JP2006234228A - 発熱体 - Google Patents

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Kazuji Uchida
一二 内田
Fumie Yamazaki
文枝 山崎
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Abstract

【目的】 比較的簡単な構成でありながら効率よく水を加熱して瞬時に温水や熱水を作ることができる電気湯沸器に適した発熱体の実現を目的とする。
【構成】 内面に液体が通過する溝部3を有し、外面に導電性被膜面4とこの導電性被膜面4に通電を可能にする一対の電極2とを有する2枚の平面ガラス板1を内面側を対向して貼り合わせて構成され、溝部3を流れる液体を加熱することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は発熱体に関し、特にガラスに蒸着された金属薄膜に通電して発熱させる高効率の発熱体に関する。
従来から、一般家庭で温水や熱水を瞬時に作る手段として、ガスの燃焼熱で細いパイプ内の水を熱するガス湯沸器が用いられてきた。一方、電気エネルギーを用いる場合は、家庭用として使える電力が限られているため、従来は、ガス湯沸器ほど急速に水を温めることができず、セラミックヒータなどを用いたものでも、ある程度の水を予め加熱して温水にして蓄積おき、さらにこれに加熱して温水や熱水を得るような方法が採られていた。しかし、このような方法では、温水を貯蔵するタンクとして大容量のものが必要になり、装置が大型化するという問題があった。
この問題を避けるために、コンデンサ又は蓄電池などに電力を充電しておき、湯沸し時にこの充電電力をヒータに流すようにして温水タンクをなくした例が報告されている(特許文献1及び特許文献2参照。)。また、面状発熱体を密に配置してその間に水を流すようにして温水タンクをなくした例なども報告されている。(特許文献3参照。)。しかし、何れにしろ、装置が複雑になったり大型化することは避けられないという問題がある。
特開平11−281155号公報 特開2004−53098号公報 特開2000−74484号公報
上述のように、従来の電気湯沸器は、温水タンクを備えたものも、温水タンクを無くすようにしたものも、何れも装置が大型で複雑になるという問題があり、ガス湯沸器ほど小型で簡単な構成にはならないという問題があった。
本発明はこの問題を解決して、比較的簡単な構成でありながら効率よく水を加熱して瞬時に温水や熱水を作ることができる電気湯沸器に適した発熱体の実現を課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に記載の発熱体は、内面に液体が通過する溝部を有し、外面に導電性被膜とこの導電性被膜に通電を可能にする一対の電極とを有する2枚の平面ガラス板を内面側を対向して貼り合わせて構成され、前記溝部を流れる液体を加熱することを特徴とする。
上記課題を解決するため、本発明の請求項2に記載の発熱体は、請求項1に記載の発熱体において、前記導電性被膜は金属酸化物の蒸着膜であることを特徴とする。
上記課題を解決するため、本発明の請求項3に記載の発熱体は、請求項1又は請求項2に記載の発熱体において、前記導電性被膜は酸化錫の蒸着膜であることを特徴とする。
本発明の発熱体は以上のように形成されたので、簡単な構成で効率よく、流水を短時間に効率的に加熱することができる。
本発明を添付図面に添って詳細に説明する。
図1は、本発明の発熱体の一実施の形態の外観斜視図である。また、図2に、本発明の発熱体の湯沸器としての利用状態の説明図を示す。図1及び図2において、符号1はガラス板、符号2は電極、符号3は流水溝、符号4は導電性被膜蒸着面、符号10は発熱体、符号11及び符号12は取水アダプター、符号13は水道蛇口、符号14は電源、符号15はスイッチである。
発熱体10は、断面凹形状のガラス板1を向かい合わせに接合して構成する。ガラス板1には通常のソーダガラス又は強化ガラスを用いることができる。ガラス板1の厚みは4〜6mmであり、縦横の長さは15〜30cm程度である。ガラス板1に設けられた流水溝3の深さは0.5mm程度で、2枚のガラス板1を張り合わせることで1mm幅の管路が発熱体10中央に形成される。ガラス板1の流水溝3が設けられてない表面側の導電性被膜蒸着面4は金属酸化物、好ましくは酸化錫の蒸着膜で覆われており、一対の電極2が設けられている。本発明の発熱体10はこのガラス板1の内面側を向かい合わせに張り合わせて形成されていて、その流水溝3に流れる水を導電性被膜蒸着面4を流れる電流による発熱で温める構成を採っている。ガラス板1は予熱で30〜50℃に常時暖めておいても良い。そうして使用時にはガラス板1の温度を例えば150℃程度にする。
本発明の発熱体10を湯沸器に用いる場合には、図2に示すように、取水アダプター11及び12を発熱体10の上流及び下流にそれぞれ取り付け、上流側の取水アダプター11を水道の蛇口13に接続する。また、発熱体10の電極2はそれぞれ電源14の端子に接続する。電源14は直流電源でも交流電源でも差し支えない。
この状態で水道蛇口13を緩め水を発熱体10の流水溝3を介して流すとともに、スイッチ15をオンにして電源14から電極2を介して導電性被膜蒸着面4に電流を流して導電性被膜蒸着面4を発熱させ、流水溝3を流れる水を温める。
この発熱体10を用いた湯沸器の構成によると、導電性被膜蒸着面4での温度上昇は無駄なく流水溝3を流れる水を温めるために用いられるので、流水を短時間に高効率で熱湯にすることが可能になる。したがって、蛇口13からの水量を調節することで、取水アダプター12の下部の取水口から流れる温水や熱水の温度を広範囲に調節することができる。また、流水溝3を流れる水量に応じて電源14の電圧や導電性被膜蒸着面4を流れる電流を制御して、取水口からの温水や熱水の温度を一定に保つことも可能である。これによって、蛇口13をゆるめて水を流し始めたときや、蛇口13を閉めたときに冷たい水や高温の湯が流れ出ることを防止することができる。また、発熱体10自身が透明であるため、湯沸器の流水の状態や熱水の沸騰状態を外部から容易に観測することができる。
導電性被膜蒸着面4に蒸着される金属酸化物は、充分な抵抗値を有し、透明で、堅牢で容易に剥離せず、廉価に製造でき、ガラスに対して反応しない物質であることが好ましい。酸化錫はこのような考え方から選択して得られる、最適な物質の1つである。
以上、本発明の発熱体を湯沸器に応用する場合について説明したが、本発明の発熱体は湯沸器以外にも、例えばプリンタの定着器、乾燥機、また透明であることを用いて冷凍ケースの表示窓など広範囲に用いることができる。
本発明の発熱体は、簡単な構成で効率よく液体を加熱することができるので、湯沸器をはじめ、急速に液体を加熱する用途に広く用いることができ、さらに、それ以外の加熱目的にも用いることができるので、広範囲な産業分野に利用することが可能である。
本発明の発熱体の外観斜視図である。 本発明の発熱体の湯沸器としての利用状態の説明図である。
符号の説明
1 ガラス板
2 電極
3 流水溝
4 導電性被膜蒸着面
10 発熱体
11、12 取水アダプター
13 水道蛇口
14 電源
15 スイッチ

Claims (3)

  1. 内面に液体が通過する溝部を有し、外面に導電性被膜とこの導電性被膜に通電を可能にする一対の電極とを有する2枚の平面ガラス板の内面側を対向して貼り合わせて構成され、前記溝部を流れる液体を加熱することを特徴とする発熱体。
  2. 前記導電性被膜は金属酸化物の蒸着膜であることを特徴とする請求項1に記載の発熱体。
  3. 前記導電性被膜は酸化錫の蒸着膜であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発熱体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009216369A (ja) * 2008-03-07 2009-09-24 Takashi Misawa 熱交換構造体

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