JP2006250556A - ライブラリ分析装置 - Google Patents
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Abstract
多種類の試料を自動的に生成してライブラリプレートに配置したライブラリを自動的に分
析することができるライブラリ分析装置を提供する。
【解決手段】ライブラリプレート上の予め定められた試料形成点の複数の試料の位置を自
動的に演算し、個別の試料の特性の測定を個別に、自動的に行うことのできるライブラリ
分析装置。本発明のライブラリ分析装置によれば、ライブラリプレート上の膨大な数の試
料を自動的に分析できる。また、試料は原料を規則的に変化する比率で混合しておけば、
特性の変化の連続性から、分析する試料の組成比より細かい組成比の試料の特性を推測す
ることができる。
【選択図】 図1
Description
試料を分析するのに適したライブラリ分析装置に関する。特に、多元系の組成図の組成点
を形成する複数の試料を自動的に分析し、分析結果を表示することのできるライブラリ分
析装置に関する。
ス材料の結晶構造、組成、結晶粒の大きさをミクロン〜ナノスケールで制御できるように
なっている。このため、セラミックス材料の電子材料等への応用展開の途が急速に拡大し
ている。なかでも、セラミックスの酸化物は、誘電特性や磁気特性、電気導電性等におい
て、幅広い物性を有する。セラミックス材料の機能の多様性は、セラミックス材料として
制御すべきパラメーターがその不定比性、結晶構造の異方性等も含めて極めて多様である
ことを意味している
成して得られるセラミックス材料を一つ一つ製造し、その性質を調べる方法では、目的の
物質材料に到達するまでに膨大な時間がかかるばかりでなく、勘と経験の及ばない偶然な
発見につながる可能性はきわめて低いものとなる。さらに、同じ系統の物質を取り扱う際
に、複数の人間で行うと、ヒューマンエラーによる誤差を生ずる確率が高くなる。
せを系統的に制御しつつ生成することに加えて、材料の分析を自動的に行うことができる
ようにすることが重要になる。つまり、膨大な種類の材料が分析されずに蓄積されること
がないよう、材料の分析を自動化することにより、新規セラミックス材料の探索を効果的
に行うことが可能となる。
開発において、同様にコンビナトリアル手法が広く採用されていることはよく知られてい
る。この分野においても、複数種の原料を混合して混合比の異なる膨大な数の試料を正確
に、短時間で生成することに加えて、試料生成のタイミングに合わせて分析することがで
きれば、広く科学技術分野で新規材料の探索が大いに進捗することが期待できる。
生成し分析する化学反応処理装置を発明し特許出願した(特許文献1)。この化学反応処
理装置を使うことにより、容易な制御により、多種多数の化学生成物を得るとともに、そ
れらを分析評価できることとなった。
的である(特許文献2、特許文献3)。しかしながら、コンビナトリアル手法によって得
られる多種多数の化学生成物の個別の特性を従来の方法で分析するのでは、長い時間を要
し、材料探索の大きな障害の一つになりかねない。
であり、例えば、コンビナトリアル手法を用いて複数種の原料を混合して混合比の異なる
多種類の試料を自動的に生成してライブラリプレートに配置したライブラリを自動的に分
析することができるライブラリ分析装置を提供することを目的とする。
動的に演算し、個別の試料の特性の測定を個別に、自動的に行うことのできるライブラリ
分析装置を提供するものである。
の試料が形成されているライブラリを分析するライブラリ分析装置であって、前記試料が
複数種の原料を異なる比率の組合せで混合してなる化学生成物であり、前記ライブラリ分
析装置には制御手段と入力手段と計測手段が備えられており、前記計測手段にはX軸、Y
軸方向の座標軸とX軸、Y軸上の基準点が予め定められ、前記基準点と予め決められた位
置関係を持つライブラリプレートの支持台が備えられており、前記入力手段から入力され
たライブラリプレート上の複数の試料形成点の位置に関するデータに基づいて前記複数の
試料形成点の位置のそれぞれのX軸、Y軸方向の前記基準点からの偏差が前記制御手段に
より演算され、前記制御手段により演算された偏差に基づき試料形成点に順次測定プロー
ブが移動するようになされており、前記試料形成点の各試料が個別に測定されるようにな
されていることを特徴とするライブラリ分析装置、である。
知の計測手段が採用できる。例えば、X線や赤外線を細いビームにして各試料に順次照射
したり、プローブを試料に順次接触させたり近接させたりして誘電率や電気伝導度を測定
したり、また、試料の配列に合わせて複数のプローブを配列しておき、測定するプローブ
を変えながら測定することもできる。また、例えば、測定プローブが柔軟性のあるオプテ
ィカルファイバーや電線等の先端に設けられたものであれば、測定プローブの移動が容易
であり、装置を簡略化でき効果的である。
赤外線カメラ等の撮像装置で個別の試料を撮影したり、ライブラリ全体を撮影したり、ラ
イブラリプレート上の位置と映像の位置とを対応付けておき、試料の状態変化を形状の変
化や温度変化として試料形成点毎に測定することもできる。
イブラリプレート上の試料形成点の位置をX軸、Y軸からなる座標上の座標点として容易
に表現でき、それぞれの位置関係を簡単に演算することができる。
料が形成されているライブラリを分析するライブラリ分析装置であって、前記試料が複数
種の原料を異なる比率の組み合わせで混合してなる化学生成物であり、前記ライブラリ分
析装置には制御手段と入力手段と計測手段が備えられており、前記計測手段にはX軸、Y
軸方向の座標軸とX軸、Y軸上の基準点が予め定められ、X軸、Y軸方向に移動可能で前
記試料形成点を測定点に移動させるライブラリプレートの支持台が備えられており、前記
入力手段から入力されたライブラリプレート上の複数の試料形成点の位置に関するデータ
に基づいて前記試料形成点のそれぞれのX軸、Y軸方向の前記基準点からの偏差が前記制
御手段により演算され、前記制御手段により演算された偏差に基づき、前記試料形成点が
順次測定点に移動するよう前記支持台が自動的に移送され、順次測定が行われるようにな
されていることを特徴とするライブラリ分析装置、である。
形成点を測定点に移動させるための演算が容易になるので好ましい。X方向、Y方向とは
、平面を形成する2つの軸を示し、支持台の移動面を表現している。特に限定はされない
が、試料が粉末の場合、試料を安定的に保持するために、水平面を形成するようになされ
るのが好ましい。
原料の組み合わせ比率が前記原料の種類数に相当する次元の組成図の組成点の比率となさ
れていることを特徴とするライブラリ分析装置、である。
、原料の種類が4種類の場合は、4元組成図となる。座標の分割数とは、その各頂点と頂
点を結ぶ辺を等間隔でいくつかに分割したときのその数のことであり、各辺に平行にその
等間隔に線を引いたときの線の交差する点又は辺上の点が組成点であり、組成の比率を示
すものである。
定点を中心に前記支持台が回転するようになされており、前記入力手段から制御手段に入
力されたデータにより、前記試料形成点が前記測定点に自動的に移動した後、前記支持台
が自動的に回転するようになされていることを特徴とするライブラリ分析装置、である。
しない測定が可能となる。
において、前記ライブラリ分析装置に分析手段が備えられており、前記複数の試料には互
いに異なる符号が付されており、測定された前記複数の試料の特性が前記符号毎のファイ
ルとして前記分析手段に保存され、前記ライブラリ分析装置が物質のデータベースに接続
されており、前記符号毎に保存された前記試料の特性と前記データベースの各物質の特性
とが前記分析手段により自動的に照合されることを特徴とするライブラリ分析装置、であ
る。
ような公知のものや独自に構築したものが利用可能である。また、照合する方法は、ピー
クサーチ等公知の方法が採用できる。また、符号としては、特に限定はされないが、数字
やアルファベットを採用すると識別が容易で好ましい。特に、数字を採用すれば、数字に
よって、その試料が組成図のどこに位置するかが容易に判るので好ましい。符号は、ライ
ブラリの種類によって予め付しておき、制御手段に記憶させておくと、構成が簡略化でき
るので好ましい。
る。ここで、純化合物とは、混合された原料から一種類の化学生成物が得られたときの化
合物であり、不純物の無い試料を意味している。純化合物を得ることができる条件が解れ
ば、目的の材料を効率よく高純度で得ることができる。
析装置が組成図を表示できる表示手段を備えており、その組成図に前記分析結果を表示で
きるようになされていることを特徴とするライブラリ分析装置、である。
的に分析できる。また、試料は原料を規則的に変化する比率で混合しておけば、特性の変
化の連続性から、分析する試料の組成比より細かい組成比の試料の特性を推測することが
できる。例えば、組成図を利用して正確な純物質の探索が可能である。つまり、組成点毎
に純物質との特性の一致度を評価できるので、分割数に応じた組成点から外れた位置の純
化合物が検索できる。
分析装置の実施の形態を示す構成図であり、図2は、本発明のライブラリ分析装置の計測
手段の要部を示す平面図であり、図3は、本発明の他のライブラリ分析装置の計測手段の
要部を示す断面図であり、図4は、本発明のライブラリ分析装置の表示手段に表示された
座標の分割数10の組成図であり、図5は、本発明のライブラリ分析装置による分析結果
を表示した分割数10に相当する組成図であり、図6は、本発明のライブラリ分析装置に
よる分析方法を示すフローチャートである。
原料として液状無機物質原料を用い、化学生成物(試料)をX線回折で分析する場合を
例にとって説明する。図1において、制御手段1は、入力手段2、表示手段3、分析手段
4、データベース5、計測手段6、ライブラリ製造手段7、搬送手段8とそれぞれ電気通
信手段により結ばれている。
られた複数の試料形成点63に複数の試料9が形成されたライブラリが製造される。試料
9は、複数種の原料を異なる比率の組み合わせで混合してなる化学生成物であり、その比
率が原料の種類数に相当する次元の組成図の組成点の比率となされている。ライブラリ製
造手段7で製造されたライブラリは搬送手段8により、計測手段6に移送され、ライブラ
リ支持台61に設置されるようになされている。
、ライブラリを自動的に製造することにより、膨大な作業量を削減することが可能となり
、ヒューマンエラーを避けることも可能となる。また、ライブラリプレート62の移送が
自動的に行われれば、ライブラリ製造からライブラリ分析まで自動化できるので、作業工
程を削減でき、ヒューマンエラーを避けるという効果が大きくなる。
れる複数種の原料の識別名や濃度、(2)組成図の座標の分割数、(3)混合される原料
の化学処理条件がデータとして入力される。識別名の入力の方法は、原料名を入力するこ
とや、予め入力手段に設けられた入力画面に示された識別名に濃度を入力したり、識別名
を選択したりすることによって行われる。原料名と識別名とは別途対応させることになる
。
2上に形成する試料の量や、加熱による反応を行う場合は乾燥、加熱条件等である。また
、ライブラリ製造からライブラリ分析までを自動的に行なう場合には、入力手段2から化
学処理条件に加えて(4)ライブラリ分析の条件を入力する。
入力手段2から入力された原料の種類の数に相当する次元の組成図が作成される。次に、
入力手段2から入力された分割数によって決まる組成点に互いに異なる符合が付される。
ここで、組成点は複数種の原料を混合してえられる混合物に含まれる各原料の割合を分割
数で等分することによって決定される。それらの符号に対応する組成点における複数の原
料の混合比が自動的に計算され、それら混合比の異なる試料9がライブラリ製造手段7で
自動的に生成される。
盛り付けや、乾燥、加熱等の化学処理に関する各要素操作を自動的に実行させる。盛り付
けは、複数の試料9をライブラリプレート62上に、入力手段2で入力された化学処理条
件に従って、所定量ずつ自動的に配列することによって行われる。さらに、ライブラリプ
レート62上の複数の試料9が、入力手段2で入力された化学処理条件に従って、自動的
に乾燥、加熱処理される。このようにしてライブラリが製造される。
、計測手段6で自動的に順次所定のX線による計測が行われる。続いて、分析手段4では
、計測手段6による測定結果が自動的に分析される。上述したように、複数の試料9には
互いに異なる符号が付されており、測定された複数の試料9の特性が符号毎のファイルと
して分析手段4に保存される。さらに、符号毎に保存された試料9の特性とデータベース
5に保存された既知の物質の特性とが分析手段4により自動的に照合される。
X軸、Y軸方向の座標軸とX軸、Y軸上の基準点64が予め定められている。ライブラリ
プレート62は、支持台61に設けられたライブラリプレート62が嵌合する凹部に固定
されるようになされている。支持台61は、X軸、Y軸方向に移動可能となされている。
つまり、試料形成点63,63,・・・を基準点64と平面視同じ位置である測定点に、
図示しない移送装置により、移動させるようになされている。
,63,・・・の位置に関するデータに基づいて計測手段6の基準点64から試料形成点
63,63,・・・のそれぞれのX軸、Y軸方向の偏差が制御手段1により演算され、制
御手段1により演算された偏差に基づき、試料形成点63,63,・・・が順次測定点に
自動的に移動するよう支持台61が移送されるようになされている。
に、支持台61が自動的に回転しながら測定がなされる。このようにして、方向性の無い
X線回折を測定することができる。なお、試料に異方性が予想される場合には、入力手段
2から分析条件として、異方性があることを入力すれば、これらの操作は制御手段1によ
り自動的に行われる。
基準点64となされており、基準点64のX軸、Y軸上の座標点が制御手段1に記憶され
ている。入力手段2から入力されたライブラリプレート62の情報により、基準点64か
ら、66個の試料形成点63,63,63,・・・のX軸、Y軸上の偏差が制御手段1に
より演算される。また、制御手段1に、予めライブラリプレート62のタイプ毎に、試料
形成点63の基準点64からの偏差の情報を記録しておき、入力手段2から入力されたラ
イブラリプレート62のタイプと照合することにより、偏差を求めてもよい。
置には嵌合するように角部が膨出して形成されているので、ライブラリプレート62を間
違った方向に設置することがない。つまり、試料の順番を間違うことがない。
には、分析手段4によって得られた分析結果が表示される。
化されており、いろいろなユニットの組み合わせによるライブラリ分析装置の構成が可能
となされている。つまり、ライブラリ分析装置の組合せとしては、制御手段1、入力手段
2、計測手段6が最小の組合せとなり、それぞれ制御ユニット、入力ユニット、計測ユニ
ットとして組み合わせることが可能である。
分析手段4、データベース5を、表示ユニット、分析ユニット、データベースユニットと
して備えることができる。また、ライブラリ製造からライブラリの分析までを自動的に行
うために、ライブラリ製造手段7、搬送手段8をライブラリ製造ユニット、搬送ユニット
として付け加えることも効果的である。また、データベース5は、通信回線で制御手段1
と接続することにより、外部のデータベースを利用することもできる。
ボードやマウスが採用されている。また、表示手段3は、液晶画面で構成されている。入
力手段2は、表示手段3を利用したタッチパネル方式となされていると、操作が簡便にな
り好ましい。制御手段1は、入力手段2から入力された複数種の原料の識別名に応じて各
原料を、組成点ごとの割合を等分に対応して、秤量・混合・盛付・乾燥・加熱処理・X線
回折・分析等の各要素操作を自動的に連続的に実行させる機能を有する。さらに、この制
御ユニット1は、照合解析を行う分析手段4に接続されている。この分析手段4は、デー
タベース5との照合により相同定をし、組成図上に示された分析結果を表示手段3に表示
する機能を有する。
の化合物が同定された場合、純化合物は、ある組成点から隣の組成点の間でも同定される
可能性が高い。例えば、他の化合物が含まれる割合が少ないと判断できる場合には、隣の
組成点の近くでも純化合物が同定される可能性が高いと判断することができ、さらに分割
数の大きい組成図に基づき、隣の組成点近傍の試料を製造し、同様に純化合物の同定を繰
り返すことにより、正確に純化合物の得られる範囲を決定することができる。
注された混合容器中の試料を、攪拌棒を利用して混合することにより試料を生成し、得ら
れた試料を分取ピペットで分取・盛り付けし、66個の凹部(ウエル)を形成している試
料形成部63を有する白金製ライブラリプレート62上に配列し、乾燥・加熱しライブラ
リが製造される。加熱は、盛り付けられた試料を電気炉で焼成することにより行われる。
データベース5に収納されたX線回折データファイル(例えばJCPDSファイル)に照
合できる形式に変換するためのX線測定ユニットとなされている。また、データはライブ
ラリプレート62上の各試料9と1対1に対応させて試料の符号毎に出力する機能を有す
る。
毎のファイルとして前記分析手段に保存され、データベース5に収納されたX線データフ
ァイル(例えばJCPDSファイル)と照合され、生成物中の既知相を抽出、及び、未知
相の回折図を抽出する操作が行われるようになされている。分析手段4は、ライブラリプ
レート62上の全ての試料について回折図を抽出し、出発原料の数をnとすると、n次元
空間に解析照合結果をプロットし、組成図上に表示する。この生成物をプロットした組成
図は、登録することができる。ここで、原料の種類の組み合わせや、化学処理条件や分析
条件をデータとして保存できるようにしておくと、操作の繰り返しを少なくできるので好
ましい。
原料として無機質微粉末を用い、化学生成物(試料)を、可視光線を用いて、ガラス化
の状態を分析する場合を例にとって説明する。ライブラリは、複数種の無機質の微粉末を
秤量混合し、ライブラリプレート62上に盛り付け、加熱して製造される。図3に示すよ
うに、ライブラリプレート62上の予め定められた試料形成点63,63,・・・に、複
数種の原料を異なる比率の組み合わせで混合してなる化学生成物である試料9が形成され
ている。試料9の複数種の原料の比率は等差級数的に、規則的に変化をする比率となされ
ている。例えば、試料9に含まれる各原料の比率をモル%で表し、10%毎といった一定
比率で変化させてある。また、ライブラリプレート62の試料形成点63の表面は全て黒
く着色されている。
れており、X軸、Y軸上の基準点64と支持台61が固定されており、X軸、Y軸方向に
移動可能で試料64の特性を測定することができる測定プローブ66が備えられている。
入力手段2から入力されたライブラリプレート62上の複数の試料形成点63,63,・
・・の位置に関するデータに基づいて計測手段6の基準点64から前記複数の試料形成点
63,63,・・・の位置のそれぞれのX軸、Y軸方向の偏差が制御手1により演算され
る。制御手段1により演算された偏差に基づき、試料形成点63,63,・・・に順次測
定プローブ66が移動するようになされている。
性がよいので黒く撮影されるという原理を用いて、撮影された試料の濃淡でガラス化の程
度を知ることができる。lang=EN-US>プローブとしては、試料を個々に撮影する白黒カメ
ラではなく、ライブラリプレート62全体を撮影する白黒カメラを使用して、ライブラリ
プレート62上の位置と映像の位置とを対応付けておき、試料のガラス化の状態を映像の
濃淡として試料形成点毎に測定することもできる。
体的な物質の合成の例として、リチウム二次電池正極材料として期待される三成分系ラム
スデライト型結晶相の分析を挙げて、図6を参照しながら説明する。
)の0.5mol/l水溶液、(2)水酸化リチウム水和物(LiOH・H2O)の1.
0mol/l水溶液及び(3)水を分散媒とした酸化チタン(TiO2)スラリー濃度1
.0mol/lの3種類を用いた。
、組成図の座標の分割数を10と、化学処理条件と分析条件を入力手段2から制御手段1
に入力した。この際、液状無機物質原料は、それぞれを識別名として画面表示されている
原料1、原料2、原料3に濃度を入力することにより識別名を選択した。入力が終わると
、組成図作成ステップ12が実行され、表示手段3に図4に示す組成図31が表示される
。このときの原料の組成比の組み合わせは66になる。
囲を設定した。ここでは、組成図全ての範囲を設定した。範囲の設定とは、組成図のなか
の分析したい試料の生成だけを行うために設定するものである。このようにして必要のな
い操作を除外し、研究の効率を高めることができる。続いて、混合比計算ステップ14が
実行され、設定された組成図の全範囲と組成図の座標の分割数10に従って3種の無機物
質原料の66通りの混合比を自動的に計算した。
に従って自動的に生成した。ここで、化学処理条件とは、液状無機物質原料の撹拌時間や
撹拌条件等を指し、必要なら、雰囲気温度や雰囲気気体等の条件を指す。
試料形成部63を有する1枚の白金製ライブラリプレート62上に、化学処理条件に従っ
て自動的に配列した。ここで、化学処理条件とは、盛付量やトレーの温度や雰囲気温度、
雰囲気気体、液状試料の乾燥条件等を指す。
て自動的に加熱処理した。ここで、化学処理条件としては、昇温速度、加熱温度、加熱時
間、冷却速度、雰囲気気体等を指す。図5に示すように、加熱温度は、絶対温度で、11
73度、1273度、1373度とし、所定時間加熱した。つまり、ライブラリプレート
62に試料9を盛り付けたものを3個製造し、加熱条件を変えて3種類のライブラリを製
造した。雰囲気気体は空気とした。
1の上に固定した。続いて、計測ステップ18では、支持台61は試料形成点63が自動
的に計測点に移動するように自動的に移送された。さらに、ライブラリプレート62上の
加熱処理された66個の試料のそれぞれに対して、支持台61が自動的に回転しながらX
線回折線が計測され、その収録データがデータベース5に収納されたX線回折データファ
イル(JCPDSファイル)に照合できる形式に変換された。また、データが、ライブラ
リプレート62上の各試料9と1対1に対応させて試料の符号毎に出力された。
られる。また、X線回折線の計測は1試料当り5分を要するため66個の試料の計測には
5時間30分を要した。しかし、66個の試料の計測は全て自動的に行われたため、夜間
を利用して人手を介さずに行うことができた。
析した。つまり、制御手段1を介して送られた計測手段6から出力された各データをデー
タベース5に収納されたX線データファイル(JCPDSファイル)と照合し、生成物中
の既知相であるラムスデライト結晶を抽出した。ここでは、ライブラリプレート62上の
全ての試料について回折図を抽出し、原料の数が3であるので、3次元空間に解析照合結
果をプロットし、図6に示すように、組成図上に表示した。ここで、分析条件とは、照合
するデータベースの種類や、分析の条件等を指す。
き込まれた。ラムスデライト結晶相が観測された組成34を黒丸で示す。これらは純化合
物であった。絶対温度1373度の組成図上で、ラムスデライト結晶相が最も広範囲で観
測された。さらに、ラムスデライト結晶相が得られる範囲を細かく特定するためには、図
5に示す組成図の範囲33の分割数を増やして試料を製造することにより可能となる。
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に
含まれる。例えば、組成図は3成分系に限らず、4成分系以上の系であってもよい。例え
ば4成分系では、組成図を3角錐で視覚的に表示することが可能である。座標の分割数は
、10より少なくてもよいし、20より多くてもよい。また、当然、10から20の間の
数であっても構わない。範囲の設定は範囲を囲み線で囲んで設定してもよいし、組成の組
み合わせを1つ1つ選んで設定してもよい。ライブラリプレートとしては、基板状のもの
に限定的されるものではなく、ルツボや他の試験容器等が保持装置に装着されたものであ
ってもよい。
合比で混合した組成物であっても、それらの分析が効率的に正確にできるので、膨大な実
験数をこなすことができ、新物質の発見を容易にする。また、複数の有機物質原料が対象
の場合も同様の効果が得られる。
2 入力手段
6 計測手段
Claims (6)
- ライブラリプレート上の予め定められた試料形成点に複数の試料が形成されているライブ
ラリを分析するライブラリ分析装置であって、
前記試料が複数種の原料を異なる比率の組合せで混合してなる化学生成物であり、
前記ライブラリ分析装置には制御手段と入力手段と計測手段が備えられており、
前記計測手段にはX軸、Y軸方向の座標軸とX軸、Y軸上の基準点が予め定められ、前記
基準点と予め決められた位置関係を持つライブラリプレートの支持台が備えられており、
前記入力手段から入力されたライブラリプレート上の複数の試料形成点の位置に関するデ
ータに基づいて前記複数の試料形成点の位置のそれぞれのX軸、Y軸方向の前記基準点か
らの偏差が前記制御手段により演算され、
前記制御手段により演算された偏差に基づき、試料形成点に順次測定プローブが移動する
ようになされており、前記試料形成点の各試料が個別に測定されるようになされているこ
とを特徴とするライブラリ分析装置。 - ライブラリプレート上の予め定められた試料形成点に複数の試料が形成されているライ
ブラリを分析するライブラリ分析装置であって、
前記試料が複数種の原料を異なる比率の組み合わせで混合してなる化学生成物であり、
前記ライブラリ分析装置には制御手段と入力手段と計測手段が備えられており、
前記計測手段にはX軸、Y軸方向の座標軸とX軸、Y軸上の基準点が予め定められ、
X軸、Y軸方向に移動可能で前記試料形成点を測定点に移動させるライブラリプレートの
支持台が備えられており、
前記入力手段から入力されたライブラリプレート上の複数の試料形成点の位置に関するデ
ータに基づいて前記試料形成点のそれぞれのX軸、Y軸方向の前記基準点からの偏差が前
記制御手段により演算され、
前記制御手段により演算された偏差に基づき、前記試料形成点が順次測定点に移動するよ
う前記支持台が自動的に移送され、順次測定が行われるようになされていることを特徴と
するライブラリ分析装置。 - 前記試料の複数の原料の組み合わせ比率が前記原料の種類数に相当する次元の組成図の
組成点の比率となされていることを特徴とする請求項2記載のライブラリ分析装置。 - 前記測定点を中心に前記支持台が回転するようになされており、前記入力手段から入力
されたデータにより、前記試料形成点が前記測定点に自動的に移動した後、前記支持台が
自動的に回転するようになされていることを特徴とする請求項2又は3記載のライブラリ
分析装置。 - 前記ライブラリ分析装置に分析手段が備えられており、
前記複数の試料には互いに異なる符号が付されており、
測定された前記複数の試料の特性が前記符号毎のファイルとして前記分析手段に保存され
、
前記ライブラリ分析装置が物質のデータベースに接続されており、前記符号毎に保存され
た前記試料の特性と前記データベースの各物質の特性とが前記分析手段により自動的に照
合されることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載のライブラリ分析装置。 - 前記ライブラリ分析装置が組成図を表示できる表示手段を備えており、その組成図に前記
分析結果を表示できるようになされていることを特徴とする請求項5記載のライブラリ分
析装置。
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