JP2006182812A - アスファルト燃焼システム - Google Patents

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Abstract

【課題】深絞りアスファルトを燃料油として十分利用でき、トータルな燃料単価の低下及び燃焼関連設備(公害防止装置を含む)の省略化・合理化を図る。
【解決手段】アスファルトを含む減圧残渣油を溶剤脱瀝する溶剤脱瀝装置9と、該溶剤脱瀝装置9で生ずる脱瀝油を接触分解して白油化する流動接触分解装置8と、溶剤脱瀝装置9で発生する深絞りアスファルトを燃料油として用いる燃焼発電設備部16とを備える。深絞りアスファルトは、粘度調整油を混合して200℃乃至300℃に加熱処理することにより、パイプ輸送が可能な粘度を有する液体燃料性状に調整する。深絞りアスファルトは、燃焼発電設備部16のバーナー元で加熱処理して、粘度100乃至1000cst(@180℃)の範囲に適宜調整される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、アスファルト燃焼システムに関するものであり、特に、製油所で発生する残渣油に含まれるアスファルトをボイラー等で燃焼して有効利用するアスファルト燃焼システムに関するものである。
従来のシステムでは、原料油を常圧蒸留手段にて蒸留し、得られた常圧残渣油を減圧蒸留手段にて所定の条件下で減圧蒸留することにより、減圧軟質油と減圧残渣油とに分離する。そして、前記減圧軟質油は、例えばガスタービン発電部のガスタービン用燃料として使用される。
又、前記減圧残渣油は、ガスタービンから排出される高温排出ガスと共に、蒸気タービン発電部のボイラーの熱源として使用される。そして、該ボイラーで蒸気を発生させて、蒸気タービンを運転駆動することにより、蒸気タービン発電部にて発電が行われる(例えば、特開2000−80905号公報等)。尚、蒸気タービン発電部のボイラーの熱源として石炭、コークス等を使用する、いわゆる固体燃料燃焼型発電システムも多く採用されている。
特開2000−80905号
特許文献1記載の従来例においては、前記減圧残渣油の中にはアスファルトが含まれているが、このアスファルトは粘度が高いために、燃焼設備部の熱源として有効に利用し難い。また、アスファルトを燃焼設備部の燃料として直接使用した場合、固体燃料である石炭、コークス等と比べると、アスファルトはかなり高価であり、その分だけ燃料単価も高くなり、経済的な観点から燃料として使用することが困難であった。
そこで、アスファルトを原料とする溶剤脱瀝装置を介して、そこから留出する脱瀝油を、例えば流動接触分解装置などで白油化して品質転換することが考えられる。これにより、システム全体としての燃料油の付加価値が向上し、溶剤脱瀝装置から発生する深絞りアスファルトの燃料油コストを低下させることができる。
しかし、深絞りアスファルト自体は非常に粘度が高いために、そのまま深絞りアスファルトを直接使用したのでは燃料に適さない、つまり、燃料として深絞りアスファルトを利用できないという問題がある。
そこで、深絞りアスファルトを粘度調整して燃料として十分利用(減圧残渣油の再生有効利用)でき、前記燃焼システムに於けるトータルな燃料単価を低下させると共に、燃焼設備部におけるボイラー及び排煙処理部等の附帯設備を小型化するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明は該課題を解決することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、アスファルトを含む減圧残渣油を溶剤脱瀝する溶剤脱瀝装置と、該溶剤脱瀝装置により留出された脱瀝油を品質転換する品質転換装置と、前記溶剤脱瀝装置より発生する深絞りアスファルトを燃料とする燃焼設備部とを備え、前記深絞りアスファルトは、粘度調整油を混合して所定の温度に加熱処理することにより、パイプ、タンクローリ等の液体輸送手段
で供給可能な粘度を有する液体燃料性状に調整して使用されるアスファルト燃焼システムを提供する。尚、本発明において品質転換装置とは、脱瀝油を白油化、ガス化又は潤滑油、重油等の原料に品質転換させる装置をいう。
この構成によれば、アスファルトを含む減圧残渣油は、溶剤脱瀝装置により溶剤脱瀝されて、脱瀝油を留出処理すると共に深絞りアスファルトを発生する。留出した脱瀝油は、品質転換装置で白油化、ガス化、又は潤滑油等の原料に品質転換することにより、自家ボイラー又は廃熱ボイラー等の燃料油、又は潤滑油等として使用される。
又、前記溶剤脱瀝装置で発生した深絞りアスファルトは、上記燃焼設備部の燃料として使用される。ここで、深絞りアスファルトは、該深絞りアスファルトに粘度調整油を適量混合して、所定の温度で加熱処理する。斯くして、深絞りアスファルトの粘度が適切な範囲に調整され、燃焼設備部へパイプ、タンクローリ等の液体輸送手段で供給可能な粘度を有する液体燃料性状になる。
請求項2記載の発明は、上記深絞りアスファルトは、上記燃焼設備部のバーナー元で200℃乃至300℃に加熱処理することにより、粘度100乃至1000cst(@180℃)に調整して使用される請求項1記載のアスファルト燃焼システムを提供する。
この構成によれば、燃焼設備部のバーナー元で深絞りアスファルトを200℃以上に加熱処理することにより、燃料として取扱いしやすい粘度100乃至1000cst(@180℃)に調整され、且つ、深絞りアスファルトを300℃以下に加熱処理することにより、該アスファルトがコークスに固化することを抑制する。
請求項1記載の発明は、溶剤脱瀝装置で発生した深絞りアスファルトは、適切な粘度に調整してパイプ、タンクローリ等の液体輸送手段で供給できる液体燃料性状に処理されるので、深絞りアスファルトを直接そのままで燃焼設備部の燃料として供給して十分有効に使用できる。この場合、既存の溶剤脱瀝装置と燃焼設備部とを配管接続するのみで済むので、大掛かりな設備投資を特別に加える必要がない。
又、減圧残渣油は、脱瀝後に品質転換装置で高価なガソリン、軽油等に白油化もしくはガス化、または潤滑油等の原料に品質転換して、トータルな付加価値を向上させることができる。従って、溶剤脱瀝装置から生じた深絞りアスファルトが石炭、コークス等よりも相対的にコストダウンし、固体燃料型の従来システムに比べて、システム全体として燃料単価が大幅に低下するという優れた効果を有する。
又、石炭、コークス等をボイラーで焚く場合と異なり、本発明では、液体燃料を燃焼させるので、大規模な固体燃焼(粉体燃焼)型ボイラーを必要とせず、石炭の如き広い燃料置場スペース(輸送手段)が不要になる。
発明システムでは、適当範囲に粘度調整された深絞りアスファルトを液体性状でそのままハンドリングできるので、ボイラー用燃料の取扱いが非常に容易になるという格別の効果を有する。更に、アスファルトは、総硫黄含有量、総窒素含有量及び総炭素含有量が石炭よりも低い。このため、本発明は、ボイラーの燃焼室で発生する硫黄酸化物SOX 量、窒素酸化物NOX 量及び煤塵量が少なくなり、前記ボイラーの耐腐食性、保守性及び使用寿命性の面で有利になる。更に、排煙設備において脱硫装置、脱窒装置及び脱煤塵装置等の公害防止装置の設置を省略することができ、従来に比べて設備投資ならびに運転費等のランニングコストを大幅に抑えることができる。
請求項2記載の発明は、燃焼設備部のバーナー元で深絞りアスファルトを200℃乃至300℃に加熱処理することにより、高流動性の粘度100乃至1000cst(@180℃)に調整するので、請求項1記載の発明の効果に加えて、前記バーナー元において深絞りアスファルトの粘度を該バーナーやボイラーの種類、燃焼条件並びに運転状況などに応じて、液体燃料として最適な粘度範囲に容易に調整でき、且つ、深絞りアスファルトを固化させる恐れもなく、より一層取扱いが容易な燃料油を得ることができる。
本発明は、アスファルトを含む減圧残渣油を溶剤脱瀝する溶剤脱瀝装置と、該溶剤脱瀝装置により留出された脱瀝油を品質転換する品質転換装置と、前記溶剤脱瀝装置より発生する深絞りアスファルトを燃料とする燃焼設備部とを備え、前記深絞りアスファルトは、粘度調整油を混合して所定の温度に加熱処理して、パイプ、タンクローリ等の液体輸送手段で供給可能な粘度を有する液体燃料性状に調整されることによって、アスファルトを液体でハンドリング可能にして燃料として十分利用でき、トータルな燃料単価を石炭、コークス等の固体燃料システムよりも低減できると共に、前記ボイラー等の小型化、耐腐食性、保守性等の向上、並びに、排煙部における環境汚染防止装置等の附帯設備の省略化・合理化が図れるという目的を実現した。
以下、本発明の一実施の形態を図1に従って説明する。尚、本実施例では、燃焼設備部として燃焼発電設備部に適用し、且つ、品質転換装置として流動接触分解装置に適用したものを一例に挙げて具体的に説明するが、本発明は、これに限定されないことは言うまでもない。
図において、1は原油が貯溜される原油タンクであり、原油タンク1の流出部側には、原油の常圧蒸留処理を行うための常圧蒸留装置2が接続されている。該常圧蒸留装置2の塔底部側には、常圧残渣油の減圧蒸留処理を行うための減圧蒸留装置3が接続され、該減圧蒸留装置3の塔頭部側には、減圧蒸留で生じた留出油の脱硫を行うための重質軽油脱硫装置4が接続されている。この重質軽油脱硫装置4で脱硫処理された重質軽油VGOは、その一部が水素化分解装置5で水素化分解され、他の一部がC重油用カッター材6として用いられる。
減圧蒸留装置3の塔底部流出側には、減圧残渣油の一部を接触分解処理するための流動接触分解装置(品質転換装置)8と、減圧残渣油の他の一部を溶剤脱瀝処理するための溶剤脱瀝装置(SDA)9とが並列接続されている。又、前記減圧残渣油の他の一部は、C重油10又は道路用アスファルト11として用いられる。尚、12は流動接触分解装置8の流入側に設けた燃料油用タンクである。また、13は溶剤脱瀝装置9の流入側に設けた燃料油用タンクである。
溶剤脱瀝装置9の塔頭部流出側には前記流動接触分解装置8が接続されている一方、該溶剤脱瀝装置9の塔底部流出側には深絞りアスファルト用タンク14が接続されている。この深絞りアスファルト用タンク14には、溶剤脱瀝装置9から深絞りして得られる深絞りアスファルトが一時貯留される。
更に、深絞りアスファルト用タンク14の流出部側には、自家燃料油システム部15と燃焼発電設備部(例えば、ボイラー・蒸気タービン型発電装置)16が並列接続されている。この自家燃料油システム部15は、深絞りアスファルトから硫黄分を除去することにより、自家燃料油に適した燃料性状にコントロールして熱源とする。また、燃焼発電設備部16は、深絞りアスファルトの粘度調整及び加熱処理を行うことにより、発電用燃料油に適した燃料性状に深絞りアスファルトをコントロールして熱源に供する。
自家燃料油システム部15と流動接触分解装置8の流出部側には自家発電用ボイラー17が接続され、この自家発電用ボイラー17は、自家燃料油システム部15又は流動接触分解装置8から発生する再生塔燃焼ガス又は燃料油を熱源として利用する。
又、流動接触分解装置8の流出部側には、再生塔燃焼ガスを熱源として利用するための廃熱ボイラー18が接続され、該廃熱ボイラー18と自家発電用ボイラー17とは互いに並列配置して接続されている。この自家発電用ボイラー17及び廃熱ボイラー18から出る煙は、簡易な排煙脱硫装置19を経由して、集合煙突20より大気中に排出される。
上記構成において、常圧蒸留装置2で発生した常圧残渣油は、減圧蒸留装置3に送られ、減圧蒸留装置3の塔底部から減圧残渣油が取り出される。取り出された減圧残渣油はアスファルトを含む。この減圧残渣油の一部は、燃料用タンク12又は13を経て、流動接触分解装置8又は溶剤脱瀝装置9に送られる。そのうち、流動接触分解装置8に送られた減圧残渣油は、流動接触分解装置8で再生塔燃焼ガスに流動接触分解された後に、自家発電用ボイラー17及び廃熱ボイラー18の燃料として使用される。
一方、溶剤脱瀝装置9に送られた減圧残渣油は、溶剤脱瀝装置9で溶剤脱瀝される。ここで、溶剤脱瀝装置9の塔頭部からは、留出油(約50%)である脱瀝油(DAO)が取り出される一方、溶剤脱瀝装置9の塔底部からは、残渣分(約50%)である深絞りアスファルトが取り出される。
尚、残渣分は従来(約70%)に比べて約20%改善しており、それに伴い石油ピッチ量に応ずる分だけ、廃棄物(ピッチ分は常温では固すぎて使用しがたい物質)の有効利用が達成された。特に、接触分解重油については、従来はC重油に5%程度しか混入できず取扱いに困っていたが、本実施例では、燃焼発電設備部16の燃料に自己消費できるので、その分だけC重油の生産を減らすことができた。
而して、前記脱瀝油は流動接触分解装置8に送られ、接触分解処理して高付加価値のガソリンや灯軽油などの燃料油に白油化される。尚、減圧残渣油に対する白油化の割合は約50%であり、従来よりも約20%乃至30%改善されている。この燃料油は一部ガス化されて、自家ボイラー17等の熱源として有効に使用される。
また、溶剤脱瀝装置9の塔底部から取り出される深絞りアスファルトは、タンク13に送られ、燃料油に適するように絞りアスファルトの粘度調整が行われる。粘度調整された深絞りアスファルトの一部は、自家燃料油システム部15で硫黄分がコントロールされる。この後、自家発電用ボイラー17に送られて、自家燃料油として使用される。
さらに、深絞りアスファルトの他の一部は、燃焼発電設備部16に送られるが、この場合、深絞りアスファルトは、燃焼発電設備部16のボイラー部のバーナー元で所定温度に加熱されて、発電用液体燃料として使用される。即ち、ボイラー炉で燃焼してスチームを発生させることにより、発電機のタービンを駆動して発電させる。また、ボイラー部から生ずる排ガスは、脱硝設備DeNOX、脱硫設備DeSOX及び除塵装置EPを経て、煙突から大気中に排出される。
ここで、本発明による深絞りアスファルトの粘度調整について、更に詳しく説明する。粘度調整前の深絞りアスファルトは、表1(深絞りアスファルト燃料の代表性状)に示すように、深絞りアスファルトは、それ自体の粘度が4260cst(@180℃。以下同様。)と非常に高いので、そのままでは発電用燃料として直接使用できない。
Figure 2006182812
しかし、本実施例では、表2に示す(代表)燃料性状を有する粘度調整油(5cst)、例えば、上記接触分解処理して得られたスラリー油を用いて、この粘度調整油を深絞りアスファルトに適当範囲の割合で混合することにより、表3に示す(代表)燃料性状に改善された。改善後の深絞りアスファルトの粘度は、900cstに調整したものを一例として挙げているが、粘度の範囲は100cst乃至1000cstの範囲に調整することができる。
Figure 2006182812
Figure 2006182812
更に、この後、表3の燃料性状に改善された深絞りアスファルトは、これをバーナー元(バーナー流入部近傍箇所)において、一層適切な粘度範囲、より具体的にはパイプ(液体輸送手段。図略。)で輸送・供給できる粘度、例えば300cst乃至800cstとなるように、所定温度Tに加熱処理される。このことにより、発電燃料用として十分使用できるように処理される。この場合の処理温度Tは、その燃料性状見合いで自由に対応しうるものではなく、約300℃を越えると固化する恐れがある。従って、加熱温度Tは200℃から300℃の範囲、より好ましくは260℃から280℃の範囲に設定するのがよい。
このように、深絞りアスファルトは、これに表1の粘度調整油を適当割合で混合して粘度調整され、更に、燃焼発電設備部16のボイラー部のバーナー元でも適当温度Tに加熱することにより、最終的に粘度300cst乃至800cstの範囲に調整することができる。
本実施例では、深絞りアスファルトを原料とする溶剤脱瀝装置を介して、そこから留出する脱瀝油を流動接触分解装置にかけ、脱瀝油の50%程度をガソリン、軽油、灯油など
に白油化したことにより、付加価値が著しく向上し、溶剤脱瀝装置から深絞りアスファルトの価格を大幅に低下させることができる。
また、深絞りアスファルトの粘度を300cst乃至800cstに調整したことで、燃焼発電設備部へパイプ輸送できる燃料性状を有する液体燃料油が得られた。従って、深絞りアスファルト自体は、ノズル噴射用に適すべく、燃料油として使用できる粘度に低下したために、そのままで発電用燃料として十分使用できる。
ここで、本実施例の効果について補足説明する。本実施例に係る脱瀝ピッチ(約10000cst、硫黄分約7%)は、軽油(約5cst,硫黄分約1%)と55対45の比率で混合して使用した場合、粘度約120cst、硫黄分約4.3%にコントロールできる。尚、硫黄分と同様に窒素分も任意にコントロールできる。
これに対して、従来の普通アスファルト(約100cst、硫黄分約5%)は、軽油(約5cst、硫黄分約1%)と80対20の比率で混合して使用した場合、粘度約44cst、硫黄分約1.2%になる。
これから判るように、本実施例によれば、硫黄分や窒素分を任意にコントロールしても、従来の普通アスファルトの粘度以上の粘度を確保できる。普通アスファルトでも硫黄分や窒素分を任意にコントロールできるが、コントロール後の粘度は、普通アスファルトの粘度を下回ってしまう。これは、高い原料を使用したことを意味し、その分だけコスト高を招来する。又、石炭等の粉体燃料の場合は、硫黄分や窒素分を任意にコントロールすることが難しく、高価な低硫黄炭を使用する、用船等の石炭置場で原料炭を区分けして置く必要がある、ボイラー本体や環境設備のランニングコストを含む設備投資が高くなる、等の欠点を有する。
その点、本発明では、石油燃焼型ボイラーを使用できるので、かかる欠点が除去される。特に、発電用燃料として石炭等の固体燃料を使用した場合に比べて、発電単価が石炭等と同等若しくはそれ以下に低下する。さらに、最適な粘度範囲に調整された深絞りアスファルトは、ハンドリングが容易な液体であるので、発電用燃料の使い勝手が良くなる。
更に、燃焼発電設備部16のボイラー部から生ずる排ガスは、脱硝設備、脱硫設備及び除塵装置を経て排出されるが、深絞りアスファルトのトータルサルファー量や煤分の含有量は、石炭やコークスよりも少ないので、これら設備の小型化、触媒コストや運転費の低下、並びに未燃焼カーボン量の軽減化を達成できる。従来は、一般石炭に高価な低硫黄炭をブレンドする必要があったうえに、低硫黄炭と区分けするための敷地であるコールヤードが必要であったが、本実施例ではかかる必要はない。
又、石炭を粉体燃焼する場合に比べて、燃焼空間が小さくなるので、ボイラーが小型化する。以上より、本実施例は、大気環境汚染防止関連設備等への投資も抑えられる等の相乗効果を有し、総じて、深絞りアスファルトを使用することで、従来に比べ発電設備投資及び付属設備投資ならびに運転費を抑えることができる。
このように本発明は、溶剤脱瀝装置、分解接触装置及び燃焼発電設備を有機的に組み合わせたことから、燃焼発電設備部の燃料として十分使用できるうえに、既存の溶剤脱瀝装置と燃焼発電設備部などを配管で接続するのみで済み、大掛かりな設備投資を特別に付加する必要がない。特に、脱瀝油を燃料油に白油化して高い付加価値を有しているので、溶剤脱瀝装置から生じた深絞りアスファルトの価格が相対的に低下する。その結果、本発明の発電システム全体として発電単価が低下し、従来の石炭燃焼型発電システムに比べ経済的に優位になる。
又、深絞りアスファルトを燃料油としてノズル噴射して燃焼させるので、大規模な粉体燃焼型ボイラーを必要としない。更に、前記加熱温度Tを300℃以下にしたので、深絞りアスファルトがコークスに固化することを抑制することができる。
尚、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
本発明の一実施の形態を示し、原油の一貫処理工程におけるアスファルト燃焼システムを説明する全体フロー図。
符号の説明
1 原油タンク
2 常圧蒸留装置
3 減圧蒸留装置
4 重質軽油脱硫装置
5 水素化分解装置
6 C重油用カッター材
8 流動接触分解装置(品質転換装置)
9 溶剤脱瀝装置
10 C重油
11 道路用アスファルト
12 燃料用タンク
13 燃料用タンク
14 深絞りアスファルト用タンク
15 自家燃料油システム部
16 燃焼発電設備部(燃焼設備部)
17 自家発電用ボイラー
18 廃熱ボイラー
19 排煙脱硫装置
20 集合煙突

Claims (2)

  1. アスファルトを含む減圧残渣油を溶剤脱瀝する溶剤脱瀝装置と、該溶剤脱瀝装置により留出された脱瀝油を品質転換する品質転換装置と、前記溶剤脱瀝装置より発生する深絞りアスファルトを燃料とする燃焼設備部とを備え、前記深絞りアスファルトは、粘度調整油を混合して所定の温度に加熱処理することにより、パイプ、タンクローリ等の液体輸送手段で供給可能な粘度を有する液体燃料性状に調整して使用されることを特徴とするアスファルト燃焼システム。
  2. 上記深絞りアスファルトは、上記燃焼設備部のバーナー元で200℃乃至300℃に加熱処理することにより、粘度100乃至1000cst(@180℃)に調整して使用されることを特徴とする請求項1記載のアスファルト燃焼システム。
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