JP2006252901A - 電力貯蔵装置運転パターン特定方法及び装置並びに電力貯蔵装置出力特定方法及び装置 - Google Patents

電力貯蔵装置運転パターン特定方法及び装置並びに電力貯蔵装置出力特定方法及び装置 Download PDF

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修一 梅沢
Giko Kato
儀宏 加藤
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善弘 上野
Keiichi Yoshizawa
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Abstract

【課題】
NAS電池の導入を伴うエネルギー有効活用支援サービスを提供する。
【解決手段】
本発明のNAS電池運転パターン特定方法は、対象設備の電力負荷曲線を表すデータを取得し、電力負荷曲線データ格納部に格納するステップと、出力電力を含む、NAS電池の性能に関するデータの入力を受け付け、NAS電池データ格納部に格納するステップと、電力負荷曲線データ格納部とNAS電池の所定の運転パターンに関するデータを格納する運転パターンデータ格納部と電力料金のデータを格納する電力料金データ格納部とNAS電池データ格納部とを参照して、NAS電池の性能に係る制約を満たしつつコストについての所定の条件を満たすNAS電池の放電パターン及び充電パターンを特定する特定ステップとを含む。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電力貯蔵装置(例えばNAS電池)を用いたエネルギー有効活用技術に関する。
NAS電池とは、負極としてナトリウム(Na)、正極として硫黄(S)、仕切りとなる電解質の層にはナトリウムイオン伝導性を持つ固体電解質のベータアルミナセラミックスを使用している電池であり、電池の充放電は300℃付近で使用可能となる高温作動型電池である。このNAS電池を用いれば、使用電力の平準化がなされるため、電力使用料金を安くすることができる。しかしながら、どのようなNAS電池を導入するのがよいのか、またNAS電池を導入した後にどのような運転を行えばより効率的になるのかについては、あまり考察されてこなかった。
また、例えば特開2002−371914号公報には、設計時に部分負荷領域での運用を考慮することで、最適な省エネルギシステムを設計するためのシステムが提案されている。具体的には、エネルギシステムを構成する動力・電気・蒸気・冷熱発生装置の運用領域における負荷と効率、排気ガス組成等の性能、初期設備費、維持費などを関数として表しておき、あるエネルギ消費マップに対し、構成装置を順次組み合わせてその全ての運用領域における積分した性能値を算出することで、最適な省エネルギシステムを設計するものである。但し、NAS電池については考察されていない。
特開2002−371914号公報
上で述べたように、NAS電池を導入して電力使用料金を下げるという観点は存在していたが、どのようなNAS電池を導入するのが良いのか、またNAS電池を導入した後にどのような運転を行えばより効率的になるのかという判断については、システム的に統一した基準にて行われていなかった。
従って、本発明の目的は、NAS電池等の電力貯蔵装置の導入を伴うエネルギー有効活用支援サービスのための新規な技術を提供することである。
本発明の第1の態様に係る電力貯蔵装置運転パターン特定方法は、対象設備の電力負荷曲線を表すデータを取得(例えば生成又は入力受け付け)し、電力負荷曲線データ格納部に格納するステップと、出力電力を含む、電力貯蔵装置の性能に関するデータの入力を受け付け、電力貯蔵装置データ格納部に格納するステップと、電力負荷曲線データ格納部と電力貯蔵装置の所定の運転パターンに関するデータを格納する運転パターンデータ格納部と電力料金のデータを格納する電力料金データ格納部と電力貯蔵装置データ格納部とを参照して、電力貯蔵装置の性能に係る制約を満たしつつコストについての所定の条件を満たす電力貯蔵装置の放電パターン及び充電パターンを特定する特定ステップとを含む。
このように電力貯蔵装置の出力電力、例えば初期投資の予算が決まっている場合等には、コストの条件を加味した、導入電力貯蔵装置の放電パターン及び充電パターンを得ることができる。なお、コスト最適だけではなく、コストが最適ではなくともある程度コストメリットがあり環境的側面を考慮した放電パターン及び充電パターンを特定するようにしても良い。
また、上で述べた特定ステップが、運転パターンデータ格納部に格納された電力貯蔵装置の所定の運転パターンに関するデータと電力負荷曲線データ格納部に格納された電力負荷曲線を表すデータと電力貯蔵装置データ格納部に格納されたデータとを用いて、各運転パターン候補に対応して電力貯蔵装置の放電電力及び放電時間帯を決定し、記憶装置に格納する放電データ生成ステップと、記憶装置に格納された各運転パターン候補に対応する電力貯蔵装置の放電電力及び放電時間帯のデータと電力負荷曲線データ格納部に格納された電力負荷曲線を表すデータと電力貯蔵装置データ格納部に格納されたデータとを用いて、各運転パターン候補に対応して電力貯蔵装置の充電電力及び充電時間帯を決定し、記憶装置に格納する充電データ生成ステップと、記憶装置に格納された各運転パターン候補に対応する電力貯蔵装置の放電電力及び放電時間帯のデータと充電電力及び充電時間帯のデータと電力料金データ格納部に格納された候補電力料金体系のデータとを用いて、各運転パターン候補についてコストを算出し、記憶装置に格納するコストデータ生成ステップとを含むようにしてもよい。
さらに、放電データ生成ステップと充電データ生成ステップとコストデータ生成ステップとが月毎に実行され、月毎に電力貯蔵装置の性能に係る制約を満たしつつコストについての所定の条件を満たす電力貯蔵装置の放電電力及び放電時間帯並びに充電電力及び充電時間帯を月毎の放電パターン及び月毎の充電パターンとして特定し、1年を通して候補電力料金体系を適用することにより、年間の放電パターン及び充電パターンを特定し、さらに候補電力料金体系を変更して処理を実施することにより、候補電力料金体系のバリエーションを考慮した上で電力貯蔵装置の性能に係る制約を満たしつつコストについての所定の条件を満たす年間の放電パターン及び充電パターンを特定するようにしてもよい。
本発明の第2の態様に係る電力貯蔵装置出力特定方法は、対象設備の電力負荷曲線を表すデータを取得(例えば生成又は入力受け付け)し、電力負荷曲線データ格納部に格納するステップと、電力貯蔵装置の運転パターンについての選択入力を受け付け、運転パターン特定データを記憶装置に格納するステップと、記憶装置に格納された運転パターン特定データと電力貯蔵装置の所定の運転パターンに関するデータを格納する運転パターンデータ格納部に格納されたデータと電力負荷曲線データ格納部に格納されたデータと電力料金のデータを格納する電力料金データ格納部に格納されたデータと電力貯蔵装置の性能に関するデータを格納する電力貯蔵装置データ格納部に格納されたデータとを参照して、運転パターン特定データにより特定される運転パターンに該当し且つ電力貯蔵装置の性能に係る制約を満たしつつ電力貯蔵装置の機器に基づくコストを含むコストについての所定の条件を満たす電力貯蔵装置の放電電力及び放電時間帯と充電電力及び充電時間帯とを特定すると共に、当該電力貯蔵装置の放電電力及び放電時間帯と充電電力及び充電時間帯とを実現するための電力貯蔵装置の出力電力を特定する特定ステップとを含む。
このように運転パターンが特定された場合には、当該運転パターンに適合し且つコストの条件及び電力貯蔵装置の性能に係る制約を満たす電力貯蔵装置の適切な出力電力を特定することができる。従って適切な投資を行うことができるようになる。
また、上で述べた特定ステップが、電力負荷曲線データ格納部に格納された電力負荷曲線を表すデータと電力貯蔵装置データ格納部に格納されたデータとを用いて、記憶装置に格納された運転パターン特定データにより特定される運転パターンに該当し且つ電力貯蔵装置の性能に係る制約を満たす電力貯蔵装置の放電電力及び放電時間帯を決定し、記憶装置に格納する放電データ生成ステップと、記憶装置に格納された電力貯蔵装置の放電電力及び放電時間帯のデータと電力負荷曲線データ格納部に格納された電力負荷曲線を表すデータと電力貯蔵装置データ格納部に格納されたデータとを用いて、電力貯蔵装置の性能に係る制約を満たす電力貯蔵装置の充電電力及び充電時間帯を決定し、記憶装置に格納する充電データ生成ステップと、記憶装置に格納された電力貯蔵装置の放電電力及び放電時間帯のデータと充電電力及び充電時間帯のデータと電力料金データ格納部に格納された候補電力料金体系のデータと電力貯蔵装置データ格納部に格納されたデータとを用いて、電力貯蔵装置の機器に基づくコストを含むコストを算出し、記憶装置に格納するコストデータ生成ステップとを含むようにしてもよい。
さらに、放電データ生成ステップと充電データ生成ステップとコストデータ生成ステップとが、電力貯蔵装置の候補出力電力毎に実行され、電力貯蔵装置の機器に基づくコストを含むコストが所定の条件を満たす電力貯蔵装置の候補出力電力を特定し、さらに候補電力料金体系を変更して処理を実施することにより、候補電力料金体系のバリエーションを考慮した上でコストが所定の条件を満たす電力貯蔵装置の出力電力を特定するようにしてもよい。
本発明に係る方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを作成することも可能であり、当該プログラムは、例えばフレキシブル・ディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク等の記憶媒体又は記憶装置に格納される。また、ネットワークを介してディジタル信号にて頒布される場合もある。なお、処理途中のデータについては、コンピュータのメモリ等の記憶装置に一時保管される。
本発明によれば、電力貯蔵装置の導入を伴うエネルギーの有効活用支援サービスを適切に提供することができるようになる。
最初に、本発明の一実施の形態において検討対象設備の概要を図1を用いて説明する。本実施の形態において系統電源1001は、NAS電池1002とターボ式冷凍機1004とヒートポンプ1003と他の一般的な電力負荷1005とに電力を供給する。但し、NAS電池1002は系統電源1001からの電力を充電して、所定の時間帯において電力負荷1005に電力を供給する。ターボ式冷凍機1004は、冷熱を冷熱負荷1006に供給する。さらに、ヒートポンプ1003は温熱を温熱負荷1007に供給する。なお、他の燃料により、電力、温熱、冷熱を供給する場合もあるが、ここでは系統電源1001のみをエネルギー供給源として用いることとする。
このような検討対象設備についてNAS電池1002の適切な出力電力又は運転パターンを特定するためのエネルギーの有効活用支援システムを図2に示す。本実施の形態に係るエネルギーの有効活用支援システムは、各種負荷曲線のデータを入力するための負荷曲線データ入力部1と、入力された負荷曲線のデータ等を格納する負荷曲線データ格納部2と、ターボ式冷凍機1004及びヒートポンプ1003等に関するデータを入力するための機器データ設定入力部3と、入力された機器データを格納する機器データ格納部4と、負荷曲線データ格納部2に格納された負荷曲線のデータを用いて電力負荷曲線のデータを算出する電力負荷曲線算出処理部5と、電力料金メニュー(電力料金体系)のデータを蓄積する電力料金メニューDB18と、電力料金メニューDB18を参照して候補電力料金メニューの選択をユーザに促すための電力料金メニュー選択部6と、選択された電力料金メニューのデータを格納するための選択電力料金メニュー格納部7と、負荷曲線データ格納部2に格納された負荷曲線に対して選択電力料金メニュー格納部7に格納された選択電力料金メニュー・データに従って電気料金を算出する通常電気料金計算部8と、通常電気料金計算部8により算出された電気料金のデータを格納する通常電気料金格納部9と、NAS電池の出力電力を特定するモード又はNAS電池の運転パターンを具体的に特定するモードとのいずれかを設定するためのモード設定入力部10と、NAS電池のデータを入力するためのNAS電池データ入力部11と、入力されたNAS電池のデータを格納するNAS電池基本データ格納部12と、モード設定入力部10からの設定とNAS電池基本データ格納部12に格納されたデータと選択電力料金メニュー格納部7に格納されたデータと負荷曲線データ格納部2に格納されたデータとを用いてNAS電池の出力電力を最適化するための処理を実施するNAS電池出力最適化部13と、モード設定入力部10からの設定とNAS電池基本データ格納部12に格納されたデータと選択電力料金メニュー格納部7に格納されたデータと負荷曲線データ格納部2に格納されたデータとを用いてNAS電池の運転パターンを最適化するための処理を実施するNAS電池運転パターン最適化部14と、NAS電池出力最適化部13の出力(中間データを含む)を格納する第1最適化データ格納部15と、NAS電池運転パターン最適化部14の出力(中間データを含む)を格納する第2最適化データ格納部16と、通常電気料金格納部9と第1最適化データ格納部15と第2最適化データ格納部16とを参照してデータを出力する出力処理部17と、NAS電池運転パターン最適化部14に対してNAS電池の出力を設定するためのNAS電池出力設定入力部20とを有する。
次に、図3にNAS電池出力最適化部13の機能ブロック図(関連する機能ブロックを含む)を示す。NAS電池出力最適化部13は、運転パターンのデータを格納する運転パターンDB19と、運転パターンDB19から特定の運転パターンを選択するための運転パターン選択入力部131と、選択された運転パターンのデータを格納する選択運転パターンデータ格納部132と、負荷曲線データ格納部2のデータを用いてNAS電池の出力電力の初期値を算出するNAS電池出力初期値算出部133と、算出されたNAS電池の出力電力の初期値を格納する初期値データ格納部134と、選択電力料金メニュー格納部7と選択運転パターンデータ格納部132と負荷曲線データ格納部2と初期値データ格納部134とNAS電池基本データ格納部12とを参照して特定の運転パターンに該当し且つコストなどの条件を満たすNAS電池の出力電力を決定するための処理を実施し、処理結果を第1最適化データ格納部15に格納する運転パターンベース充放電パターンシミュレータ135とを有する。
また、図4にNAS電池運転パターン最適化部14の機能ブロック図(関連する機能ブロックを含む)を示す。NAS電池運転パターン最適化部14は、運転パターンDB19から運転パターン候補を選択するための運転パターン候補選択入力部141と、選択された運転パターン候補のデータを格納する選択運転パターン候補データ格納部142と、負荷曲線データ格納部2と選択運転パターン候補データ格納部142と選択電力料金メニュー格納部7とNAS電池基本データ格納部12とを参照してNAS電池の出力電力が指定された場合においてコストなどの条件を満たすNAS電池の運転パターンを決定するための処理を実施し、処理結果を第2最適化データ格納部16に格納する出力ベース充放電パターンシミュレータ143とを有する。
次に、図5乃至図15を用いて図2乃至図4に示したエネルギーの有効活用支援システムの処理を説明する。まず、負荷曲線データ入力部1は、ユーザから温水負荷曲線の設定入力を受け付け、負荷曲線データ格納部2に格納する(ステップS1)。例えば、CURVE_DATA(2,1:12,0:23,0:1)(但し、最初のパラメータは、0:電気、1:蒸気、2:温水、3:冷熱を表し、2番目のパラメータは1月から12月までの特定の月(1:12は1月から12月まで変化することを表す)、3番目のパラメータは0時から23時までの特定の時間(0:23は0時から23時まで変化することを表す)、4番目のパラメータは0:平日、1:休日(0:1は平日又は休日を表す))という関数(配列)のデータを入力する。
次に機器データ設定入力部3はヒートポンプ1003のデータ(容量及びCOP(成績係数))の設定入力を受け付け機器データ格納部4に格納し、電力負荷曲線算出処理部5は、機器データ格納部4に格納された設定入力データ(ヒートポンプ用)及び負荷曲線データ格納部2に格納された温水負荷曲線のデータから、温水負荷のための電力負荷曲線を算出し、当該電力負荷曲線のデータを負荷曲線データ格納部2に格納する(ステップS3)。電力負荷曲線算出処理部5は、温水負荷のための電力負荷曲線CURVE_DATA_heatpump(0,1:12,0:23,0:1)を、以下の式に従って求める。但し、パラメータの内容は上で述べたものと同じである。
CURVE_DATA_heatpump(0,1:12,0:23,0:1)=CURVE_DATA(2,1:12,0:23,0:1)/COP
また、負荷曲線データ入力部1は、ユーザから冷熱負荷曲線の設定入力を受け付け、負荷曲線データ格納部2に格納する(ステップS5)。CURVE_DATA(3,1:12,0:23,0:1)(パラメータの内容は上で述べたものと同じ)という関数のデータを入力する。
そして、機器データ設定入力部3は電動式ターボ冷凍機のデータ(容量及びCOP)の設定入力を受け付け機器データ格納部4に格納し、電力負荷曲線算出処理部5は、機器データ格納部4に格納された設定入力データ(電動式ターボ冷凍機用)及び負荷曲線データ格納部2に格納された冷熱負荷曲線のデータから、冷熱負荷のための電力負荷曲線を算出し、当該電力負荷曲線のデータを負荷曲線データ格納部2に格納する(ステップS7)。電力負荷曲線算出処理部5は、冷熱負荷のための電力負荷曲線CURVE_DATA_turbo(0,1:12,0:23,0:1)を、以下の式に従って求める。但し、パラメータの内容は上で述べたものと同じである。
CURVE_DATA_turbo(0,1:12,0:23,0:1)=CURVE_DATA(3,1:12,0:23,0:1)/COP
そして、負荷曲線データ入力部1は、通常の電力負荷に対する電力負荷曲線の設定入力を受け付け、負荷曲線データ格納部2に格納する(ステップS9)。CURVE_DATA_tmp(0,1:12,0:23,0:1)(パラメータの内容は上で述べたものと同じ)という関数のデータを入力する。
このように温水負荷のための電力負荷曲線のデータと冷熱負荷のための電力負荷曲線のデータと通常の電力負荷に対する電力負荷曲線のデータとがそろうと、電力負荷曲線算出処理部5は、総合の電力負荷曲線を算出し、負荷曲線データ格納部2に格納する(ステップS11)。総合の電力負荷曲線CURVE_DATA(0,1:12,0:23,0:1)は以下の式によって算出される。但し、パラメータの内容は上で述べたものと同じである。
CURVE_DATA(0,1:12,0:23,0:1)=CURVE_DATA_tmp(0,1:12,0:23,0:1)+CURVE_DATA_turbo(0,1:12,0:23,0:1)+CURVE_DATA_heatpump(0,1:12,0:23,0:1)
次に、NAS電池データ入力部11は、NAS電池の基本性能についての設定入力を受け付け、NAS電池基本データ格納部12に格納する(ステップS13)。例えば、充放電率、定格放電時間、導入コストなどのデータが入力される。
そして、電力料金メニュー選択部6は、電力料金メニューDB18を参照して、選択可能な電力料金メニューのデータをユーザに提示すると共に、ユーザから1又は複数の電力料金メニュー候補の選択入力を受け付け、選択電力料金メニュー格納部7に格納する(ステップS15)。例えば、業務用電力(高圧)、業務用季時別などの電力料金メニューについて契約内容のデータと最大契約電力比例部分(時季別)の金額データと使用電力量比例部分の単価データとが保持されており、ユーザは採用する可能性のある電力料金メニューを選択する。なお、本実施の形態では1年間同じ電力料金メニューが適用されるものとする。
また、通常電気料金計算部8は、参考値を得るため、選択電力料金メニュー格納部7に格納された電力料金メニュー候補に従って、NAS電池を使用しない場合における、負荷曲線データ格納部2に格納された総合の電力負荷曲線に対する電気料金を算出し、通常電気料金格納部9に格納する(ステップS17)。複数の電力料金メニュー候補を選択した場合には、複数の電気料金を算出する。なお、電気料金については、上で述べたように月毎、時間毎の電力使用量が平日及び休日の区別を伴って算出されていれば、日毎及び月毎、そして1年間分を、周知の方法にて計算することができる。なお、処理は端子Aを介して図6に移行する。
図6においてはまず、モード設定入力部10は、ユーザに対してNAS電池の出力電力を最適化するモードとNAS電池の運転パターンを最適化するモードとのいずれかを選択するように促し、ユーザからの選択入力を受け付ける(ステップS19)。そして、モード設定入力部10は、NAS電池の出力電力最適化モードが選択されたか判断する(ステップS21)。もし、NAS電池の出力電力最適化モードが選択されたと判断した場合には、NAS電池出力最適化部13を起動させ、ステップS23以降の処理を実行させる。
一方、NAS電池の運転パターン最適化モードが選択されたと判断した場合には、NAS電池運転パターン最適化部14を起動させる。そして、NAS電池出力設定入力部20は、ユーザに対してNAS電池の1種類の出力電力値の入力を促し、ユーザからNAS電池の1種類の出力電力値の入力を受け付け、NAS電池運転パターン最適化部14に設定する(ステップS40)。そして、NAS電池運転パターン最適化部14に、ステップS41以降の処理を実行させる。
ここで、NAS電池の出力電力最適化モードにおける処理を説明する。まず、NAS電池出力初期値算出部133は、負荷曲線データ格納部2を参照して、NAS電池の出力電力の初期値を算出し、処理結果を初期値データ格納部134に格納する(ステップS23)。NAS電池の出力電力の初期値は、例えば、(ピーク月の最大負荷電力−ピーク月の最小負荷電力)×数十%である。
次に、運転パターン選択入力部131は、運転パターンDB19を参照して、選択可能な運転パターンをユーザに提示して、ユーザに選択を促し、選択された1又は複数の運転パターンのデータを選択運転パターンデータ格納部132に格納する(ステップS25)。
本実施の形態では、例えば、(1)一定出力運転パターン、(2)山形出力運転パターン、(3)系統使用電力指定型運転パターン(待機モード)、(4)電力量使い切りフラット型運転パターンから1つ又は複数を選択する。
(1)一定出力運転パターンは、例えば図7に示すような時間に対して出力が変化しないパターンである。
(2)山形出力運転パターンは、例えば図8に示すような一定時間帯のみ出力が第1の値から第2の値に増加するパターンである。
(3)系統使用電力指定型運転パターン(待機モード)は、系統使用電力の最大値が予め決められており、電力需要がその値を超えたとき、その超えた分の電力を放電によってまかなう運転モードである。すなわち、本運転パターンは、系統使用電力が指定された場合において、NAS電池の放電パターンと、当該NAS電池の放電パターンと系統使用電力の直線とで囲まれる面積(電力量)と充電パターンを表すエリアの面積(電力量)×充放電率とが一致し且つ電力負荷曲線のボトム時(低負荷時)を中心に一定出力以下となるように定められる充電パターンとで構成される。本運転パターンを選択する場合には系統使用電力をユーザに指定させる。但し、充電時間帯は、通常はコストの安い夜間(深夜から早朝)とする。
(4)電力量使い切りフラット型運転パターンについては、図9に示すように、負荷曲線1001のピークを中心に負荷曲線1001以下であって系統使用電力1004より大きい一定出力1005以上のエリア1002の面積(電力量)がNAS電池定格出力(kW)×定格放電時間(h)(=NAS電池放電電力量)となるように一定出力1005を特定し、エリア1002により放電時間帯及び放電電力を特定する。また、充電パターンは、エリア1002の面積(電力量)と充電パターンを表すエリアの面積(電力量)×充放電率とが一致し且つ電力負荷曲線1001のボトム時(低負荷時)を中心に一定出力以下となるように定められるエリア1003a及び1003bで特定される。但し、充電時間帯は、通常はコストの安い夜間(深夜から早朝)とする。
図6の処理フローの説明に戻って、運転パターンベース充放電パターンシミュレータ135は、選択電力料金メニュー格納部7に格納されている電力料金メニュー候補のデータから、未処理の電力料金メニュー候補を選択する(ステップS26)。
そして、運転パターンベース充放電パターンシミュレータ135は、選択運転パターンデータ格納部132と選択電力料金メニュー格納部7とNAS電池基本データ格納部12と初期値データ格納部134とを参照し、ステップS23で設定されたNAS電池の出力電力値に従って、各月の平日と休日につき、最適なNAS電池の充放電パターン(放電時間帯及び放電電力、並びに充電時間及び充電電力)を特定し、第1最適化データ格納部15に格納する(ステップS27)。
この処理については図10及び図11を用いて説明する。まず、運転パターンベース充放電パターンシミュレータ135は、月番号n=1と初期化を行う(ステップS55)。そして、ステップS25において選択された運転パターンに一定出力運転パターンが含まれるか判断する(ステップS57)。一定出力運転パターンが含まれていたと判断された場合には、選択運転パターンデータ格納部132に格納されている一定出力運転パターンの定型でn月における放電パターンを設定し、さらに所定の条件を満たす対応充電パターンを特定し、記憶装置に格納する(ステップS59)。放電パターンは、NAS_discharge_const(0,n,0:23,0:1)(パラメータについては上で説明した関数と同じ)という関数として格納される。休日と平日は別に設定される。対応充電パターンについては、n月の電力負荷曲線のボトムを中心として、放電していない時間帯且つ電力料金が安い時間帯(深夜から早朝)内であって、一定出力以下の範囲で放電パターン(放電時間及び放電電力)から決定される必須充電電力量を満たす充電時間帯及び充電電力を特定する。充電パターンは、NAS_charge_const(0,n,0:23,0:1)(パラメータについては上で説明した関数と同じ)という関数として格納される。同様に休日と平日は別に設定される。この充電パターンの特定において、上で述べた一定出力を系統使用電力まで上げても必須充電電力量を満たすことができない場合もあるので、その場合にはエラーが発生したものと判断する。
また、ステップS25において選択された運転パターンに一定出力運転パターンが含まれていない場合又はステップS59の後に、山形出力運転パターンが候補であるか判断する(ステップS61)。山形出力運転パターンが候補であると判断された場合には、選択運転パターンデータ格納部132に格納されている山形出力運転パターンの定型でn月における放電パターンを設定し、さらに所定の条件を満たす対応充電パターンを特定し、記憶装置に格納する(ステップS63)。放電パターンは、NAS_discharge_mount(0,n,0:23,0:1)(パラメータについては上で説明した関数と同じ)という関数として格納される。休日と平日は別に特定される。なお、図8の説明では山形を形成する中央の時間帯を昼間の特定の時間帯に固定したが、例えばn月の電力負荷曲線のピークを山形を形成する中央の時間帯の中央の時刻に重ねるように、山形出力運転パターンの放電時間帯をずらすようにしても良い。対応充電パターンについては、n月の電力負荷曲線のボトムを中心として、放電していない時間帯且つ電力料金が安い時間帯(深夜から早朝)内であって、一定出力以下の範囲で放電パターン(放電時間及び放電電力)から決定される必須充電電力量を満たす充電時間帯及び充電電力を特定する。充電パターンは、NAS_charge_mount(0,n,0:23,0:1)(パラメータについては上で説明した関数と同じ)という関数として格納される。同様に休日と平日は別に設定される。この充電パターンの特定においても、上で述べた一定出力を系統使用電力まで上げても必須充電電力量を満たすことができない場合もあるので、その場合にはエラーが発生したものと判断する。
また、ステップS25において選択された運転パターンに山形出力運転パターンが含まれていない場合又はステップS63の後に、電力量使い切りフラット型運転パターンが候補となっているか判断する(ステップS68)。電力量使い切りフラット型運転パターンが候補となっていたと判断された場合には、n月の電力負荷曲線においてピークを中心として一定出力以上の部分を全放電電力量(=定格放電電力×定格放電時間)で賄うように放電パターンを特定し、さらに所定の条件を満たす対応充電パターンを特定し、記憶装置に格納する(ステップS69)。放電パターンは、NAS_discharge_allspend(0,n,0:23,0:1)(パラメータについては上で説明した関数と同じ)という関数として格納される。休日と平日は別に特定される。そして、対応充放電パターンについては、n月の電力負荷曲線のボトムを中心として、放電していない時間帯且つ電力料金が安い時間帯(深夜から早朝)内であって、一定出力以下の範囲で放電パターン(放電時間及び放電電力)から決定される必須充電電力量を満たす充電時間帯及び充電電力を特定する。充電パターンは、NAS_charge_allspend(0,n,0:23,0:1)(パラメータについては上で説明した関数と同じ)という関数として格納される。同様に休日と平日は別に特定される。この充電パターンの特定においても、上で述べた一定出力を系統使用電力まで上げても必須充電電力量を満たすことができない場合もあるので、その場合にはエラーが発生したものと判断する。
また、ステップS25において選択された運転パターンに電力量使い切りフラット型運転パターンが含まれていない場合又はステップS69の後に、系統使用電力指定型運転パターンが候補であるか判断する(ステップS71)。系統使用電力指定型運転パターンが候補に含まれていたと判断された場合には、n月の電力負荷曲線において指定系統使用電力以上の部分を放電電力で賄うように放電パターンを特定し、さらに所定の条件を満たす対応充電パターンを特定し、記憶装置に格納する(ステップS73)。放電パターンは、NAS_discharge_system(0,n,0:23,0:1)(パラメータについては上で説明した関数と同じ)という関数として格納される。平日と休日は別に特定される。この放電パターンの特定では、指定系統使用電力とn月の電力負荷曲線との関係から特定される全放電電力量が、今回の処理において指定されているNAS電池の出力電力(放電電力)と定格放電時間との積で求められる全放電電力量を超えてしまう場合もある。その場合にはエラーが発生したものと判断する。
また、対応受電パターンについては、n月の電力負荷曲線のボトムを中心として、放電していない時間帯且つ電力料金が安い時間帯(深夜から早朝)内であって、一定出力以下の範囲で放電パターン(放電時間及び放電電力)から決定される必須充電電力量を満たす充電時間帯及び充電電力を特定する。充電パターンは、NAS_charge_system(0,n,0:23,0:1)(パラメータについては上で説明した関数と同じ)という関数として格納される。同様に平日と休日は別に特定する。この充電パターンの特定においても、一定出力を系統使用電力まで上げても必須充電電力量を満たすことができない場合もあるので、その場合にはエラーが発生したものと判断する。
そして、運転パターンベース充放電パターンシミュレータ135は、ステップS26で選択された1の電力料金メニュー候補に従って、各運転パターン候補についてコストを算出し、コスト最小の運転パターンを特定してコストの値と共に第1最適化データ格納部15に格納する(ステップS75)。実際の電気料金は、放電パターンがNAS_discharge_***(0,1:12,0:23,0:1)(パラメータの内容は上で述べたのと同じ。***は、const, mount, allspend, systemのいずれか)という関数で表され、充電パターンがNAS_discharge_***(0,1:12,0:23,0:1)(パラメータの内容は上で述べたのと同じ。***は、const, mount, allspend, systemのいずれか)という関数で表されるとすると、
(1)放電時
CURVE_NAS(0,1:12,0:23,0:1)=CURVE_DATA(0,1:12,0:23,0:1)−NAS_discharge_***(0,1:12,0:23,0:1)
(2)充電時
CURVE_NAS(0,1:12,0:23,0:1)=CURVE_DATA(0,1:12,0:23,0:1)+NAS_charge_***(0,1:12,0:23,0:1)
(3)放電も充電も行っていない時
CURVE_NAS(0,1:12,0:23,0:1)=CURVE_DATA(0,1:12,0:23,0:1)
という電力使用量CURVE_NAS(0,1:12,0:23,0:1)から特定される従量料金部分と系統使用電力の大小によって特定される固定料金部分とから、電力料金メニューに従って算出する。料金計算の詳細については周知であるからこれ以上述べない。これにてn月のコストが各運転パターン候補につき算出される。そして、このように算出されたコストに基づき、コスト最小の運転パターンをn月の最適運転パターンとして特定する。
その後、運転パターンベース充放電パターンシミュレータ135は、nが12になったか判断する(ステップS76)。もし、nが12未満であれば、nを1インクリメントして(ステップS77)、ステップS57に戻る。一方、nが12になっている場合には、元の処理に戻る。
次に、ステップS73の処理の詳細について図11を用いて説明する。まず、運転パターンベース充放電パターンシミュレータ135は、昼間の特定時間帯の系統使用電力の初期値を設定する(ステップS101)。次に、昼間の特定時間帯の系統使用電力に応じて他の時間の系統使用電力を変更する(ステップS103)。昼間の特定時間帯の系統使用電力を減少させる(放電電力を増加させる)場合には、充電時間を確保するため他の時間の系統使用電力を増加させる。但し、昼間の特定時間帯以外の放電時間帯では、系統使用電力を増加させれば放電電力は減少するので、(昼間の特定時間帯の放電電力の増加に伴う放電電力量増加分−昼間の特定時間帯以外の時間帯の放電電力の減少に伴う放電電力量減少分)/充放電率=系統使用電力の増加に伴う充電電力量増加分となるように、系統使用電力が決定される。本ステップにおいて系統使用電力が決定されると、放電パターンは負荷曲線などから特定され、Peak_discharge(0,n,0:23,0:1)(パラメータの内容は上で述べたものと同じ)関数として格納される。平日と休日とは別に特定される。また、同じく系統使用電力が決定されれば、充電パターンについても、放電パターンと系統使用電力の直線とで囲まれる面積(電力量)と充電パターンを表すエリアの面積(電力量)×充放電率とが一致し且つ電力負荷曲線のボトム時(低負荷時)を中心に一定出力以下となるように定められる充電パターンとして特定される。充電パターンは、Peak_charge(0,n,0:23,0:1)(パラメータについては上で説明した関数と同じ)という関数として格納される。同様に平日と休日とは別に特定される。
なおステップS103においては、今回の処理において指定されているNAS電池の出力電力(放電電力)と定格放電時間との積で求められる全放電電力量を超えてしまう場合もある。その場合にはエラーが発生したものと判断する。充電パターンについても可能な充電時間帯を特定できない場合にはエラーが発生したものと判断する。
次に、ステップS103で特定された放電パターン及び充電パターンに従って、選択電力料金メニュー候補に従ってコスト計算を実施し、処理結果を記憶装置に格納する(ステップS107)。また、実際の電気料金は、
(1)放電時
CURVE_DATA(0,n,0:23,0:1)−Peak_discharge(0,n,0:23,0:1)
(2)充電時
CURVE_DATA(0,n,0:23,0:1)+Peak_charge(0,n,0:23,0:1)
(3)放電も充電も行っていない時
CURVE_DATA(0,n,0:23,0:1)
という電力使用量から特定される従量料金部分と系統使用電力の大小によって特定される固定料金部分とから、電力料金メニューに従って算出する。料金計算の詳細については周知であるからこれ以上述べない。
そして、可能性のある昼間の特定時間帯の系統使用電力について全て処理したか判断する(ステップS109)。すなわち、所定電力量だけ昼間の特定時間帯の系統使用電力を変更して、コストを下げられるNAS電池の放電電力を見つけ出すようにする。もし、全ての処理を行ったとは言えない場合には、昼間の特定時間帯の系統使用電力を変更し(ステップS111)、ステップS103に戻る。
一方、可能性のある昼間の特定時間帯の系統使用電力について全て処理したと判断された場合には、計算結果であるコストの値が最小となる系統使用電力及び充放電パターン(ステップS103の処理結果)を特定し、記憶装置に格納する(ステップS113)。そして元の処理に戻る。
図6の処理の説明に戻り、運転パターンベース充放電パターンシミュレータ135は、ステップS27において運転パターンを特定できない月が存在したか判断する(ステップS29)。すなわち、特定の月について全ての選択運転パターンにおいてエラーが発生した場合が存在したか判断する。もし運転パターンを特定できない月が発生したと判断された場合にはステップS36に移行する。全ての月について何らかの運転パターンが特定されたと判断された場合には、1年を通して最適な運転パターンが特定されていることになる。従って、運転パターンベース充放電パターンシミュレータ135は、初期値データ格納部134(最初の場合)又はNAS電池基本データ格納部12を参照して、今回の処理で設定されているNAS電池の出力電力(定格放電電力)に対応する導入コスト(初期投資額)を算出し、当該導入コストを所定のルールに従って単年度分のコストに変換して第1最適化データ格納部15に格納された最適運転パターンについてのコストとを加算することにより、トータルのコストを算出し、第1最適化データ格納部15に格納する(ステップS35)。例えば10年間で均等償却するというルールであれば、導入コストを10で除した値(残価を考慮する場合には導入コストの95%(又は90%)を10で除した値)と最適運転パターンのコストとを加算する。その他のルールを採用しても良い。
そして、ステップS35又はS29の後に、運転パターンベース充放電パターンシミュレータ135は、全ての選択電力料金メニュー候補に対して処理を行ったか判断する(ステップS36)。未処理の選択電力料金メニュー候補が存在している場合にはステップS26に戻る。一方、全ての選択電力料金メニュー候補について処理した場合には、運転パターンベース充放電パターンシミュレータ135は、可能性のあるNAS電池の出力電力のバリエーションについて全て処理したか判断する(ステップS37)。もし、まだ未処理の出力電力のバリエーションが残っている場合には、NAS電池の出力電力を他の値に変更して、例えばNAS電池基本データ格納部12に格納し(ステップS38)、全ての選択電力料金メニュー候補を未処理扱いに設定し直して(ステップS39)、ステップS26に戻る。一方、可能性のあるNAS電池の出力電力の全てのバリエーションについて処理が完了した場合には、端子Cを介して図12の処理に移行する。
運転パターンベース充放電パターンシミュレータ135は、ステップS35で算出されたトータルコストを電力料金メニュー及びNAS電池の出力電力の組み合わせ毎に比較し、当該電力料金メニュー及びNAS電池の出力電力の全組み合わせにおいて最適なものを決定する(図12:ステップS115)。当該最適な電力料金メニュー及びNAS電池の出力電力のデータについては、第1最適化データ格納部15に格納される。なお、電力料金メニュー毎に最適なNAS電池の出力電力を決定するようにしても良い。
そして、出力処理部17は、第1最適化データ格納部15と通常電気料金格納部9とを参照して、ステップS115で決定された電力料金メニュー及びNAS電池の出力電力の最適な組み合わせ、NAS電池を導入しなかった場合と当該最適な組み合わせの場合とのコストの比較データ等を表示装置等に出力する(ステップS117)。
これにより、NAS電池の出力電力の最適化を行うことができ、NAS電池を導入するとどの程度の効果があるのかを認識することができるようになる。また、適切な電力料金メニューについても特定できる。
次に、図6のステップS21でNAS電池の出力電力の最適化モードではなく、運転パターンの最適化モードが指定されたと判断された場合における処理を説明する。ここではまず、上で述べたステップS40の処理を行った後、運転パターン候補選択入力部141が、運転パターンDB19を参照して、ユーザに対して運転パターン候補を選択するように促し、ユーザからの1又は複数の運転パターン候補の選択入力を受け付け、当該運転パターン候補のデータを選択運転パターン候補データ格納部142に格納する(ステップS41)。この後の処理は端子Bを介して図13の処理に移行する。
図13を用いて運転パターンの最適化モードの処理の続きを説明する。出力ベース充放電パターンシミュレータ143は、選択電力料金メニュー格納部7を参照して、1の電力料金メニュー候補を特定する(ステップS120)。そして、出力ベース充放電パターンシミュレータ143は、n=1にnを初期化する(ステップS125)。次に、出力ベース充放電パターンシミュレータ143は、n月分の充放電パターン特定処理を実施する(ステップS127)。
この処理については図14を用いて説明する。ステップS41において選択された運転パターンに一定出力運転パターンが含まれるか判断する(ステップS151)。一定出力運転パターンが含まれていたと判断された場合には、選択運転パターン候補データ格納部142に格納されている一定出力運転パターンの定型でn月における放電パターンを設定し、記憶装置に格納する(ステップS153)。放電パターンは、NAS_discharge_const(0,n,0:23,0:1)(パラメータについては上で説明した関数と同じ)という関数として格納される。平日と休日は別に特定される。そして、n月の電力負荷曲線のボトムを中心として、放電していない時間帯且つ電力料金が安い時間帯(深夜から早朝)内であって、一定出力以下の範囲で放電パターン(放電時間及び放電電力)から決定される必須充電電力量を満たす充電時間帯及び充電電力を特定し、記憶装置に格納する(ステップS155)。充電パターンは、NAS_charge_const(0,n,0:23,0:1)(パラメータについては上で説明した関数と同じ)という関数として格納される。平日と休日は別に特定される。このステップにおいて、一定出力を系統使用電力まで上げても必須充電電力量を満たすことができない場合もあるので、その場合にはエラーが発生したものと判断する。
また、ステップS41において選択された運転パターンに一定出力運転パターンが含まれていない場合又はステップS155の後に、山形出力運転パターンが候補であるか判断する(ステップS157)。山形出力運転パターンが候補であると判断された場合には、選択運転パターン候補データ格納部142に格納されている山形出力運転パターンの定型でn月における放電パターンを設定し、記憶装置に格納する(ステップS159)。放電パターンは、NAS_discharge_mount(0,n,0:23,0:1)(パラメータについては上で説明した関数と同じ)という関数として格納される。平日と休日は別に特定される。なお、図8の説明では山形を形成する中央の時間帯を昼間の特定時間帯と固定したが、例えばn月の電力負荷曲線のピークを山形を形成する中央の時間帯の中央の時刻に重ねるように、山形出力運転パターンの放電時間帯をずらすようにしても良い。そして、n月の電力負荷曲線のボトムを中心として、放電していない時間帯且つ電力料金が安い時間帯(深夜から早朝)内であって、一定出力以下の範囲で放電パターン(放電時間及び放電電力)から決定される必須充電電力量を満たす充電時間帯及び充電電力を特定し、記憶装置に格納する(ステップS161)。充電パターンは、NAS_charge_mount(0,n,0:23,0:1)(パラメータについては上で説明した関数と同じ)という関数として格納される。平日と休日は別に特定される。このステップにおいて、一定出力を系統使用電力まで上げても必須充電電力量を満たすことができない場合もあるので、その場合にはエラーが発生したものと判断する。
また、ステップS41において選択された運転パターンに山形出力運転パターンが含まれていない場合又はステップS161の後に、電力量使い切りフラット型運転パターンが候補となっているか判断する(ステップS163)。電力量使い切りフラット型運転パターンが候補となっていたと判断された場合には、図9を用いて説明したようにn月の電力負荷曲線においてピークを中心として一定出力以上の部分を全放電電力量(=定格放電電力×定格放電時間)で賄うように放電パターンを特定し、記憶装置に格納する(ステップS164)。放電パターンは、NAS_discharge_allspend(0,n,0:23,0:1)(パラメータについては上で説明した関数と同じ)という関数として格納される。平日と休日は別に特定される。そして、n月の電力負荷曲線のボトムを中心として、放電していない時間帯且つ電力料金が安い時間帯(深夜から早朝)内であって、一定出力以下の範囲で放電パターン(放電時間及び放電電力)から決定される必須充電電力量を満たす充電時間帯及び充電電力を特定し、記憶装置に格納する(ステップS165)。充電パターンは、NAS_charge_allspend(0,n,0:23,0:1)(パラメータについては上で説明した関数と同じ)という関数として格納される。平日と休日は別に特定される。このステップにおいて、一定出力を系統使用電力まで上げても必須充電電力量を満たすことができない場合もあるので、その場合にはエラーが発生したものと判断する。
また、ステップS41において選択された運転パターンに電力量使い切りフラット型運転パターンが含まれていない場合又はステップS165の後に、系統使用電力指定型運転パターンが候補であるか判断する(ステップS167)。系統使用電力指定型運転パターンが候補に含まれていたと判断された場合には、n月の電力負荷曲線において指定系統使用電力以上の部分を放電電力で賄うように放電パターンを特定し、記憶装置に格納する(ステップS169)。放電パターンは、NAS_discharge_system(0,n,0:23,0:1)(パラメータについては上で説明した関数と同じ)という関数として格納される。平日と休日は別に特定される。このステップでは、指定系統使用電力とn月の電力負荷曲線との関係から特定される全放電電力量が、今回の処理において指定されているNAS電池の出力電力(放電電力)と定格放電時間との積で求められる全放電電力量を超えてしまう場合もある。その場合にはエラーが発生したものと判断する。そして、n月の電力負荷曲線のボトムを中心として、放電していない時間帯且つ電力料金が安い時間帯(深夜から早朝)内であって、一定出力以下の範囲で放電パターン(放電時間及び放電電力)から決定される必須充電電力量を満たす充電時間帯及び充電電力を特定し、記憶装置に格納する(ステップS171)。充電パターンは、NAS_charge_system(0,n,0:23,0:1)(パラメータについては上で説明した関数と同じ)という関数として格納される。平日と休日は別に特定される。このステップにおいて、一定出力を系統使用電力まで上げても必須充電電力量を満たすことができない場合もあるので、その場合にはエラーが発生したものと判断する。
系統使用電力指定型運転パターンは候補に含まれていないと判断された場合又はステップS171の後には、元の処理に戻る。
図13の説明に戻って、次に、出力ベース充放電パターンシミュレータ143は、特定の1の電力料金メニュー候補に従って、各運転パターン候補についてコストを算出し、記憶装置に格納する(ステップS129)。実際の電気料金は、放電パターンがNAS_discharge_***(0,1:12,0:23,0:1)(パラメータの内容は上で述べたのと同じ。***は、complete, const, mount, allspend, systemのいずれか)という関数で表され、充電パターンがNAS_discharge_***(0,1:12,0:23,0:1)(パラメータの内容は上で述べたのと同じ。***は、complete, const, mount, allspend, systemのいずれか)という関数で表されるとすると、
(1)放電時
CURVE_NAS(0,1:12,0:23,0:1)=CURVE_DATA(0,1:12,0:23,0:1)−NAS_discharge_***(0,1:12,0:23,0:1)
(2)充電時
CURVE_NAS(0,1:12,0:23,0:1)=CURVE_DATA(0,1:12,0:23,0:1)+NAS_charge_***(0,1:12,0:23,0:1)
(3)放電も充電も行っていない時
CURVE_NAS(0,1:12,0:23,0:1)=CURVE_DATA(0,1:12,0:23,0:1)
という電力使用量CURVE_NAS(0,1:12,0:23,0:1)から特定される従量料金部分と系統使用電力の大小によって特定される固定料金部分とから、電力料金メニューに従って算出する。料金計算の詳細については周知であるからこれ以上述べない。これにてn月のコストが各運転パターン候補につき算出される。この段階にて、最小コスト等(環境コストなども考慮しても良い)の運転パターンを特定するようにしても良い。
そして、n=12であるか判断する(ステップS133)。もしn<12である場合には、nを1インクリメントし(ステップS135)、ステップS127に戻る。一方、n=12である場合には、出力ベース充放電パターンシミュレータ143は、特定の電力料金メニュー候補についての年間最小コスト運転パターンを特定し、第2最適化データ格納部16に格納する(ステップS137)。特定の電力料金メニュー候補について、毎月の最小コストの運転パターンを選択することにより、年間最小コスト運転パターンが特定される。また、運転パターンをさらに1年間固定するとして、いずれの運転パターンが特定の電力料金メニュー候補について最小コストとなるか特定するようにしても良い。なお、ステップS137においては、NAS電池の導入コストは各運転パターン候補について同一であるから考慮する必要はない。
そして、全ての電力料金メニュー候補について処理したか判断する(ステップS139)。もし、未処理の電力料金メニュー候補が存在する場合には、次の電力料金メニュー候補を特定し(ステップS141)、ステップS125に戻る。一方、全ての電力料金メニュー候補について処理が完了している場合には、端子Eを介して図15の処理に移行する。
図15の説明に移行して、出力ベース充放電パターンシミュレータ143は、コスト等(環境コストなどを合わせて考慮する場合もある)に従って、ステップS137で特定された電力料金メニュー候補及び年間最小コスト運転パターンの組み合わせのうち、コスト等に基づき電力料金メニュー及び運転パターンの最適な組み合わせを決定し、第2最適化データ格納部16に格納する(ステップS143)。
そして、出力処理部17は、第2最適化データ格納部16と通常電気料金格納部9とを参照して、ステップS143で決定された電力料金メニュー及び運転パターンの最適な組み合わせ、NAS電池を導入しなかった場合と当該最適な組み合わせの場合とのコストの比較データ等を表示装置等に出力する(ステップS145)。
これにより、NAS電池の運転パターンの最適化を行うことができ、NAS電池を導入するとどの程度の効果があるのかを認識することができるようになる。また、採用すべき電力料金メニューも特定できる。
以上述べたような処理を実施すれば、適切な能力のNAS電池及び電力料金メニューを決定することや、NAS電池の適切な運転パターン及び電力料金メニューを決定することができるため、適切なNAS電池導入支援を行うことができる。
以上本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図2乃至図4に示した機能ブロックは必ずしもプログラムモジュールに対応するものではない。また、上で述べた運転パターンの雛型は一例であって、他の運転パターンの雛型を使用するようにしても良い。さらに、上で述べた処理フローの各ステップの順番は、同様の処理結果を得られれば同時に実行したり順番を入れ替えたりすることも可能である。また、NAS電池でなくともよく、例えば、レドックスフロー電池、フライホイール電力貯蔵装置、リチウムイオン電池などであってもよい。
さらに、図2に示したエネルギー有効活用支援システムは、1台のコンピュータではなく、複数台のコンピュータにより構成される場合もある。また、クライアントサーバシステムで構成しても良いし、スタンドアロンシステムで構成してもよい。
さらに、上で述べたエネルギー有効活用支援システムは、コンピュータ装置であって、図16に示すように当該コンピュータ装置においては、メモリ2501(記憶部)とCPU2503(処理部)とハードディスク・ドライブ(HDD)2505と表示装置2509に接続される表示制御部2507とリムーバブル・ディスク2511用のドライブ装置2513と入力装置2515とネットワークに接続するための通信制御部2517とがバス2519で接続されている。オペレーティング・システム(OS)及びWebブラウザを含むアプリケーション・プログラムは、HDD2505に格納されており、CPU2503により実行される際にはHDD2505からメモリ2501に読み出される。必要に応じてCPU2503は、表示制御部2507、通信制御部2517、ドライブ装置2513を制御して、必要な動作を行わせる。また、処理途中のデータについては、メモリ2501に格納され、必要があればHDD2505に格納される。このようなコンピュータは、上で述べたCPU2503、メモリ2501などのハードウエアとOS及び必要なアプリケーション・プログラムとが有機的に協働することにより、上で述べたような各種機能を実現する。
本発明の一実施の形態における対象電力設備の概念図である。 本発明の一実施の形態に係る機能ブロック図である。 本発明の一実施の形態に係るNAS電池出力最適化部の機能ブロック図である。 本発明の一実施の形態に係るNAS電池運転パターン最適化部の機能ブロック図である。 本発明の一実施の形態に係る処理フローの第1の部分を示す図である。 本発明の一実施の形態に係る処理フローの第2の部分を示す図である。 一定出力運転パターンの一例を示す図である。 山形出力運転パターンの一例を示す図である。 電力量使い切りフラット型運転パターンの一例を示す図である。 本発明の一実施の形態に係る処理フローの第3の部分を示す図である。 系統使用電力の制限に従った充放電パターン特定処理の処理フローを示す図である。 本発明の一実施の形態に係る処理フローの第4の部分を示す図である。 本発明の一実施の形態に係る処理フローの第5の部分を示す図である。 充放電パターン特定処理の処理フローを示す図である。 本発明の一実施の形態に係る処理フローの第6の部分を示す図である。 コンピュータの機能ブロック図である。
符号の説明
1 負荷曲線データ入力部 2 負荷曲線データ格納部
3 機器データ設定入力部 4 機器データ格納部
5 電力負荷曲線算出処理部 6 電力料金メニュー選択部
7 選択電力料金メニュー格納部 8 通常電気料金計算部
9 通常電気料金格納部 10 モード設定入力部
11 NAS電池データ入力部 12 NAS電池基本データ格納部
13 NAS電池出力最適化部 14 NAS電池運転パターン最適化部
15 第1最適化データ格納部 16 第2最適化データ格納部
17 出力処理部 18 電力料金メニューDB
19 運転パターンDB 20 NAS電池出力設定入力部

Claims (10)

  1. 対象設備の電力負荷曲線を表すデータを取得し、電力負荷曲線データ格納部に格納するステップと、
    出力電力を含む、電力貯蔵装置の性能に関するデータの入力を受け付け、電力貯蔵装置データ格納部に格納するステップと、
    前記電力負荷曲線データ格納部と電力貯蔵装置の所定の運転パターンに関するデータを格納する運転パターンデータ格納部と電力料金体系のデータを格納する電力料金データ格納部と前記電力貯蔵装置データ格納部とを参照して、前記電力貯蔵装置の性能に係る制約を満たしつつコストについての所定の条件を満たす電力貯蔵装置の放電パターン及び充電パターンを特定する特定ステップと、
    を含み、コンピュータにより実行される電力貯蔵装置運転パターン特定方法。
  2. 前記特定ステップが、
    前記運転パターンデータ格納部に格納された前記電力貯蔵装置の所定の運転パターンに関するデータと前記電力負荷曲線データ格納部に格納された電力負荷曲線を表すデータと前記電力貯蔵装置データ格納部に格納されたデータとを用いて、各運転パターン候補に対応して前記電力貯蔵装置の放電電力及び放電時間帯を決定し、記憶装置に格納する放電データ生成ステップと、
    前記記憶装置に格納された前記各運転パターン候補に対応する前記電力貯蔵装置の放電電力及び放電時間帯のデータと前記電力負荷曲線データ格納部に格納された電力負荷曲線を表すデータと前記電力貯蔵装置データ格納部に格納されたデータとを用いて、前記各運転パターン候補に対応して前記電力貯蔵装置の充電電力及び充電時間帯を決定し、記憶装置に格納する充電データ生成ステップと、
    前記記憶装置に格納された前記各運転パターン候補に対応する前記電力貯蔵装置の放電電力及び放電時間帯のデータと充電電力及び充電時間帯のデータと前記電力料金データ格納部に格納された候補電力料金体系のデータとを用いて、前記各運転パターン候補についてコストを算出し、記憶装置に格納するコストデータ生成ステップと、
    を含む請求項1記載の電力貯蔵装置運転パターン特定方法。
  3. 前記放電データ生成ステップと前記充電データ生成ステップと前記コストデータ生成ステップとが、月毎に実行され、
    月毎に電力貯蔵装置の性能に係る制約を満たしつつコストについての所定の条件を満たす電力貯蔵装置の放電電力及び放電時間帯並びに充電電力及び充電時間帯を月毎の前記放電パターン及び月毎の前記充電パターンとして特定し、
    1年を通して前記候補電力料金体系を適用することにより、年間の放電パターン及び充電パターンを特定し、
    さらに前記候補電力料金体系を変更して処理を実施することにより、前記候補電力料金体系のバリエーションを考慮した上で前記電力貯蔵装置の性能に係る制約を満たしつつコストについての所定の条件を満たす年間の前記放電パターン及び前記充電パターンを特定する
    ことを特徴とする請求項2記載の電力貯蔵装置運転パターン特定方法。
  4. 対象設備の電力負荷曲線を表すデータを取得し、電力負荷曲線データ格納部に格納するステップと、
    電力貯蔵装置の運転パターンについての選択入力を受け付け、運転パターン特定データを記憶装置に格納するステップと、
    前記記憶装置に格納された前記運転パターン特定データと電力貯蔵装置の所定の運転パターンに関するデータを格納する運転パターンデータ格納部に格納されたデータと前記電力負荷曲線データ格納部に格納されたデータと電力料金体系のデータを格納する電力料金データ格納部に格納されたデータと電力貯蔵装置の性能に関するデータを格納する電力貯蔵装置データ格納部に格納されたデータとを参照して、前記運転パターン特定データにより特定される運転パターンに該当し且つ前記電力貯蔵装置の性能に係る制約を満たしつつ電力貯蔵装置の機器に基づくコストを含むコストについての所定の条件を満たす電力貯蔵装置の放電電力及び放電時間帯と充電電力及び充電時間帯とを特定すると共に、当該電力貯蔵装置の放電電力及び放電時間帯と充電電力及び充電時間帯とを実現するための電力貯蔵装置の出力電力を特定する特定ステップと、
    を含み、コンピュータにより実行される電力貯蔵装置出力特定方法。
  5. 前記特定ステップが、
    前記電力負荷曲線データ格納部に格納された電力負荷曲線を表すデータと前記電力貯蔵装置データ格納部に格納されたデータとを用いて、前記記憶装置に格納された前記運転パターン特定データにより特定される運転パターンに該当し且つ前記電力貯蔵装置の性能に係る制約を満たす前記電力貯蔵装置の放電電力及び放電時間帯を決定し、記憶装置に格納する放電データ生成ステップと、
    前記記憶装置に格納された前記電力貯蔵装置の放電電力及び放電時間帯のデータと前記電力負荷曲線データ格納部に格納された電力負荷曲線を表すデータと前記電力貯蔵装置データ格納部に格納されたデータとを用いて、前記電力貯蔵装置の性能に係る制約を満たす前記電力貯蔵装置の充電電力及び充電時間帯を決定し、記憶装置に格納する充電データ生成ステップと、
    前記記憶装置に格納された前記電力貯蔵装置の放電電力及び放電時間帯のデータと充電電力及び充電時間帯のデータと前記電力料金データ格納部に格納された候補電力料金体系のデータと前記電力貯蔵装置データ格納部に格納されたデータとを用いて、電力貯蔵装置の機器に基づくコストを含むコストを算出し、記憶装置に格納するコストデータ生成ステップと、
    を含む請求項4記載の電力貯蔵装置出力特定方法。
  6. 前記放電データ生成ステップと前記充電データ生成ステップと前記コストデータ生成ステップとが、電力貯蔵装置の候補出力電力毎に実行され、
    前記電力貯蔵装置の機器に基づくコストを含むコストが所定の条件を満たす前記電力貯蔵装置の候補出力電力を特定し、
    さらに前記候補電力料金体系を変更して処理を実施することにより、前記候補電力料金体系のバリエーションを考慮した上でコストが所定の条件を満たす前記電力貯蔵装置の出力電力を特定する
    ことを特徴とする請求項5記載の電力貯蔵装置出力特定方法。
  7. 請求項1乃至3記載のいずれか1つ記載の電力貯蔵装置運転パターン特定方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  8. 請求項4乃至6記載のいずれか1つ記載の電力貯蔵装置出力特定方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  9. 対象設備の電力負荷曲線を表すデータを取得し、電力負荷曲線データ格納部に格納する手段と、
    出力電力を含む、電力貯蔵装置の性能に関するデータの入力を受け付け、電力貯蔵装置データ格納部に格納する手段と、
    前記電力負荷曲線データ格納部と電力貯蔵装置の所定の運転パターンに関するデータを格納する運転パターンデータ格納部と電力料金のデータを格納する電力料金データ格納部と前記電力貯蔵装置データ格納部とを参照して、前記電力貯蔵装置の性能に係る制約を満たしつつコストについての所定の条件を満たす電力貯蔵装置の放電パターン及び充電パターンを特定する特定手段と、
    を有する電力貯蔵装置運転パターン特定装置。
  10. 対象設備の電力負荷曲線を表すデータを取得し、電力負荷曲線データ格納部に格納する手段と、
    電力貯蔵装置の性能に関するデータの入力を受け付け、電力貯蔵装置データ格納部に格納する手段と、
    前記記憶装置に格納された前記運転パターン特定データと電力貯蔵装置の所定の運転パターンに関するデータを格納する運転パターンデータ格納部に格納されたデータと前記電力負荷曲線データ格納部に格納されたデータと電力料金のデータを格納する電力料金データ格納部に格納されたデータと電力貯蔵装置の性能に関するデータを格納する前記電力貯蔵装置データ格納部に格納されたデータとを参照して、前記運転パターン特定データにより特定される運転パターンに該当し且つ前記電力貯蔵装置の性能に係る制約を満たしつつ電力貯蔵装置の機器に基づくコストを含むコストについての所定の条件を満たす電力貯蔵装置の放電電力及び放電時間帯と充電電力及び充電時間帯とを特定すると共に、当該電力貯蔵装置の放電電力及び放電時間帯と充電電力及び充電時間帯とを実現するための電力貯蔵装置の出力電力を特定する特定手段と、
    を有する電力貯蔵装置出力特定装置。
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