JP2006209444A - 戦略策定支援装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 最終顧客に提供する価値を最大化するための戦略の策定を支援する装置を提供する。
【解決手段】 供給者によって生産された生産財が1以上の戦略顧客を介して一般消費者である最終顧客に供給される場合に、前記最終顧客に提供する価値を最大化するための戦略の策定を支援する装置であって、価値情報、戦略顧客業務情報、提供情報、供給者業務情報、及び基盤情報を格納する要素情報格納部T10と、これら各情報の関係を示す情報を格納する関係情報格納部T20と、相互に関係する前記価値情報、前記戦略顧客業務情報、前記提供情報、前記供給者業務情報、前記基盤情報を特定する特定部20とを備える。
【選択図】 図3
【解決手段】 供給者によって生産された生産財が1以上の戦略顧客を介して一般消費者である最終顧客に供給される場合に、前記最終顧客に提供する価値を最大化するための戦略の策定を支援する装置であって、価値情報、戦略顧客業務情報、提供情報、供給者業務情報、及び基盤情報を格納する要素情報格納部T10と、これら各情報の関係を示す情報を格納する関係情報格納部T20と、相互に関係する前記価値情報、前記戦略顧客業務情報、前記提供情報、前記供給者業務情報、前記基盤情報を特定する特定部20とを備える。
【選択図】 図3
Description
本発明は、戦略の策定を支援する戦略策定支援装置に関する。
高度情報化が進み、顧客要求の多様化する消費者主導型の社会では、企業は、顧客要求にすばやく対応し、顧客に価値を提供し、競争優位性を保つことが戦略上非常に重要である。今日、顧客へ価値を提供するためのバリューチェーンは複数の企業にまたがるものへと変化してきている。このために、消費者である最終顧客へ提供する価値の最大化という共通目的のもと、複数の企業において、それぞれの企業の強みを活かしながら互いに連携(コラボレーション)することが求められる。
そして、これらを達成するためには、企業間でコラボレーションを推進する仕組みを構築することが必要である。そして、その仕組みは、単なる情報共有の仕組みにとどまらず、最終顧客の価値を最大化するための仕組みでなければならない。この仕組みを実現し、企業戦略上で競争優位に立つためには、IT活用は必要不可欠の条件であると考えられる。
図30は、生産財供給のB2B(Business to Business)モデルを示す図である。この図30に示されるように、デバイスメーカー211などの供給者210は、部品デバイス240などの生産財を、セットメーカー(組立メーカー)221や、EMS(Electronics Manufacturing Service)222や、ディストリビュータ(各種デバイスメーカー製品を扱う再販業者)223などの一次顧客220に供給し、それらを経て、最終的に一般消費者231である最終顧客230に製品250を提供する役割を担っている。
そこでは、セットメーカー221などの一次顧客220が保有する市場ニーズ情報と、デバイスメーカー211などの供給者210が保有するデバイスシーズ情報とを適合させ、最終顧客230に対し、いかにして最高の価値を提供するかが供給者210の課題である。このように、供給者210にとって一次顧客220は、最終顧客230への価値提供の最大化という戦略を共有する戦略顧客である(以下、「一次顧客」を「戦略顧客」と記述する)。
戦略顧客から最終顧客へ提供する価値は、大きく分類すると、
(1)他にない魅力的な製品/サービスの提供
(2)Q(品質)C(コスト)D(スピード)の差別化
(3)最終顧客の問題を解決するトータルソリューションの提供
の3つになると考えられる。供給者は、戦略顧客のこれらの戦略を実現するために共同でバリューチェーンを構築する必要があり、その中で次の3つの役割を持つ。
(1)戦略顧客の企画・開発部門の役割
(2)戦略顧客の生産・SCM部門の役割
(3)戦略顧客の営業サービス部門の役割
ここでの供給者の課題は、最終顧客への価値提供という大きなバリューチェーンの中で戦略顧客のニーズを捉え、どのように自社の強みを活かしていくかということである。そのためには、戦略顧客とコラボレーションを行ない、最終顧客への価値提供という共通の目的を達成するために強みを出し合い、Win−Winの関係を構築する必要がある。そして、コラボレーションの促進による経営成果の創出には次の3つの形態が考えられる。
(1)製品情報やデバイス情報を技術者間で共有しコラボレーションを促進することにより戦略顧客における製品企画・開発のQCDを向上させ、その結果、最終顧客にとって魅力的な製品を競合他社に先んじて市場に投入すること。
(2)生産計画、販売、在庫情報を共有し、その結果、戦略顧客の生産、流通のQCDを向上させ、市場変動に対応したタイムリーな市場への製品投入をすること。
(3)最終顧客へのマーケティングやサービス情報を共有し、その結果、戦略顧客の営業、サービスでのQCDの向上(問い合わせQCD)により最終顧客の顧客満足度向上を実現すること。
(1)他にない魅力的な製品/サービスの提供
(2)Q(品質)C(コスト)D(スピード)の差別化
(3)最終顧客の問題を解決するトータルソリューションの提供
の3つになると考えられる。供給者は、戦略顧客のこれらの戦略を実現するために共同でバリューチェーンを構築する必要があり、その中で次の3つの役割を持つ。
(1)戦略顧客の企画・開発部門の役割
(2)戦略顧客の生産・SCM部門の役割
(3)戦略顧客の営業サービス部門の役割
ここでの供給者の課題は、最終顧客への価値提供という大きなバリューチェーンの中で戦略顧客のニーズを捉え、どのように自社の強みを活かしていくかということである。そのためには、戦略顧客とコラボレーションを行ない、最終顧客への価値提供という共通の目的を達成するために強みを出し合い、Win−Winの関係を構築する必要がある。そして、コラボレーションの促進による経営成果の創出には次の3つの形態が考えられる。
(1)製品情報やデバイス情報を技術者間で共有しコラボレーションを促進することにより戦略顧客における製品企画・開発のQCDを向上させ、その結果、最終顧客にとって魅力的な製品を競合他社に先んじて市場に投入すること。
(2)生産計画、販売、在庫情報を共有し、その結果、戦略顧客の生産、流通のQCDを向上させ、市場変動に対応したタイムリーな市場への製品投入をすること。
(3)最終顧客へのマーケティングやサービス情報を共有し、その結果、戦略顧客の営業、サービスでのQCDの向上(問い合わせQCD)により最終顧客の顧客満足度向上を実現すること。
これらを実現するためには、最終顧客の価値を最大化するための戦略顧客とのビジネスモデルと、そのために必要な情報の定義、そして情報の共有・知識移転を支援する情報システムなどの仕組みとを合わせた、全体的な仕組みが必要である。また、活動の目的を明確にし、これらの仕組みを活用した後に、当初の目的に対する貢献度を適切に評価し、経営成果の創出に向け、マネジメントする仕組みを同時に構築することが重要である。
また、最終顧客の価値を最大化するための戦略顧客とのビジネスモデルを支援する仕組みが重要であり、支援する仕組みの1つに情報システムがある。一例として、以下に情報システムの企画方法について述べる。
情報システムは、システム化の目的や対象の拡大とともに進化している。また、それらを構築するための方法も大きく変化してきている。
以下、情報システムの進化について説明する。
情報システムの歴史、および進化の歴史に関しては、すでに非特許文献1や2等で述べられているが、それらを目的の変化という視点から分類しなおすと、表1のようになる。
情報システムの歴史、および進化の歴史に関しては、すでに非特許文献1や2等で述べられているが、それらを目的の変化という視点から分類しなおすと、表1のようになる。
その後、情報技術の進展により、データ・情報の管理にかかるコストが低減すると、企業内・企業間で情報を共有することにより、経営のスピードを上げ顧客満足の向上を目指すことが目的となってきた。これが情報システムの第2段階である。
さらに、最終顧客の価値を創造するために、企業内の知恵や情報を有効活用することを目的としたビジネスモデルの中核となるような情報システムを構築することにその目的は進化してきている。この第3段階においては、経営戦略を実現するために、戦略に沿った最適な情報システムを構築する必要がある。
ここで、情報システムの構築方法について、経営への貢献の視点から考察する。
図31は、情報システムの企画・設計でのポイントを説明するための図である。すなわち、経営戦略の実現手段として情報システムを捉え、PDCAサイクルの視点から整理すると以下のようになる。
(1)PLAN
経営戦略を実現するための課題を明確にし、実現のためのビジネスモデルを定義し、そのビジネスモデルを実現するために情報システムに求められる要件を明確にする。この段階で、経営目標の達成のために、評価指標と、その目標値を設定する。
(2)DO
情報システムの詳細な設計・開発・テストを行ない、システムを構築し、導入する。構築した情報システムを活用した新ビジネスモデルの運用を開始する。
(3)CHECK
新たなビジネスモデルを運用していく中で、経営目標達成の評価指標について定期的な評価を行ない、企画時の戦略シナリオの遂行状態をチェックし、目標との差を明確にする。
(4)ACTION
評価指標における当初設定目標との差について、原因を追求しその対策を明確にする。
図31は、情報システムの企画・設計でのポイントを説明するための図である。すなわち、経営戦略の実現手段として情報システムを捉え、PDCAサイクルの視点から整理すると以下のようになる。
(1)PLAN
経営戦略を実現するための課題を明確にし、実現のためのビジネスモデルを定義し、そのビジネスモデルを実現するために情報システムに求められる要件を明確にする。この段階で、経営目標の達成のために、評価指標と、その目標値を設定する。
(2)DO
情報システムの詳細な設計・開発・テストを行ない、システムを構築し、導入する。構築した情報システムを活用した新ビジネスモデルの運用を開始する。
(3)CHECK
新たなビジネスモデルを運用していく中で、経営目標達成の評価指標について定期的な評価を行ない、企画時の戦略シナリオの遂行状態をチェックし、目標との差を明確にする。
(4)ACTION
評価指標における当初設定目標との差について、原因を追求しその対策を明確にする。
このPDCAサイクルの中で最も重要なポイントは、PLANの段階である。それは情報システムの経営貢献へのシナリオを明確にする段階だからである。その施策がどのような価値を創出するのか、その結果、自社の経営にどのように貢献するかという点を明らかにする必要がある。
ここでは経営課題と目標を明確化し(S101)、目的(なぜ実施するのか)と、対象(何を狙うのか)とを決定する。次に、要件定義(S102)の段階で業務プロセス・必要情報を設定し、経営貢献のシナリオを明確にする。その後、情報システムの具体的な設計(S103)をし、開発(S104)、テスト(S105)、導入運用(S106)を行い、当初設定目標との差異を評価(S107)の段階で明確にし、対策実施(S108)で対策を実施するのである。
ジョン・ソープ他(1999):『利益を生む情報化投資戦略』,富士通経営研修所. 福島美明(1998):『サプライチェーン経営革命』,日本経済新聞社.
ジョン・ソープ他(1999):『利益を生む情報化投資戦略』,富士通経営研修所. 福島美明(1998):『サプライチェーン経営革命』,日本経済新聞社.
前述したように、最終顧客への価値を最大化する取り組みにおいては、(1)のPLANに相当する企画が非常に重要である。この段階でどこまで深く考え、綿密な計画と準備ができるかが戦略実現の可否に大きく影響する。言い換えるとこの企画段階で最終顧客の価値の最大化という経営成果を作り込むのである。
このような経営戦略の実現という視点から、情報システムの企画方法を一例として、考察を行なった。ここでいう情報システムの企画とは、業務設計、要件定義、概念設計の意味である。
従来の企画方法は、先に述べた情報システムの進化段階における、効率化を目的とした第1段階と、サイクルタイム・リードタイムの短縮を目的とした第2段階を対象としている。第1段階と第2段階の特徴は、効率化によるコスト削減、サイクルタイム、リードタイムの短縮による顧客満足度向上のように、経営課題と施策との関係が比較的わかりやすい点である。
課題解決の施策の設定についても、ある程度確立されたビジネスモデルが既にあるので、それらを実現するために、情報システムを構築していくという考え方である。それは、既存のやり方を情報システム化するという考え方であると言える。また、その効果の捉え方は、ある程度自明となっているビジネスモデルを実現した時の効果を算出するという傾向がある。
第1段階と第2段階のように、実施シナリオが既に明白な場合、従来の方法でも問題はない。しかし、コラボレーションによる最終顧客の価値の最大化を目的とする第3段階においては、提供すべき価値とその価値創造のプロセス自体を明確にする必要があり、従来の方法では問題が生じると考えられる。
第3段階の情報システムの企画においては、PLANの段階での目的,対象の明確化が特に重要であるが、従来の方法では、これらは既に明確化されている前提でそれ以降の工程を企画するものであり、明確化の方法として用いることは出来ない。このような中、従来の方法で行われる第3段階の情報システムの企画現場では、企画の完成度は、担当者の力量に左右されているのが現状であり、担当者のカン・経験にたよる方法は、望ましいものとは言えない。
以上の点から、最終顧客の価値の創造を目的とした第3段階の情報システムを構築するためには、経営戦略実現に向け何をすべきかという経営貢献へのシナリオを明確にする新しい企画方法が必要であると考えられる。
このような情報システムを企画する際だけでなく、間接業務(商品情報コンテンツを作成する業務など)のプロセスを定義する際も、経営貢献へのシナリオを明確にする新しい定義方法が必要であると考えられる。
そこで、このような課題を解決するような情報システムに関する既存研究について、文献調査(文献データベースによる検索)を行った。その結果、ステークホルダーを含む情報システムの企画に関して、以下のようなモデルが提案されていることが明らかになった。
Harlandらは、サプライネットワークの創造と運用に関する研究において、多くの文献調査をもとにした概念モデルを提案している(Christine Harland, Jurong Zheng, Thomas Johnsen and Richard Lamming (2004):”A Conceptual Model for Researching the Creation and Operation of Supply Networks”,British Journal of management,vol.15 ,Issue1,1-21.)。
Petersenらは、サプライヤーの持つ顧客知が、新製品開発プロジェクトにおける成果にどのように影響するかについて研究を行っている(Kenneth J. Petersen, Robert B. HandField, and Gary L. Ragatz(2003):”A Model of Supplier Integration into New Product Development”,The journal of Product Innovation Management,vol20 ,Issue4,284-299.)。
これらの研究は、情報システムの企画の際、考慮すべき点を明確にしている。しかし、いずれの場合も、情報システムの具体的な設計方法にまでは言及されていない。
一方、Milisらは、情報通信技術のプロジェクト評価へのバランスト・スコアカードの適用に関する研究を行っている(Koen Milis, Roger mercken(2004):”The use of the balanced scorecard for the evaluation of Information and Communication Technology project”,International Journal of Project Management,vol22,Issue2,87-97.)。
そこでは、バランスト・スコアカードを評価に用いる有効性については述べられているが、戦略マップに代表される戦略構築の方法としての側面からは考察が行なわれていない。また、プロジェクト評価への適用が主眼であり、情報システムの評価方法としての可能性については言及されていない。
その他の研究でも、前記従来の課題を解決するようなものはない。
以上の調査により、新たな情報システムの具体的な設計方法および、評価方法が必要であるということが明確になった。
以上の調査により、新たな情報システムの具体的な設計方法および、評価方法が必要であるということが明確になった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、最終顧客に提供する価値を最大化するための戦略の策定を支援する装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明に係る戦略策定支援装置は、供給者によって生産された生産財が1以上の戦略顧客を介して一般消費者である最終顧客に供給される場合に、前記最終顧客に提供する価値を最大化するための戦略の策定を支援する装置であって、前記最終顧客に提供すべき価値に関する情報である価値情報、前記戦略顧客が重点的に取り組むべき業務に関する情報である戦略顧客業務情報、前記供給者が前記戦略顧客に提供すべき物に関する情報である提供情報、前記供給者が重点的に取り組むべき業務に関する情報である供給者業務情報、及び前記供給者側に構築すべき基盤に関する情報である基盤情報を格納する要素情報格納手段と、前記価値情報と前記戦略顧客業務情報との関係、前記戦略顧客業務情報と前記提供情報との関係、前記提供情報と前記供給者業務情報の関係、及び前記供給者業務情報と前記基盤情報との関係を示す情報を格納する関係情報格納手段と、前記関係情報格納手段に格納されている情報を参照することによって、相互に関係する前記価値情報、前記戦略顧客業務情報、前記提供情報、前記供給者業務情報、前記基盤情報を特定する特定手段とを備えることを特徴とする。これにより、戦略顧客ごとに経営環境と課題が把握され、供給者が提供すべきアウトプットと業務プロセスが特定され、業務プロセスを支援すべき要件(システムで提供すべき商品情報などのコンテンツや、支援するITの機能要件など)が明確になるので、最終顧客に提供する価値を最大化することができる。
ここで、前記戦略策定支援装置は、さらに、顧客カテゴリーを指定するための指定手段を備え、前記特定手段は、前記指定手段によって指定された顧客カテゴリーに関係する価値情報と、該価値情報に関係する戦略顧客業務情報と、該戦略顧客業務情報に関係する提供情報と、該提供情報に関係する供給者業務情報と、該供給者業務情報に関係する基盤情報とを特定してもよい。これにより、顧客カテゴリーを指定するだけで、該顧客カテゴリーに関係する価値情報と、該価値情報に関係する戦略顧客業務情報と、該戦略顧客業務情報に関係する提供情報と、該提供情報に関係する供給者業務情報と、該供給者業務情報に関係する基盤情報とが特定される。言い換えると、顧客カテゴリーを指定するだけで、価値連鎖が特定されることになる。
また、前記戦略策定支援装置は、さらに、前記特定手段によって特定された情報を加工する加工手段と、前記加工手段によって加工された情報を表示する表示手段とを備えてもよい。
これにより、前記特定手段によって特定された情報の追加や修正が可能となり、その結果がユーザによって視認されることになる。
これにより、前記特定手段によって特定された情報の追加や修正が可能となり、その結果がユーザによって視認されることになる。
また、前記加工手段は、前記特定手段によって特定された情報を、戦略顧客の「内部プロセスの視点」を供給者の「顧客の視点」に対応させたバランスト・スコアカードの態様に加工してもよい。これにより、前記特定手段によって特定された情報がバランスト・スコアカードの態様で表示されることになるので、ユーザは容易にその内容を理解することができる。
また、前記加工手段は、前記特定手段によって特定された情報を、前記価値情報と前記戦略顧客業務情報との関係を表した第1の関係マトリックスと、前記戦略顧客業務情報と前記提供情報との関係を表した第2関係マトリックスと、前記提供情報と前記供給者業務情報との関係を表した第3の関係マトリックスと、前記供給者業務情報と前記基盤情報との関係を表した第4の関係マトリックスに分類して表記するようにしてもよい。このように、前記特定手段によって特定された情報が4つの関係マトリックスに表示される態様によっても、ユーザは容易にその内容を理解することができる。
また、前記戦略策定支援装置は、さらに、前記第1から第4の関係マトリックス内の領域を指定する指定手段と、前記関係情報格納手段に格納されている情報のうち、前記指定手段によって指定された領域に対応する情報を編集する編集手段とを備えてもよい。これにより、ユーザは前記関係情報格納手段に格納されている情報を容易に編集することができる。
なお、本発明は、このような戦略策定支援装置として実現することができるだけでなく、このような戦略策定支援装置が備える特徴的な手段をステップとする戦略策定支援方法として実現したり、それらのステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体やインターネット等の伝送媒体を介して配信することができるのは言うまでもない。
以上の説明から明らかなように、本発明に係る戦略策定支援装置によれば、戦略顧客ごとに経営環境と課題が把握され、供給者が提供すべきアウトプットと業務プロセスが特定され、業務プロセスを支援すべき要件(システムで提供すべき商品情報などのコンテンツや、支援するITの機能要件など)が明確になるので、最終顧客に提供する価値を最大化することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る戦略策定支援装置の適用場面を示す図である。既に説明したように、セットメーカー221などの戦略顧客220が保有する市場ニーズ情報と、デバイスメーカー211などの供給者210が保有するデバイスシーズ情報とを適合させ、最終顧客230に対し、いかにして最高の価値を提供するかが供給者210の課題である。このように最高の価値を提供するための強力なツールが情報システムであり、この情報システムによる最終顧客の価値を最大化する取り組みにおいては、企画が非常に重要である。ここでは、本発明に係る戦略策定支援装置の一例として、情報システムの企画を支援する企画支援装置について説明する。
図1は、本発明に係る戦略策定支援装置の適用場面を示す図である。既に説明したように、セットメーカー221などの戦略顧客220が保有する市場ニーズ情報と、デバイスメーカー211などの供給者210が保有するデバイスシーズ情報とを適合させ、最終顧客230に対し、いかにして最高の価値を提供するかが供給者210の課題である。このように最高の価値を提供するための強力なツールが情報システムであり、この情報システムによる最終顧客の価値を最大化する取り組みにおいては、企画が非常に重要である。ここでは、本発明に係る戦略策定支援装置の一例として、情報システムの企画を支援する企画支援装置について説明する。
図2は、本発明に係る戦略策定支援装置(企画支援装置)のハードウェア構成図であり、キーボード101と、ディスプレイ102と、CPU103と、メモリ(RAM)104と、ファイル装置106とが、内部バス105を介して接続されている状態を表している。
キーボード101は、戦略策定を支援するうえで必要となる情報を入力するための装置である。ディスプレイ102は、戦略シナリオなどの各種情報を表示するための装置である。CPU103は、ファイル装置106に格納された制御プログラム106aに基づいて各種の戦略策定支援処理を実行する中央演算処理装置である。メモリ104は、各種情報を一時記憶するための作業メモリである。
ファイル装置106は、制御プログラム106aと要素情報106bと関係情報106cとマスター情報106dと標準テンプレートTとを格納している。制御プログラム106aは、戦略策定を支援するためのプログラムであり、前述したようにCPU103によって実行される。要素情報106bと関係情報106cとマスター情報106dと標準テンプレートTについては後述する。
なお、ここでは、1台の戦略策定支援装置100内に前記した各部101〜106を備えた構成を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ファイル装置106に格納されている要素情報106b等は、ネットワークを介して接続されたサーバ装置(図示せず)から取得するようにしてもよい。
図3は、本発明に係る戦略策定支援装置(企画支援装置)の機能ブロック図である。この戦略策定支援装置100は、戦略の策定を支援する装置であって、表示部10と、加工部11と、特定部20と、指定部30と、編集部40と、要素情報格納部T10と、関係情報格納部T20と、マスター情報格納部T30と、標準テンプレート格納部T40とを備える。
表示部10は、当該戦略策定支援装置に接続された液晶ディスプレイ等の表示装置であり、図2でいうディスプレイ102がこれに相当する。
加工部11は、情報を所定の態様に加工する手段であり、図2でいう制御プログラム106aがCPU103によって実行されることによって実現される。加工手法については後述する。
特定部20は、要素情報格納部T10、関係情報格納部T20、マスター情報格納部T30を参照して、所望の情報を特定するための手段であり、図2でいう制御プログラム106aがCPU103によって実行されることによって実現される。特定手法については後述する。
指定部30は、当該戦略策定支援装置に接続されたキーボードやマウス等の入力装置であり、図2でいうキーボード101がこれに相当する。
編集部40は、要素情報格納部T10、関係情報格納部T20、マスター情報格納部T30に格納されている情報を編集するための手段であり、図2でいう制御プログラム106aがCPU103によって実行されることによって実現される。編集手法については後述する。なお、ここでいう編集には、新規登録、変更、削除の全てが含まれる。
要素情報格納部T10、関係情報格納部T20、マスター情報格納部T30、標準テンプレート格納部T40は、いずれも情報を格納するためのハードディスク等であり、図2でいうファイル装置106がこれに相当する。
図4は、要素情報格納部T10の内部構成例を示す図である。この図4に示すように、要素情報格納部T10は、第1の要素情報格納部T11から第5の要素情報格納部T15までの5つに大別することができ、「テーブル名」「ID」「名称」「評価指標」「属性情報」フィールドを備えている。
第1の要素情報格納部T11は、最終顧客に提供すべき価値情報(より具体的には、戦略顧客が最終顧客に提供すべき価値に関する情報)を格納している。ここでは、テーブル名として「最終顧客への提供価値」、IDとして「01−01−0002」、名称として「迅速な市場投入(複数機種の同時市場投入)」、評価指標として「市場投入達成率(遅れ日数)」、属性情報1として「セットメーカー」、属性情報2として「通信業界」を意味する情報がそれぞれ格納されている状態を例示している。
第2の要素情報格納部T12は、戦略顧客が重点的に取り組むべき戦略顧客業務情報を格納している。ここでは、テーブル名として「戦略顧客重点取り組み」、IDとして「02−01−0005」、名称として「開発リードタイムの短縮」、評価指標として「製品設計リードタイム」、属性情報1として「設計部門」を意味する情報がそれぞれ格納されている状態を例示している。
第3の要素情報格納部T13は、供給者が戦略顧客に提供すべき提供情報(より具体的には、供給者が戦略顧客に提供すべき価値に関する情報)を格納している。ここでは、テーブル名として「戦略顧客へのアウトプット」、IDとして「03−01−0001」、名称として「顧客用途別部品活用提案」、評価指標として「提案件数/月」、属性情報1として「Q(顧客設計品質)」、属性情報2として「A企業 設計部門 東京次郎氏」を意味する情報がそれぞれ格納されている状態を例示している。
第4の要素情報格納部T14は、供給者が重点的に取り組むべき供給者業務情報を格納している。ここでは、テーブル名として「供給者業務プロセス」、IDとして「04−02−0005」、名称として「顧客製品トレンドに合わせた部品開発ロードマップ作成」、評価指標として「部品ロードマップ登録数、更新頻度」、属性情報1として「XX事業部 技術部」、属性情報2として「大阪 太郎さん」を意味する情報がそれぞれ格納されている状態を例示している。
第5の要素情報格納部T15は、供給者側に構築すべき基盤情報(より具体的には、供給者業務を支援する間接業務や情報システムに関する情報)を格納している。ここでは、テーブル名として「供給者業務プロセスを支援する仕組み」、IDとして「05−01−0003」、名称として「顧客業界情報、顧客製品トレンド、部品トレンド情報の活用」、評価指標として「データベース登録件数、活用件数」、属性情報1として「情報システム」、属性情報2として「設計技術支援」を意味する情報がそれぞれ格納されている状態を例示している。
図5は、関係情報格納部T20の内部構成例を示す図である。関係情報格納部T20は、第1の関係情報格納部T21から第4の関係情報格納部T24までの4つに大別することができ、この図5に示すように、「上位ID」「下位ID」「選択パターン」フィールドを備えている。
第1の関係情報格納部T21は、前記第1の要素情報格納部T11に格納されている価値情報と、前記第2の要素情報格納部T12に格納されている戦略顧客業務情報とを関係付けるための情報を格納している。ここでは、上位IDとして「02−02−003」、下位IDとして「01−01−0001」、選択パターンとして「C−0001」を意味する情報がそれぞれ格納されている状態を例示している。
第2の関係情報格納部T22は、前記第2の要素情報格納部T12に格納されている戦略顧客業務情報と、前記第3の要素情報格納部T13に格納されている提供情報とを関係付けるための情報を格納している。第3の関係情報格納部T23は、前記第3の要素情報格納部T13に格納されている提供情報と、前記第4の要素情報格納部T14に格納されている供給者業務情報とを関係付けるための情報を格納している。第4の関係情報格納部T24は、前記第4の要素情報格納部T14に格納されている供給者業務情報と、前記第5の要素情報格納部T15に格納されている基盤情報とを関係付けるための情報を格納している。第2から第4の関係情報格納部T22・T23・T24の内部構成例については、ここでは詳しい説明を省略する。
図6は、マスター情報格納部T30の内部構成例を示す図である。この図6に示すように、マスター情報格納部T30は、顧客カテゴリー別(例えば、業界別、業態別、又は顧客別)に識別情報を格納しており、「選択パターン」「パターン名」「作成日」「プロジェクトNO」フィールドを備えている。ここでは、選択パターンとして「C−0001」、パターン名として「顧客A社」、作成日として「2000/12/24」、プロジェクトNOとして「4000125」を意味する情報がそれぞれ格納されている状態を例示している。 前記した各部の詳細について説明する前に、本発明に至った経緯について説明する。
前記従来の課題を解決するために必要な要件としては以下の2点が考えられる。
(1)経営貢献シナリオの明確化。
(1)経営貢献シナリオの明確化。
経営戦略を具体的な施策に落とし込み、情報システムでサポートすべき要件を決定するための方法であり、情報システムから経営成果までの経営貢献のシナリオを表現する方法であること。
(2)企画段階からの自己評価方法の作成。
(2)企画段階からの自己評価方法の作成。
最終顧客の価値を最大化するという経営貢献シナリオに対する達成度を自己評価する方法を企画段階から作り込むことが可能な方法であること。
これらの要件を満たすために活用可能な既存の方法について考察を行なった。
まず、この要件を満足させるために、本研究では、経営戦略実行の方法であるバランスト・スコアカード(以下「BSC」と記述する)に着目し調査を行ない、その活用の可能性を検討した。また、長田が提唱する経営システムモデルにおける自己評価(長田洋 編(2001):『経営システムの自己評価』,日本規格協会.)について着目し、評価指標の設定方法について調査を行ない、その活用の可能性を検討した。
まず、この要件を満足させるために、本研究では、経営戦略実行の方法であるバランスト・スコアカード(以下「BSC」と記述する)に着目し調査を行ない、その活用の可能性を検討した。また、長田が提唱する経営システムモデルにおける自己評価(長田洋 編(2001):『経営システムの自己評価』,日本規格協会.)について着目し、評価指標の設定方法について調査を行ない、その活用の可能性を検討した。
BSCは、キャプランとノートンが提唱した戦略を具体化しこれを実行するための経営管理の考え方と仕組みである。ビジョンと戦略を4つの視点(財務の視点、顧客の視点、業務プロセスの視点、学習と成長の視点)に落とし込み、成果に至るまでのロジック(因果関係)と評価指標を明確にし、戦略実行を促進させる方法である。
戦略を具体化し、実行するための仕組みは、情報システムの企画にも応用可能であり、情報システムの経営貢献へのシナリオを表現するために、BSCの以下の考え方を適用することにした。
(1)戦略を各視点の要素の連鎖と考え、各施策の因果関係を明確にして戦略を展開する。
(2)連鎖の中でそれぞれ評価指標を設定しモニタリング、フィードバックする。
(3)各個人が戦略の方向性を理解し共有するためのコミュニケーションツールである。
(1)戦略を各視点の要素の連鎖と考え、各施策の因果関係を明確にして戦略を展開する。
(2)連鎖の中でそれぞれ評価指標を設定しモニタリング、フィードバックする。
(3)各個人が戦略の方向性を理解し共有するためのコミュニケーションツールである。
これらを活用し、戦略顧客のみならず、最終顧客までを取り込んだ価値連鎖を明確にすることにより、経営貢献のシナリオを明確化できる。
長田の経営システムモデルは、ドライバー、イネーブラー、パフォーマンスの各要素で経営システムを表現し、それらの評価指標を設定しPDCAサイクルを回すことで経営の自己評価を行なうためのモデルであり(長田洋 編(2001):『経営システムの自己評価』,日本規格協会.)、各要素の具体的な評価指標が提示されている。経営システムモデルで準備されている各要素の評価指標は、情報システムの評価指標として適用可能である。
また、実際に経営貢献へのシナリオを作成する場合は、作業時に活用できるツール(テンプレート)が揃っているかどうかで、アウトプットの質と作業効率が、大幅に異なってくる。そこでは、より有効なテンプレートを提供することが重要となる。
長田の経営モデルをベースにすれば、本企画方法の各ステップで活用できるツールとしてのテンプレートを作成することが可能と考えられる。
長田の経営モデルをベースにすれば、本企画方法の各ステップで活用できるツールとしてのテンプレートを作成することが可能と考えられる。
以下、供給者から戦略顧客への生産財供給のB2Bモデルを具体例として、顧客満足度の向上やコラボレーションの実現などを目的とした情報システムを構築するための、新しい企画方法について説明する。この企画方法を使用するためには、事前準備として、環境分析・製品分析・市場分析・製品市場分析等を行ない、ターゲットとする顧客、商品、競合が明確になっていることが前提となる。
以上の分析を行った後に、下記のステップにそって企画を進める。
(1)戦略顧客の経営課題の把握
最終顧客(戦略顧客の顧客)の視点から、戦略顧客自身の経営環境と経営戦略を理解し、戦略顧客自身のCSF(重要成功要因)と重点業務と評価指標を明確にする。なお、以下の説明では、「戦略顧客の経営課題の把握」を「『目的』の明確化」と記述する場合がある。
(2)戦略顧客へ提供する価値の明確化
戦略顧客のCSFとなる重点業務を支援するために、供給者の強みを活かして提供すべき価値を明確にする。また同時に評価指標を明確にする。なお、以下の説明では、「戦略顧客へ提供する価値の明確化」を「『対象』の明確化」と記述する場合がある。
(3)戦略顧客の価値を創出するビジネスプロセスの明確化
戦略顧客へ提供する価値を創出するビジネスプロセスを定義する。また同時に評価指標を明確にする。なお、以下の説明では、「戦略顧客の価値を創出するビジネスプロセスの明確化」を「『方法:業務プロセス』の明確化」と記述する場合がある。
(4)ビジネスプロセスを支援する情報・IT要件の明確化
ビジネスプロセスを支援するための情報とIT要件を定義する。また同時に評価指標を明確にする。なお、以下の説明では、「ビジネスプロセスを支援する情報・IT要件の明確化」を「『方法:情報・IT』の明確化」と記述する場合がある。
(1)戦略顧客の経営課題の把握
最終顧客(戦略顧客の顧客)の視点から、戦略顧客自身の経営環境と経営戦略を理解し、戦略顧客自身のCSF(重要成功要因)と重点業務と評価指標を明確にする。なお、以下の説明では、「戦略顧客の経営課題の把握」を「『目的』の明確化」と記述する場合がある。
(2)戦略顧客へ提供する価値の明確化
戦略顧客のCSFとなる重点業務を支援するために、供給者の強みを活かして提供すべき価値を明確にする。また同時に評価指標を明確にする。なお、以下の説明では、「戦略顧客へ提供する価値の明確化」を「『対象』の明確化」と記述する場合がある。
(3)戦略顧客の価値を創出するビジネスプロセスの明確化
戦略顧客へ提供する価値を創出するビジネスプロセスを定義する。また同時に評価指標を明確にする。なお、以下の説明では、「戦略顧客の価値を創出するビジネスプロセスの明確化」を「『方法:業務プロセス』の明確化」と記述する場合がある。
(4)ビジネスプロセスを支援する情報・IT要件の明確化
ビジネスプロセスを支援するための情報とIT要件を定義する。また同時に評価指標を明確にする。なお、以下の説明では、「ビジネスプロセスを支援する情報・IT要件の明確化」を「『方法:情報・IT』の明確化」と記述する場合がある。
本発明では、上記の3つのステップでの具体的な企画の方法と、その際使用するテンプレートとを提案する。提案するテンプレートは、上記の目的、対象、方法をマトリックスとして表現するテンプレートである『情報システムの企画の標準テンプレート』と、作成時に具体的な雛形として使用する『価値連鎖マップ』と『価値マトリックス』の3種類である。
まず、情報システムの企画の標準テンプレートについて説明する。
図7は、情報システムの企画の標準テンプレート(以下「標準テンプレート」と記述する)Tの概念図であり、本企画方法の全体像を表している。このフレームワークに従って戦略顧客の課題(目的)と戦略顧客へ提供する価値(対象)、そしてその価値の実現手段(方法、業務プロセス、情報とIT)をマトリックスで表現する。
図7は、情報システムの企画の標準テンプレート(以下「標準テンプレート」と記述する)Tの概念図であり、本企画方法の全体像を表している。このフレームワークに従って戦略顧客の課題(目的)と戦略顧客へ提供する価値(対象)、そしてその価値の実現手段(方法、業務プロセス、情報とIT)をマトリックスで表現する。
本企画方法の手順は、標準テンプレートT内の4つの部分TA、TB、TC、TDで表現される(以下、個々の部分TA、TB、TC、TDをそれぞれ「関係マトリックスTA、TB、TC、TD」と記述する)。標準テンプレートTに従って、図7中の矢印、A、B、C、Dの順に作業を行なう。
まず、戦略顧客の経営課題を把握する(矢印A参照)。すわなち、矢印Aに対応する関係マトリックスTAは、戦略顧客の経営課題を定義するテンプレートである。
次いで、戦略顧客へ提供する価値を明確化する(矢印B参照)。すなわち、矢印Bに対応する関係マトリックスTBは、戦略顧客へ提供する価値を定義するテンプレートである。
次いで、戦略顧客への提供価値を創出するビジネスプロセスを明確化する(矢印C参照)。すわなち、矢印Cに対応する関係マトリックスTCは、戦略顧客の価値を創出するビジネスプロセスを定義するテンプレートである。
最後に、ビジネスプロセスを支援する情報・IT要件を明確化する(矢印D参照)。すわなち、矢印Dに対応する関係マトリックスTDは、ビジネスプロセスを支援する情報・IT要件を定義するテンプレートである。
本企画方法はこの4つの手順に従い、戦略顧客の経営課題を起点として情報システムなどの業務支援の要件定義までブレイクダウンしていくものである。ここでは、戦略顧客単位、または、業態・戦略が似ている顧客を取りまとめたグループ単位に、標準テンプレートTに沿って「最終顧客の価値の最大化のためのシナリオ(以下「戦略シナリオ」と記述する)」を作成していく。
次に、ナレッジ蓄積のためのテンプレートについて説明する。
戦略シナリオの作成においては、何もない状態から作成するのではなく、顧客知や供給者企業内の戦略やノウハウを企業としての知恵(ナレッジ)として蓄積し、その中から選択する方が効率的であると共に多角的な見方が可能となる。このナレッジを蓄積するためのテンプレート2種類を用意した。それが、情報システムの価値連鎖マップ(以下「価値連鎖マップ」と記述する)と価値マトリックスである。
戦略シナリオの作成においては、何もない状態から作成するのではなく、顧客知や供給者企業内の戦略やノウハウを企業としての知恵(ナレッジ)として蓄積し、その中から選択する方が効率的であると共に多角的な見方が可能となる。このナレッジを蓄積するためのテンプレート2種類を用意した。それが、情報システムの価値連鎖マップ(以下「価値連鎖マップ」と記述する)と価値マトリックスである。
以下、価値連鎖マップについて説明する。
価値連鎖マップは、BSCの一般的な戦略マップに情報システムの視点を加えており、戦略顧客の経営課題と戦略を理解し、最終顧客の価値を最大化するための価値連鎖を表したモデルである。
価値連鎖マップは、BSCの一般的な戦略マップに情報システムの視点を加えており、戦略顧客の経営課題と戦略を理解し、最終顧客の価値を最大化するための価値連鎖を表したモデルである。
図8は、本発明に係る価値連鎖マップMの概略図である。この図8に示すように、価値連鎖マップMは、財務の視点V11(V21)、顧客の視点V12(V22)、内部プロセスの視点V13(V23)、そして、情報基盤の視点V14(V24)の4つ視点から戦略を体系化したものである。戦略顧客の内部プロセスの視点V13が供給者の顧客の視点V22に対応し、戦略顧客の戦略と供給者の戦略との間での価値連鎖を表している。
なお、図8に示される矢印A,B,C,Dは、図7に示される矢印A,B,C,Dに対応している。すなわち、価値連鎖マップMと標準テンプレートTとは、情報の表示態様は異なるものの、その情報源は同じである。先の説明では、価値連鎖マップMをナレッジ蓄積用のテンプレートと記載しているが、その用途はナレッジ蓄積用のテンプレートに限定されるものではなく、後述するように分析のテンプレートとして使用することもできる。
企業内の営業担当者が持つ顧客の各種情報を集め、この価値連鎖マップMに従い、体系化することにより、ターゲットとする顧客、あるいは顧客グループ(業態、業界など)の経営環境や戦略を整理する。また、定期的にブラッシュアップすることにより、供給者自身の企業内において顧客の経営課題や戦略(目的)を整理・共有することが可能となる。戦略顧客をその業態と特長により、セットメーカー、EMS、ODM、ディストリビュータのように分類し、それぞれの経営課題と戦略を整理しておくことが可能である。また、企業内に分散されたノウハウを整理し、供給者企業の強みを明確化することにより、どのような価値を創造するかという供給者自身の戦略を体系化する。このようにして、供給者の持つ顧客知と供給者自身の戦略を価値連鎖マップMに体系化・蓄積するのである。
以下、価値マトリックスについて説明する。
価値マトリックスは、価値連鎖マップに整理された供給者の戦略を組織内で具体的なアクションに展開する時に用いるテンプレートである。本テンプレートには供給者の戦略を各組織の業務レベルにまで展開し、その評価指標を定義し、企業の戦略として蓄積することができる。価値マトリックスは、長田の戦略的方針管理の方法の戦略要因マトリックスを発展させたものであり、3つの切り口の価値マトリックスを用意している。なお、価値マトリックスは、前記した要素情報格納部T10の一形態であるため、以下の説明では、価値マトリックスについても、要素情報格納部と同じ符号T10を用いて説明する。
価値マトリックスは、価値連鎖マップに整理された供給者の戦略を組織内で具体的なアクションに展開する時に用いるテンプレートである。本テンプレートには供給者の戦略を各組織の業務レベルにまで展開し、その評価指標を定義し、企業の戦略として蓄積することができる。価値マトリックスは、長田の戦略的方針管理の方法の戦略要因マトリックスを発展させたものであり、3つの切り口の価値マトリックスを用意している。なお、価値マトリックスは、前記した要素情報格納部T10の一形態であるため、以下の説明では、価値マトリックスについても、要素情報格納部と同じ符号T10を用いて説明する。
図9は、1つ目の形態の価値マトリックスT10である。この価値マトリックスT10は、供給者が戦略顧客のビジネスプロセスへ提供する価値を分析するためのテンプレートである。ここでは、戦略顧客のビジネスプロセスへ提供すべき価値とその評価指標を・Q(品質)・C(コスト)・D(量・納期)・SE(安全性・環境性)の各切り口から整理している。
図10は、2つ目の形態の価値マトリックスT10である。この価値マトリックスT10は、戦略顧客へアウトプットを提供するために供給者の重点業務を分析するためのテンプレートである。ここでは、戦略顧客へ提供する価値を創出するために供給者の各業務プロセスでの重点取り組みとその評価指標を整理している。
図11は、3つ目の形態の価値マトリックスT10である。この価値マトリックスT10は、重点業務を支援するITの要件を分析するためのテンプレートである。ここでは、供給者の各業務プロセスでの重点取り組みに対しこれを支援する情報とITの定義とその評価指標を整理している。
これら3つのテンプレートを活用し、供給者の持つ強みと戦略とを具体的なアクションと評価指標とに展開し、蓄積・共有化する。この価値マトリックスを環境変化に合わせ継続的に見直し、精度を上げることで、現場での衆知を集めたナレッジを蓄積し、戦略顧客への価値創造を推進することが可能となる。
図12は、本発明に係る戦略策定支援装置の動作を示すフローチャートである。
以下、具体的な手順をテンプレートの使用方法に沿って説明する。
以下、具体的な手順をテンプレートの使用方法に沿って説明する。
まず、戦略顧客の経営課題を把握する(S1)。すなわち、標準テンプレートTの矢印Aに対応する関係マトリックスTAを作成する。
ここでは、前述の価値連鎖マップを分析のテンプレートとして使用する。図13は、一般的な価値連鎖マップMまたは供給者が事前に用意した業界・業態ごとの価値連鎖マップMの外観図である。このような価値連鎖マップMをテンプレートとして、顧客の経営環境、経営課題を整理し、戦略顧客の価値連鎖マップMを作成する。その整理のポイントを以下に述べる。
『最終顧客の視点V12』では、戦略顧客の先の最終顧客は誰か、その最終顧客が望むものは何か、戦略顧客が最終顧客に提供しようとしている価値は何かを明確にする。『内部プロセスの視点V13』では、最終顧客への価値提供のための戦略顧客の重点取り組みはなにか、また、評価指標はなにかを明確にする。『IT基盤の視点V14』では、その取り組みを支援するためにどのようなIT基盤を使っているかを明確にする。これらの各視点から最終顧客への提供価値とそのための戦略顧客の重点取り組みを明確にし、関係マトリックスTAを作成する。
図14は、標準テンプレートTを使用して作成された戦略シナリオの具体例を示す図である。この図14では、最終顧客に提供すべき価値が「3年後のライフスタイルを提案する画期的な製品」である場合は、戦略顧客が重点的に取り組むべき業務が「魅力的な製品の研究・開発」であることを表している。
前記価値情報「3年後のライフスタイルを提案する画期的な製品」と、前記戦略顧客業務情報「魅力的な製品の研究・開発」とが関係しているか否かは、関係マトリックスTA中、両項目に該当する欄に黒丸Pが表記されているか否かで判別される。黒丸Pの存否は、前記関係情報格納部T20(ここでは関係情報格納部T21)に格納されている情報によって決定される。黒丸Pを登録又は削除する方法については後述する。
S1で明確にした戦略顧客への重点取り組みに対し、供給者としてどのような価値を提供すべきか、またその価値を創出するためにどのような業務を行うか、そしてそのために必要な情報、ITは何かをS2からS4で整理する。その際用いるテンプレートは、供給者の戦略を表現する価値連鎖マップとこれを組織機能まで詳細展開した価値マトリックスであり、これらは、供給者の企業内での戦略と具体的な実行シナリオとして情報を整理・蓄積しておくものである。
図15は、供給者の戦略を表現する価値連鎖マップMの一例である。この図15に示されるように、供給者の戦略全体像を表す価値連鎖マップMは、『戦略顧客の視点V21』『内部プロセスの視点V22』『IT基盤の視点V23』の各視点から、供給者の重点取り組みとその評価指標を整理している。このように作成された全体を表す価値連鎖マップMをもとに、価値マトリックスを用いて、戦略を組織内での具体的なアクションに展開していく(S2からS4)。
まず、戦略顧客へ提供する価値を明確化する(S2)。すなわち、標準テンプレートTの矢印Bに対応する関係マトリックスTBを作成する。具体的には、S1で明確にされた顧客の重点取り組みを、供給者の戦略である価値連鎖マップと対比して、供給者が戦略顧客に提供すべき価値を特定する。そして、その価値提供を実現するためのアウトプットを図16の価値マトリックスの中から選択する。
図16は、本ステップS2において使用される価値マトリックスT10を示す図である。この価値マトリックスT10では、顧客のビジネスプロセスへ提供すべきアウトプットを、Q,C,D,SEの視点で列挙している。行(顧客プロセス)と列(Q,C,D,SEの視点)の交点に顧客ビジネスプロセスに提供する価値とそのために供給者が提供すべきアウトプットを示している。Qの視点を例に説明すると、戦略顧客の設計開発プロセスに対する提供価値は「設計品質向上」であり、供給者から提供すべきアウトプットは「デバイス特性データ」「信頼性データ」などである。
この価値マトリックスT10の中から、S1で明確にされた戦略顧客の重点取り組みに対して提供すべき価値とアウトプットを選択する。このように選択した内容を標準テンプレートの形式で整理すると、関係マトリックスTBが作成される。図14では、戦略顧客が重点的に取り組むべき業務が「ライフスタイル提案」である場合は、戦略顧客へのアウトプットが「デバイス開発トレンド」であることを表している。
次いで、戦略顧客の価値を創出するビジネスプロセスを明確化する(S3)。すなわち、標準テンプレートTの矢印Cに対応する関係マトリックスTCを作成する。
図17は、本ステップS3において使用される価値マトリックスT10を示す図である。この価値マトリックスT10では、戦略顧客に供給者が提供するアウトプットを創出するための供給者の各業務プロセスでの重点取り組みとそれぞれの評価指標を列挙している。
すなわち、戦略顧客へのアウトプット創出のために、供給者の各業務プロセスで実行すべき事柄をマトリックス中に表現している。例えば、戦略顧客へデバイス仕様情報を提供することによって顧客の設計品質を向上させるという価値を実現するために、供給者側の設計開発部門においては、設計技術情報の整備をすることと顧客技術者が欲しい情報とそのタイミングとを特定することが重点業務となる。
S2で決定した“供給者が戦略顧客に提供すべきアウトプット”をもとに、供給者における各ビジネスプロセスでの重点取り組みをこの中から選択する。このように選択した内容を標準テンプレートの形式で整理すると、関係マトリックスTCが作成される。図14では、戦略顧客へのアウトプットが「デバイス開発トレンド」である場合は、供給者が重点的に取り組むべき業務が「技術トレンドの把握」であることを表している。
次いで、ビジネスプロセスを支援する情報とIT要件を明確化する(S4)。すなわち、標準テンプレートTの矢印Dに対応する関係マトリックスTDを作成する。
図18は、本ステップS4において使用される価値マトリックスT10を示す図である。この価値マトリックスT10では、顧客へのアウトプット創出の創造のための供給者の重点取り組みを実現するための、各業務プロセスで支援する情報とIT要件を列挙している。例えば、供給者設計開発部門における重点業務である設計技術情報の整備を実現するためには、設計技術情報管理システムとの連携機能や顧客への情報提供システム、鮮度管理、セキュリティ確保などのIT機能が必要となる。
S3で決定した“供給者の重点取り組み”をもとに、必要な情報とIT要件をこの中から選択する。このように選択した内容を標準テンプレートの形式で整理すると、関係マトリックスTDが作成される。図14では、供給者が重点的に取り組むべき業務が「技術トレンドの把握」である場合は、各業務プロセスで支援する情報とIT要件が「デバイス技術情報の蓄積と活用基盤」であることを表している。
以上の手順により、図14に示されるように、戦略顧客の経営課題と戦略を起点にして、供給者のIT要件までの価値連鎖を明確にした戦略シナリオとその評価指標が完成する。手順をまとめると以下のようになる。
(1) 戦略顧客の経営課題を把握し、供給者から戦略顧客へ提供する価値を明らかにする。
(2) 価値を創出するビジネスプロセスを決め、さらにそのビジネスプロセスを支援する情報とIT要件を明確にする。
(3) それぞれで、評価指標と目標値を設定する。
(1) 戦略顧客の経営課題を把握し、供給者から戦略顧客へ提供する価値を明らかにする。
(2) 価値を創出するビジネスプロセスを決め、さらにそのビジネスプロセスを支援する情報とIT要件を明確にする。
(3) それぞれで、評価指標と目標値を設定する。
このようにして企画段階で経営成果までを作り込むのである。そして、この戦略シナリオに基づいて情報システムを構築し、新たなビジネスプロセスを運用する。そして、経営成果創出の活動では、企画時に設定した評価指標を定期的に測定することにより、戦略シナリオの遂行状態をチェックし、目標との差を明確にし、目標達成に向け改善を行っていく。
図19は、登録画面の一例を示す図である。以下、この図19を用いて、要素情報の登録動作について説明する。なお、要素情報を登録するには、要素情報格納部(価値マトリックス)T10の内容を直接編集するという方法をとることもできる。しかしながら、新たに要素情報の全てを登録するよりも、それに類似している既存の要素情報を編集した方が簡便であるため、ここでは、その編集動作について説明する。
まず、ユーザが、画面右上に表示されているボタンB1を指定部30を用いて指定すると(例えばマウスでクリックすると)、特定部20は、マスター情報格納部T30のパターン名フィールドに格納されている情報を読み出して加工部11に渡し、加工部11は、特定部20から渡された情報を加工して表示部10に渡す。これによって、図19に示されるように、表示部10には、「業界A」「業界B」「顧客1」「顧客2」「全て」などの顧客カテゴリーがプルダウンメニューとして表示される。
次いで、ユーザが、このプルダウンメニューの中から例えば「顧客1」を指定部30を用いて指定すると、特定部20は、顧客1用のマスター情報格納部T30を参照して、選択パターンフィールドに格納されている情報を特定する。ここでは、図6に示されるように、選択パターンとして「C−0001」が特定されることになる。
次いで、特定部20は、選択パターンが「C−0001」である関係情報格納部T20を特定し、この関係情報格納部T20に格納されている上位IDと下位IDとを特定する。ここでは、図5に示されるように、上位IDとして「02−02−003」が、また下位IDとして「01−01−001」が特定されることになる。
次いで、特定部20は、IDが「02−02−003」である要素情報格納部T10を特定するとともに、IDが「01−01−001」である要素情報格納部T10を特定し、これら要素情報格納部T10に格納されている情報を加工部11に渡す。
これによって、加工部11は、特定部20から渡された情報を加工して関係マトリックスTA用の表示データを作成する。具体的には、IDが「01−01−001」である要素情報格納部T10に格納されている情報を「(1)最終顧客への提供価値」の欄に表記する。また、IDが「02−02−003」である要素情報格納部T10に格納されている情報を「(2)戦略顧客重点取り組み」の欄に表記する。さらに、IDが「01−01−001」である要素情報格納部T10に格納されていた情報と、IDが「02−02−003」である要素情報格納部T10に格納されていた情報とが関係していることを示す黒丸Pを関係マトリックスTA中の該当する位置に付す。
加工部11は、関係マトリックスTB、TC、TDについても、関係マトリックスTAと同様に表示データを作成して、これら表示データを表示部10に渡す。この結果、表示部10には、図19に示されるように、関係マトリックスTA、TB、TC、TDからなる顧客1用の戦略シナリオが表示されることになる。
この状態では、(1)最終顧客への提供価値、(2)戦略顧客の重点取り組み、(3)戦略顧客へのアウトプット、(4)供給者業務プロセス、(5)供給者業務プロセスを支援する情報・情報システムの各欄には、顧客1用の要素情報が表示されている。そこで、目的の顧客用に要素情報の内容を編集したい場合は、例えば、編集したい欄上の領域を指定部30を用いて指定する。
図20は、(2)戦略顧客の重点取り組みの欄上の領域を指定した場合に表示される画面例を表した図である。また、図21は、(3)戦略顧客へのアウトプットの欄上の領域を指定した場合に表示される画面例を表した図である。これら画面W内の情報が編集されると、編集部40によって、その内容が要素情報格納部T10に反映される。
一方、黒丸Pが新たに登録されたり、黒丸Pの位置が変更されたりすると、編集部40によって、その内容が関係情報格納部T20に反映される。なお、関係情報を編集するには、関係情報格納部T20の内容を直接編集してもよいのはいうまでもない。また、黒丸Pの登録位置や変更位置を特定する方法としては、指定部30を用いて所望の位置を指定する方法など一般的な方法を採用すればよく、特に限定されるものではない。
図22は、検索画面の一例を示す図である。ボタンB2を指定すると、前記登録動作の場合と同様、「業界A」「業界B」「顧客1」「顧客2」「全て」などの顧客カテゴリーがプルダウンメニューとして表示される。このプルダウンメニューの中から例えば「顧客1」を指定すると、顧客1用の価値連鎖マップが表示される。
図23も、検索画面の一例を示す図である。図22では、価値連鎖マップ方式の検索画面を例示したが、この図23に示されるように、戦略シナリオ方式の検索画面からも同様の検索をすることができる。ここでは、検索メニューボタンB3を指定すると、各種検索機能(KNOW WHO 検索、カテゴリー検索、キーワード検索、前文検索)のうち所望の検索機能を選択することができる。
以下、本発明に係る戦略策定支援装置の機能を更に詳しく説明する。
まず、図24は、標準テンプレートの構成を示す図である。この図24に示すように、標準テンプレートTは、5つの要素欄X1、X2、X3、X4、X5と、4つの関係マトリックスTA、TB、TC、TDとを備えている。前記の説明から明らかなように、要素欄X1、X2、X3、X4、X5は、要素情報を表記するための欄であり、また、関係マトリックスTA、TB、TC、TDは、関係情報を表記するためのマトリックスである。
まず、図24は、標準テンプレートの構成を示す図である。この図24に示すように、標準テンプレートTは、5つの要素欄X1、X2、X3、X4、X5と、4つの関係マトリックスTA、TB、TC、TDとを備えている。前記の説明から明らかなように、要素欄X1、X2、X3、X4、X5は、要素情報を表記するための欄であり、また、関係マトリックスTA、TB、TC、TDは、関係情報を表記するためのマトリックスである。
図25は、本発明に係る戦略策定支援装置の要部の機能ブロック図である。以下、図3で説明した編集部40とファイル装置106と特定部20と加工部11について、更に詳しく説明する。
この図25に示すように、編集部40は、要素情報編集部41と関係情報編集部42とマスター情報編集部43とを備えている。ファイル装置106は、要素情報格納部T10と関係情報格納部T20とマスター情報格納部T30と標準テンプレート格納部T40とを備えている。特定部20は、要素情報特定部21と関係情報特定部22とマスター情報特定部23とを備えている。加工部11は、要素欄加工部11aと関係マトリックス加工部11bとを備えている。
要素情報編集部41は、要素情報格納部T10に格納されている要素情報を編集する。関係情報編集部42は、関係情報格納部T20に格納されている関係情報を編集する。マスター情報編集部43は、マスター情報格納部T30に格納されているマスター情報を編集する。
要素情報格納部T10については図4で、関係情報格納部T20については図5で、マスター情報格納部T30については図6で説明した通りであるため、ここでは説明を省略する。標準テンプレート格納部T40は、加工前(白紙)の標準テンプレートTを格納している。
要素情報特定部21は、要素情報格納部T10の中の要素情報を特定する。関係情報特定部22は、関係情報格納部T20の中の関係情報を特定する。マスター情報特定部23は、マスター情報格納部T30の中のマスター情報を特定する。
要素欄加工部11aは、要素情報特定部21によって特定された要素情報を用いて標準テンプレートTの要素欄X1〜X5を加工する。関係マトリックス加工部11bは、関係情報特定部22によって特定された関係情報を用いて、関係マトリックスTA〜TDを加工する。
ここで、編集部40の機能を編集動作とともに説明する。
まず、ユーザが指定部30を用いて要素情報を入力すると、この要素情報は、要素情報編集部41に受け付けられて、この要素情報編集部41によって要素情報格納部T10に格納される。もっとも、新たに要素情報を登録するのではなく既存の要素情報を編集する場合は、図20に示したように画面Wが表示されることになるので、この画面W内の情報が編集されると、要素情報編集部41によってその内容が要素情報格納部T10に反映されることになる。
まず、ユーザが指定部30を用いて要素情報を入力すると、この要素情報は、要素情報編集部41に受け付けられて、この要素情報編集部41によって要素情報格納部T10に格納される。もっとも、新たに要素情報を登録するのではなく既存の要素情報を編集する場合は、図20に示したように画面Wが表示されることになるので、この画面W内の情報が編集されると、要素情報編集部41によってその内容が要素情報格納部T10に反映されることになる。
関係情報を編集する動作、マスター情報を編集する動作は、要素情報を編集する動作と基本的には同じである。すなわち、ユーザが指定部30を用いて関係情報を入力すると、この関係情報は、関係情報編集部42に受け付けられて、この関係情報編集部42によって関係情報格納部T20に格納される。また、ユーザが指定部30を用いてマスター情報を入力すると、このマスター情報は、マスター情報編集部43に受け付けられて、このマスター情報編集部43によってマスター情報格納部T30に格納される。新たに関係情報やマスター情報を登録するのではなく既存の関係情報やマスター情報を編集する場合に、図20に示したような画面Wが表示される点も、前記要素情報の場合と同じである。
次に、特定部20と加工部11の機能を検索動作とともに説明する。
図26は、標準テンプレートTが加工される様子を示す図である。
図26は、標準テンプレートTが加工される様子を示す図である。
初期状態では、図26(A)に示すように、加工前の標準テンプレートTが標準テンプレート格納部T40に格納されている。この状態で、ユーザが前記プルダウンメニューの中から「顧客1」を指定すると、マスター情報特定部23は、マスター情報格納部T30から顧客1用のマスター情報23aを特定して関係情報格納部22に渡す。
これによって、関係情報特定部22は、前記マスター情報23aに基づいて関係情報格納部T20を検索し、該当する関係情報22aを特定する。そして、このように特定した関係情報22aを要素情報特定部21と関係マトリックス加工部11bに渡す。
これによって、要素情報特定部21は、前記関係情報22aに基づいて要素情報格納部T10を検索し、該当する要素情報21aを特定する。そして、このように特定した要素情報21aを要素軸加工部11aに渡す。
一方、関係マトリックス加工部11bは、標準テンプレート格納部T40から加工前の標準テンプレートTを読み出す。そして、図26(B)に示すように、前記関係情報22aに基づいて、この標準テンプレートTの関係マトリックスTA〜TD中に黒丸Pを表記する。例えば、要素情報「3年後のライフスタイルを提案する画期的な製品」と、要素情報「魅力的な製品の研究・開発」とが関係している場合は、図14に示したように、両項目に該当する欄に黒丸Pを表記することになる。ここでいう「両項目に該当する欄の位置」は、前記関係情報22aに含まれる「上位ID」と「下位ID」とによって特定することができる。
次いで、要素欄加工部11aは、図26(C)に示すように、黒丸Pが表記された標準テンプレートTの要素欄X1〜X5に前記要素情報21aを表記する。要素情報が要素欄X1〜X5のうちのどの欄に表記されるかは、その要素情報の種別による。
すなわち、第1の要素情報格納部T11に格納されていた要素情報(例えば「3年後のライフスタイルを提案する画期的な製品」)は、要素欄X1に表記される。また、弟2の要素情報格納部T12に格納されていた要素情報(例えば「魅力的な製品の研究・開発」)は、要素欄X2に表記される。また、第3の要素情報格納部T13に格納されていた要素情報(例えば「デバイス開発トレンド」)は、要素欄X3に表記される。また、第4の要素情報格納部T14に格納されていた要素情報(例えば「技術トレンド把握」)は、要素欄X4に表記される。また、第5の要素情報格納部T15に格納されていた要素情報(例えば「顧客への情報提供基盤の提供」)は、要素欄X5に表記される。
この結果、図26(C)に示すように、5つの要素欄X1、X2、X3、X4、X5に要素情報が表記され、また、4つの関係マトリックスTA、TB、TC、TDに関係情報が表記された標準テンプレートTが作成されることになる。
なお、前記の説明では、関係マトリックスを加工した後に、要素欄を加工することとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、関係マトリックスと要素欄とを加工する順番は特に限定されるものではない。
以上の説明から明らかなように、本発明に係る戦略策定支援装置によれば、戦略顧客ごとに経営環境と課題が把握され、供給者が提供すべきアウトプットと業務プロセスが特定され、業務プロセスを支援すべき要件(システムで提供すべき商品情報などのコンテンツや、支援するITの機能要件など)が明確になるので、最終顧客に提供する価値を最大化することができる。
なお、前記の説明では、供給者と戦略顧客(一次顧客)の2社が連携することを前提に説明したが、戦略顧客の数は特に限定されるものではない。図27は、供給者と一次顧客と二次顧客とが連携する場合の戦略シナリオの概要を示す図である。また、図28は、供給者と一次顧客と二次顧客とが連携する場合の価値連鎖マップの概要を示す図である。
このように3社が連携する場合は、図27に示されるように、(1)〜(7)までの7つの要素欄を設けることになり、それぞれの要素欄の間に6つの関係マトリックスTA〜TFを設けることになる。すなわち、図28に示されるように、供給者の顧客の視点V32が一次顧客の内部プロセルの視点V23に対応することになり、一次顧客の顧客の視点V22が二次顧客の内部プロセスの視点V13に対応することになる。4社以上が連携する場合も、これと同様の原理であるため、ここでは詳しい説明を省略する。
図29は、供給者と一次顧客と二次顧客とが連携する場合の動作を示すフローチャートである。この図29に示されるように、供給者と一次顧客と二次顧客とが連携する場合は、二次顧客の経営課題を把握し(S11)、二次顧客へ提供する価値を明確化し(S12)、二次顧客の価値を創出するビジネスプロセスを明確化し(S13)、一次顧客へ提供する価値を明確化し(S14)、一次顧客の価値を創出するビジネスプロセスを明確化し(S15)、ビジネスプロセスを支援する情報とIT要件を明確化する(S16)。これら各ステップは、図12の2社が連携する場合と基本的に同じであるため、ここでは詳しい説明を省略する。
また、前記の説明では、「戦略顧客」という文言を用いているが、この戦略顧客は、最終顧客への価値提供の最大化という戦略を供給者と共有する立場にあればよく、企業の形態など、それ以外の条件に依存するものではない。例えば、「層別した顧客グループ」も「戦略顧客」に含まれる。
さらに、図12のS1の説明では、テンプレートとしては価値連鎖マップのみを使用することとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、図12のS1においても、図12のS2からS4と同様、価値連鎖マップと価値マトリックスとをテンプレートとして使用してもよい。
次に、本発明を適用した情報システムを例示して、その有効性を説明する。
戦略顧客との情報共有とコラボレーションの促進とを支援する情報システムの構築に際し、その企画方法と経営成果創出の方法として本方法を適用した。具体的には、以下の2種類の情報システムを企画する際に、本方法を適用した。
(1)販売店向けWebシステム
この販売店向けWebシステムは、戦略顧客である販売店との商品情報、顧客情報の共有とコラボレーションを支援するWebシステムである。
(2)顧客向けWebシステム
この顧客向けWebシステムは、顧客に対し、設計支援・部品調達支援のために技術情報を提供するWebシステムである。
戦略顧客との情報共有とコラボレーションの促進とを支援する情報システムの構築に際し、その企画方法と経営成果創出の方法として本方法を適用した。具体的には、以下の2種類の情報システムを企画する際に、本方法を適用した。
(1)販売店向けWebシステム
この販売店向けWebシステムは、戦略顧客である販売店との商品情報、顧客情報の共有とコラボレーションを支援するWebシステムである。
(2)顧客向けWebシステム
この顧客向けWebシステムは、顧客に対し、設計支援・部品調達支援のために技術情報を提供するWebシステムである。
本方法の適用内容は以下の通りである。
(1)システム機能、必要なコンテンツの設計
本方法を使い、戦略顧客または層別した顧客グループごとに経営環境と課題を把握し、供給者が提供すべきアウトプットを明確にし、システムで提供すべき商品情報などのコンテンツと支援するITの機能要件を明確にした。
(2)継続的な活用促進に向けたコンテンツ維持管理体制の確立
必要なコンテンツを顧客に提供する目的、戦略顧客の業務プロセスへ提供する価値を本方法で体系化し、明確にすることにより、戦略顧客に提供するコンテンツを継続的に維持運用する体制、運用方法を確立した。
(3)評価指標の決定と定期的測定と改善
本方法により作成された最終顧客の価値の最大化への業務シナリオに基づき設定された評価指標を定期的に測定し、継続的に価値を提供できるように、業務プロセスと情報システムの改善を行った。
(1)システム機能、必要なコンテンツの設計
本方法を使い、戦略顧客または層別した顧客グループごとに経営環境と課題を把握し、供給者が提供すべきアウトプットを明確にし、システムで提供すべき商品情報などのコンテンツと支援するITの機能要件を明確にした。
(2)継続的な活用促進に向けたコンテンツ維持管理体制の確立
必要なコンテンツを顧客に提供する目的、戦略顧客の業務プロセスへ提供する価値を本方法で体系化し、明確にすることにより、戦略顧客に提供するコンテンツを継続的に維持運用する体制、運用方法を確立した。
(3)評価指標の決定と定期的測定と改善
本方法により作成された最終顧客の価値の最大化への業務シナリオに基づき設定された評価指標を定期的に測定し、継続的に価値を提供できるように、業務プロセスと情報システムの改善を行った。
本方法を適用した結果、以下の有効性を検証した。
すなわち、戦略顧客への情報公開、コラボレーション促進という経営貢献度のわかりにくい取り組み(システム)において経営貢献シナリオを明確にし、社内業務プロセスと戦略顧客への提供価値との関係を明確にすることにより、戦略顧客との価値連鎖の中での各業務の位置づけが明確になるという効果が得られた。また、商品情報コンテンツ作成の業務など、成果測定が難しい業務についても社内コンセンサスを得やすいという効果が得られた。また、顧客戦略や顧客へ提供する価値の明確化により、顧客知を社内で共有、資産化できるという効果が得られた。また、各部門に分散している情報(顧客情報・戦略情報・商品情報・業務プロセス)をテンプレート整備の過程で体系的にマッピングすることにより、社内知の資産化という効果が得られた。
すなわち、戦略顧客への情報公開、コラボレーション促進という経営貢献度のわかりにくい取り組み(システム)において経営貢献シナリオを明確にし、社内業務プロセスと戦略顧客への提供価値との関係を明確にすることにより、戦略顧客との価値連鎖の中での各業務の位置づけが明確になるという効果が得られた。また、商品情報コンテンツ作成の業務など、成果測定が難しい業務についても社内コンセンサスを得やすいという効果が得られた。また、顧客戦略や顧客へ提供する価値の明確化により、顧客知を社内で共有、資産化できるという効果が得られた。また、各部門に分散している情報(顧客情報・戦略情報・商品情報・業務プロセス)をテンプレート整備の過程で体系的にマッピングすることにより、社内知の資産化という効果が得られた。
以上のように、企業における情報システムの進化についてその目的を切り口に分類・整理し考察を行った。そして、今後期待される情報システムの構築にかかわる、既存の方法の問題点を明確にした。さらに、それらを解決するための新しい企画方法の提案を行った。また、その際に活用できる各種テンプレートを提案した。そして、実際に情報システムの企画段階に適用し、その有効性の確認を行った。この方法およびテンプレートを用いることで、情報システムの企画の精度が高まり、戦略顧客とのコラボレーション促進という成果に結びつく。また、企画の時点で、評価指標が明確に決定されるので、情報システムの企画時にこれを用いることで、企業における情報化投資の効果測定が、容易になると考えられる。
本発明に係る戦略策定支援装置は、最終顧客に提供する価値を最大化するための戦略の策定を支援することができるという効果を有し、情報システムの企画を支援する企画支援装置等として有用である。
10 表示部
11 加工部
20 特定部
30 指定部
40 編集部
T10 要素情報格納部
T20 関係情報格納部
T30 マスター情報格納部
11 加工部
20 特定部
30 指定部
40 編集部
T10 要素情報格納部
T20 関係情報格納部
T30 マスター情報格納部
Claims (8)
- 供給者によって生産された生産財が1以上の戦略顧客を介して一般消費者である最終顧客に供給される場合に、前記最終顧客に提供する価値を最大化するための戦略の策定を支援する装置であって、
前記最終顧客に提供すべき価値に関する情報である価値情報、前記戦略顧客が重点的に取り組むべき業務に関する情報である戦略顧客業務情報、前記供給者が前記戦略顧客に提供すべき物に関する情報である提供情報、前記供給者が重点的に取り組むべき業務に関する情報である供給者業務情報、及び前記供給者側に構築すべき基盤に関する情報である基盤情報を格納する要素情報格納手段と、
前記価値情報と前記戦略顧客業務情報との関係、前記戦略顧客業務情報と前記提供情報との関係、前記提供情報と前記供給者業務情報の関係、及び前記供給者業務情報と前記基盤情報との関係を示す情報を格納する関係情報格納手段と、
前記関係情報格納手段に格納されている情報を参照することによって、相互に関係する前記価値情報、前記戦略顧客業務情報、前記提供情報、前記供給者業務情報、前記基盤情報を特定する特定手段と
を備えることを特徴とする戦略策定支援装置。 - 前記戦略策定支援装置は、さらに、
顧客カテゴリーを指定するための指定手段を備え、
前記特定手段は、前記指定手段によって指定された顧客カテゴリーに関係する価値情報と、該価値情報に関係する戦略顧客業務情報と、該戦略顧客業務情報に関係する提供情報と、該提供情報に関係する供給者業務情報と、該供給者業務情報に関係する基盤情報とを特定する
ことを特徴とする請求項1記載の戦略策定支援装置。 - 前記戦略策定支援装置は、さらに、
前記特定手段によって特定された情報を加工する加工手段と、
前記加工手段によって加工された情報を表示する表示手段と
を備えることを特徴とする請求項1記載の戦略策定支援装置。 - 前記加工手段は、前記特定手段によって特定された情報を、戦略顧客の「内部プロセスの視点」を供給者の「顧客の視点」に対応させたバランスト・スコアカードの態様に加工する
ことを特徴とする請求項3記載の戦略策定支援装置。 - 前記加工手段は、前記特定手段によって特定された情報を、前記価値情報と前記戦略顧客業務情報との関係を表した第1の関係マトリックスと、前記戦略顧客業務情報と前記提供情報との関係を表した第2の関係マトリックスと、前記提供情報と前記供給者業務情報との関係を表した第3の関係マトリックスと、前記供給者業務情報と前記基盤情報との関係を表した第4の関係マトリックスに分類して表記する
ことを特徴とする請求項3記載の戦略策定支援装置。 - 前記戦略策定支援装置は、さらに、
前記第1から第4の関係マトリックス内の領域を指定する指定手段と、
前記関係情報格納手段に格納されている情報のうち、前記指定手段によって指定された領域に対応する情報を編集する編集手段と
を備えることを特徴とする請求項5記載の戦略策定支援装置。 - 供給者によって生産された生産財が1以上の戦略顧客を介して一般消費者である最終顧客に供給される場合に、前記最終顧客に提供する価値を最大化するための戦略の策定を支援する方法であって、
前記最終顧客に提供すべき価値に関する情報である価値情報、前記戦略顧客が重点的に取り組むべき業務に関する情報である戦略顧客業務情報、前記供給者が前記戦略顧客に提供すべき物に関する情報である提供情報、前記供給者が重点的に取り組むべき業務に関する情報である供給者業務情報、及び前記供給者側に構築すべき基盤に関する情報である基盤情報を格納する要素情報格納ステップと、
前記価値情報と前記戦略顧客業務情報との関係、前記戦略顧客業務情報と前記提供情報との関係、前記提供情報と前記供給者業務情報の関係、及び前記供給者業務情報と前記基盤情報との関係を示す情報を格納する関係情報格納ステップと、
前記関係情報格納ステップにおいて格納された情報を参照することによって、相互に関係する前記価値情報、前記戦略顧客業務情報、前記提供情報、前記供給者業務情報、前記基盤情報を特定する特定ステップと
を含むことを特徴とする戦略策定支援方法。 - 供給者によって生産された生産財が1以上の戦略顧客を介して一般消費者である最終顧客に供給される場合に、前記最終顧客に提供する価値を最大化するための戦略の策定を支援するためのプログラムであって、
請求項7記載の方法に含まれるステップをコンピュータに実行させる
ことを特徴とするプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005020361A JP2006209444A (ja) | 2005-01-27 | 2005-01-27 | 戦略策定支援装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005020361A JP2006209444A (ja) | 2005-01-27 | 2005-01-27 | 戦略策定支援装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005020361A Pending JP2006209444A (ja) | 2005-01-27 | 2005-01-27 | 戦略策定支援装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2006209444A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009020712A (ja) * | 2007-07-12 | 2009-01-29 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | 事業策定支援方法、事業策定支援システムおよび事業策定支援プログラム |
JP2010256949A (ja) * | 2009-04-21 | 2010-11-11 | Nec Corp | ステークホルダ抽出・管理装置、方法、プログラム |
JP2015176392A (ja) * | 2014-03-17 | 2015-10-05 | 株式会社 永田会計 | 経営サポート装置及び経営サポートプログラム |
-
2005
- 2005-01-27 JP JP2005020361A patent/JP2006209444A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009020712A (ja) * | 2007-07-12 | 2009-01-29 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | 事業策定支援方法、事業策定支援システムおよび事業策定支援プログラム |
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