JP2006195730A - 非接触型icカードのリーダ/ライタ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電磁波による電磁誘導作用により起電力を獲得し作動する非接触型ICカードにおいて、長時間の電磁波放射による発熱を原因とする電子データ及びデータ通信を保守する。また、非接触型ICカードの溶解等を防止する。
【解決手段】非接触型ICカード25に電磁波を放出するR/W端末部の電源回路18をコントロール部3のCPU20aで制御し、電子データの書込み及び読込みのときのみ、非接触型ICカード25が作動するのに十分な電力を確保できる電磁波をアンテナコイルL1から放出することが可能な基準電力を供給する。また、データの書込み及び読込みが終了したら、基準電力以下に電力の供給を低減する。
【選択図】図4

Description

本発明は、非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置に係り、特に、データの読込み及び/又は書込みを行うときのみに電力及びデータ供給用の電磁波を放出する非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置に関する。
駅の自動改札や住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)における住民基本台帳カード等を始め、電磁波を媒介としたデータ通信を行う非接触型のICカードは、近年普及の一途をたどり、その使用分野も多岐にわたっている。
例えば、特許文献1には、購買時に、現金に代わって非接触型ICカードを使用して食券の購入を可能とする自動券売機が提供されている。このような非接触型ICカードには、一定の現金の予納が行われたという電子情報がICチップに記憶されており、カードリーダ/ライタ(以下、単に「カードR/W」という。)により購買品の金額の電子情報が読み込まれると、この予納金額に応じて交換が行われ、その後、購買品の金額が減じられた電子情報がICチップに書き込まれるようになっている。
また、非接触型ICカードは、使用時の非接触性という大きな特徴がある。即ち、機器内部にカード自体が挿入保持等されること無く、例えば、近接型のカードであれば、カードR/Wと10cm程度の距離を隔てていても電子情報の読込みや書込みを瞬時に行うことが可能である。具体的な構造としては、アンテナコイルと、キャパシタを含むICチップが搭載されたPETフィルム等のインレットシート(基盤)を、オーバーレイシートで狭持する構造を有する。カードをカードR/Wが発生させる電磁界の中に進入させると、カードに内蔵されたコイルが電磁誘導作用により起電力を発生させ、更に、この電磁波を利用してアンテナコイルからICカード内のメモリに記録された電子情報をカードリーダに送信するようになっている。
また、電子情報の書込みや書換えの場合は、カードR/Wからの信号をアンテナコイルが受信し、ICチップ内のMPU(Micro Processing unit)の作用により、メモリとしてのEEPROM(Electrical Erasable Programable ROM)等に新たな電子データが記録されることにより行われるようになっている。
このように非接触型ICカードは、電池を搭載せずに電磁誘導を利用した磁界エネルギーにより起電力を得る構成を有する。そのため、電力の確保に関して種々の発明がされている。例えば、特許文献2では、カードの非接触性を生かし、利便性を損なわずに確実な起電力を得ることができるカードR/Wが、提供されている。即ち、ICカードを確実に保持するために、カードR/W本体のカード載置部にガイドレールを設け、且つ透明な蓋でカード全体を覆うことで突発的な接触等によるカードのズレを防止しつつ確実な起電力を確保する発明が提供されている。
特開平6−131521号公報 特開平11−154204号公報
しかしながら、起電に際しては、非接触型ICカードを構成する電気電子部材に熱が生ずるという問題がある。
例えば、ICチップ等の半導体素子自体の作動にともなう発熱や、カードR/Wとカードとの距離に比例する磁力の強弱により生ずる過電流からICチップ等の素子を保守するために定電圧ダイオード等の抵抗を設ける場合もあり、この抵抗も発熱の原因となる。
このような熱は、ICチップ等の電子素子やEEPROM等のメモリ内の電子情報が破壊され作動不良を生じさせてしまう原因となる。例えば、特許文献1に提供される発明も、カードR/Wが放出する電磁波が、恒常的に非接触型ICカードに電力を生じさせており、熱による素子や電子情報の破壊等の虞がある。
更には、インレットシートやオーバレイシートが溶解する場合もある。特に、非接触型ICカードが有するインレットシートとオーバレイシートとで電気電子部材を密封する構造は、より熱をこもらせるものである。
又、例えば、駅の自動改札等に設置される非接触型ICカードシステムにおける、自動改札の通過時のように、起電時間が極短時間である場合には、上記問題は生じづらい。しかし、料金の予納(いわゆるチャージ)時には、機器内部にICカードを挿入させたままで、現金等の投入、予納額の選択及びこれらの作業に伴う機器の個別処理等に比較的長時間を要する場合もある。また、住民基本台帳カードを始め、ID(Identification)カードとして利用される場合には、図10に示すように、担当者M1と申請者M2が対面してお互いに対応を図りながら入力作業を行うこともある。この間、カードR/Wに載置されたカードには、継続的に電磁波が放出されている。特に、申請者が申請手続に不慣れである場合は、担当者との対応も長時間となる場合もある。更には、入力作業は一般にキーボード等の打ち込みにより行われるから、作業時間が長時間になる傾向がある。
更に、図11は、発明者が行った実験の結果を示したものである。
近接型の非接触型ICカード(ISO/IEC14443)25枚について、カードR/W装置に搭載し10分間カード通電状態(13.56MHの電磁波を放出)とし、1分ごとにデータの書込み及び読込みを行って通信状況の変化を観測した。なお、評価は、通信状況に異常がない場合を○とし、エラーが発生した場合を×で評価している。更に、通電開始からエラーが発生するまでの時間を示している。図11の結果から25枚のカードのうちおよそ半分のカードが長時間の電磁波放出により何らかの通信障害を生じておいる。最短のものでは2分間で異常が発生しており、この実験結果からも熱による電子データ等破壊や破損等は深刻なものである。
以上の例のように、電磁波の長時間放出による熱から電子データ等を保守するのは、重要な課題である。
そこで、本発明の目的は、ICカードの作動に伴う熱の発生を抑制して、非接触型ICカード自体や記憶されている電子情報等を保守することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、電力供給手段から供給される電力を電磁波に変換し、該電磁波を介して非接触型ICカードと無線交信を行う非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置において、
前記非接触型ICカードに対する既存データの読出し時と新規データの書込み時以外の時は電磁波の放出を停止又は抑制する制御手段を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置において、前記制御手段は、電力の供給又は停止若しくは抑制を指示する電力供給指示情報を前記電力供給手段に送信することにより、前記電磁波の放出又は停止若しくは抑制を行うことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置において、前記制御手段は、前記非接触型ICカードからの既存データの読出し時に、当該データを構成するコード群からデータ終了コマンドを判別した場合、前記電力供給指示情報を前記電力供給手段に送信し、前記電磁波の放出又は停止若しくは抑制を行うことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置において、前記制御手段は、前記新規データの書込み時に、前記電力供給指示情報を前記電力供給手段に送信し前記電磁波の放出を開始することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置において、前記制御手段は、前記既存データの読込み時に該データの特定部分を記憶し、前記新規データの書込み時に、前記非接触型ICカードから再度前記既存データを読込み、該既存データ中の前記特定データと対応する部分と前記特定データとが一致する場合に、前記電磁波の供給を開始し前記新規データを書込むことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置において、前記特定データは、カード識別データ、カード所有者識別データ又はこれらの組合せのいずれか一つであることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、電力供給手段から供給される電力を電磁波に変換し、該電磁波を介して非接触型ICカードと無線交信を行う非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置において、前記非接触型ICカードを検出する検出手段と、前記検出手段により前記非接触型ICカードが検出された時点で前記非接触型ICカードに対する既存データの読出しを開始し、当該既存データの読出しが終了した時点で前記電磁波の放出を停止又は抑制を行い、前記非接触型ICカードに書き込むべき新規データが確定した場合に電磁波の放出を開始する制御手段を備えることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置において、前記検出手段は、前記非接触型ICカードを搭載するカード搭載手段に設けられていることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項7又は8に記載の非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置において、前記制御手段は、電力の供給又は停止若しくは抑制を指示する電力供給指示情報を前記電力供給手段に送信することにより、前記電磁波の放出又は停止若しくは抑制を行うことを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項7〜9のいずれか一項に記載の非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置において、前記制御手段は、前記非接触型ICカードからの既存データの読出し時に、当該データを構成するコード群からデータ終了コマンドを判別した場合、前記電力供給指示情報を前記電力供給手段に送信し、前記電磁波の放出を停止又は抑制することを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項7〜10のいずれか一項に記載の非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置において、前記制御手段は、前記新規データの書込み時に、前記電力供給指示情報を前記電力供給手段に送信し前記電磁波の放出を開始することを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項7〜11のいずれか一項に記載の非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置において、前記制御手段は、前記既存データの読込み時に該データの特定部分を記憶し、前記新規データの書込み時に、前記非接触型ICカードから再度前記既存データを読込み、該既存データ中の前記特定データと対応する部分と前記特定データとが一致する場合に、前記電磁波の供給を開始し前記新規データを書込むことを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置において、前記特定データは、カード識別データ、カード所有者識別データ又はこれらの組合せのいずれか一つであることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、非接触型ICカードに対するアクセスが必要なときにのみ電磁波を供給し、アクセスが不要なときは電磁波の供給を停止又は抑制することができるので、非接触型ICカードの温度上昇を抑制することができ、既存データの読込み及び新規データの書込み時のエラーの発生を防止することができる。
請求項2に記載の発明によれば、制御手段が電力の供給又は停止若しくは抑制を支持する電力供給指示情報を電力供給手段に送信することで、非接触型ICカードに対するアクセスが必要なときにのみ電磁波を供給し、アクセスが不要なときは電磁波の供給を停止又は抑制することができる。このため、非接触型ICカードの温度上昇を抑制することができ、既存データの読込み及び新規データの書込み時のエラーの発生を防止することができる。
請求項3に記載の発明によれば、制御手段が、非接触型ICカードからの既存データの読出し時に、既存データを構成するコード群からデータ終了コマンドを判別することで電力供給指示情報を前記電力供給手段に送信することが可能となる。このため、非接触型ICカードの発熱時間が短縮され、温度上昇を抑制することができ、既存データの読込み及び新規データの書込み時のエラーの発生を防止することができる。
請求項4に記載の発明によれば、制御手段が、前記新規データの書込み時に、前記電力供給指示情報を前記電力供給手段に送信し前記電磁波の放出を開始するため非接触型ICカードの発熱時間が短縮され、温度上昇を抑制することができ、既存データの読込み及び新規データの書込み時のエラーの発生を防止することができる。
請求項5に記載の発明によれば、制御手段が、新規データを書き込む際に、予め記憶した既存データの特定部分と、再度読み込んだ既存データとの該当部分を対比することが可能となり、読込み時と書込み時とでの非接触型ICカードの同一性を検出することが可能となる。非接触型ICカードの温度上昇を抑制するために電磁波の連続放射を制限すると、制御手段は非接触型ICカードへのアクセスが断片的となり、搭載されているカードが同一のものであるかが判別することができない。この点、本発明により、新規データの書込み等作業中に、非接触型ICカードがすり代わっても、誤ったデータが他の非接触型ICカードに書き込まれることを防止することが可能となり、非接触型ICカードの記録内容の信用を担保したまま既存データの読込み及び新規データの書込み時のエラーの発生を防止することができる。
請求項6に記載の発明によれば、制御手段が対比する特定データが、カード識別データ、カード所有者識別データ又はこれらの組合せ等のユニークな部分であるため、新規データの書込み等作業中におけるカードのすり代わり等に対し、非接触型ICカードの同一性を担保する上で、より確実な対比及び判別が可能となる。
請求項7に記載の発明によれば、非接触型ICカードに対するアクセスが必要なときにのみ電磁波を供給し、アクセスが不要なときは電磁波の供給を停止又は抑制することができるので、非接触型ICカードの温度上昇を抑制することができ、データ読込み及び書込み時のエラーの発生を防止することができる。
請求項8に記載の発明によれば、検出手段が、非接触型ICカードを搭載するカード搭載手段に設けられているため、カードの搭載を物理的に検出することが可能となり、より確実に非接触型ICカードの搭載を検出することが可能となる。
請求項9に記載の発明によれば、制御手段が電力の供給又は停止若しくは抑制を支持する電力供給指示情報を電力供給手段に送信することで、非接触型ICカードに対するアクセスが必要なときにのみ電磁波を供給し、アクセスが不要なときは電磁波の供給を停止又は抑制することができる。このため、非接触型ICカードの温度上昇を抑制することができ、既存データの読込み及び新規データの書込み時のエラー発生を防止することができる。
請求項10に記載の発明によれば、制御手段が、非接触型ICカードからの既存データの読出し時に、既存データを構成するコード群からデータ終了コマンドを判別することで電力供給指示情報を前記電力供給手段に送信することが可能となる。このため、非接触型ICカードの発熱時間が短縮され、温度上昇を抑制することができ、既存データの読込み及び新規データの書込み時のエラー発生を防止することができる。
請求項11に記載の発明によれば、制御手段が、前記新規データの書込み時に、前記電力供給指示情報を前記電力供給手段に送信し前記電磁波の放出を開始するため非接触型ICカードの発熱時間が短縮され、温度上昇を抑制することができ、既存データの読込み及び新規データの書込み時のエラーの発生を防止することができる。
請求項12に記載の発明によれば、請求項5に記載の発明によれば、制御手段が、新規データを書き込む際に、予め記憶した既存データの特定部分と、再度読み込んだ既存データとの該当部分を対比することが可能となり、読込み時と書込み時とでの非接触型ICカードの同一性を検出することが可能となる。非接触型ICカードの温度上昇を抑制するために電磁波の連続放射を制限すると、制御手段は非接触型ICカードへのアクセスが断片的となり、搭載されているカードが同一のものであるかが判別することができない。この点、本発明により、新規データの書込み等作業中に、非接触型ICカードがすり代わっても、誤ったデータが他の非接触型ICカードに書き込まれることを防止することが可能となり、非接触型ICカードの記録内容の信用を担保したまま既存データの読込み及び新規データの書込み時のエラーの発生を防止することができる。
請求項13に記載の発明よれば、制御手段が対比する特定データが、カード識別データ、カード所有者識別データ又はこれらの組合せ等のユニークな部分であるため、新規データの書込み等作業中におけるカードのすり代わり等に対し、非接触型ICカードの同一性を担保する上で、より確実な対比及び判別が可能となる。
〔第1の実施形態〕
以下、図を用いて、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
なお、以下の説明において、非接触型ICカードR/W装置1は、ISO(International Organization for Standardization)規格IEC14443で定める近接型の非接触型ICカードで、そのうちのタイプBの非接触型ICカードに対して電子データの読込みや書込みが可能なR/W装置を用いて説明を行うが、本発明はこれに限定されるものではなく、仕様を異なる他の形式の非接触型ICカードのR/W装置にも適用が可能である。
図1は、本発明を適用した非接触型ICカードR/W装置1の外観構成を示した全体図である。非接触型ICカード25を搭載するR/W端末部2は、非接触型ICカード25を搭載するためのICカード搭載部8が設けられている。また、R/W端末部2は、USBケーブル7を介して、コントロール部3と接続されており、電力の供給とともに電子データの送受信を行うようになっている。ICカード搭載部8の内部には、後述する、アンテナコイルL1が設けられており、このアンテナコイルL1が放出する電磁波と、非接触型ICカード25に内蔵されるアンテナコイルL2との電磁誘導作用により、ICカード内の電子データがコントロール部3と通信を行うようになっている。
また、コントロール部3には、表示手段としてのモニタ4及び情報入力手段としてのキーボード5及びマウス6が接続されている。
以上の各構成について、図2を用いて詳細に説明する。
図2は、本発明を適用した非接触型ICカードのカードR/W装置1の機能的構成の概要を示したブロック図である。
非接触型ICカードR/W装置1は、非接触型ICカード25に電磁波を放出し電子情報の読取りや書込みを行うカード搭載手段としてのR/W端末部2と、このR/W端末部2と非接触型ICカード25とで通信される電子情報の記憶、変更等の処理を行うコントロール部3とからなる。
先ず、R/W端末部2について説明する。R/W端末部2は、アンテナコイルL1、増幅回路10、正弦波発生回路11、PSK変調器12、発振器13、PSK復調器17、A/D(Analog/Digital)変換器16、フィルタ回路15、増幅回路14及び電源供給手段としての電源回路18を備えて構成される。
発振器13は、電源回路18から電力の供給を受け、13.56MHの搬送波を発生させてPSK変調器12に供給する。PSK変調器12では、後述するCPU20aから供給されるデータに90度の2位相PSK変調を行い、デジタル信号として信号を正弦波発生回路11に供給する。正弦波発生回路11で発生されるサイン波をキャリアとしてデジタル信号が増幅回路10に供給される。増幅回路10は、非接触型ICカード25へのデータ(以下、「下りデータ」という。)に対し、アンテナコイルL1を作動させ、これにより生ずる電磁波によりデータを出力するようになっている。
また、後述する非接触型ICカード25からR/W端末部2に出力されるデータ(以下、「上りデータ」という。)を含む電磁波は、アンテナコイルL1に受信される。アンテナコイルL1により受信された電磁波は、増幅回路14で増幅されフィルタ回路15に供給される。フィルタ回路15は、ノイズ等を除去し必要な信号波形を抽出して上りデータを取り出すものである。このようにして得られた上りデータはA/D変換器16に供給される。A/D変換器16は、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するものである。このようにデジタル信号に変換された上りデータは、PSK復調器17に供給される。PSK復調器17は、入力信号に対しPSK復調を行い、上りデータの復調再生を行うようになっている。その後、復調されたデジタル信号は、コントロール部3に出力されるようになっている。
次に、コントロール部3について説明する。第1の実施形態におけるコントロール部3は、汎用のパーソナルコンピュ−タを適用するものである。
コントロール部3は、CPU20a、ROM21a、RAM22a、EEPROM23a、情報入力手段としてのキーボード5、表示手段としてのモニタ4及び外部電源9からなる。CPU20aは、予め記録されたプログラムに基づいて、カードR/W装置1の機器の全体制御を行うものである。ROM21aは、オペレーションプログラムや各種のアプリケーションプログラムが記憶された不揮発性のメモリであり、カードR/W装置1の起動プログラムや非接触型ICカード25と電子情報の読込み及び書込みを行うアプリケーションプログラム等が記憶されている。RAM22aは、処理結果等が一時的に記憶される揮発性メモリであり、各種の演算処理を行うワークエリアが展開されるものである。EEPROM23aは、各種のデータが記憶されるものであり、後述するキーボード5からの入力コマンドに基づいてCPU20aが読み込む各種データ等が格納されるものである。外部電源9は、カードR/W装置1に関わる全ての電力を供給するものである。
又、コントロール部3とR/W端末部2とは、USBケーブル7で接続され、上記データの送受信や電力の供給が行われるようになっている。
キーボード5は、情報入力手段であり、これ以外にも、アプリケーションプログラムやカードR/W装置1の使用環境に応じて汎用のマウス又はタッチパネル等を適用することが可能である。また、表示手段であるモニタ4は、非接触型ICカード25の読込み及び書込みに使用するアプリケーションプログラムに記憶された作業テンプレートやキーボード5から入力される電子情報等を表示するものである。汎用のCRT(Cathode Ray tube)やTFT(Thin Film Transistor)液晶モニタ、プラズマパネル等を適用することができる。
次に、非接触型ICカード25について説明する。図3は、非接触型ICカードの機能的構成を示したブロック図である。非接触型ICカード25は、アンテナコイルL2、整流回路26、フィルタ回路27、定電圧回路28、クロック回路29、PSK変調器30、増幅器31及びデータ処理部32を備えるものである。
R/W端末部2から伝送された伝送データは、アンテナコイルL2によって受信され、整流回路26とクロック回路29とに供給される。整流回路26は供給された受信信号をフィルタ回路27に出力する。フィルタ回路27は、受信信号からノイズ等を除去し、特定の周波数の信号データ成分を取り出すものである。これにより取り出された信号データは、定電圧回路28とデータ処理部32とに供給される。
定電圧回路28は、上記受信データを一定の直流電圧に平滑し非接触型ICカードの電子回路に電力を供給する。
なお、クロック回路29に供給された受信信号は、伝送データからデータ処理部32の動作クロックとPSK変調器30の搬送波とを生成するようになっている。
データ処理部32は、CPU33bと、ROM34bと、RAM35bと、EEPROM36bとからなるものである。以下、動作について説明する。データ処理部32は、前述したフィルタ回路27から受けた受信データと、クロック回路29から受けた動作クロックとに基づいてデータ処理を実行する。具体的には、ROM34bに記憶されているプログラムをCPU33bが実行し、受信データを解析し、解析された制御コマンドに基づいてデータを処理する。このとき制御コマンドが読出しコマンドである場合には、このコマンドが指定するデータが格納されたファイルが記憶されているEEPROM32b等から目的のデータを読出し、PSK変調器30bに出力する。PSK変調器30は、この読み出されたデータに応じて、クロック回路29が供給する搬送波をPSK変調し、増幅器31に変調信号を送信する。増幅器31は、この変調信号を電力増幅し、アンテナコイルL2を介してR/W端末部2に電磁波を伝送するようになっている。
次に、第1の実施形態におけるR/W端末部2及びコントロール部3で行われる制御について説明する。第1の実施形態におけるカードR/W装置1は、上り及び下りデータの送受信を行う度に電磁波の放出時間を制御することを特徴とする。即ち、非接触型ICカード25に新規なデータを書き込む(下りデータ)場合に、電源回路18に非接触型ICカード25が正常に作動するのに十分な電磁波を放出できるように、CPU20aの制御に基づいて基準電力が供給されアンテナコイルL1から電磁波(13.56MH)を放出する。また同様に、非接触型ICカード25から予め記憶されたデータ(上りデータ)を読み込み終わると電源回路18に対する電力の供給を低減して、非接触型ICカード25への電磁波の放出時間を短縮して発熱を抑制するようになっている。具体的には、非接触型ICカード25のアンテナコイルL2、定電圧回路28及びデータ処理部32における各電子素子等の発熱を抑制する。
なお、ここで、基準電力の低減とは、基準電力より低い電力の供給はもちろん、電力の停止を含む意味である。
図4は、R/W端末部2及びコントロール部3の動作手順を示したフロー図である。CPU20aは、基準電力の供給コマンドを電源回路18に送信する(ステップ:S1)。電源回路18は、基準電力の供給コマンドが入力されると、発振器13に電力の供給を開始する(ステップ:S2)。
電力の供給により、上述したようにR/W端末部2の各回路素子が順次作動し、アンテナコイルL1を中心として電磁界を形成する。この電磁界の中で非接触型ICカード25の作動に必要な電力を発生することができる磁力を有する領域(第1の実施形態ではアンテナコイルL1を中心に半径略10cmの領域)に非接触型ICカード25が進入すると、非接触型ICカード25の各回路素子の作用により、アンテナコイルL2からEEPROM36b等に記憶された既存データがアンテナコイルL1に送信される。その後、既存データ(上りデータ)は、R/W端末部2の各回路素子の作用によりCPU20aに入力される(ステップ:S3)。
既存データが入力されたCPU20aは、この複数のブロックデータ群からなる既存データの終了を意味するEOD(End of Date)コマンドを判別する(ステップ:S4)。このときEODコマンドが検出されると(ステップ:S4:YES)、CPU20aは、基準電力の供給低減コマンドを電源回路18に送信し(ステップ:S5)、電力の供給が低減される(ステップ:S6)。
これにより、アンテナコイルL1からの電磁波の放出が停止され、非接触型ICカード25内部での発熱も抑制されることとなる。
また、ステップS3でCPU20aに入力された既存データ(上りデータ)は、ROM21aに記憶されているアプリケーションプログラムに基づいて演算処理がなされ、モニタ4上にテキストや画像等として表示される。この表示されたテキスト等の内容の変更又は追加、即ち、キーボード5等の操作により入力された新規データが作成され、RAM22aあるいはEEPROM23aに記憶される。
その後、新規データを非接触型ICカード25に書き込むために、キーボード5の書込み決定キーが操作され書込み決定信号がCPU20aに入力されると(ステップ:S7)、CPU20aは再び基準電力の電力供給コマンドを電源回路18に送信し(ステップ:S8)、発振器13に基準電力の供給を開始する(ステップ:S9)。その後、CPU20aは、新規データをR/W端末部2に送信する(ステップ:S10)。また、送信するデータの量とコントロール部3、R/W端末部2及び非接触型ICカード25との処理速度の関係により予め記憶されている書込み予定時間データをROM21aから読込み(ステップ:S11)、この書込み予定時間データと現在の書込み時間を対比する(ステップ:S12)。現在の書込み時間データが予め記憶された書込み予定時間データと一致する場合は(ステップ:S13:YES)、CPU20aは、基準電力の電力低減コマンドを電源回路18に出力し(ステップ:S14)、電源回路18は電力の供給を停止する(ステップ:S15)。
なお、上記動作手順の説明におけるステップS4で、CPU20aは、非接触型ICカードから送信される上りデータの読取りに際し、EODコマンド検出した場合にデータの終了を判別することとされているが、この他に、CPU20aが読み取った上りデータのデータ量が予め定められたデータ量になった場合に、データの終了を判別する構成としてもよい。
更には、ステップS11〜ステップS13で、書込み予定時間データと現在の書込み時間とが一致することで、基準電力の供給低減コマンドを出力して電源を低減させる構成としているが、この他に、新規データを送信した後非接触型ICカードのCPU33bからレスポンスデータを受信する構成として、このレスポンスデータが正常終了レスポンスである場合に、基準電力の供給低減コマンドを送信することとしてもよい。以下に、説明する。なお重複する動作手順は同一符号を付して説明を省略する。
図5に示すように、ステップS3で、既存データ(上りデータ)が、R/W端末部2の各回路素子の作用によりCPU20aに入力されると(ステップ:S3)。CPU20aは、例えば、申請者の氏名データ、住所データ及び識別番号データ等の規定項目のデータ量であるかを判別する(ステップS104)。予定されたデータ量である場合には(ステップS104:YES)、CPU20aは、基準電力の供給低減コマンドを電源回路18に送信し(ステップ:S5)、電力の供給が低減される(ステップ:S6)。
また、ステップS110で、CPU20aは、例えば、変更等がなされた氏名データ、住所データ及び識別番号データ等の新規データとともに、これらデータの書込みを指示するコマンド及びデータの受信を示すレスポンスデータを要求するレスポンスデータ要求コマンドを非接触型ICカードのCPU33bに送信する(ステップS110)。CPU33bでは、この各種のデータ、書込みコマンド及びレスポンスデータ要求コマンドを受信し、その後レスポンスデータをCPU20aに送信する。CPU20aがレスポンスデータを受信し(ステップS111)、このレスポンスデータが、送受信の正常終了を示すものであるかが判別される(ステップS112)。正常終了をしめすものであれば(ステップS112:YES)、基準電力の電力低減コマンドを電源回路18に送信し(ステップS14)、正常終了を示すものでない場合は(ステップS112:NO)、再び上記氏名等の各種のデータ、書込み指示コマンド及びレスポンスデータ要求コマンドをCPU33bに送信する(ステップS110)。
なお、以上の説明において、ステップS104で入力データの終了を判断するのに、データ量以外に、更新申請者等の氏名、住所及び識別番号等の入力データ項目の数が規定数になった場合に、データの終了を判別する構成としてもよい。この処理を行う場合は、ステップS104で、CPU20aは、入力されるデータの規定項目数を判断することとなる。
以上のように、第1の実施形態におけるカードR/W装置1によれば、非接触型ICカード25が、R/W端末部2に搭載されているときは、既存データの読込み及び書込みのときのみに電磁波を放出することから、カードの過剰な発熱を抑制することが可能となる。このため、非接触型ICカード25のEEPROM36bあるいはROM34bに記憶されている個人情報等の各種電子データの破壊や破損を防ぐことが可能となる。上述したように、図10のように、住民基本台帳カード等は、担当者M1と申請者M2の対面による応答を通して手続が進行される場合も多い。特に、公官庁やインフラ産業等の手続では、デジタルデバイダや高齢者等も含めた万人が確実に手続を行う必要があることから、現場での説明時間も多く、この傾向が強いといえる。このため、申請項目等の入力作業等で非接触型ICカード25に電磁波が供給されつづける時間も比較的長時間に及ぶこともある。この点、第1の実施形態によるカードR/W装置1は、電子情報の読込み及び/又は書込みのときに電磁波を供給するため、電磁波の放出時間を短時間にすることが可能となり非接触型ICカードの確実且つ安全な取扱いを可能とする。
なお、第1の実施形態では、R/W端末部2への電力供給が、USBケーブル7を介してコントロール部3から行われる構成としているが、R/W端末部2に独自の外部電源を有する構成としてよい。更には、コントロール部3とR/W端末部2を独立させずに、両者を一体として構成することも当然に可能である。
更に、上記動作手順ステップS11以降で、新規データの書込みに要する電力を確保するために電磁波を放出する予め定められた時間とは、非接触型ICカードの通信異常が生じない時間内であることを示す。例えば、8ビットで9600bit/secの通信速度であれば、住民基本台帳カードを始めとして、非接触型ICカードに一般に期待されるデータ量は10秒程度である。よって、図11の実験結果からも明らかなように最大でも1分以内の時間で有れば実用に十分である。
〔第2の実施形態〕
本発明を実施するための最良の形態における第2の実施形態について説明する。
図6は、本発明を適用した非接触型カードR/W装置50の機能的構成を示したブロック図である。なお、第2の実施形態における非接触型ICカードR/W装置50は第1の実施形態の非接触型ICカードR/W装置1と共通する部分が多い。従って、同一の機能及び作用を奏するものは、同一の符号を用いて説明を省略するものとする。
第2の実施形態における非接触型ICカードR/W装置50は、R/W端末部51に、非接触型ICカード25の載置を検出する手段である光電センサ52を備えるものである。光電センサ52は、USBケーブル7を介してCPU20aと接続され、検出信号の出力を行うことが可能となっている。第2の実施形態における非接触型カードR/W装置50はこの検出信号に基づいて、CPU20aがアンテナコイルL1から放出される電磁波を制御等することを特徴とするものである。
カード検出手段は、非接触型ICカード25がR/W端末部2に搭載されていることが検出できるものであればよく、音波センサ、物理的なスイッチ(例えばICカードの自重により押圧されてON状態となる押圧スイッチ)等も適用可能である。第2の実施形態では、フォトダイオードを用いた光電センサ52を適用するものである。具体的な設置場所としては、例えば、図7に示すように、R/W端末部51のICカード搭載部8等が好ましい。なお、ICカード搭載面は非接触型ICカードより若干広い平滑の形状を有する。このため、ICカード搭載部8の上であれば、光電センサ52の設置場所は特段制限されるものではないが、より確実のために中央よりに設置するのがより好ましい。又、光電センサ52は、ICカード搭載部8に載置された非接触型ICカード25に対して赤外線を投射する赤外線投射素子及びこの赤外線を受光する赤外線受光素子からなる。非接触型ICカード25が光電センサ52を覆うことで、赤外線投射素子が投射する赤外線が非接触型ICカードに反射される。この反射された赤外線を赤外線受光素子が受光することにより非接触型ICカードがICカード搭載部8に搭載されたことを検出するようになっている。なお、赤外線投射素子と赤外線受光素子とを対向させる位置に備え、非接触型ICカード25が載置されていない時には赤外線を受光する構成とし、この両者の間に非接触型ICカード25が載置されて赤外線を遮断することで、非接触型ICカード25の搭載を検出するようにすることも可能である。
以下に、第2の実施形態におけるR/W端末部2及びコントロール部3の動作手順、図8に示すフロー図を用いて説明する。
R/W端末部2のICカード搭載部8に、非接触型のICカード25が載置されると、光電センサ52は非接触型ICカード25の存在を検知し、検出信号をCPU20aに出力する(ステップ:S21)。
検出信号が入力されたCPU20aは、非接触型ICカード25が搭載されたことを判別し、電源回路18に基準電力供給コマンドを送信する(ステップ:S22)。電力供給コマンドを受信した電源回路18は、発振器13に基準電力の供給を開始する(ステップ:S23)。
その後、第1の実施形態と同様に、各回路素子の作用により非接触型ICカード25のEEPROPM36b等に記憶されている既存データが、CPU20aに入力される(ステップ:S24)。CPU20aは、受信したデータ中から、データファイルの終了を示すEODコードの判別を開始し(ステップ:S25)、検出すると(ステップ:S25:YES)、電源回路18に基準電力の電力停止コマンドを送信する(ステップ:S26)。電源回路18は、この電力停止コマンドを受信すると発振器13への電力の供給を低減する(ステップ:S27)。
また、CPU20aに送信された既存データ自体は、アプリケーションソフトとCPU20aとの協働により、キーボード5からの入力に従って内容等の編集が行われる。これにより新規データが作成される。編集により作成された新規データは、RAM22a等に一時的に保存がなされ、その後、キーボード5の書込み決定キーの操作により書込み決定信号が入力されると(ステップ:S28)、CPU20aは、電源回路18に電力供給コマンドを送信する(ステップ:S29)。電源回路18は、発振器13に電力供給を開始し(ステップ:S30)、各回路素子の作用によりアンテナコイルL1から電磁波が放出され非接触型ICカード25に電力が供給される。その後、CPU20aは新規データをRAM22a等から読出しR/W端末部2に送信する(ステップ:S31)。送信された新規データは、各回路素子を介してアンテナコイルL1から非接触型ICカード25のアンテナコイルL2に伝搬されて非接触型ICカード25のEEPROM36b等に書き込まれるようになっている。
更に、CPU20aは、ROM21a等に予め記憶されている伝送時間データを読み込み(ステップ:S32)、新規データ送信からの経過時間と伝送時間データとを対比する(ステップ:S34)。その結果、新データ送信からの経過時間が伝送時間データと一致する場合に(ステッ:S34:YES)、基準電力の供給低減コマンドを電源回路18に送信し(ステップ:S35)、電源回路18は、発振器13への電力の供給を低減する(ステップ:S36)。
なお、第2の実施形態における動作手順においても、第1の実施形態と同様に、上記ステップS25及びS31〜S34を以下の手順とすることもできる。即ち、上記動作手順の説明におけるステップS25で、CPU20aは、非接触型ICカードから送信される上りデータの読取りに際し、EODコマンド検出した場合にデータの終了を判別することとされているが、この他に、CPU20aが読み取った上りデータのデータ量が予め定められたデータ量になった場合に、データの終了を判別する構成としてもよい。
また、ステップS31〜ステップS34で、書込み予定時間データと現在の書込み時間とが一致することで、基準電力の供給低減コマンドを出力して電源を低減させる構成としているが、この他に、新規データを送信した後非接触型ICカードのCPU33bからレスポンスデータを受信する構成として、このレスポンスデータが正常終了レスポンスである場合に、基準電力の供給低減コマンドを送信することとしてもよい。以下に、説明する。なお重複する動作手順は同一符号を付して説明を省略する。
図9に示すように、ステップS3で、既存データ(上りデータ)が、R/W端末部2の各回路素子の作用によりCPU20aに入力されると(ステップ:S24)。CPU20aは、例えば、申請者の氏名データ、住所データ及び識別番号データ等の規定項目のデータ量であるかを判別する(ステップS225)。予定されたデータ量である場合には(ステップS225:YES)、CPU20aは、基準電力の供給低減コマンドを電源回路18に送信し(ステップ:S26)、電力の供給が低減される(ステップ:S27)。
また、ステップS231で、CPU20aは、例えば、変更等がなされた氏名データ、住所データ及び識別番号データ等の新規データとともに、これらデータの書込みを指示するコマンド及びデータの受信を示すレスポンスデータを要求するレスポンスデータ要求コマンドを非接触型ICカードのCPU33bに送信する(ステップS231)。CPU33bでは、この各種のデータ、書込みコマンド及びレスポンスデータ要求コマンドを受信し、その後レスポンスデータをCPU20aに送信する。CPU20aがレスポンスデータを受信し(ステップS232)、このレスポンスデータが、送受信の正常終了を示すものであるかが判別される(ステップS233)。正常終了をしめすものであれば(ステップS233:YES)、基準電力の電力低減コマンドを電源回路18に送信し(ステップS14)、正常終了を示すものでない場合は(ステップS233:NO)、再び上記氏名等の各種のデータ、書込み指示コマンド及びレスポンスデータ要求コマンドをCPU33bに送信する(ステップS231)。
なお、以上の説明において、ステップS225で入力データの終了を判断するのに、データ量以外に、更新申請者等の氏名、住所及び識別番号等の入力データ項目の数が規定数になった場合に、データの終了を判別する構成としてもよい。この処理を行う場合は、ステップS225で、CPU20aは、入力されるデータの規定項目数を判断することとなる。
以上のように、第2の実施形態における非接触型ICカードR/W装置50によれば、非接触型ICカード25の搭載を検出する光電センサ52からの検出信号に基づいて電磁波が放出されるため、装置の未使用時の省電力を始め、R/W端末部2に近接してある非接触型ICカード等があっても発熱等の影響を及ぼす虞がなく安全である。
また、上記ステップS11以降で、新規データの書込みに要する電力を確保するために電磁波を放出する予め定められた時間とは、非接触型ICカードの通信異常が生じない時間内であることはいうまでもない。例えば、8ビットで9600bit/secの通信速度であれば、住民基本台帳カードを始めとして、非接触型ICカードに一般に期待されるデータ量は10秒程度である。よって、図11の実験結果からも明らかなように最大でも1分以内の時間で有れば実用に十分である。
又、第1の実施形態と同様に、データのやり取りを行うとき以外は電磁波の放出時間を制御することが可能であり、非接触型ICカード25の各種内蔵素子の発熱を抑制することが可能であり、記憶されているデータの保守及びカードの溶解等の危険も防止することが可能となる。
なお、上記光電センサ52の検出信号は、電力供給の開始を示すのみならず、非接触型ICカード25の認証用として使用することも可能である。例えば、一般に、ICカードは、予め定められた特定の個人や法人用の使用を前提とする場合がほとんどである。そのため、このようなID(Identification)性に鑑み、カードの使用に際しては、先ず、最初に個人IDデータが機器に読み込まれるようになっている。
しかしながら、当初R/W装置50に搭載したICカードが、作業途中で突発的にすりかわる虞もある。このため、安全上並びにICカードの信頼性維持の上で、作業途中でのIDの確認は重要である。このような問題に対しても、第2の実施形態におけるカードの検出手段(光電センサ52等)を応用することができる。
即ち、既存データを読み込み、コントロール部3で既存データの変更等が行われ、これらを非接触型ICカード25に書き込む一連の動作手順の中で、光電センサ52からの検出信号に変化がある場合には、動作を中断あるいは書込みを中止するようにしてもよい。即ち、第2の実施形態における制御手順(図7のフロー図参照)におけるデータのやり取りの全てあるいは任意の手順に、「光電センサ52からの検出信号に変化がないか?」という判断処理を追加する。これにより、各処理手順の間で光電センサ52の検出信号に変化がある場合(例えば、途中で検出信号が切断される等)は、非接触型ICカード25が、すり替えられたあるいはその虞があるとして新データの書込み等を中止することができる。この結果、非接触型ICカード25内の電子データの信頼性や安全性を高く維持することができる。
又、他の例としては、第1の実施形態及び第2の実施形態の両方に適用可能であるが、当初非接触型ICカード25と通信した時のカードID(Identifier)やカード所有者ID等の個々のICカードに特有のユニークな部分をRAM22a等に記憶しておき、新規データの書込みの前に、一度非接触型ICカード25と通信を行い、当初記憶したユニーク部分と対比し、該当部分が一致する場合に新規データを送信するようにしてもよい。
以上、本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明はこれら種々の例に限定されるものではない。
第1の実施形態における非接触型ICカードR/W装置の外観構成を示した概要図である。 第1の実施形態における非接触型ICカードR/W装置の機能的構成を示したブロック図である。 第1及び第2の実施形態における非接触型ICカードの機能的構成を示したブロック図である。 第1の実施形態における非接触型ICカードR/W装置の動作手順を示したフロー図である。 第1の実施形態における非接触型ICカードR/W装置の動作手順を示したフロー図である。 第2の実施形態における非接触型ICカードR/W装置の機能的構成を示したブロック図である。 第2の実施形態における非接触型ICカードR/W装置のR/W端末部の外観構成を示した概要図である。 第2の実施形態における非接触型ICカードR/W装置の動作手順を示したフロー図である。 第2の実施形態における非接触型ICカードR/W装置の動作手順を示したフロー図である。 本発明に係る非接触型ICカードR/W装置の一使用例を示した模式図である。 非接触型ICカードと電磁波とによる熱が及ぼす電子データ通信状況の比較についての実験結果を示した表である。
符号の説明
1 非接触型ICカードR/W装置
2 R/W端末部
3 コントロール部
4 モニタ
5 キーボード
6 マウス
7 USBケーブル
8 ICカード搭載部
9 外部電源
10 増幅回路
11 正弦波発生回路
12 PSK変調器
13 発振器
14 増幅器
15 フィルタ回路
16 A/D変換器
17 PSK変調器
18 電源回路
20a CPU
21a ROM
22a RAM
23a EEPROM
25 非接触型ICカード
26 整流回路
27 フィルタ回路
28 定電圧回路
29 クロック回路
30 PSK変調器
31 増幅器
32 データ処理部
33b CPU
34b ROM
35b RAM
36b EEPROM
50 非接触型ICカードR/W装置
51 R/W端末部
52 光電センサ
L1 アンテナコイル
L2 アンテナコイル
M1 担当者
M2 申請者

Claims (13)

  1. 電力供給手段から供給される電力を電磁波に変換し、該電磁波を介して非接触型ICカードと無線交信を行う非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置において、
    前記非接触型ICカードに対する既存データの読出し時と新規データの書込み時以外の時は電磁波の放出を停止又は抑制する制御手段を備えたことを特徴とする非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置。
  2. 請求項1に記載の非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置において、
    前記制御手段は、電力の供給又は停止若しくは抑制を指示する電力供給指示情報を前記電力供給手段に送信することにより、前記電磁波の放出又は停止若しくは抑制を行うことを特徴とする非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置。
  3. 請求項2に記載の非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置において、
    前記制御手段は、前記非接触型ICカードからの既存データの読出し時に、当該データを構成するコード群からデータ終了コマンドを判別した場合、前記電力供給指示情報を前記電力供給手段に送信し、前記電磁波の放出又は停止若しくは抑制を行うことを特徴とする非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置。
  4. 請求項2又は3に記載の非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置において、
    前記制御手段は、前記新規データの書込み時に、前記電力供給指示情報を前記電力供給手段に送信し前記電磁波の放出を開始することを特徴とする非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置において、
    前記制御手段は、前記既存データの読込み時に該データの特定部分を記憶し、前記新規データの書込み時に、前記非接触型ICカードから再度前記既存データを読込み、該既存データ中の前記特定データと対応する部分と前記特定データとが一致する場合に、前記電磁波の供給を開始し前記新規データを書込むことを特徴とする非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置。
  6. 請求項5に記載の非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置において、
    前記特定データは、カード識別データ、カード所有者識別データ又はこれらの組合せのいずれか一つであることを特徴とする非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置。
  7. 電力供給手段から供給される電力を電磁波に変換し、該電磁波を介して非接触型ICカードと無線交信を行う非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置において、
    前記非接触型ICカードを検出する検出手段と、
    前記検出手段により前記非接触型ICカードが検出された時点で前記非接触型ICカードに対する既存データの読出しを開始し、当該既存データの読出しが終了した時点で前記電磁波の放出を停止又は抑制を行い、前記非接触型ICカードに書き込むべき新規データが確定した場合に電磁波の放出を開始する制御手段を備えることを特徴とする非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置。
  8. 請求項7に記載の非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置において、
    前記検出手段は、前記非接触型ICカードを搭載するカード搭載手段に設けられていることを特徴とする非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置。
  9. 請求項7又は8に記載の非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置において、
    前記制御手段は、電力の供給又は停止若しくは抑制を指示する電力供給指示情報を前記電力供給手段に送信することにより、前記電磁波の放出又は停止若しくは抑制を行うことを特徴とする非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置。
  10. 請求項7〜9のいずれか一項に記載の非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置において、
    前記制御手段は、前記非接触型ICカードからの既存データの読出し時に、当該データを構成するコード群からデータ終了コマンドを判別した場合、前記電力供給指示情報を前記電力供給手段に送信し、前記電磁波の放出を停止又は抑制することを特徴とする非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置。
  11. 請求項7〜10のいずれか一項に記載の非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置において、
    前記制御手段は、前記新規データの書込み時に、前記電力供給指示情報を前記電力供給手段に送信し前記電磁波の放出を開始することを特徴とする非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置。
  12. 請求項7〜11のいずれか一項に記載の非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置において、
    前記制御手段は、前記既存データの読込み時に該データの特定部分を記憶し、前記新規データの書込み時に、前記非接触型ICカードから再度前記既存データを読込み、該既存データ中の前記特定データと対応する部分と前記特定データとが一致する場合に、前記電磁波の供給を開始し前記新規データを書込むことを特徴とする非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置。
  13. 請求項12に記載の非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置において、
    前記特定データは、カード識別データ、カード所有者識別データ又はこれらの組合せのいずれか一つであることを特徴とする非接触型ICカードのリーダ/ライタ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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