JP2006177967A - 低解像度検出を使用してアッセイを読み取る方法 - Google Patents

低解像度検出を使用してアッセイを読み取る方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
化学的または生物学的検体を低コストでかつ一貫した方法で検出する。
【解決手段】
感応領域(102)を含む基材(100)を照明するステップ(702)と、前記基材(100)が対象検体に暴露されたかどうかを検出するステップ(704)であって、低解像度検出(200)および前記感応領域(102)に関するアプリオリデータを使用して、前記感応領域(102)から反射された前記照明の第1の部分の特性が、前記感応領域外の基材(103)から反射された前記照明の第2の部分の特性と異なるかどうかを判定するステップを有する、ステップ(704)とを含むアッセイを読み取る方法(700)を提供する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、低解像度検出を使用してアッセイを読み取る方法に関する。
現在、アッセイは人間の目または高コストなイメージングシステムによって読み取られ、そのようなアッセイの読み取り結果は個々の人間の評価または高価な装置によって判定される。
そのようなアッセイを読み取る目的は、分析している生物学的または化学的材料の試料が特定の検体あるいは検体の誘導体または構成成分を含むかどうか判定することである。アッセイの対象となる特定の検体は、対象検体(analyte of interest)と呼ばれる。試料は、尿、唾液、血漿などの生体物質を含むことがある。試料は、雨水、沈殿物などを含むことがある。
アッセイは、基材の表面に感応領域(sensitive region)がパターン形成された基材を使用して行われる。そのような基材は当技術分野において知られており、感応領域は表面の化学的処理または物理的操作によって形成される。感応領域のパターンには、1つまたは複数の形状、例えば約1センチメートル(cm)の直径を有する円形がある。
通常、基材は滑らかな表面を有し、シリコンまたはガラスからなる。基材の表面は、対象検体への暴露に対して反応する感応領域を有する。感応領域は、感応領域が対象検体に暴露されるまで基材の感応領域外領域と判別できない。感応領域は、対象検体への接着などによって対象検体または対象検体の誘導体に感応領域が暴露されるときに反応する。
対象検体に暴露されたときの感応領域のそのような反応の検出は、対象検体に暴露されたときに感応領域の形状を判定する人間の目または高コストの高解像度検出システムによって行われなければならない。
関連技術において、人間は感応領域を観察して試料への暴露によって起こる感応領域の外観変化が基材の他の部分の外観変化に対して十分であったかどうかを判定し、感応領域が対象検体に暴露されたこと、従って試料に対象検体が含まれていたことを結論付ける。
対象検体を検出したかどうかの人間による判定は、一貫していない場合があり、間違いやすい場合がある。
一般に電荷結合素子(CCD型)システムといくつかのCMOS型システムの関連技術のシステムによる判定は、そのようなシステムが基材全体にわたって基材の表面の対象検体に暴露された感応領域の形状と位置を判定する高解像度システムであるため高価である。しかしながら、そのような詳細な判定は不要である。
統計的パターン認識は、当技術分野において知られている。統計的パターン認識は、非特許文献1で述べられており、この論文は参照により本明細書に組み込まれるものとする。
「Statistical Pattern Recognition: A Review」Anil K. Jain、Robert RW. Duin、およびJianchang Mao、IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence、Vol.22、No.1、pp.4−37、2000年1月
関連技術の問題は、化学的または生物学的検体を低価格でかつ一貫した方法で検出できないことである。
本発明の1つの態様は、より低コストなアッセイ読み取りを実現することである。
本発明のもう1つの態様は、複数の検体を単一アッセイで読み取ることである。
本発明のさらに他の態様は、関連技術よりも予測可能でかつ一貫したアッセイ読み取り結果を提供することである。
以上の態様は、基材を照明するステップを含むアッセイ読み取り方法によって達成される。基材は感応領域を有する。この方法は、また、基材が対象検体に暴露されたかどうかを検出するステップを含む。検出するステップは、低解像度検出器と感応領域に関するアプリオリデータ(a priori data)を使用して、感応領域から反射された照明の第1の部分の特性が、感応領域外の基材から反射された照明の第2の部分の特性と異なるかどうかを判定するステップを含む。
また、上記の態様は、感応領域を有する基材上に付着された試料のアッセイを読み取り、試料に対象検体が含まれていたかどうかを判定する装置によって達成される。この装置は、基材を照明するように配置された照明装置と、基材から反射された照明を検出するように配置された低解像度検出器と、低解像度検出器に結合され、感応領域に関するアプリオリデータに応じて動作する分析装置とを含み、検出した照明を分析して感応領域から反射された照明の第1の部分の特性が感応領域外の基材から反射された照明の第2の部分の特性と異なるかどうかを判定することによって、基材が対象検体に暴露されたかどうかを判定する。
上記の態様は、さらに、アッセイを読み取る方法によって達成される。この方法は、基材を照明するステップを含み、基材は感応領域を含む。方法は、また、基材が対象検体に暴露されたかどうか検出するステップを含み、検出するステップは、低解像度検出と感応領域に関するアプリオリデータを使用して、感応領域の1つから反射された照明の第1の部分と感応領域のもう1つから反射された照明の第2の部分の特性の一方または両方が、感応領域外の基材から反射された照明の第3の部分の特性と異なるかどうかを判定するステップを含む。
さらに、上記の態様は、感応領域を有する基材上に付着された試料のアッセイを読み取って、試料にそれぞれの対象検体が含まれていたかどうかを判定する装置によって達成される。この装置は、基材を照明するように配置された照明装置と、基材から反射された照明を検出するように配置され、検出器アレイを含む低解像度検出器と、低解像度検出器に結合され、感応領域に関するアプリオリデータに応じて動作する分析装置とを含み、検出した特性を分析して、感応領域の1つから反射された照明の第1の部分の特性と感応領域のもう1つのから反射された照明の第2の部分の特性の一方または両方が、感応領域外の基材から反射された照明の第3の部分の特性と異なるかどうかを判定することによって、感応領域の少なくとも1つが検体に暴露されたかどうかを判定する。
さらに、以上の態様は、感応領域を有する基材上に付着された試料のアッセイを読み取って、試料に対象検体が含まれていたかどうかを判定する装置によって達成される。この装置は、基材を照明するように配置された照明装置と、基材から反射された照明を検出するように配置された低解像度検出器と、低解像度検出器に結合され、感応領域に関するアプリオリデータに応じて動作するプロセッサとを含み、統計的パターン認識機能を実行して検出照明を分析して、感応領域から反射された照明の第1の部分の特性が、感応領域外の基材から反射された照明の第2の部分の特性と異なるかどうかを判定することによって、基材が対象検体に暴露されたかどうかを判定する。
後で明らかになる以上のその他の態様および利点は、後でより詳しく説明され請求されるような構成と動作の詳細に記載され、その詳細の一部分を構成する添付図面が参照され、図面全体を通して類似の番号が類似の部分を指す。
図1Aと図1Bは、基材100上に付着された感応領域102を有する基材100を示す図である。基材100は、感応領域102を備えたテストストリップでもよい。
図1Aは、対象検体を有する試料に感応領域102を暴露する前の感応領域102を示し、図1Bは、対象検体を有する試料に感応領域102を暴露した後の感応領域102を示す。
図1Aに示したように、対象検体を有する試料に基材100の表面を暴露する前に基材100の表面を照明したとき、感応領域102から反射される照明部分は、基材100の感応領域外の基材領域103から反射される照明部分と同じ特性を有する。
さらに、また図1Aに示したように、対象検体のない試料に基材100の表面を暴露した後で感応領域102から反射される照明部分は、感応領域外の基材領域103から反射される照明部分と同じ特性を有する。すなわち、対象検体のない試料に基材100の表面を暴露したとき、感応領域102から反射される照明の特性は、感応領域外の基材領域103から反射される照明の特性に対して変化しない。
図1Bに示したように、対象検体を有する試料に感応領域102を暴露したとき、感応領域102から反射される照明部分の特性が変化する。本明細書で後で説明するように、感応領域102から反射される照明部分の特性のこの変化は、本発明の低解像度検出器によって検出可能である。
すなわち、基材を試料に暴露する前の感応領域102と感応領域外の基材領域103から反射される照明部分の特性と、対象検体のない試料に基材を暴露した後で感応領域102と感応領域外の基材領域103から反射される照明部分の特性と、対象検体に暴露した後で感応領域外の基材領域103から反射される照明の特性との間には検出可能な差がないが、対象検体に感応領域102を暴露した後で感応領域102から反射される照明の前述の特性のいずれの間にも検出可能な差がある。
基材100の表面はテクスチャを有し、そのテクスチャは滑らに限定されず、すなわち、テクスチャは粗くてもよい。さらに、基材100の表面を試料に暴露すると、試料中の対象検体の有無によって基材100から反射される照明の特性が変化してもよい。すなわち、試料は、感応領域102から反射される照明の第1の部分の特性と感応領域外の基材領域103から反射される照明の第2の部分の特性が両方とも、試料に対する暴露に応じて変化するように基材100の表面に被覆を形成してもよい。感応領域外の基材領域103から反射される照明部分の特性に対して感応領域102から反射される照明部分の特性の検出可能な差がある場合、本発明は、感応領域102が対象検体に暴露されたこと、すなわち対象検体が試料に含まれていたことを判定する。前述の特性に検出可能な差がない場合、本発明は、感応領域102が対象検体に暴露されなかったと判定し、対象検体が試料に含まれていなかったと判定する。
したがって、対象検体に暴露されたときに感応領域102から反射される照明の部分の特性と、対象検体に暴露されたときに感応領域外の基材領域103から反射される照明の部分の特性とにおいて差があり、この差は本発明の低解像度検出器によって検出可能である。
図2は、本発明の基材100に付着された試料のアッセイを読み取る低解像度撮像装置200の実施形態を示す図である。
すなわち、図2は、感応領域102を有する基材100に付着された試料のアッセイを読み取って試料中に対象検体が含まれていたかどうかを判定する低解像度撮像装置200を示す図である。低解像度撮像装置200は、照明装置202、低解像度検出装置206、および分析装置208を含む。図2の低解像度撮像装置200において、分析装置208はプロセッサである。本発明のさらに他の実施形態において、分析装置は、信号処理プロセッサ、専用コンピュータハードウェア、または単純な電子回路でよい。
図2を再び参照すると、照明装置202は、基材100を照明するように配置されている。低解像度検出装置206は、基材100から反射された照明を検出するように配置されている。分析装置208は、低解像度検出装置206に結合されており、感応領域102に関するアプリオリデータに応じて動作して、検出した照明を分析して感応領域102から反射される照明の第1の部分の特性が感応領域外の基材領域103から反射される照明の第2の部分の特性と異なるどうか判定することによって、基材100が対象検体に暴露されたかどうかを判定するように動作する。基材が複数の感応領域102を含む場合、本発明は、感応領域102に関するアプリオリデータに応じて動作する。
試料を基材100に付着させた後で、本発明の低解像度撮像装置200は、照明装置202によって基材100を照明する。照明装置202は、基材100に発光ダイオード、電球、マイクロ波原などから可視光、赤外線、紫外線、周囲光を当てるように配置された放射光原を含む。また、本発明は、可視光線の検出に限定されないが、少なくとも前に列挙した種類の照明を検出する。
必要に応じて、照明装置202から基材100に照明を収束するためにレンズ(図2には示していない)が使用される。
基材100が照明装置202によって照明された後、基材100から反射される照明の特性が低解像度検出装置206によって検出される。基材100から反射された照明の特性は、基材の感応領域と感応領域外の基材領域を含む基材の様な位置から反射された照明の特性を含む。
必要に応じて、基材100から低解像度検出装置206に反射された照明を導く撮像レンズ204が使用される。
基材100から低解像度検出装置206に反射される照明の特性と、基材100の様々な位置から低解像度検出装置206に反射される照明部分の特性には、例えば、スペクトル強度、電力、偏光、蛍光などがある。そのような特性から、画像、個々の画素値、アルベドなどの他の有用な情報を決定することができる。基材100の様々な位置には、感応領域102、感応領域外の基材領域103、および感応領域102と感応領域外の基材領域103の間の境界線などがある。基材100の様々な位置から低解像度検出装置206に反射される照明の特性の差は、低解像度検出装置206によって検出可能である。
本発明の低解像度検出装置206は、基材100から反射された照明の特性を検出し、より詳細には、基材の感応領域102から反射された照明の第1の部分の特性と、基材の感応領域外の基材領域103から反射された照明の第2の部分の特性と、また必要に応じてそれらの間の境界線の特性の間の差を検出する。
本発明において、低解像度検出は、感応領域102から反射された照明の第1の部分と、感応領域外の基材領域103から反射された照明の第2の部分とを検出し、また必要に応じて、照明の第1の部分と照明の第2の部分の組み合わせの検出を含む。本発明の低解像度検出は、低解像度検出装置206によって実行される。
照明の第1の部分と照明の第2の部分の組み合わせは、照明の第1の部分の量と照明の第2の部分の量の合計である。
低解像度検出装置206は、感応領域102から反射された照明部分の特性と、感応領域外の基材領域103から反射された照明部分の特性と、必要に応じてそれらの領域の間の境界線の特性との間に差があるかどうかを判定するために、画素などの最小数の検出器要素を含む。
本発明の低解像度検出において、本発明の低解像度検出装置206は、感応領域102から反射された照明部分の特性と感応領域外の基材領域103から反射された照明部分の特性を識別する。感応領域から反射された照明部分の特性と感応領域外の基材領域103から反射された照明部分の特性を識別するために、本発明の1つの実施形態において、低解像度検出装置206は、基材100が移動しており低解像度検出装置206が基材100の異なる部分から反射された照明の少なくとも2つの検出を受け取るように動作する場合に少なくとも1つの検出器要素を含み、本発明のもう1つの実施形態において、低解像度検出装置206は、基材100が静止しており低解像度検出器が基材100の異なる部分から反射された照明の検出を受け取るように動作する場合に少なくとも2つの検出器要素を含む。
本発明の低解像度検出装置206は、基材100が動いておりかつ1つの検出器要素で基材100の異なる位置から複数の検出を行う場合は1つの検出器要素を備えた光検出装置、2つ以上の検出器要素を備えた光検出装置、画素に対応する検出器要素の一次元線形アレイを備えた光検出装置、一次元(1D)アレイや二次元(2D)アレイなどの画素に対応する検出器要素のアレイを備えた光検出装置、あるいはこれらの組み合わせを含むことができる。低解像度検出装置206は、CMOS(相補型金属酸化シリコン)検出装置を含むことができる。
本発明は、低解像度検出装置206の前述の実施形態に限定されない。本発明の他の実施形態において、最少数の画素、すなわち基材100が静止している場合は2つ以上の画素、また基材100が移動しており複数の検出が基材100上の異なる位置にある1つの画素によって行われる場合は1つの画素を使用して低解像度カメラや撮像システムに含まれるすべての画素値を分析することなく照明の第1の部分の特性と第2の部分の特性を検出する本発明の方法で低解像度カメラまたは撮像システムが低解像度検出を実行する限り、低解像度検出装置206は、ウェブカメラ、携帯電話カメラ、撮像システムなどの低解像度カメラも含むことができる。
本発明は、アプリオリデータに応じて機能し、アプリオリデータの例には、基材100の照度、色、対象検体への暴露による感応領域102の相対的アルベド、低解像度検出装置206の検出器の位置、感応領域102のサイズ、感応領域102の位置、および/または感応領域102の形、 基材の感応領域から反射された照明の第1の部分の特性と感応領域外の基材領域103から反射された照明の第2の部分の特性の差のしきい値などがある。
次に、本発明の低解像度検出装置206の実施形態として、2つの光検出装置、線形撮像画素アレイ、一次元撮像画素アレイ、および二次元撮像画素アレイの使用を考察する。
本発明の実施形態において、感応領域102から反射された照明の第1の部分の特性と感応領域外の基材領域103から反射された照明の第2の部分の特性の差の判定は、光検出装置などの少なくとも2つの検出器を使用して行われる。この判定に関係するアプリオリデータの例には、感応領域102の知識と、感応領域内のある位置に対応する1つの検出器と感応領域外の基材領域103のある位置に対応する別の検出器の位置がある。他のアプリオリデータには、色、および/または感応領域102と感応領域外の基材領域103のアルベドがある。差は、感応領域102に関するアプリオリデータを使用して判定される。
例えば、本発明の低解像度撮像装置200のこの実施形態において、基材100の感応領域102は、基材100が対象検体に暴露されたとき、感応領域外の基材領域103よりも見かけが明るくなるか暗くなる。すなわち、感応領域102が対象検体に暴露されたとき、感応領域102のアルベドは非感応領域103のアルベドに対して変化する。
また、本発明の実施形態において、基材100から反射された照明の検出特性が、感応領域102の特定の形状と一致しているかどうかの判定は、検出器が基材から反射された照明を検出しているときに基材が静止している場合は少なくとも3つの検出器を使用し、基材100が移動している場合に1つの検出器が基材100の異なる部分から反射された照明の少なくとも3つの検出を受け取る場合は1つの検出器を使用して行われる。本発明の実施形態において、これらの検出器は光検出装置である。
以下の説明の全体にわたって、パターンには1つまたは複数の形状があり、またパターンは1組の形状である。
以下の例では、少なくとも3つの検出器を使用する。反射され検出された照明が特定の形状と一致するかどうかの判定に関連するアプリオリデータの例には、前述のアプリオリデータ、ならびに感応領域102に対する第3の検出器の位置、対応する対象検体への暴露による感応領域102の照度、色、および/または相対的アルベドがある。例えば、低解像度検出装置206として、感応領域の中心をまたいで感応領域外の基材領域103に入る位置に位置決めされた5つの光検出装置を使用する場合は、これらの5つの光検出装置に関する位置およびそれに対応するアプリオリデータを使用して、感応領域102が、画素の一部分に反射される照明の特性を変化させ、これにより対象検体に暴露されたかどうかが統計的に判定される。
さらに、本発明のひとつの実施形態において、照明の一部分が感応領域102と感応領域外の基材領域103から反射されるときに基材100が低解像度光検出装置206に対して動いている場合、低解像度検出装置206として一次元画素アレイを有する光検出装置が使用される。本発明のこの実施形態において、アプリオリデータは、前述のアプリオリデータならびに基材100が時間の関数として固定点を通過するか低解像度検出装置206によって走査されるときの基材100の位置を含む。
本発明のもう1つの実施形態において、低解像度検出装置206として、2x2画素アレイ、5x5画素アレイ、10x10画素アレイなどの二次元画素アレイを有する光検出装置が使用される。また、照明装置202に対する感応領域102の位置と形状の知識に基づいて推測される検出信号に関する対応するアプリオリデータが使用される。これらのアレイは、ウェブカムや携帯電話カメラなどのより大きい画素アレイに含まれることがある。
本発明のさらに他の実施形態において、本発明は、基材の対応する感応領域102から反射された照明の異なる部分を検出する低解像度検出装置206を含み、それぞれの感応領域102には、感応領域102が反応する対応する対象検体に特定の感応領域102が暴露されたときに特定の感応領域102から反射される照明部分のそれぞれの特性の検出可能な変化がある。すなわち、本発明は、複数の検体のうちの対応する1つとそれぞれ反応する複数の感応領域102を有する基材100に付着された1つまたは複数の試料に含まれる可能性のある複数の対象検体の有無を単一のアッセイで検出することができる。
本発明の低解像度検出装置206が、基材100から反射された照明の特性を検出したとき、検出された照明は、プロセッサ208などの分析装置に送られる。本発明は、分析装置としてプロセッサ208について説明するが、分析装置は、ディジタル信号プロセッサ、中央処理装置、または単純な電子回路でもよい。
低解像度検出装置206またはプロセッサ208あるいはこの両方は、基材100の感応領域102に関するアプリオリデータを含む。アプリオリデータは、感応領域102から反射された照明部分の特性を検出する前に、感応領域102に関する既知の情報を含む。
このアプリオリデータには、例えば、感応領域102の1つまたは複数の位置に対応するデータおよび/または形状とサイズ、および/または感応領域から反射される、検出器出力信号、スペクトル強度(色)、偏光、出力、蛍光などを含む照明の特性、あるいはこれらの組み合わせがある。検出器出力信号は、感応領域102から反射された照明の第1の部分の量と、感応領域外の基材領域103から反射された照明の第2の部分の量の合計に比例する。アプリオリデータとしてスペクトル強度を含む場合、低解像度検出装置206でスペクトル強度を検出する検出器の前にフィルタが配置される。アプリオリデータとして偏光を含む場合、低解像度検出装置206内の検出器の前に偏光感応素子が配置される。アプリオリデータとして蛍光を含む場合は、低解像度検出装置206内の検出器の前に適切なフィルタが配置される。
プロセッサ208は、低解像度検出装置206と通信可能であり、基材から反射され低解像度検出器によって検出された照明の特性を分析して、特性が互いに異なるかどうかを判定し、より詳細には感応領域に関するアプリオリデータに基づいて、感応領域から反射された照明の第1の部分の特性が、感応領域外の基材から反射された照明の第2の部分の特性と異なるかどうかを判定する。特性が互い異なる場合、プロセッサ208は、感応領域102が対象検体に暴露されたことを示す。
基材から反射された照明の特性を分析するプロセッサ208の実施形態は、コンピュータソフトウェア内の手順としてあるいはディジタル信号プロセッサや電子回路などのハードウェア内の専用機能として実施される特性分析機能を実行するプロセッサ208を含む。
次に、2つの検出器を含む低解像度検出装置206の特性分析機能の例を示す。以下の例では、分析する特性は、反射された照明部分の強度であるが、本発明は、強度特性の分析に限定されない。次に、2つの検出器を含む低解像度検出装置206の特性分析機能の例に戻ると、この特性分析機能は、反射された照明部分の強度、感応領域102の位置、および感応領域外の基材領域103の位置を含むアプリオリデータを入力として受け取り、感応領域102から反射された照明の第1の部分の強度と、感応領域外の基材領域103から反射された照明の第2の部分の強度に差があるかどうか判定する。差がある場合、プロセッサ208は、感応領域102が対象検体に暴露されたことを示す信号を送る。差がない場合、または差がしきい値よりも小さい場合、プロセッサ206は、感応領域102が対象検体に暴露されていないことを示す信号を送る。
このしきい値は、アプリオリデータに含まれる。さらに、本発明の2検出器実施形態におけるアプリオリデータは、低解像度検出装置206の検出器の一方が主に感応領域102から照明を受け取ることを示し、低解像度検出装置206の検出器の他方が主に感応領域外の基材領域103から照明を受け取り、感応領域102が対象検体に暴露されたときに2つの検出器によって測定される相対強度は、アプリオリデータによって指定されたしきい値よりも大きく変化する。
以下の例において、本発明は、所定の感応領域102が感応領域102の形状Xに従って感応する対象検体Yを符号化し、その結果、本発明は、形状Xに関する知識をアプリオリデータとして使用して、基材100から反射された照明部分の検出特性の相対値が、感応領域102の形状Xと一致しているかどうかを判定し、これにより感応領域Xが対象検体Yに暴露されたことを判定する。本発明は、形状X自体の判定には必要ない。
本発明の実施形態は、また、基材100から反射され低解像度検出装置206によって検出された照明が、アプリオリデータによって示される感応領域102の特定の形状と一致しているかどうか判定する。3つの検出器を含む低解像度検出装置206の特性分析機能の例は、入力として、反射された照明部分および反射された照明部分の組み合わせの強度と、感応領域102の形状の位置および感応領域外の基材領域103の位置と、感応領域102と感応領域外の基材領域103の間の境界または縁の位置と、低解像度検出装置206に含まれる検出器の位置を含むアプリオリデータを受け取ることである。
次に、特性分析機能は、感応領域102から反射された照明の第1の部分の反射照明の強度と、感応領域外の基材領域103から反射された照明の第2の部分の反射照明の強度と、第1の部分と第2の部分の組み合わせの反射照明の強度に差があるかどうかを判定する。次に、プロセッサ208は、検出器から受け取った反射照明の強度を比較し、この比較とアプリオリデータを使用して、感応領域102が対象検体に暴露されたかどうか判定し、暴露されていた場合は、反射照明の強度が、対象検体に暴露された感応領域102の特定の形状と一致しているかどうかを判定する。
例えば、検出器の一方が、形状の中心からの照明を受け取るように配置され、検出器の他方が、照明の第1の部分と照明の第2の部分の組み合わせによる反射照明の強度が三角形感応領域102の検出器値よりも円形感応領域102の検出器値の方が大きくなるように配置される場合は、プロセッサが、このアプリオリデータを使用して、感応領域102が円形または三角形と一致していたかどうかを判定する。
線形画素アレイと、照明の第1の部分と照明の第2の部分を低解像度検出装置206が検出している間に低解像度検出装置206に対して移動している基材100とを含む低解像度検出装置206の特性分析機能の例は、入力としてアプリオリデータを、時間の関数または低解像度検出装置206の位置に対する基材100の位置の関数として、感応領域102の位置として、また感応領域102の位置、感応領域外の基材領域103の位置、および低解像度検出装置206の検出器の位置として受け取ることである。次に、プロセッサは、第1の部分の特性と、第2の部分の特性と、第1の部分と第2の部分の組み合わせの特性の比較に基づいて、感応領域102が対象検体に暴露されたかどうかを判定する。アプリオリデータに感応領域102の形状も含まれている場合は、プロセッサ208は、特性が感応領域102の形状と一致しているかどうか判定する。
特性分析機能の以上の実施形態によって、低解像度検出装置206が基材から反射された照明の特性の第1の部分、第2の部分、および第1の部分と第2の部分の組み合わせの特性を検出している間に基材100が低解像度検出装置206に対して移動している線形検出器アレイを有する低解像度検出装置206が検出する値の数は、低解像度検出装置206が第1の部分、第2の部分、および第1の部分と第2の部分の組み合わせの特性を検出している間に基材100が低解像度検出装置206に対して移動しておらずより大きい二次元画素アレイを有する低解像度検出装置206が検出する値の数と同じになる。
すなわち、線形検出器アレイは、基材が移動しているときに反射された照明部分が基材100の異なる位置で検出される限り、単一検出器と置き換えることができる。
特性分析機能のもう1つの実施形態において、本発明は、複数の感応領域が対応する複数の対象検体に暴露されたかどうかを分析し、この実施形態では、1つの感応領域のために提供されるアプリオリデータと類似のアプリオリデータが、すべての感応領域のために提供される。
さらに、本発明の実施形態において、前述の特性分析手順は、また、しきい値を分析して、感応領域102が対象検体に暴露されたことを暗騒音に邪魔されずに示すほどしきい値と検出器に反射された値との差が十分に大きいかどうかを判定することを含む。
基材から反射された照明の特性を分析するプロセッサ208の他の実施形態は、当技術分野で知られている統計的パターン認識を実行することであり、その例は、「Statistical Pattern Recognition: A Review」Anil K. Jain、Robert P.W. Duin、およびJianchang Mao、IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence、Vol.22、No.1、pp.4−37、2000年1月に述べられている。
これらの統計的パターン認識機能は、エッジ鮮鋭化/検出技術を含むことができる。特定の統計的パターン認識機能は、例えばプロセッサ208によってまたはディジタル信号プロセッサ内で実行されるコンピュータソフトウェアまたはファームウェアで実施され、そのような統計的パターン認識機能に提供されるアプリオリデータは、低解像度検出装置206に含まれる画素の数と、照明の一部分が基材100から低解像度検出装置206に反射されている間に基材100が低解像度検出装置206に対して移動しているかどうかにより、また分析している感応領域の形状と数および感応領域の形状が決定されているかどうかにより変化する。
図3A、図3B、図3C、図3E、図3F、図3G、図3H、および図3Iは、本発明による基材と検出器画像を示す図である。本発明の1つの実施形態において、検出器画像は画素画像であり、したがって、2検出器画像は2画素画像であり、3検出器画像は3画素画像である。
図3A、図3B、図3C、図3D、図3E、図3F、図3G、図3H、および図3Iは、感応領域102の形状が対応する対象検体の識別に対応している様子を示す。
より詳細には、図3A、図3B、図3C、図3D、図3E、図3F、図3G、図3H、および図3Iは、1つまたは複数の基材100上に含まれる感応領域102a、102b、および102cと感応領域外の基材領域103の様々な形状と、感応領域102a、102bおよび102cに対する低解像度検出装置206の検出器207の位置決めの例の図である。感応領域のこのような形状と検出器の位置決めは例であり、本発明は、これらの形状と配置に限定されない。
図3Aに示したように、基材100の感応領域102aは円形を有し、感応領域102aが検体に暴露されたとき、感応領域102aは、感応領域外の基材領域103よりも暗くなる。このように感応領域102aが暗くなることは、感応領域から反射され本発明の低解像度検出装置206によって検出される照明の特性の例である。さらに、基材100上の位置と感応領域102aの形状は、基材100の別の部分に対するアルベドの相対変化を決定するために使用される感応領域102aに関するアプリオリデータの例である。
低解像度検出装置206の検出器207は、基材100に対して、基材100から反射された照明の特性を検出するように位置決めされる。検出器207のこれらの位置は、図3Bにおいて、基材100の2画素画像を検出するように示されている。
図3Bに示したように、検出器の一方207−1は、感応領域外の基材領域103から反射された照明の特性を検出するように置決めされており、検出器の他方207−2は、感応領域102aから反射された照明の特性を検出するように位置決めされている。前述の例において、検出器207−2は、感応領域102aの中心から反射された照明の特性を検出するように位置決めされている。
検出器207−1と207−2によって検出される基材の2つの検出器検出により、本発明は、感応領域102aから反射された照明の第1の部分の特性が感応領域外の基材領域103から反射された照明の第2の部分の特性と異なるかどうかを判定し、これにより 本発明は、試料に含まれる対象検体に感応領域102aが暴露されたかどうかを判定する。
すなわち、検出器207−1の信号レベルと検出器207−2の信号レベルの差は、感応領域102aが対象検体に暴露されたことを示す。
本発明により感応領域102a、102bおよび102cの形状を識別することにより、本発明は、どの感応領域102a、102bおよび102cが対応する対象検体に暴露されたかを識別することができる。
感応領域102aの形状を判定するために、図3Cに示したように、本発明の低解像度検出装置206の第3の検出器207−3が、基材100に対して第3の位置に配置される。図3Cに示した例において、第3の検出器207−3は、基材100の一部分から、すなわち感応領域102aから、したがって基材100の3画素画像から反射された照明の特性を検出するように位置決めされる。
したがって、本発明の低解像度画像装置200は、照明の第1の部分の特性と、照明の第2の部分の特性と、照明の第1の部分と照明の第2の部分の組み合わせの特性との組み合わせに基づいて感応領域102aの形状を検出する。組み合わせの特性は、組み合わせに含まれる照明の第1の部分の量と照明の第2の部分の量に基づく。図3Cの例では、第3の検出器207−3が感応領域102から反射された照明の特性を検出するように位置決めされるので、組み合わせは第1の部分だけを含む。
検出器207−2と検出器207−3が、感応領域102aから反射された照明の特性を検出するように位置決めされるので、例えば検出器207−2と207−3の信号レベルなどの特性の差がなくなる。しかしながら、検出器207−1の信号レベルと、検出器207−2と207−3の信号レベルには差がある。
図3Fと図3Iは、第3の検出器207−3が、感応領域102と感応領域外の基材領域103から反射された照明の第1の部分と照明の第2の部分の組み合わせを、基材100上の様々な位置から受け取るように位置決めされるさらに別の例を示す。
図3C、図3Fおよび図3Iに示した例において、検出器207−3は、検出器が受け取った照明の第1の部分と照明の第2の部分の合計が各例ごとに異なり、したがって照明の第1の部分と照明の第2の部分の組み合わせの特性(信号強度など)が各例ごとに異なるように配置される。
図3D、図3Eおよび図3Fは、四角形にパターン形成された感応領域102bの例を示す。図3Dは、対象検体に暴露された後の感応領域102bを示す。図3Eは、2つの検出器画像において感応領域102bが対象検体に暴露されたかどうかを判定する2つの検出器207−1と207−2の位置決めを示す。図3Fは、感応領域102bの形状を判定する感応領域102bと感応領域外の基材領域103の間の境界線における第3の検出器207−3の位置決めを示す。検出器207−3が、感応領域102bと感応領域外の基材領域103の間の境界線に位置決めされているので、検出器207−3の信号レベルは、検出器207−2の信号レベルよりも大きく、検出器207−1の信号レベルよりも小さくなる。
図3G、図3Hおよび図3Iは、三角形にパターン形成された感応領域102cの例を示す。図3Gは、対象検体に暴露した後の感応領域102cを示す。図3Hは、2画素画像において、感応領域102cが対象検体に暴露されたかどうかを判定する2つの検出器207−1と207−2の位置決めを示す。図3Iは、3画素画像において、感応領域102cの形状を判定する感応領域外の基材領域103内の第3の検出器207−3の位置決めを示す。検出器207−3が、感応領域外の基材領域103内に位置決めされるので、検出器207−3の信号レベルは、検出器207−1の信号レベルとほとんど同じになる。
したがって、2つの検出器207−1と207−2は、対象検体に暴露された感応領域の存在を検出することができ、3つの検出器207−1、207−2および207−3は、感応領域の形状を識別することができる。どの検出器アレイにも、容易に識別できる1組の形状と容易に識別できない組がある。
図4は、対象検体を含む試料に暴露された感応領域102a、102bおよび102cと、本発明の二次元画素アレイを有する低解像度検出装置206によって生成された対応する低解像度画像402a、402b、および402cを示す図である。低解像度画像402a、402bおよび402c内のグレースケールは、感応領域(暗い画素)、感応領域外の基材領域103(明るい画素)、および感応領域と感応領域外の基材領域103の間の境界(明るい画素と暗い画素の間の中間画素)から反射した照明の特性を検出する画素の信号レベル(グレースケールが明るいほど信号が強い)を示す。しかしながら、感応領域102は、対象検体に暴露されたときに感応領域外の基材領域103よりも明るくなってもよく暗くなってもよい。
より詳細には、図4に示したように、感応領域102aは、対象検体を含む試料に暴露されたときに、感応領域外の基材領域103よりも暗くなり、形状は円形である。形状がやはり円形の低解像度画像402aは、感応領域102aに対応する。同様に、対象検体に暴露された感応領域102bとそれに対応する低解像度画像402bは両方とも形状が長方形である。さらに、対象検体に暴露された感応領域102cとその対応する低解像度画像402cは両方とも形状が三角形である。
感応領域の例示的な形状は、きわめて低い解像度の検出器でも識別できることが分かる。
低解像度画像402a、402b、および402cの縁にある画素は、完全に感応領域102a、102bおよび102c内にある画素の値と感応領域外の基材領域103内にある画素の値の中間の値を有する。
低解像度画像402a、402bおよび402cはそれぞれ、画素アレイ上に示される。アレイ内の画素の数が多くなるほどアレイの解像度が高くなる。低解像度画像402a、402bおよび402cの縁は、グレースケールとして示されており、その濃さは、それぞれ試料102a、102bおよび102cの撮像アレイ206によって取得される画像内の画素の信号レベルに対応している。したがって、プロセッサ208は、アプリオリデータに応じて前述の特性分析または既知の統計的パターン認識手順を実行して中心を決定し、低解像度画像402a、402bおよび402cの縁を画定し、それにより低解像度画像402a、402bおよび402cがそれぞれ、対象検体に暴露された感応領域102a、102bおよび102cに対応しているかどうかを判定する。
本発明のひとつの実施形態において、様々な形状(例えば、円102a、正方形102b、三角形102c)の感応領域が、基材上の異なる位置に付着されているので、試料に含まれる可能性のある複数の異なる対象検体が、並列に検出されるかまたは順次検出される。すなわち、様々な形状と位置の複数の感応領域が基材上に付着され、そのような形状と位置を示すデータが、アプリオリデータに含まれる。本発明の低解像度撮像装置200は、複数の異なる検体を単一のアッセイで検出するために使用される。次に、本発明は、検出器アレイの連続読み取りにより連続した空間信号が生成された後で、統計的パターン認識を使用して検出した対象検体を分離する。
図5は、感応領域102を有する基材100上に付着された試料のアッセイを読み取って、対象検体が試料に含まれているかどうか判定する低解像度撮像装置500を示す図である。図5の低解像度撮像装置500において、低解像度検出装置206は、線形撮像画素アレイである。すなわち、低解像度検出装置206は、一次元撮像アレイであり、CMOS型撮像アレイでもよい。
図5に示したように、試料が移動装置109によって低解像度検出装置206に対して移動されるとき、照明装置202が、移動する試料を照明する。低解像度検出装置206は、線形撮像アレイとして、画像を時間の関数か位置の関数として読み取り、これは、低解像度検出装置206によって検出される二次元の低解像度画像である。一般に、線形撮像アレイは、領域(または二次元)撮像アレイほど高価ではない。
次に、プロセッサ208は、前述のパターン認識機能を実行して、低解像度検出装置206の視野内を直線的に移動する感応領域102の縁と形状を判定する。このパターン認識ソフトウェアは、感応領域102の形状と位置に関するアプリオリデータを使用して既知の形状の周囲をトレースする。このパターン認識ソフトウェアは、対象検体に暴露された感応領域102の画像を再現することもできる。
代替として、少なくとも3つの検出を使用して、感応領域102の形状を必ずしも判定することなく感応領域102の形状を識別することができる。
本発明の低解像度撮像装置500は、様々な検体から様々な影響を受ける感応領域102を検出する。これらの感応領域102は様々な形状を有する。次に、本発明の低解像度撮像装置500は、前述のような統計的パターン認識を使用して、様々な分析のために検出結果を分離する。本発明の実施形態において、低解像度検出装置206は、連続して読み取って空間信号を生成する検出器アレイである。
図6は、対象検体を含む試料に暴露された感応領域102と、本発明の低解像度撮像装置500の低解像度検出器によって得られた対応する時間依存または位置依存の連続する低解像度画像602との関係を示す。画像602を検出した低解像度検出装置206は、線形アレイである。低解像度画像内のグレースケールは、画素の信号レベルを示す(グレースケールが明るいほど信号が強い)。
図6に示した感応領域102と低解像度画像602は、円形として示されているが、本発明は、そのような円形に限定されない。さらに、基材100に、それぞれの形状を有しかつそれぞれの対象検体に対応する複数の感応領域102が含まれてもよい。
低解像度画像602は、画素アレイに示す。アレイ内の画素の数が増えるほどアレイの解像度が高くなる。低解像度画像602の縁はグレースケールとして示されており、その濃さは、移動する試料の撮像アレイ506によって得られた画像内の画素の信号レベルに対応する。したがって、プロセッサ208は、前述の特性分析機能または既知のパターン認識手順を実行して、中心を決定し、低解像度画像602の縁を画定し、これにより低解像度画像602が、移動装置109によって低解像度検出装置206に対して移動している試料中の対象検体に暴露された感応領域102に対応するかどうかを判定する。
本発明の低解像度撮像装置500において、感応領域102が低解像度検出装置206に対して移動する速さと基材100上の感応領域の位置は、分かっており、アプリオリデータに含まれる。
低解像度撮像装置500において、異なる形状(例えば、円形、正方形、三角形)の暴露された試料およびしたがって感応領域が、基材上の異なる位置にあってもよいので、複数の異なる検体を単一のアッセイで検出することができる。すなわち、基材上に異なる形状で各対象検体の影響を受ける複数の感応領域があってもよく、そのような形状と形状の位置は、アプリオリデータに含まれてもよく、複数で異なる対象検体を単一アッセイで検出するために本発明の低解像度撮像システム500によって使用されることがある。そのような複数の異なる対象検体は、単一の試料に含まれることも複数の試料にも含まれることもある。
図7は、本発明による低解像度撮像を使用して検体に暴露された基材のアッセイを読み取る方法700のフローチャートである。方法700は、本発明の低解像度撮像装置200または500によって実行される。
702で、本発明の方法700は、基材を照明する。次に、704で、方法700は、基材が対象検体に暴露されたかどうか検出する。この検出は、低解像度検出と基材の感応領域に関するアプリオリデータを使用して、感応領域から反射された照明の第1の部分の特性が、感応領域外の基材から反射された照明の第2の部分の特性と異なるかどうかを判定する。
方法700の実施形態は、また、照明の第1の部分の特性と、照明の第2の部分の特性と、照明の第1の部分と照明の第2の部分の組み合わせの特性の組み合わせに基づいて感応領域の形状を検出する。
方法700の実施形態において、本発明は、感応領域を時間により低解像度検出器に対して移動させるかまたは互いに並列に移動させることによってそのような特性を検出する。
図8は、本発明のアッセイを読み取るもう1つの方法800を示す。802で、本発明の方法800は、基材を照明し、基材は感応領域を含む。次に、804で、方法800は、基材が対象検体に暴露されたかどうか検出する。この検出は、低解像度検出と感応領域に関するアプリオリデータを使用して、感応領域の一方から反射された照明の第1の部分の特性と感応領域の他方から反射された照明の第2の部分の特性の両方のうちのいずれかが、感応領域外の基材から反射された照明の第3の部分の特性と異なるかどうかを判定する。
本発明の方法800は、そのような特性を、感応領域を低解像度検出器に対して移動させるかまたは互いに並列に移動させることによって時間の経過によってあるいは位置によって検出する。
方法800の実施形態は、基材を低解像度検出器に対して移動させ、検出するステップは、さらに、感応領域が低解像度検出器に対して移動しているときに、第1の部分、第2の部分および第3の部分を互いに連続して検出するステップを含む。
方法800の実施形態は、基材から反射された照明部分のそれぞれの特性を検出して、感応領域の様々な各形状に符号化された対象検体を判定する。
本発明の方法700と800の実施形態は、また、感応領域に対応する画像が検出されたかどうかに基づいて感応領域102が対象検体に暴露されたかどうかを判定する。
方法700と800の実施形態において、低解像度検出は、検出された形状が、対象検体に暴露された感応領域のアプリオリデータによって定義された形状に対応しているかどうかを判定する。
方法800の実施形態において、アプリオリデータは、複数の感応領域102に対応するデータを含み、感応領域102は、互いに異なるそれぞれの形状と位置を有し、様々な対象検体の影響を受ける。方法800の実施形態は、さらに、アプリオリデータに基づいて、基材100に付着された試料中に複数の対象検体があるかどうかを判定するステップを含む。
方法700の実施形態において、低解像度画像は、二次元画像であり、低解像度検出は、基材100が静止している間に基材100の画像を読み取ることを含む。
本発明は、高性能な検出器(人間または機械)の使用を必要としない。本発明は、比較的低解像度の低コスト検出器を使用する。本発明の低解像度検出器の例には、試料に暴露された後で基材の低解像度検出を行うために、比較的高価で比較的高い解像度の電荷結合素子(CCD)検出器とCMOS検出器の代わりに、2つ以上の検出器、例えば単位寸法当たり50画素などの単位寸法当たり比較的少ない画素を有する一次元または二次元CMOSセンサ、ウェブカム(ウェブカメラ)、光学式マウス、または携帯電話カメラに使用されているような低解像度CMOS検出器がある。本発明は、また、前述の特性分析機能または当技術分野において既知のソフトウェアパターン認識技術(例えば、エッジ鮮鋭化/検出)を使用して、アプリオリデータによって定義された形状の有無を検出することができる。
本発明が、基材上に存在するものを識別しようとするのではなく、アプリオリデータ(画像検出の前に分かっている情報)を使用して基材の既知の位置に暴露された感応領域があるかどうかを判定するので、本発明は、低解像度検出器を使用してアッセイを読み取り、高解像度撮像検出器を必要としない。
本発明は、特定の形状を有する特徴形状が基材上の予想位置にあるかどうかを判定するためにプロセッサによって実行される従来のエッジ検出機能を使用するので、本発明は、低解像度検出器を使用することができる。そのような従来のエッジ検出機能は、エッジがある場所が演繹的に分かっているので、画像にエッジがあるかどうかとエッジが検出された信頼度を判定する。
本発明において、計算エンジン(プロセッサ)によって行われる検出は、人間の検出と違って予測可能でかつ一貫性があるため有利である。すなわち、本発明は、検出の信頼度がしきいレベルを満たし、従って試料が対応する検体に暴露されたかどうかを判定する。
さらに、本発明において、複数の対象検体を単一のアッセイで検出することができる。基材上にそれぞれの感応領域を異なるようにパターン形成することができ、その結果、本発明の低解像度検出は、アプリオリデータを使用して基材の特定の位置での特定の形状の有無を検出する。さらに、対象検体は、基材上の感応領域102の形状に関して符号化され、本発明は、感応領域102の形状を識別して、基材100が特定の対象検体に暴露されたかどうかを判定する。
本発明において、様々な検体の影響を受ける感応領域が、様々な形状と様々な位置で設定される。本発明は、パターン認識を使用して各対象検体の個別の検出を可能にする。本発明の低解像度検出器は、検出器の一次元アレイを使用して線形画像を検出し連続的に読み取り空間信号の時間バージョンを生成する。
本発明の工業用途には、化学的または生物学的検出、および物質乱用検出がある。
本発明の多くの特性と利点は、詳細な明細から明らかであり、したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の範囲内に含まれる本発明のそのようなすべての特徴と利点を対象として含むものである。さらに、多くの改良と変更が当業者とって容易に行われ、本発明を例示し示した厳密な構造と動作に限定することは望ましくなく、したがって、本発明の範囲内にあるすべての適切な改良物と等価物を用いることができる。
図1Aおよび図1Bは、検体に暴露する前と後の基材上の感応領域を示す図である。 本発明の基材上の感応領域に付着された試料のアッセイ読取り装置を示す図である。 図3A、図3B、図3C、図3D、図3E、図3F、図3G、図3H、図3Iは、本発明による基材および検出器応答を示す図である。 暴露された試料とそれに対応する低解像度画像とを示す図である。 本発明の線形撮像アレイを含む基材上の感応領域に付着された試料のアッセイ読取り装置を示す図である。 本発明の暴露された試料と線形アレイ上の対応する時間による低解像度画像を示す図である。 本発明による低解像度撮像を使用して検体に暴露された基材のアッセイを読み取る方法のフローチャートである。 本発明による低解像度撮像を使用して検体に暴露された基材のアッセイを読み取る別の方法のフローチャートである。
符号の説明
100 基材
102 感応領域
103 感応領域外の基材領域
200 低解像度検出

Claims (10)

  1. 感応領域を含む基材を照明するステップと、
    前記基材が対象検体に暴露されたかどうかを検出するステップであって、低解像度検出と前記感応領域に関するアプリオリデータとを使用して、前記感応領域から反射された前記照明の第1の部分の特性が、前記感応領域外の基材から反射された前記照明の第2の部分の特性と異なるかどうかを判定することを含むステップと
    を含むアッセイを読み取る方法。
  2. 前記照明の前記第1の部分の前記特性と、前記照明の前記第2の部分の前記特性と、前記照明の前記第1の部分および前記照明の前記第2の部分の組み合わせの特性とのある組み合わせに基づいて前記感応領域の形状を検出するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
  3. 第1の画素における信号レベルを検出して前記第1の部分の特性を決定するステップと、
    第2の画素における信号レベルを検出して前記第2の部分の特性を決定するステップと、
    第3の画素における信号レベルを検出して前記第1の部分および前記第2の部分の組み合わせの特性を決定するステップと
    をさらに含む請求項2に記載の方法。
  4. スペクトル強度を検出して前記第1の部分の前記特性を決定するステップと、
    スペクトル強度を検出して前記第2の部分の前記特性を決定するステップと、
    スペクトル強度を検出して前記第1の部分および前記第2の部分の前記組み合わせの前記特性を決定するステップと
    をさらに含む請求項2に記載の方法。
  5. 前記基材を移動させるステップと、
    前記移動させるステップの間に、前記照明の前記第1の部分と、前記照明の前記第2の部分と、前記照明の前記第1の部分および前記照明の前記第2の部分の前記組み合わせとを連続して検出するステップと
    をさらに含む請求項2に記載の方法。
  6. 前記照明の前記第1の部分と、前記照明の前記第2の部分と、前記照明の前記第1の前記部分および前記照明の前記第2の部分の前記組み合わせとを並列に検出するステップをさらに含む請求項2に記載の方法。
  7. 前記第1の画素における信号レベルを検出して前記第1の部分の前記特性を決定するステップと、
    前記第2の画素における信号レベルを検出して前記第2の部分の前記特性を決定するステップと
    をさらに含む請求項1に記載の方法。
  8. フィルタリングした信号レベルを検出して前記第1の部分の前記特性を決定するステップと、
    フィルタリングした信号レベルを検出して前記第2の部分の前記特性を決定するステップと
    をさらに含む請求項1に記載の方法。
  9. 前記基材を移動させるステップと、
    前記移動させるステップの間に前記照明の前記第1の部分および前記照明の前記第2の部分を連続して検出するステップと
    をさらに含む請求項1に記載の方法。
  10. 前記照明の前記第1の部分および前記照明の前記第2の部分を並列に検出するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
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