JP2006249483A - 放電表面処理方法及び修理方法 - Google Patents

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宏行 落合
Mitsutoshi Watanabe
光敏 渡辺
Takashi Furukawa
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Abstract

【課題】 肉盛層13の周縁がワーク1の母材から剥離し難くなって、ワーク1の被処理部3の表面処理不良をほとんどなくなる。
【解決手段】 油L中においてワーク1の被処理部3と電極7の先端面との間にパルス状の放電を発生させることにより、その放電エネルギーによってワーク1の被処理部3に電極7の電極材料等を堆積、拡散、及び/又は溶着させて、ワーク1の被処理部3に薄膜9を形成し、ワーク1の被処理部3と電極7の先端面との間にパルス状の放電を更に発生させることにより、前記電極材料の消耗によって電極7の先端面にワーク1の被処理部3周縁を囲むフランジ部11を形成しつつ、放電エネルギーによって薄膜9を成長させて、ワーク1の被処理部3に肉盛層13を形成すること。
【選択図】 図1

Description

本発明は、放電エネルギーを利用して、ワークの被処理部に対して表面処理を行うための表面処理方法、及びガスタービンエンジンのエンジン部品等の金属部品の被修理部を修理するための修理方法に関する。
近年、ワークの被処理部に対する表面処理について様々な技術が開発されており、放電エネルギーを利用して、前記ワークの前記被処理部に対して表面処理を行う先行技術として特許文献1に示すものがある。
即ち、金属の粉末とセラミックスの粉末との混合粉末からプレスによる圧縮によって成形した成形体により構成される電極を用い、油中において前記ワークの前記被処理部と前記電極の先端面との間にパルス状の放電を発生させることにより、その放電エネルギーによって前記ワークの前記被処理部に前記セラミックス含有の電極の材料或いは該材料の反応物質を堆積させて、前記ワークの前記被処理部に高硬度の薄膜を形成するものである。
特開平8−300227号公報
しかしながら、ガスタービンのエンジン部品(金属部品の一例)の被修理部の修理を行う場合には、前記エンジン部品の前記被修理部に生じた摩耗等の欠陥を除去してから、前記エンジン部品における前記欠陥を除去した欠陥除去部(ワークの被処理部に相当する)に肉盛層を形成する必要があるが、前記電極にセラミックスの粉末が含まれてあって、前記エンジン部品の前記被修理部に肉盛層を形成することはできない。
一方、図7に示すように、金属を主成分とする粉末からプレスによる圧縮によって成形した成形体により構成される電極101を用いて、加工槽103に貯留した油L中においてエンジン部品105の欠陥除去部107と電極101の先端面との間にパルス状の放電を発生させると、エンジン部品105の欠陥除去部107に薄膜109を形成して(図7(a)参照)、更に、薄膜107を成長させて、エンジン部品103の欠陥除去部109に肉盛層111を形成することができる(図7(b)参照)。
ところで、肉盛層111の厚さが厚くなるに伴って、肉盛層111の内部に電流の流れによる大きな発熱が生じる。また、エンジン部品103の欠陥除去部107と電極101の先端面との間(この領域を放電領域という)にパルス状の放電を発生させると、外側から前記放電領域に冷たい油Lが放電回数に応じて出入りすることになる。そのため、肉盛層111を形成する途中に、肉盛層111が急冷されることになって、肉盛層111の熱収縮によって肉盛層111の周縁に剥離が生じたり、又は肉盛層111の内部に亀裂が生じたりすることがあって、エンジン部品103の被修理部の修理不良(換言すれば、ワークの被処理部の表面処理不良)を招くという問題がある。
請求項1に記載の発明にあっては、放電エネルギーを利用して、ワークの被処理部に対して表面処理を行うための表面処理方法において、
金属を主成分とする粉末から成形した成形体、若しくは加熱処理した前記成形体により構成される電極を用い、油中において前記ワークの前記被処理部と前記電極の先端面との間にパルス状の放電を発生させることにより、その放電エネルギーによって前記ワークの前記被処理部に前記電極の材料又は該材料の反応物質を堆積、拡散、及び/又は溶着させて、前記ワークの前記被処理部に薄膜を形成する薄膜形成工程と;
前記薄膜形成工程が終了した後に、油中において前記ワークの前記被処理部と前記電極の先端面との間にパルス状の放電を更に発生させることにより、前記電極の材料の消耗によって前記電極の先端面に前記ワークの前記被処理部周縁を囲むフランジ部を形成しつつ、放電エネルギーによって前記薄膜を成長させて、前記ワークの前記被処理部に肉盛層を形成する肉盛層形成工程と;
を具備してなることを特徴とする。
なお、「前記ワークの前記被処理部周縁を囲む」とは、前記ワークの前記被処理部周縁の全部を囲むことの他に、前記ワークの前記被処理部周縁の大部分を囲むことを含む意である。
請求項1に記載の発明特定事項によると、前記肉盛層の厚さが厚くなるに伴って、前記肉盛層の内部には電流の流れによる大きな発熱が生じる。一方、前記ワークの前記被処理部と前記電極の先端面との間(この領域を放電領域という)にパルス状の放電を更に発生させると、前記電極の材料の消耗によって前記電極の先端面に前記ワークの前記被処理部周縁を囲むフランジ部を形成することができるため、外側から前記放電領域に冷たい油が出入りすることを抑制することができる。
請求項2に記載の発明にあっては、金属部品の被修理部を修理するための修理方法において、
前記金属部品の前記被修理部に生じた欠陥を除去する欠陥除去工程と;
前記欠陥除去工程が終了した後に、金属を主成分とする粉末から成形した成形体、若しくは加熱処理した前記成形体により構成される電極を用い、油中において前記金属部品の前記欠陥を除去した欠陥除去部と前記電極の先端面との間にパルス状の放電を発生させることにより、その放電エネルギーによって前記金属部品の前記欠陥除去部に前記電極の材料又は該材料の反応物質を堆積、拡散、及び/又は溶着させて、前記金属部品の前記欠陥除去部に薄膜を形成する薄膜形成工程と;
前記薄膜形成工程が終了した後に、油中において前記金属部品の前記欠陥除去部と前記電極の先端面との間にパルス状の放電を更に発生させることにより、前記電極の材料の消耗によって前記電極の先端面に前記金属部品の前記欠陥除去部周縁を囲むフランジ部を形成しつつ、放電エネルギーによって前記薄膜を成長させて、前記金属部品の前記欠陥除去部に肉盛層を形成する肉盛層形成工程と;
前記肉盛層形成工程が終了した後に、前記肉盛層の厚さが所定の厚さになるように前記肉盛層の寸法仕上げを行う寸法仕上げ工程と;
を具備してなることを特徴とする。
なお、「前記金属部品の前記欠陥除去部周縁を囲む」とは、前記金属部品の前記欠陥除去部周縁の全部を囲むことの他に、前記金属部品の前記欠陥除去部周縁の大部分を囲むことを含む意である。
請求項2に記載の発明特定事項によると、前記肉盛層の厚さが厚くなるに伴って、前記肉盛層の内部には電流の流れによる大きな発熱が生じる。一方、前記金属部品の前記欠陥除去部と前記電極の先端面との間(この領域を放電領域という)にパルス状の放電を更に発生させると、前記電極の材料の消耗によって前記電極の先端面に前記金属部品の前記欠陥除去部周縁を囲むフランジ部を形成することができるため、外側から前記放電領域に冷たい油が出入りすることを抑制することができる。
請求項3に記載の発明にあっては、請求項2に記載の発明特定事項の他に、前記金属部品は、ガスタービンエンジンのエンジン部品であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明特定事項によると、請求項2に記載の発明特定事項による作用のと同様の作用を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、前記肉盛層の厚さが厚くなるに伴って、前記肉盛層の内部に電流の流れによる大きな発熱が生じても、外側から放電領域に冷たい油が出入りすることを抑制することができるため、前記肉盛層を形成する途中に、前記肉盛層が急冷されることをなくなって、前記肉盛層の周縁の剥離及び前記肉盛層の内部の亀裂が生じ難くなり、前記ワークの前記被処理部の表面処理不良がほとんどなくなる。
請求項2又は請求項3に記載の発明によれば、前記肉盛層の厚さが厚くなるに伴って、前記肉盛層の内部に電流の流れによる大きな発熱が生じても、外側から前記放電領域に冷たい油が出入りすることを抑制することができるため、前記肉盛層を形成する途中に、前記肉盛層が急冷されることをなくなって、前記肉盛層の周縁の剥離及び前記肉盛層の内部の亀裂が生じ難くなり、前記金属部品の修理不良がほとんどなくなる。
第1の実施形態について図1から図3を参照して説明する。
ここで、図1(a)は、第1の実施形態に係わるワークを示す図であって、図1(b)(c)は、第1の実施の形態に係わる表面処理方法を説明する図であって、図2は、放電エネルギーによって金属の母材に肉盛層を形成した場合における、融合部の厚さと肉盛層の密着強度との関係を示す図であって、図3は、放電エネルギーによって金属の母材に肉盛層を形成した場合における、融合部の厚さと母材の変形との関係を示す図である。
第1の実施形態に係わる表面処理方法は、放電エネルギーを利用して、図1(a)に示すようなワーク1の被処理部3に対して表面処理を行うための方法であって、次に示すような(I)薄膜形成工程と、(II)肉盛層形成工程とを具備している。
(I) 薄膜形成工程
図1(b)に示すように、ワーク1を放電加工機(放電加工機の大部分を図示省略)の加工槽5内の所定位置にセットする。そして、電極7を用い、加工槽5内に貯留した油L中においてワーク1の被処理部3と電極7の先端面との間にパルス状の放電を発生させる。これにより、その放電エネルギーによってワーク1の被処理部3に電極7の電極材料或いは該電極材料の反応物質を堆積、拡散、及び/又は溶着させて、ワーク1の被処理部3に薄膜9を形成することができる。
ここで、電極7は、金属を主成分とする粉末からプレスによる圧縮によって成形した成形体、若しくは加熱処理した前記成形体により構成されるものである。なお、電極7は、圧縮によって成形する代わりに、泥漿、MIM(Metal Injection Molding)、溶射等によって成形しても差し支えない。
また、「堆積、拡散、及び/又は溶着」とは、「堆積」、「拡散」、「溶着」、「堆積と拡散の2つの混合現象」、「堆積と溶着の2つの混合現象」、「拡散と溶着の2つの混合現象」、「堆積と拡散と溶着の3つの混合現象」のいずれも含む意である。
(II) 肉盛層形成工程
前記(I)薄膜形成工程が終了した後に、図1(c)に示すように、加工槽5内の油L中においてワーク1の被処理部3と電極7の先端面との間にパルス状の放電を更に発生させる。これにより、前記電極材料の消耗によって電極7の先端面にワーク1の被処理部3周縁の全部を囲むフランジ部11を形成しつつ、放電エネルギーによって薄膜9を成長させて、ワーク1の被処理部3に肉盛層13を形成することができる。なお、ワーク1の被処理部3周縁の全部を囲むフランジ部11を形成する代わりに、ワーク1の被処理部3周縁の大部分を囲むフランジ部を形成しても差し支えない。
また、肉盛層13とワーク1の母材との境界には、組成比が厚さ方向へ傾斜的に変化する融合部(融合層)15が生成されており、肉盛層13を形成する際に適正な放電条件を選択することによって、融合部15は、厚さが3μm以上かつ20μm以下になるように構成されている。なお、前記適正な放電条件は、ピーク電流が30A以下で、パルス幅が200μs以下であって、好ましくは、ピーク電流が20A以下で、パルス幅が20μs以下である。
ここで、融合部15の厚さが3μm以上かつ20μm以下になるようにしたのは、図2及び図3に示す試験結果に基づくものである。
即ち、放電条件を変えて、放電エネルギーによってワーク1の母材に肉盛層13を形成した場合に、融合部15の厚さと肉盛層13の密着強度との関係が図2のようになり、融合部15の厚さが3μm以上になると、肉盛層13の密着強度が高くなるという、新規な第1の知見を得ることができた。また、融合部15の厚さとワーク1の母材の変形との関係が図3に示すようになり、融合部15の厚さが20μm以下であると、ワーク1の母材の変形を抑えることできるという、新規な第2の知見を得ることができた。よって、新規な第1及び第2の知見から、ワーク1の母材の変形を抑えつつ、肉盛層13の密着強度を高めることができるように、融合部15の厚さが3μm以上かつ20μm以下になるようにした。
なお、図2及び図3における横軸は、融合部15の厚さを対数表示してあって、図2における縦軸は、肉盛層13の密着強度を無次元化して表示してあって、図3における縦軸は、ワーク1の母材の変形を無次元化して表示してある。
次に、第1の実施形態の作用及び効果について説明する。
肉盛層13の厚さが厚くなるに伴って、肉盛層13の内部には電流の流れによる大きな発熱が生じる。一方、ワーク1の被処理部3と電極7の先端面との間(この領域を放電領域という)にパルス状の放電を更に発生させると、電極7の材料の消耗によって電極7の先端面にワーク1の被処理部3周縁を囲むフランジ部11を形成することができるため、外側から前記放電領域に冷たい油Lが出入りすることを抑制することができる。
また、融合部15の厚さが3μm以上かつ20μm以下になるようにしたため、ワーク1の母材の変形を抑えつつ、肉盛層13の密着強度を高めることができる。
従って、肉盛層13の厚さが厚くなるに伴って、肉盛層13の内部に電流の流れによる大きな発熱が生じても、外側から前記放電領域に冷たい油Lが出入りすることを抑制することができるため、肉盛層13の形成の途中に、肉盛層13が急冷されることをなくなって、肉盛層13の周縁の剥離及び肉盛層13の内部の亀裂が生じ難くなり、ワーク1の被処理部3の表面処理不良がほとんどなくなる。
また、ワーク1の母材の変形を抑えつつ、肉盛層13の密着強度を高めることができるため、表面処理済みのワーク1の品質を安定させることができる。
第2の実施形態について図4から図6を参照して説明する。
ここで、図4(a)は、第2の実施形態に係わる修理方法の修理対象であるタービン動翼を示す図であって、図4(b)、図5(a)(b)、及び図6は、第2の実施形態に係わる修理方法を説明する図である。
図4(a)に示すように、第2の実施形態に係わる修理方法の修理対象であるタービン動翼17は、ジェットエンジン等のガスタービンエンジンに用いられるエンジン部品の一つであって、翼19と、翼19の基端側に一体に形成されかつ燃焼ガスの流路面21fを有したプラットホーム21と、このプラットホーム21に一体に形成されかつタービンディスクのダブテール溝(図示省略)に嵌合可能なダブテール23とを具備している。
ここで、翼19の先端部は、前記ガスタービンエンジンの稼動中においてエンジンケース等の静止部品との接触によって摩耗等の欠陥が生じ易く、翼19の先端部が被修理部になっている。
そして、第2の実施形態に係わる修理方法は、タービン動翼17における翼19の先端部(被修理部)を修理するための方法であって、次に示すような(i)欠陥除去工程と、(ii)薄膜形成工程と、(iii)肉盛層形成工程と、(iv)寸法仕上げ工程とを具備している。
(i) 欠陥除去工程
タービン動翼17を研削盤(研削盤の大部分を図示省略)の所定位置にセットする。そして、図2(b)に示すように、前記研削盤における砥石25を回転させつつ、研削加工によって翼19の先端部に生じた前記欠陥を除去する。
なお、研削加工によって前記欠陥を除去する代わりに、放電除去加工等によって前記欠陥を除去するようにしても差し支えない。
(ii) 薄膜形成工程
前記(i)欠陥除去工程が終了した後に、図3(a)に示すように、タービン動翼17を前記研削盤の所定位置から取り外して、放電加工機の加工槽27内の所定位置にセットする。そして、電極29を用い、加工槽27に貯留した油L中において、翼19における前記欠陥を除去した欠陥除去部31と電極29の先端面との間にパルス状の放電を発生させる。これにより、その放電エネルギーにより電極29の電極材料或いは該電極材料の反応物質を翼19の欠陥除去部31に堆積、拡散、及び/又は溶着させて、翼19の欠陥除去部31に薄膜33を形成することができる。なお、電極29は、第1の実施形態に係わる電極7と同様の構成を有している。
(iii) 肉盛層形成工程
前記(ii)薄膜層形成工程が終了した後に、図3(b)に示すように、加工槽27に貯留した油L中において翼19の欠陥除去部31と電極29の先端面との間にパルス状の放電を更に発生させる。これにより、前記電極材料の消耗によって電極29の先端面に翼19の欠陥除去部31周縁の全部を囲むフランジ部35を形成しつつ、放電エネルギーによって薄膜33を成長させて、翼19の欠陥除去部31に肉盛層37を形成することができる。なお、翼19の欠陥除去部31周縁の全部を囲むフランジ部35を形成する代わりに、翼19の欠陥除去部31周縁の大部分を囲むフランジ部を形成しても差し支えない。
また、肉盛層37と翼19の母材との境界には、組成比が厚さ方向へ傾斜的に変化する融合部(融合層)39が生成されており、肉盛層37を形成する際に適正な放電条件を選択することによって、融合部39は、厚さが3μm以上かつ20μm以下になるように構成されている。なお、前記適正な放電条件は、ピーク電流が30A以下で、パルス幅が200μs以下であって、好ましくは、ピーク電流が20A以下で、パルス幅が20μs以下である。
ここで、融合部39の厚さが3μm以上かつ20μm以下になるようにしたのは、第1の実施形態に係わる融合部15と同様に、図2及び図3に示す試験結果に基づくものである。
(iv) 寸法仕上げ工程
前記(iii)肉盛層形成工程が終了した後に、前記放電加工機の所定位置からタービン動翼17を取り外して、前記研削盤の所定位置にセットする。そして、図4に示すように、前記研削盤における砥石25を回転させつつ、研削加工によって肉盛層37の厚さが所定の厚さになるように肉盛層37の寸法仕上げを行う。
なお、研削加工によって寸法仕上げを行う代わりに、放電除去加工等によって前記欠陥を除去するようにしても差し支えない。
次に、第2の実施形態の作用及び効果について説明する。
肉盛層37の厚さが厚くなるに伴って、肉盛層37の内部には電流の流れによる大きな発熱が生じる。一方、翼19の欠陥除去部31と電極29の先端面との間(この領域を放電領域という)にパルス状の放電を更に発生させると、電極29の材料の消耗によって電極29の先端面に翼19の欠陥除去部31周縁を囲むフランジ部35を形成することができるため、外側から前記放電領域に冷たい油Lが出入りすることを抑制することができる。
また、融合部39の厚さが3μm以上かつ20μm以下になるようにしたため、翼19の母材の変形を抑えつつ、肉盛層37の密着強度を高めることができる。
従って、肉盛層37の厚さが厚くなるに伴って、肉盛層37の内部に電流の流れによる大きな発熱が生じても、外側から前記放電領域に冷たい油Lが出入りすることを抑制することができるため、肉盛層37の形成の途中に、肉盛層37が急冷されることをなくなって、肉盛層37の周縁の剥離及び肉盛層37の内部の亀裂が生じ難くなり、タービン動翼17の修理不良がほとんどなくなる。
また、翼19の母材の変形を抑えつつ、肉盛層37の密着強度を高めることができるため、修理済みのタービン動翼17の品質を安定させることができる。
なお、本発明は、前述の実施形態の説明に限るものではなく、適宜の変更を行うことにより、その他、種々の態様で実施可能である。
図1(a)は、第1の実施形態に係わるワークを示す図であって、図1(b)(c)は、第1の実施の形態に係わる表面処理方法を説明する図である。 放電エネルギーによって金属の母材に肉盛層を形成した場合における、融合部の厚さと肉盛層の密着強度との関係を示す図である。 放電エネルギーによって金属の母材に肉盛層を形成した場合における、融合部の厚さと母材の変形との関係を示す図である。 図4(a)は、第2の実施形態に係わる修理方法の修理対象であるタービン動翼を示す図であって、図4(b)は、第2の実施形態に係わる修理方法を説明する図である。 図5(a)(b)は、第2の実施形態に係わる修理方法を説明する図である。 第2の実施形態に係わる修理方法を説明する図である。 本発明の課題を説明するための図である。
符号の説明
1 ワーク
3 被処理部
5 加工槽
7 電極
9 薄膜
11 フランジ部
13 肉盛層
15 融合部
17 タービン動翼
25 砥石
27 加工槽
29 電極
31 欠陥除去部
33 薄膜
35 フランジ部
37 肉盛層
39 融合部

Claims (3)

  1. 放電エネルギーを利用して、ワークの被処理部に対して表面処理を行うための表面処理方法において、
    金属を主成分とする粉末から成形した成形体、若しくは加熱処理した前記成形体により構成される電極を用い、油中において前記ワークの前記被処理部と前記電極の先端面との間にパルス状の放電を発生させることにより、その放電エネルギーによって前記ワークの前記被処理部に前記電極の材料又は該材料の反応物質を堆積、拡散、及び/又は溶着させて、前記ワークの前記被処理部に薄膜を形成する薄膜形成工程と;
    前記薄膜形成工程が終了した後に、油中において前記ワークの前記被処理部と前記電極の先端面との間にパルス状の放電を更に発生させることにより、前記電極の材料の消耗によって前記電極の先端面に前記ワークの前記被処理部周縁を囲むフランジ部を形成しつつ、放電エネルギーによって前記薄膜を成長させて、前記ワークの前記被処理部に肉盛層を形成する肉盛層形成工程と;
    を具備してなることを特徴とする放電表面処理方法。
  2. 金属部品の被修理部を修理するための修理方法において、
    前記金属部品の前記被修理部に生じた欠陥を除去する欠陥除去工程と;
    前記欠陥除去工程が終了した後に、金属を主成分とする粉末から成形した成形体、若しくは加熱処理した前記成形体により構成される電極を用い、油中において前記金属部品の前記欠陥を除去した欠陥除去部と前記電極の先端面との間にパルス状の放電を発生させることにより、その放電エネルギーによって前記金属部品の前記欠陥除去部に前記電極の材料又は該材料の反応物質を堆積、拡散、及び/又は溶着させて、前記金属部品の前記欠陥除去部に薄膜を形成する薄膜形成工程と;
    前記薄膜形成工程が終了した後に、油中において前記金属部品の前記欠陥除去部と前記電極の先端面との間にパルス状の放電を更に発生させることにより、前記電極の材料の消耗によって前記電極の先端面に前記金属部品の前記欠陥除去部周縁を囲むフランジ部を形成しつつ、放電エネルギーによって前記薄膜を成長させて、前記金属部品の前記欠陥除去部に肉盛層を形成する肉盛層形成工程と;
    前記肉盛層形成工程が終了した後に、前記肉盛層の厚さが所定の厚さになるように前記肉盛層の寸法仕上げを行う寸法仕上げ工程と;
    を具備してなることを特徴とする修理方法。
  3. 前記金属部品は、ガスタービンエンジンのエンジン部品であることを特徴とする請求項2に記載の修理方法。
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