つコストダウンも図れる。
なお本実施の形態2では、レゾネータの開口部16cがバスレフポートの開口部13aの方向に向いていたが、別の方向を向いていても同様に定在波などの不要音の低減効果が得られる。ただしこのようにレゾネータの開口部16cを配置する方が、不要音の低減効果を高くすることができる。また本発明は上記説明した例に限定されるものでないことは言うまでもない。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3のバスレフ型スピーカについて、図5を参照しながら説明する。図5は本発明の実施の形態3におけるバスレフ型スピーカの断面斜視図である。本実施の形態3に用いられているスピーカユニットも、実施の形態1、2と同じ口径10cmのコーン型ウーハである。図5において、キャビネット22、バスレフポート23、バスレフポートの開口部23aの構成、仕様は実施の形態1、2と同じなので、これらの説明は省略する。
また実施の形態2と同様に、キャビネットの下側面22aの下方に取り付けられた樹脂製のスタンド24に、レゾネータ26の一部が一体成型されている。そしてキャビネットの下面部22aとでレゾネータ26が形成されている。スタンド24の寸法は幅が約14cm、奥行きが約18cmである。レゾネータのキャビティ部26aの内容積は約2cc、ネック部26bの幅は約4.5mm、高さは約4mm、長さは約4mmである。レゾネータの開口部26cはバスレフポートの開口部23aよりも約2cm外側の位置にあり、バスレフポートの開口部23aに向いている。レゾネータ16の共鳴周波数は約1.7kHzである。
本実施の形態3では、スタンド24とキャビネット下面部22aとでバスレフポート開口部23aから放射される低音を外部に導く音道25a、25b、25cを構成している。25aは前面側の音道であり開口部の幅は左右合計で約3cm、25bは横側の音道であり開口部の幅は約8cm、25cは後ろ側の音道であり開口部の幅は約8cmである。これら各音道の高さは平均約8mmである。つまりレゾネータ26の構成部分により前面側の音道25aの開口面積は、横側の音道25bおよび後ろ側の音道25cの開口面積の約38%に絞られている。
以上のように構成することにより本実施の形態3のバスレフ型スピーカは、実施の形態1および実施の形態2と同じ効果が得られる。それに加えて本実施の形態3のバスレフ型スピーカは前面側の音道25aの開口面積が絞られているので、キャビネット内部の不要な中高音域の定在波などの放射をなお一層低減することができる。なぜならば中高音域では低音と違って音の指向性が鋭くなるので、横側の音道25bや後ろ側の音道25cから放射される中高音よりも、前面側の音道25aから放射される中高音の方が聴取位置に届きやすい。従って前面側の音道25aの開口面積を絞ることにより、聴取位置への不要な中高音域の定在波などの音の到達をさらに低減することができるからである。
なお本実施の形態3では、前面側の音道25aの開口面積をその他の音道の開口面積の約38%としたが、これを約50%以下とすれば良い効果が得られた。また本実施の形態3では前面側の音道25aの開口面積をレゾネータ26の構成部分を用いて絞ったが、別の手段を用いて開口面積を絞ってもよいことは言うまでもない。また本発明は上記説明した例に限定されるものでないことは、言うまでもない。
本発明のバスレフ型スピーカによれば、大音圧低音再生時にもバスレフポートからノイズが発生することなく、キャビネット内部の不要音の放射を低減することができるので、また組み立てが容易であり量産性に優れるので、小型ステレオシステムや単品コンポーネントなどに用いられるバスレフ型スピーカなどの用途に有用である。また拡声用スピーカやラジカセなどのスピーカにも適用できる。以上のように本発明は極めて実用的価値の高いものである。
本発明の実施の形態1におけるバスレフ型スピーカの構造断面図 本発明の実施の形態1におけるバスレフ型スピーカのスタンドの斜視図 本発明の実施の形態2におけるバスレフ型スピーカの構造断面図 本発明の実施の形態2におけるバスレフ型スピーカのスタンドの斜視図 本発明の実施の形態3におけるバスレフ型スピーカの断面斜視図 本発明の実施の形態1におけるバスレフ型スピーカの音圧周波数特性図 従来の実験用のバスレフ型スピーカの構造断面図 従来の実験用のバスレフ型スピーカの音圧周波数特性図 従来の実験用のバスレフ型スピーカの構造断面図 従来の実験用のバスレフ型スピーカの構造断面図 従来の実験用のバスレフ型スピーカの音圧周波数特性図 バスレフポートの中高域における動作を表す等価回路図 バスレフポートの中高域における動作を表す等価回路図 バスレフポートの中高域における動作を表す等価回路図 従来のバスレフ型スピーカの構造断面図
符号の説明
1 スピーカユニット
2 キャビネット
2a キャビネットの下面部
3 バスレフポート
3a バスレフポートの開口部
4 スタンド
5 音道
6 レゾネータ
6a レゾネータのキャビティ部
6b レゾネータのネック部
6c レゾネータの開口部

Claims (3)

  1. スピーカユニットと、前記スピーカユニットを取り付けるキャビネットと、前記キャビネットの下側面に取り付けられたバスレフポートと、前記キャビネットの下方に取り付けられたスタンドと、レゾネータを備え、前記スタンドと前記キャビネットの下側面とで前記バスレフポートの開口部から放射される低音を外部に導く音道を構成し、前記レゾネータの開口部を前記バスレフポートの開口部よりも外側に且つ前記音道の範囲内に配置したことを特徴とする、バスレフ型スピーカ。
  2. レゾネータの一部をスタンドで一体的に構成し、キャビネットの下側面とでレゾネータを構成したことを特徴とする、請求項1に記載のバスレフ型スピーカ。
  3. 前面側の音道の開口面積を絞ったことを特徴とする、請求項1または2に記載のバスレフ型スピーカ。
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