以下に、本発明にかかるバッテリユニット、そのバッテリユニットを有するバッテリ装置、医療機器および内視鏡の実施の形態を図1〜図20の図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更実施の形態が可能である。
(実施の形態1)
図1は、本発明にかかるバッテリ装置を用いる携帯型内視鏡装置の構成の一例を示す斜視図である。図において、内視鏡装置1は、液体の漏れや透過を防ぐ水密構造の内視鏡2と、この内視鏡2に着脱自在に装着されて電気的に接続されるバッテリ装置3とで構成されている。また、この内視鏡2には、バッテリ装置3の代わりに、図示しないライトガイドケーブルを着脱自在に装着させることも可能である。
この内視鏡2は、一端に設けられた接眼部21と、この接眼部21が取り付けられる取り付け側に設けられた操作部22と、この操作部22の他端に設けられ、被検体内に挿入される細長の円筒形状の挿入部23とを有する。この取り付け側の操作部22の側面には、ライトガイド口金22aが突出して設けられており、バッテリ装置3の接続部31が着脱自在に接続される。また、この操作部22の側面には、異なる位置に、挿入部23先端の湾曲動作の操作を行うための湾曲操作レバー22bと、吸引操作を行うための吸引ボタン22cとがそれぞれ突設されている。この吸引ボタン22cの側面には、内視鏡2内に設けられた吸引チャンネル(図示せず)に連通する吸引口金22dが突出しており、たとえばこの吸引口金22dにチューブを取り付け、このチューブを介して所定の吸引装置に接続させ、上述した吸引ボタン22cを適宜操作することで、挿入部23、吸引チャンネルおよび吸引口金22dを介して体腔内の液体などの吸引排出を行うことができる。
また、この操作部22には、内視鏡2を保持して固定するために、医者などが把持する把持部22eが設けられている。この操作部22において、挿入部23が取り付けられる取り付け側には、鉗子を挿入するための鉗子挿入口22fが突設されており、この鉗子挿入口22fは、通常鉗子栓22gで閉塞されている。また、鉗子挿入口22fの対向側には、たとえば通気口金22hが設けられ、この通気口金22hから内視鏡2内部に空気を送入することによって、内視鏡2の水漏れ検査を行うことが可能となる。
被検体内に挿入される挿入部23は、先端に設けられた硬質の先端部23aと、操作部22の操作によって湾曲動作を行う湾曲部23bと、柔軟性を有する可撓管23cとを備え、これらの部位は一列に連なるように構成されている。
挿入部23内には、バッテリ装置3から出射された照明光を導くためのライトガイドファイバ(図示せず)が内装されている。このライトガイドファイバの一端は、操作部22内部で屈曲され、ライトガイド口金22a内に固定されている。また、このライトガイドファイバの他端は、挿入部23の先端に設けられた照明窓23dに固定されている。したがって、内視鏡装置1は、バッテリ装置3から出射された照明光を、ライトガイド口金22aからライトガイドファイバを通って、照明窓23dから外部に照射でき、これにより挿入された被検体の体腔内を照明することが可能となる。また、ライトガイド口金22aの外周面には、接続用の雄ネジ部22iが設けられている。
図2は、図1に示した操作部22とバッテリ装置3の接続部31の外観を説明するための図である。図1、図2において、バッテリ装置3の接続部31は、外周面に設けられた接続環31aを有し、接続環31aは、内周面に形成されている雌ネジ部31bと、雌ネジ部31bの外周面を被覆するネジカバー31cとを備えている。この接続環31aは、円筒形状の接続口金31dの外周面を囲繞するように設けられ、かつ接続口金31dの長手方向の移動が一定の範囲で移動可能なように規制された状態で、この接続口金31dに取り付けられている。そして、この雌ネジ部31bが、ライトガイド口金22aの外周面に設けられた雄ネジ部22iと螺合するように構成されている。
また、接続口金31dの外周面には、水密リング31eが周設されており、接続部31をライトガイド口金22aに接続させる時に、この水密リング31eがライトガイド口金22aの接続筒22jの内周面に密着している。すなわち、このバッテリ装置3の接続環31aを所定方向に回転させ、ライトガイド口金22aの雄ネジ部22iと接続環31aの雌ネジ部を螺合させることで、内視鏡2のライトガイド口金22aに接続環31aが螺合固定され、かつ接続筒22jと接続口金31dが水密リング31eによって密着されて、内視鏡2とバッテリ装置3が一体に組み合わされることとなる。この構成により、この連結部での水密が確保される。
図3は、図1に示したバッテリ装置3の実施の形態1のA−A断面の概略を示す図であり、図4は、同じく実施の形態1のB−B断面の概略を示す図であり、図5は、図1に示したバッテリ装置の接点の一部断面を示す断面図である。これらの図において、バッテリ装置3は、横長の長方体形状の枠体からなるランプを収容するランプ収容部32と、バッテリユニットを収容するバッテリユニット収容手段であり、バッテリユニット収容空間を形成する内面を有する縦長の長方体形状からなる枠体からなるバッテリユニット収容部33とを備える。
バッテリユニット収容部33の内部には、後述するバッテリ34や温度センサ35やペルチェ素子39が接続されたICチップ36を含むバッテリユニット33aのバッテリユニット正電極33p1と接触して電気的に接続される円柱形状の接続端子32eが突起して設けられている。
ランプ収容部32は、接続端子32eと電気的に接続するとともに、バッテリ手段としてのバッテリ34から接続端子を介して供給される電源をランプ32aに供給して、ランプ32aを点灯させるモード、ランプ32aへの電源供給を遮断することで、ランプを消灯するモード、図示しない電力供給手段から充電用接続端子32fを介してバッテリ34を充電するモード、のモード切換えを行うスイッチ32dと、スイッチ32dがランプ32aを点灯するモードに選択されたときに、ランプ32aに供給する電源電圧をランプ32aの点灯に適切な一定の電圧である駆動電圧に変換する電源回路32cと、バッテリ34から電源電圧の供給を受けて機能する機能実行手段としてのランプ32aと、ランプ32aから出射される照明光を集光する集光レンズ32bと、を収容している。
また、ランプ収容部32の枠体には、スイッチ32dおよびバッテリ34に電気的に接続される電力供給手段から充電を行うかもしくは充電チェックを行うための充電用接続端子32fと、内視鏡2との接続時に電気的に導通する接点32gとが、ランプ収容部32の枠体側面を貫通して設けられている。ランプ32aは、スイッチ32dおよび接続端子32eを介して、バッテリユニット33aのバッテリユニット正電極33p1と、また接点32gを介して、バッテリユニット33aのバッテリユニット負電極33q1と接続されている。また、スイッチ32dは、バッテリ装置3の外部から切換え操作が可能なように構成されている。
接続端子32e,32fおよび接点32gは、少なくとも通常の電気接点として用いられる金属の接点に対しては熱伝導率の低く、かつ導電性のある部材で形成されている。たとえば、これら部材は、シリコンゴム(信越化学工業株式会社製の製品番号がKE3801M−Uのシリコンゴム)などから形成されている。また、接続端子32f及び接点32gは、接続環31a側のランプ収容部32の枠体側面に配置されている。これら部材のうち、充電用接続端子32fは、たとえば外部に設けられたバッテリの充電状態をチェックする充電状態モニタ回路(図示せず)が、接続環31aによってバッテリ装置3に取り付けられた時に、この充電状態モニタ回路とバッテリ34が充電用接続端子32fを介して電気的に接続される。これによって、充電状態モニタ回路がバッテリ34の充電状態をチェックすることが可能となる。
また、接点32gは、バッテリ装置3が接続環31aによって、内視鏡2に取り付けられた時に電気的に導通して、バッテリ34からランプ32aへの電源供給を可能にしている。すなわち、図5に示すように、バッテリ装置3の接点32gには、バッテリ34のバッテリ負電極34bと電気的に接続される接点ピン32g1と、接点ピン32g1を付勢させて外部に突出させるスプリング32g2が設けられている。また、このバッテリ装置3の接点32gに対向する内視鏡2の所定位置には、突起22kが設けられており、バッテリ装置3が内視鏡2に取り付けられた時に、図5(a)に示すように、この突起22kが接点32gの接点ピン32g1に当接して、接点ピン32g1をバッテリ装置3内部に押下する。この押下によって、接点ピン32g1とランプ32a側の電路32a1およびバッテリユニット負電極33q1側の電路32a2とが接触して、バッテリ34からランプ32aへの電源供給が可能となる。また、バッテリ装置3が内視鏡2から取り外された時には、図5(b)に示すように、この突起22kと接点32gとの当接が解除され、接点32gが元の位置に戻るので、接点32gとランプ32a側の電路およびバッテリユニット負電極33q1側の電路とが非接触となって、バッテリ34からランプ32aへの電源供給ができなくなる。したがって、この実施の形態では、スイッチ32dがオン状態で、かつバッテリ装置3が内視鏡2に取り付けられた時に、初めてバッテリユニット33aからランプ32aへの電源供給が行われ、このランプ32aから照明光が出射されることとなる。集光レンズ32bは、接続口金31d内に配置され、ランプ32aからの照明光を集光して、内視鏡2内のライトガイドファイバに出射させている。
バッテリユニット収容部33は、バッテリ34を含む、たとえば2つの円筒形状のバッテリユニット33aと、このバッテリユニット33aを収容する収容部である内部空間を形成する内面を有する略円筒形状の枠体で構成される収容ケース33bと、収容ケース33bの内面に突起して設けられて、バッテリユニット33aに設けられたバッテリユニット正電極33p1が接続端子32eと接触する内部空間の所定の位置に、バッテリユニット33aを支持して固定する支持手段としての複数のリブ33cと、バッテリユニット33aに設けられたバッテリユニット負電極33q1と接続される接続端子33dと、バッテリユニット収容部33の外表面に設けられ、接点32gと接続端子33dとの電路間に接続される温度スイッチ33eとを備える。なお、収容ケース33bも、熱伝導率の低い部材で構成すれば、本発明にかかる熱伝導低減手段の機能を有することになる。
リブ33cは、支持手段としての機能を有し、かつバッテリユニット33aおよび収容ケース33bとともに、バッテリユニット33aの外面と収容ケース33bとの間に熱伝導低減手段である空気層33fを形成する空間形成手段としての機能も有する。この空気層33fは、円筒形状のバッテリユニット33aを囲繞するように、設けられており、バッテリ装置3の外部から収容ケース33bを介してバッテリユニット33aに熱が伝導することを防いでいる。
また、リブ33cは、形状が略半円柱形状で、熱伝導率の低い部材で構成されており、収容ケース33bからリブ33cを介してバッテリユニット33aに熱が伝導することを防いでいる。したがって、リブ33cは、この形成された空気層33fとともに、外部からバッテリユニット33aへの熱伝導を低減させている。接続端子33dは、舌片形状の板バネからなっており、一端が後述する隔壁33hに固定され、他端が板バネの付勢力によって、バッテリユニット33aのバッテリユニット負電極33q1と接触が容易なように構成されている。また、温度スイッチ33eは、バッテリユニット収容部33の外表面に配設され、外部温度が所定の温度になると、オン状態になって接点32gと接続端子33dとの間の電路を導通させている。この構成により、バッテリユニット33aからランプ32aへの電路が導通して、バッテリユニット33aからランプ32aへの電源供給が可能となる。
また、バッテリユニット収容部33は、バッテリユニット33aの下方に、外部の電源供給装置(図示せず)から発振される給電用信号を電磁誘導によって取り込む給電用コイル33gと、取り込んだ給電用信号から電力を再生し、かつ再生した電力を昇圧してバッテリユニット33aに供給する再生昇圧回路(図示せず)とを備え、この給電用コイル33gおよび再生昇圧回路は、電源供給手段を構成している。給電用コイル33gは、図3に示すように、バッテリユニット33aの下方に配置された、断面がコ字形状で上面が略円形の隔壁33hによって隔てられた、収納部33i内の台座33jに巻回されて設けられており、給電用コイル33gと電気的に接続される再生昇圧回路は、収容ケース33b内に設けられている。なお、隔壁33hは、収容ケース33bの底面を形成している。また、隔壁33hも、熱伝導率の低い部材で形成されれば、構成上なお良い。
この構成により、給電用コイル33gによって取り込まれた給電用信号は、再生昇圧回路によって電力として再生され、さらに電位をバッテリユニット33a内のバッテリ34の電位にまで昇圧された後に、バッテリ34に蓄積される。このように、バッテリ装置3は、外部からの電磁誘導によって電源が供給される構成を有する。なお、本発明では、給電は実施の形態に示した電磁誘導方式に限るものではなく、マイクロ波を用いるものでも良い。
さらに、バッテリユニット収容部33および収容ケース33bは、このバッテリユニット収容部33の外面と収容ケース33bの外面との間に熱伝導低減手段である空気層33kを形成する空間形成手段としての機能を有する。この空気層33kは、収容ケース33bを囲繞するように形成されている。この構成により、バッテリ装置3は、二重の空気層33f,33kを有して、外部からバッテリユニット33aへの熱伝導を低減している。なお、この発明では、空気層33kの代わりに、バッテリユニット収容部33と収容ケース33b間に真空層を形成することも可能であり、33fを真空層に形成することも可能である。また収容ケースから突出される長方体形状の複数の仕切壁33lによって、この層を仕切ることも可能であり、この構成によって熱伝導を低減できるとともに、バッテリ装置3の内部強度を高めることができる。
さらにまた、バッテリユニット収容部33の外面には、図3に示すように、放熱板(放熱フィン)40が設けられており、この放熱フィン40は、熱伝導部材(熱伝導棒)41を介して、後述するバッテリユニット33a内のペルチェ素子39と接続され、ペルチェ素子39から生じた熱を、バッテリ装置3の外部に放熱している。なお、熱伝導棒41は、ユニット収容部33n、収容ケース33bおよびバッテリユニット収容部33を貫通して放熱フィン40と接続されている。
図6は、図3に示したバッテリユニット33aの構成の実施の形態1を示す断面図である。なお、以下の図において、図1〜図5の構成部分と同様の構成部分に関しては、説明の都合上、同一符号を付記するものとする。図6において、たとえば単三型の乾電池からなるバッテリ34を取り囲んでカバーする熱伝導低減手段としての、カバー33mと、バッテリ34の外面とカバー33mの内面との間に、熱伝導低減手段としての空気層33rと、カバー33m内にバッテリ34を支持して固定する支持手段としての略半円柱形状の複数のリブ33sと、このカバー33mが収容されるユニット収容部33nと、本発明にかかる電極部としてのバッテリ34のバッテリ正電極34aおよび本発明にかかる第2の電極部としてのバッテリ負電極34bと接続する電極部材33p,33qとを備える。この電極部材33pは、バッテリユニット33aの外表面に設けられた本発明にかかる電極部材としての、たとえば肉薄の円板形状のバッテリユニット正電極33p1と、このバッテリユニット正電極33p1とバッテリ34のバッテリ正電極34aとを電気的に接続させる導電手段としての、導電線33p2とを備える。また、電極部材33qは、バッテリユニット33aの外表面に設けられた本発明にかかる第2の電極部材としての、たとえば肉薄の円板形状のバッテリユニット負電極33q1と、このバッテリユニット負電極33q1とバッテリ34のバッテリ負電極34bとを電気的に接続させる導電手段としての導電線33q2とを備える。これら電極33p1,33q1とユニット収容部33n間には、リング形状の空隙Cが設けられ、電極33p1,33q1とユニット収容部33nが直接接触して、バッテリ34がショートしないように構成されている。
なお、ユニット収容部33n内のバッテリ34が配置されている空間は、本発明にかかる熱伝導低減領域を構成し、ユニット収容部33nとカバー33mは、この熱伝導低減領域を形成するための、本発明にかかる熱伝導低減領域形成手段を構成している。また、本発明では、ユニット収容部33nを絶縁体により形成することで、空隙Cを設けないようにしても良い。また、空気層33rは、真空層で形成しても良い。さらに、この実施の形態では、単三型の電池を想定したが、本発明ではこれに限らず、電池の種類はどのようなものを使用しても良い。
カバー33mは、たとえば熱伝導率の低い材料である発泡スチロールからなる熱伝導低減部材により構成されるので、収容ケース33bからバッテリ34に熱が伝導することを防いでいる。また、カバーの強度が十分に高い場合には、このバッテリユニット33aは、ユニット収容部33nを必ずしも備える必要はない。このような構成により、バッテリユニット33aは、バッテリ34への熱伝導を低減させ、かつバッテリ装置の軽量化を図ることができ、操作者による操作性の向上の一助とすることができる。
また、図7は、図6に示した作動制御装置の構成を示すブロック図である。図6および図7に示すように、バッテリユニット33aは、バッテリユニット内部の温度変化を測定して、ペルチェ素子39をオン/オフ制御する作動制御装置を備える。この作動制御装置は、バッテリユニット33a内の温度を測定する温度センサ35と、この温度センサ35が電気的に接続されるICチップ36と、ICチップ36に接続されるペルチェ素子39とを有する。
温度センサ35は、たとえばバッテリ34の下方で、バッテリユニット33aの底面にあたるカバー33m上に載置されている。そして、温度センサ35は、たとえばオートクレーブなどの外的環境で変化するバッテリユニット33a内の温度を測定している。
ICチップ36は、温度センサ35からの温度変化測定に伴う内部温度の変化を検知する温度検知回路37と、温度検知回路37から出力される検知信号に応じて、ペルチェ素子39の作動のオン/オフ制御を行う作動制御回路38とから構成されており、このICチップ36は、たとえばカバー33mの内壁に設けられている。なお、温度検知回路37は、バッテリ34の耐熱温度に基づいて、温度変化の有無の判断基準となる閾値を予め設定している。
この実施の形態では、この作動制御装置の電源には、バッテリ34による電源を用いている。作動制御回路38は、検知信号の入力の有無を監視しており、この検知信号の有無に応じて、ペルチェ素子39への電力供給をオン/オフ制御している。すなわち、作動制御回路38は、検知信号が入力しない通常状態では、閾値未満の通常温度と判断して、ペルチェ素子39への電力供給をオフ状態に制御して、バッテリ34の冷却を行わない。また、作動制御回路38は、検知信号が入力する高温状態では、閾値以上の高温状態と判断して、ペルチェ素子39への電力供給をオン状態に制御してペルチェ素子39を作動させ、このペルチェ素子39の冷却作用によって、空気層33rを介してバッテリ34を冷却する。
ペルチェ素子39は、図6に示すように、バッテリ34を取り囲むように円筒形状に形成され、たとえばカバー33mの内周面に設けられている。このペルチェ素子39の内周面は、バッテリ34を冷却するための冷却面を形成し、外周面は、放熱を行うための放熱面を形成している。この放熱面には、熱伝導棒41が設けられており、バッテリ装置3の外部に設けられた放熱フィン40への熱伝導を可能にしている。なお、放熱フィン40は、バッテリ装置3の外面に複数設けて、放熱効果を高めることも可能である。また、ペルチェ素子39は、上記円筒形状に限らず、たとえば曲面を有する板形状に形成することも可能であり、またバッテリ34に対して複数のペルチェ素子を設けることも可能である。この場合には、複数のペルチェ素子を、たとえばバッテリ34への熱伝導の高い部分の近傍に設けて、バッテリ34の冷却効果を高めることも可能である。
このように、この実施の形態では、バッテリを熱伝導低減手段であるカバーで囲繞するとともに、バッテリユニットと収容ケースの間に空気層を形成させて、バッテリ装置外部から内部への熱伝導を低減させ、かつ冷却手段であるペルチェ素子を、バッテリとカバーの間に設け、たとえばオートクレーブなどの外部環境の高温時に、ペルチェ素子を作動させてバッテリを積極的に冷却するので、外部環境が高温状態においても、バッテリが高温に晒されることがなくなり、これによってバッテリの性能を劣化させることなく、外部環境の高温状態に良好に対応できる。
図8は、図1に示したバッテリ装置における実施の形態1の他例のA−A断面の概略構成を示す断面図である。図において、図6に示した上記実施の形態1の構成と異なる点は、収容ケース33bの内周面に、略円筒形状のペルチェ素子39を設けて、ユニット収容部33nを冷却することで、バッテリユニット33a全体を冷却する点である。
この例の場合には、ペルチェ素子39への電力供給をオン/オフ制御することで、空気層33fを介してユニット収容部33nを冷却するので、バッテリ装置の外部環境が高温状態にあっても、バッテリユニットの外部環境は冷却によって高温状態には至っていないので、外部環境が高温状態においても、間接的にバッテリが高温に晒されることがなくなり、これによってバッテリの性能を劣化させることなく、外部環境の高温状態に良好に対応できる。
なお、本発明では、上記実施の形態の他に、たとえばペルチェ素子39の冷却面を、ユニット収容部33nに当接させて、ユニット収容部33nを直接冷却するように構成することも可能である。この場合には、バッテリユニットの外部が高温状態に晒されても、バッテリユニット自体が直接冷却されるので、外部環境が高温状態においても、間接的にバッテリが高温に晒されることがなくなり、これによってバッテリの性能を劣化させることなく、外部環境の高温状態に良好に対応できる。
また、バッテリ34を冷却するペルチェ素子と、ユニット収容部33nを冷却するペルチェ素子を組み合わせて用いることも無論可能である。この場合には、バッテリ装置内の冷却効果をさらに高めることができる。
また、この実施の形態1では、ICチップ36を用いてペルチェ素子39の電力供給のオン/オフ制御を行ったが、本発明はこれに限らず、たとえばペルチェ素子39とバッテリ34を繋ぐ電源線に、磁界の印加によってオン/オフの切り替えを行うリードスイッチを設けることも可能である。すなわち、たとえばオートクレーブの開始直前に、このリードスイッチにバッテリ装置3の外部から磁界を加えることで、リードスイッチをオン動作させて、ペルチェ素子39に電力を供給して冷却を行う。そして、オートクレーブの終了時には、再びリードスイッチに磁界を加えてオフ動作させて、ペルチェ素子の電力供給を断にすることで、ペルチェ素子の電力供給を制御する。この場合には、温度センサやICチップが不要となり、部品点数を削減できるとともに、簡単な構成で外部からペルチェ素子39のオン/オフ動作を制御することができ、これにより上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
(実施の形態2)
図9は、図3に示したバッテリユニットの構成の実施の形態2を示す断面図であり、図10は、図9に示した作動制御装置の構成を示すブロック図である。図において、この実施の形態では、内部に冷却液が循環する液管42を波形状に形成して、カバー33mの内周面に設けるとともに、冷却液を循環制御する冷却ユニット43を、ユニット収容部33nの外周面に設け、かつ液管42の両端部は、カバー33mおよびユニット収容部33nを貫通して、冷却ユニット43の冷却液収納部44に連結されて構成されている。
冷却ユニット43は、長方体の枠体45内に密閉構造に形成された領域で、冷却液を収納して液管42との間で冷却液の循環を可能とする冷却液収納部44と、ファン46を回転させることによって冷却液を循環させるモータ47と、枠体45の外面に設けられてバッテリユニット33aの外部温度を測定する温度センサ48と、この温度センサ48が電気的に接続されるICチップ49と、ICチップ49に接続されるペルチェ素子52とを有する。
ペルチェ素子52は、循環する冷却液の冷却を行うためのもので、この冷却によって発生した熱を、熱伝導棒41を介して放熱フィン(図示せず)から放熱している。この放熱フィンは、実施の形態1と同様に、バッテリ装置3のバッテリユニット収容部33の外面に設けられ、バッテリ装置3内部で発生した熱をバッテリ装置3の外部に放熱する機能を有している。
ICチップ49は、温度センサ48からの温度変化測定に伴うバッテリユニット33aの外部温度の変化を検知する温度検知回路50と、温度検知回路37から出力される検知信号に応じて、モータ47およびペルチェ素子52の作動のオン/オフ制御を行う作動制御回路51とから構成されている。この実施の形態にかかる作動制御回路51も、実施の形態1にかかる作動制御回路38と同様に、モータ47およびペルチェ素子52への電力供給をオン/オフ制御している。すなわち、作動制御回路51は、実施の形態1と同様に、温度検知回路50から検知信号の入力がない通常状態では、モータ47およびペルチェ素子52への電力供給をオフ状態に制御し、冷却液の循環および冷却を停止して、バッテリ34の冷却を行わない。また、作動制御回路51は、検知信号が入力する高温状態では、モータ47およびペルチェ素子52への電力供給をオン状態に制御し、冷却液の循環および冷却を開始して、バッテリ34を冷却させる。
このように、この実施の形態では、バッテリの周囲に冷却液を循環させることで、オートクレーブなどの外部環境の高温時に、バッテリを積極的に冷却するので、外部環境が高温状態においても、バッテリが高温に晒されることがなくなり、これによってバッテリの性能を劣化させることなく、外部環境の高温状態に良好に対応できる。
なお、この実施の形態では、液管42を波形状に形成したが、これに限らず、たとえば液管42を、バッテリの正極から負極方向に上記バッテリを取り囲むように、螺旋状に形成させて冷却液を循環させることも可能である。この場合も、実施の形態2と同様の効果を奏することができる。また、ファン46の駆動は、上記モータ47に限らず、たとえばゼンマイなどを駆動源に用いることも可能である。この場合には、バッテリ装置3にオートクレーブを施す時間、ファン46を回転させることができるゼンマイを用いて、液管42内の冷却液を循環させてバッテリ34を冷却させることで、バッテ34の電力消費を低減することが可能となる。
図11は、図1に示したバッテリ装置における実施の形態2のA−A断面の概略構成を示す断面図である。バッテリユニット収容部33の外面に、作動制御装置を有する冷却ユニット43を設けるとともに、液管42の端部と冷却ユニット43との連結をチェッキ弁55やカプラを介して行うことで、液もれを生じることなく冷却ユニット43をバッテリ装置3から着脱可能に構成した。
また、この実施の形態では、たとえば作動制御装置への電力供給用に1次電池56を用い、かつこの1次電池56も冷却液で冷却可能な構成とした。すなわち、この1次電池56は、図11に示すように、冷却ユニット43内の冷却液とペルチェ素子52とによって冷却が可能になるように、冷却ユニット43内に収納されている。
この実施の形態では、たとえばバッテリ装置3にオートクレーブを施す時には、このバッテリ装置3に冷却ユニット43を取り付けて、バッテリ34の冷却を可能にし、また内視鏡に取り付けて使用する時には、このバッテリ装置から冷却ユニット43を取り外すことができるので、上記実施の形態2と同様の効果を奏するとともに、バッテリの冷却が必要な時にのみ、冷却ユニットを装着でき、バッテリ装置のバッテリの電力消費を低減できるとともに、汎用性に優れたバッテリ装置を提供できる。
また、バッテリ装置内部に設けられた作動制御装置に外部から電力を供給する場合を、図12および図13に基づいて説明する。なお、図12は、図7に示した作動制御装置に外部から電力を供給する場合の構成を示す図であり、図13は、図12に示した構成の要部を拡大した要部拡大図である。
図において、バッテリ34の負極方向のバッテリユニット収容部33の底面には、2つの球形で、かつ凹形状に形成された連結部33t,33tが設けられ、かつ外部に開口している。この連結部33t,33tは、導電性の部材から構成され、電源線57,57を介して、作動制御装置のペルチェ素子39などの電力駆動系と接続されている。
このバッテリ装置3は、オートクレーブを施す際には、オートクレーブ用の袋58に収納された状態で滅菌作業が行われる。このため、この袋58にも、上記連結部33t,33tと同じ形状で、この連結部33t,33tに係合可能な2つの球形で、かつ凹形状に形成された連結部58a,58aが設けられている。この連結部58a,58aも、導電性の部材で構成され、かつ外部に開口している。
また、外部給電用のバッテリボックス59が別体に設けられており、このバッテリボックス59には、上記連結部33t,33t,58a,58aに嵌合可能な2つの球形で、かつ凸形状に形成された連結部59a,59aが設けられている。このバッテリボックス59は、内部に1次電池60を収納しており、この電池60の正極と負極は、導電性の連結部59a,59aと電源線61,61を介して接続されている。
このような構成の実施の形態において、バッテリ装置3にオートクレーブを施す際には、まずバッテリ装置3をオートクレーブ用の袋58に収納し、その後にバッテリ装置3の連結部33t,33tと、袋58の連結部58a,58aを係合させる。さらに、この実施の形態では、袋58の外部からバッテリボックス59の連結部59a,59aを、これら連結部33t,33t,58a,58aに嵌合させる。これによって、作動制御装置の電力駆動系と電池60とは、連結部33t,33t,58a,58a,59a,59aおよび電源線57,57,61,61を介して接続されて作動制御装置の電力駆動系に電力が供給されることとなって、バッテリ34の冷却を可能にする。
このように、この実施の形態では、外部給電用のバッテリボックスをバッテリ装置に接続させて、オートクレーブを施す際に、外部から作動制御装置に電力を供給するので、上記実施の形態2と同様の効果を奏するとともに、バッテリの冷却が必要な時にのみ、別体のバッテリボックスを接続させて、このバッテリボックスから電力を供給することができ、これによりバッテリ装置のバッテリの電力消費を低減できる。
(実施の形態3)
図14は、図3に示したバッテリユニットの構成の実施の形態3の第1例を示す断面図である。図において、この実施の形態では、バッテリ34を取り囲むように、冷却手段としての冷却剤、たとえばゲル化剤62をカバー33mの内面の全面に設ける。この場合ゲル化剤62は、たとえば収納ケースなどに充填されて、ユニット収容部33n内に設けられている。そして、予めバッテリユニット33aを冷却して、このゲル化剤62を凍らせておき、その状態でバッテリユニット33aを収容するバッテリ装置3にオートクレーブを施す。なお、このゲル化剤62は、たとえばオートクレーブにかかる時間徐々に解けて、ゲル状に変化するように形成されている。
このように、この実施の形態では、バッテリユニット内にゲル化剤を設け、予め凍らせた後にオートクレーブなどによって外部環境を高温状態にするので、バッテリ装置のバッテリを用いずに、バッテリの冷却が可能となり、外部環境が高温状態においても、バッテリが高温に晒されることがなくなり、これによってバッテリの性能を劣化させることなく、外部環境の高温状態に良好に対応できるとともに、バッテリの電力消費を防止することができる。また、この実施の形態では、バッテリユニット内部に冷却用のゲル化剤を設けるという簡単な構成で、かつ繰り返し使用することが可能なので、バッテリ装置の製作コストを削減することもできる。
図15は、図3に示したバッテリユニットの構成の実施の形態3の第2例を示す断面図である。図において、この実施の形態では、バッテリ34を取り囲むように半円筒形状に形成された2つのケース63,64が設けられ、そのケース63,64内部には異なる種類の薬液がそれぞれ注入されている。また、各ケース63,64の長手方向の一端は、櫛歯形状の歯部63a,64aが形成されており、この歯部63a,64aは、互いに隙間なく係合している。また、この歯部63a,64aの係合部分には、長手方向の同一位置に孔63b,64bが形成され、この孔63b,64bには円柱形状の仕切棒65が挿入されており、薬液同士が互いに混ざり合うのを防いでいる。
ケース63,64内に注入された2種類の薬液は、互いに混ざり合うと化学反応を起こして、冷却作用を発生させる。そこで、オートクレーブを施す前に、この仕切棒65を引き抜くと、孔63b,64bが一直線に連なり、この孔63b,64bの部分でケース63,64内部の薬液が混ざり合い、化学反応の発生が可能となる。この化学反応が生じると、冷却作用を発生して近隣のバッテリ34を冷却する。なお、この実施の形態では、仕切棒65を引き抜いた時には、薬液がケース63,64の外部に漏れない構造になっている。
このように、この実施の形態では、バッテリユニット内に2種類の薬液を注入して設け、オートクレーブ時にこれら薬液を混ざり合わせ、その化学反応でバッテリを冷却するので、図14の実施の形態と同様に、外部環境が高温状態においても、バッテリが高温に晒されることがなくなり、これによってバッテリの性能を劣化させることなく、外部環境の高温状態に良好に対応できるとともに、バッテリの電力消費を防止することができる。また、この実施の形態では、たとえば薬液を交換できる機構を設ければ、繰り返し使用することが可能なので、バッテリ装置の製作コストを削減することもできる。
また、図16は、図3に示したバッテリユニットの構成の実施の形態3の第3例を示す断面図である。図において、この実施の形態では、バッテリ34を取り囲むように円筒形状に形成された、たとえばセラミック素材からなる液体収容部66を設け、この液体収容部66の内部に、空気に触れると気化する液体、たとえばアルコールなどを注入する。
この液体収容部66には、たとえばカバー33mとユニット収容部33nを貫通して外部に突出する開口部66aが設けられており、通常のバッテリ装置3の使用時などでは、栓などによって開口部66aを閉じている。また、オートクレーブなどの滅菌作業時には、この栓を取り除き、開口部66aを開口状態にすることで、アルコールの気化を促す。アルコールは、気化する際に周囲、この場合にはたとえば液体収容部66などから熱を奪って気化するので、液体収容部66は冷却され、その結果としてバッテリ34が冷却されることとなる。
このように、この実施の形態では、液体の気化熱を利用してバッテリを冷却するので、図14の実施の形態と同様に、外部環境が高温状態においても、バッテリが高温に晒されることがなくなり、これによってバッテリの性能を劣化させることなく、外部環境の高温状態に良好に対応できるとともに、バッテリの電力消費を防止することができる。また、この実施の形態では、たとえば液体を開口部から補充することができるので、繰り返し使用することが可能となって、バッテリ装置の製作コストを削減することもできる。
(実施の形態4)
図17は、2次バッテリを内蔵させた実施の形態4における内視鏡の模式図である。この図において、操作部22内には、照明光を導光する導光手段としてのライトガイドファイバ24が挿入されており、このライトガイドファイバ24は、操作部22内で屈曲され、一端が接続ソケット25内で固定される。さらに、接続ソケット25は、内部に照明ランプユニット27と、照明ランプユニット27からの照明光をライトガイドファイバ24の一端面に集光させる集光レンズ26を備える。
また、接続ソケット25は、バッテリ34のバッテリ正電極34aと電気的に接続されるコイルバネ28と、バッテリ34のバッテリ負電極34bと電気的に接続される接点ピン29と、接点ピン29を付勢させて突出させるスプリング30を備える。また、照明ランプユニット27は、照明光を出射するランプ32aと、ランプ32aを保持するランプホルダ53とを備える。この構成により、照明ランプユニット27が接続ソケット25に差し込まれると、コイルバネ28および接点ピン29が照明ランプユニット27に当接し、バッテリ34とランプ32aが電気的に接続される。そして、ランプ32aから出射された照明光が、集光レンズ26を介してライトガイドファイバ24の光入射端面に供給される。
バッテリユニット収容部33は、実施の形態1とほぼ同様の構成からなり、ランプ32aを点灯させるモード、ランプを消灯するモード、内視鏡2の操作部22に設けられた充電用接続端子32fを介してバッテリ34を充電するモード、のモード切換えを行うスイッチ32dと、バッテリ34およびユニット収容部33nを含むバッテリユニット33aと、このバッテリユニット33aを収容する収容部としての収容ケース33bと、収容ケース33b内にバッテリユニット33aを支持して固定する支持手段としての複数のリブ33cと、空気層33fと、バッテリユニット33aの電極部材33p,33qとを備える。また、バッテリユニット収容部33は、バッテリユニット33aの下方に、外部の電源供給装置(図示せず)から発振される給電用信号を電磁誘導によって取り込む給電用コイル33gを備える。
バッテリユニット33aは、実施の形態1と同様に、バッテリユニット33a内の温度を測定する温度センサ35と、この温度センサ35が電気的に接続されるICチップ36と、ICチップ36に接続されるペルチェ素子39とから構成される作動制御装置を備え、バッテリユニット33a内の温度に応じて、ペルチェ素子39の作動のオン/オフ制御を行っている。
また、この実施の形態では、バッテリユニット収容部33の外面に、放熱フィン40が設けられており、この放熱フィン40は、ユニット収容部33n、収容ケース33bおよびバッテリユニット収容部33を貫通する熱伝導棒41を介してペルチェ素子39と接続されている。
このように、この実施の形態では、実施の形態1と同様に、たとえばオートクレーブなどの外部環境の高温時に、バッテリを積極的に冷却するので、外部環境が高温状態においても、バッテリが高温に晒されることがなくなり、これによってバッテリの性能を劣化させることなく、外部環境の高温状態に良好に対応できる。
(実施の形態5)
図18は、図3に示したバッテリユニットの構成の実施の形態5を示す断面図である。図において、たとえば単三型の乾電池からなるバッテリ34を取り囲んでカバーする熱伝導低減手段としての、カバー33mと、バッテリ34の外面とカバー33mの内面との間に、熱伝導低減手段としての空気層33rと、バッテリ34の外面に当接し、かつバッテリ34を囲繞する熱伝導手段としての円筒形状の熱伝導部材70と、カバー33m内に熱伝導部材70を介在してバッテリ34を支持して固定する支持手段としての略半円柱形状の複数のリブ33sと、このカバー33mが収容されるユニット収容部33nと、本発明にかかる電極部としてのバッテリ34のバッテリ正電極34aおよび本発明にかかる第2の電極部としてのバッテリ負電極34bと接続する電極部材33p,33qとを備える。この電極部材33pは、バッテリユニット33aの外表面に設けられた本発明にかかる電極部材としての、たとえば肉薄の円板形状のバッテリユニット正電極33p1と、このバッテリユニット正電極33p1とバッテリ34のバッテリ正電極34aとを電気的に接続させる導電手段としての、導電線33p2とを備える。また、電極部材33qは、バッテリユニット33aの外表面に設けられた本発明にかかる第2の電極部材としての、たとえば肉薄の円板形状のバッテリユニット負電極33q1と、このバッテリユニット負電極33q1とバッテリ34のバッテリ負電極34bとを電気的に接続させる導電手段としての導電線33q2とを備える。これら電極33p1,33q1とユニット収容部33n間には、リング形状の空隙Cが設けられ、電極33p1,33q1とユニット収容部33nが直接接触して、バッテリ34がショートしないように構成されている。
なお、ユニット収容部33n内のバッテリ34が配置されている空間は、本発明にかかる熱伝導低減領域を構成し、ユニット収容部33nとカバー33mは、この熱伝導低減領域を形成するための、本発明にかかる熱伝導低減領域形成手段を構成している。また、本発明では、ユニット収容部33nを絶縁体により形成することで、空隙Cを設けないようにしても良い。また、空気層33rは、真空層で形成しても良い。さらに、この実施の形態では、単三型の電池を想定したが、本発明ではこれに限らず、電池の種類はどのようなものを使用しても良い。
カバー33mは、たとえば熱伝導率の低い材料である発泡スチロールからなる熱伝導低減部材により構成されるので、収容ケース33bからバッテリ34に熱が伝導することを防いでいる。また、カバーの強度が十分に高い場合には、このバッテリユニット33aは、ユニット収容部33nを必ずしも備える必要はない。このような構成により、バッテリユニット33aは、バッテリ34への熱伝導を低減させ、かつバッテリ装置の軽量化を図ることができ、操作者による操作性の向上の一助とすることができる。
バッテリユニット33aは、バッテリユニット内部の温度変化を測定して、ペルチェ素子39をオン/オフ制御する作動制御装置を備える。この作動制御装置は、バッテリユニット33a内の温度を測定する温度センサ35と、この温度センサ35が電気的に接続されるICチップ36と、ICチップ36に接続されるペルチェ素子39とを有する。なお、作動制御回路の構成は、図7のブロック図と同様の構成である。
すなわち、温度センサ35は、たとえばバッテリ34の下方で、バッテリユニット33aの底面にあたるカバー33m上に載置されている。そして、温度センサ35は、たとえばオートクレーブなどの外的環境で変化するバッテリユニット33a内の温度を測定している。
ICチップ36は、温度センサ35からの温度変化測定に伴う内部温度の変化を検知する温度検知回路37と、温度検知回路37から出力される検知信号に応じて、ペルチェ素子39の作動のオン/オフ制御を行う作動制御回路38とから構成されており、このICチップ36は、たとえばカバー33mの内壁に設けられている。なお、温度検知回路37は、バッテリ34の耐熱温度に基づいて、温度変化の有無の判断基準となる閾値を予め設定している。
この実施の形態では、この作動制御装置の電源には、バッテリ34による電源を用いている。作動制御回路38は、検知信号の入力の有無を監視しており、この検知信号の有無に応じて、ペルチェ素子39への電力供給をオン/オフ制御している。すなわち、作動制御回路38は、検知信号が入力しない通常状態では、閾値未満の通常温度と判断して、ペルチェ素子39への電力供給をオフ状態に制御して、バッテリ34の冷却を行わない。また、作動制御回路38は、検知信号が入力する高温状態では、閾値以上の高温状態と判断して、ペルチェ素子39への電力供給をオン状態に制御して、熱伝導部材70を介してバッテリ34全体を直接、かつ積極的に冷却させる。
ペルチェ素子39は、図18に示すように、バッテリ34を取り囲むように円筒形状に形成され、たとえばカバー33mの内周面に設けられている。このペルチェ素子39の内周面は、バッテリ34を冷却するための冷却面を形成し、外周面は、放熱を行うための放熱面を形成しており、冷却面を熱伝導部材70に当接している。この放熱面には、熱伝導棒41が設けられており、バッテリ装置3の外部に設けられた放熱フィン40への熱伝導を可能にしている。なお、放熱フィン40は、バッテリ装置3の外面に複数設けて、放熱効果を高めることも可能である。また、ペルチェ素子39は、上記円筒形状に限らず、たとえば曲面を有する板形状に形成することも可能であり、またバッテリ34に対して複数のペルチェ素子を設けることも可能である。この場合には、複数のペルチェ素子を、たとえばバッテリへの熱伝導の高い部分の近傍に設けて、バッテリ34の冷却効果を高めることも可能である。
このように、この実施の形態では、バッテリを熱伝導低減手段であるカバーで囲繞するとともに、バッテリユニットと収容ケースの間に空気層を形成させて、バッテリ装置外部から内部への熱伝導を低減させ、かつ熱伝導手段である熱伝導部材をバッテリに当接させるとともに、冷却手段であるペルチェ素子を、熱伝導部材とカバーの間に設け、たとえばオートクレーブなどの外部環境の高温時に、ペルチェ素子を作動させて熱伝導部材を介してバッテリ全体を積極的に冷却するので、外部環境が高温状態においても、バッテリが高温に晒されることがなくなり、これによってバッテリの性能を劣化させることなく、外部環境の高温状態に良好に対応できる。
図19は、図1に示したバッテリ装置における実施の形態5のA−A断面の概略構成を示す断面図である。図において、図18に示した上記実施の形態5の構成と異なる点は、収容ケース33bの内周面に、略円筒形状のペルチェ素子39を設けるとともに、ユニット収容部33nの枠体の外面に略円筒形状の熱伝導手段としての熱伝導部材71を当接させて設けて、この熱伝導部材71に冷却面を当接するペルチェ素子39によってユニット収容部33n全体を積極的に冷却することで、バッテリユニット33a全体を冷却する点である。
この例の場合には、ペルチェ素子39への電力供給をオン/オフ制御することで、熱伝導部材71を介してユニット収容部33n全体を積極的に冷却するので、バッテリ装置の外部環境が高温状態にあっても、バッテリユニットの外部環境は冷却によって高温状態には至っていないので、外部環境が高温状態においても、間接的にバッテリが高温に晒されることがなくなり、これによってバッテリの性能を劣化させることなく、外部環境の高温状態に良好に対応できる。
また、この実施の形態5では、ICチップ36を用いてペルチェ素子39の電力供給のオン/オフ制御を行ったが、本発明はこれに限らず、たとえばペルチェ素子39とバッテリ34を繋ぐ電源線に、磁界の印加によってオン/オフの切り替えを行うリードスイッチを設けることも可能である。すなわち、たとえばオートクレーブの開始直前に、このリードスイッチにバッテリ装置3の外部から磁界を加えることで、リードスイッチをオン動作させて、ペルチェ素子39に電力を供給して冷却を行う。そして、オートクレーブの終了時には、再びリードスイッチに磁界を加えてオフ動作させて、ペルチェ素子の電力供給を断にすることで、ペルチェ素子の電力供給を制御する。この場合には、温度センサやICチップが不要となり、部品点数を削減できるとともに、簡単な構成で外部からペルチェ素子39のオン/オフ動作を制御することができ、これにより上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
(実施の形態6)
図20は、2次バッテリを内蔵させた実施の形態6における内視鏡の模式図である。この図において、操作部22内には、照明光を導光する導光手段としてのライトガイドファイバ24が挿入されており、このライトガイドファイバ24は、操作部22内で屈曲され、一端が接続ソケット25内で固定される。さらに、接続ソケット25は、内部に照明ランプユニット27と、照明ランプユニット27からの照明光をライトガイドファイバ24の一端面に集光させる集光レンズ26を備える。
また、接続ソケット25は、バッテリ34のバッテリ正電極34aと電気的に接続されるコイルバネ28と、バッテリ34のバッテリ負電極34bと電気的に接続される接点ピン29と、接点ピン29を付勢させて突出させるスプリング30を備える。また、照明ランプユニット27は、照明光を出射するランプ32aと、ランプ32aを保持するランプホルダ53とを備える。この構成により、照明ランプユニット27が接続ソケット25に差し込まれると、コイルバネ28および接点ピン29が照明ランプユニット27に当接し、バッテリ34とランプ32aが電気的に接続される。そして、ランプ32aから出射された照明光が、集光レンズ26を介してライトガイドファイバ24の光入射端面に供給される。
バッテリユニット収容部33は、実施の形態1とほぼ同様の構成からなり、ランプ32aを点灯させるモード、ランプを消灯するモード、内視鏡2の操作部22に設けられた充電用接続端子32fを介してバッテリ34を充電するモード、のモード切換えを行うスイッチ32dと、バッテリ34およびユニット収容部33nを含むバッテリユニット33aと、このバッテリユニット33aを収容する収容部としての収容ケース33bと、収容ケース33b内にバッテリユニット33aを支持して固定する支持手段としての複数のリブ33cと、空気層33fと、バッテリユニット33aの電極部材33p,33qとを備える。また、バッテリユニット収容部33は、バッテリユニット33aの下方に、外部の電源供給装置(図示せず)から発振される給電用信号を電磁誘導によって取り込む給電用コイル33gを備える。
バッテリユニット33aは、実施の形態5と同様に、バッテリ34の外面に当接し、かつバッテリ34を囲繞する熱伝導手段としての円筒形状の熱伝導部材70と、バッテリユニット33a内の温度を測定する温度センサ35と、この温度センサ35が電気的に接続されるICチップ36と、ICチップ36に接続されるとともに、冷却面が熱伝導部材70に当接するペルチェ素子39とから構成される作動制御装置を備え、バッテリユニット33a内の温度に応じて、ペルチェ素子39の作動のオン/オフ制御を行っている。
また、この実施の形態では、バッテリユニット収容部33の外面に、放熱フィン40が設けられており、この放熱フィン40は、ユニット収容部33n、収容ケース33bおよびバッテリユニット収容部33を貫通する熱伝導棒41を介してペルチェ素子39と接続されている。
このように、この実施の形態では、実施の形態5と同様に、たとえばオートクレーブなどの外部環境の高温時に、ペルチェ素子を作動させて熱伝導部材を介してバッテリ全体を積極的に冷却するので、外部環境が高温状態においても、バッテリが高温に晒されることがなくなり、これによってバッテリの性能を劣化させることなく、外部環境の高温状態に良好に対応できる。
また、通常の内視鏡の操作部などは、ポリサルフォンやノリルなどの素材で構成されているが、本発明にかかる熱伝導低減部材は、これらの素材よりも断熱効果が高い、たとえば発泡スチロールなどを用いるのが好ましい。
また、上述した実施の形態では、本発明にかかるバッテリユニットを内視鏡装置に用いた場合を説明したが、本発明はこれに限らず、たとえば電気メス、超音波手術器具、熱メス、ドリル、シェーバー、ステーブラー、口頭鏡、超音波観測装置、カプセル型内視鏡などの滅菌を必要とする手術用器具もしくは検査用器具および観測用器具の電源としても用いることが可能である。また、人工臓器やペースメーカーなどの滅菌を必要とする体内埋め込み器具の電源としても用いることが可能である。また、観測用に使用されるモニターやレーザーポインターなどの手術室の清潔域で使用する機器の電源としても用いることが可能である。さらには医療器具に限らず、火災現場やプラントなどの高温および低温のタンクや配管などを観察するときに用いられる工業用の内視鏡、宇宙ステーションで用いられ、高温から低温の温度条件の厳しい宇宙環境で使用される機器(たとえば作業用マニピュレータや自立移動するロボットなど)の電源としても用いることが可能である。これら内視鏡装置、医療器具などは、本発明にかかるバッテリ装置の一部を構成するものである。