JP2006246304A - 増幅回路制御装置、増幅回路制御方法、及び無線通信装置 - Google Patents

増幅回路制御装置、増幅回路制御方法、及び無線通信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】反射波が発生しても、アイソレータを用いずに、増幅回路の不安定動作や電力制御による歪み特性の劣化を防ぎ、電力消費を削減できる増幅回路制御装置の提供。
【解決手段】増幅回路107の反射波の電力と前記反射波に対する予め定められた反射波閾値電力とを比較する反射波電力比較手段304と、反射波電力比較手段304での比較の結果、反射波の電力が反射波閾値電力より大きい場合に、反射波の電力の大きさに応じて増幅回路107の出力電力を減少させる電力減少手段306と、反射波電力比較手段304での比較の結果、反射波の電力が反射波閾値電力より小さい場合に、増幅回路107が出力すべき電力と同じになるように増幅回路107の出力電力を制御する電力制御手段307とを備え、電力減少手段306と電力制御手段307とにより、反射波の増幅回路107への影響を抑えることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、携帯電話機などに用いられる増幅回路制御装置、増幅回路制御方法、及び無線通信装置に関する。
図15は、携帯電話機などの、従来の無線通信装置の増幅回路制御装置を示す構成図である。
図15において、ベースバンド回路1501で作成されたデータ信号S1はミキサ1502に入力され、ミキサ1502では、局部発信器1503で発生されたキャリア信号S2をデータ信号S1で変調して増幅回路モジュール1504に変調信号S3を入力する。
増幅回路モジュール1504は、変調信号S3を、制御部1505から出力される制御信号S4によって制御される利得で増幅して変調信号S5を出力するドライバアンプ1506と、変調信号S5を所定利得で増幅して変調信号S6を出力するパワーアンプ1507と、変調信号S6の出力電力値S7を検出して制御部1505に出力すると共に、変調信号S8を伝送路1508に設けられたアンテナ共用器1509に出力する送信電力検出部1510と、変調信号S8の電力値を設定する設定送信電力値S9が入力されると共に、設定送信電力値S9と出力電力値S7に基づいて制御信号S4を制御する制御部1505とで構成される。
変調信号S8は、アンテナ共用器1509を介してアンテナ1511から基地局などに送信される。
ところで、無線通信装置は、一般に、基地局などとの間の距離に応じて、増幅回路モジュール1504から出力される変調信号8の電力を変化させる必要がある。例えば、無線通信装置が基地局から遠い距離にある場合は、電力値の大きな変調信号8を送信しないと基地局では品質を確保した適切な受信や復調が行えない。逆に、無線通信装置が基地局から近い距離にある場合は、変調信号8がそれほど大きな電力値を持たなくても、基地局では十分な受信や復調が行える。このようにして、無線通信装置は、基地局などとの距離に応じて送信される変調信号8の電力値を変化させることによって、受信側での受信信号の品質を高める必要がある。
上記のように構成された従来の増幅回路制御装置は、パワーアンプ1507は所定の利得を有するので、設定送信電力値S9と出力電力値S7との差に応じて出力される制御信号S4によってドライバアンプ1506の利得を制御すれば、パワーアンプ1507の出力電力値S7を設定電力値S9に一致させることができる。
すなわち、無線通信装置と基地局との間の距離に応じて設定送信電力値S9を変化させることにより、設定送信電力値S9で設定された電力値を有する変調信号S8をアンテナ1511から送信することができ、受信側での受信品質を高めることができる。
図16は、一般的なパワーアンプ1507の入力電力と出力電力の関係を示す特性図であって、入力電力がPi0以下の場合は、出力電力がPo0になるまで、入力電力と出力電力の関係は線形領域にある。したがって、入力電力がPi0の値になるまで、すなわち出力電力がPo0になるまでは、このパワーアンプ1507の入出力特性に従って出力電力が得られるが、電力値Pi0を超えた入力電力がパワーアンプ1507に入力された場合は、この線形領域にある入出力特性に沿った出力電力は得られない。
したがって、無線通信装置に用いられる、図15に示す従来の増幅回路制御装置の制御部1505では、設定送信電力値S9が上記のようなパワーアンプ1507の特性で決まる出力電力値Po0より大きな電力値が設定されないかをまず判定し、出力電力値Po0より大きな電力値が設定された場合には、出力電力値S7が設定送信電力値S9に一致するようにその差に基づいて制御部1505は制御信号S4をドライバアンプ1506に出力し、ドライバアンプ1506は制御信号S4に応じてその利得を変化させてパワーアンプ1507へ入力する変調信号S5を変化させていた。
このように、従来の増幅回路制御装置の制御部1505では、設定送信電力値S9がパワーアンプ1507の特性で決まる値Po0より小さければ、パワーアンプ1507の線形領域の特性を利用して出力電力値S7が設定送信電力値S9に一致するように、制御部1505は制御信号S4をドライバアンプ1506に出力し、設定送信電力値S9が値Po0より大きければ、制御部1505は制御信号S4を制御してドライバアンプ1506の利得を微少量だけ変化させてパワーアンプ1507への入力電力値を微少量変化させ、最終的にパワーアンプ1507の出力電力値S7を設定電力値S9に一致させることによって、常に設定電力値S9に合った品質の高い送信信号を出力できるようにしていた。
ところで、このような無線通信装置は、一般にアンテナは周りに何も無い自由空間に設置される場合を想定して設計されており、アンテナの特性インピーダンスも自由空間を前提に例えば50Ωになるように設計される。
しかしながら、このような無線通信装置が、車や金属机などの金属体の近くで使用された場合、アンテナ1511の特性インピーダンスが変化し、アンテナ1511で反射が生じる。例えば、図15に示す構成の増幅回路制御装置では、50Ωの特性インピーダンスを有するアンテナ1511は、金属体の近傍で使用することにより、その特性インピーダンスは30Ωに低下し、送信電力検出部1510から出力される変調信号S8の送信電力は全てが空中線電力には変換されず、一部の送信電力がアンテナ1511で反射され、反射電力となって伝送路1508を逆方向に伝送される。
反射電力が発生すると、インピーダンス変化はアンテナ共用器1509と送信電力検出部1510を超えて、パワーアンプ1507の出力端においても発生し、反射電力もアンテナ共用器1509と送信電力検出部1510を超えて伝わり、パワーアンプ1507に入力する。
これらインピーダンス変化と反射電力の入力により、パワーアンプ1507の動作が不安定になり、更に、極端な歪み特性の劣化や極端な増幅利得の低下が発生する。
図17は、一般的なパワーアンプの入力電力と、歪み特性の一つである隣接チャンネル漏洩電力(ACLR)との関係を示す図である。ACLRが大きいことは歪み特性の劣化を意味し、図17に示すように、入力電力が大きくなるとACLRも大きくなり、パワーアンプの歪特性が劣化する。
図15の従来の無線通信装置の増幅回路制御装置で、アンテナ1511においてインピーダンスが変化しそれに起因して反射電力が発生すると、上記の通りパワーアンプ1507で増幅利得の低下が発生する場合がある。この場合でかつ、設定送信電力値S9がパワーアンプ1507の特性で決まる電力Po0以上の場合、制御部1505は、パワーアンプ1507の出力電力値S7が設定送信電力値S9と一致する様に、パワーアンプ1507の入力である変調信号S5の入力電力値を増大させることになり、図17に示すようにパワーアンプ1507のACLRが大きくなる。
この様に、図15に示す従来の無線通信装置の増幅回路制御装置では、アンテナインピーダンスの変化が起こると、パワーアンプ1507の歪み特性と制御部1505での制御の相互作用で、更に歪み特性を劣化させることが生じる。
図18は、図15の増幅回路制御装置にアイソレータを追加することにより、インピーダンス特性の変化や反射電力による歪み特性劣化を防止した従来の増幅回路制御装置を示す構成図である。
図18において、図15と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図18において、アイソレータ1512は、送信電力検出部1510とアンテナ共用器1509の間の伝送路1508上に設けられており、送信電力検出部1510から変調信号S8の入力を受けて、入力された変調信号S8をアンテナ共用器1509へ出力する。
このような構成において、この無線通信装置を金属机などの上で使用して、アンテナ1511でインピーダンスの変化が発生し、更に反射電力が発生した場合、アイソレータ1512はインピーダンス変化を解消し更に反射電力の除去を行う。
従って、増幅回路モジュール1504のパワーアンプ1507の出力端においては、インピーダンスの変化は無く、更に、反射電力の入射も受けない。よって、パワーアンプ1507におけるインピーダンス変化または反射電力入射による歪み特性劣化と増幅利得の低下を防ぐことが出来る。
また、アイソレータを用いず、アンテナのインピーダンス変化に起因する増幅回路の歪み特性劣化を防ぐ方法として、アンテナでの反射電力を検出して、反射電力が大きくなると、増幅回路モジュールの電源電圧を大きくして、歪み特性を劣化させない増幅装置が提案されている(特許文献1参照)。
特開2003−338714号公報
以上の様に、図15に示す従来の無線通信装置の増幅回路制御装置においては、アンテナインピーダンスの変化が生じると、パワーアンプ1507の歪み特性と制御部1505による制御の相互作用で、更にパワーアンプ1507歪み特性を劣化させる問題がある。
また、アイソレータを用いてパワーアンプ1507の歪み特性を防ぐ、図18に示すような無線通信装置の増幅回路制御装置においては、一般に、アイソレータは、設置面積と体積が大きく、高価で、電力損失が比較的大きい問題がある。
ところで、携帯電話等の無線通信装置において、基地局から遠いために送信電力を大きくして通信品質を確保しようとする場合、すなわち、図15に示す増幅回路制御装置において、設定送信電力値S9が大きい場合に、アンテナ1511でインピーダンス変化による送信電力の反射が起き、反射電力が大きい場合は、パワーアンプ1507からいくら大きな電力を出力しても通信品質確保に必要な十分な空中線電力がアンテナ1511から放射されない場合がある。
実際に、アンテナ1511の電圧定在波比(VSWR)を測定すると、最悪の場合として、元のVSWR=1.5からVSWR=8程度まで劣化する場合があった。VSWR=8を反射係数に換算すると約0.78であり、これはアンテナ1511で78%の電力が反射されることを意味する。
このような状況の下では、特許文献1に記載の反射波の影響を防止した増幅回路制御装置では、反射電力が大きいために通信品質が確保できる空中線電力をアンテナから放出できない状況であるにもかかわらず、反射電力が大きくなるにしたがって増幅回路モジュールの電源電圧を大きくするので、無駄に大きな電力を消費することになる。このような無駄な消費電力の増大は、特に電池を電源とする無線通信装置では大きな問題である。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたもので、反射波が発生しても、増幅回路を構成するパワーアンプの歪み特性と電力制御の相互作用による歪み特性の劣化を回避し、アイソレータを用いず、通信品質が確保できない場合の不要な消費電力をも低減することのできる増幅回路制御装置を提供することを目的とするものである。
本発明の増幅回路制御装置は、増幅手段の反射波の電力と反射波に対する予め定められた反射波閾値電力とを比較する反射波電力比較手段と、反射波電力比較手段での比較の結果、反射波の電力が反射波閾値電力より大きい場合に、反射波の電力の大きさに応じて増幅手段の出力電力を減少させる電力減少手段と、反射波電力比較手段での比較の結果、反射波の電力が反射波閾値電力より小さい場合に、増幅手段が出力すべき電力と同じになるように増幅手段の出力電力を制御する電力制御手段とを備えた構成を有する。
この構成により、反射波の電力が反射波閾値電力より大きい場合に、反射波の電力の大きさに応じて増幅手段の出力電力を減少させ、反射波の電力が反射波閾値電力より小さい場合に、増幅手段が出力すべき電力と同じになるように増幅手段の出力電力を制御する。
さらに、本発明の増幅回路制御装置は、増幅手段の反射波の電力と増幅手段の出力電力とを加算して加算電力を出力する電力加算手段と、増幅手段の出力電力と増幅手段が出力すべき電力とを比較する出力電力比較手段と、出力電力比較手段での比較の結果、増幅手段の出力電力が増幅手段が出力すべき電力より大きい場合に、加算電力が増幅手段が出力すべき電力と同じになるように増幅手段の出力電力を制御する電力制御手段とを備えた構成を有する。
この構成により、増幅手段の出力電力が増幅手段が出力すべき電力より大きい場合に、増幅手段の反射波の電力と増幅手段の出力電力とを加算した加算電力が、増幅手段が出力すべき電力と同じになるように増幅手段の出力電力を制御する。
また、本発明の増幅回路制御装置は、電力加算手段が、増幅手段の反射波の電力の所定倍数と増幅手段の出力電力とを加算して加算電力を出力する構成を有する。
この構成により、増幅手段の出力電力が増幅手段が出力すべき電力より大きい場合に、増幅手段の反射波の電力を所定倍数した値と増幅手段の出力電力との加算電力が、増幅手段が出力すべき電力と同じになるように増幅手段の出力電力を制御する。
また、本発明の増幅回路制御装置は、所定倍数が、予め定められた複数の倍数のうちから選択される構成を有する。
この構成により、予め定められた複数の倍数のうちから所定の倍数が選択され、増幅手段の出力電力が増幅手段が出力すべき電力より大きい場合に、増幅手段の反射波の電力を上記選択された所定倍数した値と増幅手段の出力電力との加算電力が、増幅手段が出力すべき電力と同じになるように増幅手段の出力電力を制御する。
さらに、本発明の増幅回路制御方法は、増幅手段の反射波の電力と反射波に対する予め定められた反射波閾値電力とを比較する反射波電力比較手順と、反射波電力比較手順での比較の結果、反射波の電力が反射波閾値電力より大きい場合に、反射波の電力の大きさに応じて増幅手段の出力電力を減少させる電力減少手順と、反射波電力比較手順での比較の結果、反射波の電力が反射波閾値電力より小さい場合に、増幅手段が出力すべき電力と同じになるように増幅手段の出力電力を制御する電力制御手順とを備えた構成を有する。
この構成により、反射波の電力が反射波閾値電力より大きい場合に、反射波の電力の大きさに応じて増幅手段の出力電力を減少させ、反射波の電力が反射波閾値電力より小さい場合に、増幅手段が出力すべき電力と同じになるように増幅手段の出力電力を制御する。
さらに、本発明の増幅回路制御方法は、増幅手段の反射波の電力と増幅手段の出力電力とを加算して加算電力を出力する電力加算手順と、増幅手段の出力電力と増幅手段が出力すべき電力とを比較する出力電力比較手順と、出力電力比較手順での比較の結果、増幅手段の出力電力が増幅手段が出力すべき電力より大きい場合に、加算電力が増幅手段が出力すべき電力と同じになるように増幅手段の出力電力を制御する電力制御手順とを備えた構成を有する。
この構成により、増幅手段の出力電力が増幅手段が出力すべき電力より大きい場合に、増幅手段の反射波の電力と増幅手段の出力電力とを加算した加算電力が、増幅手段が出力すべき電力と同じになるように増幅手段の出力電力を制御する。
さらに、本発明の無線通信装置は、データ信号を有する送信信号を発生する送信信号発生手段と、送信信号発生手段で発生した送信信号を増幅する増幅手段と、増幅手段で増幅された送信信号を外部へ出力する送信信号出力手段と、増幅手段への反射波の電力と反射波に対する予め定められた反射波閾値電力とを比較する反射波電力比較手段と、反射波電力比較手段での比較の結果、反射波の電力が反射波閾値電力より大きい場合に、反射波の電力の大きさに応じて増幅手段の出力電力を減少させる電力減少手段と、反射波電力比較手段での比較の結果、反射波の電力が反射波閾値電力より小さい場合に、増幅手段が出力すべき電力と同じになるように増幅手段の出力電力を制御する電力制御手段とを備えた構成を有する。
この構成により、反射波の電力が反射波閾値電力より大きい場合に、反射波の電力の大きさに応じて増幅手段の出力電力を減少させ、反射波の電力が反射波閾値電力より小さい場合に、増幅手段が出力すべき電力と同じになるように増幅手段の出力電力を制御する。
さらに、本発明の無線通信装置は、データ信号を有する送信信号を発生する送信信号発生手段と、送信信号発生手段で発生した送信信号を増幅する増幅手段と、増幅手段で増幅された送信信号を外部へ出力する送信信号出力手段と、増幅手段の反射波の電力と増幅手段の出力電力とを加算して加算電力を出力する電力加算手段と、増幅手段の出力電力と増幅手段が出力すべき電力とを比較する出力電力比較手段と、出力電力比較手段での比較の結果、増幅手段の出力電力が増幅手段が出力すべき電力より大きい場合に、加算電力が増幅手段が出力すべき電力と同じになるように増幅手段の出力電力を制御する電力制御手段とを備えた構成を有する。
この構成により、増幅手段の出力電力が増幅手段が出力すべき電力より大きい場合に、増幅手段の反射波の電力と増幅手段の出力電力とを加算した加算電力が、増幅手段が出力すべき電力と同じになるように増幅手段の出力電力を制御する。
本発明の増幅回路制御装置は、増幅手段の反射波の電力と反射波に対する予め定められた反射波閾値電力とを比較する反射波電力比較手段と、反射波電力比較手段での比較の結果、反射波の電力が反射波閾値電力より大きい場合に、反射波の電力の大きさに応じて増幅手段の出力電力を減少させる電力減少手段と、反射波電力比較手段での比較の結果、反射波の電力が反射波閾値電力より小さい場合に、増幅手段が出力すべき電力と同じになるように増幅手段の出力電力を制御する電力制御手段とを備えることにより、反射波が発生しても、アイソレータを用いなくても、増幅手段の歪み特性の低下や電力制御の相互作用による歪み特性の劣化を防止でき、さらに、不要な電力消費を削減することが出来る。
また、本発明の増幅回路制御装置は、増幅手段の反射波の電力と増幅手段の出力電力とを加算して加算電力を出力する電力加算手段と、増幅手段の出力電力と増幅手段が出力すべき電力とを比較する出力電力比較手段と、出力電力比較手段での比較の結果、増幅手段の出力電力が増幅手段が出力すべき電力より大きい場合に、加算電力が増幅手段が出力すべき電力と同じになるように増幅手段の出力電力を制御する電力制御手段とを備えることにより、反射波が発生しても、アイソレータを用いなくても、増幅手段の歪み特性の低下や電力制御の相互作用による歪み特性の劣化をさらに防止でき、また、不要な電力消費をさらに削減することが出来る。
また、本発明の増幅回路制御方法は、増幅手段の反射波の電力と反射波に対する予め定められた反射波閾値電力とを比較する反射波電力比較手順と、反射波電力比較手順での比較の結果、反射波の電力が反射波閾値電力より大きい場合に、反射波の電力の大きさに応じて増幅手段の出力電力を減少させる電力減少手順と、反射波電力比較手順での比較の結果、反射波の電力が反射波閾値電力より小さい場合に、増幅手段が出力すべき電力と同じになるように増幅手段の出力電力を制御する電力制御手順とを備えることにより、反射波が発生しても、アイソレータを用いなくても、増幅手段の歪み特性の低下や電力制御の相互作用による歪み特性の劣化を防止でき、さらに、不要な電力消費を削減することが出来る。
また、本発明の増幅回路制御方法は、増幅手段の反射波の電力と増幅手段の出力電力とを加算して加算電力を出力する電力加算手順と、増幅手段の出力電力と増幅手段が出力すべき電力とを比較する出力電力比較手順と、出力電力比較手順での比較の結果、増幅手段の出力電力が増幅手段が出力すべき電力より大きい場合に、加算電力が増幅手段が出力すべき電力と同じになるように増幅手段の出力電力を制御する電力制御手順とを備えることにより、反射波が発生しても、アイソレータを用いなくても、増幅手段の歪み特性の低下や電力制御の相互作用による歪み特性の劣化をさらに防止でき、また、不要な電力消費をさらに削減することが出来る。
また、本発明の無線通信装置は、データ信号を有する送信信号を発生する送信信号発生手段と、送信信号発生手段で発生した送信信号を増幅する増幅手段と、増幅手段で増幅された送信信号を外部へ出力する送信信号出力手段と、増幅手段への反射波の電力と反射波に対する予め定められた反射波閾値電力とを比較する反射波電力比較手段と、反射波電力比較手段での比較の結果、反射波の電力が反射波閾値電力より大きい場合に、反射波の電力の大きさに応じて増幅手段の出力電力を減少させる電力減少手段と、反射波電力比較手段での比較の結果、反射波の電力が反射波閾値電力より小さい場合に、増幅手段が出力すべき電力と同じになるように増幅手段の出力電力を制御する電力制御手段とを備えることにより、反射波が発生しても、アイソレータを用いなくても、増幅手段の歪み特性の低下や電力制御の相互作用による歪み特性の劣化を防止でき、さらに、不要な電力消費を削減することが出来るので、高品質な通信が行える。
また、本発明の無線通信装置は、データ信号を有する送信信号を発生する送信信号発生手段と、送信信号発生手段で発生した送信信号を増幅する増幅手段と、増幅手段で増幅された送信信号を外部へ出力する送信信号出力手段と、増幅手段の反射波の電力と増幅手段の出力電力とを加算して加算電力を出力する電力加算手段と、増幅手段の出力電力と増幅手段が出力すべき電力とを比較する出力電力比較手段と、出力電力比較手段での比較の結果、増幅手段の出力電力が増幅手段が出力すべき電力より大きい場合に、加算電力が増幅手段が出力すべき電力と同じになるように増幅手段の出力電力を制御する電力制御手段とを備えることにより、反射波が発生しても、アイソレータを用いなくても、増幅手段の歪み特性の低下や電力制御の相互作用による歪み特性の劣化をさらに防止でき、また、不要な電力消費をさらに削減することが出来るので、高品質な通信が行える。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における無線通信装置を示す構成図である。図1において、ベースバンド回路101で作成されたデータ信号S11はミキサ102に入力され、ミキサ102では、局部発信器103で発生されたキャリア信号S12をデータ信号S11で変調し、増幅回路モジュール104に変調信号S13として入力する。
増幅回路モジュール104は、変調信号S13を、制御部105から出力される制御信号S14(例えば、制御電圧)によって制御される利得で増幅して変調信号S15を出力するドライバアンプ106と、変調信号S15を予め定められた所定利得で増幅して変調信号S16を出力するパワーアンプ107と、変調信号S16の送信電力を検出し対応した信号を送信電力値信号S17として制御部105に出力すると共に、変調信号S18を出力する送信電力検出部108と、送信電力検出部108から入力される変調信号S18を変調信号S19としてアンテナ共用器109に出力すると共に、アンテナ共用器109から入力される反射波信号S20の電力値を検出し対応した信号を反射波電力値信号S21として制御部105へ出力する反射電力検出部110と、変調信号S19の電力値、すなわちパワーアンプ107が出力すべき電力値に応じて設定される設定送信電力値S22が入力されると共に、送信電力検出部108から出力される送信電力値信号S17と反射電力検出部110から出力される反射波電力値信号S21と設定送信電力値S22の大きさに応じて制御信号S14を制御する制御部105とで構成される。
設定送信電力値信号S22は、上記のように、パワーアンプ107が出力すべき、送信に必要とされる電力値に対応した信号であって、無線通信装置と基地局との間の距離に応じて設定される信号である。
変調信号S19は、アンテナ共用器109を介してアンテナ111から基地局などに送信される。
図1において、制御部105に設定される設定送信電力値S22の値をPS、パワーアンプ107に入力される変調信号S15の値をPAi、送信電力検出部108から出力される送信電力値信号S17の値をPAo、反射電力検出部110から出力される変調信号S21の値をPrとする。
ところで、送信電力検出部108と反射電力検出部110は、例えば、一般的に行われているように、カップラーと検波ダイオードを使用して構成することが出来る。
図2は、送信電力検出部108や反射電力検出部110を構成する検波ダイオードで検出される検波電圧と検出電力の関係を示す特性図である。この図からわかるように、検波ダイオードを用いることにより、変調信号S16または反射波信号S20の電力値に対応した検波電圧値を得ることが出来る。
すなわち、送信電力検出部108にパワーアンプ107から変調信号S16が入力され、また反射電力検出部110にアンテナ共用器109から反射波信号S20が入力されると、送信電力検出部108または反射電力検出部110のそれぞれのカップラーが変調信号S16または反射波信号S20を抽出し、カップラーに結合された図2に示す特性を有する検波ダイオードから、それぞれ変調信号S16または反射波信号S20の電力値に対応する検波電圧の信号である、送信電力値信号S17または反射波電力値信号S21が得られる。
図3は、本実施の形態の無線通信装置の増幅回路制御装置を示すブロック図である。
図3において、制御部105は、パワーアンプ107の特性によって決められる設定送信電力閾値PStを記憶する設定送信電力閾値記憶部301と、無線通信装置と基地局との間の距離に応じて設定される設定送信電力値PSと設定送信電力閾値記憶部301に記憶された設定送信電力閾値PStとを比較する第1比較部302と、設定送信電力閾値PStと同様にパワーアンプ107の特性によって決められる反射波電力閾値Prtを記憶する反射波電力閾値記憶部303と、反射波電力検出部110から出力された反射波電力値信号S21の反射波電力値Prと反射波電力閾値記憶部303に記憶された反射波電力閾値Prtとを比較する第2比較部304と、パワーアンプ107が線形領域で動作するような入力電力値PAiが得られるように、例えば、設定送信電力値PSと送信電力値PAoとの差により値K1が定められる入力電力値変換部305と、反射波電力値Prの大きさに応じて入力電力値PAiを減少させるように反射波電力値Prの大きさに応じて定められる値K2を出力する入力電力値減少部306と、入力電力値PAiを微少電力値Δ
PAiだけ増減させる微少電力値増減部307と、第1比較部302の比較結果出力に基づいて入力電力値変換部305または微少電力値増減部307の出力を選択する第1選択部308と、第2比較部304の比較結果出力に基づいて第1選択部308の出力または入力電力値減少部306の出力を選択する第2選択部309とで構成される。
また、微少電力値増減部307は、設定送信電力値PSと送信電力値PAoとを比較する第3比較部310と、入力電力値PAiに対して加減される微少電力値ΔPAiを記憶
する微少電力値記憶部311と、第3比較部310の比較結果出力に基づいて、微少電力値記憶部311に記憶された微少電力値ΔPAiの加算か減算かを選択して出力する第3
選択部312と、第3選択部312からの出力に応じて、選択がされなかった場合はそれによって決まる値K3を出力し、微少電力値ΔPAiの加算が選択された場合はそれに対
応する値K4を出力し、微少電力値ΔPAiの減算が選択された場合はそれに対応する値
K5を出力する微少電力値変換部313とから構成される。
制御部105は、さらに、第2選択部309で選択された値K1〜K5に対応する、例えば電圧信号からなる制御信号S14をドライバアンプ106に出力する制御信号発生部314を有しており、それぞれ次のような制御信号を発生する。
値K1に対しては、パワーアンプ107の線形領域で動作する入力電力値PAiをパワーアンプ107に供給できる出力が得られる制御信号S14。
値K2に対しては、反射波電力値Prの大きさに応じて入力電力値PAiを減少させることのできる制御信号S14。
値K3に対しては、その時の入力電力値PAiを維持できる制御信号S14。
値K4および値K5に対しては、それぞれ、入力電力値PAiを微少電力値ΔPAiだ
け増減させることのできる制御信号S14。
図4は、図1および図3に示す本実施の形態における無線通信装置の動作を示すフローチャートであって、図1〜図4を用いてその動作を説明する。
まず、制御部105に設定送信電力値PSが設定されると、その値が設定送信電力閾値記憶部301に記憶された設定送信電力閾値PSt以上であるかどうかを第1比較部302は判定する(S401)。
S401での判定の結果、設定送信電力値PSが設定送信電力閾値PSt未満である場合(S401のNO)は、第1比較部302は第1選択部308に信号を出力し、第1選択部308はその出力に基づいて、入力電力値変換部305の出力である値K1を、第2選択部309に出力してS401に戻る。第2選択部309は、常時は第1選択部308の出力を選択するように設定されているので、この時、第2選択部309は値K1を制御信号発生部314に出力する。
したがって、制御信号発生部314からは、パワーアンプ107が線形領域で動作可能な入力電力値PAiをドライバアンプ106が出力できるように、制御信号S14をドライバアンプ106に供給する。
S401での判定の結果、設定送信電力値PSが設定送信電力閾値PSt以上である場合(S401のYES)は、第2比較部304は、反射波電力値Prが反射波電力閾値記憶部303に記憶された反射波電力閾値Prt以上であるかどうかを判定する(S402)。
S402において、第2比較部304での判定結果が、反射波電力値Prが反射波電力閾値Prt以上の場合(S402のYES)、第2比較部304の出力に応じて第2選択部309は入力電力値減少部306からの出力を選択し、出力反射波電力値Prの大きさに応じて入力電力値PAiを減少させるような制御信号S14が得られる値K2を制御信号発生部314に出力する。
したがって、制御信号発生部314からは、例えばパワーアンプ107の入力電力値PAiをA×Pr(A>0の定数)だけ減少させる制御信号S14をドライバアンプ106に出力し(S403)、S401に戻る。
S402において、第2比較部304での判定結果が、反射波電力値Prが反射波電力閾値Prt未満である場合(S402のNO)、まず、送信電力検出部108の送信出力値信号S17である送信電力値PAoが設定送信電力値PSと同じかどうかを第3比較部310で判定し(S404)、同じであれば(S404のYES)、反射波があったとしても、必要な送信電力が増幅回路モジュール104から適正に出力されているので、第3選択部312は第3比較部310からの出力に対応して、微少電力変換部313に対しては出力をしない。微少電力変換部313は第3選択部312から出力が無い場合は、値K3を第1選択部308に出力する。この時、第1選択部308および第2選択部309は微少電力変換部313の出力、すなわち値K3を制御信号発生部314に出力する。
したがって、制御信号発生部314からは、その時の入力電力値PAiを維持できる制御信号S14をドライバアンプ106に出力し、S401に戻る。
S404での判定の結果、送信電力値PAoが設定送信電力値PSと同じでない場合(S404のNO)は、送信電力値PAoが設定送信電力値PSより大きいかどうかを同じく第3比較部310で判定する(S405)。
S405での判定の結果、送信電力値PAoが設定送信電力値PSより大きい場合は(S405のYES)、第3選択部312は微少電力値記憶部311に記憶された微少電力値ΔPAiを負の値にして微少電力変換部313に出力し、これを受けて微少電力変換部
313は値K5を第1選択部308および第2選択部309を介して制御信号発生部314に出力する。
したがって、制御信号発生部314からは、入力電力値PAiを微少電力値ΔPAiだ
け減少させることのできる制御信号S14をドライバアンプ106に出力し(S406)、S401に戻る。
一方、S405での判定の結果、送信電力値PAoが設定電力値PSより小さい場合は(S405のNO)、第3選択部312は微少電力値記憶部311に記憶された微少電力値ΔPAiを正の値にして微少電力変換部313に出力し、これを受けて微少電力変換部
313は値K4を第1選択部308および第2選択部309を介して制御信号発生部314に出力する。
したがって、制御信号発生部314からは、入力電力値PAiを微少電力値ΔPAiだ
け増加させることのできる制御信号S14をドライバアンプ106に出力し(S407)、S401に戻る。
以上説明したように、本実施の形態によれば、設定送信電力値PSが設定送信電力閾値PSt未満であればパワーアンプ107の線形領域を利用して送信電力を出力し、設定送信電力値PSが設定送信電力閾値PSt以上であって、さらに反射波電力値Prが反射波電力閾値Prt以上であればパワーアンプ107が反射波電力値Prの影響を受けないように、制御信号発生部314が、反射波電力値Prの大きさに応じて入力電力値PAiを減少させ、また反射波電力値Prが反射波電力閾値Prt未満であれば送信電力値PAoが設定送信電力値PSと同じになるように入力電力値PAiを微少量ΔPAiだけ増減さ
せるように制御信号S14をドライバアンプ106に出力する。
従って、本実施の形態によれば、パワーアンプ107への入力電力値PAiの制御は、反射波電力値Prが反射波電力閾値Prt以上の場合は、反射波電力値Prの大きさに応じて入力電力値PAiを減少させるので、パワーアンプ107の歪み特性と電力制御の相互作用によって歪み特性を劣化させる問題を回避することが出来る。
また、パワーアンプ107は一定以上の反射電力の入射を受けないので、反射波電力閾値Prtをパワーアンプ107の動作が不安定にならない値に設定することで、アイソレータが無くとも、パワーアンプ107の動作不安定による歪み特性の劣化を防ぐことが出来る。
また、反射波電力閾値Prtを所定の値に設定することで、設定送信電力値PSが大きく、さらに反射波電力値Prが大きい場合で、パワーアンプ107が大きな電力を出力しても通信品質が確保出来ない場合は、入力電力値PAiを減少する様にすることができるので、無線通信装置における不要な電力消費を削減することが出来る。
なお、上記実施の形態において、微少電力値記憶部311に記憶される微少電力値ΔP
Aiを入力電力値PAiに応じて決めることも可能であり、また第3選択部312で入力電力値PAiを選択させて、入力電力値変換部313から、入力電力値PAiの大きさに応じた値K3を出力することも可能である。
(実施の形態2)
実施の形態1では、入力電力値減少部306は値K2を制御信号発生部314に出力することにより、反射波電力値Prと定数Aの乗算結果を入力電力値PAiから減算した。
しかし、これ以外に、図5に示すように、反射波電力値Prと反射波電力閾値Prtとの減算を行う減算部501と、減算部501での演算結果の大きさに応じて入力電力値PAiを減少させるように、減算結果の大きさに応じて決まる値K2(>0)を出力する減算係数発生部502とで入力電力値減少部306構成し、減算係数発生部502で発生させた値K2に基づいて、反射波電力値Prと反射波電力閾値Prtとの差に応じて入力電力値PAiを減少させる制御信号S14を制御信号発生部314からドライバアンプ106に供給することも可能である。
(実施の形態3)
入力電力値減少部306は、上記以外にも、図6に示すように、予め定めた入力電力減少値ΔPAiを記憶する入力電力減少値記憶部601と、入力電力値PAiから入力電力
減少値記憶部601に記憶された入力電力減少値DPAiを減ずる減算部602と、減算部602での演算結果の大きさに応じて入力電力値PAiを減少させるように、減算結果の大きさに応じて決まる値K2(>0)を出力する減算係数発生部603とで構成し、減算係数発生部603で発生させた値K2に基づいて、演算結果(PAi―DPAi)に応じて入力電力値PAiを減少させる制御信号S14を、制御信号発生部314からドライバアンプ106に供給することも可能である。
以上説明したように、本実施の形態2、3によれば、実施の形態1と同様の効果が得られると共に、入力電力値減少部306基づく入力電力値PAiの調整、すなわち送信出力電力値PAoの調整が決め細やかに行える。
(実施の形態4)
上記実施の形態では、図4に示すように、設定送信電力値PSが制御部105に設定した設定送信電力閾値PSt以上の場合に、反射波電力値Prと反射波電力閾値Prtを比較し、その結果に基いて、パワーアンプ107への入力電力値PAiを、反射波電力値の大きさに応じて減少したり、微少量ΔPAiだけ増減させたりしていたが、設定送信電力
値PSによらず、常に始めから反射波電力値Prと反射波電力閾値Prtを比較して入力電力値PAiを制御することも可能である。
図7はこのような実施の形態の無線通信装置の増幅回路制御装置を示すブロック図であり、図8はその動作を示すフローチャートである。なお、本実施の形態の増幅回路制御装置の全体構成図は図1と同様である。本実施の形態において、実施の形態1〜3と同一構成要素については同一番号を付し、説明は省略する。
まず、図1、図7を用いて本実施の形態の構成を説明する。
本実施の形態の制御部105は、図7に示すように、パワーアンプ107の特性によって決められる反射波電力閾値Prtを記憶する反射波電力閾値記憶部701と、反射波電力検出部110から出力された反射波電力値信号S21の反射波電力値Prと反射波電力閾値記憶部701に記憶された反射波電力閾値Prtとを比較する第1比較部702と、反射波電力値Prの大きさに応じて入力電力値PAiを減少させるように反射波電力値Prの大きさに応じて決まる値K2を出力する入力電力値減少部703と、入力電力値PAiを微少電力値ΔPAiだけ増減させる微少電力値増減部704と、第1比較部702の
出力に基づいて微少電力値増減部704の出力または入力電力値減少部703の出力を選択する第1選択部705とで構成される。
また、微少電力値増減部704は、設定送信電力値PSと送信電力値PAoとを比較する第2比較部706と、入力電力値PAiに対して加減される微少電力値ΔPAiを記憶
する微少電力値記憶部707と、第2比較部706からの出力信号に基づいて、微少電力値記憶部707に記憶された微少電力値ΔPAiの加算か減算かを選択して出力する第2
選択部708と、第2選択部708からの出力に応じて、選択されなかった場合はそれによって決まる値K3を出力し、微少電力値ΔPAiの加算が選択された場合はそれに対応
する値K4を出力し、微少電力値ΔPAiの減算が選択された場合はそれに対応する値K
5を出力する微少電力値変換部709と、さらに、第1選択部705で選択された値K2〜K5に対応する制御信号S14を出力する制御電流発生部710を有しており、制御電流発生部710は、それぞれ、実施の形態1と同様に次のような制御信号を発生する。
値K2に対しては、反射波電力値Prの大きさに応じて入力電力値PAiを減少させることのできる制御信号S14。
値K3に対しては、その時の入力電力値PAiを維持できる制御信号S14。
値K4および値K5に対しては、それぞれ、入力電力値PAiを微少電力値ΔPAiだ
け増減させることのできる制御信号S14。
次に、図1、図7、図8を用いて本実施の形態の動作を説明する。
まず、反射波電力値Prが反射波電力閾値記憶部701に記憶された反射波電力閾値Prt以上であるかどうかを第1比較部702で判定する(S801)。
S801において、第1比較部702での判定結果が、反射波電力値Prが反射波電力閾値Prt以上の場合(S801のYES)、第1選択部705は、第1比較部702の出力に基づいて、反射波電力値Prの大きさに応じて入力電力値PAiを減少させるような制御信号S14が得られる値K2を入力電力値減少部703から制御信号発生部710に出力する。
したがって、制御信号発生部710からは、例えば入力電力値PAiをA×Pr(A>0)だけ減少させる制御信号S14をドライバアンプ106に出力し(S802)、S801に戻る。
S801において、第1比較部702での判定結果が、反射波電力値Prが反射波電力閾値Prt未満である場合(S801のNO)、まず、送信電力検出部108の送信出力値信号S17である送信電力値PAoが設定送信電力値PSと同じかどうかを第2比較部706で判定し(S803)、同じであれば(S803のYES)、反射波があったとしても、必要な送信電力が増幅回路モジュール104から適正に出力されているので、第2選択部708は第2比較部706からの出力に対応して、微少電力変換部709に対しては出力をしない。微少電力変換部709は第2選択部708から出力が無い場合は、値K3を第1選択部705に出力する。この時、第1選択部705は微少電力変換部709の出力、すなわち値K3を制御信号発生部710に出力する。
したがって、制御信号発生部710からは、その時の入力電力値PAiを維持できる制御信号S14をドライバアンプ106に出力し、S801に戻る。
S801での判定の結果、送信電力値PAoが設定送信電力値PSと同じでない場合(S803のNO)は、送信電力値PAoが設定送信電力値PSより大きいかどうかを同じく第2比較部706で判定する(S804)。
S804での判定の結果、送信電力値PAoが設定送信電力値PSより大きい場合は(S804のYES)、第2選択部708は微少電力値記憶部707に記憶された微少電力値ΔPAiを負の値にして微少電力変換部709に出力し、これを受けて微少電力変換部
709は値K5を第1選択部705を介して制御信号発生部710に出力する。
したがって、制御信号発生部710からは、入力電力値PAiを微少電力値ΔPAiだ
け減少させることのできる制御信号S14をドライバアンプ106に出力し(S805)、S801に戻る。
一方、送信電力値PAoが設定電力値PSより小さい場合は(S804のNO)、第2選択部706は微少電力値記憶部707に記憶された微少電力値ΔPAiを正の値にして
微少電力変換部709に出力し、これを受けて微少電力変換部709は値K4を第1選択部705を介して制御信号発生部710に出力する。
したがって、制御信号発生部710からは、入力電力値PAiを微少電力値ΔPAiだ
け増加させることのできる制御信号S14をドライバアンプ106に出力し(S806)、S801に戻る。
以上説明したように、本実施の形態によれば、設定送信電力値PSの大きさに係りなく、反射波電力値Prと反射波電力閾値Prtとを比較して、パワーアンプ107が反射波電力値Prの影響を受けないように、制御信号発生部710が、反射波電力値Prの大きさに応じて入力電力値PAiを減少させたり、送信電力値PAoが設定送信電力値PSと同じになるように入力電力値PAiを微少量ΔPAiだけ増減させたりするように制御信
号S14をドライバアンプ106に出力する。
従って、本実施の形態によれば、設定送信電力値PSの大きさに係りなく、実施の形態1と同じように、パワーアンプ107への入力電力値PAiの制御は、反射波電力値Prが反射波電力閾値Prt以上の場合は、反射波電力値Prの大きさに応じて入力電力値PAiを減少させるので、パワーアンプ107の歪み特性と電力制御の相互作用によって歪み特性を劣化させる問題を回避することが出来る。
また、パワーアンプ107は一定以上の反射電力の入射を受けないので、反射波電力閾値Prtをパワーアンプ107の動作が不安定にならない値に設定することで、アイソレータが無くとも、パワーアンプ107の動作不安定による歪み特性の劣化を防ぐことが出来る。
また、反射波電力閾値Prtを所定の値に設定することで、設定送信電力値PSが大きく、さらに反射波電力値Prが大きい場合で、パワーアンプ107が大きな電力を出力しても通信品質が確保出来ない場合は、入力電力値PAiを減少する様にすることができるので、無線通信装置における不要な電力消費を削減することが出来る。
なお、上記実施の形態において、微少電力値記憶部311に記憶される微少電力値ΔP
Aiを入力電力値PAiに応じて決めることも可能であり、また第3選択部312で入力電力値PAiを選択させて、入力電力値変換部313から、入力電力値PAiの大きさに応じた値K3を出力することも可能である。
(実施の形態5)
図9は本発明の実施の形態5における無線通信装置の増幅回路制御装置を示すブロック図であり、図10はその動作を示すフローチャートである。なお、本実施の形態の増幅回路制御装置の全体構成図は図1と同様である。本実施の形態において、実施の形態1〜4と同一構成要素については同一番号を付し、説明は省略する。
本実施の形態の増幅回路制御装置の制御部105は、パワーアンプ107の特性によって決められる設定送信電力閾値PStを記憶する設定送信電力閾値記憶部901と、無線通信機と基地局との間の距離に応じて設定される設定送信電力値PSと設定送信電力閾値記憶部901に記憶された設定送信電力閾値PStとを比較する第1比較部902と、パワーアンプ107が線形領域で動作するような入力電力値PAiが得られるように、定数K1が予め設定され、例えば、設定送信電力値PSと送信電力値PAoとの差により値K1が定められる入力電力値変換部903と、入力電力値PAiを微少電力値ΔPAiだけ
増減させる微少電力値増減部904と、第1比較部902の出力に基づいて入力電力値変換部903または微少電力値増減部904の出力を選択する第1選択部905と、送信電力値PAoと反射波電力値Prとを加算して加算結果を加算電力値Padとして出力する加算部906とで構成される。
また、微少電力値増減部904は、設定送信電力値PSと加算電力値Padとを比較する第2比較部907と、入力電力値PAiに対して加減される微少電力値ΔPAiを記憶
する微少電力値記憶部908と、第2比較部907からの出力信号に基づいて、微少電力値記憶部908に記憶された微少電力値ΔPAiの加算か減算かを選択して出力する第2
選択部909と、第2選択部909からの出力に応じて、選択されなかった場合はそれによって決まる値K3を出力し、微少電力値ΔPAiの加算が選択された場合はそれに対応
する定数K4を出力し、微少電力値ΔPAiの減算が選択された場合はそれに対応する定
数K5を出力する微少電力変換部910と、さらに、第1選択部905で選択された値K1、K3〜K5に対応する制御信号S14を出力する制御信号発生部911を有しており、上記実施の形態で述べたように、それぞれ次のような制御信号を発生する。
値K1に対しては、パワーアンプ107の線形領域で動作する入力電力値PAiをパワーアンプ107に供給できる出力が得られる制御信号S14。
値K3に対しては、その時の入力電力値PAiを維持できる制御信号S14。
値K4およびK5に対しては、それぞれ、微少電力値ΔPAiを増減させることのでき
る制御信号S14。
図10は、図1および図9に示す本実施の形態の増幅回路制御装置における動作を示すフローチャートであって、図1、図9、図10を用いてその動作を説明する。
まず、制御部105に設定送信電力値PSが設定されると、その値が設定送信電力閾値記憶部901に記憶された設定送信電力閾値PSt以上であるかどうかを第1比較部902が判定する(S1001)。
S1001での判定の結果、設定送信電力値PSが設定送信電力閾値PSt未満である場合(S1001のNO)は、第1比較部902は第1選択部905に信号を出力し、第1選択部905は入力電力値変換部903の出力である値K1の信号を制御信号発生部911に出力してS1001に戻る。
したがって、制御信号発生部911からは、パワーアンプ107が線形領域で動作可能な入力電力値PAiをドライバアンプ106が出力できるように、制御信号S14をドライバアンプ106に供給する。
S1001での判定の結果、設定送信電力値PSが設定送信電力閾値PSt以上である場合(S1001のYES)は、まず、加算部906の出力である加算電力値Padが設定送信電力値PSと同じかどうかを第2比較部907で判定し(S1002)、同じであれば(S1002のYES)、反射波があったとしても、必要な送信電力が増幅回路モジュール104から適正に出力されているので、第2選択部909は第2比較部907からの出力に対応して、微少電力変換部910に対しては出力をしない。微少電力変換部910は第2選択部909から出力が無い場合は、値K3を第1選択部905に出力する。この時、第1選択部905は微少電力変換部910の出力、すなわち値K3を制御信号発生部711に出力する。
したがって、制御信号発生部911からは、その時の入力電力値PAiを維持できる制御信号S14をドライバアンプ106に出力し、S1001に戻る。
S1002での判定の結果、加算電力値Padが設定送信電力値PSと同じでない場合(S1002のNO)は、加算電力値Padが設定送信電力値PSより大きいかどうかを同じく第2比較部907で判定する(S1003)。
S1003での判定の結果、加算電力値Padが設定送信電力値PSより大きい場合は(S1003のYES)、第2選択部909は微少電力値記憶部908に記憶された微少電力値ΔPAiを負の値にして微少電力変換部910に出力し、これを受けて微少電力変
換部910は値K5を第1選択部905を介して制御信号発生部911に出力する。
したがって、制御信号発生部911からは、入力電力値PAiを微少電力値ΔPAiだ
け減少させることのできる制御信号S14をドライバアンプ106に出力して(S1004)S1001に戻る。
一方、加算電力値Padが設定電力値PSより小さい場合は(S1003のNO)、第2選択部909は微少電力値記憶部908に記憶された微少電力値ΔPAiを正の値にし
て微少電力変換部910に出力し、これを受けて微少電力変換部910は値K4を第1選択部905を介して制御信号発生部911に出力する。
したがって、制御信号発生部911からは、入力電力値PAiを微少電力値ΔPAiだ
け増加させることのできる制御信号S14をドライバアンプ106に出力して(S1005)S1001に戻る。
以上説明したように、本実施の形態によれば、設定送信電力値PSが設定送信電力閾値PSt未満であればパワーアンプ107の線形領域を利用して送信電力を出力し、設定送信電力値PSが設定送信電力閾値PSt以上であれば、送信電力値PAoと反射波電力値Prとの加算電力値Padを設定送信電力値PSと比較しながら、パワーアンプ107が反射波電力値Prの影響を受けないように、加算電力値Padが設定送信電力値PSと同じになるように入力電力値PAiを微少量ΔPAiだけ増減させるように制御信号S14
をドライバアンプ106に出力する。
図11(a)〜(b)は、本実施の形態における、設定送信電力値PSが設定送信電力閾値PSt以上の場合の、加算電力値Padと設定送信電力値PSとの関係を示す図である。ここで、設定送信電力値PSは設定送信電力閾値PSt以上の値PS1と設定されている。
図11(a)は、反射波電力値Prが0の場合を示しており、従って、加算電力値Padは送信電力値PAoと等しくなる。この時点での送信電力値PAoの値をPAo1(=Pad1)とする。本実施の形態によれば、設定送信電力値PS=加算電力値Padになる様に入力電力値PAiを微少量増減するので、反射波電力値が0の間は、図11(a)に示す加算電力値Padと設定送信電力値PSの関係が継続する。
図11(b)は、図11(a)の状態において、反射波が発生し、反射波電力値Prが瞬時的に増大した場合の、加算電力値Padと設定送信電力値PSとの関係を示す図である。
ここで、瞬時的に増大した反射波電力値Prの値をPr1とすると、加算電力値PadはPAo1にPr1を加算した値になり、この加算電力値Padの値をPad2とする。この様に反射波電力値Prが瞬時的に増大すると、加算電力値Pad(Pad2)>設定送信電力値PS(PS1)の関係になる。
図11(c)は、図11(b)のような反射波到来の後に、本実施の形態によって設定送信電力値PS=加算電力値Padになる様に入力電力値PAiを微少量増減した後の、加算電力値Padと設定送信電力値PSとの関係を示す図である。
すなわち、図11(b)に示す様に加算電力値Pad>設定送信電力値PSになると、S1002〜S1004を実行することによって、特にS1002で加算電力値Pad=設定送信電力値PSになる様にPAiを微少量減ずることによって、検出送信電力PAoが次第に小さくなり、それに伴って反射電力Prも小さくなり、送信電力値PAoと反射波電力値Prの和である加算電力値Padも小さくなる。最終的に、送信電力値PAoがPAo2(<PAo1)に、反射波電力値PrがPr2(<Pr1)になり、その時の加算電力値Padの値をPad3とすると、加算電力値Pad3が設定電力値PS1、すなわちPad1(=PAo1)、と一致するように作用するので、Pad3(=PAo2+Pr2)=PS1=Pad1となる。すなわち、この時、送信電力値PAoの値は、PAo2<PAo1に、反射波電力値Prの値は、Pr2<Pr1になる。
すなわち、本実施の形態によれば、設定送信電力値PSが設定送信電力閾値PSt以上の場合、反射波電力値Prが大きくなると、送信電力値PAoが小さくなるように、すなわち入力電力値PAiが小さくなるように制御するので、図17に示すようなパワーアンプ107の歪み特性を劣化させる問題を回避することが出来る。
また、一般にアンテナ111において送信電力値PAoが全反射した場合に反射波電力値Prは最大になり、反射波電力値Pr=送信電力値PAoとなる。この場合で設定送信電力値PSが設定送信電力閾値PSt以上の場合、本実施の形態によれば、加算電力値Pad(=2×反射波電力値Pr)と設定送信電力値PSが一致するように制御するので、反射波電力値Prの最大値は設定送信電力値PS/2になる。したがって、パワーアンプ107には一定値以上の反射波電力値の入力を受けないことになるので、従来のようにアイソレータが無くとも、パワーアンプ107自身の動作不安定による歪み特性の劣化を防ぐことが出来る。
また、本実施の形態によれば、設定送信電力値PSが大きく、反射波電力値Prが大きい場合に、従来であれば、結果的に通信品質を確保出来ない場合であっても、反射波電力の増大に伴ってパワーアンプ107の出力を大きくして電力を無駄に使用していたが、本実施の形態によれば、このような場合でも、パワーアンプ107への入力電力値PAiを減少するように作用するので、これまでの実施の形態に比べて、無線通信装置における不要な電力消費をさらにいっそう削減することが出来る。
なお、本実施の形態において、反射波電力値Prを所定の値L倍(L>0)して後に送信電力値PAoを加算して加算電力値Padを得れば、Pad=PAo+L×PrがPS1(=Pad1=PAo1)に一致するように入力電力値PAiを制御するので、実質的なPrは1/Lとなり、反射波の影響をさらに抑えることができる。すなわち、Lの値を調整することにより、反射波電力値Prの大きさがパワーアンプ107への入力電力値PAiの減少に与える影響を調整することが出来る。
(実施の形態6)
一般に、無線通信装置は1つの通信方式に従って通信する他、1つの無線通信装置が2つ以上の通信方式に従って通信する場合がある。例えば、携帯電話機等の無線通信装置では、GSM方式やW−CDMA方式等の2つの通信方式に従い、2つの通信方式を切り替えて通信する場合がある。
また一般に、通信方式によって求められるパワーアンプなどの歪み特性は異なる。
更に、設定送信電力値PSが大きくかつ反射波電力値Prが大きい場合に、送信電力値を大きくしても通信品質が確保できない場合があるが、この場合の設定送信電力値PSと反射波電力値Prと通信品質の関係も通信方式によって異なる。
図12は、上記のような、例えば2つの通信方式に従って通信する無線通信装置に本発明を適用した本発明の実施の形態を示す構成図である。
図12において、本実施の形態の制御部1201には、設定電力値PSが設定され、送信電力検出部108から出力された送信電力値PAoと反射波電力検出部110から出力された反射波電力値Prが入力されるのに加えて、さらに、2つの通信方式、A方式またはB方式のうちいずれかを示す方式信号Tが入力される以外は、図1に示した実施の形態1と同様の構成であるので、同一構成要素には同一番号を付し説明を省略する。
通信方式の選択は、例えば無線通信装置本体に設けたスイッチなどでGSM方式かW−CDMA方式を切り替えることができるように構成し、スイッチの切り替えによって方式信号Tが、例えばハイレベルまたはローレベルの信号を制御部121に入力するようにして構成できる。
図13は本実施の形態における無線通信装置の増幅回路制御装置を示すブロック図である。本実施の形態の制御部1201は、図9に示す実施の形態5の制御部の構成に加え、反射電力検出部110から出力された反射波電力値PrをそれぞれL1倍およびL2倍する乗算部1301および1302と、乗算部1301または1302の出力のいずれかを通信方式を示す信号Tによって選択する選択部1303と、送信電力検出部108から出力された送信電力値PAoと選択部1303の出力を加算する加算部1304とを備えている。図9と同一構成要素は同一の番号を付し、説明は省略する。
図14は、本実施の形態における無線通信装置の動作を示すフローチャートであって、図12〜14を用いて本実施の形態を説明する。
本実施の形態においては、まず、装置本体に設けられたスイッチによって、通信方式を選択する(S1401)。通信方式Aが選択された場合は(S1401のYES)、選択部1303は乗算部1301の出力を選択して加算部1304に入力し、加算部1304は加算電力値Pad=PAo+L1×Prを比較部907に入力する(S1402)。
一方、S1401で通信方式Bが選択された場合は(S1401のNO)、選択部1303は乗算部1302の出力を選択して加算部1304に入力し、加算部1304は加算電力値PadPad=PAo+L2×Prを比較部907に入力する(S1403)。
S1402およびS1403以降は、図10に示す実施の形態5と同様に、設定電力値PSが設定送信電力閾値PSt以上かどうかを判定し(S1001)、そうであれば、その後は、S1002からS1005の手順で加算電力値Padが設定送信電力値PSになるように入力電力値PAiを微少電力値ΔPAiだけ増減させて制御し、それによって制
御信号発生部911で発生させる制御信号S14を制御する。
なお、L1とL2は0より大きな実数であって、通信方式に応じて予め設定する値である。また、L1とL2の値を調整することにより、反射電力Prの大きさがパワーアンプ107への入力電力値PAiの減少に与える影響を調整することが出来る。
以上のように本実施の形態においては、無線通信装置が2つの通信方式に従って通信する場合でも、それぞれの通信方式に対して、実施の形態1〜5で述べてきたのと同じ効果を奏することができる。
なお、本実施の形態では、方式Aと方式Bを用いて無線通信装置が2つの通信方式に従って通信する場合を説明したが、これに限らず3つ以上の通信方式に従って通信する場合にも同様に、通信方式に応じて反射電力Prに乗ずる値を切り替えることによって、同じ効果を奏する。
以上説明してきたように、本発明は、パワーアンプなどで構成される増幅手段への入力電力値の制御は、反射波電力値が反射波電力閾値以上の場合は、反射波電力値の大きさに応じて入力電力値を減少させるので、パワーアンプの歪み特性と電力制御の相互作用によって歪み特性を劣化させる問題を回避することが出来る。
また、増幅手段は反射波電力閾値以上の反射電力の入射を受けないので、反射波電力閾値を増幅手段の動作が不安定にならない値に設定することで、アイソレータなどが無くとも、増幅手段の動作不安定による歪み特性の劣化を防ぐことが出来る。
また、反射波電力閾値を所定の値に設定することで、設定送信電力値が大きく、さらに反射波電力値が大きい場合で、増幅手段が大きな電力を出力しても通信品質が確保出来ない場合であっても、入力電力値を減少することができるので、不要な電力消費を削減することが出来る。
以上のように、本発明は、増幅手段の歪み特性と電力制御の相互作用によって歪み特性を劣化させる問題を回避し、また、アイソレータが無くとも、増幅手段の動作不安定による歪み特性の劣化を防ぎ、さらに、不要な電力消費を削減するという効果を有し、携帯電話機などの無線通信装置の用途に適用できる。
本発明の実施の形態1における無線通信装置を示す構成図 本発明の実施の形態1に用いられる検波ダイオードの特性図 本発明の実施の形態1における無線通信装置の増幅回路制御装置を示すブロック図 本発明の実施の形態1における無線通信装置の動作を示すフローチャート 本発明の実施の形態2における無線通信装置の増幅回路制御装置の入力電力値減少部を示す構成図 本発明の実施の形態3における無線通信装置の増幅回路制御装置の入力電力値減少部を示す構成図 本発明の実施の形態4における無線通信装置の増幅回路制御装置を示すブロック図 本発明の実施の形態4における無線通信装置の動作を示すフローチャート 本発明の実施の形態5における無線通信装置の増幅回路制御装置を示すブロック図 本発明の実施の形態5における無線通信装置の動作を示すフローチャート 本発明の実施の形態5における無線通信装置の加算電力値と設定送信電力値の関係を示す図 本発明の実施の形態6における無線通信装置を示す構成図 本発明の実施の形態6における無線通信装置の増幅回路制御装置を示すブロック図 本発明の実施の形態6における無線通信装置の動作を示すフローチャート 従来の無線通信装置の増幅回路制御装置を示す構成図 従来の無線通信装置の増幅回路制御装置の入出力特性を示す図 従来の無線通信装置の増幅回路における歪特性を示す図 従来の他の無線通信装置の増幅回路制御装置を示す構成図
符号の説明
101 ベースバンド回路
102 ミキサ
103 局部発信器
104 増幅回路モジュール
105、1201 制御部
106 ドライバアンプ
107 パワーアンプ
108 送信電力検出部
109 アンテナ共用器
110 反射電力検出部
111 アンテナ
301、901 設定送信電力閾値記憶部
302、304、310、702、706、902、907 比較部
303、701 反射波電力閾値記憶部
305、903 入力電力値変換部
306、703 入力電力値減少部
307、704、904 微少電力値増減部
308、309、312、705、708、905、909、1303 選択部
311、707、908 微少電力値記憶部
313、709、910 微少電力値変換部
314、710、911 制御信号発生部
501、602 減算部
502、603 減算係数発生部
601 入力電力減少値記憶部
906、1304 加算部
1301、1302 乗算部



Claims (8)

  1. 増幅手段の反射波の電力と前記反射波に対する予め定められた反射波閾値電力とを比較する反射波電力比較手段と、前記反射波電力比較手段での比較の結果、前記反射波の電力が前記反射波閾値電力より大きい場合に、前記反射波の電力の大きさに応じて前記増幅手段の出力電力を減少させる電力減少手段と、前記反射波電力比較手段での比較の結果、前記反射波の電力が前記反射波閾値電力より小さい場合に、前記増幅手段が出力すべき電力と同じになるように前記増幅手段の出力電力を制御する電力制御手段とを備えた増幅回路制御装置。
  2. 増幅手段の反射波の電力と前記増幅手段の出力電力とを加算して加算電力を出力する電力加算手段と、前記増幅手段の出力電力と前記増幅手段が出力すべき電力とを比較する出力電力比較手段と、前記出力電力比較手段での比較の結果、前記増幅手段の出力電力が前記増幅手段が出力すべき電力より大きい場合に、前記加算電力が前記増幅手段が出力すべき電力と同じになるように前記増幅手段の出力電力を制御する電力制御手段とを備えた増幅回路制御装置。
  3. 前記電力加算手段が、前記増幅手段の反射波の電力の所定倍数と前記増幅手段の出力電力とを加算して前記加算電力を出力する請求項2記載の増幅回路制御装置。
  4. 前記所定倍数が、予め定められた複数の倍数のうちから選択される請求項3記載の増幅回路制御装置。
  5. 増幅手段の反射波の電力と前記反射波に対する予め定められた反射波閾値電力とを比較する反射波電力比較手順と、前記反射波電力比較手順での比較の結果、前記反射波の電力が前記反射波閾値電力より大きい場合に、前記反射波の電力の大きさに応じて前記増幅手段の出力電力を減少させる電力減少手順と、前記反射波電力比較手順での比較の結果、前記反射波の電力が前記反射波閾値電力より小さい場合に、前記増幅手段が出力すべき電力と同じになるように前記増幅手段の出力電力を制御する電力制御手順とを備えた増幅回路制御方法。
  6. 増幅手段の反射波の電力と前記増幅手段の出力電力とを加算して加算電力を出力する電力加算手順と、前記増幅手段の出力電力と前記増幅手段が出力すべき電力とを比較する出力電力比較手順と、前記出力電力比較手順での比較の結果、前記増幅手段の出力電力が前記増幅手段が出力すべき電力より大きい場合に、前記加算電力が前記増幅手段が出力すべき電力と同じになるように前記増幅手段の出力電力を制御する電力制御手順とを備えた増幅回路制御方法。
  7. データ信号を有する送信信号を発生する送信信号発生手段と、前記送信信号発生手段で発生した前記送信信号を増幅する増幅手段と、前記増幅手段で増幅された前記送信信号を外部へ出力する送信信号出力手段と、前記増幅手段への反射波の電力と前記反射波に対する予め定められた反射波閾値電力とを比較する反射波電力比較手段と、前記反射波電力比較手段での比較の結果、前記反射波の電力が前記反射波閾値電力より大きい場合に、前記反射波の電力の大きさに応じて前記増幅手段の出力電力を減少させる電力減少手段と、前記反射波電力比較手段での比較の結果、前記反射波の電力が前記反射波閾値電力より小さい場合に、前記増幅手段が出力すべき電力と同じになるように前記増幅手段の出力電力を制御する電力制御手段とを備えた無線通信装置。
  8. データ信号を有する送信信号を発生する送信信号発生手段と、前記送信信号発生手段で発生した前記送信信号を増幅する増幅手段と、前記増幅手段で増幅された前記送信信号を外部へ出力する送信信号出力手段と、前記増幅手段の反射波の電力と前記増幅手段の出力電力とを加算して加算電力を出力する電力加算手段と、前記増幅手段の出力電力と前記増幅手段が出力すべき電力とを比較する出力電力比較手段と、前記出力電力比較手段での比較の結果、前記増幅手段の出力電力が前記増幅手段が出力すべき電力より大きい場合に、前記加算電力が前記増幅手段が出力すべき電力と同じになるように前記増幅手段の出力電力を制御する電力制御手段とを備えた無線通信装置。


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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011111193A1 (ja) * 2010-03-10 2011-09-15 富士通株式会社 無線装置及び無線送信制御方法
JP2014207214A (ja) * 2013-03-19 2014-10-30 株式会社ダイヘン 高周波電源装置
JP7458225B2 (ja) 2020-03-27 2024-03-29 古河電気工業株式会社 送信装置および送信方法

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