JP2006234732A - 塑性域寸法推定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 大きく変形するような測定対象についても塑性域寸法を推定することができる塑性域寸法推定方法を提供する。
【解決手段】 繰り返し荷重によって測定対象物に生じる温度上昇部分について、荷重を取り去った後の時間経過に対する温度低下率の関係をモデル化し、荷重取り去り後の温度測定時における温度低下率を上記モデルから求め、求められた温度低下率と温度測定値とから温度低下前の最大温度tmaxを計算し、温度低下に影響を与える測定対象物固有の強度・伝熱パラメータを既知数pとするとき、温度低下前の最大温度tmaxを下記塑性域寸法推定式に代入することにより塑性域寸法Sを推定する塑性域寸法推定方法である。
塑性域寸法1.7=C・温度低下前の最大温度/p
ただし、Cは塑性域寸法推定値のバラツキの中心を規定する定数
【選択図】 図2

Description

本発明は、部材の応力集中箇所に生じた塑性域の寸法を推定する塑性域寸法推定方法に関するものである。
自動車の車体フレーム等に見られるように、近年の構造物には軽量化を目的として積極的に薄鋼板が用いられるようになっている。ところで、これらの構造物に発生する破損は、薄鋼板に加工された切欠き部等に応力が集中した結果によるものが多く、そのため、応力集中部の強度を評価することが重要となる。
応力集中部には局所的に塑性変形が発生している可能性があり、局所塑性部の強度を推定するパラメータとして塑性域寸法がある。しかしながら、既に組み立てられた構造物について塑性域寸法を例えばひずみゲージを用いて検出することは実質的に不可能なことが多い。
そこで近年では、部材が変形するときに生じるひずみエネルギが、塑性変形域において大部分熱エネルギに変換されることに着目し、赤外線カメラを用いた塑性域寸法測定方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
溶接学会全国大会講演概要 第51集 ( ’92-10)第276頁〜277頁
しかしながら、塑性変形で部材に発生した熱は材料の熱伝導特性により塑性域外へ伝達されてしまうため、温度上昇の挙動を正確に調べるためには部材の温度を測定するだけでは足らず、熱伝導特性を検討することが不可欠である。
赤外線カメラによって測定される温度挙動から塑性域寸法を推定するためには、材料の発熱特性および伝熱特性を考慮に入れ、系統的に検討する必要がある。また、その推定方法を部材・構造物の強度評価に用いるためには現場での使用に適した簡便性を備えていなければならない。
これまでに塑性変形による発熱挙動を調べた例はいくつか報告されているが、FEM(有限要素法)等の計算によって温度を推定するに留まっており、発熱・伝熱特性を含めて系統的に塑性域寸法と温度上昇との関係を調べたものはない。このように、赤外線カメラで測定された温度から塑性域を推定するには繁雑な解析が必要となり簡便性を備えたものとはいえなかった。
さらに、塑性変形の影響を調べるために、部材に対して一方向から引張荷重を加えることが一般的に行われているが、組み立てられた部材のほとんどが繰り返し負荷の条件下で試験(または操業)が行われていることからすれば、これ以外の新たな荷重を別に加えることも極力避けるべきである。
このような状況の下、例えば自動車足回り部品の耐久強度試験チェックのために行われる繰り返し負荷では部品が大きく移動することが多く、局部的な塑性変形の生じる危険性があるにもかかわらず、塑性域寸法を測定することができないという問題がある。
本発明は以上のような従来の塑性域寸法測定方法における課題を考慮してなされたものであり、簡単な方法で部材の応力集中部に生じた塑性域寸法を推定することができ、しかも大きく変形するような測定対象についても塑性域寸法を推定することができる塑性域寸法推定方法を提供するものである。
本発明は、繰り返し荷重が加えられる測定対象物の、塑性変形によって生じる塑性域寸法を推定する塑性域寸法推定方法において、繰り返し荷重によって測定対象物に生じる温度上昇部分について、荷重を取り去った後の時間経過に対する温度低下率の関係をモデル化し、荷重取り去り後の温度測定時における温度低下率を上記モデルから求め、求められた温度低下率と温度測定値とから温度低下前の最大温度を計算し、温度低下に影響を与える測定対象物固有の強度・伝熱パラメータを既知数pとするとき、温度低下前の最大温度を下記塑性域寸法推定式に代入することにより塑性域寸法を推定する塑性域寸法推定方法である。
塑性域寸法1.7=C・温度低下前の最大温度/p ……(1)
ただし、Cは塑性域寸法推定値のバラツキの中心を規定する定数
本発明において、上記強度・伝熱パラメータpとして、〔降伏応力2/縦弾性係数〕・〔(密度・比熱・負荷周波数)/熱伝導率〕を与えることができる。
本発明において、荷重取り去り後の測定対象物の温度と、温度低下前の測定対象物の最大温度とを予め実験により経時的に測定すれば、ある時間経過後の温度低下率は下記式から求めることができる。
温度低下率=1−(荷重取去り後に測定した温度/温度低下前の上記測定対象物の最大温度) ……(2)
本発明において、繰り返し荷重取り去り後、ある時間経過後の温度低下率を上記式(2)より求めれば、推定しようとする測定対象物についての温度低下前の最大温度は下記式から求めることができる。
温度低下前の最大温度=荷重取去り後に測定した温度/(1−温度低下率)……(3)
本発明において、塑性域寸法とは、例えばき裂状の欠陥がある場合にその先端に生じた塑性域においてき裂進行方向の最大長さを意味する。
本発明によれば、簡単な方法で部材の応力集中部に生じた塑性域寸法を推定することができ、しかも大きく変形するような測定対象についても塑性域寸法を推定することができるという長所を有する。
以下、図面に示した実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は、応力が集中するモデルとして、き裂状欠陥を持つ部材を示したものである。
同図において、1は薄板状の部材(測定対象物)であり、2はその部材1に存在するき裂状欠陥である。
この部材1に対し繰り返し負荷(矢印AおよびB方向の互いに反対向きの引張荷重)を加えた場合のき裂状欠陥2の先端について温度調査対象部3を設定し、赤外線カメラを用いて温度変動を測定した。なお、き裂状欠陥2は矢印AおよびB方向に負荷が加わった場合に最も破壊の危険性が高くなる設定である。
上記温度調査対象部3とは、繰り返し荷重を加えるによって部材1に生じる温度上昇部分に相当する。
図2は測定結果を模式的に示したものであり、同図(a)は部材1に塑性変形が生じない場合の温度変化を比較例として示したものであり、同図(b)は部材1に塑性変形が生じた場合の温度変動を示している。なお、図2(b)中、Rは塑性域を示し、Sは塑性域寸法を示している。
両図において、部材1は塑性変形してもしなくても発熱および吸熱による温度変動が発生するが、塑性変形しない場合には、図2(a)に示されるように初期状態と同一の平均温度θ0を境として温度が変動する。
一方、塑性変形が発生した場合は、繰り返し負荷が作用した場合に発熱のみが発生するため平均温度は初期温度θ0から次第に上昇し、ある温度θmで飽和する。大型構造物や負荷時の振動量が小さい場合には、塑性域寸法を推定するための上記平均温度の上昇量を把握することができる。
しかしながら、自動車足回り部品の耐久強度チェックのために行われる繰り返し負荷時には部品が大きく移動することが多く、このような場合には上記した平均温度測定手法は用いることができない。なぜなら部材1が繰り返し負荷を受けるのに対し、赤外線カメラは通常固定されているため、部材1の変形量が大きくなると、赤外線カメラの測定画像内で、き裂先端領域は大きく移動してしまい、繰り返し負荷中の温度変化を撮影した画像から自動的にき裂先端近傍の温度挙動を把握することができなくなるからである。
これを解決するには、コマ送りしながら1画像毎にき裂先端の温度を手作業で調べるといった繁雑な作業が必要となってくる。このような効率の悪い測定は、もちろん、現場で簡便に測定することができることを目的とする本発明の趣旨にそぐわない。
そこで、本発明は、負荷停止後の部材1の温度挙動に着目して塑性域寸法を推定する。
繰り返し負荷停止直後の部材1は、変形については停止しているが、繰り返し負荷中に生じた温度上昇が残留し影響しているため、定常状態に比べると温度調査対象部3の温度は上昇している。この温度上昇は時間の経過とともに低下し、十分な時間が経過すると定常状態の温度に安定する。
この“負荷停止直後の温度−定常状態の温度”は、繰り返し負荷中の平均温度最大上昇量に相当するとみなされる。
本発明ではこの手法を用い、まず、き裂先端の塑性域における温度上昇量を測定する。
図3はき裂先端の塑性域における温度上昇を測定したものであり、同図から、塑性変形に対応する温度上昇の検出されていることが確認できる。
ただし、温度上昇量tは負荷停止後の温度低下によって得られるものであるから、繰り返し負荷中における最大温度上昇量tmax(図2(b)参照)と比べると、温度上昇量tは最大温度上昇量tmaxよりも低くなる。また、負荷停止の温度測定タイミングによっても温度測定値は変化する。
そこで、塑性域寸法を推定するためには予め、温度測定タイミングでの温度低下率を把握する必要がある。
ここでは、以下の方法で塑性域寸法の推定手法を検討する。
まず、温度測定タイミングと温度低下率の関係を調べ、その関係から得られた温度低下率と温度測定値に基づいて温度調査対象部3における低下前の温度を決定し、次いで塑性域寸法との関係を把握する。
a)測定タイミングと温度低下率との関係
部材1における負荷停止後の温度低下挙動に対しては、負荷停止直後の温度調査対象部3近傍の温度分布が影響を与える。すなわち、き裂先端に高温部分が集中しているほど図4(a)の温度分布に示すように周囲の低温度域の影響を受けやすく温度は急激に低下する。
一方、き裂先端がそれほど高温にならない場合は同図(b)の温度分布に示すように周囲の低温度域の影響を受けることが少なく温度は緩慢に低下する。
上記温度分布に影響を与える因子として繰り返し負荷中の負荷周波数に着目する。
負荷周波数が高いほど熱が逃げにくくなり(サイクルが短いことによって外部に熱が奪われる前に発熱に切り替わるため)き裂先端に高温度域が集中しやすくなる。
図5(a)に示すグラフは周波数およびいくつかの条件(例えば部材1の材質を複数用意する等)を変えた場合における負荷停止後の温度低下挙動を測定したものである。
同グラフにおいて、横軸は時間(sec)、縦軸は温度低下率を示している。
ただし、温度低下率=1−(負荷取去り後に測定した温度/温度低下前の最大温度)
で計算される。
同グラフより、時間の経過とともに温度低下率が対数的に増加する傾向のあることがわかる。さらに、負荷周波数の差異によって温度低下率の挙動が大きく変化することが確認できる。
図中▲印は負荷周波数が5Hz、○印は同じく10Hz、■印は同じく5Hzを示している。
なお、○印が多数存在するのは異なる材質のものを同時に示しているからであるが、材質の相違が温度低下率に与える影響は小さい。
ここで、負荷周波数が10Hzにおいて、温度低下率と経過時間の関係は次式で表される。
温度低下率=0.10・ln(経過時間)+0.80 ……(4)
また、経過時間を0.10secにおける負荷周波数と温度低下率との関係を図5(b)に示す。
同図(b)において横軸は負荷周波数を、縦軸は温度低下率を示しており、負荷周波数が高いほど温度低下率の大きくなることが分かる。また、その関係は対数関係で表される。
ここでの温度低下率と負荷周波数との関係は以下のように表される。
温度低下率=0.12・ln(負荷周波数)+0.23 ……(5)
上記式(1)は負荷周波数を固定した場合において、温度低下率に対する測定タイミングの影響を表し、また、上記式(2)は測定タイミングを固定した場合において、温度低下率に対する負荷周波数の影響を表している。
実際には、経過時間と負荷周波数の2因子の影響が掛け合わされることから、温度低下率は{0.1・ln(経過時間)+0.80}・{0.12・ln(負荷周波数)+0.23}により整理される。
上記{0.1・ln(経過時間)+0.80}・{0.12・ln(負荷周波数)+0.23}を横軸とし、縦軸に温度低下率としてサンプリングデータをグラフ中にプロットすると、図6のグラフに示す通りになる。
同グラフより、温度低下率は下記式(6)(グラフ中、A線参照)を中心として温度低下率±0.1%内でばらつくことがわかる(グラフ中、B線およびC線参照)。
温度低下率=1.67・{0.1・ln(経過時間)+0.80}・{0.12・ln(負荷周波数)+0.23}……(6)
なお、実用的には安全側の評価として温度の評価率を高めに設定することが望ましい。そこで本実施形態では温度低下率としてバラツキの上限(B線)を採用する。
このB線は下記式で表される。
温度低下率=1.67・{0.1・ln(経過時間)+0.80}・{0.12・ln(負荷周波数)+0.23}+0.1 ……(7)
この式(7)を用いて温度測定タイミング、負荷周波数を考慮に入れ温度低下率を推定することができ、下記式のように荷重取去り後に測定した温度(実際のき裂先端温度の測定値)を、“1−温度低下率”で除することにより、低下前の温度を推定することができるようになる。
温度調査対象部の最大温度=荷重取去り後に測定した温度/(1−温度低下率)
……(8)
b)塑性域寸法の推定
塑性域寸法と温度調査対象部3の最大温度上昇量tmaxとの間には、材料の強度・伝熱特性・負荷周波数が影響を与えており、以下の関係が成立する。
塑性域寸法1.7=D・最大温度上昇量tmax/〔(降伏応力2/縦弾性係数)・(密度・比熱・周波数/熱伝導率)〕 ……(9)
なお、Dは定数である。
上記塑性域寸法と最大温度上昇量の関係式は以下の手順で求められる。
塑性変形による発熱量は塑性域寸法の面積に比例すると考えられるため、便宜上、塑性域の面積は塑性域寸法のA乗に比例するものと仮定する。
一般に、塑性変形による発熱量はその塑性仕事に比例し、き裂状欠陥の先端の塑性仕事はき裂先端のパラメータであるJ積分に対応すると考えられる。J積分は塑性域が過大でない限り(応力拡大係数)2/(縦弾性係数)に比例する。すなわち、発熱量∝応力拡大係数2/縦弾性係数となる。
一方、塑性域は(応力拡大係数)2/(降伏応力)2に比例する。すなわち、塑性域∝応力拡大係数2/降伏応力2となる。
以上の関係より、発熱量と塑性域の関係は以下のように表される。
発熱量∝(降伏応力2/縦弾性係数)×塑性域寸法 ……(10)
ここで、塑性域寸法が一定であると仮定すると、温度上昇量は(降伏応力2/縦弾性係数)に比例すると単純化される。
また、文献によれば、繰り返し負荷の加わる物体が局所的に発熱した場合、その温度上昇量はフーリエ数に依存するとある。フーリエ数は(熱伝導率)/(密度・比熱・負荷周波数)に比例する無次元数であり、フーリエ数が小さいほど温度上昇量は大きくなり、この逆に、フーリエ数が大きいほど温度上昇量は小さくなる。
これにより、局所発熱による温度上昇はフーリエ数に反比例すると考えられ、また、(密度・比熱・負荷周波数)/(熱伝導率)に比例すると考えることもできる。
上記前提において、塑性域寸法に対応する最大温度上昇量をグラフ上にプロットし各プロットを曲線で結べば、最大温度上昇量tmaxと塑性域寸法は比例することが分かり、最大温度上昇量は定数×塑性域寸法1.7によって求められる。従って、先に便宜上、塑性域寸法のA乗と仮定したAは1.7と決めることができる。
また、最大温度上昇量tmaxは降伏応力2/縦弾性係数に比例し、密度・比熱・周波数/熱伝導率に比例することから、最大温度上昇量を定式化すると、
最大温度上昇量tmaxは影響因子を掛け合わせた下記式で表される。
最大温度上昇量tmax=B・塑性域寸法1.7・(降伏応力2/縦弾性係数)・(密度・比熱・周波数/熱伝導率) ……(11)
ただし、定数Bは掛け合わせた各因子の値と最大温度上昇量とを1:1に対応させるために定めたものである。
式(7)より塑性域寸法は下記のように求められる。
塑性域寸法1.7=C・最大温度上昇量tmax/〔(降伏応力2/縦弾性係数)・(密度・比熱・周波数/熱伝導率)〕 ……(12)
なお、このときの定数Cは27であり、塑性域寸法推定値のバラツキの中心を規定している。
次に、強度評価において許容されるバラツキ量を補正係数とし、この補正係数と上記塑性域寸法推定値のバラツキの中心を規定する定数Cとを考慮した定数を新たにDとすると、塑性域寸法は最終的に上述した式(9)となる。このときの定数Dは32である。
また、式(9)での最大温度上昇量は、上述した“温度低下前の温度調査対象部の最大温度”に対応すると考えられる。
そこで、最大温度上昇量を“温度低下前の温度調査対象部の最大温度”に置き換えて塑性域寸法を推定した結果を図7のグラフに示す。
同グラフは、横軸に温度測定タイミング(sec)、縦軸に塑性域寸法1.7(mm)をとり、温度測定タイミングに対する塑性域寸法1.7推定値の挙動を示している。
同グラフからわかるように、推定値はグラフ中、E線で示す塑性域寸法正解値をほぼ推定できており、上記した手法により温度低下前の温度調査対象部の最大温度を推定することの有用性が確認できた。
なお、上記実施形態に示した解析では周囲環境条件として無風状態を仮定しているが、風が強く当たる場合には、当然、熱伝導の挙動に影響が及ぶため温度低下率にも影響が及ぶことになる。したがって、環境に応じて、推定された温度低下率と実際の温度低下率とのギャップを、熱電対測定等を通じて把握しておき、環境因子として下記式の補正係数Fを定めてことが必要になる。
温度低下率=F・1.67・{0.1・ln(時間)+0.80}・{0.12・ln(負荷周波数)+0.23}……(13)
上記した実施形態によれば、部品の変形量が大きい場合に、繰り返し負荷中の温度変化を赤外線カメラで撮影し、1画像ごとにコマ送りしてき裂先端の温度を手動で調べるといった繁雑な解析が不要になり、現場でも簡便に塑性域寸法を推定することが可能になる。
本発明の実施形態に係るき裂状欠陥モデルの説明図である。 (a)は塑性変形がない場合の、(b)は塑性変形がある場合の各温度変化を示す模式図である。 き裂先端の塑性域における温度上昇および温度低下の挙動を示す模式図である。 (a)はき裂先端が高温になる場合の温度低下を示し、(b)は高温にならない場合の温度低下を示す説明図である。 (a)は負荷停止後の温度低下挙動を測定したグラフ、(b)は負荷周波数と温度低下率の関係を示すグラフである。 経過時間・周波数と温度低下率との関係を示すグラフである。 温度測定タイミングに対する塑性域寸法推定値の挙動を測定したグラフである。
符号の説明
1 き裂状欠陥を持つ部材
2 き裂状欠陥
3 温度調査対象部
4 試験片
5 き裂状欠陥
R 塑性域
S 塑性域寸法

Claims (4)

  1. 繰り返し荷重が加えられる測定対象物の、塑性変形によって生じる塑性域寸法を推定する塑性域寸法推定方法において、
    繰り返し荷重によって上記測定対象物に生じる温度上昇部分について、荷重を取り去った後の時間経過に対する温度低下率の関係をモデル化し、
    荷重取り去り後の温度測定時における温度低下率を上記モデルから求め、求められた温度低下率と温度測定値とから温度低下前の最大温度を計算し、
    温度低下に影響を与える上記測定対象物固有の強度・伝熱パラメータを既知数pとするとき、上記温度低下前の最大温度を下記塑性域寸法推定式に代入することにより塑性域寸法を推定することを特徴とする塑性域寸法推定方法。
    塑性域寸法1.7=C・温度低下前の最大温度/p ……(1)
    ただし、Cは塑性域寸法推定値のバラツキの中心を規定する定数
  2. 上記強度・伝熱パラメータpとして、〔降伏応力2/縦弾性係数〕・〔(密度・比熱・負荷周波数)/熱伝導率〕が与えられる請求項1記載の塑性域寸法推定方法。
  3. 荷重取り去り後の上記測定対象物の温度と、温度低下前の上記測定対象物の最大温度とを予め実験により経時的に測定し、ある時間経過後の上記温度低下率を下記式から求める請求項1または2記載の塑性域寸法推定方法。
    温度低下率=1−(荷重取去り後に測定した温度/温度低下前の上記測定対象物の最大温度) ……(2)
  4. 繰り返し荷重取り去り後、ある時間経過後の温度低下率を上記式(2)より求めておき、推定しようとする測定対象物についての温度低下前の最大温度を下記式から求める請求項3記載の塑性域寸法推定方法。
    温度低下前の最大温度=荷重取去り後に測定した温度/(1−温度低下率)……(3)
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