JP2006238773A - オリゴ糖の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価かつ簡便にオリゴ糖を含む粗液を精製して高純度のオリゴ糖を製造する方法を提供すること。
【解決手段】オリゴ糖を含む粗液を精製してオリゴ糖を得る方法であって、前記粗液を、木質系を原料とし、半径が0〜10Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の15%以上である活性炭を使用して精製することを特徴とするオリゴ糖の製造方法。また、半径が10〜50Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の40%以上である活性炭を併用してさらに脱色精度を高めたオリゴ糖の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、オリゴ糖の製造方法に関するものである。
近年の健康ブームにより、消費者の健康に対する意識が軒並み高くなっている。それに伴い、健康食品の需要及び売り上げは年々飛躍的に増加しており、又「特定保健用食品」の認可を取得する企業も同様に増加している。特定保健用食品のなかで最も多くを占める素材はオリゴ糖であり、現在上市されているオリゴ糖の種類としてはフラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、キシロオリゴ糖などがある。これらのオリゴ糖を摂取することにより腸内に生息する悪玉菌であるクロストリジウム属の菌数を減らし、相対的に善玉菌であるビフィズス菌を増加させる効果が得られる。これらオリゴ糖の中でも、例えば木片、トウモロコシのしん、わらなどの植物体中のヘミセルロースを原料として得られるキシロオリゴ糖は最小有効量が0.2〜0.7g/日(菓子総合技術センター発行、「オリゴ糖ハンドブック」)であり、他のオリゴ糖と比較して一桁少ない量で整腸効果が得られる。このようなヘミセルロース由来のオリゴ糖は、木片などの原料に、酸・アルカリなどを用いた化学的処理や爆破などの物理的処理を施すか、又は高温高圧水による処理を施すなどし、さらに必要に応じて酵素処理するなどして、オリゴ糖を含む粗液として得られる。このようにして得られるオリゴ糖を含む粗液には、種々の有色・無色の不純物が含まれているため、食品添加物等の製品とするためには脱色精製処理が不可欠である。
従来、糖を含む粗液を精製する手段としては、イオン交換樹脂による処理が効果的であることが知られている。イオン交換樹脂を用いた処理は、脱色と無色の不純物の除去との両方を効果的に行うことができ、装置としてカラムを用いることで生産ラインへの組み込みが容易である点で優れている。しかし、種類の異なるイオン交換樹脂を用い、少なくとも2〜3本のカラムを通過させる工程が必要であり、また、イオン交換樹脂への色素の不可逆な吸着が発生し、頻繁に樹脂の交換を行う必要があるためイオン交換樹脂の使用量が膨大になり、製造コストが著しく高くなってしまう。
また、粒状活性炭を充てんしたカラムを用いて処理した後、イオン交換樹脂で処理する精製方法も広く行われている。しかし、一般的な粒状活性炭を用いる処理では脱色は比較的効果的に行えるが、例えば、苦みの原因になる無色の不純物の除去には効果が薄いため、イオン交換樹脂の精製負荷が大きい。
さらに、オリゴ糖は単糖類に比べて粒状活性炭に吸着され易いため、オリゴ糖を含む粗液を従来の活性炭処理により精製しようとすると、不純物ばかりでなく目的物であるオリゴ糖も活性炭に吸着され、収量が減少する。
また、キシロビオース含有ヘミセルロース液を強酸性陽イオン交換樹脂充填層に通液し、次いで溶離水を通液することによってクロマト分離を行い、不純物を主成分とする溶出区分と、糖を主成分とする溶出区分とに分画する方法が開示されている(特許文献1参照)。しかし、この方法では数段階の工程が必要であり、精製作業の煩雑さを完全に解消するものではない。
特開平1−254692号公報
本発明は上記課題に鑑み、オリゴ糖を含む粗液を精製する工程において、無色の不純物を簡単な処理により除去することができ、脱色にも効果的な精製方法を提供することを目的とする。さらにイオン交換樹脂による処理を行う場合には、イオン交換樹脂の精製負荷を著しく低減できるオリゴ糖の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の活性炭を使用することにより、従来活性炭処理では顕著な効果が期待できないとされていた無色の不純物の除去を効果的に行えることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、オリゴ糖を含む粗液を精製してオリゴ糖を得る方法であって、前記粗液を、木質系を原料とし、半径が0〜10Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の15%以上である活性炭を使用して精製することを特徴とするオリゴ糖の製造方法を提供するものである。
半径が10〜50Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の40%以上である活性炭を併用することにより、脱色効果をさらに向上させることができる。
2種類の活性炭を併用するにあたっては、木質系を原料とし、半径が0〜10Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の15%以上である活性炭と半径が10〜50Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の40%以上である活性炭との混合物を使用することができる。
又、木質系を原料とし、半径が0〜10Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の15%以上である活性炭を使用して精製した後に半径が10〜50Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の40%以上である活性炭を使用して精製するか、又は、半径が10〜50Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の40%以上である活性炭を使用して精製した後に木質系を原料とし、半径が0〜10Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の15%以上である活性炭を使用して精製してもよい。
2種類の活性炭を併用する場合、木質系を原料とし、半径が0〜10Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の15%以上である活性炭と、半径が10〜50Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の40%以上である活性炭との重量比が4:1〜1:4の範囲内であるのが好ましい。
木質系を原料とし、半径が0〜10Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の15%以上である活性炭は水蒸気により賦活されているのが好ましく、半径が10〜50Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の40%以上である活性炭は薬品により賦活されているのが好ましい。
本発明のオリゴ糖の製造方法によりオリゴ糖を含む粗液の精製を行えば、活性炭処理のみによって製品として提供しうる程度の精製度を達成することができ、従来活性炭と複数種のイオン交換樹脂との組み合わせによって行われていた精製処理の煩雑さを解消することができる。また、本発明の方法により処理した後、さらにイオン交換樹脂による処理を行えば、イオン交換樹脂への負担を大幅に軽減できるため、さらに精製度の高いオリゴ糖を低コストで製造することができる。
本発明の製造方法は、簡易な撹拌装置及びろ過装置等の安価な装置により実施でき、また作業も簡便である。
また、活性炭処理により失われるオリゴ糖の量も少なく、比較的高い収率を達成できる。
本発明の方法によれば、例えば、でんぷん、セルロース、ヘミセルロース等の植物体中に存在する多糖類や、ほ乳類の乳より得られる乳漿等の加水分解により得られる様々なオリゴ糖を含む粗液を精製し、オリゴ糖を製造することができる。オリゴ糖の種類としてはフラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、キシロオリゴ糖などがある。
例えば、キシロオリゴ糖は、白樺、ブナ、ミズナラ等の広葉樹や、トウモロコシのしんなどの植物体中のキシラン成分を加水分解することにより得ることができる。詳細には例えば、これらの原料に酸・塩基などによる化学的処理や爆破などの物理的処理を施した後、酵素により分解する方法や、高温高圧水処理により分解するなど、公知適宜な方法により加水分解して、オリゴ糖を含む粗液を得ることができる。高温高圧水処理によりオリゴ糖を含む粗液を製造する場合であれば、チップ状や繊維状に粉砕した原料と水とを、例えばオートクレーブのような高温高圧処理可能な容器に入れ、加熱加圧すればよい。この際用いる水の量は特に制限されず、原料が水に浸漬していればよい。例えば、原料の乾燥重量に対して10〜150倍程度である。高温高圧水処理する際の温度は180〜200℃とするのがよい。処理時間は特に制限されないが、例えば5〜30分程度である。高温高圧水処理終了後、オリゴ糖を含む粗液は冷却コイル等により速やかに冷却し、ろ過や遠心分離などの処理により水に不溶の不純物を除去するとよい。
得られたオリゴ糖を含む粗液は不純物を含んでいるため通常茶褐色を呈している。これらの着色成分は例えばキシロースの二次分解物であるフルフラールや、シリンガアルデヒドなどのリグニン由来の成分だと考えられる。また、上記着色成分の他に、無色の不純物も含まれており、苦みなどの原因となっている。本発明の方法によれば、特定の活性炭を用いてこれらの無色の不純物を効果的に除去することができる。また、2種類の活性炭を使用して処理を行うことにより、無色の不純物及び着色成分の除去を同時に行うこともできる。
上記無色の不純物は、木質系を原料とし、半径が0〜10Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の15%以上の活性炭で処理することにより効果的に除去することができる。このような活性炭を、以下本明細書中で「無色不純物除去用活性炭」と称する場合がある。
無色不純物除去用活性炭としては、例えば鋸屑や木材などの木質系を原料とするもので、かつ半径が0〜10Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の15%以上、好ましくは20%以上、特に好ましくは25%以上であるものを使用できる。細孔半径の分布や平均細孔径などは特に制限されず、50Åより大きい幅広いサイズの細孔を有する活性炭であってもよい。例えば、半径が0〜10Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の20〜60%、好ましくは25〜35%、かつ半径が10〜50Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の20〜60%、好ましくは30〜40%、かつ半径が50〜100Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の0〜40%、好ましくは5〜15%、かつ半径が100Å以上の細孔の細孔容積が全細孔容積の0〜40%、好ましくは20〜30%である活性炭を好適に使用できる。活性炭の形状としては粉末状活性炭を特に好適に使用できる。平均粒径は10〜100μm、特に30〜40μmであるのが好ましい。また、全細孔容積としては特に制限されないが0.3〜1.5ml/g、好ましくは0.4〜1.2ml/gであるのがよく、比表面積としては500〜3000m2/g、好ましくは700〜2000m2/gであるのがよい。活性炭の賦活方法としては、薬品による賦活やガスによる賦活等、通常用いられている方法により賦活化されたものを何れも使用できるが、無色不純物除去用活性炭としては水蒸気により賦活化されたものを特に好適に使用できる。
無色不純物除去用活性炭でオリゴ糖を含む粗液を処理する方法は、活性炭が粗液に接触していればよく特に制限されないが、例えば、活性炭を粗液に添加して撹拌した後、ろ過により活性炭を取り除く方法によれば、装置や作業自体も簡単で効率的に精製処理を行うことができる。この際の活性炭の添加量は、オリゴ糖粗液の重量に対して例えば0.2〜1.2%、好ましくは0.4〜0.8%程度の範囲から選択できる。また、例えば粗液中に含まれる糖成分100重量部に対して活性炭を6〜40重量部、好ましくは10〜30重量部程度の範囲から選択することもできる。活性炭の使用量が少なすぎると十分な精製ができず、不純物が多く残存しがちであり、活性炭の使用量が多すぎると、目的物である糖成分が活性炭に吸着して収量が低下する。処理時間(活性炭とオリゴ糖粗液を接触させる時間)は特に限定されないが、5分〜3時間程度撹拌して接触させるのがよい。この際のオリゴ糖粗液の温度も特に制限されないが、室温で行うことができる。またろ過の方法も普通ろ過、吸引ろ過、加圧ろ過などから選択することができ、特に制限されない。このような無色不純物除去用活性炭処理により、オリゴ糖粗液中の無色不純物を効果的に除去でき、さらに着色成分の除去についてもある程度の効果が認められる。
さらに着色成分の除去率を高めたい場合には、半径が10〜50Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の40%以上である活性炭を上記無色不純物除去用活性炭と併用するとよい。なお、半径が10〜50Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の40%以上である活性炭を以下本明細書中で「脱色用活性炭」と称する場合がある。脱色用活性炭は、半径が10〜50Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の40%以上、好ましくは45%以上であるのがよい。半径が10Å未満である細孔の細孔容積は全細孔容積の15%未満であってもよい。半径が50Åより大きい細孔の細孔容積の比率は特に制限されず、また、細孔半径の分布なども特に制限されない。例えば、半径が0〜10Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の0〜10%、特に2〜10%、かつ半径が10〜50Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の45〜70%、特に50〜60%、かつ半径が50〜100Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の0〜30%、特に10〜20%、かつ半径が100Å以上の細孔の細孔容積が全細孔容積の0〜35%、特に20〜30%であるのが好ましい。脱色用活性炭としては例えば鋸屑など木質系を原料とする粉末状活性炭を特に好適に使用することができる。活性炭の平均粒径としては10〜100μm、特に30〜40μmが好ましい。活性炭の全細孔容積は0.5〜2.0ml/g、好ましくは0.6〜1.5ml/gであるのがよい。また、活性炭の比表面積は500〜3000m2/g、好ましくは700〜2000m2/gであるのがよい。賦活方法としては、例えばリン酸、塩化亜鉛、硫酸、塩化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の薬品により賦活化されたものを特に好適に使用できる。
無色不純物除去用活性炭と脱色用活性炭とを併用する場合には、例えば、両者の混合物を用いて処理することができる。具体的には例えば、無色不純物除去用活性炭と脱色用活性炭とを予め任意の割合で混合し、この混合物をオリゴ糖粗液に添加して撹拌する方法が挙げられる。無色不純物除去用活性炭と脱色用活性炭との比率は活性炭の重量比で、好ましくは4:1〜1:4、さらに好ましくは3:1〜1:3、特に好ましくは2:1〜1:2である。混合比率がこの範囲内であるとき、着色成分と無色の不純物との両方を高い精度で除去することができる。この際の活性炭の添加量は、特に制限されないが、例えば無色不純物除去用活性炭と脱色用活性炭との重量の和が、オリゴ糖粗液の重量の0.2〜1.2%程度、好ましくは0.4〜0.8%程度、又は、粗液中に含まれる糖成分100重量部に対して6〜40重量部好ましくは10〜30重量部程度の範囲から選択できる。処理時間及び処理温度も特に制限されず、室温において例えば5分〜3時間程度撹拌すればよい。撹拌終了後はろ過などにより活性炭を除去すればよい。
無色不純物除去用活性炭と脱色用活性炭とを併用する場合には、各々の活性炭による処理を独立に連続して行うこともできる。この場合、無色不純物除去用活性炭による処理を行った後に脱色用活性炭による処理を行ってもよく、または脱色用活性炭による処理を行った後に無色不純物除去用活性炭による処理を行ってもよい。処理方法は特に制限されないが、例えば粗液に活性炭を添加して撹拌する方法を採用できる。活性炭の添加量は特に制限されないが、例えば、各々の活性炭をオリゴ糖を含む粗液に対して0.2〜1.0重量%、特に0.4〜0.8%程度、又は粗液中に含まれる糖成分100重量部に対して6〜40重量部、特に10〜30重量部程度の範囲から選択して使用するのが好ましい。このように、各々の活性炭による処理を独立に行う場合でも、無色不純物除去用活性炭と脱色用活性炭との使用量の比率は活性炭の重量比で好ましくは1:4〜4:1、さらに好ましくは3:1〜1:3、特に好ましくは1:2〜2:1である。
本発明によれば、無色不純物除去用活性炭を使用することにより、オリゴ糖を含む粗液の精製において、従来活性炭処理では十分な効果が得られないとされていた無色の不純物を効果的に除去することができ、また、合わせて脱色効果も得られる。さらなる脱色が必要な場合には脱色用活性炭による処理を組み合わせて行えばよく、活性炭処理のみで製品に要求される精製度が達成できる。このようにして得られたオリゴ糖液は、例えばエバポレーター等により濃縮し、オリゴ糖を高濃度に含む糖液として使用してもよく、さらに適宜な方法によりオリゴ糖を単離してもよい。また、本発明の方法により得られたオリゴ糖液をさらにイオン交換樹脂などで処理して精製度を高めてもよい。この場合は、従来の活性炭処理とイオン交換樹脂処理とを組み合わせた精製方法に比べて、イオン交換樹脂の交換頻度を大幅に減らすことができるため、高純度のオリゴ糖液を安価に提供できることとなる。
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
(試験・評価)
〈オリゴ糖液の精製度〉
実施例及び比較例で得られたオリゴ糖液並びに精製処理前のオリゴ糖粗液について、420nm及び280nmにおける吸光度を測定することにより、これらの溶液中に含まれる着色成分(420nm)及び無色不純物(280nm)の相対的な濃度を測定した。測定結果を表1に示す。
〈精製処理による糖成分の損失量〉
実施例で得られたオリゴ糖液及び精製処理前のオリゴ糖粗液についてHPLC測定を行い、糖成分のピークの積分値を比較することにより糖成分の残存率を算出した。
HPLC測定条件
・カラム:TOSO TSKgelSCX(×2)
・溶離液:水
・検出器:RI
(オリゴ糖を含む粗液の製造)
粉砕機でチップ状にした白樺材10gと純水100gとをオートクレーブに入れ、バンドヒーターで190℃に加熱した。オートクレーブ内の温度が190℃に達してから10分間この温度を保持し、高温高圧水処理を行った。高温高圧水処理終了後速やかに室温まで冷却した。得られた抽出液を遠心分離し、次いで0.2μmのフィルターでろ過して不溶成分を除去した。さらに未分解のキシラン成分をキシロオリゴ糖に変換するためにAspergillus niger由来のキシラナーゼを用いて酵素加水分解を行い、キシロオリゴ糖を含む粗液を得た。得られたキシロオリゴ糖を含む粗液のHPLC測定結果を図1に示す。図1中X1、X2及びX3のピークはそれぞれキシロース、キシロビオース、及びキシロトリオースに相当し、単糖であるキシロースと、キシロオリゴ糖を含む糖液が得られたことがわかる。
(実施例1)
無色不純物除去用活性炭(フタムラ化学株式会社製:商品名「太閤K]、原料:木質系、形状:粉末状、賦活方法:水蒸気賦活、平均粒径35μm、比表面積1150m2/g、全細孔容積0.65ml/g、半径0〜10Åの細孔の細孔容積0.20ml/g、半径10〜50Åの細孔の細孔容積0.23ml/g、半径50〜100Åの細孔の細孔容積0.07ml/g、半径100Å以上の細孔の細孔容積0.15ml/g)をオリゴ糖を含む粗液に対して0.5重量%添加し、室温で1時間撹拌処理した。撹拌終了後活性炭をろ過により除去し、オリゴ糖液を得た。
(実施例2)
脱色用活性炭(フタムラ化学株式会社製:商品名「太閤S」、原料:木質系、形状:粉末状、賦活方法:薬品賦活、平均粒径35μm、比表面積1250m2/g、全細孔容積1.08ml/g、半径0〜10Åの細孔の細孔容積0.05ml/g、半径10〜50Åの細孔の細孔容積0.60ml/g、半径50〜100Åの細孔の細孔容積0.15ml/g、半径100Å以上の細孔の細孔容積0.28ml/g)をオリゴ糖を含む粗液に対して0.25重量%添加し、室温で1時間撹拌処理した。脱色用活性炭をろ過により除去した後、無色不純物除去用活性炭(フタムラ化学株式会社製:商品名「太閤K]、粉末状活性炭、平均粒径35μm、比表面積1150m2/g、全細孔容積0.65ml/g、半径0〜10Åの細孔の細孔容積0.20ml/g、半径10〜50Åの細孔の細孔容積0.23ml/g、半径50〜100Åの細孔の細孔容積0.07ml/g、半径100Å以上の細孔の細孔容積0.15ml/g)を液に対して0.25重量%添加し、室温で1時間撹拌処理した。活性炭をろ過により除去し、オリゴ糖液を得た。
(実施例3)
無色不純物除去用活性炭(フタムラ化学株式会社製:商品名「太閤K]、原料:木質系、形状:粉末状、賦活方法:水蒸気賦活、平均粒径35μm、比表面積1150m2/g、全細孔容積0.65ml/g、半径0〜10Åの細孔の細孔容積0.20ml/g、半径10〜50Åの細孔の細孔容積0.23ml/g、半径50〜100Åの細孔の細孔容積0.07ml/g、半径100Å以上の細孔の細孔容積0.15ml/g)と脱色用活性炭(フタムラ化学株式会社製:商品名「太閤S」、原料:木質系、形状:粉末状、賦活方法:薬品賦活、平均粒径35μm、比表面積1250m2/g、全細孔容積1.08ml/g、半径0〜10Åの細孔の細孔容積0.05ml/g、半径10〜50Åの細孔の細孔容積0.60ml/g、半径50〜100Åの細孔の細孔容積0.15ml/g、半径100Å以上の細孔の細孔容積0.28ml/g)を1:1の重量比で混合し、混合活性炭を調製した。この混合活性炭をオリゴ糖を含む粗液に対し0.5重量%添加し、室温で1時間撹拌処理した。撹拌終了後活性炭をろ過により除去し、オリゴ糖液を得た。糖成分の残存率は90.8%であった。
(実施例4)
混合活性炭の添加量をオリゴ糖を含む粗液に対し0.7重量%とした以外は、実施例3と同様の操作を行い、オリゴ糖液を得た。糖成分の残存率は89.5%であった。
(実施例5)
混合活性炭の添加量をオリゴ糖を含む粗液に対し1.0重量%とした以外は、実施例3と同様の操作を行い、オリゴ糖液を得た。糖成分の残存率は83.0%であった。
(比較例1)
脱色用活性炭(フタムラ化学株式会社製:商品名「太閤S」、粉末状活性炭、平均粒径35μm、比表面積1250m2/g、全細孔容積1.08ml/g、半径0〜10Åの細孔の細孔容積0.05ml/g、半径10〜50Åの細孔の細孔容積0.60ml/g、半径50〜100Åの細孔の細孔容積0.15ml/g、半径100Å以上の細孔の細孔容積0.28ml/g)をオリゴ糖を含む粗液に対し0.5重量%添加して、室温で1時間撹拌処理した。撹拌終了後活性炭をろ過により除去し、オリゴ糖液を得た。
(比較例2)
ヤシ殻破砕活性炭(フタムラ化学株式会社製:商品名「太閤CW830A」、粒状活性炭、平均粒径0.35mm、比表面積1050m2/g、全細孔容積0.22ml/g、半径0〜10Åの細孔の細孔容積0.13ml/g、半径10〜50Åの細孔の細孔容積0.06ml/g、半径50〜100Åの細孔の細孔容積0.02ml/g、半径100Å以上の細孔の細孔容積0.01ml/g)をオリゴ糖を含む粗液に対して0.5重量%添加し、室温で1時間撹拌処理した。撹拌終了後活性炭をろ過により除去し、オリゴ糖液を得た。
Figure 2006238773
無色不純物処理用活性炭のみを用いて処理した実施例1では、脱色用活性炭のみを用いた以外は同条件で処理を行った比較例1に比べて、無色不純物の残存量が約半分にまで減少している。また、無色不純物除去用活性炭と脱色用活性炭とを併用して処理した場合には、着色成分及び無色不純物残存率を共に減少させることができ、実施例では最大で約5%にまで減少させることができた。比較例2で使用した活性炭では、着色成分の除去には全く効果が得られず、無色不純物の除去にもほとんど効果は得られなかった。
実施例で用いたオリゴ糖を含む粗液のHPLC測定結果を示すチャートである。

Claims (7)

  1. オリゴ糖を含む粗液を精製してオリゴ糖を得る方法であって、前記粗液を、木質系を原料とし、半径が0〜10Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の15%以上である活性炭を使用して精製することを特徴とするオリゴ糖の製造方法。
  2. 半径が10〜50Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の40%以上である活性炭を併用する請求項1記載のオリゴ糖の製造方法。
  3. 木質系を原料とし、半径が0〜10Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の15%以上である活性炭と、半径が10〜50Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の40%以上である活性炭との混合物を使用する請求項2記載のオリゴ糖の製造方法。
  4. 木質系を原料とし、半径が0〜10Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の15%以上である活性炭を使用して精製した後に半径が10〜50Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の40%以上である活性炭を使用して精製するか、又は、半径が10〜50Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の40%以上である活性炭を使用して精製した後に木質系を原料とし、半径が0〜10Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の15%以上である活性炭を使用して精製する請求項2記載のオリゴ糖の製造方法。
  5. 木質系を原料とし、半径が0〜10Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の15%以上である活性炭と、半径が10〜50Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の40%以上である活性炭との重量比が4:1〜1:4である請求項2〜4の何れかの項に記載のオリゴ糖の製造方法。
  6. 木質系を原料とし、半径が0〜10Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の15%以上である活性炭が水蒸気により賦活されている請求項1〜5の何れかの項に記載のオリゴ糖の製造方法。
  7. 半径が10〜50Åの細孔の細孔容積が全細孔容積の40%以上である活性炭が薬品により賦活されている請求項2〜5の何れかの項に記載のオリゴ糖の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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