JP2006246837A - 単子葉並びに双子葉植物に維管束特異的発現をもたらすd型サイクリン遺伝子プロモーター - Google Patents
単子葉並びに双子葉植物に維管束特異的発現をもたらすd型サイクリン遺伝子プロモーター Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006246837A JP2006246837A JP2005070746A JP2005070746A JP2006246837A JP 2006246837 A JP2006246837 A JP 2006246837A JP 2005070746 A JP2005070746 A JP 2005070746A JP 2005070746 A JP2005070746 A JP 2005070746A JP 2006246837 A JP2006246837 A JP 2006246837A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gene
- plant
- vascular bundle
- promoter
- dna
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Abstract
【解決手段】3つの開示された塩基配列、その1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列からなるDNA、もしくは3つの開示された塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ目的遺伝子を維管束で特異的に発現させるプロモーター活性を有するDNAを含む、維管束特異的プロモーター。
【選択図】なし
Description
(1) 以下の(a)、(b)、(c)又は(d)のDNAを含む、維管束特異的プロモーター。
(a) 配列番号1乃至3いずれか1に示す塩基配列からなるDNA。
(b) 配列番号1乃至3いずれか1に示す塩基配列において1若しくは複数の塩基が置換、欠失又は付加された塩基配列からなり、かつ目的遺伝子を維管束で特異的に発現させるプロモーター活性を有するDNA。
(c) 配列番号1乃至3いずれか1に示す塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ目的遺伝子を維管束で特異的に発現させるプロモーター活性を有するDNA。
(d) 配列番号1乃至3いずれか1に示す塩基配列の一部の塩基配列からなり、かつ目的遺伝子を維管束で特異的に発現させるプロモーター活性を有するDNA。
(3) (1)又は(2)記載の維管束特異的プロモーターを含む組換えベクター。
(5) (3)又は(4)記載の組換えベクターを有する形質転換体。
本発明に係る維管束特異的プロモーターは、以下の(a)、(b)又は(c)のDNAを含んでいる。
(a) 配列番号1乃至3いずれか1に示す塩基配列からなるDNA
(b) 配列番号1乃至3いずれか1に示す塩基配列において1若しくは複数の塩基が置換、欠失又は付加された塩基配列からなり、かつ目的遺伝子を維管束で特異的に発現させるプロモーター活性を有するDNA
(c) 配列番号1乃至3いずれか1に示す塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ目的遺伝子を維管束で特異的に発現させるプロモーター活性を有するDNA
〔実施例1〕イネD型サイクリン遺伝子プロモーター配列の単離および形質転換用ベクターへの導入
(1)プロモーターの単離
OsCycD遺伝子のATG開始コドン(+1)から2.4kbの5’上流域〔0.2kbの5’-UTRを含む〕のDNA断片を以下のようにして単離した。
以上のイネ遺伝子プロモーター配列のクローニング手順を図1に示す。
上記のプロモーター配列をイネに導入するために、植物形質転換用バイナリーTiプラスミドベクターpSMAK193-GUSおよびpSMAHdN627-M2GUSを用いた。図1に示すように、pSMAK193-GUSにはT-DNA上に植物用選抜マーカー遺伝子として、アグロバクテリウムTiプラスミド由来nos(ノパリン合成酵素)遺伝子プロモーター(以下Pnos)::大腸菌由来カナマイシン耐性遺伝子のコード領域(nptII)::Tiプラスミド由来nosターミネーター(Tnos)を配置し、形質転換された植物体がカナマイシン耐性を示すようになっている。同じく図1に示したpSMAHdN627-M2GUSのT-DNA上には植物用選抜マーカー遺伝子として、Pnos::大腸菌由来ハイグロマシン耐性遺伝子のコード領域(hpt)::Tiプラスミド由来iaaM(トリプトファンモノオキシゲナーゼ)遺伝子ターミネーター(TiaaM)を配置し、形質転換された植物体がハイグロマイシンBに耐性を示すようになっている。また、それぞれのベクターの選抜マーカー遺伝子の隣接部位にはプロモーター解析用のベータ・グルクロニダーゼ(GUS)遺伝子を以下のように配置した。pSMAK193-GUSでは、GUS遺伝子のコード領域::リブロース1,5-二リン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ小サブユニット(RbcS)遺伝子のターミネーター(TRbcS)から構成されるキメラ遺伝子を配置し、GUS遺伝子の5’上流側にプロモーター配列を挿入できるようにマルチクローニング部位を設けた。pSMAHdN627-M2GUSでは、GUS遺伝子のコード領域::nosターミネーターから構成されるキメラ遺伝子を配置し、GUS遺伝子の5’上流側にプロモーター配列を挿入できるようにマルチクローニング部位を設けた。また、いずれのベクターにおいてもleft border(LB)配列とright border(RB)の配列の外側には、微生物細胞で機能し得るスペクチノマイシン耐性(SpR)遺伝子、大腸菌で機能するpBR322由来(ColE1型)複製開始領域、アグロバクテリウムにおいて機能する複製開始領域rep、およびプラスミドの安定保持に関与するsta配列を設けた。
図1に示すように、プロモーター配列をクローニングしたpSMAK193-OsCYCD GUSベクターを、XbaIとPmeI、SpeIとPmeI、およびBglIIとPmeIの3通りの制限酵素の組み合わせで二重消化した。得られた3種類のDNA断片、すなわちOsCycDプロモーター(2453 bp、配列番号1)::GUS::TRbcS、OsCycDプロモーター(1831 bp、配列番号2)::GUS::TRbcS、およびOsCycDプロモーター(953 bp、配列番号3)::GUS::TrbcS断片を、それぞれXbaIとPmeI、XbaIとPmeI、およびBglIIとPmeIの組み合わせで二重消化したpSMAHdN627-M2GUSベクターに組み込み、同ベクター上のGUS::Tnos断片と置き換えた。これらをpSMAHdN732XP-OsCYCDGUS、pSMAHdN732SP-OsCYCDGUS、pSMAHdN732BP-OsCYCDGUSと命名し、バイオラッド社のE. coliパルサーを用いたエレクトロポレーション(0.2 cmキュベット、パルス条件:2.4 kV/cm、25 μF、200 Ω)により、アグロバクテリウムEHA105系統に導入した。
イネの形質転換
イネの形質転換は超迅速形質転換法〔WO 01/06844 A1 (2001)参照〕に準じて行った。イネ(品種:日本晴)種子を、70 %エタノール、続いて次亜塩素酸ナトリウムで殺菌し、滅菌蒸留水ですすいで水を切った後、胚が上向きになるようN6D寒天培地〔N6 塩類およびビタミン〔Sci. Sinica, 18, 659-668 (1975)〕、30g/Lショ糖、0.3g/Lカザミノ酸、2.8g/Lプロリン、2mg/L 2,4-D、4g/Lゲルライト、pH5.7〕に置床し、30℃かつ明条件下で5日間培養した。
シロイヌナズナの形質転換はin planta(floral dip)法によりおこなった〔Plant J., 16, 735-743 (1998)〕。pSMAHdN732XP-OsCYCDGUSおよびpSMAHdN732BP-OsCYCDGUSを保持するアグロバクテリウム2系統を、それぞれ25mg/Lリファンピシン、および100mg/Lスペクチノマイシンを含むLB液体培地にて28℃で一晩培養し、菌体を集め、5%ショ糖、0.025% SILWET L-77溶液に再懸濁させ、シロイヌナズナ(エコタイプ: Columbia)の開花前の鉢植え植物の花序を浸した。この植物(T0世代と呼称)より得られたT1後代種子を選択培地〔MS 無機塩類(前掲) およびB5ビタミン〔Exp. Cell Res., 50, 151-158 (1968)〕、 20g/Lショ糖、25mg/Lハイグロマイシン、9g/L寒天、0.5g/L MES(2-(N-morpholino)ethanesulfonic acid)、pH 5.7〕に播種し、ハイグロマイシン耐性を有する植物体を得た。
タバコの形質転換はHorschら(1985)によるリーフディスク法〔Science, 227, 1229-1231 (1985)〕に基づいて行った。約1ヶ月齢のタバコ(Nicotiana tabacum cv. SR1)の葉から切り出したリーフディスクを、カルス/シュート誘導培地〔0.1mg/L IAA、1mg/L BA、MS 無機塩類(前掲)およびB5ビタミン(前掲)、 30 g/Lショ糖、50 mg/Lカナマイシン、8 g/L 寒天、0.5 g/L MES、pH 5.7〕上で2日培養し、pSMAK193-OsCYCD GUSを保持するアグロバクテリウムEHA105菌液(シロイヌナズナの場合と同様に培養し、1%ショ糖、0.02% SILWET L-77に再懸濁)に浸し、更に2日間培養した後、50mg/Lカナマイシンを含むカルス/シュート誘導培地に移し、2〜4週間培養して再分化させた。
イネ、シロイヌナズナおよびタバコに導入したOsCycD遺伝子プロモーターの活性を観察するため、GUS酵素活性の組織化学的染色を実施した。実験に用いた植物器官・組織材料のうち、花器官および根については植物体から組織片として切り取り、カルス(培養細胞)の場合はカルス塊から一部を切り出し、そのままGUS活性測定用の反応液〔50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)、1 mM 5-bromo-4-chloro-3-indolyl-β-D-glucuronide(X-Gluc)、5%(v/v)メタノール、10mg/Lシクロヘキシミド、1mMジチオスレイトール〕に浸漬し減圧吸引した後、37℃で穏やかに振盪しながら24時間置いた。その後、100%エタノールで反応液を置換して反応を停止し、さらに緑色組織の細胞より葉緑素が除去されるまで100%エタノールを交換しながら振盪した。
イネの各種分裂組織におけるOsCycD遺伝子の転写産物の検出は、農業生物資源研究所発行の「In situ ハイブリダイゼーション2004」に従って実施した。
Claims (7)
- 以下の(a)、(b)又は(c)に示す、プロモーターとして機能しうるDNA。
(a)配列番号1乃至3いずれか1に示す塩基配列からなるDNA
(b)配列番号1乃至3いずれか1に示す塩基配列において、1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列からなり、かつ目的遺伝子を維管束で特異的に発現させるプロモーター活性を有するDNA
(c)配列番号1乃至3いずれか1に示す塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ目的遺伝子を維管束で特異的に発現させるプロモーター活性を有するDNA - 単子葉植物内におけるラミナジョイント維管束系にも発現誘導活性を示すことを特徴とする請求項1記載の維管束特異的プロモーター。
- 請求項1又は2記載の維管束特異的プロモーターを含む組換えベクター。
- さらに外来遺伝子又は外来DNA断片を含むことを特徴とする請求項3記載の組換えベクター。
- 請求項3又は4記載の組換えベクターを有する形質転換体。
- 請求項1又は2記載の維管束特異的プロモーターと、当該維管束特異的プロモーターによって発現制御される位置に配された遺伝子とを植物宿主細胞に導入する工程と、上記維管束特異的プロモーターおよび上記遺伝子を導入した植物宿主細胞から植物体を育成する工程とを含み、上記植物体における維管束に特異的に上記遺伝子を発現させる、遺伝子発現調節方法。
- 上記植物体が単子葉植物であり、上記遺伝子をラミナジョイント維管束系において発現させることを特徴とする請求項6記載の遺伝子発現調節方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005070746A JP2006246837A (ja) | 2005-03-14 | 2005-03-14 | 単子葉並びに双子葉植物に維管束特異的発現をもたらすd型サイクリン遺伝子プロモーター |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005070746A JP2006246837A (ja) | 2005-03-14 | 2005-03-14 | 単子葉並びに双子葉植物に維管束特異的発現をもたらすd型サイクリン遺伝子プロモーター |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006246837A true JP2006246837A (ja) | 2006-09-21 |
Family
ID=37087945
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005070746A Pending JP2006246837A (ja) | 2005-03-14 | 2005-03-14 | 単子葉並びに双子葉植物に維管束特異的発現をもたらすd型サイクリン遺伝子プロモーター |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006246837A (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004048595A2 (en) * | 2002-11-22 | 2004-06-10 | Arborgen, Llc | Vascular-preferred promoters |
-
2005
- 2005-03-14 JP JP2005070746A patent/JP2006246837A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004048595A2 (en) * | 2002-11-22 | 2004-06-10 | Arborgen, Llc | Vascular-preferred promoters |
Non-Patent Citations (7)
Title |
---|
JPN6010057525; Nucleic Acids Res. Vol.19, No.7, 1991, p.1571-1576 * |
JPN6010057526; Plant Biotechnol. Vol.21, No.4, 200407, p.289-293 * |
JPN6010057527; Physiologia Plantarum Vol.110, 2000, p.127-134 * |
JPN6010057529; Plant Cell Physiol. Vol.46, No.1, 200501, p.166-173 * |
JPN6010057531; 滋賀県農業総合センター農業試験場研究報告 第42巻, 200203, p.17-28 * |
JPN6011055207; Planta Vol.208, 1999, p.453-462 * |
JPN6011055208; Plant Physiol. Vol.132, 2003, p.1315-1321 * |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5837876A (en) | Root cortex specific gene promoter | |
US9145563B2 (en) | Transgenic plant having increased biomass and improved environmental stress resistance, and process for production thereof | |
JP5828302B2 (ja) | サトウキビ花成制御技術 | |
AU1651800A (en) | Promoters for gene expression in the roots of plants | |
CA2404471C (en) | A construct capable of release in closed circular form from a larger nucleotide sequence permitting site specific expression and/or developmentally regulated expression of selected genetic sequences | |
JP4452823B2 (ja) | カルス及び種子胚特異的発現活性を有するプロモーター | |
Kudo et al. | TRANSFORMATION OF CHRYSANTHEMUM (DENDRANTHEMA GRANDI-FLORUM (RAMAT.) KITAMURA) VIA AGROBACTERIUM TUMEFACIENS | |
JP4474540B2 (ja) | シュート維管束特異的発現プロモーター | |
JP2004528854A (ja) | 新規構成的植物プロモーター | |
JP4919305B2 (ja) | 葉特異的発現活性を有するプロモーター | |
JP4505626B2 (ja) | 花粉特異的発現活性を有するプロモーター | |
JP4474542B2 (ja) | 構成的発現プロモーター | |
JP4474541B2 (ja) | 維管束特異的発現プロモーター | |
JP4505627B2 (ja) | 緑色組織特異的発現活性を有するプロモーター | |
KR101677067B1 (ko) | 벼 유래 종자 특이적 프로모터 및 이의 용도 | |
WO2011074553A1 (ja) | 植物の生育促進およびバイオマス量の増加に関与する遺伝子ならびにその利用方法 | |
JP4505628B2 (ja) | 葉特異的発現活性を有するプロモーター | |
JP2006246837A (ja) | 単子葉並びに双子葉植物に維管束特異的発現をもたらすd型サイクリン遺伝子プロモーター | |
KR101383376B1 (ko) | 벼 유래 OsTCP6 프로모터 및 이의 용도 | |
KR101825960B1 (ko) | 벼 유래 뿌리 특이적 프로모터 및 이의 용도 | |
KR101437613B1 (ko) | 벼 유래 프로모터 및 이의 이용 | |
US20110055977A1 (en) | Enhancement of Reproductive Heat Tolerance in Plants | |
JP2022117105A (ja) | 核酸を植物細胞のゲノムへ導入する方法 | |
CA2808845A1 (en) | Promoters and methods for transforming tubers and transformed tubers | |
Sriprasertsak et al. | Function of the promoter of PSPAL2, a pea defensive gene encoding phenylalanine ammonia-lyase |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080204 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20101005 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20111025 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120703 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20121106 |