JP2006258390A - 空気調和システム - Google Patents

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JP2006258390A JP2005078513A JP2005078513A JP2006258390A JP 2006258390 A JP2006258390 A JP 2006258390A JP 2005078513 A JP2005078513 A JP 2005078513A JP 2005078513 A JP2005078513 A JP 2005078513A JP 2006258390 A JP2006258390 A JP 2006258390A
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裕 文 佐々木
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Abstract

【課題】 複数の熱源機間で暖房運転の室内機と冷房運転の室内機とで相殺し合い融通し合うことにより、個々の熱源機のエネルギ消費或いは負担を軽減出来る様な空気調和システムの提供。
【解決手段】 集中熱源装置と空調を行うべき空間に設けられた個別熱源装置と熱媒体により集中熱源装置(1)から供給された熱を個別熱源装置(2、2−1、2−2)へ搬送する熱搬送系統とを有しており、個別熱源装置(2、2−1、2−2)には圧縮機(8)を介装した冷媒循環系統(圧縮式冷暖房機内部の冷媒循環系統K)が設けられており、熱搬送系統(L)には液相の熱媒体(液相の圧縮式冷媒)に圧力を付加する流体機械(ポンプ12)と、熱媒体の経路を変更するための熱媒体経路決定手段(例えば、開閉弁V1〜V9)とが介装されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、空気調和システムに関し、特に集中熱源方式と個別分散熱源方式とを組合せ、多様な空調負荷に対応可能な空気調和システムに関する。
一般事務所ビル、ホテル、病院、福祉施設、スーパー銭湯等の冷暖房に関しては、夫々の需要に応じた種々の冷暖房装置が用いられている。それらの冷暖房装置の現在主流の方式には、大きく分けて集中熱源方式と個別分散熱源方式がある。
集中熱源方式は、図10に示すように、例えば、ビルBの地下に設置した少数(図示の例では1台)の集中熱源(例えば、吸収冷凍機やターボ式冷凍機などの熱源機)1によって冷温熱を発生させ、空調用冷温水配管Lwを通して冷温水を水ポンプPによって多数のファンコイルユニット2へ搬送し、ファンコイル2において室内空気と熱交換することにより、冷暖房を行う方式である。
一方、個別分散方式とは、図11に示すように、ビルBの各部屋、各スペース、各パーティション毎に建物BのベランダBbや屋上Baに個別に熱源機1を設け、その熱源機1から図示ない圧縮機によって各部屋、各スペース、各パーティションに設けた熱交換器(室内機)2へ冷媒を搬送し、各部屋、各スペース、各パーティションの空気と熱交換することにより冷暖房を行う方式である。
集中熱源方式では、熱源機を一箇所に集中しており、個別分散熱源方式に比べ、熱源機の設置スペースを節約出来る。
しかし、多様な空調負荷に対応するためには、現在主流である2管式に代えて4管式を採用する必要があり、施工費・材料費が嵩んでしまう。そのため、集中熱源方式では冷暖房を混在することが可能であるのに、従来、殆ど、混在していない。
更に、図10で分かるように、集中熱源方式では、水配管Lwが必要となる。即ち、室内に水を持ち込むこととなり、OA機器を多数有する現代オフィスにおいては受け容れ難いことである。
一方、個別分散方式では、集中熱源方式とは異なり、冷房と暖房とを混在できるメリットがある。
また、個別分散熱源方式では、熱源機が複数の室内機を有する場合、暖房運転の室内機と冷房運転の室内機とで相殺(融通し合う)システムが存在する。
しかしながら、熱源機間で相殺(融通)するシステムはいまだに存在しない。
即ち、現状では個別に設置した熱源機間に連携や連動が出来ず、総合的な熱回収省エネ運転が出来ない。
熱源機間で相殺(融通)出来るシステムがあれば、個々の熱源機のエネルギ消費或いは負担が軽減するので、省エネルギに寄与することになるが、その様なシステムは、現状では存在しない。
また、個別分散方式のデメリットとして、冷媒搬送に圧縮機を用いるので、潤滑用の冷凍機器油を冷媒中に混入する必要がある。配管長が長い場合、潤滑油が戻って来ないことが無い様に、配管設計には油戻りを考慮する必要がある。
更に、配管延長が長い場合には圧縮機効率が低下するため、熱源機容量を大きくする必要がある。
その他の従来技術として、吸収冷凍機と圧縮式冷凍機とを組み合わせ、吸収冷凍機で得た冷熱を水で搬送する場合の各種問題を解消する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この技術は大変有用なものであるが、複数の熱源機間で冷熱或いは温熱を融通し合って、個々の熱源機のエネルギ消費或いは負担を軽減することを目的とするものではない。
特開2004−138316号公報
本発明は上述した従来技術に鑑みて提案されたものであり、複数の熱源機間で暖房運転の室内機と冷房運転の室内機とで相殺し合い融通し合うことにより、個々の熱源機のエネルギ消費或いは負担を軽減出来る様な空気調和システムの提供を目的としている。
本発明の空気調和システムは、集中熱源装置(例えば、吸収式冷温水機1、吸収冷凍機、ターボ冷凍機、蓄熱槽を設けた熱源機等)と、空調を行うべき空間(例えば、建造物Bにおける各部屋、各階等)に設けられた個別熱源装置(例えば、圧縮式冷暖房機2、2−1、2−2、室内機)と、熱媒体(圧縮式冷媒)により集中熱源装置(1)から供給された熱(いわゆる「冷熱」或いは「温熱」)を個別熱源装置(2、2−1、2−2)へ搬送する熱搬送系統(圧縮式冷媒が循環する熱搬送系統L、L1〜L21、二次冷温熱媒体が循環する循環系統)とを有しており、個別熱源装置(2、2−1、2−2)には圧縮機(8)を介装した冷媒循環系統(圧縮式冷暖房機内部の冷媒循環系統K)が設けられており、熱搬送系統(L)には液相の熱媒体(液相の圧縮式冷媒)に圧力を付加する流体機械(ポンプ12)と、熱媒体の経路を変更するための熱媒体経路決定手段(例えば、開閉弁V1〜V9)とが介装されていることを特徴としている(請求項1)。
本発明において、集中熱源装置(例えば、吸収式冷温水機1、吸収冷凍機、ターボ冷凍機、蓄熱槽を設けた熱源機等)は作動して(冷房運転或いは暖房運転を行って)いるが個別熱源装置(例えば、圧縮式冷暖房機2、2−1、2−2、室内機)に介装された圧縮機(8)を作動しない運転と、集中熱源装置(1)と個別熱源装置(2、2−1、2−2)に介装された圧縮機(8)を両方とも作動する運転と、集中熱源装置(1)と個別熱源装置(2、2−1、2−2)に介装された圧縮機(8)の両方を作動するが集中熱源装置(1)で行う運転の種類(冷房運転或いは暖房運転)と個別熱源装置(2、2−1、2−2)に介装された圧縮機(8)を用いて行う運転の種類(暖房運転或いは冷房運転)とが異なっている運転(集中熱源装置1で冷房運転を行うが個別熱源装置2、2−1、2−2に介装された圧縮機8を用いて暖房運転を行う、或いは、集中熱源装置1で暖房運転を行うが個別熱源装置2、2−1、2−2に介装された圧縮機8を用いて冷房運転を行う運転)とを、切換可能に構成しているのが好ましい(請求項2)。
そして本発明において、個別熱源装置(例えば、圧縮式冷暖房機2、2−1、2−2、室内機)には熱交換手段(例えばファンコイル9)が設けられ、該熱交換手段(9)は、個別熱源装置(2、2−1、2−2)が設けられた空調を行うべき空間と、搬送する熱搬送系統(L)を循環する熱媒体(圧縮式冷媒)との間で熱交換を行う様に構成されているのが好ましい(請求項3)。
本発明において、熱搬送系統(圧縮式冷媒が循環する熱搬送系統L、L1〜L20、二次冷温熱媒体が循環する循環系統)を循環する熱媒体(圧縮式冷媒)と、個別熱源装置(2、2−1、2−2)の冷媒循環系統(圧縮式冷暖房機内部の冷媒循環系統K)を流れる冷媒とで熱交換を行う熱交換器(6)を設けている(請求項4)。
上述した構成を具備する本発明のシステムによれば、熱媒体(圧縮式冷媒)により集中熱源装置(1)から供給された熱(いわゆる「冷熱」或いは「温熱」)を個別熱源装置(2、2−1、2−2)へ搬送する熱搬送系統(圧縮式冷媒が循環する熱搬送系統L、L1〜L21、二次冷温熱媒体が循環する循環系統)とを有しているので(請求項1)、水配管を用いること無く、換言すれば、天井等に水配管が這いずり回る様な事態を防止しつつ、集中熱源装置(1)から供給された熱を個別熱源装置(2、2−1、2−2)へ搬送することが可能となる。
そのため、集中熱源装置を用いた場合の利点と、個別熱源装置を用いた場合の利点とを同時に享有できる。
すなわち、本発明によれば、集中熱源装置(1)と個別熱源装置(2、2−1、2−2)に介装された圧縮機(8)の両方を作動するが集中熱源装置(1)で行う運転と個別熱源装置(2、2−1、2−2)に介装された圧縮機(8)を用いて行う運転とが異なっている運転(集中熱源装置1で冷房運転を行うが個別熱源装置2、2−1、2−2に介装された圧縮機8を用いて暖房運転を行う、或いは、集中熱源装置1で暖房運転を行うが個別熱源装置2、2−1、2−2に介装された圧縮機8を用いて冷房運転を行う運転)を実行可能に構成されているので(請求項2)、冷房負荷と暖房負荷とが混在する場合に、冷房負荷と暖房負荷とをシステム全体で打ち消し合い、或いは、両負荷に対する温熱と冷熱とを融通し合うことが可能である。そして、個別熱源装置(2、2−1、2−2)により個々の冷房負荷と暖房負荷に対処する場合に比較して、システム全体の負荷を減少することが可能である。
さらに本発明によれば、個別熱源装置(例えば、圧縮式冷暖房機2、2−1、2−2、室内機)には熱交換手段(例えばファンコイル9)が設けられており、該熱交換手段(9)は、個別熱源装置(2、2−1、2−2)が設けられた空調を行うべき空間と、搬送する熱搬送系統(L)を循環する熱媒体(圧縮式冷媒)との間で熱交換を行う様に構成されているので(請求項3)、個別熱源装置(2、2−1、2−2)に介装された圧縮機(8)を駆動しなくても、集中熱源装置(1)から提供された冷熱或いは温熱を、熱搬送系統(L)を介して、空調を行うべき空間に供給することが出来る。
本発明によれば、熱搬送系統(L)には液相の熱媒体(液相の圧縮式冷媒)に圧力を付加する流体機械(ポンプ12)が介装されている(請求項2)ので、圧縮機やブロワ等を使用する必要が無い。そのため、圧縮機用の潤滑油の戻りを考慮する必要が無い。
以下、添付書類を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の空気調和システムを建造物に適用した状態を示している。
図1において、建造物Bの地階には1台の吸収式冷温水機1を、2階以上の各階には各1台ずつの熱交換器4を設置し、前記吸収式冷温水機1と各階の熱交換器4とを冷温水供給系統Lw(水配管)により循環可能に接続し、吸収式冷温水機1から各階に設置した熱交換器4へ、循環ポンプPによって、冷房時は冷水、暖房時は温水を供給している。
各階には、夫々複数台の圧縮式冷暖房機2(2−1)、2(2−2)を設置している。これら各階の圧縮式冷暖房機2は、前記各階毎に設置した熱交換器4と熱搬送系統Lによって循環可能に接続されている。
圧縮式冷暖房機2,2は、圧縮機を稼動することによりそれ自体で冷暖房を行うことが出来るが、熱交換器4から熱搬送系統Lを介して供給される熱量、すなわち、冷温水供給系統Lwを流れる冷水或いは温水の保有する熱量(冷熱或いは温熱)により、冷房運転及び暖房運転を行うことが出来る。
ここで、熱搬送系統Lには、例えばフロンのような冷媒(圧縮式冷媒)が循環し、熱交換器4は、冷温水供給系統Lwを流れる冷水或いは温水の保有する熱量(冷熱或いは温熱)を、熱搬送系統Lを循環する圧縮式冷媒へ投入している。
吸収式冷温水機1からの熱媒体である水は、熱交換器4までしか供給されず、各階の天井に水配管が配設されてしまうことは無く、水配管の漏水による各種機器(例えばOA機器類)の損傷が防止される。
図1において、符号12は、熱運搬系統Lを循環する圧縮式冷媒に圧力を付加する循環ポンプを、符号11は、熱運搬系統L中に含まれる気相冷媒を分離して気相冷媒が循環ポンプ12に混入してポンプ12をキャビテーションによる破壊から回避するためのレシーバを示す。
そのように、本実施形態では、熱搬送系統Lには液相の熱媒体(液相の圧縮式冷媒)に圧力を付加するポンプ12が介装されているので、圧縮機やブロワ等を使用する必要が無い。
そのため、圧縮機用の潤滑油の戻りを考慮する必要が無い。
図2は、図1で示す各階の熱交換器4、熱搬送系統L、圧縮式冷暖房機2(2−1,2−2)及び熱搬送系統Lを流れる冷媒と、圧縮式冷暖房機2の詳細を示している。
ここで、圧縮式冷暖房機2は、同一の仕様を複数用いており、夫々、副の記号2‐1、2‐2を付して必要に応じて識別して説明する。
圧縮式冷暖房機2(2−1、2−2)は、熱搬送系統Lを流れる冷媒と、圧縮式冷暖房機2(2−1、2−2)内部の冷媒循環系統Kを流れる冷媒とで熱交換を行う熱交換器6と、圧縮式冷暖房機2内部の冷媒循環系統Kを流れる冷媒を圧送する圧縮機8と、熱搬送系統Lを流れる冷媒と室内空気との間で熱交換を行うファンコイルユニット9と、圧縮式冷暖房機2内部の冷媒循環系統Kを流れる冷媒と室内空気との間で熱交換を行うヒートポンプ10とによって構成されている。
熱交換器6は、熱搬送系統Lを流れる冷媒が保有する潜熱と、圧縮式冷暖房機2(2−1、2−2)内部の冷媒循環系統Kを流れる冷媒が保有する潜熱とを熱交換する、潜熱−潜熱熱交換器として作用する(図3、図4、図6、図7、図9)が、熱搬送系統Lを流れる圧縮式冷媒の顕熱と、圧縮式冷暖房機2内部の冷媒循環系統Kの冷媒における潜熱とを熱交換する、顕熱−潜熱熱交換器として作用する場合もある(図5、図8)。
熱搬送系統Lは以下のライン群L1〜L20で構成されている。
ラインL1は、途中に開閉弁V1を介装し、一端を熱交換器4の一方の接続箇所41に接続し、他端は分岐点B1でラインL2及びL3に分岐する。
ラインL2は、途中に開閉弁V2を介装し、他端は分岐点B2でラインL4及びL5に分岐する。
ラインL3は、途中に開閉弁V3を介装し、他端は分岐点B3でラインL6に接続されるとともに、前記ラインL4とも接続されている。
ラインL4は、分岐点B2側から分岐点B3に向かって、順にレシーバ11、冷媒ポンプ12を介装し、他端は分岐点B3で前記ラインL3及びL6と接続されている。
ラインL5は途中に開閉弁V4を介装し、他端が分岐点B4に接続される。ラインL6は途中に開閉弁V5を介装し、他端が分岐点B4に接続される。
分岐点B4では、ラインL5、L6が合流するとともに、ラインL7の一端が接続され、そのラインL7の他端は分岐点B5でラインL8とL18とに分岐する。
ラインL8は分岐点B6においてラインL9とL14に分岐する。
ラインL9は開閉弁V7を介装しており、他端が圧縮式冷暖房機2(2−1)の構成であるファンコイル9の一方の接続部91に接続される。
ファンコイル9の他方の接続部92にはラインL10の一端が接続され、そのラインL10の他端は分岐点B7において、ラインL11及びL13に分岐する。
ラインL11は分岐点B8において、ラインL12とL15に分岐する。
ラインL13の他端は、熱交換器6の一方の接続部61に接続され、熱交換器6の他方の接続部62には前記ラインL14の他端が接続されている。尚、ラインL14には開閉弁V6が介装されている。
前記ラインL12の他端は、前記熱交換器4の他方の接続部42に接続されている。
前記ラインL15の他端は、分岐点B9においてラインL16及びL20に分岐する。
ラインL16の他端は、圧縮式冷暖房機2(2−2)の構成であるファンコイル9の一方の接続部92に接続され、ファンコイル9の他方の接続部91には開閉弁V9を介装したラインL17が接続されている。
ラインL17の他端は分岐点B10において、ラインL18と開閉弁V8を介装したL19に分岐する。
ラインL18の他端は前記分岐点B5に接続されている。
ラインL19の他端は、熱交換器6の一方の接続部62接続され、熱交換器6の他方の接続部61には前記ラインL20が接続されている。そして、ラインL20の他端は前記分岐点B9に接続されている。
前記ラインL4に介装された前記レシーバ11は、ポンプ12が気相冷媒を吸入してキャビテーションを発生しないように、気液分離するために設けられている。ここでポンプ12は、圧縮式冷媒に圧力を付加して、熱搬送系統Lで循環させている。
圧縮式冷暖房機2(2−1、2−2)内部の冷媒循環系統Kは、以下のライン群K1〜K5によって構成されている。
ラインK1は、圧縮機8と熱交換器6とを接続している。ラインK2は、熱交換器6と絞り弁V11とを接続している。ラインK3は、絞り弁V11とヒートポンプ10とを接続している。ラインK4は、ヒートポンプ10と絞り弁V12とを接続している。ラインK5は、絞り弁V12と圧縮機8とを接続している。
圧縮式冷暖房機2(2−1)の開閉弁V11、V12は、開度調節されている場合には減圧弁として作用し、その場合には図1〜図7において、図示がされている。一方、開閉弁V11、V12を全開した場合は、絞りとしての作用は全く奏しないので、図1〜図7において図示を省略している。
図1及び図2で示す様に、図示の実施形態は、吸収式冷温水機1を用いた集中熱源方式と、複数の圧縮式冷暖房機2、2を用いた個別熱源方式との組み合わせによる空気調和システムである。
吸収式冷温水機1を用いた集中熱源方式と、複数の圧縮式冷暖房機2、2を用いた個別熱源方式とを組み合わせた結果として、冷房と暖房とが混在する負荷にも対応出来る。
即ち、冷房負荷と暖房負荷とが混在する場合に、冷房負荷と暖房負荷とをシステム全体で打ち消し合い、或いは、両負荷に対する温熱と冷熱とを融通し合うことが可能となり、圧縮式冷暖房機2(2−1、2−2)により、個々の冷房負荷と暖房負荷に対処する場合に比較して、システム全体の負荷を減少することが可能である。
圧縮式冷暖房機2内部の冷媒循環系統Kにおいて、圧縮機8は、図示しないバイパス回路や、その他の回路と4方弁を別途設け、圧縮式冷暖房機2内部の冷媒循環系統Kを逆流可能に構成することができる。
図3〜図9においては、係る公知の技術により、圧縮式冷暖房機2内部の冷媒循環系統Kにおける冷媒の流れの変更を、圧縮機8の位置を変更することで表現している。換言すれば、図3〜図9において、圧縮式冷暖房機2内部の冷媒循環系統Kにおける圧縮機8の位置が変更して表示されていても、システムの構成を変更するものではない。
従って、図2〜図9において、冷媒循環系統Kを構成するラインK1〜K9が、各図で、位置が異なる場合があるが、ラインK1〜K9は、各図毎の構成(接続)の順番を示すものとした。
吸収式冷温水機1は冷房と暖房の2通りの運転形式が存在する。その各々において、
(1) 圧縮式冷暖房機2における圧縮機8を使わない場合、
(2) 圧縮式冷暖房機2における圧縮機8を使って、吸収冷温水機1と同じ空調運転(冷房運転或いは暖房運転)を行う場合(いわゆる「パワフル冷房運転」、「パワフル暖房運転」)、
(3) 圧縮機冷暖房機2における空調運転(冷房運転或いは暖房運転)が、吸収冷温水機1における空調運転(暖房運転或いは冷房運転)とは異なる空調運転(逆の空調運転)を行う場合(例えば、夏季と冬季の中間期で冷房負荷と暖房負荷とが混在しているため、吸収冷温水機1が冷房運転を行うが圧縮機冷暖房機2が暖房運転を行う場合、或いは、冬季に圧縮機冷暖房機2が冷房運転を行う場合)、
の3パターンが存在する。
合計すれば、6パターン(3パターン×2通り)存在する。
以下、図3〜図9を参照して、その6パターンの各々を説明する。
説明に際しては、冷媒の流れる循環系(ライン)は太線で示すとともに冷媒の流れの方向を矢印で示し、冷媒が流れない循環系はラインの符号を省略する。
図3は、通常冷房で、吸収式冷温水機1が冷房運転(冷温水供給系統Lwに冷水を供給する運転)を行っており、圧縮式冷暖房機2における圧縮機8を使わない場合である。即ち、圧縮機8を稼動させず、吸収式冷温水機1が供給する冷水で供給される冷熱を使用して、圧縮式冷暖房機2が設けられている空間で冷房運転を行う事例である。
ここで、基本的には、圧縮式冷暖房機2の圧縮機8は、消費エネルギが増加するため使用(稼動)せず、ファンコイル9のみで空調負荷に対応する。ファンコイル9で対応出来ない場合(図3のパワフル冷房:後述)のみ、圧縮機8を稼動することで対応する。
図3において、開閉弁V1、V2、V5、V7は開放され、開閉弁V3、V4、V6、V8、V9は閉鎖されている。
圧縮式冷暖房機2−2側の開閉弁V8、V9が閉じられているので、熱搬送系統Lを流れる圧縮式冷媒は、圧縮式冷暖房機2−2には流入せず、圧縮式冷暖房機2−1側のファンコイル9にのみ流れる。
吸収式冷温水機1から冷温水供給系統Lwに送られる冷水が保有する熱(いわゆる「冷熱」)は、熱交換器4を介して熱搬送系統Lを流れる圧縮式冷媒に投入され、気相の圧縮式冷媒を凝縮する。
気相を幾分残しているが、液相の低温圧縮式冷媒は、ラインL1から開閉弁V1、分岐点B1、ラインL2の開閉弁V2、分岐点B2及びラインL4に介装されたレシーバ11を介して完全に気相分が分離除去された低温液相冷媒は冷媒搬送用のポンプ12に吸入され、圧力を付加されて吐出される。
その後、分岐点B3、ラインL6の開閉弁V5、分岐点B4、ラインL7、分岐点B5、ラインL8、分岐点B6、ラインL9の開閉弁V7を介して、圧縮式冷暖房機2−1のファンコイル9に流入する。
この場合、圧縮式冷暖房機2−1内の圧縮機8は稼動せず、冷媒は冷媒循環系統Kを流れないので、熱交換器6で熱搬送系統Lを流れる圧縮式冷媒と熱交換を行う必要はない。そのため、開閉弁V6を閉鎖しており、熱搬送系統Lを流れる圧縮式冷媒は全量がファンコイル9へ流入する。
ファンコイル9において、熱搬送系統Lを流れる圧縮式冷媒は、圧縮式冷暖房機2−1が設置されている空間(例えば、部屋)内から気化熱を奪って蒸発し、当該空間内の気温を降下せしめる(冷房運転)。
ファンコイル9で気化した気相の圧縮式冷媒はラインL10、L11、L12を介して熱交換器4まで戻り、再び、冷温水供給系統5を流れる冷水が保有する熱(いわゆる「冷熱」)が、熱搬送系統Lを流れる圧縮式冷媒へ投入される。
その結果、気相の圧縮式冷媒は凝縮して液相の圧縮式冷媒となり、熱搬送系統Lを流れる。
ここで、気相の圧縮式冷媒が熱交換器4で凝縮しなかった場合に、気相の冷媒がポンプ12に吸入されてポンプ12を破損しないように、レシーバ11において、気相の圧縮式冷媒が液相圧縮式冷媒から分離される。
図3の運転パターンでは、圧縮機8を稼動させず、吸収式冷温水機1が供給する冷水で供給される冷熱を使用して、個別熱源装置2(2−1、2−2)が設けられている空間で冷房運転を行うので、個別熱源装置2(2−1、2−2)に介装された圧縮機8を駆動しなくても、吸収式冷温水機1から提供された冷熱或いは温熱を、熱搬送系統Lを介して、空調を行うべき空間に供給することが出来る。
次に、図4に基づいて、いわゆる「パワフル冷房運転」、即ち、吸収冷温水機1が冷房運転を行い、圧縮式冷暖房機2が圧縮機8を稼動して冷房運転を行うパターンを説明する。
図4において、開閉弁V1、V2、V5、V6、V7は開放され、開閉弁V3、V4、V8、V9は閉鎖されている。
開閉弁V12(図2参照)は全開なので、絞り機能は無い。そのため、図2では図示を省略してある。
図3の通常運転と同様に、開閉弁V8、V9が閉じられているので、熱搬送系統Lを流れる圧縮式冷媒は、圧縮式冷暖房機2−2には流入せず、圧縮式冷暖房機2−1側にのみ流れる。
そして、吸収式冷温水機1から冷温水供給系統Lwに送られる冷水が保有する熱(いわゆる「冷熱」)は、熱交換器4を介して熱搬送系統Lを流れる圧縮式冷媒に投入され、気相の圧縮式冷媒を凝縮する。
気相を幾分残しているが、液相の低温圧縮式冷媒は、ラインL1から開閉弁V1、ラインL2、開閉弁V2、分岐点B2及びラインL4に介装されたレシーバ10を介して完全に気相分が分離除去された低温液相冷媒は冷媒搬送用のポンプ12に吸入され、圧力を付加されて吐出される。
その後、分岐点B3、ラインL6の開閉弁V5、分岐点B4、ラインL7、分岐点B5、ラインL8、分岐点B6、ラインL9の開閉弁V7を介して、圧縮式冷暖房機2−1のファンコイル9に流入する。
しかし、図3の通常運転の場合は、熱搬送系統Lを流れる圧縮式冷媒は、その全量が開閉弁V7を介して圧縮式冷暖房機2−1のファンコイル9に流入した。
これに対して、図4のパワフル冷房運転の場合は、熱搬送系統Lを流れる圧縮式冷媒が流れるラインL8が、分岐点B6でラインL9とL14とに分岐しており、開閉弁V6の開放されているため、圧縮式冷暖房機2−1に流入した圧縮式冷媒の一部がラインL14を流れ、開閉弁V6を介して熱交換器6に流入して、圧縮式冷暖房機2内部の冷媒循環系統Kを流れる冷媒と熱交換を行う。
ここで、圧縮式冷暖房機2内部の冷媒循環系統Kを説明する。
圧縮機8は、冷媒循環系統KのラインK4を流れる低圧の気相冷媒を圧縮して、高圧気相冷媒としてラインK1に吐出する。
ラインK1を流れる高圧気相冷媒は、熱交換器6で、熱搬送系統Lを流れる圧縮式冷媒に気化熱を投与して凝縮して、高圧液相冷媒となり、ラインK2を流れる。
一方、熱搬送系統Lを流れる圧縮式冷媒は、ラインK1を流れる高圧気相冷媒から気化熱を奪い、気相の圧縮式冷媒となり、ラインL13を流れる。すなわち、熱交換器6は、気化熱と凝縮熱とを熱交換する潜熱−潜熱熱交換器として作用する。
熱搬送系統Lに着目すれば、圧縮式冷暖房機2内部の冷媒循環系統Kを流れる高圧気相冷媒(ラインK1から熱交換器6へ流入する高圧気相冷媒)を潜熱−潜熱熱交換器である熱交換器6で確実に凝縮させるため、開閉弁V6の開度を適宜制御して、熱交換器6に流入する液相の圧縮式冷媒(熱搬送系統Lを流れる液相の圧縮式冷媒)の流量を調節する。
再び圧縮式冷暖房機2内部の冷媒循環系統Kにおいて、ラインK2を流れる高圧液相冷媒は、減圧弁として作用する開閉弁V11を通過する際に減圧されて、低圧液相冷媒となってラインK3を流れ、ヒートポンプ10に流入する。
ヒートポンプ10に流入した低圧液相冷媒は、圧縮式冷暖房機2−1が設置されている空間(例えば、部屋)内から気化熱を奪って蒸発し、当該空間内の気温を降下せしめる(冷房運転)。
ヒートポンプ10で気化した冷媒は、低圧気相冷媒としてラインK4を流れ、圧縮機8で再び圧縮される。
再び、熱搬送系統Lにおいて、分岐点B6からファンコイル9側に連通するラインL9を流れる圧縮式冷媒は、開閉弁V7を介してファンコイル9に流入すると、圧縮式冷暖房機2−1が設置されている空間(例えば、部屋)内から気化熱を奪って蒸発し、当該空間内の気温を降下せしめる(冷房運転)。その結果、気相の圧縮式冷媒となって、ラインL10、L11、L12を流れる。
図4の場合においても、液相の圧縮式冷媒をファンコイル9において確実に蒸発させるため、開閉弁V7の開度を適宜調節して、ファンコイル9に流入する液相の圧縮式冷媒を減圧する。
ラインL10とラインL13は合流点B7で合流しており、潜熱−潜熱熱交換器6で気化した気相の圧縮式冷媒と、ファンコイル9で気化した気相の圧縮式冷媒は、合流点B7で合流してラインL11、L12を流れて、熱交換器4に流入する。
そして、冷温水供給系統Lwを流れる冷水が保有する熱(いわゆる「冷熱」)が、熱搬送系統Lを流れる気相の圧縮式冷媒へ投入され、気相の圧縮式冷媒は凝縮して液相の圧縮式冷媒となり、熱搬送系統Lを流れる。
気相の圧縮式冷媒が熱交換器4で凝縮しなかった場合でも、レシーバ11において気相の圧縮式冷媒が液相圧縮式冷媒から分離されるため、気相の冷媒がポンプ12に吸入されてキャビテーションを生じ、ポンプ12を破損させるようなことは防止される。
また、圧縮式冷媒に圧力を負荷するポンプが使用出来るため、圧縮機や、ブロワ等を使用する必要がなく、圧縮機用の潤滑油の戻りを考慮する必要も無い。
図4の場合、ポンプ12で圧力が与えられる熱搬送系統Lの圧縮式冷媒がファンコイル9で気化熱を奪うのと同時に、圧縮機8で圧力が与えられる圧縮式冷暖房機2内部の冷媒循環系統Kの冷媒がヒートポンプ10で気化熱を奪うので、圧縮式冷暖房機2−1が設置されている空間(例えば、部屋)は、図3の通常の冷房運転の場合に比較して、良く冷えた状態となり、温度が十分に降下する。
次に、図5に基づいて、吸収冷温水機1が冷房運転を行い、圧縮式冷暖房機2が圧縮機8を稼動して暖房運転を行う運転パターンについて説明する。
係る運転は、例えば、冬季と夏季との中間期で、冷房負荷と暖房負荷とが混在しているとき等に行われる。特に、セントラル空調が冷房運転を行っている場合に、吸収冷温水機1が冷房運転を行い、圧縮式冷暖房機2が圧縮機8を稼動して暖房運転を行う運転パターンが実行される場合がある。
図5において、開閉弁V1、V2、V5、V6は開放され、開閉弁V3、V4、V8、V9、V7は閉鎖されている。ここで、ラインK3の開閉弁V11(図2参照)は全開であり、絞り機能は無い。従って、図3では図示を省略している。
圧縮式冷暖房機2内部の冷媒循環系統Kにおいて、圧縮機8は、図2〜図4で示すのとは異なった位置に配置されている。上述した様に、図示されていないバイパス回路や、4方弁等を別途設けることにより、システムの構成を変更すること無く、圧縮式冷暖房機2内部の冷媒循環系統Kの冷媒の流れる方向を変更した旨を、圧縮機8の位置を図3で示す様な位置に変更することで表現したものである。(後述する図7においても同様である)
熱交換器4を出た圧縮式冷媒は、ラインL1の開閉弁V1、ラインL2の開閉弁V2及びラインL4のレシーバ10を介して冷媒搬送用のポンプ12に吸入され、圧力を付加されて吐出される。
図3、図4と同様に、圧縮式冷暖房機2−2の開閉弁V8、V9が閉じられているので、熱搬送系統Lを流れる圧縮式冷媒は、圧縮式冷暖房機2−2には流入せず、圧縮式冷暖房機2−1側にのみ流れる。
しかし、図3の通常運転の場合は、圧縮式冷暖房機2−1に流入した圧縮式冷媒は、その全量が開閉弁V7を介してファンコイル9に流入するが、図5においては、開閉弁V7は閉鎖し、その代わり開閉弁V6が開放されているので、ラインL8を流れる圧縮式冷媒の全量が分岐点B6から開閉弁V6、ラインL14を介して熱交換器6に流入する。
熱交換器6では、圧縮式冷暖房機2内部の冷媒循環系統Kを流れる冷媒と熱交換を行う。
ここで、圧縮式冷暖房機2内部の冷媒循環系統Kを説明する。
圧縮機8から吐出された高圧気相冷媒は、ラインK3を流れ、ヒートポンプ10に流入する。
ヒートポンプ10に流入した高圧気相冷媒は、圧縮式冷暖房機2−1が設置されている空間(例えば、部屋)に対して、凝縮熱を投入して高圧液相冷媒となり、当該空間内の気温を昇温せしめる(暖房運転)。
ヒートポンプ10で凝縮した高圧液相冷媒はラインK4を流れ、減圧弁として作用する開閉弁V12を通過する際に減圧され、低圧液相冷媒となる。低圧液相冷媒はラインK1を流れ、熱交換器6に流入する。
そして低圧液相冷媒は、熱交換器6で、熱搬送系統Lを流れる圧縮式冷媒から気化熱を投与されて気化し、低圧気相冷媒となり、ラインK2を流れる。そして、圧縮機8で圧縮される。
一方、熱搬送系統Lを流れる液相の圧縮式冷媒は、ラインK1を流れる低圧液相冷媒に気化熱を奪われ、その温度が低下する。すなわち、熱交換器6は、熱搬送系統Lを流れる液相の圧縮式冷媒における顕熱を、圧縮式冷暖房機2−1内部の冷媒循環系統Kを流れる低圧液相冷媒における気化熱(潜熱)として投入する顕熱−潜熱熱交換器として作用する。
熱搬送系統Lにおいて、熱交換器6(顕熱−潜熱熱交換器)で降温した液相の圧縮式冷媒は、ラインL13、L11、L12を介して、熱交換器4に流入する。
吸収式冷温水機1から冷温水供給系統Lwに送られる冷水が保有する熱(いわゆる「温熱」)は、熱交換器4を介して熱搬送系統Lを流れる圧縮式冷媒に投入され、圧縮式冷媒を昇温する。換言すれば、圧縮式冷媒は、冷温水供給系統Lwに送られる冷水により加熱される。
なお、圧縮式冷媒は、上述した通り、熱交換器6(顕熱−潜熱熱交換器)において、冷媒循環系統Kの冷媒の気化熱を供給しており、温度が低下している。
熱搬送系統Lを流れる圧縮式冷媒を加熱する結果、冷温水供給系統Lwに送られる冷水は非常に低温となるが、冷温水供給系統Lwに連通している他の熱交換器(熱交換器4に相当するもの:例えば、建造物Bの他の階に存在する熱交換器)から戻ってくる冷水の温度が昇温されているので、相殺される(熱源機間の相殺、融通)。
係る相殺があるので、吸収冷温水機1側では、圧縮機8を稼動して暖房を行っても、さほど、エネルギの増加は無い。
以上が吸収冷温水機1に冷房運転を行わせる場合(3パターン:図3〜図5)である。
次に、吸収冷温水機1に暖房運転を行わせる場合(4パターン:図6〜図9)について、個々に説明する。
図6は通常暖房の運転パターンで、吸収式冷温水機1が暖房運転(冷温水供給系統Lwに温水を供給する運転)を行っており、圧縮式冷暖房機2における圧縮機8を使わない場合を示している。
即ち、圧縮機8を稼動させず、吸収式冷温水機1が供給する温水で供給される熱を使用して、圧縮式冷暖房機2が設けられている空間で暖房運転を行う事例である。
圧縮式冷暖房機2の圧縮機8は使用せず(稼動させず)、ファンコイル9で(圧縮式冷暖房機2が設けられている空間を)暖房している。
ファンコイル9で対応出来ない場合(図7のパワフル冷房:後述)のみ、圧縮機8を稼動することで対応する。
図6において、開閉弁V1、V3、V4、V7は開放され、開閉弁V2、V5、V6、V8、V9は閉鎖されている。
圧縮式冷暖房機2−2の開閉弁V8、V9が閉じられているので、熱搬送系統Lを流れる圧縮式冷媒は、圧縮式冷暖房機2−2には流入せず、圧縮式冷暖房機2−1側にのみ流れる。
吸収式冷温水機1から冷温水供給系統Lwに送られる温水が保有する熱(いわゆる「温熱」)は、熱交換器4を介して熱搬送系統Lを流れる圧縮式冷媒に投入され、液相の圧縮式冷媒を加熱して気相の圧縮式冷媒に気化せしめる。
気相の圧縮式冷媒は、ラインL12、ラインL11、ラインL10を介して圧縮式冷暖房機2−1のファンコイル9に流入する。
この場合、圧縮式冷暖房機2−1内の圧縮機8は稼動せず、冷媒は冷媒循環系統Kを流れないので、熱交換器6で熱搬送系統Lを流れる圧縮式冷媒と熱交換を行う必要はない。そのため、開閉弁V6を閉鎖しており、熱搬送系統Lを流れる圧縮式冷媒は全量がファンコイル9へ流入する。
ファンコイル9において、熱搬送系統Lを流れる気相の圧縮式冷媒は、保有している気化熱を圧縮式冷暖房機2−1が設置されている空間(例えば、部屋)内に投与して凝縮し、当該空間内の気温を上昇させる。
ファンコイルで凝縮した液相の圧縮式冷媒は、開閉弁V7、ラインL9、ラインL8、分岐点B5、ラインL7、分岐点B4、ラインL5の開閉弁V4、分岐点B2、ラインL4のレシーバ11を介して冷媒搬送用のポンプ12に吸入され、圧力を付加されてポンプ12から吐出される。
ここで、ファンコイル9において気相の圧縮式冷媒が凝縮しきれなかった場合に、気相の冷媒がポンプ12に吸入されてポンプ12を破損しないように、レシーバ11において、気相の圧縮式冷媒が液相圧縮式冷媒から分離される。
ポンプ12から吐出された液相の圧縮式冷媒は、分岐点B3、ラインL3の開閉弁V3、分岐点B1、ラインL1の開閉弁V1を介して熱交換器4まで戻り、再び、冷温水供給系統Lwを流れる温水が保有する熱が投入されて、気化する。そして、気相の圧縮式冷媒として、再び熱搬送系統LのラインL12を流れる。
次に、図7に基づいて、いわゆる「パワフル暖房運転」、即ち、吸収冷温水機1が暖房運転を行い、圧縮式冷暖房機2(2−1)も圧縮機8を稼動して暖房運転を行う運転パターンについて説明する。
図7において、開閉弁V1、V3、V4、V6、V7は開放され、開閉弁V2、V5、V8、V9は閉鎖されている。
ここで、圧縮式冷暖房機2内部の冷媒循環系統Kの開閉弁V11(図2参照)は全開状態で、絞り機能は無い。そのため、図7では図示を省略している。
圧縮式冷暖房機2内部の冷媒循環系統Kにおいて、圧縮機8は、図2〜図6で示すのとは異なった位置に配置されている。上述した様に、図示されていないバイパス回路や、4方弁等を別途設けることにより、システムの構成を変更すること無く、圧縮式冷暖房機2内部の冷媒循環系統7の冷媒の流れる方向を変更した旨を、圧縮機8の位置を図7で示す位置に変更することで表現したものである(図5においても同様)。
ここで、圧縮式冷暖房機2−2の開閉弁V8、V9が閉じられているので、熱搬送系統Lを流れる圧縮式冷媒は、圧縮式冷暖房機2−2には流入せず、圧縮式冷暖房機2−1側にのみ流れる。
そして、吸収式冷温水機1から冷温水供給系統Lwに送られる温水が保有する熱は、熱交換器4を介して、熱搬送系統Lを流れる圧縮式冷媒に投入され、液相の圧縮式冷媒を加熱して気化する。
熱交換器4で気化された気相の圧縮式冷媒はラインL12、L11を流れ、圧縮式冷暖房機2−1に供給される。
図6の通常暖房運転の場合は、ラインL12、L11、L10を流れる圧縮式冷媒は、その全量が開閉弁V7を介して圧縮式冷暖房機2−1のファンコイル9に流入した。
これに対して、図7のパワフル暖房運転の場合は、熱搬送系統Lを流れる圧縮式冷媒はラインL12、L11を経由した後、分岐点B7おいてラインL10とラインL13とに分岐し、且つ、開閉バルブV6、V7の双方が閉止されていないため、圧縮式冷媒の一部がラインL13を流れ、開閉弁V6を介して圧縮式冷暖房機2−1の熱交換器6に流入して、圧縮式冷暖房機2内部の冷媒循環系統Kを流れる冷媒と熱交換を行う。
ここで、パワフル暖房運転時における圧縮式冷暖房機2内部の冷媒(熱媒)が循環する態様について説明する。
圧縮機8は、冷媒循環系統KのラインK6を流れる低圧の気相冷媒を圧縮して、高圧気相冷媒としてラインK7に吐出する。
ラインK7を流れる高圧気相冷媒はヒートポンプ10に流入し、保有する気化熱を圧縮式冷暖房機2−1が設置されている空間(例えば、部屋)内に投与して凝固し、当該空間内の気温を上昇せしめる(暖房運転)。
ヒートポンプ10で凝縮した冷媒は、高圧液相冷媒としてラインK8を流れ、減圧弁として作用する開閉弁V12を通過する際に減圧されて、低圧液相冷媒となってラインK9を流れる。
ラインK9を流れる低圧液相冷媒は熱交換器6に流入し、熱搬送系統Lを流れる圧縮式冷媒から投与された気化熱により気化して、低圧気相冷媒となり、ラインK6を流れる。
一方、熱搬送系統Lを流れる気相の圧縮式冷媒は、熱交換器6で、保有する気化熱をラインK9から流入した低圧液相冷媒へ気化熱を投入して凝縮し、液相の圧縮式冷媒となり、ラインL14を流れる。すなわち、熱交換器6は、気化熱の授受を行う潜熱−潜熱熱交換器として作用する。
ここで、熱搬送系統Lに着目すれば、冷媒循環系統Kを流れる低圧液相冷媒(ラインK9から熱交換器6に流入した低圧液相冷媒)を、潜熱−潜熱熱交換器である熱交換器6で確実に蒸発させるため、開閉弁V6の開度を適宜制御して、熱交換器6に流入する気相の圧縮式冷媒流量を調節する。
再び、熱搬送系統Lにおいて、分岐点B7からファンコイル9側に連通するラインL10を流れる気相の圧縮式冷媒は、ファンコイル9に流入すると、圧縮式冷暖房機2−1が設置されている空間(例えば、部屋)内へ気化熱を投入し、当該空間内の気温を昇温せしめる(暖房運転)。そして、ファンコイル9に流入した気相の圧縮式冷媒は、凝縮して液相の圧縮式冷媒となって開閉弁V7、ラインL9を流れる。
ラインL9を流れる液相の圧縮式冷媒は、分岐点B6において、熱交換器6側からラインL14を流れる液相の圧縮式冷媒と合流して、ラインL8を流過する。そして、分岐点B5、ラインL7、分岐点B4を経由して、ラインL5の開閉弁V4、分岐点B2、ラインL4のレシーバ11を介して、冷媒搬送用のポンプ12に吸入され、圧力を付加されてポンプ12から吐出される。
ポンプ12から吐出された圧縮式冷媒は、分岐点B3、ラインL3の開閉弁V3、分岐点B1、及びラインL1の開閉弁V1を介して、熱交換器4に流入する。
ここで、圧縮式冷媒が熱交換器6或いはファンコイル9で気化しなかった場合でも、レシーバ11において気相の圧縮式冷媒が液相圧縮式冷媒から分離されるため、気相の冷媒がポンプ12に吸入されてポンプ12を破損されることは防止される。
熱交換器4に流入した液相の圧縮式冷媒は、冷温水供給系統Lwを流れる温水が保有する熱を投入されて気化する。そして、気相の圧縮式冷媒は再び熱搬送系統Lを流れる。
図7の場合、気相の圧縮式冷媒がファンコイル9で凝縮して、圧縮式冷暖房機2−1が設置されている空間に気化熱を投入すると共に、圧縮機8で圧力が与えられた圧縮式冷暖房機2内部の冷媒循環系統Kの冷媒が、ヒートポンプ10で、圧縮式冷暖房機2−1が設置されている空間に気化熱を投入するので、当該空間(圧縮式冷暖房機2−1が設置されている空間)は、図6の通常の暖房運転の場合に比較して、さらに大量の熱(気化熱)が投入される。
次に、図8、図9に基づいて、冬季の冷房運転、すなわち、吸収冷温水機1が暖房運転を行い、複数の圧縮式冷暖房機2の少なくとも1台が、圧縮機8を稼動して冷房運転を行う運転パターンについて説明する。
ここで、冬季に冷房運転を行う場合としては、例えば、サーバールーム等では一年中冷房を行うことが要求される。また、いわゆる「OA機器」の普及により、冬季においても冷房運転を行いたい、という需要は増加している。
さらに、冬季と夏季の中間期において、冷房需要と暖房需要とが混在する場合も、図8、図9で説明する「冬季の冷房運転」の運転パターンで対処可能である。
冬季の冷房は2パターン存在する。
各々について、図8、図9を参照して、それぞれ説明する。
先ず、図8は熱搬送系統Lを流れる圧縮式冷媒が、熱交換器4を出た際に気相状態である運転パターンである。
図8において、圧縮式冷暖房機2−1は冷房運転を行い、圧縮式冷暖房機2−2は暖房運転を行う。
図8において、開閉弁V1、V3、V4、V7、V8は開放され、開閉弁V2、V5、V6、V9は閉鎖されている。また、ラインK4の開閉弁V12(図2参照)は全開されており、絞り機能は無いので、図8では図示を省略している。
熱交換器4を出た気相の圧縮式冷媒は、ラインL12を流れ、分岐点B8で、圧縮式冷暖房機2−1に連通するラインL11と、圧縮式冷暖房機2−2に連通するラインL15とに分岐する。
ここで、図3〜図7の運転パターンでは、開閉弁V8、V9が閉じられており、熱搬送系統3Lを流れる圧縮式冷媒は、圧縮式冷暖房機2−2には流入せず、圧縮式冷暖房機2−1側にのみ流れる。しかし、図8(図9も同様)の場合は、開閉弁V9は開放されているので、熱搬送系統Lを流れる圧縮式冷媒は圧縮式冷暖房機2−2のファンコイル9にも流入する。
先ず、圧縮式冷暖房機2−2側について説明する。
ラインL15を流れる液相の圧縮式冷媒は、分岐点B9、ラインL16を経由してファンコイル9−2に流入する。ファンコイル9−2において、液相の圧縮式冷媒は、その保有する熱量(顕熱)を、圧縮式冷暖房機2−2が設置された空間(例えば部屋)に投入して、当該空間の気温を昇温する(暖房運転)。
圧縮式冷暖房機2−2が設置された空間に保有する熱量を投入して昇温せしめた液相の圧縮式冷媒は、その温度が降温した状態でラインL17の開閉弁V7、分岐点B10、ラインL18を流れ、分岐点B5で、圧縮式冷暖房機2−1側からラインL8を介して流れる気相冷媒と合流する。
分岐点B8からラインL11を介して流れる気相の圧縮式冷媒は、開閉弁V7が閉鎖し、開閉弁V6が開放されているので、その全量が圧縮式冷暖房機2−1の熱交換器6に流入する。
熱交換器6では、圧縮式冷暖房機2内部の冷媒循環系統Kを流れる冷媒と熱交換を行う。
圧縮式冷暖房機2内部の冷媒循環系統Kを説明する。
圧縮機8から吐出された高圧気相冷媒はラインK1を介して熱交換器6に流入し、熱搬送系統Lを流れる液相の圧縮式冷媒に気化熱を投与して凝縮して、高圧液相冷媒となり、ラインK2を流れる。
熱交換器6において、熱搬送系統Lを流れる気相の圧縮式冷媒は、高圧気相冷媒からの気化熱が投入されるため、その温度が上昇(昇温)する。すなわち、熱交換器6は、熱搬送系統Lを流れる気相の圧縮式冷媒の顕熱と、圧縮式冷暖房機2−1内部の冷媒循環系統Kを流れる高圧気相冷媒の気化熱(潜熱)とを授受するので、顕熱−潜熱熱交換器として作用する。
再び圧縮式冷暖房機2−1内部の冷媒循環系統Kにおいて、ラインK2を流れる高圧液相冷媒は、減圧弁として作用する開閉弁V11を通過する際に減圧されて低圧液相冷媒となり、ラインK3を流れ、ヒートポンプ10に流入する。
ヒートポンプ10に流入した低圧液相冷媒は、圧縮式冷暖房機2−1が設置されている空間(例えば、部屋)から気化熱を奪って低圧気相冷媒となり、当該空間内の気温を降温せしめる(冷房運転)。
ヒートポンプ10で気化した低圧気相冷媒はラインK4を流れ、圧縮機8に吸入されて、再び圧縮されて高圧気相冷媒として吐出される。
熱搬送系統Lでは、熱交換器6(顕熱−潜熱熱交換器)で昇温された気相の圧縮式冷媒は、ラインL14の開閉弁V6、分岐点B6、ラインL8を介して、分岐点B5で、圧縮式冷暖房機2−2側から戻った液相の圧縮式冷媒と合流し、気液2相流となる。そして、ラインL7、分岐点B4、ラインL5の開閉弁V4、分岐点B2、ラインL4のレシーバ11、ラインL4を介して、ポンプL12に吸入される。
ここで、気液2相流がポンプ12にそのまま吸入されると、気槽の圧縮式冷媒の存在によりポンプ112が破損される恐れがあるので、レシーバ11において、気相の圧縮式冷媒が液相の圧縮式冷媒から分離される。
ポンプ12で圧力が付加された液相の圧縮式冷媒は、分岐点B3、ラインL3の開閉弁V3、分岐点B1、ラインL1の開閉弁V1を介して、熱交換器4に流入する。
吸収式冷温水機1から冷温水供給系統Lwに送られる温水が保有する熱(いわゆる「温熱」)は、熱交換器4を介して熱搬送系統Lを流れる圧縮式冷媒に投入され、液相の圧縮式冷媒を加熱して気化する。
次に、図9に基づいて、熱搬送系統Lを流れる圧縮式冷媒が、熱交換器4を出た際に液相状態である運転パターンについて説明する。
図9において、圧縮式冷暖房機2−1は冷房運転を行い、圧縮式冷暖房機2−2は暖房運転を行う。
図9において、開閉弁V1、V2、V5、V6、V9は開放され、開閉弁V3、V4、V7、V8は閉鎖されている。ラインK4の開閉弁V12(図2参照)は全開しており、絞り機能は無いので、図9では図示を省略している。
熱交換器4を出た液相の圧縮式冷媒は、ラインL1の開閉弁V1、分岐点B1、ラインL2の開閉弁V2、分岐点B2及びラインL4のレシーバ11を介して冷媒搬送用のポンプ12に吸入され、圧力を付加されてポンプ12から吐出される。
ポンプ12から吐出された液相の圧縮式冷媒は、分岐点B3、ラインL6の開閉弁V5、分岐点B4、ラインL7を介して流れ、分岐点B5で、圧縮式冷暖房機2−1に連通するラインL8と、圧縮式冷暖房機2−2に連通するラインL18とに分岐する。
ここで、図8で説明したのと同様に、図9の運転パターンにおいても、圧縮式冷暖房機2−2の開閉弁V9は開放されているので、熱搬送系統Lを流れる圧縮式冷媒は圧縮式冷暖房機2−2にも流入する。
先ず、圧縮式冷暖房機2−2側について説明する。
ラインL18を流れる液相の圧縮式冷媒は、分岐点B10、ラインL17の開閉弁V9を介してファンコイル9に流入する。ファンコイル9において、液相の圧縮式冷媒は、その保有する熱量(顕熱)を、圧縮式冷暖房機2−2が設置された空間(例えば部屋)に投入して、当該空間の気温を昇温する(暖房運転)。
圧縮式冷暖房機2−2が設置された空間に保有する熱量を投入して昇温せしめた液相の圧縮式冷媒は、その温度が降温した状態でラインL16を流れ、分岐点B9、ラインL15を経由して、分岐点B8で、圧縮式冷暖房機2−1側からラインL11を介して流れる気相冷媒と合流する。
分岐点B5からラインL8を介して圧縮式冷暖房機2−1に供給された液相の圧縮式冷媒は、開閉弁V7は閉鎖し、開閉弁V6が開放されているので、その全量がラインL14、開閉弁V6を介して熱交換器6に流入する。
熱交換器6では、圧縮式冷暖房機2内部の冷媒循環系統Kを流れる冷媒と熱交換を行う。
圧縮式冷暖房機2−1内部の冷媒循環系統Kを説明する。
圧縮機8から吐出された高圧気相冷媒はラインK1を介して熱交換器6に流入し、熱搬送系統Lを流れる液相の圧縮式冷媒に気化熱を投与して凝縮して、高圧液相冷媒となり、ラインK2を流れる。
熱交換器6において、熱搬送系統Lを流れる液相の圧縮式冷媒は、高圧気相冷媒からの気化熱が投入されて気化して、気相の圧縮式冷媒となる。すなわち、熱交換器6は、熱搬送系統Lを流れる液相の圧縮式冷媒と、圧縮式冷暖房機2−1内部の冷媒循環系統Kを流れる高圧気相冷媒との間で、気化熱(潜熱)の授受を行う潜熱−潜熱熱交換器として作用する。
再び圧縮式冷暖房機2−1内部の冷媒循環系統Kにおいて、ラインK2を流れる高圧液相冷媒は、減圧弁として作用する開閉弁V11を通過する際に減圧されて低圧液相冷媒となり、ラインK3を流れ、ヒートポンプ10に流入する。
ヒートポンプ10に流入した低圧液相冷媒は、圧縮式冷暖房機2−1が設置されている空間(例えば、部屋)から気化熱を奪って低圧気相冷媒となり、当該空間内の気温を降温せしめる(冷房運転)。
ヒートポンプ10で気化した低圧気相冷媒はラインK4を流れ、圧縮機8に吸入されて、再び圧縮されて高圧気相冷媒として吐出される。
熱搬送系統Lでは、熱交換器6(潜熱−潜熱熱交換器)で気化した圧縮式冷媒は、ラインL13、分岐点B7、ラインL11を介して、合流点B8で、圧縮式冷暖房機2−2側から戻った液相の圧縮式冷媒と合流し、気液2相流となってラインL12を流過して、熱交換器4に流入する。
吸収式冷温水機1から冷温水供給系統Lwに送られる温水が保有する熱(いわゆる「温熱」)は、熱交換器4を介して熱搬送系統Lを流れる圧縮式冷媒に投入され、圧縮式冷媒を昇温する。換言すれば、圧縮式冷媒は、冷温水供給系統Lwを流れる温水により加熱される。
ここで、熱交換器4において圧縮式冷媒が気化してしまうと、圧縮式冷媒をラインL4に介装したポンプ12で搬送することが不可能となり、或いは、ポンプ12を破損してしまう恐れが存在する。
冷温水供給系統Lwを流れる温水の温度レベルを低くすれば、圧縮式冷媒が気化することを防止できる。
しかし、冷温水レベルを高く出来る(60℃程度まで可能)のが、吸収式冷温水機の特徴であるため、冷温水供給系統Lwを流れる温水の温度レベルを低く設定してしまうと、吸収式冷温水機1の特徴が生かせなくなってしまう。
また、冷温水供給系統Lwを流れる温水の温度レベルを低く設定してしまうと、圧縮式冷暖房機2−2側の暖房のために、圧縮式冷媒の流量を増量しなければならず、ポンプ12の負担増となる。
これに対して、ラインL12に圧力調整バルブVcを設けることが好適である。
圧力調整バルブVcを設けることにより、熱交換器4において冷温水供給系統Lwを流れる温水が保有する熱を投入されても、圧縮式冷媒が気化しないように、熱搬送系統L内の圧力を調整することが可能となる。
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではない旨を付記する。
本発明の実施形態の概略構成を示すブロック図。 本発明の実施形態の詳細な構成を示すブロック図。 本発明の実施形態における「通常の冷房運転」であり、吸収式温水機が冷房運転を行い、圧縮式冷房機では圧縮機を運転していない運転パターンを示す状態図。 本発明の実施形態における「パワフル冷房運転で」あり、吸収式温水機が冷房運転を行い、圧縮式冷房機が圧縮機を稼動して冷房運転する運転パターンを示す状態図。 本発明の実施形態において、吸収式温水機が冷房運転を行い、圧縮式冷房機が圧縮機を稼動して暖房運転する運転パターンを示す状態図。 本発明の実施形態における「通常の暖房運転」であり、吸収式温水機が暖房運転を行い、圧縮式冷房機では圧縮機を運転していない運転パターンを示す状態図。 本発明の実施形態における「パワフル暖房運転で」あり、吸収式温水機が暖房運転を行い、圧縮式冷房機も圧縮機を稼動して暖房運転する運転パターンを示す状態図。 本発明の実施形態において熱搬送系を流れる圧縮式冷媒が、熱交換器を出た際に気相状態である運転パターンを示した状態図。 本発明の実施形態において熱搬送系を流れる圧縮式冷媒が、熱交換器を出た際に液相状態である運転パターンを示した状態図。 従来技術の集中熱源方式の空気調和システムの概略構成を示したブロック図。 従来技術の個別分散熱源方式の空気調和システムの概略構成を示したブロック図。
符号の説明
1・・・吸収式冷温水機
2・・・圧縮式冷暖房機燃料電池運転状況判定手段/電池監視装置
4・・・熱交換器
6・・・熱交換器
7・・・酸化剤供給量制御手段/酸化剤調整バルブ
8・・・圧縮機
9・・・ファンコイル
10・・・ヒートポンプ
11・・・レシーバ
12・・・ポンプ
B1〜B10・・・分岐点
K・・・冷媒循環系等
K1〜K5・・・(冷媒循環系統の)ライン
L・・・熱搬送系統
L1〜L20・・・(熱搬送系統)のライン
V1〜V12・・・開閉弁

Claims (4)

  1. 集中熱源装置と、空調を行うべき空間に設けられた個別熱源装置と、熱媒体により集中熱源装置から供給された熱を個別熱源装置へ搬送する熱搬送系統とを有しており、個別熱源装置には圧縮機を介装した冷媒循環系統が設けられており、熱搬送系統には液相の熱媒体に圧力を付加する流体機械と、熱媒体の経路を変更するための熱媒体経路決定手段とが介装されていることを特徴とする空気調和システム。
  2. 集中熱源装置は作動しているが個別熱源装置に介装された圧縮機を作動しない運転と、集中熱源装置と個別熱源装置に介装された圧縮機を両方とも作動する運転と、集中熱源装置と個別熱源装置に介装された圧縮機の両方を作動するが集中熱源装置で行う運転の種類と個別熱源装置に介装された圧縮機を用いて行う運転の種類とが異なっている運転とを切換可能に構成している請求項1の空気調和システム。
  3. 個別熱源装置には熱交換手段が設けられ、該熱交換手段は、個別熱源装置が設けられた空調を行うべき空間と、搬送する熱搬送系統を循環する熱媒体との間で熱交換を行う様に構成されている請求項1、2の何れかの空気調和システム。
  4. 熱搬送系統を循環する熱媒体と、個別熱源装置の冷媒循環系統を流れる冷媒とで熱交換を行う熱交換器を設けている請求項1〜3の何れか1項の空気調和システム。
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