JP2006258765A - 放射線遮蔽用器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】薬品、手垢などにより汚染されても表面の光沢を長期間保持できる放射性薬液注射器、放射性溶液用遮蔽容器、放射線遮蔽用部品のような放射線遮蔽用器具を提供することである。
【解決手段】タングステンとニッケルとモリブデンの成分から構成され且つ前記タングステンが89質量%〜98質量%である粉末焼結体により放射線遮蔽用器具を形成し、優れた放射線遮蔽能力及び防錆効果を得る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、放射線遮蔽用器具に関し、より詳しくは、放射性薬液注射器、放射性溶液用遮蔽容器、放射線遮蔽用部品等の放射線遮蔽用器具に関する。
塩化タリウム、クエン酸ガリウム等の放射性薬液をヒトや動物に注射するために使用される注射器は、施術者の放射線被曝を軽減するために、タングステン等の高比重金属からなる放射性薬液注射筒鉛に入れて使用される。
その中でもタングステンは、放射線遮蔽能力に優れているだけでなく、非常に固くて傷がつきにくく、常温では空気、酸素、窒素、水素、塩素等と反応しない上に、酸にも強く耐蝕性に富んだ金属である。しかも、鉛よりも放射線遮蔽能力が優れているので、鉛と同じ遮蔽効果を得る場合に放射性薬液注射筒を小型にすることができるという利点がある。
タングステン合金からなる放射性薬液注射筒は、放射線遮蔽機能だけを考慮すれば表面塗装を必要としないが、美観を向上させたり触感を和らげる観点からラッカー、アクリル系塗料などを用いてその表面に着色が施されている。
また、タングステン合金からなる放射性薬液注射筒の表面に銀メッキを施すことも行われており、この場合には銀の錆による黒色化を防止するために防錆用のラスミン処理を行うことが下記の特許文献1に記載されている。
タングステン合金からなる放射性薬液注射筒は丈夫であり繰り返し何度も使用されているが、放射性薬液注射筒の表面に施された塗装やメッキに剥がれが生じたときには、塗装やメッキを完全に剥がした後に、ブラスト処理などの清浄処理、再塗装処理や再メッキ処理、塗装や防錆処理の仕上げのための表面処理等、多くの工程を含む作業が必要となる。
一方、タングステン又はタングステン鉄ニッケル、タングステン銅ニッケル等の焼結合金からなる放射性薬液注射筒の美観を向上させる方法として、放射性薬液注射筒の表面にバレル研磨を施すことにより金属光沢を生じさせることが下記の特許文献2に記載されている。この場合には、再利用処理時における塗装やメッキの剥離などの手間が軽減される。
なお、放射性薬液注射筒を構成するタングステン鉄ニッケル、又はタングステン銅ニッケル合金の焼結体を形成する方法として金属粉末射出成形法を適用することが下記の特許文献3に記載されている。
特許2623313号公報 特開2000−51352号公報 特開平5−264789号公報
ところで、上記のタングステン合金からなる放射性薬液注射筒の美観を向上するためにバレル研磨を採用しても、放射性薬液注射筒は病院などの施設で使用されるため、医薬品の使用や施術者の手垢などによって放射性薬液注射筒の表面が酸化されて金属光沢が鈍くなることがある。このように金属光沢が劣化した放射性薬液注射筒は再びバレル研磨が施されて金属光沢を回復させるための再処理が必要になる。
本発明の目的は、薬品、手垢などにより汚染されても表面の光沢を長期間保持できる放射線遮蔽用器具を提供することにある。
上記の課題を解決するための本発明の第1の態様に係る放射線遮蔽用器具は、タングステンとニッケルとモリブデンの成分から構成され且つ前記タングステンが89質量%(mass%)〜98質量%である粉末焼結体からなることを特徴とする。
本発明の第2の態様に係る放射線遮蔽用器具は、前記ニッケルが1質量%〜9質量%であり、前記モリブデンが0.1質量%〜8質量%であることを特徴とする。
本発明の第3の態様に係る放射線遮蔽用器具は、前記粉末焼結体の表面は研磨処理による金属光沢を有することを特徴とする。
本発明の第4の態様に係る放射線遮蔽用器具は、前記粉末焼結体が放射性薬液注射用プレフィルドシリンジの遮蔽筒であることを特徴とする。
本発明によれば、放射線遮蔽用器具をW−Ni−Moから構成している。W−Ni−Moは、金属光沢を長期に保持する効果に優れていることが実験によって明らかになり、これにより表面研磨がなされた放射線遮蔽用器具を再利用する際にバレル処理や表面処理を施す必要がなくなり、表面光沢維持についてメンテナンスフリーな状態となり、作業の手間やコストを軽減することができる。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1(a) は、本発明の実施形態に係る放射性薬液注射筒の側面図、図1(b) は、放射性薬液注射筒が装着された放射性薬液注射装置を示す断面図である。
図1において、放射性薬液注射装置1は、注射用プレフィルドシリンジ2を差し込むための空洞が内部に形成された放射性薬液注射筒10を有している。その放射性薬液注射筒10は、タングステン(W)を89〜98質量%、ニッケル(Ni)を1〜9質量%、モリブデン(Mo)を0.1〜8質量%の割合で含ませたW−Ni−Moの粉末焼結体から構成されて高い放射線遮蔽能力を有しており、その表面にはバレル処理等の研磨による金属光沢が表れている。
放射性薬液注射筒10の一部には、軸方向に沿って長いストライプ状の目視窓11が形成され、その目視窓11には放射線遮蔽効果のある光透過性の鉛ガラス12が嵌め込まれている。放射性薬液注射筒10の後端には注射用プレフィルドシリンジ2を出し入れするための第1の開口13が形成され、また、その先端には注射用プレフィルドシリンジ2の先端を露出させる第2の開口14が形成されている。
注射用プレフィルドシリンジ2の先端には薬液注射用突起2aが形成されおり、薬液注射用突起2a内にはゴム栓3が嵌め込まれ、その外側には薬液を通し得るルアーチップ4が被されている。さらに、ルアーチップ4先端の突起には、注射針5aとバック針5bを前後に取り付けた針基5が外側から嵌められている。バック針5bは、針基4をルアーチップ4に取り付ける際にゴム栓3を貫通して注射用プレフィルドシリンジ2内に入り得る構造になっている。
注射用プレフィルドシリンジ2は、ガラス又はプラスチックから構成され、その中に放射性のヨード、タリウム、ガリウム、テクネチウム、フッ素等を含む半減期の短い放射性薬液6、例えば、SPECT癌検診に用いられている99mTc−HMDP(99mTc−ヒドロキシメチレンジホスホン酸テクネチウム)が容れられている。
なお、図1において符号7は、注射用プレフィルドシリンジ2内に挿入されるガスケットを示し、符号8は、注射用プレフィルドシリンジ2後端の開口を通してガスケット7にねじこ込んで取り付けられるプランジャを示し、符号9aは、放射性薬液注射筒10後部の外周に取り付けられ且つ薬液投与時の指掛け部となる固定フランジを示し、符号9bは、固定フランジ9a中央の開口を通して放射性薬液注射筒10内に取り付けられた注射用プレフィルドシリンジ2を後端から押さえて移動を規制するためのリング状の固定フランジ用キャップを示している。
以上の放射性薬液注射装置1において、放射性薬液注射筒10を構成するW−Ni−Moは、以下に説明するような実験により放射線遮蔽能力及び金属光沢保持効果に優れているので、放射性薬液注射筒10を再利用する際にバレル処理や表面光沢処理を施す必要がなくなり、作業の手間やコストを軽減することができる。
ところで、W−Ni−Moの焼結体は、放射性薬液注射装置の他に、プランジャ8及び針基5を外した放射性薬液注射用プレフィルドシリンジ2を収納する放射性溶液用遮蔽容器、その他の放射性溶液用遮蔽器具及びその部品など、広く放射線遮蔽用器具の構成材料として用いることができ、その表面の金属光沢は長期間良好な状態に保持される。
次に、放射性溶液用遮蔽器具を構成するW−Ni−Moの焼結体について説明する。
W−Ni−Moの焼結体は例えば次のような金属粉末射出成形法(MIM)により形成される。
まず、W、Ni、Moの粉末を混合し、これにバインダーを配合したものを加熱混練してペレット状の混練体を形成する。Wの粉末は、平均粒度が例えば1μm〜15μm程度のものを用いる。続いて、混練体を射出成形機により例えば放射性薬液注射筒の形状の粉末射出成形体とする。成形は、温度150〜200℃、加圧力50〜100MPaで行われる。さらに、粉末射出成形体を所定温度により脱脂することによりバインダーを除去した後に、真空雰囲気、還元ガス雰囲気又は不活性ガス雰囲気において例えば1350〜1550℃の温度で焼成することによりW−Ni−Moの焼結体が得られる。
タングステン合金を形成する場合、Niは融点を下げるために添加され、その効果を得るためには1.0質量%以上の添加が必要になる。
また、Moは、標準電位がWとNiに近い元素であってWとNiの中間にあるので耐蝕性に有効である。しかも、MoはNiと共晶を形成し、Mo−NiはNi単体より低い温度でタングステンと液相を発生させ、Wのオストワルド成長を生じさせるので、高い密度の焼結体の形成に寄与する。
従って、W−Ni−Mo焼結体から形成した放射線遮蔽用器具は、殆ど空孔がなく、W粒子間の焼結が進行してWが粒成長する。この場合、Moは、焼結時にNiとともに液相を発生させ、W粒子のオストワルド成長を生じさせるのに有効な元素であり、その効果を得るためには0.1%以上の添加が必要であるが、多すぎると焼結温度を高くする必要があり、好ましくない。
一方、NiとMoの量が多くなってW量が少なくなると、液相量が多くなって焼結の際に自重で骨格が潰れやすくなるし、放射線遮蔽能力も低下するので最適な量が必要となる。
次に、W、Ni、Mo等の元素の配合成分の割合を変えた直径数十mm程度の図2に示すような円盤状の焼結体のサンプルSを粉末成形法により表1に示す配合成分で作成した。サンプルは、W、Ni、Mo粉末又はこれにFeを添加した粉末に型潤滑材を添加混合して、金型に充填し、成形圧7t/cm2 で成形した。900℃、30分で潤滑材を抜き、水素中で1430℃〜1495℃、1時間焼成した。
そして、各サンプル1〜12、13、14の金属光沢の優劣を判断するために、各サンプルを湿潤環境に置き、湿潤試験前と湿潤試験後に反射光量を測定したところ、表1に示す結果が得られた。なお、表1は、サンプル毎に3カ所で測定された反射光量の中央値を示している。
Figure 2006258765
表1において、サンプル1〜12、サンプル14〜16は、それぞれ配合成分の欄に示す質量%で元素が配合された焼結体である。サンプル1〜12はそれぞれ2個ずつ作成された。
サンプル1〜12は粉末焼結後にそれぞれバレル研磨が行われていたが、サンプル14〜16はバレル研磨が行われていない。
サンプル1、2、4〜11は、それぞれW−Ni−Mo焼結体であり、そのうちサンプル7〜9は同じ配合成分であるが焼結温度は1495℃、1460℃、1430℃と異なっている。なお、サンプル1、2、4〜6、10、11の焼結温度は1495℃である。
サンプル14、15は、その配合成分、焼結温度がそれぞれサンプル10、11と同じであるが、バレル研磨が行われていない点で違いがある。なお、サンプル14、15の焼結温度は1495℃である。
サンプル3は、上記の特許文献3に記載されたW−Ni−Fe焼結体の配合成分であり、その焼結温度を1400℃とした。
サンプル12のW−Ni−Mo−Fe焼結体は、特許第3212225公報に記載されているように、携帯電話、PHS、ポケットベル等の小型無線呼出用の振動子に適した配合成分である。また、サンプル16は、その配合成分、焼結温度はサンプル12と同じであるが、バレル処理による表面研磨はなされていない点で相違する。
表1に示す60℃湿潤試験は、サンプル1〜12の各々の1個目のサンプルを湿度90%RHの雰囲気中に置いて60℃の温度に加熱し、この状態を48時間維持し、その後に外に取り出すといった条件で行われた。また、表1に示す70℃湿潤試験は、サンプル1〜12の各々の2個目のサンプルを湿度90RHの雰囲気中に置いて70℃で加熱し、この状態を48時間維持し、その後に外に取り出すといった条件で行われた。サンプル14〜16については、60℃湿潤試験のみが行われた。
実験での反射光量の測定は、スガ試験機株式会社製の光沢測定機、型式HG−268を使用して行われた。また、反射光量の測定は、図2に示すように、光沢測定機内でサンプルSの中央領域の平坦面に入射角度θ=60°で光を照射し、そこから反射された光について行われた。
表1の反射光量に基づいて光沢保持率を求めたところ、表2のようになった。光沢保持率は、各湿潤試験後の反射光量を湿潤試験前の反射光量で割った値の百分率である。
Figure 2006258765
表2によれば、W−Ni−Mo焼成体であるサンプル1、2、4〜8、10、11は、60℃湿潤試験後、70℃湿潤試験後のそれぞれについて光沢保持率が全て80%を超え、見た目にも金属光沢が極めて良好であった。
また、サンプル7〜9については、同じ配合成分のW−Ni−Moから構成されているが、表2に示すように焼結温度が低くなるほど残留空孔が多くなって密度が小さくなり、それに伴って光沢保持率も僅かに落ちている。従って、残留空孔が生じないように最適な焼結温度を選択することが好ましいが、焼結温度が低いサンプル9の場合でも目視による金属光沢の劣化は感じられず、W−Ni−Moは光沢保持のために有効であることがわかる。
これに対して、Moを含まないサンプル3は、表1に示したように湿潤試験前の反射光量がW−Ni−Moのサンプル1、2、4〜11と殆ど同じであるが、光沢保持率は30%以下となり、しかも湿潤試験により金属光沢が劣化したことが見た目にも明らかであった。
また、Feを含むサンプル12についてはMoを含むにもかかわらず湿潤試験後の光沢保持率がサンプル1、2、4〜11に比べて大幅に低下することがわかり、W−Ni−MoにFeを積極的に含ませると光沢が失われることがわかる。
バレル処理が行われなかったW−Ni−Moのサンプル14、15は、表1から明らかなようにサンプル作成時から反射光量が少ないが、湿潤試験後の光沢保持率は70%以上であり、湿潤試験による光沢劣化は少ないことがわかる。バレル処理のないサンプル16についてもサンプル作成時から反射光量が少なく、光沢保持率も60%台と小さくなっている。
なお、W−Ni−Mo焼結体の作成工程において、その焼結体の中にFeなどの不可避不純物が含まれてしまうことがあるが、不可避不純物は例えば0.03質量%以下と小さいので焼結体の光沢を大きく喪失させることはない。
以上のことからW−Ni−Moの焼結体合金から構成した放射線遮蔽用器具は、表面研磨後に過酷な湿潤環境においても表面光沢が維持できるので、表面光沢維持についてメンテナンスフリーな状態となり、放射線遮蔽用器具の繰り返し利用のための作業を軽減することができる。
なお、W−Ni−Mo−Fe焼結体とW−Ni−Mo焼結体については小型振動発生装置用振動子に適用されることが特許第3212225号公報に記載されている。その特許公報には双方の焼結体とも防錆効果が高いことが示されているが、表1、表2に示した実験により、W−Ni−Mo−Fe焼結体については金属光沢保持効果が得られず、W−Ni−Mo焼結体に金属光沢の長期保持効果があることが明らかになった。
ところで、上記したようにタングステンの量が少なくなれば液相量が多くなり焼結する際に自重で骨格が潰れやすくなるので、この点からはタングステンの含有量は93質量%以上が好ましい。しかし、液相を介さずに焼結することも可能であるし、後述する放射線遮蔽効果を考慮しても、表1、表2に示したサンプル1のようにタングステンの含有量が90質量%となっても高い金属光沢保持効果が要求される放射線遮蔽用器具に適した材料が得られる。なお、分析誤差を考慮するとタングステンは89質量%〜98質量%が好ましい範囲である。
次に、5つのサンプルについての放射線遮蔽能力の測定結果について説明する。
放射線遮蔽能力を測定するために、表3に示す配合成分、密度、外径を有する5つのサンプルa〜eを作成した。サンプルa、b、c、d、eはそれぞれ表1、表2のサンプル1、2、7、8、3に対応する。
Figure 2006258765
放射線遮蔽能力の測定は、Co−57、Ba−133、Cs−137、Co−60のγ線源と放射線測定器を使用し、各γ線源と放射線測定器の間にサンプルを挿入し、サンプルによってγ線の遮蔽を行い、サンプル厚さとγ線計数率の関係をグラフにプロットし、そのグラフから各サンプルa〜eの半価層値を求めた。測定は、減衰するγ線の量が1/100になる程度まで同一素材のサンプルを重ねて行われた。半価層値は、サンプルによるγ線の吸収によってγ線の透過量が半分に減衰するサンプルの厚さである。なお、Cs−137、Co−60のγ線源を用いる場合には、減衰量が少なく、1段ずつ重ねても変化が小さいので、同一サンプルを2段ずつ重ねて試験を行った。
各サンプルa〜eについての各γ線源における半価層値は表4に示すような結果となり、各サンプルa〜eの組成、密度、焼成条件の違いに関わらずに半価層値には差が無く、特定のサンプルに放射線を透過し易い構造が存在しないことが明らかになった。
Figure 2006258765
従って、W−Ni−Moの焼結体からなる放射線遮蔽用器具は、既に使用されているタングステン合金からなる放射線遮蔽用器具と比較してもγ線遮蔽能力の点で優劣がないといえる。
図1(a) は、本発明の実施形態に係る放射線遮蔽用器具である放射性薬液注射筒を示す側面図、図1(b) は、その放射性薬液注射筒が装着された放射性薬液注射装置を示す断面図である。 図2は、放射性溶液用遮蔽器具に用いられる材料のサンプルの形状を示す斜視図である。
符号の説明
1:放射性薬液注射装置
2:注射用プレフィルドシリンジ
6:放射性薬液
10:放射性薬液注射筒

Claims (4)

  1. タングステンとニッケルとモリブデンの成分から構成され且つ前記タングステンが89質量%〜98質量%である粉末焼結体からなることを特徴とする放射線遮蔽用器具。
  2. 前記ニッケルは1質量%〜9質量%であり、前記モリブデンは0.1質量%〜8質量%であることを特徴とする請求項1に記載の放射線遮蔽用器具。
  3. 前記粉末焼結体の表面は研磨処理による金属光沢を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の放射性遮蔽器具。
  4. 前記粉末焼結体は放射性薬液注射用プレフィルドシリンジの遮蔽筒であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の放射線遮蔽用器具。
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