以下に、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例においては、遊技機の一例として、パチンコ遊技機を示すが、本発明は、これに限られるものではなく、他にコイン遊技機やスロットマシン等のように、表示状態が変化可能な可変表示部を含み、その可変表示部の複数の表示結果が予め定められた特定の表示態様の組合せとなった場合に、所定の遊技価値が付与可能となる遊技機であればすべてに適用することが可能である。
図1は、本実施例に係るパチンコ遊技機の遊技盤面の構成を示す正面図である。パチンコ遊技機の遊技盤1の前面には、外レール2aと内レール2bとが、円状に植設されている。外レール2aと内レール2bとで囲まれた領域を遊技領域3という。
パチンコ遊技機には、遊技者がパチンコ玉の打込みを操作するための打球操作ハンドル(図示せず)が設けられている。この打球操作ハンドルを遊技者が操作することにより、パチンコ玉が1個ずつ発射される。発射されたパチンコ玉は、外レール2aと内レール2bとの間に形成された誘導路4によって遊技領域3内に導かれる。誘導路4から遊技領域3への出口部分には、一旦、遊技領域3に打込まれたパチンコ玉が、誘導路4内に逆戻りすることを防止するための弁状の逆流防止部材5が設けられている。なお、遊技領域3に打込まれたパチンコ玉を以下の説明では「打玉」という。
遊技領域3の中央には、複数種類の画像を変動表示するための可変表示装置7が設けられている。可変表示装置7の下方には、始動口9と、可変入賞球装置11とが設けられている。可変表示装置7の左右両側の通称「肩部」と呼ばれる位置には、普通入賞口13a,13bが設けられている。普通入賞口13a,13bのそれぞれの下方の通称「袖部」と呼ばれる位置には、普通入賞口15a,15bが設けられている。可変入賞球装置11の左右両側の通称「落し部」と呼ばれる位置には、普通入賞口17a,17bが設けられている。可変表示装置7の頂部の通称「天部」と呼ばれる位置には、普通入賞口19が設けられている。遊技領域3の最下部には、アウト口21が設けられている。
遊技領域3に打込まれた打玉は、遊技領域3を流下する途中で始動口9と、可変入賞球装置11と、普通入賞口13a,13b,15a,15b,17a,17b,19とのいずれかの入賞口に入賞するか、または、アウト口21へ導かれてアウト玉として処理される。可変入賞球装置11に打玉が入賞した場合は、入賞玉1個に対して15個の景品玉が
遊技者に払出される。始動口9と普通入賞口13a,13b,15a,15b,17a,17b,19とのいずれかに打玉が入賞した場合は、入賞玉1個に対して7個の景品玉が遊技者に払出される。すなわち、本実施例では、可変入賞球装置11に入賞した入賞玉によって払出される景品玉数は、それ以外の入賞口に入賞した入賞玉によって払出される景品玉数よりも相対的に多くなるように設定している。
遊技盤1の上部には、装飾部材23,25が取付けられている。左側の装飾部材23には、パチンコ遊技機の製造元を示すためのメーカー名表示部材26が形成されている。右側の装飾部材25には、パチンコ遊技機の機種名を示すための機種名表示部材27と、遊技者に払出される賞球数を示すための賞球数表示部材29とが形成されている。
遊技領域3には、さらに、遊技領域3を装飾するとともに打玉の流下方向を多様化させるための風車飾り33a,33b,34a,34b,35a,35bが設けられている。
また、遊技領域3やその周辺には、遊技盤面を装飾したり、遊技状態を遊技者に報知したりして遊技効果を高めるために、以下のような各種の表示器類、ランプ類およびLED(Light Emitting Diode)類が配設されている。
可変表示装置7には、始動記憶表示用LED51が設けられている。遊技領域3の左右両端部には、サイドランプ53a,53bと、飾りLED55a,55bが設けられている。風車飾り33a,33bには、風車ランプ57a,57bが設けられている。袖部の普通入賞口15a,15bには、袖ランプ61a,61bが設けられている。可変入賞球装置11には、アタッカランプ63a,63bと、飾りLED_D65a,65bと、入賞個数表示用LED67と、V表示用LED69とが設けられている。遊技領域3の周囲には、レール飾りランプ71a,71b,71c,71d,71eが設けられている。
飾り図柄表示器41は、「1」〜「10」の10個の飾り図柄を点灯表示するように構成されている。これらの飾り図柄は、特定遊技状態(後述)の発生に関連して、いずれか1つの数値がランダムに選択される。飾り図柄は、遊技内容には、直接関係しないが、遊技場側が、たとえば、特定遊技状態において遊技者が獲得した景品玉を使用して継続して遊技を行なうことを許可するというサービスを行なうか否かを決定する場合などに使用される。
さらに、図1では省略しているが、パチンコ遊技機の前面側において遊技盤1の上方には、遊技効果ランプ72(図2参照)と、パチンコ遊技機の状態に応じて種々の効果音を発生するためのスピーカ(図2参照)が設けられている。
可変表示装置7について説明する。可変表示装置7は、画像を表示するための画像表示部81を含む。この画像表示部81は、後述するLCD表示器231により構成されている。始動口9に打玉が入賞すると、画像表示部81において、左側,中央,右側の3つの図柄表示領域83a〜83cが表示され、それぞれの領域において、複数種類の識別情報としての図柄が変動表示される。この変動表示が停止したときの左側,中央,右側の3つの図柄の組合せが、予め定められた特定の組合せ(後述)となった場合に、「大当り」が発生する。大当りが発生すると、可変入賞球装置11が、打玉が入賞しにくい遊技者にとって不利な状態(以下、これを「第2の状態」という)から、打玉が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態(以下、これを「第1の状態」という)となる。大当りが発生し、可変入賞球装置11が第1の状態となっている状態を特定遊技状態という。
可変入賞球装置11について説明する。可変入賞球装置11には、大入賞口91が設けられている。大入賞口91には、遊技領域3の前後方向に所定範囲で傾動可能な開閉板89が備えられている。この開閉板89は、遊技盤1の裏面に設けられたソレノイド91(
破線で図示)により駆動される。
可変入賞球装置11は、通常時には、開閉板89を閉成状態にし、打玉が大入賞口87に入賞することが不可能な遊技者にとって不利な第2の状態となっている。そして、前述したように始動口9に打玉が入賞したことに基づいて、可変表示装置7の画像表示部81において図柄の変動表示が行なわれ、その変動表示が停止した時点で、特定の図柄の組合せが表示されて大当りが発生すれば、可変入賞球装置11は、開閉板89を開成状態にして、打玉が大入賞口87に入賞することが可能な遊技者にとって有利な第1の状態となる。
可変入賞球装置11の第1の状態は、開閉板89が開成状態となった後に、29.5秒が経過するか、または、大入賞口87に打玉が10個入賞するかのうちのいずれか速い方の条件が成立したことにより終了して、開閉板89が閉成状態となり、可変入賞球装置11が第2の状態となる。大入賞口87に入賞した打玉は、遊技盤1の裏面に設けられた入賞玉検出器93(破線で図示)により検出される。
大入賞口87の内部の中央には、通称「Vポケット」と呼ばれる特定領域95が設けられている。大入賞口87に入った打玉が、この特定領域95に入賞すれば、その特定入賞玉が、遊技盤1の裏面に設けられた特定玉検出器97(破線で図示)により検出される。特定入賞玉が検出されると、その回の可変入賞球装置11の第1の状態が終了するのを待って、再度、可変入賞球装置11を第1の状態に駆動制御する繰返し継続制御が行なわれる。この繰返し継続制御により、可変入賞球装置11は、最高16回連続して第1の状態となる。
可変入賞球装置11に設けられた入賞個数表示用LED67は、大入賞口87に入賞した打玉の個数を表示する。入賞個数表示用LED67の個数表示により、可変入賞球装置11の第1の状態を終了させる条件の1つである、大入賞口87への入賞玉が10個に至ったことが、遊技者に報知される。
始動入賞について説明する。始動口9に打玉が入賞することを特に「始動入賞」という。始動口9に入賞した打玉は、遊技盤1の裏面に設けられた始動玉検出器85(破線で図示)により検出される。始動口9に打玉が入賞したことをきっかけとして、可変表示装置7の画像表示部81において図柄の変動表示が開始され、この変動表示の停止時に特定の図柄の組合せが表示された場合に、可変入賞球装置11が第1の状態となる。図柄の変動表示が行なわれている間および図柄の変動表示の結果に基づいて可変入賞球装置11が第1の状態となっている間に、始動口9に打玉が入賞すれば、その始動入賞が記憶される。これを始動記憶という。始動記憶の個数は、始動記憶表示用LED51の点灯により遊技者に報知される。始動記憶の上限は4個に定められている。始動記憶がある場合は、画像表示部81における図柄の変動表示が停止した後、または、可変入賞球装置11の第1の状態が終了した後に、再び、画像表示部81における図柄の変動表示が開始される。
前述した遊技盤1の構成により、本実施例のパチンコ遊技機では、打玉が遊技領域3に打込まれた後、その打玉が始動口9に入賞すれば、画像表示部81において図柄の変動表示が開始される。そして、画像表示部81における図柄の変動表示が停止した時点で、特定の図柄の組合せが表示されている場合には、可変入賞球装置11の開閉板89が開成状態となり、可変入賞球装置11が第2の状態から第1の状態となる。可変入賞球装置11が第1の状態となることにより、打玉の入賞率が通常時と比較して大幅に高くなる。遊技者は、本実施例のパチンコ遊技機におけるこれらの一連のパチンコ遊技を楽しむ。
次に、本実施例のパチンコ遊技機に用いられる制御回路について説明する。図2は、メ
イン制御回路201の構成を示すブロック図である。本実施例では、このメイン制御回路201により、パチンコ遊技機を所定の手順で制御する。
図2を参照して、メイン制御回路201の構成について説明する。メイン制御回路201は、制御用プログラムに従ってパチンコ遊技機の各種機器を制御するための基本回路(以下、「メイン基本回路」という)203と、このメイン基本回路203からの制御指令を受けて駆動する各種の機能別の回路とを含む。機能別の回路としては、入力回路205と、LCD回路207と、LED回路209と、ソレノイド回路211と、情報出力回路213と、アドレスデコード回路215と、ランプ回路217と、定期リセット回路221と、初期リセット回路223と、電源回路225と、音声合成回路247と、音量増幅回路249とがある。
メイン基本回路203の内部には、制御用プログラム等を記憶しているROM(Read Only Memory)と、その制御用プログラムに従って制御動作を行なうためのCPU(Central Processing Unit )と、CPUのワーク用メモリとして機能するRAM(Random Access Memory)と、I/O(Input/Output)ポートと、クロック発生回路とが設けられている。なお、メイン基本回路203の内部構成については図示を省略する。
スイッチ回路205は、始動口9に入賞した打玉を検出するための始動玉検出器85と、可変入賞球装置11の大入賞口87に入賞した打玉を検出するための入賞玉検出器93と、大入賞口87の内部に設けられた特定領域95に入賞した打玉を検出するための特定入賞玉検出器97とのそれぞれからの検出信号をメイン基本回路203に送信するための回路である。
ソレノイド回路211は、可変入賞球装置11の開閉板89を駆動するためのソレノイド91(図1参照)を制御するための回路である。ソレノイド回路211は、メイン基本回路203からの指令信号に応答して、所定のタイミングでソレノイド91を作動させる。
情報出力回路213は、メイン基本回路203から与えられるデータ信号に基づいて、可変表示装置7の画像表示部81の変動表示による、大当りの発生に関する情報を示すための大当り情報と、始動口9への打玉の入賞個数のうち実際に表示部81における図柄の変動表示の始動に使用された個数などを示すための有効始動情報とをホストコンピュータであるホール用管理コンピュータ等に対して出力するための回路である。
アドレスデコード回路215は、メイン基本回路203から送られてきたアドレス信号を解読(デコード)し、メイン基本回路203の内部に含まれるROM、RAM、I/Oポート等のうちのいずれか1つを選択するための信号を出力する回路である。アドレスデコード回路215から出力される信号は、チップセレクト信号として、メイン基本回路203とスイッチ回路205とに送られる。
ランプ回路217は、遊技効果ランプ72(構成については図示を省略)と、レール飾りランプ71a〜71e(図1参照)と、風車ランプ57a,57b(図1参照)と、袖ランプ61a,61b(図1参照)と、サイドランプ53a,53b(図1参照)と、アタッカランプ63a,63b(図1参照)との点灯を制御するための回路である。
定期リセット回路221は、メイン基本回路203に対し、定期的(たとえば2msecごと)にリセットパルスを与え、所定のゲーム制御用プログラムを先頭から繰返し実行させるための回路である。
初期リセット回路223は、電源投入時にメイン基本回路203をリセットするための回路である。この初期リセット回路221から送られてきた初期リセットパルスに応答して、メイン基本回路203は、パチンコ遊技機を初期化する。
電源回路225は、AC24Vの交流電源に接続されて、+30V,+21V,+12V,+5Vの複数種類の直流の電圧をメイン制御回路201に供給するための回路である。
音声合成回路247はメイン基本回路203から出力された音声発生指令信号に応答して、効果音データを生成し、その効果音データを音量増幅回路249へ送る。音量増幅回路249は、与えられた効果音データを所定のレベルに増幅して、スピーカ(構成については図示を省略)に送る。これにより、スピーカから所定の効果音が発生される。
LCD回路207は、メイン基本回路203からの制御信号に従って、可変表示装置7に含まれるLCD表示器231を駆動制御するための回路である。LCD回路207からLCD表示器231に送信される信号の中には、コマンド信号が含まれる。このコマンド信号の内容については図18および図19を参照して後述する。
LED回路209は、飾り図柄を変動表示する飾り図柄表示器41と、飾りLED_A43a,43bと、飾りLED_B44a,44bと、飾りLED_C45a,45bと、始動記憶表示用LED51と、飾りLED_D65と、入賞個数表示用LED67とを制御するための回路である。
図3は、本実施例のパチンコ遊技機において画像表示部81の図柄の変動表示の制御に用いられるランダムカウンタの種類とその内容とを示す説明図である。本実施例では、図柄の変動表示を制御するために、WCRND1とWCRND_ACTとWCRND_LとWCRND_CとWCRND_Rとの5種類のランダムカウンタが用いられる。これらのランダムカウンタの値が遊技中の所定のタイミングで順次カウントアップされ、所定の条件に従って乱数として読出される。この読出された値に基づいて、図柄の変動表示の制御手順(後述)が事前に選択されたり、停止表示される図柄の種類が事前に決定される。ランダムカウンタのカウント処理と値の読出処理とは、メイン基本回路203(図2参照)の内部に備えられたCPUが制御用ROMの制御用プログラムに従って実行する。
WCRND1は、図柄の変動表示の結果、大当りを発生させるか否かを事前に決定するための大当り判定用ランダムカウンタである。大当りを発生させるか否かを事前に決定する手順は図4に示す。WCRND1は、「0」〜「204」の範囲で0.002秒ごとに1ずつ加算される。なお、0.002秒とは、メイン基本回路203において、定期リセット回路221から出力された定期リセット信号に応答して制御用プログラムが繰返し実行される間隔である。
WCRND_ACTは、図柄の変動表示中に「リーチ」を成立させることが事前に決定された場合に、リーチの態様を複数種類の中から選択して決定するためのリーチ選択用ランダムカウンタである。本実施例では、左側、中央、右側の図柄表示領域83a〜83c(図1参照)のそれぞれにおいて、複数種類の図柄(図5参照)の変動表示が行なわれ、所定時間が経過した時点で、左側、右側、中央の順で、複数種類の図柄の中のいずれかの図柄が停止表示される。これら停止表示された図柄(以下「停止図柄」という)の組合せが、同一種類の図柄が3個揃った組合せとなった場合に「大当り」が発生する。そして、「リーチ」とは、最初に停止する左側の図柄表示領域83aの停止図柄と次に停止する右側の図柄表示領域83cの停止図柄とは同一であり、その後に、中央の図柄表示領域83bにおいて、左側と右側との停止図柄と同一種類の図柄が停止表示されれば最終的に大当
りの組合せとなる状態をいう。また、「リーチ態様」とは、リーチが成立してから中央の図柄表示領域83bにおける変動表示が停止されるまでの表示状態の制御をいう。本実施例では、リーチ1〜リーチ6の6種類のリーチ態様のうちのいずれかをWCRND_ACTの値により選択して、リーチ成立後の図柄の変動表示を制御するようにしている。
WCRND_ACTは、「0」〜「9」の範囲で1ずつカウントアップされる。WCRND_ACTのカウントアップは、制御用プログラムが繰返し実行される間隔である0.002秒ごとに1回と、割込み処理の余り時間内に所定時間ごとに1回ずつ実行される。ここで言う割込み処理とは、定期リセット信号に応答して繰返し実行される制御用プログラムのある回の実行中に、次の回の実行のための定期リセット信号が入力されたことに応答して割込みが発生し、その回の制御用プログラムの実行を中断して、制御用プログラムを先頭から再実行することである。そして、「割込み処理の余り時間」とは、制御用プログラムに含まれる主要な処理命令に従った動作が終了してから、次回の制御用プログラムの実行のための定期リセット信号が入力されて割込みが発生するまでの時間のことである。
WCRND_LとWCRND_CとWCRND_Rとは、左側、中央、右側の図柄表示領域83a〜83cのそれぞれにおける停止図柄を事前に決定するための左、中、右図柄表示用ランダムカウンタである。ランダムカウンタの値と停止図柄の種類との対応関係については図5を参照して後述する。WCRND_Lは、「0」〜「12」の範囲で1ずつカウントアップされる。WCRND_Lのカウントアップは、WCRND_ACTと同様に、0.002秒ごとに1回と、割込み処理の余り時間内に所定時間ごとに1回ずつ実行される。WCRND_Cは、「0」〜「15」の範囲で1ずつカウントアップされる。WCRND_Cのカウントアップは、WCRND_Lの値が桁上げするときに1回ずつ実行される。WCRND_Rは、「0」〜「12」の範囲で1ずつカウントアップされる。WCRND_Rのカウントアップは、WCRND_Cの値が桁上げするときに1回ずつ実行される。
図4は、ランダムカウンタの値により大当りを発生させるか否かを事前に決定するための手順を示すフローチャートである。同図を参照して、図柄の変動表示の結果を大当りとするか大当り以外とするかを事前に決定し、さらに、左側、中央、右側の図柄表示領域83a〜83cのそれぞれにおける停止図柄の種類を決定するための手順について説明する。
大当りとするか大当り以外とするかは、WCRND1の値を判定することにより決定する。WCRND1の値が、「7」であれば大当りとし、「7」以外であれば大当り以外とすることが事前に決定される。大当りとすることが決定された場合は、引続いて、WCRND_Lの値を判定することにより、大当りを発生させるための停止図柄の種類を決定する。WCRND_Lは、本来、左側の停止図柄の種類を決定するためのランダムカウンタであるが、大当りを発生させることが事前に決定された場合には、WCRND_Lの値を中央と右側との停止図柄の種類を決定するためにも用いて、左側、中央、右側の停止図柄の種類が同一となるようにする。一方、大当り以外とすることが決定された場合は、引続いて、WCRND_LとWCRND_CとWCRND_Rとの値を判定することにより、左側、中央、右側の図柄表示領域83a〜83cにおける停止図柄の種類がそれぞれ決定される。
なお、大当り以外とする場合に、WCRND_LとWCRND_CとWCRND_Rとの値に基づいて決定された3個の停止図柄が、偶然、同一種類となり大当りが発生する図柄の組合せとなった場合は、中央の停止図柄を決定するためのWCRND_Cの値から「1」を減算して強制的に中央の停止図柄の種類を異ならせ、停止図柄の組合せが大当り以
外となるように調整する。
図5は、左側、中央、右側の図柄表示領域83a〜83cにおいて変動表示される図柄の配列を示す説明図である。以下の説明では、左側、中央、右側の図柄表示領域83a〜83cにおいて変動表示される図柄を、それぞれ「左図柄」、「中図柄」、「右図柄」という。同図において、図3に示したWCRND_LとWCRND_CとWCRND_Rとの値と、左図柄と中図柄と右図柄との対応関係が示されている。
左図柄と右図柄としては、「A」、「2」〜「10」、「J」、「Q」、「K」のトランプのカードを表わす13種類の図柄がある。また、中図柄としては、左図柄と右図柄と同様の13種類のトランプカードの図柄と、さらに、「SPECIAL CARD」の文字を表わす1個の「特別図柄」と、「LOSE」の文字を表わす2個の「はずれ図柄」とがある。WCRND_LとWCRND_CとWCRND_Rとの値の「0」〜「12」に、13種類のトランプカードである「A」〜「K」が対応づけられ、さらに、中図柄については、WCRND_Cの値の「13」と「15」とに、「LOSE」のはずれ図柄が、値の「14」に「SPECIAL CARD」の特別図柄がそれぞれ対応づけられている。
次に、図6〜図10を参照して、画像表示部81における図柄の変動表示の制御について説明する。
図6は、図柄の変動状態の種類を示す説明図である。図柄の変動状態には、A〜Oの15種類の変動状態がある。変動状態Aでは、一定の速度で図柄が変動表示される。変動状態Bでは、0.800秒間にて徐々に変動速度を遅くして最終的に変動を停止させる。この変動状態Bでは、3図柄分の変動が行なわれる。変動状態Cと変動状態Dでは、徐々に変動速度を遅くして最終的に一定の速度で図柄を変動させる。変動状態Cと変動状態Dでは、16図柄分の変動が行なわれる。変動状態Eでは、一定の速度で図柄が変動される。変動状態Eでは、一定の速度で1〜16図柄分の変動が行なわれる。変動状態Fでは1図柄分を0.600秒間で変動させる一定の速度で図柄を変動させる。
変動状態Gでは、徐々に変動速度を遅くして最終的に一定の速度で図柄を変動させる。変動状態Gでは、30〜42図柄分の変動が行なわれる。変動状態Hおよび変動状態Iでは、徐々に変動速度を加速した後、続いて減速して最終的に一定の速度で図柄を変動させる。変動状態Hでは22〜37図柄分の変動が行なわれ、変動状態Iでは24〜39図柄分の変動が行なわれる。
変動状態J〜Oでは、大当り図柄の前で減速させ、大当り図柄を通過した後に加速する変動が行なわれる。変動状態J〜Oでは、それぞれ42,64,16,13,17,16図柄分の変動が行なわれる。
図7および図8は、大当り以外とするとき(以下、「通常時」という)における図柄の変動表示の制御手順を示すタイミングチャートである。図7を参照して、始動口9(図1参照)に打玉が入賞すると、その入賞玉が始動玉検出器85(図1参照)により検出される。その検出パルスが立上がるタイミングで、メイン基本回路203(図2参照)のCPUにより、WCRND1の値が抽出され、RAMに格納される。続いて、CPUは、WCRND1の値をRAMから読出して判定する。この判定の結果、WCRND1の値が「7」でなければ、続いて、CPUは、WCRND_LとWCRND_CとWCRND_Rとの値を抽出する。さらに、CPUは、WCRND_ACTの値を抽出する。
通常時において、左側、中央、右側の図柄表示領域83a〜83cのそれぞれで行なわ
れる図柄の変動表示の具体的な手順は以下のとおりである。メイン基本回路203(図2参照)は、CPUによる決定結果に基づいてLCD回路207(図2参照)に制御指令を送り、LCD回路207は、この制御指令に基づいて可変表示装置7のLCD表示器231(図2参照)にコマンド信号を送る。これにより、可変表示装置7において、始動口9への打玉の入賞が検出されてから1.266秒が経過した時点で、左側の図柄表示領域83aにて図柄の変動表示が開始され、1.766秒が経過した時点で、右側の図柄表示領域83cにて変動が開始され、2.266秒が経過した時点で、中央の図柄表示領域83bにて変動が開始される。
左側の図柄表示領域83aでは、変動を開始してから5.534秒間は変動状態Aの表示制御により一定の速度で図柄が変動される。なお、括弧内に記した変動時間は、高確率時における変動時間である。高確率時とは、図柄の変動表示の結果またはランダムカウンタの値に基づいて、図柄の変動表示の結果が大当りとなる確率を通常時よりも高くする制御が行なわれている期間である。図示において、括弧内に記している変動時間は、すべてこの高確率時の変動時間である。
その後、WCRND_Lの値により事前に決定された左図柄の停止図柄の図柄配列(図5参照)における3図柄分手前の図柄がセットされ、変動状態Bの表示制御が開始される。変動状態Bの表示制御により図柄の変動速度が0.800秒間徐々に遅くなり、3図柄分の変動が行なわれた後、変動が停止される。これにより、左図柄において事前に決定された停止図柄が左側の図柄表示領域83aにおいて停止表示される。
右側の図柄表示領域83cでは、変動を開始してから5.834秒(高確率時4.134秒)間にて変動状態Aの表示制御により一定の速度で図柄が変動される。続いて、WCRND_Rの値により事前に決定された停止図柄の図柄配列(図5参照)における3図柄分手前の図柄がセットされ、変動状態Bの表示制御が開始される。変動状態Bの表示制御により、0.800秒間にて変動速度が徐々に遅くなり、3図柄分の変動が行なわれた後に変動が停止される。これにより、事前に決定された右図柄の停止図柄が右側の図柄表示領域83cにて停止表示される。
次に、中央の図柄表示領域83bにおける中図柄の変動について説明する。中図柄の変動は、リーチを成立させないとき(リーチ以外)と、リーチを成立させるときとで表示制御の手順を異ならせている。さらに、リーチを成立させるときは、リーチ1〜リーチ6の6種類のリーチ態様の中から、所定の条件に従って選択されたいずれかのリーチ態様となるように図柄の変動が制御される。
図8を参照して、リーチ以外のときは、変動が開始されてから6.134秒(高確率時4.434秒)にて変動状態Aの表示制御により一定の速度で図柄が変動され、続いて、WCRND_Cの値により事前に決定された停止図柄の図柄配列(図5参照)における3図柄分手前の図柄がセットされた後に、変動状態Bの表示制御が0.800秒間にて行なわれ、3図柄分の変動が行なわれた後に、変動が停止される。これにより、リーチ以外のときの中図柄の停止図柄が中央の図柄表示領域83bにて停止表示される。
次に、リーチを成立させるときの中図柄の変動について説明する。6種類のリーチ態様のうちのいずれか1種類を選択するための条件としては図8に示したように条件1〜条件4がある。条件1は、WCRND_Cの値により事前に決定された中図柄の停止図柄が、左図柄と右図柄においてリーチを成立させている大当り図柄の図柄配列(図5参照)における1図柄分前の図柄であるときに成立する。条件2は、停止図柄が大当り図柄の1図柄分後の図柄であるときに成立する。条件3は、停止図柄が大当り図柄の1図柄分前後以外の図柄であるときに成立する。条件4は、WCRND_LとWCRND_Rとの値が「0
」(「A」の図柄に該当)であり、かつ、WCRND_Cの値が「15」(「LOSE」の図柄に該当)であり、かつ、WCRND_ACTの値が「0」であるときに成立する。
条件1が成立したときに、WCRND_ACTの値が「0」〜「2」であればリーチ1が選択され、WCRND_ACTの値が「3」〜「6」であればリーチ3が選択され、WCRND_ACTの値が「7」〜「9」であればリーチ4が選択される。また、条件2が成立したときに、WCRND_ACTの値が「0」〜「3」であればリーチ1が選択され、WCRND_ACTの値が「4」,「5」であればリーチ5が選択され、WCRND_ACTの値が「6」〜「9」であればリーチ6が選択される。さらに、条件3が成立したときには、リーチ1が選択される。そして、条件4が成立したときには、リーチ2が選択される。なお、条件4の成立は、他の条件1〜条件3の成立と重複する場合があるが、ランダムカウンタの値が前述した条件4の成立に該当する値となった場合には、条件4の成立を優先的に取扱い、リーチ2を選択するように制御する。
上述したような各条件が成立した場合のWCRND_ACTの値とリーチ態様との対応関係は、メイン基本回路203に内蔵されたROMに各条件ごとにテーブルデータとして記憶されている。メイン基本回路203に内蔵されたCPUは、各条件が成立したか否かを判定し、その成立した条件(条件4は優先)に対応するテーブルデータを参照して、リーチ態様を決定する。
リーチ1を説明する。リーチ1では、図柄の変動が開始されてから6.134秒(高確率時4.434秒)間にて変動状態Aの表示制御により一定の速度で図柄が変動される。次に、右図柄の変動(図7参照)が停止されたロの時点で「A」図柄がセットされ、変動状態Cの表示制御が開始される。変動状態Cでは、2.699秒間にて、徐々に変動速度を遅くして最終的に一定の変動速度となるように制御される。変動状態Cでは、16図柄分の変動が行なわれる。次に、変動状態Dの表示制御が行なわれる。変動状態Dでは、3.733秒間にて徐々に変動速度を遅くして一定の変動速度となるように制御される。変動状態Dでは、16図柄分の変動が行なわれる。次に、変動状態Eの表示制御が行なわれる。変動状態Eでは、0.728〜5.468秒間にて一定の速度で1〜16図柄分の変動が行なわれ、最終的に事前に決定された停止図柄が停止表示される。
次に、リーチ2について説明する。リーチ2では、図柄の変動が開始されてから6.134秒(高確率時4.434秒)間にて変動状態Aの表示制御が行なわれ、その後、ロの時点で「A」図柄がセットされた後に2.699秒間にて変動状態Cの表示制御が行なわれる。その後、3.733秒間にて変動状態Dの表示制御が行なわれる。これら変動状態A,C,Dの内容はリーチ1と同様である。その後、0.684〜5.348秒間にて変動状態Eの表示制御により一定の速度で1〜16図柄分の変動が行なわれる。その後、0.450秒間にて図柄の変動が一時停止される。その後、0.600秒間にて変動状態Fの表示制御が行なわれる。この変動状態Fの表示制御により、一定の速度で1図柄分の変動が行なわれ、最終的に、事前に決定された停止図柄が停止表示される。
次に、リーチ3について説明する。リーチ3では、図柄の変動が開始されてから6.134秒(高確率時4.434秒)間にて変動状態Aの表示制御が行なわれ、その後、ロの時点で「A」図柄がセットされた後に2.699秒間にて変動状態Cの表示制御が行なわれる。その後、3.851秒間にて変動状態Dの表示制御により、図柄の変動速度を徐々に遅くして一定の速度となるように制御される。この変動状態Dにて16図柄分の変動が行なわれ、最終的に「SPECIAL CARD」の文字を表わした特別図柄(前述)を一時停止させる。特別図柄は、0.450秒間にて一時停止され、その後、変動状態Gの表示制御が行なわれる。変動状態Gの表示制御が8.630秒間にて行なわれる。変動状
態Gでは、徐々に変動速度を遅くして最終的に一定の変動速度となるように制御され、この間に30〜42図柄分の変動が行なわれる。その後、0.450秒間にて変動を停止させた後0.468秒間にて再び変動させる制御を2回繰返し、最終的に事前に決定された停止図柄が停止表示される。
次に、リーチ4について説明する。リーチ4では、図柄の変動が開始されてから6.134秒(高確率時4.434秒)間にて変動状態Aの表示制御が行なわれ、その後、ロの時点で「A」図柄がセットされた後に変動状態Cの表示制御が開始される。変動状態Cの表示制御が2.699秒間にて行なわれた後、変動状態Dの表示制御が3.851秒間にて行なわれ、最終的に「SPECIAL CARD」の特別図柄が一時停止される。特別図柄が、0.450秒間にて停止表示された後に、変動状態Hの表示制御が10.598〜11.048秒間にて行なわれる。変動状態Hでは、徐々に変動速度を加速した後、減速させ、その後一定の速度で図柄を変動させる。この変動状態Hでは、22〜37図柄分の変動を行なわせ、最終的に事前に決定された停止図柄が停止表示される。
次に、リーチ5について説明する。リーチ5では、図柄の変動が開始されてから6.134秒(高確率時4.434秒)間にて変動状態Aの表示制御が行なわれ、その後、ロの時点で「A」図柄がセットされた後に変動状態Cの表示制御が2.699秒間にて行なわれる。その後、変動状態Dの表示制御が3.733秒間にて行なわれた後に「SPECIAL CARD」の特別図柄が0.450秒間にて一時停止される。その後、変動状態Iの表示制御が10.598秒間にて行なわれる。変動状態Iでは、徐々に変動速度を加速した後、減速させ、その後変動速度が一定になるように制御され、この間に24〜39図柄分の変動が行なわれて、最終的に事前に決定された停止図柄が停止表示される。
次に、図7を参照して、リーチ6について説明する。前述したリーチ1〜リーチ5では、左図柄と右図柄の変動については、リーチを成立させないときと同様であったが、リーチ6では左図柄と右図柄との変動についてもリーチを成立させないときとは異なる制御が行なわれる。左図柄、右図柄、中図柄の変動を開始させるタイミングは、リーチ1〜リーチ5と同様に、始動口9(図1参照)への打玉の入賞が検出されてから、それぞれ1.266秒、1.766秒、2.266秒が経過した時点である。
図柄の変動が開始されると、左図柄では5.534秒(高確率時3.834秒)間にて、右図柄では5.034秒(高確率時3.334秒)間にて、中図柄では4.534秒(高確率時2.834秒)間にて変動状態Aの表示制御が行なわれる。左図柄、右図柄、中図柄にて変動状態Aの表示制御が終了するタイミングは同一である。その後、左図柄と右図柄とに対しては、変動状態Jの表示制御が、中図柄に対しては変動状態Kの表示制御が、それぞれ10.216秒間にて行なわれる。左図柄と右図柄との変動状態Jの表示制御では、大当り図柄の直前で減速させ、その後、加速させる制御が行なわれ、この間に、42図柄分の変動が行なわれる。ここでいう大当り図柄とは、左図柄と右図柄との事前に決定された停止図柄であり、リーチを成立させる対象となっている図柄のことである。リーチ6では、図柄の変動中に、図柄配列(図5参照)におけるリーチ成立の対象となっている図柄を左図柄と中図柄と右図柄とで3個揃えて変動させる期間を設けている。中図柄の変動状態Kの表示制御では、この大当り図柄の前で減速させ、その後、加速させる制御が行なわれ、この間に64図柄分の変動が行なわれる。
左図柄では、変動状態Jの表示制御が終了した時点で、最終的に事前に決定された停止図柄が停止表示される。右図柄では、変動状態Jの表示制御が終了した後、続いて、変動状態Lの表示制御が3.132秒間にて行なわれる。変動状態Lでは、前述した変動中に3個揃えた大当り図柄の直前で変動速度を減速させ、その後、加速させる制御が行なわれる。右図柄では、変動状態Lの表示制御が終了した時点で、最終的に事前に決定された停
止図柄が停止表示される。中図柄では、変動状態Kの表示制御が行なわれた後、続いて、3.132秒間にて変動状態Mの表示制御が行なわれる。変動状態Mでは、変動中に3個揃えた大当り図柄の直前で変動速度を減速させ、その後、加速させる制御が行なわれる。変動状態Mでは、13図柄分の変動が行なわれる。
中図柄では、その後、3.598秒間にて変動状態Nの表示制御が行なわれる。変動状態Nでは、変動中に3個揃えた大当り図柄の直前で変動速度を減速させ、その後、加速させる制御が行なわれる。中図柄では、変動状態Nの表示制御により17図柄分の変動が行なわれた後、最終的に事前に決定された停止図柄が停止表示される。なお、図7に示したリーチ6は、通常時の制御手順であり、左図柄と右図柄における停止図柄は同一種類であり、リーチが成立した状態となるが、中図柄の停止図柄は、リーチを成立させている図柄とは異なる種類の図柄であり、最終的に大当り以外となる。
図9および図10は、大当りを発生させるとき(以下、「大当り時」という)における図柄の変動表示の制御手順を示すタイミングチャートである。始動口9(図1参照)に打玉が入賞し、その検出パルスが立上がるタイミングで、メイン基本回路203(図2参照)のCPUにより、WCRND1の値が抽出され、RAMに格納される。続いて、CPUは、RAMからWCRND1の値を読出して、図4に示した手順でWCRND1の値を判定して大当りとするか否かを事前に決定する。この場合、WCRND1の値が「7」であり、大当りとすることが事前に決定される。大当りとする場合、CPUは、続いて、WCRND_Lの値を抽出し、さらに、WCRND_ACTの値を抽出する。
大当り時には、リーチ1〜リーチ6の6種類のリーチ態様のうちのいずれかのリーチ態様にて図柄の変動が制御される。大当り時には、通常時における条件1〜条件4が用いられず、WCRND_ACTの値により、リーチ態様が選択される。WCRND_ACTの値とリーチ態様との対応関係は以下のとおりである。値が「0」であればリーチ1が、値が「1」であればリーチ2が、値が「2」または「3」であればリーチ3が、値が「4」または「5」であればリーチ4が、値が「6」であればリーチ5が、値が「7」〜「9」であればリーチ6がそれぞれ選択される。
大当り時のWCRND_ACTの値とリーチ態様との対応関係は、前述した通常時の条件ごとのテーブルデータとともに、メイン基本回路203に内蔵されたROMに大当り時のテーブルデータとして記憶されている。メイン基本回路203に内蔵されたCPUは、大当り時にリーチを成立させるときには、大当り時のテーブルデータを参照してリーチ態様を決定する。
以下に、リーチ1〜リーチ6の各リーチ態様の制御手順について説明する。リーチ1〜リーチ5における左図柄と右図柄とに対しては、通常時と同様の制御手順を経た後、WCRND_Lの値により事前に決定された大当り図柄が停止表示される。中図柄の変動については、リーチ1、リーチ2、リーチ4、リーチ5では、通常時と同様の制御手順を経た後、最終的に、WCRND_Lの値により事前に決定された大当り図柄が停止表示されて、大当りが発生するように制御される。リーチ3の中図柄の変動制御については、通常時では、変動状態Gの表示制御が終了した後に最終的に変動が停止される直前に、0.450秒間停止させた後に0.468秒間変動させる制御を2回繰返していたが、大当り時には、この制御を3回繰返した後に図柄の変動を停止させて大当りを発生させる。
リーチ6では、左図柄と右図柄との変動の制御手順は、通常時と同様である。リーチ6の中図柄の変動については、通常時には変動状態Nの表示制御を3.598秒間にて行なっていたのを変動状態Oの表示制御を3.132秒間にて行なうようにしている。この変動状態Oの表示制御では、大当り図柄の直前で変動することを減速させ、その後、加速さ
せる制御が行なわれ、この間に16図柄分の変動が行なわれた後に、最終的に大当り図柄が停止表示される。
前述したリーチ1〜リーチ6の各リーチ態様が選択される確率について説明する。通常時における条件1〜条件4が成立する確率は以下のとおりである。図柄配列(図5参照)における中図柄の合計数は16である。条件1および条件2が成立するのは、その16図柄のうちの1図柄が停止図柄となった場合であり、条件3が成立するのは、16図柄の中の14図柄のいずれかが停止図柄となった場合である。したがって、条件1、条件2、条件3が成立する確率は、それぞれ、1/16、1/16、14/16である。また、条件4が成立するのは、WCRND_Lの値が、13個のうちの1個となり、WCRND_Rの値が13個のうちの1個となり、WCRND_Cの値が16個のうちの1個となり、かつ、WCRND_ACTの値が10個のうちの1個となった場合であり、1/13×1/13×1/16×1/10=1/27040である。
通常時にリーチ1が選択される確率は、条件1が成立し、かつ、WCRND_ACTの値が10個のうちの3個のいずれかとなる1/16×3/10=3/160と、条件2が成立し、かつ、WCRND_ACTの値が10個のうちの4個のいずれかとなる1/16×4/10=4/160と、条件3が成立する140/160との合計である147/160である。また、通常時にてリーチ2が選択される確率は、条件4が成立する1/27040である。通常時にてリーチ3が選択される確率は、条件1が成立し、かつ、WCRND_ACTの値が10個のうちの4個のいずれかとなる1/16×4/10=4/160である。通常時にてリーチ4が選択される確率は、条件1が成立し、かつ、WCRND_ACTの値が10個のうちの3個のいずれかとなる1/16×3/10=3/160である。通常時にてリーチ5が選択される確率は、条件2が成立し、かつ、WCRND_ACTの値が10個のうちの2個のいずれかとなる1/16×2/10=2/160である。通常時にてリーチ6が選択される確率は、条件2が成立し、かつ、WCRND_ACTの値が10個のうちの4個のいずれかとなる1/16×4/10=4/160である。
一方、大当り時にリーチ1が選択される確率は、WCRND_ACTの値が10個のうちの1個となる1/10であり、同様に、リーチ2、リーチ3、リーチ4、リーチ5、リーチ6のそれぞれの選択される確率は、各リーチ態様に対応するWCRND_ACTの値の個数により、それぞれ1/10、2/10、2/10、1/10、3/10である。
リーチ1は、通常時には147/160、大当り時には1/10の確率で選択され、リーチ2は、通常時には1/27040、大当り時には1/10の確率で選択される。また、リーチ3は、通常時には4/160、大当り時には2/10の確率で選択され、リーチ4は、通常時には3/160、大当り時には2/10の確率で選択され、リーチ5は、通常時には2/160、大当り時には1/10の確率で選択され、リーチ6は、通常時には4/160、大当り時には3/10の確率で選択される。このように、本実施例では、通常時にはリーチ1が比較的高い確率で選択され、大当り時にはリーチ2〜リーチ6が比較的高い確率で選択されるようにしている。リーチ1は、従来のリーチ態様と比べて格別な特徴点がない比較的単純な手順で制御される。一方、リーチ2〜リーチ6は、遊技効果を高めるための様々な工夫が凝らされた制御手順である。とりわけ、リーチ3〜リーチ5は、図柄の変動中に「SPECIAL CARD」の特別図柄が一時停止され、その後に極めて特徴的な表示制御(後述)が行なわれる。本実施例では、通常時と大当り時とでリーチ態様の選択される確率を変化させることにより、大当りが発生する場合に、図柄の変動が変化性に富んだ面白味のある態様で制御されやすくしている。また、大当り時にリーチ2〜リーチ6が選択される確率が高く設定されたことにより、遊技者側からは、リーチ2〜リーチ6の表示制御が行なわれれば、最終的に大当りとなる可能性が高いということになり、リーチ成立時の遊技者の期待感を高めることが可能となる。
図11は、図柄の変動表示の終了と可変表示装置11の大入賞口87の開放/閉鎖との時間的関係を示すタイミングチャートである。画像表示部81にて図柄の変動表示が開始され、左側の図柄が停止され、続いて、右側の図柄が停止され、最後に中央の図柄が停止されて変動表示が終了した時点から0.600秒が経過した時点で、停止図柄の組合せが判定される。停止図柄の組合せが、同一種類の図柄が3個揃った大当りとなっていれば、停止図柄の組合せが判定されてから7.000秒が経過した時点で大入賞口87が開放状態となる。大入賞口87の開放状態は、29.500秒が経過するか、または、大入賞口87内に10個の打玉が入賞するかのうちのいずれか早いほうの条件が成立した時点で終了する。また、大入賞口87が開放状態であるときにV入賞があったときは、その回の開放状態が終了してから2.000秒が経過した時点で、再度、大入賞口87が開放状態となる。
図12は、大入賞口87の開放/閉鎖と、次の回の画像表示部81における図柄の変動表示の開始との時間的関係を示すタイミングチャートである。ある回の特定遊技状態が終了し、開放状態となっていた大入賞口87が閉鎖状態となった時点で、始動記憶(前述)があった場合には、11.002秒が経過した時点で、その始動記憶に基づいた次の回の図柄の変動表示を行なうための処理が開始される。処理が開始されると、メイン基本回路203のCPUにより、WCRND1の値の抽出、格納、読出、判定と、WCRND_LとWCRND_CとWCRND_Rとの値の抽出と、WCRND_ACTの値の抽出が行なわれる。これらの処理は、図7および図9のタイミングチャートにて始動口9(図1参照)への打玉の入賞の検出パルスの立上がりに応答して行なわれる処理と同様である。なお、図示では、WCRND1の値の判定により大当り以外とすることが事前に決定された場合の処理が示されており、大当りとすることが事前に決定された場合には、WCRND1の判定に続いて、WCRND_Lの値の抽出とWCRND_ACTの値の抽出とが行なわれる。その後の図柄の変動表示の制御手順は、図7〜図10に示したとおりである。
図13は、ある回の図柄の変動表示の終了と次の回の図柄の変動表示の開始との時間的関係を示すタイミングチャートである。ある回の図柄の変動表示が開始され、左側の図柄が停止され、続いて、右側の図柄が停止され、最後に、中央の図柄が停止されて変動表示が終了した後に0.600秒が経過した時点で、停止図柄の組合せが判定される。停止図柄の組合せが同一種類の図柄が3個揃っていない大当り以外となっていれば、始動記憶があるか否かが判定され、始動記憶があった場合には、判定処理の時点から0.002秒が経過した時点で、その始動記憶に基づいた次の回の変動表示を行なうための処理が開始される。処理が開始されると、メイン基本回路203のCPUにより、WCRND1の値の抽出、格納、読出、判定が行なわれ、WCRND1の値の判定により、大当り以外とするとき(通常時)は、続いて、WCRND_LとWCRND_CとWCRND_Rとの値の抽出と、WCRND_ACTの値の抽出が行なわれる。一方、WCRND1の値の判定により、大当りとするとき(大当り時)は、WCRND_Lの値の抽出と、WCRND_ACTの値の抽出とが行なわれる。これらの処理は、図7および図9に示したタイミングチャートにおける始動口9への打玉の入賞の検出パルスが立上がるタイミングで行なわれる処理に対応するものであり、続いて行なわれる図柄の変動表示の制御手順は、図7〜図10に示したとおりである。
図14〜図17は、パチンコ遊技機の動作状態と、ランプ類やLED類の点灯制御および画像表示部81の表示制御との対応関係を示す説明図である。図において、パチンコ遊技機の動作状態は、電源が投入されてから始動口9(図1参照)への打玉の入賞があるまでの状態である「電源投入」と、始動口9へ打玉が入賞したときの状態である「始動口入賞」と、図柄の変動表示中にリーチ1,2,4,5,6が成立したときの前半の状態と、リーチ3,4,5が成立したときの後半の状態と、リーチ6が成立したときの後半の状態
と、左図柄と右図柄と中図柄とのすべての図柄が停止されてから停止図柄の組合せが判定されるまでの状態である「全図柄停止から判定まで」と、大当りが発生した状態である「大当り」と、異常発生時とに区分されている。大当りが発生した状態は、さらに、可変入賞球装置11の大入賞口87が開放される前の状態である「大入賞口開放前」と、大入賞口87が開放状態となっている最中の状態である「大入賞口開放中」と、大入賞口87が開放されてから閉鎖された状態である「大入賞口開放後」とに区分されている。さらに、「大入賞口開放中」は、特定領域95に打玉が入賞する前の状態である「特定領域入賞前」と、特定領域95に打玉が入賞したときの状態である「特定領域入賞時」と、特定領域95に打玉が入賞してから次の回の大入賞口87の開放までの間の状態である「次回開放までの間」とに区分されている。
前述した各動作状態に対応する点灯制御が示されるランプ類およびLED類としては、遊技効果ランプ72と、レール飾りランプ71a〜71eと、風車ランプ57a,57bと、サイドランプ53a,53bと、袖ランプ61a,61bと、アタッカランプ63a,63bと、飾りLED_C45a,45bと、飾りLED_D65と、飾りLED_A43a,43bと、飾りLED_B44a,44bと、始動記憶表示用LED(図示では「記憶表示LED」)51と、入賞個数表示用LED(図示では「個数表示LED」)67と、飾り図柄表示器41とである。これらのランプ類およびLED類に加えて、画像表示部81の表示状態が示されている。さらに、構成については図示を省略したスピーカからの効果音の発生制御がA〜Kに区分されて示されている。
なお、「電源投入」は、図柄の変動表示が行なわれた後に、停止図柄の組合せの判定により大当り以外であることが判定され、その判定処理が行なわれた時点で始動記憶がなく、かつ、次の始動口9(図1参照)への打玉の入賞が所定時間が経過する時点までなかった場合と、大当りが発生し、特定遊技状態(大入賞口87の開放)となった後に、その特定遊技状態が終了した時点で、始動記憶がなく、かつ、次の始動口9への打玉の入賞が所定時間が経過する時点までなかった場合とを含む。
電源が投入されてから始動口9への打玉の入賞があるまでの電源投入(前述)では、飾りLED_A43a,43bと飾りLED_B44a,44bとを点灯移動させる。なお、点灯移動とは、複数設けられたLEDまたはランプのうちの点灯させるものを所定時間が経過する毎に順次切換えることである。始動記憶表示用LED51は、「0」を表示した状態に制御される。飾り図柄表示器41は、図柄の変動表示が行なわれて初回の大当りが発生するまで「0」を表示した状態に制御される。画像表示部81には、初期図柄として、左側と右側との図柄表示領域83a,83cにて「A」図柄が表示され、中央の図柄表示領域83bにて「SPECIAL CARD」の特別図柄が表示される。
始動口9への打玉の入賞が検出されたときには、風車ランプ57a,57bと、サイドランプ53a,53bと、飾りLED_A43a,43bと、飾りLED_B44a,44bとを点滅させる。始動記憶表示用LED51は、記憶数に合わせて、遊技盤1の前面側から見て左側から点灯表示させる。画像表示部81では、前述したように図柄の変動表示が行なわれる。さらに、スピーカからは、図柄の変動表示の開始に対応させて効果音Aの図柄回転音を発生させる。
図柄の変動表示中にリーチ1,2,4,5,6が成立した前半の状態では、風車ランプ57a,57bと、サイドランプ53a,53bと、袖ランプ61a,61bと、アタッカランプ63a,63bと、飾りLED_C45a,45bと、飾りLED_D65と、飾りLED_B44a,44bとを点滅させ、飾りLED_A43a,43bを点灯移動させる。画像表示部81では、中央の図柄表示領域83bにて中図柄を変動表示させる。また、スピーカからは、リーチ音である効果音Cを発生させる。
図柄の変動表示中にリーチ3,4,5が成立した後半の状態では、レール飾りランプ71a〜71eと、風車ランプ57a,57bと、サイドランプ53a,53bと、袖ランプ61a,61bと、アタッカランプ63a,63bと、飾りLED_C45a,45bと、飾りLED_D65とを点滅させ、飾りLED_A43a,43bと飾りLED_B44a,44bとを点灯移動させる。画像表示部81では、中央の図柄表示領域83bにて中図柄を変動表示させる。また、スピーカからは、リーチ3が成立した場合には、効果音Dを、リーチ4,5が成立した場合には、効果音Eをそれぞれ発生させる。
リーチ6が成立した後半の状態では、レール飾りランプ71a〜71eと、風車ランプ57a,57bと、サイドランプ53a,53bと、袖ランプ61a,61bと、アタッカランプ63a,63bと、飾りLED_C45a,45bと、飾りLED_D65と、飾りLED_A43a,43bと、飾りLED_B44a,44bとを点灯させる。画像表示部81では、中央の図柄表示領域83bにて中図柄を変動表示させる。また、スピーカからは、リーチ6に対応する効果音Fを発生させる。
左図柄、右図柄、中図柄のすべての図柄の変動表示が停止されてから停止図柄の組合せが判定されるまでの間(全図柄停止から判定まで)は、始動記憶表示用LED51の記憶数の表示と、入賞個数表示用LED67の「0」の表示が行なわれ、画像表示部81では、左側、中央、右側の図柄表示領域83a〜83cのそれぞれにて停止図柄が停止表示される。
図柄の変動表示の結果大当りが発生し、その後、大入賞口87が開放される直前まで(大入賞口開放前)は、遊技効果ランプ72と、レール飾りランプ71a〜71eと、風車ランプ57a,57bと、サイドランプ53a,53bと、袖ランプ61a,61bと、アタッカランプ63a,63bと、飾りLED_C45a,45bと、飾りLED_D65とを点滅させ、飾りLED_A43a,43bと飾りLED_B44a,44bとを点灯移動させる。飾り図柄表示器41は、大当りが発生した後に、4.000秒間にて変動表示させ、その後、「0」〜「9」のうちのいずれかの飾り図柄を停止表示させる。画像表示部81では、大当り開始を表わす画像を表示させる。また、スピーカからは、大当り(特定遊技状態)が開始された旨を表わす効果音Gを発生させる。
大入賞口87が開放状態となってから特定領域95へ打玉が入賞する前(特定領域入賞前)までは、遊技効果ランプ72と、レール飾りランプ71a〜71eと、風車ランプ57a,57bと、サイドランプ53a,53bと、袖ランプ61a,61bと、アタッカランプ63a,63bと、飾りLED_C45a,45bと、飾りLED_A43a,43bと、飾りLED_B44a,44bとを点滅させ、入賞個数表示用LED67には、大入賞口87への打玉の入賞個数の表示を開始させる。画像表示部81では、大入賞口87の開放回数(ラウンド数)や大入賞口87への打玉の入賞個数、および、大当りを発生させた図柄の組合せなどが表示される。また、スピーカからは、大当り発生中(特定遊技状態中)である旨を表わす効果音Hを発生させる。
特定領域95へ打玉が入賞すると(特定領域入賞時)、遊技効果ランプ72と、レール飾りランプ71a〜71eと、風車ランプ57a,57bと、サイドランプ53a,53bと、袖ランプ61a,61bと、アタッカランプ63a,63bと、飾りLED_C45a,45bと、飾りLED_D65とを同一の間隔で点滅させる。また、飾りLED_A43a,43bと、飾りLED_B44a,44bとを点灯移動させる。画像表示部81では、引続き、開放回数や入賞個数および大当り図柄の組合せなどが表示され、スピーカからは、効果音Hを発生させる。
特定領域95に打玉が入賞してから、大入賞口87の次回の開放までの間(次回開放までの間)では、遊技効果ランプ72と、レール飾りランプ71a〜71eと、風車ランプ57a,57bと、サイドランプ53a,53bと、袖ランプ61a,61bと、アタッカランプ63a,63bと、飾りLED_C45a,45bと、飾りLED_D65とを点滅させ、飾りLED_A43a,43bと、飾りLED_B44a,44bとを点灯移動させる。画像表示部81では、引続き、開放回数や入賞個数および大当り図柄の組合せなどを表示させる。また、スピーカからは、効果音Hを発生させる。開放されていた大入賞口87が閉鎖された大入賞口開放後では、遊技効果ランプ72と、レール飾りランプ71a〜71eと、風車ランプ57a,57bと、サイドランプ53a,53bと、袖ランプ61a,61bと、アタッカランプ63a,63bと、飾りLED_C45a,45bと、飾りLED_D65とを点滅させ、飾りLED_A43a,43bと、飾りLED_B44a,44bとを点灯移動させる。画像表示部81では、大当り終了を表わす画像を表示させ、スピーカからは、効果音Jを発生させる。
故障または不正行為などによりパチンコ遊技機に異常が発生した場合には、サイドランプ53a,53bを点灯させ、飾りLED_B44a,44bと始動記憶表示用LED51と入賞個数表示用LED67とは、異常が発生した直前の状態を保持するように制御される。また、飾り図柄表示器41は、エラー状況を表わす数字の飾り図柄を表示するように制御される。画像表示部81では、「異常発生」の文字が表示される。さらに、スピーカからは、異常が発生したことを報知するための効果音Kを発生させる。
図18は、メイン基本回路203からLCD回路207を介してLCD表示器231(以上の3者は図2参照)へ送信されるコマンド信号の態様を示す説明図である。コマンド信号は、comH、com0〜com5,comCを含む。comHはコマンドヘッダであり、0EFhに固定されている。このcomHが送信されることにより、LCD表示器231は、メイン基本回路203からコマンド信号が送られてきたと判断する。
com0はメインステータスであり、画像表示部81(図1参照)の表示制御の種類を指定するためのコマンドである。図示したように、メインステータスが00hであれば、表示画面をオフ状態にする制御が指定される。メインステータスが、10hであれば、画像表示部81にてデモ画面を表示するためのモードが指定される。メインステータスが20h〜2Ehであれば、図柄の変動表示を行なうための各制御が指定される。メインステータスが60hであれば、大当り終了を表示するためのモードが指定される。メインステータスが70hであれば画像表示部81にてエラー表示を行なう制御が指定される。メインステータスが72hであれば、画像表示部81における画像表示を一時停止させる制御が指定される。メインステータスが30h〜3Fhであれば、大当りが発生した後の特定遊技状態中の1R〜16Rの各ラウンドのインターバル画面を表示するための制御が指定される。また、メインステータスが40h〜4Fhであれば、特定遊技状態中の1R〜16Rの各ラウンド画面を表示するための制御が指定される。
com1〜com3は、図柄の変動表示において左図柄と中図柄と右図柄とのそれぞれの停止図柄を指定するためのコマンドである。com1は、00h〜0Chのうちのいずれかが指定され、com2は、00h〜0Fhのうちのいずれかの値が指定される。さらに、com3は、00h〜0Chのうちのいずれかの値が指定される。com4は、パチンコ遊技機1の外部または内部にカードリーダ装置を備えた遊技機であるか否かを指定するためのコマンドである。0番目のビットがON状態であればカードリーダ装置を備えていないノーマル機であることが指定され、それ以外であればカードリーダ装置を備えたCR機であることが指定される。
com5は、画像表示部81にて大入賞口87(図1参照)への打玉の入賞個数を表示
させるために入賞個数データを指定するためのコマンドである。com5は、00h〜0Ahのうちのいずれかの値が指定され、さらに、5番目のビットがON状態であれば特定領域97(図1参照)に打玉が入賞したV入賞があったことが指定される。V入賞が指定されると、画像表示部81にてVの文字画像などが表示されて遊技者にV入賞があったことが報知される。comCはチェックサムである。comCには、comH〜com5の和の値を表わす7ビットのデータがセットされる。
図19は、図18に示したメインステータスのうちの図柄の変動表示の制御を指定する20h〜2Bhの詳細内容を示す説明図である。図柄の変動表示を制御するための指令信号としては、図柄が変動する直前の動作を制御するための「図柄変動前動作」と、左図柄、右図柄、中図柄のすべての変動表示を開始するための「全図柄変動」と、左図柄の変動表示を停止させるための「左図柄停止」と、右図柄の変動表示を停止させるための「右図柄停止」と、中図柄の変動表示を停止させるための「中図柄停止」と、リーチ1(通常リーチ)が成立したときの中図柄の変動表示を停止させるための「通常リーチ停止」と、リーチ2(すべりリーチ)が成立したときの中図柄の変動表示を停止させるための「すべりリーチ停止」と、中図柄にて「SPECIAL CARD」の特別図柄が一時停止したときの中図柄の変動表示を制御するための3種類のスペシャル(SP)リーチであるキスリーチ、フーフーリーチ、フーフーリーチ指止めと、左図柄、右図柄、中図柄のすべての図柄を減速、加速を繰返させるリーチ6の表示制御を行なわせるための「全図柄可変リーチ」と、大当りが発生したときの画像表示部81におけるキャラクタ(後述)の動作を制御するための「大当り動作」とがある。なお、各コマンドがLCD表示器231に受信されたときの具体的な表示例については図20〜図31を参照して、その他の表示画面とともに後述する。
図20は、com0のメインステータスにて10h(デモモード)が指定されたときに表示されるデモ画面である。デモ画面は、デモ表示1とデモ表示2とデモ表示3との3種類の画面により構成されている。図20(A)に示したデモ表示1では、摩天楼の夜景の画像501と、星がまたたく夜空の画像502とが含まれる。デモ表示1が所定時間表示された後、続いて、図20(B)に示すデモ表示2の画面が表示される。デモ表示2では、摩天楼の夜景の画像501と星がまたたく夜空の画像502とともに、画面の下部に「FEVER 7」の文字画像503が表示される。なお、文字画像としては、パチンコ遊技機の機種名またはメーカー名が表示されるように構成してもよい。
続いて、図20(C)に示すデモ表示3の画面が表示される。デモ表示3の画面には、トランプのディーラのキャラクタ画像(以下「ディーラ画像」という)505と、前回の図柄の変動表示における左図柄と中図柄と右図柄とのそれぞれの停止図柄の画像507a〜507cが含まれる。このデモ表示3の画面では、左側、中央、右側の図柄表示領域83a〜83cにて、前回の停止図柄の画像507a〜507cがいわゆる「ハーフトーン」の状態で表示され、画面に停止図柄の画像507a〜507cが表示されつつも、その背景となるディーラ画像505がトランプのカードをシャッフルしている様子が遊技者に見える状態で表示されている。これにより、遊技者に報知すべき前回の停止図柄の種類を表示し、かつ、遊技効果を高めるためのキャラクタの動作が見える状態となっている。
前述した「ハーフトーン」は、図32にてその表示例を示している。図32(A)は、図20(C)にて表示される図柄の例として「A」図柄をノーマルな状態で表示した例を示している。この「A」図柄をハーフトーンで表示した状態を図32(B)に示す。図示したように、表示領域を格子状に分割し、その格子領域の1つ置きに「A」図柄の画像を表示することにより、背景画像がストライプ状に見えるハーフトーンの状態が表示される。なお、図示では、ハーフトーンの格子を縦方向にしているが、もちろん横方向であってもよく、あるいは、縦方向と横方向とのクロス状にしてもよい。さらには、格子領域の1
つ置きに背景画像と図柄の画像とを交互に表示するのではなく、図柄の画像を「透明状態」にして、背景の画像が透過された状態で表示するようにしてもよい。これらの表示制御のいずれを採用するかは、LCD表示器231に搭載されたVDP(Video Display Processor)の構成に応じて決定する。たとえば、VDPが表示色の透過処理を行なうための機能を備えていない場合には、演算処理を行なって格子状の画像表示領域に分割して「ハーフトーン」の状態で表示すればよく、一方、VDPが表示色の透過処理を行なう機能を備えている場合には、煩雑な表示領域の演算処理を施すことなく、たとえば、カラーパレットの制御などにより、図柄が表示された背景にディーラ画像505が透過した状態で表示するような構成にすればよい。
図21(A),(B)は、com0(図18参照)のメインステータスにて20hが指定され、「図柄変動前動作」の制御が行なわれるときの画面の表示例を示す画面構成図である。図柄変動前動作では、(A)に示したシャッフル動作前画面と(B)に示したシャッフル動作画面とが表示される。シャッフル動作前画面では、ディーラ画像505を背景として、前回の停止図柄の画像507a〜507cがハーフトーンで表示される。com0のメインステータスにて20hが指定されたコマンドが800ms以上受信されると、(A)のシャッフル動作前画面が(B)のシャッフル動作画面に切換えられ、ディーラ画像505がトランプカードをシャッフルする状態の画像が表示される。com0にて20hが指定されたコマンドが受信されている間は、ディーラ画像505がシャッフル動作を繰返す。
図21(C)は、com0にてメインステータスに21hが指定されたときに表示される全図柄変動画面の画面構成図である。com0にて21hが指定されると、ディーラ画像505が左図柄、右図柄、中図柄の順にトランプのカードを配り、左側、中央、右側の図柄表示領域83a〜83cのそれぞれにて図柄を高速回転させる。すべての図柄が変動し始めると、ハーフトーンで表示されていた図柄の画像507a〜507cが、ハーフトーンの解除により、ノーマル状態で表示される。
左図柄の変動が開始されてから、右図柄、中図柄の順で図柄の変動が開始され、すべての図柄の変動表示が開始されるまでの状態が、図22(A)〜(C)に示されている。
com0にてメインステータスに22hが指定されると、図23(A)に示した左図柄の停止画面が表示される。メインステータスに22hが指定されたコマンドが受信されると、左図柄の変動が減速され、左図柄の事前に決定された停止図柄が左側の図柄表示領域83aにて停止表示される。続いて、com0にてメインステータスに23hが指定されると、図23(B)に示した右図柄の停止画面が表示される。メインステータスに23hが指定されたコマンドが受信されると、右図柄の変動が減速され、右図柄の事前に決定された停止図柄が停止表示される。なお、図示したように、図柄の変動が停止されるときには、ディーラ画像505が該当する側の手を挙げて、図柄の変動を停止させる合図をする状態の画像が表示される。そして、com0にてメインステータスに24hが指定されたコマンドが受信されると、図23(C)に示した中図柄の停止画面が表示される。メインステータスに24hが指定されたコマンドが受信されると、中図柄の変動が減速され、中図柄の事前に決定された停止図柄が停止表示される。左図柄、右図柄、中図柄のすべての停止図柄が確定した状態が図23(C)に示されている。この表示例では、左図柄、中図柄、右図柄にて「A」図柄、「2」図柄、「3」図柄がそれぞれ停止表示されて、大当り以外となっている。
図23(C)に示したように、大当り以外となったときには、ディーラ画像505が目を伏せて、残念がっている様子を表わす画面が表示されている。
なお、図示したように、左側、中央、右側の図柄表示領域83a〜83cのそれぞれは、図柄が変動表示されているときには、前後の図柄がわかりやすくなるように比較的広い範囲に設定されているが、図柄の変動が停止したときには、停止表示されている1図柄分の範囲に設定されている。
図24は、図柄の変動表示中にリーチが成立した場合に表示されるヒットチャンスリーチ画面の表示例である。com0にてメインステータスに23hが指定されると、右図柄の変動が停止される。このとき、先に停止表示されている左図柄と同一種類の図柄が右図柄の停止図柄として停止表示された場合には、リーチが成立する。続いて、com0にてメインステータスに25h〜2Ahのうちのいずれかが指定され、リーチ1〜リーチ5のいずれかのリーチ態様の制御が開始されると、画面には、図24(A)に示したように「HITCHANCE」の文字のヒットチャンス画像509が表示され、それとともに、スピーカから「ヒットチャンス」の音声が効果音として発生される。リーチ1〜リーチ5を総称して「ヒットチャンスリーチ」という。その後、中図柄の変動が停止するまで、所定のタイミングで「グッドラック」の音声がスピーカから効果音として発生される。図示において、左図柄と右図柄とにおいて、「3」の図柄が停止表示され、リーチが成立している状態が表示されている。
図24(B)は、図24(A)に続く画面の一例であり、中図柄の変動が停止した時点で、中図柄にて「5」図柄が停止表示され、リーチが成立したにもかかわらず、最終的に大当り以外となった表示例を示している。中図柄の変動が停止した時点で、スピーカからは、停止表示された図柄の種類を表わす音声が発生される。図示した場合には、「ファイブ」の音声が発生される。図24(C)は、図24(A)に続く画面の他の一例であり、中図柄の変動が終了した時点で、中図柄にて「LOSE」の文字を表わすはずれ図柄(以下「ロスト図柄」という)が停止表示された例である。
図25は、図24(A)に続いて最終的に大当りとなる画面の表示例である。同図に示す表示例は、6種類のリーチ態様のうちのリーチ1およびリーチ2が選択された場合の画面である。com0にてメインステータスに25hが指定され、リーチ1が選択された場合には、中図柄の変動を停止させるときには、中図柄の変動速度を次第に減速させ、所定の図柄分だけ変動した時点で図柄の変動を停止させる。また、メインステータスに26hが指定され、リーチ2が選択された場合には、中図柄の変動速度を減速させ、それぞれの図柄分だけ変動させた時点で仮停止図柄で一時停止させる。その後、450msが経過した時点で、再び中図柄を変動させ、最終的に事前に決定された停止図柄で停止させる。これを「すべりリーチ」という。
中図柄の変動が終了し、中図柄にて「3」図柄が停止表示された時点でスピーカから「スリー」の音声が効果音として発生される。中図柄の変動の停止により、同一種類の図柄(例では「3」図柄)が3個揃って、大当りが発生すれば、図25(B)に示すように、ディーラ画像505がガッツポーズをする。それとともに、3個の停止図柄の表示色を変動表示中とは異なる表示色に切換える。この停止図柄の表示色の切換えは、図柄における文字の表示色を切換えてもよいし、または、図柄における背景部分の表示色を切換えるようにしてもよい。さらに、図25(C)に示すように、大当りを表わす「FEVER」の文字画像を含むフィーバー画像511が表示される。
図26(A),(B)は、図24(A)に続く画面の表示例であり、6種類のリーチ態様のうちのリーチ3〜リーチ5のうちのいずれかが選択された場合の画面である。リーチが成立した後に、中図柄の変動中に中図柄にて「SPECIAL CARD」の特別図柄(以下「スペシャルカード図柄」という)が一時停止されると、遊技中のモードがスペシャルタイムのモードに切換えられる。なお、スペシャルカード図柄が一時停止された場合
にも、スピーカから「スペシャルカード」の音声が効果音として発生される。スペシャルタイムのモードに切換えられると、図26(B)に示すように、「SPECIAL TIME」の文字画像を含むスペシャルタイム画像513が表示される。
図26(B)の画面が表示された以降は、リーチ3とリーチ4,5とで画面の表示内容を異ならせている。com0にてメインステータスに27hが指定されるとリーチ3が、28hが指定されるとリーチ4が、29hが指定されるとリーチ5がそれぞれ選択される。リーチ3が選択された場合には、図26(C)、図27(A)〜(C)の画面が表示され、リーチ4が選択された場合には、図28(A)〜(C)、図29(A)の画面が表示され、リーチ5が選択された場合には、図28(A),(B)、図29(B),(C)の画面がそれぞれ順次表示される。これらの総称して「スペシャルリーチ」という。スペシャルリーチは、その表示内容により、リーチ3は「キスリーチ」、リーチ4は「フーフーリーチ」、リーチ5は「フーフーリーチ指止め」という。
リーチ3のキスリーチについて説明する。図26(B)に示した画面が表示され、図8に示したようにスペシャルカード図柄が0.450秒間一時停止表示された後、変動状態Gの表示制御により中図柄が再び変動され、速い速度から徐々に変動速度を遅くして一定の速度で変動させる制御を行なう。その後、図26(C)のキスリーチ画面が表示される。この画面は、図8および図10に示したリーチ3の表示態様において、図柄の変動を停止させる直前に0.450秒間の停止に続いて0.468秒の変動を行なう制御を繰返すときに表示される。
キスリーチでは、図26(C)に示したように、ディーラ画像505がトランプカードにキスをし、その後、そのトランプカードを中図柄の方向へ投げる様子が表示される。ディーラ画像505がトランプカードを投げると、中図柄にて次のカードが前のカードに覆いかぶさるようにスクロール表示される。ディーラ画像505がカードにキスをして投げるまでの間は、前の図柄が停止表示された状態であり、これが図8および図10に示す0.450秒間の停止に対応する。そして、トランプカードが投げられることにより、次の図柄がスクロール表示されるのが0.468秒間の変動に対応する。図8に示した通常時には、この態様で2枚のカードが配られ、2図柄分の変動が行なわれる。また、図10に示した大当り時には、この態様で3枚のカードが配られ、3図柄分の変動が行なわれる。
図27(B)は、リーチ3のキスリーチにおいて、中図柄の変動が終了し、中図柄の停止図柄がリーチを成立させている「3」図柄とは異なる「2」図柄となり、大当り以外となった場合の表示例である。大当り以外となれば、ディーラ画像505が伏し目になって残念がる様子の画像が表示される。
図27(C)は、リーチ3のキスリーチにて中図柄の変動が終了した時点で中図柄の停止図柄がリーチを成立させている「3」図柄と同一であり、最終的に大当りとなった状態を示す。大当りとなれば、ディーラ画像505が笑顔になって喜ぶ様子が表示される。
次に、リーチ4のフーフーリーチについて説明する。リーチ4が選択されると、図26(B)の画面が表示されて、スペシャルカード図柄が0.450秒間一時停止された後、図28(A)のフーフーリーチ画面が表示されて、図8および図10に示した変動状態Hの表示制御が開始される。このフーフーリーチ画面では、ディーラ画像505が中図柄に息を吹きかける様子が表示される。中図柄は、ディーラ画像505に息を吹きかけられると、図示における矢印の方向へ回転を開始する。この回転は、徐々に加速された後、減速されて最終的に一定の速度で回転するように制御される。図28(B)は、中図柄が回転している途中の様子を示す画面である。中図柄は、1回回転するごとに順次次の図柄が表
示される。この中図柄の回転による変動が10.598〜11.048秒間行なわれた後、中図柄の回転が停止される。
図28(C)は、リーチ4のフーフーリーチにて中図柄の変動(回転)が終了した時点で、停止図柄の組合せが大当り以外となった状態を示す。大当り以外となれば、ディーラ画像505が伏し目になって残念がる様子が表示される。
図29(A)は、リーチ4のフーフーリーチにて中図柄の変動(回転)が終了した時点で、停止図柄の組合せが同一種類の図柄(例では「3」図柄)であり、大当りが発生した状態を示す。大当りが発生すれば、ディーラ画像505が笑顔になって喜ぶ様子が表示される。
次に、リーチ5のフーフーリーチ指止めについて説明する。リーチ4のフーフーリーチでは、中図柄の回転が停止する際には、ディーラ画像505が特に特徴的な動作を行なわないが、リーチ5のフーフーリーチ指止めでは、ディーラ画像505が指で中図柄を押さえることにより、中図柄の回転を停止させる。フーフーリーチ指止め画面において、ディーラ画像505が、指止めにより中図柄の回転を停止させている状態を図29(B),(C)に示す。図29(B)は、ディーラ画像505の指止め動作により、中図柄の回転が停止された時点で、停止表示されている図柄が「2」であり、最終的に大当り以外となった状態を示す。また、図29(C)は、ディーラ画像505の指止め動作により、中図柄の回転が停止した時点で、停止表示されている図柄が「3」図柄であり、最終的に大当りが発生した状態を示す。なお、図示は省略しているが、このフーフーリーチ指止め画面においても、最終的に大当り以外となった場合には、ディーラ画像505が目を閉じて残念がる様子が表示され、最終的に大当りとなった場合には、ディーラ画像505が笑顔になって喜ぶ様子が表示される。
次に、図7および図9に示したリーチ6が選択された場合の画面の表示例について説明する。図30は、図7および図9のリーチ6のタイミングチャートにおいて、変動状態Aの表示制御が終了した時点で表示されるラッキーチャンスリーチ画面である。変動状態Aの表示制御が終了した時点で、図30(A)の画面が表示される。この画面では、左側、中央、右側の図柄表示領域83a〜83cの背景にディーラ画像505が表示されるとともに、「Lucky CHANCE」の文字画像を含むラッキーチャンス画像515が表示される。リーチ6は、「ラッキーチャンスリーチ」という。
リーチ6のラッキーチャンスリーチでは、変動状態Aの表示制御が終了した時点で、左図柄と右図柄とが変動表示中に常に同一種類の図柄が表示される状態となり、さらに、リーチ成立の対象となった図柄については、左側、中央、右側の図柄表示領域83a〜83cに表示されているときに、中図柄についても同一種類の図柄が表示されて、そのまま停止すれば、大当りとなる組合せが変動表示される。図示では、変動表示中に、「3」図柄が3個揃った状態で表示されている様子が示されている。この状態で10.216秒間変動表示された後、初めに左図柄が停止表示され、続いて、3.132秒後に右図柄が停止表示され、さらに、3.598秒(通常時)または3.132秒(大当り時)が経過した時点で中図柄が停止表示される。
リーチ6のラッキーチャンスリーチにて中図柄の変動が終了して、3個の停止図柄が確定した状態を図30(B),(C)に示す。図30(B)は、中図柄の停止図柄が左図柄および右図柄の停止図柄とは異なる種類であり、最終的に大当り以外となった状態を示す。また、図30(C)は、中図柄の停止図柄が、左図柄および右図柄の停止図柄と同一種類であり、最終的に大当りが発生した状態を示す。なお、図示は省略しているが、このリーチ6のラッキーチャンスリーチにおいても、大当り以外となったときは、ディーラ画像
505が伏し目になって残念がる様子が表示され、大当りとなったときは、ディーラ画像505が笑顔で喜ぶ様子が表示される。
次に、図柄の変動表示の結果大当りが発生して、特定遊技状態となっている間に画像表示部81に表示される画面の表示例について説明する。特定遊技状態は、V入賞により繰返し継続され、最高16回連続して大入賞口87(図1参照)が開成状態となる。大入賞口87が開成状態となる1回ごとを「ラウンド」という。図31(A)は、図18に示した1ラウンド目のインターバル画面の表示例である。インターバル画面は、コマンド信号に含まれるcom0にてメインステータスに30h〜3Fhが指定されることにより表示される。インターバル画面では、ディーラ画像505とともに、ラウンドの回数を表わすラウンド画像517が表示される。このインターバル画面が表示されることにより、遊技者に、これから何ラウンド目が開始されるかが報知される。
インターバル画面が所定時間表示された後、続いて、com0(図18参照)にてメインステータスに40h〜4Fhが指定されることにより、図31(B)に示したラウンド画面が表示される。ラウンド画面では、図柄の変動表示中と同様に、左側、中央、右側の図柄表示領域83a〜83cが表示され、それぞれの領域に、今回の大当りの組合せとなった3個の停止図柄(例では「7図柄」)の画像508a〜508cが表示される。そして、左側、中央、右側の図柄表示領域83a〜83cを背景にしてディーラ画像505と、ラウンドを表わすラウンド画像519と、ラウンド中に大入賞口87に入賞した打玉の個数を表示するカウント画像521が表示される。カウント画像521は、大入賞口87に打玉が入賞するたびに、値をカウントアップする。
さらに、ラウンド中に打玉が特定領域97に入賞してV入賞が発生すれば、図31(C)に示すように、ディーラ画像505が右手を挙げてガッツポーズをし、さらに、中央の図柄表示領域83bにて停止図柄の画像508bに代えて「V」の文字画像519が表示されて、遊技者に、V入賞があったことが報知される。
1回のラウンドは、29.500秒が経過するか、または、大入賞口87に10個の打玉が入賞するかのうちのいずれか早い方の条件が成立すれば、終了する。そして、ラウンド中にV入賞があれば、繰返し継続制御により、続いて、2ラウンド目のインターバル画面が表示され、その後、2ラウンド目のラウンド画面が表示されて、順次ラウンドが進行する。
図33は、LCD表示器231の構成を示すブロック図である。LCD表示器231は、LCDコントロール回路301と、LCD表示部303とを含む。LCDコントロール回路301は、CPU311と、VDP(Video Display Processor )313と、制御ROM315と、VRAM317と、キャラクタROM319と、LCDドライバ321とを含む。
CPU311は、LCD回路207からのコマンド信号HD00〜HD11を受信し、受信したコマンドに応答して画像表示部81(図1参照)に表示する画像データを生成するために、LCDコントロール回路301の全体を制御する。CPU311は、VDP313と制御ROM315とに、アドレス信号とデータ信号と制御信号とを送り、VDP313と制御ROM315との間で、データ信号の送受信を行なう。制御ROM315は、CPU311の動作を制御するための制御用プログラムを予め記憶しており、CPU311から送信されてきたアドレス信号と制御信号とに応答して、該当する制御用プログラムをデータ信号としてCPU311に返信する。
VDP313は、CPU311からの指令信号に応答して画像データを生成する。VD
P313は、VRAM317にVRAMアドレス信号とVRAMデータ信号とVRAM制御信号とを送信する。VRAM317からVDP313へは、VRAMデータ信号が返信される。VDP313は、キャラクタROM319へキャラクタROMアドレス信号とキャラクタROMデータ信号とキャラクタROM制御信号とを送信する。キャラクタROM319からVDP313へは、キャラクタROMデータ信号が返信される。
VDP313は、CPU311からの制御信号に応答して、表示部81に表示される画面を構成するための画像のデータを生成する。VRAM317は、VDP313が生成した画像データを一時的に記憶する。VDP313が生成し、VRAM317に記憶される画像データは、所定数のドットの集合を単位としたキャラクタの識別番号である。画像データには、複数のキャラクタの識別番号が、表示される配置関係に従って含まれている。これをマップデータという。個々のキャラクタの識別番号は、制御ROM315に予め記憶されている。画像表示部81に表示される画面を構成するために必要なキャラクタの識別番号が制御ROM315から読出され、VDP313により、表示画面における各キャラクタの配置関係を示すためのマップデータとして、VRAM317に記憶される。
キャラクタROM319は、キャラクタの識別番号に対応するドットデータを予め記憶している。VDP313は、所定のタイミングで、VRAM317からマップデータを読出し、マップデータに含まれる各キャラクタの識別番号に基づいて、各キャラクタのドットデータを読出す。VDP313は、読出したドットデータに基づいてRGB信号を生成する。VDP313は、生成したRGB信号をLCDドライバ321へ送信する。LCDドライバ321は、送信されてきたRGB信号に基づいてLCD表示部303に各種の表示画面に対応した画像を表示する。なお、図1に示した可変表示装置7の画像表示部81は、LCD表示部303に含まれる画像表示面である。
図示において、LCD回路207からLCDコントロール回路301への入力には、1〜20の番号が付けられている。入力1は、+12.0Vのバックライト用電源である。入力2は、+12.0Vのロジック用電源である。入力3は、+13.0Vの液晶用電源である。入力4〜入力14(HD00〜HD10)は、受信コマンドデータの0〜10番目のビットである。これら入力4〜入力14は、図18に示したcomH,com0〜com5,comCに対応する入力である。入力15(HD11)は、受信コマンドデータのストローブである。入力16は、−8.0Vの液晶用電源である。入力17は、−20.0Vの液晶用電源である。入力18〜入力20は、GND入力である。入力18は、バックライト用の電源として用いられ、入力19,20は、コモンとして用いられる。
図示において、LCDコントロール回路301からLCD表示部303への出力には、1〜16の番号が付けられている。出力1(/HSY)は、水平同期信号である。出力2(FRP)は、ビデオ信号である。このビデオ信号には、極性が反転されたものが含まれる。
出力3(SYN)は、複合同期信号である。出力4(VGH)は、+13.0Vの液晶用電源である。出力5(VSL)は、−20.0Vの液晶用電源である。出力6(VB)は、青色(B)のビデオ信号である。出力7(VR)は、赤色(R)のビデオ信号である。出力8(VG)は、緑色(G)のビデオ信号である。出力9(GND)は、コモンである。
出力10(VSH)は、+5.0Vの液晶用電源である。出力11(VSL)は、−8.0Vの液晶用電源である。出力12(VCDC)は、共通電極駆動信号のDCバイアスである。出力13(N/P)は、NTSC/PAL切換端子である。出力14〜出力16(VSY,TST,TST)は、オープンに設定されている。
次に、本実施例のパチンコ遊技機における表示制御の機能について説明する。図34は、VDP313(図33参照)の機能構成をCPU311とVRAM317とキャラクタROM319との関係とともに示すブロック図である。VDP313は、各種のレジスタ類601と、タイミングジェネレータ603と、ファンクションコントローラ605と、パレットRAM607と、スクリーンセレクタ609とを含む。これらの各機能部は、内部バス611を介して、相互に接続されるとともに、VDP313の外部のCPU311(図33参照)と、VRAM317と、キャラクタROM319と接続されている。CPU311は、CPUインタフェース(I/F)613を介して内部バス611に接続し、VDP313のレジスタ類601やパレットRAM607、および、VRAM317にアクセスする。
レジスタ類601は、CPU311から送られてくる各種の指令信号やデータ信号を受付る。タイミングジェネレータ603は、各機能部の処理を同期させるためのパルス信号を出力する。ファンクションコントローラ605は、レジスタ類601が受付けた指令信号やデータ信号に基づいて、VDP313内部の処理を制御する。VRAM317は、画像表示部81(図1参照)に表示される種々の画面(図20〜図31参照)のデータ(以下、「画面データ」という)を記憶するための手段である。画面データは、表示画面を構成するキャラクタデータ(後述する)の識別番号の集合である。
キャラクタROM319は、VRAM317に格納されたキャラクタデータの識別番号に対応するドット情報(後述)を予め記憶している。パレットRAM607は、ドット情報に含まれるパレットデータに対応するカラーデータを格納する手段である。スクリーンセレクタ609は、パレットRAM607から出力されたカラーデータ信号をスクリーン(後述)に対応付けるための手段である。画像表示部81に画面を表示する際には、CPU311は、制御ROM315(図33参照)のプログラムデータに基づいて、レジスタ類601に指令信号とデータ信号とをセットし、さらに、VRAM317の内部にキャラクタデータの識別番号を書込む。VDP313は、ファンクションコントローラ605の制御により、VRAM317に格納されたキャラクタデータの識別番号を読出し、読出した識別番号に対応するドット情報をキャラクタROM319から読出す。
VDP313は、ドット情報に含まれるパレットデータに対応するカラーデータをパレットRAM607から読出し、カラーデータ信号としてスクリーンセレクタ609に送る。スクリーンセレクタ609は、パレットRAM607を参照して出力されたカラーデータ信号を指定されたスクリーンに対応付け、必要に応じてスクリーンデータを合成してLCDドライバ321(図33参照)にRGB信号として出力する。LCDドライバ321は、送られてきたRGB信号に基づいてLCD表示部303を駆動し、表示部81に所定の画面を表示する。
上述したように、VDP313は、表示部81に表示する画面のデータを所定のタイミングで生成するための装置である。表示画面は、ドット単位で構成されているが、本実施例では、ドットをあるブロック単位でまとめ、各ブロックに識別番号を付けて管理するようにし、表示画面のデータは、これらのブロックを複数種類組合せて構成するようにしている。このような方式をキャラクタ方式という。表示画面のデータをキャラクタ方式により生成することで、多数のドットからなる画像を比較的短時間で処理することができるとともに、表示画面のデータを記憶するためのVRAM317を比較的小さな容量のメモリで構成することができる。
本実施例では、ブロック単位としての1キャラクタを16×16ドットとしている。各ドットデータは、16種類のパレットデータを表わすために4つのプレーンで構成されて
いる。パレットデータとは、R(赤),G(緑),B(青)の3色についてのデータを各々4ビットずつで合計12ビットで構成されたカラーデータを含むデータである。各キャラクタに対応するドットデータは、キャラクタROM319に格納されている。本実施例では、キャラクタROM319に1ワード8ビットのメモリを用いている。1キャラクタ当たりのデータ量は、16(ドット)×16(ドット)×4(プレーン)=1024ビット=128バイトである。
図35に、キャラクタROM319のアドレスとキャラクタの識別番号との対応関係を示す。図示したようにキャラクタROM319の内部には、キャラクタごとのドットデータが、先頭番地から順番に128バイトずつ格納されている。この格納された順番がキャラクタの識別番号となる。キャラクタの識別番号のことを「マップデータ」という。画面データは、複数のマップデータを集合させて構成される。マップデータは、表示画面の種類に応じて組合されてVRAM317に記憶される。VRAM317の所定の記憶領域にマップデータを記憶させることを「マッピング」という。
VRAM317に記憶させるマップデータは、CPU311からVDP313を介して送られる。この場合、CPU311は、レジスタ類601に含まれる所定のレジスタにVRAM317の書込アドレスと、マップデータとをセットして、指定したアドレスにマップデータの書込みを行なう。
図36に、VRAM317の内部構成を模式化して示す。図示において、各枡目の中の数値がVRAM317のアドレスであり、( )内の数値が、そのアドレスに記憶させたキャラクタデータの最左上のドット座標である。
次に、表示画面の構成について説明する。
図37は、表示画面の構成を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図である。VDP313は、表示画面701のデータを、第1のスクリーン703と、第2のスクリーン705と、ボーダ画面707との3種類のデータで構成する。第1,第2のスクリーン703,705は、それぞれ表示画面の中でドットデータにより表示される領域である。本実施例では、1つのスクリーンのサイズを水平方向320ドット×垂直方向224ドットとしている。
また、ボーダ画面707は、表示画面701において、ドットデータの表示が行なえない領域であり、第1,第2のスクリーン703,705の背景となる領域である。ボーダ画面707では、ドットデータは表示できないが、指定された色の表示は行なえる。
図37(b)に示すように、表示画面701は、ボーダ画面707を最下位にして、その上に第2のスクリーン705と第1のスクリーン703とを重ねた状態でデータが構成される。図示において、矢印方向から見た状態の画面が、画像表示部81(図1参照)に表示される。第1のスクリーン703と第2のスクリーン705とのいずれのドットデータを優先して表示するかは、レジスタ類601の設定を変更することにより任意に変更できる。本実施例では、第1のスクリーン703に図柄の画像をセットし、第2のスクリーン705に背景の画像をセットする。そして第1のスクリーン703を第2のスクリーン705に優先した状態で画像表示部81に表示する。
また、第1のスクリーン703と第2のスクリーン705とのいずれのスクリーンにもドットデータが含まれていない領域では、ボーダ画面707の色が表示される。ボーダ画面707の表示色についてもレジスタ類601の設定により複数種類の色から選択可能にしている。また、第1のスクリーン703と第2のスクリーン705とのそれぞれに対して独立してパレットデータが設定されている。すなわち、各スクリーンについて最大16
種類のカラーデータが設定できる。
このように、本実施例では、表示画面において、2つのスクリーンのデータを重ね合わせて表示することができるようにしている。なお、図37においては、説明を容易にするために、第1のスクリーン703と第2のスクリーン705のサイズを表示画面701のサイズよりも小さく示しているが、実際には、第1,第2のスクリーン703,705は、ともに、表示画面701とほぼ1対1に対応する。したがって、実際のパチンコ遊技機では、いずれかのスクリーンにおいてドットデータが設定されている場合には、ボーダ画面707の色が表示される領域は、表示画面701の周縁部のごく僅かな範囲である。
表示画面701の2つのスクリーン703,705のそれぞれに対応させて、VRAM317の記憶領域も2系統設けている。ただし、VRAM317の内部に物理的に分かれた2つの記憶領域を備えるというのではなく、固定アドレスを用いたタイムシェア切換処理によって、同一のデバイスを必要に応じて2系統のいずれかとして切換えて使用することができるようにしている。1系統の記憶領域の大きさは、水平方向1024ドット×垂直方向1024ドットである。前述したように、1つのスクリーンは、水平方向320ドット×垂直方向224ドットであるので、1系統の記憶領域は、スクリーンの12枚分の容量を有することになる。
次に、VDP313のスクロール機能について説明する。図38は、スクロール機能の内容を示す概念図である。第1のスクリーン703および第1の系統の記憶領域721を例にして説明する。前述したように、VRAM317における1系統の記憶領域は、スクリーンの12枚分の容量を有する。図示したように、記憶領域721上で、スクリーン703の位置を変更することにより、記憶領域721に格納されている画面データを読出す範囲が変更でき、画像表示部81においてスクリーン703の位置の変更に対応した画像の変動表示を行なうことができる。これをスクロール機能という。このスクロール機能は、レジスタ類601の中に含まれるスクリーンの座標を指定するためのレジスタにセットする値を変更することにより制御する。
また、記憶領域721における左端部Aは、右端部A′と、上端部Bは、下端部B′と、それぞれ図示したように論理的に接続されている。したがって、スクリーン703が二点鎖線の位置にセットされた場合には、スクリーン703に含まれる領域のうち、記憶領域721外にはみ出した領域725a,726a,727aについては、領域725b,726b,727bのマップデータを表示するようにする。
これにより、スクロール用のスクリーンを記憶領域721上で移動させて、恰も記憶領域721が無限に連なっているように偽装することが可能となる。なお、第1のスクリーン703と、第2のスクリーン705とは、それぞれ第1の系統の記憶領域721と、第2の系統の記憶領域(図示を省略)上で、個別にスクロールさせることができる。
次に、VDP313のウィンドウ機能について説明する。図39(a)は、ウィンドウ機能の内容を示す概念図である。ウィンドウ機能とは、記憶領域721上に設定された第1のスクリーン703の中に、矩形のエリア(ウィンドウ領域)731aを設定し、そのウィンドウ領域731aのマップデータについては、記憶領域721の別の箇所に設定したウィンドウ領域731bのマップデータを表示するという機能である。本実施例では、第1のスクリーン703の中に4個のウィンドウ領域を設定できるようにしている。
これら4個のウィンドウは、重ね合わせて表示することもできる。図39(b)にウィンドウを重ね合わせた状態を模式化した図を示す。図示において、第1のスクリーン703に設定された4個のWA,WB,WC,WDウィンドウ741a,743a,745a
,747aについては、記憶領域721上の別の箇所に設定されたOA,OB,OC,ODオフセット領域741b,743b,745b,747bのマップデータが表示される。
本実施例では、ウィンドウの表示の優先準位をWA>WB>WC>WDの順で設定している。この設定は固定である。したがって、WA,WB,WC,WDウィンドウ741a,743a,745a,747aがすべて表示モードに設定されている場合には、WAウィンドウ領域741aにオフセット領域741bのマップデータによって表される画像が表示され、WBウィンドウ領域743aの残りの領域についてはオフセット領域743bのマップデータによって表される画像が表示される。同様に、WCウィンドウ領域745aの残りの領域については、オフセット領域745bのマップデータによって表される画像が、また、WDウィンドウ領域747aの残りの領域については、オフセット領域747bのマップデータによって表される画像がそれぞれ表示される。
ウィンドウ機能の制御は、レジスタ類601に含まれるウィンドウレジスタにウィンドウ領域の矩形の位置を示す始点座標と終点座標とのデータをセットすることにより行なわれる。
前記メイン基本回路203に含まれるCPUと、このCPUに図7〜図10のタイミングチャートに示した表示制御を行なわせるための制御用プログラムと、LCD回路207と、WCRND1と、WCRND_ACTと、WCRND_Lと、WCRND_Cと、WCRND_Rとにより、可変表示部の表示結果を時期を異ならせて複数導出表示させる可変表示制御手段、および、可変表示部に複数種類の識別情報を可変表示させた後に、該複数種類の識別情報のうちのいずれかの種類の識別情報を停止表示させることにより可変表示部の表示結果を導出表示させる可変表示制御手段が構成されている。前記メイン基本回路203に含まれるCPUと、このCPUにWCRND_ACTの値に基づいてリーチ1〜リーチ6の6種類のリーチ態様のうちのいずれかを選択させて、その選択したリーチ態様となるように表示制御させるための制御用プログラムと、WCRND_ACTとにより、可変表示部の複数の表示結果の一部が未だに導出表示されていない段階において既に導出表示されている表示結果が特定の表示態様の組合せとなる表示条件を満たして特定状態となった場合に、可変表示部の複数の表示結果のうちの未だに導出表示されていない一部が導出表示されるまでの可変表示部の表示状態が、複数種類の表示状態の中のある種類の表示状態になるように制御する特定状態制御手段、および、特定状態となった後に、特定の識別情報が所定の態様で表示された場合に、可変表示部の表示状態が特定の種類の表示態様となるように制御する特定状態制御手段が構成されている。
前記画像表示部81により、表示状態が変化可能な可変表示部が構成されている。前記画像表示部81と、メイン基本回路203に含まれるCPUと、このCPUに中央の図柄表示領域83bにてスペシャルカード図柄を一時停止させる制御を行なわせるための制御用プログラムとにより、特定状態となった後に、特定状態制御手段により可変表示部の表示状態が特別の種類の表示状態となるように制御されるのに先立って、特定の種類の表示に対応する特別表示情報を報知する特別表示情報報知手段、および、可変表示制御手段に含まれる手段であって、特定状態となった場合に、所定の条件が成立したことに応答して可変表示部に特定の識別情報を所定の態様で表示する特別表示情報報知手段が構成されている。
前記リーチ1〜リーチ6が、複数種類の表示状態に対応し、リーチ3〜リーチ5が特別の種類の表示状態に対応する。また、リーチが成立した状態が、可変表示部の複数の表示結果の一部が未だに導出表示されていない段階において既に導出表示されている表示結果が特定の表示態様の組合せとなる表示条件を満たしている特定状態に対応する。
次に、本発明の他の実施例について説明する。
図40は、画像表示部81の変形例の表示画面の構成図である。(A)に示すように、リーチが成立した時点で中図柄を変動表示させつつ、画像表示部81の上部の表示領域にUFO画像601と、大砲画像603とによる第2ゲームが表示される。第2ゲームでは、大砲画像603から砲弾画像605が発射される。(B)に示すように、砲弾画像605がUFO画像601に命中すると、それ以降は、スペシャルリーチのモードに切換えられる。なお、図示は省略したが、砲弾画像605が命中した直後に、「スペシャルリーチ」の文字画像が表示される。
前記大砲画像603から発射された砲弾画像605がUFO画像601に命中した場合にスペシャルリーチの表示状態に制御することが、特定状態制御手段が、特定状態となった後に、別の表示結果が予め定められた特別の表示態様となった場合に、可変表示部の表示状態が特別の種類の表示状態となるように制御することの一例である。
さらに、他の実施例としては、可変表示装置7に画像表示部81とは別の表示部を設け、この別の表示部にて、第2ゲームの画像または文字セグメントなどを変動表示させ、その第2ゲームの表示結果が予め定められた特別の表示態様(たとえば砲弾が命中した状態)となれば、画像表示部81の表示をスペシャルリーチのモードに切換える。
この場合、特別表示情報は、別の表示部が画像表示可能であれば、たとえば「スペシャルリーチ」の文字画像など、別の表示部が文字セグメント表示部であれば、たとえば「S」の文字セグメントなどにすればよい。
前記別の表示部の第2ゲームの表示結果に基づいてスペシャルリーチのモードに切換えられることが、特定状態制御手段が、特定状態となった後に、別の可変表示部にて導出表示された表示結果が予め定められた特別の表示態様となった場合に、可変表示部の表示状態が特別の種類の表示状態となるように制御することの一例である。
以上に、本発明の一実施例によるパチンコ遊技機の構成について説明した。本実施例のパチンコ遊技機の他の特徴点について以下に列挙する。
(1) 前述の実施例構成において、VRAM317により、画像の表示データを記憶する画像表示データ記憶手段が構成されている。キャラクタの識別番号を含むマップデータが、画像の表示データに対応する。また、VDP313により、画像表示データ記憶手段からデータを読出し、その読出したデータに基づいて可変表示装置に画像を表示させる画像表示制御手段が構成されている。CPU311と、VDP313と、制御ROM315に格納された表示制御用プログラムとにより、画像表示データ記憶手段に画像表示制御手段の読出の対象となるデータを記憶させるデータ記憶制御手段が構成されている。
そして、可変表示装置に表示可能な画像は、時期を異ならせて表示される表示画面ごとに対応させて複数種類が定められ、データ記憶制御手段は、複数種類の画像のうちの一部の種類ずつの画像の表示データを所定の条件が成立したことに応じて切換えて画像表示データ記憶手段に記憶させることを特徴とする。
これにより、複数種類の画像のうちのすべての種類または多数の種類の画像の表示データを同時期に記憶することが可能な画像表示データ記憶手段が必要でなくなり、一部の種類の画像の表示データを記憶するための容量を備えた記憶装置を用いて画像データ記憶手段を構成することが可能となる。
(2) 前述の実施例構成においては、画像表示データ記憶手段であるVRAM317
が、表示データを記憶するための記憶領域を含み、データ記憶制御手段は、その記憶領域のうちの少なくとも一部の領域を一部の種類の画像の表示データを記憶させるための領域として定める記憶領域設定手段を含む。この記憶領域設定手段は、CPU311と、VDP313と、制御ROM315に格納された表示制御用プログラムに含まれるVRAM317上の記憶領域を指定する処理に対応したプログラムとにより構成されている。
これにより、時期を異ならせて表示される表示画面ごとに対応させて定められた複数種類の画像を記憶するための記憶領域は、複数種類の画像のうちのすべてまたは多数の種類の画像の表示データを記憶するだけの容量を備える必要はなく、一部の種類ずつの画像の表示データを記憶する容量を備えた記憶領域として構成することが可能となる。
(3) さらに、前述の実施例構成では、記憶対象である一部の種類の画像の表示データ量に応じた容量の記憶領域を少なくとも一部の領域として定めるとともに、画像データ記憶手段に切換記憶される一部の種類の画像表示データのうち、ある一部の種類の画像データの記憶領域と他の一部の種類の画像表示データの記憶領域とが少なくとも部分的に重複するように領域設定を行なうことを特徴とする。
これにより、画像表示データ記憶手段に切換え記憶される一部の種類の画像表示データのうち、ある一部の種類の画像表示データの記憶領域と他の一部の種類の画像表示データの記憶領域とが、少なくとも部分的に重複するように領域設定を行ない、記憶領域を効率的に使用することが可能となる。
(4) 前述の実施例構成においては、時期を異ならせて表示される表示画面として、パチンコ遊技機の電源投入時から始動入賞があるまでの間に表示される第1のデモ画面(デモ表示1)と第2のデモ画面(デモ表示2)とが含まれる。そして、第1のデモ画面の表示が開始されてから所定時間が経過した後に第2のデモ画面が切換え表示される。
このように、本実施例のパチンコ遊技機は、遊技領域に打ち込まれた打玉が入賞することにより、可変表示装置の表示結果を導出表示させるための画像の表示が開始される始動入賞領域が備えられ、パチンコ遊技機の電源が投入されてから始動入賞領域への打玉の入賞があるまでの間に第1の画面に続いて第2の画面が表示されるように定められ、データ記憶制御手段は、画像表示データ記憶手段に第1の画面に対応した画像の表示データを記憶させ、その後、予め定められた所定の時間が経過したことに応じて、第1の画面に対応した画像の表示データに切換えて第2の画面に対応した画像の表示データを画像データ記憶手段に記憶させることを特徴とする。
これにより、パチンコ遊技機の電源が投入されてから始動入賞があるまでの間に、第1の画面と第2の画面との複数の画面を切換えて表示する場合であっても、その複数の画面に対応した画像のデータを一度に記憶するだけの容量を備えた記憶手段を用いることなく、1つずつの画面に対応した画像の表示データを記憶するだけの容量を備えた記憶手段を用いることが可能となる。
(5) 前述の実施例構成においては、第1のデモ画面(デモ表示1)または第2のデモ画面(デモ表示2)が表示されている間に始動入賞があった場合に図柄の変動表示画面(スタート画面を含む)に表示が切換えられる。このように、本実施例のパチンコ遊技機は、データ記憶制御手段が、画像表示データ記憶手段にデモンストレーション画面に対応した画像のデータを記憶させ、遊技領域に打ち込まれた打玉が始動入賞領域に入賞したことに応じて、デモンストレーション画面に対応した画像の表示データに切換えて可変表示装置の表示結果を導出表示させるための画面に対応した画像の表示データを画像表示データ記憶手段に記憶させることを特徴とする。
これにより、デモンストレーション画面に対応した画像の表示データと可変表示装置の表示結果を導出表示させるための画面に対応した画像の表示データとを一度に記憶するだけの容量を備えた記憶手段を用いることなく、一方ずつの画像の表示データを記憶することが可能な容量を備えた記憶手段を用いることが可能となる。
(6) 前述の実施例構成においては、図柄の変動表示画面においてリールの回転が停止された時点で大当りの図柄の組合せが停止表示されていた場合に、フィーバ画像511を含む画面が表示される。このように、本実施例のパチンコ遊技機は、データ記憶制御手段が、可変表示装置の表示結果を導出表示させるための画面に対応した画像の表示データを画像表示データ記憶手段に記憶させ、可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となったことに応じて、可変表示装置の表示結果を導出表示させるための画面に対応した画像の表示データに切換えて、所定の遊技価値が付与可能な状態になったことに対応して表示される画面に対応した画像の表示データを画像データ記憶手段に記憶させることを特徴とする。
(7) 前述の実施例構成においては、ラウンド画面が表示されている間に、特定入賞領域95に打玉が入賞した場合に、「V」の文字画像519を含むV入賞画面に表示が切換えられる。このように、本実施例のパチンコ遊技機は、遊技者に有利となる第1の状態と遊技者に不利となる第2の状態とに変化可能な可変入賞球装置を備え、この可変入賞球装置を第1の状態にした後、第2の状態にし、予め定められた繰返し継続条件が成立した場合に、第2の状態となっている可変入賞球装置を再度第1の状態に繰返し継続制御する駆動制御手段を含み、前記繰返し継続条件は、遊技領域に設けられた予め定められた特定の入賞領域に打玉が入賞したことによって成立するように定められ、データ記憶制御手段は、可変入賞球装置が第1の状態になっていることに対応して表示される画面に対応した画像のデータを画像データ記憶手段に記憶させ、前記特定の入賞領域に打玉が入賞したことに応じて、可変入賞球装置が第1の状態になっていることに対応して表示される画面に対応した画像のデータに切換えて、繰返し継続条件が成立したことに対応して表示される画面に対応した画像の表示データを画像表示データ記憶手段に記憶させることを特徴とする。
(8) 前述の実施例構成においては、パチンコ遊技機において、何らかの異常原因が発生した場合に、それまでに表示されていた画面に切換えて障害発生画面が表示される。このように、本実施例のパチンコ遊技機は、パチンコ遊技機の異常を検出するための異常検出手段を備え、データ記憶制御手段は、第1の表示画面に対応した画像のデータを画像データ記憶手段に記憶させ、異常検出手段から検出信号が出力されたことに応じて、第1の表示画面に対応した画像のデータに切換えて第2の表示画面に対応した画像のデータを画像データ記憶手段に記憶させることを特徴とする。
(9) 前述の実施例構成において、複数の表示結果の一例として、左側、中央、右側の図柄表示領域83a〜83cのそれぞれに停止表示される停止図柄が示されている。また、複数の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合の一例として、すべての停止図柄が同一種類の図柄になったことが示されている。所定の遊技価値の一例として、大当りが発生して可変入賞球装置11の開閉板87が開成状態となり、遊技者にとって有利な第1の状態になることが示されている。
(10) 前述の実施例構成において、メイン基本回路203と、LCD回路207と、LCDコントロール回路301と、VRAM317と、キャラクタROM319とにより、複数の可変表示部(左側、中央、右側の図柄表示領域83a〜83c)の各々において複数種類の画像を変動させる画像変動手段が構成されている。この画像変動手段は、V
DP313が、CPU311からの指令信号に応答して、キャラクタROM319からキャラクタデータを読出し、この読出したデータをVRAM317上に展開してスクロール用の表示データを作成する。作成されたスクロール用の表示データは、複数種類の図柄の画像を、図柄配列(図5参照)に従って変動表示させるために配列したものである。
図柄の配列の中には、トランプカードの「A」,「2」〜「10」,「J」〜「K」を表わす「トランプカード」図柄と、「スペシャルカード」図柄と、「ロスト」図柄とが含まれる。トランプカード図柄は、同一種類の図柄の画像が3個揃ったか否かにより大当りとなったか否かが判定される図柄であり、スペシャルカード図柄とロスト図柄とは、単独で表示された場合に遊技状態を所定の状態(スペシャルリーチまたははずれ)にするか否かが判定される図柄である。
このように、前述の実施例では、複数の可変表示部の各々において複数種類の画像を変動させる画像変動手段を含み、複数種類の画像の中には、単独で表示態様が判定される第1の画像と、複数の画像の組合せで表示態様が判定される第2の画像とが含まれることを特徴としている。
(11) 前述の実施例においては、メイン基本回路203に含まれるCPUが、同じくメイン基本回路203に含まれるROMに格納された制御プログラムを読出して実行することにより、LCDコントロール回路301を介してLCD表示器303を制御し、前記図7ないし図10とに示すように左側、中央、右側の図柄表示領域83a〜83cにおける図柄の変動を左,右,中の順で停止するように表示させる。
このように、本実施例のパチンコ遊技機は、複数の可変表示部における変動を停止時期を異ならせて停止させる停止手段、すなわち、複数の表示結果を時期を異ならせて導出表示させる可変表示制御手段を含むことを特徴としている。
ここで、可変表示制御手段は、メイン基本回路203に含まれるCPUと、同じくメイン基本回路203に含まれるROMと、このROMに格納された制御プログラムとにより構成されている。
複数の可変表示部の表示結果が予め定められた特定の表示態様となれば所定の遊技価値が付与可能となる場合には、遊技者は、個々の可変表示部の変動が停止するたびに、特定の表示態様となったか否か、または、特定の表示態様となる表示条件を満たしているか否かを判別する。
これにより、複数の可変表示部の変動が開始してからすべての可変表示部における変動が停止するまでの間に、遊技者が特定の表示態様となることを期待するタイミングを複数設定することが可能となり、さらには、遊技者の特定の表示態様に対する期待感の程度を変化させるようにすることも可能となる。
これにより、複数の可変表示部のうちの一部の可変表示部に表示される画像の組合せが変化しない状態になった時点で画像の組合せが予め定められた特定の表示態様となっているか否かを判断し、特定の表示態様となっていれば遊技価値を付与可能とする遊技を行なうことができる。
(12) 前述の実施例構成では、VDP313が、図柄の画像を配列させた表示データを生成し、VRAM87に格納する。VDP313は、VRAM317に格納された表示データのうちの画像表示部81に表示するデータの容量分だけの一部のデータを読出してLCD表示器303に送り、図柄の画像を表示させる。VDP313は、表示データに
おける読出範囲を図柄の配列方向に沿って順次異ならせることにより、複数種類の図柄の画像を画像表示部81に表示させる。
このように、本実施例のパチンコ遊技機は、画像変動手段が複数種類の画像を一定の順序で表示する順次変動制御手段を含むことを特徴としている。
これにより、遊技者は、複数の可変表示部の各々に表示される画像の種類と表示の順序などを覚えることが可能となる。したがって、たとえば、複数の可変表示部の変動表示を一斉に、または、順次停止させる場合に、遊技価値が付与可能となる状態を発生させるきっかけとなる特定の表示態様が成立する表示条件を満たすための画像が停止表示されるか否かを変動表示中にある程度予測し得るようにし、その予測内容を介して遊技者の期待感を高めることができる。
(13) 前述の実施例構成では、複数の可変表示部を画像表示部81に表示する左側、中央、右側の図柄表示領域83a〜83cによって構成している。
このように、本実施例のパチンコ遊技機は、可変表示部が電気的な画像表示装置であることを特徴としている。
本実施例および変形例では、図柄は、信号化された電子データを処理することにより表示される。したがって、多数の可変表示部において複数種類の図柄を、または、可変表示部において多数の図柄を、もしくは、多数の可変表示部において多数の図柄を変動表示させるような遊技を行なう場合であっても、従来の回転ドラム等で代表される機械的な変動表示手段のように大きな配置スペースを必要とする装置を備える必要がなくなる。
また、図柄の種類を変更したり、個数を増減させたりする場合には、変動表示を制御するプログラムデータやキャラクタROMに格納しておくキャラクタデータなどの電子データを変えることで対応できることが多いので、遊技内容の変更などにも迅速にかつ省力的に対応することが可能となる。
(14) 前述の実施例構成では、LCDコントロール回路301が、制御ROM315に格納されている制御用プログラムを実行するためのCPU311の他、このCPU311からの指令信号に応答して表示用の画像データを生成するためのVDP313を含む。
このように、本実施例のパチンコ遊技機は、画像変動手段が画像データ生成手段を含むことを特徴としている。
LCDコントロール回路301において、CPU311が画像データを生成する機能を担う場合には、このCPU311が外部(実施例ではLCD回路207)からのコマンドデータの解析と制御ROM315からのプログラムの読出および実行と制御用プログラムに従った画像データの生成との複数の処理を行なうことになる。一般にCPU311は、複数の処理を逐次的に実行するので、多量の画像データを高速に生成してLCD表示器303に送り出す場合に不具合が生じることがあった。
そこで、本実施例では、CPU311とは別に画像データを生成するための手段としてVDP313を設け、CPU311は、外部からのコマンドデータに応答して画像データの生成および読出等の制御信号を生成し、VDP313は、CPU311からの制御信号に応答して画像データの生成と読出を行なうようにし、LCDコントロール回路301の内部において、2種類のプロセッサのそれぞれに専用の機能を担わせるようにしている。
これにより、CPU311が受信したコマンドデータの解析や制御ROM315からのプログラムの読出等の処理を行なっている最中にVDP313は先にCPU311から受信した制御信号に基づいて画像データの生成や読出および送信処理を行なうことが可能となり、一方で、VDP313が画像データの生成または読出および送信処理を行なっている最中に、CPU311は次の制御信号の生成処理を行なうことができる。
(15) 前述の実施例構成では、LCDコントロール回路301の内部に制御用のプログラムデータを格納した制御ROM315が備えられている。CPU311は外部(実施例ではLCD回路207から受信したコマンドデータに応答して制御ROM315から読出したプログラムに従って画像データを生成または読出および送信等の各処理を制御するための信号を生成する。
このように、本実施例のパチンコ遊技機は、画像変動手段がプログラム記憶手段を含むことを特徴としている。本実施例では、LCDコントロール回路301の画像データの生成,読出および送信などの処理手順をプログラム化し、予めプログラム記憶手段に格納して必要に応じて実行するので、画像表示の制御手順を変更する場合には、プログラムの内容を変えることにより迅速にかつ省力的に対応することができる。
(16) 前述の実施例構成では、VDP313が、表示用の画像データの基本データとなるキャラクタデータをキャラクタROM319から読出し、キャラクタデータをVRAM317に展開して画像データを生成する。
このように、本実施例のパチンコ遊技機は、画像変動手段が基本データ供給手段を含むことを特徴としている。本実施例のように、画像表示データの基本データとなるキャラクタデータを供給するための手段を設けることにより、VDP313自体が基本データを生成する必要がなく、また、VDP313はCPU311からの指令信号に基づいて該当する基本データを基本データ供給手段から読出す処理を行なえばよいので、画像表示データの生成処理を高速にかつ容易に行なうことができる。また、可変表示部に表示する画像の内容を変更する場合には、基本データ供給手段であるキャラクタROMを交換するだけでよく、処理装置であるVDP313はそのまま用いることが可能な場合が多いので、設計変更等も容易に行なえる。
(17) 前述の実施例構成では、画像表示部81において図柄の変動表示を行なうにあたり、VDP313が図5に示した複数種類の図柄を配列した画像データを生成し、これをVRAM317に格納する。VDP313は、VRAM317上の画像データを画像表示部81に表示するデータ容量に対応する範囲で少しずつ読出アドレスを変更しながらデータを読出してLCD表示器303に送信する。これにより、左側、中央、右側の図柄表示領域83a〜83cの各々において図5に示した図柄の配列順序で複数種類の図柄が順次変動表示(スクロール)される。
このように、本実施例のパチンコ遊技機は、画像変動手段がスクロール手段を含むことを特徴としている。
このスクロール手段は、VDP313に設けられたスクロール画面ジェネレータと、スクロール画面ジェネレータが生成した画像表示データを格納するためのVRAM317とにより構成されている。
このように、画像変動手段にスクロール手段を含ませることにより、可変表示部において複数種類の画像を順次変動表示させることができ、たとえば、変動速度や変動の開始・
停止のタイミングを制御することにより、機械式の可変表示装置である回転ドラムなどを模した表示画面を形成することも可能となる。
(18) 前述の実施例構成では、図21ないし図31に示した各表示画面においてディーラ画像505を伏し目になった状態や笑顔になった状態、または、手を挙げた状態などに切換えるために、VDP313の内部に動画面ジェネレータ(ウィンドウ機能)を備えている。
このように、本実施例のパチンコ遊技機は、画像データ生成手段が動画面データ生成手段を含むことを特徴としている。
これにより、表示画面において動かす部分の画像データのみをウィンドウ機能(図39参照)により切換え表示して効率よく動画面を表示することが可能となる。
(19) 前述の実施例構成では、VDP313の内部にパレットRAM(カラーパレット)607が備えられている。このパレットRAM607は、表示用のデータに含まれる個々の画像の色を表わす信号を生成するための手段である。
このように、本実施例のパチンコ遊技機は、画像データ生成手段が色設定手段を含むことを特徴としている。
これにより、表示用データに含まれる個々の画像の色データを解析し、可変表示部を駆動制御する手段に入力可能な信号に変換して出力することが可能となる。
(20) 前述の実施例構成では、図7ないし図10に示したように図柄の変動表示中において変動を停止させる時点より所定時間前において、予定停止図柄の所定数の図柄分だけ手前のデータをセットするように表示図柄を切換制御している。
このように、本実施例のパチンコ遊技機は、複数種類の表示画像のデータを予め定められた順序で配列させて予め格納するための画像表示データ記憶手段と、画像表示データ記憶手段に格納されたデータを読出位置を異ならせて順次読出し、この読出したデータに基づいて可変表示部に予め定められた順序で画像を表示させるための順次読出手段とを用いて、可変表示部に複数種類の画像を予め定められた順序で変動表示させる場合に、可変表示部における画像の変動を停止させる前において、順次読出手段の読出位置を停止表示させる画像の所定分だけ前の位置に設定するための表示図柄切換制御手段を含むことを特徴としている。
これにより、可変表示部における画像の変動を予定の停止画像で停止させるための制御が容易になる。画像表示データ記憶手段はVRAM317により構成され、順次読出手段はVDP313のスクロール画面ジェネレータにより構成されている。また、読出制御手段はCPU311と、このCPU311に図7ないし図10に示した表示制御を行なうための制御信号を発生させる制御部ROM315に格納された制御用プログラムデータとにより構成されている。
(21) 前述の実施例構成では、リーチが成立した時点で、リーチ1〜リーチ6のうちのいずれかの表示態様で図柄の画像を表示するようにしている。そして、いずれの態様で表示するかは、リーチ態様決定用のランダムカウンタWCRND_ACTの値により決定する。
このように、本実施例のパチンコ遊技機は、複数の可変表示部の一部の表示結果が未だ
に導出表示されていない段階においてすでに表示結果が導出表示されている可変表示部の表示態様が予め定められた特定の表示態様の組合せとなる表示条件を満たしている場合に、表示する画像の内容を予め定められた複数種類の中から選択するための画像内容選択手段を含むことを特徴としている。
これにより、予め定められた特定の表示態様となる表示条件を満たしている場合に表示する画像の内容を複数種類用意し、その中からいずれかの種類の画像の内容を容易に選択することが可能となる。
前記画像内容選択手段は、WCRND_ACTと、メイン基本回路203に含まれるCPUと、このCPUにWCRND_ACTの値に応じて画像表示部81に該当する図柄画像の表示制御を行なわせる信号を発生させるための制御用プログラムとにより構成されている。
(22) 前述の実施例構成では、複数の可変表示部の表示結果を予め定められた特定の表示態様とするか否かを事前に決定するための特定表示態様決定手段を含む。
前記特定表示態様決定手段は、WCRND1と、メイン基本回路203に含まれるCPUと、このCPUにWCRND1の値を判定させてその判定結果に応じた表示制御指令信号を発生させるための制御用プログラムとにより構成されている。
なお、特定表示態様決定手段が乱数値の値により可変表示部の表示結果の内容を決定する場合に、その乱数値をカウントするカウンタを複数設け、複数段階の決定処理のそれぞれにおいて、複数のカウンタのうちの1つずつのカウンタの値を判定するように構成すれば、個々のカウンタの上限値は小さくて済み、カウンタの値を更新するためのプログラムおよびカウンタの値を判定するためのプログラムの実行に必要な記憶容量を節減できる。この場合、この特定表示態様決定手段は、複数段階の決定処理を行なうことを特徴としている。
(23) 前述の実施例構成では、WCRND_Lの値により大当り図柄の組合せ配列を事前に決定するようにしている。
このように、本実施例のパチンコ遊技機は、可変表示部の複数の表示結果が予め定められた複数の特定の表示態様のうちのいずれかの表示態様となった場合に所定の遊技価値が付与可能となる遊技機であって、前記複数の表示結果を前記複数の特定の表示態様のうちのいずれかの表示態様とすることを事前に決定した場合に、前記複数の特定の表示態様のうちのどの表示態様とするかを事前に選択するための特定表示態様選択手段を含むことを特徴としている。
特定表示態様選択手段は、WCRND_Lと、メイン基本回路203に含まれるCPUと、このCPUにWCRND_Lの値を判定させてその判定結果に応じた表示制御指令信号を出力させるための制御用プログラムとにより構成されている。
(24) 前述の実施例構成では、図柄の変動表示の結果大当り図柄以外の図柄の組合せで変動表示を停止させる場合に、WCRND_LとWCRND_CとWCRND_Rとの値により、左側、中央、右側の図柄表示領域83a〜83cの各々における大当り以外の停止図柄の種類を事前に決定するようにしている。
このように、本実施例のパチンコ遊技機は、複数の可変表示部の表示結果としての識別情報の種類を事前に決定するための表示結果決定手段を含むことを特徴としている。
(25) 前述の実施例構成では、図7ないし図10に示したように、左側、中央、右側の図柄表示領域83a〜83cの各々における図柄の変動表示を開始させるタイミングを異ならせている。
このように、本実施例のパチンコ遊技機は、複数の可変表示部の変動表示を時期を異ならせて開始させるための変動開始時期制御手段を含むことを特徴としている。
これにより、変動表示を制御するためのCPU311などの負荷を軽減させることができる。
1 遊技盤、3 遊技領域、7 可変表示装置、9 始動口、11 可変入賞球装置、13a,13b,15a,15b,17a,17b,19 普通入賞口、21 アウト口、23,25 装飾部材、43a,43b 飾りLED_A、44a,44b 飾りLED_B、45a,45b 飾りLED_C、51 始動記憶表示用LED、53a,53b サイドランプ、57a,57b 風車ランプ、61a,61b 袖ランプ、63a,63b アタッカランプ、65 飾りLED_D、67 入賞個数表示用LED、69 V表示用LED、71a,71b,71c,71d,71e レール飾りランプ、81 画像表示部、83a,83b,83c 図柄表示領域、87 大入賞口、89 開閉板、91 ソレノイド、95 特定領域、93 入賞玉検出器、201 メイン制御回路、203 メイン基本回路、207 LCD回路、231 LCD表示器、301 LCDコントロール回路、311 CPU、313 VDP、315 制御ROM、317 VRAM、319 キャラクタROM、321 LCDドライバ、501 摩天楼の夜景の画像、502 星がまたたく夜空の画像、505 ディーラ画像、507a〜507c 停止図柄の画像、509 ヒットチャンス画像、511 フィーバー画像、513 スペシャルタイム画像、515 ラッキーチャンス画像、517 ラウンド画像。