JP2006215169A - 熱現像感光材料およびその製造方法 - Google Patents
熱現像感光材料およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006215169A JP2006215169A JP2005026328A JP2005026328A JP2006215169A JP 2006215169 A JP2006215169 A JP 2006215169A JP 2005026328 A JP2005026328 A JP 2005026328A JP 2005026328 A JP2005026328 A JP 2005026328A JP 2006215169 A JP2006215169 A JP 2006215169A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- salt
- silver
- general formula
- photothermographic material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Abandoned
Links
Landscapes
- Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
Abstract
Description
本発明は、医療診断用フィルム分野や写真製版フィルム分野等に好適に用いられる熱現像感光材料およびその製造方法に関する。
近年、医療分野や印刷製版分野において環境保全、省スペースの観点から写真現像処理のドライ化が強く望まれている。これらの分野では、デジタル化が進展し、画像情報をコンピューターに取り込み、保存、そして必要な場合には加工し、通信によって必要な場所で、レーザー・イメージセッターまたはレーザー・イメージャーにより熱現像感光材料に出力し、現像して画像をその場で作製するシステムが急速に広がってきている。熱現像感光材料としては、高い照度のレーザー露光で記録することができ、高解像度および鮮鋭さを有する鮮明な黒色画像を形成することがが必要とされている。このようなデジタル・イメージング記録材料としては、インクジェットプリンター、電子写真など顔料、染料を利用した各種ハードコピーシステムが流通しているが、医療用画像用途としては診断能力を決定する画質(鮮鋭度、粒状性、階調、および画像色調)の点、記録スピード(感度)の点で、不満足であり、従来の湿式現像の医療用ハロゲン化銀フィルムを代替できるレベルに到達していない。
有機銀塩を利用した熱現像感光材料が既に知られている。熱現像感光材料は、還元可能な銀塩(例、有機銀塩)、感光性ハロゲン化銀、必要により銀の色調を制御する色調剤を、バインダーのマトリックス中に分散して含有する画像形成層を有している。
熱現像感光材料を画像露光後、高温(例えば80℃以上)に加熱すると、ハロゲン化銀あるいは還元可能な銀塩(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応が起こり、黒色の銀画像が形成される。この酸化還元反応は、画像露光で発生したハロゲン化銀の潜像の触媒作用により促進される。その結果、露光領域に黒色の銀画像が形成される(特許文献1、2,および非特許文献1参照。)。
有機銀塩を利用した熱画像感光材料の製造方法としては、従来、溶剤塗布により製造する方法が一般的であったが、最近、主バインダーとして水に分散したポリマー微粒子をバインダーとして含有する画像形成層塗布液を用いた製造方法が開発されている(特許文献3参照。)。後者の方法は溶剤の回収等の工程が不要なため製造設備が簡単であり、環境負荷も小さくかつ大量生産に有利である。
この様な有機銀塩を利用した熱現像感光材料は、画像形成に必要な全ての要素を膜中に予め含有していて、露光後に加熱するだけで画像を形成できることに大きな特徴を有している。しかしながら、その反面、解決するべき技術的課題も多い。
特に感度を高めることは、これらの画像記録材料の用途分野の拡大、記録スピードの向上、放射線記録材料の分野では被爆線量の低減等の目的から、常に要求される課題であった。感光性ハロゲン化銀の感度を高める手段については、既に湿式ハロゲン化銀感光材料において、種々の開発がなされていて、極めて高いレベルにまで到達している。しかしながら、熱現像感光材料に関しては、これらの技術が十分応用できていないのが現状である。その大きな理由は、かぶりの増大や保存性の悪化という熱現像感光材料の特有の問題を伴うからであった。
水酸基を有するアセチレン化合物が、有機銀塩を利用した熱画像感光材料の現像促進剤として提案されている(特許文献4参照。)。また、カラー熱画像感光材料においてアセチレン銀を有機銀塩として用いることも知られている((特許文献5参照。)。
米国特許第3152904号公報
米国特許第3457075号公報
特開平10−010670号公報
特開平11−295847号公報
特開昭63−217347号公報
D.H.Klosterboer著、「熱によって処理される銀システム(Thermally Processed Silver Systems)」(イメージング・プロセッシーズ・アンド・マテリアルズ(Imaging Processes and Materials)Neblette第8版、スタージ(Sturge)、V.ウオールワース(Walworth)、A.シェップ(Shepp)編集、第9章、第279頁、1989年発行
本発明の目的は、低かぶりで高感度であり、生保存性に優れた熱現像感光材料およびその製造方法を提供することにある。
上記課題は、以下の手段により解決された。
<1> 支持体の少なくとも一方の面上に、少なくとも感光性ハロゲン化銀、非感光性脂肪酸銀塩、還元剤及びバインダーを含有する画像形成層を有する熱現像感光材料であって、かぶり防止剤として下記一般式(I)で表されるアセチレン化合物又はその塩を含有することを特徴とする熱現像感光材料:
(式中、R1は置換または無置換のアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基である。但し、R1はアセチレン基に隣接する位置に置換基として水酸基を有することはない。)。
<2> 前記感光性ハロゲン化銀の平均粒子サイズが0.01μm以上0.20μm以下であることを特徴とする<1>に記載の熱現像感光材料。
<3> 前記バインダーがポリマーラテックスより形成されてなることを特徴とする<1>または<2>に記載の熱現像感光材料。
<4> 前記一般式(I)で表される化合物又は塩が下記一般式(II)で表される化合物又は塩であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項に熱現像感光材料:
<1> 支持体の少なくとも一方の面上に、少なくとも感光性ハロゲン化銀、非感光性脂肪酸銀塩、還元剤及びバインダーを含有する画像形成層を有する熱現像感光材料であって、かぶり防止剤として下記一般式(I)で表されるアセチレン化合物又はその塩を含有することを特徴とする熱現像感光材料:
<2> 前記感光性ハロゲン化銀の平均粒子サイズが0.01μm以上0.20μm以下であることを特徴とする<1>に記載の熱現像感光材料。
<3> 前記バインダーがポリマーラテックスより形成されてなることを特徴とする<1>または<2>に記載の熱現像感光材料。
<4> 前記一般式(I)で表される化合物又は塩が下記一般式(II)で表される化合物又は塩であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項に熱現像感光材料:
(式中、R2は置換または無置換のアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し、R3は水素原子またはベンゼン環に置換し得る置換基を表し、n1は1〜5の整数を表し、n2は0または1〜4の整数を表す。)。
<5> 前記一般式(II)で表される化合物又は塩が下記一般式(III)で表される化合物又は塩であることを特徴とする<4>に記載の熱現像感光材料:
<5> 前記一般式(II)で表される化合物又は塩が下記一般式(III)で表される化合物又は塩であることを特徴とする<4>に記載の熱現像感光材料:
(式中、R2は一般式(II)におけると同義である。)。
<6> 前記感光性ハロゲン化銀が金増感されていることを特徴とする<1>〜<5>のいずれか1項に熱現像感光材料。
<7> 前記バインダーが、下記一般式(M)で表されるモノマー成分を10質量%以上70質量%以下有するポリマーであることを特徴とする<1>〜<6>のいずれか1項に記載の熱現像感光材料:
<6> 前記感光性ハロゲン化銀が金増感されていることを特徴とする<1>〜<5>のいずれか1項に熱現像感光材料。
<7> 前記バインダーが、下記一般式(M)で表されるモノマー成分を10質量%以上70質量%以下有するポリマーであることを特徴とする<1>〜<6>のいずれか1項に記載の熱現像感光材料:
(式中、R01およびR02は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、およびシアノ基より選ばれる基である。)。
<8> 前記一般式(M)のR01およびR02が共に水素原子、または一方が水素原子であり、他方がメチル基であることを特徴とする<7>に記載の熱現像感光材料。
<9> 下記一般式(A−1)または(A−2)で表される熱現像促進剤の少なくとも1種を含有することを特徴とする<1>〜<8>のいずれか1項に記載の熱現像感光材料:
<8> 前記一般式(M)のR01およびR02が共に水素原子、または一方が水素原子であり、他方がメチル基であることを特徴とする<7>に記載の熱現像感光材料。
<9> 下記一般式(A−1)または(A−2)で表される熱現像促進剤の少なくとも1種を含有することを特徴とする<1>〜<8>のいずれか1項に記載の熱現像感光材料:
(式中、Q1は炭素原子で−NHNH−Q2と結合する芳香族基、又はヘテロ環基を表し、Q2はカルバモイル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホニル基、又はスルファモイル基を表す。);
(式中、R1はアルキル基、アシル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基を表す。R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルオキシ基、炭酸エステル基を表す。R3、R4はそれぞれ独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。R3とR4は互いに連結して縮合環を形成してもよい。)。
<10> 前記<1>〜<9>のいずれか1項に記載の熱現像感光材料の製造方法であって、前記一般式(I)、(II)、および(III)で表される少なくとも1種の化合物を前記感光性ハロゲン化銀、前記非感光性脂肪酸銀塩、前記画像形成層の塗布液、もしくはその隣接する層塗布液に添加にすることを特徴とする熱現像感光材料の製造方法。
<11> 前記一般式(I)、(II)、および(III)で表される少なくとも1種の化合物を前記感光性ハロゲン化銀に添加することを特徴とする<10>に記載の熱現像感光材料の製造方法。
<10> 前記<1>〜<9>のいずれか1項に記載の熱現像感光材料の製造方法であって、前記一般式(I)、(II)、および(III)で表される少なくとも1種の化合物を前記感光性ハロゲン化銀、前記非感光性脂肪酸銀塩、前記画像形成層の塗布液、もしくはその隣接する層塗布液に添加にすることを特徴とする熱現像感光材料の製造方法。
<11> 前記一般式(I)、(II)、および(III)で表される少なくとも1種の化合物を前記感光性ハロゲン化銀に添加することを特徴とする<10>に記載の熱現像感光材料の製造方法。
本発明により、低かぶりで高感度であり、生保存性に優れた熱現像感光材料およびその製造方法を提供することができる。
本発明の熱現像感光材料は、支持体の少なくとも一方の面上に、少なくとも感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、還元剤及びバインダーを含有する画像形成層を有する熱現像感光材料であって、前記非感光性有機銀塩が脂肪酸銀塩であり、かぶり防止剤として下記一般式(I)で表されるアセチレン化合物又は塩を含有する。
好ましくは、前記一般式(I)で表される化合物又は塩が下記一般式(II)で表される化合物又は塩であり、より好ましくは下記一般式(III)で表される化合物又は塩である。
式中、R2は置換または無置換のアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し、R3は水素原子またはベンゼン環に置換し得る置換基を表し、n1は1〜5の整数を表し、n2は0または1〜4の整数を表す。
式中、R2は一般式(II)におけると同義である。
好ましくは、前記感光性ハロゲン化銀の平均粒子サイズが0.01μm以上0.20μm以下である。さらに好ましくは、前記感光性ハロゲン化銀が金増感されている。
好ましくは、前記バインダーがポリマーラテックスより形成されてなる。好ましくは、前記バインダーが、下記一般式(M)で表されるモノマー成分を10質量%以上70質量%以下有するポリマーである。
好ましくは、前記感光性ハロゲン化銀の平均粒子サイズが0.01μm以上0.20μm以下である。さらに好ましくは、前記感光性ハロゲン化銀が金増感されている。
好ましくは、前記バインダーがポリマーラテックスより形成されてなる。好ましくは、前記バインダーが、下記一般式(M)で表されるモノマー成分を10質量%以上70質量%以下有するポリマーである。
式中、R01およびR02は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、およびシアノ基より選ばれる基である。
より好ましくは、前記一般式(M)のR01およびR02が共に水素原子、または一方が水素原子であり、他方がメチル基である。
本発明の熱現像感光材料は、好ましくは、下記一般式(A−1)または(A−2)で表される熱現像促進剤の少なくとも1種を含有する。
より好ましくは、前記一般式(M)のR01およびR02が共に水素原子、または一方が水素原子であり、他方がメチル基である。
本発明の熱現像感光材料は、好ましくは、下記一般式(A−1)または(A−2)で表される熱現像促進剤の少なくとも1種を含有する。
式中、Q1は炭素原子で−NHNH−Q2と結合する芳香族基、又はヘテロ環基を表し、Q2はカルバモイル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホニル基、又はスルファモイル基を表す。
式中、R1はアルキル基、アシル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基を表す。R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルオキシ基、炭酸エステル基を表す。R3、R4はそれぞれ独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。R3とR4は互いに連結して縮合環を形成してもよい。
以下に詳細に本発明の熱現像感光材料について説明する。
以下に詳細に本発明の熱現像感光材料について説明する。
(一般式(I)で表される化合物の説明)
本発明の熱現像感光材料は一般式(I)で表される化合物又は塩を含有する。
本発明の熱現像感光材料は一般式(I)で表される化合物又は塩を含有する。
好ましくは、前記一般式(I)で表される化合物が下記一般式(II)で表される化合物又は塩である。
式中、R2は置換または無置換のアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し、R3は水素原子またはベンゼン環に置換し得る置換基を表し、n1は1〜5の整数を表し、n2は0または1〜4の整数を表す。
さらに好ましくは、前記一般式(II)で表される化合物が下記一般式(III)で表される化合物又は塩である。
式中、R2は一般式(II)におけると同義である。
前記一般式(I)、(II)、及び(III)で表される化合物の塩としては、アルカリ金属塩(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなど)、アンモニウム塩、アルキルアンモニア塩、およびホスホニウム塩などが好ましい。
前記一般式(I)、(II)、及び(III)で表される化合物の塩としては、アルカリ金属塩(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなど)、アンモニウム塩、アルキルアンモニア塩、およびホスホニウム塩などが好ましい。
以下に一般式(I)、(II)、および(III)について詳細に説明する。
一般式(I)におけるR1のアルキル基は直鎖でも分枝していてもよく、アルキル基の例としては、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、ヘブチル基、オクチル基、ドデシル基、ペンタデシル基等であり、また置換アルキル基の置換基の例としては、アルコキシ基(例えばメトキシ基等)、アセチレン基又はその塩、アリールオキシ基、アシルオキシ基、複素環オキシ基、ヒドロオキシ基、カルボキシル基またはその塩、ホルミル基、アシル基、置換または非置換のカルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルフィノ基またはその塩、スルホ基またはその塩、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、置換または非置換のスルファモイル基、アルコキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、アシルアミノ基、置換または非置換のウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、ハロゲン原子、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、置換または非置換のスルファモイルアミノ基、置換もしくは非置換のアミノ基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、複素環基、アルキニル基(例えばエチニル基)等である。これらの置換基は2つ以上あってもよい。
一般式(I)におけるR1のアルキル基は直鎖でも分枝していてもよく、アルキル基の例としては、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、ヘブチル基、オクチル基、ドデシル基、ペンタデシル基等であり、また置換アルキル基の置換基の例としては、アルコキシ基(例えばメトキシ基等)、アセチレン基又はその塩、アリールオキシ基、アシルオキシ基、複素環オキシ基、ヒドロオキシ基、カルボキシル基またはその塩、ホルミル基、アシル基、置換または非置換のカルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルフィノ基またはその塩、スルホ基またはその塩、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、置換または非置換のスルファモイル基、アルコキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、アシルアミノ基、置換または非置換のウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、ハロゲン原子、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、置換または非置換のスルファモイルアミノ基、置換もしくは非置換のアミノ基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、複素環基、アルキニル基(例えばエチニル基)等である。これらの置換基は2つ以上あってもよい。
R1のシクロアルキル基の例としては、シクロベンチル基、シクロヘキシル基、デカヒドロナフチル基等;アルケニル基の例としては、プロペニル基、イソプロペニル基、スチリル基等;アルキニル基の例としては、エチニル基、フェニルエチニル基等;アラルキル基の例としてはベンジル基、フェネチル基等を挙げることができる。これらの基はアルキル基のところで説明した置換基を有していてもよい。また、置換基は2つ以上あってもよい。
但し、R1がアルキル基またはシクロアルキル基の場合、R1はアセチレン基に隣接する位置に置換基として水酸基を有することはない。
但し、R1がアルキル基またはシクロアルキル基の場合、R1はアセチレン基に隣接する位置に置換基として水酸基を有することはない。
R1のアリール基の例としては、フェニル基、ナフチル基等があり、また置換アリール基の置換基の例としては、アルキル基(メチル基、ドデシル基等)、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルキニル基、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、置換もしくは非置換のアミノ基、アシルアミノ基、アセチレン基又はその塩、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、置換または非置換のスルファモイルアミノ基、水酸基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシ基、アシルオキシ基、複素環基(5員〜6員環、なかでも含窒素複素環が好ましい)、アルコキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、メルカプト基、ホルミル基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボン酸基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、スルフィノ基またはその塩、ハロゲン原子(弗素、臭素、塩素、沃素)、置換もしくは非置換の、ウレイド基、カルバモイル基、スルファモイル基等である。
これらの置換基は、さらに置換されていてもよい。また上に例記したような置換基は2つ以上あってもよい。
これらの置換基は、さらに置換されていてもよい。また上に例記したような置換基は2つ以上あってもよい。
R1の複素環基としては5員もしくは6員のものが好ましく、例えばフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、ピリジル基、キノリン基などがある。これらの複素環基は、上記置換アリール基と同様の置換基を有してもよい。
以下一般式(II)におけるR2について詳細に説明する。
アルキル基の場合は、直鎖でも分枝しても良く、アルキル基の例としては、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ターシャルブチル基、ベンチル基、ヘキシル基、ヘブチル基、イソヘブチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基である。また置換アルキル基の置換基の例としては、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、複素環基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、沃素)、水酸基、アルコキシ基、アセチレン基又はその塩、アリールオキシ基、アシルオキシ基、複素環オキシ基、カルボキシル基またはその塩、ホルミル基、アシル基、置換または無置換のカルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルフィノ基またはその塩、スルホ基またはその塩、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、置換または無置換のスルファモイル基、アルコキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、置換または無置換のアミノ基、アシルアミノ基、置換または無置換のウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、置換または無置換のスルファモイルアミノ基、ニトロ基、ニトロソ基等である。これらの基は2つ以上存在してもよいし、その置換基がさらに置換されていてもよい。
アルキル基の場合は、直鎖でも分枝しても良く、アルキル基の例としては、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ターシャルブチル基、ベンチル基、ヘキシル基、ヘブチル基、イソヘブチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基である。また置換アルキル基の置換基の例としては、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、複素環基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、沃素)、水酸基、アルコキシ基、アセチレン基又はその塩、アリールオキシ基、アシルオキシ基、複素環オキシ基、カルボキシル基またはその塩、ホルミル基、アシル基、置換または無置換のカルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルフィノ基またはその塩、スルホ基またはその塩、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、置換または無置換のスルファモイル基、アルコキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、置換または無置換のアミノ基、アシルアミノ基、置換または無置換のウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、置換または無置換のスルファモイルアミノ基、ニトロ基、ニトロソ基等である。これらの基は2つ以上存在してもよいし、その置換基がさらに置換されていてもよい。
シクロアルキル基の例としては、シクロベンチル基、シクロヘキシル基、デカヒドロナフチル基等;アルケニル基の例としては、プロペニル基、イソプロペニル基、スチリル基等を挙げることができる。これらの基はアルキル基のところで説明した置換基を有していてもよい。また、置換基は2つ以上あってもよい。
アリール基の例としては、フェニル基、ナフチル基等があり、また置換アリール基の置換基の例としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、複素環基(5員〜6員環、なかでも含窒素複素環が好ましい)、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、沃素)、水酸基、アルコキシ基、アセチレン基又はその塩、アリールオキシ基、アシルオキシ基、複素環オキシ基、カルボキシル基またはその塩、ホルミル基、アシル基、置換または無置換のカルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルフィノ基またはその塩、スルホ基またはその塩、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、置換または無置換のスルファモイル基、アルコキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、置換または無置換のアミノ基、アシルアミノ基、置換または無置換のウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、置換または無置換のスルファモイルアミノ基、ニトロ基、ニトロソ基等である。これらの置換基は、さらに置換されていてもよい。また上に例記したような置換基は2つ以上あってもよい。
アラルキル基の例としては、ベンジル基やフェネチル基がある。これらの置換基はアルキル基もしくはアリール基のところで説明した置換基を1つまたはそれ以上有していてもよいし、その置換基がさらに置換されていてもよい。
複素環基としては5員もしくは6員のものが好ましく、例えばフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、ピリジル基、キノリン基などがある。これらの複素環基は、上記置換アリール基と同様の置換基を有してもよい。
アルキレン基の例としてはメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基等であり;アリーレン基の例としては(o-、m-、p-)フェニレン基、(1,4−など)ナフチレン基等があり;シクロアルキレン基の例としてはシクロヘキシレン基等がある。
上記の二価残基は、アルキル基やアリール基のところで説明した置換基を1つまたはそれ以上有していてもよいし、その置換基がさらに置換されていてもよい。
これらの中でもR3として、炭素数3以上の、アルキル基あるいはシクロアルキル基である化合物が好ましい。さらに好ましくはR3として、炭素数3から10のアルキル基、あるいはシクロアルキル基である化合物である。
一般式(III)におけるR3としては、アルキル基(メチル基、ドデシル基等)、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルキニル基、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、置換もしくは非置換のアミノ基、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、置換または非置換のスルファモイルアミノ基、水酸基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシ基、アシルオキシ基、複素環基(5員〜6員環、なかでも含窒素複素環が好ましい)、アルコキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、メルカプト基、ホルミル基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボン酸基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、スルフィノ基またはその塩、ハロゲン原子(弗素、臭素、塩素、沃素)、置換もしくは非置換の、ウレイド基、カルバモイル基、スルファモイル基等である。置換基としては、上記の一般式(I)および(II)で説明した置換基が挙げられる。
これらの置換基は、さらに置換されていてもよい。また上に例記したような置換基は2つ以上あってもよい。
これらの置換基は、さらに置換されていてもよい。また上に例記したような置換基は2つ以上あってもよい。
n1は好ましくは1又は2である。n2は好ましくは0である。
以下に本発明の具体例を示す。
以下に本発明の具体例を示す。
本発明における一般式(III)で表されるアセチレン化合物は、下記4−エチニルアニリンとカルボン酸の酸塩化物との縮合反応から容易に得られる。
また4−エチニルアニリンはHELVETICA CHIMICA ACTA、54巻、2066頁(1971年)に記載される方法で合成できる。
<添加方法>
本発明における一般式(I)で表される化合物は溶液形態、乳化分散形態、固体微粒子分散物形態など、いかなる方法で塗布液に含有せしめ、熱現像感光材料に含有させてもよい。
よく知られている乳化分散法としては、ジブチルフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルセバケートあるいはトリ(2−エチルヘキシル)ホスフェートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムやオレオイル−N−メチルタウリン酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム等の界面活性剤を添加して機械的に乳化分散物を作製する方法が挙げられる。このとき、油滴の粘度や屈折率の調製の目的でαメチルスチレンオリゴマーやポリ(t−ブチルアクリルアミド)等のポリマーを添加することも好ましい。
本発明における一般式(I)で表される化合物は溶液形態、乳化分散形態、固体微粒子分散物形態など、いかなる方法で塗布液に含有せしめ、熱現像感光材料に含有させてもよい。
よく知られている乳化分散法としては、ジブチルフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルセバケートあるいはトリ(2−エチルヘキシル)ホスフェートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムやオレオイル−N−メチルタウリン酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム等の界面活性剤を添加して機械的に乳化分散物を作製する方法が挙げられる。このとき、油滴の粘度や屈折率の調製の目的でαメチルスチレンオリゴマーやポリ(t−ブチルアクリルアミド)等のポリマーを添加することも好ましい。
また、固体微粒子分散法としては、一般式(I)で表される化合物の粉末を水等の適当な溶媒中にボールミル、コロイドミル、振動ボールミル、サンドミル、ジェットミル、ローラーミルあるいは超音波によって分散し、固体分散物を作製する方法が挙げられる。尚、その際に保護コロイド(例えば、ポリビニルアルコール)、界面活性剤(例えばトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム(3つのイソプロピル基の置換位置が異なるものの混合物)などのアニオン性界面活性剤)を用いてもよい。上記ミル類では分散媒体としてジルコニア等のビーズが使われるのが普通であり、これらのビーズから溶出するZr等が分散物中に混入することがある。分散条件にもよるが通常は1ppm以上1000ppm以下の範囲である。感材中のZrの含有量が銀1g当たり0.5mg以下であれば実用上差し支えない。
水分散物には防腐剤(例えばベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩)を含有させることが好ましい。
水分散物には防腐剤(例えばベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩)を含有させることが好ましい。
<添加層>
本発明における一般式(I)で表される化合物は、支持体の画像形成層を有する面側のいずれかの層に含有される。好ましくは画像形成層又はその隣接層に添加して用いられ、より好ましくは画像形成層に添加される。画像形成層に添加する場合、感光性ハロゲン化銀、あるいは非感光性脂肪酸銀塩と本発明における一般式(I)で表される化合物を予め混合して後に他の画像形成層成分と混合しても、前記画像形成層塗布液の調製時に混合しても良い。より好ましくは、感光性ハロゲン化銀、あるいは非感光性脂肪酸銀塩と本発明における一般式(I)で表される化合物を予め混合すことであり、最も好ましくは感光性ハロゲン化銀と予め混合することである。それによって、本発明における一般式(I)で表される化合物はより少ない量でより有効に作用し得る。
本発明における一般式(I)で表される化合物は、支持体の画像形成層を有する面側のいずれかの層に含有される。好ましくは画像形成層又はその隣接層に添加して用いられ、より好ましくは画像形成層に添加される。画像形成層に添加する場合、感光性ハロゲン化銀、あるいは非感光性脂肪酸銀塩と本発明における一般式(I)で表される化合物を予め混合して後に他の画像形成層成分と混合しても、前記画像形成層塗布液の調製時に混合しても良い。より好ましくは、感光性ハロゲン化銀、あるいは非感光性脂肪酸銀塩と本発明における一般式(I)で表される化合物を予め混合すことであり、最も好ましくは感光性ハロゲン化銀と予め混合することである。それによって、本発明における一般式(I)で表される化合物はより少ない量でより有効に作用し得る。
<添加量>
本発明における一般式(I)で表される化合物の添加量は、添加方法によって大きく異なるが、感光性ハロゲン化銀1モル当たり1.0×10-8モル〜1.0×10-1モルである。感光性ハロゲン化銀と予め混合する場合は、本発明における一般式(I)で表される化合物の添加量は、好ましくは、1.0×10-8モル〜1.0×10-3モル、より好ましくは1.0×10-7モル〜1.0×10-4モルである。
非感光性脂肪酸銀塩と予め混合して用いられる場合、あるいは画像形成層塗布液の調製時に混合して用いられる場合、本発明における一般式(I)で表される化合物の添加量は、好ましくは、1.0×10-7モル〜1.0×10-1モル、より好ましくは1.0×10-6モル〜1.0×10-2モルである。
本発明における一般式(I)で表される化合物の添加量は、添加方法によって大きく異なるが、感光性ハロゲン化銀1モル当たり1.0×10-8モル〜1.0×10-1モルである。感光性ハロゲン化銀と予め混合する場合は、本発明における一般式(I)で表される化合物の添加量は、好ましくは、1.0×10-8モル〜1.0×10-3モル、より好ましくは1.0×10-7モル〜1.0×10-4モルである。
非感光性脂肪酸銀塩と予め混合して用いられる場合、あるいは画像形成層塗布液の調製時に混合して用いられる場合、本発明における一般式(I)で表される化合物の添加量は、好ましくは、1.0×10-7モル〜1.0×10-1モル、より好ましくは1.0×10-6モル〜1.0×10-2モルである。
(非感光性有機銀塩)
1)組成
本発明に用いることのできる有機銀塩は、光に対して比較的安定であるが、露光された感光性ハロゲン化銀及び還元剤の存在下で、80℃或いはそれ以上に加熱された場合に銀イオン供給体として機能し、銀画像を形成せしめる銀塩である。有機銀塩は還元剤により還元されうる銀イオンを供給できる任意の有機物質であってよい。このような非感光性の有機銀塩については、特開平10−62899号の段落番号0048〜0049、欧州特許公開第0803764A1号の第18ページ第24行〜第19ページ第37行、欧州特許公開第0962812A1号、特開平11−349591号、特開2000−7683号、同2000−72711号等に記載されている。
本発明に用いることのできる有機銀塩は、脂肪酸銀塩であって、特に炭素数が10〜30、さらに好ましくは15〜28の長鎖脂肪族カルボン酸銀が好ましい。長鎖脂肪族カルボン酸銀の好ましい例としては、リグノセリン酸銀、ベヘン酸銀、アラキジン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプロン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、エルカ酸銀およびこれらの混合物などを含む。本発明においては、これら脂肪酸銀の中でも、ベヘン酸銀含有率が好ましくは50モル%以上100モル%以下、より好ましくは85モル%以上100モル%以下、さらに好ましくは95モル%以上100モル%以下の脂肪酸銀を用いることが好ましい。更に、エルカ酸銀含有率が2モル%以下、より好ましくは1モル%以下、更に好ましくは0.1モル%以下の脂肪酸銀を用いることが好ましい。
1)組成
本発明に用いることのできる有機銀塩は、光に対して比較的安定であるが、露光された感光性ハロゲン化銀及び還元剤の存在下で、80℃或いはそれ以上に加熱された場合に銀イオン供給体として機能し、銀画像を形成せしめる銀塩である。有機銀塩は還元剤により還元されうる銀イオンを供給できる任意の有機物質であってよい。このような非感光性の有機銀塩については、特開平10−62899号の段落番号0048〜0049、欧州特許公開第0803764A1号の第18ページ第24行〜第19ページ第37行、欧州特許公開第0962812A1号、特開平11−349591号、特開2000−7683号、同2000−72711号等に記載されている。
本発明に用いることのできる有機銀塩は、脂肪酸銀塩であって、特に炭素数が10〜30、さらに好ましくは15〜28の長鎖脂肪族カルボン酸銀が好ましい。長鎖脂肪族カルボン酸銀の好ましい例としては、リグノセリン酸銀、ベヘン酸銀、アラキジン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプロン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、エルカ酸銀およびこれらの混合物などを含む。本発明においては、これら脂肪酸銀の中でも、ベヘン酸銀含有率が好ましくは50モル%以上100モル%以下、より好ましくは85モル%以上100モル%以下、さらに好ましくは95モル%以上100モル%以下の脂肪酸銀を用いることが好ましい。更に、エルカ酸銀含有率が2モル%以下、より好ましくは1モル%以下、更に好ましくは0.1モル%以下の脂肪酸銀を用いることが好ましい。
また、ステアリン酸銀含有率が1モル%以下であることが好ましい。前記ステアリン酸銀含有率を1モル%以下とすることにより、Dminが低く、高感度で画像保存性に優れた有機酸の銀塩が得られる。前記ステアリン酸銀含有率としては、0.5モル%以下が好ましく、実質的に含まないことが特に好ましい。
さらに、有機酸の銀塩としてアラキジン酸銀を含む場合は、アラキジン酸銀含有率が6モル%以下であることが、低いDminを得ること及び画像保存性の優れた有機酸の銀塩を得る点で好ましく、3モル%以下であることが更に好ましい。
2)形状
本発明に用いることができる有機銀塩の形状としては特に制限はなく、針状、棒状、平板状、りん片状いずれでもよい。
本発明においてはりん片状の有機銀塩が好ましい。また、長軸と単軸の長さの比が5以下の短針状、直方体、立方体またはジャガイモ状の不定形粒子も好ましく用いられる。これらの有機銀粒子は長軸と単軸の長さの比が5を越える長針状粒子に比べて熱現像時のかぶりが少ないという特徴を有している。特に、長軸と単軸の比が3以下の粒子は塗布膜の機械的安定性が向上し好ましい。本明細書において、りん片状の有機銀塩とは、次のようにして定義する。有機酸銀塩を電子顕微鏡で観察し、有機酸銀塩粒子の形状を直方体と近似し、この直方体の辺を一番短かい方からa、b、cとした(cはbと同じであってもよい。)とき、短い方の数値a、bで計算し、次のようにしてxを求める。
x=b/a
本発明に用いることができる有機銀塩の形状としては特に制限はなく、針状、棒状、平板状、りん片状いずれでもよい。
本発明においてはりん片状の有機銀塩が好ましい。また、長軸と単軸の長さの比が5以下の短針状、直方体、立方体またはジャガイモ状の不定形粒子も好ましく用いられる。これらの有機銀粒子は長軸と単軸の長さの比が5を越える長針状粒子に比べて熱現像時のかぶりが少ないという特徴を有している。特に、長軸と単軸の比が3以下の粒子は塗布膜の機械的安定性が向上し好ましい。本明細書において、りん片状の有機銀塩とは、次のようにして定義する。有機酸銀塩を電子顕微鏡で観察し、有機酸銀塩粒子の形状を直方体と近似し、この直方体の辺を一番短かい方からa、b、cとした(cはbと同じであってもよい。)とき、短い方の数値a、bで計算し、次のようにしてxを求める。
x=b/a
このようにして200個程度の粒子についてxを求め、その平均値x(平均)としたとき、x(平均)≧1.5の関係を満たすものをりん片状とする。好ましくは30≧x(平均)≧1.5、より好ましくは15≧x(平均)≧1.5である。因みに針状とは1≦x(平均)<1.5である。
りん片状粒子において、aはbとcを辺とする面を主平面とした平板状粒子の厚さとみることができる。aの平均は0.01μm以上0.3μm以下が好ましく0.1μm以上0.23μm以下がより好ましい。c/bの平均は1以上9以下であることが好ましく、より好ましくは1以上6以下、さらに好ましくは1以上4以下、最も好ましくは1以上3以下である。
前記球相当直径を0.05μm以上1μm以下とすることにより、熱現像感光材料中で凝集を起こしにくく、画像保存性が良好となる。前記球相当直径としては、0.1μm以上1μm以下が好ましい。
本発明において、球相当直径の測定方法は、電子顕微鏡を用いて直接サンプルを撮影し、その後、ネガを画像処理することによって求められる。
前記リン片状粒子において、粒子の球相当直径/aをアスペクト比と定義する。リン片状粒子のアスペクト比としては、熱現像感光材料中で凝集を起こしにくく、画像保存性が良好となる観点から、1.1以上30以下であることが好ましく、1.1以上15以下がより好ましい。
本発明において、球相当直径の測定方法は、電子顕微鏡を用いて直接サンプルを撮影し、その後、ネガを画像処理することによって求められる。
前記リン片状粒子において、粒子の球相当直径/aをアスペクト比と定義する。リン片状粒子のアスペクト比としては、熱現像感光材料中で凝集を起こしにくく、画像保存性が良好となる観点から、1.1以上30以下であることが好ましく、1.1以上15以下がより好ましい。
有機銀塩の粒子サイズ分布は単分散であることが好ましい。単分散とは短軸、長軸それぞれの長さの標準偏差を短軸、長軸それぞれで割った値の100分率が好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは50%以下である。有機銀塩の形状の測定方法としては有機銀塩分散物の透過型電子顕微鏡像より求めることができる。単分散性を測定する別の方法として、有機銀塩の体積加重平均直径の標準偏差を求める方法があり、体積加重平均直径で割った値の百分率(変動係数)が好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは50%以下である。測定方法としては例えば液中に分散した有機銀塩にレーザー光を照射し、その散乱光のゆらぎの時間変化に対する自己相関関数を求めることにより得られた粒子サイズ(体積加重平均直径)から求めることができる。
3)調製
本発明に用いられる有機酸銀の製造及びその分散法は、公知の方法等を適用することができる。例えば上記の特開平10−62899号、欧州特許公開第0803763A1、欧州特許公開第0962812A1号、特開平11−349591号、特開2000−7683号、同2000−72711号、同2001−163889号、同2001−163890号、同2001−163827号、同2001−33907号、同2001−188313号、同2001−83652号、同2002−6442、同2002−49117号、同2002−31870号、同2002−107868号等を参考にすることができる。
本発明に用いられる有機酸銀の製造及びその分散法は、公知の方法等を適用することができる。例えば上記の特開平10−62899号、欧州特許公開第0803763A1、欧州特許公開第0962812A1号、特開平11−349591号、特開2000−7683号、同2000−72711号、同2001−163889号、同2001−163890号、同2001−163827号、同2001−33907号、同2001−188313号、同2001−83652号、同2002−6442、同2002−49117号、同2002−31870号、同2002−107868号等を参考にすることができる。
なお、有機銀塩の分散時に、感光性銀塩を共存させると、かぶりが上昇し、感度が著しく低下するため、分散時には感光性銀塩を実質的に含まないことがより好ましい。本発明では、分散される水分散液中での感光性銀塩量は、その液中の有機酸銀塩1モルに対し1モル%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1モル%以下であり、さらに好ましいのは積極的な感光性銀塩の添加を行わないものである。
本発明において有機銀塩水分散液と感光性銀塩水分散液を混合して熱現像感光材料を製造することが可能であるが、有機銀塩と感光性銀塩の混合比率は目的に応じて選べるが、有機銀塩に対する感光性銀塩の割合は1モル%〜30モル%の範囲が好ましく、更に2モル%〜20モル%、特に3モル%〜15モル%の範囲が好ましい。混合する際に2種以上の有機銀塩水分散液と2種以上の感光性銀塩水分散液を混合することは、写真特性の調節のために好ましく用いられる方法である。
4)添加量
本発明の有機銀塩は所望の量で使用できるが、ハロゲン化銀も含めた全塗布銀量として0.1g/m2〜3.0g/m2が好ましく、より好ましくは0.5g/m2〜2.0g/m2、さらに好ましくは0.8g/m2〜1.7g/m2である。特に、画像保存性を向上させるためには、全塗布銀量が1.5g/m2以下、より好ましくは1.3g/m2以下であることが好ましい。
本発明の好ましい還元剤を使用すれば、このような低銀量においても十分な画像濃度をが可能である。
本発明の有機銀塩は所望の量で使用できるが、ハロゲン化銀も含めた全塗布銀量として0.1g/m2〜3.0g/m2が好ましく、より好ましくは0.5g/m2〜2.0g/m2、さらに好ましくは0.8g/m2〜1.7g/m2である。特に、画像保存性を向上させるためには、全塗布銀量が1.5g/m2以下、より好ましくは1.3g/m2以下であることが好ましい。
本発明の好ましい還元剤を使用すれば、このような低銀量においても十分な画像濃度をが可能である。
(非感光性有機銀塩のための還元剤)
本発明の熱現像感光材料には有機銀塩のための還元剤である熱現像剤を含むことが好ましい。有機銀塩のための還元剤は、銀イオンを金属銀に還元する任意の物質(好ましくは有機物質)であってよい。このような還元剤の例は、特開平11−65021号の段落番号0043〜0045や、欧州特許公開第0803764A1号の第7ページ第34行〜第18ページ第12行に記載されている。
本発明の熱現像感光材料には有機銀塩のための還元剤である熱現像剤を含むことが好ましい。有機銀塩のための還元剤は、銀イオンを金属銀に還元する任意の物質(好ましくは有機物質)であってよい。このような還元剤の例は、特開平11−65021号の段落番号0043〜0045や、欧州特許公開第0803764A1号の第7ページ第34行〜第18ページ第12行に記載されている。
本発明において、還元剤としてはフェノール性水酸基のオルト位に置換基を有するいわゆるヒンダードフェノール系還元剤あるいはビスフェノール系還元剤が好ましく、下記一般式(R)で表される化合物がより好ましい。
(一般式(R)において、R11およびR11’は各々独立に炭素数1〜20のアルキル基を表す。R12およびR12’は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な置換基を表す。Lは−S−基または−CHR13−基を表す。R13は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表す。X1およびX1’は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。)。
一般式(R)について詳細に説明する。
1)R11およびR11’
R11およびR11’は各々独立に置換または無置換の炭素数1〜20のアルキル基であり、アルキル基の置換基は特に限定されることはないが、好ましくは、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、アシル基、カルバモイル基、エステル基、ウレイド基、ウレタン基、ハロゲン原子等があげられる。
1)R11およびR11’
R11およびR11’は各々独立に置換または無置換の炭素数1〜20のアルキル基であり、アルキル基の置換基は特に限定されることはないが、好ましくは、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、アシル基、カルバモイル基、エステル基、ウレイド基、ウレタン基、ハロゲン原子等があげられる。
2)R12およびR12’、X1およびX1’
R12およびR12’は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な置換基であり、X1およびX1’も各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。それぞれベンゼン環に置換可能な基としては、好ましくはアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルアミノ基があげられる。
R12およびR12’は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な置換基であり、X1およびX1’も各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。それぞれベンゼン環に置換可能な基としては、好ましくはアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルアミノ基があげられる。
3)L
Lは−S−基または−CHR13−基を表す。R13は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表し、アルキル基は置換基を有していてもよい。R13の無置換のアルキル基の具体例はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ウンデシル基、イソプロピル基、1−エチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、シクロヘキシル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基、3,5−ジメチル−3−シクロヘキセニル基などがあげられる。アルキル基の置換基の例はR11の置換基と同様で、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基などがあげられる。
Lは−S−基または−CHR13−基を表す。R13は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表し、アルキル基は置換基を有していてもよい。R13の無置換のアルキル基の具体例はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ウンデシル基、イソプロピル基、1−エチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、シクロヘキシル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基、3,5−ジメチル−3−シクロヘキセニル基などがあげられる。アルキル基の置換基の例はR11の置換基と同様で、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基などがあげられる。
4)好ましい置換基
R11およびR11’として好ましくは炭素数1〜15の1級、2級または3級のアルキル基であり、具体的にはメチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−メチルシクロプロピル基などがあげられる。R11およびR11’としてより好ましくは炭素数1〜8のアルキル基で、その中でもメチル基、t−ブチル基、t−アミル基、1−メチルシクロヘキシル基が更に好ましく、メチル基、t−ブチル基が最も好ましい。
R11およびR11’として好ましくは炭素数1〜15の1級、2級または3級のアルキル基であり、具体的にはメチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−メチルシクロプロピル基などがあげられる。R11およびR11’としてより好ましくは炭素数1〜8のアルキル基で、その中でもメチル基、t−ブチル基、t−アミル基、1−メチルシクロヘキシル基が更に好ましく、メチル基、t−ブチル基が最も好ましい。
R12およびR12’として好ましくは炭素数1〜20のアルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、ベンジル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基などがあげられる。より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基であり、特に好ましくはメチル基、エチル基である。
X1およびX1’は、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基で、より好ましくは水素原子である。
X1およびX1’は、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基で、より好ましくは水素原子である。
Lは好ましくは−CHR13−基である。
R13として好ましくは水素原子または炭素数1〜15のアルキル基であり、該アルキル基としては鎖状のアルキル基の他、環状のアルキル基も好ましく用いられる。また、これらのアルキル基の中にC=C結合を有しているものも好ましく用いることができる。アルキル基としては例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、シクロヘキシル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基、3,5−ジメチル−3−シクロヘキセニル基等が好ましい。R13として特に好ましいのは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基である。
R13として好ましくは水素原子または炭素数1〜15のアルキル基であり、該アルキル基としては鎖状のアルキル基の他、環状のアルキル基も好ましく用いられる。また、これらのアルキル基の中にC=C結合を有しているものも好ましく用いることができる。アルキル基としては例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、シクロヘキシル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基、3,5−ジメチル−3−シクロヘキセニル基等が好ましい。R13として特に好ましいのは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基である。
R11、R11’が3級のアルキル基でR12、R12’がメチル基の場合、R13は炭素数1〜8の1級または2級のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基等)が好ましい。
R11、R11’が3級のアルキル基でR12、R12’がメチル基以外のアルキル基の場合、R13は水素原子が好ましい。
R11、R11’が3級のアルキル基でない場合、R13は水素原子または2級のアルキル基であることが好ましく、2級のアルキル基であることが特に好ましい。R13の2級アルキル基として好ましい基はイソプロピル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基である。
上記還元剤はR11、R11’、R12、R12’およびR13の組み合わせにより、熱現像性、現像銀色調などが異なる。2種以上の還元剤を組み合わせることでこれらを調製することができるため、目的によっては2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。
R11、R11’が3級のアルキル基でR12、R12’がメチル基以外のアルキル基の場合、R13は水素原子が好ましい。
R11、R11’が3級のアルキル基でない場合、R13は水素原子または2級のアルキル基であることが好ましく、2級のアルキル基であることが特に好ましい。R13の2級アルキル基として好ましい基はイソプロピル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基である。
上記還元剤はR11、R11’、R12、R12’およびR13の組み合わせにより、熱現像性、現像銀色調などが異なる。2種以上の還元剤を組み合わせることでこれらを調製することができるため、目的によっては2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。
以下に本発明の一般式(R)で表される化合物をはじめとする本発明の還元剤の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
上記以外の本発明の好ましい還元剤の例は特開2001−188314号、同2001−209145号、同2001−350235号、同2002−156727号、EP1278101A2号に記載された化合物である。
本発明において還元剤の添加量は0.1g/m2〜3.0g/m2であることが好ましく、より好ましくは0.2g/m2〜1.5g/m2で、さらに好ましくは0.3g/m2〜1.0g/m2である。画像形成層を有する面の銀1モルに対しては5モル%〜50モル%含まれることが好ましく、より好ましくは8モル%〜30モル%であり、10モル%〜20モル%で含まれることがさらに好ましい。還元剤は画像形成層に含有させることが好ましい。
還元剤は溶液形態、乳化分散形態、固体微粒子分散物形態など、いかなる方法で塗布液に含有せしめ、熱現像感光材料に含有させてもよい。
よく知られている乳化分散法としては、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製する方法が挙げられる。
よく知られている乳化分散法としては、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製する方法が挙げられる。
また、固体微粒子分散法としては、還元剤の粉末を水等の適当な溶媒中にボールミル、コロイドミル、振動ボールミル、サンドミル、ジェットミル、ローラーミルあるいは超音波によって分散し、固体分散物を作製する方法が挙げられる。尚、その際に保護コロイド(例えば、ポリビニルアルコール)、界面活性剤(例えばトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム(3つのイソプロピル基の置換位置が異なるものの混合物)などのアニオン性界面活性剤)を用いてもよい。上記ミル類では分散媒体としてジルコニア等のビーズが使われるのが普通であり、これらのビーズから溶出するZr等が分散物中に混入することがある。分散条件にもよるが通常は1ppm〜1000ppmの範囲である。感材中のZrの含有量が銀1g当たり0.5mg以下であれば実用上差し支えない。
水分散物には防腐剤(例えばベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩)を含有させることが好ましい。
特に好ましいのは、還元剤の固体粒子分散法であり、平均粒子サイズ0.01μm〜10μm、好ましくは0.05μm〜5μm、より好ましくは0.1μm〜2μmの微粒子して添加するのが好ましい。本願においては他の固体分散物もこの範囲の粒子サイズに分散して用いるのが好ましい。
(感光性ハロゲン化銀)
1)ハロゲン組成
本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀は、ハロゲン組成として特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩臭化銀、ヨウ化銀を用いることができる。その中でも臭化銀、ヨウ臭化銀およびヨウ化銀が好ましい。粒子内におけるハロゲン組成の分布は均一であってもよく、ハロゲン組成がステップ状に変化したものでもよく、或いは連続的に変化したものでもよい。また、コア/シェル構造を有するハロゲン化銀粒子を好ましく用いることができる。構造として好ましいものは2〜5重構造であり、より好ましくは2〜4重構造のコア/シェル粒子を用いることができる。また塩化銀、臭化銀または塩臭化銀粒子の表面に臭化銀やヨウ化銀を局在させる技術も好ましく用いることができる。
1)ハロゲン組成
本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀は、ハロゲン組成として特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩臭化銀、ヨウ化銀を用いることができる。その中でも臭化銀、ヨウ臭化銀およびヨウ化銀が好ましい。粒子内におけるハロゲン組成の分布は均一であってもよく、ハロゲン組成がステップ状に変化したものでもよく、或いは連続的に変化したものでもよい。また、コア/シェル構造を有するハロゲン化銀粒子を好ましく用いることができる。構造として好ましいものは2〜5重構造であり、より好ましくは2〜4重構造のコア/シェル粒子を用いることができる。また塩化銀、臭化銀または塩臭化銀粒子の表面に臭化銀やヨウ化銀を局在させる技術も好ましく用いることができる。
2)粒子形成方法
感光性ハロゲン化銀の形成方法は当業界ではよく知られており、例えば、リサーチディスクロージャー1978年6月の第17029号、および米国特許第3,700,458号に記載されている方法を用いることができるが、具体的にはゼラチンあるいは他のポリマー溶液中に銀供給化合物及びハロゲン供給化合物を添加することにより感光性ハロゲン化銀を調製し、その後で有機銀塩と混合する方法を用いる。また、特開平11−119374号公報の段落番号0217〜0224に記載されている方法、特開平11−352627、特開2000−347335号記載の方法も好ましい。
感光性ハロゲン化銀の形成方法は当業界ではよく知られており、例えば、リサーチディスクロージャー1978年6月の第17029号、および米国特許第3,700,458号に記載されている方法を用いることができるが、具体的にはゼラチンあるいは他のポリマー溶液中に銀供給化合物及びハロゲン供給化合物を添加することにより感光性ハロゲン化銀を調製し、その後で有機銀塩と混合する方法を用いる。また、特開平11−119374号公報の段落番号0217〜0224に記載されている方法、特開平11−352627、特開2000−347335号記載の方法も好ましい。
3)粒子サイズ
感光性ハロゲン化銀の粒子サイズは、画像形成後の白濁を低く抑える目的のために小さいことが好ましく具体的には0.20μm以下、より好ましくは0.01μm以上0.15μm以下、更に好ましくは0.02μm以上0.12μm以下がよい。ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子の投影面積(平板粒子の場合は主平面の投影面積)と同面積の円像に換算したときの直径をいう。
感光性ハロゲン化銀の粒子サイズは、画像形成後の白濁を低く抑える目的のために小さいことが好ましく具体的には0.20μm以下、より好ましくは0.01μm以上0.15μm以下、更に好ましくは0.02μm以上0.12μm以下がよい。ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子の投影面積(平板粒子の場合は主平面の投影面積)と同面積の円像に換算したときの直径をいう。
4)粒子形状
ハロゲン化銀粒子の形状としては立方体、八面体、平板状粒子、球状粒子、棒状粒子、ジャガイモ状粒子等を挙げることができるが、本発明においては特に立方体状粒子が好ましい。ハロゲン化銀粒子のコーナーが丸まった粒子も好ましく用いることができる。感光性ハロゲン化銀粒子の外表面の面指数(ミラー指数)については特に制限はないが、分光増感色素が吸着した場合の分光増感効率が高い[100]面の占める割合が高いことが好ましい。その割合としては50%以上が好ましく、65%以上がより好ましく、80%以上が更に好ましい。ミラー指数[100]面の比率は増感色素の吸着における[111]面と[100]面との吸着依存性を利用したT.Tani;J.Imaging Sci.,29、165(1985年)に記載の方法により求めることができる。
ハロゲン化銀粒子の形状としては立方体、八面体、平板状粒子、球状粒子、棒状粒子、ジャガイモ状粒子等を挙げることができるが、本発明においては特に立方体状粒子が好ましい。ハロゲン化銀粒子のコーナーが丸まった粒子も好ましく用いることができる。感光性ハロゲン化銀粒子の外表面の面指数(ミラー指数)については特に制限はないが、分光増感色素が吸着した場合の分光増感効率が高い[100]面の占める割合が高いことが好ましい。その割合としては50%以上が好ましく、65%以上がより好ましく、80%以上が更に好ましい。ミラー指数[100]面の比率は増感色素の吸着における[111]面と[100]面との吸着依存性を利用したT.Tani;J.Imaging Sci.,29、165(1985年)に記載の方法により求めることができる。
5)重金属
本発明の感光性ハロゲン化銀粒子は、周期律表(第1〜18族までを示す)の第3族〜第13族の金属又は金属錯体を含有することが出来る。好ましくは、第8族〜第10族の金属または金属錯体である。周期律表の第8族〜第10族の金属または金属錯体の中心金属として好ましくは、鉄、ロジウム、ルテニウム、イリジウムである。これら金属錯体は1種類でもよいし、同種金属及び異種金属の錯体を2種以上併用してもよい。好ましい含有率は銀1モルに対し1×10-9モルから1×10-3モルの範囲が好ましい。これらの重金属や金属錯体及びそれらの添加法については特開平7−225449号、特開平11−65021号段落番号0018〜0024、特開平11−119374号段落番号0227〜0240に記載されている。
本発明の感光性ハロゲン化銀粒子は、周期律表(第1〜18族までを示す)の第3族〜第13族の金属又は金属錯体を含有することが出来る。好ましくは、第8族〜第10族の金属または金属錯体である。周期律表の第8族〜第10族の金属または金属錯体の中心金属として好ましくは、鉄、ロジウム、ルテニウム、イリジウムである。これら金属錯体は1種類でもよいし、同種金属及び異種金属の錯体を2種以上併用してもよい。好ましい含有率は銀1モルに対し1×10-9モルから1×10-3モルの範囲が好ましい。これらの重金属や金属錯体及びそれらの添加法については特開平7−225449号、特開平11−65021号段落番号0018〜0024、特開平11−119374号段落番号0227〜0240に記載されている。
本発明においては、六シアノ金属錯体を粒子最表面に存在させたハロゲン化銀粒子が好ましい。六シアノ金属錯体としては、[Fe(CN)6]4-、[Fe(CN)6]3-、[Ru(CN)6]4-、[Os(CN)6]4-、[Co(CN)6]3-、[Rh(CN)6]3-、[Ir(CN)6]3-、[Cr(CN)6]3-、[Re(CN)6]3-などが挙げられる。
本発明においては六シアノFe錯体が好ましい。
本発明においては六シアノFe錯体が好ましい。
六シアノ金属錯体は、水溶液中でイオンの形で存在するので対陽イオンは重要ではないが、水と混和しやすく、ハロゲン化銀乳剤の沈澱操作に適合しているナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオンおよびリチウムイオン等のアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオン(例えばテトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン、テトラ(n−ブチル)アンモニウムイオン)を用いることが好ましい。
六シアノ金属錯体は、水の他に水と混和しうる適当な有機溶媒(例えば、アルコール類、エーテル類、グリコール類、ケトン類、エステル類、アミド類等)との混合溶媒やゼラチンと混和して添加することができる。
六シアノ金属錯体の添加量は、銀1モル当たり1×10-5モル以上1×10-2モル以下が好ましく、より好ましくは1×10-4モル以上1×10-3モル以下である。
六シアノ金属錯体をハロゲン化銀粒子最表面に存在させるには、六シアノ金属錯体を、粒子形成に使用する硝酸銀水溶液を添加終了した後、硫黄増感、セレン増感およびテルル増感のカルコゲン増感や金増感等の貴金属増感を行う化学増感工程の前までの仕込工程終了前、水洗工程中、分散工程中、または化学増感工程前に直接添加する。ハロゲン化銀微粒子を成長させないためには、粒子形成後速やかに六シアノ金属錯体を添加することが好ましく、仕込工程終了前に添加することが好ましい。
尚、六シアノ金属錯体の添加は、粒子形成をするために添加する硝酸銀の総量の96質量%を添加した後から開始してもよく、98質量%添加した後から開始するのがより好ましく、99質量%添加した後が特に好ましい。
これら六シアノ金属錯体を粒子形成の完了する直前の硝酸銀水溶液を添加した後に添加すると、ハロゲン化銀粒子最表面に吸着することができ、そのほとんどが粒子表面の銀イオンと難溶性の塩を形成する。この六シアノ鉄(II)の銀塩は、AgIよりも難溶性の塩であるため、微粒子による再溶解を防ぐことができ、粒子サイズが小さいハロゲン化銀微粒子を製造することが可能となった。
6)ゼラチン
本発明に用いる感光性ハロゲン化銀乳剤に含有されるゼラチンとしては、種々のゼラチンが使用することができる。感光性ハロゲン化銀乳剤の有機銀塩含有塗布液中での分散状態を良好に持することが必要であり、分子量は、10,000〜1,000,000のゼラチンを使用することが好ましい。また、ゼラチンの置換基をフタル化処理することも好ましい。これらのゼラチンは粒子形成時あるいは脱塩処理後の分散時に使用してもよいが、粒子形成時に使用することが好ましい。
本発明に用いる感光性ハロゲン化銀乳剤に含有されるゼラチンとしては、種々のゼラチンが使用することができる。感光性ハロゲン化銀乳剤の有機銀塩含有塗布液中での分散状態を良好に持することが必要であり、分子量は、10,000〜1,000,000のゼラチンを使用することが好ましい。また、ゼラチンの置換基をフタル化処理することも好ましい。これらのゼラチンは粒子形成時あるいは脱塩処理後の分散時に使用してもよいが、粒子形成時に使用することが好ましい。
7)増感色素
本発明に適用できる増感色素としてはハロゲン化銀粒子に吸着した際、所望の波長領域でハロゲン化銀粒子を分光増感できるもので、露光光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に選択することができる。増感色素及び添加法については、特開平11−65021号の段落番号0103〜0109、特開平10−186572号一般式(II)で表される化合物、特開平11−119374号の一般式(I)で表される色素及び段落番号0106、米国特許第5,510,236号、同第3,871,887号実施例5に記載の色素、特開平2−96131号、特開昭59−48753号に開示されている色素、欧州特許公開第0803764A1号の第19ページ第38行〜第20ページ第35行、特開2001−272747号、特開2001−290238号、特開2002−23306号等に記載されている。これらの増感色素は単独で用いてもよく、2種以上組合せて用いてもよい。本発明において増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加する時期は、脱塩工程後、塗布までの時期が好ましく、より好ましくは脱塩後から化学熟成が終了する前までの時期である。
本発明における増感色素の添加量は、感度やかぶりの性能に合わせて所望の量にすることができるが、画像形成層のハロゲン化銀1モル当たり10-6モル〜1モルが好ましく、さらに好ましくは10-4モル〜10-1モルである。
本発明に適用できる増感色素としてはハロゲン化銀粒子に吸着した際、所望の波長領域でハロゲン化銀粒子を分光増感できるもので、露光光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に選択することができる。増感色素及び添加法については、特開平11−65021号の段落番号0103〜0109、特開平10−186572号一般式(II)で表される化合物、特開平11−119374号の一般式(I)で表される色素及び段落番号0106、米国特許第5,510,236号、同第3,871,887号実施例5に記載の色素、特開平2−96131号、特開昭59−48753号に開示されている色素、欧州特許公開第0803764A1号の第19ページ第38行〜第20ページ第35行、特開2001−272747号、特開2001−290238号、特開2002−23306号等に記載されている。これらの増感色素は単独で用いてもよく、2種以上組合せて用いてもよい。本発明において増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加する時期は、脱塩工程後、塗布までの時期が好ましく、より好ましくは脱塩後から化学熟成が終了する前までの時期である。
本発明における増感色素の添加量は、感度やかぶりの性能に合わせて所望の量にすることができるが、画像形成層のハロゲン化銀1モル当たり10-6モル〜1モルが好ましく、さらに好ましくは10-4モル〜10-1モルである。
本発明は分光増感効率を向上させるため、強色増感剤を用いることができる。
本発明に用いる強色増感剤としては、欧州特許公開第587,338号、米国特許第3,877,943号、同第4,873,184号、特開平5−341432号、同11−109547号、同10−111543号等に記載の化合物が挙げられる。
本発明に用いる強色増感剤としては、欧州特許公開第587,338号、米国特許第3,877,943号、同第4,873,184号、特開平5−341432号、同11−109547号、同10−111543号等に記載の化合物が挙げられる。
8)化学増感
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は、硫黄増感法、セレン増感法もしくはテルル増感法にて化学増感されていることが好ましい。硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法に好ましく用いられる化合物としては公知の化合物、例えば、特開平7−128768号等に記載の化合物等を使用することができる。特に本発明においてはテルル増感が好ましく、特開平11−65021号段落番号0030に記載の文献に記載の化合物、特開平5−313284号中の一般式(II),(III),(IV)で示される化合物がより好ましい。
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は、硫黄増感法、セレン増感法もしくはテルル増感法にて化学増感されていることが好ましい。硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法に好ましく用いられる化合物としては公知の化合物、例えば、特開平7−128768号等に記載の化合物等を使用することができる。特に本発明においてはテルル増感が好ましく、特開平11−65021号段落番号0030に記載の文献に記載の化合物、特開平5−313284号中の一般式(II),(III),(IV)で示される化合物がより好ましい。
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は、上記カルコゲン増感と組み合わせて、あるいは単独で金増感法にて化学増感されていることが好ましい。金増感剤としては、金の価数が+1価または+3価が好ましく、金増感剤としては通常用いられる金化合物が好ましい。代表的な例としては塩化金酸、臭化金酸、カリウムクロロオーレート、カリウムブロロオーレート、オーリックトリクロライド、カリウムオーリックチオシアネート、カリウムヨードオーレート、テトラシアノオーリックアシド、アンモニウムオーロチオシアネート、ピリジルトリクロロゴールドなどが好ましい。また、米国特許第5858637号、特開2002−278016号に記載の金増感剤も好ましく用いられる。
本発明においては、化学増感は粒子形成後で塗布前であればいかなる時期でも可能であり、脱塩後、(1)分光増感前、(2)分光増感と同時、(3)分光増感後、(4)塗布直前等があり得る。
本発明で用いられる硫黄、セレンおよびテルル増感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等によって変わるが、ハロゲン化銀1モル当たり10-8モル〜10-2モル、好ましくは10-7モル〜10-3モル程度を用いる。
金増感剤の添加量は種々の条件により異なるが、目安としてはハロゲン化銀1モル当たり10-7モルから10-3モル、より好ましくは10-6モル〜5×10-4モルである。
本発明における化学増感の条件としては特に制限はないが、pHとしては5〜8、pAgとしては6〜11、温度としては40℃〜95℃程度である。
本発明で用いるハロゲン化銀乳剤には、欧州特許公開第293,917号公報に示される方法により、チオスルホン酸化合物を添加してもよい。
本発明で用いられる硫黄、セレンおよびテルル増感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等によって変わるが、ハロゲン化銀1モル当たり10-8モル〜10-2モル、好ましくは10-7モル〜10-3モル程度を用いる。
金増感剤の添加量は種々の条件により異なるが、目安としてはハロゲン化銀1モル当たり10-7モルから10-3モル、より好ましくは10-6モル〜5×10-4モルである。
本発明における化学増感の条件としては特に制限はないが、pHとしては5〜8、pAgとしては6〜11、温度としては40℃〜95℃程度である。
本発明で用いるハロゲン化銀乳剤には、欧州特許公開第293,917号公報に示される方法により、チオスルホン酸化合物を添加してもよい。
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は、還元剤を用いることが好ましい。還元増感法の具体的な化合物としてはアスコルビン酸、二酸化チオ尿素が好ましく、その他に塩化第一スズ、アミノイミノメタンスルフィン酸、ヒドラジン誘導体、ボラン化合物、シラン化合物、ポリアミン化合物等を用いることが好ましい。還元増感剤の添加は、結晶成長から塗布直前の調製工程までの感光乳剤製造工程のどの過程でも良い。また、乳剤のpHを7以上またはpAgを8.3以下に保持して熟成することにより還元増感することが好ましく、粒子形成中に銀イオンのシングルアディション部分を導入することにより還元増感することも好ましい。
9)1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物
本発明における熱現像感光材料は、1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物を含有することが好ましい。該化合物は、単独、あるいは前記の種々の化学増感剤と併用して用いられ、ハロゲン化銀の感度増加をもたらすことができる。
本発明における熱現像感光材料は、1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物を含有することが好ましい。該化合物は、単独、あるいは前記の種々の化学増感剤と併用して用いられ、ハロゲン化銀の感度増加をもたらすことができる。
本発明における熱現像感光材料に含有される1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物とは以下のタイプ1、2から選ばれる化合物である。
(タイプ1)
1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合開裂反応を伴って、さらに1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物。
(タイプ2)
1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合形成反応を経た後に、さらに1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物。
(タイプ1)
1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合開裂反応を伴って、さらに1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物。
(タイプ2)
1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合形成反応を経た後に、さらに1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物。
まずタイプ1の化合物について説明する。
タイプ1の化合物で、1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合開裂反応を伴って、さらに1電子を放出し得る化合物としては、特開平9−211769号(具体例:28〜32頁の表E及び表Fに記載の化合物PMT−1〜S−37)、特開平9−211774号、特開平11−95355号(具体例:化合物INV1〜36)、特表2001−500996号(具体例:化合物1〜74、80〜87、92〜122)、米国特許5,747,235号、米国特許5,747,236号、欧州特許786692A1号(具体例:化合物INV1〜35)、欧州特許893732A1号、米国特許6,054,260号、米国特許5,994,051号などの特許に記載の「1光子2電子増感剤」又は「脱プロトン化電子供与増感剤」と称される化合物が挙げられる。これらの化合物の好ましい範囲は、引用されている特許明細書に記載の好ましい範囲と同じである。
タイプ1の化合物で、1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合開裂反応を伴って、さらに1電子を放出し得る化合物としては、特開平9−211769号(具体例:28〜32頁の表E及び表Fに記載の化合物PMT−1〜S−37)、特開平9−211774号、特開平11−95355号(具体例:化合物INV1〜36)、特表2001−500996号(具体例:化合物1〜74、80〜87、92〜122)、米国特許5,747,235号、米国特許5,747,236号、欧州特許786692A1号(具体例:化合物INV1〜35)、欧州特許893732A1号、米国特許6,054,260号、米国特許5,994,051号などの特許に記載の「1光子2電子増感剤」又は「脱プロトン化電子供与増感剤」と称される化合物が挙げられる。これらの化合物の好ましい範囲は、引用されている特許明細書に記載の好ましい範囲と同じである。
またタイプ1の化合物で、1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合開裂反応を伴って、さらに1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物としては、一般式(1)(特開平2003−114487号に記載の一般式(1)と同義)、一般式(2)(特開平2003−114487号に記載の一般式(2)と同義)、一般式(3)(特開平2003−114488号に記載の一般式(1)と同義)、一般式(4)(特開平2003−114488号に記載の一般式(2)と同義)、一般式(5)(特開平2003−114488号に記載の一般式(3)と同義)、一般式(6)(特開平2003−75950号に記載の一般式(1)と同義)、一般式(7)(特開平2003−75950号に記載の一般式(2)と同義)、一般式(8)(特願2003−25886号に記載の一般式(1)と同義)、又は化学反応式(1)(特願2003−33446号に記載の化学反応式(1)と同義)で表される反応を起こしうる化合物のうち一般式(9)(特願2003−33446号に記載の一般式(3)と同義)で表される化合物が挙げられる。またこれらの化合物の好ましい範囲は、引用されている特許明細書に記載の好ましい範囲と同じである。
式中RED1、RED2は還元性基を表す。R1は炭素原子(C)とRED1とともに5員若しくは6員の芳香族環(芳香族複素環を含む)のテトラヒドロ体、若しくはオクタヒドロ体に相当する環状構造を形成しうる非金属原子団を表す。R2は水素原子又は置換基を表す。同一分子内に複数のR2が存在する場合にはこれらは同じであっても異なっていても良い。L1は脱離基をあらわす。EDは電子供与性基をあらわす。Z1は窒素原子とベンゼン環の2つの炭素原子とともに6員環を形成しうる原子団を表す。X1は置換基を表し、m1は0〜3の整数を表す。Z2は、−CR11R12−、−NR13−、又は−O−を表す。R11、R12はそれぞれ独立して水素原子又は置換基を表す。R13は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。X1はアルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、又はヘテロ環アミノ基を表す。L2はカルボキシ基若しくはその塩又は水素原子を表す。X2はC=Cとともに5員のヘテロ環を形成する基を表す。Y2はC=Cとともに5員又は6員のアリール基又はヘテロ環基を形成する基を表す。Mはラジカル、ラジカルカチオン、又はカチオンを表す。
次にタイプ2の化合物について説明する。
タイプ2の化合物で1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合形成反応を伴って、さらに1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物としては、一般式(10)(特開平2003−140287号に記載の一般式(1)と同義)、化学反応式(1)(特願2003−33446号に記載の化学反応式(1)と同義)で表される反応を起こしうる化合物であって一般式(11)(特願2003−33446号に記載の一般式(2)と同義)で表される化合物が挙げられる。これらの化合物の好ましい範囲は、引用されている特許明細書に記載の好ましい範囲と同じである。
タイプ2の化合物で1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合形成反応を伴って、さらに1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物としては、一般式(10)(特開平2003−140287号に記載の一般式(1)と同義)、化学反応式(1)(特願2003−33446号に記載の化学反応式(1)と同義)で表される反応を起こしうる化合物であって一般式(11)(特願2003−33446号に記載の一般式(2)と同義)で表される化合物が挙げられる。これらの化合物の好ましい範囲は、引用されている特許明細書に記載の好ましい範囲と同じである。
式中、Xは1電子酸化される還元性基をあらわす。YはXが1電子酸化されて生成する1電子酸化体と反応して、新たな結合を形成しうる炭素−炭素2重結合部位、炭素−炭素3重結合部位、芳香族基部位、又はベンゾ縮環の非芳香族ヘテロ環部位を含む反応性基を表す。L2はXとYを連結する連結基を表す。R2は水素原子又は置換基を表す。同一分子内に複数のR2が存在する場合にはこれらは同じであっても異なっていても良い。X2はC=Cとともに5員のヘテロ環を形成する基を表す。Y2はC=Cとともに5員又は6員のアリール基又はヘテロ環基を形成する基を表す。Mはラジカル、ラジカルカチオン、又はカチオンを表す。
タイプ1、2の化合物のうち好ましくは「分子内にハロゲン化銀への吸着性基を有する化合物」であるか、又は「分子内に、分光増感色素の部分構造を有する化合物」である。ハロゲン化銀への吸着性基とは特開平2003−156823号明細書の16頁右1行目〜17頁右12行目に記載の基が代表的なものである。分光増感色素の部分構造とは同明細書の17頁右34行目〜18頁左6行目に記載の構造である。
タイプ1、2の化合物として、より好ましくは「分子内にハロゲン化銀への吸着性基を少なくとも1つ有する化合物」である。さらに好ましくは「同じ分子内にハロゲン化銀への吸着性基を2つ以上有する化合物」である。吸着性基が単一分子内に2個以上存在する場合には、それらの吸着性基は同一であっても異なっても良い。
吸着性基として好ましくは、メルカプト置換含窒素ヘテロ環基(例えば2−メルカプトチアジアゾール基、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、5−メルカプトテトラゾール基、2−メルカプト−1,3,4−オキサジアゾール基、2−メルカプトベンズオキサゾール基、2−メルカプトベンズチアゾール基、1,5−ジメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレート基など)、又はイミノ銀(>NAg)を形成しうる−NH−基をヘテロ環の部分構造として有する含窒素ヘテロ環基(例えば、ベンゾトリアゾール基、ベンズイミダゾール基、インダゾール基など)である。特に好ましくは、5−メルカプトテトラゾール基、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、及びベンゾトリアゾール基であり、最も好ましいのは、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、及び5−メルカプトテトラゾール基である。
吸着性基として、分子内に2つ以上のメルカプト基を部分構造として有する場合もまた特に好ましい。ここにメルカプト基(−SH)は、互変異性化できる場合にはチオン基となっていてもよい。2つ以上のメルカプト基を部分構造として有する吸着性基(ジメルカプト置換含窒素ヘテロ環基など)の好ましい例としては、2,4−ジメルカプトピリミジン基、2,4−ジメルカプトトリアジン基、3,5−ジメルカプト−1,2,4−トリアゾール基が挙げられる。
また窒素又はリンの4級塩構造も吸着性基として好ましく用いられる。窒素の4級塩構造としては具体的にはアンモニオ基(トリアルキルアンモニオ基、ジアルキルアリール(又はヘテロアリール)アンモニオ基、アルキルジアリール(又はヘテロアリール)アンモニオ基など)又は4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基を含む基である。リンの4級塩構造としては、フォスフォニオ基(トリアルキルフォスフォニオ基、ジアルキルアリール(又はヘテロアリール)フォスフォニオ基、アルキルジアリール(又はヘテロアリール)フォスフォニオ基、トリアリール(又はヘテロアリール)フォスフォニオ基など)が挙げられる。より好ましくは窒素の4級塩構造が用いられ、さらに好ましくは4級化された窒素原子を含む5員環あるいは6員環の含窒素芳香族ヘテロ環基が用いられる。特に好ましくはピリジニオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基が用いられる。これら4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基は任意の置換基を有していてもよい。
4級塩の対アニオンの例としては、ハロゲンイオン、カルボキシレートイオン、スルホネートイオン、硫酸イオン、過塩素酸イオン、炭酸イオン、硝酸イオン、BF4 -、PF6 -、Ph4B-等が挙げられる。分子内にカルボキシレート基等に負電荷を有する基が存在する場合には、それとともに分子内塩を形成していても良い。分子内にない対アニオンとしては、塩素イオン、ブロモイオン又はメタンスルホネートイオンが特に好ましい。
吸着性基として窒素又はリンの4級塩構造有するタイプ1、2で表される化合物の好ましい構造は一般式(X)で表される。
一般式(X) (P−Q1−)i−R(−Q2−S)j
一般式(X)においてP、Rは、各々独立して増感色素の部分構造ではない窒素又はリンの4級塩構造を表す。Q1、Q2は、各々独立して連結基を表し、具体的には単結合、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロ環基、−O−、−S−、−NRN−、−C(=O)−、−SO2−、−SO−、−P(=O)−の各基の単独、又はこれらの基の組み合わせからなる基を表す。ここにRNは水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。Sはタイプ(1)又は(2)で表される化合物から原子を一つ取り除いた残基である。iとjは1以上の整数であり、i+jが2〜6になる範囲から選ばれるものである。好ましくはiが1〜3、jが1〜2の場合であり、より好ましくはiが1又は2、jが1の場合であり、特に好ましくはiが1、jが1の場合である。一般式(X)で表される化合物はその総炭素数が10〜100の範囲のものが好ましい。より好ましくは10〜70、さらに好ましくは11〜60であり、特に好ましくは12〜50である。
本発明におけるタイプ1、タイプ2の化合物は、感光性ハロゲン化銀乳剤調製時、熱現像感光材料製造工程中のいかなる場合にも使用しても良い。例えば感光性ハロゲン化銀粒子形成時、脱塩工程、化学増感時、塗布前などである。またこれらの工程中の複数回に分けて添加することもできる。添加位置として好ましくは、感光性ハロゲン化銀粒子形成終了時から脱塩工程の前、化学増感時(化学増感開始直前から終了直後)、塗布前であり、より好ましくは化学増感時から非感光性有機銀塩と混合される前までである。
本発明におけるタイプ1、タイプ2の化合物は、水、メタノール、エタノールなどの水可溶性溶媒又はこれらの混合溶媒に溶解して添加することが好ましい。水に溶解する場合、pHを高く又は低くした方が溶解度が上がる化合物については、pHを高く又は低くして溶解し、これを添加しても良い。
本発明におけるタイプ1、タイプ2の化合物は感光性ハロゲン化銀と非感光性有機銀塩を含有する画像形成層中に使用するのが好ましいが、感光性ハロゲン化銀と非感光性有機銀塩を含有する画像形成層と共に保護層や中間層に添加しておき、塗布時に拡散させてもよい。これらの化合物の添加時期は、増感色素の前後を問わず、それぞれ好ましくはハロゲン化銀1モル当り、1×10-9〜5×10-1モル、更に好ましくは1×10-8〜5×10-2モルの割合でハロゲン化銀乳剤層(画像形成層)に含有する。
以下に本発明におけるタイプ1、タイプ2の化合物を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
10)吸着基と還元基を有する吸着性レドックス化合物
本発明においては、分子内にハロゲン化銀への吸着基と還元基を有する吸着性レドックス化合物を含有させることが好ましい。本吸着性レドックス化合物は下記式(AR)で表される化合物であることが好ましい。
本発明においては、分子内にハロゲン化銀への吸着基と還元基を有する吸着性レドックス化合物を含有させることが好ましい。本吸着性レドックス化合物は下記式(AR)で表される化合物であることが好ましい。
式(AR) A−(W)n−B
式(AR)中、Aはハロゲン化銀に吸着可能な基(以後、吸着基と呼ぶ)を表し、Wは2価の連結基を表し、nは0又は1を表し、Bは還元基を表す。
式(AR)中、Aはハロゲン化銀に吸着可能な基(以後、吸着基と呼ぶ)を表し、Wは2価の連結基を表し、nは0又は1を表し、Bは還元基を表す。
式(AR)中、Aで表される吸着基とはハロゲン化銀に直接吸着する基、又はハロゲン化銀への吸着を促進する基であり、具体的には、メルカプト基(又はその塩)、チオン基(−C(=S)−)、窒素原子、硫黄原子、セレン原子及びテルル原子から選ばれる少なくとも1つの原子を含むヘテロ環基、スルフィド基、ジスルフィド基、カチオン性基、又はエチニル基等が挙げられる。
吸着基としてメルカプト基(又はその塩)とは、メルカプト基(又はその塩)そのものを意味すると同時に、より好ましくは、少なくとも1つのメルカプト基(又はその塩)の置換したヘテロ環基又はアリール基又はアルキル基を表す。ここにヘテロ環基とは、少なくとも5員〜7員の、単環若しくは縮合環の、芳香族又は非芳香族のヘテロ環基、例えばイミダゾール環基、チアゾール環基、オキサゾール環基、ベンゾイミダゾール環基、ベンゾチアゾール環基、ベンゾオキサゾール環基、トリアゾール環基、チアジアゾール環基、オキサジアゾール環基、テトラゾール環基、プリン環基、ピリジン環基、キノリン環基、イソキノリン環基、ピリミジン環基、トリアジン環基等が挙げられる。また4級化された窒素原子を含むヘテロ環基でもよく、この場合、置換したメルカプト基が解離してメソイオンとなっていても良い。メルカプト基が塩を形成するとき、対イオンとしてはアルカリ金属、アルカリ土類金属、重金属などのカチオン(Li+、Na+、K+、Mg2+、Ag+、Zn2+等)、アンモニウムイオン、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基、ホスホニウムイオンなどが挙げられる。
吸着基としてのメルカプト基はさらにまた、互変異性化してチオン基となっていても良い。
吸着基としてチオン基とは、鎖状若しくは環状のチオアミド基、チオウレイド基、チオウレタン基、又はジチオカルバミン酸エステル基も含まれる。
吸着基として窒素原子、硫黄原子、セレン原子及びテルル原子から選ばれる少なくとも1つの原子を含むヘテロ環基とは、イミノ銀(>NAg)を形成しうる−NH−基をヘテロ環の部分構造として有する含窒素ヘテロ環基、又は配位結合で銀イオンに配位し得る、−S−基又は−Se−基又は−Te−基又は=N−基をヘテロ環の部分構造として有するヘテロ環基で、前者の例としてはベンゾトリアゾール基、トリアゾール基、インダゾール基、ピラゾール基、テトラゾール基、ベンゾイミダゾール基、イミダゾール基、プリン基などが、後者の例としてはチオフェン基、チアゾール基、オキサゾール基、ベンゾチオフェン基、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、チアジアゾール基、オキサジアゾール基、トリアジン基、セレノアゾール基、ベンゾセレノアゾール基、テルルアゾール基、ベンゾテルルアゾール基などが挙げられる。
吸着基としてスルフィド基又はジスルフィド基とは、−S−、又は−S−S−の部分構造を有する基すべてが挙げられる。
吸着基としてカチオン性基とは、4級化された窒素原子を含む基を意味し、具体的にはアンモニオ基又は4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基を含む基である。4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基とは、例えばピリジニオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基、イミダゾリオ基などが挙げられる。
吸着基としてエチニル基とは、−C≡CH基を意味し、該水素原子は置換されていてもよい。
上記の吸着基は任意の置換基を有していてもよい。
吸着基としてのメルカプト基はさらにまた、互変異性化してチオン基となっていても良い。
吸着基としてチオン基とは、鎖状若しくは環状のチオアミド基、チオウレイド基、チオウレタン基、又はジチオカルバミン酸エステル基も含まれる。
吸着基として窒素原子、硫黄原子、セレン原子及びテルル原子から選ばれる少なくとも1つの原子を含むヘテロ環基とは、イミノ銀(>NAg)を形成しうる−NH−基をヘテロ環の部分構造として有する含窒素ヘテロ環基、又は配位結合で銀イオンに配位し得る、−S−基又は−Se−基又は−Te−基又は=N−基をヘテロ環の部分構造として有するヘテロ環基で、前者の例としてはベンゾトリアゾール基、トリアゾール基、インダゾール基、ピラゾール基、テトラゾール基、ベンゾイミダゾール基、イミダゾール基、プリン基などが、後者の例としてはチオフェン基、チアゾール基、オキサゾール基、ベンゾチオフェン基、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、チアジアゾール基、オキサジアゾール基、トリアジン基、セレノアゾール基、ベンゾセレノアゾール基、テルルアゾール基、ベンゾテルルアゾール基などが挙げられる。
吸着基としてスルフィド基又はジスルフィド基とは、−S−、又は−S−S−の部分構造を有する基すべてが挙げられる。
吸着基としてカチオン性基とは、4級化された窒素原子を含む基を意味し、具体的にはアンモニオ基又は4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基を含む基である。4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基とは、例えばピリジニオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基、イミダゾリオ基などが挙げられる。
吸着基としてエチニル基とは、−C≡CH基を意味し、該水素原子は置換されていてもよい。
上記の吸着基は任意の置換基を有していてもよい。
さらに吸着基の具体例としては、さらに特開平11−95355号の明細書p4〜p7に記載されているものが挙げられる。
式(AR)中、Aで表される吸着基として好ましいものは、メルカプト置換ヘテロ環基(例えば2−メルカプトチアジアゾール基、2−メルカプト−5−アミノチアジアゾール基、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、5−メルカプトテトラゾール基、2−メルカプト−1,3,4−オキサジアゾール基、2−メルカプトベンズイミダゾール基、1,5−ジメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレート基、2,4−ジメルカプトピリミジン基、2,4−ジメルカプトトリアジン基、3,5−ジメルカプト−1,2,4−トリアゾール基、2,5−ジメルカプト−1,3−チアゾール基など)、又はイミノ銀(>NAg)を形成しうる−NH−基をヘテロ環の部分構造として有する含窒素ヘテロ環基(例えばベンゾトリアゾール基、ベンズイミダゾール基、インダゾール基など)であり、さらに好ましい吸着基は2−メルカプトベンズイミダゾール基、3,5−ジメルカプト−1,2,4−トリアゾール基である。
式(AR)中、Wは2価の連結基を表す。該連結基は写真性に悪影響を与えないものであればどのようなものでも構わない。例えば炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子から構成される2価の連結基が利用できる。具体的には炭素数1〜20のアルキレン基(例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基等)、炭素数2〜20のアルケニレン基、炭素数2〜20のアルキニレン基、炭素数6〜20のアリーレン基(例えばフェニレン基、ナフチレン基等)、−CO−、−SO2−、−O−、−S−、−NR1−、これらの連結基の組み合わせ等があげられる。ここでR1は水素原子、アルキル基、ヘテロ環基、アリール基を表わす。
Wで表される連結基は任意の置換基を有していてもよい。
Wで表される連結基は任意の置換基を有していてもよい。
式(AR)中、Bで表される還元基とは銀イオンを還元可能な基を表し、例えばホルミル基、アミノ基、アセチレン基やプロパルギル基などの3重結合基、メルカプト基、ヒドロキシルアミン類、ヒドロキサム酸類、ヒドロキシウレア類、ヒドロキシウレタン類、ヒドロキシセミカルバジド類、レダクトン類(レダクトン誘導体を含む)、アニリン類、フェノール類(クロマン−6−オール類、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−オール類、アミノフェノール類、スルホンアミドフェノール類、及びハイドロキノン類、カテコール類、レゾルシノール類、ベンゼントリオール類、ビスフェノール類のようなポリフェノール類を含む)、アシルヒドラジン類、カルバモイルヒドラジン類、3−ピラゾリドン類等から水素原子を1つ除去した残基が挙げられる。もちろん、これらは任意の置換基を有していても良い。
式(AR)中、Bで表される還元基はその酸化電位を、藤嶋昭著「電気化学測定法」(150−208頁、技報堂出版)や日本化学会編著「実験化学講座」第4版(9巻282−344頁、丸善)に記載の測定法を用いて測定することができる。例えば回転ディスクボルタンメトリーの技法で、具体的には試料をメタノール:pH6.5ブリトン−ロビンソン緩衝液(Britton−Robinson buffer)=10%:90%(容量%)の溶液に溶解し、10分間窒素ガスを通気した後、グラッシーカーボン製の回転ディスク電極(RDE)を作用電極に用い、白金線を対極に用い、飽和カロメル電極を参照電極に用いて、25℃、1000回転/分、20mV/秒のスイープ速度で測定できる。得られたボルタモグラムから半波電位(E1/2)を求めることができる。
本発明におけるBで表される還元基は上記測定法で測定した場合、その酸化電位が約−0.3V〜約1.0Vの範囲にあることが好ましい。より好ましくは約−0.1V〜約0.8Vの範囲であり、特に好ましくは約0〜約0.7Vの範囲である。
本発明におけるBで表される還元基は上記測定法で測定した場合、その酸化電位が約−0.3V〜約1.0Vの範囲にあることが好ましい。より好ましくは約−0.1V〜約0.8Vの範囲であり、特に好ましくは約0〜約0.7Vの範囲である。
式(AR)中、Bで表される還元基は好ましくはヒドロキシルアミン類、ヒドロキサム酸類、ヒドロキシウレア類、ヒドロキシセミカルバジド類、レダクトン類、フェノール類、アシルヒドラジン類、カルバモイルヒドラジン類、3−ピラゾリドン類から水素原子を1つ除去した残基である。
本発明における式(AR)の化合物は、その中にカプラー等の不動性写真用添加剤において常用されているバラスト基又はポリマー鎖が組み込まれているものでもよい。またポリマーとしては、例えば特開平1−100530号に記載のものが挙げられる。
本発明における式(AR)の化合物はビス体、トリス体であっても良い。本発明における式(AR)の化合物の分子量は好ましくは100〜10000の間であり、より好ましくは120〜1000の間であり、特に好ましくは150〜500の間である。
以下に本発明における式(AR)の化合物を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
さらに欧州特許1308776A2号明細書P73〜P87に記載の具体的化合物1〜30、1”−1〜1”−77も本発明における吸着基と還元性基を有する化合物の好ましい例として挙げられる。
これらの化合物は公知の方法にならって容易に合成することができる。本発明における式(AR)の化合物は、一種類の化合物を単独で用いてもよいが、同時に2種以上の化合物を用いることも好ましい。2種類以上の化合物を用いる場合、それらは同一層に添加しても、別層に添加してもよく、またそれぞれ添加方法が異なっていてもよい。
本発明における式(AR)の化合物は、ハロゲン化銀乳剤層(画像形成層)に添加されることが好ましく、乳剤調製時に添加することがより好ましい。乳剤調製時に添加する場合、その工程中のいかなる場合に添加することも可能であり、その例を挙げると、ハロゲン化銀の粒子形成工程、脱塩工程の開始前、脱塩工程、化学熟成の開始前、化学熟成の工程、完成乳剤調製前の工程などを挙げることができる。またこれらの工程中の複数回にわけて添加することもできる。また画像形成層に使用するのが好ましいが、画像形成層とともに隣接する保護層や中間層に添加しておき、塗布時に拡散させてもよい。
好ましい添加量は、上述した添加法や添加する化合物種に大きく依存するが、一般には感光性ハロゲン化銀1モル当たり、1×10-6モル以上1モル以下、好ましくは1×10-5モル以上5×10-1モル以下、さらに好ましくは1×10-4モル以上1×10-1モル以下である。
好ましい添加量は、上述した添加法や添加する化合物種に大きく依存するが、一般には感光性ハロゲン化銀1モル当たり、1×10-6モル以上1モル以下、好ましくは1×10-5モル以上5×10-1モル以下、さらに好ましくは1×10-4モル以上1×10-1モル以下である。
本発明における式(AR)の化合物は、水、メタノール、エタノールなどの水可溶性溶媒又はこれらの混合溶媒に溶解して添加することができる。この際、酸又は塩基によってpHを適当に調整してもよく、また界面活性剤を共存させてもよい。さらに乳化分散物として高沸点有機溶媒に溶解させて添加することもできる。また、固体分散物として添加することもできる。
11)ハロゲン化銀の複数併用
本発明に用いられる熱現像感光材料中の感光性ハロゲン化銀乳剤は、一種だけでもよいし、二種以上(例えば、平均粒子サイズの異なるもの、ハロゲン組成の異なるもの、晶癖の異なるもの、化学増感の条件の異なるもの)併用してもよい。感度の異なる感光性ハロゲン化銀を複数種用いることで階調を調節することができる。これらに関する技術としては特開昭57−119341号、同53−106125号、同47−3929号、同48−55730号、同46−5187号、同50−73627号、同57−150841号などが挙げられる。感度差としてはそれぞれの乳剤で0.2logE以上の差を持たせることが好ましい。
本発明に用いられる熱現像感光材料中の感光性ハロゲン化銀乳剤は、一種だけでもよいし、二種以上(例えば、平均粒子サイズの異なるもの、ハロゲン組成の異なるもの、晶癖の異なるもの、化学増感の条件の異なるもの)併用してもよい。感度の異なる感光性ハロゲン化銀を複数種用いることで階調を調節することができる。これらに関する技術としては特開昭57−119341号、同53−106125号、同47−3929号、同48−55730号、同46−5187号、同50−73627号、同57−150841号などが挙げられる。感度差としてはそれぞれの乳剤で0.2logE以上の差を持たせることが好ましい。
12)塗布量
感光性ハロゲン化銀の添加量は、感材1m2当たりの塗布銀量で示して、0.03g/m2以上0.6g/m2以下であることが好ましく、0.05g/m2以上0.4g/m2以下であることがさらに好ましく、0.07g/m2以上0.3g/m2以下であることが最も好ましく、有機銀塩1モルに対しては、感光性ハロゲン化銀は0.01モル以上0.5モル以下が好ましく、より好ましくは0.02モル以上0.3モル以下、さらに好ましくは0.03モル以上0.2モル以下である。
感光性ハロゲン化銀の添加量は、感材1m2当たりの塗布銀量で示して、0.03g/m2以上0.6g/m2以下であることが好ましく、0.05g/m2以上0.4g/m2以下であることがさらに好ましく、0.07g/m2以上0.3g/m2以下であることが最も好ましく、有機銀塩1モルに対しては、感光性ハロゲン化銀は0.01モル以上0.5モル以下が好ましく、より好ましくは0.02モル以上0.3モル以下、さらに好ましくは0.03モル以上0.2モル以下である。
13)感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の混合
別々に調製した感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の混合方法及び混合条件については、それぞれ調製終了したハロゲン化銀粒子と有機銀塩を高速撹拌機やボールミル、サンドミル、コロイドミル、振動ミル、ホモジナイザー等で混合する方法や、あるいは有機銀塩の調製中のいずれかのタイミングで調製終了した感光性ハロゲン化銀を混合して有機銀塩を調製する方法等があるが、本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。また、混合する際に2種以上の有機銀塩水分散液と2種以上の感光性銀塩水分散液を混合することは、写真特性の調節のために好ましい方法である。
別々に調製した感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の混合方法及び混合条件については、それぞれ調製終了したハロゲン化銀粒子と有機銀塩を高速撹拌機やボールミル、サンドミル、コロイドミル、振動ミル、ホモジナイザー等で混合する方法や、あるいは有機銀塩の調製中のいずれかのタイミングで調製終了した感光性ハロゲン化銀を混合して有機銀塩を調製する方法等があるが、本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。また、混合する際に2種以上の有機銀塩水分散液と2種以上の感光性銀塩水分散液を混合することは、写真特性の調節のために好ましい方法である。
14)ハロゲン化銀の塗布液への混合
ハロゲン化銀の画像形成層塗布液中への好ましい添加時期は、塗布する180分前から直前、好ましくは60分前から10秒前であるが、混合方法及び混合条件については本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。具体的な混合方法としては添加流量とコーターへの送液量から計算した平均滞留時間を所望の時間となるようにしたタンクでの混合する方法やN.Harnby、M.F.Edwards、A.W.Nienow著、高橋幸司訳「液体混合技術」(日刊工業新聞社刊、1989年)の第8章等に記載されているスタチックミキサーなどを使用する方法がある。
ハロゲン化銀の画像形成層塗布液中への好ましい添加時期は、塗布する180分前から直前、好ましくは60分前から10秒前であるが、混合方法及び混合条件については本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。具体的な混合方法としては添加流量とコーターへの送液量から計算した平均滞留時間を所望の時間となるようにしたタンクでの混合する方法やN.Harnby、M.F.Edwards、A.W.Nienow著、高橋幸司訳「液体混合技術」(日刊工業新聞社刊、1989年)の第8章等に記載されているスタチックミキサーなどを使用する方法がある。
(好ましい塗布液の溶媒)
本発明において熱現像感光材料の画像形成層塗布液の溶媒(ここでは簡単のため、溶媒と分散媒をあわせて溶媒と表す。)は、水を30質量%以上含む水系溶媒が好ましい。水以外の成分としてはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、酢酸エチルなど任意の水混和性有機溶媒を用いてよい。塗布液の溶媒の水含有率は50質量%以上、より好ましくは70質量%以上が好ましい。好ましい溶媒組成の例を挙げると、水の他、水/メチルアルコール=90/10、水/メチルアルコール=70/30、水/メチルアルコール/ジメチルホルムアミド=80/15/5、水/メチルアルコール/エチルセロソルブ=85/10/5、水/メチルアルコール/イソプロピルアルコール=85/10/5などがある(数値は質量%)。
本発明において熱現像感光材料の画像形成層塗布液の溶媒(ここでは簡単のため、溶媒と分散媒をあわせて溶媒と表す。)は、水を30質量%以上含む水系溶媒が好ましい。水以外の成分としてはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、酢酸エチルなど任意の水混和性有機溶媒を用いてよい。塗布液の溶媒の水含有率は50質量%以上、より好ましくは70質量%以上が好ましい。好ましい溶媒組成の例を挙げると、水の他、水/メチルアルコール=90/10、水/メチルアルコール=70/30、水/メチルアルコール/ジメチルホルムアミド=80/15/5、水/メチルアルコール/エチルセロソルブ=85/10/5、水/メチルアルコール/イソプロピルアルコール=85/10/5などがある(数値は質量%)。
(現像促進剤の説明)
本発明の熱現像感光材料では、現像促進剤として特開2000−267222号明細書や特開2000−330234号明細書等に記載の一般式(A)で表されるスルホンアミドフェノール系の化合物、特開平2001−92075記載の一般式(II)で表されるヒンダードフェノール系の化合物、特開平10−62895号明細書や特開平11−15116号明細書等に記載の一般式(I)、特開2002−156727号の一般式(D)や特開2002−278017号明細書に記載の一般式(1)で表されるヒドラジン系の化合物、特開2001−264929号明細書に記載されている一般式(2)で表されるフェノール系またはナフトール系の化合物が好ましく用いられる。これらの現像促進剤は還元剤に対して0.1モル%〜20モル%の範囲で使用され、好ましくは0.5モル%〜10モル%の範囲で、より好ましくは1モル%〜5モル%の範囲である。感材への導入方法は還元剤同様の方法があげられるが、特に固体分散物または乳化分散物として添加することが好ましい。乳化分散物として添加する場合、常温で固体である高沸点溶剤と低沸点の補助溶剤を使用して分散した乳化分散物として添加するか、もしくは高沸点溶剤を使用しない所謂オイルレス乳化分散物として添加することが好ましい。
本発明においては上記現像促進剤の中でも、特開2002−156727号明細書に記載の一般式(D)で表されるヒドラジン系の化合物および特開2001−264929号明細書に記載されている一般式(2)で表されるフェノール系またはナフトール系の化合物がより好ましい。
本発明の熱現像感光材料では、現像促進剤として特開2000−267222号明細書や特開2000−330234号明細書等に記載の一般式(A)で表されるスルホンアミドフェノール系の化合物、特開平2001−92075記載の一般式(II)で表されるヒンダードフェノール系の化合物、特開平10−62895号明細書や特開平11−15116号明細書等に記載の一般式(I)、特開2002−156727号の一般式(D)や特開2002−278017号明細書に記載の一般式(1)で表されるヒドラジン系の化合物、特開2001−264929号明細書に記載されている一般式(2)で表されるフェノール系またはナフトール系の化合物が好ましく用いられる。これらの現像促進剤は還元剤に対して0.1モル%〜20モル%の範囲で使用され、好ましくは0.5モル%〜10モル%の範囲で、より好ましくは1モル%〜5モル%の範囲である。感材への導入方法は還元剤同様の方法があげられるが、特に固体分散物または乳化分散物として添加することが好ましい。乳化分散物として添加する場合、常温で固体である高沸点溶剤と低沸点の補助溶剤を使用して分散した乳化分散物として添加するか、もしくは高沸点溶剤を使用しない所謂オイルレス乳化分散物として添加することが好ましい。
本発明においては上記現像促進剤の中でも、特開2002−156727号明細書に記載の一般式(D)で表されるヒドラジン系の化合物および特開2001−264929号明細書に記載されている一般式(2)で表されるフェノール系またはナフトール系の化合物がより好ましい。
本発明の特に好ましい現像促進剤は下記一般式(A−1)および(A−2)で表される化合物である。
一般式(A−1)
Q1−NHNH−Q2
(式中、Q1は炭素原子で−NHNH−Q2と結合する芳香族基、またはヘテロ環基を表し、Q2はカルバモイル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホニル基、またはスルファモイル基を表す。)
一般式(A−1)
Q1−NHNH−Q2
(式中、Q1は炭素原子で−NHNH−Q2と結合する芳香族基、またはヘテロ環基を表し、Q2はカルバモイル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホニル基、またはスルファモイル基を表す。)
一般式(A−1)において、Q1で表される芳香族基またはヘテロ環基としては5〜7員の不飽和環が好ましい。好ましい例としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、1,2,4−トリアジン環、1,3,5−トリアジン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,2,5−チアジアゾール環、1,3,4−オキサジアゾール環、1,2,4−オキサジアゾール環、1,2,5−オキサジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、チオフェン環などが好ましく、さらにこれらの環が互いに縮合した縮合環も好ましい。
これらの環は置換基を有していてもよく、2個以上の置換基を有する場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、カルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、カルバモイル基、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、およびアシル基を挙げることができる。これらの置換基が置換可能な基である場合、さらに置換基を有してもよく、好ましい置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、カルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、およびアシルオキシ基を挙げることができる。
Q2で表されるカルバモイル基は、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数6〜40のカルバモイル基であり、例えば、無置換カルバモイル、メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−プロピルカルバモイル、N−sec−ブチルカルバモイル、N−オクチルカルバモイル、N−シクロヘキシルカルバモイル、N−tert−ブチルカルバモイル、N−ドデシルカルバモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)カルバモイル、N−オクタデシルカルバモイル、N−{3−(2,4−tert−ペンチルフェノキシ)プロピル}カルバモイル、N−(2−ヘキシルデシル)カルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N−(4−ドデシルオキシフェニル)カルバモイル、N−(2−クロロ−5−ドデシルオキシカルボニルフェニル)カルバモイル、N−ナフチルカルバモイル、N−3−ピリジルカルバモイル、N−ベンジルカルバモイルが挙げられる。
Q2で表されるアシル基は、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数6〜40のアシル基であり、例えば、ホルミル、アセチル、2−メチルプロパノイル、シクロヘキシルカルボニル、オクタノイル、2−ヘキシルデカノイル、ドデカノイル、クロロアセチル、トリフルオロアセチル、ベンゾイル、4−ドデシルオキシベンゾイル、2−ヒドロキシメチルベンゾイルが挙げられる。Q2で表されるアルコキシカルボニル基は、好ましくは炭素数2〜50、より好ましくは炭素数6〜40のアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソブチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルが挙げられる。
Q2で表されるアリールオキシカルボニル基は、好ましくは炭素数7〜50、より好ましくは炭素数7〜40のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル、4−オクチルオキシフェノキシカルボニル、2−ヒドロキシメチルフェノキシカルボニル、4−ドデシルオキシフェノキシカルボニルが挙げられる。Q2で表されるスルホニル基は、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数6〜40のスルホニル基で、例えば、メチルスルホニル、ブチルスルホニル、オクチルスルホニル、2−ヘキサデシルスルホニル、3−ドデシルオキシプロピルスルホニル、2−オクチルオキシ−5−tert−オクチルフェニルスルホニル、4−ドデシルオキシフェニルスルホニルが挙げられる。
Q2で表されるスルファモイル基は、好ましくは炭素数0〜50、より好ましくは炭素数6〜40のスルファモイル基で、例えば、無置換スルファモイル、N−エチルスルファモイル基、N−(2−エチルヘキシル)スルファモイル、N−デシルスルファモイル、N−ヘキサデシルスルファモイル、N−{3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル}スルファモイル、N−(2−クロロ−5−ドデシルオキシカルボニルフェニル)スルファモイル、N−(2−テトラデシルオキシフェニル)スルファモイルが挙げられる。Q2で表される基は、さらに、置換可能な位置に前記のQ1で表される5員〜7員の不飽和環の置換基の例として挙げた基を有していてもよく、2個以上の置換基を有する場合には、それ等の置換基は同一であっても異なっていてもよい。
次に、式(A−1)で表される化合物の好ましい範囲について述べる。Q1としては5員〜6員の不飽和環が好ましく、ベンゼン環、ピリミジン環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,3,4−オキサジアゾール環、1,2,4−オキサジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、およびこれらの環がベンゼン環もしくは不飽和ヘテロ環と縮合した環が更に好ましい。また、Q2はカルバモイル基が好ましく、特に窒素原子上に水素原子を有するカルバモイル基が好ましい。
一般式(A−2)においてR1はアルキル基、アシル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基を表す。R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルオキシ基、炭酸エステル基を表す。R3、R4はそれぞれ一般式(A−1)の置換基例で挙げたベンゼン環に置換可能な基を表す。R3とR4は互いに連結して縮合環を形成してもよい。
R1は好ましくは炭素数1〜20のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−オクチル基、シクロヘキシル基など)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、メチルウレイド基、4−シアノフェニルウレイド基など)、カルバモイル基(n−ブチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基、2−クロロフェニルカルバモイル基、2,4−ジクロロフェニルカルバモイル基など)でアシルアミノ基(ウレイド基、ウレタン基を含む)がより好ましい。R2は好ましくはハロゲン原子(より好ましくは塩素原子、臭素原子)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−デシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ベンジルオキシ基など)、アリールオキシ基(フェノキシ基、ナフトキシ基など)である。
R3は好ましくは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基であり、ハロゲン原子がもっとも好ましい。R4は水素原子、アルキル基、アシルアミノ基が好ましく、アルキル基またはアシルアミノ基がより好ましい。これらの好ましい置換基の例はR1と同様である。R4がアシルアミノ基である場合R4はR3と連結してカルボスチリル環を形成することも好ましい。
一般式(A−2)においてR3とR4が互いに連結して縮合環を形成する場合、縮合環としてはナフタレン環が特に好ましい。ナフタレン環には一般式(A−1)で挙げた置換基例と同じ置換基が結合していてもよい。一般式(A−2)がナフトール系の化合物であるとき、R1はカルバモイル基であることが好ましい。その中でもベンゾイル基であることが特に好ましい。R2はアルコキシ基、アリールオキシ基であることが好ましく、アルコキシ基であることが特に好ましい。
以下、本発明の現像促進剤の好ましい具体例を挙げる。本発明はこれらに限定されるものではない。
(水素結合性化合物の説明)
本発明における還元剤が芳香族性の水酸基(−OH)またはアミノ基(−NHR、Rは水素原子またはアルキル基)を有する場合、特に前述のビスフェノール類の場合には、これらの基と水素結合を形成することが可能な基を有する非還元性の化合物を併用することが好ましい。
水酸基またはアミノ基と水素結合を形成する基としては、ホスホリル基、スルホキシド基、スルホニル基、カルボニル基、アミド基、エステル基、ウレタン基、ウレイド基、3級アミノ基、含窒素芳香族基などが挙げられる。その中でも好ましいのはホスホリル基、スルホキシド基、アミド基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)、ウレタン基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)、ウレイド基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)を有する化合物である。
本発明で、特に好ましい水素結合性の化合物は下記一般式(D)で表される化合物である。
本発明における還元剤が芳香族性の水酸基(−OH)またはアミノ基(−NHR、Rは水素原子またはアルキル基)を有する場合、特に前述のビスフェノール類の場合には、これらの基と水素結合を形成することが可能な基を有する非還元性の化合物を併用することが好ましい。
水酸基またはアミノ基と水素結合を形成する基としては、ホスホリル基、スルホキシド基、スルホニル基、カルボニル基、アミド基、エステル基、ウレタン基、ウレイド基、3級アミノ基、含窒素芳香族基などが挙げられる。その中でも好ましいのはホスホリル基、スルホキシド基、アミド基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)、ウレタン基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)、ウレイド基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)を有する化合物である。
本発明で、特に好ましい水素結合性の化合物は下記一般式(D)で表される化合物である。
一般式(D)においてR21ないしR23は各々独立にアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基またはヘテロ環基を表し、これらの基は無置換であっても置換基を有していてもよい。
R21ないしR23が置換基を有する場合の置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホンアミド基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、ホスホリル基などがあげられ、置換基として好ましいのはアルキル基またはアリール基でたとえばメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−オクチル基、フェニル基、4−アルコキシフェニル基、4−アシルオキシフェニル基などがあげられる。
R21ないしR23が置換基を有する場合の置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホンアミド基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、ホスホリル基などがあげられ、置換基として好ましいのはアルキル基またはアリール基でたとえばメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−オクチル基、フェニル基、4−アルコキシフェニル基、4−アシルオキシフェニル基などがあげられる。
R21ないしR23のアルキル基としては具体的にはメチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、2−フェノキシプロピル基などがあげられる。
アリール基としてはフェニル基、クレジル基、キシリル基、ナフチル基、4−t−ブチルフェニル基、4−t−オクチルフェニル基、4−アニシジル基、3,5−ジクロロフェニル基などが挙げられる。
アリール基としてはフェニル基、クレジル基、キシリル基、ナフチル基、4−t−ブチルフェニル基、4−t−オクチルフェニル基、4−アニシジル基、3,5−ジクロロフェニル基などが挙げられる。
アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、4−メチルシクロヘキシルオキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としてはフェノキシ基、クレジルオキシ基、イソプロピルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、ナフトキシ基、ビフェニルオキシ基等が挙げられる。
アミノ基としてはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、N−メチル−N−ヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としてはフェノキシ基、クレジルオキシ基、イソプロピルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、ナフトキシ基、ビフェニルオキシ基等が挙げられる。
アミノ基としてはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、N−メチル−N−ヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基等が挙げられる。
R21ないしR23としてはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基が好ましい。本発明の効果の点ではR21ないしR23のうち少なくとも一つ以上がアルキル基またはアリール基であることが好ましく、二つ以上がアルキル基またはアリール基であることがより好ましい。また、安価に入手する事ができるという点ではR21ないしR23が同一の基である場合が好ましい。
以下に本発明における一般式(D)の化合物をはじめとする水素結合性化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
水素結合性化合物の具体例は上述の他に欧州特許1096310号明細書、特開2002−156727号、特開2002−318431号に記載のものがあげられる。
本発明の一般式(D)の化合物は、還元剤と同様に溶液形態、乳化分散形態、固体分散微粒子分散物形態で塗布液に含有せしめ、熱現像感光材料中で使用することができるが、固体分散物として使用することが好ましい。本発明の化合物は、溶液状態でフェノール性水酸基、アミノ基を有する化合物と水素結合性の錯体を形成しており、還元剤と本発明の一般式(D)の化合物との組み合わせによっては錯体として結晶状態で単離することができる。
本発明の一般式(D)の化合物は、還元剤と同様に溶液形態、乳化分散形態、固体分散微粒子分散物形態で塗布液に含有せしめ、熱現像感光材料中で使用することができるが、固体分散物として使用することが好ましい。本発明の化合物は、溶液状態でフェノール性水酸基、アミノ基を有する化合物と水素結合性の錯体を形成しており、還元剤と本発明の一般式(D)の化合物との組み合わせによっては錯体として結晶状態で単離することができる。
このようにして単離した結晶粉体を固体分散微粒子分散物として使用することは安定した性能を得る上で特に好ましい。また、還元剤と本発明の一般式(D)の化合物を粉体で混合し、適当な分散剤を使って、サンドグラインダーミル等で分散時に錯形成させる方法も好ましく用いることができる。
本発明の一般式(D)の化合物は還元剤に対して、1モル%〜200モル%の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは10モル%〜150モル%の範囲で、さらに好ましくは20モル%〜100モル%の範囲である。
本発明の一般式(D)の化合物は還元剤に対して、1モル%〜200モル%の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは10モル%〜150モル%の範囲で、さらに好ましくは20モル%〜100モル%の範囲である。
(バインダーの説明)
本発明において、画像形成層のバインダーは、下記一般式(M)で表されるモノマー成分を10質量%以上70質量%以下有するポリマーラテックス(以下の説明文では、「一般式(M)で表されるモノマーを共重合させたポリマー」と表記する)を50質量%以上含有することが好ましい。
一般式(M)
CH2=CR01−CR02=CH2
式中、R01、R02は、独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、およびシアノ基より選ばれる原子または基を表す。
本発明において、画像形成層のバインダーは、下記一般式(M)で表されるモノマー成分を10質量%以上70質量%以下有するポリマーラテックス(以下の説明文では、「一般式(M)で表されるモノマーを共重合させたポリマー」と表記する)を50質量%以上含有することが好ましい。
一般式(M)
CH2=CR01−CR02=CH2
式中、R01、R02は、独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、およびシアノ基より選ばれる原子または基を表す。
R01およびR02の好ましいアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜2のアルキル基である。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましく、塩素原子がさらに好ましい。
R01およびR02として、より好ましくは、共に水素原子、一方が水素原子で他方がメチル基、または塩素原子である。
R01およびR02として、より好ましくは、共に水素原子、一方が水素原子で他方がメチル基、または塩素原子である。
本発明の一般式(M)で表されるモノマーの具体例としては、1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−n−プロピル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、1−ブロム−1,3−ブタジエン、2−フルオロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジクロル−1,3−ブタジエン、2−シアノ−1,3−ブタジエンがあげられる。
一般式(M)で表されるモノマーを共重合したポリマーにおける一般式(M)で表されるモノマーの共重合比率は、10質量%〜70質量%であり、好ましくは、15質量%〜65質量%あり、より好ましくは20質量%〜60質量%である。一般式(M)で表されるモノマーの共重合比率が10質量%未満であると、バインダーの融着成分が減少し、加工脆性が悪化する。また、一般式(M)で表されるモノマーの共重合比率が70質量%を超えると、バインダーの融着成分が増加し、バインダーの運動性が上昇するため、画像保存性が悪化する。
本発明において、一般式(M)で表されるモノマーと共重合され得る他のモノマーとしては、特に制限はなく、通常のラジカル重合又はイオン重合法で重合可能なものであれば、好適に用いることができる。好ましく用いることができるモノマーとして、下記に示すモノマー群(a)〜(j)から独立かつ自由に組み合わせて選択することができる。
−モノマー群(a)〜(j)−
(a)共役ジエン類:1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1−α−ナフチル−1,3−ブタジエン、1−β−ナフチル−1,3−ブタジエン、1−ブロム−1,3−ブタジエン、1−クロル−1,3−ブタジエン、1,1,2−トリクロル−1,3−ブタジエン、シクロペンタジエン等。
(b)オレフィン類:エチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、6−ヒドロキシ−1−ヘキセン、4−ペンテン酸、8−ノネン酸メチル、ビニルスルホン酸、トリメチルビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,2,5−トリビニルシクロヘキサン等。
(c)α,β−不飽和カルボン酸及びその塩類:アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸アンモニウム、イタコン酸カリウム等。
(a)共役ジエン類:1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1−α−ナフチル−1,3−ブタジエン、1−β−ナフチル−1,3−ブタジエン、1−ブロム−1,3−ブタジエン、1−クロル−1,3−ブタジエン、1,1,2−トリクロル−1,3−ブタジエン、シクロペンタジエン等。
(b)オレフィン類:エチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、6−ヒドロキシ−1−ヘキセン、4−ペンテン酸、8−ノネン酸メチル、ビニルスルホン酸、トリメチルビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,2,5−トリビニルシクロヘキサン等。
(c)α,β−不飽和カルボン酸及びその塩類:アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸アンモニウム、イタコン酸カリウム等。
(d)α,β−不飽和カルボン酸エステル類:アルキルアクリレート(例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート等)、置換アルキルアクリレート(例えば、2−クロロエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−シアノエチルアクリレート等)、アルキルメタクリレート(例えば、メチルメタクリレート、ブチルメタクリ−レート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート等)、置換アルキルメタクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、グリセリンモノメタクリレート、2−アセトキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(ポリオキシプロピレンの付加モル数=2ないし100のもの)、3−N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、クロロ−3−N,N,N−トリメチルアンモニオプロピルメタクリレート、2−カルボキシエチルメタクリレート、3−スルホプロピルメタクリレート、4−オキシスルホブチルメタクリレート、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレート、アリルメタクリレート、2−イソシアナトエチルメタクリレート等)、不飽和ジカルボン酸の誘導体(例えば、マレイン酸モノブチル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジブチル等)、多官能エステル類(例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,2,4−シクロヘキサンテトラメタクリレート等)。
(e)β−不飽和カルボン酸のアミド類:例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチル−N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−tertブチルアクリルアミド、N−tertオクチルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチル)アクリルアミド、N−アクリロイルモルフォリン、ジアセトンアクリルアミド、イタコン酸ジアミド、N−メチルマレイミド、2−アクリルアミド−メチルプロパンスルホン酸、メチレンビスアクリルアミド、ジメタクリロイルピペラジン等
(f)不飽和ニトリル類:アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(g)スチレン及びその誘導体:スチレン、ビニルトルエン、p−tertブチルスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、ビニルナフタレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、p−スチレンスルホン酸ナトリウム塩、p−スチレンスルフィン酸カリウム塩、p−アミノメチルスチレン、1,4−ジビニルベンゼン等。
(h)ビニルエーテル類:メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル等。
(g)スチレン及びその誘導体:スチレン、ビニルトルエン、p−tertブチルスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、ビニルナフタレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、p−スチレンスルホン酸ナトリウム塩、p−スチレンスルフィン酸カリウム塩、p−アミノメチルスチレン、1,4−ジビニルベンゼン等。
(h)ビニルエーテル類:メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル等。
(i)ビニルエステル類:酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニルクロロ酢酸ビニル等。
(j)その他の重合性単量体:N−ビニルイミダゾール、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、2−ビニルオキサゾリン、2−イソプロペニルオキサゾリン、ジビニルスルホン等。
(j)その他の重合性単量体:N−ビニルイミダゾール、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、2−ビニルオキサゾリン、2−イソプロペニルオキサゾリン、ジビニルスルホン等。
本発明の一般式(M)で表されるモノマーを共重合させたポリマーの好ましい例としては、スチレンとの共重合体(例えばランダム共重合体、ブロック共重合体等)、スチレンおよびブタジエン、イソプレンとの共重合体(例えばランダム共重合体、ブタジエン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等)、エチレン−プロピレンとの共重合体、アクリロニトリルとの共重合体、イソブチレンとの共重合体、アクリル酸エステルとの共重合体(例えばアクリル酸エステルとしては、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等)、及びアクリル酸エステルおよびアクリトニトリルとの共重合体(アクリル酸エステルとしては前記と同様なものが使用できる)を挙げることができ、この中でも、スチレンとの共重合体が最も好ましい。
また、本発明のポリマーは、これらの組成に、さらに酸基を有するモノマーを共重合するのが好ましい。酸基としては、カルボキシル酸、スルホン酸、リン酸が好ましい。酸基の共重合比率は、1〜20質量%が好ましく、より好ましくは1〜10質量%である。
酸基を有するモノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、p−スチレンスルホン酸ナトリウム塩、イソピレンスルホン酸、ホスホリルエチルメタクリレートなどが挙げられる。
酸基を有するモノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、p−スチレンスルホン酸ナトリウム塩、イソピレンスルホン酸、ホスホリルエチルメタクリレートなどが挙げられる。
本発明において、一般式(M)で表されるモノマーを共重合させたポリマーは、水分散物として塗布溶液に含有させることが好ましい。水分散物は、水系溶媒に水不溶な疎水性ポリマーの微粒子が分散しているラテックスや、ポリマー分子が分子状態又はミセルを形成して分散しているものなどいずれでもよいが、ラテックス分散した粒子がより好ましい。
分散粒子の平均粒径は1nm以上50000nm以下、好ましくは5nm以上1000nm以下の範囲で、より好ましくは10nm以上500nm以下の範囲、さらに好ましくは50nm以上200nm以下の範囲である。分散粒子の粒径分布に関しては特に制限は無く、広い粒径分布を持つものでも単分散の粒径分布を持つものでもよい。単分散の粒径分布を持つものを2種以上混合して使用することも塗布液の物性を制御する上で好ましい使用法である。
分散粒子の平均粒径は1nm以上50000nm以下、好ましくは5nm以上1000nm以下の範囲で、より好ましくは10nm以上500nm以下の範囲、さらに好ましくは50nm以上200nm以下の範囲である。分散粒子の粒径分布に関しては特に制限は無く、広い粒径分布を持つものでも単分散の粒径分布を持つものでもよい。単分散の粒径分布を持つものを2種以上混合して使用することも塗布液の物性を制御する上で好ましい使用法である。
<好ましいラテックス>
本発明に用いられる一般式(M)で表されるモノマーを共重合させたポリマーとしては、特に、スチレン−ブタジエン共重合体又はスチレン−イソプレン共重合体のラテックスが好ましい。スチレン−ブタジエン共重合体又はスチレン−イソプレン共重合体における、スチレンのモノマー単位とブタジエン又はイソプレンのモノマー単位との質量比は、40:60〜95:5であることが好ましい。
本発明に用いられる一般式(M)で表されるモノマーを共重合させたポリマーとしては、特に、スチレン−ブタジエン共重合体又はスチレン−イソプレン共重合体のラテックスが好ましい。スチレン−ブタジエン共重合体又はスチレン−イソプレン共重合体における、スチレンのモノマー単位とブタジエン又はイソプレンのモノマー単位との質量比は、40:60〜95:5であることが好ましい。
また、本発明における一般式(M)で表されるモノマーを共重合させたポリマーは、アクリル酸またはメタクリル酸をスチレンとブタジエンの和に対して1質量%以上6質量%以下含有することが好ましく、より好ましくは2質量%以上5質量%以下含有する。本発明におけるポリマーラテックスは、アクリル酸を含有することが好ましい。好ましい分子量の範囲は前記と同様である。
<ラテックスの具体例>
好ましいポリマーラテックスの具体例としては以下のものを挙げることができる。以下では原料モノマーを用いて表し、例示化合物(P−1)〜(P−29)においては、化学式中のx、y、z、z’はポリマー組成の質量比を示し、x、y、z、z’の総和は100%となる。例示化合物(P−31)〜(P−46)においては、括弧内の数値は質量%、分子量は数平均分子量である。多官能モノマーを使用した場合は架橋構造を作るため分子量の概念が適用できないので架橋性と記載し、分子量の記載を省略した。Tgはポリマーから得られる乾膜のガラス転移温度を表す。
好ましいポリマーラテックスの具体例としては以下のものを挙げることができる。以下では原料モノマーを用いて表し、例示化合物(P−1)〜(P−29)においては、化学式中のx、y、z、z’はポリマー組成の質量比を示し、x、y、z、z’の総和は100%となる。例示化合物(P−31)〜(P−46)においては、括弧内の数値は質量%、分子量は数平均分子量である。多官能モノマーを使用した場合は架橋構造を作るため分子量の概念が適用できないので架橋性と記載し、分子量の記載を省略した。Tgはポリマーから得られる乾膜のガラス転移温度を表す。
本発明に用いることが好ましい市販のスチレン−ブタジエン共重合体のラテックスとしては、LACSTAR−3307B、7132C(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、Nipol Lx416(日本ゼオン(株)製)等が挙げられる。
これらのポリマーラテックスは単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上ブレンドしてもよい。また、これら以外のポリマーを併用してもよい。
本発明の一般式(M)で表されるモノマーを共重合させたポリマーは、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法、アニオン重合法、カチオン重合等により容易に得ることができるが、ラテックスとして得られる乳化重合法が最も好ましい。乳化重合法は、例えば、水、或いは、水と水に混和し得る有機溶媒(例えばメタノール、エタノール、アセトン等)との混合溶媒を分散媒とし、分散媒に対して5質量%〜150質量%のモノマー混合物と、モノマー総量に対して乳化剤と重合開始剤を用い、30℃〜100℃程度、好ましくは60℃〜90℃で3時間〜24時間、攪拌下重合させることにより行われる。分散媒、モノマー濃度、開始剤量、乳化剤量、分散剤量、反応温度、モノマー添加方法等の諸条件は、使用するモノマーの種類を考慮し、適宜設定される。また、必要に応じて分散剤を用いることが好ましい。
乳化重合法は、一般的には次に示す文献に従って行うことができる。「合成樹脂エマルジョン(奥田平、稲垣寛編集、高分子刊行会発行(1978))」、「合成ラテックスの応用(杉村孝明、片岡靖男、鈴木聡一、笠原啓司編集、高分子刊行会発行(1993))」、「合成ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970))」。本発明のポリマーラテックスを合成する乳化重合法において、一括重合法、モノマー(連続・分割)添加法、エマルジョン添加法、シード重合法などを選択することができ、ラテックスの生産性の観点から一括重合法、モノマー(連続・分割)添加法、エマルジョン添加法が好ましい。
前記重合開始剤としてはラジカル発生能があればよく、過硫酸塩や過酸化水素などの無機過酸化物、日本油脂(株)有機過酸化物カタログなどに記載の過酸化物および和光純薬工業(株)アゾ重合開始剤カタログなどに記載のアゾ化合物を用いることができる。その中でも、過硫酸塩などの水溶性過酸化物および和光純薬工業(株)アゾ重合開始剤カタログなどに記載の水溶性アゾ化合物が好ましく、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)塩酸塩、アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、アゾビスシアノ吉草酸がより好ましく、特に、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムなどの過酸化物が画像保存性、溶解性、コストの観点から好ましい。
前記重合開始剤の添加量としては、重合開始剤がモノマー総量に対して0.3質量%〜2.0質量%であることが好ましく、0.4質量%〜1.75質量%であることがより好ましく、0.5質量%〜1.5質量%であることが特に好ましい。この重合開始剤量が0.3質量%未満であると画像保存性が低下し、2.0%を超えるとラテックスが凝集しやすくなり塗布性を低下させる。
前記重合乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤のいずれも用いることができるが、アニオン性界面活性剤が分散性と画像保存性の観点から好ましく、少量で重合安定性が確保でき、加水分解耐性もあることからスルホン酸型アニオン界面活性剤がより好ましく、ペレックスSS−H(花王(株))に代表される長鎖アルキルジフェニル
エーテルジスルホン酸塩がさらに好ましく、パイオニンA−43−S(竹本油脂(株))のような低電解質タイプが特に好ましい。
エーテルジスルホン酸塩がさらに好ましく、パイオニンA−43−S(竹本油脂(株))のような低電解質タイプが特に好ましい。
前記重合乳化剤として、スルホン酸型アニオン界面活性剤がモノマー総量に対して0.1質量%〜10.0質量%使用されていることが好ましく、0.2質量%〜7.5質量%使用されていることがより好ましく、0.3質量%〜5.0質量%使用されていることが特に好ましい。この重合乳化剤が0.1質量%未満であると乳化重合時の安定性を確保できず、10.0%を超えると画像保存性が低下する。
本発明に用いられるポリマーラテックスの合成には、キレート剤を使用するのが好ましい。キレート剤は、鉄イオンなど金属イオンやカルシウムイオンなどのアルカリ土類金属イオンなどの多価イオンを配位(キレート)できる化合物であり、特公平6−8956号、米国特許5053322号、特開平4−73645号、特開平4−127145号、特開平4−247073号、特開平4−305572号、特開平6−11805号、特開平5−173312号、特開平5−66527号、特開平5−158195号、特開平6−118580号、特開平6−110168号、特開平6−161054号、特開平6−175299号、特開平6−214352号、特開平7−114161号、特開平7−114154号、特開平7−120894号、特開平7−199433号、特開平7−306504号、特開平9−43792号、特開平8−314090号、特開平10−182571号、特開平10−182570号、特開平11−190892号に記載の化合物を用いることができる。
前記キレート剤としては、無機キレート化合物(トリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸ナトリウム等)、アミノポリカルボン酸系キレート化合物(ニトリロトリ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸等)、有機ホスホン酸系キレート化合物(Research Disclosure18170号、特開昭52−102726号、同53−42730号、同56−97347号、同54−121127号、同55−4024号、同55−4025号、同55−29883号、同55−126241号、同55−65955号、同55−65956号、同57−179843号、同54−61125号、及び西独特許1045373号などに記載の化合物)、ポリフェノール系キレート剤、ポリアミン系キレート化合物など好ましく、アミノポリカルボン酸誘導体が特に好ましい。
前記アミノポリカルボン酸誘導体の好ましい例としては、「EDTA(−コンプレキサンの化学−)」(南江堂、1977年)の付表の化合物があげられ、またこれら化合物のカルボキシル基の一部がナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属塩やアンモニウム塩など置換されてもよい。特に好ましいアミノカルボン酸誘導体としては、イミノ二酢酸、N−メチルイミノ二酢酸、N−(2−アミノエチル)イミノ二酢酸、N−(カルバモイルメチル)イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン−N,N’−二酢酸、エチレンジアミン−N,N’−ジ−α−プロピオン酸、エチレンジアミン−N,N’−ジ−β−プロピオン酸、N,N’−エチレン−ビス(α−o−ヒドロキシフェニル)グリシン、N,N’−ジ(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N’−二酢酸、エチレンジアミン−N,N’−二酢酸−N,N’−ジアセトヒドロキサム酸、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、1,2−プロピレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、d,l−2,3−ジアミノブタン−N,N,N’,N’−四酢酸、meso−2,3−ジアミノブタン−N,N,N’,N’−四酢酸、1−フェニルエチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、d,l−1,2−ジフェニルエチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、1,4−ジアミノブタン−N,N,N’,N’−四酢酸、trans−シクロブタン−1,2−ジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、trans−シクロペンタン−1,2−ジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、trans−シクロヘキサン−1,2−ジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、cis−シクロヘキサン−1,2−ジアミン−N,N,N’
,N’−四酢酸、シクロヘキサン−1,3−ジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、シクロヘキサン−1,4−ジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、o−フェニレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、cis−1,4−ジアミノブテン−N,N,N’,N’−四酢酸、trans−1,4−ジアミノブテン−N,N,N’,N’−四酢酸、α,α’−ジアミノ−o−キシレン−N,N,N’,N’−四酢酸、2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、2,2’−オキシ−ビス(エチルイミノ二酢酸)、2,2’−エチレンジオキシ−ビス(エチルイミノ二酢酸)、エチレンジアミン−N,N’−二酢酸−N,N’−ジ−α−プロピオン酸、エチレンジアミン−N,N’−二酢酸−N,N’−ジ−β−プロピオン酸、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラプロピオン酸、ジエチレントリアミン−N,N,N’,N”,N”−五酢酸、トリエチレンテトラミン−N,N,N,N”,N’’’,N’’’−六酢酸、1,2,3−トリアミノプロパン−N,N,N’,N”,N’’’,N’’’−六酢酸があげられ、またこれら化合物のカルボキシル基の一部がナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属塩やアンモニウム塩など置換されたものもあげることができる。
,N’−四酢酸、シクロヘキサン−1,3−ジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、シクロヘキサン−1,4−ジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、o−フェニレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、cis−1,4−ジアミノブテン−N,N,N’,N’−四酢酸、trans−1,4−ジアミノブテン−N,N,N’,N’−四酢酸、α,α’−ジアミノ−o−キシレン−N,N,N’,N’−四酢酸、2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、2,2’−オキシ−ビス(エチルイミノ二酢酸)、2,2’−エチレンジオキシ−ビス(エチルイミノ二酢酸)、エチレンジアミン−N,N’−二酢酸−N,N’−ジ−α−プロピオン酸、エチレンジアミン−N,N’−二酢酸−N,N’−ジ−β−プロピオン酸、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラプロピオン酸、ジエチレントリアミン−N,N,N’,N”,N”−五酢酸、トリエチレンテトラミン−N,N,N,N”,N’’’,N’’’−六酢酸、1,2,3−トリアミノプロパン−N,N,N’,N”,N’’’,N’’’−六酢酸があげられ、またこれら化合物のカルボキシル基の一部がナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属塩やアンモニウム塩など置換されたものもあげることができる。
前記キレート剤の添加量は、モノマー総量に対して0.01質量%〜0.4質量%であることが好ましく、0.02質量%〜0.3質量%であることがより好ましく、0.03質量%〜0.15質量%であることが特に好ましい。キレート剤量が0.01質量%未満であると、ポリマーラテックスの製造工程で混入する金属イオンの捕捉が不十分となり、ラテックスの凝集に対する安定性が低下し、塗布性を悪化させる。また、0.4%を超えると、ラテックスの粘度が上昇し塗布性を低下させる。
本発明に用いられるポリマーラテックスの合成には、連鎖移動剤を使用することが好ましい。連鎖移動剤としては、Polymer Handbook,第3版、(Wiley−Interscience、1989)に記載されているものが好ましい。硫黄化合物は連鎖移動能が高く、少量で用いることで済むことからより好ましい。tert−ドデシルメルカプタンやn−ドデシルメルカプタン等疎水的なメルカプタン系の連鎖移動剤が特に好ましい。
前記連鎖移動剤量は、モノマー総量に対して0.2質量%〜2.0質量%が好ましく、0.3質量%〜1.8質量%がより好ましく、0.4質量%〜1.6質量%が特に好ましい。連鎖移動剤量が0.2質量%未満である加工脆性が低下し、2.0質量%を超えると、画像保存性が悪化する。
乳化重合では、上記化合物以外に、電解質、安定化剤、増粘剤、消泡剤、酸化防止剤、加硫剤、凍結防止剤、ゲル化剤、加硫促進剤など合成ゴムハンドブック等に記載の添加剤を使用してもよい。
以下、本発明に用いられるポリマーの合成例を示すが、ここに示される合成方法に限定されるわけではない。また、他の例示化合物でも同様な合成方法により合成することができる。
<合成例1−例示化合物P−1の合成>
ガスモノマー反応装置(耐圧硝子工業(株)製TAS−2J型)の重合釜に蒸留水1500g添加し、90℃で3時間加熱し、重合釜のステンレス表面やステンレス製撹拌装置の部材に不動態皮膜を形成させる。この処理を行った重合釜に、窒素ガスを1時間バブリングした蒸留水584.86g、界面活性剤(パイオニンA−43−S(竹本油脂(株)製))9.45g、1mol/リットルのNaOHを20.25g、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム塩0.216g、スチレン332.1g、イソプレン191.7g、アクリル酸16.2g、tert−ドデシルメルカプタン4.32gを入れ、反応容器を密閉し撹拌速度225rpmで撹拌し、内温60℃まで昇温した。ここに過硫酸アンモニウム2.7gを水50mlに溶解した液を添加し、そのまま7時間撹拌した。さらに90℃に昇温して3時間撹拌し、反応終了後、内温が室温になるまで下げた後、得られたポリマーをろ布(メッシュ:225)でろ過し、例示化合物P−1を1145g(固形分45質量%、粒径112nm)得た。
ガスモノマー反応装置(耐圧硝子工業(株)製TAS−2J型)の重合釜に蒸留水1500g添加し、90℃で3時間加熱し、重合釜のステンレス表面やステンレス製撹拌装置の部材に不動態皮膜を形成させる。この処理を行った重合釜に、窒素ガスを1時間バブリングした蒸留水584.86g、界面活性剤(パイオニンA−43−S(竹本油脂(株)製))9.45g、1mol/リットルのNaOHを20.25g、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム塩0.216g、スチレン332.1g、イソプレン191.7g、アクリル酸16.2g、tert−ドデシルメルカプタン4.32gを入れ、反応容器を密閉し撹拌速度225rpmで撹拌し、内温60℃まで昇温した。ここに過硫酸アンモニウム2.7gを水50mlに溶解した液を添加し、そのまま7時間撹拌した。さらに90℃に昇温して3時間撹拌し、反応終了後、内温が室温になるまで下げた後、得られたポリマーをろ布(メッシュ:225)でろ過し、例示化合物P−1を1145g(固形分45質量%、粒径112nm)得た。
<合成例2−例示化合物P−2の合成−>
ガスモノマー反応装置(耐圧硝子工業(株)製TAS−2J型)に上記合成例1と同様に不動態皮膜を形成させ、窒素ガスを1時間バブリングした蒸留水350.92g、界面活性剤(パイオニンA−43−S(竹本油脂(株)製))3.78g、1mol/リットルのNaOHを20.25g、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム塩0.216g、スチレン34.02g、イソプレン18.36g、アクリル酸1.62g、tert−ドデシルメルカプタン2.16gを入れ、反応容器を密閉し撹拌速度225rpmで撹拌し、内温65℃まで昇温した。ここに過硫酸アンモニウム1.35gを水50mlに溶解した液を添加し、そのまま2時間撹拌した。別途、蒸留水233.94g、界面活性剤(パイオニンA−43−S(竹本油脂(株)製))5.67g、スチレン306.18g、イソプレン165.24g、アクリル酸14.58g、tert−ドデシルメルカプタン2.16g、過硫酸アンモニウム1.35gを添加し、撹拌して乳化物を調製し、この乳化物を前記反応容器に8時間かけて添加した。添加終了後、さらに2時間撹拌した。さらに90℃に昇温して3時間撹拌し、反応終了後内温が室温になるまで下げた後、得られたポリマーをろ布(メッシュ:225)でろ過し、例示化合物P−2を1147g(固形分45質量%、粒径121nm)得た。
ガスモノマー反応装置(耐圧硝子工業(株)製TAS−2J型)に上記合成例1と同様に不動態皮膜を形成させ、窒素ガスを1時間バブリングした蒸留水350.92g、界面活性剤(パイオニンA−43−S(竹本油脂(株)製))3.78g、1mol/リットルのNaOHを20.25g、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム塩0.216g、スチレン34.02g、イソプレン18.36g、アクリル酸1.62g、tert−ドデシルメルカプタン2.16gを入れ、反応容器を密閉し撹拌速度225rpmで撹拌し、内温65℃まで昇温した。ここに過硫酸アンモニウム1.35gを水50mlに溶解した液を添加し、そのまま2時間撹拌した。別途、蒸留水233.94g、界面活性剤(パイオニンA−43−S(竹本油脂(株)製))5.67g、スチレン306.18g、イソプレン165.24g、アクリル酸14.58g、tert−ドデシルメルカプタン2.16g、過硫酸アンモニウム1.35gを添加し、撹拌して乳化物を調製し、この乳化物を前記反応容器に8時間かけて添加した。添加終了後、さらに2時間撹拌した。さらに90℃に昇温して3時間撹拌し、反応終了後内温が室温になるまで下げた後、得られたポリマーをろ布(メッシュ:225)でろ過し、例示化合物P−2を1147g(固形分45質量%、粒径121nm)得た。
<合成例3−例示化合物P−4の合成−>
ガスモノマー反応装置(耐圧硝子工業(株)製TAS−2J型)に上記合成例1と同様に不動態皮膜を形成させ、窒素ガスを1時間バブリングした蒸留水578.11g、界面活性剤(ペレックスSS−H(花王(株)製))16.2g、1mol/リットルのNaOHを20.25g、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム塩0.216g、スチレン321.3g、イソプレン202.5g、アクリル酸16.2g、tert−ドデシルメルカプタン4.32gを入れ、反応容器を密閉し撹拌速度225rpmで撹拌し、内温60℃まで昇温した。ここに過硫酸アンモニウム2.7gを水25mlに溶解した液を添加し、そのまま5時間撹拌した。さらに過硫酸アンモニウム1.35gを水25mlに溶解した液を添加し、90℃に昇温して3時間撹拌した。反応終了後、内温が室温になるまで下げた後、得られたポリマーをろ布(メッシュ:225)でろ過し、例示化合物P−4を1139g(固形分45質量%、粒径105nm、)得た。
ガスモノマー反応装置(耐圧硝子工業(株)製TAS−2J型)に上記合成例1と同様に不動態皮膜を形成させ、窒素ガスを1時間バブリングした蒸留水578.11g、界面活性剤(ペレックスSS−H(花王(株)製))16.2g、1mol/リットルのNaOHを20.25g、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム塩0.216g、スチレン321.3g、イソプレン202.5g、アクリル酸16.2g、tert−ドデシルメルカプタン4.32gを入れ、反応容器を密閉し撹拌速度225rpmで撹拌し、内温60℃まで昇温した。ここに過硫酸アンモニウム2.7gを水25mlに溶解した液を添加し、そのまま5時間撹拌した。さらに過硫酸アンモニウム1.35gを水25mlに溶解した液を添加し、90℃に昇温して3時間撹拌した。反応終了後、内温が室温になるまで下げた後、得られたポリマーをろ布(メッシュ:225)でろ過し、例示化合物P−4を1139g(固形分45質量%、粒径105nm、)得た。
<合成例4−例示化合物P−31の合成>
ガスモノマー反応装置(耐圧硝子工業(株)製TAS−2J型)の重合釜に蒸留水1500g添加し、90℃で3時間加熱し、重合釜のステンレス表面やステンレス製撹拌装置の部材に不動態皮膜を形成させる。この処理を行った重合釜に、蒸留水584.86g、界面活性剤(パイオニンA−43−S(竹本油脂(株)製))9.70g、1mol/L、NaOH20.25g、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム塩0.216g、スチレン372.6g、アクリル酸16.2g、tert−ドデシルメルカプタン4.32gを入れ、反応容器を密閉し撹拌速度225rpmで撹拌した。真空ポンプで脱気し窒素ガス置換を数回繰返した後に、1,3−ブタジエン151.2gを圧入して内温60℃まで昇温した。ここに過硫酸アンモニウム2.7gを水50mlに溶解した液を添加し、そのまま5時間撹拌した。さらに90℃に昇温して3時間撹拌し、反応終了後内温が室温になるまで下げた後、1mol/LのNaOHとNH4OHを用いてNa+イオン:NH4 +イオン=1:5.3(モル比)になるように添加処理し、pH8.4に調整した。
その後、孔径1.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納し、例示化合物P−31を1150g(固形分44%、粒径91nm、Tg=20℃)得た。イオンクロマトグラフィーによりハロゲンイオンを測定したところ、塩化物イオン濃度3ppmであった。
ガスモノマー反応装置(耐圧硝子工業(株)製TAS−2J型)の重合釜に蒸留水1500g添加し、90℃で3時間加熱し、重合釜のステンレス表面やステンレス製撹拌装置の部材に不動態皮膜を形成させる。この処理を行った重合釜に、蒸留水584.86g、界面活性剤(パイオニンA−43−S(竹本油脂(株)製))9.70g、1mol/L、NaOH20.25g、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム塩0.216g、スチレン372.6g、アクリル酸16.2g、tert−ドデシルメルカプタン4.32gを入れ、反応容器を密閉し撹拌速度225rpmで撹拌した。真空ポンプで脱気し窒素ガス置換を数回繰返した後に、1,3−ブタジエン151.2gを圧入して内温60℃まで昇温した。ここに過硫酸アンモニウム2.7gを水50mlに溶解した液を添加し、そのまま5時間撹拌した。さらに90℃に昇温して3時間撹拌し、反応終了後内温が室温になるまで下げた後、1mol/LのNaOHとNH4OHを用いてNa+イオン:NH4 +イオン=1:5.3(モル比)になるように添加処理し、pH8.4に調整した。
その後、孔径1.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納し、例示化合物P−31を1150g(固形分44%、粒径91nm、Tg=20℃)得た。イオンクロマトグラフィーによりハロゲンイオンを測定したところ、塩化物イオン濃度3ppmであった。
本発明に用いられるポリマーラテックスは、その塗布液における溶媒として、水系溶媒を用いることができるが、水混和性の有機溶媒を併用してもよい。
水混和性の有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系、酢酸エチル、ジメチルホルミアミド等を挙げることができる。これら有機溶媒の添加量は、溶媒の50質量%以下、より好ましくは30質量%以下であることが好ましい。
水混和性の有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系、酢酸エチル、ジメチルホルミアミド等を挙げることができる。これら有機溶媒の添加量は、溶媒の50質量%以下、より好ましくは30質量%以下であることが好ましい。
また、本発明のポリマーラテックスは、ポリマー濃度がラテックス液に対して10質量%〜70質量%であることが好ましく、さらに20〜質量%60質量%、特に30質量%〜55質量%であることが好ましい。
本発明のバインダーポリマーは、25℃60%RHにおける平衡含水率は2質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、平衡含水率は0.01質量%以上1.5質量%以下、さらに好ましくは0.02質量%以上1.0質量%以下である。
「25℃60%RHにおける平衡含水率」とは、25℃60%RHの雰囲気下で調湿平衡にあるポリマーの質量W1と25℃で絶乾状態にあるポリマーの質量W0を用いて以下のように表すことができる。
25℃60%RHにおける平衡含水率=[(W1−W0)/W0]×100(質量%)
25℃60%RHにおける平衡含水率=[(W1−W0)/W0]×100(質量%)
含水率の定義と測定法については、例えば高分子工学講座14、高分子材料試験法(高分子学会編、地人書館)を参考にすることができる。
本発明の画像形成層には必要に応じてゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの親水性ポリマーを添加してもよい。これらの親水性ポリマーの添加量は画像形成層の全バインダーの30質量%以下、より好ましくは20質量%以下が好ましい。
本発明における画像形成層の全バインダー/有機銀塩の質量比は、1/10〜10/1が好ましく、より好ましくは1/3〜5/1の範囲、さらに好ましくは1/1〜3/1の範囲である。
また、全バインダー/感光性ハロゲン化銀の質量比は、400〜5が好ましく、より好ましくは200〜10の範囲である。
本発明における画像形成層の全バインダー量は、好ましくは0.2g/m2〜30g/m2、より好ましくは1g/m2〜15g/m2、さらに好ましくは2g/m2〜10g/m2の範囲である。本発明の画像形成層には架橋のための架橋剤、塗布性改良のための界面活性剤などを添加してもよい。
(かぶり防止剤)
1)有機ポリハロゲン化合物
以下、本発明で用いることができる好ましい有機ポリハロゲン化合物について具体的に説明する。本発明の好ましいポリハロゲン化合物は下記一般式(H)で表される化合物である。
1)有機ポリハロゲン化合物
以下、本発明で用いることができる好ましい有機ポリハロゲン化合物について具体的に説明する。本発明の好ましいポリハロゲン化合物は下記一般式(H)で表される化合物である。
一般式(H)
Q−(Y)n−C(Z1)(Z2)X
Q−(Y)n−C(Z1)(Z2)X
一般式(H)において、Qはアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、Yは2価の連結基を表し、nは0〜1を表し、Z1およびZ2はハロゲン原子を表し、Xは水素原子または電子求引性基を表す。
一般式(H)においてQは好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基または窒素原子を少なくとも一つ含むヘテロ環基(ピリジン、キノリン基等)である。
一般式(H)においてQは好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基または窒素原子を少なくとも一つ含むヘテロ環基(ピリジン、キノリン基等)である。
一般式(H)において、Qがアリール基である場合、Qは好ましくはハメットの置換基定数σpが正の値をとる電子求引性基で置換されたフェニル基を表す。ハメットの置換基定数に関しては、Journal of Medicinal Chemistry,1973,Vol.16,No.11,1207−1216等を参考にすることができる。このような電子求引性基としては、例えばハロゲン原子、電子求引性基で置換されたアルキル基、電子求引性基で置換されたアリール基、ヘテロ環基、アルキルまたはアリールスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基等があげられる。電子求引性基として特に好ましいのは、ハロゲン原子、カルバモイル基、アリールスルホニル基であり、特にカルバモイル基が好ましい。
Xは好ましくは電子求引性基である。好ましい電子求引性基は、ハロゲン原子、脂肪族・アリールもしくは複素環スルホニル基、脂肪族・アリールもしくは複素環アシル基、脂肪族・アリールもしくは複素環オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基であり、さらに好ましくはハロゲン原子、カルバモイル基であり、特に好ましくは臭素原子である。
Z1およびZ2は好ましくは臭素原子、ヨウ素原子であり、更に好ましくは臭素原子である。
Z1およびZ2は好ましくは臭素原子、ヨウ素原子であり、更に好ましくは臭素原子である。
Yは好ましくは−C(=O)−、−SO−、−SO2−、−C(=O)N(R)−、−SO2N(R)−を表し、より好ましくは−C(=O)−、−SO2−、−C(=O)N(R)−であり、特に好ましくは−SO2−、−C(=O)N(R)−である。ここでいうRとは水素原子、アリール基またはアルキル基を表し、より好ましくは水素原子またはアルキル基であり、特に好ましくは水素原子である。
nは、0または1を表し、好ましくは1である。
nは、0または1を表し、好ましくは1である。
一般式(H)において、Qがアルキル基の場合、好ましいYは−C(=O)N(R)−であり、Qがアリール基またはヘテロ環基の場合、好ましいYは−SO2−である。
一般式(H)において、該化合物から水素原子を取り去った残基が互いに結合した形態(一般にビス型、トリス型、テトラキス型と呼ぶ)も好ましく用いることが出来る。
一般式(H)において、解離性基(例えばCOOH基またはその塩、SO3H基またはその塩、PO3H基またはその塩等)、4級窒素カチオンを含む基(例えばアンモニウム基、ピリジニウム基等)、ポリエチレンオキシ基、水酸基等を置換基に有するものも好ましい形態である。
一般式(H)において、該化合物から水素原子を取り去った残基が互いに結合した形態(一般にビス型、トリス型、テトラキス型と呼ぶ)も好ましく用いることが出来る。
一般式(H)において、解離性基(例えばCOOH基またはその塩、SO3H基またはその塩、PO3H基またはその塩等)、4級窒素カチオンを含む基(例えばアンモニウム基、ピリジニウム基等)、ポリエチレンオキシ基、水酸基等を置換基に有するものも好ましい形態である。
以下に本発明の一般式(H)の化合物の具体例を示す。
上記以外の本発明に用いることが出来るポリハロゲン化合物としては、US3874946号、US4756999号、US5340712号、US5369000号、US5464737号、US6506548号、特開昭50−137126号、同50−89020号、同50−119624号、同59−57234号、特開平7−2781号、同7−5621号、同9−160164号、同9−244177号、同9−244178号、同9−160167号、同9−319022号、同9−258367号、同9−265150号、同9−319022号、同10−197988号、同10−197989号、同11−242304号、特開2000−2963、特開2000−112070、特開2000−284410、特開2000−284412、特開2001−33911、特開2001−31644、特開2001−312027号、特開2003−50441号明細書の中で当該発明の例示化合物として挙げられている化合物が好ましく用いられるが、特に特開平7−2781号、特開2001−33911、特開2001−312027号に具体的に例示されている化合物が好ましい。
本発明の一般式(H)で表される化合物は画像形成層の非感光性銀塩1モルあたり、10-4モル〜1モルの範囲で使用することが好ましく、より好ましくは10-3モル〜0.5モルの範囲で、さらに好ましくは1×10-2モル〜0.2モルの範囲で使用することが好ましい。
本発明において、かぶり防止剤を熱現像感光材料に含有せしめる方法としては、前記還元剤の含有方法に記載の方法が挙げられ、有機ポリハロゲン化合物についても固体微粒子分散物で添加することが好ましい。
本発明において、かぶり防止剤を熱現像感光材料に含有せしめる方法としては、前記還元剤の含有方法に記載の方法が挙げられ、有機ポリハロゲン化合物についても固体微粒子分散物で添加することが好ましい。
2)その他のかぶり防止剤
その他のかぶり防止剤としては特開平11−65021号段落番号0113の水銀(II)塩、同号段落番号0114の安息香酸類、特開2000−206642号のサリチル酸誘導体、特開2000−221634号の式(S)で表されるホルマリンスカベンジャー化合物、特開平11−352624号の請求項9に係るトリアジン化合物、特開平6−11791号の一般式(III)で表される化合物、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン等が挙げられる。
その他のかぶり防止剤としては特開平11−65021号段落番号0113の水銀(II)塩、同号段落番号0114の安息香酸類、特開2000−206642号のサリチル酸誘導体、特開2000−221634号の式(S)で表されるホルマリンスカベンジャー化合物、特開平11−352624号の請求項9に係るトリアジン化合物、特開平6−11791号の一般式(III)で表される化合物、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン等が挙げられる。
本発明における熱現像感光材料はかぶり防止を目的としてアゾリウム塩を含有しても良い。アゾリウム塩としては、特開昭59−193447号記載の一般式(XI)で表される化合物、特公昭55−12581号記載の化合物、特開昭60−153039号記載の一般式(II)で表される化合物が挙げられる。アゾリウム塩は熱現像感光材料のいかなる部位に添加しても良いが、添加層としては画像形成層を有する面の層に添加することが好ましく、有機銀塩含有層に添加することがさらに好ましい。アゾリウム塩の添加時期としては塗布液調製のいかなる工程で行っても良く、有機銀塩含有層に加する場合は有機銀塩調製時から塗布液調製時のいかなる工程でも良いが有機銀塩調製後から塗布直前が好ましい。アゾリウム塩の添加法としては粉末、溶液、微粒子分散物などいかなる方法で行っても良い。また、増感色素、還元剤、色調剤など他の添加物と混合した溶液として添加しても良い。
本発明においてアゾリウム塩の添加量としてはいかなる量でも良いが、銀1モル当たり1×10-6モル以上2モル以下が好ましく、1×10-3モル以上0.5モル以下がさらに好ましい。
本発明においてアゾリウム塩の添加量としてはいかなる量でも良いが、銀1モル当たり1×10-6モル以上2モル以下が好ましく、1×10-3モル以上0.5モル以下がさらに好ましい。
(その他の添加剤)
1)メルカプト、ジスルフィド、およびチオン類
本発明には現像を抑制あるいは促進させ現像を制御するため、分光増感効率を向上させるため、現像前後の保存性を向上させるためなどにメルカプト化合物、ジスルフィド化合物、チオン化合物を含有させることができ、特開平10−62899号の段落番号0067〜0069、特開平10−186572号の一般式(I)で表される化合物及びその具体例として段落番号0033〜0052、欧州特許公開第0803764A1号の第20ページ第36〜56行に記載されている。その中でも特開平9−297367号、特開平9−304875号、特開2001−100358号、特開2002−303954号、特開2002−303951等に記載されているメルカプト置換複素芳香族化合物が好ましい。
1)メルカプト、ジスルフィド、およびチオン類
本発明には現像を抑制あるいは促進させ現像を制御するため、分光増感効率を向上させるため、現像前後の保存性を向上させるためなどにメルカプト化合物、ジスルフィド化合物、チオン化合物を含有させることができ、特開平10−62899号の段落番号0067〜0069、特開平10−186572号の一般式(I)で表される化合物及びその具体例として段落番号0033〜0052、欧州特許公開第0803764A1号の第20ページ第36〜56行に記載されている。その中でも特開平9−297367号、特開平9−304875号、特開2001−100358号、特開2002−303954号、特開2002−303951等に記載されているメルカプト置換複素芳香族化合物が好ましい。
2)色調剤
本発明の熱現像感光材料では色調剤の添加が好ましく、色調剤については、特開平10−62899号の段落番号0054〜0055、欧州特許公開第0803764A1号の第21ページ第23〜48行、特開2000−356317号や特開2000−187298号に記載されており、特に、フタラジノン類(フタラジノン、フタラジノン誘導体もしくは金属塩;例えば4−(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノン、5,7−ジメトキシフタラジノンおよび2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン);フタラジノン類とフタル酸類(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸、フタル酸二アンモニウム、フタル酸ナトリウム、フタル酸カリウムおよびテトラクロロ無水フタル酸)との組合せ;フタラジン類(フタラジン、フタラジン誘導体もしくは金属塩;例えば4−(1−ナフチル)フタラジン、6−イソプロピルフタラジン、6−t−ブチルフラタジン、6−クロロフタラジン、5,7−ジメトキシフタラジンおよび2,3−ジヒドロフタラジン);フタラジン類とフタル酸類との組合せが好ましく、特にフタラジン類とフタル酸類の組合せが好ましい。そのなかでも特に好ましい組み合わせは6−イソプロピルフタラジンとフタル酸または4メチルフタル酸との組み合わせである。
本発明の熱現像感光材料では色調剤の添加が好ましく、色調剤については、特開平10−62899号の段落番号0054〜0055、欧州特許公開第0803764A1号の第21ページ第23〜48行、特開2000−356317号や特開2000−187298号に記載されており、特に、フタラジノン類(フタラジノン、フタラジノン誘導体もしくは金属塩;例えば4−(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノン、5,7−ジメトキシフタラジノンおよび2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン);フタラジノン類とフタル酸類(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸、フタル酸二アンモニウム、フタル酸ナトリウム、フタル酸カリウムおよびテトラクロロ無水フタル酸)との組合せ;フタラジン類(フタラジン、フタラジン誘導体もしくは金属塩;例えば4−(1−ナフチル)フタラジン、6−イソプロピルフタラジン、6−t−ブチルフラタジン、6−クロロフタラジン、5,7−ジメトキシフタラジンおよび2,3−ジヒドロフタラジン);フタラジン類とフタル酸類との組合せが好ましく、特にフタラジン類とフタル酸類の組合せが好ましい。そのなかでも特に好ましい組み合わせは6−イソプロピルフタラジンとフタル酸または4メチルフタル酸との組み合わせである。
3)可塑剤、潤滑剤
本発明の画像形成層に用いることのできる可塑剤および潤滑剤については特開平11−65021号段落番号0117に記載されている。滑り剤については特開平11−84573号段落番号0061〜0064や特願平11−106881号段落番号0049〜0062記載されている。
本発明の画像形成層に用いることのできる可塑剤および潤滑剤については特開平11−65021号段落番号0117に記載されている。滑り剤については特開平11−84573号段落番号0061〜0064や特願平11−106881号段落番号0049〜0062記載されている。
4)染料、顔料
本発明の画像形成性層には、前記フタロシアニン化合物とともに、色調改良、レーザー露光時の干渉縞発生防止、イラジエーション防止の観点から各種染料や顔料(例えばC.I.Pigment Blue 60、C.I.Pigment Blue64、C.I.Pigment Blue 15:6)を用いることができる。これらについてはWO98/36322号、特開平10−268465号、同11−338098号等に詳細に記載されている。
本発明の画像形成性層には、前記フタロシアニン化合物とともに、色調改良、レーザー露光時の干渉縞発生防止、イラジエーション防止の観点から各種染料や顔料(例えばC.I.Pigment Blue 60、C.I.Pigment Blue64、C.I.Pigment Blue 15:6)を用いることができる。これらについてはWO98/36322号、特開平10−268465号、同11−338098号等に詳細に記載されている。
5)造核剤
本発明の熱現像感光材料は、画像形成層に造核剤を添加することが好ましい。造核剤やその添加方法及び添加量については、特開平11−65021号号公報段落番号0118、特開平11−223898号公報段落番号0136〜0193、特開2000−284399号明細書の式(H)、式(1)〜(3)、式(A)、(B)の化合物、特願平11−91652号明細書記載の一般式(III)〜(V)の化合物(具体的化合物:化21〜化24)、造核促進剤については特開平11−65021号公報段落番号0102、特開平11−223898号公報段落番号0194〜0195に記載されている。
本発明の熱現像感光材料は、画像形成層に造核剤を添加することが好ましい。造核剤やその添加方法及び添加量については、特開平11−65021号号公報段落番号0118、特開平11−223898号公報段落番号0136〜0193、特開2000−284399号明細書の式(H)、式(1)〜(3)、式(A)、(B)の化合物、特願平11−91652号明細書記載の一般式(III)〜(V)の化合物(具体的化合物:化21〜化24)、造核促進剤については特開平11−65021号公報段落番号0102、特開平11−223898号公報段落番号0194〜0195に記載されている。
蟻酸や蟻酸塩を強いかぶらせ物質として用いるには、感光性ハロゲン化銀を含有する画像形成層を有する側に銀1モル当たり5ミリモル以下、さらには1ミリモル以下で含有させることが好ましい。
本発明の熱現像感光材料で造核剤を用いる場合には五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩を併用して用いることが好ましい。五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩としては、メタリン酸(塩)、ピロリン酸(塩)、オルトリン酸(塩)、三リン酸(塩)、四リン酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)などを挙げることができる。特に好ましく用いられる五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩としては、オルトリン酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)を挙げることができる。具体的な塩としてはオルトリン酸ナトリウム、オルトリン酸二水素ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸アンモニウムなどが挙げられる。
五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩の使用量(感光材料1m2あたりの塗布量)は感度やかぶりなどの性能に合わせて所望の量でよいが、0.1mg/m2〜500mg/m2が好ましく、0.5mg/m2〜100mg/m2がより好ましい。
本発明の熱現像感光材料で造核剤を用いる場合には五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩を併用して用いることが好ましい。五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩としては、メタリン酸(塩)、ピロリン酸(塩)、オルトリン酸(塩)、三リン酸(塩)、四リン酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)などを挙げることができる。特に好ましく用いられる五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩としては、オルトリン酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)を挙げることができる。具体的な塩としてはオルトリン酸ナトリウム、オルトリン酸二水素ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸アンモニウムなどが挙げられる。
五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩の使用量(感光材料1m2あたりの塗布量)は感度やかぶりなどの性能に合わせて所望の量でよいが、0.1mg/m2〜500mg/m2が好ましく、0.5mg/m2〜100mg/m2がより好ましい。
(塗布液の調製および塗布)
本発明の画像形成層塗布液の調製温度は30℃以上65℃以下がよく、さらに好ましい温度は35℃以上60℃未満、より好ましい温度は35℃以上55℃以下である。また、ポリマーラテックス添加直後の画像形成層塗布液の温度が30℃以上65℃以下で維持されることが好ましい。
本発明の画像形成層塗布液の調製温度は30℃以上65℃以下がよく、さらに好ましい温度は35℃以上60℃未満、より好ましい温度は35℃以上55℃以下である。また、ポリマーラテックス添加直後の画像形成層塗布液の温度が30℃以上65℃以下で維持されることが好ましい。
(層構成および構成成分)
本発明の画像形成層は、支持体上に一またはそれ以上の層で構成される。一層で構成する場合は有機銀塩、感光性ハロゲン化銀、還元剤およびバインダーよりなり、必要により色調剤、被覆助剤および他の補助剤などの所望による追加の材料を含む。二層以上で構成する場合は、第1画像形成層(通常は支持体に隣接した層)中に有機銀塩および感光性ハロゲン化銀を含み、第2画像形成層または両層中にいくつかの他の成分を含んでも良い。
本発明の画像形成層は、支持体上に一またはそれ以上の層で構成される。一層で構成する場合は有機銀塩、感光性ハロゲン化銀、還元剤およびバインダーよりなり、必要により色調剤、被覆助剤および他の補助剤などの所望による追加の材料を含む。二層以上で構成する場合は、第1画像形成層(通常は支持体に隣接した層)中に有機銀塩および感光性ハロゲン化銀を含み、第2画像形成層または両層中にいくつかの他の成分を含んでも良い。
本発明の熱現像感光材料は、画像形成層に加えて非感光性層を有することができる。非感光性層は、その配置から(a)画像形成層の上(支持体よりも遠い側)に設けられる表面保護層、(b)複数の画像形成層の間や画像形成層と保護層の間に設けられる中間層、(c)画像形成層と支持体との間に設けられる下塗り層、(d)画像形成層の反対側に設けられるバック層に分類できる。
また、光学フィルターとして作用する層を設けることができるが、(a)または(b)の層として設けられる。アンチハレーション層は、(c)または(d)の層として熱現像感光材料に設けられる。
1)表面保護層
本発明における熱現像感光材料は画像形成層の付着防止などの目的で表面保護層を設けることができる。表面保護層は単層でもよいし、複数層であってもよい。
表面保護層については、特開平11−65021号段落番号0119〜0120、特開2000−171936号に記載されている。
本発明の表面保護層のバインダーとしてはゼラチンが好ましいがポリビニルアルコール(PVA)を用いる若しくは併用することも好ましい。ゼラチンとしてはイナートゼラチン(例えば新田ゼラチン750)、フタル化ゼラチン(例えば新田ゼラチン801)など使用することができる。PVAとしては、特開2000−171936号の段落番号0009〜0020に記載のものがあげられ、完全けん化物のPVA−105、部分けん化物のPVA−205,PVA−335、変性ポリビニルアルコールのMP−203(以上、クラレ(株)製の商品名)などが好ましく挙げられる。保護層(1層当たり)のポリビニルアルコール塗布量(支持体1m2当たり)としては0.3g/m2〜4.0g/m2が好ましく、0.3g/m2〜2.0g/m2がより好ましい。
本発明における熱現像感光材料は画像形成層の付着防止などの目的で表面保護層を設けることができる。表面保護層は単層でもよいし、複数層であってもよい。
表面保護層については、特開平11−65021号段落番号0119〜0120、特開2000−171936号に記載されている。
本発明の表面保護層のバインダーとしてはゼラチンが好ましいがポリビニルアルコール(PVA)を用いる若しくは併用することも好ましい。ゼラチンとしてはイナートゼラチン(例えば新田ゼラチン750)、フタル化ゼラチン(例えば新田ゼラチン801)など使用することができる。PVAとしては、特開2000−171936号の段落番号0009〜0020に記載のものがあげられ、完全けん化物のPVA−105、部分けん化物のPVA−205,PVA−335、変性ポリビニルアルコールのMP−203(以上、クラレ(株)製の商品名)などが好ましく挙げられる。保護層(1層当たり)のポリビニルアルコール塗布量(支持体1m2当たり)としては0.3g/m2〜4.0g/m2が好ましく、0.3g/m2〜2.0g/m2がより好ましい。
表面保護層(1層当たり)の全バインダー(水溶性ポリマー及びラテックスポリマーを含む)塗布量(支持体1m2当たり)としては0.3g/m2〜5.0g/m2が好ましく、0.3g/m2〜2.0g/m2がより好ましい。
2)アンチハレーション層
本発明の熱現像感光材料においては、アンチハレーション層を画像形成層に対して光源から遠い側に設けることができる。好ましくは、バック層もしくは画像形成層と支持体との間の層である。
本発明の熱現像感光材料においては、アンチハレーション層を画像形成層に対して光源から遠い側に設けることができる。好ましくは、バック層もしくは画像形成層と支持体との間の層である。
アンチハレーション層については特開平11−65021号段落番号0123〜0124、特開平11−223898号、同9−230531号、同10−36695号、同10−104779号、同11−231457号、同11−352625号、同11−352626号等に記載されている。
アンチハレーション層には、露光波長に吸収を有するアンチハレーション染料を含有する。露光波長が赤外域にある場合には赤外線吸収染料を用いればよく、その場合には可視域に吸収を有しない染料が好ましい。
本発明の熱現像感光材料は、前記の金属フタロシアニン染料をアンチハレーション染料として用いるのが好ましい。
アンチハレーション層には、露光波長に吸収を有するアンチハレーション染料を含有する。露光波長が赤外域にある場合には赤外線吸収染料を用いればよく、その場合には可視域に吸収を有しない染料が好ましい。
本発明の熱現像感光材料は、前記の金属フタロシアニン染料をアンチハレーション染料として用いるのが好ましい。
染料の添加量は、一般には、目的とする波長で測定したときの光学濃度(吸光度)が0.1を越える量で使用する。光学濃度は、0.15〜2であることが好ましく0.2〜1であることがより好ましい。このような光学濃度を得るための染料の使用量は、一般に0.001g/m2〜1g/m2程度である。
3)バック層
本発明に適用することのできるバック層については特開平11−65021号段落番号0128〜0130に記載されている。
本発明の熱現像感光材料は、ハレーション防止層として、前記の金属フタロシアニン化合物を含有する層であることが好ましい。
本発明に適用することのできるバック層については特開平11−65021号段落番号0128〜0130に記載されている。
本発明の熱現像感光材料は、ハレーション防止層として、前記の金属フタロシアニン化合物を含有する層であることが好ましい。
本発明においては、銀色調、画像の経時変化を改良する目的で300nm〜450nmに吸収極大を有する着色剤を添加することができる。このような着色剤は、特開昭62−210458号、同63−104046号、同63−103235号、同63−208846号、同63−306436号、同63−314535号、特開平01−61745号、特開平2001−100363などに記載されている。
このような着色剤は、通常、0.1mg/m2〜1g/m2の範囲で添加され、添加する層としては画像形成層の反対側に設けられるバック層が好ましい。
このような着色剤は、通常、0.1mg/m2〜1g/m2の範囲で添加され、添加する層としては画像形成層の反対側に設けられるバック層が好ましい。
4)マット剤
本発明において、搬送性改良のためにマット剤を添加することが好ましく、マット剤については、特開平11−65021号段落番号0126〜0127に記載されている。マット剤は熱現像感光材料1m2当たりの塗布量で示した場合、好ましくは1mg/m2〜400mg/m2、より好ましくは5mg/m2〜300mg/m2である。
本発明において、搬送性改良のためにマット剤を添加することが好ましく、マット剤については、特開平11−65021号段落番号0126〜0127に記載されている。マット剤は熱現像感光材料1m2当たりの塗布量で示した場合、好ましくは1mg/m2〜400mg/m2、より好ましくは5mg/m2〜300mg/m2である。
本発明においてマット剤の形状は定型、不定形のいずれでもよいが好ましくは定型で、球形が好ましく用いられる。平均粒径は0.5μm〜10μmであることが好ましく、より好ましくは1.0μm〜8.0μm、さらに好ましくは2.0μm〜6.0μmの範囲である。また、サイズ分布の変動係数としては50%以下であることが好ましく、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは、30%以下である。ここで変動係数とは(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100で表される値である。また、変動係数が小さいマット剤で平均粒径の比が3より大きいものを2種併用することも好ましい。
また、画像形成層面のマット度は星屑故障が生じなければいかようでも良いが、ベック平滑度が30秒以上2000秒以下が好ましく、特に40秒以上1500秒以下が好ましい。ベック平滑度は、日本工業規格(JIS)P8119「紙および板紙のベック試験器による平滑度試験方法」およびTAPPI標準法T479により容易に求めることができる。
本発明においてバック層のマット度としてはベック平滑度が1200秒以下10秒以上が好ましく、800秒以下20秒以上が好ましく、さらに好ましくは500秒以下40秒以上である。
本発明において、マット剤は熱現像感光材料の最外表面層もしくは最外表面層として機能する層、あるいは外表面に近い層に含有されるのが好ましく、またいわゆる保護層として作用する層に含有されることが好ましい。
5)ポリマーラテックス
特に寸法変化が問題となる印刷用途に本発明の熱現像感光材料を用いる場合には、表面保護層やバック層にポリマーラテックスを用いることが好ましい。このようなポリマーラテックスについては「合成樹脂エマルジョン(奥田平、稲垣寛編集、高分子刊行会発行(1978))」、「合成ラテックスの応用(杉村孝明、片岡靖男、鈴木聡一、笠原啓司編集、高分子刊行会発行(1993))」、「合成ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970))」などにも記載され、具体的にはメチルメタクリレート(33.5質量%)/エチルアクリレート(50質量%)/メタクリル酸(16.5質量%)コポリマーのラテックス、メチルメタクリレート(47.5質量%)/ブタジエン(47.5質量%)/イタコン酸(5質量%)コポリマーのラテックス、エチルアクリレート/メタクリル酸のコポリマーのラテックス、メチルメタクリレート(58.9質量%)/2−エチルヘキシルアクリレート(25.4質量%)/スチレン(8.6質量%)/2−ヒドロキシエチルメタクリレート(5.1質量%)/アクリル酸(2.0質量%)コポリマーのラテックス、メチルメタクリレート(64.0質量%)/スチレン(9.0質量%)/ブチルアクリレート(20.0質量%)/2−ヒドロキシエチルメタクリレート(5.0質量%)/アクリル酸(2.0質量%)コポリマーのラテックスなどが挙げられる。
特に寸法変化が問題となる印刷用途に本発明の熱現像感光材料を用いる場合には、表面保護層やバック層にポリマーラテックスを用いることが好ましい。このようなポリマーラテックスについては「合成樹脂エマルジョン(奥田平、稲垣寛編集、高分子刊行会発行(1978))」、「合成ラテックスの応用(杉村孝明、片岡靖男、鈴木聡一、笠原啓司編集、高分子刊行会発行(1993))」、「合成ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970))」などにも記載され、具体的にはメチルメタクリレート(33.5質量%)/エチルアクリレート(50質量%)/メタクリル酸(16.5質量%)コポリマーのラテックス、メチルメタクリレート(47.5質量%)/ブタジエン(47.5質量%)/イタコン酸(5質量%)コポリマーのラテックス、エチルアクリレート/メタクリル酸のコポリマーのラテックス、メチルメタクリレート(58.9質量%)/2−エチルヘキシルアクリレート(25.4質量%)/スチレン(8.6質量%)/2−ヒドロキシエチルメタクリレート(5.1質量%)/アクリル酸(2.0質量%)コポリマーのラテックス、メチルメタクリレート(64.0質量%)/スチレン(9.0質量%)/ブチルアクリレート(20.0質量%)/2−ヒドロキシエチルメタクリレート(5.0質量%)/アクリル酸(2.0質量%)コポリマーのラテックスなどが挙げられる。
さらに、表面保護層用のバインダーとして、特願平11−6872号明細書のポリマーラテックスの組み合わせ、特開2000−267226号明細書の段落番号0021〜0025に記載の技術、特願平11−6872号明細書の段落番号0027〜0028に記載の技術、特開2000−19678号明細書の段落番号0023〜0041に記載の技術を適用してもよい。表面保護層のポリマーラテックスの比率は全バインダーの10質量%以上90質量%以下が好ましく、特に20質量%以上80質量%以下が好ましい。
6)膜面pH
本発明の熱現像感光材料は、熱現像処理前の膜面pHが7.0以下であることが好ましく、さらに好ましくは6.6以下である。その下限には特に制限はないが、3程度である。最も好ましいpH範囲は4〜6.2の範囲である。膜面pHの調節はフタル酸誘導体などの有機酸や硫酸などの不揮発性の酸、アンモニアなどの揮発性の塩基を用いることが、膜面pHを低減させるという観点から好ましい。特にアンモニアは揮発しやすく、塗布する工程や熱現像される前に除去できることから低膜面pHを達成する上で好ましい。
また、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、水酸化リチウム等の不揮発性の塩基とアンモニアを併用することも好ましく用いられる。なお、膜面pHの測定方法は、特開2000−284399号明細書の段落番号0123に記載されている。
本発明の熱現像感光材料は、熱現像処理前の膜面pHが7.0以下であることが好ましく、さらに好ましくは6.6以下である。その下限には特に制限はないが、3程度である。最も好ましいpH範囲は4〜6.2の範囲である。膜面pHの調節はフタル酸誘導体などの有機酸や硫酸などの不揮発性の酸、アンモニアなどの揮発性の塩基を用いることが、膜面pHを低減させるという観点から好ましい。特にアンモニアは揮発しやすく、塗布する工程や熱現像される前に除去できることから低膜面pHを達成する上で好ましい。
また、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、水酸化リチウム等の不揮発性の塩基とアンモニアを併用することも好ましく用いられる。なお、膜面pHの測定方法は、特開2000−284399号明細書の段落番号0123に記載されている。
7)硬膜剤
本発明の画像形成層、保護層、バック層など各層には硬膜剤を用いても良い。硬膜剤の例としてはT.H.James著「THE THEORY OF THE PHOTOGRAPHIC PROCESS FOURTH EDITION」(Macmillan Publishing Co.,Inc.刊、1977年刊)、77頁から87頁に記載の各方法があり、クロムみょうばん、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩、N,N−エチレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)、N,N−プロピレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)の他、同書78頁など記載の多価金属イオン、米国特許4,281,060号、特開平6−208193号などのポリイソシアネート類、米国特許4,791,042号などのエポキシ化合物類、特開昭62−89048号などのビニルスルホン系化合物類が好ましく用いられる。
本発明の画像形成層、保護層、バック層など各層には硬膜剤を用いても良い。硬膜剤の例としてはT.H.James著「THE THEORY OF THE PHOTOGRAPHIC PROCESS FOURTH EDITION」(Macmillan Publishing Co.,Inc.刊、1977年刊)、77頁から87頁に記載の各方法があり、クロムみょうばん、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩、N,N−エチレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)、N,N−プロピレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)の他、同書78頁など記載の多価金属イオン、米国特許4,281,060号、特開平6−208193号などのポリイソシアネート類、米国特許4,791,042号などのエポキシ化合物類、特開昭62−89048号などのビニルスルホン系化合物類が好ましく用いられる。
硬膜剤は溶液として添加され、この溶液の保護層塗布液中への添加時期は、塗布する180分前から直前、好ましくは60分前から10秒前であるが、混合方法及び混合条件については本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。具体的な混合方法としては添加流量とコーターへの送液量から計算した平均滞留時間を所望の時間となるようにしたタンクでの混合する方法やN.Harnby、M.F.Edwards、A.W.Nienow著、高橋幸司訳「液体混合技術」(日刊工業新聞社刊、1989年)の第8章等に記載されているスタチックミキサーなどを使用する方法がある。
8)界面活性剤
本発明に適用できる界面活性剤については特開平11−65021号段落番号0132、溶剤については同号段落番号0133、支持体については同号段落番号0134、帯電防止又は導電層については同号段落番号0135、カラー画像を得る方法については同号段落番号0136に、滑り剤については特開平11−84573号段落番号0061〜0064や特願平11−106881号段落番号0049〜0062記載されている。
本発明に適用できる界面活性剤については特開平11−65021号段落番号0132、溶剤については同号段落番号0133、支持体については同号段落番号0134、帯電防止又は導電層については同号段落番号0135、カラー画像を得る方法については同号段落番号0136に、滑り剤については特開平11−84573号段落番号0061〜0064や特願平11−106881号段落番号0049〜0062記載されている。
本発明においてはフッ素系の界面活性剤を使用することが好ましい。フッ素系界面活性剤の具体例は特開平10−197985号、特開2000−19680号、特開2000−214554号等に記載された化合物があげられる。また、特開平9−281636号記載の高分子フッ素系界面活性剤も好ましく用いられる。本発明の熱現像感光材料においては特開2002−82411号、特開2003−57780号および特開2001−264110号記載のフッ素系界面活性剤の使用が好ましい。特に特開2003−57780号および特開2001−264110号記載のフッ素系界面活性剤は水系の塗布液で塗布製造を行う場合、帯電調整能力、塗布面状の安定性、スベリ性の点で好ましく、特開2001−264110号記載のフッ素系界面活性剤は帯電調整能力が高く使用量が少なくてすむという点で最も好ましい。
本発明においてフッ素系界面活性剤は画像形成層面、バック面のいずれにも使用することができ、両方の面に使用することが好ましい。また、前述の金属酸化物を含む導電層と組み合わせて使用することが特に好ましい。この場合には導電層を有する面のフッ素系界面活性剤の使用量を低減もしくは除去しても十分な性能が得られる。
フッ素系界面活性剤の好ましい使用量は画像形成層面、バック面それぞれに0.1mg/m2〜100mg/m2の範囲で、より好ましくは0.3mg/m2〜30mg/m2の範囲、さらに好ましくは1mg/m2〜10mg/m2の範囲である。特に特開2001−264110号記載のフッ素系界面活性剤は効果が大きく、0.01mg/m2〜10mg/m2の範囲が好ましく、0.1mg/m2〜5mg/m2の範囲がより好ましい。
フッ素系界面活性剤の好ましい使用量は画像形成層面、バック面それぞれに0.1mg/m2〜100mg/m2の範囲で、より好ましくは0.3mg/m2〜30mg/m2の範囲、さらに好ましくは1mg/m2〜10mg/m2の範囲である。特に特開2001−264110号記載のフッ素系界面活性剤は効果が大きく、0.01mg/m2〜10mg/m2の範囲が好ましく、0.1mg/m2〜5mg/m2の範囲がより好ましい。
9)帯電防止剤
本発明においては金属酸化物あるいは導電性ポリマーを含む導電層を有することが好ましい。帯電防止層は下塗り層、バック層表面保護層などと兼ねてもよく、また別途設けてもよい。帯電防止層の導電性材料は金属酸化物中に酸素欠陥、異種金属原子を導入して導電性を高めた金属酸化物が好ましく用いられる。金属酸化物の例としてはZnO、TiO2、SnO2が好ましく、ZnOに対してはAl、Inの添加、SnO2に対してはSb、Nb、P、ハロゲン元素等の添加、TiO2に対してはNb、Ta等の添加が好ましい。
特にSbを添加したSnO2が好ましい。異種原子の添加量は0.01モル%〜30モル%の範囲が好ましく、0.1モル%〜10モル%の範囲がより好ましい。金属酸化物の形状は球状、針状、板状いずれでもよいが、導電性付与の効果の点で長軸/単軸比が2.0以上、好ましくは3.0〜50の針状粒子がよい。金属酸化物の使用量は好ましくは1mg/m2〜1000mg/m2の範囲で、より好ましくは10mg/m2〜500mg/m2の範囲、さらに好ましくは20mg/m2〜200mg/m2の範囲である。
本発明においては金属酸化物あるいは導電性ポリマーを含む導電層を有することが好ましい。帯電防止層は下塗り層、バック層表面保護層などと兼ねてもよく、また別途設けてもよい。帯電防止層の導電性材料は金属酸化物中に酸素欠陥、異種金属原子を導入して導電性を高めた金属酸化物が好ましく用いられる。金属酸化物の例としてはZnO、TiO2、SnO2が好ましく、ZnOに対してはAl、Inの添加、SnO2に対してはSb、Nb、P、ハロゲン元素等の添加、TiO2に対してはNb、Ta等の添加が好ましい。
特にSbを添加したSnO2が好ましい。異種原子の添加量は0.01モル%〜30モル%の範囲が好ましく、0.1モル%〜10モル%の範囲がより好ましい。金属酸化物の形状は球状、針状、板状いずれでもよいが、導電性付与の効果の点で長軸/単軸比が2.0以上、好ましくは3.0〜50の針状粒子がよい。金属酸化物の使用量は好ましくは1mg/m2〜1000mg/m2の範囲で、より好ましくは10mg/m2〜500mg/m2の範囲、さらに好ましくは20mg/m2〜200mg/m2の範囲である。
本発明の帯電防止層は画像形成層面側、バック面側のいずれに設置してもよいが、支持体とバック層との間に設置することが好ましい。
本発明の帯電防止層の具体例は特開平11−65021号段落番号0135、特開昭56−143430号、同56−143431号、同58−62646号、同56−120519号、特開平11−84573号の段落番号0040〜0051、米国特許第5,575,957号、特開平11−223898号の段落番号0078〜0084に記載されている。
本発明の帯電防止層の具体例は特開平11−65021号段落番号0135、特開昭56−143430号、同56−143431号、同58−62646号、同56−120519号、特開平11−84573号の段落番号0040〜0051、米国特許第5,575,957号、特開平11−223898号の段落番号0078〜0084に記載されている。
10)支持体
透明支持体は二軸延伸時にフィルム中に残存する内部歪みを緩和させ、熱現像処理中に発生する熱収縮歪みをなくすために、130℃〜185℃の温度範囲で熱処理を施したポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。医療用の熱現像感光材料の場合、透明支持体は青色染料(例えば、特開平8−240877号実施例記載の染料−1)で着色されていてもよいし、無着色でもよい。支持体には、特開平11−84574号の水溶性ポリエステル、同10−186565号のスチレンブタジエン共重合体、特開2000−39684号や特願平11−106881号段落番号0063〜0080の塩化ビニリデン共重合体などの下塗り技術を適用することが好ましい。支持体に画像形成層もしくはバック層を塗布するときの、支持体の含水率は0.5質量%以下であることが好ましい。
透明支持体は二軸延伸時にフィルム中に残存する内部歪みを緩和させ、熱現像処理中に発生する熱収縮歪みをなくすために、130℃〜185℃の温度範囲で熱処理を施したポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。医療用の熱現像感光材料の場合、透明支持体は青色染料(例えば、特開平8−240877号実施例記載の染料−1)で着色されていてもよいし、無着色でもよい。支持体には、特開平11−84574号の水溶性ポリエステル、同10−186565号のスチレンブタジエン共重合体、特開2000−39684号や特願平11−106881号段落番号0063〜0080の塩化ビニリデン共重合体などの下塗り技術を適用することが好ましい。支持体に画像形成層もしくはバック層を塗布するときの、支持体の含水率は0.5質量%以下であることが好ましい。
11)その他の添加剤
熱現像感光材料には、さらに、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤あるいは被覆助剤を添加してもよい。各種の添加剤は、画像形成層あるいは非感光性層のいずれかに添加する。それらについてWO98/36322号、EP803764A1号、特開平10−186567号、同10−18568号等を参考にすることができる。
熱現像感光材料には、さらに、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤あるいは被覆助剤を添加してもよい。各種の添加剤は、画像形成層あるいは非感光性層のいずれかに添加する。それらについてWO98/36322号、EP803764A1号、特開平10−186567号、同10−18568号等を参考にすることができる。
12)塗布方式
本発明における熱現像感光材料はいかなる方法で塗布されても良い。具体的には、エクストルージョンコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、浸漬コーティング、ナイフコーティング、フローコーティング、または米国特許第2,681,294号に記載の種類のホッパーを用いる押出コーティングを 含む種々のコーティング操作が用いられ、Stephen F.Kistler、Petert M.Schweizer著「LIQUID FILM COATING」(CHAPMAN & HALL社刊、1997年)、399頁から536頁記載のエクストルージョンコーティング、またはスライドコーティング好ましく用いられ、特に好ましくはスライドコーティングが用いられる。スライドコーティングに使用されるスライドコーターの形状の例は同書427頁のFigure 11b.1にある。また、所望により同書399頁から536頁記載の方法、米国特許第2,761,791号および英国特許第837,095号に記載の方法により2層またはそれ以上の層を同時に被覆することができる。本発明において特に好ましい塗布方法は特開2001−194748号、同2002−153808号、同2002−153803号、同2002−182333号に記載された方法である。
本発明における熱現像感光材料はいかなる方法で塗布されても良い。具体的には、エクストルージョンコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、浸漬コーティング、ナイフコーティング、フローコーティング、または米国特許第2,681,294号に記載の種類のホッパーを用いる押出コーティングを 含む種々のコーティング操作が用いられ、Stephen F.Kistler、Petert M.Schweizer著「LIQUID FILM COATING」(CHAPMAN & HALL社刊、1997年)、399頁から536頁記載のエクストルージョンコーティング、またはスライドコーティング好ましく用いられ、特に好ましくはスライドコーティングが用いられる。スライドコーティングに使用されるスライドコーターの形状の例は同書427頁のFigure 11b.1にある。また、所望により同書399頁から536頁記載の方法、米国特許第2,761,791号および英国特許第837,095号に記載の方法により2層またはそれ以上の層を同時に被覆することができる。本発明において特に好ましい塗布方法は特開2001−194748号、同2002−153808号、同2002−153803号、同2002−182333号に記載された方法である。
本発明における有機銀塩含有層塗布液は、いわゆるチキソトロピー流体であることが好ましい。この技術については特開平11−52509号を参考にすることができる。本発明における有機銀塩含有層塗布液は剪断速度0.1S-1における粘度は400mPa・s以上100,000mPa・s以下が好ましく、さらに好ましくは500mPa・s以上20,000mPa・s以下である。また、剪断速度1000S-1においては1mPa・s以上200mPa・s以下が好ましく、さらに好ましくは5mPa・s以上80mPa・s以下である。
本発明の塗布液を調合する場合において2種の液を混合する際は公知のインライン混合機、インプラント混合機が好ましく用いられる。本発明の好ましいインライン混合機は特開2002−85948号に、インプラント混合機は特開2002−90940号に記載されている。
本発明における塗布液は塗布面状を良好に保つため脱泡処理をすることが好ましい。本発明の好ましい脱泡処理方法については特開2002−66431号に記載された方法である。
本発明における塗布液は塗布面状を良好に保つため脱泡処理をすることが好ましい。本発明の好ましい脱泡処理方法については特開2002−66431号に記載された方法である。
本発明の塗布液を塗布する際には支持体の耐電による塵、ほこり等の付着を防止するために除電を行うことが好ましい。本発明において好ましい除電方法の例は特開2002−143747に記載されている。
本発明においては非セット性の画像形成層塗布液を乾燥するため乾燥風、乾燥温度を精密にコントロールすることが重要である。本発明の好ましい乾燥方法は特開2001−194749号、同2002−139814号に詳しく記載されている。
本発明においては非セット性の画像形成層塗布液を乾燥するため乾燥風、乾燥温度を精密にコントロールすることが重要である。本発明の好ましい乾燥方法は特開2001−194749号、同2002−139814号に詳しく記載されている。
本発明の熱現像感光材料は成膜性を向上させるために塗布、乾燥直後に加熱処理をすることが好ましい。加熱処理の温度は膜面温度で60℃〜100℃の範囲が好ましく、加熱時間は1秒〜60秒の範囲が好ましい。より好ましい範囲は膜面温度が70℃〜90℃、加熱時間が2秒〜10秒の範囲である。本発明の好ましい加熱処理の方法は特開2002−107872号に記載されている。
また、本発明の熱現像感光材料を安定して連続製造するためには特開2002−156728号、同2002−182333号に記載の製造方法が好ましく用いられる。
熱現像感光材料は、モノシート型(受像材料のような他のシートを使用せずに、熱現像感光材料上に画像を形成できる型)であることが好ましい。
熱現像感光材料は、モノシート型(受像材料のような他のシートを使用せずに、熱現像感光材料上に画像を形成できる型)であることが好ましい。
13)包装材料
本発明の熱現像感光材料は生保存時の写真性能の変動を押えるため、もしくはカール、巻癖などを改良するために、酸素透過率および/または水分透過率の低い包装材料で包装することが好ましい。酸素透過率は25℃で50ml/atm・m2・day以下であることが好ましく、より好ましくは10ml/atm・m2・day以下、さらに好ましくは1.0ml/atm・m2・day以下である。水分透過率は10g/atm・m2・day以下であることが好ましく、より好ましくは5g/atm・m2・day以下、さらに好ましくは1g/atm・m2・day以下である。
該酸素透過率および/または水分透過率の低い包装材料の具体例としては、たとえば特開平8−254793号。特開2000−206653号明細書に記載されている包装材料である。
本発明の熱現像感光材料は生保存時の写真性能の変動を押えるため、もしくはカール、巻癖などを改良するために、酸素透過率および/または水分透過率の低い包装材料で包装することが好ましい。酸素透過率は25℃で50ml/atm・m2・day以下であることが好ましく、より好ましくは10ml/atm・m2・day以下、さらに好ましくは1.0ml/atm・m2・day以下である。水分透過率は10g/atm・m2・day以下であることが好ましく、より好ましくは5g/atm・m2・day以下、さらに好ましくは1g/atm・m2・day以下である。
該酸素透過率および/または水分透過率の低い包装材料の具体例としては、たとえば特開平8−254793号。特開2000−206653号明細書に記載されている包装材料である。
14)その他の利用できる技術
本発明の熱現像感光材料に用いることのできる技術としては、EP803764A1号、EP883022A1号、WO98/36322号、特開昭56−62648号、同58−62644号、特開平9−43766、同9−281637、同9−297367号、同9−304869号、同9−311405号、同9−329865号、同10−10669号、同10−62899号、同10−69023号、同10−186568号、同10−90823号、同10−171063号、同10−186565号、同10−186567号、同10−186569号〜同10−186572号、同10−197974号、同10−197982号、同10−197983号、同10−197985号〜同10−197987号、同10−207001号、同10−207004号、同10−221807号、同10−282601号、同10−288823号、同10−288824号、同10−307365号、同10−312038号、同10−339934号、同11−7100号、同11−15105号、同11−24200号、同11−24201号、同11−30832号、同11−84574号、同11−65021号、同11−109547号、同11−125880号、同11−129629号、同11−133536号〜同11−133539号、同11−133542号、同11−133543号、同11−223898号、同11−352627号、同11−305377号、同11−305378号、同11−305384号、同11−305380号、同11−316435号、同11−327076号、同11−338096号、同11−338098号、同11−338099号、同11−343420号、特開2000−187298号、同2000−10229号、同2000−47345号、同2000−206642号、同2000−98530号、同2000−98531号、同2000−112059号、同2000−112060号、同2000−112104号、同2000−112064号、同2000−171936号も挙げられる。
本発明の熱現像感光材料に用いることのできる技術としては、EP803764A1号、EP883022A1号、WO98/36322号、特開昭56−62648号、同58−62644号、特開平9−43766、同9−281637、同9−297367号、同9−304869号、同9−311405号、同9−329865号、同10−10669号、同10−62899号、同10−69023号、同10−186568号、同10−90823号、同10−171063号、同10−186565号、同10−186567号、同10−186569号〜同10−186572号、同10−197974号、同10−197982号、同10−197983号、同10−197985号〜同10−197987号、同10−207001号、同10−207004号、同10−221807号、同10−282601号、同10−288823号、同10−288824号、同10−307365号、同10−312038号、同10−339934号、同11−7100号、同11−15105号、同11−24200号、同11−24201号、同11−30832号、同11−84574号、同11−65021号、同11−109547号、同11−125880号、同11−129629号、同11−133536号〜同11−133539号、同11−133542号、同11−133543号、同11−223898号、同11−352627号、同11−305377号、同11−305378号、同11−305384号、同11−305380号、同11−316435号、同11−327076号、同11−338096号、同11−338098号、同11−338099号、同11−343420号、特開2000−187298号、同2000−10229号、同2000−47345号、同2000−206642号、同2000−98530号、同2000−98531号、同2000−112059号、同2000−112060号、同2000−112104号、同2000−112064号、同2000−171936号も挙げられる。
(画像形成方法)
1)露光
本発明の熱現像感光材料は、いかなる手段によって画像露光しても良い。本発明の熱現像感光材料は、好ましくは、レーザー光で走査露光するのが好ましい。
本発明で用いることの出来る好ましいレーザーは、赤〜赤外発光のHe−Neレーザー、赤色半導体レーザー、あるいは青〜緑発光のAr+,He−Ne,He−Cdレーザー、青色半導体レーザーである。好ましくは、赤色〜赤外半導体レーザーであり、レーザー光のピーク波長は、600nm〜900nm、好ましくは620nm〜850nmである。
一方、近年、特に、SHG(Second Harmonic Generator)素子と半導体レーザーを一体化したモジュールや青色半導体レーザーが開発されてきて、短波長領域のレーザー出力装置がクローズアップされてきた。青色半導体レーザーは、高精細の画像記録が可能であること、記録密度の増大、かつ長寿命で安定した出力が得られることから、今後需要が拡大していくことが期待されている。青色レーザー光のピーク波長は、300nm〜500nm、特に400nm〜500nmが好ましい。
レーザー光は、高周波重畳などの方法によって縦マルチに発振していることも好ましく用いられる。
1)露光
本発明の熱現像感光材料は、いかなる手段によって画像露光しても良い。本発明の熱現像感光材料は、好ましくは、レーザー光で走査露光するのが好ましい。
本発明で用いることの出来る好ましいレーザーは、赤〜赤外発光のHe−Neレーザー、赤色半導体レーザー、あるいは青〜緑発光のAr+,He−Ne,He−Cdレーザー、青色半導体レーザーである。好ましくは、赤色〜赤外半導体レーザーであり、レーザー光のピーク波長は、600nm〜900nm、好ましくは620nm〜850nmである。
一方、近年、特に、SHG(Second Harmonic Generator)素子と半導体レーザーを一体化したモジュールや青色半導体レーザーが開発されてきて、短波長領域のレーザー出力装置がクローズアップされてきた。青色半導体レーザーは、高精細の画像記録が可能であること、記録密度の増大、かつ長寿命で安定した出力が得られることから、今後需要が拡大していくことが期待されている。青色レーザー光のピーク波長は、300nm〜500nm、特に400nm〜500nmが好ましい。
レーザー光は、高周波重畳などの方法によって縦マルチに発振していることも好ましく用いられる。
2)熱現像
本発明の熱現像感光材料はいかなる方法で現像されても良いが、通常イメージワイズに露光した熱現像感光材料を昇温して現像される。好ましい現像温度としては80℃〜250℃であり、好ましくは100℃〜140℃、さらに好ましくは110℃〜130℃である。現像時間としては1秒〜60秒が好ましく、より好ましくは3秒〜30秒、さらに好ましくは5秒〜25秒である。
本発明の熱現像感光材料はいかなる方法で現像されても良いが、通常イメージワイズに露光した熱現像感光材料を昇温して現像される。好ましい現像温度としては80℃〜250℃であり、好ましくは100℃〜140℃、さらに好ましくは110℃〜130℃である。現像時間としては1秒〜60秒が好ましく、より好ましくは3秒〜30秒、さらに好ましくは5秒〜25秒である。
熱現像の方式としてはドラム型ヒーター、プレート型ヒーターのいずれを使用してもよいが、プレート型ヒーター方式がより好ましい。プレート型ヒーター方式による熱現像方式とは特開平11−133572号に記載の方法が好ましく、潜像を形成した熱現像感光材料を熱現像部にて加熱手段に接触させることにより可視像を得る熱現像装置であって、前記加熱手段がプレートヒーターからなり、かつ前記プレートヒーターの一方の面に沿って複数個の押えローラが対向配設され、前記押えローラと前記プレートヒーターとの間に前記熱現像感光材料を通過させて熱現像を行うことを特徴とする熱現像装置である。プレートヒーターを2〜6段に分けて先端部については1℃〜10℃程度温度を下げることが好ましい。例えば、独立に温度制御できる4組のプレートヒーターを使用し、それぞれ112℃、119℃、121℃、120℃になるように制御する例が挙げられる。このような方法は特開昭54−30032号にも記載されており、熱現像感光材料に含有している水分や有機溶媒を系外に除外させることができ、また、急激に熱現像感光材料が加熱されることでの熱現像感光材料の支持体形状の変化を抑えることもできる。
熱現像機の小型化および熱現像時間の短縮のためには、より安定なヒーター制御ができることが好ましく、また、1枚のシート感材を先頭部から露光開始し、後端部まで露光が終わらないうちに熱現像を開始することが望ましい。
本発明に好ましい迅速処理ができるイメージャーは例えば特開2002−289804号および同−287668号に記載されている。
本発明に好ましい迅速処理ができるイメージャーは例えば特開2002−289804号および同−287668号に記載されている。
3)システム
露光部及び熱現像部を備えた医療用のレーザーイメージャーとしては富士メディカル・ドライレーザーイメージャーFM−DPL、およびDRYPIX7000を挙げることができる。FM−DPLに関しては、Fuji Medical Review No.8,page39〜55に記載されており、それらの技術は本発明の熱現像感光材料のレーザーイメージャーとして適用することは言うまでもない。また、DICOM規格に適応したネットワークシステムとして富士フィルムメディカル(株)が提案した「AD network」の中でのレーザーイメージャー用の熱現像感光材料としても適用することができる。
露光部及び熱現像部を備えた医療用のレーザーイメージャーとしては富士メディカル・ドライレーザーイメージャーFM−DPL、およびDRYPIX7000を挙げることができる。FM−DPLに関しては、Fuji Medical Review No.8,page39〜55に記載されており、それらの技術は本発明の熱現像感光材料のレーザーイメージャーとして適用することは言うまでもない。また、DICOM規格に適応したネットワークシステムとして富士フィルムメディカル(株)が提案した「AD network」の中でのレーザーイメージャー用の熱現像感光材料としても適用することができる。
(本発明の用途)
本発明の熱現像感光材料は、銀画像による黒白画像を形成し、医療診断用の熱現像感光材料、工業写真用熱現像感光材料、印刷用熱現像感光材料、COM用の熱現像感光材料として使用されることが好ましい。
本発明の熱現像感光材料は、銀画像による黒白画像を形成し、医療診断用の熱現像感光材料、工業写真用熱現像感光材料、印刷用熱現像感光材料、COM用の熱現像感光材料として使用されることが好ましい。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1.
1.PET支持体の作製
(1)製膜
テレフタル酸とエチレングリコ−ルを用い、常法に従い固有粘度IV=0.66(フェノ−ル/テトラクロルエタン=6/4(質量比)中25℃で測定)のPETを得た。これをペレット化した後130℃で4時間乾燥し、300℃で溶融後T型ダイから押し出して急冷し、未延伸フィルムを作製した。
1.PET支持体の作製
(1)製膜
テレフタル酸とエチレングリコ−ルを用い、常法に従い固有粘度IV=0.66(フェノ−ル/テトラクロルエタン=6/4(質量比)中25℃で測定)のPETを得た。これをペレット化した後130℃で4時間乾燥し、300℃で溶融後T型ダイから押し出して急冷し、未延伸フィルムを作製した。
これを、周速の異なるロ−ルを用い3.3倍に縦延伸、ついでテンタ−で4.5倍に横延伸を実施した。この時の温度はそれぞれ、110℃、130℃であった。この後、240℃で20秒間熱固定後これと同じ温度で横方向に4%緩和した。この後テンタ−のチャック部をスリットした後、両端にナ−ル加工を行い、4kg/cm2で巻き取り、厚み175μmのロ−ルを得た。
(2)表面コロナ放電処理
ピラー社製ソリッドステートコロナ放電処理機6KVAモデルを用い、支持体の両面を室温下において20m/分で処理した。この時の電流、電圧の読み取り値から、支持体には0.375kV・A・分/m2の処理がなされていることがわかった。この時の処理周波数は9.6kHz、電極と誘電体ロ−ルのギャップクリアランスは1.6mmであった。
ピラー社製ソリッドステートコロナ放電処理機6KVAモデルを用い、支持体の両面を室温下において20m/分で処理した。この時の電流、電圧の読み取り値から、支持体には0.375kV・A・分/m2の処理がなされていることがわかった。この時の処理周波数は9.6kHz、電極と誘電体ロ−ルのギャップクリアランスは1.6mmであった。
(3)下塗り
1)下塗層塗布液の作製
処方(1)(感光層側下塗り層用)
高松油脂(株)製ペスレジンA−520(30質量%溶液) 59g
ポリエチレングリコールモノノニルフェニルエーテル
(平均エチレンオキシド数=8.5)10質量%溶液 5.4g
綜研化学(株)製MP−1000(ポリマー微粒子、平均粒径0.4μm)
0.91g
蒸留水 935ml
1)下塗層塗布液の作製
処方(1)(感光層側下塗り層用)
高松油脂(株)製ペスレジンA−520(30質量%溶液) 59g
ポリエチレングリコールモノノニルフェニルエーテル
(平均エチレンオキシド数=8.5)10質量%溶液 5.4g
綜研化学(株)製MP−1000(ポリマー微粒子、平均粒径0.4μm)
0.91g
蒸留水 935ml
処方(2)(バック面第1層用)
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス 158g
(固形分40質量%、スチレン/ブタジエン質量比=68/32)
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジンナトリウム塩(8質量%水溶液)
20g
ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1質量%水溶液 10ml
蒸留水 854ml
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス 158g
(固形分40質量%、スチレン/ブタジエン質量比=68/32)
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジンナトリウム塩(8質量%水溶液)
20g
ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1質量%水溶液 10ml
蒸留水 854ml
処方(3)(バック面側第2層用)
SnO2/SbO(9/1質量比、平均粒径0.038μm、17質量%分散物)
84g
ゼラチン(10質量%水溶液) 89.2g
信越化学(株)製メトローズTC−5(2質量%水溶液) 8.6g
綜研化学(株)製MP−1000 0.01g
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1質量%水溶液 10ml
NaOH(1質量%) 6ml
プロキセル(ICI社製) 1ml
蒸留水 805ml
SnO2/SbO(9/1質量比、平均粒径0.038μm、17質量%分散物)
84g
ゼラチン(10質量%水溶液) 89.2g
信越化学(株)製メトローズTC−5(2質量%水溶液) 8.6g
綜研化学(株)製MP−1000 0.01g
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1質量%水溶液 10ml
NaOH(1質量%) 6ml
プロキセル(ICI社製) 1ml
蒸留水 805ml
2)下塗り
上記厚さ175μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート支持体の両面それぞれに、上記コロナ放電処理を施した後、片面(画像形成層面)に上記下塗り塗布液処方(1)をワイヤーバーでウエット塗布量が6.6ml/m2(片面当たり)になるように塗布して180℃で5分間乾燥し、ついでこの裏面(バック面)に上記下塗り塗布液処方(2)をワイヤーバーでウエット塗布量が5.7ml/m2になるように塗布して180℃で5分間乾燥し、更に裏面(バック面)に上記下塗り塗布液処方(3)をワイヤーバーでウエット塗布量が7.7ml/m2になるように塗布して180℃で6分間乾燥して下塗り支持体を作製した。
上記厚さ175μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート支持体の両面それぞれに、上記コロナ放電処理を施した後、片面(画像形成層面)に上記下塗り塗布液処方(1)をワイヤーバーでウエット塗布量が6.6ml/m2(片面当たり)になるように塗布して180℃で5分間乾燥し、ついでこの裏面(バック面)に上記下塗り塗布液処方(2)をワイヤーバーでウエット塗布量が5.7ml/m2になるように塗布して180℃で5分間乾燥し、更に裏面(バック面)に上記下塗り塗布液処方(3)をワイヤーバーでウエット塗布量が7.7ml/m2になるように塗布して180℃で6分間乾燥して下塗り支持体を作製した。
2.バック層、バック面保護層
1)バック層塗布液の調製
(塩基プレカーサーの固体微粒子分散液(a)の調製)
塩基プレカーサー化合物1を、2.5kg、及び界面活性剤(商品名:デモールN、花王(株)製)300g、ジフェニルスルホン800g、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩1.0g及び蒸留水を加えて総量を8.0kgに合わせて混合し、混合液を横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)を用いてビーズ分散した。分散方法は、混合液をを平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填したUVM−2にダイアフラムポンプで送液し、内圧50hPa以上の状態で、所望の平均粒径が得られるまで分散した。
分散物は、分光吸収測定を行って該分散物の分光吸収における450nmにおける吸光度と650nmにおける吸光度の比(D450/D650)が3.0まで分散した。得られた分散物は、塩基プレカーサーの濃度で25質量%となるように蒸留水で希釈し、ごみ取りのためにろ過(平均細孔径:3μmのポリプロピレン製フィルター)を行って実用に供した。
1)バック層塗布液の調製
(塩基プレカーサーの固体微粒子分散液(a)の調製)
塩基プレカーサー化合物1を、2.5kg、及び界面活性剤(商品名:デモールN、花王(株)製)300g、ジフェニルスルホン800g、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩1.0g及び蒸留水を加えて総量を8.0kgに合わせて混合し、混合液を横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)を用いてビーズ分散した。分散方法は、混合液をを平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填したUVM−2にダイアフラムポンプで送液し、内圧50hPa以上の状態で、所望の平均粒径が得られるまで分散した。
分散物は、分光吸収測定を行って該分散物の分光吸収における450nmにおける吸光度と650nmにおける吸光度の比(D450/D650)が3.0まで分散した。得られた分散物は、塩基プレカーサーの濃度で25質量%となるように蒸留水で希釈し、ごみ取りのためにろ過(平均細孔径:3μmのポリプロピレン製フィルター)を行って実用に供した。
2)染料固体微粒子分散液の調製
シアニン染料化合物−1を6.0kg及びp−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3.0kg、花王(株)製界面活性剤デモールSNB 0.6kg、及び消泡剤(商品名:サーフィノール104E、日信化学(株)製)0.15kgを蒸留水と混合して、総液量を60kgとした。混合液を横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)を用いて、0.5mmのジルコニアビーズで分散した。
分散物は、分光吸収測定を行って該分散物の分光吸収における650nmにおける吸光度と750nmにおける吸光度の比(D650/D750)が5.0以上であるところまで分散した。得られた分散物は、シアニン染料の濃度で、6質量%となるように蒸留水で希釈し、ごみ取りのためにフィルターろ過(平均細孔径:1μm)を行って実用に供した。
シアニン染料化合物−1を6.0kg及びp−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3.0kg、花王(株)製界面活性剤デモールSNB 0.6kg、及び消泡剤(商品名:サーフィノール104E、日信化学(株)製)0.15kgを蒸留水と混合して、総液量を60kgとした。混合液を横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)を用いて、0.5mmのジルコニアビーズで分散した。
分散物は、分光吸収測定を行って該分散物の分光吸収における650nmにおける吸光度と750nmにおける吸光度の比(D650/D750)が5.0以上であるところまで分散した。得られた分散物は、シアニン染料の濃度で、6質量%となるように蒸留水で希釈し、ごみ取りのためにフィルターろ過(平均細孔径:1μm)を行って実用に供した。
3)ハレーション防止層塗布液の調製
容器を40℃に保温し、ゼラチン40g、単分散ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒子サイズ8μm、粒径標準偏差0.4)20g、ベンゾイソチアゾリノン0.1g、水490mlを加えてゼラチンを溶解させた。さらに1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液2.3ml、上記染料固体微粒子分散液40g、上記塩基プレカーサーの固体微粒子分散液(a)を90g、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム3質量%水溶液12ml、、SBRラテックス10質量%液180g、を混合した。塗布直前にN,N−エチレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)4質量%水溶液80mlを混合し、ハレーション防止層塗布液とした。
容器を40℃に保温し、ゼラチン40g、単分散ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒子サイズ8μm、粒径標準偏差0.4)20g、ベンゾイソチアゾリノン0.1g、水490mlを加えてゼラチンを溶解させた。さらに1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液2.3ml、上記染料固体微粒子分散液40g、上記塩基プレカーサーの固体微粒子分散液(a)を90g、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム3質量%水溶液12ml、、SBRラテックス10質量%液180g、を混合した。塗布直前にN,N−エチレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)4質量%水溶液80mlを混合し、ハレーション防止層塗布液とした。
4)バック面保護層塗布液の調製
容器を40℃に保温し、ゼラチン40g、ベンゾイソチアゾリノン35mg、水840mlを加えてゼラチンを溶解させた。さらに1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液5.8ml、流動パラフィンの10質量%乳化物を5g、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパンの10質量%乳化物を5g、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩5質量%水溶液10ml、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム3質量%水溶液20ml、フッ素系界面活性剤(F−1)2質量%溶液を2.4ml、フッ素系界面活性剤(F−2)2質量%溶液を2.4ml、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合質量比57/8/28/5/2)ラテックス19質量%液32gを混合した。塗布直前にN,N−エチレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)4質量%水溶液25mlを混合しバック面保護層塗布液とした。
容器を40℃に保温し、ゼラチン40g、ベンゾイソチアゾリノン35mg、水840mlを加えてゼラチンを溶解させた。さらに1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液5.8ml、流動パラフィンの10質量%乳化物を5g、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパンの10質量%乳化物を5g、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩5質量%水溶液10ml、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム3質量%水溶液20ml、フッ素系界面活性剤(F−1)2質量%溶液を2.4ml、フッ素系界面活性剤(F−2)2質量%溶液を2.4ml、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合質量比57/8/28/5/2)ラテックス19質量%液32gを混合した。塗布直前にN,N−エチレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)4質量%水溶液25mlを混合しバック面保護層塗布液とした。
5)バック層の塗布
上記下塗り支持体のバック面側に、アンチハレーション層塗布液をゼラチン塗布量が0.52g/m2となるように、またバック面保護層塗布液をゼラチン塗布量が1.7g/m2となるように同時重層塗布し、乾燥し、バック層を作製した。
上記下塗り支持体のバック面側に、アンチハレーション層塗布液をゼラチン塗布量が0.52g/m2となるように、またバック面保護層塗布液をゼラチン塗布量が1.7g/m2となるように同時重層塗布し、乾燥し、バック層を作製した。
3.画像形成層、中間層、および表面保護層
3−1.塗布用材料の準備
1)ハロゲン化銀乳剤
《ハロゲン化銀乳剤1の調製》
蒸留水1421mlに1質量%臭化カリウム溶液3.1mlを加え、さらに0.5mol/L濃度の硫酸を3.5ml、フタル化ゼラチン31.7gを添加した液をステンレス製反応壺中で攪拌しながら、30℃に液温を保ち、硝酸銀22.22gに蒸留水を加え95.4mlに希釈した溶液Aと臭化カリウム15.3gとヨウ化カリウム0.8gを蒸留水にて容量97.4mlに希釈した溶液Bを一定流量で45秒間かけて全量添加した。その後、3.5質量%の過酸化水素水溶液を10ml添加し、さらにベンゾイミダゾールの10質量%水溶液を10.8ml添加した。さらに、硝酸銀51.86gに蒸留水を加えて317.5mlに希釈した溶液Cと臭化カリウム44.2gとヨウ化カリウム2.2gを蒸留水にて容量400mlに希釈した溶液Dを、溶液Cは一定流量で20分間かけて全量添加し、溶液DはpAgを8.1に維持しながらコントロールドダブルジェット法で添加した。銀1モル当たり1×10-4モルになるよう六塩化イリジウム(III)酸カリウム塩を溶液Cおよび溶液Dを添加しはじめてから10分後に全量添加した。また、溶液Cの添加終了の5秒後に六シアン化鉄(II)カリウム水溶液を銀1モル当たり3×10-4モル全量添加した。0.5mol/L濃度の硫酸を用いてpHを3.8に調整し、攪拌を止め、沈降/脱塩/水洗工程をおこなった。1mol/L濃度の水酸化ナトリウムを用いてpH5.9に調整し、pAg8.0のハロゲン化銀分散物を作製した。
3−1.塗布用材料の準備
1)ハロゲン化銀乳剤
《ハロゲン化銀乳剤1の調製》
蒸留水1421mlに1質量%臭化カリウム溶液3.1mlを加え、さらに0.5mol/L濃度の硫酸を3.5ml、フタル化ゼラチン31.7gを添加した液をステンレス製反応壺中で攪拌しながら、30℃に液温を保ち、硝酸銀22.22gに蒸留水を加え95.4mlに希釈した溶液Aと臭化カリウム15.3gとヨウ化カリウム0.8gを蒸留水にて容量97.4mlに希釈した溶液Bを一定流量で45秒間かけて全量添加した。その後、3.5質量%の過酸化水素水溶液を10ml添加し、さらにベンゾイミダゾールの10質量%水溶液を10.8ml添加した。さらに、硝酸銀51.86gに蒸留水を加えて317.5mlに希釈した溶液Cと臭化カリウム44.2gとヨウ化カリウム2.2gを蒸留水にて容量400mlに希釈した溶液Dを、溶液Cは一定流量で20分間かけて全量添加し、溶液DはpAgを8.1に維持しながらコントロールドダブルジェット法で添加した。銀1モル当たり1×10-4モルになるよう六塩化イリジウム(III)酸カリウム塩を溶液Cおよび溶液Dを添加しはじめてから10分後に全量添加した。また、溶液Cの添加終了の5秒後に六シアン化鉄(II)カリウム水溶液を銀1モル当たり3×10-4モル全量添加した。0.5mol/L濃度の硫酸を用いてpHを3.8に調整し、攪拌を止め、沈降/脱塩/水洗工程をおこなった。1mol/L濃度の水酸化ナトリウムを用いてpH5.9に調整し、pAg8.0のハロゲン化銀分散物を作製した。
上記ハロゲン化銀分散物を攪拌しながら38℃に維持して、0.34質量%の1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンのメタノール溶液を5ml加え、40分後に47℃に昇温した。昇温の20分後にベンゼンチオスルホン酸ナトリウムをメタノール溶液で銀1モルに対して7.6×10-5モル加え、さらに5分後にテルル増感剤Cをメタノール溶液で銀1モル当たり2.9×10-4モル加えて91分間熟成した。その後、分光増感色素Aと増感色素Bのモル比で3:1のメタノール溶液を銀1モル当たり増感色素AとBの合計として1.2×10-3モル加え、1分後にN,N’−ジヒドロキシ−N”−ジエチルメラミンの0.8質量%メタノール溶液1.3mlを加え、さらに4分後に、5−メチル−2−メルカプトベンゾイミダゾールをメタノール溶液で銀1モル当たり4.8×10-3モル、1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾールをメタノール溶液で銀1モルに対して5.4×10-3モルおよび1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを水溶液で銀1モルに対して8.5×10-3モル添加して、ハロゲン化銀乳剤1を作製した。
調製できたハロゲン化銀乳剤中の粒子は、平均球相当径0.042μm、球相当径の変動係数20%のヨウドを均一に3.5モル%含むヨウ臭化銀粒子であった。粒子サイズ等は、電子顕微鏡を用い1000個の粒子の平均から求めた。この粒子の{100}面比率は、クベルカムンク法を用いて80%と求められた。
《ハロゲン化銀乳剤2の調製》
ハロゲン化銀乳剤1の調製において、粒子形成時の液温30℃を47℃に変更し、溶液Bは臭化カリウム15.9gを蒸留水にて容量97.4mlに希釈することに変更し、溶液Dは臭化カリウム45.8gを蒸留水にて容量400mlに希釈することに変更し、溶液Cの添加時間を30分にして、六シアノ鉄(II)カリウムを除去した以外は同様にして、ハロゲン化銀乳剤2の調製を行った。ハロゲン化銀乳剤1と同様に沈殿/脱塩/水洗/分散を行った。更に、テルル増感剤Cの添加量を銀1モル当たり1.1×10-4モル、分光増感色素Aと分光増感色素Bのモル比で3:1のメタノール溶液の添加量を銀1モル当たり増感色素Aと増感色素Bの合計として7.0×10-4モル、1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾールを銀1モルに対して3.3×10-3モルおよび1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを銀1モルに対して4.7×10-3モル添加に変えた以外は乳剤1と同様にして分光増感、化学増感及び5−メチル−2−メルカプトベンゾイミダゾール、1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾールの添加を行い、ハロゲン化銀乳剤2を得た。ハロゲン化銀乳剤2の乳剤粒子は、平均球相当径0.080μm、球相当径の変動係数20%の純臭化銀立方体粒子であった。
ハロゲン化銀乳剤1の調製において、粒子形成時の液温30℃を47℃に変更し、溶液Bは臭化カリウム15.9gを蒸留水にて容量97.4mlに希釈することに変更し、溶液Dは臭化カリウム45.8gを蒸留水にて容量400mlに希釈することに変更し、溶液Cの添加時間を30分にして、六シアノ鉄(II)カリウムを除去した以外は同様にして、ハロゲン化銀乳剤2の調製を行った。ハロゲン化銀乳剤1と同様に沈殿/脱塩/水洗/分散を行った。更に、テルル増感剤Cの添加量を銀1モル当たり1.1×10-4モル、分光増感色素Aと分光増感色素Bのモル比で3:1のメタノール溶液の添加量を銀1モル当たり増感色素Aと増感色素Bの合計として7.0×10-4モル、1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾールを銀1モルに対して3.3×10-3モルおよび1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを銀1モルに対して4.7×10-3モル添加に変えた以外は乳剤1と同様にして分光増感、化学増感及び5−メチル−2−メルカプトベンゾイミダゾール、1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾールの添加を行い、ハロゲン化銀乳剤2を得た。ハロゲン化銀乳剤2の乳剤粒子は、平均球相当径0.080μm、球相当径の変動係数20%の純臭化銀立方体粒子であった。
《ハロゲン化銀乳剤3の調製》
ハロゲン化銀乳剤1の調製において、粒子形成時の液温30℃を27℃に変更する以外は同様にして、ハロゲン化銀乳剤3の調製を行った。また、ハロゲン化銀乳剤1と同様に沈殿/脱塩/水洗/分散を行った。分光増感色素Aと分光増感色素Bのモル比で1:1を固体分散物(ゼラチン水溶液)として添加量を銀1モル当たり増感色素Aと増感色素Bの合計として6×10-3モル、テルル増感剤Cの添加量を銀1モル当たり5.2×10-4モルに変え、テルル増感剤の添加3分後に臭化金酸を銀1モル当たり5×10-4モルとチオシアン酸カリウムを銀1モルあたり2×10-3モルを添加したこと以外は乳剤1と同様にして、ハロゲン化銀乳剤3を得た。ハロゲン化銀乳剤3の乳剤粒子は、平均球相当径0.034μm、球相当径の変動係数20%のヨウドを均一に3.5モル%含むヨウ臭化銀粒子であった。
ハロゲン化銀乳剤1の調製において、粒子形成時の液温30℃を27℃に変更する以外は同様にして、ハロゲン化銀乳剤3の調製を行った。また、ハロゲン化銀乳剤1と同様に沈殿/脱塩/水洗/分散を行った。分光増感色素Aと分光増感色素Bのモル比で1:1を固体分散物(ゼラチン水溶液)として添加量を銀1モル当たり増感色素Aと増感色素Bの合計として6×10-3モル、テルル増感剤Cの添加量を銀1モル当たり5.2×10-4モルに変え、テルル増感剤の添加3分後に臭化金酸を銀1モル当たり5×10-4モルとチオシアン酸カリウムを銀1モルあたり2×10-3モルを添加したこと以外は乳剤1と同様にして、ハロゲン化銀乳剤3を得た。ハロゲン化銀乳剤3の乳剤粒子は、平均球相当径0.034μm、球相当径の変動係数20%のヨウドを均一に3.5モル%含むヨウ臭化銀粒子であった。
《塗布液用混合乳剤A1〜A8の調製》
ハロゲン化銀乳剤1を70質量%、ハロゲン化銀乳剤2を15質量%、ハロゲン化銀乳剤3を15質量%を混合し、加温して溶解し、ベンゾチアゾリウムヨーダイドを1質量%水溶液にて銀1モル当たり7×10-3モル添加した。さらに塗布液用混合乳剤1kgあたりハロゲン化銀の含有量が銀として38.2gとなるように加水し、塗布液用混合乳剤1kgあたり0.34gとなるように1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを添加した。液温を40℃に保ち、表1に示すように本発明による一般式(I)の化合物もしくは比較の化合物を添加し、20分間攪拌した。本発明の一般式(I)の化合物は、メタノールに溶解して、0.002Mの溶液を調製して添加した。アセチレン銀は下記に示した方法で分散物を調製して添加した。
ハロゲン化銀乳剤1を70質量%、ハロゲン化銀乳剤2を15質量%、ハロゲン化銀乳剤3を15質量%を混合し、加温して溶解し、ベンゾチアゾリウムヨーダイドを1質量%水溶液にて銀1モル当たり7×10-3モル添加した。さらに塗布液用混合乳剤1kgあたりハロゲン化銀の含有量が銀として38.2gとなるように加水し、塗布液用混合乳剤1kgあたり0.34gとなるように1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを添加した。液温を40℃に保ち、表1に示すように本発明による一般式(I)の化合物もしくは比較の化合物を添加し、20分間攪拌した。本発明の一般式(I)の化合物は、メタノールに溶解して、0.002Mの溶液を調製して添加した。アセチレン銀は下記に示した方法で分散物を調製して添加した。
続いて、「1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物」として、化合物1と2と3をそれぞれハロゲン化銀の銀1モル当たり2×10-3モルになる量を添加した。
《比較のアセチレン銀の調製》
特開昭63−217347の実施例1に記載の通りにして4−アセチルアミノフェニルアセチレン銀乳剤を調製した。
特開昭63−217347の実施例1に記載の通りにして4−アセチルアミノフェニルアセチレン銀乳剤を調製した。
2)脂肪酸銀分散物の調製
《再結晶ベヘン酸の調製》
ヘンケル社製ベヘン酸(製品名Edenor C22−85R)100kgを、1200kgのイソプロピルアルコールにまぜ、50℃で溶解し、10μmのフィルターで濾過した後、30℃まで、冷却し、再結晶を行った。再結晶をする際の、冷却スピードは、3℃/時間にコントロールした。得られた結晶を遠心濾過し、100kgのイソプルピルアルコールでかけ洗いを実施した後、乾燥を行った。得られた結晶をエステル化してGC−FID測定をしたところ、ベヘン酸含有率は96モル%、それ以外にリグノセリン酸が2モル%、アラキジン酸が2モル%、エルカ酸0.001モル%含まれていた。
《再結晶ベヘン酸の調製》
ヘンケル社製ベヘン酸(製品名Edenor C22−85R)100kgを、1200kgのイソプロピルアルコールにまぜ、50℃で溶解し、10μmのフィルターで濾過した後、30℃まで、冷却し、再結晶を行った。再結晶をする際の、冷却スピードは、3℃/時間にコントロールした。得られた結晶を遠心濾過し、100kgのイソプルピルアルコールでかけ洗いを実施した後、乾燥を行った。得られた結晶をエステル化してGC−FID測定をしたところ、ベヘン酸含有率は96モル%、それ以外にリグノセリン酸が2モル%、アラキジン酸が2モル%、エルカ酸0.001モル%含まれていた。
《脂肪酸銀分散物の調製》
再結晶ベヘン酸88kg、蒸留水422L、5mol/L濃度のNaOH水溶液49.2L、t−ブチルアルコール120Lを混合し、75℃にて1時間攪拌し反応させ、ベヘン酸ナトリウム溶液Bを得た。別に、硝酸銀40.4kgの水溶液206.2L(pH4.0)を用意し、10℃にて保温した。635Lの蒸留水と30Lのt−ブチルアルコールを入れた反応容器を30℃に保温し、十分に撹拌しながら先のベヘン酸ナトリウム溶液Bの全量と硝酸銀水溶液の全量を流量一定でそれぞれ93分15秒と90分かけて添加した。このとき、硝酸銀水溶液添加開始後11分間は硝酸銀水溶液のみが添加されるようにし、そのあとベヘン酸ナトリウム溶液Bを添加開始し、硝酸銀水溶液の添加終了後14分15秒間はベヘン酸ナトリウム溶液Bのみが添加されるようにした。このとき、反応容器内の温度は30℃とし、液温度が一定になるように外温コントロールした。また、ベヘン酸ナトリウム溶液Bの添加系の配管は、2重管の外側に温水を循環させる事により保温し、添加ノズル先端の出口の液温度が75℃になるよう調製した。また、硝酸銀水溶液の添加系の配管は、2重管の外側に冷水を循環させることにより保温した。ベヘン酸ナトリウム溶液Bの添加位置と硝酸銀水溶液の添加位置は撹拌軸を中心として対称的な配置とし、また反応液に接触しないような高さに調製した。
再結晶ベヘン酸88kg、蒸留水422L、5mol/L濃度のNaOH水溶液49.2L、t−ブチルアルコール120Lを混合し、75℃にて1時間攪拌し反応させ、ベヘン酸ナトリウム溶液Bを得た。別に、硝酸銀40.4kgの水溶液206.2L(pH4.0)を用意し、10℃にて保温した。635Lの蒸留水と30Lのt−ブチルアルコールを入れた反応容器を30℃に保温し、十分に撹拌しながら先のベヘン酸ナトリウム溶液Bの全量と硝酸銀水溶液の全量を流量一定でそれぞれ93分15秒と90分かけて添加した。このとき、硝酸銀水溶液添加開始後11分間は硝酸銀水溶液のみが添加されるようにし、そのあとベヘン酸ナトリウム溶液Bを添加開始し、硝酸銀水溶液の添加終了後14分15秒間はベヘン酸ナトリウム溶液Bのみが添加されるようにした。このとき、反応容器内の温度は30℃とし、液温度が一定になるように外温コントロールした。また、ベヘン酸ナトリウム溶液Bの添加系の配管は、2重管の外側に温水を循環させる事により保温し、添加ノズル先端の出口の液温度が75℃になるよう調製した。また、硝酸銀水溶液の添加系の配管は、2重管の外側に冷水を循環させることにより保温した。ベヘン酸ナトリウム溶液Bの添加位置と硝酸銀水溶液の添加位置は撹拌軸を中心として対称的な配置とし、また反応液に接触しないような高さに調製した。
ベヘン酸ナトリウム溶液Bを添加終了後、そのままの温度で20分間撹拌放置し、30分かけて35℃に昇温し、その後210分熟成を行った。熟成終了後直ちに、遠心濾過で固形分を濾別し、固形分を濾過水の伝導度が30μS/cmになるまで水洗した。こうして脂肪酸銀塩を得た。得られた固形分は、乾燥させないでウエットケーキとして保管した。
得られたベヘン酸銀粒子の形態を電子顕微鏡撮影により評価したところ、平均値でa=0.21μm、b=0.4μm、c=0.4μm、平均アスペクト比2.1、球相当径の変動係数11%の結晶であった。(a,b,cは本文の規定)
得られたベヘン酸銀粒子の形態を電子顕微鏡撮影により評価したところ、平均値でa=0.21μm、b=0.4μm、c=0.4μm、平均アスペクト比2.1、球相当径の変動係数11%の結晶であった。(a,b,cは本文の規定)
乾燥固形分260kg相当のウエットケーキに対し、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−217)19.3kgおよび水を添加し、全体量を1000kgとしてからディゾルバー羽根でスラリー化し、更にパイプラインミキサー(みづほ工業製:PM−10型)で予備分散した。
次に予備分散済みの原液を分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−610、マイクロフルイデックス・インターナショナル・コーポレーション製、Z型インタラクションチャンバー使用)の圧力を1150kg/cm2に調節して、三回処理し、ベヘン酸銀分散物を得た。冷却操作は蛇管式熱交換器をインタラクションチャンバーの前後に各々装着し、冷媒の温度を調節することで18℃の分散温度に設定した。
3)比較の銀塩分散物の調製
特開昭63−217347の実施例1に記載の通りにしてベンゾトリアゾール銀乳剤を調製した。
特開昭63−217347の実施例1に記載の通りにしてベンゾトリアゾール銀乳剤を調製した。
4)還元剤分散物の調製
《還元剤−1分散物の調製》
還元剤−1(2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール))10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が25質量%になるように調製した。この分散液を60℃で5時間加熱処理し、還元剤−1分散物を得た。
こうして得た還元剤分散物に含まれる還元剤粒子はメジアン径0.40μm、最大粒子径1.4μm以下であった。得られた還元剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
《還元剤−1分散物の調製》
還元剤−1(2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール))10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が25質量%になるように調製した。この分散液を60℃で5時間加熱処理し、還元剤−1分散物を得た。
こうして得た還元剤分散物に含まれる還元剤粒子はメジアン径0.40μm、最大粒子径1.4μm以下であった。得られた還元剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
《還元剤−2分散物の調製》
還元剤−2(6,6’−ジ−t−ブチル−4,4’−ジメチル−2,2’−ブチリデンジフェノール)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が25質量%になるように調製した。この分散液を40℃で1時間加熱した後、引き続いてさらに80℃で1時間加熱処理し、還元剤−2分散物を得た。こうして得た還元剤分散物に含まれる還元剤粒子はメジアン径0.50μm、最大粒子径1.6μm以下であった。得られた還元剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
還元剤−2(6,6’−ジ−t−ブチル−4,4’−ジメチル−2,2’−ブチリデンジフェノール)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が25質量%になるように調製した。この分散液を40℃で1時間加熱した後、引き続いてさらに80℃で1時間加熱処理し、還元剤−2分散物を得た。こうして得た還元剤分散物に含まれる還元剤粒子はメジアン径0.50μm、最大粒子径1.6μm以下であった。得られた還元剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
5)水素結合性化合物−1分散物の調製
水素結合性化合物−1(トリ(4−t−ブチルフェニル)ホスフィンオキシド)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて4時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて水素結合性化合物の濃度が25質量%になるように調製した。この分散液を40℃で1時間加熱した後、引き続いてさらに80℃で1時間加温し、水素結合性化合物−1分散物を得た。こうして得た水素結合性化合物分散物に含まれる水素結合性化合物粒子はメジアン径0.45μm、最大粒子径1.3μm以下であった。得られた水素結合性化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
水素結合性化合物−1(トリ(4−t−ブチルフェニル)ホスフィンオキシド)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて4時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて水素結合性化合物の濃度が25質量%になるように調製した。この分散液を40℃で1時間加熱した後、引き続いてさらに80℃で1時間加温し、水素結合性化合物−1分散物を得た。こうして得た水素結合性化合物分散物に含まれる水素結合性化合物粒子はメジアン径0.45μm、最大粒子径1.3μm以下であった。得られた水素結合性化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
6)熱現像促進剤分散物の調製
熱現像促進剤−1を10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液20kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて熱現像促進剤の濃度が20質量%になるように調製し、熱現像促進剤−1分散物を得た。こうして得た熱現像促進剤分散物に含まれる現像促進剤粒子はメジアン径0.48μm、最大粒子径1.4μm以下であった。得られた熱現像促進剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
その他の熱現像促進剤の固体分散物についても熱現像促進剤−1と同様の方法により分散し、それぞれ20質量%の分散液を得た。
熱現像促進剤−1を10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液20kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて熱現像促進剤の濃度が20質量%になるように調製し、熱現像促進剤−1分散物を得た。こうして得た熱現像促進剤分散物に含まれる現像促進剤粒子はメジアン径0.48μm、最大粒子径1.4μm以下であった。得られた熱現像促進剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
その他の熱現像促進剤の固体分散物についても熱現像促進剤−1と同様の方法により分散し、それぞれ20質量%の分散液を得た。
7)ポリハロゲン化合物の調製
《有機ポリハロゲン化合物−1分散物の調製》
有機ポリハロゲン化合物−1(トリブロモメタンスルホニルベンゼン)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバールMP203)の20質量%水溶液10kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4kgと、水14kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が26質量%になるように調製し、有機ポリハロゲン化合物−1分散物を得た。
こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.41μm、最大粒子径2.0μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径10.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
《有機ポリハロゲン化合物−1分散物の調製》
有機ポリハロゲン化合物−1(トリブロモメタンスルホニルベンゼン)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバールMP203)の20質量%水溶液10kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4kgと、水14kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が26質量%になるように調製し、有機ポリハロゲン化合物−1分散物を得た。
こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.41μm、最大粒子径2.0μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径10.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
《有機ポリハロゲン化合物−2分散物の調製》
有機ポリハロゲン化合物−2(N−ブチル−3−トリブロモメタンスルホニルベンゾアミド)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバールMP203)の10質量%水溶液20kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4kgを添加して、良く混合してスラリーとした。
このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が30質量%になるように調製した。この分散液を40℃で5時間加温し、有機ポリハロゲン化合物−2分散物を得た。こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.40μm、最大粒子径1.3μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
有機ポリハロゲン化合物−2(N−ブチル−3−トリブロモメタンスルホニルベンゾアミド)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバールMP203)の10質量%水溶液20kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4kgを添加して、良く混合してスラリーとした。
このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が30質量%になるように調製した。この分散液を40℃で5時間加温し、有機ポリハロゲン化合物−2分散物を得た。こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.40μm、最大粒子径1.3μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
8)フタラジン化合物−1溶液の調製
8kgのクラレ(株)製変性ポリビニルアルコールMP203を水174.57kgに溶解し、次いでトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液3.15kgとフタラジン化合物−1(6−イソプロピルフタラジン)の70質量%水溶液14.28kgを添加し、フタラジン化合物−1の5質量%溶液を調製した。
8kgのクラレ(株)製変性ポリビニルアルコールMP203を水174.57kgに溶解し、次いでトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液3.15kgとフタラジン化合物−1(6−イソプロピルフタラジン)の70質量%水溶液14.28kgを添加し、フタラジン化合物−1の5質量%溶液を調製した。
9)メルカプト化合物の調製
《メルカプト化合物−1水溶液の調製》
メルカプト化合物−1(1−(3−スルホフェニル)−5−メルカプトテトラゾールナトリウム塩)7gを水993gに溶解し、0.7質量%の水溶液とした。
《メルカプト化合物−1水溶液の調製》
メルカプト化合物−1(1−(3−スルホフェニル)−5−メルカプトテトラゾールナトリウム塩)7gを水993gに溶解し、0.7質量%の水溶液とした。
《メルカプト化合物−2水溶液の調製》
メルカプト化合物−2(1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール)20gを水980gに溶解し、2.0質量%の水溶液とした。
メルカプト化合物−2(1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール)20gを水980gに溶解し、2.0質量%の水溶液とした。
10)バインダーラテックス液の調製
《SBRラテックス液の調製》
SBRラテックス(TP−1)は以下により調製した。
ガスモノマー反応装置(耐圧硝子工業(株)製TAS−2J型)の重合釜に、蒸留水287g、界面活性剤(パイオニンA−43−S(竹本油脂(株)製):固形分48.5質量%)7.73g、1mol/L、NaOH14.06ml、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム塩0.15g、スチレン255g、アクリル酸11.25g、tert−ドデシルメルカプタン3.0gを入れ、反応容器を密閉し撹拌速度200rpmで撹拌した。真空ポンプで脱気し窒素ガス置換を数回繰返した後に、1,3−ブタジエン108.75gを圧入して内温60℃まで昇温した。ここに過硫酸アンモニウム1.875gを水50mlに溶解した液を添加し、そのまま5時間撹拌した。さらに90℃に昇温して3時間撹拌し、反応終了後内温が室温になるまで下げた後、1モル/LのNaOHとNH4OHを用いてNa+イオン:NH4 +イオン=1:5.3(モル比)になるように添加処理し、pH8.4に調整した。その後、孔径1.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納し、SBRラテックス(TP−1)を774.7g得た。イオンクロマトグラフィーによりハロゲンイオンを測定したところ、塩化物イオン濃度3ppmであった。高速液体クロマトグラフィーによりキレート剤の濃度を測定した結果、145ppmであった。
《SBRラテックス液の調製》
SBRラテックス(TP−1)は以下により調製した。
ガスモノマー反応装置(耐圧硝子工業(株)製TAS−2J型)の重合釜に、蒸留水287g、界面活性剤(パイオニンA−43−S(竹本油脂(株)製):固形分48.5質量%)7.73g、1mol/L、NaOH14.06ml、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム塩0.15g、スチレン255g、アクリル酸11.25g、tert−ドデシルメルカプタン3.0gを入れ、反応容器を密閉し撹拌速度200rpmで撹拌した。真空ポンプで脱気し窒素ガス置換を数回繰返した後に、1,3−ブタジエン108.75gを圧入して内温60℃まで昇温した。ここに過硫酸アンモニウム1.875gを水50mlに溶解した液を添加し、そのまま5時間撹拌した。さらに90℃に昇温して3時間撹拌し、反応終了後内温が室温になるまで下げた後、1モル/LのNaOHとNH4OHを用いてNa+イオン:NH4 +イオン=1:5.3(モル比)になるように添加処理し、pH8.4に調整した。その後、孔径1.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納し、SBRラテックス(TP−1)を774.7g得た。イオンクロマトグラフィーによりハロゲンイオンを測定したところ、塩化物イオン濃度3ppmであった。高速液体クロマトグラフィーによりキレート剤の濃度を測定した結果、145ppmであった。
上記ラテックスは平均粒径90nm、Tg=17℃、固形分濃度44質量%、25℃60%RHにおける平衡含水率0.6質量%、イオン伝導度4.80mS/cm(イオン伝導度の測定は東亜電波工業(株)製伝導度計CM−30S使用し、ラテックス原液(44質量%)を25℃にて測定)、pH8.4Tgの異なるSBRラテックスはスチレン、ブタジエンの比率を適宜変更し、同様の方法により調製できる。
《イソプレンラテックス液の調製》
イソプレンラテックス(TP−2)は以下により調製した。
ガスモノマー反応装置(耐圧硝子工業(株)製TAS−2J型)の重合釜に蒸留水1500g添加し、90℃で3時間加熱し、重合釜のステンレス表面やステンレス製撹拌装置の部材に不動態皮膜を形成させる。この処理を行った重合釜に、窒素ガスを1時間バブリングした蒸留水582.28g、界面活性剤(パイオニンA−43−S(竹本油脂(株)製))9.49g、1モル/LのNaOHを19.56g、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム塩0.20g、スチレン314.99g、イソプレン190.87g、アクリル酸10.43g、tert−ドデシルメルカプタン2.09gを入れ、反応容器を密閉し撹拌速度225rpmで撹拌し、内温65℃まで昇温した。ここに過硫酸アンモニウム2.61gを水40mlに溶解した液を添加し、そのまま6時間撹拌した。この時点でのは重合転化率は固形分測定から90%であった。ここで、アクリル酸5.22gを水46.98gに溶解した液を添加し、続いて水10gを添加し、過硫酸アンモニウム1.30gを水50.7mlに溶解した液をさらに添加した。添加後、90℃に昇温して3時間撹拌し、反応終了後、内温が室温になるまで下げた後、1mol/LのNaOHとNH4OHを用いてNa+イオン:NH4 +イオン=1:5.3(モル比)になるように添加処理し、pH8.3に調整した。その後、孔径1.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納し、イソプレンラテックス(TP−2)を1248g得た。イオンクロマトグラフィーによりハロゲンイオンを測定したところ、塩化物イオン濃度3ppmであった。高速液体クロマトグラフィーによりキレート剤の濃度を測定した結果、142ppmであった。
イソプレンラテックス(TP−2)は以下により調製した。
ガスモノマー反応装置(耐圧硝子工業(株)製TAS−2J型)の重合釜に蒸留水1500g添加し、90℃で3時間加熱し、重合釜のステンレス表面やステンレス製撹拌装置の部材に不動態皮膜を形成させる。この処理を行った重合釜に、窒素ガスを1時間バブリングした蒸留水582.28g、界面活性剤(パイオニンA−43−S(竹本油脂(株)製))9.49g、1モル/LのNaOHを19.56g、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム塩0.20g、スチレン314.99g、イソプレン190.87g、アクリル酸10.43g、tert−ドデシルメルカプタン2.09gを入れ、反応容器を密閉し撹拌速度225rpmで撹拌し、内温65℃まで昇温した。ここに過硫酸アンモニウム2.61gを水40mlに溶解した液を添加し、そのまま6時間撹拌した。この時点でのは重合転化率は固形分測定から90%であった。ここで、アクリル酸5.22gを水46.98gに溶解した液を添加し、続いて水10gを添加し、過硫酸アンモニウム1.30gを水50.7mlに溶解した液をさらに添加した。添加後、90℃に昇温して3時間撹拌し、反応終了後、内温が室温になるまで下げた後、1mol/LのNaOHとNH4OHを用いてNa+イオン:NH4 +イオン=1:5.3(モル比)になるように添加処理し、pH8.3に調整した。その後、孔径1.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納し、イソプレンラテックス(TP−2)を1248g得た。イオンクロマトグラフィーによりハロゲンイオンを測定したところ、塩化物イオン濃度3ppmであった。高速液体クロマトグラフィーによりキレート剤の濃度を測定した結果、142ppmであった。
上記ラテックスは平均粒径113nm、Tg=15℃、固形分濃度41.3質量%、25℃60%RHにおける平衡含水率0.4質量%、イオン伝導度5.23mS/cm(イオン伝導度の測定は東亜電波工業(株)製伝導度計CM−30S使用し25℃にて測定)であった。
3−2.塗布液の調製
1)画像形成層塗布液の調製
上記で得た脂肪酸銀分散物1000gに、水、有機ポリハロゲン化合物−1分散物、有機ポリハロゲン化合物−2分散物、SBRラテックス(TP−1)液、イソプレンラテックス(TP−2)液、フタラジン化合物−1溶液、SBRラテックス(Tg:17℃)液、還元剤−1分散物、還元剤−2分散物、水素結合性化合物−1分散物、熱現像促進剤分散物(表1に示す。)、メルカプト化合物−1水溶液、メルカプト化合物−2水溶液を順次添加し、塗布直前にハロゲン化銀混合乳剤を添加して良く混合した画像形成層塗布液をそのままコーティングダイへ送液した。
1)画像形成層塗布液の調製
上記で得た脂肪酸銀分散物1000gに、水、有機ポリハロゲン化合物−1分散物、有機ポリハロゲン化合物−2分散物、SBRラテックス(TP−1)液、イソプレンラテックス(TP−2)液、フタラジン化合物−1溶液、SBRラテックス(Tg:17℃)液、還元剤−1分散物、還元剤−2分散物、水素結合性化合物−1分散物、熱現像促進剤分散物(表1に示す。)、メルカプト化合物−1水溶液、メルカプト化合物−2水溶液を順次添加し、塗布直前にハロゲン化銀混合乳剤を添加して良く混合した画像形成層塗布液をそのままコーティングダイへ送液した。
また、脂肪酸銀分散物の代わりに、上記で得たベンゾトリアゾール銀分散物を銀量として同一な量を用いて、その他は同様にして、表1に示す塗布液を調製した。
2)中間層塗布液の調製
ポリビニルアルコールPVA−205(クラレ(株)製)1000g、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩5%水溶液27ml、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合質量比57/8/28/5/2)ラテックス19質量%液4200mlにエアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%水溶液を27ml、フタル酸二アンモニウム塩の20質量%水溶液を135ml、総量10000gになるように水を加え、pHが7.5になるようにNaOHで調整して中間層塗布液とし、8.9ml/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、60rpm)で58[mPa・s]であった。
ポリビニルアルコールPVA−205(クラレ(株)製)1000g、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩5%水溶液27ml、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合質量比57/8/28/5/2)ラテックス19質量%液4200mlにエアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%水溶液を27ml、フタル酸二アンモニウム塩の20質量%水溶液を135ml、総量10000gになるように水を加え、pHが7.5になるようにNaOHで調整して中間層塗布液とし、8.9ml/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、60rpm)で58[mPa・s]であった。
3)表面保護層第1層塗布液の調製
イナートゼラチン100g、ベンゾイソチアゾリノン10mgを水840mlに溶解し、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合質量比57/8/28/5/2)ラテックス19質量%液180g、フタル酸の15質量%メタノール溶液を46ml、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩の5質量%水溶液を5.4mlを加えて混合し、塗布直前に4質量%のクロムみょうばん40mlをスタチックミキサーで混合したものを塗布液量が26.1ml/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、60rpm)で20[mPa・s]であった。
イナートゼラチン100g、ベンゾイソチアゾリノン10mgを水840mlに溶解し、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合質量比57/8/28/5/2)ラテックス19質量%液180g、フタル酸の15質量%メタノール溶液を46ml、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩の5質量%水溶液を5.4mlを加えて混合し、塗布直前に4質量%のクロムみょうばん40mlをスタチックミキサーで混合したものを塗布液量が26.1ml/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、60rpm)で20[mPa・s]であった。
4)表面保護層第2層塗布液の調製
イナートゼラチン100g、ベンゾイソチアゾリノン10mgを水800mlに溶解し、流動パラフィン乳化物を流動パラフィンとして8.0g、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合質量比57/8/28/5/2)ラテックス19質量%液180g、フタル酸15質量%メタノール溶液40ml、フッ素系界面活性剤(F−1)の1質量%溶液を5.5ml、フッ素系界面活性剤(F−2)の1質量%水溶液を5.5ml、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩の5質量%水溶液を28ml、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径0.7μm)4g、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径4.5μm)21gを混合したものを表面保護層塗布液とし、8.3ml/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター,60rpm)で19[mPa・s]であった。
イナートゼラチン100g、ベンゾイソチアゾリノン10mgを水800mlに溶解し、流動パラフィン乳化物を流動パラフィンとして8.0g、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合質量比57/8/28/5/2)ラテックス19質量%液180g、フタル酸15質量%メタノール溶液40ml、フッ素系界面活性剤(F−1)の1質量%溶液を5.5ml、フッ素系界面活性剤(F−2)の1質量%水溶液を5.5ml、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩の5質量%水溶液を28ml、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径0.7μm)4g、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径4.5μm)21gを混合したものを表面保護層塗布液とし、8.3ml/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター,60rpm)で19[mPa・s]であった。
4.熱現像感光材料の作製
1)熱現像感光材料1−1〜1−15作製
バック面と反対の面に下塗り面から画像形成層、中間層、表面保護層第1層、表面保護層第2層の順番でスライドビード塗布方式にて同時重層塗布し、熱現像感光材料の試料を作製した。このとき、画像形成層と中間層の塗布液は31℃に、表面保護層第1層の塗布液は36℃に、表面保護層第2層の塗布液は37℃に温度調整した。
1)熱現像感光材料1−1〜1−15作製
バック面と反対の面に下塗り面から画像形成層、中間層、表面保護層第1層、表面保護層第2層の順番でスライドビード塗布方式にて同時重層塗布し、熱現像感光材料の試料を作製した。このとき、画像形成層と中間層の塗布液は31℃に、表面保護層第1層の塗布液は36℃に、表面保護層第2層の塗布液は37℃に温度調整した。
画像形成層の各化合物の塗布量(g/m2)は以下の通りである。
脂肪酸銀 5.42
ポリハロゲン化合物−1 0.12
ポリハロゲン化合物−2 0.25
本発明の一般式(I)の化合物または比較の化合物 (表1に記載)
フタラジン化合物−1 0.18
SBRラテックス(TP−1) 2.83
イソプレンラテックス(TP−2) 6.60
還元剤−1 0.40
還元剤−2 0.40
水素結合性化合物−1 0.58
現像促進剤 (表1に記載)
メルカプト化合物−1 0.002
メルカプト化合物−2 0.012
ハロゲン化銀(Agとして) 0.10
ポリハロゲン化合物−1 0.12
ポリハロゲン化合物−2 0.25
本発明の一般式(I)の化合物または比較の化合物 (表1に記載)
フタラジン化合物−1 0.18
SBRラテックス(TP−1) 2.83
イソプレンラテックス(TP−2) 6.60
還元剤−1 0.40
還元剤−2 0.40
水素結合性化合物−1 0.58
現像促進剤 (表1に記載)
メルカプト化合物−1 0.002
メルカプト化合物−2 0.012
ハロゲン化銀(Agとして) 0.10
塗布乾燥条件は以下のとおりである。
塗布はスピード160m/minで行い、コーティングダイ先端と支持体との間隙を0.10mm〜0.30mmとし、減圧室の圧力を大気圧に対して196Pa〜882Pa低く設定した。支持体は塗布前にイオン風にて除電した。
引き続くチリングゾーンにて、乾球温度10℃〜20℃の風にて塗布液を冷却した後、無接触型搬送して、つるまき式無接触型乾燥装置にて、乾球温度23℃〜45℃、湿球温度15℃〜21℃の乾燥風で乾燥させた。
乾燥後、25℃で湿度40%RH〜60%RHで調湿した後、膜面を70℃〜90℃になるように加熱した。加熱後、膜面を25℃まで冷却した。
作製された熱現像感光材料のマット度はベック平滑度で画像形成層面側が550秒、バック面が130秒であった。また、画像形成層面側の膜面のpHを測定したところ6.0であった。
塗布はスピード160m/minで行い、コーティングダイ先端と支持体との間隙を0.10mm〜0.30mmとし、減圧室の圧力を大気圧に対して196Pa〜882Pa低く設定した。支持体は塗布前にイオン風にて除電した。
引き続くチリングゾーンにて、乾球温度10℃〜20℃の風にて塗布液を冷却した後、無接触型搬送して、つるまき式無接触型乾燥装置にて、乾球温度23℃〜45℃、湿球温度15℃〜21℃の乾燥風で乾燥させた。
乾燥後、25℃で湿度40%RH〜60%RHで調湿した後、膜面を70℃〜90℃になるように加熱した。加熱後、膜面を25℃まで冷却した。
作製された熱現像感光材料のマット度はベック平滑度で画像形成層面側が550秒、バック面が130秒であった。また、画像形成層面側の膜面のpHを測定したところ6.0であった。
以下に本発明の実施例で用いた化合物の化学構造を示す。
5.写真性能の評価
1)準備
得られた試料は半切サイズに切断し、25℃50%RHの環境下で以下の包装材料に包装し、2週間常温下で保管した後、以下の評価を行った。
<包装材料>
PET10μm/PE12μm/アルミ箔9μm/Ny15μm/カーボン2質量%を含むポリエチレン50μmを積層したラミネートフィルム:
酸素透過率:0.02ml/atm・m2・25℃・day;
水分透過率:0.10g/atm・m2・25℃・day。
1)準備
得られた試料は半切サイズに切断し、25℃50%RHの環境下で以下の包装材料に包装し、2週間常温下で保管した後、以下の評価を行った。
<包装材料>
PET10μm/PE12μm/アルミ箔9μm/Ny15μm/カーボン2質量%を含むポリエチレン50μmを積層したラミネートフィルム:
酸素透過率:0.02ml/atm・m2・25℃・day;
水分透過率:0.10g/atm・m2・25℃・day。
2)熱現像感光材料の露光・現像
各試料は富士メディカル(株)ドライレーザーイメージャーDRYPIX7000(最大50mW(IIIB)出力の660nm半導体レーザー搭載)にて露光、および熱現像(107℃−121℃−121℃に設定した3枚のパネルヒータで合計14秒)され、得られた画像の評価を濃度計により行った。
各試料は富士メディカル(株)ドライレーザーイメージャーDRYPIX7000(最大50mW(IIIB)出力の660nm半導体レーザー搭載)にて露光、および熱現像(107℃−121℃−121℃に設定した3枚のパネルヒータで合計14秒)され、得られた画像の評価を濃度計により行った。
3)性能の評価
《写真性能》
レーザーの露光量を段階的に変化させて露光を行い、現像処理後に得られた画像をMacbeth濃度計により濃度測定を行い、露光量に対する濃度の特性曲線を作製した。
かぶり(Dmin):現像処理後サンプルにおいて、レーザーが露光されていない部分の濃度をかぶりとした。
感度(S):Dmin+1.0の濃度を得る露光量の逆数を感度とし、基準感材に対しての相対値で表記した。
《写真性能》
レーザーの露光量を段階的に変化させて露光を行い、現像処理後に得られた画像をMacbeth濃度計により濃度測定を行い、露光量に対する濃度の特性曲線を作製した。
かぶり(Dmin):現像処理後サンプルにおいて、レーザーが露光されていない部分の濃度をかぶりとした。
感度(S):Dmin+1.0の濃度を得る露光量の逆数を感度とし、基準感材に対しての相対値で表記した。
《生保存性》
得られた試料を1部はフリーザー中で冷凍した。また1部は室温にて1ヶ月経時した。冷凍保存試料と室温保存試料とを、前述と同様にして写真性能の実験を行い、かぶりの変化(△Dmin)と感度の変化(△S)を調べた。
△Dmin = Dmin(室温) − Dmin(フリーザー)
△S = S(室温) − S(フリーザー)
得られた試料を1部はフリーザー中で冷凍した。また1部は室温にて1ヶ月経時した。冷凍保存試料と室温保存試料とを、前述と同様にして写真性能の実験を行い、かぶりの変化(△Dmin)と感度の変化(△S)を調べた。
△Dmin = Dmin(室温) − Dmin(フリーザー)
△S = S(室温) − S(フリーザー)
《結果》
得られた結果を表1に示した。
本発明の化合物は比較化合物に比較して、感度ロスがわずかで効果的にかぶりを抑制した。さらに、保存しても感度変動がわずかで、かぶりの増加を抑制する効果があることが見出された。この効果は熱現像促進剤の添加量を多くして高感化した系で特に顕著であった。また、比較のベンゾトリアゾール銀を非感光性有機銀塩として本願の系に用いた場合、十分な濃度を得ることができず、画像を評価できなかった。
得られた結果を表1に示した。
本発明の化合物は比較化合物に比較して、感度ロスがわずかで効果的にかぶりを抑制した。さらに、保存しても感度変動がわずかで、かぶりの増加を抑制する効果があることが見出された。この効果は熱現像促進剤の添加量を多くして高感化した系で特に顕著であった。また、比較のベンゾトリアゾール銀を非感光性有機銀塩として本願の系に用いた場合、十分な濃度を得ることができず、画像を評価できなかった。
実施例2
1)感光性ハロゲン化銀乳剤の調製
《ハロゲン化銀乳剤4の調製》
実施例1の乳剤1の調製において、テルル増感剤Cを加えて熟成する変わりに、56℃に昇温した後、トリエチルチオ尿素をメタノール溶液で銀1モル当り0.1ミリモル加えて80分間熟成したこと、および以後全て56℃で行った以外は乳剤1と同様にして乳剤4を調製した。粒子の形状は乳剤1と同じであった。
《ハロゲン化銀乳剤5の調製》
実施例1の乳剤2の調製において、テルル増感剤Cを加えて熟成する変わりに、56℃に昇温した後、トリエチルチオ尿素をメタノール溶液で銀1モル当り0.2ミリモル加えて80分間熟成したこと、および以後全て56℃で行った以外は乳剤2と同様にして乳剤5を調製した。粒子の形状は乳剤2と同じであった。
《ハロゲン化銀乳剤6の調製》
実施例1の乳剤3の調製において、テルル増感剤Cを加えて熟成する変わりに、56℃に昇温した後、トリエチルチオ尿素をメタノール溶液で銀1モル当り0.085ミリモル加えて80分間熟成したこと、および以後全て56℃で行った以外は乳剤3と同様にして乳剤6を調製した。粒子の形状は乳剤3と同じであった。
《ハロゲン化銀乳剤7の調製》
上記乳剤4の調製において、トリエチルチオ尿素を加えた5分後、塩化金酸およびチオシアン酸カリウムを水溶液としてそれぞれ銀1モル当り15.2マイクロモルおよび1.9ミリモル加えた以外は乳剤4と同様にして乳剤7を調製した。粒子の形状は乳剤4と同じであった。
《ハロゲン化銀乳剤8の調製》
上記乳剤5の調製において、トリエチルチオ尿素を加えた5分後、塩化金酸およびチオシアン酸カリウムを水溶液としてそれぞれ銀1モル当り8.0マイクロモルおよび1.0ミリモル加えた以外は乳剤5と同様にして乳剤8を調製した。粒子の形状は乳剤5と同じであった。
《ハロゲン化銀乳剤9の調製》
上記乳剤6の調製において、トリエチルチオ尿素を加えた5分後、塩化金酸およびチオシアン酸カリウムを水溶液としてそれぞれ銀1モル当り18.8マイクロモルおよび2.4ミリモル加えた以外は乳剤6と同様にして乳剤9を調製した。粒子の形状は乳剤6と同じであった。
1)感光性ハロゲン化銀乳剤の調製
《ハロゲン化銀乳剤4の調製》
実施例1の乳剤1の調製において、テルル増感剤Cを加えて熟成する変わりに、56℃に昇温した後、トリエチルチオ尿素をメタノール溶液で銀1モル当り0.1ミリモル加えて80分間熟成したこと、および以後全て56℃で行った以外は乳剤1と同様にして乳剤4を調製した。粒子の形状は乳剤1と同じであった。
《ハロゲン化銀乳剤5の調製》
実施例1の乳剤2の調製において、テルル増感剤Cを加えて熟成する変わりに、56℃に昇温した後、トリエチルチオ尿素をメタノール溶液で銀1モル当り0.2ミリモル加えて80分間熟成したこと、および以後全て56℃で行った以外は乳剤2と同様にして乳剤5を調製した。粒子の形状は乳剤2と同じであった。
《ハロゲン化銀乳剤6の調製》
実施例1の乳剤3の調製において、テルル増感剤Cを加えて熟成する変わりに、56℃に昇温した後、トリエチルチオ尿素をメタノール溶液で銀1モル当り0.085ミリモル加えて80分間熟成したこと、および以後全て56℃で行った以外は乳剤3と同様にして乳剤6を調製した。粒子の形状は乳剤3と同じであった。
《ハロゲン化銀乳剤7の調製》
上記乳剤4の調製において、トリエチルチオ尿素を加えた5分後、塩化金酸およびチオシアン酸カリウムを水溶液としてそれぞれ銀1モル当り15.2マイクロモルおよび1.9ミリモル加えた以外は乳剤4と同様にして乳剤7を調製した。粒子の形状は乳剤4と同じであった。
《ハロゲン化銀乳剤8の調製》
上記乳剤5の調製において、トリエチルチオ尿素を加えた5分後、塩化金酸およびチオシアン酸カリウムを水溶液としてそれぞれ銀1モル当り8.0マイクロモルおよび1.0ミリモル加えた以外は乳剤5と同様にして乳剤8を調製した。粒子の形状は乳剤5と同じであった。
《ハロゲン化銀乳剤9の調製》
上記乳剤6の調製において、トリエチルチオ尿素を加えた5分後、塩化金酸およびチオシアン酸カリウムを水溶液としてそれぞれ銀1モル当り18.8マイクロモルおよび2.4ミリモル加えた以外は乳剤6と同様にして乳剤9を調製した。粒子の形状は乳剤6と同じであった。
《塗布液用混合乳剤Bの調製》
実施例1の塗布液用混合乳剤Aの調製において、乳剤1を乳剤4に、乳剤2を乳剤5に、乳剤3を乳剤6に変更して塗布液用混合乳剤Bを調製した。
《塗布液用混合乳剤Cの調製》
実施例1の塗布液用混合乳剤Aの調製において、乳剤1を乳剤7に、乳剤2を乳剤8に、乳剤3を乳剤9に変更して塗布液用混合乳剤Cを調製した。
実施例1の塗布液用混合乳剤Aの調製において、乳剤1を乳剤4に、乳剤2を乳剤5に、乳剤3を乳剤6に変更して塗布液用混合乳剤Bを調製した。
《塗布液用混合乳剤Cの調製》
実施例1の塗布液用混合乳剤Aの調製において、乳剤1を乳剤7に、乳剤2を乳剤8に、乳剤3を乳剤9に変更して塗布液用混合乳剤Cを調製した。
2)熱現像感光材料の作製
実施例1の試料1−9の調製において、ハロゲン化銀乳剤Aおよび本発明の一般式(I)の化合物を変更して、試料2−1〜2−10を作製した。詳細を表2に示した。
実施例1の試料1−9の調製において、ハロゲン化銀乳剤Aおよび本発明の一般式(I)の化合物を変更して、試料2−1〜2−10を作製した。詳細を表2に示した。
3)性能評価
実施例1と同様に評価した結果を表2に示した。感度は実施例1の試料1−1の感度を100とした相対値で示した。本発明の試料は、化学増感を硫黄増感とした場合にも、減感がわずかで初期のかぶりおよび保存後のかぶり増加を抑制した。また保存時の感度変動も抑制した。
また、試料2−6に見られるように、金硫黄増感を施した乳剤は、感度が増加したが、初期のかぶりが大きく、かつ保存時にかぶりおよび感度の増加が大きいという問題点を有していたが、試料2−7〜2−10のデータから明らかなように本発明の化合物を用いることによりこの欠点を有効に改良した。すなわち、高感度でかぶりの抑制され、かつ保存中にもかぶりの増加が少なく、感度変動も少ない優れた性能の感材が得られることがわかった。
実施例1と同様に評価した結果を表2に示した。感度は実施例1の試料1−1の感度を100とした相対値で示した。本発明の試料は、化学増感を硫黄増感とした場合にも、減感がわずかで初期のかぶりおよび保存後のかぶり増加を抑制した。また保存時の感度変動も抑制した。
また、試料2−6に見られるように、金硫黄増感を施した乳剤は、感度が増加したが、初期のかぶりが大きく、かつ保存時にかぶりおよび感度の増加が大きいという問題点を有していたが、試料2−7〜2−10のデータから明らかなように本発明の化合物を用いることによりこの欠点を有効に改良した。すなわち、高感度でかぶりの抑制され、かつ保存中にもかぶりの増加が少なく、感度変動も少ない優れた性能の感材が得られることがわかった。
Claims (11)
- 前記感光性ハロゲン化銀の平均粒子サイズが0.01μm以上0.20μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱現像感光材料。
- 前記バインダーがポリマーラテックスより形成されてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱現像感光材料。
- 前記感光性ハロゲン化銀が金増感されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
- 前記一般式(M)のR01およびR02が共に水素原子、または一方が水素原子であり、他方がメチル基であることを特徴とする請求項7に記載の熱現像感光材料。
- 下記一般式(A−1)または(A−2)で表される熱現像促進剤の少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の熱現像感光材料:
- 前記請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の熱現像感光材料の製造方法であって、前記一般式(I)、(II)、および(III)で表される少なくとも1種の化合物を前記感光性ハロゲン化銀、前記非感光性脂肪酸銀塩、前記画像形成層の塗布液、もしくはその隣接する層塗布液に添加することを特徴とする熱現像感光材料の製造方法。
- 前記一般式(I)、(II)、および(III)で表される少なくとも1種の化合物を前記感光性ハロゲン化銀に添加することを特徴とする請求項10に記載の熱現像感光材料の製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005026328A JP2006215169A (ja) | 2005-02-02 | 2005-02-02 | 熱現像感光材料およびその製造方法 |
US11/340,478 US7429447B2 (en) | 2005-02-02 | 2006-01-27 | Photothermographic material and image forming method |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005026328A JP2006215169A (ja) | 2005-02-02 | 2005-02-02 | 熱現像感光材料およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006215169A true JP2006215169A (ja) | 2006-08-17 |
Family
ID=36978473
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005026328A Abandoned JP2006215169A (ja) | 2005-02-02 | 2005-02-02 | 熱現像感光材料およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006215169A (ja) |
-
2005
- 2005-02-02 JP JP2005026328A patent/JP2006215169A/ja not_active Abandoned
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4084645B2 (ja) | 熱現像感光材料 | |
JP2007041415A (ja) | 黒白熱現像感光材料 | |
JP2006011228A (ja) | 熱現像感光材料 | |
JP2006276297A (ja) | 熱現像感光材料 | |
JP4420774B2 (ja) | 熱現像感光材料 | |
JP2006208815A (ja) | 熱現像感光材料及びその製造方法 | |
JP2006215169A (ja) | 熱現像感光材料およびその製造方法 | |
JP2005301148A (ja) | 熱現像感光材料 | |
JP2006343597A (ja) | 熱現像感光材料および画像形成方法 | |
JP2007163688A (ja) | 熱現像感光材料 | |
JP2006106721A (ja) | 熱現像感光材料を用いた画像形成方法 | |
JP2005258205A (ja) | 熱現像感光材料 | |
JP2005128391A (ja) | 熱現像感光材料 | |
JP2005227726A (ja) | 熱現像感光材料の製造方法、それによって製造された熱現像感光材料、および画像形成方法 | |
JP2005091602A (ja) | 熱現像感光材料 | |
JP2005141013A (ja) | 熱現像感光材料 | |
JP2008003564A (ja) | 熱現像感光材料 | |
JP2005345650A (ja) | 熱現像感光材料 | |
JP2006053534A (ja) | 熱現像感光材料 | |
JP2006235396A (ja) | 熱現像感光材料 | |
JP2006259606A (ja) | 熱現像感光材料を用いた画像形成方法 | |
JP2006091513A (ja) | 熱現像感光材料 | |
JP2006084703A (ja) | 熱現像感光材料 | |
JP2006235397A (ja) | 熱現像感光材料および画像形成方法 | |
JP2006078695A (ja) | 熱現像感光材料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20070222 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070619 |
|
A762 | Written abandonment of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762 Effective date: 20090109 |