JP2006199170A - 脱線防止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高速走行時においても車体とレールとの間に大きな吸引力を発生することができる脱線防止装置を提供する。
【解決手段】 この脱線防止装置は、鉄道車両においてレール21、22に対向する位置に配置され、磁芯1と該磁芯に形成された溝に巻かれた少なくとも1つの巻線2とを含み、少なくとも1つの巻線に電流が供給されたときに、レールに対向する面においてレールの長手方向と直交する方向にN極とS極とが並んだ磁界を発生させる電磁変換部11、12と、電磁変換部の少なくとも1つの巻線に直流電流を供給することにより、電磁変換部にレールに対する吸引力を発生させる駆動手段とを具備する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、鉄道車両と軌条レールとの間に電磁結合による吸引力を発生させて、地震や横風時に鉄道車両の脱線や転覆を未然に防止するための脱線防止装置に関する。また、本発明は、軌条レールをリアクションプレートとして用いる渦電流ブレーキ装置と兼用することができる脱線防止装置に関する。さらに、本発明は、鉄道車両と軌条レールとの間のギャップ長が拡大したこと、又は、鉄道車両と軌条レールとが相対横ずれを起こしたことを検知し、さらには鉄道車両の脱線を検知する脱線検知装置と兼用することができる脱線防止装置に関する。
高速で走行中の鉄道車両が強い地震や横風等にさらされると、車輪がレールから浮き上がってしまい、脱線や転覆のおそれが生じる。特に、強震時において、鉄道車両が左右方向に0.5Hz〜1Hz程度の周波数で加振された場合に、脱線する危険性が指摘されている。鉄道車両の車輪がレールから一旦浮上すると、車輪とレールとの間に働く力はゼロとなり、復元力が不足して脱線に到る可能性が有る。そこで、電磁石を用いて車体をレールに継続的に吸引し続けることによって、鉄道車両の脱線や転覆を未然に防止する脱線防止装置が開発されている。
関連する技術として、下記の特許文献1には、電磁力による鉄道車両用脱線事故防止装置が開示されている。この脱線事故防止装置は、レールの上を走行中の列車(鉄道車両)が、例えば、地震等による異常外力を受けて脱線の危険性がある場合に、レールに近い車体構造の一部を構成する電磁石装置を作動させて、車体をレールに吸引することによって、列車の浮き上がり現象を抑えると同時に、併せて作用する制動効果をも利用する。しかしながら、特許文献1の第2図を参照すると、この電磁石装置は、一方の極をレール側に向けているものの、他方の極をレールと反対側に向けているので、空気中又は車体の一部を介する長い磁路が形成されることになり、車体とレールとの間に大きな吸引力を発生させることは期待できない。
また、下記の特許文献2には、レール頭頂面の損傷を来たすことなく、車輪粘着係数の増加や脱線係数の低減を実現することができる鉄道車両用輪重制御装置及び方法が開示されている。これによれば、台車の前後の軸箱間に非磁性材からなる釣合梁が架設されており、釣合梁の中央部には、支持部材を介して電磁石が配置されている。非通電時に、電磁石がばねに引き上げられている状態においては、支持部材の内孔上端面と釣合梁との間に隙間が存在する。この隙間は、非通電時における電磁石の下端面とレール頭頂面との間の間隔よりも小さい。通電時に電磁石とレールとの間に吸引力が生じると、支持部材が釣合梁に当たり、釣合梁の両端部が軸箱を下げる。この力が車輪の輪重に付加され、車輪のレールへの見かけの粘着係数が大きくなる。特許文献2の図5を参照すると、この電磁石は、レールの長手方向に沿って2つの極を有しているが、後で詳しく説明するように、高速走行時において吸引力が大幅に低下してしまうという問題が存在する。
ところで、鉄道車両を加速又は減速させるために、軌条レールをリアクションプレートとして用いる渦電流ブレーキ装置が開発されている。渦電流ブレーキにおいては、軌条レールに対向するようにして台車に取り付けられた電機子が用いられる。電機子から軌条レールに磁界を印加することによって、鉄道車両にブレーキ力を発生させることができる。そこで、このような渦電流ブレーキ装置としての機能を併せ持つ脱線防止装置を実現することができれば、非常に利用価値が高い。
さらに、鉄道車両において、脱線による事故の拡大を防ぐために、迅速に脱線を検知することが望まれている。そこで、鉄道車両と軌条レールとの間のギャップ長が拡大したこと、又は、鉄道車両と軌条レールとが相対横ずれを起こしたことを検知し、さらには鉄道車両の脱線を検知する脱線検知装置としての機能を併せ持つ脱線防止装置を実現することができれば、非常に利用価値が高い。
特開昭55−36145号公報(第1−2頁、第2図) 特開2003−25992号公報(第1頁、図5)
本発明は、このような点に鑑みてなされた。本発明の第1の目的は、高速走行時においても車体とレールとの間に大きな吸引力を発生することができる脱線防止装置を提供することである。また、本発明の第2の目的は、渦電流ブレーキ装置としての機能を併せ持つ脱線防止装置を提供することである。さらに、本発明の第3の目的は、脱線検知装置としての機能を併せ持つ脱線防止装置を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点に係る脱線防止装置は、鉄道車両においてレールに対向する位置に配置され、磁芯と該磁芯に形成された溝に巻かれた少なくとも1つの巻線とを含み、少なくとも1つの巻線に電流が供給されたときに、レールに対向する面においてレールの長手方向と直交する方向にN極とS極とが並んだ磁界を発生させる電磁変換部と、電磁変換部の少なくとも1つの巻線に直流電流を供給することにより、電磁変換部にレールに対する吸引力を発生させる駆動手段とを具備する。
また、本発明の第2の観点に係る脱線防止装置は、鉄道車両においてレールに対向する位置に配置され、磁芯と該磁芯に形成された溝に巻かれた複数の巻線とを含み、複数の巻線に電流が供給されたときに、レールに対向する複数の位置に極を有する磁界を発生させる電磁変換部と、電磁変換部の複数の巻線に直流電流を供給する駆動手段と、レールの長手方向に沿って1つの列に複数のN極が並び、かつ、他の列に複数のS極が並ぶように電磁変換部の複数の巻線に直流電流を供給するか、又は、レールの長手方向に沿ってN極とS極とが交互に並ぶように電磁変換部の複数の巻線に直流電流を供給するかを選択することにより、電磁変換部にレールに対する吸引力又はブレーキ力を選択的に発生させる選択手段とを具備する。
さらに、本発明の第3の観点に係る脱線防止装置は、上記いずれかの脱線防止装置において、駆動手段が電磁変換部に直流電流と共に脱線検知用の交流電流を供給し、構成要素として、駆動手段から電磁変換部に供給される交流電流を検出して第1の検出信号を出力する電流検出手段と、駆動手段から電磁変換部に供給される交流電流に従って電磁変換部に含まれている少なくとも1つの巻線に発生する電圧を検出して第2の検出信号を出力する電圧検出手段と、電流検出手段から出力される第1の検出信号と電圧検出手段から出力される第2の検出信号とに基づいて、鉄道車両の脱線を検知する脱線検知手段とをさらに具備する。
本発明の第1の観点によれば、レールに対向する面においてレールの長手方向と直交する方向にN極とS極とが並んだ磁界を発生させることにより、高速走行時においても車体とレールとの間に大きな吸引力を発生することができる。
また、本発明の第2の観点によれば、レールの長手方向に沿って1つの列に複数のN極が並び、かつ、他の列に複数のS極が並ぶように電磁変換部の複数の巻線に直流電流を供給するか、又は、レールの長手方向に沿ってN極とS極とが交互に並ぶように電磁変換部の複数の巻線に直流電流を供給するかを選択することにより、渦電流ブレーキ装置としての機能を併せ持つ脱線防止装置を提供することができる。
さらに、本発明の第3の観点によれば、電磁変換部に直流電流と共に脱線検知用の交流電流を供給し、この交流電流及びそれによって発生する交流電圧を検出することにより、脱線検知装置としての機能を併せ持つ脱線防止装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る脱線防止装置の電機子及びその周辺部分を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る脱線防止装置は、電磁変換部として、一方のレール21に対向するように配置された第1の電機子11と、他方のレール22に対向するように配置された第2の電機子12とを含んでいる。これらの電機子11及び12は、車輪13を回転可能に支持する台車14の台枠(バネ間)に固定されているか、又は、車輪13の軸箱(バネ下)に直接固定されており、軌条レール21及び22に対して吸引力を発生させることができる。あるいは、電機子11及び12を使用時に台車14から下方に移動させる機構を介して、これらの電機子11及び12を台車14に取り付けても良い。なお、電機子は、先頭/後尾車等の特定の車両のみに取り付けても良いし、特定の車両の特定の台車又は軸箱のみに取り付けても良い。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る脱線防止装置の電機子の例を示す断面図であり、図3は、その斜視図である。図2において、「◎」と「×」は、直流励磁電流の向きを示している。
図2の(a)及び図3の(a)に示す第1の例において、電機子11及び12の各々は、長手方向に沿って溝が形成された直線状のコア(磁芯)1の中央部に巻線2を巻いて構成され、駆動部50(図5参照)から巻線2に直流励磁電流が供給されることにより、レール21又は22と対向する面において、レールの長手方向と直交する方向にN極とS極とが並んだ磁界を発生させる電磁石を含んでいる。1つの電機子は、1組の極を有していても良いし、長手方向に沿って設けられた複数組の極(例えば、2×6極)を有していても良い。
このように電磁石を構成すれば、コア1とレール21又は22との間の空隙(ギャップ長)を小さくすることにより、これらを通過する磁路を短くすることができるので、磁気抵抗が小さくなって磁束が増加する。その結果、電機子11とレール21との間、及び、電機子12とレール22との間に、強力な吸引力を発生させることができる。
一方、図2の(b)及び図3の(b)に示す第2の例において、電機子11及び12の各々は、長手方向に沿って溝が形成された直線状のコア1の図中左側の脚部に第1の巻線2を巻いて形成される第1の極(この図においてはN極)と、コア1の図中右側の脚部に第2の巻線3を巻いて形成される第2の極(この図においてはS極)とを有する電磁石を含んでいる。1つの電機子は、1組の極を有していても良いし、長手方向に沿って設けられた複数組の極(例えば、2×6極)を有していても良い。図2の(b)に示す電機子も、図2の(a)に示す電機子と同様に、電機子11又は12とレール21又は22との間に強力な吸引力を発生させることができる。
次に、渦電流ブレーキ装置としての機能を併せ持つ脱線防止装置の電機子における極性の切換について説明する。図4は、本発明の第1の実施形態に係る脱線防止装置の電機子における極の配列の例を示す平面図である。図4の(a)は、脱線防止動作モードにおける極の配列を示しており、図4の(b)は、渦電流ブレーキ動作モードにおける極の配列を示している。なお、電機子の断面図は、図2の(b)に示すものと同様である。
電機子11及び12において、駆動部50(図5参照)から複数の巻線に直流励磁電流が供給されることにより、レール21又は22に対向する複数の位置に、第1列の極P(1,1)〜P(1,6)と、第2列の極P(2,1)〜P(2,6)とが構成される。
脱線防止動作モードにおいては、図4の(a)に示すように、極P(1,1)〜P(1,6)がN極となり、極P(2,1)〜P(2,6)がS極がとなるように、複数の巻線に供給される直流励磁電流の向きが選択される。これにより、レール21又は22の長手方向に沿って、第1列に複数のN極が並び、第2列に複数のS極が並ぶので、電機子11又は12とレール21又は22との間に吸引力を発生させることができる。ただし、鉄道車両が走行してもレール内の磁束の向きが一方向に揃えられるので、ブレーキ力は、ほとんど発生しない。この配置は、進行方向にできるだけ磁束の変化が起こらないようにして、高速走行時にレール内に発生する渦電流によって吸引力が低下するのを防止するためのものである。
一方、渦電流ブレーキ動作モードにおいては、図4の(b)に示すように、レール21又は22の長手方向に沿ってN極とS極とが交互に並ぶように、電磁石P(2,1)、P(1,2)、P(2,3)、P(1,4)、P(2,5)、P(1,6)の巻線に流れる直流励磁電流の向きが選択される。これにより、鉄道車両の走行に伴ってレール内に交番磁界が発生する。その結果、レール内に渦電流損が発生するので、鉄道車両にブレーキ力を発生させることができる。ただし、渦電流によって磁束が遮蔽されるので、高速走行時には吸引力が大幅に低下する。この配置は、進行方向にできるだけ磁束の変化が起こるようにして、鉄道車両の走行時にレール内に渦電流を発生させ、そのジュール熱相当のブレーキ力を得るためのものである。
図5は、直流き電とした場合の本発明の第1の実施形態に係る脱線防止装置の全体構成を示すブロック図である。この脱線防止装置は、図4の(a)及び(b)のいずれに示す極の配列をも可能にすることにより、渦電流ブレーキ装置と兼用することが可能であり、さらに、脱線検知装置と兼用することも可能である。これにより、通常は脱線検知動作を行いながら、脱線の危険性が検知されたときに脱線防止動作又は緊急ブレーキ動作を行うことが可能となる。
図5に示すように、この脱線防止装置は、電磁変換部として、電機子11及び12と、探りコイル53及び54とを有している。台車14には、一方のレール21に対向するように第1の電機子11が配置され、他方のレール22に対向するように第2の電機子12が配置されている。これらの電機子11及び12は、駆動部50から供給される直流励磁電流に従って直流磁界を発生させることにより、レールに対して吸引力又はブレーキ力を発生させると共に、駆動部50から供給される脱線検知用の交流電流に従って、探りコイル53及び54に誘導起電力を発生させる。
駆動部50は、車輪13を介してレールに接地されており、架線(トロリ)からパンタグラフ16及びインダクタ17を介して印加される直流電圧に基づいて、電機子11及び12の複数の巻線に直流励磁電流を供給することにより直流磁界を発生させると共に、電機子11及び12の複数の巻線に脱線検知用の交流電流を供給することにより、探りコイル53及び54に誘導起電力を誘起させて交流電圧を発生させる。
電機子11及び12の巻線に流れる電流を検出するために、駆動部50と電機子11及び12との間の配線には、電流検出部18が挿入されている。また、探りコイル53及び54において発生する電圧を検出するために、探りコイル53及び54の配線間には、2つの電圧検出部61及び62がそれぞれ接続されている。
電流検出部18は、電流を検出して得られたディジタルの検出信号を出力し、電圧検出部61及び62は、電圧を検出して得られたディジタルの検出信号を出力する。これらの検出信号は、中央演算装置(CPU)20に入力される。また、CPU20に動作を行わせるためのソフトウェア(制御プログラム)が格納されているROM30が、CPU20に接続されている。CPU20とソフトウェアとによって、脱線検知部20a及び制御部20bが、機能ブロックとして実現される。あるいは、脱線検知部20a及び制御部20bを、ディジタル回路やアナログ回路で構成しても良い。
制御部20bは、電流検出部18から出力される検出信号に基づいて、電機子11及び12の巻線に流れる直流励磁電流値を検出し、指令部から送られてくる指令信号に従って、電機子11及び12に供給すべき直流励磁電流値を制御するための制御信号を算出して駆動部50に出力する。
図6は、本発明の第1の実施形態に係る脱線防止装置の電機子の巻線に流れる直流励磁電流の向きを示す平面図である。図6において、矢印は電流の向きを示しており、「◎」と「×」は磁界の向きを示している。
電磁石の極P(1,1)、P(2,2)、P(1,3)、P(2,4)、P(1,5)、P(2,6)を発生させる巻線は直列接続されており、これらの巻線には、駆動部50から直接的に直流励磁電流が供給されるので、脱線防止動作モードと渦電流ブレーキ動作モードとのいずれにおいても、直流励磁電流の向きは一定である。また、極P(2,1)、P(1,2)、P(2,3)、P(1,4)、P(2,5)、P(1,6)の巻線は直列接続されており、これらの巻線には、駆動部50から選択回路51又は52を介して直流励磁電流が供給されるので、動作モードに応じて直流励磁電流の向きが選択される。
図6の(a)は、脱線防止動作モードにおける直流励磁電流の向きを示す平面図であり、図6の(b)は、渦電流ブレーキ動作モードにおける直流励磁電流の向きを示す平面図である。脱線防止動作モードにおいては、図6の(a)に示すように、極P(1,1)〜P(1,6)の巻線に時計回りの方向の電流が流れ、極P(2,1)〜P(2,6)の巻線に反時計回りの方向の電流が流れるように、直流励磁電流の向きが選択される。これにより、レール21又は22の長手方向に沿って、第1列に複数のN極が並び、第2列に複数のS極が並ぶので、電機子11又は12とレール21又は22との間にブレーキ力ではなく吸引力を発生させることができる。
一方、渦電流ブレーキ動作モードにおいては、図6の(b)に示すように、極P(1,1)、P(1,3)、P(1,5)、P(2,1)、P(2,3)、P(2,5)の巻線に時計回りの方向の電流が流れ、極P(1,2)、P(1,4)、P(1,6)、P(2,2)、P(2,4)、P(2,6)の巻線に反時計回りの方向の電流が流れるように、直流励磁電流の向きが選択される。これにより、レール21又は22の長手方向に沿って、N極とS極とが交互に並ぶので、電機子11又は12とレール21又は22との間にブレーキ力を発生させることができる。
ここで、走行速度による吸引力及びブレーキ力の変化に関するシミュレーション結果について、図7及び図8を参照しながら説明する。図7は、走行速度による吸引力及びブレーキ力の変化に関するシミュレーション結果を示す図である。図7において、横軸には鉄道車両の走行速度(km/h)を取っており、縦軸には1つの電機子(渦電流ブレーキ:ECB)当りに働く吸引力/ブレーキ力(kN/ECB)を取っている。ここでは、電機子の極数を2×6極とし、電機子とレールとの間の空隙(ギャップ長)を6.5mmとし、直流励磁電流を33.4kAとした。
図7の(a)は、図4の(a)に示すような吸引力発生用配列における吸引力及びブレーキ力の変化を示す図である。このシミュレーション結果によれば、吸引力は、高速走行時においてもあまり低下せず、走行速度300kmにおいて、1つの台車に装備した4つの電機子によって、163kN(16トン)程度の軸重が得られる。これは、現行新幹線の軸重の1/3程度であり、脱線防止に有効であると考えられる。一方、ブレーキ力は、ほとんど発生していない。以上のことから、吸引力を利用するためには、図4の(a)に示すような極の配列が有効であることが分る。
図7の(b)は、図4の(b)に示すようなブレーキ力発生用配列における吸引力及びブレーキ力の変化を示す図である。このシミュレーション結果によれば、吸引力は、高速走行時に大幅に低下する。一方、走行速度300kmにおいて、1つの台車に装備した4つの電機子によって、25kN程度のブレーキ力が得られる。1つの車両の全ての台車に電機子を装備した場合に、1つの車両の重量を45トンとすると、このブレーキ力によって、0.56m/s=2km/h/s程度の減速がもたらされる。以上のことから、ブレーキ力を利用するためには、図4の(b)に示すような極の配列が有効であることが分る。
図8は、シミュレーションに用いられた電機子(電磁石1個分)の諸元を示しており、(a)が側面図、(b)が裏面図である。図8に示すように、コア1の2つの脚部に、第1の巻線2と第2の巻線3とが巻かれている。なお、このシミュレーションにおいては、このような電磁石が進行方向に無限個続くとして、電磁石1個当りに働く力を計算し、電機子に含まれている電磁石の数をその力に掛けることにより、1つの電機子当りに働く力を求めている。
再び図5を参照すると、脱線検知部20aは、電流検出部18から出力される検出信号によって表される交流電流値と、電圧検出部61及び62から出力される検出信号によって表される交流電圧値とに基づいて、電機子11及び12の巻線に流れる交流電流と探りコイル53及び54において発生する交流電圧との関係を算出する。
図9は、電機子とレールとの間のギャップ長と探りコイルを貫通する磁束との関係をシミュレーションによって求めた結果を示す図である。ここでは、交流電流の周波数を50Hzとして、車両停止状態において探りコイルを貫通する磁束を、2次元及び3次元のシミュレーションによって求めた。図9において、最も右側は、レールが存在しない場合を示している。図9に示されているように、電機子とレールとの間のギャップ長が大きくなる程、探りコイルを貫通する磁束が減少している。
なお、探りコイル53及び54の一形態として、横ずれ時における磁束の変化分のみを捕らえるヌル(null)フラックス構成とすることも可能である。この場合には、8の字型の探りコイルをレールと電機子との間に挿入する。図10は、8の字型の探りコイルとレールとを上から見た図である。図10に示すように、8の字型の探りコイル53は、8の字の縦方向がレール21の長手方向と直交するように配置される。このように配置されたヌルフラックス構成の探りコイルは、レールと電機子とが横ずれを起こさない場合には出力電圧がゼロであるが、レールと電機子とが横ずれを起こすと、そのずれ量にほぼ比例した電圧を出力する。
探りコイルを貫通する磁束は、電機子の巻線に供給される電流によって発生する。また、探りコイルを貫通する磁束の変化に比例して、探りコイルから誘導起電力が発生する。従って、電機子の巻線に供給される交流電流値と、探りコイルの両端電圧値とを計測することにより、例えば、両端電圧値を交流電流値で割った値に基づいて、電機子とレールとの間のギャップ長を検知することができる。さらに、両端電圧値を交流電流値で割った値が設定値以下となった場合に、鉄道車両が脱線したと判定することができる。
図5に示す制御部20bは、脱線検知部20aによって算出された値に基づいて、鉄道車両と軌条レールとの間の距離が拡大したことを検知して警告を表示したり、さらには、脱線検知部20aによって鉄道車両が脱線する可能性が大きいと判定された場合に、脱線防止動作又は渦電流ブレーキ動作を行うように駆動部50を制御する。
本実施形態においては、直流励磁電流を流すための電機子の巻線とは別に、電機子に探りコイルを巻いておき、探りコイルに誘起される電圧を計測することにより、鉄道車両の脱線を検知するようにしたが、電機子の巻線に発生する交流電圧を検出して鉄道車両の脱線を検知するようにしても良い。
その場合には、電圧検出部61及び62が、駆動部50から電機子11及び12に供給される交流電流に従って発生する交流電圧を検出して検出信号を出力し、脱線検知部20aが、電流検出部18から出力される検出信号と電圧検出部61及び62から出力される検出信号とに基づいて、鉄道車両の脱線を検知する。例えば、脱線検知部20aは、電流検出部18から出力される検出信号と電圧検出部61及び62から出力される検出信号とに基づいて、電機子11及び12に含まれている少なくとも1つの巻線のインピーダンスを算出することにより、鉄道車両の脱線を検知するようにしても良い。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本発明の第2の実施形態に係る脱線防止装置は、渦電流ブレーキ装置と兼用することが可能であり、さらに、脱線検知装置と兼用することも可能である。
図11は、本発明の第2の実施形態に係る脱線防止装置の原理について説明するための図である。なお、図11においては、説明を簡単にするために、片側の電機子11及び片側のレール21のみが示されている。
図11の(a)を参照すると、台車14及びその上に取り付けられた客室等を含む鉄道車両は、レール21上を走行することにより、運動エネルギーを蓄積している。走行速度を減少させたい場合には、電機子11の巻線に交流電流を流すことにより交流磁界を発生させる。この磁界により、電機子11の一端からレール21内を貫通して電機子11の他端に戻る磁束が発生し、レール21内に渦電流が生じる。鉄道車両の移動と共に磁束もレール21内を移動するが、レール21内の渦電流は磁束の変化を妨げようとするので、電機子11とレール21との間にブレーキ力が生じる。
交流励磁を行って交流磁界を発生することにより、逆に、鉄道車両の走行に伴ってレール21内の相対的な磁束変化が電機子11に誘導起電力を発生させ、鉄道車両の運動エネルギーの一部を、架線(トロリ)に電力回生させたり、鉄道車両内に設けられた装置に用いられている抵抗によって消費させたり、鉄道車両内に設けられた装置に用いられている電力貯蔵媒体に充電したりすることが可能となる。その結果、レール内の渦電流損失による発熱を低減することができる。
また、図11の(b)に示すように、電機子11とレール21との間には、磁界による吸引力が発生する。これにより、鉄道車両の重量増を伴うことなく、車輪13とレール21との間の接触圧を増加させることが可能であり、鉄道車両用の増粘着装置としても利用することができる。磁界による吸引力を用いているので、接触圧を増加させても路盤にかかる荷重が変化しないという利点がある。
第1の実施形態におけるように直流磁界を利用する場合には、磁界の配置にもよるが、接触圧を増加させると、レール内の渦電流損失により多少の走行抵抗を生じることが多かった。一方、第2の実施形態におけるように交流磁界を利用する場合には、リニアモータの同期運転を利用することにより、レール内の渦電流損失を殆ど生じることなく、効果的に吸引力を発生させることが可能である。さらに、吸引力を制御することにより、鉄道車両制振装置としても利用することができる。
図12は、直流き電とした場合の本発明の第2の実施形態に係る脱線防止装置の全体構成を示すブロック図である。台車14には、一方のレール21に対向するように第1の電機子11が配置され、他方のレール22に対向するように第2の電機子12が配置されている。これらの電機子11及び12は、インバータ15から供給される交流電流に従って発生する交流磁界によってレール21及び22内に磁束及び渦電流を発生させると共に、レール21及び22に対する相対的な位置の変化に伴って起電力を生じる。なお、図12には、1つのインバータに対して2つの電機子が並列に接続される構成が示されているが、本発明は、電機子の数や接続形態に関わりなく実現することができる。
本実施形態においては、電機子11及び12の各々に含まれている複数の巻線が、3相に分類されてデルタ結線又はスター結線される。電機子11及び12に電流を供給するための駆動手段として、周波数制御が可能なインバータ15が用いられる。インバータ15は、車輪13を介してレールに接地されており、架線(トロリ)からパンタグラフ16及びインダクタ17を介して印加される直流電圧に基づいて電機子11及び12に3相交流電流を流すことにより交流磁界を発生させると共に、電機子11及び12から印加される3相交流起電力に基づいてトロリに直流電流を供給することにより電力回生動作を行う。なお、3相交流の替わりに単相交流を用いても、レール発熱低減効果が劣るものの、渦電流ブレーキ機能を有する脱線防止装置を実現することが可能である。
図13に、本実施形態において用いられるインバータの原理的な構成例を示す。この例においては、インバータ15として、電力回生機能を有する3相のPWPインバータが用いられている。インバータ15は、電機子の3種類の巻線の内のU相の巻線に接続されるIGBT(インシュレーティドゲート・バイポーラトランジスタ)等のスイッチング素子Q1及びQ2と、V相の巻線に接続されるスイッチング素子Q3及びQ4と、W相の巻線に接続されるスイッチング素子Q5及びQ6と、スイッチング素子Q1〜Q6にそれぞれ並列に接続されたダイオードD1〜D6とを有している。
これらのスイッチング素子Q1〜Q6は、トロリとレールとによってそれぞれ供給される2種類の電源電位とU相〜W相の巻線との間でスイッチング動作を行うことにより、電機子11に3相交流電流を供給する。また、インバータ15は、電機子11に交流電流を供給する場合に対して電流位相を反転させるようにスイッチング素子Q1〜Q6を制御してスイッチング動作を行わせることにより、電力回生動作を行う。なお、インバータ15は、電力回生動作を行う替わりに、1次側(直流側)において、電力を消費又は貯蔵する装置に直流電流を供給するようにしても良い。
図12に示すように、電機子11及び12の巻線に流れる電流を検出するために、インバータ15と電機子11及び12との間の3つの配線には、3つの電流検出部18a〜18cがそれぞれ挿入されている。また、電機子11及び12において発生する電圧を検出するために、インバータ15と電機子11及び12との間を接続する配線間には、3つの電圧検出部19a〜19cが接続されている。
電流検出部18a〜18cは、電流を検出して得られたディジタルの検出信号を出力し、電圧検出部19a〜19cは、電圧を検出して得られたディジタルの検出信号を出力する。これらの検出信号は、中央演算装置(CPU)70に入力される。また、CPU70に動作を行わせるためのソフトウェア(制御プログラム)が格納されているROM80が、CPU70に接続されている。CPU70とソフトウェアとによって、脱線検知部70a及び制御部70bが、機能ブロックとして実現される。なお、脱線検知部70a及び制御部70bは、ディジタル回路やアナログ回路で構成しても良い。
制御部70bは、電流検出部18a〜18cから出力される検出信号に基づいて、電機子11及び12の巻線に流れる電流の電流ベクトルを検出し、指令部から送られてくる指令信号に従い、検出された電流ベクトルを用いて、電機子11及び12に供給すべき3相交流電流の周波数や振幅を制御するための制御信号を算出してインバータ15に出力する。制御信号を算出する際に必要な車両の速度情報は、鉄道車両の速度を検出するための速度センサ40を設ける方法の他、速度センサレスで制御する方法もある。
脱線検知部70aは、電流検出部18a〜18cから出力される検出信号によって表される3相電流値i、i、iと、電圧検出部19a〜19cから出力される検出信号によって表される線間電圧値eUV、eVW、eWUとに基づいて、電機子11及び12の入力インピーダンスを算出する。さらに、脱線検知部70aは、電機子11及び12の入力インピーダンスから、レールが存在しない場合の電機子11及び12のインピーダンスを差し引くことにより、2次側(レール側)の等価的なインピーダンスを算出する。脱線検知部70aは、算出されたインピーダンスの値が設定値以下となった場合に、鉄道車両が脱線していると判定する。
制御部70bは、脱線検知部70aによって算出されたインピーダンスの値に基づいて、鉄道車両と軌条レールとの間の距離が拡大したことを検知して警告を表示したり、さらには、脱線検知部70aによって鉄道車両が脱線する可能性が大きいと判定された場合に、脱線防止動作又は渦電流ブレーキ動作を行うようにインバータ15を制御する。
次に、脱線検知部70aにおけるインピーダンスの計算手法について説明する。ここでは、3相平衡回路を前提とした計算手法について説明するが、現実には、不平衡等に起因する計算値の脈動が予想されるので、フィルタ処理等の対策が必要である。
まず、脱線検知部70aが、電圧検出部19a〜19cから出力される検出信号によって表される線間電圧値eUV、eVW、eWUを、3相電圧値e、e、eに変換する。
次に、脱線検知部70aが、3相電圧値e、e、eを、2相電圧値eα、eβに変換する。
これらの2相電圧値eα、eβに基づいて、脱線検知部70aが、電圧の振幅Eと位相θを求める。
同様に、電流についても、脱線検知部70aが、3相電流値i、i、iを、2相電流値iα、iβに変換する。
さらに、脱線検知部70aが、2相電流値iα、iβに基づいて、電流の振幅Iと位相θを求める。
以上の式(1)〜(4)に基づいて、脱線検知部70aが、入力端から見た抵抗値RとリアクタンスXとを求める。
図14に、電機子の1相当りの等価回路を示す。図14の(a)に示すように、電機子は、1次側と2次側との間の誘導作用により、変圧器と同様の回路で表される。1次側回路は、電機子抵抗rと1次漏れリアクタンスxとによって表され、励磁回路は、鉄損rと励磁リアクタンスxとによって表され、2次側回路は、2次抵抗rと2次漏れリアクタンスxと滑りsとによって表される。ここで、図14の(a)に示す回路を、変圧器の等価回路と同様に、図14の(b)のように書き改めることができる。さらに、励磁回路を2次側回路に含めた等価回路として、図14の(c)のように表すことができる。このとき、r2e及びx2eを、それぞれ等価2次抵抗及び等価2次リアクタンスと呼ぶ。
式(5)、(6)に基づいて算出された入力端から見た抵抗値R及びリアクタンスXから、電機子の巻線抵抗r及び1次側の漏洩リアクタンスxをそれぞれ差し引くことにより、等価2次抵抗r2e及び等価2次リアクタンスx2eを求めることができる。
2e=R−r
2e=X−x
図15に、交流励磁電流の周波数を変化させたときの等価2次抵抗及び等価2次リアクタンスの変化を示す。交流励磁電流の周波数fが同期周波数よりも小さい範囲においては、推力がマイナスとなってブレーキ力が働くと共に、電力回生動作が行われる。この範囲においては、滑りs及び等価2次抵抗r2eもマイナスとなる。交流励磁電流の周波数fを同期周波数と等しくすれば、推力がゼロとなってブレーキ力が働かなくなり、吸引力のみを利用することができる。交流励磁電流の周波数fが同期周波数よりも大きい範囲においては、推力がプラスとなって推進力が働くことにより力行する。この範囲においては、滑りs及び等価2次抵抗r2eもプラスとなる。
図15においては、鉄道車両の速度が50km/h、100km/h、200km/hの場合について、交流励磁電流の周波数fを変化させたときの等価2次抵抗r2e及び等価2次リアクタンスx2eの変化を示している。いずれの速度においても、周波数fが大きくなると、等価2次リアクタンスx2eは単調に増加し、等価2次抵抗r2eも、その値がプラスとなる範囲においては、増加することが分る。
一方、脱線時には、電機子と対向するレールが無くなるので、電機子において磁束が減少して入力インピーダンスが変化する。即ち、鉄道車両が脱線すると、磁束が減少し、図14の(a)及び(b)に示す励磁リアクタンスxが小さくなる。また、2次抵抗rが増大するので、図7の(c)に示す等価2次回路のインピーダンス(等価2次抵抗及び等価2次リアクタンス)が小さくなる。このとき、等価2次インピーダンスは、図15における原点の近傍に移動する。従って、電機子に含まれている少なくとも1つの巻線のインピーダンスを計測し、それを用いて算出される等価2次インピーダンスの大きさを監視することにより、鉄道車両の脱線を検知することができる。ただし、周波数が非常に低くなるとインピーダンスの算出精度が低下するので、交流励磁電流の周波数fが、所定の周波数fよりも大きいことが条件である。
ここでは、等価2次インピーダンスの大きさを自乗した値を、等価2次インピーダンスの大きさの閾値zに基づいて設定された参照値z と比較することにより、鉄道車両が脱線しているか否かを判定することにする。
(R−r+(X−x≦z ・・・(7)
即ち、交流励磁電流の周波数fが所定の周波数fよりも大きい場合に(f>f)、式(7)が成立したら、鉄道車両が脱線する可能性が大きいと判定される。あるいは、複数の周波数fに対応して、参照値z を設定しても良い。
電流及び電圧がベクトル(又は複素数)として測定される場合には、脱線検知部70aにおけるインピーダンスの計算手法は、以下のようになる。
まず、脱線検知部70aが、電圧検出部19a〜19cから出力される検出信号によって表される線間電圧ベクトルEUV、EVW、EWUを、3相電圧ベクトルE、E、Eに変換する。
3相電流ベクトルI、I、Iと3相電圧ベクトルE、E、Eとに基づいて、脱線検知部70aが、入力インピーダンスZ、Z、Zを求める。
ここでは、各相の等価2次インピーダンス(Z−Z)、(Z−Z)、(Z−Z)の自乗和を、等価2次インピーダンスの閾値Zに基づいて設定された参照値3Z と比較することにより、鉄道車両が脱線しているか否かを判定するようにする。
(Z−Z+(Z−Z+(Z−Z≦3Z ・・・(8)
ここで、Z=r+jxは、電機子の1次側のインピーダンスである。交流励磁電流の周波数fが所定の周波数fよりも大きい場合に(f>f)、式(8)が成立したら、鉄道車両が脱線していると判定される。あるいは、複数の周波数fに対応して、参照値3Z を設定しても良い。
本実施形態によれば、交流励磁電流の周波数fが同期周波数よりも小さい範囲においては、マイナスの推力が発生することにより、脱線防止装置がブレーキ装置としても働き、交流励磁電流の周波数fが同期周波数と等しい範囲においては、推力がゼロとなって吸引力のみが発生することになる。
本実施形態においては、交流励磁電流を流すための巻線に発生する交流電圧を検出して鉄道車両の脱線を検知したが、図5に示すように、交流励磁電流を流すための巻線とは別に、電機子に探りコイルを巻いておき、探りコイルに誘起される交流電圧を計測することにより、鉄道車両の脱線を検知するようにしても良い。また、以上の実施形態においては、直流き電とした場合について説明したが、本発明に係る脱線防止装置は、交流き電とした場合にも適用できる。
本発明は、鉄道車両と軌条レールとの間に電磁結合による吸引力を発生させて、地震や横風時に鉄道車両の脱線や転覆を未然に防止するための脱線防止装置において利用することが可能である。
本発明の第1の実施形態に係る脱線防止装置の電機子及びその周辺部分を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る脱線防止装置の電機子の例を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る脱線防止装置の電機子の例を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る脱線防止装置の電機子における極の配列の例を示す平面図である。 直流き電とした場合の本発明の第1の実施形態に係る脱線防止装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る脱線防止装置の電機子の巻線に流れる直流励磁電流の向きを示す平面図である。 走行速度による吸引力及びブレーキ力の変化に関するシミュレーション結果を示す図である。 シミュレーションに用いられた電機子の諸元を示す図である。 電機子とレールとの間のギャップ長と探りコイルを貫通する磁束との関係をシミュレーションによって求めた結果を示す図である。 8の字型の探りコイルとレールとを上から見た図である。 本発明の第2の実施形態に係る脱線防止装置の原理について説明するための図である。 直流き電とした場合の本発明の第2の実施形態に係る脱線防止装置の全体構成を示すブロック図である。 本実施形態において用いられるインバータの原理的な構成例を示す回路図である。 電機子の1相当りの等価回路を示す図である。 交流励磁電流の周波数を変化させたときの等価2次抵抗及び等価2次リアクタンスの変化を示す図である。
1 コア
2、3 巻線
11、12 電機子
13 車輪
14 台車
15 インバータ
16 パンタグラフ
17 インダクタ
18、18a〜18c 電流検出部
19a〜19c、61、62 電圧検出部
20、70 CPU
20a、70a 脱線検知部
20b、70b 制御部
21、22 レール
30、80 ROM
40 速度センサ
50 駆動部
53、54 探りコイル
Q1〜Q6 スイッチング素子
D1〜D6 ダイオード

Claims (12)

  1. 鉄道車両においてレールに対向する位置に配置され、磁芯と該磁芯に形成された溝に巻かれた少なくとも1つの巻線とを含み、前記少なくとも1つの巻線に電流が供給されたときに、レールに対向する面においてレールの長手方向と直交する方向にN極とS極とが並んだ磁界を発生させる電磁変換部と、
    前記電磁変換部の前記少なくとも1つの巻線に直流電流を供給することにより、前記電磁変換部にレールに対する吸引力を発生させる駆動手段と、
    を具備する脱線防止装置。
  2. 鉄道車両においてレールに対向する位置に配置され、磁芯と該磁芯に形成された溝に巻かれた複数の巻線とを含み、前記複数の巻線に電流が供給されたときに、レールに対向する複数の位置に極を有する磁界を発生させる電磁変換部と、
    前記電磁変換部の前記複数の巻線に直流電流を供給する駆動手段と、
    レールの長手方向に沿って1つの列に複数のN極が並び、かつ、他の列に複数のS極が並ぶように前記電磁変換部の前記複数の巻線に直流電流を供給するか、又は、レールの長手方向に沿ってN極とS極とが交互に並ぶように前記電磁変換部の前記複数の巻線に直流電流を供給するかを選択することにより、前記電磁変換部にレールに対する吸引力又はブレーキ力を選択的に発生させる選択手段と、
    を具備する脱線防止装置。
  3. 前記駆動手段が、前記電磁変換部に直流電流と共に脱線検知用の交流電流を供給し、
    前記駆動手段から前記電磁変換部に供給される電流を検出して第1の検出信号を出力する電流検出手段と、
    前記駆動手段から前記電磁変換部に供給される交流電流に従って前記電磁変換部に含まれている少なくとも1つの巻線に発生する電圧を検出して第2の検出信号を出力する電圧検出手段と、
    前記電流検出手段から出力される第1の検出信号と前記電圧検出手段から出力される第2の検出信号とに基づいて、前記鉄道車両の脱線を検知する脱線検知手段と、
    をさらに具備する、請求項1又は2記載の脱線防止装置。
  4. 前記脱線検知手段が、前記電流検出手段から出力される第1の検出信号と前記電圧検出手段から出力される第2の検出信号とに基づいて、前記電磁変換部に含まれている少なくとも1つの巻線のインピーダンスを算出することにより、前記鉄道車両の脱線を検知する、請求項3記載の脱線防止装置。
  5. 前記電磁変換部が、磁芯と、前記磁芯に形成された溝に巻かれ前記駆動手段から電流が供給される少なくとも1つの第1の巻線と、前記磁芯に形成された溝に巻かれ前記少なくとも1つの第1の巻線に供給される交流電流によって誘起される誘導起電力に従って交流電圧を発生する第2の巻線とを有し、前記駆動手段が、前記電磁変換部の前記少なくとも1つの第1の巻線に直流電流と共に脱線検知用の交流電流を供給し、
    前記駆動手段から前記電磁変換部の前記少なくとも1つの第1の巻線に供給される電流を検出して第1の検出信号を出力する電流検出手段と、
    前記電磁変換部の前記第2の巻線から発生される電圧を検出して第2の検出信号を出力する電圧検出手段と、
    前記電流検出手段から出力される第1の検出信号と前記電圧検出手段から出力される第2の検出信号とに基づいて、前記鉄道車両の脱線を検知する脱線検知手段と、
    をさらに具備する、請求項1又は2記載の脱線防止装置。
  6. 前記脱線検知手段が、前記電流検出手段から出力される第1の検出信号と前記電圧検出手段から出力される第2の検出信号とに基づいて、前記電磁変換部の前記少なくとも1つの第1の巻線に流れる交流電流と前記電磁変換部の前記第2の巻線から発生される交流電圧との関係を算出することにより、前記鉄道車両の脱線を検知する、請求項5記載の脱線防止装置。
  7. 鉄道車両においてレールに対向する位置に配置され、磁芯と該磁芯に形成された溝に巻かれた複数の巻線とを含み、前記複数の巻線に電流が供給されたときに、レールに対向する複数の位置に極を有する磁界を発生させると共に、レールに対する相対的な位置の変化に伴って起電力を生じる電磁変換部と、
    架線から前記鉄道車両に印加される電圧に基づいて、前記鉄道車両の走行速度に同期する周波数を有する交流電流を前記電磁変換部の前記複数の巻線に供給することにより、前記電磁変換部にレールに対する吸引力を発生させる駆動手段と、
    を具備する脱線防止装置。
  8. 鉄道車両においてレールに対向する位置に配置され、磁芯と該磁芯に形成された溝に巻かれた複数の巻線とを含み、前記複数の巻線に電流が供給されたときに、レールに対向する複数の位置に極を有する磁界を発生させると共に、レールに対する相対的な位置の変化に伴って起電力を生じる電磁変換部と、
    架線から前記鉄道車両に印加される電圧に基づいて、前記鉄道車両の走行速度に同期する周波数を有する交流電流、又は、前記鉄道車両の走行速度に同期する周波数よりも小さい周波数を有する交流電流を選択的に前記電磁変換部の前記複数の巻線に供給することにより、前記電磁変換部にレールに対する吸引力又はブレーキ力を選択的に発生させる駆動手段と、
    を具備する脱線防止装置。
  9. 前記駆動手段から前記電磁変換部に供給される電流を検出して第1の検出信号を出力する電流検出手段と、
    前記駆動手段から前記電磁変換部に供給される交流電流に従って前記電磁変換部に含まれている少なくとも1つの巻線に発生する電圧を検出して第2の検出信号を出力する電圧検出手段と、
    前記電流検出手段から出力される第1の検出信号と前記電圧検出手段から出力される第2の検出信号とに基づいて、前記鉄道車両の脱線を検知する脱線検知手段と、
    をさらに具備する、請求項7又は8記載の脱線防止装置。
  10. 前記脱線検知手段が、前記電流検出手段から出力される第1の検出信号と前記電圧検出手段から出力される第2の検出信号とに基づいて、前記電磁変換部に含まれている少なくとも1つの巻線のインピーダンスを算出することにより、前記鉄道車両の脱線を検知する、請求項9記載の脱線防止装置。
  11. 前記電磁変換部が、磁芯と、前記磁芯に形成された溝に巻かれ前記駆動手段から交流電流が供給される複数の第1の巻線と、前記磁芯に形成された溝に巻かれ前記複数の第1の巻線に供給される交流電流によって誘起される誘導起電力に従って交流電圧を発生する第2の巻線とを有し、
    前記駆動手段から前記電磁変換部の前記複数の第1の巻線に供給される電流を検出して第1の検出信号を出力する電流検出手段と、
    前記電磁変換部の前記第2の巻線から発生される電圧を検出して第2の検出信号を出力する電圧検出手段と、
    前記電流検出手段から出力される第1の検出信号と前記電圧検出手段から出力される第2の検出信号とに基づいて、前記鉄道車両の脱線を検知する脱線検知手段と、
    をさらに具備する、請求項7又は8記載の脱線防止装置。
  12. 前記脱線検知手段が、前記電流検出手段から出力される第1の検出信号と前記電圧検出手段から出力される第2の検出信号とに基づいて、前記電磁変換部の前記複数の第1の巻線に流れる交流電流と前記電磁変換部の前記第2の巻線から発生される交流電圧との関係を算出することにより、前記鉄道車両の脱線を検知する、請求項11記載の脱線防止装置。
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