JP2006184166A - X線検出材およびx線発生装置収納室 - Google Patents

X線検出材およびx線発生装置収納室 Download PDF

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Abstract

【課題】 X線発生装置などの故障で漏洩したX線を光として視認できる、安価なX線検
出材を提供する。
【解決手段】 セラミックスシンチレータ粉末と透光性樹脂との混合体を硬化させることにより、X線検出材を作製する。セラミックスシンチレータ粉末と透光性樹脂との混合体を、X線発生装置収納室の壁や床、柱などの表面に塗布したり、置物などに造形し配置したりすることで、漏洩したX線の有無を発光により容易な視認が可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、X線が当たると発光しX線を視認できるX線検出材とそれを用いた造形物、
X線発生装置収納室に関する。
物質の性状により透過率が異なるというX線の性質は広い分野に利用されており、例え
ば医療分野においてはレントゲン装置やX線CT装置などに使われている。レントゲン装
置やX線CT装置は、内蔵や骨、筋肉などでX線の透過率が異なることを利用したもので
あり、人体にX線を当てることで得られるX線像を、病気や怪我の診断に使用するもので
ある。また、空港の手荷物検査装置や、食品の異物検査装置などにもX線の透過率が異な
る性質が利用されている。手荷物や食品にX線を当てて検査することで、手荷物中の危険
物や食品中に紛れて混入した金属片などを発見することができる。
X線は人間の可視光線範囲よりも短い波長で、1nm未満の電磁波である。X線の有無
や強弱は人間の目では直接確認することはできないため、例えば、X線が当たったX線増
感紙の蛍光体やセラミックスシンチレータ材が発光することによって、光としてX線を間
接的に確認している。
一般に、X線増感紙は感光フィルムに積層して用いられることが多い。X線増感紙と感
光フィルムの積層体にX線を当てると、増感紙表面の蛍光体がX線のエネルギーを吸収し
て発光し、感光フィルムは露光される。X線増感紙と感光フィルムの積層体は、主に医療
分野のレントゲン撮影などに用いられており、感光フィルムを現像すればX線透過像を得
ることができる。
セラミックスシンチレータ(以降、シンチレータと称す)材は、GdSやGd
GaAl12、BiGe12、CdWOなどの化合物であり、多くの場合
、フォトダイオードと組合せてX線検出器に用いられる。シンチレータにX線を当てると
、シンチレータ自身がX線のエネルギーを吸収して発光する。シンチレータの発光をフォ
トダイオードで電流に変換することで、X線の有無もしくは強弱を電気信号として得るこ
とができる。シンチレータ材とフォトダイオードを組合せたX線検出器は、医療用のX線
CT装置や空港の手荷物検査装置、食品の異物検査装置などに用いられている。
X線は医療をはじめとする広い分野で用いられているが、X線被爆による人間の健康へ
の影響は無視することはできない。医療法施行規則にも、X線装置を有する施設は年2回
のX線装置設置場所の漏洩X線量測定が義務付けられており、X線装置に関わる作業者は
装置の扱いに十分な注意を払う必要がある。定期的に行う漏洩X線量の測定には、放射線
測定器(サーベイメータ)などの専用装置を用いるが、X線の漏洩の有無は日常の点検で
容易に発見されることが好ましく、特別な装置を用いずにX線漏洩の有無を確認できる手
段がさらに好ましいと考えられる。
X線発生装置を扱う者はX線被爆量を計測するバッチを身に着けているが、万が一の不
測の事態であるが、X線発生装置の故障などにより多量のX線が室内に漏洩していたとし
ても、バッチではその場でX線の漏洩は判断できない。また、放射線測定器を持って室内
に入って測定し漏洩を確認したとしても、その時には既に多量のX線を被爆してしまって
いることになる。このことから、部屋に入る前にX線が漏れていることが判ることが望ま
れる。また、X線の漏れている方向が判れば、より対応、処置が行い易くなるので好まし
いものである。
X線の有無や強弱は、X線のエネルギーを吸収して発光する蛍光体やシンチレータ材の
発光で確認することができる。これら発光体をX線が漏洩しそうな場所の近傍、例えばX
線発生装置のカバーや装置設置場所の壁面、室内に配すれば、X線が漏洩したことを発光
により視認できる。しかし、X線増感紙に用いられるような蛍光体は発光が弱く、発光し
ても目視では確認し難いという問題がある。シンチレータ材は蛍光体に比べて発光強度は
大きいが、シンチレータ粉末を、単結晶育成や高密度焼結を行ない作製するため、価格が
高く、広い面積に配置するには大変な費用がかかると言う問題があった。
本発明は上記問題を鑑み、特別な装置を用いずに、X線の漏洩を容易に視認でき、安価
に作製できるX線検出材とX線発生装置収納室を提供するものである。
本発明におけるX線検出材は、X線が当たると発光するシンチレータ粉末と透光性樹脂
との混合体を、X線発生装置を収納する部屋の壁や床、柱などの表面に塗布、硬化させ、
X線発生装置から漏洩したX線を光として視認できることが好ましい。
本発明に用いるシンチレータ粉末は、単結晶育成や高密度焼結を行い作製されたシンチ
レータ材の端材を粉末にしたものや、単結晶育成や高密度焼結を行う前の、原料粉末を用
いることができる。即ち、金属酸化物粉末や金属リン酸化物粉末に希土類化合物などの粉
末を添加して焼結した後、粉砕して得た粉末を用いることができる。単結晶育成や高密度
焼結を行ったシンチレータ材を加工した時の端材や残材を、粉末にして再利用できるもの
であり、資源の再利用の点で大変好ましいものであり、安価なX線検出材を提供すること
ができる。単結晶育成や高密度焼結されたシンチレータ材の粉砕は、まずハンマーなどで
粗粉砕を行い、続いてスタンプミルやボールミルなどで微粉砕するのが好ましい。微粉砕
後のシンチレータ粉末は、分級機などでシャープな粉末粒径分布にすることがより好まし
い。シャープな粉末粒径分布にすることで、X線検出材の発光強度を均一にすることがで
きる。
シンチレータ粉末を樹脂硬化するものであるが、本発明で用いる樹脂は、X線の透過を
妨げずシンチレータ粉末がX線のエネルギーを吸収して効率よく外部に発光できることと
、発光した光を効率良く外部に出すため透光性の高い樹脂であることが好ましい。透光性
樹脂は、溶剤に溶かしたり或いは加熱したりすることで適度な流動性を有し、常温中に放
置したり、ヘヤードライヤー程度の温度で加熱することで硬化する性質であるものが好ま
しく、ポリエステル系やナイロン系、アクリル系、エポキシ系などの透光性を有する樹脂
を用いることができる。透光性樹脂とシンチレータ粉末は、攪拌機などで十分に混練して
均質な混合体としてから用いるのが好ましい。透光性樹脂とシンチレータ粉末の均質性を
より高めるために、潤滑剤などの助剤を添加しても良い。混合が不均質であると、塗布、
硬化後にX線検出体に割れやひびが生じることがある上、塗布面の見た目の悪さも出てく
る。
本発明のシンチレータ粉末と透光性樹脂との混合体は、適度な流動性(粘性)を有し、
刷毛やローラ、吹付けなどの方法で、X線発生装置を収納する部屋の壁や床、柱などの表
面に塗布することが好ましい。また、種類が異なるシンチレータ粉末の混合体や、粉末粒
径や粉末濃度が異なるシンチレータ粉末の混合体を隣り合うように塗布することで、X線
検出材の発光状態を部分部分で異ならせることができる。壁や床、柱などの一部がX線で
光っていることで、漏洩したX線を容易に視認できるようになるので大変好ましい。
本発明のシンチレータ粉末と透光性樹脂との混合体を塗布する際、予め塗布面には光を
反射する下地材料を設けることが好ましい。光反射材を下地に設けることで、X線検出体
から発せられた光を効率良く、前面に出すことができるため、漏洩しているX線が少量で
あっても発光強度(輝度)は大きくなり、容易に視認することができる。光反射材には高
い反射効率に優れたルチル型酸化チタンを用いるのが好ましい。予めシート状のルチル型
酸化チタン加工品を塗布面に貼り付け、その上からシンチレータ粉末と透光性樹脂との混
合体を塗布するか、ルチル型酸化チタン粉末と樹脂とを混合したものを下地として塗布し
て硬化させた後、シンチレータ粉末と透光性樹脂との混合体を塗布しても良い。ルチル型
酸化チタン粉末と樹脂を混合させ塗布する方法は、塗布面の形状に左右されず容易に作業
できるので好ましい方法である。
本発明におけるX線検出材は、X線が当たると発光するシンチレータ粉末と透光性樹脂
との混合体を置物などに造形し、X線発生装置の近傍もしくはX線発生装置収納室内に設
置し、X線発生装置から漏洩したX線を光として視認できることが好ましい。
本発明のシンチレータ粉末と透光性樹脂との混合体は、立体的な置物などに造形しても
よい。置物などの造形物は、シンチレータ粉末と透光性樹脂との混合体を硬化させ、削り
出して作製しても良い。シンチレータ粉末と透光性樹脂との混合体を、型に流し込む方法
は、安価に量産ができるので好ましい製造方法である。X線検出体を置物などに造形する
ことで、X線が漏洩しそうな場所に設置したり、移動させたりすることができる。種類が
異なるシンチレータ粉末の混合体や、シンチレータ粉末の粉末粒径や粉末濃度が異なる混
合体を隣り合うように造形することで、X線検出材の発光状態を部分部分で異ならせるこ
とができる。
本発明のシンチレータ粉末と透光性樹脂との混合体を置物などに造形する際、造形物の
芯材に光反射材を設けることが好ましい。芯材に光反射材を用いることで、X線検出体か
ら発せられた光を効率良く、前面に出すことができるため、漏洩しているX線が少量であ
っても発光強度(輝度)は大きくなり、容易に視認することができる。光反射材には反射
効率に優れたルチル型酸化チタンを用いるのが好ましい。造形物の表面に光反射材を設け
、光反射材の上にシンチレータ粉末と透光性樹脂との混合体を塗布、硬化させても良い。
本発明のシンチレータ粉末は、GdS(以降、GOSと称す)、GdGa
12(以降、GGAOと称す)、CdWO(以降、CWOと称す)、CsI(以
降、CIと称す)、BiGe12(以降、BGOと称す)から選ばれる化合物で、
平均粒径は10μm以上100μm以下であることが好ましい。
GOS、GGAO、CWO、CI、BGOなどの化合物は、発光効率が高いシンチレー
タ材であり、本発明のX線検出体に用いるのに好適である。また、これらシンチレータ材
は、X線のエネルギーを吸収して発光する色が異なり、例えばGOSは緑色、CWOは黄
緑色で発光する。これら発色の異なるシンチレータ粉末を用い、発光色が部分部分で異な
るようなX線検出材とすることで、漏洩しているX線を複数色で容易に視認できることに
なり好ましいものである。
本発明に用いるシンチレータ粉末の平均粒径は、10μm以上100μm以下であるこ
とが好ましい。粒径は、レーザー式粒度分布測定器を用いて測定した値を言う。シンチレ
ータ粉末の平均粒径が大きいほど、X線検出材の発光強度は大きくなるが、シンチレータ
粉末と透光性樹脂の混合体の流動性が悪くなるため、壁などへの塗布や置物への造形が困
難になる。漏洩しているX線を光として視認するに十分な輝度が得られ、塗布や造形作業
がし易い混合体を得るには、シンチレータ粉末の平均粒径を、10μm以上100μm以
下にすることが好ましい。
本発明のX線検出材では、シンチレータ粉末の質量率が、30%以上90%以下である
ことが好ましい。
シンチレータ粉末の質量率は、シンチレータ粉末の質量bを、X線検出材の質量aで除
した値の百分率、(b/a)×100[%]で算出される。シンチレータ粉末の質量率が
30%より小さいと、X線検出材の発光は弱くなり、X線の漏洩を光として視認すること
が難しくなる。また、シンチレータ粉末の質量率が90%より大きいと、透光性樹脂がシ
ンチレータ粉末を結合して硬化する効果が弱くなり、割れやひびが入りやすいX線検出材
になるので好ましくない。X線検出材におけるシンチレータ粉末の質量率を30%以上9
0%以下の範囲にすることで、発光強度が大きく機械的強度の高いX線検出材を得ること
ができる。
本発明は、シンチレータ粉末と透光性樹脂との混合体を硬化させ、X線検出材を作製し
た点に特徴がある。シンチレータ粉末と透光性樹脂との混合体を、X線発生装置収納室の
壁や床、柱などの表面に塗布したり、置物などに造形し設置することで、漏洩しているX
線を光として容易に視認できるX線検出材とすることができる。また、シンチレータ粉末
には、単結晶育成や高密度焼結を行ったシンチレータ材を加工した時の端材や残材を利用
することもでき、安価なX線検出材を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の実施例として、シンチレータ粉末と透光性樹脂との混合体を塗布した後、硬化
させX線検出材を作製した一例を示す。本実施例では、以下の手順により作製したGOS
シンチレータ粉末を用いた。GdとS、Pr11の原料粉末とフラックス成分
であるNaとNaCOを所定の重量秤量、混合し、坩堝に充填して1300
〜1400℃の大気炉中で7〜9時間焼成した。混合した原料粉末を高温焼成することで
GOS粗粉末が生成される。高温焼成で生成されたGOS粗粉末中に含まれるフラックス
や不純物は塩酸と温水を用いて除去した。GOS粗粉末は、ボールミルを用いて更に微粉
砕した後、分級機によってシャープな粒径分布のシンチレータ粉末とした。GOS粉末の
平均粒径は、レーザー式粒度分布測定器の測定値で50μmであった。GOS粉末100
gと、透光性のエポキシ樹脂40gとを混合してペースト状の混合体を作製した。混合体
の粘度は有機溶剤の濃度で調節し、塗布し易い粘度とした。エポキシ樹脂に含まれる揮発
成分を差引くとエポキシ樹脂は約30gとなり、シンチレータ粉末の質量が100g、X
線検出材の質量は130gとなることから、X線検出材におけるシンチレータ粉末の質量
率は約77%となった。
GOS粉末と透光性のエポキシ樹脂の混合体を、X線発生装置収納室の壁に模したコン
クリート板上に塗布した。塗布には刷毛を用い、厚さが概ね1mmになるよう均一に塗布
した。コンクリート板は表面が露出した状態のものと、下地にルチル型酸化チタンと樹脂
からなる塗料を塗布した状態のものを用い、X線検出材の発光強さの確認を行った。
GOS粉末と透光性のエポキシ樹脂の混合体を塗布したコンクリート板に、X線発生装
置を用いてX線を当てて目視で発光強度を確認した。コンクリート板とX線発生装置との
間隔は1mとし、X線発生装置の後方1mからシンチレータ材が発する光を観察した。観
察者は裸眼で0.8〜1.5の視力を有するもので、室内の水平面照度が500ルクスの
条件下である。X線当量の単位であるシーベルトを用いるより、X線発生装置の印加電圧
(KV)は変化させ易くまた数値的にも判り易いことから印加電圧を用いている。観察者
は10人で10人全員がシンチレータ材が発する光を視認できた状態を、発光が確認でき
たとした。特に断わりの無い限り、光の視認の可否はこの条件下で行った。下地有無の2
種類のコンクリート板は、いずれも60kVのX線強度で発光が確認できた。下地にルチ
ル型酸化チタンと樹脂からなる塗料を塗布したコンクリート板の輝度は高く、40kVの
X線強度でも発光を確認することができた。シンチレータ粉末と透光性樹脂の混合体を塗
布する際、下地にルチル型酸化チタンを設けることが有効であることを確認できた。
本発明の他の実施例として、シンチレータ粉末と透光性樹脂の混合体を造形した例を示
す。本実施例では、シンチレータ粉末の原料に、GOSとCWOの2種類の高密度焼結を
行ったシンチレータ材を用いた。用いたシンチレータ材は、X線CT用に加工した時に発
生した端材や残材である。高密度焼結を行ったシンチレータ材は、予めハンマーを使って
粗粉砕した後、ボールミルで微粉砕を行った。微粉砕後の粉末は分級機によってシャープ
な粒径分布のシンチレータ粉末とした。GOSとCWOのシンチレータ粉末の平均粒径は
、レーザー式粒度分布測定器を用いて測定したところ、GOSが70μm、CWOが80
μmであった。各シンチレータ粉末100gと、透光性のエポキシ樹脂45gとを混合し
て2種類のペースト状の混合体を作製した。混合体の粘度は有機溶剤の濃度で調節し、造
形し易い粘度とした。エポキシ樹脂に含まれる揮発成分を差引くとエポキシ樹脂は約34
gとなり、シンチレータ粉末の質量が100g、X線検出材の質量は134gとなること
から、X線検出材におけるシンチレータ粉末の質量率は約75%となった。
2種類のシンチレータ粉末と透光性のエポキシ樹脂の混合体を型に流し込み造形した。
造形には内部がフクロウの形をした型を用い、フクロウの胴体部には、GOSのシンチレ
ータ粉末の混合体を流し込み、頭部にはCWOのシンチレータ粉末の混合体を流し込んだ
。一昼夜常温放置し混合体を硬化させた後、型から外しフクロウの形状をしたX線検出材
を得た。
図1に、上述した手順でフクロウの形に造形したX線検出材1の置物を示す。頭部11
はCWOのシンチレータ粉末と透光性のエポキシ樹脂からなり、胴体部12はGOSのシ
ンチレータ粉末と透光性のエポキシ樹脂からなる。X線検出材1に60kVの強度のX線
を照射したところ、頭部11は黄緑色に、胴体部12は緑色に発光してX線の存在を視認
できた。更にX線の強度を変えて調べたところ、X線の強度が50〜60kVの間は、胴
体部12だけに発光が確認でき、X線の強度が60kV以上になると頭部11と胴体部1
2の両方の発光が確認できた。
本実施例のように、X線検出材を造形物とすることで、不測の事態が発生した時にX線
が漏洩するであろうと予測さるような場所にX線検出材を設置し、X線の漏洩の有無を確
認することが可能になる。また、フクロウなどの形状に造形すれば、普段は置物などのイ
ンテリアとして使用することも可能である。また、造形物の部分部分に異なるシンチレー
タ粉末を用いることで、漏洩しているX線の強さを発光の様子から確認することも可能で
ある。
本発明の他の実施例としてX線検出材に用いるシンチレータ粉末の種類と、平均粒径を
変えた例を示す。GOS、GGAO、CWO、CI、BGOのシンチレータ粉末を用いた
。いずれのシンチレータ粉末も、実施例2と同様に、高密度焼結を行ったシンチレータ材
の端材や残材を微粉砕して得た。分級機の分級レベルを変えることで、6μmから120
μmと平均粒径が異なるシンチレータ粉末を得た。シンチレータ粉末は、透光性のエポキ
シ樹脂と混合し、X線発生装置収納室の壁に模したコンクリート板に1mmの厚さに塗布
して硬化させた。
図2に評価結果を示す。X線検出材に50kVの強さのX線を当て、発光を視認できる
か否かで判断した。シンチレータ粉末の平均粒径が10μmに満たない条件では、X線検
出材の発光強度が弱く、観察者10人中2人しか発光を視認できなかった。また、100
μmを超える平均粒径のシンチレータ粉末の混合体では、コンクリート板上に均一に塗布
することが難しく、塗布ムラやシンチレータ粉末の脱落、硬化時にひび割れのようなもの
も生じていた。シンチレータ粉末の平均粒径が10μm以上100μm以下のX線検出材
からの発光は容易に視認でき、また、コンクリート板に1mmの厚さに均一に塗布して硬
化させても、脱落やひび割れが発生しないことが確認できた。
本発明の実施例2を説明する図である。 本発明の実施例3を示す図である。
符号の説明
1 X線検出材、11 置物の頭部、12 置物の胴体部。

Claims (5)

  1. X線が当たると発光するセラミックスシンチレータ粉末と透光性樹脂との混合体を、X
    線発生装置を収納する部屋の壁や床、柱などの表面に塗布、硬化させ、X線発生装置から
    漏洩したX線を光として視認できることを特徴とするX線検出材。
  2. X線が当たると発光するセラミックスシンチレータ粉末と透光性樹脂との混合体を置物
    などに造形し、X線発生装置の近傍もしくはX線発生装置収納室内に設置し、X線発生装
    置から漏洩したX線を光として視認できることを特徴とするX線検出材。
  3. セラミックスシンチレータ粉末は、GdS、GdGaAl12、CdW
    、CsI、BiGe12から選ばれる化合物で、平均粒径は10μm以上10
    0μm以下であることを特徴とする請求項1および2に記載のX線検出材。
  4. X線検出材におけるセラミックスシンチレータ粉末の質量率が、30%以上90%以下
    であることを特徴とする請求項1から3に記載のX線検出材。
  5. 請求項1および3,4に記載のX線検出材を、壁や床、柱などの表面に設けたことを特
    徴とするX線発生装置収納室。
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