JP2006233462A - ラッチ錠 - Google Patents

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Abstract

【課題】揺動扉を両側方向に開くことができつつ、閉じの状態では確実にロックできる簡単な構造からなるラッチ錠の提供を目的とする。
【解決手段】固定側に取付けるラッチ受部材と、揺動扉側に取付ける突没自在で且つ一対となる少なくとも2つのラッチ部材とを備え、ラッチ受部材には一対のラッチ部材にそれぞれ対応して扉の揺動方向中央よりにラッチヘッド収容部と、一のラッチヘッド収容部の揺動方向右側と他のラッチヘッド収容部の揺動方向左側とに相互に対称的にラッチ係止部を有し、ラッチ部材の先端部を形成するラッチヘッドは、ラッチ係止部に当接係止する係止面部とラッチ係止部に当接して没入する傾斜面部とからなる扉の揺動方向断面において略直角三角形に形成してあり、扉が閉じた状態で一のラッチヘッドと他のラッチヘッドとの係止面部がそれぞれラッチ係止部側に位置して相互に対称に有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、揺動する扉の揺動端側を開閉自在に保持するラッチ錠に関する。
門扉や開きドア等においては、縦方向の一側縁を蝶番やヒンジ等により回動自在に支持し、他の開放側縁部に錠を取付けて開きを施錠又は解錠するラッチ錠は公知である。
この種のラッチ錠としては、図5に示すようにラッチヘッド101は、矢印で示した扉の閉じる方向に対して、傾斜面を有していて、ばね付勢に抗して没入するが、開く方向にはラッチ受部材102に面係止してロックする構造である。
即ち、従来のラッチ錠は扉を一方向にのみ開くことを前提にしているため、図5に示すように例えば、扉の移動を規制する戸先受部103を有している。
このような片側方向にのみ揺動する扉や開きドアにおいては、例えば歩行が困難な通行者が車椅子や歩行器を用いて通行しようとする際に、扉が手前側にのみしか開かない場合には、操作ノブや操作レバーに手が届くまで扉に近付いた後で、扉の手前側開きに合わせて後退しなければならず、通行が困難であるという問題があった。
従って、ユニバーサルデザインの観点からは、扉が両側方向のどちら側にも開くようにする構造が望まれる。
出願人はそのような観点から、先に特開2001−227269号公報に開示する技術を提案している。
本発明はさらに発展させて、簡単な構造で各種扉や開きドアに適用できるラッチ錠を提供せんとするものである。
特開2001−227269号公報
本発明は上記背景技術に鑑みて、揺動扉を両側方向に開くことができつつ、閉じの状態では確実にロックできる簡単な構造からなるラッチ錠の提供を目的とする。
本発明におけるラッチ錠は、固定側に取付けるラッチ受部材と、揺動扉側に取付ける突没自在で且つ一対となる少なくとも2つのラッチ部材とを備え、ラッチ受部材には一対のラッチ部材にそれぞれ対応して扉の揺動方向中央よりにラッチヘッド収容部と、一のラッチヘッド収容部の揺動方向右側と他のラッチヘッド収容部の揺動方向左側とに相互に対称的にラッチ係止部を有し、ラッチ部材の先端部を形成するラッチヘッドは、ラッチ係止部に当接係止する係止面部とラッチ係止部に当接して没入する傾斜面部とからなる扉の揺動方向断面において略直角三角形に形成してあり、扉が閉じた状態で一のラッチヘッドと他のラッチヘッドとの係止面部がそれぞれラッチ係止部側に位置して相互に対称に有していることを特徴とする。
ここで、扉が閉じた状態で一のラッチヘッドと他のラッチヘッドとの係止面部がそれぞれラッチ係止部側に位置して相互に対称に有しているとは、例えば図1に示すように扉の左側縁部が水平方向に回転揺動し、開放側の縦方向縁部にラッチケースを取り付け、固定扉あるいは柱等の固定側にラッチ受部材を取付けた場合に、ラッチケースに上下一対の2つのラッチ部材をそれぞれ突出、没入自在に備え、上側のラッチ部材のラッチヘッドは、ラッチヘッド収容部の向かって揺動方向右側(奥側)のラッチ係止部に対応して、奥側に係止面部、手前側に傾斜面部を有し、下のラッチ部材のラッチヘッドは、それとは逆にラッチヘッド収容部の向かって揺動方向左側(手前側)のラッチ係止部に対応して手前側に係止面部及び奥側に傾斜面部を配置することをいう。
このように上下一対のラッチ部材をその係止面部及び傾斜面部を扉の揺動方向対称に配置したことにより、上記の配置例においては、固定側のラッチ受部材を境にして奥側から手前側に向けて扉が移動(揺動)すると、ラッチヘッドの手前側傾斜面がラッチ係止部の奥外側に当たり、ラッチヘッドは傾斜面に沿ってばね付勢に抗しつつラッチケース内に没入し、ラッチヘッドの先端がラッチ係止部の先端を通過するとラッチヘッドはラッチ受部材のラッチヘッド収容部に突出しロックする。
この場合に、下側のラッチヘッドは手前側が係止面部になっているのでラッチ係止部より手前には揺動しない。
逆に、扉が手前からラッチ受部材側に揺動する場合には、下側のラッチヘッドがラッチ係止部の手前外側に当たり没入し、上側のラッチヘッドの係止面部にて、それ以上奥側に移動するのを防止する。
これにより、扉が固定側を境にして奥側からあるいは手前側からどちらから移動しても確実にロックできる。
本発明においては、一対のラッチ部材は、ラッチ受部材側にそれぞれ突出するようにそれぞればね付勢してあり、一対のラッチ部材を没入する方向に操作するラッチ没入部材を備えたことにより、ラッチ没入部材を操作することで扉のロックを解除することができる。
この際に、ラッチ没入部材に一対のラッチ部材の所定距離後退移動を許容した係止部を有し且つラッチヘッド突出方向にばね付勢してあると、一つのラッチ没入部材の操作にて二つのラッチ部材の没入操作ができ、ラッチ没入部材を突出方向にばね付勢しつつ、後退カム部材を配設し、このカム部材を回動する回動操作具を扉の両側に設けると、扉のどちら側からでも回動操作具としてのノブ又はハンドル等の操作にてカムを回動し、ラッチヘッドを没入解錠し、ハンドル等から手を離すとばね付勢によりラッチヘッドが突出した状態に復帰する。
本発明においては、揺動方向断面が略直角三角形のラッチヘッドを揺動方向に対して対称に少なくとも二つを一対に設けたので、扉を両側のどちらの方向にも開けることができ、かつ、どちらの方向からも固定側に確実にロックすることができる。
また、一対のラッチ部材を一つのラッチ没入部材で解錠操作出来るようにしたので、簡単な構造で部品点数も少なくできる。
本発明に係るラッチ錠の例を以下図面に基づいて説明する。
図1にラッチ錠の分解図を示し、図2に断面要部図を示し、図3、図4にラッチ機構の説明図を示す。
ラッチケース本体10にラッチケースカバー11をそれぞれ取付孔10a、11aを用いてビス等の止め部材12にて組立てラッチケースを形成している。
ラッチケースは、揺動扉側に取付ける。
ラッチケース内には、上下に一対のラッチ部材40a、40bを図1では係止面部42a、42b及び傾斜面部43a、43bを水平方向対称に配置し、スプリング46a、46bにて突出方向にばね付勢している。
この一対のラッチ部材を没入操作するために、ラッチ没入部材20を配設し、ラッチヘッド突出方向にスプリング23a、23bにてばね付勢している。
このラッチ没入部材20を後退操作するためのカム部材30を回動自在に配設している。
また、突出方向にばね付勢したラッチ部材の突出量を規制する規制突部16a、16bをラッチケース本体に設け、ラッチケース開口部はラッチヘッドを貫通する開口部15a、15bを有するカバー13をビス等の取付部材14にて取り付けている。
一方、固定扉あるいは柱等の固定側には、ラッチ受部材50を取付ける。
一対のラッチ部材40a、40bのラッチヘッド41a、41bは、扉の揺動方向断面が略直角三角形になっていて、かつ、一のラッチヘッド(図1にて上側ラッチヘッド)と他のラッチヘッド(図1にて下側ラッチヘッド)の係止面部42a、42bと傾斜面部43a、43b、は相互に反対向きに配置してある。
一方、図1に示した例では、固定側のラッチ受部材50は、一対のラッチ部材にそれぞれ対応して扉の揺動方向中央よりにラッチヘッド収容部52a、52bと、一の(上側)ラッチヘッド収容部52aの揺動方向右側(奥側)にラッチ係止部51aと他の(下側)ラッチヘッド収容部の揺動方向左側(手前側)にラッチ係止部51bを相互に対称的に有している。
なお、本発明においては、ラッチ係止部が一対のラッチヘッドの係止面部に対応していれば良く、図1のラッチ部材とラッチ受部材は上下逆に取付けても良く、上下のラッチヘッド収容部52a、52bは連通していてもよい。
また、本発明に係るラッチ錠は、図1に示したように扉の縦側縁部に取付ける場合に限定するものでなく、例えば、開き戸の上框と、外枠の上枠との間に取付けても良い。
扉の揺動方向に対して係止面部が相互に対称となる一対のラッチヘッドを有する限りにおいてラッチ部材は2つに限定するものではなく、形式的に3つ以上になっても良い。
次ぎに、図1に示したようにラッチ錠を配置にした場合を例にラッチヘッドの動きを図3及び図4に基づいて以下説明する 。
図3は、図1において扉が右側(奥側)から左側(手前側)に回転揺動する場合を示す。
この場合に、扉が図3(イ)(a)の位置から(b)に示すように移動しラッチヘッドの傾斜面部43aがラッチ受部材のラッチ係止部51aに当たると、傾斜面に沿ってラッチヘッドがばね付勢に抗しつつ没入する。
ラッチヘッドの先端部がラッチ係止部の先端を越えると、図3(イ)(c)に示すようにラッチヘッドはスプリング46aの反発力によりラッチヘッド収容部52aに向けて突出し、係止面部42aがラッチ係止部51aに係合する。
このときに下側のラッチヘッド40bは、図3(ロ)に示すように上側ラッチヘッドとは係止面部42bが反対側に設けてあり、ラッチ受部材のラッチヘッド収容部52bの奥側にはラッチ係止部が無く、ラッチヘッドがそのまま、ラッチヘッド収容部52bに納まり、手前側にあるラッチ係止部51bに当接し、それ以上手前に移動できずに扉は確実にロックされる。
上記とは逆に、手前側から奥側に揺動する場合を図4に示す。
今度は下側のラッチヘッド40bが(a)、(b)、(c)に流れを示すように動きが逆になり、下側のラッチヘッドがラッチ係止部51bを乗り越えるとばね付勢により突出し、上側のラッチヘッドは係止面部42aがラッチ係止部51aに当接し扉をロックする。
次に、ロックの解除機構について図2に基づいて説明する。
図2(イ)はハンドル操作(開錠操作)しない状態を示す。
上下一対のラッチヘッド40a、40bには、係止突部44a、44bを形成してあり、この係止突部に係合するようにラッチ没入部材20に上下のアーム21a、21bを形成して、その先端付近に係合爪22a、22bを形成してある。
ラッチ部材40a、40bにはスプリング配設凹部45a、45bを有していてアームとの間にスプリング46a、46bを配設してあり、ラッチ部材がそれぞれアームに対して反発する方向(ラッチヘッドが突出する方向)にばね付勢されている。
これにより、上下のラッチ部材がそれぞれ単独でスプリングに抗しながら移動を許容し突出、没入自在になっている。
従って、ラッチヘッドが突出した状態でラッチ部材の係止突部44a、44bとアームの係合爪(係止部)22a、22bとが係合した状態になっている。
また、ラッチ没入部材20は、ラッチケース内にスプリング23a、23bにてばね付勢して配設してあり、この中央部付近にカム部材30を配設してある。
これにより、図示を省略したノブやハンドルの操作具の軸部をカム部材30の軸受孔31に挿入し、図2(ロ)に示すようにカム部材30を回動し、カム爪32にてラッチ没入部材を後退させるとロックが解除する。
また、図示を省略したが扉の両側にそれぞれハンドル等が軸部を上記カム部材30の軸受孔31に挿通して取付けてある。
なお、ラッチ没入部材がラッチケース本体にばね付勢してあることからカムの回転を規制する規制ピン17をラッチケース本体側に設けてある。
本発明に係るラッチ錠の分解図を示す。 ラッチ錠の断面要部図を示す。 ラッチヘッドの動きを示す説明図である。 ラッチヘッドの動きを示す説明図である。 従来のラッチヘッド錠を示す。
符号の説明
10 ラッチケース本体
11 ラッチケースカバー
13 ラッチケース開口部カバー
20 ラッチ没入部材
21a、21b ラッチ没入部材のアーム
22a、22b ラッチ没入部材の係合爪(係止部)
30 カム部材
32 カム爪
40a、40b ラッチ部材
41a、41b ラッチヘッド
42a、42b 係止面部
43a、43b 傾斜面部
50 ラッチ受部材
51a、51b ラッチ係止部
52a、52b ラッチヘッド収容部

Claims (4)

  1. 固定側に取付けるラッチ受部材と、揺動扉側に取付ける突没自在で且つ一対となる少なくとも2つのラッチ部材とを備え、
    ラッチ受部材には、一対のラッチ部材にそれぞれ対応して扉の揺動方向中央よりにラッチヘッド収容部と、一のラッチヘッド収容部の揺動方向右側と他のラッチヘッド収容部の揺動方向左側とに相互に対称的にラッチ係止部を有し、
    ラッチ部材の先端部を形成するラッチヘッドは、ラッチ係止部に当接係止する係止面部とラッチ係止部に当接して没入する傾斜面部とからなる扉の揺動方向断面において略直角三角形に形成してあり、扉が閉じた状態で一のラッチヘッドと他のラッチヘッドとの係止面部がそれぞれラッチ係止部側に位置して相互に対称に有していることを特徴とするラッチ錠。
  2. 一対のラッチ部材は、ラッチ受部材側に突出するようにそれぞればね付勢してあり、一対のラッチ部材を没入する方向に操作するラッチ没入部材を有していることを特徴とする請求項1記載のラッチ錠。
  3. ラッチ没入部材は、一対のラッチ部材の所定距離後退移動を許容した係止部を有し且つラッチヘッド突出方向にばね付勢してあることを特徴とする請求項2記載のラッチ錠。
  4. ラッチ没入部材をばね付勢に抗して後退させるカム部材を有し、扉の両側にカム部材を回動する回動操作具を設けたことを特徴とする請求項3記載のラッチ錠。
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