JP2006229588A - マルチアンテナ伝送システム - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のQoSクラスのユーザパケットを混在して伝送する通信網に適用する場合に、遅延高優先クラスのユーザパケットの伝送遅延が改善されないことおよび遅延高優先クラスのユーザトラヒックの瞬断等による品質が改善されない。
【解決手段】送信側においてユーザパケット毎にそのユーザトラヒック系列のQoSクラスを識別するパケット種別識別回路11、ユーザパケットが遅延高優先クラスでありかつ1個の送信アンテナで転送可能な帯域の場合に、送信アンテナ17毎の平均SIR情報が最良のアンテナや、再送制御回路14中の遅延高優先クラス用メモリのキュー長からキュー長最短のものを選択することで、何れの送信アンテナより送信するか決定する振り分け制御回路19および振り分け制御回路19からのアンテナ選択信号に基づいて送信アンテナ17を振り分ける振り分け回路12を備える。
【選択図】図1

Description

本発明はマルチアンテナ伝送システムに関し、特にそれぞれ複数のアンテナを備える1対の無線装置間における遅延高優先のQoS(Quality of Service)クラスのトラヒック伝送システムに関する。
無線アクセスシステムの広帯域化の実現のために、MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)技術を初めとするマルチアンテナ伝送システムが開発・適用されている。マルチアンテナ無線伝送システムは複数本のアンテナを利用して、通常の1本ずつの送受信アンテナを使用する無線伝送システムよりも大きな情報伝送帯域を得ることが可能である。そのため、大容量のファイル転送など大量のユーザトラヒックの伝送に適したシステムである。マルチアンテナ無線伝送システムでは、1つのユーザトラヒック系列を複数伝送路に経路分散して転送可能である。ここで、ユーザトラヒック系列とは、送信元と受信先が同一で、ユーザパケット内に格納されている上位層レベルでも連続した内容を持つユーザパケット群を指す。1例として、ATM(Asynchronous Transfer Mode)網では、ATMセルのヘッダ領域中にあるVPI(Virtual Path Identifier)値やVCI(Virtual Circuit Identifier)値が同一なATMセル群、即ちATMコネクションを指す。
斯かる技術分野における従来技術は、多くの技術文献に開示されている。複数のアンテナを備え、最大受信電力のアンテナを送信アンテナとして選択する送信アンテナ選択器を備えるアダプティブアンテナを用いた無線通信装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。各無線装置で中継の要否を判断するMIMO通信技術が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。また、指向性アンテナを適用した場合に、各移動局に向けた指向性ビームが干渉しないように送受信先の移動局を選択する決定部を備える無線リソース割当て方法、無線リソース割当て装置および移動通信システムが開示されている(例えば、特許文献3参照。)。更に、伝送されるべきパケットに要求されているサービス品質QoSに応じて、各パケットを無線伝送する際の無線パラメータを適応的に設定する適応無線パラメータ制御方法、QoS制御装置、基地局および無線通信システムが開示されている(例えば、特許文献4参照。)。
特開2001−251233号公報(第6−7頁、第1図) 特開2003−198442号公報(第5頁、第3図) 特開2003−235072号公報(第7−8頁、第2図) 特開2003−259447号公報(第6−7頁、第2図)
図10は、代表的なマルチアンテナ伝送システムの構成を示すブロック図である。図10に示すマルチアンテナ伝送システムは、無線装置(第1無線装置)100および無線装置(第2無線装置)110により構成される。ここで、無線装置100から無線装置110への伝送方向を「下り方向」、無線装置110から無線装置100への伝送方向を「上り方向」と呼ぶこととする。無線装置100は、N(Nは2以上の任意の整数)個の送信アンテナ107−1〜107−Nを有する。また、無線装置110は、M(Mは2以上の任意の整数)個の受信アンテナ111−1〜111−Mを有する。また、図示していないが、上り方向でも送受信を行い、無線装置100は無線装置110よりフィードバック情報を受信し、無線制御のための閉ループを構成するものとする。フィードバック情報は、1例として送信アンテナ107毎のPDU(Protocol Data Unit)のACK/NACK(Acknowledgement/Non-Acknowledgement)情報や、送信アンテナ107毎の平均SIR(Signal-to-Interference Ratio)情報である。
無線装置100への入力ユーザトラヒック系列は、振り分け回路102でビット毎やバイト毎、ユーザパケット毎にN本に順番に振り分けられ、PDU生成回路103−1〜103−Nに入力される。PDU生成回路103―i(iは1以上N以下の任意整数)は、入力信号を無線伝送用のPDUに整形する。PDUサイズやフォーマットは、無線LAN(Local Area Network)やWCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)などの方式毎に定義される。その出力は再送制御回路104−iに入力される。再送制御回路104−iは、フィードバック情報中のACK/NACK情報に基づき、PDUの再送(ARQ:Automatic Repeat Request)処理を行う。その出力は、符号化回路105−iに入力され、誤り訂正符号化処理やパンクチャ処理を行う。更にその出力は変調回路106−iに入力され、無線フレーム生成やその制御用ヘッダ領域付加などのベースバンド処理と、RF処理などの無線変調処理を行う。そして、送信アンテナ107−iより送信する。AMCS(Adaptive Modulation and Coding Schemes)制御回路108は、上り回線で送信するフィードバック情報を受信し、フィードバック情報からACK/NACK情報の抽出を行い符号化回路105−1〜105−Nに転送するほか、フィードバック情報から適応変調用のAMCS情報を生成し、符号化回路105−1〜105−Nおよび変調回路106−1〜106−Nに転送する。
一方、無線装置110は、M本の受信アンテナ111−1〜111−Mで無線装置100からの信号を受信する。受信アンテナ111−j(jは1以上M以下の任意整数)の受信信号には、送信アンテナ107−1〜107−Nの各送信信号が重畳されている。復調回路112−jでRF信号をベースバンド信号に復調する。その出力信号には符号化回路105−1〜105−Nの出力相当の信号が重畳されており、これをMIMO信号分離回路113で、送信側と同じN本の信号に分離する。
分離信号は、符号化回路105−1〜105−Nの出力信号に相当する。これは復号化回路114−i(iは1以上N以下の任意整数)に入力され、デパンクチャ処理や誤り訂正復号処理を行う。復号化回路114−iはPDUを出力する他、PDU毎に正しく復号できたか否かを示すACK/NACK情報も出力する。これらは再送合成回路115−iに入力されてメモリに保持され、正しく復号できなかったPDUが無線装置100より再送されて正しく受信できたならば、すでにメモリに保持してある受信済みのPDUと置き換える再送合成処理(ARQ)を行い、正しく再生したデータをPDU終端回路116−iに転送する。その際に、該受信信号中のPDUの順序の入れ替わりが発生しないよう順序制御を行っても良い。PDU終端回路116−iでは、PDUを終端してユーザトラヒックを取り出し、その出力を多重回路117に転送する。
多重回路117では、振り分け回路102と逆の動作を行い、ビット毎やバイト毎、ユーザパケット毎にデータを多重して、ユーザトラヒック系列を得る。その際、アンテナ毎の処理遅延の相違により、同一ユーザトラヒック系列内のユーザパケット順序の並び変わりが発生する可能性がある。音声データなど後述のUDP(User Datagram Protocol)を用いる場合には、ユーザパケット順序の並び変わりが発生しないことが望ましく、多重回路117では、ユーザパケット順序を入れ替えて元に戻すユーザパケット順序制御を行うことが望ましい。そのためには、振り分け回路102の入力側で、ユーザトラヒック系列別にユーザパケット順に1ずつインクリメントするシーケンスナンバー(SQN:Sequence Number)を付加し、多重回路117では、該SQN順になるようにユーザパケットを並べ替える処理が必要である。尚、フィードバック情報生成回路118では、復調回路112−1〜112−Mで検出した送信アンテナ毎のSIR情報や、復号化回路114−1〜114−Nが出力するACK/NACK情報より、フィードバック情報を生成する。
近年、IEEE802.3a規格等、1送受信アンテナ間で、数Mbps〜数十Mbpsを伝送可能な高速無線アクセスシステムが実用化されている。これを送信アンテナ数N本×受信アンテナ数M本のマルチアンテナにすることで、更にN倍へと広帯域化を図ることが可能である。このように、マルチアンテナ伝送システムは、広帯域を必要とするデータ通信などに適している。
次に、遅延高優先クラスのトラヒックと遅延低優先クラスのトラヒックについて説明する。近年、従来からの音声通話を中心とした回線交換網を、データ通信網と統合する通信網が整備されている。音声通話やデータ通信などのトラヒック種別毎に、網に要求する通信品質(QoS:Quality of Service)は異なる。QoSには遅延、廃棄、帯域など複数の要素があるが、ここでは遅延に着目する。1例として、ATM網では、CBR(Constant Bit rate)、ABR(Available Bit Rate)、UBR(Unspecified Bit Rate)などの複数のQoSクラスのATMセルを、同一の伝送路に混在して転送が可能である。CBRクラスは帯域が保障されやすいことから、音声通話やTV電話、画像通信などのリアルタイム性を要求するトラヒックに多く用いられる。一方、UBRクラスは帯域保障がされないものの、網帯域が空いている場合に帯域の上限なく利用可能なことから、ある程度遅延が生じても良いデータ通信に多く用いられる。CBRのようにリアルタイム性を要求するQoSクラスを遅延高優先クラス、UBRのようにリアルタイム性を必ずしも必要としないQoSクラスを遅延低優先クラスと呼ぶものとする。QoSクラスは、ATMセルのヘッダ領域中のVPI値やVCI値から、ATMセル毎に識別可能である。
他の例として、IP(Internet Protocol)網がある。IPデータグラム中のペイロード領域に格納する上位層データとして、異なるQoSクラスのトラヒックを転送することができる。たとえば、ペイロード領域に格納するデータを、UDP(User Datagram Protocol)とするか、あるいはTCP(Transmission Control Protocol)とするかで、QoSクラスを設ける。UDPとTCPは、OSI(Open Systems Interconnection)参照モデルのトランスポート層に位置するプロトコルであり、UDPは、送受信端末間でのトランスポート層での再送制御を行わないためパケットロスが発生する可能性があるものの、リアルタイム性に優れる。一方、TCPは、送受信端末間でのトランスポート層での再送制御を行うためパケットロスの発生は少ないものの、リアルタイム性は劣る。音声通信やTV電話、画像通信などのリアルタイム性を要求するトラヒックをUDPデータグラムに格納し、一方、データ通信などの必ずしもリアルタイム性を必要としないトラヒックをTCPセグメントに格納する。IPデータグラムのヘッダ領域にはTOS(Type of Service)領域が定義されており、TOS領域からどのQoSクラスのトラヒックが格納されているか、IPデータグラム毎に識別可能である。尚、IPデータグラムをATMセルに格納して転送することも可能である。また、遅延を高低の2クラスのみでなく、更に3以上のQoSクラスにわけることも可能である。
これら遅延高優先クラスのトラヒックと遅延低優先クラスのトラヒックを、転送に必要とする帯域の点から見ると、遅延高優先クラスのトラヒックは音声通話やTV電話のように帯域をそれほど必要としないような上位層データが多い。一方、遅延低優先クラスには、必ずしもリアルタイム性を必要とはしないものの大きな転送帯域を必要とすることから、大容量ファイル転送をはじめとするデータ転送を割り当てることが多い。
このように、上位層データ毎に、必要とするQoSは異なっている。しかしながら、ATM網やIP網のように、異なる複数のQoSクラスのユーザトラヒックを転送可能な通信網を用いて設備の当具を図り、通信システムの効率化を図っている。
上述の如き従来のマルチアンテナ伝送システムは、幾つかの課題を有する。第1に、マルチアンテナ伝送システムを、複数のQoSクラスのユーザパケットを混在して伝送する通信網に適用する場合に、遅延高優先クラスのユーザパケットの伝送遅延が改善されないことである。その理由は、1つの遅延高優先クラスのユーザトラヒック系列を複数送信アンテナに分散すると、処理遅延が大きい送信アンテナによりそのユーザトラヒック系列全体に遅延が生じる可能性があるためである。例えば、ある1つの遅延高優先トラヒックを図10の送信アンテナ107−1〜107−NのN個に分散して送信する系で、送信アンテナ107−2より送信する経路の伝送遅延が一番大きい場合を考える。
振り分け回路102での振り分け方法がビット毎又はバイト毎の場合には、1つのユーザパケット(ATM網ならば一つのATMセル、IP網ならば1つのIPデータグラム)がN本の経路で伝送されるので、経路毎に遅延差があるとPDU終端回路116−1〜116−Nからそのデータが出力されるタイミングも異なる。多重回路117は、1つのユーザパケットのデータが全て揃い、元のパケットを再構成できてから出力するため、PDU終端回路116−2から出力されるデータに遅延が大きい場合、その遅延高優先のユーザトラヒック系列全体に遅延が生じる。
一方、振り分け回路102での振り分け方法がユーザパケット毎の場合には、送信アンテナ107−2に振り分けられるユーザパケットが最も遅くPDU終端回路116−2から多重回路117に出力される。多重回路117でユーザパケット順序の並べ替えを行う場合には、116−2からのユーザパケットが到着するまでそれ以降の順番のユーザパケットを出力できず、その遅延高優先のユーザトラヒック系列全体に遅延が生じる。尚、経路による伝送遅延差の要因には、線区間の経路によるSIRの違いによる再送制御回路104−iおよび再送合成回路115−i間の再送回数の相違がある。また、再送制御回路104−i内のメモリのキュー長の違いがある。
第2に、マルチアンテナ伝送システムを複数のQoSクラスを混在して伝送する通信網に適用する場合には、遅延高優先クラスのユーザトラヒックの瞬断等による品質が改善されないことである。その理由は、上述した第1の場合と同じく、1つの遅延高優先クラスのユーザトラヒック系列を複数送信アンテナに分散すると、送信アンテナ毎に処理遅延が異なるからである。例えば、再送制御回路104−iおよび再送合成回路115−i間の再送回数に上限を設ける場合、SIRが劣化している経路では再送回数上限まで達しても正しく送信できない可能性があり、そのユーザパケットは欠落する。一方、多重回路117内でユーザパケット順序制御を行わない場合には、多重回路117から出力するユーザトラヒック系列内のユーザパケット順序の入れ替わりが発生する可能性が高い。UDPを使用する場合、パケット順序の入れ替わりにより音声ではその部分は雑音となり瞬断する他、画像の場合もその部分はパケットロスの発生と同等となり、画面品質が劣化する。
本発明は従来技術の上述した課題に鑑みなされたものであり、複数のQoSクラスをユーザパケットを混在して伝送する通信網に適用するマルチアンテナ伝送システムにおいて、遅延高優先トラヒックのうち、帯域をあまり必要とせず1アンテナ分の帯域があれば十分で、かつリアルタイム性を要求するようなトラヒックのユーザパケット伝送遅延の発生を低減およびユーザパケットの瞬断を低減できるマルチアンテナ伝送システムを提供することを主たる目的とする。
上述した課題を解決するため本発明によるマルチアンテナ伝送システムは次のような特徴的な構成を採用している。
(1)N(Nは2以上の任意整数)個の送信アンテナおよび該送信アンテナ毎の再送制御回路を含み、複数のQoSクラスのユーザパケットを混在して転送するマルチアンテナ伝送システムにおいて、
入力ユーザパケット毎にそのユーザトラヒック系列種別およびQoSクラスを識別するパケット種別識別回路と、ユーザパケットが遅延高優先クラスかつ1個の送信アンテナで転送可能な帯域の場合に前記N個の送信アンテナのうち何れの送信アンテナより送信するか決定する振り分け制御回路と、該振り分け制御回路からのアンテナ選択信号に基づいて前記遅延高優先クラスのユーザパケットは何れか1個の送信アンテナに振り分け、他のQoSクラスのユーザパケットは複数の送信アンテナに振り分ける振り分け回路とを備えるマルチアンテナ伝送システム。
(2)前記振り分け制御回路において、前記遅延高優先クラスのユーザトラヒック系列の通信開始時に、前記N個の再送制御回路のうち遅延高優先クラス用メモリのキュー長が最短のものを選択して、該最短キュー長の再送制御回路を有する送信アンテナk(kは1以上N以下の整数)を伝送遅延最短の送信アンテナと判断し、その後、通信終了まで前記ユーザトラヒック系列のユーザパケットは同一の送信アンテナkに振り分けを行う上記(1)のマルチアンテナ伝送システム。
(3)前記振り分け制御回路において、前記遅延高優先クラスのユーザトラヒック系列の通信開始時に、受信装置より対向回線を通じて送付されるN個の送信アンテナ毎の平均SIR値のうち最良のものを選択し、該最良の平均SIR値の送信アンテナkを伝送遅延最短の送信アンテナと判断し、その後、通信終了まで前記ユーザトラヒック系列のユーザパケットは同一の送信アンテナに振り分けを行う上記(1)のマルチアンテナ伝送システム。
(4)N(複数)個の送信アンテナおよび該送信アンテナ毎の再送信制御回路を含み、複数のQoSクラスのユーザパケットを混在して転送するマルチアンテナ伝送システムにおいて、
入力ユーザパケット毎にユーザトラヒック系列種別およびQoSクラスを識別するパケット種別識別回路と、前記ユーザパケットが遅延高優先クラスかつ1個の送信アンテナで転送可能な帯域の場合に何れの1個の送信アンテナにより送信するか決定する振り分け制御回路と、前記ユーザトラヒック系列別にパケットに対して1ずつインクリメントするシーケンスナンバー(SQN)を付加するSQN付加回路と、振り分け制御回路からのアンテナ選択信号に基づいて遅延高優先クラスのユーザパケットは何れか1個の送信アンテナに振り分け、他のQoSクラスのユーザパケットは複数の送信アンテナに振り分ける振り分け回路とを備えるマルチアンテナ伝送システム。
(5)前記振り分け制御回路において、前記遅延高優先クラスのユーザトラヒック系列の通信開始時に、前記N個の再送制御回路のうち遅延高優先クラス用メモリのキュー長が最短のものを選択して、該最短キュー長の再送制御回路を持つ送信アンテナk(kは1以上N以下の整数)を伝送遅延最短の送信アンテナと判断し、その後、前記キュー長が予め設定した閾値を超過した場合に、再度N個の再送制御回路のうち遅延高優先クラス用メモリのキュー長が最短のものを選択して、該最短キュー長の再送制御回路を持つ送信アンテナkを伝送遅延最短の送信アンテナと判断し直す上記(4)のマルチアンテナ伝送システム。
(6)前記振り分け制御回路において、前記遅延高優先クラスのユーザトラヒック系列の通信開始時に、受信装置より対向回線を通じて送付されるN個の送信アンテナの平均SIR値のうち最良のものを選択し、該最良の平均SIR値の送信アンテナkを伝送遅延最短の送信アンテナと判断し、その後、前記平均SIR値が通信終了まで前記予め設定した閾値を超過した場合に、再度N個の送信アンテナの平均SIR値のうち最良のものを選択し、該最良の平均SIR値の送信アンテナkを伝送遅延最短の送信アンテナと判断し直す上記(4)のマルチアンテナ伝送システム。
(7)N(複数)個の送信アンテナおよび該送信アンテナ毎の再送制御回路を含み、複数のQoSクラスのユーザパケットを混在して転送するマルチアンテナ伝送システムにおいて、
入力ユーザパケット毎にユーザトラヒック系列種別およびQoSクラスを識別するパケット種別識別回路と、前記ユーザパケットが遅延高優先クラスかつ1個の送信アンテナで転送可能な帯域の場合に何れの送信アンテナにより送信するか決定する振り分け制御回路と、前記ユーザトラヒック系列毎のタイマカウンタを有し、一定周期毎に1ずつインクリメントするタイマ回路と、前記ユーザトラヒック系列別にパケットに対して1ずつインクリメントするシーケンスナンバー(SQN)を付加するSQN付加回路と、前記振り分け制御回路からのアンテナ選択信号に基づいて前記遅延高優先クラスのユーザパケットは何れか1個の送信アンテナを振り分け、他のQoSクラスのユーザパケットは複数の送信アンテナに振り分ける振り分け回路とを備えるマルチアンテナ伝送システム。
(8)前記振り分け制御回路において、前記遅延高優先クラスのユーザトラヒック系列の通信開始時に、前記N個の再送制御回路のうち遅延高優先クラス用メモリのキュー長が最短のものを選択して、該最短キュー長の再送制御回路を有する送信アンテナk(kは1以上N以下の整数)を伝送遅延最短の送信アンテナと判断し、その後、前記タイマ回路が予め設定した閾値に達する度に、再度N個の再送制御回路のうち遅延高優先クラス用メモリのキュー長が最短のものを選択して、該最短キュー長の再送制御回路を有する送信アンテナkを伝送遅延最短の送信アンテナと判断し直し、同時に前記ユーザトラヒック用タイマ値を0に戻す上記(7)のマルチアンテナ伝送システム。
(9)前記振り分け制御回路において、前記遅延高優先クラスのユーザトラヒック系列の通信開始時に、受信装置より対向回線を通じて送付されるN個の送信アンテナの平均SIR値のうち最良のものを選択し、該最良の平均SIR値の送信アンテナkを伝送遅延最短の送信アンテナと判断し、その後、前記タイマ回路が予め設定した閾値に達する度に、再度N個の送信アンテナの平均SIR値のうち最良のものを選択し、該最良の平均SIR値の送信アンテナkを伝送遅延最短の送信アンテナと判断し直し、同時に前記ユーザトラヒック用タイマ値を0に戻す上記(7)のマルチアンテナ伝送システム。
(10)それぞれ複数のアンテナを有する1対の無線装置間でユーザパケットを送受信するマルチアンテナ伝送システムにおいて、
送信側では、ユーザトラヒックが入力されるパケット種別識別回路と、該パケット種別識別回路から入力ユーザ毎のユーザトラヒック系列種別、QoSクラス情報、送信開始情報および受信側からのフィードバック情報に基づきアンテナ選択信号を生成する振り分け制御回路と、該振り分け制御回路からの前記アンテナ選択信号および前記パケット種別識別回路からのユーザパケットおよびQoSクラス情報に基づき送信アンテナを決定する振り分け回路とを備えるマルチアンテナ伝送システム。
(11)前記パケット種別識別回路および前記振り分け回路間にシーケンスナンバー付加回路を更に備え、前記シーケンスナンバーはユーザトラヒック系列別に入力ユーザパケット毎にインクリメントする上記(10)のマルチアンテナ伝送システム。
本発明のマルチアンテナ伝送システムによると、次の如き実用上の顕著な効果が得られる。即ち、複数のQoSクラスのユーザパケットを混在して伝送する通信網に適用する高速マルチアンテナ伝送装置において、遅延高優先トラヒックのうち、音声通話やTV電話のようにそれほど帯域を必要とせずに1アンテナ分の帯域があれば十分で、かつリアルタイム性を要求するようなユーザパケットを伝送遅延が短い送信アンテナ経路に振り分けるので、伝送遅延の発生を大幅に低減可能である。また、経路間の伝送遅延差に伴い発生するユーザパケットの順序入れ替えをなくすことにより、アプリケーションレベルにおける瞬断等の品質劣化を低減可能である。
従って、本発明は、特に音声通話や画像伝送のように帯域をそれほど必要とせずに1アンテナ分の帯域があれば十分で、かつリアルタイム性を要求するユーザパケットの転送を行う高速マルチアンテナ伝送システムに好適である。
換言すると、遅延高優先クラスの中でも、帯域をあまり必要とせずに1アンテナ分の帯域があれば十分なユーザトラヒック系列が、キュー長や再送処理に伴う伝送遅延が大きな送信アンテナを通らずに済むので、ユーザトラヒック系列の伝送遅延の低減を図ることが可能である。また、1つの送信アンテナに割り当てることで、受信側で他の送信アンテナからのデータの到着待ちを行わなくてよく、送信アンテナ間の再送回数の相違に伴うユーザパケット順序の入れ替えも発生しないので、受信側における処理遅延を低減可能である。
以下、本発明によるマルチアンテナ伝送システムの実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
先ず、図1は、本発明によるマルチアンテナ伝送システムの第1実施例のシステム構成を示すブロック図である。図1に示すマルチアンテナ伝送システムは、N(任意の複数)個の送信アンテナ17−1〜17−Nを有する無線装置10およびM(任意の複数)個の受信アンテナ31−1〜31−Mを有する無線装置30により構成される。ここで、無線装置10から無線装置30への伝送方向を「下り方向」、無線装置30から無線装置10への伝送方向を「上り方向」と呼ぶこととする。
無線装置10は、パケット種別識別回路11、振り分け回路12、N個のPDU生成回路13−1〜13−N、N個の再送制御回路14−1〜14−N、N個の符号化回路15−1〜15−N、N個の変調回路16−1〜16−N、N個の送信アンテナ17−1〜17−N、AMCS制御回路18および振り分け制御回路19を含んでいる。パケット種別識別回路11から振り分け回路12に対して、ユーザパケットおよびQoSクラス情報を出力する構成とする。また、パケット種別識別回路11から振り分け制御回路19に対して、入力ユーザパケット毎のユーザトラヒック系列種別、QoSクラス情報およびそのユーザトラヒック系列が送信開始の場合には送信開始情報を出力する構成とする。振り分け回路12からPDU生成回路13−iに対して、ユーザパケットデータおよびQoSクラス情報を出力できる構成とする。また、PDU生成回路13−iから再送制御回路14−iに対して、PDUとそのQoSクラス情報を出力できる構成とする。
一方、無線装置30は、M個の受信アンテナ31−1〜31−M、M個の復調回路32−1〜32−M、MIMO信号分離回路33、N個の復号化回路34−1〜34−N、N個の再送合成回路35−1〜35−N、N個のPDU終端回路36−1〜36−N、多重回路37およびフィードバック情報生成回路38を含んでいる。フィードバック情報生成回路38は、復調回路32−1〜32−Mが出力する送信アンテナ17−1〜17−N毎のSIR情報や復号化回路34−1〜34−Nが出力するACK/NACK情報を受信するように構成されている。その他、無線装置30の上り方向は、無線装置10の下り方向と同様な送信手段(図示せず)を有し、この送信手段のフィードバック情報生成回路38で生成したフィードバック情報を送信する構成とする。また、無線装置10の上り方向は、無線装置30の下り方向と同様な受信手段を有し、個の受信手段のフィードバック情報を受信してAMCS制御回路18および振り分け制御回路19にフィードバック情報を転送するように構成されている。
次に、図2は、図1のマルチアンテナ伝送システムにおける再送制御回路14の1例の詳細構成を示すブロック図である。遅延高優先クラス用メモリ21a、遅延高優先クラス用再送管理回路22a、遅延低優先クラス用メモリ21b、遅延低優先クラス用再送管理回路22bおよびスケジューリング回路23を含んでいる。
ここで、図1中の無線装置10および無線装置30は、QoSクラスとして遅延高優先クラスおよび遅延低優先クラスの2クラスを用いるものとするが、QoSクラスが3以上の場合には、それに応じて図2のメモリ21および再送管理回路22の組み合わせ数もQoSクラス数分備える。また、スケジューリング回路23の動作は、遅延高優先クラス用メモリ21aにPDUが蓄積されている限り遅延高優先クラスのPDUのみ出力し、遅延高優先クラス用メモリ21aにPDUが蓄積していない場合にのみ遅延低優先クラス用メモリ21bよりPDUを出力する完全優先制御方式であっても良く又は遅延高優先クラス用メモリ21aおよび遅延低優先クラス用メモリ21bから予め定めた比率で交互にPDUを読み出すWRR(Weighted Round Robin)方式でも良い。尚、再送管理回路22aから外部に対して遅延高優先クラス用メモリのキュー長を出力する構成とする。
次に、図3は、図1中の振り分け制御回路19の処理動作例を示すフローチャートである。図4は、図1の振り分け制御回路19の他の処理フローチャートである。図3および図4のどちらの処理としても良い。また、図3、図4の処理は、ディジタル論理回路によるハードウェア処理又はCPUやDSPによるソフトウェア処理のどちらとしても良い。
以上、本発明によるマルチアンテナ伝送システムの構成を詳述した。しかし、図1のPDU生成回路13、符号化回路15、変調回路16、復調回路32、MIMO信号分離回路33、復号化回路34、再送合成回路35およびPDU終端回路36の詳細構成および図中2の再送管理回路22およびスケジューリング回路23の詳細な構成は、無線LANや携帯電話等の種別毎に定まるものであり、当業者に周知であり且つ本発明とは直接関係しないので、その詳細な構成は省略する。
次に、図2、図3および図4を参照しながら、図1に示すマルチアンテナ伝送システムの動作を詳細に説明する。無線装置10への入力ユーザパケットのQoSクラスをパケット種別識別回路11で識別する。ATMセルならば、ATMコネクションを設定する際にVPI値やVCI値毎にQoSクラスも設定されるので、ATMセル毎にヘッダ部のVPI値およびVCI値からQoSクラスが判定可能である。IPデータグラムならば、ヘッダ中のTOS領域よりQoSクラスを識別する。識別の結果、遅延低優先クラスのユーザパケットならば、振り分け回路12でPDU生成回路13−1〜13−Nに順番に振り分ける。振り分け単位は、ユーザパケット毎とする。また、遅延低優先クラスのユーザトラヒック系列が複数ある場合には、ユーザトラヒック系列毎に13−1〜13−Nに順番に振り分ける。任意のPDU生成回路13―iは、入力信号をPDUに整形する。その出力は再送制御回路14−iに入力される。再送制御回路14−iは、遅延低優先クラスのPDUを図2の遅延低優先クラス用メモリ21bに入力する。再送管理回路22bでは、ACK/NACK情報に基づき、PDUの再送(ARQ)処理を行う。
また、図1のパケット種別識別回路11では、入力ユーザパケットを遅延高優先クラスと識別したならば、該無線装置10の1つの送信アンテナで転送しうる範囲内の帯域であるか、あるいは2つ以上の送信アンテナを必要とするほどの大きな帯域であるか、識別する。これは、ATMセルならば、ATMコネクションを設定する際にVPI値やVCI値毎に必要な帯域をユーザとの間で取り決めるため、該帯域情報を保持していれば、ATMセル毎にヘッダ部のVPI値およびVCI値から1つの送信アンテナで転送しうる範囲の帯域であるか判定可能である。IPデータグラムならばヘッダ中の上位プロトコル層識別領域ならびに格納されているUDPヘッダもしくはTCPヘッダより、上位プロトコルデータとして格納されている音声や画像などのトラヒック種別を識別可能であり、音声ならば数kbps、TV電話ならば数Mbpsと必要帯域は明らかなため、自無線装置の1送信アンテナで転送可能な帯域であるか識別可能である。識別の結果、遅延高優先クラスであっても、複数の送信アンテナが必要なほど帯域を要求するユーザトラヒックならば、振り分け回路12でPDU生成回路13−1〜13−Nに順番に振り分ける。振り分け単位は、ユーザパケット毎とする。
一方、図1のパケット種別識別回路11で、入力ユーザパケットを遅延高優先クラスと識別したならば、そのユーザトラヒック系列が既に通信中のものか又は通信開始かも識別する。これは、ATM網ならば、到着したATMセルと同じVPI値およびVCI値のATMセルが、このATMセルの到着前に一定期間通信されていたか記憶しておき、一定期間到着していなければ新規に通信開始と判定する。逆に、通信中にそのVPI値およびVCI値のATMセルが一定期間到着しなければ通信終了とみなす。IP網の場合には、到着したIPデータグラムと同じ送信元IPアドレスおよび受信先IPアドレスのIPデータグラムが、このIPデータグラムの到着前に一定期間通信されていたか記憶しておき、一定期間到着していなければ新規に通信開始と判定する。逆に、通信中にその送信元IPアドレスおよび受信先IPアドレスのIPデータグラムが一定期間到着しなければ通信終了とみなす。
このようにして、パケット種別識別回路11で入力ユーザパケットが新規通信開始かつ1送信アンテナで転送可能な帯域の遅延高優先クラスであると判定したならば、振り分け制御回路19でその時点で最も伝送遅延が短い送信アンテナ17−k(kは1以上N以下の整数)を判定する。そして、それに対応したPDU生成回路13−kに振り分けるようにアンテナ選択信号を振り分け回路12に出力する。その後、このユーザトラヒック系列の通信終了まで、このユーザトラヒック系列のユーザパケットが到着する度に同じPDU生成回路13−kに振り分けるようにアンテナ選択信号を出力する。尚、複数の遅延高優先クラスのユーザトラヒック系列を伝送する場合には、ユーザトラヒック系列毎に通信開始時刻が異なり、その時点の最適な送信アンテナ17−kは異なる場合があり、ユーザトラヒック系列毎に異なるPDU生成回路13−kに振り分けられる場合もある。再送制御回路14−i(iは1以上N以下の任意整数)に入力された遅延高優先クラスのPDUは、図2の遅延高優先クラス用メモリ21aに入力される。再送管理回路22aでは、ACK/NACK情報に基づき再送(ARQ)処理を行う。
図2のスケジューリング回路23から出力されるPDUは、図1の符号化回路15−iに入力され、誤り訂正符号化処理やパンクチャ処理等を行う。更にその出力は、変調回路16−iに入力され、無線フレーム生成や制御用ヘッダ領域の付加等のベースバンド処理およびRF処理を行い、送信アンテナ17−iより送信する。AMCS制御回路18は、無線装置30から上り回線で伝送されるフィードバック情報を受信し、ACK/NACK情報の抽出を行い符号化回路15−1〜15−Nに転送すると共にフィードバック情報から適応変調用のAMCS情報を生成し、符号化回路15−1〜15−Nおよび変調回路16−1〜16−Nに転送する。
一方、無線装置30は、M個の受信アンテナ31−1〜31−Mで無線装置10からの変調信号を受信する。復調回路32−j(jは1以上M以下の任意整数)で復調処理を行う。その出力信号には符号化回路15−1〜15−Nの出力相当の信号が重畳されており、これをMIMO信号分離回路33で、N個に分離する。この分離信号は、符号化回路15−1〜15−Nの出力信号に相当する。これは復号化回路34−i(iは1以上N以下の任意整数)に入力され、デパンクチャ処理や誤り訂正復号処理を行う。復号化回路34−iは、PDUを出力すると共にPDU毎に正しく復号できたか否かを示すACK/NACK情報も出力する。これらは再送合成回路35−iに入力されてメモリ(図示せず)に保持される。正しく復号できなかったPDUが無線装置10より再送されて正しく受信できたならば、既にメモリに保持してあるPDUと置き換える再送合成処理(ARQ)を行い、正しく再生したデータをPDU終端回路36−iに転送する。このPDU終端回路では、PDUを終端してユーザトラヒックを取り出し、その出力を多重回路37に転送する。
多重回路37では、PDU終端回路36−1〜36−Nからのユーザパケットを多重化してユーザトラヒック系列を得る。その際に、PDU終端回路36−1〜36−NからのN本を多重化するのは遅延低優先クラスのユーザトラヒック系列であり、遅延高優先クラスの同一ユーザトラヒック系列のユーザパケットはN個のうちの1つのみで転送される。フィードバック情報生成回路38では、復調回路32−1〜32−Mで検出した送信アンテナ毎のSIR情報や、復号化回路34−1〜34−Nが出力するACK/NACK情報より、フィードバック情報を生成する。尚、振り分け回路12で、遅延低優先クラスのユーザパケットをPDU生成回路13−1〜13−Nに振り分ける際の単位は、ビット毎又はバイト毎であってもよい。
次に、図3のフローチャートは、図1のマルチアンテナ伝送システムにおける振り分け制御回路19の第1動作例を示す。図3は、伝送遅延が短い送信アンテナ17−k(kは1以上N以下の整数)の判定に、再送制御回路14−1〜14−Nの遅延高優先クラス用メモリのキュー長を用いる方法である。
先ず、パケット種別識別回路11より、遅延高優先クラスでありかつ1送信アンテナで転送可能な帯域の新規ユーザトラヒック系列の到着検出信号を受けると(ステップA1)、その時点での再送制御回路14−1〜14−Nのうち、遅延高優先クラス用メモリのキュー長が最短のもの14−k(kは1以上N以下の整数)を判定する(ステップA2)。そして、パケット種別識別回路11よりそのユーザトラヒック系列のユーザパケットの到着を受信する度に、振り分け回路12に対して、PDU生成回路13−kに振り分けるようにアンテナ選択信号を出力する(ステップA3)。これは、このユーザトラヒック系列の通信終了まで継続する(ステップA4)。尚、図3の処理は、ユーザトラヒック系列毎に行う。ユーザトラヒック系列毎に通信開始時刻が異なるので、このユーザトラヒック系列通信開始時点での最適な送信アンテナ17−kは異なる場合があり、ユーザトラヒック系列毎に異なるPDU生成回路13−kに振り分けられる場合もある。
次に、図4のフローチャートは、図1のマルチアンテナ伝送システムにおける振り分け制御回路19の第2動作例を示す。図4は、伝送遅延が短い送信アンテナ17−k(kは1以上N以下の整数)の判定に、無線装置30からのフィードバック情報に含まれる送信アンテナ毎の平均SIR情報を用いる方法である。
パケット種別識別回路11より、無線装置10から無線装置30方向への遅延高優先クラスでありかつ1個の送信アンテナで転送可能な帯域の新規ユーザトラヒック系列のユーザパケットの到着検出信号を受けると(ステップA5)、その時点での平均SIR情報が最良の送信アンテナ17−k(kは1以上N以下の整数)を判定する(ステップA6)。そして、パケット種別識別回路11よりこのユーザトラヒック系列のユーザパケットの到着を受信する度に、振り分け回路12に対して、PDU生成回路13−kに振り分けるようにアンテナ選択信号を出力する(ステップA7)。これは、該ユーザトラヒック系列の通信終了まで継続する(ステップA8)。ここで、図4の処理は、ユーザトラヒック系列毎に行う。ユーザトラヒック系列毎に通信開始時刻が異なるので、このユーザトラヒック系列通信開始時点での最適な送信アンテナ17−kは異なる場合があり、ユーザトラヒック系列毎に異なるPDU生成回路13−kに振り分けられる場合もある。
次に、本発明によるマルチアンテナ伝送システムの第2実施例を、図5〜図9を参照して説明する。図5は、本発明によるマルチアンテナ伝送システムの第2実施例の構成を示すブロック図である。このマルチアンテナ伝送システムの基本的構成は、図1に示す第1実施例と同様であるが、伝送遅延最短の送信アンテナの選択方法について更なる改善が行なわれている。尚、説明の便宜上、第1実施例の構成要素に対応する構成要素には、同様の参照符号を使用することとする。第2実施例のマルチアンテナ伝送システムは、N個の送信アンテナ17−1〜17−Nを有する無線装置50およびM個の受信アンテナ31−1〜31Mを有する無線装置60により構成されている。この実施例でも、無線装置50から無線装置60への伝送方向を「下り方向」、無線装置60から無線装置50への伝送方向を「上り方向」と呼ぶこととする。
無線装置50は、パケット種別識別回路11、SQN付加回路51、振り分け回路12、N個のPDU生成回路13−1〜13−N、N個の再送制御回路14−1〜14−N、N個の符号化回路15−1〜15−N、N個の変調回路16−1〜16−N、N個の送信アンテナ17−1〜17−N、AMCS制御回路18、振り分け制御回路52およびタイマ回路53を含んでいる。パケット種別識別回路11からSQN付加回路51に対して、ユーザパケットと共にQoSクラス情報を出力する構成とする。また、パケット種別識別回路11から振り分け制御回路52に対して、入力ユーザパケット毎のユーザトラヒック系列種別、QoSクラス情報およびそのユーザトラヒック系列が送信開始の場合は送信開始情報を出力する構成とする。また、SQN付加回路51から振り分け回路12に対して、ユーザパケットデータと共にQoSクラス情報を出力する構成とする。ここで、振り分け回路12、PDU生成回路13−1〜13−N、再送制御回路14−1〜14−N、符号化回路15−1〜15−N、変調回路16−1〜16−N、送信アンテナ17−1〜17−NおよびAMCS制御回路18の構成および動作は、図1の場合と同様である。タイマ回路53は、複数個のタイマカウンタを内蔵し、ユーザトラヒック系列毎にタイマ値をカウント可能な構成とする。
一方、無線装置60は、M個の受信アンテナ31−1〜31−M、M個の復調回路32−1〜32−M、MIMO信号分離回路33、N個の復号化回路34−1〜34−N、N個の再送合成回路35−1〜35−N、N個のPDU終端回路36−1〜36−N、多重回路67およびフィードバック情報生成回路38を含んでいる。ここで、受信アンテナ31−1〜31−M、復調回路32−1〜32−M、MIMO信号分離回路33、復号化回路34−1〜34−N、再送合成回路35−1〜35−N、PDU終端回路36−1〜36−Nおよびフィードバック情報生成回路38の構成および動作は、図1の場合と同様である。その他、無線装置60の上り方向は、無線装置50の下り方向と同様な送信手段を有し、フィードバック情報生成回路38で生成したフィードバック情報を送信できる構成を有する。また、無線装置50の上り方向は、無線装置60の下り方向と同様な受信手段を有し、フィードバック情報を受信してAMCS制御回路18および振り分け制御回路52にフィードバック情報を転送できる構成を有する。
パケット種別識別回路11は、無線装置50への入力ユーザパケットのQoSクラスを識別する。そして、SQN付加回路51で、ユーザトラヒック系列別に、入力ユーザパケット毎に1ずつインクリメントしてゆくシーケンスナンバー(SQN)を付加する。付加箇所はユーザパケット内の一定の空き領域でも良く又はヘッダ先頭に付加してPDU生成回路13−iにてPDU内の所定の空き領域に付加し直しても良い。SQNを付加したユーザパケットおよびそのQoS情報を振り分け回路12に転送する。振り分け回路12は、遅延低優先クラスのユーザパケットならばPDU生成回路13−1〜13−Nに順番に、ユーザパケット毎に振り分ける。また、ユーザトラヒック系列が複数系列ある場合には、ユーザトラヒック系列毎に13−1〜13−Nに順番に振り分ける。
また、パケット種別識別回路11では、入力ユーザパケットを遅延高優先クラスと識別したならば、該無線装置50の1つの送信アンテナで転送しうる範囲内の帯域であるか、あるいは2つ以上の送信アンテナを必要とするほどの大きな帯域であるか、識別する。これは、ATMセルならば、ATMコネクションを設定する際にVPI値やVCI値毎に必要な帯域をユーザとの間で取り決めるため、該帯域情報を保持していれば、ATMセル毎にヘッダ部のVPI値およびVCI値から1つの返信アンテナで転送しうる範囲の帯域であるか判定可能である。IPデータグラムならばヘッダ中の上位プロトコル層識別領域ならびに格納されているUDPヘッダもしくはTCPヘッダより、上位プロトコルデータとして格納されている音声や画像などのトラヒック種別を識別可能であり、音声ならは数kbps、TV電話ならば数Mbpsと必要帯域は明らかなため、自無線装置の1送信アンテナで転送可能な帯域であるか識別可能である。識別の結果、遅延高優先クラスであっても、複数の送信アンテナが必要なほど帯域を要求するユーザトラヒックならば、振り分け回路12でPDU生成回路13−1〜13−Nに順番に振り分ける。振り分け単位は、ユーザパケット毎とする。
一方、パケット種別識別回路11で、入力ユーザパケットを遅延高優先クラスと識別したならば、そのユーザパケットのトラヒック系列が既に通信中か又は通信開始かも識別する。このようにして、パケット種別識別回路11で新規通信開始かつ1送信アンテナで転送アンテナで転送可能な帯域の遅延高優先クラスのユーザトラヒック系列と判定したならば、振り分け制御回路52で、その時点で最も伝送遅延が短い送信アンテナ17−k(kは1以上N以下の整数)を判定し、それに対応したPDU生成回路13−kに振り分けるようにアンテナ選択信号を出力する。その後、図5の振り分け制御回路52では、適宜伝送遅延が最短となる1個の送信アンテナを判定し直し、最適な1個の送信アンテナに振り分けるようにユーザトラヒック系列のユーザパケットが到着する度にアンテナ選択信号を出力する。振り分け回路12は、アンテナ選択信号に基づきユーザパケットをPDU生成回路13−kに振り分ける。
PDU生成回路13―i(iは1以上N以下の任意整数)は、入力信号をPDUに整形する。その出力は再送制御回路14−iに入力され、PDUの再送(ARQ)処理を行う。符号化回路15−iに入力され、誤り訂正符号化処理やパンクチャ処理等を行う。更に、その出力は変調回路16−iに入力され、無線フレーム生成や制御用ヘッダ領域の付加等のベースバンド処理およびRF処理を行い、送信アンテナ17−iより送信する。AMCS制御回路18は、無線装置60から上り回線で送信されるフィードバック情報を受信し、ACK/NACK情報の抽出を行い符号化回路15−1〜15−Nに転送すると共に適応変調のためのAMCS情報を生成し、符号化回路15−1〜15−Nおよび変調回路16−1〜16−Nに転送する。
一方、無線装置60は、M個の受信アンテナ31−1〜31−Mにより無線装置50からの信号を受信し、復調回路32−j(jは1以上M以下の任意整数)により復調処理を行う。その出力には符号化回路15−1〜15−Nの出力相当の信号が重畳されており、これをMIMO信号分離回路33でN個に分離する。分離信号は復号化回路34−i(iは1以上N以下の任意整数)に入力され、デパンクチャ処理や誤り訂正復号処理を行う。復号化回路34−iは、PDUを出力すると共にPDU毎に正しく復号できたか否かを示すACK/NACK情報も出力する。これらは再送合成回路35−iに入力されてメモリに保持され、正しく復号できなかったPDUが無線装置50より再送され、正しく受信できたならば、既にメモリに保持してあるPDUと置き換える再送合成処理(ARQ)を行い、正しく再生したデータをPDU終端回路36−iに転送する。
PDU終端回路36−iでは、PDUを終端してユーザトラヒックを取り出し、その出力を多重回路67に転送する。多重回路67では、PDU終端回路36−1〜36−Nからのユーザパケットを多重化してユーザトラヒック系列を得る。その際に、同一ユーザトラヒック系列のユーザパケットの順番が経路毎の伝送遅延の相違によって入れ替わる場合があるため、ユーザパケット毎に付加されたSQNを用いて元の順番に並べ替える。フィードバック情報生成回路38では、復調回路32−1〜32−Mで検出した送信アンテナ毎のSIR情報や、復号化回路34−1〜34−Nが出力するACK/NACK情報によりフィードバック情報を生成する。
図6は、図5のマルチアンテナ伝送システムにおける振り分け制御回路52の処理動作の1例を示すフローチャートである。これは、伝送遅延が短い送信アンテナ17−k(kは1以上N以下の整数)の判定に、再送制御回路14−1〜14−Nの遅延高優先クラス用メモリのキュー長を用いる方法である。パケット種別識別回路11より、遅延高優先クラスでありかつ1個の送信アンテナで転送可能な帯域の新規ユーザトラヒック系列の到着検出信号を受けると(ステップA9)、図5のタイマ回路53内のユーザトラヒック系列用のタイマカウンタ値TIMを0に設定する(ステップA10)。その後、このタイマ値TIMは一定時間毎に1ずつ自動的にインクリメントする。次に、振り分け制御回路52は、その時点での再送制御回路14−1〜14−Nのうち、遅延高優先クラス用メモリのキュー長が最短のもの14−k(kは1以上N以下の整数)を判定する(ステップA11)。そして、パケット種別識別回路11よりこのユーザトラヒック系列のユーザパケットの到着を受信する度に、振り分け回路12に対してPDU生成回路13−kに振り分けるようにアンテナ選択信号を出力する(ステップA12)。これは、このユーザトラヒック系列の通信終了まで行うが(ステップA13)、タイマ値TIMが予め設定した閾値に到達すると(ステップA14)、タイマ値を0にクリアする(ステップA10)。そして再度その時点でのキュー長最短の再送制御回路14−kを判定する(ステップA11)。尚、図6の処理は、ユーザトラヒック系列毎に行う。
上述の如く、この第1動作例では、タイマ値が閾値に達する度にその時点でのキュー長最短の経路に選択し直すので、遅延高優先クラスのユーザトラヒック系列の通信を長時間行っても、常にキュー長を最短にして伝送遅延を低く保つことが可能である。
次に、図7のフローチャートを参照して、図5のマルチアンテナ伝送システムにおける振り分け制御回路52の第2動作例を説明する。図7は、伝送遅延が短い送信アンテナ17−k(kは1以上N以下の整数)の判定に、無線装置60からのフィードバック情報に含まれる送信アンテナ毎の平均SIR情報を用いる方法である。
パケット種別識別回路11より、遅延高優先クラスでありかつ1個の送信アンテナで転送可能な帯域の新規ユーザトラヒック系列の到着検出信号を受けると(ステップA15)、図5のタイマ回路53内のユーザトラヒック系列用タイマカウンタ値TIMを0に設定する(ステップA16)。その後、このタイマ値TIMは一定時間毎に1ずつ自動的にインクリメントする。次に、振り分け制御回路52は、その時点での平均SIR情報が最良の送信アンテナ17−k(kは1以上N以下の整数)を判定する(ステップA17)。そして、パケット種別識別回路11よりこのユーザトラヒック系列のユーザパケットの到着を受信する度に、振り分け回路12に対してPDU生成回路13−kに振り分けるようにアンテナ選択信号を出力する(ステップA18)。これは、このユーザトラヒック系列の通信終了まで行うが(ステップA19)、タイマ値TIMが予め設定した閾値に到達すると(ステップA20)、タイマ値を0にクリアする(ステップA16)。そして、再度その時点での平均SIR情報が最良の送信アンテナ17−k(kは1以上N以下の整数)を判定する(ステップA17)。尚、図7の処理は、ユーザトラヒック系列毎に行う。
上述の如く、この第2動作例では、タイマ値が閾値に到達する度にその時点での平均SIR値が最良の経路に選択し直すので、遅延高優先クラスのユーザトラヒック系列の通信を長時間行っても、常に平均SIR値を最良にして再送回数を低減させ、伝送遅延を最適に保つことが可能である。
次に、図8のフローチャートを参照して、図5のマルチアンテナ伝送システムにおける振り分け制御回路52の第3動作例を説明する。伝送遅延が短い送信アンテナ17−k(kは1以上N以下の整数)の判定に、再送制御回路14−1〜14−Nの遅延高優先クラス用メモリのキュー長を用いる方法である。また、図5中のタイマ回路53は使用しない。
パケット種別識別回路11より、遅延高優先クラスでありかつ1個の送信アンテナで転送可能な帯域の新規ユーザトラヒック系列の到着検出信号を受けると(ステップA21)、振り分け制御回路52は、その時点での再送制御回路14−1〜14−Nのうち、遅延高優先クラス用メモリのキュー長が最短のもの14−k(kは1以上N以下の整数)を判定する(ステップA22)。そして、パケット種別識別回路11より該ユーザトラヒック系列のユーザパケットの到着を受信する度に、振り分け回路12に対してPDU生成回路13−kに振り分けるようにアンテナ選択信号を出力する(ステップA23)。これは、このユーザトラヒック系列の通信終了まで行うが(ステップA24)、選択した再送制御回路14−kの遅延高優先クラス用メモリのキュー長が予め設定した閾値を超過すると(ステップA25)、再度その時点でのキュー長最短の再送制御回路14−kを判定する(ステップA22)。尚、図8の処理は、ユーザトラヒック系列毎に行う。
上述の如く、この第3動作例では、キュー長が閾値を超過する度にその時点でのキュー長最短の経路に選択し直すので、遅延高優先クラスのユーザトラヒック系列の通信を長時間行っても、常にキュー長を閾値以下にして伝送遅延の増加を防止する。
次に、図9のフローチャートを参照して、図5のマルチアンテナ伝送システムにおける振り分け制御回路52の第4動作例を説明する。図9は、伝送遅延が短い送信アンテナ17−k(kは1以上N以下の整数)の判定に、無線装置60からのフィードバック情報に含まれる送信アンテナ毎の平均SIR情報を用いる方法である。また、図5中のタイマ回路53は使用しない方法である。
パケット種別識別回路11より、遅延高優先クラスでありかつ1個の送信アンテナで転送可能な帯域の新規ユーザトラヒック系列の到着検出信号を受けると(ステップA26)、振り分け制御回路52は、その時点での平均SIR情報が最良の送信アンテナ17−k(kは1以上N以下の整数)を判定する(ステップA27)。そして、パケット種別識別回路11より該ユーザトラヒック系列のユーザパケットの到着を受信する度に、振り分け回路12に対してPDU生成回路13−kに振り分けるようにアンテナ選択信号を出力する(ステップA28)。これは、このユーザトラヒック系列の通信終了まで行う(ステップA29)。選択している送信アンテナ17−kの平均SIR値が予め設定した閾値よりも劣化したならば(ステップA30)、再度その時点での平均SIR情報が最良の送信アンテナ17−k(kは1以上N以下の整数)を判定する(ステップA27)。尚、図9の処理は、ユーザトラヒック系列毎に行う。
上述の如く、この第4動作例では、平均SIR値が閾値よりも劣化する度にその時点での平均SIR値が最良の経路に選択し直すので、遅延高優先クラスのユーザトラヒック系列の通信を長時間行っても、平均SIR値を閾値以上に保ち再送回数を低減させ、伝送遅延を最適に保つことが可能である。
以上、本発明によるマルチアンテナ伝送システムの好適実施例について詳述した。しかし、斯かる実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく種々の変形変更が可能であること、当業者には容易に理解できよう。
本発明によるマルチアンテナ伝送システムの第1実施例の構成を示すブロック図である。 図1のマルチアンテナ伝送システムの送信側における再送制御回路の詳細構成例を示すブロック図である。 図1のマルチアンテナ伝送システムにおける振り分け制御回路の第1処理動作例を示すフローチャートである。 図1のマルチアンテナ伝送システムにおける振り分け制御回路の第2処理動作例を示すフローチャートである。 本発明によるマルチアンテナ伝送システムの第2実施例の構成例を示すブロック図である。 図5のマルチアンテナ伝送システムにおける振り分け制御回路の第1処理動作例を示すフローチャートである。 図5のマルチアンテナ伝送システムにおける振り分け制御回路の第2処理動作例を示すフローチャートである。 図5のマルチアンテナ伝送システムにおける振り分け制御回路の第3処理動作例を示すフローチャートである。 図5のマルチアンテナ伝送システムにおける振り分け制御回路の第4処理動作例を示すフローチャートである。 代表的なマルチアンテナ伝送システムの構成を示すブロック図である。
符号の説明
10、30、50、60 無線装置
11 パケット種別識別回路
12 振り分け回路
13−1〜13−N PDU生成回路
14−1〜14−N 再送制御回路
15−1〜15−N 符号化回路
16−1〜16−N 変調回路
17−1〜17−N 送信アンテナ
18 AMCS制御回路
19、52 振り分け制御回路
31−1〜31−M 受信アンテナ
32−1〜32−M 復調回路
33 MIMO信号分離回路
34−1〜34−N 復号化回路
35−1〜35−N 再送合成回路
36−1〜36−N PDU終端回路
37、67 多重回路
38 フィードバック情報生成回路
51 シーケンシャルナンバー(SQN)付加回路
53 タイマ回路

Claims (11)

  1. N(Nは2以上の任意整数)個の送信アンテナおよび該送信アンテナ毎の再送制御回路を含み、複数のQoSクラスのユーザパケットを混在して転送するマルチアンテナ伝送システムにおいて、
    入力ユーザパケット毎にそのユーザトラヒック系列種別およびQoSクラスを識別するパケット種別識別回路と、ユーザパケットが遅延高優先クラスかつ1個の送信アンテナで転送可能な帯域の場合に前記N個の送信アンテナのうち何れの送信アンテナより送信するか決定する振り分け制御回路と、該振り分け制御回路からのアンテナ選択信号に基づいて前記遅延高優先クラスのユーザパケットは何れか1個の送信アンテナに振り分け、他のQoSクラスのユーザパケットは複数の送信アンテナに振り分ける振り分け回路とを備えることを特徴とするマルチアンテナ伝送システム。
  2. 前記振り分け制御回路において、前記遅延高優先クラスのユーザトラヒック系列の通信開始時に、前記N個の再送制御回路のうち遅延高優先クラス用メモリのキュー長が最短のものを選択して、該最短キュー長の再送制御回路を有する送信アンテナk(kは1以上N以下の整数)を伝送遅延最短の送信アンテナと判断し、その後、通信終了まで前記ユーザトラヒック系列のユーザパケットは同一の送信アンテナkに振り分けを行うことを特徴とする請求項1に記載のマルチアンテナ伝送システム。
  3. 前記振り分け制御回路において、前記遅延高優先クラスのユーザトラヒック系列の通信開始時に、受信装置より対向回線を通じて送付されるN個の送信アンテナ毎の平均SIR値のうち最良のものを選択し、該最良の平均SIR値の送信アンテナkを伝送遅延最短の送信アンテナと判断し、その後、通信終了まで前記ユーザトラヒック系列のユーザパケットは同一の送信アンテナに振り分けを行うことを特徴とする請求項1に記載のマルチアンテナ伝送システム。
  4. N(複数)個の送信アンテナおよび該送信アンテナ毎の再送信制御回路を含み、複数のQoSクラスのユーザパケットを混在して転送するマルチアンテナ伝送システムにおいて、
    入力ユーザパケット毎にユーザトラヒック系列種別およびQoSクラスを識別するパケット種別識別回路と、前記ユーザパケットが遅延高優先クラスかつ1個の送信アンテナで転送可能な帯域の場合に何れの1個の送信アンテナにより送信するか決定する振り分け制御回路と、前記ユーザトラヒック系列別にパケットに対して1ずつインクリメントするシーケンスナンバー(SQN)を付加するSQN付加回路と、振り分け制御回路からのアンテナ選択信号に基づいて遅延高優先クラスのユーザパケットは何れか1個の送信アンテナに振り分け、他のQoSクラスのユーザパケットは複数の送信アンテナに振り分ける振り分け回路とを備えることを特徴とするマルチアンテナ伝送システム。
  5. 前記振り分け制御回路において、前記遅延高優先クラスのユーザトラヒック系列の通信開始時に、前記N個の再送制御回路のうち遅延高優先クラス用メモリのキュー長が最短のものを選択して、該最短キュー長の再送制御回路を持つ送信アンテナk(kは1以上N以下の整数)を伝送遅延最短の送信アンテナと判断し、その後、前記キュー長が予め設定した閾値を超過した場合に、再度N個の再送制御回路のうち遅延高優先クラス用メモリのキュー長が最短のものを選択して、該最短キュー長の再送制御回路を持つ送信アンテナkを伝送遅延最短の送信アンテナと判断し直すことを特徴とする請求項4に記載のマルチアンテナ伝送システム。
  6. 前記振り分け制御回路において、前記遅延高優先クラスのユーザトラヒック系列の通信開始時に、受信装置より対向回線を通じて送付されるN個の送信アンテナの平均SIR値のうち最良のものを選択し、該最良の平均SIR値の送信アンテナkを伝送遅延最短の送信アンテナと判断し、その後、前記平均SIR値が通信終了まで前記予め設定した閾値を超過した場合に、再度N個の送信アンテナの平均SIR値のうち最良のものを選択し、該最良の平均SIR値の送信アンテナkを伝送遅延最短の送信アンテナと判断し直すことを特徴とする請求項4に記載のマルチアンテナ伝送システム。
  7. N(複数)個の送信アンテナおよび該送信アンテナ毎の再送制御回路を含み、複数のQoSクラスのユーザパケットを混在して転送するマルチアンテナ伝送システムにおいて、
    入力ユーザパケット毎にユーザトラヒック系列種別およびQoSクラスを識別するパケット種別識別回路と、前記ユーザパケットが遅延高優先クラスかつ1個の送信アンテナで転送可能な帯域の場合に何れの送信アンテナにより送信するか決定する振り分け制御回路と、前記ユーザトラヒック系列毎のタイマカウンタを有し、一定周期毎に1ずつインクリメントするタイマ回路と、前記ユーザトラヒック系列別にパケットに対して1ずつインクリメントするシーケンスナンバー(SQN)を付加するSQN付加回路と、前記振り分け制御回路からのアンテナ選択信号に基づいて前記遅延高優先クラスのユーザパケットは何れか1個の送信アンテナを振り分け、他のQoSクラスのユーザパケットは複数の送信アンテナに振り分ける振り分け回路とを備えることを特徴とするマルチアンテナ伝送システム。
  8. 前記振り分け制御回路において、前記遅延高優先クラスのユーザトラヒック系列の通信開始時に、前記N個の再送制御回路のうち遅延高優先クラス用メモリのキュー長が最短のものを選択して、該最短キュー長の再送制御回路を有する送信アンテナk(kは1以上N以下の整数)を伝送遅延最短の送信アンテナと判断し、その後、前記タイマ回路が予め設定した閾値に達する度に、再度N個の再送制御回路のうち遅延高優先クラス用メモリのキュー長が最短のものを選択して、該最短キュー長の再送制御回路を有する送信アンテナkを伝送遅延最短の送信アンテナと判断し直し、同時に前記ユーザトラヒック用タイマ値を0に戻すことを特徴とする請求項7に記載のマルチアンテナ伝送システム。
  9. 前記振り分け制御回路において、前記遅延高優先クラスのユーザトラヒック系列の通信開始時に、受信装置より対向回線を通じて送付されるN個の送信アンテナの平均SIR値のうち最良のものを選択し、該最良の平均SIR値の送信アンテナkを伝送遅延最短の送信アンテナと判断し、その後、前記タイマ回路が予め設定した閾値に達する度に、再度N個の送信アンテナの平均SIR値のうち最良のものを選択し、該最良の平均SIR値の送信アンテナkを伝送遅延最短の送信アンテナと判断し直し、同時に前記ユーザトラヒック用タイマ値を0に戻すことを特徴とする請求項7に記載のマルチアンテナ伝送システム。
  10. それぞれ複数のアンテナを有する1対の無線装置間でユーザパケットを送受信するマルチアンテナ伝送システムにおいて、
    送信側では、ユーザトラヒックが入力されるパケット種別識別回路と、該パケット種別識別回路から入力ユーザ毎のユーザトラヒック系列種別、QoSクラス情報、送信開始情報および受信側からのフィードバック情報に基づきアンテナ選択信号を生成する振り分け制御回路と、該振り分け制御回路からの前記アンテナ選択信号および前記パケット種別識別回路からのユーザパケットおよびQoSクラス情報に基づき送信アンテナを決定する振り分け回路とを備えることを特徴とするマルチアンテナ伝送システム。
  11. 前記パケット種別識別回路および前記振り分け回路間にシーケンスナンバー付加回路を更に備え、前記シーケンスナンバーはユーザトラヒック系列別に入力ユーザパケット毎にインクリメントすることを特徴とする請求項10に記載のマルチアンテナ伝送システム。
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