JP2006219502A - 結腸特異的薬物放出システム - Google Patents

結腸特異的薬物放出システム Download PDF

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Hitoshi Kawai
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Muneo Fukui
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Abstract

【課題】
腸内細菌を利用し、放出開始機構にもとずく有害物質が生じず、分解速度が早く、より結腸特異性の高い薬物放出システムの提供
【解決手段】
有機酸により溶解する高分子物質(a)で被覆された薬物(b)と、消化管下部で腸内細菌により有機酸を速やかに発生する糖類(c)とから成る消化管中の結腸で特異的に薬物を放出するシステム。有機酸により溶解する高分子物質(a)で被覆された薬物(b)が,更に,腸溶性の高分子物質(d)で被覆された組成物と,消化管下部で腸内細菌により有機酸を速やかに発生する糖類(c)が,所望により,腸溶性の高分子物質(d)で被覆された組成物とから成る消化管中の結腸で特異的に薬物を放出するシステム。
【選択図】 図1

Description

本発明は薬物放出システム,特に,消化管中の結腸で薬物を特異的に放出するシステムに関する。更に,詳しくは,有機酸により溶解する高分子物質(a)で被覆された薬物(b)と,消化管下部で腸内細菌により速やかに有機酸を発生する糖類(c)とから成る消化管中の結腸で薬物を特異的に放出するシステム,並びに有機酸により溶解する高分子物質(a)で被覆された薬物(b),及び消化管下部で腸内細菌により有機酸を速やかに発生する糖類(c)を含有する組成物が,腸溶性高分子物質(d)で被覆されたことから成る結腸特異的薬物放出経口組成物に関する。
最近の10年間で,薬物送達(放出)の分野に於て急速な進歩がみられた。特に多くの薬物送達(放出)システムが開発され,薬物の放出制御に影響を与えてきている。
そして,消化管中の結腸で薬物を放出させることは,潰瘍性大腸炎等の局所治療に関して,局所に薬物を高濃度に集積させること,小腸での吸収が起らないことから,全身性の副作用の低減につながり,治療効果の向上に明らかに有用である。一方,全身性の薬物を考えた場合,結腸は小腸と比較して,長さが短く,マイクロビリが発達していないことから,吸収有効面積が狭い,極性化合物の透過性が小さい等不都合な点があるが,上行結腸の移動時間だけでも,若年者で平均3時間,高齢者で平均10時間(本郷ら,日平滑筋誌24,55−60,1988)と小腸の移動時間3ないし4時間と比較して同等以上であり,吸収有効時間が長い。また,ペプタイド,タンパク系薬物の投与部位として結腸を考えた場合,消化酵素の分泌がなく,大腸粘膜のペプチダーゼ活性が小腸に比較して低いという(Kopecekら,Proc. Int. Symp. Control. Rel. Bioact. Mat. 17, 130-131(1990))利点があり,薬物を結腸で放出させることにより,より大きな全身性の生物学的利用率を得ることが出来る。
これまでに消化管下部,特に結腸を標的とした製剤は数多く報告されている。これらシステムは大きく4種類に分類される。第1は,pHの変化に対応して薬物を放出する,いわゆる遅延放出型(Delayed Release System),第2が一定時間後に薬物を放出する時限放出型(Timed-Release System),第3が消化管下部に腸内細菌が多いことを利用したシステム(Microflora Enzyme System),第4が大腸に特異的なレクチン様物質を利用したシステムである。
第1の遅延放出型システムは,pH変化によって溶解するシステムでアクリル系あるいはセルロース系腸溶性基剤を用いたシステムで,製剤の調製が簡単であることから数多くの報告がなされている。例えば,アクリル系腸溶性基剤Eudragit S(商品名)を用いたシステムだけでも,ベーリンガー,マンチェスター大,サール社を初め数多くの報告がなされている。しかし,1993年のアメリカ薬学会(AAPS)においてマンチェスター大のグループが腸溶性基剤を用いた彼らのシングルユニット製剤はpH変化というよりも消化管内の製剤の移動が放出時間を規定しており,結腸特異性が低いことを報告しており,その他の同様なシステムにおいても結腸で薬物を特異的に放出するには至らないことが考えられる。
第2の時限放出型は藤沢薬品工業のTime Erosion System(TES),R. P. SchererのPulsincap等に代表されるシステムであるが,これらは消化管内の製剤の移動時間に放出部位が規定されることになり確実に消化管下部で薬物を放出させることは困難である。消化管内の製剤の移動は胃排出時間の影響が大きいことから腸溶性とする場合もあるが,小腸内の運動性も個体内,個体間で異なっており,また病態により大きく異なることが報告されていることからも結腸特異的に薬物を放出することは困難である。
第3の腸内細菌を利用したシステムは近年になって数が急増した。これらは,オハイオ大のグループ(非特許文献1参照)及びユタ大のグループ(非特許文献2参照)が報告しているAzoaromatic polymerが腸内細菌のアゾ還元酵素によって分解されることを利用するシステム,及びヘブライ大(特許文献1参照),フライブルグ大(非特許文献3参照)のグループが報告しているPolysaccharideが腸内細菌のβ−ガラクトシダーゼにより分解されることを用いたシステムに大別される。その他には帝国製薬のキトサンを用いたキトサナーゼにより分解されるシステムがある(特開平4−217924,225922)。これら,システムのうちAzoaromatic polymerを用いたものは,腸内細菌による分解速度が遅く(J. Kopecek et al. Pharmaceutical Research 9(12)1540-1545(1992)),アゾ結合由来の有害物質産生の可能性があり長期利用に堪えない可能性がある。また,実際にインスリンを含有する製剤を調製しビーグル犬に投与したがその効果は低い(M. Saffran et al. Biochemical Society Transactions, 18(5)752-754(1990))。Polysaccharideを用いたシステムに関しては,元来食物繊維として摂取されている物質を用いているため安全性に関しては問題ないと考えられるが,ノッチンガム大のグループによればペクチンは腸内細菌による分解速度が遅く,人工腸液中の方が早く薬物を放出した(W. G. Cook et al. Pharmaceutical Research 10(10)S223(1993))ことから結腸特異的薬物放出システムと言えない。同様に,ヘブライ大の報告でも人工腸液中での薬物の放出は制御出来ていない。
第4の,大腸内に存在するレクチン様物質を用いたシステムはユタ大のKopecekらにより報告されている(J. Kopecek et al. Proc. Int. Symp. Control. Rel. Bioact. Mat. 17, 130-131(1990))。この技術は,モルモットの大腸に特異的に存在するフコースを認識するレクチン様物質を利用し,高分子にフコースと薬物をアゾ結合させた高分子薬物であり,結腸内の移動を制御するとともにアゾ還元酵素により薬物を放出させる技術である。しかし,このフコースを感知するレクチンは現在モルモットに特有のものであり,ラットには存在せず実際にヒトに直接適用出来るものではない。
特表平5−508631 M. Saffran et al. Science 233:1081(1986) J. Kopecek et al, Pharmaceutical Research 9(12)1540-1545(1992) K. H. Bauer et al. Pharmaceutical Research 10(10)S218(1993)
以上の如く,消化管中の結腸での薬物放出システムが種々検討されていたが,いずれも,なお,不充分であった。
本発明者等は,上記第3の腸内細菌を利用したシステムに着目し,研究した。
ヒトの体内に存在する細菌は,口腔内で多く,胃内では酸性度が大きいためほとんど細菌は存在せず,小腸上部においてもほとんど細菌は存在しない。しかし回腸から盲腸,結腸へ行くに従い腸内細菌は飛躍的に増加する。このため盲腸から上行結腸では,消化できなかった糖類が腸内細菌により分解され,弱酸性(pH5付近)になっていることが報告されている(S. S. Davis, Novel Drug Delivery and its Therapeutic Application, p.89-101, edited by L. F. Prescott, W. S. Nimmo printed by JOHN WILEY & SONS. NEW YORK)。
EVANSの報告(Gut, 29, p.1035-1041, 1988)では小腸中部のpHは平均6.6であり,盲腸部のpHは平均6.4となっておりその変化は非常に小さい。また他の文献でEVANSは盲腸のpHを4.5から7.5としており,盲腸のpHは個体差により大きく変動することを報告している。さらに他の研究者の報告では,盲腸内のpHが低下していないという報告もあり,実験動物においてはある程度食事により,盲腸内のpHをコントロールできるが,ヒトにおいてはコントロールができないと考えられる。
従って,個体間,食事の摂取等により盲腸付近のpHが影響されず,結腸における薬物の放出が,時間制御によるものでない部位特異的な薬物放出システムが要望されていた。
本発明者等は,結腸特異的な薬物放出システムを研究するに当たり,腸内細菌を利用して有機酸を発生させることが出来れば,有機酸で溶解する被膜で保護せしめた薬物の放出が可能となり,盲腸付近のpHに影響されず,且つ,結腸における薬物の放出が時間制御によらず,結腸部位特異的な薬物放出システムが可能であると考えた。腸内細菌によって分解されて有機酸を発生する物質としては,先ず,炭水化物,特に,糖類が考えられるが,製剤成分として従来用いられている糖類は,消化管内の消化酵素により分類されるか,消化管から直接吸収されてしまうが,製剤成分として従来殆ど用いられていない糖類の中に消化酵素により分解されず,且つ,消化管から直接吸収されないとされている糖類が存在することに着目した。その様な糖類としては,ラクチュロース,ラフィノース,セルビオース,スタキオース,フラクトオリゴ糖がある。
そこで,本発明者等は,ラクチュロースが消化管下部に存在する腸内細菌により分解されるか否かを,先ず,検討した。その結果,意外にも速やかに分解されて有機酸を発生することを知った。次いで,本発明者等は,有機酸により溶解する高分子物質(a)で被覆された薬物(b)を消化管下部に送達せしめ,それと同時に,ラクチュロースを消化管下部に送達せしめると,ラクチュロースが腸内細菌により分解されて有機酸を速やかに発生し,発生した有機酸により高分子物質(a)が溶解して,薬物(b)が結腸で特異的に放出されることを見出し,本発明を完成した。
更に,本発明者等は研究した結果,消化酵素により分解されたり,消化管から直接吸収される物質であっても,腸溶性,即ち,胃内では溶解せず小腸内で溶解する高分子物質(d)で当該物質を被覆せしめることによって,容易に当該物質を消化管下部に到達せしめることが出来るので,腸内細菌により分解されて有機酸を容易に発生させる物質であれば,ラクチュロースと同様に用いることが出来ることを見出した。この場合,当該物質を予め有機酸により溶解する高分子物質(a)で被覆せしめた後,腸溶性高分子物質(d)で被覆せしめることがより好ましい。該物質を消化管下部により効率的に到達せしめる為である。
そして,腸内細菌により有機酸を発生する物質は,構造的には,炭水化物,特に糖類及び糖アルコール等の誘導体が考えられ,また,有機酸の速やかな発生には,腸内細菌の存在する消化管下部の状態を鑑みると水に対する溶解性が問題であると考えられたので,種々検討した。その結果,糖類では,水に対する溶解性が中程度のラクトースや低いリボースは,有機酸により溶解する高分子物質(a)の被膜を透過した少量の水分ではほとんど溶解しないため有機酸の速やかな発生が認められなかった。これに対し,溶解性の高いシュークロース,グルコース,キシロース,フルクトース,マルトース,ガラクトースではラクチュロースと同様に有機酸の速やかな発生が認められた。一方,糖アルコールでは,水に対する溶解性が中程度のマンニトールや溶解度の低いマルトールばかりでなく,溶解度の高いソルビトール,キシリトールでも有機酸の速やかな発生は認められなかった。従って,有機酸を速やかに発生する物質としては,水に対する溶解性の高い糖類が,特に,好適に使用できることを見出した。
即ち,本発明は,消化管中の結腸で特異的に薬物を放出するシステムに関する。更に詳しくは,有機酸により溶解する高分子物質(a)で被覆された薬物(b)と,消化管下部で腸内細菌により有機酸を速やかに発生する糖類(c)とから成る消化管中の結腸で特異的に薬物を放出するシステムに関する。
そして,本発明のシステムは,該高分子物質(a)で被覆された薬物(b)及び有機酸を発生する糖類(c)を消化管下部に送達せしめるには,それ等を腸溶性の高分子物質(d)で被覆することによって行うのが好適である。具体的には,薬物(b)と糖類(c)とを別々の組成物とする場合と,同一の組成物とする場合の以下の2態様がある。
1)別々の組成物とする場合:
有機酸により溶解する高分子物質(a)で被覆された薬物(b)が更に腸溶性の高分子物質(d)で被覆された組成物(1)と,消化管下部で腸内細菌により有機酸を速やかに発生する糖類(c)が,所望により,腸溶性の高分子物質(d)で被覆された組成物(2)とから成る消化管中の結腸で特異的に薬物を放出するシステム。
[ここで,この場合の具体的な態様は,組成物(1)と組成物(2)とを一つの製剤として投与する場合と,別々の製剤として投与する場合とがある。]
2)同一の組成物とする場合:
有機酸により溶解する高分子物質(a)で被覆された薬物(b),及び消化管下部で腸内細菌により有機酸を速やかに発生する糖類(c)を含有する組成物が,更に,腸溶性の高分子物質(d)で被覆されたことから成る消化管中の結腸で特異的に薬物を放出するシステム。
[ここで,糖類(c)の使用は,薬物(b)と共に用いる場合と,薬物(b)の被覆物として用いる場合の2態様がある。後者は,更に,高分子物質(a)で被覆された薬物(b)を糖類(c)で被覆する場合と,糖類(c)で被覆された薬物(b)を高分子物質(a)で被覆する場合と,糖類(c)及び高分子物質(a)で薬物を被覆する場合とがある。]
更に,本発明は,結腸特異的薬物放出経口組成物に関する。更に,詳しくは,有機酸により溶解する高分子物質(a)で被覆された薬物(b),及び消化管下部で腸内細菌により有機酸を速やかに発生する糖類(c)を含有する組成物が,腸溶性の高分子物質(d)で被覆されたことから成る結腸特異的薬物放出経口組成物に関する。ここで,糖類(c)の使用は,薬物(b)と共に用いる場合と,薬物(b)の被覆物として用いる場合の以下の2態様がある。後者は,更に,高分子物質(a)で被覆された薬物(b)を糖類(c)で被覆する場合と,糖類(c)で被覆された薬物(b)を高分子物質(a)で被覆する場合と薬物(b)を糖類(c)及び高分子物質(a)で被覆する場合とがある。
具体的には,以下の組成物に関する。
1)薬物(b)及び消化管下部で腸内細菌により有機酸を速やかに発生する糖類(c)が有機酸により溶解する高分子物質(a)で被覆され,更に,腸溶性の高分子物質(d)で被覆されたことから成る結腸特異的薬物放出経口組成物。
2)有機酸により溶解する高分子物質(a)で被覆された薬物(b)が消化管下部で腸内細菌により有機酸を速やかに発生する糖類(c)で被覆され,更に,腸溶性の高分子物質(d)で被覆されたことから成る結腸特異的薬物放出経口組成物。
3)消化管下部で腸内細菌により有機酸を速やかに発生する糖類(c)で被覆された薬物(b)が有機酸により溶解する高分子物質(a)で被覆され,更に,腸溶性の高分子物質(d)で被覆されことから成る結腸特異的薬物放出経口組成物。
4)有機酸により溶解する高分子物質(a)及び消化管下部で腸内細菌により有機酸を速やかに発生する糖類(c)で被覆された薬物(b)が,更に腸溶性の高分子物質(d)で被覆されたことから成る結腸特異的薬物放出経口組成物。
また,本発明は,前記システムで別々の組成物を一つの製剤として投与する態様の組成物に関する。更に詳しくは,有機酸により溶解する高分子物質(a)で被覆された薬物(b)と,所望により,有機酸により溶解する高分子物質(a)で被覆された消化管下部で腸内細菌により有機酸を速やかに発生する糖類(c)とから成る組成物が,更に,腸溶性の高分子物質(d)で被覆されたことから成る結腸特異的薬物放出経口組成物に関する。
また,本発明は,有機酸により溶解する高分子物質(a)で被覆された薬物(b),及び,所望により水透過性の放出制御物質(e)で被覆された消化管下部で腸内細菌により有機酸を速やかに発生する糖類(c)を含有する組成物が,水透過性の放出制御物質(e)で,所望により,これに穴を開ける物質(f)で被覆され,更に,腸溶性の高分子物質(d)で被覆されたことから成る結腸特異的薬物放出経口組成物に関する。本組成物は,所望により腸溶性の高分子物質(d)による被覆の内層に,水透過性の放出制御物質(e)の被膜(所望により穴を開ける物質(f)を共存)を設けることにより,腸内細菌による有機酸の発生,高分子物質(a)の溶解,薬物(b)の放出をより効率よく行う為の組成物である。この様な皮膜(d)の内層に皮膜(e)を設けることは本発明の組成物の全てについて行うことが可能である。
更に,本発明は,消化管中の結腸で特異的に薬物を放出させる方法に関する。更に,詳しくは,有機酸により溶解する高分子物質(a)で被覆された薬物(b)と,消化管下部で腸内細菌により有機酸を速やかに発生する糖類(c)とから成る組成物が,更に,腸溶性の高分子物質(d)で被覆されたことから成る,消化管中の結腸で特異的に薬物を放出させる方法に関する。
以下,本発明を更に説明する。
先ず,本発明結腸特異的薬物放出システムの基本概念を図解する(図1参照)。
本発明システムは,(I)有機酸を発生する糖類(c)からなる構成単位,および(II)腸内細菌によって分解されて発生する有機酸(a)により被覆された薬物(b)が,更に,腸溶性,即ち,胃内で溶解せず小腸内で溶解する高分子物質(d)で被覆された構成単位からなる。このとき必要により,腸内細菌によって分解され有機酸を発生する糖類(c)は,腸溶性の高分子物質により被覆されていてもよい。これら2つの構成単位を同時にヒトもしくは哺乳類に経口投与した場合,胃内のpHは一般にpH6以下であることから,2つの構成単位はほとんど変化せず胃を通過して小腸に移行する。小腸内ではpHが6〜7であることから外層のpH6以上で溶解する膜,即ち,腸溶性の高分子物質(d)で被覆された被膜が溶解する。ここで,薬物(b)を含有する(II)の構成単位は内層のpH6未満で溶解する膜,即ち有機酸により溶解する高分子物質(a)で被覆された被膜により保護されており,小腸内では薬物の放出が起こらない。一方,(I)の構成単位である腸内細菌によって分解され有機酸を発生する糖類(c)は,小腸内で溶出する。溶出した糖類(c)は,回腸から盲腸,結腸へ行くに従い飛躍的に増加する腸内細菌により分解されて有機酸を発生する。ここで発生する有機酸により,薬物(b)を含有する構成単位は,pH6未満で溶解する膜,即ち有機酸により溶解する高分子物質(a)が溶解することにより薬物(b)は結腸で特異的に放出される。
即ち,本発明は,消化管下部で腸内細菌により分解され有機酸を発生する糖類(c),有機酸により溶解する,即ち,pH6未満で溶解する高分子物質(a)及び腸溶性,即ち,pH6以上で溶解する高分子物質(d)及び薬物(b)の組み合わせからなり,結腸で特異的にかつ速やかに薬物を放出することを特徴とする,結腸特異的薬物放出システムである。
本発明に用いられる消化管下部で腸内細菌によって分解されて有機酸を発生する糖類(c)としては,腸内細菌により速やかに分解され有機酸を発生する糖類であれば単糖,多糖をとわず制限はない。好ましくは消化管内の消化酵素により分解されない,あるいは消化管から直接吸収されない,2糖類以上の糖である。また,有機酸を速やかに発生する糖類としては,速やかに溶解し分解されて有機酸を発生することが好ましい。従って,該糖類の水に対する溶解度として高いものが好ましく,具体的には該糖類1gを溶解させるに必要な水の量として5ml未満,即ち20重量(w)/容量(v)%超過のものが挙げられる。具体的には,腸内細菌による分解速度が早い合成2糖であるラクチュロース,ラフィノース,セルビオース,スタキオースあるいはフラクトオリゴ糖等である。フラクトオリゴ糖としては,好ましくは,乳糖果糖例えば乳果オリゴLS−55p(林原商事(株))が挙げられる。
また,消化酵素により分解されたり,消化管から直接吸収される糖類であっても,腸溶性,即ち,胃内では溶解せず小腸内で溶解する高分子物質(d)で被覆せしめることによって,上記ラクチュロース等と同様に用いることができる。
これ等の糖類は,予め有機酸により溶解する高分子物質(a)で被覆せしめた後,腸溶性高分子物質(d)で被覆せしめることが,より好ましい。該糖類を消化管下部へ,より効率的に到達せしめる為である。具体的には,シュークロース,グルコース,キシロース,フルクトース,マルトース,ガラクトース等である。
前記した通り,ヒトの体内に存在する細菌は,口腔内で多く,胃内では酸性度が大きいためほとんど細菌は存在しない。また,小腸上部においてもほとんど細菌は存在しない。しかし回腸から盲腸,結腸へ行くに従い腸内細菌は飛躍的に増加する。ここで特に著しい特徴は嫌気性菌の増加であって,ヒトにおいてはBacteroidaceae(バクテロイデス科),Bifidobacterium sp.(ビフィドバクテリウム属),Eubacterium sp.(ユーバクテリウム属),Clostridium sp.(クロストリジウム属),Peptococcaceae(ペプトコッカス科)が主要菌叢を構成し,次いでEnterobacteriaceae sp.(腸内細菌科),Streptococcus sp.(連鎖球菌属),Lactobacillus sp.(乳酸杆菌属),Veillonella sp.(ベイヨネラ属)が検出される。腸内細菌叢は健康体であれば個体内での変動は少ないものの,個体間,ストレス,食事,疾病時では変動がみられる。しかし,変動は特定の細菌叢に限られており,糖類の分解に寄与する細菌叢がすべて検出されないというような大きな変動ではない。細菌が糖類を吸収し代謝する過程で種々の有機酸が発生する。発生する有機酸は糖によっても異なるが,主に酢酸,プロピオン酸,酪酸であり,これらは腸管から吸収されヒトあるいは動物のエネルギー源となる。
本システムにおいては十二指腸付近で腸溶性(即ち,pH6以上で溶解する)高分子物質(d)が溶解して腸内細菌が,水とともに製剤内部に進入することにより,有機酸を発生する糖類(c)が溶解し,腸内細菌がこの糖類を分解して有機酸が発生し,pHの低下が生起し有機酸により溶解する(即ち,pH6未満で溶解する)高分子物質(a)を溶解する。また,水の浸入とともに糖類(c)が外側に浸出し,腸内細菌により分解される。この時,腸溶性の高分子物質(d)のみでは有機酸を発生する糖類(c)が溶解し,拡散すると充分な効果が期待できない可能性が生じる。そこで有機酸を発生する糖類(c)及び薬物(b)を含有する組成物を有機酸により溶解する高分子物質(a)で被覆するか,または同高分子物質(a)で被覆した薬物(b)及び有機酸を発生する糖類(c)から成る組成物を水透過性の放出制御膜(e)で被覆しても良い。水の透過が不十分な場合,糖の溶解が十分になされないために有機酸の発生が遅れ,十分に効果が発揮できない可能性が生じる。そこで,糖類の溶解を促進する意味で水透過性の放出制御膜(e)には穴を開ける物質(f)を含有しても良いし,有機酸により溶解する高分子物質(a)には,同高分子物質(a)よりも水透過性の優れた物質,即ち,水を透過させる物質(e)を含有しても良い。また,有機酸により溶解する高分子物質(a)による被覆層と腸溶性の高分子物質(d)による被覆層の間に,有機酸を発生する糖類(c)を含有する場合には,例えば有機酸を発生する糖類(c)が有機酸により溶解する高分子物質(a)による被覆層に更に被覆され,所望により水透過性の放出制御物質(e)を被覆したものが,また,有機酸を発生する糖類(c)および有機酸により溶解する高分子物質(a)を含有したものを被覆したものが本発明製剤の実施態様のひとつとして挙げられる。
本発明に用いられる糖類,たとえば,合成2糖であるラクチュロースは,消化管下部,結腸で主にBifidobacterium,Lactobacillus,Streptococcusなどの腸内細菌によって分解され乳酸,酢酸などを生じるが,糖尿病患者ではBifidobacterium,Streptococcusがわずかに減少しているもののLactobacillusには変化が見られないことから,ラクチュロースの分解性には大きな影響をあたえるものではないと考えられる。また,ラフィノース,セルビオース,スタキオース,マルトースあるいはフラクトオリゴ糖も,分解される腸内細菌にわずかな違いがあるもののラクチュロース同様結腸内の主要菌叢により速やかに分解されることから,菌叢のわずかな変動によってそれらの分解性が大きく低下することはないと考えられる。更に,シュークロース,グルコース,キシロース,フルクトース,マルトース,ガラクトースも同様と考えられる。
腸内細菌の作用によって発生した有機酸は,人工的にpHを低下させ内側の高分子物質(a)からなる被膜を溶解させるとともに,薬物の吸収を改善することにも寄与する。
本発明に用いられる腸内細菌によって分解されて有機酸を発生する糖類の添加量としては,通常製剤化の賦形剤として用いられる量であれば特に制限はない。具体的には,1%〜99.9%,好ましくは5%〜99.9%,更に好ましくは10%〜99.9%である。
本発明に用いられる有機酸により溶解する高分子物質(a)としては,薬学的に許容され得るものであれば特に制限はない。好ましくは,pH6未満で溶解する高分子物質であり,特に好ましくは,pH5.5以下で溶解する高分子物質が挙げられる。具体的な高分子物質としては,例えば,メタアクリル酸ジメチルアミノエチル・メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸ブチルコポリマー(商品名オイドラギットE),ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート(商品名AEA(三共)),キトサン等を挙げることが出来る。また,必要に応じて水透過性の放出制御物質(e)を含有してもよい。水透過性の放出制御物質(e)としては薬学的に許容される物質であれば特に制限はないが,例えばアクリル酸エチルとメタアクリル酸メチルとメタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチルの共重合体(商品名:オイドラギットRS,ローム・ファーマ社製),エチルセルロース(商品名:エトセル,ダウケミカルズ社製),ヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名:TC−5,信越化学社製),ヒドロキシプロピルセルロース(商品名:HPC,日本曾達社製)、ポリエチレンオキサイド,ポリビニルピロリドン等を挙げることが出来る。これらは,単独または適宜混合して用いられる。また,必要に応じて可塑剤を含有していてもよい。可塑剤としては薬学的に許容される物質であれば制限はないが,例えばトリアセチン,マクロゴール400,クエン酸トリエチル,Tween80,ヒマシ油等が用いられる。
また,水不溶性であり水透過性の放出制御物質(e)は,有機酸を発生する糖類(c)を含む錠剤あるいは顆粒からの糖類の放出制御,あるいは膜内に存在する錠剤,顆粒剤の分散を防止するための保持膜として用いられる。この場合,有機酸により溶解する高分子物質(a)による被膜と腸溶性の高分子物質(d)による被膜の間に用いられてもよい。
穴を開ける物質(f)は,水の浸透を促進する目的あるいは腸内細菌が十分透過できる穴を放出制御膜に設けるために用いられ,穴を開ける物質としては積層した時に,腸内細菌の大きさ(約4マイクロメーター)以上の粒子径を有し,水に可溶なものであれば制限はないが好ましくはNaCl等の塩類またはグルコース等の水に易溶性の糖類が用いられる。
本発明に用いられる腸内細菌によって分解されて発生する有機酸により溶解する高分子物質(a)の被覆量としては,通常製剤化の高分子物質の被覆量として用いられる量であれば特に制限はない。具体的には,1%〜50%,好ましくは2.5%〜40%である。
本発明に用いられる腸溶性,即ち,胃内で溶解せず小腸内で溶解する高分子物質(d)としては,薬学的に許容され得るものであれば特に制限はない。好ましくは,pH6以上で溶解する高分子物質である。具体的な高分子物質としては,例えば,メタアクリル酸メチルとメタアクリル酸の1:1の共重合体(商品名:オイドラギットL,ローム・ファーマ社製),メタアクリル酸メチルとメタアクリル酸の2:1の共重合体(商品名:オイドラギットS,ローム・ファーマ社製),アクリル酸エチルとメタアクリル酸の1:1の共重合体(商品名:オイドラギットLD−55,ローム・ファーマ社製),ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(JPXII),セルロースアセテートフタレート(JPXII),シェラック(JPXII)等を挙げることが出来る。これらは,単独または適宜混合して用いられる。また,必要により,これらはさらに可塑剤を添加してもよい。可塑剤として,例えばトリアセチン,マクロゴール400,クエン酸トリエチル,Tween80,ヒマシ油等が用いられる。
本発明の『消化管下部』とは,回腸から結腸までの部分を意味する。また,『結腸』とは,盲腸から直腸までの大腸の部分を意味する。盲腸は,大腸が始まり,回腸が片側から開く盲嚢である。
本発明の『消化管上部』とは,胃から十二指腸,空腸までの部分を意味する。
本発明に用いられる薬物(b)としては特に制限はない。
代表的な薬物としては,消化管上部で分解され易く,消化管下部で吸収されて薬理活性を示す各種ポリペプチド,タンパク質およびこれらの誘導体等を本発明の主薬として有効に用いることができる。例えば,インスリン,カルシトニン,アンギオテンシン,バゾプレシン,デスモプレシン,LH−RH(黄体形成ホルモン放出ホルモン),ソマトスタチン,グルカゴン,オキシトシン,ガストリン,シクロスポリン,ソマトメジン,セクレチン,h−ANP(ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド),ACTH(副腎皮質刺激ホルモン),MSH(黒色素胞刺激ホルモン),β−エンドルフィン,ムラミルジペプチド,エンケファリン,ニューロテンシン,ポンベシン,VIP(血管作用性腸ペプチド),CCK−8(コレシストキニン−8),PTH(副甲状腺ホルモン),CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド),TRH(チロトロピン放出ホルモン),エンドセリン,hGH(ヒト成長ホルモン),また,インターロイキン,インターフェロン,コロニー刺激因子,腫瘍壊死因子等のサイトカイン類,およびこれらの誘導体等が挙げられる。
上記ペプチド,タンパク質には天然由来のもののみならず,薬理学的に活性な誘導体およびこれらの類似体も含まれる。従って,たとえば本発明で対象とするカルシトニンには,サケカルシトニン,ヒトカルシトニン,ブタカルシトニン,ウナギカルシトニン,およびニワトリカルシトニンなどの天然に存在する生成物のみならず,[Asul,7]−ウナギカルシトニン(エルカトニン)のような類似体も含まれる。また,インスリンではヒトインスリン,ブタインスリン,ウシインスリン,のみならずそれらの遺伝子組み替え体等の類似体も含まれる。
また,クローン病,潰瘍性大腸炎,過敏性大腸炎,結腸癌等の消化管下部の疾患に有効とされる薬物も本発明で用いることができる。例えば,サラゾスルファピリジン,5−アミノサリチル酸,酢酸コルチゾン,トリアムシロノン,デキサメタゾン,プデソニド,テガフール,フルオロウラシルおよびそれらの誘導体等が挙げられる。
また,消化管下部から効率よく吸収される薬物として上記の生理活性物質以外にも様々な生理活性物質が本発明の主薬として用いることができる。例えば,鎮咳去痰剤としてはテオフィリン等,血管拡張剤としては塩酸ニカルジピンおよびニフェジピン等,冠血管拡張剤として亜硝酸イソソルピド等,解熱鎮痛剤としては,アセトアミノフェン,インドメタシン,ハイドロコーチゾン,イブプロフェン,サラゾピリン等が挙げられる。
これらの薬物を結腸においても吸収させやすくするため,薬学的に許容され得る添加剤を1種または複数種添加することも可能である。このような添加剤としては,たとえばショ糖脂肪酸エステル(シュガーエステルL1695:三菱化学フーズ社製等),ラウリル硫酸ナトリウム,ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HCO−60等),ポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル(Tween80等)等の界面活性剤,グリココール酸ナトリウム,ケノデオキシコール酸等のコール酸類及びその塩類,クエン酸,酒石酸,安息香酸,カプリン酸等の有機酸およびそれらの塩,β−シクロデキストリン等の溶解補助剤,クエン酸ナトリウム,メグルミン,MgO等のpH調節剤,トリプシンインヒビターであるメシル酸カモスタット,アプロチニン等の酵素阻害剤,サリチル酸,アスピリン,ジクロフェナクナトリウム等の抗炎症剤,ハッカ油等の芳香剤,バシトラシン,アムホテリンシンB等の抗生物質等が挙げられる。
また,薬物が酸性物質あるいは塩基性物質に限らず,有機酸および塩基性物質を用いて錠剤溶解時のpHを調節することが可能である。有機酸としては,例えばクエン酸,酒石酸であり,塩基性物質としては,例えば固体塩基(MgO等),塩基性アミノ糖(メグルミン等),塩基性アミノ酸(リジン,アルギニン等)である。
更に,薬物のpH6以下での溶解性が低い場合は溶解補助剤を添加する。溶解補助剤としては薬学的に許容される物質であれば制限はないが,例えば,非イオン性の界面活性剤(ショ糖脂肪酸エステル,グリセリン脂肪酸エステル,ソルビタン脂肪酸エステル(トリオレイン酸ソルビタン),ポリエチレングリコール,ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油,ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレンアルキルエーテル,メトキシポリオキシエチレンアルキルエーテル,ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル,ポリエチレングリコール脂肪酸エステル,ポリオキシエチレンアルキルアミン,ポリオキシエチレンアルキルチオエーテル,ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体,ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル,ペンタエリスリトール脂肪酸エステル,プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル,ポリオキシエチレンプロピレングリコールモノ脂肪酸エステル,ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル,脂肪酸アルキロールアミド,アルキルアミンオキシド等),胆汁酸およびその塩(ケノデオキシコール酸,コール酸,デオキシコール酸,デヒドロコール酸およびその塩。またはこれらのグリシンあるいはタウリン抱合体等),イオン性の界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム,脂肪酸石鹸,アルキルスルホン酸塩,アルキルリン酸塩,エーテルリン酸塩,塩基性アミノ酸の脂肪酸塩,トリエタノールアミン石鹸,アルキル四級アンモニウム塩等),両性界面活性剤(ベタイン,アミノカルボン酸塩等)等である。
また,素錠からの薬物の放出をコントロールする目的で,水溶性高分子例えば,ポリエチレンオキサイド,ヒドロキシプロピルセルロース,ヒドロキシプロピルメチルセルロース,ポリビニルピロリドン等を添加してもよい。
また,安定化剤,増量剤等,薬学的に許容され得る賦形剤を添加することもできる。
尚,これらの添加剤の種類は目的とする薬物に応じて適宜変更できる。
本発明の結腸特異的薬物放出システムは,腸内細菌によって分解され有機酸を発生する糖類(c)と該糖類が腸内細菌によって分解されて発生する有機酸により溶解する高分子物質(a)と腸溶性の高分子物質(d)を基本構成分とする製剤で,剤形としては錠剤,顆粒剤,細粒剤,散剤,カプセル剤等いずれの形態をとってもよい。
本発明の構成を図面にもとづいてさらに説明するがこれは本発明を限定するものではない。
図2のAに示される製剤は,薬物(b)を含有した錠剤あるいは顆粒剤に,発生する有機酸により溶解する高分子物質(pH6未満で溶解する高分子物質)(a)を積層したもの,及び糖類(c)を含有する錠剤あるいは顆粒剤に,腸溶性(即ち,胃内で溶解せず小腸内で溶解する)高分子物質(pH6以上で溶解する高分子物質)(d)を積層したものを賦形剤とともに錠剤にするかカプセルに充填する。これに,更に,腸溶性高分子物質(d)を積層する。
図2のBに示される製剤は,薬物(b)を含有した錠剤あるいは顆粒剤に有機酸により溶解する高分子物質(pH6未満で溶解する高分子物質)(a)を積層したもの及び糖類(c)を含有する錠剤あるいは顆粒剤に,水透過性の放出制御物質(e)を積層したものを賦形剤とともに錠剤にするかカプセルに充填する。これに,水透過性の放出制御膜(e)と,これに穴を開ける物質(f)を積層した後,腸溶性の高分子物質(pH6以上で溶解する膜)(d)を積層する。
図2のCに示される製剤は,薬物(b)を含有した錠剤あるいは顆粒剤に有機酸により溶解する高分子物質(pH6未満で溶解する膜)(a)を積層したものに糖類(c)を適当な添加剤を用いて積層し,これに水透過性の放出制御膜(e)を施した後,腸溶性の高分子物質(pH6以上で溶解する高分子膜)(d)を積層する。
以上,本発明システムの原理に基づく製剤を説明してきたが,更に本発明システムの応用についても,その構成を図面に基づいて説明する。
図2のDに示される製剤は,製造工程が簡易であり,生産性の高い,より工業化に適したものであると考えられる。即ち,薬物(b)および腸内細菌によって分解され有機酸を発生する糖類(c)を含有する組成物(例えば,錠剤,顆粒剤,細粒剤,散剤等が挙げられる)に,まず腸内細菌によって糖類が分解されて発生する有機酸により溶解する高分子物質(a)で被覆し,さらに腸溶性,即ち,胃内で溶解せず小腸内で溶解する高分子物質(d)で被覆する。この時,水を透過させる物質を有機酸で溶解する高分子物質(a)に含有させて積層し膜を形成せしめるか,あるいは腸溶性の高分子物質(pH6以上で溶解する膜)(d)と発生する有機酸により溶解する高分子物質(pH6未満で溶解する膜)(a)の間に,水を透過させる物質を積層し,水溶解性の膜を挟んでも良い。この錠剤,顆粒剤,細粒剤,散剤等の製剤をそのまま,またはこれ等製剤を更に水溶性カプセルに充填してヒトもしくは哺乳類に投与すると,胃内のpHは一般にpH6以下であることから製剤はほとんど変化せず小腸に移行する。水溶性カプセルの場合は,カプセルは溶解するが,充填された製剤はほとんど変化せず小腸に移行する。小腸内ではpHが6〜7であることから外層のpH6以上で溶解する膜,即ち,腸溶性高分子物質(d)で被覆された被膜が溶解するが,錠剤は内層のpH6未満で溶解する膜,即ち有機酸により溶解する高分子物質(a)で被覆された被膜により保護されており,小腸内では放出が起こらない。そのため,この製剤は胃,小腸を通過し結腸まで薬物(b)を放出しない。そこで,盲腸を含めた結腸が,pH6未満であるか,人為的にpH6未満にすることが出来ればpH6未満で溶解する高分子物質が溶解し薬物が放出される。
以下,実施例を挙げて,本発明を更に具体的に説明するが,これ等は本発明の範囲を制限するものではない。
ラクチュロースに5%色素(赤色103号)を含有する150mgの錠剤を調製した。これに表に示した種々の比率でコーチングを行ない,局方2液中と,1w/v%C−PBS中で溶出を行った。いずれも,局方2液中で薬物を放出開始する時間よりもC−PBSの方が放出開始時間が早かった。
放出開始時間(時間)
膜組成 組成比 コート量 局方2液 盲腸内容物
Eudragit E100 7.5% 20.0 1.5
Eudragit E100/ 9:1 7.5% 10.5 1.0
Eudragit RS100L 9:1 15.0% >23.0 2.0
9:1 20.0% >24.0 2.5
7:3 15.0% 6.0 2.5
7:3 20.0% 6.67 1.8
Eudragit E100/ 9:1 7.5% >24.0 1.67
Eudragit RS100 7:3 7.5% 21.5 1.2
7:3 10.0% >24.0 3.0
7:3 20.0% >24.0 4.25
5:5 7.5% >24.0 1.33
5−アミノサリチル酸(5−ASA) 50.0mg
ラクチュロース 50.0mg
MgO 8.2mg
ポリビニルピロリドン 1.5mg
マンニトール 66.8mg
マルトース 3.5mg
計 180.0mg
5−アミノサリチル酸(5−ASA)とこれを中和するためのMgO,ラクチュロースを各添加剤と乳鉢で混合し,打錠を行い素錠を調製した。これにオイドラギットL100/ヒマシ油(5/1)メタノール10w/v%溶液をハイコーター[型式:HCT−30,フロイント産業社製(減圧通気乾燥式コーティングパン)]により11重量%コーチングし腸溶錠を調製し,また錠剤にオイドラギットE100メタノール10w/v%をハイコーターにより11重量%,さらにオイドラギットL100/ヒマシ油(5/1)を12重量%コーチングし,本発明の製剤を調製した。
本製剤の局方2液中及び1w/v%盲腸内容物中での溶出の結果を,図4に示した。1w/v%盲腸内容物中では局方2液中で溶出を行うよりも薬物放出開始時間が約6倍短縮された。この結果本製剤からの薬物の放出は腸内細菌により促進された。また,盲腸内容物中での放出速度は,局方2液中よりも速やかであった。
本発明の製剤を腸溶錠を対照として絶食下(1晩)ビーグル犬(n=3;検体例1,2,3)に水30mlとともに,それぞれ経口投与し経時的に採血を行い,血漿中薬物濃度を蛍光−HPLC法により測定した。その結果,本発明の製剤は腸溶製剤と比較し薬物放出時間が遅れている。又,絶食条件下製剤のビーグル犬における小腸通過時間は約1時間であり結腸到達時間は平均2から3時間であるが胃排出時間の影響を大きく受ける。本発明の製剤を投与した際の5−アミノサリチル酸の血漿出現時間は3時間以降でありいずれも腸溶製剤より1時間以上遅れていることから,本発明の製剤が消化管下部で速やかに薬物を放出することが示された。
5−アミノサリチル酸 100.0mg
ラクチュロース 50.0mg
MgO 16.4mg
アクチゾル 7.5mg
計 173.9mg
5−アミノサリチル酸(5−ASA)とこれを中和するためのMgO,ラクチュロースを各添加剤と乳鉢で混合し,打錠を行い素錠を調製した。これにオイドラギットL100/ヒマシ油(5/1)メタノール10w/v%溶液をハイコーターにより11重量%コーチングし腸溶錠を調製し,また素錠にオイドラギットE100メタノール10w/v%をハイコーターにより11重量%,さらにオイドラギットL100/ヒマシ油(5/1)を12重量%コーチングし,本発明の製剤を調製した。本発明の製剤の局方2液中での溶出開始時間は18時間であった。
本発明の製剤を腸溶錠を対照として飽食条件下ビーグル犬(n=3;検体例1,2,3)に水30mlとともに,それぞれ経口投与し経時的に採血を行い,血漿中薬物濃度を蛍光−HPLC法により測定した。
図5に示すように本発明の製剤は腸溶製剤と比較し明らかに薬物放出時間が遅れている。又,飽食条件下製剤のビーグル犬における小腸通過時間は約1時間であり,胃排出時間の個体内での変動を考慮しても,本発明の製剤が消化管下部で薬物を放出することが示された。
5−アミノサリチル酸ナトリウム 100.0mg
ラクチュロース 50.0mg
アクチゾル 7.5mg
計 157.5mg
5−アミノサリチル酸ナトリウムとラクチュロースを各添加剤と乳鉢で混合し,打錠を行い素錠を調製した。これにオイドラギットE100メタノール10w/v%をハイコーターにより11重量%,さらにオイドラギットL100/ヒマシ油(5/1)を12重量%コーチングし,本発明の製剤を調製した。
本製剤の局方2液中及び1w/v%盲腸内容物中での溶出を試験した結果,1w/v%盲腸内容物中では局方2液中で溶出を行うよりも薬物放出開始時間が約6倍短縮された。
インスリン 10mg
ラクチュロース 100mg
メグルミン 30mg
クエン酸 10mg
グリココール酸Na 100mg
計 250mg
インスリンとラクチュロースを上記の組成比で各添加剤と乳鉢で混合し,素錠を調製した。これに実施例4と同様の操作でオイドラギットE100を11重量%,さらにオイドラギットL100/ヒマシ油(5/1)を11重量%コーチング(ハイコーター)を行い,本発明の製剤を調製した。
本製剤2錠を絶食下(1晩)ビーグル犬(n=3;検体例1,2,3)に水30mlとともに経口投与を行い,経時的に血漿中グルコース濃度をグルコース測定キットにより測定した。
図6に示すように,4ないし5時間以降から血漿中グルコースレベルの低下が観察された。これは,絶食条件下のビーグル犬に於ける製剤の結腸到達時間を考慮すると,本発明の製剤が消化管下部で薬物を放出し,インスリンが吸収されることが明らかとなった。
インスリン 20mg
ラクチュロース 108mg
メグルミン 30mg
クエン酸 10mg
ラウリル硫酸ナトリウム 12mg
計 180mg
インスリンとラクチュロースを各添加剤と乳鉢で混合し,素錠を調製した。これに試験例4と同様の操作でオイドラギットE100を11重量%,さらにオイドラギットL100/ヒマシ油(5/1)を11重量%コーチング(ハイコーター)を行い,本発明の製剤を調製した。
本製剤を絶食下(1晩)ビーグル犬に水30mlとともに経口投与を行い,経時的に血漿中グルコース濃度をグルコース測定キットにより測定した。
その結果,血漿中グルコース濃度の持続的な低下が観察された。
(錠剤1)
5−アミノサリチル酸 50.0mg
MgO 8.2mg
アクチゾル 5.7mg
計 63.9mg
(錠剤2)
ラクチュロース 100mg
5−アミノサリチル酸(5−ASA)とこれを中和するためのMgOを各添加剤と乳鉢で混合し,打錠を行い素錠を調製した。これにオイドラギットE100メタノール10w/v%をハイコーターにより11重量%コーチングした。つぎにラクチュロースの錠剤を調製した後,オイドラギットL100/ヒマシ油(5/1)メタノール10w/v%溶液をハイコーターにより11重量%コーチングした。上記2錠剤および乳糖200mgを#1ゼラチンカプセルに充填した後,さらにオイドラギットL100/ヒマシ油(5/1)を12重量%コーチングし,本発明の製剤を調製した。
(錠剤1)
5−アミノサリチル酸 50.0mg
MgO 8.2mg
アクチゾル 5.7mg
計 63.9mg
(錠剤2)
ラクチュロース 100mg
5−アミノサリチル酸(5−ASA)とこれを中和するためのMgOを各添加剤と乳鉢で混合し,打錠を行い素錠を調製した。これにオイドラギットE100メタノール10w/v%をハイコーターにより11重量%コーチングした。つぎにラクチュロースの錠剤を調製した後,オイドラギットRS100/トリアセチン(5/1)メタノール10w/v%溶液をハイコーターにより11重量%コーチングした。上記2錠剤および乳糖200mgを#1ゼラチンカプセルに充填した後,さらにオイドラギットRS100L/NaCl(75〜355マイクロメーター)=1/2メタノール分散溶液をコーチングし,最後にオイドラギットL100/ヒマシ油(5/1)を12重量%コーチングし,本発明の製剤を調製した。
(錠剤)
5−アミノサリチル酸 100.0mg
MgO 16.4mg
アクチゾル 5.7mg
計 122.1mg
5−アミノサリチル酸(5−ASA)とこれを中和するためのMgOを各添加剤と乳鉢で混合し,打錠を行い素錠を調製した。これにオイドラギットE100メタノール10w/v%をハイコーターにより11重量%コーチングした。これに,TC−5溶液を結合剤としてラクチュロースを錠剤あたり50mgとなるように粉末コーチングした。この錠剤にオイドラギットRS100L/トリアセチン(5/1)メタノール10w/v%溶液をハイコーターにより11重量%コーチングし,さらにオイドラギットL100/ヒマシ油(5/1)を12重量%コーチングし,本発明の製剤を調製した。
実施例5と同じ素錠に,実施例4と同様の操作でオイドラギットE100/オイドラギットRS100L(9/1)を11重量%,TC5Eを1重量%,さらにオイドラギットL100/ヒマシ油(5/1)を11重量%コーチング(ハイコーター)を行い,本発明の製剤を調製した。
本製剤2錠を絶食下(1晩)ビーグル犬(n=3;検体例1,2,3)に水30mlとともに経口投与を行い,経時的に採血を行い,血漿中グルコース濃度を測定した。
図7に示すようにオイドラギットE100中にオイドラギットRS100Lを含有させることによりインスリンの吸収性が改善された。
以下のとおり。
以下のとおり。
実施例11 実施例12
インスリン 10mg 10mg
ラクチュロース 100mg 130mg
メグルミン 30mg 30mg
クエン酸 10mg 10mg
グリココール酸Na 100mg 100mg
EDTA2Na 50mg −
カプリン酸Na − 10mg
計 300mg 290mg
インスリンとラクチュロースを上記の組成比で各添加剤と乳鉢で混合し,素錠を調製した。これに実施例4と同様の操作でオイドラギットE100/オイドラギットRS100L(9/1)を11重量%,TC5Eを1重量%,さらにオイドラギットL100/ヒマシ油(5/1)を11重量%コーチング(ハイコーター)を行い本発明の製剤を調製した。
本製剤2錠を絶食下(1晩)ビーグル犬に水30mlとともに経口投与を行い,経時的に採血し血漿中グルコース濃度を測定した。
インスリンの吸収性が改善された。
以下のとおり。
以下のとおり。
以下のとおり。
以下のとおり。
以下のとおり。
13 14 15 16 17
インスリン 20 20 20 20 20
ラクチュロース 108 120 130 70 100
メグルミン 30 30 30 30 30
クエン酸 10 10 10 10 10
シュガーエステル
L1695 − 36 − − 30
ラウリル硫酸ナトリウム 12 12 60 60 60
メシル酸カモスタット − − − 10 10
l−メントール − − 30 − −
計 180mg 228mg 280mg 200mg 260mg
インスリンとラクチュロースを上記の組成比で各添加剤と乳鉢で混合し,素錠を調製した。これに実施例4と同様の操作でオイドラギットE100/オイドラギットRS100L(9/1)を11重量%,TC5Eを1重量%,さらにオイドラギットL100/ヒマシ油(5/1)を11重量%コーチング(ハイコーター)を行い本発明の製剤を調製した。
本製剤1錠を絶食下(1晩)ビーグル犬に水30mlとともに経口投与を行い,経時的に採血し血漿中グルコース濃度を測定した。
インスリンの吸収性の改善が認められた。
以下のとおり。
以下のとおり。
実施例18 実施例19
インスリン 10mg 10mg
ラクチュロース 125mg 100mg
メグルミン 30mg 30mg
クエン酸 10mg 10mg
グリココール酸Na 100mg 100mg
ポリエチレンオキサイド 8.25mg 12.5mg
コアグラント
計 283.25mg 262.5mg
インスリンとラクチュロースを上記の組成比で各添加剤と乳鉢で混合し,素錠を調製した。これに実施例4と同様の操作でオイドラギットE100/オイドラギットRS100L(9/1)を11重量%,TC5Eを1重量%,さらにオイドラギットL100/ヒマシ油(5/1)を11重量%コーチング(ハイコーター)を行い本発明の製剤を調製した。
実施例18製剤2錠を絶食下(1晩)ビーグル犬に水30mlとともに経口投与を行い,経時的に採血し血漿中グルコース濃度を測定した。
ポリエオレンオキサイド3%(8.25mg)添加することにより3〜5時間のインスリンの吸収時間の延長が認められた。
インスリン 10mg
ラクチュロース 100mg
メグルミン 30mg
クエン酸 13mg
グリココール酸Na 100mg
計 253mg
インスリンとラクチュロースを上記の組成比で各添加剤と乳鉢で混合し,素錠を調製した。これに実施例4と同様の操作でオイドラギットE100/オイドラギットRS100L(9/1)を11重量%,TC5Eを1重量%,さらにオイドラギットL100/ヒマシ油(5/1)を11重量%コーチング(ハイコーター)を行い本発明の製剤を調製した。
本製剤2錠を絶食下(1晩)ビーグル犬に水30mlとともに経口投与を行い,経時的に採血し血漿中グルコース濃度を測定した。
本製剤の投与により吸収開始時間が短縮され,また吸収性の向上が認められた。これはクエン酸含量の増量で溶解時のpHをオイドラギットE100が溶解しない程度まで僅かに低下させることにより,腸内細菌による発酵開始とともに速やかにオイドラギットE100が溶解可能なpHへ移行したためと推察された。
以下のとおり。
以下のとおり。
以下のとおり。
以下のとおり。
21 22 23 24
サケカルシトニン 500IU 500IU 250IU 500IU
ラクチュロース 100mg 100mg 100mg 100mg
メグルミン 30mg 30mg 30mg 30mg
クエン酸 13mg 13mg 13mg 13mg
グリココール酸Na 100mg 100mg 100mg 100mg
EDTA2Na − 50mg 50mg −
カプリン酸Na − − − 50mg
サケカルシトニンとラクチュロースを上記の組成比で各添加剤と乳鉢で混合し,素錠を調製した。これに実施例4と同様の操作でオイドラギットE100/オイドラギットRS100L(9/1)を11重量%,TC5Eを1重量%,さらにオイドラギットL100/ヒマシ油(5/1)を11重量%コーチング(ハイコーター)を行い本発明の製剤を調製した。
上記製剤を実施例21,22,24で得られた製剤については1錠,実施例23で得られた製剤については2錠,絶食下(1晩)ビーグル犬に水30mlとともに経口投与を行い,経時的に採血し血漿中リン濃度を測定した。
すべての処方においてコントロールと比較し,血漿中リン濃度の低下が認められた。
以下のとおり。
以下のとおり。
以下のとおり。
以下のとおり。
25 26 27 28
サケカルシトニン 500IU 500IU 250IU 500IU
ラクチュロース 100mg 100mg 100mg 100mg
メグルミン 30mg 30mg 30mg 30mg
クエン酸 13mg 13mg 13mg 13mg
シュガーエステル
L1695 100mg 100mg 100mg 100mg
EDTA2Na − 50mg 50mg −
カプリン酸Na − − − 50mg
サケカルシトニンとラクチュロースを上記の組成比で各添加剤と乳鉢で混合し,素錠を調製した。これに実施例4と同様の操作でオイドラギットE100/オイドラギットRS100L(9/1)を11重量%,TC5Eを1重量%,さらにオイドラギットL100/ヒマシ油(5/1)を11重量%コーチング(ハイコーター)を行い本発明の製剤を調製した。
上記製剤を実施例25,26,28で得られた製剤については1錠,実施例27で得られた製剤については2錠,絶食下(1晩)ビーグル犬に水30mlとともに経口投与を行い,経時的に採血し血漿中リン濃度を測定した。
すべての処方においてコントロールと比較し,血漿中リン濃度の低下が認められた。実施例28で得られた結果を図9に示した。
図9に,実施例28で得られた製剤投与時の平均血漿中リン濃度推移(500IU/匹,n=3)をコントロール群(無処置,n=3),皮下投与群(50IU/匹,n=3)の結果とともに示す。
コントロール群では日内変動により採血開始後より血漿中リン濃度が経時的に上昇し試験開始10時間後に最大150%までになり,その後低下するパターンを示した。これに対し,皮下投与では投与直後より血漿中リン濃度の上昇は抑制された(但し本投与量50IU/匹では効果の飽和は起きていない)。一方,実施例28で得られた製剤投与時においては,結腸に到達するまでには薬物が放出されないことから血漿中リン濃度は2時間値ではコントロールと同様上昇しているが,4時間以降有意な血漿中リン濃度上昇抑制作用が認められサケカルシトニンの吸収が確認された。またその効果は皮下投与時と同等であると考えられた。
実施例21〜27も同様な効果が認められた。
インスリン 10mg
メグルミン 30mg
クエン酸 10mg
グリココール酸Na 100mg
計 150mg
ラクチュロース 100mg
インスリン,メグルミン,クエン酸及びグリココール酸Naを乳鉢で混合し,素錠を調製した。これに,オイドラギットE100を11重量%コーチング(ハイコーター)を行った。これに,オイドラギットL100/ヒマシ油(5/1)を11重量%コーチング(ハイコーター)を行った。別にラクチュロースを用いて素錠を調製した。これに,オイドラギットL100/ヒマシ油(5/1)を11重量%コーチング(ハイコーター)を行った。これら錠剤をゼラチンカプセルに充填し本発明の製剤を調製した。
インスリン 10mg
メグルミン 30mg
クエン酸 10mg
グリココール酸Na 100mg
計 150mg
インスリン,メグルミン,クエン酸及びグリココール酸Naを乳鉢で混合し,素錠を調製した。これに,オイドラギットE100を2重量%コーチング(ハイコーター)を行った。これに,オイドラギットE100/ラクチュロース(5:1)を2重量%コーチング,オイドラギットE100/ラクチュロース(2:1)を2重量%コーチング,オイドラギットE100/ラクチュロース(1:1)を2重量%コーチング(ハイコーター)及びオイドラギットE100/ラクチュロース(1:2)を2重量%コーチングを行った。これに,オイドラギットL100/ヒマシ油(5/1)を11重量%コーチング(ハイコ−タ−)を行い,本発明の製剤を調製した。
インスリン 10mg
メグルミン 30mg
クエン酸 10mg
グリココール酸Na 100mg
計 150mg
ラクチュロース 50mg
TC−5 適量
インスリン,メグルミン,クエン酸及びグリココール酸Naを乳鉢で混合し,素錠を調製した。これに,オイドラギットE100を11重量%コーチング(ハイコーター)を行った。これにTC−5溶液を結合剤としてラクチュロースを錠剤当たり50mgとなるようにコーチングした。これに,オイドラギットL100/ヒマシ油(5/1)を11重量%コーチング(ハイコーター)を行い,本発明の製剤を調製した。
インスリン 10mg
メグルミン 30mg
クエン酸 10mg
グリココール酸Na 100mg
ラクチュロース 100mg
計 250mg
インスリン,メグルミン,クエン酸及びグリココール酸Naを乳鉢で混合し,素錠を調製した。これを核錠として,ラクチュロースを外層とする有核錠を調製した。これに,オイドラギットE100を11重量%,TC5Eを2%,さらにオイドラギットL100/ヒマシ油(5/1)を11重量%コーチング(ハイコーター)を行い,本発明の製剤を調製した。
(錠剤1)
インスリン 10mg
メグルミン 30mg
クエン酸 10mg
グリココール酸Na 100mg
計 150mg
(錠剤2)
ラクチュロース 100mg
インスリン,メグルミン,クエン酸及びグリココール酸Naを乳鉢で混合し,素錠を調製した。これに,オイドラギットE100を11重量%コーチング(ハイコーター)を行った。同様にラクチュロースの素錠を調製しこれに,オイドラギットE100を11重量%コーチング(ハイコーター)を行った。これらをゼラチンカプセルに充填したのち,オイドラギットL100/ヒマシ油(5/1)を11重量%コーチング(ハイコーター)を行い,本発明の製剤を調製した。
インスリン 10mg
メグルミン 30mg
クエン酸 10mg
グリココール酸Na 100mg
計 150mg
インスリン,メグルミン,クエン酸及びグリココール酸Naを乳鉢で混合し,素錠を調製した。これに,AEA/ラクチュロース(8:1)を4重量%コーチング(ハイコーター)を行った。これにAEA/ラクチュロース(4:1)を2重量%コーチング,AEA/ラクチュロース(2:1)を2重量%コーチング,AEA/ラクチュロース(1:1)を2重量%コーチング(ハイコーター)及びAEA/ラクチュロース(1:2)を2重量%コーチングを行った。これに,オイドラギットL100/ヒマシ油(5/1)を11重量%コーチング(ハイコーター)を行い,本発明の製剤を調製した。
インスリン 10mg
メグルミン 30mg
クエン酸 10mg
グリココール酸Na 100mg
計 150mg
ラクチュロース 100mg
インスリン,メグルミン,クエン酸及びグリココール酸Naを乳鉢で混合し,素錠を調製した。これに,オイドラギットE100を11重量%コーチング(ハイコーター)を行った。これにラクチュロース100mgをTC5Eを結合剤としてコーチングした後,オイドラギットE100を11重量%コーチングを行った。これに,オイドラギットL100/ヒマシ油(5/1)を11重量%コーチング(ハイコーター)を行い,本発明の製剤を調製した。
以下に,本発明のシステム,製剤の優れた効果を証するための実験及び結果を示す。
本発明製剤において,被覆する高分子物質のうち,有機酸により溶解する高分子物質(a)が,盲腸,結腸等で溶解し薬物を放出するかを確認した。まず,盲腸,結腸のpHは食事により変化する可能性がある(試験例1参照)ことから,人為的にpHを変化させることを試みた。そこで,合成2糖であり,腸内細菌により特異的かつ速やかに分解される(試験例2参照)ラクチュロースを100mgラットに投与し経時的に盲腸内のpHを測定したところ,3から4時間で約pH5.5になりこのpHの低下は8時間まで持続した(試験例3参照)。そこで,実際に,薬物としてスルフイソキサゾールを用いこれにpH6未満で溶解するEudragit Eをコーチングしさらにその外側に腸溶性基剤Eudragit Lをコーチングした。この製剤をラクチュロース200mgとともにラットに投与した。その結果,ラクチュロースを投与した群では6時間以降に血漿中に薬物が出現したのに対し,ラクチュロース非投与群では血漿中薬物は検出されずラクチュロースの効果が示された(試験例4参照)。また,別に行った実験において,製剤の消化管内の移動時間は,盲腸到達時間が4から8時間の間であることがわかっており,薬物の放出が盲腸内で起こったことが示された。
また,図2のBで例示した製剤についても,盲腸内で薬物の溶出が約5時間で起こることが示された(試験例5参照)。
(試験例1)
飽食条件ラット(肉給餌)の盲腸内pHを測定したところ,pHは7.2〜8.2の範囲であり,飽食条件ラット(固形食給餌)のpH5.0〜5.6と比較して高い値となっており,食事の種類により盲腸内のpHが大きく変動することが示された。
(試験例2)
食塩を添加して等張化した1/15Mリン酸緩衝液(NaH2PO4−Na2HPO4,pH7.3;以下,PBSという)を調製し,さらにCO2のバブリングによりpH6.8に調製した。これにSD系雄性ラット盲腸内容物を分散し,10w/v%盲腸内容物−PBS(以下,C−PBSという)を調製した。C−PBS10mlに対しラクチュロース100mgを添加し,嫌気的条件下,37℃で振とう(50ストローク/分)を行ない,pH変化を測定した。また対照として,ラクチュロース無添加時についても同様の試験を行った。
表に示すように,ラクチュロースは盲腸内容物中において発酵により有機酸を発生することによりpHを低下させることが示された。
ラクチュロース\時間(hr)0 2 4 6 8 24
0mg 6.42 6.20 6.17 6.15 6.12 6.02
100mg 6.42 5.93 5.64 5.41 5.27 4.76
さらに30w/v%C−PBSにラクチュロースを添加し同様の試験を行った。表に示すように,ラクチュロース添加により速やかに盲腸内容物中のpHが低下することが示された。
時間(hr) 0 2 4 6 8
pH 6.42 5.39 5.25 5.15 5.08
(試験例3)
1夜絶食したSD系雄性ラットに,ラクチュロース水溶液(100mg/ラット)を経口投与し,経時的に盲腸内pHを測定した。表に示したようにin vivoにおいても,ラクチュロースが盲腸内で発酵され,有意にpHを低下させることが示された。
時間(hr) 0 1 2 3 4 5 6 7
pH 7.6 8.2 6.8 6.2 5.5 5.6 5.8 5.3
(試験例4)
スルフィソキサゾール(SIZ)とPEG4000を1:3の割合で混合し,混合物20mg(SIZ5mg)をオイドラギットE100で調製した厚さ0.25mmのカプセルに充填し,さらにオイドラギットL100/ヒマシ油(5/1)メタノール溶液(10w/v%)でコーチング(dipping法,固形分として17重量%)した。この様にしてえられた製剤(SIZ−CDS)をパドル法(37℃,100rpm)で日本薬局方(以下局方と略記する。)1液中4時間,その後局方2液中で4時間溶出試験を行ったところ,この間薬物は放出されなかった。
SIZ−CDS製剤を20時間絶食したSD系雄性(8週令)ラットにラクチュロース水溶液1ml(ラクチュロース200mg)とともに経口投与を行い,血漿中スルフィソキサゾール濃度を経時的に測定した。対照例として本製剤を水1mlとともに経口投与を行った。またSIZ/PEG4000(1/3)20mgをゼラチンカプセルに充填し,さらに比較例としてオイドラギットL100/ヒマシ油(5/1)でコーチングして調製した腸溶性製剤(SIZ−ENT)をラクチュロース水溶液1ml(ラクチュロース200mg)とともに経口投与した。経時的にラット頸静脈より採血を行ない,津田試薬により血漿中薬物濃度を測定した。
図3に示すように,ラクチュロース投与時においてSIZ−CDS製剤はSIZ−ENT製剤と比較し,有意に薬物放出が遅れていることから,SIZ−CDS製剤は消化管下部で薬物が放出されることが示された。またラクチュロース非投与時にはCDSは血漿中薬物濃度はほとんど検出されなかったことから,SIZ−CDSは消化管下部でラクチュロースの発酵により有機酸が発生し,それに伴い消化管下部のpHが低下し,オイドラギットE100が溶解して薬物を放出することが示された。
(試験例5)
ラクチュロース100mgの錠剤にオイドラギットRS100を10%コーチングした。この錠剤は,約7時間でラクチュロースを放出する。別に,赤色103号を含有する錠剤にオイドラギットE100をコートした。この2個の錠剤をカプセルに充填し,これにオイドラギットRL100のメタノール溶液にNaCl(24mesh以上)を分散させたものを10%コーチングした。これを,1w/v%C−PBS中で嫌気的条件下振とうすると5時間で色素が放出された。
(試験例6)
1晩絶食したビーグル犬に下記溶液を皮下投与した。経時的に採血を行い血漿中リン濃度を測定した(無機リンE−HAテストワコー,和光純薬)。
サケカルシトニン50IU/0.2ml pH3 1%ゼラチン溶液
0.2ml(50IU/匹)
図8に示すようにコントロール(無処置)で血漿中リン濃度が経時的に増大するのに対し,サケカルシトニン投与時には抑制された。
(試験例7)
pH7.3の等張リン酸緩衝液(PBS)に二酸化炭素ガスをバブリングしてpH6.8に調製した。24時間絶食したラットの盲腸内容物にPBSを加え10w/v%の盲腸内容物等張リン酸緩衝液(CPBS)を調製した。このCPBS20mlに糖類200mgを添加し37℃水浴中で振とうし,CPBSのpHを経時的に測定した。
図10に示すように,本実験条件においてマルトース,グルコース,フラクトオリゴ糖,シュークロース,フルクトース,およびガラクトースはラクチュロースと同様,腸内細菌により分解され有機酸を発生することが明らかとなった。
本発明のシステムは,結腸特異的に薬物を送達することにより,望ましくない薬物の副作用を回避し,大腸の疾病部位に薬物を高濃度に送達するばかりでなく,大腸より良好に吸収される薬物を効率的に送達することが可能である。
本発明は実施例または試験例に記載されているように,いずれの薬物においても吸収されることが確認された。従って,薬物の物性に依らず汎用性の高い製剤技術である。
図1は,本発明の結腸特異的放出システムを用いた際の,結腸で薬物が放出される過程を示した説明図である。 (符号の説明)(a)…有機酸により溶解する高分子物質,(b)…薬物,(c)…消化管下部で腸内細菌により有機酸を速やかに発生する糖類,(d)…腸溶性の高分子物質 図2は,本発明の結腸特異的放出システムの具体例を示した説明図である。 (符号の説明)(a)…有機酸により溶解する高分子物質,(b)…薬物,(c)…消化管下部で腸内細菌により有機酸を速やかに発生する糖類,(d)…腸溶性の高分子物質,(e)…水不溶性の放出制御物質,(f)…穴を開ける物質,(g)…賦形剤 図3は,スルフイソキサゾールを含有するSIZ−CDS製剤とラクチュロースとから成る本発明のシステム,腸溶性製剤(比較例1)及びSIZ−CDS製剤と水とから成る対照例をラットに投与した際の血漿中薬物濃度の経時的変化を示す図である(試験例4)。 図4は,本発明の結腸特異的薬物放出組成物(実施例2)からの人工腸液中と1w/v%盲腸内容物を含む人工腸液中での薬物放出挙動(放出率)の経時的変化を示す図である。 図5は,5−アミノサリチル酸を含有する本発明の結腸特異的薬物放出組成物(実施例3)と腸溶性製剤を飽食条件下ビーグル犬に投与した際の血漿中薬物濃度の経時的変化を示す図である。 図6は,インスリンを含有する結腸特異的薬物放出組成物(実施例5)を絶食条件下ビーグル犬に投与した際の血漿中グルコース濃度の経時的変化を示す図である。 図7は,インスリンを含有する結腸特異的薬物放出システムを絶食条件下ビーグル犬に投与した際の血漿中グルコース濃度の経時的変化を示す図である(実施例10)。 図8は,サケカルシトニンを絶食条件下ビーグル犬に皮下投与した際の血漿中リン酸濃度の経時的変化をコントロール(無処置)とともに示す図である(試験例6)。 図9は,サケカルシトニンを含有する結腸特異的薬物放出システムを絶食条件下ビーグル犬に投与した際の血漿中リン酸濃度の経時的変化をコントロール群(無処置),皮下投与群とともに示す図である(実施例28)。 図10は,各種糖類を絶食条件下ラットの盲腸内容物を含有する等張リン酸緩衝液に添加した際のpH値の経時的変化を示す図である(試験例7)。

Claims (6)

  1. 有機酸によりpH6未満で溶解する高分子物質(a)で被覆された薬物(b)と、消化管下部で腸内細菌により有機酸を速やかに発生する糖類(c)とから成る消化管中の結腸で特異的に薬物を放出するシステム。
  2. 有機酸によりpH6未満で溶解する高分子物質(a)で被覆された薬物(b)が、更に、腸溶性の高分子物質(d)で被覆された組成物と,消化管下部で腸内細菌により有機酸を速やかに発生する糖類(c)とから成る消化管中の結腸で特異的に薬物を放出するシステム。
  3. 消化管下部で腸内細菌により有機酸を速やかに発生する糖類(c)が、更に、腸溶性の高分子物質(d)で被覆されている、請求項2記載の消化管中の結腸で特異的に薬物を放出するシステム。
  4. 有機酸によりpH6未満で溶解する高分子物質(a)で被覆された薬物(b)、及び消化管下部で腸内細菌により有機酸を速やかに発生する糖類(c)を含有する組成物が、更に、腸溶性の高分子物質(d)で被覆されたことから成る消化管中の結腸で特異的に薬物を放出するシステム。
  5. 有機酸によりpH6未満で溶解する高分子物質(a)で被覆された薬物(b)と、消化管下部で腸内細菌により有機酸を速やかに発生する糖類(c)とから成る、消化管中の結腸で特異的に薬物を放出させる方法。
  6. 有機酸によりpH6未満で溶解する高分子物質(a)で被覆された薬物(b)と、消化管下部で腸内細菌により有機酸を速やかに発生する糖類(c)とから成る組成物が、更に、腸溶性の高分子物質(d)で被覆されたことから成る、消化管中の結腸で特異的に薬物を放出させる方法。
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