JP2005329357A - 化学処理装置及び化学処理方法 - Google Patents

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JP2005329357A JP2004151784A JP2004151784A JP2005329357A JP 2005329357 A JP2005329357 A JP 2005329357A JP 2004151784 A JP2004151784 A JP 2004151784A JP 2004151784 A JP2004151784 A JP 2004151784A JP 2005329357 A JP2005329357 A JP 2005329357A
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Jun Watanabe
遵 渡辺
Kenjiro Fujimoto
憲次郎 藤本
Morimasa Fukuda
盛正 福田
Takeru Koike
長 小池
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Abstract

【課題】例えば、コンビナトリアル手法を用いて複数の無機物質原料を混合して混合比の
異なる多種類の無機試料を自動的に生成すること。
【構成】混合される複数種の無機物質原料の識別名と、組成図の座標の分割数と、前記無
機物質原料の化学処理条件の入力手段と、前記入力手段から入力された前記無機物質原料
の種類の数に相当する次元の組成図を作成し、前記入力手段から入力された前記分割数に
応じて、前記複数種の無機物質原料を混合して得られる混合物に含まれる各無機質原料の
割合を等分した組成点を定め、各組成点に互いに異なる符号を付し、それらの符号に対応
する組成点における前記複数の無機物質原料の混合比を自動的に計算し、化学処理に関す
る各要素操作を自動的に実行させる制御手段と、前記複数種の無機物質原料を前記制御手
段によって計算された比率で混合して混合比の異なる複数の試料を自動的に生成する試料
生成手段と、を備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、コンビナトリアル手法を用いて複数の無機物質原料を混合して混合
比の異なる多種類の無機試料を自動的に生成することができる化学反応装置と化学処理方
法に関するものである。また、生成した混合比の異なる多種類の無機試料を自動的に加熱
処理して特性を自動的に計測、分析することができる化学処理装置と化学処理方法に関す
るものである。
近年、ファインセラミックス技術の進歩により、セラミックス材料の結晶構造、組成、
結晶粒の大きさをミクロン〜ナノスケールで制御できるようになっている。このため、セ
ラミックス材料の電子機能材料や化学機能材料等への応用展開の途が急速に拡大している
。なかでも、セラミックスの酸化物は、誘電特性や磁気特性、電気導電性、触媒や吸着材
料等の化学特性等において、幅広い特性を有する。セラミックス材料の機能の多様性は、
セラミックス材料として制御すべきパラメーターがその不定比性、結晶構造、表面構造、
粒界構造等もふくめて極めて多様であることを意味している。
その結果、従来のように出発原料である複数の無機物質原料を異なる比率で混合、焼成
して得られるセラミックス材料を一つ一つ製造し、その性質を調べる方法では、目的の物
質や材料に到達するまでに膨大な時間がかかるばかりでなく、勘と経験の及ばない偶然な
発見につながる可能性はきわめて低いものとなる。さらに、同じ系統の物質を取り扱う際
に、複数の人間で行うと、ヒューマンエラーによる誤差を生ずる確率が高くなる。新規セ
ラミックス材料の探索には、自動処理装置を用いることにより多種の原料の組合せを如何
に系統的に制御しつつ生成しうるかが、キーポイントになる。
発明者らは、複数の無機物質原料を異なる比率の組み合わせで混合してなる試料を多数
生成し分析する化学反応処理装置を発明し特許出願した(特許文献1)。この化学反応処
理装置を使うことにより、容易な制御により、多種多数の化学生成物を得るとともに、そ
れらを高効率に分析評価できることとなった。
特開2001−219052号公報
本発明は、本発明者らが開発した上述の化学反応装置をさらに効果的なものとし、例え
ば、コンビナトリアル手法を用いて複数の無機物質原料を混合して混合比の異なる多種類
の無機試料を自動的に生成することができる化学反応装置と化学処理方法を提供すること
を目的とする。また、生成した混合比の異なる多種類の無機試料を自動的に加熱処理して
特性を自動的に計測、分析することができる化学処理装置と化学処理方法を提供すること
を目的とする。
本発明は、本発明者らが開発した上述の化学反応装置をさらに改良し、混合比の異なる
多種類の無機試料を生成するために、試料ごとの無機物質原料の混合比を自動的に計算し
、その結果に従って複数の原料の分注、混合、分取等の要素操作を自動的に、連続的に実
行させることのできる化学処理装置及び化学処理方法を提供するものである。
すなわち、本発明は、(1)混合される複数種の無機物質原料の識別名と、組成図の座
標の分割数と、前記無機物質原料の化学処理条件の入力手段と、前記入力手段から入力さ
れた前記無機物質原料の種類の数に相当する次元の組成図を作成し、前記入力手段から入
力された前記分割数に応じて、前記複数種の無機物質原料を混合して得られる混合物に含
まれる各無機質原料の割合を等分した組成点を定め、各組成点に互いに異なる符号を付し
、それらの符号に対応する組成点における前記複数の無機物質原料の混合比を自動的に計
算し、化学処理に関する各要素操作を自動的に実行させる制御手段と、前記複数種の無機
物質原料を前記制御手段によって計算された比率で混合して混合比の異なる複数の試料を
自動的に生成する試料生成手段と、を備えていることを特徴とする化学処理装置である。
また、本発明は、(2)上記(1)の化学処理装置において、前記複数の無機物質原料
が液状無機物質原料であり、前記入力手段に、それら複数種の液状無機物質原料のそれぞ
れの濃度を入力することにより、前記制御手段によって、それら液状無機物質原料の混合
比が、前記組成図の座標の分割数に従って自動的に計算されるようになされていることを
特徴とする化学処理装置である。
また、本発明は、(3)混合される複数種の無機物質原料の識別名と、組成図の座標の
分割数と、前記混合される無機物質原料の化学処理条件の入力手段と、前記入力手段から
入力された前記無機物質原料の種類の数に相当する次元の組成図を作成し、前記入力手段
から入力された前記分割数に応じて、前記複数種の無機物質原料を混合して得られる混合
物に含まれる各無機質原料の割合を等分した組成点を定め、各組成点に互いに異なる符号
を付し、それらの符号に対応する組成点における前記複数の無機物質原料の混合比を自動
的に計算し、化学処理に関する各要素操作を自動的に実行させる制御手段と、前記複数種
の無機物質原料を前記制御手段によって計算された比率で混合して混合比の異なる複数の
試料を自動的に生成する試料生成手段と、前記複数の試料を反応トレー上に所定量ずつ自
動的に配列する盛付手段と、前記反応トレー上の複数の試料を自動的に加熱処理するため
の加熱手段と、前記反応トレー上の加熱処理された複数の試料に対して自動的に順次所定
の計測を行う計測手段と、前記計測手段による計測結果を自動的に分析する分析手段と、
を備えることを特徴とする化学処理装置である。
また、本発明は、(4)上記(1)、(2)又は(3)の化学処理装置において、前記
化学処理装置が組成図を表示できる表示手段を備えており、その組成図で前記複数種の無
機物質原料の混合比の範囲を設定することができるようになされていることを特徴とする
化学処理装置である。本発明の表示手段においては、組成図上にさらに分析結果が表示さ
れるようになされていると、得られた特定の反応物の組成範囲が容易に確認できるので好
ましい。
また、本発明は、(5)混合される複数種の無機物質原料の識別名と、組成図の座標の
分割数と、その混合される無機物質原料の化学処理条件を入力手段に入力するステップと
、前記組成図を作成し表示するステップと、前記組成図の範囲を設定するステップと、設
定された組成図の範囲と前記組成図の座標の分割数に従って前記複数種の無機物質原料の
混合比を自動的に計算するステップと、前記複数種の無機物質原料を前記自動的に計算さ
れた混合比で混合した混合比の異なる複数の試料を、前記化学処理条件に従って自動的に
生成するステップと、を備えることを特徴とする化学処理方法である。
また、本発明は、(6)混合される複数種の無機物質原料の識別名と、組成図の座標の
分割数と、その混合される無機物質原料の化学処理条件を入力するステップと、前記組成
図を作成するステップと、前記組成図の範囲を設定するステップと、設定された組成図の
範囲と前記組成図の座標の分割数に従って前記複数種の無機物質原料の混合比を自動的に
計算するステップと、前記複数種の無機物質原料を自動的に計算された混合比で混合した
混合比の異なる複数の試料を、前記化学処理条件に従って自動的に生成するステップと、
前記複数の試料を反応トレー上に、前記化学処理条件に従って自動的に所定量ずつ配列す
るステップと、前記反応トレー上の複数の試料を前記化学処理条件に従って自動的に加熱
処理するステップと、前記反応トレー上の加熱処理された複数の試料に対して、前記化学
処理条件に従って自動的に順次所定の計測を行うステップと、前記計測結果を、前記化学
処理条件に従って自動的に分析するステップと、を備えることを特徴とする化学処理方法
である。
また、本発明は、(7)上記(6)の化学処理方法において、前記分析するステップの
後に、分析結果を前記組成図上に表示するステップと、その分析結果が表示された組成図
の範囲を設定し、座標の分割数を入力するステップと、を備え、その後に、前記混合比を
自動的に計算するステップ以降のステップを繰り返すことを特徴とする化学処理方法であ
る。
本発明の化学処理装置及び化学処理方法によれば、少ないデータの入力で、複数の無機
質物質の数十から数百通りの混合比を自動的に計算し、かつ、化学処理に必要な要素操作
が自動的に行われるので、膨大な実験数を正確に、少ない労力で行うことができる。また
、分析の結果得られた組成図上の特定の反応物の範囲を設定し、組成図の座標の分割数を
増やすことにより、注目される組成図の範囲を限定して、詳細な実験を行うことができる
ので、研究の効率を非常に高めることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の化学処理装置の実施例を示す構成図であり、図2は、本発明の化学処
理方法を示すフローチャートであり、図3は、本発明の試料製造装置の表示手段に表示さ
れた座標の分割数10の組成図であり、図4は、本発明の試料製造装置の表示手段に表示
された座標の分割数20の組成図であり、図5は、本発明の化学処理方法を説明するため
の分析結果を表示した分割数10に相当する組成図であり、図6は、本発明の化学処理方
法を説明するための分析結果を表示した分割数20に相当する組成図である。
図1において、入力手段2では、(1)混合される複数種の無機物質原料の識別名や濃
度、(2)組成図の座標の分割数、(3)混合される無機物質原料の化学処理条件がデー
タとして入力される。識別名の入力の方法は、原料名を入力することや、予め入力手段に
設けられた入力画面に示された識別名に濃度を入力したり、識別名を選択したりすること
によって行われる。原料名と識別名とは別途対応させることになる。化学処理条件とは、
具体的には、試料生成、盛付、加熱、計測、分析等の各要素操作の条件である。
無機物質原料の濃度は、モル濃度にしておくと、混合液のモル濃度を同一にすることが
容易である。つまり、全ての液状無機物質原料のモル濃度を同一にしておくと、全ての混
合比で混合液のモル濃度を一定にすることができ、複数の液状無機物質原料を混合した混
合液の容積を略同じにすることができるので、以後の操作や分析に好適である。
本発明においては、モル濃度を以下のように定義する。化学式をA,B
COなどとすると、通常、モル濃度は1リットルの溶液にA,B,CO
などを1モル、即ち1化学式(例えばA,B,CO)含むことになるが、
本発明では、それらの化合物のモル濃度を1リットルの溶液にAO3/2,BO,CO
を含むものと定義する。
組成図とは、原料の種類が3種類の場合は3次元となり、3元組成図とよばれる。また
、原料の種類が4種類の場合は、4元組成図となる。座標の分割数とは、その各頂点と頂
点を結ぶ辺を等間隔でいくつかに分割したときのその数のことであり、各辺に平行にその
等間隔に線を引いたときの線の交差する点又は辺上の点が組成点であり、組成比を示すも
のである。つまり、座標の分割数を多くすることにより、より細かい間隔で試料を生成す
ることができる。
この場合、最初から詳細に組成の組み合わせを作ると試料の数が膨大になる。特定の結
晶相の得られる組成範囲のみ詳細に調べたい場合、まず荒い組成条件、例えば三成分の組
成を10モル%間隔で変化させる。つまり、座標の分割数を10にして分析することが有
効である。このときの組み合わせは66になる。ここで、座標の分割数を20にすると、
図4に示す組成図32が表示され、組成の組み合わせは、231になり、この条件で化学
処理を行うと、膨大な処理を必要とすることになり、無駄な組み合わせを化学処理する率
が高くなり、合理的ではない。
このように、本発明の化学処理装置においては、各工程が自動的に、かつ、連続的に運
転されるが、一般的に3成分系で、座標を10等分したケースを取り上げると、組成の組
み合わせの数は66個となる。また、座標を20等分すると、組成の組み合わせの数は2
31個となる。つまり、上述の化学処理装置を使用しても最初から座標を細かくすること
は、非常に多くの試料生成、測定、分析が必要となる。そのため、最初は広く、粗く組成
図上に反応物を表示し、その組成図の必要な範囲を細かく分析するという方法が有効であ
る。
入力手段2に入力されたこれらのデータは電気通信で結ばれている制御手段1に送られ
る。制御手段1では、入力手段2に入力された無機物質原料の種類の数に相当する次元の
組成図を作成する。つぎに、入力手段2から入力された分割数によって決まる組成点に互
いに異なる符合を付す。ここで、組成点は複数種の無機物質原料を混合してえられる混合
物に含まれる各無機物質原料の割合を分割数で等分することによって決定される。それら
の符号に対応する組成点における複数の無機物質原料の混合比を自動的に計算し、それら
混合比の異なる試料を試料生成手段4で自動的に生成する。
さらに、制御手段1では、盛付、加熱、計測、分析等の化学処理に関する各要素操作を
自動的に実行させる。盛付手段5では、複数の試料を反応トレー上に、入力手段2で入力
された化学処理条件に従って、所定量ずつ自動的に配列する。また、加熱手段反6では、
反応トレー上の複数の試料が、入力手段2で入力された化学処理条件に従って、自動的に
加熱処理される。
さらに、計測手段7では、反応トレー上の加熱処理された複数の試料に対して、入力手
段2で入力された化学処理条件に従って、自動的に順次所定の計測が行われる。制御手段
1に電気通信で結ばれている分析手段8では、計測手段7による計測結果が自動的に分析
される。ここで、試料等の移動には、制御手段1の制御により、搬送手段9が利用される
また、制御手段1に電気通信で結ばれている表示手段3には、座標の分割数に対応した
組成図が表示される。また、組成図上には、分析手段8によって得られた分析結果も表示
される。さらに、表示された組成図の選択された特定の範囲を入力手段2に設定すること
により、制御手段1により、設定した組成図の選択された特定の範囲で混合された試料だ
けを生成することができ、必要な分析だけを実行することができる。全ての範囲を設定す
る場合、選択された特定の範囲設定の操作を行わないことにより自動的に行われる。
分析結果は表示手段3の組成図上に表示され、その分析結果が表示された組成図の選択
された特定の範囲を入力手段2に設定し、座標の分割数を入力手段2に入力することによ
り、分割数に応じて、複数種の無機物質原料を混合して得られる混合物に含まれる各無機
質原料の割合を等分した組成点ごとに複数の無機物質原料の混合比が制御手段1で、自動
的に計算され、設定された組成図の選択された特定の範囲で生成された試料に対して、以
後の化学処理が自動的に繰り返される。
本発明の化学処理装置をさらに、具体的に説明する。図1の各手段は、ユニット化され
ており、いろいろなユニットの組み合わせによる化学処理装置の構成が可能となされてい
る。つまり、制御手段1、入力手段2、表示手段3で制御ユニットが構成されている。ま
た、試料生成手段4は秤量混合ユニット、盛付手段5は盛付ユニット、加熱手段6は加熱
ユニット、計測手段7はX線測定ユニット、搬送手段9は、上記秤量混合ユニット、盛付
ユニット、加熱ユニット、X線測定ユニット間で試料等を搬送するための搬送ユニットと
なされている。
制御手段1としては、パーソナルコンピュータが利用されている。入力手段2は、キー
ボードやマウスが採用されている。また、表示手段3は、液晶画面で構成されている。入
力手段2は、表示手段3を利用したタッチパネル方式となされていると、操作が簡便にな
り好ましい。
制御手段1は、入力手段2で入力された複数種の無機物質原料の識別名に応じて各原料
を、組成点ごとの割合を等分に対応して、秤量・分注・混合・分取・乾燥・加熱処理・X
線回折分析等の各要素操作を自動的に連続的に実行させる機能を有する。さらに、この制
御ユニット1は、照合解析を行う照合解析ユニット(分析手段8)に接続されている。こ
の照合解析ユニットは、データベース81との照合により相同定と組成図上に分析結果を
表示する機能を有する。
試料生成手段4は、液状無機物質原料を分注ピペットにより秤量・分注し、分注された
混合容器中の試料を、攪拌棒を利用して混合することにより試料を生成する秤量混合ユニ
ットとなされている。また、盛付手段5は、得られた試料を分取ピペットで分取し、複数
の凹部(ウエル)を有する白金製反応トレー上に配列し、乾燥する盛付ユニットとなされ
ている。反応トレーとは、基板状のものを限定的に示すものではなく、ルツボや他の試験
容器等が保持装置に装着されたものであってもよい。加熱手段6は、盛付けられた試料を
電気炉で焼成する加熱ユニットとなされている。
計測手段7は、焼成された試料のX線回折線を計測し、その収録データをデータベース
81に収納されたX線回折データファイル(例えばJCPDSファイル)に照合できる形
式に変換するためのX線測定ユニットとなされている。また、データは反応トレー上の各
試料と1対1に対応させて出力する機能を有する。
分析手段8は、制御手段1を介して送られた計測手段7から出力された各データをデー
タベース81に収納されたX線データファイル(例えばJCPDSファイル)と照合し、
生成物中の既知相を抽出、及び、未知相の回折図を抽出する操作を行う照合解析ユニット
となされている。照合解析ユニットは、反応トレー上の全ての試料について回折図を抽出
し、出発原料の数をnとすると、n次元空間に解析照合結果をプロットし、組成図上に表
示する。この生成物をプロットした組成図は、登録することができる。ここで、無機物質
原料の種類の組み合わせや、化学処理条件をデータとして保存できるようにしておくと、
操作の繰り返しを少なくできるので好ましい。
次に、図1、図2を参照して、上記化学処理装置を利用した、本発明の化学処理方法の
実施例を説明する。具体的な物質の合成の例として、リチウム二次電池正極材料として期
待される三成分系ラムスデライト型結晶相の分析を挙げて説明する。
出発原料である液状無機物質原料として、(1)酢酸クロム(Cr(OCOCH
)の0.5mol/l水溶液、(2)水酸化リチウム水和物(LiOH・HO)の1.
0mol/l水溶液及び(3)水を分散媒とした酸化チタン(TiO)スラリー濃度1
.0mol/lの3種類を用いた。
まず、入力ステップ11で、上記3種類の液状無機物質原料の識別名とそのモル濃度と
、組成図の座標の分割数を10と、化学処理条件を入力手段2に入力した。この際、液状
無機物質原料は、それぞれを識別名として画面表示されている原料1、原料2、原料3に
濃度を入力することにより識別名を選択した。入力が終わると、組成図作成ステップ12
が実行され、表示手段3に図3に示す組成図31が表示される。ラムスデライト型結晶相
の得られる組成範囲のみ詳細に調べるために三成分の組成を10モル%間隔で変化させた
。つまり、座標の分割数を10にして分析した。このときの原料の組成比の組み合わせは
66になる。
さらに、範囲設定ステップ13では、入力手段2で表示手段3に表示された組成図の範
囲を設定した。ここでは、広い範囲の混合比の試料を分析するため、組成図全ての範囲を
設定した。続いて、混合比計算ステップ14が実行され、設定された組成図の全範囲と組
成図の座標の分割数10に従って3種の無機物質原料の66通りの混合比を自動的に計算
した。
続いて、試料生成ステップ15において、合比の異なる66の試料を、化学処理条件に
従って自動的に生成した。ここで、化学処理条件とは、液状無機物質原料の撹拌時間や撹
拌条件等を指し、必要なら、雰囲気温度や雰囲気気体等の条件を指す。
続いて、盛付ステップ16では、66の液状の試料を、66個の凹部(ウエル)を有す
る1枚の白金製反応トレー上に、化学処理条件に従って自動的に所定量ずつ配列した。こ
こで、化学処理条件とは、トレーの温度や雰囲気温度、雰囲気気体、液状試料の乾燥条件
等を指す。
加熱処理ステップ17では、反応トレー上の複数の試料を化学処理条件に従って自動的
に加熱処理した。ここで、化学処理条件としては、昇温速度、加熱温度、加熱時間、冷却
速度、雰囲気気体等を指す。図5に示すように、加熱温度は、絶対温度で、1173度、
1273度、1373度とし、所定時間加熱した。つまり、化学処理は加熱条件を変えて
3回繰り返した。雰囲気気体は空気とした。
計測ステップ18では、反応トレー上の加熱処理された66の試料に対して、X線回折
線を計測し、その収録データをデータベース81に収納されたX線回折データファイル(
例えば、JCPDSファイル)に照合できる形式に変換した。また、データは反応トレー
上の各試料と1対1に対応させて出力させた。このステップでの化学処理条件としては、
X線照射角度やX線強度等が挙げられる。
さらに、分析ステップ19では、X線回折線計測結果を、化学処理条件に従って自動的
に分析した。つまり、制御手段1を介して送られた計測手段7から出力された各データを
データベース81に収納されたX線データファイル(例えば、JCPDSファイル)と照
合し、生成物中の既知相であるラムスデライト結晶を抽出した。ここでは、反応トレー上
の全ての試料について回折図を抽出し、原料の数が3であるので、3次元空間に解析照合
結果をプロットし、図5に示すように、組成図上に表示した。ここで、化学処理条件とは
、照合するデータベースの種類や、分析の条件等を指す。
分析ステップ19での分析結果が、図5に示すように、各温度毎に当初の組成図上に書
き込まれた。ラムスデライト結晶相が観測された組成34を黒丸で示す。次に、さらに詳
細に分析するために、ラムスデライト結晶相が最も広範囲で観測された絶対温度1373
度の組成図上で、組成図の範囲33を設定した。そのために、入力手段2で入力ステップ
11を実行した。具体的には、座標の分割数を20と設定し、その他の化学処理条件を、
同じに設定した。
次に、組成図作成ステップ12にすすむ。ここでは、図4に示す、座標の分割数が20
となされた組成図32が示される。組成図32上で、ラムスデライト結晶相が得られた組
成34,34,34、・・・が得られた範囲33を設定した。その後、混合比計算ステッ
プ以降のステップが実行され、さらに詳しい分析結果が分析ステップ19で得られた。
図5に示すように、X線回折装置でラムスデライト型結晶相が得られる範囲を推定でき
たのち、次のステップとして三成分の各組成を5モル%以下のより細かな間隔(座標の分
割数20)で組成条件を作り、ラムスデライト型結晶相が得られる範囲を組成図上で設定
し、試料を作製、評価することにより、図6に示すように、点ではなく面の相図の情報を
得ることができた。つまり、黒丸で示した組成34ではラムスデライト型結晶の単一相が
、白抜き丸で示した組成35では混合相が生成されることを示すことができた。
実際に試料が生成されたのは、組成図の範囲33で、組成図の分割数20としたもので
あり、評価もこれらの試料に基づいて行われたが、分析結果の表示は、分割数20の組成
図上に示されている。ここで、分析結果の表示を、実際に試料が生成された範囲だけで行
ってもよい。
また、三成分の各組成を5モル%以下のより細かな間隔(座標の分割数20)で組成条
件を作って、分析評価することにより、単にラムスデライト型結晶相が得られたという情
報に止まらず、単一相と混合相とを明確に分けることができる。つまり、より純粋にラム
スデライト型結晶相が得られる条件を厳密に把握することができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明したが、本発明の具体的構成はこの実施例に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に
含まれる。例えば、組成図は3成分系に限らず、4成分系以上の系であってもよい。例え
ば4成分系では、組成図を3角錐で視覚的に表示することが可能である。座標の分割数は
、10より少なくてもよいし、20より多くてもよい。また、当然、10から20の間の
数であっても構わない。範囲を囲み線で囲んで設定してもよいし、組成の組み合わせを1
つ1つ選んで設定してもよい。
本発明の化学処理装置及び化学処理方法によれば、複数の無機物質原料を数十から数百
とおりの混合比で混合し、且つ化学処理条件を種々変更した組成物の合成が効率的に正確
にできるので、膨大な実験数をこなすことができ、新物質の発見を容易にする。
本発明の化学処理装置の実施例を示す構成図である。 本発明の化学処理方法を示すフローチャートである。 本発明の化学処理装置で得られた座標の分割数10の組成図である。 本発明の化学処理装置で得られた座標の分割数20の組成図である。 本発明の化学処理方法を説明するための分析結果を表示した分割数10に相当する組成図である。 本発明の化学処理方法を説明するための分析結果を表示した分割数20に相当する組成図である。
符号の説明
31 座標の分割数10の組成図
32 座標の分割数20の組成図
33 範囲設定された組成図

Claims (7)

  1. 混合される複数種の無機物質原料の識別名と、組成図の座標の分割数と、前記無機物質
    原料の化学処理条件の入力手段と、前記入力手段から入力された前記無機物質原料の種類
    の数に相当する次元の組成図を作成し、前記入力手段から入力された前記分割数に応じて
    、前記複数種の無機物質原料を混合して得られる混合物に含まれる各無機質原料の割合を
    等分した組成点を定め、各組成点に互いに異なる符号を付し、それらの符号に対応する組
    成点における前記複数の無機物質原料の混合比を自動的に計算し、化学処理に関する各要
    素操作を自動的に実行させる制御手段と、前記複数種の無機物質原料を前記制御手段によ
    って計算された比率で混合して混合比の異なる複数の試料を自動的に生成する試料生成手
    段と、を備えていることを特徴とする化学処理装置。
  2. 請求項1記載の化学処理装置において、前記複数の無機物質原料が液状無機物質原料で
    あり、前記入力手段に、それら複数種の液状無機物質原料のそれぞれの濃度を入力するこ
    とにより、前記制御手段によって、それら液状無機物質原料の混合比が、前記組成図の座
    標の分割数に従って自動的に計算されるようになされていることを特徴とする化学処理装
    置。
  3. 混合される複数種の無機物質原料の識別名と、組成図の座標の分割数と、前記混合され
    る無機物質原料の化学処理条件の入力手段と、前記入力手段から入力された前記無機物質
    原料の種類の数に相当する次元の組成図を作成し、前記入力手段から入力された前記分割
    数に応じて、前記複数種の無機物質原料を混合して得られる混合物に含まれる各無機質原
    料の割合を等分した組成点を定め、各組成点に互いに異なる符号を付し、それらの符号に
    対応する組成点における前記複数の無機物質原料の混合比を自動的に計算し、化学処理に
    関する各要素操作を自動的に実行させる制御手段と、前記複数種の無機物質原料を前記制
    御手段によって計算された比率で混合して混合比の異なる複数の試料を自動的に生成する
    試料生成手段と、前記複数の試料を反応トレー上に所定量ずつ自動的に配列する盛付手段
    と、前記反応トレー上の複数の試料を自動的に加熱処理するための加熱手段と、前記反応
    トレー上の加熱処理された複数の試料に対して自動的に順次所定の計測を行う計測手段と
    、前記計測手段による計測結果を自動的に分析する分析手段と、を備えることを特徴とす
    る化学処理装置。
  4. 請求項1、2又は3記載の化学処理装置において、前記化学処理装置が組成図を表示で
    きる表示手段を備えており、その組成図で前記複数種の無機物質原料の混合比の範囲を設
    定することができるようになされていることを特徴とする化学処理装置。
  5. 混合される複数種の無機物質原料の識別名と、組成図の座標の分割数と、その混合され
    る無機物質原料の化学処理条件を入力手段に入力するステップと、前記組成図を作成し表
    示するステップと、前記組成図の範囲を設定するステップと、設定された組成図の範囲と
    前記組成図の座標の分割数に従って前記複数種の無機物質原料の混合比を自動的に計算す
    るステップと、前記複数種の無機物質原料を前記自動的に計算された混合比で混合した混
    合比の異なる複数の試料を、前記化学処理条件に従って自動的に生成するステップと、を
    備えることを特徴とする化学処理方法。
  6. 混合される複数種の無機物質原料の識別名と、組成図の座標の分割数と、その混合され
    る無機物質原料の化学処理条件を入力するステップと、前記組成図を作成するステップと
    、前記組成図の範囲を設定するステップと、設定された組成図の範囲と前記組成図の座標
    の分割数に従って前記複数種の無機物質原料の混合比を自動的に計算するステップと、前
    記複数種の無機物質原料を自動的に計算された混合比で混合した混合比の異なる複数の試
    料を、前記化学処理条件に従って自動的に生成するステップと、前記複数の試料を反応ト
    レー上に、前記化学処理条件に従って自動的に所定量ずつ配列するステップと、前記反応
    トレー上の複数の試料を前記化学処理条件に従って自動的に加熱処理するステップと、前
    記反応トレー上の加熱処理された複数の試料に対して、前記化学処理条件に従って自動的
    に順次所定の計測を行うステップと、前記計測結果を、前記化学処理条件に従って自動的
    に分析するステップと、を備えることを特徴とする化学処理方法。
  7. 請求項6記載の化学処理方法において、前記分析するステップの後に、分析結果を前記
    組成図上に表示するステップと、その分析結果が表示された組成図の範囲を設定し、座標
    の分割数を入力するステップと、を備え、その後に、前記混合比を自動的に計算するステ
    ップ以降のステップを繰り返すことを特徴とする化学処理方法。
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