以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態、具体的には現在の主流であるCRデジパチタイプでプリペイドカード専用機と呼ばれる遊技機の基本的な構成から説明する。
本実施形態における遊技機は、図1ないし図6に示すように、遊技球Pの球貸機であるCRユニット1に隣接する本体10と、この本体10のドア20に覆われる遊技盤50と、この遊技盤50の裏面側に設けられて全体を制御する制御装置80と、少なくともこの制御装置80に電力を供給する電源回路90とを備え、図示しないホールのシマと呼ばれる一ブロックの木枠11に設置される。
遊技球Pは、例えば磁性を有する軟質線材やアルミキルド材を用いて直径11mm程度の球に形成される。CRユニット1は、プリペイドカードユニットとも呼ばれ、縦長のケースの正面にプリペイドカード用の挿入口2が形成されており、この挿入口2に遊技者の購入したプリペイドカード3が挿入され、かつ遊技機の貸球用ボタン31が押圧操作されることにより、所定の金額分の遊技球Pを貸球として供給するよう機能する。プリペイドカード3の残高は、遊技機の表示部に表示される。
本体10は、正面視で縦長のフロントオープンボックスタイプに形成され、同じく縦長の木枠11内に複数のヒンジ機構12を介し前後方向に回転可能に嵌合支持されており、正面を開閉するドア20が複数のヒンジ19を介し回転可能に取り付けられる。この本体10は、その正面側の下側部に、発射制御基板13の制御に基づき遊技盤50に遊技球Pを発射する発射装置14が半透明のカバー等を介して設置され、背面壁の上部には、シマの補給パイプから遊技球Pが補給される払出装置15が設置されており、この払出装置15のタンク16から遊技球Pが貸球や賞球として本体10の正面側に球経路を介して払い出される。
発射装置14には、遊技球Pの発射を検知して発射制御基板13に信号を出力する遊技球発射検知センサ17が取り付けられ、払出装置15には、遊技球Pの払い出しを検知する遊技球払出検知センサ18が取り付けられており、この払出装置15や球経路等には、遊技球Pの球詰まり等を検知するエラー検知センサが取り付けられる。
本体10の背面壁の一側壁寄りには、木枠11に本体10をロックするロック機構が装着されるとともに、本体10にドア20をロックする複数のロック爪が上下方向に揺動可能に設けられている。本体10の一側壁(正面視右側)側には、挿入されたキーの回転操作に伴いロック機構と複数のロック爪をそれぞれ動作させるドアロックが装着される。また、本体10の他側壁(正面視左側)には、ドア20を支持する複数のヒンジ19が上下方向に間隔をおいて取り付けられる。
ドア20は、本体10に対応する縦長に形成される中空のドア枠21と、このドア枠21の中空領域にパネル枠を介し着脱自在に装着される透明パネル24と、ドア枠21の下方部分に回転可能に嵌合支持される受皿パネル25とを備え、本体10の他側壁に前後方向に回転可能に支持される。
ドア枠21は、その上部中央に、点灯したり点滅する演出用の枠ランプ22が装飾されたランプレンズを介して装着され、上部両側には、演出音、効果音、報知音等を鳴り響かせる小型のスピーカ23がアレイやレンズ等を介しそれぞれ装着される。このドア枠21は、その一側部に、本体10の一側壁側における複数のロック爪に係合するロック片が取り付けられ、他側部と本体10の他側壁における複数のヒンジ19を介し前後方向に回転可能に支持される。
透明パネル24は、所定の合成樹脂やガラス板等を使用して縦長の矩形に形成され、遊技盤50に対する遊技者の視認を可能とする。この透明パネル24の表面側の上部両側には、ドア枠21のスピーカ23やそのレンズがそれぞれ位置する。
受皿パネル25は、図1や図2に示すように、表面に様々な装飾の施された正面視横長の矩形に形成され、導出口26、受皿27、及びハンドル機構33、着脱自在のグリップ体36、巻取機構39等が配設されており、透明パネル24の直下に位置する。導出口26は、受皿パネル25の上部一側(正面視右側上部)に設けられ、払出装置15から貸球や賞球として払い出された遊技球Pを受皿27に導くよう機能する。
受皿27は、例えば各種の合成樹脂を使用して内底面がやや傾斜した略半楕球形に形成され、受皿パネル25の表面略中央部に形成されており、導出口26からの遊技球Pを貯えるとともに、この貯えた遊技球Pが一杯になった場合、内底面下部の供給路上流に遊技球Pを退避させるよう機能する。
受皿27の正面には、左右一対の排出ボタン28が間隔をおいて押圧操作可能に取り付けられ、この一対の排出ボタン28が押圧操作されることにより、受皿27の傾斜した内底の一部が球抜き口27aとして開口(図1参照)し、遊技球Pが受皿27の下方に配置されるケース(ドル箱と呼ばれる)29に出球として排出される。受皿27の他側部(正面視左側)には、CRユニット1に挿入されたプリペイドカード用の返却ボタン30、貸球用ボタン31、及び喫煙者用の回転可能な灰皿32が配設される。
ハンドル機構33は、受皿パネル25の下部一側(正面視右側下部)に取り付けられ、この受皿パネル25から回転可能に露出した略半球形の操作ハンドル34が遊技者に握持されて回転操作されることにより、受皿27内に貯留され、供給路上流に位置する遊技球Pを球送り出し機構35により下流の発射装置14に供給させるとともに、この発射装置14の発射槌を駆動して遊技球Pを遊技盤50に発射するよう機能する。このハンドル機構33は、操作ハンドル34が時計方向に回転操作される程、遊技球Pが強く打ち出されるよう調整される。操作ハンドル34には、遊技球Pの打ち出しを一時停止する一時停止ボタン(ウエイトボタンともいう)35Aが押圧操作可能に設けられている。
グリップ体36は、図1や図4に示すように、例えばPCやPET等からなる各種の合成樹脂を使用して遊技者が片手で握りやすい略U字で中空のグリップ形に成形され、受皿27の正面略中央部に水平に支持されて一対の排出ボタン28の上方に位置する。このグリップ体36は、その内部中央に、スピーカ23の音声信号と同様の信号を増幅するアンプ37が内蔵され、このアンプ37には、増幅された信号を振動に変換して遊技者に直接伝える小型の骨伝導スピーカ37Aがそれぞれ接続されており、アンプ37には、可撓性の長い延長コード38が接続されるとともに、この延長コード38が制御装置80に延長コード38用の巻取機構39を介して接続される。
各骨伝導スピーカ37Aは、演出音、効果音、報知音等からなる音声信号を振動に変換して遊技者の蝸牛を振動させ、遊技者の聴覚神経を刺激して音として認識させるよう機能する。
巻取機構39は、図5に示すように、受皿27内に回転可能に軸支され、外周面にグリップ体36の延長コード38を巻き取るコードリール40と、このコードリール40の駆動源となる巻回可能なゼンマイバネ41と、受皿27の表面から露出して遊技者に押圧操作されるコードリールボタン42と、このコードリールボタン42の使用時にはコードリール40と受皿27内のブレーキ壁43との間から外れて巻かれたゼンマイバネ41の復帰規制を解除し、コードリールボタン42の不使用時にはコードリール40とブレーキ壁43との間に保持されて巻かれたゼンマイバネ41の復帰を規制する円筒形のブレーキとから構成される。
コードリールボタン42は、受皿27に回転可能、揺動可能に軸支され、受皿27に復帰用のコイルスプリングを介して接続支持される。また、ブレーキ壁43は、受皿27の内部に形成され、延長コード38が引かれ、ゼンマイバネ41が巻かれることにより、コードリール40との間に円筒形のブレーキを挟み、このブレーキの挟持によりコードリール40が固定される。
遊技盤50は、例えば略正方形のベニヤ板を備え、このベニヤ板の表面に遊技者が好む様々なデザインの印刷された合成樹脂シートが覆着されており、本体10の略中央部よりも上方の部分で開口した正面の開口部に着脱自在に装着される。この遊技盤50の表面周縁部には、本体下方の発射装置14から発射された遊技球Pを案内する内外複数のガイドレール51が湾曲して取り付けられるとともに、合成樹脂製の装飾された区画壁52が装着される。
複数のガイドレール51は、例えば可撓性の長板を用いて略C字形や略逆J字形に形成され、区画壁52と共に遊技球Pの打ち込まれる略円形の遊技領域53を区画形成しており、この遊技領域53内に、複数の釘54、複数の風車56、複数の盤面ランプ57、複数の入賞口装置58、始動入賞口装置60、複数の通過入賞口装置63、可変表示装置65、開閉可能な大入賞口装置73、及びアウト穴79が配設される。
複数の釘54は、例えば遊技盤50の上方に打ち込まれる天釘、始動入賞口装置60の真上に打ち込まれる命釘、遊技盤50の側部等に打ち込まれるハカマ釘、及びこれら以外のバラ釘とを備え、遊技領域53に打ち込まれた遊技球Pを予想外の方向に弾いたり、入賞を規制するよう機能する。この複数の釘54のうち、遊技領域53の左側上部における釘54の隙間は、遊技球Pを始動入賞口装置60に導くための打ち込みの目安となるブッコミ領域(ワクともいう)55とされる。
複数の風車56は、例えば遊技領域53の上部両側や中央部両側に回転可能に軸支され、遊技球Pに当たると回転して遊技球Pの落下方向を変更したり、遊技球Pを加速させて遊技者を飽きさせないようにする。複数の盤面ランプ57は、遊技領域53の両側部に各種の造形物等を模したレンズを介し配設され、遊技中に点灯したり点滅し、遊技者の遊び心や射幸心を適度に煽るよう機能する。
複数の入賞口装置(チャッカーともいう)58は、例えば遊技領域53の下方寄りの両側部にそれぞれ装着される。各入賞口装置58は、遊技領域53の入賞口を正面側から覆う上部の開口した箱形の被入賞体と、この被入賞体の開口した上部から入賞口に入賞する遊技球Pを検知する小入賞球検知センサ59とから構成され、この小入賞球検知センサ59の検知により、所定の数の遊技球Pが小当たりの賞球として受皿27に払い出される。
始動入賞口装置(スタートチャッカー、始動口、又はヘソともいう)60は、遊技領域53の下方寄りの中央部に装着され、可変表示装置65の下方に位置する。この始動入賞口装置60は、遊技領域53の始動入賞口を正面側から覆う上部の開口した箱形の被入賞体と、この被入賞体の上部両側に開閉揺動可能に支持され、遊技盤裏面のソレノイドの駆動に基づき開放して遊技球Pを入賞させる一対のチューリップ弁61と、被入賞体の開口した上部から始動入賞口に入賞する遊技球Pを検知する始動入賞球検知センサ62と、一対のチューリップ弁61の動作不良等を検知するエラー検知センサとから構成される。
このような構成の始動入賞口装置60に遊技球Pが入賞し、始動入賞球検知センサ62に遊技球Pが検知されると、所定の数の遊技球Pが小当たりの賞球として受皿27に払い出される他、可変表示装置65に抽選用の複数の特別図柄66が表示され、この複数の特別図柄66を用いた抽選の結果、大当たり状態になると、通常遊技状態から遊技者に有利な特別遊技状態に移行する。
通常遊技状態とは、遊技球Pの出球率や利益獲得率の低い状態をいう。具体的には、遊技の開始あるいは特別遊技状態の終了から次の特別遊技状態に移行するまでの遊技状態をいい、入賞口装置58や通過入賞口装置63への入賞の有無を特に問うものではない。
特別遊技状態とは、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態、換言すれば、通常遊技状態よりも遊技球Pの出球率や利益獲得率が高い状態をいう。この特別遊技状態には、少なくとも大入賞口装置73が開放動作する通常の大当たり状態、確率変動付き大当たり状態(確変ともいう)、及び確率変動付き大当たり状態の継続する状態(連荘ともいう)等が含まれる。
複数の通過入賞口装置(通過チャッカーともいう)63は、例えば遊技領域53の上方寄りの両側部にそれぞれ装着される。各通過入賞口装置63は、上下に貫通した中空部を備えた被入賞体と、この被入賞体の中空部を遊技球Pが入賞(スルー)したことを検知する通過入賞球検知センサ64とから構成される。
可変表示装置(本実施形態では特別図柄LCDともいう)65は、例えば薄い矩形の液晶モジュールからなり、遊技領域53の略中央部に穿孔された横長の装着口に遊技盤50の裏面側から嵌着されており、抽選結果に応じた制御装置80の制御に基づいて画面に文字や画像等からなる各種の模様を表示する。この横長の可変表示装置65は、装飾枠体69に囲まれ、デモンストレーション映像、遊技映像、抽選用の特別図柄66、リーチ予告、骨伝導スピーカ37Aに関する報知映像68等を表示する。
デモンストレーション映像としては、例えばホールに入店してきた者の興味を喚起する魅惑的なキャラクターを縦横に表示してその大きさを変更したり、表示したキャラクターを増減したり、あるいはキャラクターにアクション等の演出をさせる映像があげられる。また、遊技映像としては、例えば通常遊技状態時にテレビや漫画の登場人物をストーリーに応じて三次元的に表示し、遊技者に倦怠感が生じないようにする映像があげられる。
抽選用の特別図柄66は、通常の大当たり状態の役を示す通常図柄66Aと、確率変動付き大当たり状態の役を示す特定図柄(確変図柄ともいう)67とから形成される。この複数の特別図柄66は、始動入賞口装置60への遊技球Pの入賞を契機に1×3のマトリックスに表示される。そして、各特別図柄66が回転表示、仮停止表示、及び確定停止表示し、3つの特別図柄66が組み合わされることにより、大当たり状態か外れかを報知する。
通常の大当たり状態とは、例えば通常遊技状態よりも遊技球Pの出球率や利益獲得率の高い特別遊技状態をいい、本実施形態では大入賞口装置73が所定の時間開放動作する状態が該当する。通常図柄66Aは、文字、数字、図形等からなるが、本実施形態では「2」、「4」、「6」等とされる。
確率変動付き大当たり状態とは、通常の大当たり状態よりも遊技球Pの出球率や利益獲得率が高い特別遊技状態をいい、本実施形態では大入賞口装置73の開放動作の処理終了後、小当たりや大当たりの確率が通常の確率から予め定められた確率まで高くなる状態(具体的には、当選確率が1/317程度から1/67程度に向上する状態)が該当する。特定図柄67は、文字、数字、図形等からなるが、本実施形態では「1」、「3」、「7」等とされる。
特別図柄66の回転表示とは、例えば複数の図柄を縦一列に並べ備えたスロットマシンの回転リールのように特別図柄66が高速で上下方向に回転する内容の演出表示をいう。特別図柄66の仮停止表示とは、例えば特別図柄66が最終的に停止せず、上下方向に細かくスクロールしたり、揺れ動く等の演出表示をいい、遊技者をハラハラさせたり、やきもきさせて遊技に伴う感覚的刺激が弱まるのを防止する。また、特別図柄66の確定停止表示とは、例えば特別図柄66が最終的に停止する抽選結果の演出表示をいう。
抽選の結果、「2」「4」「7」のように3つの選択された特別図柄66の組み合わせが全て揃ったが、予め定められた特別図柄66の組み合わせでない場合には、外れ状態となって遊技状態が次の入賞待ちの通常遊技状態のままとなり、「2」「2」「2」のように3つの選択された通常図柄66Aの組み合わせが全て揃い、予め定められた通常の大当たり状態の役を示す通常図柄66Aの組み合わせとなる場合には、遊技者に有利な通常の大当たり状態となる。
また、「6」「?」「6」のように3つの特別図柄66中、2つの同種の特別図柄66が揃う場合には、大当たり状態を示唆して遊技者に期待感を抱かせるリーチ状態となり、「7」「7」「7」のように3つの選択された特定図柄67の組み合わせが全て揃い、予め定められた確率変動付き大当たり状態の役を示す特定図柄67の組み合わせとなる場合には、遊技者に最も有利な確率変動付き大当たり状態となる。
リーチ予告は、例えば複数の特別図柄66の回転表示前や回転表示中に図柄を変更したり、特定のキャラクターに画面を短時間横切らせたり、あるいは画面に所定の自然現象を短時間出現させる等の内容の演出をいい、リーチ状態にする期待度を高めたり、低下等させて遊技者に心理学的な錯覚を生じさせる。
骨伝導スピーカ37Aに関する報知映像68は、図1に示すように、所定の場合にグリップ体36の骨伝導スピーカ37Aを図形化して映像表示し、骨伝導スピーカ37Aが動作可能なことを遊技者に視覚的に知らせる内容の映像をいう。所定の場合としては、例えば始動入賞口装置60に対する遊技球Pの入賞時、複数の特別図柄66の変動開始時、リーチやスーパーリーチ時、及び又は大当たり状態時の演出音や効果音が周囲の騒音に伴い聞き取りにくい時があげられる。
装飾枠体69は、中空横長の枠形に形成されて表面が装飾され、上部に複数の保留球ランプ70がレンズを介し横一列に並設される。この複数の保留球ランプ70は、可変表示装置65の動作中に始動入賞口装置60に新たな入賞があった場合、遊技球Pの入賞数に応じて点灯し、通常遊技状態から特別遊技状態に移行するか否かの抽選(判定)を行う回数を表示するよう機能する。装飾枠体69の下部には、複数の通過保留数表示ランプ71がレンズを介し横一列に並設され、この複数の通過保留数表示ランプ71の両側には、小型の液晶モジュールからなる普通図柄LCD72が配設される。
普通図柄LCD72は、通過入賞口装置63に対する遊技球Pの入賞を契機に抽選を行なうとともに、普通図柄を変動表示する。そして、当選した場合には、始動入賞口装置60の一対のチューリップ弁61を開放して遊技球Pの入賞を容易化する。普通図柄は、上記した特別図柄66同様、文字、数字、記号、図形等からなり、本実施形態では「○」、「×」等とされる。また、通過保留数表示ランプ71は、一対のチューリップ弁61を開放するか否かの抽選時に通過入賞口装置63に入賞した遊技球Pの数に応じて点灯し、抽選(判定)を行なう回数を表示する。
大入賞口装置(アタッカーともいう)73は、遊技領域53の中央下方寄りに装着され、始動入賞口装置60とアウト穴79の間に位置する。この大入賞口装置73は、遊技球Pを入賞させる横長の大入賞口74と、この大入賞口74を遊技盤50裏面のソレノイドの駆動に基づき開閉する横長の受板75と、大入賞口74への遊技球Pの入賞を検知する大入賞球検知センサ76と、大入賞口74内の中央部に設けられ、遊技球Pが所定の確率で通過する継続入賞領域(Vゾーンとも呼ばれる)77と、この継続入賞領域77への遊技球Pの入賞を検知する継続球検知センサ78と、受板75の動作不良等を検知するエラー検知センサとから構成される。
アウト穴79は、遊技領域53の下部に穿孔され、遊技盤50の裏面側において、外れ球として落下してきた遊技球Pを回収し、本体10の回収機構を介してシマの設備側に排出する。排出された遊技球Pは入賞口装置58、始動入賞口装置60、及び大入賞口装置73から排出された遊技球Pと共に洗浄装置に集められて洗浄され、その後、一ブロックの補給パイプ101に供給されて循環利用される。
制御装置80は、図6に示すように、ホールの集中管理装置81や球貸信号制御回路82等に接続された主制御装置83と、この主制御装置83から制御信号を受信してその制御下で作動する副制御装置84とを備え、これら主制御装置83と副制御装置84とが本体10の背面壁等に設置されるとともに、CRユニット1、払出装置15、枠ランプ22、スピーカ23、グリップ体36のアンプ37や骨伝導スピーカ37A、盤面ランプ57、入賞口装置58、始動入賞口装置60、通過入賞口装置63、可変表示装置65、装飾枠体69、大入賞口装置73等に電気的に接続される。
主制御装置83は、プリント回路基板からなる回路基板に、水晶発振回路、演算処理機能を有するCPU、ROM、RAM、動作不良等を検知するエラー検知センサ、その他の電子部品が実装され、入力側に遊技球発射検知センサ17、遊技球払出検知センサ18、エラー検知センサ、小入賞球検知センサ59、始動入賞球検知センサ62、通過入賞球検知センサ64、大入賞球検知センサ76、継続球検知センサ78等が基本的には入力インターフェイスを介し接続されるとともに、出力側に副制御装置84等が接続されており、不正改造されないよう透明の樹脂ケースに収納されて強固に封止される。
水晶発振回路は、発振パルスを分周することにより、制御動作の基準となるタイミングパルス(例えば、4ミリ秒毎のタイミングパルス)を生成するよう機能する。ROMには、乱数テーブルを含む所定の遊技プログラムが記憶される。
RAMには、状態データテーブルや乱数メモリの他、遊技の履歴や遊技利益等が記憶される。遊技の履歴とは、例えば電源回路90を投入してから、あるいは遊技機で遊技を開始してから現在に至るまでの遊技内容の経時的な記録をいう。具体的には、始動入賞口装置60に入賞した遊技球Pの球数、始動入賞口装置60の開放時間や回数、大入賞口装置73に入賞した遊技球Pの球数等があげられる。また、樹脂ケースの開閉蓋には、図示しない基板管理番号証が貼着される。
このような構成の主制御装置83は、CPUがRAMを作業領域としてROMに記憶された所定の遊技プログラムを読み込むことにより、副制御装置84と共にコンピュータとして所定の機能を実現する。
副制御装置84は、図柄制御装置85、ランプ制御装置86、音声制御装置87、払出制御装置88、及び可動体制御装置89を備え、主制御装置83に出力インターフェイスを介して接続されており、不正改造されないよう透明の樹脂ケースに収納されて強固に封止される。樹脂ケースの開閉蓋には、図示しない基板管理番号証が貼着される。
図柄制御装置85は、回路基板にCPU、ROM、RAM、その他の電子部品が実装され、可変表示装置65にグラフィック情報を管理するビデオディスプレイプロセッサ等を介して接続されるとともに、普通図柄LCD72に接続される。このような構成の図柄制御装置85は、主制御装置83の制御信号に基づき、CPUがRAMを作業領域としてROMに記憶された所定の遊技プログラムを読み込むことにより、コンピュータとして所定の機能を実現し、可変表示装置65や普通図柄LCD72の表示を制御する。
所定の機能としては、例えば選択された特別図柄66と変動パターンの情報を主制御装置83から受信する機能、この受信した情報を解析する機能、この解析結果に応じ、選択された特別図柄66と変動パターンの画像プログラムを決定する機能、この決定された画像プログラムを実行する機能、グリップ体36の骨伝導スピーカ37Aに関する報知映像68を表示する機能、主制御装置83により監視されながら、画像プログラムが実行処理された場合には、実行処理を終了する機能等があげられる。
ランプ制御装置86は、回路基板にCPU、ROM、RAM、その他の電子部品が実装され、枠ランプ22と盤面ランプ57に接続される。このようなランプ制御装置86は、主制御装置83の制御信号に基づき、CPUがRAMを作業領域としてROMに記憶された所定の遊技プログラムを読み込むことにより、枠ランプ22と盤面ランプ57の点灯や点滅を制御するよう機能する。
音声制御装置87は、回路基板にCPU、ROM、RAM、その他の電子部品が実装されており、主制御装置83の制御信号に基づき、CPUがRAMを作業領域としてROMに記憶された所定の遊技プログラムを読み込むことにより、プロセッサ等を介して接続されたスピーカ23、グリップ体36のアンプ37や骨伝導スピーカ37Aを制御するよう機能する。
この音声制御装置87のアンプ37や骨伝導スピーカ37Aに関する具体的な制御としては、所定の場合、例えば始動入賞口装置60に対する遊技球Pの入賞時、複数の特別図柄66の変動開始時、リーチやスーパーリーチ時、及び又は大当たり状態時にスピーカ23から放射される音声信号、換言すれば、演出音、効果音、報知音に応じて骨伝導スピーカ37Aを振動動作させたり、演出音、効果音、報知音の消音や減音のタイミングに応じて骨伝導スピーカ37Aを振動動作させる制御があげられる。
払出制御装置88は、回路基板にCPU、ROM、RAM、その他の電子部品が実装され、主制御装置83の制御信号に基づき、CPUがRAMを作業領域としてROMに記憶された所定の遊技プログラムを読み込むことにより、CRユニット1と払出装置15とを制御する。
可動体制御装置89は、回路基板にCPU、ROM、RAM、その他の電子部品が実装され、主制御装置83の制御信号に基づき、CPUがRAMを作業領域としてROMに記憶された所定の遊技プログラムを読み込むことにより、始動入賞口装置60のチューリップ弁61や大入賞口装置73の受板75等を制御する。
電源回路90は、交流電流を直流電流に変換して主制御装置83と副制御装置84に給電するよう機能する。この電源回路90から主制御装置83と副制御装置84を介して給電される直流電流は、CRユニット1、発射装置14、払出装置15、枠ランプ22、スピーカ23、アンプ37、骨伝導スピーカ37A、盤面ランプ57、入賞口装置58、始動入賞口装置60、通過入賞口装置63、可変表示装置65、装飾枠体69等に適宜のタイミングで分電される。
次に、遊技機の遊技方法について説明すると、遊技機を使用して遊技する場合には、CRユニット1を利用して複数の遊技球Pを借り、受皿27を遊技球Pで満たし、ハンドル機構33の操作ハンドル34を適宜回転操作して遊技球Pを発射装置14から発射すれば良い。
すると、遊技球Pは、発射装置14からガイドレール51に案内されつつ遊技盤50の遊技領域53上方に次々と打ち込まれ、釘54や風車56との衝突に伴い軌道や速度を不規則に変更しながら落下し、入賞口装置58、始動入賞口装置60、通過入賞口装置63に入賞したり、アウト穴79に回収される。入賞口装置58の小入賞球検知センサ59に遊技球Pが検知されると、受皿27に所定の数の遊技球Pが賞球として払い出される。通過入賞口装置63の通過入賞球検知センサ64に遊技球Pが検知されると、装飾枠体69の普通図柄LCD72が変動表示されたり、始動入賞口装置60の一対のチューリップ弁61が開放する。
遊技球Pが始動入賞口装置60に入賞し、始動入賞球検知センサ62に検知されると、乱数を用いた抽選が行なわれ、この抽選結果に基づいて可変表示装置65の表示が抽選結果を報知する複数の特別図柄66の表示に切り替わり、その後、順次回転、仮停止、確定停止の表示となる。この際、始動入賞口装置60に別の遊技球Pが新たに入賞すると、遊技球Pの入賞数に応じて保留球ランプ70が点灯し、この保留球ランプ70の点灯数に応じて抽選が引き続き行われる。また、抽選の際、複数の特別図柄66の回転速度(変動パターンに係る実行時間)は、保留球ランプ70の点灯が予め定められた点灯数に達している場合には、消化時間が早くなるよう点灯数に応じて短縮される(時短ともいう)。
複数の特別図柄66が回転する際、回転表示の契機となった抽選の制御に応じ、可変表示装置65にリーチ状態に移行する可能性を示す予告が表示されたり、あるいは複数の特別図柄66中、1つ以外の複数の特別図柄66が同じ図柄で揃い、大当たり状態を示唆するリーチ状態が表示されたりする。
抽選の結果、「6」「6」「6」のように3つの通常図柄66Aが揃い、予め定められた通常図柄66Aの組み合わせに該当して通常の大当たり状態になると、遊技状態が通常遊技状態から特別遊技状態に移行、換言すれば、大入賞口装置73の閉じていた受板75が開いて大入賞口74を開放し、この開放した大入賞口74に遊技領域53を落下してきた遊技球Pが短時間のうちに多数入賞し、この遊技球Pの入賞数に応じて受皿27に遊技球Pが大当たりの賞球として多数払い出される。
この際、大入賞口装置73は、例えば、開放時間が30秒経過するか、あるいは遊技球Pが10個入賞するまで開放動作する。また、大入賞口74内の継続入賞領域77に遊技球Pが入賞し、この入賞を継続球検知センサ78が検知すると、大入賞口装置73の開放動作回数(ラウンドともいう)が予め定められた回数(例えば最高16回)となるまで更新される。
また、抽選の結果、「7」「7」「7」のように3つの特定図柄67が揃い、予め定められた特定図柄67の組み合わせに該当して確率変動付き大当たり状態になると、大入賞口装置73の開放動作の処理終了後、それ以後の通常遊技状態において小当たりや大当たりの確率が向上するとともに、早期に大当たり状態を発生させる確率が高まる。
さて、上記遊技の際、複数のスピーカ23から様々な演出音、効果音、報知音等が鳴り響くが、遊技者にとって重要な始動入賞口装置60に対する遊技球Pの入賞、特別図柄66の変動開始、リーチやスーパーリーチ、又は大当たり状態になると、主制御装置83と音声制御装置87との共同制御に基づき、骨伝導スピーカ37Aがスピーカ23同様に動作可能となる。また、主制御装置83と図柄制御装置85との共同制御に基づき、可変表示装置65に骨伝導スピーカ37Aに関する報知映像68が大きく表示される。
このような視覚に訴える映像表示により、遊技者は、骨伝導スピーカ37Aの機能を直接かつ一義的に理解することができるので、受皿パネル27からグリップ体36を片手で取り外して延長コード38を引き伸ばし、顎や頬にグリップ体36の両端部を直接あてがえば、スピーカ23から鳴り響く音声信号に応じて骨伝導スピーカ37Aが振動し、音声信号のリズムを体感することにより、現在の重要な遊技状態を明瞭に把握することができる。この際、頭蓋骨のある頭部周辺にグリップ体36を接触させれば、スピーカ23から鳴り響く音声信号そのものを体感することができる。
骨伝導スピーカ37Aの動作が終了した場合や骨伝導スピーカ37Aを使用したくない場合には、巻取機構39のコードリールボタン42を押圧操作すれば、延長コード38が自動的に巻き取り可能となるので、受皿パネル27にグリップ体36をセットすれば良い。
上記構成によれば、スピーカ23の音声に加え、骨伝導スピーカ37Aを補助的に使用した骨の振動により、音声信号を遊技者に強調して認識させるので、隣接する遊技機の演出音や効果音、賑やかなホールの店内放送、他の遊技者の世間話や無駄話等が大きい場合でも、スピーカ23の音量を増大させることなく、現在の遊技状態を正確に認識して楽しむことができる。また、現在の遊技状態を遊技者に視覚のみを通じて報知しなくても良いから、可変表示装置65、主制御装置83、図柄制御装置85等の制御が複雑化することもない。
また、遊技者は、右手で操作ハンドル34を回して遊技し、左手を遊ばせておくのが通常であるが、本実施形態によればグリップ体36を左手で握ることになるので、手持ち無沙汰になることがなく、両手を有効に活用して遊技を楽しむことが可能になる。また、遊技者にとって重要な始動入賞口装置60に対する遊技球Pの入賞、特別図柄66の変動開始、リーチやスーパーリーチ、又は大当たり状態ではない場合には、グリップ体36を左手の休息用の台として機能させ、重要な始動入賞口装置60に対する遊技球Pの入賞、特別図柄66の変動開始、リーチやスーパーリーチ、又は大当たり状態となった場合には、グリップ体36の把持部を振動させれば、報知装置として機能させることが可能になる。
次に、図7は本発明の第2の実施形態を示すもので、この場合には、ドア20の正面他側部上方に、前後方向に伸縮するヘッドレスト100を水平に支持させ、このヘッドレスト100に骨伝導スピーカ37Aを内蔵するようにしている。
ヘッドレスト100は、スライド可能に嵌合された複数のパイプ101を備え、最先端のパイプ101の外周面にメッシュ等の表装102が柔軟なスポンジを介して被覆されており、この最先端のパイプ101に骨伝導スピーカ37Aが内蔵される。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、ヘッドレスト100に頭をもたれかけた楽な姿勢で遊技者は長時間遊技することができるのは明らかである。また、グリップ体36を片手で一々操作する必要がないから、遊技の効率が著しく向上する。
次に、図8は本発明の第3の実施形態を示すもので、この場合には、骨伝導スピーカ37Aを備えたグリップ体36と巻取機構39とを受皿パネル25の下方に位置する腰パネル105にそれぞれ設置するようにしている。
腰パネル105は、横長の長方形に形成され、木枠11の両側壁の最下部間に水平に架設されており、本体10や遊技盤50とは異なり、リサイクルの交換対象から除外される。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、リサイクルの観点から、遊技機の機種が交換される場合でも、腰パネル105の交換がされることがないので、グリップ体36の共用化を図ることができるのは明らかである。
なお、上記実施形態の賞球と玉貸しの球経路は、分離せずに区別不能な構造としても良いし、分離して区別可能な構造としても良い。また、本体10の背面壁に、払出装置15からの遊技球Pを振り分ける振分け装置を設置しても良い。また、受皿パネル25に複数の受皿27を上下に並べて配設しても良い。また、一時停止ボタン35Aを、操作ハンドル34ではなく、受皿パネル25の操作ハンドル近傍部に設けることもできる。また、釘54、風車56、盤面ランプ57、入賞口装置58、始動入賞口装置60、通過入賞口装置63の数は、適宜増減変更することもできる。
また、特別図柄66を用いた抽選の際、可変表示装置65に複数の特別図柄66を3×3等のマトリックスに表示することもできる。また、遊技領域53の略中央部に可変表示装置65を設置するのではなく、複数本の回転リール等を並べて設置し、この複数本の回転リール等により、特別図柄66を用いた抽選を実現することも可能である。また、装飾枠体69の上部に、複数の通過保留数表示ランプ71と普通図柄LCD72とを配設しても良いし、装飾枠体69の下部に、遊技球Pを始動入賞口装置60の真上付近に導くステージを設けることも可能である。
また、装飾枠体69に、遊技球Pを道釘を経ることなく、始動入賞口装置60の上方付近に導く経路(ワープゾーンともいう)を設けることも可能である。また、主制御装置83と副制御装置84のCPU、ROM、RAMをそれぞれ一体化してワンチップにすることも可能である。また、主制御装置83と副制御装置84のCPUは、単数複数に適宜増減しても良い。また、主制御装置83と副制御装置84の各基板に電源回路90をそれぞれ接続しても良い。
また、主制御装置83のRAMに遊技の履歴や遊技利益等を記憶させるのではなく、ハードディスク等の公知の記憶装置に記憶させても良い。さらに、主制御装置83で賞球の払出個数を監視しても良い。さらにまた、大当たり状態の確定時に3つの特別図柄66を再度回転表示させ、再抽選して遊技者の期待度を高めても良い。