JP2006212537A - 有機物の処理方法 - Google Patents

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愼治 廣江
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Abstract

【課題】 有機物と微生物との混合液を処理するに際し、余剰スラッジ及び放流すべき処理水等の発生のない有機物生分解処理を安定して行うことができる有機物の処理方法を提供する。
【解決手段】 有機物と微生物とを有し、微生物濃度が全有機炭素濃度で10000ppm以上の曝気処理槽2の混合液中に、空気、酸素、又はこれらの混合物を酸素供給装置6から導入して有機物を生分解することにより、前記混合液中からの分解処理物及び水の排出を生分解反応熱で蒸散させて、余剰スラッジ及び処理水を外部に放出しない有機物の処理方法において、混合液温度を38℃以上に保つ難分解性物質処理工程と、混合液温度を38℃未満に保つ生分解処理工程とを交互に行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機物の処理方法に関し、更に詳述すれば、生ごみ、焼酎廃液、食品工場残渣(アイスクリーム、油脂等)等の有機性廃棄物の処理方法に関する。
近年、産業が急速に発展し、都市へ人口が集中すると共に、生活様式や農業形態が変化してきた。それに伴って、廃棄物は多量に、且つ、集中的に発生するようになった。産業や生活から発生する廃水や廃棄物の発生量が自然の浄化力を超えたとき、人間の健康及び環境保全上の種々の問題が生じ、そのために廃水処理や廃棄物処理を行うようになった。このうち、廃棄物処理については、大都市を中心に最終処分量を減少するため、主として焼却により処理している。
一方、有機物を含む廃水処理は、微生物による分解処理、即ち生分解処理(例えば活性汚泥法)が一般的に行われている。この処理は焼却の際に放出する燃焼ガスによる大気汚染等の二次汚染の虞がないこと等の特長がある。しかし、処理すべき対象の廃棄物が液状物である必要があるので、固形物(例えば生ごみ)を処理する場合は、一般的にミキサーやディスポーザー等の破砕機で破砕して液状物にした後、微生物により生分解している。液状の廃水を処理する場合、従来の生分解処理では、微生物の増殖が避けられない。このため微生物の増殖で増加した活性汚泥について、処理の最終段階で微生物等の固形物(余剰汚泥)を沈降させ、残った分解処理物である上澄み液、即ち処理水を取り出し(固液分離)、公共下水道や河川に放流している。この場合、放流する処理水の品質が、放流基準を満たさなければならない事は当然の事である。更に、分離した固形物の再処理が施設運営上大きな負担になっている。
この様な課題を抱えながら、従来の活性汚泥法は、低濃度・大量排水の場合に適用されてきた。しかし、含水量の低い高濃度廃棄物(工場残渣等)を従来の活性汚泥法で処理するには、大容量の浄化槽が必要であり実現が極めて困難である。
高濃度廃棄物を小容量浄化槽で処理しようとすれば、当然汚泥濃度を上げざるを得ない。汚泥濃度を全有機炭素濃度(TOC)で4000ppm以上に上昇させると自然沈降による固液分離が出来なくなり、膜分離や遠心分離を行わざるを得なくなる。設備を小さくしょうとし、更に汚泥濃度をTOCで10000ppm以上に高くすると、膜分離機や遠心分離機によっても固液分離が出来なくなる。
本発明者等の属する研究グループは、上記問題を解決するために種々検討し、純酸素導入による曝気法の改良を行い、TOC10000ppm以上の高い汚泥濃度を安定して確保することに成功した。その結果として、汚泥、排水を外部に排出することなく処理することができる有機物処理機の開発に成功し、先に出願した(特許文献1)。
特許第3575668号公報(特許請求の範囲)
上記高濃度微生物で有機物を処理し、2次廃棄物を系外に出さず、有機物と微生物との混合液の水分を蒸散させる(排水機構を持たない)有機物処理において、
(1) 有機物由来の難分解性物質(例えば、ペプチン、セルローズ、油脂等)の蓄積
(2) 未処理物の蓄積(処理対象が固形物の場合、破砕の程度により蓄積量が異なる)
(3) 微生物が処理過程で生成する難分解性物質(例えば多糖類)の蓄積
が起こり、それに伴い処理槽における有機物と微生物との混合液粘度が上昇する場合がある。その場合、混合液の流動性が悪化し、供給酸素が均一に分布せず、処理状態が悪化していく。特に、微細気泡により酸素を供給する場合、粘度の上昇と共に微細気泡ができ難くなる。従って、上昇した粘度を下げることは、上記高濃度微生物処理技術において極めて重要な課題である。
上記高濃度微生物液中で空気、純酸素及びこれらの混合物を使用して有機物を分解し、汚泥を排出せず(無汚泥)、有機物中の水分を蒸散させる(無排水)方法は、株式会社東洋環境技術研究所が出願した特許以外には無い。よって、この有機物の処理技術において新たに発生する課題は新規課題である。
一般論として酵素等を使用して難分解性物質を易分解性物質に変換し、粘度を下げることは可能である。しかし、この場合は酵素活性の適正条件範囲にpHや液温を調整する等複雑な作業が不可欠である。
なかんずく、酵素活性の適正条件が微生物処理の適正条件とかけ離れている場合、再び液の状態を微生物処理に適正な条件に戻す際には特に複雑なプロセスが必要である。更に、酵素の価格、酵素活性の適正条件にするための薬剤の価格、及び微生物処理の適正条件に合わせるために使用する薬剤の価格が高く、ランニングコストが嵩むので、酵素等を使用する方法は実用的ではない。
本発明者等は、この新たな課題を解決するために種々検討しているうち、処理槽における有機物と微生物との混合液粘度が高くなるのを防止する或は減少させるための方策として、液温を上昇させる工程を付加する方法を見出した。
なお、有機物を微生物で処理する場合、有機物中の炭素と共に窒素なかんずく処理槽混合液中のアンモニアを処理する必要がある。有機物中の窒素含有度合いを、TOC[(C)ppm]と全窒素(T−N)濃度[(N)ppm]との比率(C/N比)で表す時、C/N>14であれば、上記高濃度微生物処理方法により有機物中の炭素及び窒素、並びに処理槽混合液中のアンモニアを、汚泥、排水を外部に排出することなく処理することができることを見出した。
しかし、有機物中のC/N比が14以下の場合、処理槽の液温を38℃以上にしたところ、処理槽における有機物と微生物との混合液粘度は1500cP未満と低くなったが、アンモニア態窒素濃度が高くなり処理状態が悪化した(アンモニア臭の発生)。
本発明者等は、この新たな課題を解決するために種々検討しているうち、処理槽の混合液粘度が1500cP未満且つ混合液のアンモニア態窒素濃度が500ppm以上の場合は、処理槽の液温を38℃未満とすることにより、アンモニア態窒素濃度を低くすることができることを知得し、本発明を完成するに至った。
よって、本発明の目的とするところは、上記新たな課題を解決した有機物の処理方法を提供することにある。
上記目的を達成する本発明は、以下に記載するものである。
〔1〕 有機物と微生物とを有し、微生物濃度が全有機炭素濃度で10000ppm以上の混合液中に、空気、酸素、又はこれらの混合物を導入して有機物を生分解処理することにより、前記混合液中からの分解処理物及び水の排出を生分解反応熱で蒸散させて、余剰スラッジ及び処理水を外部に放出しない有機物の処理方法であって、混合液温度を38℃以上に保つ難分解性物質処理工程と、混合液温度を38℃未満に保つ生分解処理工程(特に窒素処理工程)とを交互に行う有機物の処理方法。
本発明の方法によれば、難分解性物質処理工程と生分解処理工程の液温制御工程を設けることで、処理槽の混合液粘度を制御しつつ、アンモニア態窒素濃度を低くすることができ、有機物と微生物との高TOC混合液を処理する場合には、余剰スラッジ、放流すべき処理水及び悪臭源であるアンモニア等の発生のない有機物生分解処理を安定して行うことができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の有機物の処理方法は、難分解性物質処理工程と、基本生分解処理工程とを交互に行う。
(基本生分解処理工程)
本発明の有機物の処理方法は、有機物と微生物とを有する混合液のTOCを10000ppm以上に、好ましくは15000ppm以上に保ちながら、有機物の生分解処理をするものである。有機物と微生物とを有する混合液のTOCが10000ppm未満の場合は、蒸散が不完全で、放流を必要とする処理水が残留し蓄積されるので、好ましくない。
本発明の方法によるときには、有機物の処理中において、微生物濃度は多少の変動はあるものの、TOCで10000ppm以上に、好ましくは15000ppm以上に保たれているので、有機物と微生物とを有する混合液に含まれる微生物は、補充とか抜き出しとかをすることなく、繰り返し使用することができる。
本発明において処理対象である有機物としては、有機物中のC/N比が14を超える低窒素含有物は勿論のこと、有機物中のC/N比が14以下の高窒素含有物にも適用することができる。処理対象が有機物であれば特に限られないが、近年、特に人間の健康及び環境保全が重要視されており、この面からも、生野菜、穀物、豆類及び芋類等の生ごみ、焼酎廃液、食肉残渣、魚肉残渣、並びに、家畜糞尿等の有機性廃棄物を処理することは、より好ましいことである。
上記有機物は、ミキサー、ディスポーザーやミル等の破砕器によって破砕すると共に微生物と混合し、得られた破砕混合液を処理槽に仕込むことで、有機物の分解速度をより高くすることができる。
仕込んだ破砕混合有機物を分解処理している間に、有機物と微生物とを有する混合液から蒸散する物質の量が、破砕混合有機物の仕込量以上の量になる場合がある。この場合は、有機物と微生物とを有する混合液に余分な処理水等が蓄積されることがなく、処理水等を有機物と微生物とを有する混合液から抜き出す必要がないので好ましい。
曝気については、空気、酸素、又はこれらの混合物の気泡の粒子径が小さい程、液中のDOが増加し、更には気泡の浮上速度が緩やかとなり、液中のDOの増加が一層加速され、有機物の分解速度及び蒸散率が高くなる傾向にある。
一方、前述のように、本発明においては、有機物と微生物とを有する混合液中の微生物濃度をTOCで10000ppm以上、好ましくは15000ppm以上に保ちながら、有機物を生分解して有機物の処理をするために、更に有機物の分解速度及び蒸散率を高くするには、気泡の粒子径を50μm以下にすることが好ましい。
また、有機物混合液を、空気、酸素、又はこれらの混合物と共に同時に破砕して有機物及び気泡の粒子径をそれぞれ10〜50μmにすることも、有機物の分解速度及び蒸散率がより高くなるので好ましい方法である。この同時破砕による方法では、条件によっては気泡の粒子径はサブミクロンまで小さくすることができる。しかし、気泡の粒子径を10μm未満に破砕する場合は、微生物まで破砕し破壊してしまう虞があり好ましくない。但し、予め固形有機物を粒子径10μm未満に破砕して微細固形有機物を得、この微細固形有機物と微生物とを混合する場合は、有機物の分解速度及び蒸散率が一層高くなり、好ましいものである。
なお、本発明の方法によれば液中のDOを高くするためには、空気を導入することによって充分達成できるが、空気の代わりに純酸素を導入する場合には、より容易に液中の酸素量が増加し有機物の分解速度及び蒸散率がより高くなるので、より好ましい。
(難分解性物質処理工程)
処理槽での上記基本生分解処理工程において、生分解処理を続けていると、やがて、
(1) 有機物由来の難分解性物質(例えば、ペプチン、セルローズ、油脂等、特に果物屑に多く含まれるペプチン)の蓄積
(2) 未処理物の蓄積(処理対象が固形物の場合、破砕の程度により蓄積量が異なる)
(3) 微生物が処理過程で生成する難分解性物質(例えば多糖類)の蓄積
が起こり、それに伴い処理槽における有機物と微生物との混合液粘度が1500cP以上に上昇する場合がある。この場合、本発明においては難分解性物質処理工程に移行する。
即ち、混合液の液温が上昇するにつれて難分解性物質が生分解され、混合液の粘度が下がる。液温による粘度の変化の度合いは、処理対象有機物の種類で異なるが、通常、粘度が1500cP以上の処理槽混合液の液温を38℃以上、好ましくは45℃以上の温度にすることにより、混合液の粘度は1500cP未満、好ましくは1000cP未満になる。
なお、処理対象である有機物中のC/N比が14を超える場合、大量のアンモニア態窒素が排出されることはないので、アンモニア態窒素濃度は500ppm未満、好ましくは100ppm未満になる。
よって、この処理槽の液温で、有機物のC/N比が14を超える条件においては、有機物中の炭素及び窒素の処理が無汚泥、無排水で可能である。
微生物処理では、一般的に蛋白質等に含まれる窒素は、その処理過程でアンモニアに変換される。処理槽内に硝化細菌が維持されている場合、好気条件下でアンモニアは亜硝酸・硝酸等の窒素成分(亜硝酸・硝酸態窒素)にすることができる。これらの亜硝酸・硝酸等の窒素成分は、処理槽内に空間的、時間的通性嫌気状態をつくることで脱窒することができる。
しかし、粘度が1500cP以上の処理槽混合液の粘度を下げるため、液温を38℃以上にした場合、硝化細菌の増殖率が急速に減少するため、硝化細菌の増殖より死滅が優先し、硝化細菌濃度が減少し、アンモニアの硝化が滞る。
そのため、有機物中のC/N比が14以下、特に3〜9の場合は、粘度が1500cP以上の処理槽混合液の液温を上記温度にしたとき、処理槽混合液の粘度は1500cP未満になるが、アンモニア態窒素濃度は500ppm以上になることがある。
そこで、上記混合液の粘度が1500cP未満且つアンモニア態窒素濃度が500ppm以上の場合は、処理槽の液温を38℃未満、好ましくは15〜36℃、更に好ましくは20〜35℃にする。この条件にすることにより、混合液のアンモニア態窒素濃度は500ppm未満、好ましくは100ppm未満になる。
即ち、処理対象である有機物に含まれる窒素成分が多い場合は、処理槽混合液の温度を上昇させると、混合液のアンモニア態窒素濃度濃度が上昇する。但し、処理槽混合液の温度を上昇させたことにより、混合液の粘度が減少し、混合液の流動性が良くなり、酸素が混合液に充分に供給されるようになる。
その結果、混合液のDO、酸化還元電位(ORP)が適正な値になる。DOの適正な値としては、1ppm以上であり、更に好ましくは2ppm以上であり、特に好ましくは6ppm以上である。ORPの適正な値としては、0mV以上であり、更に好ましくは+50mV以上であり、特に好ましくは+100mV以上である。DO、ORPが適正な値になれば、混合液の液温を下げることでアンモニアの硝化処理が再開され、アンモニア態窒素濃度が減少してゆく。
よって、この処理槽の液温で、有機物のC/N比が14以下の条件においても、有機物中の炭素及び窒素の処理が無汚泥、無排水で可能である。
なお、混合液の液温を下げている期間、有機物は連続的又は断続的に投入しているので粘度が上昇してゆくことがあるが、本発明の方法に従って混合液の昇温、降温をすることにより有機物を処理すれば、適正な処理状態を続けることができる。
以下、図面を参照して本発明を説明する。
図1は、本発明の有機物の処理装置の一例を示す概略図である。この処理装置において、2は曝気処理槽で、有機物を好気条件下で処理する高濃度微生物を維持するための槽である。
この曝気処理槽2に、処理対象である有機物を有機物槽4から投入し、酸素供給下で好気処理を行う。有機物中の炭素成分を微生物と炭酸ガスに、窒素成分をアンモニアに変換する。アンモニアは硝化菌で亜硝酸・硝酸に変換され、槽内で時間的・空間的に通性嫌気状態になったときに窒素ガスに変換する。
6は酸素供給装置で、曝気処理槽を好気状態にするために外部から、空気、酸素、又はこれらの混合物を投入する装置である。
8は加熱・冷却用手段で、ヒーター・クーラー等の加熱・冷却機本体10の運転に応じ、曝気処理槽2における有機物と微生物との混合液の温度調整を行う。この加熱・冷却用手段及び方法は、混合液の加熱・冷却ができればよく、その方法は問わない。
12は表示器で、曝気処理槽2の処理状態、例えば液温、ORP、DO及びpHを測定するセンサー14が備えられている。
16はコンピュータで、指定された時間に曝気、シャワーリング及び加熱・冷却を行う等の制御を行う。センサー14の情報を取り込み、加熱・冷却を指示・制御する。
18は攪拌装置で、曝気処理槽2における有機物と微生物との混合液の均一化、供給された酸素分布の均一化、液温の均一化のために備えられている。攪拌装置18の種類は問わない。
20はシャワーポンプで、排水を外部に出さないため発酵熱を利用して混合液をシャワーノズル22からシャワーし、外気と接触させて有機物中の水分を蒸発させ、無排水の混合液処理を実現する。この時の、蒸発熱で混合液を冷却する。
有機物を生分解処理する場合、発酵熱が発生する。この発酵熱を利用して液温を上昇させることができる。また、液温の下降にはシャワーノズル22からシャワーして水分を蒸発させるときの蒸発熱を使用できる。この昇温及び降温を利用することにより、低価格で簡単に液温を制御できる。なお、有機物の本来内蔵している発熱量によっては、加熱・冷却機による冷却・加温が必要になる。
以下、本発明を実施例により、具体的且つ詳細に説明するが、本発明は実施例により限定されるものではない。
各物性値は、以下の方法で測定した。
TOC:株式会社島津製作所製 TOC−5000を用いて測定した。
粘度:株式会社東機産業製 TVC−5を用いて測定した。
ORP:株式会社ダイセク製 DE−2100Aを用いて測定した。
DO:株式会社ダイセク製 DE−2100ADを用いて測定した。
温度:ロイヤル機器製温度計 R−13267を用いて測定した。
T−N:測定は外部の計量会社に依頼した。
アンモニア態窒素濃度:(ATI)オリオン社製 複合電極9307BN型を用いて測定した。
硝酸態窒素濃度:(ATI)オリオン社製 膜電極95−12BN型を用いて測定した。
実施例1
図1に示す有機物処理装置を用いて、処理対象有機物の折詰弁当廃棄物について、34日の処理期間を、0〜5日の第1期、6〜11日の第2期、12〜21日の第3期、及び22〜34日の第4期の4期間に分け、それぞれの期間の処理条件を変えて以下のように有機物の処理を行った。
曝気処理槽2に貯留された微生物液7000kgに処理対象有機物の折詰弁当廃棄物150kgを有機物槽4から投入した。以後、曝気処理槽2への処理対象有機物の投入は、1回/日の割合で行った。
曝気処理槽2では、曝気処理槽2底部の散気管(図示せず)から酸素供給装置6の純度90〜95体積%の酸素を気泡として導入し、曝気を行った。
曝気量は6m3/時間であり、後述するORP、DO測定結果から、この曝気量は有機炭素の生分解、微生物の内生呼吸、アンモニアの硝化に充分な供給量であることが保障されている。
処理対象有機物である折詰弁当廃棄物のTOCは150000ppm、T−Nは18000ppm、C/N比は8.3であった。
本例では、前述したように曝気処理槽2への有機物の投入を1回/日の割合で行っている。日々の有機物投入直前に、曝気処理槽2における有機物と微生物との混合液について、液温、粘度、TOC、ORP、DO及びアンモニア態窒素濃度を測定した。
上記処理槽混合液のTOCは、処理期間第1期から第4期を通して15000〜25000ppmの範囲内で推移し、余剰スラッジ及び放流すべき処理水等の発生のない有機物生分解処理を安定して行うことができた。
図2に、処理槽混合液の液温と粘度の測定結果を示す。
処理期間第1期において、処理槽混合液の液温を30〜33℃に調節した。この液温において、上記混合液の粘度は3300〜3500cPと高く、混合液の攪拌状態は悪いものであった。
処理期間第2期において、液温を上昇させ39〜42℃に調節した。この液温において、上記混合液の粘度は3100〜3500cPと第2期全体としては少々減少した。しかし、この粘度減少程度では不充分で、混合液の攪拌状態は依然として悪いものであった。
処理期間第3期において、液温を更に上昇させ47〜51℃に調節した。この液温において、上記混合液の粘度は3000cPから1200cPに減少した。その結果、攪拌がよくなり、生分解処理状態の改善が見られた。
生分解処理状態を示す指標としてORP、DOを採用した場合の結果を図3に示す。本例では、有機物の投入を1回/日の割合で行っているので、曝気処理槽2における有機物と微生物との混合液は、投入直前が最も長く酸素供給下にある。
図3のデータは、有機物を投入する直前の測定値である。ORP電位は、処理期間第1期及び第2期において、酸素を供給しているにも拘らず嫌気状態にあるため−400mV程度で推移していた。このORP電位は、粘度の減少が顕著に観測される処理期間第2期と第3期との過渡期の11日目頃から上昇を開始し、処理期間第3期中期の15日目頃には+100mVまで改善されている。
ORP電位の改善と時を同じくしてDO値もほぼ0から6ppm以上になっている。この結果は、混合液の温度の上昇により粘度が減少し、攪拌及び酸素供給効率が上がり有機物の処理が順調に改善されてゆく経過を見事に表している。
図4は、曝気処理槽2における有機物と微生物との混合液のアンモニア態窒素濃度及び液温について、処理日数を横軸とした推移を示すグラフである。
処理対象有機物中のC/N比が14を超える場合、本例の操作によって大量のアンモニアが排出されることはない。しかし、本例の処理対象有機物中のC/N比は8.3と含有窒素成分が多いので、有機物から大量のアンモニアが排出される。微生物処理では、一般的に蛋白質等に含まれる窒素は、処理過程でアンモニアに変換される。曝気処理槽内に硝化細菌が維持されている場合、好気条件下でアンモニアは最終的に硝酸にすることができる。
処理期間第1期から第3期にかけて処理槽混合液の液温を上昇させている。特に、処理期間第2期及び第3期では硝化細菌の増殖率が急速に減少する38℃以上にしている。その結果、硝化細菌の増殖より死滅が優先し、硝化細菌濃度が減少し、アンモニアの硝化が滞っている。この状況を図4の前半(処理期間第3期中期の17日目頃まで)に示す。
即ち、処理対象有機物に含まれる窒素成分が多い場合は、処理槽混合液の温度を上昇させるにつれて、混合液のアンモニア態窒素濃度が上昇してゆく。特に、高温の処理期間である処理期間第3期の処理槽混合液においては、粘度が低下し、DOが6〜9ppmと高い(図3参照)にも拘らず硝化が滞っていることが明確に示されている。このため、処理期間第3期において処理槽混合液のアンモニア態窒素濃度は800〜1000ppmと高くなっている。
処理槽混合液の粘度が減少し、DO、ORPが適正な量になれば、液温を下げることでアンモニアの処理が再開され、アンモニア態窒素濃度が減少してゆく。この過程を図4の後半(処理期間第4期)に示す。
処理期間第4期において、液温を下げ35〜36℃に調節した。この液温において、上記混合液のアンモニア態窒素は700ppmから50ppmに減少し、生分解処理状態の改善が見られた。
当然のことながら、この液温を下げている期間、日々処理対象有機物を投入しているので処理槽混合液の粘度は徐々に上昇している。なお、処理槽混合液の粘度やアンモニア態窒素濃度が所定値よりも高くなったとしても、処理期間第3期における昇温、処理期間第4期における降温を繰り返すことによって、TOC6000ppm以上の高濃度微生物により、汚泥、排水、臭いを外部に排出することなく、有機物を処理することができる。
本発明の有機物の処理装置の一例を示す概略図である。 実施例1において、曝気処理槽内における有機物と微生物との混合液の粘度及び液温について、処理日数を横軸とした推移を示すグラフである。 実施例1において、曝気処理槽内における有機物と微生物との混合液の酸化還元電位及び溶存酸素濃度について、処理日数を横軸とした推移を示すグラフである。 実施例1において、曝気処理槽内における有機物と微生物との混合液のアンモニア態窒素濃度及び液温について、処理日数を横軸とした推移を示すグラフである。
符号の説明
2 曝気処理槽
4 有機物槽
6 酸素供給装置
8 加熱・冷却用手段
10 加熱・冷却機本体
12 表示器
14 センサー
16 コンピュータ
18 攪拌装置
20 シャワーポンプ
22 シャワーノズル

Claims (1)

  1. 有機物と微生物とを有し、微生物濃度が全有機炭素濃度で10000ppm以上の混合液中に、空気、酸素、又はこれらの混合物を導入して有機物を生分解処理することにより、前記混合液中からの分解処理物及び水の排出を生分解反応熱で蒸散させて、余剰スラッジ及び処理水を外部に放出しない有機物の処理方法であって、混合液温度を38℃以上に保つ難分解性物質処理工程と、混合液温度を38℃未満に保つ生分解処理工程とを交互に行う有機物の処理方法。
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JP2008046347A (ja) * 2006-08-16 2008-02-28 Pentax Corp 広角ズームレンズ系
KR101242347B1 (ko) 2010-04-23 2013-03-14 임휘용 열풍 및 고온 호기성 미생물을 이용한 분뇨 발효 장치

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008046347A (ja) * 2006-08-16 2008-02-28 Pentax Corp 広角ズームレンズ系
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